(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハウジングの径方向の厚さが、前記吸気口から前記排気口に向かって減少する、または、一定の部位を含みつつ減少する、請求項1ないし6のいずれかに記載のファン。
前記一方の部分ハウジングと前記他方の部分ハウジングとが分離した状態から軸方向に近づけた場合に、前記複数の突出部が、前記他方の部分ハウジングに接することにより径方向外方へと一旦弾性変形した後に径方向内方へと戻ることにより、前記複数の突出部がそれぞれ前記複数の凹部と軸方向に係合し、
前記他の複数の突出部の径方向外側の面が、前記他の複数の凹部と接する、請求項1ないし9のいずれかに記載のファン。
前記中心軸を含む面による前記ハウジングの前記内周面の断面が、前記吸気口と前記排気口との間に、下方に向かって前記中心軸から離れる直線を含む、請求項1ないし13のいずれかに記載のファン。
前記中心軸を含む面による前記ハウジングの前記内周面の断面の、前記吸気口と前記排気口との間の部位が、下方に向かって、前記中心軸に対する傾斜角度が小さくなる、請求項13に記載のファン。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、
図1に示すファン1の中心軸J1方向における上側を単に「上側」と呼び、下側を単に「下側」と呼ぶ。すなわち、中心軸J1は上下方向を向く。なお、上下方向は、実際の機器に組み込まれたときの位置関係や方向を示すものではない。また、中心軸J1に平行な方向を「軸方向」と呼び、中心軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸J1を中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0010】
図1はファン1を中心軸J1を含む平面で切断した縦断面図である。断面の細部における平行斜線を省略している。ファン1は、いわゆる軸流ファンである。ファン1はインペラ11と、モータ部12と、ハウジング13と、複数のリブ14と、を含む。モータ部12は、中心軸J1を中心としてインペラ11を回転する。ハウジング13は、インペラ11の外周を囲む筒状である。複数の支持リブ14は、モータ部12の下部と、ハウジング13の下部と、を接続する。複数の支持リブ14は、モータ部12の下部から径方向外方へと延びる。
【0011】
インペラ11は、複数の翼111と、筒状部112と、を含む。筒状部112の外周面の直径は、下方に向かって僅かに漸次増大してもよい。複数の翼111は、筒状部112の外周面から径方向外方に延び、周方向に等ピッチにて配置される。なお、
図1では、図示の都合上、翼111およびリブ14の概略形状を中心軸J1の左右に示している。
【0012】
モータ部12は、回転体である回転部121と、固定体である静止部122と、を含む。回転部121は、静止部122の上側に位置する。筒状部112は、回転部121の外周を覆う。回転部121は、ロータホルダ211と、ロータマグネット212と、シャフト213と、を含む。ロータホルダ211は、金属製であり、中心軸J1を中心とする有蓋略円筒状である。ロータマグネット212は、略円筒状であり、ロータホルダ211の内周面に固定される。シャフト213は、ロータホルダ211の蓋部の中央から下方を向く。インペラ11の筒状部は、ロータホルダ211の上面を覆ってもよい。
【0013】
静止部122は、ベース部221と、軸受ホルダ222と、ステータ223と、回路基板224と、軸受225と、を含む。ベース部221は静止部122の下部である。軸受ホルダ222は略円筒状であり、ベース部221の中央から上方に突出する。ステータ223は、軸受ホルダ222の外周面に取り付けられる。回路基板224は、ベース部221とステータ223との間に配置される。ベース部221は、リブ14を介してハウジング13の下部に固定される。
【0014】
軸受ホルダ222内には、2つの軸受225が配置される。軸受225は、シャフト213を中心軸J1を中心として回転可能に支持する。軸受225は、玉軸受でも滑り軸受でもよい。ステータ223は、ロータマグネット212の径方向内側に位置する。ステータ223とロータマグネット212との間で、中心軸J1を中心とするトルクが発生する。
【0015】
ハウジング13は、略円筒状である。インペラ11の回転により、ハウジング13内を下方へと向かう気流が生じる。すなわち、ハウジング13の上部開口は吸気口231であり、下部開口は排気口232である。ハウジング13は、上ハウジング131と、下ハウジング132と、を含む。吸気口231および排気口232の軸方向の位置は、厳密に定められるものではないが、本実施形態では、ハウジング13の内周面133の直径が最も小さい軸方向位置を吸気口231の位置とし、内周面133の下端を排気口232の軸方向位置とする。
【0016】
下ハウジング132の上部は、上ハウジング131の下部と接する。上ハウジング131は、樹脂の射出成型により成型される。下ハウジング132、複数のリブ14およびベース部221も、樹脂の射出成型により、一繋がりの部材として成型される。
【0017】
ハウジング13の内周面133の直径は、吸気口231から排気口232に向かって増大する。
図1の右側に示すように、内周面133の下部では、内周面133の一部が中心軸J1に平行な平面になっている。一方、翼111の径方向外側のエッジ113は内周面133に沿う形状である。すなわち、中心軸J1から複数の翼111のエッジ113までの距離は、吸気口231から排気口232に向かって増大する。このように、軸流ファンを斜流ファンに似た構造とすることにより、同じ程度の大きさのファンにおいて、静圧−風量特性が向上することが確認されている。
【0018】
中心軸J1からエッジ113までの距離は、厳密な意味で、吸気口231から排気口232に向かって漸次増大する必要はない。例えば、僅かに中心軸J1に平行な部位が存在してもよく、上端および下端にて、エッジ113に様々な他の形状が採用されてよい。
【0019】
ハウジング13の外周面134は、上端部および下端部を除いて中心軸J1に平行である。したがって、ハウジング13の径方向の厚さは、吸気口231から排気口232に向かって増大する。これにより、ハウジング13の剛性を確保しつつ風洞を大きくすることができる。なお、外周面134は、中心軸J1に平行でなくてもよい。
【0020】
図2はハウジング13の断面の一部を示す図である。断面を示す平行斜線を省略している。以下の他の図においても適宜平行斜線を省略している。ハウジング13の内周面133の最小径233は、複数の翼111の径方向外側のエッジ113の最外径234よりも小さい。一方、上ハウジング131と下ハウジング132との間の境界135において、ハウジング13の内周面133の直径235は、エッジ113の最外径234よりも大きい。したがって、下ハウジング132内にモータ部12が組み立てられた状態で、上ハウジング131を下ハウジング132上に載せることができる。
【0021】
図3は、上ハウジング131と下ハウジング132とが分離した状態を簡略化して示す斜視図である。
図3では、複数のリブ14およびベース部221の図示を省略している。
図4は上ハウジング131の底面図である。
図5は下ハウジング132の平面図である。
【0022】
上ハウジング131の上端および下ハウジング132の下端は、略矩形である。換言すれば、ハウジング13の上端には、径方向外方に突出する4つの上フランジ部136が位置する。ハウジング13の下端には、径方向外方に突出する4つの下フランジ部137が位置する。複数の下フランジ部137の周方向の位置は、それぞれ複数の上フランジ部136の周方向の位置と一致する。
図1に示すように、上フランジ部136および下フランジ部137には、軸方向に貫通する孔138が設けられる。
図3では、孔138の図示を省略している。ファン1を所定の取付位置に取り付ける際には、孔138にビスが挿入される。
【0023】
図4および
図5に示すように、ハウジング13では、複数の薄肉部236と、複数の厚肉部237とが周方向において交互に配置される。薄肉部236は、厚肉部237よりも径方向の厚さが小さい。複数の厚肉部237の周方向の位置は、上フランジ部136および下フランジ部137の周方向の周方向の位置と一致する。ハウジング13の外周面134は、厚肉部237では円筒状であり、薄肉部236では平面である。
【0024】
ハウジング13は、締結構造24、をさらに含む。締結構造24は、4つの締結要素構造240により構成される。
図3では、1つの締結要素構造240のみを示す。下ハウジング132は、締結構造24の一部として、複数の突出部241、を含む。突出部241は、上ハウジング131に向かって延びる。突出部241は厚肉部237に位置する。上ハウジング131は、締結構造24の一部として、複数の凹部242、を含む。上ハウジング131と下ハウジング132とが締結される際には、複数の突出部241がそれぞれ複数の凹部242に嵌る。
【0025】
下ハウジング132は、締結構造24の一部として、他の複数の突出部243、を含む。以下、突出部243を「補助突出部」と呼ぶ。複数の補助突出部243は、上ハウジング131に向かって延びる。複数の補助突出部243は、それぞれ複数の突出部241の近傍、すなわち、厚肉部237に位置する。上ハウジング131は、締結構造24の一部として、他の複数の凹部244、を含む。以下、凹部244を「補助凹部」と呼ぶ。複数の補助凹部244には、それぞれ複数の補助突出部243が挿入される。
【0026】
締結要素構造240の周方向の位置は、上フランジ部136および下フランジ部137の周方向の位置と一致する。換言すれば、締結要素構造240は、厚肉部237に配置される。これにより、径方向におけるハウジング13の大型化を抑制しつつ、締結構造24を容易に設けることができる。
【0027】
図5の左下の部位では、突出部241の反時計回り方向に隣接して、補助突出部243が位置する。他の3つの突出部241では、時計回り方向に隣接して、補助突出部243が位置する。
図4の右側は
図5の左側に対応する。したがって、
図4の右下の部位では、凹部242の時計回り方向に隣接して、補助凹部244が位置する。他の3つの凹部242では、反時計回り方向に隣接して、補助凹部244が位置する。
【0028】
1つの締結要素構造240にて突出部241と補助突出部243との位置関係を他の締結要素構造240と異ならせることにより、上ハウジング131に対して下ハウジング132が締結可能な下ハウジング132の周方向の位置が、1つのみとなる。その結果、上ハウジング131と下ハウジング132との締結ミスを防止することができる。
【0029】
図6は、突出部241と凹部242との係合を示すハウジング13の縦断面である。
図3および
図6に示すように、突出部241は中央に径方向に貫通する孔251を有する。凹部242は、上ハウジング131の下端から上方へと延びる。凹部242は、上ハウジング131の外周面から径方向内側に窪む溝状である。凹部242の中央には、径方向外方に突出する微小突起252が配置される。
【0030】
図7に示すように、下ハウジング132と上ハウジング131とが分離した状態から軸方向に近づけた場合に、複数の突出部241が、上ハウジング131の微小突起252に接する。これにより、突出部241が径方向外方へと一旦弾性変形し、その後、微小突起252が孔251に嵌り、突出部241が径方向内方へと戻る。その結果、複数の突出部241がそれぞれ複数の凹部242と軸方向に係合する。
【0031】
具体的には、突出部241は、孔251の上側の面を第1接触面245として含む。凹部242は、微小突起252の上面を第2接触面246として含む。第1接触面245の法線は、上ハウジング131から離れる方向を向く。第2接触面246の法線は、下ハウジング132から離れる方向を向く。係合状態において、複数の第1接触面245は複数の第2接触面246にそれぞれ接する。これにより、上ハウジング131と下ハウジング132とが、軸方向に締結される。もちろん、微小突起252が孔251に嵌ることにより、上ハウジング131と下ハウジング132とは、周方向にも締結される。
【0032】
図8は、補助突出部243と補助凹部244との係合を示すハウジング13の縦断面である。
図3および
図8に示すように、補助凹部244は、上ハウジング131の下端から上方へと延びる有底の穴部である。したがって、補助突出部243が補助凹部244に挿入されると、上ハウジング131と下ハウジング132との周方向における相対位置が固定される。
【0033】
ハウジング13では、既述のように、上ハウジング131と下ハウジング132とを締結する際に、突出部241が一時的に径方向外方へと撓む、いわゆる、スナップフィット構造が採用される。したがって、上ハウジング131と下ハウジング132とを分離する方向の力を作用させた場合も、突出部241には径方向外方へと撓ませる力がある程度作用する。しかし、突出部241の近傍に配置される補助突出部243は、穴状の補助凹部244に挿入されているため、補助突出部243は突出部241と共に径方向外方へと撓むことがなく、補助突出部243により突出部241の撓みを抑制することができる。
【0034】
その結果、スナップフィット構造を採用する場合であっても、上ハウジング131と下ハウジング132との間の締結強度、すなわち、径方向に加わる力に対する耐荷重および耐衝撃性を向上することができる。また、締結強度を向上するためにハウジングの厚さを増大させる必要がなく、ハウジングの外径寸法の変更による実機への取り付けへの影響、例えば、用途の限定や実機側の設計変更等、を防止することができる。さらに、補助突出部243および補助凹部244により、締結構造における振動の増幅や締結構造の損傷が抑制される。
【0035】
このような作用を得るためには、補助凹部244は必ずしも穴状である必要はなく、少なくとも、補助突出部243の径方向外側の面が、補助凹部244と接するのみでよい。例えば、補助凹部244は、上ハウジング131の内周に形成され、上ハウジング131の下端から上方に延びる溝状でもよい。
【0036】
上ハウジング131と下ハウジング132とを近づけると、突出部241の先端が凹部242に入る前に、補助突出部243が、
図3に示す上ハウジング131の外周面の溝247に嵌る。これにより、補助突出部243は、締結をガイドするガイド部として機能する。
【0037】
既述のように、ハウジング13の径方向の厚さは下方に向かって漸次減少する。ハウジング13の側壁部に凹部を設けると側壁部の厚さは薄くなる。したがって、凹部242および補助凹部244は、厚さの確保が容易な上ハウジング131に設けることが好ましい。一方、突出部241および補助突出部243を設けるためにはハウジング13の厚さは余り必要でないため、これらは下ハウジング132に設けることが好ましい。これにより、厚さが必要となる締結構造24をハウジング13に容易に設けることができる。なお、薄肉部236では、ハウジング13の下部において、径方向の厚さはおよそ一定である。
【0038】
また、複数の突出部241の周方向の位置と、複数の補助突出部243の周方向の位置とが異なるため、突出部241と補助突出部243とが径方向に干渉せず、境界135においてハウジング13を薄くすることができる。
【0039】
図1の右側に示すように、上ハウジング131と下ハウジング132との境界135は、径方向における段差139を含む。すなわち、径方向に対して平坦でなく、径方向外方に向かって上方へと向かう段差状の部位または下方へと向かう段差状の部位を含む。
図1では、上ハウジング131の下面および下ハウジング132の上面は、ハウジング13の内周面133から径方向外方へと向かい、上方へと向かい、さらに、径方向外方へと向かって外周面134に至る。境界135がこのようなラビリンス構造を有することにより、風洞から外部への風の漏れを抑制することができる。ラビリンス構造では、上ハウジング131の内周部が下方に向かって延びることにより、気流の乱れを抑制することができる。
【0040】
ハウジング13では、複数の突出部241の径方向外側の面は、ハウジング13の外周面134と一致する。すなわち、中心軸J1から突出部241の径方向外側の面までの距離は、中心軸J1からハウジング13の外周面134までの距離に等しい。また、複数の補助突出部243の径方向外側の面は、ハウジング13の外周面134よりも径方向内側に位置する。これにより、ビスを上フランジ部136および下フランジ部137の孔138に挿入する際に、締結要素構造240とビスとの干渉を抑制することができ、ファン1の取り付け作業を容易に行うことができる。また、ハウジング13の外径をビスに接触しない範囲で大きくすることができ、ハウジング13の内径をより大きくすることができる。
【0041】
なお、締結要素構造240とビスとの干渉防止を実現するためには、複数の突出部241の径方向外側の面が、ハウジング13の外周面と一致する、または、ハウジング13の外周面よりも径方向内側に位置し、かつ、複数の補助突出部243の径方向外側の面が、ハウジング13の外周面と一致する、または、ハウジング13の外周面よりも径方向内側に位置すればよい。
【0042】
図1では、図示の都合上、ハウジング13の内周面133の傾斜を実際よりも大きく描いている。また、複数のリブ14は、
図5に示すように複数の静翼であり、湾曲した板状である。以下、リブ14を「静翼」と呼ぶ。
【0043】
図9.Aおよび
図9.Bは、下ハウジング132と静翼14との望ましい接続状態を説明するための図である。複数の静翼14と下ハウジング132との軸方向における接続範囲261に注目した場合、
図9.Aでは、接続範囲261の上端は、下ハウジング132の上端と一致する。すなわち、接続範囲261の上端と下ハウジング132の上端との間の距離は0である。したがって、接続範囲261の上端と、下ハウジング132の上端との間の距離は、接続範囲261の下端と下ハウジング132の下端との間の距離より小さい。ただし、下ハウジング132の上端は、ハウジング13の内周面133における上端を指すものとする。
【0044】
図9.Bでは、接続範囲261の上端は、静翼14の上端と一致する。すなわち、接続範囲261の上端と下ハウジング132の上端とは離れている。この場合においても、接続範囲261の上端と、下ハウジング132の上端との間の距離は、接続範囲261の下端と下ハウジング132の下端との間の距離より小さい。なお、接続範囲261の下端と下ハウジング132の下端とが一致する場合は、接続範囲261の下端と下ハウジング132の下端との間の距離は0である。
【0045】
接続範囲261の上端と、下ハウジング132の上端との間の距離を、接続範囲261の下端と下ハウジング132の下端との間の距離よりも小さくすることにより、下ハウジング132において静翼14は軸方向上側にて接続される。その結果、下ハウジング132の内周面において静翼14の上側に生じる駄肉の量を低減することができる。
【0046】
また、
図9.Bの場合において、下ハウジング132の上端、すなわち、上ハウジング131と下ハウジング132との間の境界135は、軸方向において、複数の翼111の下端と複数の静翼14の上端との間に位置することが好ましい。境界135は、正確には、内周面133における境界である。複数の翼111の下端は、正確には、径方向外側の部位における下端である。これにより、下ハウジング132に生じる駄肉を低減することができるとともに、上ハウジング131を下ハウジング132に取り付ける際に、インペラ11と上ハウジング131とを干渉させずに上ハウジング131を下ハウジング132に容易に取り付けることができる。
【0047】
図10は、ハウジング13の断面の様々な例を示す図である。ハウジング13に符号13a〜13iを付す。上ハウジング131と下ハウジング132との境界135の軸方向の位置を破線にて示す。
【0048】
ハウジング13aの内周面133の中心軸J1を含む面による断面は、吸気口231と排気口232との間において、下方に向かって中心軸J1から離れる直線である。以下、内周面133の中心軸J1を含む面による断面を単に「内周面133の断面」という。ハウジング13bでは、内周面133の断面の吸気口231と排気口232との間の部位は、下方に向かって、中心軸J1に対する傾斜角度が小さくなる。これにより、風洞を大きくすることができる。ハウジング13cでは、内周面133の断面の吸気口231と排気口232との間の部位は、下方に向かって、中心軸J1に対する傾斜角度が大きくなる。
【0049】
ハウジング13dの断面は、吸気口231から下ハウジング132の上部まで、下方に向かって中心軸J1から離れる直線である。ハウジング13dの断面は、下ハウジング132の下部では、中心軸J1に平行な直線である。ハウジング13eの断面は、吸気口231から上ハウジング131の下部まで、下方に向かって中心軸J1から離れる直線である。ハウジング13eの断面は、上ハウジング131の下部から下では、中心軸J1に平行な直線である。
【0050】
ハウジング13fは、ハウジング13aの断面において、吸気口231の部位を滑らかな曲線としたものである。ハウジング13gは、ハウジング13aの断面において、排気口232の部位を滑らかな曲線としたものである。なお、他のハウジング13においても吸気口231および排気口232の少なくとも一方が滑らかな形状を有してもよい。
【0051】
ハウジング13hの断面は、吸気口231から境界135まで、下方に向かって中心軸J1から離れる直線である。境界135から下では、ハウジング13hの断面は、中心軸J1に平行である。ハウジング13iは、ハウジング13dの下部を下方に延ばしたものである。
【0052】
ハウジング13a,13d〜13iに示すように、内周面133の断面が、吸気口231と排気口232との間に、下方に向かって中心軸J1から離れる直線を含むことにより、ハウジング13の設計が容易となる。内周面133の断面において、中心軸J1に平行な部位は、必ずしも下端に位置する必要はない。一般的に表現すれば、ハウジング13の内周面133の直径は、吸気口231から複数の翼111の径方向外側のエッジの軸方向中央部において、下方に向かって増大する。また、内周面133の直径は、上記エッジの軸方向中央部よりも下方において、下方に向かって増大する、または、一定である、または、一定の部位を含みつつ増大する。すなわち、内周面133は、直径が減少する部位を含まない。
【0053】
したがって、ハウジング13の径方向の厚さも、下方に向かって漸次減少するものには限定されない。ただし、好ましくは、吸気口231から排気口232に向かって減少する、または、一定の部位を含みつつ減少する。厚さが一定の部位は、好ましくは、ハウジング13の下部に位置する。
【0054】
ハウジング13では、上ハウジング131が突出部241を含み、下ハウジング132が凹部242を含んでもよい。この場合、突出部241は上ハウジング131から下ハウジング132に向かって延びる。上ハウジング131が補助突出部243を含み、下ハウジング132が補助凹部244を含んでもよい。この場合、補助突出部243は上ハウジング131から下ハウジング132に向かって延びる。したがって、例えば、突出部241が下ハウジング132に設けられ、補助突出部243が上ハウジング131に設けられてもよい。
【0055】
上ハウジング131および下ハウジング132のそれぞれを「部分ハウジング」と呼んで一般的に表現すれば、一方の部分ハウジングが、他方の部分ハウジングに向かって延びる複数の突出部241を含み、他方の部分ハウジングが、複数の突出部241がそれぞれ嵌る複数の凹部242を含む。また、一方の部分ハウジングが、複数の突出部241のそれぞれの近傍において他方の部分ハウジングに向かって延びる複数の補助突出部243を含み、他方の部分ハウジングが、複数の補助突出部243がそれぞれ嵌る複数の補助凹部244を含む。または、他方の部分ハウジングが、複数の凹部242のそれぞれの近傍において一方の部分ハウジングに向かって延びる複数の補助突出部243を含み、一方の部分ハウジングが、複数の補助突出部243がそれぞれ嵌る複数の補助凹部244を含む。
【0056】
複数の突出部241および複数の凹部242は、ハウジング13の内周に配置されてもよい。この場合、上ハウジング131と下ハウジング132とが分離した状態から軸方向に近づけた場合に、複数の突出部241は、対向する上ハウジング131または下ハウジング132に接することにより径方向内方へと一旦弾性変形した後に径方向外方へと戻ることにより、複数の突出部241が複数の凹部242と軸方向に係合する。
【0057】
図11は、締結要素構造240の他の例を示す図であり、下ハウジング132の上端およびクリップ31を示す平面図である。
図12は締結要素構造240を、径方向外側から見た図である。締結要素構造240では、下ハウジング132の上端から径方向外方に突出する突出部322が設けられる。上ハウジング131にも下端から径方向外方に突出する突出部321が設けられる。クリップ31には中央を貫通する孔311が設けられる。突出部321,322の先端は周方向に僅かに広がる。
【0058】
突出部321と突出部322とを上下に重ね合わせ、クリップ31の孔311にこれらの突出部を挿入することにより、上ハウジング131と下ハウジング132とが締結される。締結要素構造240は、
図4および
図5と同様に厚肉部237に設けられる。これにより、締結構造24の剛性を向上するとともに、締結構造24を容易に設けることができる。
【0059】
図13は、締結要素構造240の他の例を示す図であり、上ハウジング131と下ハウジング132とが離れた状態で径方向外側から見た図である。
図14は、締結要素構造240の縦断面である。締結要素構造240は厚肉部237に配置される。これにより、径方向におけるハウジング13の大型化を抑制しつつ、締結構造24を容易に設けることができる。
【0060】
締結要素構造240では、下ハウジング132の上端に上ハウジング131に向かって突出する突出部33が設けられる。上ハウジング131の下部に凹部34が設けられる。凹部34は、上ハウジング131の下端から上方に延び、
図13の右側へとさらに延びる部位341、を含む。
図14に示すように、突出部33の先端は、径方向内方へと突出する凸部331、を含む。
【0061】
突出部33が凹部34に挿入され、さらに、突出部33が部位341に沿って
図13の右側へとスライドされることにより、
図14に示すように凸部331と凹部34とが軸方向に係合する。すなわち、突出部33が、第1接触面332として凸部331の下面を含み、凹部34の部位341が、第2接触面342として法線が上方を向く面を含む。そして、第1接触面332と第2接触面342とが接する。なお、正確には、下ハウジング132の上端と上ハウジング131の下端との接触も、上ハウジング131と下ハウジング132との締結に利用される。
【0062】
図6、
図7、
図13および
図14に示す締結要素構造240の形態では、一般的に、突出部が第1接触面を含み、凹部が第2接触面を含み、第1接触面の法線が凹部が設けられる部分ハウジングから離れる方向を向き、さらに、第1接触面と第2接触面とが接することにより、上ハウジング131と下ハウジング132との締結が実現される。締結に際して、下ハウジング132の上端と上ハウジング131の下端とが接することも必要であるため、正確には、複数の突出部および複数の凹部は、締結構造の少なくとも一部として設けられる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0064】
締結構造24として、他の構造が採用されてもよい。例えば、突出部241の先端に径方向内方に突出する凸部が設けられ、凹部242内に径方向内方に窪む微小凹部が設けられてもよい。さらに、
図11ないし
図14に示す構造において、補助突出部および補助凹部が設けられてもよい。
【0065】
上ハウジング131に対して下ハウジング132が締結可能な下ハウジング132の周方向の位置を、1つのみとする構造として、様々な他の構造が採用されてよい。例えば、1組の補助突出部243および補助凹部244の形状を、他のものと異ならせてもよい。
【0066】
ハウジング13の上端および下端は矩形には限定されず、円形や他の形状であってもよい。上ハウジング131と下ハウジング132との間に設けられるラビリンス構造も様々に変更されてよい。例えば、境界135において、径方向に複数の段差が配置されてもよい。リブ14は、単純な棒状でもよい。
【0067】
上記実施形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。