(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プログラムモジュールは、ユーザが前記利用可能なネットワークの1つを選択するように要求する、前記電子機器の前記ユーザへのメッセージを受信する命令を更に含む、請求項1に記載の電子機器。
通信管理システムを備えるコンピュータシステムであって、前記通信管理システムは、 セルラー電話ネットワークを介した前記電子機器との通信に基づいて前記電子機器の近似位置を判断し、
前記セルラー電話ネットワークパフォーマンスが制約される場合、前記判断された電子機器の近似位置に基づいて決定された利用可能なネットワークのリスト及び関連のアクセス資格証明を前記電子機器に前記セルラー電話ネットワークを介して供給し、前記利用可能なネットワークは、前記セルラー電話ネットワーク以外であり、かつ、セルラー電話通信技法以外の通信技法を使用し、
前記利用可能なネットワークからのネットワークの選択を前記セルラー電話ネットワークを介して前記電子機器から受信し、並びに
前記電子機器との通信を前記セルラー電話ネットワークから前記選択されたネットワークに遷移するように構成される、コンピュータシステム。
【発明の概要】
【0004】
本記載の実施形態は、別の電子機器、及び通信サービスを電子機器に供給するコンピュータシステム(又はサーバ)と無線で通信する電子機器を含む。動作中、コンピュータシステムは、セルラー電話ネットワークを介した電子機器との通信に基づいて、電子機器(セルラー電話など)の近似位置を判断する。セルラー電話ネットワークパフォーマンスが制約されたり又は低下したりした場合、コンピュータシステムは、利用可能なネットワークのリスト及び関連のアクセス資格証明を電子機器にセルラー電話ネットワークを介して供給するが、利用可能なネットワークは、セルラー電話ネットワーク以外であり、かつ、セルラー電話通信技法以外の通信技法を使用する。例えば、通信技法は、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11プロトコルを含むことができる。その後、コンピュータシステムは、利用可能なネットワークからのネットワークの選択をセルラー電話ネットワークを介して電子機器から受信する。次に、コンピュータシステムは、電子機器との通信をセルラー電話ネットワークから選択されたネットワークに遷移する。
【0005】
一部の実施形態では、コンピュータシステムは、ユーザが利用可能なネットワークの1つを選択するように要求するメッセージを電子機器のユーザに供給する。したがって、コンピュータシステム及び/又は電子機器は、電子機器のユーザによるアクションの有無を問わず、これらのアクションを行うことができる。
【0006】
尚、利用可能なネットワークは、セルラー電話ネットワークのプロバイダ以外の組織と関連づけることができる。例えば、利用可能なネットワークとしては、Wi−Fi(商標)ホットスポットを挙げることができる。
【0007】
一部の実施形態では、コンピュータシステムは、近似位置に基づいて、利用可能なネットワークのリスト及び関連の資格証明を調べる。
【0008】
別の実施形態は、コンピュータシステムにより実行される動作の少なくとも一部を含む方法を提供する。
【0009】
コンピュータシステムにより実行される動作は、ハードウェア及び/又はソフトウェアにおいて実行することができる。例えば、動作の少なくとも一部は、コンピュータシステム内の通信管理システムにより実行することができる。あるいは又は更に、別の実施形態は、コンピュータシステムと共に使用されるコンピュータプログラム製品を提供する。このコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムにより実行される動作の少なくとも一部の命令を含む。
【0010】
記載の実施形態では、電子機器は、ネットワーク(利用可能なネットワークの1つなど)を選択する。特に、動作中、電子機器は、セルラー電話ネットワークを介して通信する。その後、電子機器は、利用可能なネットワークのリスト及び関連のアクセス資格証明をセルラー電話ネットワークを介して受信し、利用可能なネットワークは、セルラー電話ネットワーク以外であり、かつ、セルラー電話通信技法以外の通信技法を使用する。電子機器は、通信基準に基づいて、ネットワークを利用可能なネットワークから選択し、通信基準は、電子機器との近接度、信号強度、セキュリティ、及び/又は通信品質を含む。更に、電子機器は、選択されたネットワークを指定する情報をセルラー電話ネットワークを介して供給する。次に、電子機器は、電子機器との通信をセルラー電話ネットワークから選択されたネットワークに遷移する命令を受信する。
【0011】
一部の実施形態では、電子機器は、ユーザが利用可能なネットワークの1つを選択するように要求する電子機器のユーザへのメッセージを受信する。
【0012】
別の実施形態は、電子機器により実行される動作の少なくとも一部を含む方法を提供する。
【0013】
電子機器により実行される動作は、ハードウェア及び/又はソフトウェアにおいて実行することができる。例えば、動作の少なくとも一部は、電子機器内のネットワークサブシステムにより実行することができる。あるいは又は更に、別の実施形態は、電子機器と共に使用されるコンピュータプログラム製品を提供する。このコンピュータプログラム製品は、電子機器により実行される動作の少なくとも一部の命令を含む。
【発明を実施するための形態】
【0015】
尚、同様の参照番号は、図面を通して対応する部品を指す。更に、同じ部品の複数の実例は、ダッシュにより実例番号から分離された共通の接頭辞により指定される。
【0016】
図1は、無線で通信している一群の電子機器110を含むシステム100を示すブロック図を示す。特に、電子機器110(セルラー電話など)は、セルラー電話ネットワークを介して互いに情報を通信し合う。電子機器110とセルラー電話ネットワーク内(セル電波塔112など)の1つ以上のセルに関連した1つ以上のセル電波塔との間の通信に基づいて、コンピュータシステム(サーバなど)114(及び、より一般的には、通信管理システム)は、電子機器110(電子機器110−1など)の少なくとも1つの近似位置116を判断することができる。例えば、近似位置116は、現在のセル電波塔、現在のセル識別子、現在の都市名などに基づいて判断することができる。
【0017】
その後、セルラー電話ネットワークのパフォーマンスが制約されたり、又は低下したりした場合(例えば、不十分な帯域幅又は能力である場合、多数の通話の途切れなどがある場合がある)、コンピュータシステム114は、利用可能なネットワークのリスト及び関連のアクセス資格証明(電子機器110−1がネットワークに接続することを可能にするパスワード、アドレス情報及び/又はチャネル情報など)を電子機器110−1にセルラー電話ネットワークを介して供給する。例えば、近似位置116に基づいて、コンピュータシステム114は、利用可能なネットワークのリスト及び関連の資格証明を調べることができ、かつ、この情報を電子機器110−1に通信することができる。
【0018】
尚、利用可能なネットワークは、セルラー電話ネットワーク以外とすることができ、かつ、セルラー電話通信技法以外の通信技法を使用することができる。例えば、通信技法は、IEEE 802.11プロトコル又は規格など無線LANを含むことができる。より一般的には、通信技法は、通常、名前(サービスセット識別子つまりSSIDなど)により識別され、かつ、通常は固定位置にてあるとともにインターネットに結合されていることが多いアクセスポイント(アクセスポイント118など)を含む、いわゆる「インフラストラクチャネットワーク」内で使用することができる。電子機器は、インフラストラクチャネットワーク発見してこれに接続した後、アクセスポイントを介して互いと通信することができる(例えば、電子機器Bに電子機器Aから送られるフレーム内にカプセル化される各パケットは、アクセスポイント118を通過することができる)。しかしながら、通常はインターネットに接続されておらず、ネットワーク名がないピアツーピアリンクなど、多種多様な通信技法を使用することができる(実際、「ネットワーク」が本質的にない場合があり、電子機器は、ピアツーピアリンクにシームレスに参加したり、又はこれを出たりすることができる)。ピアツーピアリンクでは、電子機器同士が、直接に通信する(すなわち、パケットは再送されない)。したがって、ピアツーピアリンクでは、通信は、アクセスポイント118又は別の電子機器110を介しては発生しない。ピアツーピアリンクの例としては、Apple Wireless Direct LinkつまりAWDL(Cupertino、CaliforniaのApple Inc.製)及びBluetooth(登録商標)(Kirkland、WashingtonのBluetooth Special Interest Group製)がある。
【0019】
以下で論じる内容では、Wi−Fi(商標)(Texas州AustinのWi−Fi Alliance製)が、通信技法の例示的な例として使用される。したがって、利用可能なネットワークは、Wi−Fi(商標)ホットスポットを含むことができる。更に、利用可能なネットワークは、セルラー電話ネットワークのプロバイダ以外の1つ以上の組織に関連づけることができる。
【0020】
コンピュータシステム114は、利用可能なネットワークのリスト及び関連の資格証明を供給した後に、利用可能なネットワークからのネットワークの選択(又は、選択を指定する情報)をセルラー電話ネットワークを介して電子機器110−1から受信する。この選択は、電子機器110−1のユーザによるアクションの有無を問わず実行することができる(すなわち、選択は、受動的であるか、又はユーザアクションにより「能動的に有効化される」場合がある)。例えば、電子機器110−1は、コンピュータシステム114からの利用可能なネットワークのリスト及び関連のアクセス資格証明の受信に応じて選択を自動的に行うことができる。あるいは、一部の実施形態では、コンピュータシステム114は、セルラー電話ネットワークを介して、ユーザが利用可能なネットワークの1つを選択するように要求するメッセージを電子機器110−1のユーザに供給する。このメッセージを電子機器110−1上で表示することができ、ユーザの選択をセルラー電話ネットワークを介して電子機器110−1によりコンピュータシステム114に供給することができる。どちらの場合でも、利用可能なネットワークからのネットワークの選択は、電子機器110−1との近接度(例えば、選択されたネットワークに関連したアクセスポイント又はアンテナは、電子機器110−1から20m以内とすることができる),信号強度、利用可能なネットワークのセキュリティ、及び/又は通信品質(レイテンシー、エラー率、再送率など)など通信基準に基づくことができる。
【0021】
次に、コンピュータシステム114は、電子機器110−1との通信をセルラー電話ネットワークから選択されたネットワークに遷移する。例えば、セルラー電話ネットワークを介して、コンピュータシステム114は、電子機器110−1との通信をセルラー電話ネットワークから選択されたネットワークに遷移する命令を電子機器110−1に供給することができる。これらの命令は、電子機器110−1は選択されたネットワークに関連した資格証明を使用して選択されたネットワークにアクセスするべきであると指示することができる。電子機器110−1が選択されたネットワークに失敗せずにアクセスした後に、電子機器110−1は、セルラー電話ネットワーク及び/又は選択されたネットワークを介してハンドオフメッセージをコンピュータシステム114に供給することができる。あるいは又は更に、コンピュータシステム114は、ネットワーク120(インターネットなど)を介して、選択されたネットワークに関連した組織により操作されるサーバ122に接続してサービスを電子機器110−1に供給するように指示することができる。
【0022】
このようにして、遷移サービスのこの技法は、電子機器110−1のユーザに対するパフォーマンスの継続性をもたらすことができる。更に、セルラー電話ネットワークからの選択されたネットワークへの遷移は、シームレスとすることができ、ユーザは、サービスを失ったり、通話の途切れを経験したり、又は通信低下があったりはしない。
【0023】
ここで、遷移サービス技法を更に説明する。
図2は、通信サービスを提供し、及び/又はシステム100内のネットワーク(
図1)を選択するプロセス200を示すフローチャートを示す。このプロセス中に、コンピュータシステム114は、セルラー電話ネットワーク208を介した通信(動作210)に基づいて電子機器110−1の近似位置を判断する(動作212)。コンピュータシステム114がセルラー電話ネットワーク208のパフォーマンスが制約されたり、又は低下したりしたと判断した(動作214)場合、コンピュータシステムは、利用可能なネットワークのリスト及び関連のアクセス資格証明を供給し(動作216)、電子機器110−1は、セルラー電話ネットワーク208を介して該リストを受信する(動作218)。一部の実施形態では、コンピュータシステム114は、ユーザが利用可能なネットワークの1つを選択するように要求するメッセージを電子機器110−1のユーザに供給する。
【0024】
その後、電子機器110−1は、例えば、通信基準に基づいてネットワークを利用可能なネットワークから選択する(動作220)。更に、電子機器110−1は、セルラー電話ネットワーク208を介して選択を供給し(動作222)、コンピュータシステム114は、セルラー電話ネットワーク208を介して該選択を受信する(動作224)。選択に応じて、コンピュータシステム114は、セルラー電話ネットワーク208から選択されたネットワークに電子機器110−1との通信を遷移する(動作226)。これは、電子機器110−1との通信をセルラー電話ネットワーク208から選択されたネットワークに遷移する命令を電子機器110−1に供給するステップを含むことができる。
【0025】
プロセス200の一部の実施形態では、更なる又はより少ない動作がある場合がある。更に、動作の順番を変えることができ、及び/又は2つ以上の動作を単一の動作に結合することができる。
【0026】
例示的な実施形態では、移送サービスの技法が、セルラー電話で見つかるものと類似であるWi−Fi(商標)ネットワークへ又は該ネットワークから遷移するときのユーザ経験をもたらすために使用される。特に、ユーザがセルラー電話を使用するとき、サービスは、ユーザがセル間で移動するときに円滑に移送される。先行して論じたコンテキストでは、セルラー電話ネットワークは、Wi−Fi(商標)ネットワークとの接続を確立するために使用することができ、このプロセスにおいて、セルラー電話ネットワーク内の動作負荷の一部をオフロードすることができる。この手法は、より低電力で、より高い帯域幅のWi−Fi(商標)ネットワークがセルラー電話ネットワークにより提供されるサービスを補足するか、又は該サービスに取って代わることを可能にすることができる。Wi−Fi(商標)ネットワークはより短い範囲を有するので、ユーザ位置の追跡、及び(通信基準に基づいた)電子機器におけるセクション能力の付与は、電子機器及び/又は電子機器のユーザにより選択されるべき所与の時間及び/又は位置での好適な又は最良のネットワークを可能にすることができる。
【0027】
ここで、コンピュータシステム及び電子機器を更に説明する。
図3は、
図1のコンピュータシステム114などコンピュータシステム300を例示するブロック図を示す。コンピュータシステム300は、処理サブシステム310と、メモリサブシステム312と、通信インターフェース314とを含むことができる。
【0028】
処理サブシステム310は、計算動作を実行する1つ以上の機器を含むことができる。例えば、処理サブシステム310は、1つ以上のマイクロプロセッサーと、特定用途向け集積回路(ASIC)と、マイクロコントローラ及び/又はプログラマブル論理回路とを含むことができる。処理サブシステム310は、ハードウェア依存タスクを実行する様々な基本的なシステムサービスを取り扱う手続き(又は命令セット)を含むオペレーティングシステム322(メモリサブシステム312内に記憶)を実行することができる。
【0029】
メモリサブシステム312は、処理サブシステム310及び通信インターフェース314のデータ及び/又は命令を記憶する1つ以上の機器を含むことができる。例えば、メモリサブシステム312は、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)と、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)及び/又は他の形式のメモリとを含むことができる。(より一般的には、メモリサブシステム312は、情報を記憶するように構成される揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含むことができる)更に、メモリサブシステム312は、メモリへのアクセスを制御する機構部を含むことができる。一部の実施形態では、メモリサブシステム312は、コンピュータシステム300においてメモリに結合された1つ以上のキャッシュを含むメモリ階層を含む。あるいは又は更に、これらの実施形態の一部では、キャッシュの1つ以上は、処理サブシステム310内に位置する。
【0030】
更に、メモリサブシステム312を1つ以上の大容量の大容量記憶装置(図示せず)に結合することができる。例えば、メモリサブシステム312を磁気又は光学ドライブ、ソリッドステートドライブ、又は別の形式の大容量記憶装置に結合することができる。これらの実施形態では、メモリサブシステム312は、使用頻度が高いデータの高速アクセス記憶装置としてコンピュータシステム300が使用することができ、一方、大容量記憶装置は、使用頻度が高くないデータを記憶するために使用することができる。
【0031】
通信インターフェース314は、(例えば、ネットワーク動作を実行する)ネットワークに結合して該ネットワークで通信する1つ以上の装置を含むことができる。このネットワークとしては、インターネット、ワールドワイドウェブ(WWW)、イントラネット、セルラー電話ネットワーク、LAN、WAN、MAN、若しくはネットワークの組み合わせ、又はコンピューティングシステム間の通信を可能にする他の技術を挙げることができる。一部の実施形態では、通信インターフェース314は、持続的な通信接続を行う。
【0032】
コンピュータシステム300内では、バス316を使用して、処理サブシステム310、メモリサブシステム312、通信インターフェース314を共に結合することができる。バス316は、サブシステムがお互い間でコマンド及びデータを伝達するために使用することができる電気的、光学的、又は電気光学的接続部とすることができる。1本のバス316のみが明瞭さを期すために図示されているが、実施形態が異なれば、サブシステム間で含むことができる電気的、光学的、若しくは電気光学的接続部の数又は構成も異なる。
【0033】
コンピュータシステム300は、パーソナルコンピュータ又はデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバ、ワークステーション、(クライアントサーバアーキテクチャ内の)クライアントコンピュータ、試験設備、及び/又は別の電子機器を含むことができる。ここで論じる内容では、「コンピュータ」又は「コンピュータシステム」は、コンピュータ可読データを操作するか、又はネットワークで2つ以上のコンピュータシステム間でそのようなデータを伝達することができる(同じ又は遠隔位置の)1つ以上の電子機器を含む。
【0034】
特定のコンポーネントを使用してコンピュータシステム300を説明するが、代替実施形態では、異なるコンポーネント及び/又はサブシステムが、コンピュータシステム300内に存在する場合がある。例えば、コンピュータシステム300は、1つ以上の更なる処理サブシステム310と、メモリサブシステム314、及び/又は通信インターフェース314とを含むことができる。更に、サブシステムの1つ以上が、コンピュータシステム300に存在しない場合がある。更に、一部の実施形態では、コンピュータシステム300は、
図3に図示されていない1つ以上の更なるサブシステムを含むことができる。また、別個のサブシステムが
図3に図示されているが、一部の実施形態では、所与のサブシステムの一部又は全部をコンピュータシステム300内の他のサブシステムの1つ以上に一体化することができ、及び/又はコンピュータシステム300内のコンポーネントの位置を変えることができる。
【0035】
サービスを移送する技法をハードウェア及び/又はソフトウェアにおいて実行することができるが、この技法における動作の少なくとも一部は、1つ以上のプログラムモジュール、又は処理サブシステム310により実行することができる命令セット(メモリサブシステム312内に記憶された通信モジュール324など)により実行される。1つ以上のコンピュータプログラムは、コンピュータプログラム機構部を構成することができる。更に、メモリサブシステム312内の様々なモジュール内の命令は、高水準手続き型言語、オブジェクト指向プログラム言語、及び/又はアセンブリ言語又は機械語で実施することができる。尚、プログラム言語は、処理サブシステム310により実行されるように、たとえば構成可能とすることができるか又は構成することができ、コンパイル又は解釈実行することができる。
【0036】
先に論じたように、通信インターフェース314及び通信モジュール324は、コンピュータシステム300がセルラー電話ネットワーク(1つ以上の基地局及びセル電波塔を含む)と相互作用することを可能にすることができる。伝達された情報を使用して、通信管理システム又は機構部326は、電子機器330の近似位置328を追跡し、ネットワークパフォーマンス332をモニタリングし、利用可能なネットワーク334のリスト及び関連の資格証明336を保守し、ネットワークパフォーマンス332に基づいて、必要に応じて、利用可能なネットワーク334のリスト及び関連の資格証明336を電子機器330の1つ以上供給し、選択されたネットワーク338を電子機器330の少なくとも1つから受信して、サービスをセルラー電話ネットワークから選択されたネットワーク338に遷移する命令を供給することができる。
【0037】
一部の実施形態では、任意選択的な認証モジュール340は、利用可能なネットワーク334のリスト及び関連の資格証明336を供給する前に電子機器330の少なくとも1つ及び/又は電子機器330の少なくとも1つのユーザを認証することができる。例えば、認証するステップは、電子機器330の少なくとも1つの識別子(電子機器が信頼されたユーザにより所有されていることを示す通し番号など)を受信するステップと、電子機器330の少なくとも1つからデジタル証明書(電子機器が安心して利用可能なネットワーク334の1つにアクセスするのを任せることができることを示す第三者からの証明書など)を受信するステップと、電子機器330の少なくとも1つからアクセスコード(暗証番号又はPINなど)を受信するステップと、及び/又はコンピュータシステム300により供給された電子機器330の少なくとも1つからチャレンジ(セキュリティに関する質問など)に対する応答を受信するステップとを伴うことができる。
【0038】
更に、一部の実施形態では、電子機器330の少なくとも1つとの通信は、任意選択的な暗号化モジュール342により(例えば、暗号化キーを使用して)暗号化される。
【0039】
図4は、
図1の電子機器110の1つなどの電子機器400を示すブロック図を示す。電子機器400は、処理サブシステム410と、メモリサブシステム412と、ネットワークサブシステム414とを含むことができる。
【0040】
処理サブシステム410は、計算動作を実行する1つ以上の機器を含むことができる。例えば、処理サブシステム410は、1つ以上のマイクロプロセッサーと、特定用途向け集積回路(ASIC)と、マイクロコントローラ及び/又はプログラマブル論理回路とを含むことができる。処理サブシステム410は、ハードウェア依存タスクを実行する様々な基本的なシステムサービスを取り扱う手続き(又は命令セット)を含むオペレーティングシステム422(メモリサブシステム412内に記憶)を実行することができる。
【0041】
メモリサブシステム412は、処理サブシステム410及びネットワークサブシステム414のデータ及び/又は命令を記憶する1つ以上の機器を含むことができる。例えば、メモリサブシステム412は、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)と、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)及び/又は他の形式のメモリとを含むことができる。(より一般的には、メモリサブシステム412は、情報を記憶するように構成される揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含むことができる)更に、メモリサブシステム412は、メモリへのアクセスを制御する機構部を含むことができる。一部の実施形態では、メモリサブシステム412は、電子機器400においてメモリに結合された1つ以上のキャッシュを含むメモリ階層を含む。あるいは又は更に、これらの実施形態の一部では、キャッシュの1つ以上は、処理サブシステム410内に位置する。
【0042】
更に、メモリサブシステム412を1つ以上の大容量の大容量記憶装置(図示せず)に結合することができる。例えば、メモリサブシステム412を磁気又は光学ドライブ、ソリッドステートドライブ、又は別の形式の大容量記憶装置に結合することができる。これらの実施形態では、メモリサブシステム412は、使用頻度が高いデータの高速アクセス記憶装置として電子機器400が使用することができ、一方、大容量記憶装置は、使用頻度が高くないデータを記憶するために使用することができる。
【0043】
ネットワークサブシステム414は、(例えば、ネットワーク動作を行う)有線及び/又は無線ネットワークに結合して、該ネットワーク上で通信する1つ以上の機器を含むことができる。例えば、ネットワークサブシステム414としては、Bluetooth(登録商標)ネットワークシステム、セルラーネットワークシステム(例えば、UMTS、LTEなどの3G/4Gネットワーク)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ネットワークシステム、IEEE 802.11で説明されている規格に基づいてネットワークシステム、(例えば、Wi−Fi(商標)ネットワークシステム)イサーネット又はIEEE 802.3ネットワークシステム及び/又は別のネットワークシステムを挙げることができる。
【0044】
ネットワークサブシステム414は、プロセッサと、制御装置と、無線/アンテナと、ソケット/プラグと、及び/又は各サポートされたネットワークシステムに結合し、該ネットワークシステム上で通信し、かつ、該ネットワークシステムのデータ及びイベントを取り扱うのに使用される他の機器とを含むことができる。以下の説明では、各ネットワークシステムに結合し、各ネットワークシステム上で通信し、各ネットワークシステムのネットワーク上でデータ及びイベントを取り扱うのに使用される機構部を、集合的にネットワークシステムの「インターフェース」又は「ネットワークインターフェース」という。尚、一部の実施形態では、機器間の「ネットワーク」は、まだ存在しない。したがって、電子機器400は、電子機器間の単純な無線通信を実行する、例えば、ピアツーピアリンクを介して、パケット又はフレームを送信して他の電子機器により送信されたパケットを受信するネットワークサブシステム414における機構部を使用することができる。
【0045】
電子機器400内で、バス416を使用して、処理サブシステム410、メモリサブシステム412及びネットワークサブシステム414を共に結合することができる。バス416は、サブシステムがお互い間でコマンド及びデータを伝達するために使用することができる電気的、光学的、又は電気光学的接続部とすることができる。1本のバス416のみが明瞭さを期すために図示されているが、実施形態が異なれば、サブシステム間で含むことができる電気的、光学的、若しくは電気光学的接続部の数又は構成も異なる。
【0046】
電子機器400は、少なくとも1つのネットワークインターフェースを有する任意の機器とすることができる(又は、該任意の機器内に含めることができる)。例えば、電子機器400は、パーソナル又はデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバ、ワークステーション、(クライアントサーバアーキテクチャ内の)クライアントコンピュータ、メディアプレーヤ(MP3プレーヤなど)、電化製品、サブノート/ネットブック、タブレットコンピュータ、スマートフォン、セルラー電話、試験設備、ネットワーク電化製品、セットトップボックス、携帯情報端末(PDA)、玩具、コントローラ、デジタル信号プロセッサ、ゲームコンソール、デバイスコントローラ、電化製品内計算エンジン、消費者用電子機器(テレビなど)、携帯型コンピューティングデバイス、又は携帯型電子機器、電子手帳及び/又は別の電子機器)とすることができる(又は、これらの中に含めることができる)。ここで論じる内容では、「コンピュータ」又は「コンピュータシステム」は、コンピュータ可読データを操作するか、又はネットワークで2つ以上のコンピュータシステム間でそのようなデータを伝達することができる1つ以上の電子機器を含む。
【0047】
特定のコンポーネントを使用して電子機器400を説明するが、代替実施形態では、異なるコンポーネント及び/又はサブシステムが、電子機器400内に存在する場合がある。例えば、電子機器400は、1つ以上の更なる処理サブシステム410と、メモリサブシステム412及び/又はネットワークサブシステム414とを含むことができる。更に、サブシステムの1つ以上が、電子機器400に存在しない場合がある。更に、一部の実施形態では、電子機器400は、
図4に図示されていない1つ以上の更なるサブシステムを含むことができる。電子機器400は、ディスプレイ上で情報を表示するディスプレイサブシステム、データ収集サブシステム、音声及び/又は映像サブシステム、アラームサブシステム、メディア処理サブシステム及び/又は入出力(I/O)サブシステムを含むことができるがこれらに限定されない。また、別個のサブシステムが
図4に図示されているが、一部の実施形態では、所与のサブシステムの一部若しくは全部を電子機器400内の1つ以上の他のサブシステムに一体化することができ、及び/又は電子機器400内のコンポーネントの位置を変えることができる。
【0048】
ここで、更にネットワークサブシステム414を説明する。
図4に示すように、ネットワークサブシステム414は、無線418と構成機構部420とを含むことができる。無線418は、無線信号を電子機器400から送信して、電子機器400での信号を他の電子機器から受信するのに使用されるハードウェア及び/又はソフトウェア機構部を含むことができる。本明細書に記載の機構部を除き、無線418などの無線は、通常、当技術分野で公知であり、したがって詳細には説明しない。
【0049】
ネットワークサブシステム414は任意の数の無線418を含むことができるが、1つの無線418を有する実施形態を本明細書で説明する。しかしながら、複数無線の実施形態における無線418は、記載の単一無線の実施形態と同様に機能することに留意されたい。
【0050】
無線418内の構成機構部420は、所与のチャネル(例えば、所与の搬送周波数)で送信及び/又は受信するように無線を構成するために使用される1つ以上のハードウェア及び/又はソフトウェア機構部を含むことができる。例えば、一部の実施形態では、構成機構部420は、IEEE 802.11仕様書に記載されている2.4GHz及び5GHz帯域のチャネル内の所与のチャネル上でのモニタリング及び/又は送信から異なるチャネル上でのモニタリング及び/又は送信に無線418を切り替えるために使用することができる。(尚、本明細書で使用するときの「モニタリング」は、信号を他の電子機器から受信して、受信された信号に関しておそらく1つ以上の処理ステップを実行するステップ、例えば、受信された信号がメッセージ又は要求などを有するフレームを含むかどうか判断するステップを含む)
【0051】
ネットワークサブシステム414は、電子機器400が別の電子機器と無線で通信することを可能にすることができる。これは、電子機器が初期の接触を行うことを可能にするために無線チャネル上でパケットで広告フレームを送信する(例えば、マルチキャストする)ステップと、次に、(おそらく初めにマルチキャストされた広告フレーム内の情報に基づいて)その後のデータ/管理フレームを交換して、既存の無線ネットワーク(インフラストラクチャネットワークなど)を確立及び/若しくは該無線ネットワークに参加するステップと、通信セッション(例えば、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコルセッションなど)を確立するステップと、セキュリティ選択肢(例えば、インターネットプロトコルセキュリティ)を構成するステップと、並びに/又は他の理由でデータ/管理フレームを交換するステップとを含むことができる。尚、広告フレームは、電子機器400が別の電子機器の1つ以上の特性を判断することを可能にする情報を含むことができる。電子機器400は、この情報を使用して、他の電子機器と少なくともどのように/いつ通信したらよいか判断することができる。同様に、データ/管理フレームは、他の電子機器に、電子機器400と少なくともどのように/いつ通信したらよいか伝達することができる。
【0052】
更に、ネットワークサブシステム414は、電子機器400が、AWDLなどピアツーピアリンクを使用して別の電子機器と無線で通信することを可能にすることができる。AWDLは、ピア及びサービス発見を行うためにzero configuration networking規格などの上位プロトコルと一体化することができるピアツーピアマルチキャスト及びユニキャストデータフレーム交換を可能にするアドホックピアツーピアプロトコルである。更に、AWDLにより、AWDL電子機器のサブセットにより送信される周期的同期フレームを利用する同期機構部が実現される。同期機構部は、(AWDL電子機器が時間のウィンドウ、又は該電子機器がブロードキャストされる及びユニキャストされるデータフレームを受信する準備ができていなければならない「可用性ウィンドウ」中に定期的にランデブーするように)時間同期、及び(AWDL電子機器が共通のチャネル上で及び共通の期間、すなわち、可用性ウィンドウ中に集まることを可能にする)チャネル同期を行うことができる。
【0053】
電子機器400においてフレーム(及び、より一般的にはペイロード)を処理するステップは、符号化された/含まれたフレームを有する無線信号を受信するステップと、メッセージ又は要求を取得するために受信された無線信号を復号する/該信号からフレームを抽出するステップと、フレームを処理してフレーム内に含まれた情報を判断するステップとを含む。尚、フレームは、インフラストラクチャネットワークの名前(例えば、SSID)及びデータを有するペイロードなど、通信情報と共にヘッダを含むことができる。
【0054】
一部の実施形態では、セルラー電話ネットワークからWi−Fi(商標)ネットワークへの遷移サービスの技法は、ネットワークアーキテクチャ内の物理層、リンク層及び/又はネットワーク層においてなど下位ハードウェアを使用して実行される。例えば、この技法は、少なくともある程度、メディアアクセス制御層内で実行される場合がある。しかしながら、他の実施形態では、この技法内の動作の少なくとも一部は、処理サブシステム410が実行することができる、1つ以上のプログラムモジュール又は命令セット(メモリサブシステム412内に記憶された任意選択的な通信モジュール424など)により行われる。(一般に、この技法は、当技術分野で公知であるように、実行されることが、ハードウェアにおいては多く、ソフトウェアにおいては少なく、又はハードウェアにおいては少なく、ソフトウェアにおいては多い場合がある。)1つ以上のコンピュータプログラムが、コンピュータプログラム機構部を構成する場合がある。更に、メモリサブシステム412内の様々なモジュール内の命令は、高水準手続き型言語、オブジェクト指向プログラム言語、及び/又はアセンブリ言語又は機械語で実施することができる。尚、プログラム言語は、プログラミングサブシステム410により実行されるように、たとえば構成可能とすることができるか又は構成することができ、コンパイル又は解釈実行することができる。
【0055】
例えば、先に論じたように、選択モジュール426は、利用可能なネットワーク334のリスト及び関連の資格証明336をネットワークサブシステム414を介して受信することができる。その後、選択モジュール426は、1つ以上の通信基準428に基づいてネットワーク338を選択することができ、かつ、ネットワークサブシステム414を介してこれを伝達することができる。一部の実施形態では、選択モジュール426は、ディスプレイ432上で表示されるメッセージ430をネットワークサブシステム414を介して受信する。このメッセージは、電子機器400のユーザが利用可能なネットワーク334の1つを選択するように要求することができ、ユーザの応答は、選択されたネットワーク338を指定することができる。ユーザを選択を行うのを支援するために、通信基準428の1つ以上を表示することもできる。
【0056】
前出の説明では、「一部の実施形態」に言及している。尚、「一部の実施形態」では、可能な実施形態の全てのサブセットを説明しているが、必ずしも実施形態の同じサブセットを指定しているわけではない。
【0057】
尚、説明した実施形態は、現行のIEEE 802.11無線チャネルなど既存インフラストラクチャネットワークへの遷移サービス、又はIEEE 802.11で説明されているネットワーク方式に限定されないものとする。例えば、一部の実施形態は、802.11仕様書の(すなわち、IEEE 802.11ad規格を用いた)新しく提案された60GHzの帯域を使用することができる。
【0058】
前述の説明は、当業者が本開示を製作及び使用することを可能にすることが意図されており、特定の用途及び要件というコンテキストにおいて行われている。更に、本開示の実施形態の前述の説明は、例示及び説明のみを目的として提示したものである。網羅的であること、又は開示した形態に本開示を限定しないものとする。したがって、多くの改変及び変形が、当業者に明らかであろうし、本明細書で定義される一般原則は、本開示の趣旨と範囲から逸脱することなく他の実施形態及び用途に適用することができる。更に、前出の実施形態に関して論じた内容は、本開示を限定しないものとする。したがって、本開示は、示す実施形態に限定されないものとし、本明細書で開示する諸原理及び特徴と合致する最も広い範囲を与えられるものとする。