(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
出力モータとその出力モータからの回転力によってスライド送りの作動を行う送りネジ機構が備えられ、そのネジ送り機構によってドライアイスのブロック体を上下方向にスライド可能に載置し、且つ、その載置されているドライアイスのブロック体を水平面で回転させ得るドライアイスの載置手段と、
回転駆動モータと、互いに同軸で保持された複数枚の回転刃が備えられ、前記複数枚の回転刃が前記回転駆動モータからの回転力を受けて回転機能し、前記ドライアイスの載置手段に載置されているドライアイスのブロック体の上面に複数の溝部を形成し得る溝部形成手段と、
前記ドライアイスの載置手段と前記溝部形成手段を相対的にスライドさせることによって前記ドライアイスの載置手段と前記溝部形成手段を接近及び離隔させ得るスライド手段と、
前記スライド手段のスライド方向とほぼ直行する方向にスライド可能な刃体が備えられ、その刃体の下端稜部が前記溝部形成手段の前記複数の回転刃の下方先端の位置とほぼ等しい高さ位置に配設され、且つ、前記ドライアイスの載置手段に載置されているドライアイスのブロック体に前記溝部形成手段によって第一の溝部を形成し、続いて、前記ドライアイスのブロック体を水平面で回転させた後に前記第一の溝部の形成された溝部の形成されている面に、前記第一の溝部と異なる方向に前記溝部形成手段によって第二の溝部を形成し、これら第一の溝部と第二の溝部によって形成される前記ドライアイスのブロック体から突出した状態の突出体に、前記刃体を押圧することにより、前記ドライアイスのブロック体の本体からの前記突出体をせん断して切断させ得る切断手段、を備えて構成されるドライアイスペレットの製造装置。
前記スライド手段は、固定側にスライド方向に伸びるガイド棒を、スライド側に前記ガイド棒を挿通する挿通部材を、それぞれ配設して構成される請求項1に記載のドライアイスペレットの製造装置。
前記ドライアイスの載置手段は、前記スライド手段の作動によって前記溝部形成手段に対して相対的に接近と離隔の位置を取る部材に固定された板材と、その板材に対して水平面内で回転可能な板材が備えられ、加工対象物のドライアイスのブロック体は回転可能な板材の側に支持される構成の請求項1又は2に記載のドライアイスペレットの製造装置。
【技術分野】
【0001】
例えば冷凍物をその状態で保持し続けたい、常温下で腐敗し易い物を腐敗の生じないように冷温状態下に保ちたい、ある対象物に冷熱を与えたいなどといった場合、特に冷蔵庫や冷凍庫などといった大掛かりな装置を使用せずに、簡便にその対象物に冷熱を供給する場合は対象物に冷熱を直接に供給する方法が挙げられる。
そして、その冷熱を直接に簡便に供給する方法として、冷熱を供給する対象物の近傍に又は密着させてドライアイスを配置する方法がよく知られている。
【0002】
さて、ドライアイスは通常、冷熱が無駄に放出して失われるしまうのを防ぐこと、製造上と取り扱い上の簡便さを得ることなどの理由から、ブロック状に、具体的には直方体形状や立方体形状に製造されている。
しかし、対象物の冷熱が供給されるべき冷熱被供給部位が十分に広い開口部を有しない凹部や幅の狭い間隙であったり、冷熱が供給されるべき冷熱被供給面の形状が凹凸に富んでいたり曲面である場合には、ドライアイスは個体であって容易に変形するものではないので、ブロック状のドライアイスは前記の凹部や間隙、凹凸や曲面の複雑な形状の冷熱被供給部位の近傍に又は密着させて配置することができない。
【0003】
従って、ドライアイスと冷熱被供給部位の間に隔たりのある場合では、冷熱を効率よく供給することができないという問題が生じる。
そこで、この問題を解決する方法として、冷熱を供給するドライアイスは大きな固まりのブロック状のドライアイスではなく、冷熱被供給部位の形状に追従し易いペレット状のドライアイスを使用する方法が挙げられる。
【0004】
つまり、ペレット状のドライアイスを使用する場合では、冷熱を供給する対象部位が凹部、間隙、凹凸や曲面などの複雑な形状であっても、ドライアイスがペレット状であればそれらの冷熱被供給部位の形状に追従して近傍若しくは密着の状態に配置させることが可能となり、結果的に、冷熱被供給部位はペレット状のドライアイスから大きな間隙を経ずして冷熱を効率よく受け取ることになる。
よって、冷熱を簡便に供給するものとしてドライアイスの冷熱を供給することが挙げられるが、冷熱の供給を受ける部位の形状によっては、ペレット状のドライアイスの方がブロック状のドライアイスよりもより一層短い距離の隔たり或いは密着して冷熱を効率よく供給し、且つ、より一層効率的であって冷熱の損失を抑えることが可能であると言える。
【0005】
しかし、前述したように、ドライアイスが冷熱を供給することは冷熱を放出することであるが、その冷熱の放出は表面積の大きさに対応するから、ドライアイスが冷熱の無駄な放出を極力防ぐようにするには、体積に対して表面積を可能な限り小さくすることが大きな意味を持つ。
つまり、ドライアイスは、同じ体積であれば即ち同じ冷熱の容量であれば、複数個のペレット状であるよりも一個のブロック状である方が冷熱放出を防ぐことになる。
【0006】
そこで、既述した通り、ドライアイスは通常、冷熱の無駄な放出を抑えること、製造上と運搬などの取り扱いが簡便であることという視点から、ドライアイスをブロック状に形成し、必要に応じて、そのブロック状のドライアイスから小片やペレット状のドライアイスを得ることが求められる。
この発明は、ブロック状のドライアイスからペレット状のドライアイスを製造するドライアイスペレットの製造装置に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特開2004−13711715264号公報で開示された発明(以下、「先願発明」と称する。)のドライアイスペレットの製造装置は、一端側に複数のノズル(30)が開設されケーシング(2)に塊状ドライアイスを収納させ、前記ノズル(30)と背向の方向からシリンダー装置(4)によって塊状ドライアイスを加圧して前記ノズル(30)からドライアイスペレットを得るように構成された装置と受け取れる。
尚、ケーシング(2)は、枢支によってシリンダー装置(4)の押圧方向から逸ることが可能な構成になっている。
【0009】
斯かる構成のドライアイスペレットの製造装置では、シリンダー装置(4)を構成要件としており、先願発明の実施の形態に依れば、具体的に1.5×10の7乗〜3.5×10の7乗Paの圧力で加工対象物の塊状ドライアイスを押圧することが示されている。
となると、先願発明のドライアイスペレットの製造装置は、斯様な高い圧力の発生手段が備えられていて、装置の構成として極めて大掛かりであるという問題がある。
【0010】
又、斯様な高い圧力を発生させる分、先願発明の斯かる構成の製造装置は、取り扱い上で危険が伴うという問題がある。
更に、先願発明の装置に於いて、プレス板(41)、ケーシング(2)、押出ダイ(3)等は、前記の極めて高い圧力を受けるためには十分な耐圧性・耐久性を備えていることが装置としての前提となり、該当部材は強度の極めて高い材料によって作られる必要がある。
【0011】
更に、前記高圧に対応するには、プレス板(41)、ケーシング(2)、押出ダイ(3)等は高圧に抗するために一般に肉厚で作られことになり、よって、重量化が生じるという問題がある。
加えて、先願発明のドライアイスの製造装置では、全体構成が大掛かりで、使用時に危険性が伴い、各構成部材に大きな強度や耐圧性が要求され、装置全体として重量化するので、結果的に、先願発明に係る装置の製作は簡便とは言えず、装置の取り扱いは繁雑で熟練を必要とするという問題がある。
【0012】
尚、ブロック状のドライアイスから小片状ドライアイスを得る方法としては、従来、熟練者が板状や棒状のドライアイスを道具を用いて砕いて得ることが知られている。
しかし、斯かる方法では、ドライアイスの小片を得るには熟練を必要とし、又、得られる小片状のドライアイスは形状と体積つまり冷熱の熱容量の上でバラツキが大きいという問題があった。
【0013】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ドライアイスペレットを得るための製造装置が大掛かりになることを回避し、その製造装置を構成する部材が特別に高い強度や耐圧性を必要とせず、ドライアイスペレットを製造する際に危険性が伴わず、ドライアイスの製造時の作業に熟練を必要とせず且つ簡便であるドライアイスペレットの製造装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した通り、ドライアイスペレットを簡便に製造するには、前述の解決すべき大きな課題が多々あってなかなか達成できなかった。
そこで、本願発明の発明者(以下、「本願発明者」と称する。)は業としてドライアイスを長い間取り扱って来た経験から、ドライアイスの持つ特有の性質に着目し、鋭利研究を重ねて前述の課題の解決を試みた。
【0015】
つまり、本願発明者は解決策を得るために以下に述べるドライアイスの取り扱い上の性質を把握した。具体的には、ドライアイスは、同じ形状であればブロック体が大きければ大きいほど体積に対する表面積の比が小さくなって冷熱の放出がより一層少なくなり、ブロック体が小さければ小さいほど体積に対する表面積の比が大きくなって冷熱の放出がより一層大きくなるという性質を有している。
ところで、ドライアイスは一般に回りの環境温度(気温)よりも温度が低く、冷熱供給対象物以外からも冷熱が奪われ易い、つまり、常に冷熱のムダ供給という問題が伴うという性質のある。
【0016】
従って、ブロック状のドライアイスの冷熱の損失とドライアイスペレットの冷熱の損失を比較して考えると、それぞれを製造した時点から使用する時までの時間が長ければ長いほど、体積の大きなブロック状のドライアイスの方が体積の小さいドライアイスペレットよりも冷熱放出の損失を抑えることが可能になる。
従って、ドライアイスからの冷熱の放出の損失を抑える、つまり、冷熱のムダ供給をより一層回避するという視点に立つと、最初に体積の大きなブロック状のドライアイスを用意し、必要に応じてその体積の大きなブロック状のドライアイスから体積の小さいドライアイスペレットを製造して使用することが、冷熱放出の損失を抑える一策と考えた。
【0017】
そこで、ブロック状のドライアイスを切断してドライアイスペレットを製造ることを考えた場合、同じく冷熱を供給する氷を切断する際には氷と摩擦熱によって水が生じるが、ここで生じる水によってミゾレ状の氷削りカスができ、その取り扱いが煩雑になる。
しかし、ドライアイスは個体状態から直接に気体状態へと昇華し、液体状態を取らないからミゾレ状の削りカスの生じることがなく、取り扱いが煩雑になることはない。
【0018】
しかも、ドライアイスが昇華する際は、その昇華して気体の二酸化炭素になるドライアイス部分は、その近傍のドライアイス部分から昇華のための昇華熱を奪うことになる。
そして、この時に昇華しないドライアイスは昇華熱を奪われて昇華温度以下に保持されるという性質が働くので、ドライアイスの冷熱供給体としての価値は保ち続ける。
【0019】
他方、ドライアイスは、物理強度的な性質として延性や展性に富まず、硬質であって極めて脆いという性質のあることが知られている。つまり、ドライアイスは、押圧力を受けると大きく伸びたり曲がったりすることはなく、一定以上の押圧力を受けると即刻せん断破壊されるという性質を持っている。
本願発明者は、上述したドライアイス特有の性質に着目し、ドライアイスのペレットを大掛かりな装置を必要とせず、危険を伴わず、熟練性を要せずに簡便に製造するための研究と試行錯誤を重ねて発明を完成するに到った。
【0020】
この発明は、ブロック状のドライアイスの一の面に、同一方向にほぼ同じ深さの複数の第一の溝部を形成し、且つ、その第一の溝部の形成されたと同じ面に前記方向とは異なる角度となる方向に前記第一の溝部とほぼ同じ深さの複数の第二の溝部を形成し、前記ブロック状のドライアイスの前記一の面にこれら二方向の溝部によって形成される複数の突出体に対して、前記ブロック状のドライアイスからの突出体の突出方向と直行する方向に押圧力を前記複数の突出体に加えてせん断させ、ドライアイスのペレットを得るように構成したドライアイスペレットの製造装置である。
【0021】
発明の詳細な構成は、出力モータとその出力モータからの回転力によってスライド送りの作動を行う送りネジ機構が備えられ、そのネジ送り機構によってドライアイスのブロック体を上下方向にスライド可能に載置し、且つ、その載置されているドライアイスのブロック体を水平面で回転させ得るドライアイスの載置手段と、回転駆動モータと、互いに同軸で保持された複数枚の回転刃が備えられ、前記複数枚の回転刃が前記回転駆動モータからの回転力を受けて回転機能し、前記ドライアイスの載置手段に載置されているドライアイスのブロック体の上面に複数の溝部を形成し得る溝部形成手段と、前記ドライアイスの載置手段と前記溝部形成手段を相対的にスライドさせることによって前記ドライアイスの載置手段と前記溝部形成手段を接近及び離隔させ得るスライド手段と、前記スライド手段のスライド方向とほぼ直行する方向にスライド可能な刃体が備えられ、その刃体の下端稜部が前記溝部形成手段の前記複数の回転刃の下方先端の位置とほぼ等しい高さ位置に配設され、且つ、前記ドライアイスの載置手段に載置されているドライアイスのブロック体に前記溝部形成手段によって第一の溝部を形成し、続いて、前記ドライアイスのブロック体を水平面で回転させた後に前記第一の溝部の形成された溝部の形成されている面に、前記第一の溝部と異なる方向に前記溝部形成手段によって第二の溝部を形成し、これら第一の溝部と第二の溝部によって形成される前記ドライアイスのブロック体から突出した状態の突出体に、前記刃体を押圧することにより、前記ドライアイスのブロック体の本体からの前記突出体をせん断して切断させ得る切断手段、を備えて構成されるドライアイスペレットの製造装置である。
【0022】
本発明のドライアイスペレットの製造装置は、前記ドライアイスの載置手段の出力モータと溝部形成手段の回転駆動モータのいずれか一方が出力し、同時に二つの出力が生じることを回避するように制御を行う制御手段を備えた構成が挙げられる。
【0023】
本発明に於けるドライアイスの載置手段の具体的な構成として、初期状態に於いてドライアイスのブロック体を載置支持し、且つ、装置全体に対して水平方向で回転可能な底板と、その底板に開設された通孔に挿通し、ドライアイスのブロック体を載置支持し得、且つ、上下方向にスライド可能な載置円板と、を備えた構成が挙げられる。
【0024】
本発明のスライド手段に於いて、前記接近及び離隔の方向に直線状にスライドさせ得る構成として、固定側にスライド方向に伸びるガイド棒を、スライド側にそのガイド棒を挿通する挿通部材を、それぞれ配設する構成が挙げられる。
【0025】
本発明の溝部形成手段において、その回転刃の形状として、回転刃の周縁部つまり刃先部位から中心に向かうに従って、厚くなるように形成されたものが挙げられる。
又、得られるドライアイスペレットの大きさは、一つに隣接する回転刃の配置される間隔で決まる。従って、隣接する回転刃の間隔を変えることによってドライアイスペレットの大きさを選択・設定することが可能である。
【発明の効果】
【0026】
この発明のドライアイスペレットの製造装置は、既述した構成により、ブロック状のドライアイスを前記ドライアイスの載置手段に載置させ、前記溝部形成手段を出力させた状態で前記スライド手段を機能させて前記ブロック状のドライアイスを前記溝部形成手段に接近させていくと、前記複数の回転刃が前記ブロック状のドライアイスの上面に互いに平行な複数の溝部を形成させ、その後、前記スライド手段を機能させて前記ブロック状のドライアイスを前記溝部形成手段から離隔させ、前記ドライアイスの載置手段を所望角度例えば90度だけ水平方向に回転させてから、再度、前記溝部形成手段を出力させた状態で前記スライド手段を機能させて前記ブロック状のドライアイスを前記溝部形成手段に接近させて、前記複数の回転刃が前記ブロック状のドライアイスの上面に、前回に形成した溝部と直行する方向の複数の溝部を形成させ、結果的に、前記ブロック状の上面に複数の直方体形状の突出体を形成させ、前記スライド手段を機能させて前記ブロック状のドライアイスを前記溝部形成手段から離隔させてから、切断手段を機能させて前記ブロック状のドライアイス本体から突出体を切断して切り離すことでドライアイスペレットを得る構成であることから、この発明に係るドライアイスペレットの製造装置は、装置そのものの構成が大掛かりではなく、又、装置そのものを構成する部材は通常の材料で構成が可能であって特別に高い強度や耐圧性を必要とせず、更に、ドライアイスペレットの製造時に危険性が伴わず、加えて、装置の取り扱い等は簡便であって熟練を必要としないドライアイスペレットの製造装置である。
【0027】
この発明のドライアイスペレットの製造装置では、制御手段は、ドライアイスの載置手段の出力モータの出力と溝部形成手段の回転駆動モータの出力がいずれか一方であって、同時に二つのモータが出力することが生じないように制御するように構成されていることから、例えば溝部形成手段が機能して複数の回転刃が回転している際に、ドライアイスの載置手段のモータが出力して載置しているドライアイスを上下方向に移動させて所望通りの深さの溝部が形成できない、ドライアイスの上下方向の移動に操作者が驚いて回転刃に接触して怪我をするといった危険が生じることはない。
【0028】
溝部形成手段の回転刃は、周縁部つまり先端の身が比較的薄く、中心に向かって身が厚くなるように形成させたことによって、ドライアイスの溝部の形成の際に、幅の狭い溝を形成でき且つ回転刃そのものは高い耐久性があるという効果も得られている。
【0029】
スライド手段を、前記接近及び離隔の方向に直線状にスライドさせ得る構成として、固定側にスライド方向に伸びるガイド棒を、スライド側にそのガイド棒を挿通する挿通部材を、それぞれ配設する構成であることから、スライド側は固定側に対して横方向及び縦方向の動きが強く規制され、溝部形成手段によってドライアイスのブロック体に形成される複数の溝部は結果的に直線状であって横方向に於いてブレがなく、且つ、縦方向に於いて溝部の深さが一定であり、二度の溝部形成手段の機能によってドライアイスのブロック体に形成される突出体はそれぞれ形状と大きさが所定通りに形成され、切断手段によって最終的に得られるドライアイペレットの大きさと形状は当初予定したものになるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、この発明を、図面に基づいて実施する最良の形態によって説明する。しかし、この形態によってこの発明が限定されるものではない。
ドライアイスペレットの製造装置1は、図に示すように、ベース2と、ドライアイスの載置手段3と、溝部形成手段4と、スライド手段5と、切断手段6及び制御手段7を備えて構成されている。
【0032】
ドライアイスの載置手段3は、ドライアイスのブロック体を水平面で回転可能(矢印A及びB方向)で、且つ、上下方向(矢印C及びD方向)にスライド可能に載置するものである。
ドライアイスの載置手段3は、主に、スライド板8と、円形固定支持板9と、円形回転支持板10と、支持ピラー11と、底板12と、載置円板13と、側板14,15,16と、扉板17と、蝶番及びロック機構(共に、図示省略)と、出力モータ18と、ドライバ19と、送りネジ機構20を備えて構成されている。
【0033】
スライド板8は、後述するスライド手段5によってベース2に対して矢印E及びF方向にスライドし得るものである。
スライド板8には通孔21が開設され、通孔21に送りネジ機構20が挿通され且つ送りネジ機構20はスライド板8に取り付け固定されている。
スライド板8には、その上面のほぼ中央を中心として四本の支持ピラー11が上方に向けて立設固定されている。
【0034】
円形固定支持板9は、四本の支持ピラー11に載置固定されている。よって、円形固定支持板9は、スライド板8に対して固定されていて可動性はない。
円形回転支持板10は、軸線を共通にして円形固定支持板9に載置の状態で配設され、且つ、円形固定支持板9に対して矢印A及びB方向に回転可能な構成になっている。
そして、円形回転支持板10と円形固定支持板9の間に、円形回転支持板10が円形固定支持板9に対して回転する際に所望の角度で回転範囲が規制されるリミッタ機構(図示省略)が介在されている。
【0035】
前記リミッタ機構は、円形回転支持板10に付設された凸片(図示省略)と、円形固定支持板9の外周に任意の角度位置を取るように設けられ、前記凸片に当接して前記凸片が当接の範囲を超えて回転しないように規制する規制部(図示省略)から構成されている。
又、円形回転支持板10と円形固定支持板9の間に、円形回転支持板10が円形固定支持板9に対して正逆方向に円滑に回転せるための環状ベアリング(図示省略)が介在されている。
【0036】
円形固定支持板9及び円形回転支持板10は共に、軸線を中心にして送りネジ機構20が挿通する円形状の通孔(図示省略)が開設されている。
円形回転支持板10には、軸線を共通にして底板12が載置固定されている。
【0037】
底板12の中心には、円形状の通孔22が開設されている。
ドライアイスの載置手段3には、底板10の通孔22とほぼ同じ径であって通孔22を閉塞し得る載置円板13が備えられている。
載置円板13は、底面で送りネジ機構20と連結されている。
【0038】
従って、載置円板13は、送りネジ機構20が出力モータ18からの回転力を受けると機能して上下方向、つまり、矢印C及びD方向にスライドし得る構成となっている。
側板14.15,16は、底板12を囲むようにして円形回転支持板10に立設固定されている。
【0039】
扉板17は、側板16の端部に前記蝶番によって開閉可能(矢印I及びJ方向)に取り付けられている。
又、前記ロック機構は、扉板17が側板14に対して閉の位置を取った際にその状態を保持するためのものである。
【0040】
溝部形成手段4は、加工対象となる直方体のブロック状のドライアイスの天面に、互いに平行で且つほぼ等間隔の複数の溝部を形成するものである。
溝部形成手段4は、回転駆動モータ23と、複数の回転刃が等間隔で配置して構成された機能刃体24と、歯車25,26、チェーン27、機能刃体24を枢支するための枢支部材28,29等を備えて構成されている。
【0041】
尚、最終的に得られるドライアイスペットの大きさと形状が一定ではなく、大小取り混ぜたドライアイスペットを製造したい場合には、機能刃体24の隣接する回転刃同士の間隔を一定ではなく不揃いにするとよい。
歯車25,26とチェーン27は、
図4に示すように、回転駆動モータ23の回転駆動力を機能刃体24に伝える伝動手段を構成している。
尚、30は、制御手段7からの制御信号を受けて回転駆動モータ23の出力を制御するドライバである。
【0042】
機能刃体24の各回転刃は、
図5に示すように、各回転刃の径がほぼ同じであって、それら各回転刃は同軸で且つ隣接する回転刃同士の間隔がほぼ等しくなるように回転軸31に枢支保持されている。
機能刃体24の各回転刃は、
図6に示すように、ドライアイスに幅の狭い溝を形成する鋭利さを確保し、且つ、回転体としての強度を得る為に、刃先部位は峰部分(回転刃の中心部分)に比して肉が薄く形成されている。
【0043】
スライド手段5は、ドライアイスの載置手段3に載置されているドライアイスをスライドさせ、溝部形成手段4に対して相対的に接近及び離隔の位置を取らせ得る手段である。
スライド手段5は、
図1に示すように、ドライアイスの載置手段3と溝部形成手段4が接近と離隔の位置を取る方向(矢印E及びF方向)で互いに平行に配設された案内レール支持板32,33と、矢印E及びF方向に伸びて互いに平行となるように案内レール支持板32,33にそれぞれ付設支持された案内レール34,35と、スライド板8の底面であって且つ案内レール34,35に対応した位置にそれぞれ二個ずつ枢支され、案内レール34,35の上をそれぞれガイドされて回転する車輪(図示省略)と、ベース2に立設固定され、案内レール支持板32を保持する板部材36,37及びベース2に立設固定され、案内レール支持板33を保持する板部材38,39と、板部材36,37及び38,39にそれぞれ固定保持されている丸棒状のガイド棒40及び41と、スライド板8に立設固定された板部材42,43,44,45と、板部材42,43にそれぞれ付設され且つガイド棒40を挿通する円形断面の挿通孔(図示省略)が開設されている挿通部材46,47及び板部材44,45にそれぞれ付設され且つガイド棒41を挿通する円形断面の挿通孔(図示省略)が開設されている挿通部材48,49を備えて構成されている。
【0044】
他方、溝部形成手段4は、第1図に示すように、装置ペース2に立設固定された板部材50,51の天面に載置された板部材52に取り付け固定されている。
従って、溝部形成手段4はベース2に対して固定された位置を保つが、スライド板8は案内レール支持板34,35の伸長方向である矢印E及びF方向にスライド可能であるから、結果的に、ドライアイスの載置手段3に載置されているドライアイスは溝部形成手段4対してスライドして離隔と接近の位置を取ることが可能である。
【0045】
尚、ドライアイスペレットの製造装置1では、スライド手段5は手動式、つまり、スライド板8をベース2に対して手動によって矢印E及びF方向にスライドさせる構成であるが、ドライアイスの載置手段3の重量が大きすぎたりスライドの速さを特定のものにさせる必要がある場合などには、スライド板に枢支させた前記車輪にモータからの駆動力を与えて自走式の構成を取ってもよい。
切断手段6は、ドライアイスの載置手段3に載置され且つ溝部形成手段4によって上面に複数の溝部が形成されたドライアイスのブロック体に、スライド手段5のスライド方向と直行する方向で前記ドライアイスのブロック体の溝部形成部位に押圧力(せん断力)を与えて、前記ドライアイスのブロック体本体に形成された溝部によってできた突出体を切断するものである。
【0046】
切断手段6は、スライド切断板53と、ベース2に立設固定された板部材54,55と、丸棒状であって、スライド手段5のスライド方向と直行する方向(矢印G及びH方向)で板部材54,55に保持固定されているガイド棒56と、丸棒状であって、スライド手段5のスライド方向と直行する方向(矢印G及びH方向)で板部材50,51に保持固定されているガイド棒57と、挿通孔(図示省略)が開設され、ガイド棒56に挿通され且つスライド切断板53に取り付け固定されている挿通部材58及び挿通孔(図示省略)が開設され、ガイド棒57に挿通され且つスライド切断板53に取り付け固定されている挿通部材59を備えて構成されている。
【0047】
60は、スライド切断板53を矢印G及びH方向に手動でスライドさせるための把手である。61は、把手60をスライド切断板53に固定している固定具である。
制御手段7は、ドライバ19に制御信号を送って出力モータ18を出力させ、出力モータ18の出力によって送りネジ機構20を機能され、結果的にドライアイスの載置手段3に載置されたドライアイスのブロック体を所望の距離だけ上下方向にスライドさせるための制御と、ドライバ30に制御信号を送って回転駆動モータ23を出力させ、結果的に所望の回転数で機能刃体24を回転させる為の制御と、ドライバ19とドライバ30のいずれか一方に制御信号を送っている際は他方には制御信号を送らないように機能するものである
【0048】
制御手段7は、制御内容を入力させる為の入力部62と、その入力内容と制御対象の現状を表示する表示部63と、入力部からの信号を受けてその内容に対応した制御信号をドライバ19,30に出力するCPU64を備えて構成されている。
図3に、制御手段7からドライバ19,30に制御信号を送る構成を説明する電気回路図を示す。
【0049】
ドライアイスペレットの製造装置1の全体の構成及び各手段の構成は、上述した通りである。
以下に於いて、ドライアイスペレットの製造装置1を使用してドライアイスペレットの製造を説明する。
【0050】
操作者は、まず最初に、載置手段3の扉板17を矢印J方向に回転して開き、ドライアイスのブロック体65を側板14,15,16で形成される空間に入れ、扉板17を矢印I方向に回転して閉状態とする。
続いて、前記ロック機構を機能させて、扉板17を側板14に対して閉の状態に保持させる。
【0051】
ここで、加工対象のドライアイスのブロック体65は、扉板17と側板14,15,16に囲まれ且つ載置円板13に載置されて、載置手段3に載置固定された状態となっている。
操作者は、載置円板13に載置されているドライアイスのブロック体65の天面が、側板14,15,16の天面より所望する距離だけ、つまり、ドライアイスペレットの大きさに対応するだけ突出するように、制御手段7を操作して出力モータ18させる。
【0052】
つまり、例えば、目測して載置円板13に載置のドライアイスのブロック体65の天面が側板14,15,16の天面より約3ミリ突出していて、且つ、最終的に7ミリだけ突出させたいと所望した場合には、ドライアイスのブロック体65を矢印C方向に4ミリだけ上昇せさればよいので、操作者は制御手段7に載置円板13を4ミリだけ上昇させる旨を入力部62に入力する。
ここで、入力部62はCPU64に制御信号を送るが、CPU64はその制御信号を受けて載置円板13を4ミリだけ上昇させたいとの旨を表示部63に送る。
【0053】
表示部63は、CPU64からの信号を受け、載置円板13を4ミリだけ上昇させようとしていることを表示する。
操作者は、表示部63に表示された内容を確認し、制御手段62の入力部62に送りネジ機構20を機能させるための操作を行う。
【0054】
ここで、制御手段7の入力手段62は、操作者からの出力命令の信号を受けてCPU64にその旨の信号を送るが、CPU64はこの時点で溝部形成手段4のドライバ30に出力命令の信号を送っていないことを確認してからドライバ19に出力命令の信号を送る。
ドライバ19は、制御手段62のCPU64から載置円板13を4ミリだけ上昇させる旨の制御信号を受けて、その制御に対応する出力を行うように出力モータ18の出力を制御する。
【0055】
ここで、出力モータ18は出力し、送りネジ機構20は載置円板13を4ミリとわずかだけ上昇させる(矢印C方向へのスライド)。
ドライアイスのブロック体65は載置円板13に載置されているから、4ミリとわずかだけ上昇し、つまり、矢印C方向へ4ミリだけスライドしたので、結果的に、前記ドライアイスのブロック体の天面は側板14,15,16の天面より7ミリとわずかだけ高い位置つまり突出した状態となる。
【0056】
ここで、「わずかだけ」とは、溝部形成手段4の機能刃体24の下端が扉板17及び側板14,15,16の天面の高さ位置よりも下であって結果的に機能刃体24が扉板17や側板14,15,16を傷付けることを回避させるために、機能刃体24の下端が扉板17及び側板14,15,16の天面に対して高い位置となるように配置した余裕を意味する。
この「わずかだけ」とは、例えば具体的な数値として1ミリを挙げられる。
【0057】
この時、載置手段3に載置されているドライアイスのブロック体65は、
図8に示す状態である。
次に、操作者は制御手段7を操作して、溝部形成手段4を機能させる。つまり、操作者は制御手段7に、ドライアイスのブロック体に複数の溝部を形成させるように、溝部形成手段4の回転駆動モータ23を出力させて機能刃体24を機能させるための入力操作を行う。
【0058】
制御手段7の入力部62が回転駆動モータ23を出力させたいとの旨の入力を受け取ると、その入力内容をCPU64に送るが、CPU64は出力モータ18を出力させるための制御信号をドライバ19に送っていないことを確認した後、表示部63に回転駆動モータ23の出力可能な状態であることを表示させる信号を送る。
操作者は、表示部63に示された回転駆動モータ23が出力可能な状態であることを確認してから、入力部62に回転駆動モータ23を出力させるための操作を行う。
【0059】
制御手段7の入力部62は操作者からの入力操作に基づいてCPU64に回転駆動モータ23を出力させる旨を伝えると、CPU64はドライバ30に回転駆動モータ23を出力させるための制御信号を送る。
ここで、ドライバ30は回転駆動モータ23に出力させる制御信号を送り、回転駆動モータ23は回転を行う。
【0060】
回転駆動モータ23が回転すると、その回転駆動力は歯車25、チェーン27、歯車26と伝わって回転軸31が回転し、機能刃体24が回転する。
この機能刃体24が回転している状態において、操作者は手動でスライド板8を矢印F方向へとスライドさせる。
【0061】
ここで、スライド板8は、操作者からの矢印F方向へのスライド力を受けて同方向へスライドされるが、案内レール34,35は互いに平行で矢印E及びF方向で配設されており、スライド板8の底面に枢支された車輪が案内レール34,35の上を転がり移動する構成であることから、スライド板8は確実に矢印F方向でスライドすることになる。
又、スライド板8のスライドは、板部材42と挿通部材46及び板部材43と挿通部材47を介してガイド棒40によって、板部材44と挿通部材48及び板部材45と挿通部材49を介してガイド棒41によってそれぞれ矢印E及びF方向に強く方向付けられ、その分矢印F方向と垂直水平方向つまり左右方向への揺動が強く規制されているので、スライド板8は矢印F方向に直線状にスライドすることになる。
【0062】
従って、載置手段3に載置されているドライアイスのブロック体65は溝部形成手段3に向かって矢印F方向に直線状にスライドするから、ドライアイスのブロック体65の天面には矢印E及びF方向に伸びて互いに平行である複数の溝部66が形成される。
同様にして、スライド板8のスライドは、板部材42と挿通部材46及び板部材43と挿通部材47を介してガイド棒40によって、板部材44と挿通部材48及び板部材45と挿通部材49を介してガイド棒41によってそれぞれ矢印E及びF方向に強く方向付けられ、その分矢印F方向と垂直上下方向への揺動が強く規制されているので、スライド板8は矢印F方向に直線状にスライドすることになる。
【0063】
従って、載置手段3に載置されているドライアイスのブロック体65は溝部形成手段4に対して上下方向の揺動が強く規制されて溝部形成手段3に向かいながらスライドするから、ドライアイスのブロック体65の天面には矢印E及びF方向に伸びて互いに平行である複数の第一の溝部66は、同じ深さであって深くなったり浅くなったりするという事態は生じない。つまり、具体的には、深さが7ミリの一定した深さの第一の溝部66が形成される。
次に、操作者は、スライド手段5を機能させてスライド板8を矢印E方向にスライドさせて、初期の位置に戻す。
【0064】
続いて、円形固定支持板9に対して円形回転支持板10を矢印A方向に90度だけ回転させる。
ここで、載置手段3に載置されているドライアイスのブロック体66も矢印A方向に90度だけ回転し、
図10に示すように、
図9に示したドライアイスのブロック体65は水平面上で矢印A方向に90度だけ回転した状態を取る。
【0065】
よって、結果的に、ドライアイスのブロック体65の天面に形成された複数の第一の溝部66は、矢印E及びF方向から矢印G及びH方向に向きを変える。
ここで、更に、前述したと同様に、スライド手段5及び溝部形成手段4を機能させて、つまり、スライド板8を矢印F方向にスライドさせ且つ溝部形成手段4をドライアイスのブロック体65の天面に作動させると、結果的に、スライド板8の側に載置されているドライアイスのブロック体65の天面に矢印E及びF方向に伸びる第二の溝部67を形成する。
【0066】
ここで、第二の溝部67は、第一の溝66と同様に、互いに平行で直線状に伸び且つ深さが一定に形成されている。
従って、ドライアイスのブロック体65の天面は、
図11に示すように、溝部66及び67によって、突出の高さがほぼ7ミリで且つ水平断面が正方形である、複数の直方体の突出体68が形成された状態になっている。
【0067】
ここで、操作者は、制御手段7を操作して溝部形成手段4の出力を停止させ、続いて、スライド板8を矢印E方向にスライドさせて初期の位置に戻す。
操作者は、更に、切断手段6をドライアイスのブロック体65の天面に形成されている複数の直方体の突出体68に作動するように操作する、つまり、具体的には、操作者は把手60を両手で握って矢印G方向にスライドさせる。
【0068】
ここで、スライド切断板53は、複数の直方体の突出体68に水平方向(矢印G方向)の力を加えることになるが、
図7から明らかなように、溝部66及び67の深さは溝部形成手段4の機能刃体24の下端位置とほぼ同じであって且つスライド切断板53の位置も同じであり、更に、複数の突出体68はドライアイスであって物理的な押圧力に対して伸縮したり曲がったりはせずにもろくて極めて折れ易いという性質を持っていることから、結果的にせん断力を加えることになる。
このスライド切断板53の矢印G方向にスライドする際、固定側のガイド棒56が切断板53の側の挿通部材58によって、固定側のガイド棒57が切断板53の側の挿通部材59によってそれぞれ矢印G方向 強く規制されていることにより、切断板53の前面の押圧面が複数の突出体68に対して上下方向に揺動することがない。
【0069】
従って、切断板53の前面の押圧面は複数の突出体68の付け根部位から上の部位に押圧力(せん断力)を加えることになるので、複数の突出体68がほぼ一定の上下位置でドライアイスのブロック体65からせん断され、切断板53が突出体68より高い位置を取ったり、切断板53が突出体68より低い位置のドライアイスのブロック体65を押圧し、結果的に、ドライアイスのブロック体65から突出体68を切断しないといった事態の生じることはない。
よって、スライド切断板53のスライド押圧によって、確実に複数の直方体の突出体68に矢印G方向の力を加えることになり、複数の直方体の突出体68はほぼその根本でせん断(切断)されることになる。
【0070】
ここで、複数の突出体68はそれぞれドライアイスのブロック体65から切り離されるが、ここで複数の突出体68を形成していたペレット状のドライアイス、つまり、ドライアイスペレット69となり、結果的に、操作者はドライアイスペレット69を得ることができる。
又、ここで得られたドライアイスペレット69は複数の直方体の突出体68から形成されているが、前述したように、複数の直方体の突出体68は元々水平方向に揺動がなく深さも一定である溝部66及び67によって形成されていることから、ドライアイスペレット69は互いに形状と大きさが均一となっている。
【0071】
従って、ドライアイスペレット69はそれぞれ、結果的に、形状と大きさが均一である分、均等に冷熱を供給することが期待できる。
他方、得られる各ドライアイスペレットに相異なる量の冷熱の供給を求める場合には、溝部形成手段4の機能刃体24の各隣接する回転刃の間隔を異ならせることによって、各溝間の距離が異なる溝部を形成し、結果的に、形状と大きさの異なるドライアイスペレットを得ることができる。
【0072】
上述した作業で得られたドライアイスペレットの量が求める量に比して少ない場合は、既述したと同様に、載置手段3の送りネジ機構20を機能させてドライアイスのブロック体65を上方にスライドさせ、次に、スライド手段5及び溝部形成手段4を機能させ、ドライアイスのブロック体65の上面に互いに直行する複数の溝部を形成して、結果的に、複数の突出体を形成し、続いて、その複数の突出体に対して切断手段6のスライド切断板53を矢印G方向にスライドすると、ドライアイスペレットを得ることができる。
ドライアイスペレットの製造装置1には、得られたドライアイスペレット68を捕集する手段を示していないが、板部材55及び56の近傍に、斜め下方に拡がるガイド板を備え、スライド切断板53によって切断されて矢印G方向に飛んで来るドライアイスペレット68を受け、更に、下方に用意した容器に案内する構成が挙げられる。
【0073】
ドライアイスペレットの製造装置1の全体構成、各手段の構成及び操作は上述した通りであり、装置そのものの構成は大掛かりになっておらず、構成する部材は特別に高い耐圧性を必要とせず、装置を機能させる作業中に高圧等による危険が伴うことがなく、且つ、作業そのものに熟練を必要とせずにドライアイスペレットを簡便に得ることが可能なドライアイスペレットの製造装置になっている。
ドライアイスペレットの製造装置1に於いて、溝部形成手段4、特に、機能刃体24の周囲は図面で示した内容及び上述した通りであるが、危険防止、塵埃からの回避などの必要に応じて可能な範囲で適宜カバーで覆う構成が望ましい。
【0074】
ドライアイスペレットの製造装置1の上述した使用では、溝部形成手段4によって直方体の突出体68が形成されて、結果的に、直方体のドライアイスペレットが得られているが、最初に形成する第一の溝部66に対し、固定支持板9に対して円形回転支持板10を90度ではなく例えば45度だけ回転されてから溝部形成手段4を機能させて第二の溝部67を形成すると、最終的に、水平断面が菱形であるドライアイスペレットを得ることができる。
【0075】
ドライアイスペレットの製造装置1では、切断手段6のスライド切断板53が突出体68の側部に当接して単に矢印G方向のせん断力を与えるだけの板状の形状に形成されているが、天面及び/又は側端面からスライド方向前方つまり矢印G方向に突出した形状に形成され、せん断されてドライアイスのブロック体65から切断されて得られたドライアイスペレットを前方に配置されたペレット収集箱に案内するためのガイド部を備えた構成であってもよい。