(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945953
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】複動型押出プレス装置
(51)【国際特許分類】
B21C 23/08 20060101AFI20160621BHJP
【FI】
B21C23/08 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-225732(P2012-225732)
(22)【出願日】2012年10月11日
(65)【公開番号】特開2014-76472(P2014-76472A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】宇部興産機械株式会社
(72)【発明者】
【氏名】師井 義孝
(72)【発明者】
【氏名】山本 武治
【審査官】
水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−225714(JP,A)
【文献】
特開平06−320215(JP,A)
【文献】
特表2007−517669(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/041881(WO,A1)
【文献】
実開平05−065412(JP,U)
【文献】
実開昭57−032712(JP,U)
【文献】
実開昭57−185422(JP,U)
【文献】
特開昭63−033106(JP,A)
【文献】
米国特許第04523444(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21C 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に押出ステムを有するメインクロスヘッドの中に、前記押出ステムの中心部を摺動
自在に設けたマンドレルを有するピアサクロスヘッドが軸線方向に配置され、前記メイン
クロスヘッドと連結したメインラムの内部に該メインラムと同軸にピアサシリンダを設け
、前記ピアサシリンダの内部に前後動自在にピストンと該ピストンに固着されたピストン
ロッドを直線的に位置するよう前記ピアサクロスヘッドと連結するとともに、マンドレル
の回動手段と前記マンドレルの前進限位置を規制する位置決め手段とを備えた複動型押出
プレス装置において、
前記マンドレルの回動手段を、前記メインクロスヘッドの前記ピアサクロスヘッドが摺
動する開放穴部に設け、
前記マンドレルの回動手段は、前記メインクロスヘッドの開放穴部の前端に設けられ、
その構成を、複数のフリーローラと一つの駆動ローラが前記マンドレルの軸心方向に揺動
して前記マンドレルを取り付けたサブマンドレルの外周面に接離自在となるようにすると
ともに、前記フリーローラ及び一つの駆動ローラを前記サブマンドレルの外周面に押圧し
てマンドレルを回転するようにしたことを特徴とする複動型押出プレス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複動型押出プレス装置に係り、メインラム内に設けたピアサシリンダのシリンダロッド先端にピアサクロスヘッドを介して取り付けたマンドレルを、押出ステム内で回動自在として前記マンドレルの交換が容易に行えるようにした複動型押出プレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムやその合金などの金属を管状製品に押出加工する複動型押出プレス装置で用いられるマンドレルは、押出製品の変更等によって適宜交換されるが、その交換は押出ステム内でマンドレルを回動させることによって行われている。前記マンドレルの回動手段を備えた従来の複動型押出プレス装置は、以下のように構成されている。
図4及び5に示すように、コンテナホルダ11はエンドプラテン34に接して設けられているダイス35に対向する位置に配され、コンテナシリンダ37によって水平な軸線方向に移動可能で、その内部にコンテナ36を有し、該コンテナ36内にはビレットが収納できるようになっている。
【0003】
コンテナホルダ11と押出ステム28の中間位置には、図示しないビレットローダが設置され、前記エンドプラテン34のコンテナホルダ11に対面する側の下部が突出して設けたダイス支持部上には、ダイスライドがマシン幅方向にスライド自在に配置されている。そして、ダイスライドは、前記エンドプラテン34の側方に設けられた油圧シリンダによりマシン幅方向へ移動する。
前記エンドプラテン34に対向して固定盤13が設けられ、固定盤13と一体型となったメインシリンダ14を有し、前記メインシリンダ14内にはメインラム15が摺動自在に取り付けられ、メインクロスヘッド16が前記メインラム15に連結して設けられている。
【0004】
メインラム15内にはピアサシリンダ22が内蔵されるとともに、メインラム15の先端部とピアサシリンダ22の先端部とが重畳的に装着されている。
前記メインクロスヘッド16には軸線に直角な一方向にのみ貫通した開放穴17が設けられ、ピアサクロスヘッド23を軸線方向に摺動自在に設けるとともに、ピササクロスヘッド23の後端部にはピアサシリンダピストンロッド24が装着され、該ピストンロッド24の端部にはピアサシリンダピストン25が固着されている。そして、ピアサシリンダ22のピアサシリンダピストン25はピアサクロスヘッド23の前後進用に使用される。
【0005】
メインクロスヘッド16の先端には円筒状の前記押出ステム28が取り付けられ、押出ステム28の中には摺動自在にマンドレル30が設けてあり、マンドレル30はマンドレルホルダ32を介してピアサクロスヘッド23に取り付けられている。マンドレルホルダ32はウオームホィール52とウオーム51により構成されるウオーム機構により回動自在とされ、駆動軸53、54を介してマンドレル駆動モータ55及び手動ハンドル56に接続可能とされている。
そして、前記駆動手段によりウオーム機構を駆動することによってマンドレルホルダ32を介してマンドレル30は回動され、マンドレル30の軸方向の位置を調整(芯ぶれの確認)や、マンドレル30とマンドレルホルダ32の間のネジが締め付けられたりできるようになっている。
【0006】
また、ピアサシリンダ22のピストンロッド側の圧油給排口及びピストンヘッド側圧油給排口から導入する圧油は、ピストンロッド側の受圧面積がピストンヘッド側の受圧面積より小さいことを考慮して、その分ピストンロッド側にヘッド側より幾分高めの圧油を導入することにより、ピアシング後のマンドレル30の前進限位置の規制が行われる。
押出中、メインラム15の移動量だけピアサシリンダ22が移動し、ダイス35とマンドレル30との位置関係がずれるので、その分、ピアサシリンダ22のヘッド側に供給している圧油とバランスするようにピアサシリンダ22のロッド側に圧油を供給し、マンドレル30の位置を保持する構成となっている。この構成により、機幅の小さい複動型押出プレス装置を得られることが開示されている。(特許文献1参照)
【0007】
ところで、前記従来型の複動型押出プレス装置ではピアサクロスヘッド23に設けたマンドレルホルダ32をウオーム機構により回動する構成であることから、駆動機構が複雑であり、ピアサクロスヘッド23と前記ピアサクロスヘッド23を摺動自在に内部に設けた前記メインクロスヘッド16が大型化して機長が長くなり、設置面積が大きくなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−225714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、マンドレルの回動手段をメインクロスヘッドの開放穴部に設け、メインクロスヘッド及びピアサクロスヘッドを小型化してマシン全長が短く、据付面積を小さくした複動型押出プレス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に記載の複動型押出プレス装置は、先端に押出ステムを有するメインクロスヘッドの中に、前記押出ステムの中心部を摺動
自在に設けたマンドレルを有するピアサクロスヘッドが軸線方向に配置され、前記メイン
クロスヘッドと連結したメインラムの内部に該メインラムと同軸にピアサシリンダを設け
、前記ピアサシリンダの内部に前後動自在にピストンと該ピストンに固着されたピストン
ロッドを直線的に位置するよう前記ピアサクロスヘッドと連結するとともに、マンドレル
の回動手段と前記マンドレルの前進限位置を規制する位置決め手段とを備えた複動型押出
プレス装置において、
前記マンドレルの回動手段を、前記メインクロスヘッドの前記ピアサクロスヘッドが摺
動する開放穴部に
設け、
前記マンドレルの回動手段は、前記メインクロスヘッドの開放穴部の前端に設けられ、
その構成を、複数のフリーローラと一つの駆動ローラが前記マンドレルの軸心方向に揺動
して前記マンドレルを取り付けたサブマンドレルの外周面に接離自在となるようにすると
ともに、前記フリーローラ及び一つの駆動ローラを前記サブマンドレルの外周面に押圧し
てマンドレルを回転するようにしたことを特徴とする。
装置。
【発明の効果】
【0012】
複数のフリーローラと一つの駆動ローラが前記マンドレルの軸心方向に揺動して前記マンドレルを取り付け、サブマンドレルの外周面に接離自在となるように構成したマンドレルの回動手段を、メインクロスヘッドの開放穴先端部に設け、前記フリーローラと一つの駆動ローラを前記サブマンドレルの外周面に押圧してマンドレルを回転するようにしたので、マンドレルホルダとピアサクロスヘッドの構造が簡略化されて小型になり、ピアサクロスヘッドが摺動するメインクロスヘッドも小型化されて機長が短くなり、設置面積を小さくすることができる。
【0013】
前記ピアサシリンダのロッド側へ一定量の圧油を供給し、その供給量をマンドレルが静止して、かつ押出中に前記押出ステムが前進移動するときの前記ピアサシリンダのロッド側容積の増大量と一致するようにしたマンドレルの前進限位置を規制する位置決め手段を、前記メインクロスヘッドに設けたので、ピアサクロスヘッドの両側に一対に設けたマンドレルの位置決めストッパが不要となり、ピアサクロスヘッドを小型化できるとともに、マシン構造を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の複動型押出プレス装置を示す全体図である。
【
図2】マンドレルの回動手段の要部を示す断面図である。
【
図3】
図2のA−A矢視図であり、(a)はフリー及び駆動ローラをマンドレルに押圧させた状態を、(b)はフリー及び駆動ローラをマンドレルから離脱させた状態を示す図である。
【
図4】従来の複動型押出プレス装置を示す全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の複動型押出プレス装置10を
図1〜3を用いて説明する。
図1に示す符号13は固定盤、14は固定盤13と一体型となったメインシリンダ、15はメインシリンダ14に摺動自在に取り付けたメインラム、16はメインラム15に連結したメインクロスヘッドであり、メインクロスヘッド16はガイド上を摺動させるように構成される。メインクロスヘッド16には、軸線に直角な一方向にのみ貫通した立方体状の開放穴17が設けてある。
【0016】
メインラム15はメインクロスヘッド16の前進用であり、メインクロスヘッド16の後退用としては、固定盤13の上下に一対のサイドシリンダ18が配置されており、サイドシリンダ18のピストンロッド19をクロスヘッド16の一端に固定してある。
メインラム15内にはピアサシリンダ22が内蔵されるとともに、メインラム15の先端部とピアサシリンダ22の先端部とが重畳的に装着されている。メインクロスヘッド16の開放穴17には、開放穴17を貫通したピアサクロスヘッド23を軸線方向に摺動自在に設けるとともに、ピアサクロスヘッド23の後端部にはピアサシリンダ22のピストンロッド24が装着され、該ピストンロッド24の端部にはピストン25が固着されている。
【0017】
符号28はメインクロスヘッド16の先端に取り付けた円筒状の押出ステム、30は押出ステム28中に摺動可能に設けたマンドレルである。マンドレル30はサブマンドレル31及びマンドレルホルダ32を介して前記ピアサシリンダロッド24の先端部にピアサクロスヘッド23内で固着して設けられている。そして、マンドレル30はサブマンドレル31に設けた雌ネジに螺合して取り付けてあり、サブマンドレル31を回動することによりマンドレル30はサブマンドレル31へ容易に取り付けや、取り外しができる構成となっている。
符号34は固定盤13に対向し所定の間隔で保持可能としたタイバーで連結されたエンドプラテンである。エンドプラテン34にはダイス35が取り付けられ、ダイス35と押出ステム28との中間位置にはビレットを収納するコンテナ36がコンテナシリンダ37により前後動自在に設けられている。
【0018】
符号41はマンドレル30の前進限位置を規制する位置決め手段40としてメインクロスヘッド16の左右に一対に設けたラムシリンダ本体であり、シリンダラム42の先端はエンドプラテン37に取り付けられている。ピアサシリンダ22のロッド側ポート26とラムシリンダ本体41のポート43は、ビレットを押出す際に油圧管路で接続して連通し、押出時にラムシリンダ本体41から排出される圧油が油圧ポート43を介してピアサシリンダ22のロッド側ポート26に供給される構成となっている。
そして、ピアサシリンダ22のロッド側受圧面積とラムシリンダ42の受圧面積は実質的同一となるように設定した。この設定により、前記ピアサシリンダ22のロッド側へ一定量の圧油を供給し、その供給量をマンドレル30が静止して、かつ押出中に押出ステム28が前進移動するときの前記ピアサシリンダ22のロッド側容積の増大量と一致するようにすることが可能となり、前記マンドレル30の前進限位置を規制してマンドレル30の先端がダイス35の所定位置に保持される。
【0019】
次に、
図2及び3を用いて
図1に示すマンドレルの回動手段60について説明する。マンドレル30の回動手段60は、メインクロスヘッド16の開放穴17の前端部に設けられ、マンドレル30を交換する際において、マンドレル30を回動可能とする構成となっている。
符号61は、サブマンドレル31と同一のアライメントが可能なように支持部材62で支持された本体フレームであり、周り止めピン63を介してメインクロスヘッド16取付けられている。
【0020】
フリーローラ64が軸65により回転自在にローラアーム68を介して本体フレーム61に揺動自在に軸支され、駆動ローラ67が従動軸69によりローラアーム68に取り付けられ、ローラアーム68は本体フレーム62に揺動自在に軸支されている。駆動ローラ67を取付けたローラアーム68の他端には駆動軸69が設けられ、チェンホィール72及びチェン73を介して電動機71の回転を駆動ローラ67に伝達する構成となっている。
【0021】
符号74は、メインクロスヘッド16の軸芯に同芯に設けられた円形プレートであり、メインクロスヘッド16の前端部に回転自在に配されている。
円形プレート74にはフリーローラ64及び駆動ローラ67をサブマンドレル31の軸心に対して揺動させるアーム75が軸支されており、アーム75はローラアーム68の回転軸76に軸支される。
そして、フリーローラ64及び駆動ローラ67はサブマンドレル31の外周部に等配して設けられた構成となっている。
【0022】
図3に示す符号81は円形プレート74を回動する油圧シリンダで、メインクロスヘッド16に揺動自在に取り付けられている。油圧シリンダ81のピストンロッド82が円形プレート74にクレビス83を介して軸支されており、油圧シリンダ81を動作させることにより円形プレート74が回動し、アーム75を介してローラアーム68が揺動され、フリーローラ64と駆動ローラ67がサブマンドレル31の外周面に対し接離自在とすることができる。フリーローラ64と駆動ローラ67をサブマンドレル31の外周面に押圧し、駆動ローラ67をチェン73及びチェンホィール72を介して電動機71により駆動することによりマンドレル30を、サブマンドレル31とともに可逆回転させることができる。符号85は、駆動ローラ67を回転するための巻き掛け伝動装置であり、チェン及びチェンホィールにより構成している。
【0023】
図3(a)はフリーローラ64と駆動ローラ67がサブマンドレル31の外周面と接した状態を、(b)はフリーローラ64と駆動ローラ67がサブマンドレル31の外周面と離れた状態を示し、アーム68及び75は軸66を回転中心として揺動するようになっている。
本体フレーム61がサブマンドレル31の芯に合うような構成としたので、サブマンドレル31とマンドレル芯を変化させることなくフリーローラ64と駆動ローラ67がサブマンドレル31の外周面と接するので、マンドレル30の芯を変化させることなくマンドレル30を回転させることが出来る。
【0024】
次に、複動型押出プレス装置10の動作について説明する。図示しないビレットローダに載置されたビレットを、押出プレス装置の中心に位置するようにさせるとともに、メインラム15を前進させて押出ステム28の先端をフリーダミーブロックの端面に接触させた状態でコンテナ36内に装入する。次いで、ピアサシリンダ22のヘッド側に圧油を導入してビレットを穿設しながらマンドレル30を前進させ、マンドレル30の先端をダイス35のベアリング部の所定位置に停止させて保持する。
【0025】
マンドレル30がダイス35の所定位置になると(事前にマンドレル30とダイス35との相対位置は寸法を測定して決定しておく)ピアサシリンダ22のロッド側の圧力ポート26とラムシリンダ本体41の圧力ポート43とを電磁式切替弁を操作して油圧管路で接続して連通することにより、ラムシリンダ本体41から排出される圧油をピアサシリンダ22のロッド側へ供給が可能となる。ラムシリンダ本体41はメインクロスヘッド16に取り付けてあり、押出中は押出ステム28と同じ速度で移動すること、そして、ピアサシリンダ22のロッド側受圧面積とラムシリンダ本体41の受圧面積を同一面積に設定したので、押出中に所定量の圧油がピアサシリンダ22のロッド側へ供給されマンドレル30の先端位置は、ダイス35の所定位置から移動することなくその前進位置が規制される。
前記マンドレル30の先端位置は、ピアサシリンダ22の外周面に予め位置センサ等を取り付けておき、ピストン25とピアサシリンダ22の相対位置を決定しても良いが、マンドレル30の先端部がダイス35のベアリング部に位置するのであれば、これに限定するものでなく、別の方法にて相対位置を決定しても良い。
【0026】
押出終了後、メインラム15を前進側に押圧する圧油の圧力を降下させるとともに、サイドシリンダ18のロッド側とラムシリンダ本体41に圧油を供給してメインクロスヘッド16及び押出ステム28を後退させる。そして、コンテナをダイス35から離間させ、シャー装置によりディスカードを切断除去する。又、押出終了後、ピアサシリンダ22のロッド側とラムシリンダ本体41との管路接続を解除し、ピアサシリンダ22のロッド側へ圧油を供給することでマンドレル30を後退移動させ、次の押出動作に備える。
この後、再びコンテナ36を前進移動させてダイス35と当接させるとともに、コンテナ36と押出ステム28との中間位置にビレットを供給してコンテナ36内にビレットを装入し、前記動作を繰り返して行う。
【0027】
次に、押出製品の変更等により行うマンドレル30の交換操作について説明する。マンドレル30はサブマンドレル31に取り付けられたネジ部により結合されて押出ステム28に挿通されているので、サブマンドレル31のネジ部との結合を外すことにより行う。
図1に示すように、押出ステム28が後退位置にあり、コンテナ36がダイス35に当接した状態で、マンドレル30を前進移動させて先端を押出ステム28から抜き出す。次いで、回転を防止する治具を取り付けてマンドレル30を固定し、マンドレル30の回動手段60を駆動してマンドレル30を回転させ、サブマンドレル31とマンドレル30の螺合を解き、両者を分離する。
【0028】
サブマンドレル31の回転は、
図3に示す油圧シリンダ81のヘッド側に圧油を供給することにより行う。油圧シリンダ81のピストンロッド82の先端は円形プレート74にクレビス83を介して軸支されているので、円形プレート74は
図2(a)で示す時計方向に回転する。円形プレート74には軸66によりアーム75が取り付けられており、アーム75には一体的に揺動可能としたローラアーム68が設けられており、前記アームの先端に供えたフリーローラ64と駆動ローラ67が円形プレート74の回転に伴いサブマンドレル31の外周面に押圧される。次いで、電動機71を起動して駆動ローラ67を回転させることにより、サブマンドレル31は回転し、マンドレル30とのネジ結合は解除される。取り外したマンドレル30は図示しないマンドレルの交換装置等によりプレス機外へ取り出される。
【0029】
交換する新たなマンドレル30のサブマンドレル31への取り付けは、前述した取り外しの逆操作により行う。新たなマンドレル30の取り付け後に、油圧シリンダ81のロッド側へ圧油を供給することにより円形プレート74は
図2(b)で示す反時計方向へ回転し、アーム75が揺動されてフリーローラ64及び駆動ローラ67とサブマンドレル31との当接が解除される。これにより、再び押出操作ができるようになる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0030】
以上説明したように、本発明の複動型押出プレス装置では、マンドレルの取り付け及び取り外しに際してマンドレルネジ部の着脱に使用するマンドレルの回動手段をメインクロスヘッドのピアサクロスヘッドが摺動する開放穴の前端部に設ける構成としたことにより、マンドレルとピアサシリンダロッドを連結するピアサクロスヘッドとメインクロスヘッドが小型化され、装置の全長が短くなり、設置面積が小さくてすむ。
マンドレルの前進限位置を制限する位置決め手段を、メインクロスヘッドに設けたラムシリンダの排出油をピアサシリンダに供給して行う構成としたので、ピアサクロスヘッドの全幅が最小化されるとともに、一対に設けたストッパ機構が不要となり、装置の幅が小さくて設置面積が小さくなり、又、押出本体部の構成を簡略化することができる。
【符号の説明】
【0031】
10 複動型押出プレス装置
15 メインラム
16 メインクロスヘッド
17 開放穴
22 ピアサシリンダ
24 ピストンロッド
25 ピストン
28 押出ステム
30 マンドレル
31 サブマンドレル
40 位置決め手段
60 マンドレルの回動手段
64 フリーローラ
67 駆動ローラ