特許第5946133号(P5946133)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5946133
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月5日
(54)【発明の名称】カラオケ装置及びカラオケ用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20160621BHJP
   H04N 7/173 20110101ALI20160621BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
   H04N7/173 630
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-239889(P2012-239889)
(22)【出願日】2012年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-89368(P2014-89368A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】396004833
【氏名又は名称】株式会社エクシング
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】谷村 浩典
(72)【発明者】
【氏名】坂牧 杏子
【審査官】 冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−093734(JP,A)
【文献】 特開2011−075708(JP,A)
【文献】 特開2003−345368(JP,A)
【文献】 特開2007−093968(JP,A)
【文献】 特開2008−145928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
H04N 7/173
G10K 15/02
H04N 21/00−21/858
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歌唱ユーザにて指定された楽曲を演奏手段に演奏させる演奏処理と、
前記歌唱ユーザによる歌唱音声に基づいて評価を行う評価処理と、
前記歌唱ユーザにて指定された楽曲に対応するとともに投稿映像と評価情報を少なくとも含む投稿情報を、複数種類抽出条件毎に取得する投稿情報取得処理と、
前記演奏処理に同期して、前記抽出条件毎に取得された各投稿情報を切り替えながら対戦状況を表示する対戦状況表示処理と、を実行可能とし、
前記対戦状況は、前記投稿情報に含まれる前記投稿映像を、前記評価処理による評価状況と前記投稿情報に含まれる評価情報に基づいて、前記歌唱ユーザとの歌唱優劣を認識可能なように表示されることを特徴とする
カラオケ装置。
【請求項2】
前記歌唱ユーザをログインさせるログイン処理を実行可能とし、
前記投稿情報取得処理は、ログインした前記歌唱ユーザに対応する前記投稿情報を取得することを特徴とする
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記対戦状況表示処理は、前記投稿映像を枠内に表示させるとともに、歌唱優劣に応じて前記枠の位置を移動させることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記対戦状況表示処理は、歌唱優劣に応じて前記枠の表示形態を変更することを特徴とする
請求項3に記載のカラオケ装置。
【請求項5】
歌唱ユーザにて指定された楽曲を演奏手段に演奏させる演奏処理と、
前記歌唱ユーザによる歌唱音声に基づいて評価を行う評価処理と、
前記歌唱ユーザにて指定された楽曲に対応するとともに投稿映像と評価情報を少なくとも含む投稿情報を、複数種類抽出条件毎に取得する投稿情報取得処理と、
前記演奏処理に同期して、前記抽出条件毎に取得された各投稿情報を切り替えながら対戦状況を表示する対戦状況表示処理と、をコンピュータにて実行可能とし、
前記対戦状況は、前記投稿情報に含まれる前記投稿映像を、前記評価処理による評価状況と前記投稿情報に含まれる評価情報に基づいて、前記歌唱ユーザとの歌唱優劣を認識可能なように表示されることを特徴とする
カラオケ用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱を楽しむことのできるカラオケ装置及びカラオケ用プログラムに関するものである。特に、歌唱ユーザの歌唱優劣を評価することのできるカラオケ装置及びカラオケ用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、楽曲の演奏にあわせて歌唱を楽しむカラオケ装置が知られている。近年、このようなカラオケ装置では、カラオケ楽曲はもとよりユーザから寄せられた動画コンテンツなど、多彩なメディアを扱うことが可能となっている。特許文献1には、同席するログインユーザを対戦相手とし、所定の演奏曲を歌唱した場合、区間毎に採点を行うことで区間毎の順位が分かる歌唱順位表示システムが開示されている。また、特許文献2には、所定の演奏曲に対し、演奏記録データベースに記憶された演奏記録を有するユーザ、または、リアルタイムに利用している他ユーザを対戦相手とし、区間毎に採点を行い、併せて歌唱動画の表示を行う通信カラオケシステムが開示されている。さらにこの特許文献2では、所定区間毎に所定順位以下の対戦相手が画面から消去されることで、対戦における遊興性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4404820号公報
【特許文献2】特許第4528234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に開示されるように、カラオケ装置において他ユーザと歌唱優劣を競うこと(歌唱対戦)が行われるところではあるが、対戦相手は、演奏開始前に決定された者に固定されることとなり、複数の観点による歌唱評価を行うことはできない。本発明は、1つの楽曲の演奏中に複数の観点(項目)による対戦相手との歌唱優劣を認識可能なように歌唱動画を表示させることで、カラオケの歌唱対戦における新たな楽しみ方を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため本発明に係るカラオケ装置、カラオケ用プログラムは以下の構成を採用することを特徴としている。
【0006】
歌唱ユーザにて指定された楽曲を演奏手段に演奏させる演奏処理と、
前記歌唱ユーザによる歌唱音声に基づいて評価を行う評価処理と、
前記歌唱ユーザにて指定された楽曲に対応するとともに投稿映像と評価情報を少なくとも含む投稿情報を、複数種類抽出条件毎に取得する投稿情報取得処理と、
前記演奏処理に同期して、前記抽出条件毎に取得された各投稿情報を切り替えながら対戦状況を表示する対戦状況表示処理と、を実行可能とし、
前記対戦状況は、前記投稿情報に含まれる前記投稿映像を、前記評価処理による評価状況と前記投稿情報に含まれる評価情報に基づいて、前記歌唱ユーザとの歌唱優劣を認識可能なように表示されることを特徴とする
カラオケ装置。
【0007】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記歌唱ユーザをログインさせるログイン処理を実行可能とし、
前記投稿情報取得処理は、ログインした前記歌唱ユーザに対応する前記投稿情報を取得することを特徴とする。
【0008】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記対戦状況表示処理は、前記投稿映像を枠内に表示させるとともに、歌唱優劣に応じて前記枠の位置を移動させることを特徴とする。
【0009】
さらに本発明に係るカラオケ装置において、
前記対戦状況表示処理は、歌唱優劣に応じて前記枠の表示形態を変更することを特徴とする。
【0010】
歌唱ユーザにて指定された楽曲を演奏手段に演奏させる演奏処理と、
前記歌唱ユーザによる歌唱音声に基づいて評価を行う評価処理と、
前記歌唱ユーザにて指定された楽曲に対応するとともに投稿映像と評価情報を少なくとも含む投稿情報を、複数種類抽出条件毎に取得する投稿情報取得処理と、
前記演奏処理に同期して、前記抽出条件毎に取得された各投稿情報を切り替えながら対戦状況を表示する対戦状況表示処理と、をコンピュータにて実行可能とし、
前記対戦状況は、前記投稿情報に含まれる前記投稿映像を、前記評価処理による評価状況と前記投稿情報に含まれる評価情報に基づいて、前記歌唱ユーザとの歌唱優劣を認識可能なように表示されることを特徴とする
カラオケ用プログラム。
【発明の効果】
【0011】
本発明のカラオケ装置、もしくは、カラオケ用プログラムによれば、1楽曲の演奏中に複数項目にわたる対戦状況を表示させることで、歌唱ユーザに対して複数観点における対戦状況を確認させることが可能となる。
【0012】
さらに本発明では、ログインした歌唱ユーザに対応する投稿情報を取得することで、当該歌唱ユーザとフレンド登録をしているユーザ、歌唱楽曲について全国順位が近いユーザ、うた年齢が近いユーザなど、歌唱ユーザと関連するユーザを対戦相手として抽出することが可能となる。
【0013】
さらに本発明では、枠内に投稿映像を表示させるとともに、歌唱優劣に応じて枠の位置を移動させることで、歌唱ユーザや同席するユーザに対して、歌唱優劣を視認させることが可能となる。
【0014】
さらに本発明では、歌唱優劣に応じて枠の表示形態を変更することで、歌唱優劣をさらに分かりやすく視認させることが可能となる。この枠の表示形態としては、枠の大きさを変更する、枠に順位を表示する、枠の重なりの優先順位を変更する、枠に対して画像効果を付与することなどが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るカラオケシステムを示す図
図2】本発明の実施形態に係るトップ画面を示す図
図3】本発明の実施形態に係るユーザ情報を示す図
図4】本発明の実施形態に係るユーザ情報の送受信の様子を示す図
図5】本発明の実施形態に係るアクティブユーザトップ画面を示す図
図6】本発明の実施形態に係るマイルーム画面を示す図
図7】本発明の実施形態に係る楽曲確認画面を示す図
図8】本発明の実施形態に係る演奏処理(投稿モード時)を示すフロー図
図9】本発明の実施形態に係る投稿情報の管理を説明するための図
図10】本発明の実施形態に係る演奏処理(対戦モード時)を示すフロー図
図11】本発明の実施形態に係る演奏処理時における対戦項目切り替えの様子を示す図
図12】本発明の実施形態に係る対戦状況画面(A:フレンド間の順位)を示す図
図13】本発明の実施形態に係る対戦状況画面(B:全国順位が近いユーザ間の順位)を示す図
図14】本発明の実施形態に係る対戦状況画面(C:うた年齢が近いユーザ間の順位)を示す図
図15】本発明の実施形態に係る対戦状況画面(D:同じ時間に歌唱しているユーザ間の順位)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係るカラオケシステムの構成を示す図である。本実施形態におけるカラオケシステムは、カラオケ装置2(コマンダ)と、リモコン装置1にて構成されており、これらは、LAN100にて、無線、有線で互いに接続されている。
【0017】
店舗に設置されるカラオケ装置2は、リモコン装置1(例えば、1a、1b)によりユーザからの各種指示を受け付けることが可能となっている。また、リモコン装置1は表示部11と操作部17が共有されたタッチパネル表示画面を備え、ユーザに対して各種情報の提供や、操作入力することが可能とされている。リモコン装置1は、LAN100上に設置されたアクセスポイント110を介してカラオケ装置2と無線接続される。例えばカラオケ装置2にはリモコン装置1aと1bが対応付けられ、LAN100aを介して情報を送受信することが可能となっている。また、リモコン装置1a、1bとカラオケ装置2とは赤外線通信部16などを利用した近距離通信を行うことも可能である。
【0018】
さらに、本実施形態のカラオケシステムでは、ユーザに各種サービスを提供するためインターネットを介したカラオケ用ホスト5(サーバ装置)が設けられ、楽曲情報やユーザ情報、投稿情報(カラオケ投稿映像・音声、補助情報)など、各種サービスに必要な情報を記憶している。そして、ルータ120を通じて、カラオケ装置2、又はリモコン装置1a、1bと、前述した情報の送受信が行うことができる。
【0019】
カラオケ装置2は、全体を統括制御する制御部30を中心として機能し、主な機能として、演奏処理、楽曲予約処理、投稿処理、投稿映像選択処理、投稿映像視聴処理などを実行可能としている。演奏処理は、入力部21やリモコン装置1にて、ユーザにより指定された歌唱用楽曲に対応する演奏情報をMIDI音源を含んで構成される音響制御部70にて演奏させ、スピーカー42から放音させる処理である。このとき、スピーカー42からは歌唱用マイク44a、44bから入力される音声も合わせて放音される。投稿処理は、演奏処理にあわせて録画・録音されたカラオケ用投稿映像をカラオケ用ホスト5に送信する処理である。また、投稿映像選択処理は、投稿処理にて送信されたカラオケ用投稿映像を視聴などを目的としてユーザに選択させる処理であって、投稿映像視聴処理は、選択されたカラオケ用投稿映像を視聴する処理である。
【0020】
楽曲予約処理は、ユーザからの指定に基づいて歌唱用楽曲を選択、予約するための処理である。本実施形態ではリモコン装置1と連携して実行することとなる。リモコン装置1の操作部17から入力されたユーザの指令は、赤外線通信部19、23、あるいは、LAN100を介してカラオケ装置2に伝達される。カラオケ装置2での処理結果は、リモコン装置1側の表示部11に表示され、ユーザは選曲のための各種情報を視認することが可能である。カラオケ装置2とリモコン装置1は、この楽曲指定処理に限らず、ユーザ個別
のサービスを提供するためのログイン処理など各種処理を実行することが可能である。
【0021】
図2は、本発明の実施形態に係るトップ画面、すなわち、リモコン装置1を起動した直後の画面を示す図である。本実施形態では、リモコン装置1の表示部11に表示を行うことで、リモコン装置1を操作するユーザに対して各種情報を提供する。なお、リモコン装置1の操作部17としては、カーソルキーなどの各種機械的なスイッチの他、表示部11に表示されたボタン、アイコンなどを直接タッチして操作を行うタッチパネルを採用することができる。
【0022】
本実施形態のカラオケシステムは、複数のユーザが各リモコン装置1のタッチパネル表示画面から必要な情報(後述するユーザ識別情報やパスワード)を入力し、ログインすることが可能となっている。ユーザのログインに関する情報は画面上方に常時表示される。ログインしたユーザの分身像(アバター)を表示するためのログインユーザ欄103が設けられている。なお、分身像としては、人、キャラクターを模した像の他、図形や記号など各種形態を採用することができる。
【0023】
また、アカウントを有していないユーザのためのゲストアイコン102、ユーザを切り替えるためのユーザ切替スイッチ101が表示されている。ログインしたユーザは、ログインユーザ欄103に表示される分身像を選択、あるいは、ユーザ切替スイッチ101を操作することで、自分のユーザ情報を利用した各種サービスを受けることが可能となる。また、アカウントを有していないユーザは、ゲストアイコン102を操作することで、選曲など一般的なサービスを受けることが可能となっている。なお、ユーザの切替の際には、パスワードなど認証を行うこととしてもよいが、認証を行うことなく簡易に切り替えることとしてもよい。
【0024】
図3は、各ユーザ毎に、ホスト5に記憶されているユーザ情報を説明するための図である。本実施形態では、ユーザ情報として、個人情報、十八番テーブル、履歴テーブルといった、ユーザに関する各種情報を含んで構成される。ユーザ情報は、カラオケ用ホスト5の記憶部51に予め記憶されている。また、ユーザ情報には、ユーザがリモコン装置1からカラオケ用ホスト5へログインしてこれら情報を利用するためのユーザ識別情報、パスワードが対応付けられている。個人情報には、ユーザ名(実際の名前に限ったものでなく、ニックネームであってもよい)、性別、年齢、うた年齢、居住地、趣味などを含んで構成される。これら各種情報は、リモコン装置1、あるいは、インターネットなどのネットワークに接続された図示しないパーソナルコンピュータ、携帯情報端末などにてログインして設定することも可能である。
【0025】
なお、うた年齢とは、ユーザの選曲した楽曲に基づいて算出される実際の年齢とは異なる年齢である。各楽曲を歌唱したユーザの実際の年齢を平均することで各楽曲に対するうた年齢が算出される。各ユーザの歌年齢は、ユーザが選曲した楽曲のうた年齢を平均することで算出される。
【0026】
十八番テーブルは、ユーザによって登録された歌唱用楽曲を記憶するテーブルであって、楽曲識別情報、音程情報、過去の採点情報(最高点)などを含んで構成されている。ユーザは、この十八番テーブルに基づいて、過去に登録したお気に入りの歌唱用楽曲を呼び出して歌唱することが可能となる。その際、登録した音程情報を利用することで、自分の歌唱にあった音程で演奏(再生)を行うこともできる。
【0027】
履歴テーブルは、ユーザが過去に演奏した歌唱用楽曲に関する各種情報を記録した情報であって、本実施形態では、演奏した歌唱用楽曲について、歌唱用楽曲の楽曲識別情報、演奏した日時を示す歌唱日時、歌唱した店舗の識別情報、あるいは、歌唱した店舗の住所
、もしくは、緯度経度などを示す位置情報、採点情報などを含んで構成されている。ユーザは、この履歴テーブルに基づいて、過去に演奏した歌唱用楽曲を呼び出して歌唱することができる。
【0028】
フレンドテーブルは、ユーザにより登録された他のユーザのユーザ識別情報が登録されている。なお、フレンド登録する際には、相手方のユーザの許可を必要とする。フレンド登録されたユーザ間では、メッセージを送信したり、フレンド項目における歌唱の対戦相手候補となることが可能となる。
【0029】
図4は、このユーザ情報の送受信の様子を示した図である。カラオケ店舗に来店したユーザは、自己のユーザ識別情報とパスワードで構成された識別情報を入力、あるいは、リモコン装置1などに設けられたICカードリーダーでICカードに記憶されている識別情報を読み取らせることで認証処理S101を実行する。ユーザの識別情報を読み取った、カラオケ装置2あるいはリモコン装置1は、識別情報をカラオケ用ホスト5に送信し(S102)、識別情報を受信したカラオケ用ホスト5は記憶部51に記憶されたデータベースから、該当するユーザのユーザ情報を抽出し(S121)、問い合わせのあったカラオケ装置2あるいはリモコン装置1に対して送信する(S122)。
【0030】
ユーザ情報を受信したカラオケ装置2側では(S103)、受信したユーザ情報に基づいて、選曲処理、演奏処理など各種サービス処理が提供される(S104)。ユーザによりログアウトが要求される(S105)とサービス処理を中断し、サービス処理中における各種履歴(ログ)、あるいは、ユーザによる設定変更を反映したユーザ情報をカラオケ用ホスト5に送信する(S106)。ここで、ユーザ情報は、全ての情報を送信することの他、更新された差分だけを送信してもよい。カラオケ用ホスト5では、受信したユーザ情報に基づいて記憶部1に記憶されたデータベースの更新を実行する(S124)。
【0031】
以上、1ユーザが認証処理(ログイン処理)してから、ログアウトするまでの流れを説明したが、本実施形態のカラオケ装置2、リモコン装置1は、認証された複数人(認証ユーザ)が同時にログインした状態で使用することが可能となっており、図2で説明したユーザインターフェイスを用いることで、サービスを提供するユーザ(以下、「アクティブユーザ」という)を切り替えて使用することが可能となっている。
【0032】
図5は、本発明の実施形態に係るアクティブユーザトップ画面を示す図である。この図に示されるように、複数人がログインした状態ではログインユーザ欄103にログインしたユーザの分身像103a〜103e(本実施形態では顔部分)が表示される。またログインユーザ欄103中、右端に背景がハイライトで示されるユーザは、アクティブユーザ103eであって、図に示す状態では、このアクティブユーザ103eに対するサービス、すなわち、アクティブユーザ103eのユーザ情報を利用したサービスが実行されている状態となっている。このアクティブユーザトップ画面では、「曲を探す」を選択することで、従来の歌本と同様、歌手名、楽曲名に基づく検索を行うことができる。
【0033】
図6には、アクティブユーザトップ画面にて「マイルーム」が選択されたときの画面であるマイルーム画面が示されている。このマイルーム画面には、図に示されるようにマイうた104、マイアーティスト105、りれき106といった操作ボタンが表示されており、これらを選択することでユーザ情報を利用した各種選曲方法を選択することが可能となっている。マイうた104が選択されたときにはマイうたテーブルを参照した選曲が、マイアーティスト105が選択されたときにはマイアーティストテーブルを参照した選曲が、そして、りれき106が選択されたときには履歴テーブルを参照した選曲が実行される。
【0034】
アクティブユーザとして歌唱用楽曲を選択した場合、図7に示される楽曲確認画面にて、予約を行う楽曲に間違いがないか、楽曲名、歌手名、歌い出しなどを表示してユーザに確認させる。このとき、選択した歌唱用楽曲に対して自分の歌唱できる音程が予め分かっている場合には、「キー設定」を変更することで演奏する際のキー調整値を設定することが可能となっている。キー設定右下の「変更」ボタンを操作することで、キー設定用の画面が表示されキー調整値を設定することができる。また、本実施形態では「オプション」にて、カラオケ投稿についての設定することが可能とされている。具体的には、演奏時に録音・録画を実行することでカラオケ投稿映像・音声を作成し、カラオケ用ホスト5に送信するか否か、そして、カラオケ用ホスト5に送信したカラオケ投稿映像・音声の公開範囲などを設定することが可能とされている。
【0035】
この楽曲確認画面にて「予約」ボタンが操作されると、リモコン装置1からカラオケ装置2に対して楽曲識別情報、ユーザ識別情報、投稿モードの選択状況などを含む予約情報が送信される。受信したカラオケ装置2では、予約情報を予約テーブルに順次追加して、演奏処理を実行する。
【0036】
図8には、本発明の実施形態に係る演奏処理を示すフロー図が示されている。ここで説明する演奏処理は、図7の楽曲確認画面中に表示されるオプション機能にて投稿モードを選択した場合、すなわち、カラオケ投稿映像・音声を使用可能とする場合について説明するためのフロー図である。
【0037】
カラオケ装置2の電源投入後、演奏処理が開始されると、予約テーブルをチェック(S201)し、次に演奏する歌唱用楽曲の有無が判定される(S202)。S203では、読み出された予約情報について、カラオケ投稿映像・音声を作成するか、すなわち、投稿モードが選択されているか否かが判定される。投稿モードでないと判定された場合(S203:No)には、録音・録画を実行せずに、予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する演奏情報を音響制御部70に演奏させる通常モードなどの演奏処理(S220)が実行される。
【0038】
一方、投稿モードが選択されていると判定された場合(S203:Yes)には、予約情報に含まれる演奏情報の演奏を開始させ(S204)、それとほぼ同時にカメラ43から入力される映像情報の録画と、歌唱用マイク44から入力される歌唱音声情報の録音を開始する(S205)。本実施形態では歌唱音声情報のみを録音することとしており、再生時には、録音時に演奏した演奏情報を同期して再生させて再現することとしている。そのため、録音された歌唱音声情報には、録音に使用した歌唱用楽曲の楽曲識別情報が付帯される。このような形態に変え、演奏された演奏情報を歌唱音声情報と一緒に録音しておき、それを再生することとしてもよい。
【0039】
さらに本実施形態では、演奏開始後、歌唱用マイク44から入力されるユーザの歌唱音声と、演奏情報中の模範情報とを比較すること等によって採点を行う採点処理が開始される(S206)。本実施形態の採点処理は、演奏期間中、採点結果を経時的に記録した採点情報(本発明における「評価情報」)を出力する。後で説明する演奏処理の対戦モードでは、この採点情報を使用して、歌唱者間の優劣が競われる。
【0040】
S207では、歌唱用楽曲の演奏が終了したか否かを監視し、演奏の終了が判定される(S207:Yes)と、S208にて録音・録画を終了し、録画情報、録音情報を含むカラオケ投稿映像が作成される。作成時には、採点情報など作成時の各種状況に基づくメタデータである補助情報が付帯される。
【0041】
この補助情報には、演奏した歌唱用楽曲の楽曲識別情報、音程情報、ユーザ識別情報、
投稿日時、投稿位置情報、採点情報が含まれる。前述したように本実施形態では、歌唱音声情報のみを録音することとしているため、再生時には、補助情報に含まれる楽曲識別情報に対応した演奏情報を歌唱音声情報と同期して再生させる。また、音程変更が行われた場合には、音程情報に基づき演奏情報の音程を変更して再生させる。補助情報としての楽曲識別情報、ユーザ識別情報、投稿日時、投稿位置情報、採点情報は、カラオケ投稿映像・音声を選択するときの指標として利用することが可能である。
【0042】
S209では、ユーザに対し、S208の録音・録画終了時に作成されたカラオケ投稿映像・音声とその補助情報について、カラオケ用ホスト5へのアップロードの可否が問われる。このとき、ユーザに録音・録画したカラオケ投稿映像・音声を試聴させて内容や写り具合などを確認させた後、アップロードの可否を選択させることとしてもよい。ユーザによりアップロードが許諾された場合(S210:Yes)には、カラオケ投稿映像・音声とその補助情報をカラオケ用ホスト5にアップロードする(S211)。一方、アップロードが許諾されなかった場合(S210:No)には、当該歌唱用楽曲についての一連の処理を終了して、次の歌唱用楽曲の演奏に進むこととなる。
【0043】
図9は、本発明の実施形態に係るカラオケ用ホストの通信処理を示す模式図であって、カラオケ投稿映像・音声と補助情報の通信状況を示した図となっている。本実施形態では、コマンダ2から送信されたカラオケ投稿映像・音声とその作成時に付帯される補助情報1は、インターネットあるいは専用線などのネットワーク網を介してカラオケ用ホスト5の記憶部51にてデータベース化される。データベース化されたこれら情報は、視聴(選択)端末にて利用することが可能とされる。
【0044】
利用方法としては、カラオケ用ホスト5のWebサーバ52にて、インターネット網を介して接続されたパーソナルコンピュータ、あるいは、携帯情報端末から視聴することが可能とされている。また、カラオケ装置としてのコマンダ2からも視聴することが可能とされている。なお、コマンダ2では、視聴するだけでなく、楽曲演奏時にカラオケ投稿映像・音声を再生し、過去に行われた歌唱と一緒に歌唱を楽しむことも可能とされている。そのときの歌唱状況を録音・録画してさらなるカラオケ投稿映像・音声の作成に利用することとしてもよい。
【0045】
また、この各種視聴端末でのカラオケ投稿映像・音声の利用状況に基づいて、当該カラオケ投稿映像・音声に対してメタデータとしての補助情報2を記録することとしてもよい。例えば、カラオケ投稿映像・音声を再生した回数、あるいは、視聴端末にてユーザが入力した評価情報が補助情報2として記憶部51中のデータベースに記録される。この補助情報2は、補助情報1と同様、カラオケ投稿映像・音声を選択する際の指標として利用することができる。
【0046】
本実施形態では、カラオケ装置にて録音・録画されたカラオケ投稿映像・音声をカラオケ装置、パーソナルコンピュータなどの視聴端末で視聴可能とするとともに、カラオケ投稿映像・音声を使用することで歌唱者間で歌唱の優劣を競うこと(対戦)を可能としている。
【0047】
図10は、本発明の実施形態に係る演奏処理(対戦モード時)を示すフロー図である。カラオケ装置2の電源投入後、演奏処理が開始されると、予約テーブルをチェック(S201)し、次に演奏する歌唱用楽曲の有無が判定される(S202)。S301では、読み出された予約情報について、当該予約情報について対戦モードが選択されているか否かが判定される。本実施形態では、図5に示される「歌唱対戦」ボタンを選択して選曲された楽曲に対して対戦モードが指定されることとなる。対戦モードでないと判定された場合(S301:No)には、予約情報に含まれる楽曲識別情報に対応する演奏情報を音響制
御部70に演奏させる通常モードなどの演奏処理(S220)が実行される。
【0048】
一方、対戦モードが選択されている楽曲の場合(S301:Yes)、カラオケ装置2は、対戦相手となる投稿情報(カラオケ投稿映像・音声とその補助情報)をカラオケ用ホスト5に要求する(S302)。このときカラオケ装置2は、予約情報に含まれる楽曲識別情報と、歌唱ユーザのユーザ識別情報をカラオケ用ホスト5に送信する。カラオケ用ホスト5は、受信したこれらの情報に基づいて、複数項目における対戦相手を抽出し、当該対戦相手の投稿情報をカラオケ装置2に送信する(S402)。投稿情報の抽出条件としては、これから歌唱する楽曲と同じ楽曲であること、すなわち、楽曲識別情報に対応する投稿情報であることを少なくとも必要とする。この他、カラオケ用ホスト5に記憶する歌唱ユーザのユーザ情報を利用し、歌唱ユーザと関連する投稿情報を抽出することとしてもよい。
【0049】
さらに本実施形態では、同じ楽曲の投稿情報中、複数の項目毎に3名の対戦相手を抽出することとしている。なお、対戦相手の人数は任意に決定することが可能である。また、本実施形態の抽出条件となる各項目としては、(A)歌唱ユーザがフレンド登録しているユーザであること、(B)歌唱ユーザと歌唱する楽曲についての全国順位が近いユーザであること、(C)歌唱ユーザとうた年齢が近いユーザであること、(D)直近で歌唱したユーザであることを使用している。
【0050】
項目(A)では、歌唱ユーザのフレンドテーブルを参照して対戦相手を抽出する。カラオケ用ホスト5は、受信したユーザ識別情報に対応するユーザ情報(フレンドテーブル)を参照し、対戦対象となる楽曲に対応する投稿情報を抽出する。項目(B)では、対戦対象となる楽曲について、歌唱ユーザと全国順位が近いユーザを抽出する。カラオケ用ホスト5は、蓄積している投稿情報の補助情報(採点情報)に基づいて、対戦対象となる楽曲の全国順位を算出することが可能である。この項目(B)では、これから歌唱ユーザが以前に同楽曲を歌唱した際の採点情報に基づいて算出された全国順位に近いユーザ(対戦相手)の投稿情報が抽出される。
【0051】
項目(C)では、歌唱ユーザの個人情報中、うた年齢を参照し、このうた年齢と同じ、もしくは、それに近いユーザを対戦相手として抽出し、その投稿情報を抽出する。項目(D)では、対戦対象となる楽曲について、投稿情報(補助情報)に含まれる投稿日時に基づいて、直近で投稿したユーザを対戦相手として抽出し、その投稿情報がカラオケ装置2に送信される。
【0052】
このように本実施形態では、投稿情報(カラオケ投稿映像とその補助情報)を演奏開始前にカラオケ装置2に送信することとしているが、投稿情報の送信は、予約した時点から演奏開始までの期間に行うこととしてもよい。あるいは演奏期間中にストリーミング送信することとしてもよい。なお、本実施形態の対戦モードにおいて少なくとも必要となる対戦相手の映像と採点情報を送信することとしてもよい。対戦モードにおいて、投稿情報中の必要としない情報を送信しないことで回線容量の圧迫を抑制することが可能となる。
【0053】
投稿情報を受信して演奏の開始が整った時点で、演奏情報に基づく演奏を開始する(S304)。また、演奏開始後、採点処理を併せて開始する(S305)。この採点処理(S305)は、図8で説明した採点処理(S206)と同様の処理であり、採点結果の経時的な変化を採点情報として記録する処理である。
【0054】
カラオケ装置2は、楽曲の演奏開始後、採点処理にてある程度の採点情報が蓄積された時点で、所定の項目における対戦状況の表示を開始する。この対戦状況は、前述した項目(A)〜(D)を所定期間ずつ、各項目で抽出された対戦相手の映像を動画にてモニタ4
1に表示させる処理である。その際、各対戦相手の映像は、歌唱採点の優劣が認識可能なように表示される。
【0055】
図12には、本発明の実施形態に係る対戦状況画面(A:フレンド間の順位)が示されている。本実施形態では、縦方向を採点点数とし、横方向に各ユーザの歌唱動画を表示する枠(ウィンドウ)が並べられている。各枠は、採点点数の変化に応じて上下することで歌唱採点の優劣を認識することが可能となっている。本実施形態では、一番左側に位置する太枠内には、カメラ43にて撮影されている歌唱ユーザ(Aさん)の歌唱動画がリアルタイム表示される。その右側に示される3つの枠(Bさん、Cさん、Dさん)内には、受信した投稿情報に基づく歌唱動画が表示される。
【0056】
歌唱ユーザは、この画面を視認することで、項目(フレンド間)において、自分が何位であるかを認識することが可能となる。また、本実施形態では、対戦する4人中、上位3位までには枠の右下に順位を表示している。1位の枠(Cさん)は、他の順位の枠よりもその大きさを大きくしている。また、上位の順位の枠と下位の順位の枠が重なった場合、上位の順位の枠を優先的に表示している。さらに、1位の枠(Cさん)に対しては、キラキラ輝く画像効果を付与している。一方、最下位の枠(Dさん)に対しては、汗をかいているような画像効果を付与している。
【0057】
このように、本実施形態では枠内にて対戦する相手の歌唱動画を確認可能にするとともに、枠の位置にてユーザ間の優劣の推移を確認することが可能となっている。さらに、枠の表示形態(大きさ、重なりの優先順位、画像効果など)を順位によって変更することで、演出効果の向上が図られている。なお、本実施形態では、演奏の進行に同期した採点情報を使用することで、対応する枠を上下に移動させることとしているが、歌唱優劣の表示形態は、この他、枠の移動方向を左右にする、あるいは、枠を移動させることなく、枠に対応付けて点数、順位の少なくとも一方を表示することなど、各種形態を採用することが可能である。
【0058】
図10のフロー図に戻り、最初の対戦状況の表示開始後、所定タイミングの到来が判定された場合(S307:Yes)には、対戦項目の切り替えが実行される(S308)。本実施形態における所定タイミングの判定は、対戦状況を表示する時間を対戦項目で等分した時間を経過したことを条件として行われる。図11には、本実施形態に係る演奏処理時における対戦項目切り替えの様子が示されている。演奏開始後、採点情報が所定量収集された後、項目(A)、(B)、(C)、(D)の順で対戦状況の表示が実行される。本実施形態では、演奏期間中、項目(A)、(B)、(C)、(D)のセットを2回繰り返すように各項目の表示時間が割り当てられている。所定タイミングの判定には、このような形態以外に、所定時間経過したことで判定を行うことや、演奏情報中に設定されたタイミングにて判定を行うことなどが考えられる。
【0059】
図13図15には、その他の項目(B)、(C)、(D)についての対戦状況の表示の様子が示されている。このように本実施形態では、歌唱するユーザは、複数の項目で抽出されたユーザの歌唱の様子、並びに、各ユーザ間の歌唱の優劣を視認することが可能となる。複数項目にわたる対戦状況が順次表示される中、演奏終了が判定された場合(S309:Yes)には、カラオケ装置2にて歌唱しているユーザの採点情報がユーザ情報中に記録される(S310)。この記録は、ユーザ情報のみならずカラオケ用ホスト5に対しても送信することとしてもよい。S311では、対戦結果、すなわち、各項目(A)〜(D)についての順位表示がモニタ41に表示され、一連の演奏処理を終了する。
【0060】
以上、本実施形態では、抽出された対戦相手の歌唱動画を歌唱優劣を認識可能なように表示する対戦状況を、演奏の進行に同期して項目を切り替えることで、複数の観点による
対戦相手について、自己との優劣を確認することを可能としている。
【0061】
図13図15では、項目(A)〜(D)について、対戦相手を抽出した対戦状況を説明したが、対戦相手の抽出条件となる項目については、他の形態を採用することも可能である。以下に使用しうる他の項目について説明しておく。
【0062】
(アーティストファン度ランキング)
歌唱するユーザと、アーティストファン度ランキングが近いユーザを対戦相手として抽出することが考えられる。ここで、アーティストファン度とは、ユーザが対象となるアーティスト(歌手)の楽曲を何回歌唱したかで測られる指標である。このアーティストファン度は、ユーザ情報中の履歴テーブルを使用して算出することが可能である。
【0063】
(全国うたランキング)
項目(B)では対象となる楽曲についての全国順位に基づいて、対戦相手を抽出することとしたが、このような形態以外に全国うたランキングの順位を使用して対戦相手を抽出することが考えられる。この全国うたランキングとは、複数曲(全国採点で歌唱した全ての曲)を通した総合的な歌唱力から全国順位を決定する形態である。この全国うたランキングでは、複数の楽曲について全国採点を行ったユーザに対して順位が決定される。したがって、この順位はユーザの歌唱実力に見合った順位となる。また、同じ楽曲で高得点を獲得してもこの順位に対する影響度は低く、異なる楽曲について高得点を獲得することで順位を上げることが可能となる。また、カラオケ店舗への来店頻度が高いほど、順位向上に貢献することとしている。この全国うたランキングの詳細については、特開2008−242045号公報に記載されている。
【0064】
(利用店舗)
カラオケ投稿映像・音声には、補助情報として投稿位置情報を含めることが可能である。この投稿位置情報をカラオケ店舗とし、現在利用しているカラオケ店舗と同じ、もしくはそれに近いカラオケ店舗を利用しているユーザを対戦相手として抽出することとしてもよい。利用エリアが近いユーザの映像をみることで親近感がわき、歌唱対戦における新たな楽しみ方を提供することが可能となる。
【0065】
(実年齢)
項目(C)では、ユーザのうた年齢に基づいて対戦相手を抽出することとしたが、このうた年齢に代え、ユーザ情報中に登録されている年齢(実年齢)を使用することとしてもよい。年齢が近いユーザを対戦相手として抽出することで年齢による親近感を生じさせることが可能となる。あるいは、各年代のユーザを対戦相手としてバランス良く抽出することとしてもよい(例えば、ユーザが30代の場合、20代、40代、50代といった隣接する年代を1名ずつ対戦相手として抽出する)。このような形態では、年代間での対抗意識が芽生え、歌唱対戦における新たな楽しみ方を提供することが可能となる。この形態においては、対戦状況を表示する画面には、各ユーザの年代を対応付けて表示することが好ましい。
【0066】
(居住地、出身地など)
ユーザ情報中に登録されているユーザの居住地を利用することも考えられる。同じ、あるいは近隣の地域のユーザを対戦相手として抽出することで、近隣の親近感を生じさせることが可能となる。あるいは、ユーザの居住地から離れているユーザを対戦相手としてバランス良く抽出することとしてもよい(例えば、ユーザが東京(関東地方)在住の場合、他の地方(北海道、東北など)から1名ずつ対戦相手として抽出する)。この形態においては、地域間での対抗意識を芽生えさせ、歌唱対戦における新たな楽しみ方を提供することが可能となる。
【0067】
以上、各種項目について説明したが、これら項目は予め定めたものを使用することとしてもよいし、複数の項目から歌唱ユーザが選択することとしてもよい。また、各項目において対戦相手の候補が所定人数以上となることが考えられる。例えば、図12図15では各項目について3人の対戦相手を抽出する必要がある。所定人数を超える対戦候補がいた場合、下記に示す各種方法などにて対戦相手を抽出することが考えられる。
【0068】
(1)投稿日時が新しい投稿情報を対戦相手抽出の対象とする。(2)ユーザの評価が高い投稿情報(他のユーザによる投票数が多い、再生回数が多いなど)を対戦相手抽出の対象とする。(3)所定の採点結果を有するユーザの映像を使用する。この場合、対戦対象となる楽曲について、自分と異なるランクのユーザが対戦相手として抽出される。具体的には、対戦対象となる楽曲について、歌唱ユーザが以前の歌唱において90点を獲得していた場合、85点(自分より下手)、90点(自分と同等)、95点(自分より上手い)という、異なるランクのユーザを対戦相手として抽出することで、歌唱対戦が見応え有るものとなる。このような形態以外に、全て自分より上手い、あるいは、全て自分より下手なユーザを対戦相手として抽出するように設定することで、ユーザの好みの対戦展開となるようにしてもよい。
【0069】
また、図13図15では、歌唱評価の指標を採点点数とし、採点点数に応じて枠を上下に移動させることとしているが、歌唱評価の指標は、採点点数のみならず全国順位とすることも可能である。歌唱を行うユーザは、自己並びに他の対戦相手の全国順位の推移を確認することが可能となる。
【0070】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0071】
1…リモコン装置、11…表示部、12…ビデオRAM、13…映像制御部、14…メモリ、15…制御部、16…無線LAN通信部、17…操作部、18…操作処理部、19…赤外線通信部、2…カラオケ装置(コマンダ)、21…操作部、22…操作処理部、23…赤外線通信部、24…インターフェイス部、27…メモリ、28…ビデオRAM、29…映像再生部、30…制御部、31…映像制御部、32…HDD(ハードディスク)、41…モニタ、42…スピーカー、44a、44b…歌唱用マイク、43…カメラ、70…音響制御部、100…LAN、110…アクセスポイント、120…ルータ、5…カラオケ用ホスト、51…記憶部、52…Webサーバ
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