特許第5945989号(P5945989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5945989
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】電流遮断装置を備えた蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/34 20060101AFI20160621BHJP
   H01M 2/26 20060101ALI20160621BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20160621BHJP
   H01G 11/16 20130101ALI20160621BHJP
   H01G 2/18 20060101ALI20160621BHJP
【FI】
   H01M2/34 A
   H01M2/26 A
   H01M2/30 D
   H01G11/16
   H01G1/11 102
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-525847(P2014-525847)
(86)(22)【出願日】2013年7月17日
(86)【国際出願番号】JP2013069406
(87)【国際公開番号】WO2014014026
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2015年1月6日
(31)【優先権主張番号】特願2012-160276(P2012-160276)
(32)【優先日】2012年7月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南形 厚志
(72)【発明者】
【氏名】奥田 元章
(72)【発明者】
【氏名】西原 寛恭
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−172085(JP,A)
【文献】 特開2001−135357(JP,A)
【文献】 特開2006−156064(JP,A)
【文献】 特開平07−105932(JP,A)
【文献】 特開2000−260421(JP,A)
【文献】 特開2000−058034(JP,A)
【文献】 特開平07−245090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/34
H01M 2/26
H01M 2/30
H01G 2/18
H01G 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケース内に収容され正極及び負極を備える電極組立体と、
前記ケースの端子取付壁に設けられる電極端子と、
前記ケース内に収容され前記電極組立体と電気的に接続する第1導電部材と、
前記ケース内に収容され前記電極端子と電気的に接続する第2導電部材と、
前記ケース内に収容され前記第1導電部材と前記第2導電部材との間に直列に接続して、前記電極組立体から前記電極端子までの通電経路を接続または遮断する電流遮断装置とを備えた蓄電装置であって、
前記電極組立体は、前記正極及び前記負極の少なくとも一方から前記端子取付壁側に突出するタブを有しており、
前記電流遮断装置は、前記第1導電部材及び前記第2導電部材と電気的に接続されて前記通電経路の一部を構成する変形板を含み、
前記変形板は、前記第1導電部材もしくは前記第2導電部材のいずれか一方である被接合部材と接合して前記通電経路を接続する接合部を有し、前記ケース内の圧力が上昇したときに変形して前記被接合部材と離間して前記通電経路を遮断し、
前記第1導電部材、前記第2導電部材及び前記電流遮断装置は、前記端子取付壁と前記電極組立体との間に配置されており、
前記第1導電部材の一端は、前記端子取付壁に沿って延在して前記電流遮断装置の上部に接続され前記第1導電部材の他端は、前記電流遮断装置の前記上部より上方の位置で前記タブと接続され、
前記第2導電部材の一端は、前記第1導電部材と前記電流遮断装置との接続部よりも前記端子取付壁から遠い位置で前記電流遮断装置の下部に接続され、前記第2導電部材の他端は、前記端子取付壁に沿って延在して前記電流遮断装置の前記下部より下方の位置で前記電極端子接続される
蓄電装置。
【請求項2】
前記タブと、前記電流遮断装置とは、前記第1導電部材が延在する方向に、少なくとも一部が重なり合っている、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第1導電部材は、前記端子取付壁に沿って直線状に延在する、請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第2導電部材は、前記端子取付壁に沿って直線状に延在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記被接合部材は、前記接合部と接合する部分の周囲に刻印部を有し、
前記変形板が変形したときに、前記刻印部において前記被接合部材が破断する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記変形板は反転板である請求項1〜5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記端子取付壁には、前記端子取付壁の内面に平行に当接する板状の絶縁部材が設けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記タブは、前記端子取付壁に略平行な方向に折り曲げられ、前記端子取付壁に略平行な平坦部が形成されており、
前記第1導電部材は、前記平坦部の前記端子取付壁側の面に接合している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記第1導電部材と前記第2導電部材は互いに反対方向に延びる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項10】
前記蓄電装置は二次電池である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2012年7月19日に出願された日本国特許出願第2012−160276号に基づく優先権を主張する。その出願の全ての内容はこの明細書中に参照により援用されている。本発明は、電流遮断装置を備えた蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日本国特許公開公報第2000−77058号に、圧力検知型の電流遮断装置を備えた電池が記載されている。この電池では、電極組立体から上方に突出したタブと、タブから横方向に略直線状に伸びたリードと、電流遮断装置とが直列に配置されて、電極端子と電極組立体との通電経路を接続している。電流遮断装置は、リードの上面に接合するダイアフラム部を有する。電池ケース内の圧力が上昇した場合に、ダイアフラム部は上方に反転してリードとの接合を解除し、これによって通電経路を遮断する。電池ケースの上部には、ダイアフラム部が反転する空間が確保されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
日本国特許公開公報第2000−77058号では、電池ケースの上部にダイアフラム部のための空間を設けている一方で、タブの横方向の電極組立体とリードとの間は、デッドスペースとなっており、電池全体のサイズが大型化する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書が開示する蓄電装置は、ケースと、ケース内に収容され正極及び負極を備える電極組立体と、ケースの端子取付壁に設けられる電極端子と、ケース内に収容され電極組立体と電気的に接続する第1導電部材と、ケース内に収容され電極端子と電気的に接続する第2導電部材と、ケース内に収容され第1導電部材と第2導電部材との間に直列に接続して、電極組立体から電極端子までの通電経路を接続または遮断する電流遮断装置とを備えている。電極組立体は、正極及び負極の少なくとも一方から端子取付壁側に突出するタブを有している。電流遮断装置は、第1導電部材及び第2導電部材と電気的に接続されて通電経路の一部を構成する変形板を含む。変形板は、第1導電部材もしくは第2導電部材のいずれか一方である被接合部材と接合して通電経路を接続する接合部を有し、ケース内の圧力が上昇したときに変形して被接合部材と離間して通電経路を遮断する。第1導電部材、第2導電部材及び電流遮断装置は、端子取付壁と電極組立体との間に配置されている。第1導電部材は、端子取付壁に沿って延在してタブと電流遮断装置とを接続する。第2導電部材は、第1導電部材と電流遮断装置との接続部よりも端子取付壁から遠い位置で電流遮断装置に接続され、端子取付壁に沿って延在して電流遮断装置と電極端子とを接続する。
【0005】
上記の蓄電装置では、第1導電部材は、端子取付壁に沿って延在し、タブと電流遮断装置とを接続する。第2導電部材は、第1導電部材と電流遮断装置との接続部よりも端子取付壁から遠い位置で端子取付壁に沿って延在して、第1導電部材よりも端子取付壁から遠い位置で電流遮断装置に接続され、電流遮断装置と電極端子とを接続する。このため、端子取付壁側にタブが突出することによって端子取付壁と電極組立体との間に生じたスペースを利用して電流遮断装置を設置することができ、蓄電装置を小型化することができる。
【0006】
上記の蓄電装置では、タブと、電流遮断装置とは、第1導電部材が延在する方向に、少なくとも一部が重なり合っていてもよい。
【0007】
上記の蓄電装置では、第1導電部材は、端子取付壁に沿って直線状に延在していてもよい。また、第2導電部材は、端子取付壁に沿って直線状に延在していてもよい。
【0008】
上記の蓄電装置では、被接合部材(第1導電部材もしくは第2導電部材のいずれか一方)は、反転板の接合部と接合する部分の周囲に刻印部を有しており、変形板が変形したときに、この刻印部において被接合部材が破断してもよい。
【0009】
上記の蓄電装置では、変形板は反転板であってもよい。
【0010】
上記の蓄電装置では、ケースの端子取付壁には、端子取付壁の内面に平行に当接する板状の絶縁部材が設けられていてもよい。
【0011】
上記の蓄電装置では、タブは、端子取付壁に略平行な方向に折り曲げられ、端子取付壁に略平行な平坦部が形成されており、第1導電部材は、平坦部の、ケースの端子取付壁側の面に接合していてもよい。
【0012】
上記の蓄電装置では、第1導電部材と第2導電部材は互いに反対方向に延びていてもよい。
【0013】
上記の蓄電装置は、二次電池であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電流遮断装置を備えた蓄電装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1に係る蓄電装置の縦断面図である。
図2図1のII−II線断面図である。
図3図1のIII−III線から見た蓄電装置の平面図である。
図4図1の電流遮断装置およびその近傍を示す図であり、蓄電装置の通常動作時の状態を示している。
図5図1の電流遮断装置およびその近傍を示す図であり、蓄電装置の過充電時の状態を示している。
図6】変形例に係る電流遮断装置およびその近傍を示す図であり、蓄電装置の通常動作時の状態を示している。
図7】変形例に係る電流遮断装置およびその近傍を示す図であり、蓄電装置の通常動作時の状態を示している。
図8】変形例に係る電流遮断装置およびその近傍を示す図であり、蓄電装置の過充電時の状態を示している。
図9】変形例に係る電流遮断装置およびその近傍を示す図であり、蓄電装置の通常動作時の状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書が開示する電流遮断装置は、例えば、密閉型の二次電池、密閉型のキャパシタ等の従来公知の蓄電装置に利用することができる。さらに、二次電池の具体例を挙げると、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池等の比較的高容量で大電流の充放電が行われる二次電池を例示できる。また、この蓄電装置は、車両や電気機器等に搭載されていてもよい。
【0017】
本明細書が開示する蓄電装置は、ケースと、ケース内に収容された、電極組立体、第1導電部材、第2導電部材、及び電流遮断装置と、ケースの端子取付壁に設けられる電極端子とを備えている。電極組立体は、正極及び負極を備え、正極及び負極の少なくとも一方から端子取付壁側に突出するタブを有している。第1導電部材は、電極組立体と電気的に接続し、第2導電部材は、電極端子と電気的に接続し、電流遮断装置は、第1導電部材と第2導電部材との間に直列に接続する。
【0018】
電極組立体としては、例えば、シート状の正極とシート状の負極がシート状のセパレータを間に挟んだ状態で層状をなす電極対を備えた電極組立体を挙げることができ、より具体的には、この電極対が多数積層された積層型の電極組立体や、この電極対が所定の軸周りに捲回された捲回型の電極組立体を例示できる。電極組立体は、電解質によって浸されていてもよい。
【0019】
電流遮断装置が設置される側では、電極組立体の正極または負極から、対応する電極端子(正極電極端子と負極電極端子のうちの一方)までの通電経路は、この順で直列に接続された、タブ、第1導電部材、電流遮断装置、第2導電部材を介して電気的に接続されている。電流遮断装置は、電極組立体から電極端子までの通電経路の一部を構成しており、通電経路を接続または遮断可能に構成されている。電流遮断装置は、正極側と負極側のいずれか一方にのみ設置されていてもよいし、双方に設置されていてもよい。
【0020】
電流遮断装置は、第1導電部材及び第2導電部材と電気的に接続されて通電経路の一部を構成する変形板を含む。変形板は、被接合部材(第1導電部材もしくは第2導電部材のいずれか一方)と接合して通電経路を接続する接合部を有する。例えば、変形板は、第1導電部材と第2導電部材のいずれか一方とは常に電気的に接続されており、他方とは接合部によって電気的に接続され、適宜、接合部における通電を遮断できるものであってもよい。また、第1導電部材と第2導電部材のいずれか一方が変形板と一体に形成されており、他方が被接合部材として変形板と接合部で接合していてもよい。接合部では、例えば、溶接等によって、変形板と被接合部材が電気的に接続可能に固定されていることが好ましい。
【0021】
変形板は、ケース内の圧力が上昇したときに変形して、被接合部材と離間して、通電経路を遮断する。変形板の構造としては、例えば、ダイアフラム構造が挙げられる。変形板は、ケース内の圧力が上昇して変形板の両面における圧力差が所定値以上となった場合に変形する感圧部材であってもよいし、ケース内の圧力が上昇したときに動作する他の感圧部材によって加えられた荷重を受けて変形するものであってもよい。被接合部材と接合する変形板に荷重を加える感圧部材が変形板と同様の構造であってもよい。追加的に設けられる、荷重を加えるための変形板は、本願が開示する蓄電装置に必須の構成ではなく、通電経路に電気的に接続していなくてもよい。
【0022】
ケース内の圧力が上昇し変形板が変形したときに、接合部の溶接が剥離する等によって接合部において変形板と被接合部材が離間してもよいし、接合部の周囲で被接合部材が破断する等によって、接合部における接合が維持された状態で変形板と被接合部材が離間されてもよい。被接合部材を破断させる場合には、接合部の周囲において被接合部材に刻印等の破断を容易にする構成を形成してもよい。被接合部材を破断して通電経路を遮断する場合、破断荷重を調整し易く、ケース内の所望の圧力に対してより精度よく電流遮断装置を作動させることができる。
【0023】
本明細書が開示する蓄電装置では、第1導電部材、第2導電部材及び電流遮断装置は、端子取付壁と電極組立体との間に配置されている。第1導電部材は、端子取付壁に沿って延在し、第2導電部材よりも端子取付壁に近い位置でタブと電流遮断装置とを接続する。第2導電部材は、第1導電部材と電流遮断装置が接続する接続部よりも端子取付壁から遠い位置で電流遮断装置に接続され、端子取付壁に沿って延在して、電流遮断装置と電極端子とを接続する。
【0024】
特許文献1では、タブに接続するリード(導電部材)は、電流遮断装置の下方(電極組立体側)に配置されている。電流遮断装置を下方にずらしてタブとケースの上面(端子取付壁)との間の空間に配置しようとすると、タブに接続するリードをタブの上端側から電流遮断装置の下方まで大きく湾曲させる必要がある。
【0025】
本明細書に係る蓄電装置では、タブに接続する第1導電部材を電流遮断装置のより上方(ケースの端子取付壁側)に接続するため、第1導電部材を大きく湾曲させることなく、端子取付壁と電極組立体との間に電流遮断装置を設置することができる。また、電極端子は、通常、ケースの端子取付壁よりも下方に突出し、タブの上端よりも下方まで伸びているため、第1導電部材と電流遮断装置が接続する接続部よりも下方で電極端子に接続する第2導電部材を電流遮断装置に接続しても、第2導電部材を大きく湾曲させる必要はない。すなわち、第1導電部材と第2導電部材を大きく湾曲させるためのスペースを省略できることによっても、蓄電装置を小型化に寄与できる。また、大きく湾曲させる場合と比較して、第1導電部材と第2導電部材を小さくできるため、蓄電装置を低コスト化することができる。
【0026】
また、特許文献1のように、電流遮断装置を収容するために端子取付壁の外側に突出する部分を設ける必要がないため、電極端子と外部配線との接続の自由度が向上する。
【0027】
上記の蓄電装置では、タブと、電流遮断装置とは、第1導電部材が延在する方向に、少なくとも一部が重なり合っていてもよい。デッドスペースをより小さくすることができ、小型化により寄与できる。
【0028】
なお、第1導電部材と第2導電部材は、端子取付壁に沿って延在していればよく、端子取付壁に平行かつ直線状に伸びている必要はないが、本明細書に係る蓄電装置によれば、第1導電部材と第2導電部材とをより平らに構成することができる。本明細書に係る蓄電装置によれば、第1導電部材を、端子取付壁に沿って直線状に延在させるように設計することも可能であり、また、第2導電部材を、端子取付壁に沿って直線状に延在させることも可能である。第1導電部材及び第2導電部材が直線状である場合には、加工が容易であり、低コスト化および部材の高精度化に寄与できる。
【0029】
上記の蓄電装置では、ケースの端子取付壁の内面に平行に当接する板状の絶縁部材が設けられていてもよい。ケースとの絶縁性を確保しながら電流遮断装置とタブを可能な限りケースの端面に近接させることができるため、ケースの端子取付壁と電極組立体の間の距離を短くすることができ、蓄電装置の小型化により寄与できる。さらに、第1導電部材は、板状の絶縁部材に当接する状態で配置されていてもよい。電流遮断装置やタブがケースに対して振動することを防止することができる。
【0030】
上記の蓄電装置では、タブは、端子取付壁に略平行な方向に折り曲げられ、端子取付壁に略平行な平坦部が形成されており、第1導電部材は、平坦部の、ケースの端子取付壁側の面に接合していてもよい。タブの平坦部を利用してタブと第1導電部材を接合することで、タブを真っ直ぐに伸ばした場合に比べて、ケースの電極端子が取り付けられる端面と電極組立体の間の距離を短くすることができ、蓄電装置の寸法を小型化することができる。
【実施例1】
【0031】
図1は実施例1に係る蓄電装置2の断面図である。蓄電装置2は、ケース4と、電極組立体6と、第1導電部材10aと、第2導電部材22と、第3導電部材10bと、正極電極端子12aと、負極電極端子12bと、絶縁部材34a,34bと、電流遮断装置140とを備えている。
【0032】
電極組立体6は、シート状の正極と、シート状の負極と、正極と負極との間に挟まれてそれぞれを分離する、シート状のセパレータとを備えている。正極は、正極活物質と正極金属箔とを含み、負極は、負極活物質と負極金属箔とを含む。電極組立体6は、セパレータを挟んで正極および負極が交互かつ層状に積層された積層体であり、液状の電解質が含浸されている。電極組立体6の正極金属箔からタブ8aが伸びており、負極金属箔からタブ8bが伸びている。
【0033】
ケース4は略直方体形状の箱型部材であり、内部に、電極組立体6(タブ8a,8bを含む)と、第1導電部材10aと,第2導電部材22と、第3導電部材10bと、電流遮断装置140と、絶縁部材34a,34bとを収容している。ケース4の端子取付壁4a(z軸の正方向の壁)には、正極電極端子12aと負極電極端子12bが設けられている。正極電極端子12aと負極電極端子12bは、端子取付壁4aのx方向の両端部に設けられており、タブ8a,8bは、電極組立体6のx方向の中央部に設けられている。電極組立体6の複数の正極金属箔の一端から突出したタブ8aが束ねられており、同様に、複数の負極金属箔の一端から突出したタブ8bが束ねられている。電極組立体6は、絶縁性のフィルムによって覆われており、タブ8a,8bに接続する部分において、絶縁性のフィルムから突出している。
【0034】
図2に示すように、タブ8aは、電極組立体6からケース4の端子取付壁4aに向けてz軸の正方向に伸び、途中でy軸の負方向に屈曲して、ケース4の端子取付壁4aに略平行な平坦部18aを有する形状に形成されている。同様に、タブ8bは、電極組立体6からケース4の端子取付壁4aに向けてz軸の正方向に伸び、途中でy軸の負方向に屈曲して、ケース4の端子取付壁4aに略平行な平坦部18bを有する形状に形成されている。
【0035】
図1に示すように、第1導電部材10a及び第2導電部材22は、平板状の導電性部材である。第1導電部材10aは、ケース4の端子取付壁4aに対して略平行なx方向に直線状に延在している。第2導電部材22は、z方向に第1導電部材10aよりもケース4の端子取付壁4aから遠い位置に配置されており、ケース4の端子取付壁4aに対して略平行なx方向に直線状に延在している。図2に示すように、第1導電部材10aの下面(電極組立体6側の面)と、タブ8aの平坦部18aの上面(端子取付壁4a側の面)が当接しており、両者は溶接によって固定されている。
【0036】
図1に示すように、第3導電部材10bは、平板状の導電性部材である。第3導電部材10bは、ケース4の端子取付壁4aに対して略平行なx方向に直線状に延在している。第3導電部材10bの下面と、タブ8bの平坦部18bの上面が当接しており、両者は溶接によって固定されている。
【0037】
正極電極端子12aは、ボルト24aと、内側ナット26aと、外側ナット28aを備えている。正極電極端子12aが配置される位置において、ケース4の端子取付壁4aには貫通孔が形成されており、その貫通孔に絶縁性のガスケット30aが取り付けられている。内側ナット26aは、第2導電部材22に形成された貫通孔を貫通して、ガスケット30aに取り付けられている。ボルト24aは、シール座金32aを介して、内側ナット26aに締結されている。第2導電部材22は、内側ナット26aとガスケット30aに挟持されている。ガスケット30aは、ケース4の端子取付壁4aの内面に当接しながら端子取付壁4aの内面に平行に伸びる平板状の絶縁部材34aと一体に形成されている。第1導電部材10aの上面と、第2導電部材22の上面は、絶縁部材34aに当接している。なお、正極電極端子12aの外側ナット28aは、正極電極端子12aと配線部材との結線に用いられる。
【0038】
負極電極端子12bは、ボルト24bと、内側ナット26bと、外側ナット28bを備えている。負極電極端子12bが配置される位置において、ケース4の端子取付壁4aには貫通孔が形成されており、その貫通孔に絶縁性のガスケット30bが取り付けられている。内側ナット26bは、第3導電部材10bに形成された貫通孔を貫通して、ガスケット30bに取り付けられている。ボルト24bは、シール座金32bを介して、内側ナット26bに締結されている。第3導電部材10bは、内側ナット26bとガスケット30bに挟持されている。ガスケット30bは、ケース4の端子取付壁4aの内面に当接しながら端子取付壁4aの内面に平行に伸びる平板状の絶縁部材34bと一体に形成されている。第3導電部材10bの上面は、絶縁部材34bに当接している。なお、負極電極端子12bの外側ナット28bは、負極電極端子12bと配線部材との結線に用いられる。
【0039】
図1に示すように、第1導電部材10aと第2導電部材22は、電流遮断装置140を介して接続している。第1導電部材10aと電流遮断装置140は、接続部140aにおいて互いに接続され、第2導電部材22と電流遮断装置140は、接続部140aよりも端子取付壁4aから遠い位置の接続部140bにおいて互いに接続されている。正極から正極電極端子12aまでの正極側の通電経路は、この順で直列に接続された、タブ8a、第1導電部材10a、電流遮断装置140,第2導電部材22によって接続されている。図3に示すように、正極電極端子12aと、電流遮断装置140と、タブ8a,8bと、負極電極端子12bは、第1導電部材10aが延在するx方向に重なり合うように配置されている。
【0040】
図4に示すように、電流遮断装置140は、第1導電部材10aのx軸の負方向の端部と、第2導電部材22のx軸の正方向の端部を機械的に固定する絶縁性のブラケット136と、第2導電部材22と当接した状態でブラケット136に保持される導電性の変形板としての反転板138を備えている。反転板138は、ダイアフラムである。ケース4内の圧力が所定値より小さい場合には、図4のようにz軸の負方向に膨出した状態であり、ケース4内の圧力が所定値以上となると、図5のようにz軸の正方向に膨出した状態となる。図4のように反転板138がz軸の負方向に膨出した状態では、反転板138のz軸の負方向に膨出した部分138aが第2導電部材22に形成された開口22aの縁と当接して、接合部133によって溶接によって固定されている。反転板138を介して第1導電部材10aと第2導電部材22が電気的に導通する。図5のように反転板138がz軸の正方向に膨出した状態になると、接合部133が剥離して反転板138が第2導電部材22から離間し、第1導電部材10aと第2導電部材22が電気的に絶縁する。なお、第2導電部材22には、反転板138がz軸の負方向に膨出した状態となるときに、反転板138の膨出した部分138aと干渉しないように、開口22aが形成されている。反転板138の膨出した部分138aの下面は、ケース4の電極組立体6側の圧力に晒されている。ケース4内の圧力が所定値以上となると、反転板138の膨出した部分138aの下面と上面との受ける圧力差が所定値以上に大きくなり、反転板138が反転する。これによって、接合部133が剥離して反転板138が第2導電部材22から離間し、通電経路が遮断される。
【0041】
上記のとおり、蓄電装置2によれば、第1導電部材10aは、z方向に第2導電部材22よりも端子取付壁4aに近い位置で、端子取付壁4aに沿ってx方向に延在しており、z方向に第2導電部材22よりも端子取付壁4aに近い接続部140aでタブ8aと電流遮断装置140とを接続する。また、第2導電部材22は、z方向に第1導電部材10aよりも端子取付壁4aから遠い位置で端子取付壁4aに沿ってx方向に延在して、z方向に接続部140aよりも端子取付壁4aから遠い接続部140bで電流遮断装置140と正極電極端子12aとを接続する。このため、端子取付壁4a側にタブ8aが突出することによって端子取付壁4aと電極組立体6との間に生じたスペースを利用して電流遮断装置140を設置することができ、蓄電装置2を小型化できる。さらに、第1導電部材10aと第2導電部材22を大きく湾曲させるためのスペースを省略できることによっても、蓄電装置2の小型化に寄与できる。また、大きく湾曲させる場合と比較して、第1導電部材10aと第2導電部材22を小さくできるため、蓄電装置2を低コスト化することができる。また、電流遮断装置を収容するために端子取付壁4aの外側に突出する部分を設ける必要がないため、正極電極端子12a,負極電極端子12bと配線の接続の自由度が向上する。
【0042】
また、タブ8a,8bと、電流遮断装置140とは、第1導電部材10aが延在するx方向に、少なくとも一部が重なり合っている。このため、ケース4内のデッドスペースをより小さくすることができ、蓄電装置2のz方向の寸法を小型化することができる。
【0043】
また、第1導電部材10a及び第2導電部材22は、端子取付壁4aに平行かつ直線状に伸びている。このため、第1導電部材10a及び第2導電部材22は加工が容易であり、コスト性に優れ、加工精度を高くできる。
【0044】
また、蓄電装置2には、ケース4の端子取付壁4aの内壁に平行に当接する板状の絶縁部材34a,34bが設けられている。このため、ケース4との絶縁性を確保しながら電流遮断装置140とタブ8a,8bを可能な限りケース4の端子取付壁4aに近接させ、ケース4の端子取付壁4aと電極組立体6の間の距離を短くすることができ、蓄電装置2の小型化により寄与できる。さらに、第1導電部材10aは、板状の絶縁部材34aに当接する状態で配置されているため、電流遮断装置140やタブ8aがケース4に対して振動することを防止することができる。
【0045】
また、タブ8a,8bは、端子取付壁4aに略平行なy方向に折り曲げられ、端子取付壁4aに略平行な平坦部18a,18bが形成されている。このような構成とすることによって、タブ8a,8bを真っ直ぐに伸ばした場合に比べて、蓄電装置2の上下方向(z方向)の寸法を小型化することができる。
【0046】
また、正極電極端子12aと、電流遮断装置140と、タブ8aが、ケース4の端子取付壁4aから平面視したときに、互いにオフセットして配置されており、正極電極端子12aと、電流遮断装置140と、タブ8aは、第1導電部材10aが延在するx方向に重なり合っている。また、本実施例の蓄電装置2では、タブ8aの上端部が電流遮断装置140の下端部よりもケース4の端子取付壁4aに近い位置に配置されている。このような構成とすることによって、従来はデッドスペースとなっていた正極電極端子12aの側方や電流遮断装置140の側方の空間を有効に活用し、蓄電装置2の上下方向の寸法を小型化することができる。
【0047】
(変形例)
上記の実施例では、ケースが略直方体形状の箱型部材である場合について説明したが、ケースは例えば略円筒形状の箱型部材であってもよい。
【0048】
また、上記の実施例では、第1導電部材10aがタブ8aの平坦部18aと絶縁部材34aの間に挟み込まれている場合について説明したが、これ以外の構成とすることもできる。例えば平坦部18aを絶縁部材34aに当接させて、第1導電部材10aを平坦部18aの下側に当接させてもよい。あるいは、平坦部18aを絶縁部材34aに当接させて、第1導電部材10aを平坦部18aの中に挿入してもよい。タブ8b、第3導電部材10bおよび絶縁部材34bの関係についても同様である。
【0049】
また、電流遮断装置140に替えて、図6に示すような電流遮断装置240を用いてもよい。電流遮断装置240は、保護板170を備えている点において電流遮断装置140と相違しており、その他の構成は、電流遮断装置140と同様であるため、同一の参照番号を付して説明を省略する。図6に示すように、電流遮断装置240では、反転板138の下方に絶縁性の保護板170が設けられている。保護板170は、絶縁性のブラケットの下面に固定されている。保護板170は、反転板138と電極組立体6(図1を参照)の間に配置されている。そのため、電極組立体6が電流遮断装置240に接触しても、反転板138が誤動作することを防止することができる。ケース4の内圧が所定レベル未満のとき(例えば、ケース4の内圧が正常のとき)に、電極組立体6と負極電極端子12bの間の通電経路が遮断されることを防止することができる。また、保護板170が絶縁性であるため、反転板138と電極組立体6とが接触して短絡することを防止できる。なお、保護板170には貫通孔172が設けられている。そのため、ケース4の内圧が所定レベルを超えて上昇したときに、圧力が反転板138の部分138aに加わることが妨げられることはない。
【0050】
また、上記の実施例では、電流遮断装置140,240は、接合部を有する反転板の一方の面がケース内の圧力に晒されており、ケース内の圧力が上昇し、この反転板の両面における圧力差が所定値以上となった場合に反転するものであったが、これに限られない。例えば、図7,8を用いて下記に説明する電流遮断装置340のように、接合部333を有する第1反転板330(変形板の一例)は、ケース内の圧力が上昇したときに反転する第2反転板342(変形板の一例)が加える荷重を受けて反転してもよい。また、接合部において反転板と接合する被接合部材(第1導電部材又は第2導電部材)は、電流遮断時に破断されず、反転板と剥離するものであってもよい。なお、下記の図7,8に係る変形例の説明においては、実施例1の蓄電装置2と相違する部分のみを説明し、蓄電装置2と同様の構成については重複説明を省略する。
【0051】
図7に示すように、電流遮断装置340は、第1反転板330と、第2反転板342と、支持部材360,370と、Oリング371とを備えている。電流遮断装置340には、第1導電部材10aの正極電極端子12a側(図1に示す、x軸の負方向)の端部である内側部分350と、第2導電部材22のタブ8a側(図1に示す、x軸の正方向)の端部である内側部分320とが挿入されている。正極電極端子12a側から、電極組立体6側に向かう方向(z軸の負方向)に、内側部分350,第1反転板330、内側部分320、第2反転板342がこの順で配置されている。第1反転板330は、電流遮断装置340の内部に収容されており、第2反転板342の下面(z軸の負方向側の面)は、ケース4の電極組立体6側の圧力に晒されている。第1反転板330と内側部分320との間には、Oリング371が挟持されている。
【0052】
支持部材360とケース4の端子取付壁4aとの間は絶縁部材34aによって電気的に絶縁されている。支持部材370は、絶縁性であり、樹脂モールドで成形され、断面が略U字状でリング状に形成されている。支持部材370の略U字状の内面でもって、第1反転板330,第2反転板342の外周部、Oリング371及び内側部分320,350の外周部の外周部を覆うとともにこれらの部材を積層状に挟着し、一体的に保持している。支持部材360は、ステンレス製のカシメ部材であり、支持部材370の外面を被覆して、密封及び保持を確実なものとしている。
【0053】
第1反転板330及び第2反転板342は、薄板、例えば、金属性のダイアフラムからなり、支持部材370によって、外周部において固定されるとともにケース4内の電極組立体6側とシールされている。第1反転板330及び第2反転板342は、それぞれ、中央部330a,342aと、周辺部330b,342bとを有している。中央部330a,342aは、z軸に略垂直な円盤状であり、周辺部330b,342bは、中央部330a,342aを取り囲む曲面状である。第2反転板342の中央部342aには、内側部分320の側に向けて突出する凸部343が設けられている。凸部343は、筒形状をなしており、凸部343の内側部分320側の表面は絶縁部材344によって覆われている。
【0054】
内側部分320及び内側部分350は、それぞれ、中央部320a,350aと、周辺部320b,350bとを有している。中央部320a,350aは、薄く形成されており、周辺部320b,350bは、それぞれ中央部320a,350aに向かって徐々に薄くなっている。このように、内側部分320及び内側部分350は全体として上方に窪んだ凹部を有しており、第1反転板330及び第2反転板342が反転するための空間を形成している。
【0055】
第1反転板330は、その周辺部330bの外縁において内側部分350と接合して電気的に接続され、その中央部330aの接合部333において内側部分320と接合され、溶接によって固定されている。周辺部330bの外縁と内側部分320との間はOリング371によって絶縁されている。第1反転板330と内側部分320とは、接合部333のみにおいて電気的に接続されている。電流遮断装置340の内側では、正極側の通電経路は、この順で直列に接続された、内側部分350、第1反転板330、内側部分320によって接続されている。なお、第2反転板342は、その周辺部342bの外縁において内側部分320と接合して電気的に接続されているが、これらは電気的に接続されていなくてもよい。
【0056】
接合部333は、第2反転板342の凸部343の上方に位置しており、接合部333の周囲の下方に位置する中央部320aの下面には、刻印部322が形成されている。破断し易いように刻印部322において中央部320aは薄くなっている。
【0057】
ケース4内の圧力が上昇すると、第2反転板342の上面側が下面側に対して負圧となる。第2反転板342の上面側と下面側の圧力差が所定値以上になると、図8に示すように、第2反転板342はz方向に反転し、凸部343が中央部320aに向かって移動する。凸部343は、絶縁部材344を介して中央部320aの下面に当接し、荷重を加える。これによって、刻印部322において中央部320aが破断され、接合部333に接合する部分が内側部分320から分離され、さらに、第1反転板330が反転して内側部分320から離間する。図7に示す蓄電装置2の通常動作時において、第1反転板330と内側部分320とは接合部333のみにおいて電気的に接続されていたため、図8に示すように接合部333に接合する部分が内側部分320から分離されて第1反転板330が内側部分320から離間することによって、第1反転板330と内側部分320との通電が遮断される。その結果、第1導電部材10aと第2導電部材22との電気的接続が遮断されて、正極側の通電経路が遮断される。
【0058】
また、電流遮断装置140,240、340に替えて、図9に示すような電流遮断装置540を用いてもよい。電流遮断装置540は、保護板570を備えている点において電流遮断装置340と相違しており、その他の構成は、電流遮断装置340と同様であるため、同一の参照番号を付して説明を省略する。図9に示すように、電流遮断装置540では、第2反転板342の下方に絶縁性の保護板580が設けられている。保護板580は、第1反転板330,第2反転板342の外周部、Oリング371及び内側部分320,350とともに、支持部材360,370に支持されている。保護板580は、第2反転板342と電極組立体6(図1を参照)の間に配置されている。そのため、電極組立体6が電流遮断装置540に接触しても、第2反転板342が誤動作することを防止することができる。ケース4の内圧が所定レベル未満のときに、電極組立体6と負極電極端子12bの間の通電経路が遮断されることを防止することができる。また、保護板580が絶縁性であるため、第2反転板342と電極組立体6とが接触して短絡することを防止できる。なお、保護板580には貫通孔582が設けられている。そのため、ケース4の内圧が所定レベルを超えて上昇したときに、圧力が第2反転板342の凸部343に加わることが妨げられることはない。
【0059】
また、上記の実施例では、電流遮断装置140,240,340,540は、変形板としてはケース内の圧力が上昇したときに反転する反転板により具体化したが、これに限られない。変形板としては、ケース内の圧力が上昇したときに、その圧力を受けて変形し、通電経路を遮断するものであればよい。
【0060】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9