(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記デッキは、調整可能な設定を有する複数の特徴に基づいて動作し、前記プロセッサは、手をスライドさせるジェスチャーを識別するのに応答して前記特徴のうちの現在選択されている1つの特徴の設定を調整するように動作し、そして前記プロセッサは、前記ステアリング要素の外周での少なくとも1つのタップジェスチャーを識別するのに応答して前記現在選択されている特徴を切り換えるように動作可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
前記デッキは、ディスプレイを備え、前記プロセッサは、選択された特徴を切り換えるときに、新たに選択された特徴を指示するグラフィックを前記ディスプレイにレンダリングする、請求項3に記載のシステム。
前記調整可能な設定は、ボリューム、ラジオチャンネル、音楽ライブラリのトラック、ウェブページ、マップ、及びピクチャーより成るグループのメンバーである、請求項3に記載のシステム。
運転席を向いて前記ステアリング要素に包囲されて、前記ステアリング要素とドライバとの間のハンドウェーブジェスチャーを検出するための第2の複数の接近センサを更に備え、前記プロセッサは、前記第2の接近センサにより検出されたハンドウェーブジェスチャーを識別し、そしてそのように識別されたハンドウェーブジェスチャーに応答して前記デッキのモードを切り換えるように動作可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
乗物は、調整可能な膨張設定を有するエアバッグを備え、前記プロセッサは、ドライバとステアリング要素との間の距離を前記第2の接近センサからの出力に基づいて決定し、そして前記プロセッサは、そのように決定された距離に基づいてエアバッグの膨張設定を調整する、請求項6に記載のシステム。
前記ステアリング要素に収容され且つ前記プロセッサに接続された可視光放射器を更に備え、前記プロセッサは、前記非可視光放射器により投影された非可視光ビームが遮られたことを前記光検出器が検出するのに応答して前記可視光放射器の少なくとも1つを作動するように動作可能である、請求項2又は8に記載のシステム。
前記デッキは、ディスプレイを備え、前記プロセッサは、前記空洞内で複数本の指を広げるジェスチャーを識別するのに応答して前記ディスプレイ上の画像を拡大するように動作可能である、請求項2又は8に記載のシステム。
前記プロセッサは、前記空洞内での1本指並進移動ジェスチャーを識別するのに応答して前記ディスプレイ上の画像をパンするように動作可能である、請求項11に記載のシステム。
前記プロセッサは、前記ステアリング要素が実質的に回転されないときだけ、前記識別された手のジェスチャーに応答して前記デッキをコントロールする、請求項1又は2に記載のシステム。
到来する電話コールを受信するためのワイヤレス電話インターフェイスを更に備え、前記プロセッサは、前記ステアリング要素の外周での単一タップジェスチャーを識別するのに応答して到来する電話コールを拒絶し、そして前記ステアリング要素の外周での二重タップジェスチャーを識別するのに応答して到来する電話コールを受け容れるように動作可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
前記プロセッサは、前記ステアリング要素の外周に沿って突然迅速に手をスライドさせるジェスチャーを識別するのに応答して前記デッキをミュートするように動作可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
前記ステアリング要素の周囲は、バーチャル入力ゾーンに分割され、前記プロセッサは、異なる入力ゾーンでの手のジェスチャーを識別するのに応答して、前記デッキにおいて異なるコントロールコマンドを遂行し、そして前記ステアリング要素の外周での少なくとも1つのタップジェスチャーを識別するのに応答して、各入力ゾーンにどのコントロールコマンドが関連しているか指示する前記ステアリング要素の画像を、乗物にマウントされたディスプレイにレンダリングするように動作可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
前記プロセッサは、更に、各々の手のジェスチャーを識別するのに応答して、乗物のガソリンタンクを開き、乗物のトランクを開き、乗物のドアをロックし、及び乗物のウインドウを閉じるように動作可能である、請求項1又は2に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】従来のステアリングホイールの簡単な図である。
【
図2】本発明の実施形態による複数の検出ゾーンを有するステアリングホイールの第1の実施形態の簡単な図である。
【
図3】本発明の実施形態による複数の検出ゾーンを有するステアリングホイールの第2の実施形態の簡単な図である。
【
図4】本発明の実施形態により、
図3のステアリングホイールの中空部分に挿入される物体を検出するための両方向光グリッド、即ち水平及び垂直方向光ビームの簡単な図である。
【
図5】本発明の実施形態による
図3のステアリングホイールの簡単な側面及びプロフィール図である。
【
図6】本発明の実施形態により、カーステレオコントロールを調整するための一連のユーザインターフェイスイベントを示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態により、テキストを入力する一連のユーザインターフェイスイベントを示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態により、車のダッシュボードに表示される画像を操作するための一連のユーザユーザインターフェイスイベントを示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態によるステアリングホイールのPCBアッセンブリ(PCBA)の簡単な図である。
【
図10】本発明の実施形態によるステアリングホイールのPCBアッセンブリ(PCBA)の簡単な図である。
【
図11】本発明の実施形態によるステアリングホイールのPCBアッセンブリ(PCBA)の簡単な図である。
【
図12】本発明の実施形態によるステアリングホイール上の接近センサの簡単な図である。
【
図13】本発明の実施形態によるステアリングホイール上の接近センサの簡単な図である。
【
図14】本発明の実施形態によるステアリングホイール上の接近センサの簡単な図である。
【
図15】本発明の実施形態によるステアリングホイール上の接近センサの簡単な図である。
【
図16】本発明の実施形態によるステアリングホイール上の接近センサの簡単な図である。
【
図17】本発明の実施形態により、ステアリングホイールに埋め込まれるスライダーコントロールの簡単な図である。
【
図18】本発明の実施形態により、ステアリングホイールに埋め込まれるスライダーコントロールの簡単な図である。
【
図19】本発明の実施形態により、ステアリングホイールに埋め込まれるスライダーコントロールの簡単な図である。
【
図20】本発明の実施形態により、ステアリングホイールに埋め込まれるスライダーコントロールの簡単な図である。
【
図21】本発明の実施形態により、ステアリングホイールのオープン空洞内でのジェスチャーを検出する、ステアリングホイールに埋め込まれたセンサの簡単な図である。
【
図22】本発明の実施形態により、ステアリングホイールのオープン空洞内でのジェスチャーを検出する、ステアリングホイールに埋め込まれたセンサの簡単な図である。
【
図23】本発明の実施形態により、ステアリングホイールのオープン空洞内でのジェスチャーを検出する、ステアリングホイールに埋め込まれたセンサの簡単な図である。
【
図24】本発明の実施形態により、ステアリングホイールのオープン空洞内でのジェスチャーを検出する、ステアリングホイールに埋め込まれたセンサの簡単な図である。
【
図25】本発明の実施形態により、ステアリングホイールのオープン空洞内でのジェスチャーを検出する、ステアリングホイールに埋め込まれたセンサの簡単な図である。
【
図26】本発明の実施形態により、ステアリングホイールのオープン空洞内でのジェスチャーを検出する、ステアリングホイールに埋め込まれたセンサの簡単な図である。
【
図27】本発明の実施形態により、ステアリングホイールのオープン空洞内でのジェスチャーを検出する、ステアリングホイールに埋め込まれたセンサの簡単な図である。
【
図28】本発明の実施形態により、ステアリングホイールのオープン空洞内でのジェスチャーを検出する、ステアリングホイールに埋め込まれたセンサの簡単な図である。
【
図29】本発明の実施形態により、ステアリングホイールのオープン空洞内でのジェスチャーを検出する、ステアリングホイールに埋め込まれたセンサの簡単な図である。
【
図30】本発明の実施形態により、ステアリングホイールのオープン空洞内でのジェスチャーを検出する、ステアリングホイールに埋め込まれたセンサの簡単な図である。
【
図31】本発明の実施形態により、ステアリングホイールの外側リムに埋め込まれた接近センサの簡単な図である。
【
図32】本発明の実施形態により、ステアリングホイールの外側リムに埋め込まれた接近センサの簡単な図である。
【
図33】本発明の実施形態により、ステアリングホイールの外側リムに埋め込まれた接近センサの簡単な図である。
【
図34】本発明の実施形態により、ステアリングホイールの外側リムに埋め込まれた接近センサの簡単な図である。
【
図35】本発明の実施形態により、ステアリングホイールの外側リムに埋め込まれた接近センサの簡単な図である。
【
図36】本発明の実施形態により、ステアリングホイールの外側リムを横切って埋め込まれたタッチセンサの簡単な図である。
【
図37】本発明の実施形態により、ステアリングホイールの外側リムを横切って埋め込まれたタッチセンサの簡単な図である。
【
図38】本発明の実施形態により、ステアリングホイールの外側リムを横切って埋め込まれたタッチセンサの簡単な図である。
【
図39】本発明の実施形態によるマルチタッチセンサ及び埋め込まれたタッチスクリーンディスプレイを伴うステアリングホイールの簡単な図である。
【
図40】本発明の実施形態によるヘッドアップディスプレイを伴う
図39のステアリングホイールの簡単な図である。
【
図41】本発明の実施形態による
図39のステアリングホイールのステアリングカラムに並んだ接近センサの簡単な図である。
【
図42】本発明の実施形態による
図39のステアリングホイールのステアリングカラムに並んだ接近センサの簡単な図である。
【
図43】本発明の実施形態による
図39のステアリングホイールのステアリングカラムにおいて行われるユーザインターフェイスジェスチャーの簡単な図である。
【
図44】本発明の実施形態により、乗物のダッシュボードにおいて可能にされるユーザインターフェイス及び関連スイープジェスチャーの簡単な図である。
【
図45】本発明の実施形態により、乗物のダッシュボードにおいて可能にされるユーザインターフェイス及び関連スイープジェスチャーの簡単な図である。
【
図46】本発明の実施形態により、乗物のダッシュボードにおいて可能にされるユーザインターフェイス及び関連スイープジェスチャーの簡単な図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
明細書及び図面には、次の番号付け構成が使用される。フローチャートのステップは、1から99までの番号が付けされ、送光器は、100番代の番号が付けられ、受光器は、200番代の番号が付けられ、光ガイド及びレンズは、300番代の番号が付けられ、種々雑多な品目は、400番代の番号が付けられ、検出ゾーン及びセンサは、500番代の番号が付けられ、そして光ビームは、600番代の番号が付けられる。同じ番号の要素は、同様であるが、必ずしも同じではない。
【0027】
以下のテーブルは、番号付けされた要素の目録であり、各番号付けされた要素が現れる図をリストしている。
【0028】
詳細な説明
本発明の態様は、ドライバが乗物の周辺電子装置を動作しながらステアリング要素に自分の手を保持できるようにする光ベースのタッチコントロールに関する。
【0029】
本発明の実施形態による複数の検出ゾーンを有するステアリングホイールの第1の実施形態の簡単な図である
図2を参照する。
図2には、ユーザ入力のための複数の検出ゾーンを伴うステアリングホイールが、図中の番号で指示されて示されている。各ゾーンの検出特性を以下に示す。
【0030】
ゾーン501は、グリップ部材401及びステアリングカラム407の上部で取り巻かれた空洞の一部分である。本発明は、この空洞におけるユーザのジェスチャーを検出できるようにする。規範的なジェスチャーは、空洞を横切って水平に手又は指をスイープすることである。
【0031】
ゾーン502は、グリップ部材401の外側リムの一部分に関連している。このゾーンは、ドライバが外側リムのこの部分に沿って指又は手をスライドさせるスライドジェスチャーを受けるように構成される。このジェスチャーの規範的な適用は、乗物のオーディオシステムのボリュームをコントロールすることであり、時計方向に手をスライド又はスイープさせるジェスチャーは、ボリュームを上げ、反時計方向に手をスライド又はスイープさせるジェスチャーは、ボリュームを下げ、そしてゾーン502に沿って素早く手をスライド又はスイープさせるジェスチャーは、音声をミュートする。音声のミュート時に、ゾーン502に沿って素早く手をスライド又はスイープさせるジェスチャーは、ミュートをキャンセルする。別の適用は、手をスライド又はスイープさせるジェスチャーを使用して、到来する電話コールに応答し又はそれを拒絶することである。このケースでは、第1の方法、例えば、時計方向に、手をスライド又はスイープさせるジェスチャーは、コールに応答し、そして反対方向に手をスライド又はスイープさせるジェスチャーは、コールを拒絶する。
【0032】
ゾーン503及び504は、ステアリングホイールの各側で数インチ外方のエアスペースである検出ゾーンにおける手の動きを検出するように構成された接近センサゾーンである。規範的な適用として、風防ガラスのワイパをコントロールするためのゾーン503と、乗物の前部及び後部の左右のコーナー付近にマウントされてドライバにより一度に乗物の一方の側で作動されてその側に向けて転回又は車線変更する意図を知らせる方向信号、即ち点滅ランプをコントロールするためのゾーン504とが使用される。この例では、ゾーン503において上方への手のジェスチャーが検出されると、風防ガラスのワイパが作動されるか又はその速度が上げられ、そしてゾーン503において下方への手のジェスチャーが検出されると、風防ガラスのワイパが低速化されるか又はターンオフされる。同様に、ゾーン504において上方への手のジェスチャーが検出されると、右方向信号が作動され、そしてゾーン504において下方への手のジェスチャーが検出されると、左方向信号が作動される。
【0033】
ゾーン503及び504に対する別の規範的な適用では、ギアシフタが2つのパドルの形態でステアリングホイールに適合され、右のパドルを押すと、高いギアへシフトし、一方、左のパドルを押すと、低いギアへシフトするという「フォーミュラ・ワン」スポーツカーに基づいてモデリングされる。ここに示す実施形態では、右パドルを押すことに対応するジェスチャーは、ゾーン503で検出され、そして左パドルを押すことに対応するジェスチャーは、ゾーン504で検出される。
【0034】
ゾーン505及び506は、右の接続部材402における2つのタッチ・スライダーコントロールである。左の接続部材403には、付加的な2つのタッチ・スライダーコントロール(番号なし)が示されている。これらのゾーンは、タッチジェスチャー及び滑走ジェスチャーを受ける。滑走ジェスチャーは、ユーザがこのセンサにタッチしそしてセンサに沿って自分の指をスライドするステップを含む。スライダーコントロールは、例えば、ダッシュボードの輝度又はオーディオのボリュームを調整するために、ある範囲内の値を選択するのに適している。ある方向のスライドジェスチャーは、その値を徐々に増加し、反対方向の滑走ジェスチャーは、その値を徐々に減少する。
【0035】
これらコントロールは、スライダに沿ったタッチの位置を決定し、それ故、タッチジェスチャーにも適している。例えば、ダッシュボードの輝度又はオーディオのボリュームを調整するために、ある範囲内の値を選択する拡張タッチ又はタップが使用される。スライダの一端のタップ又はタッチは、その値を増加し、そして反対端のタップ又はタッチは、その値を減少する。
【0036】
ゾーン507及び508は、ステアリングホイールに対向するがタッチしない物体を検出するように構成されたホバー及び接近センサである。1つの規範的な用途では、ドライバが乗物に乗り込むときが検出される。これは、システムをウェイクアップさせ、挨拶のメッセージをドライバに表示する。本発明のある実施形態では、これらのセンサは、ドライバとホイールとの間の距離を検出し、特に、この距離に基づいてドライバのエアバックを調整し、即ち距離が大きいと、膨らみの程度を大きくする必要がある。
【0037】
付加的な2つのホバー及び接近センサ(番号なし)が、左の接続部材403に示されている。本発明のある実施形態では、これらのゾーンは、タッチジェスチャーを検出するようにも構成される。ゾーン507及び508の別の用途は、ユーザ入力モードを選択することである。例えば、ゾーン502は、2つの関連する用途、即ち音楽ライブラリ、及びラジオ局セレクタを有する。ゾーン502に沿った、手をスライド又はスイープさせるジェスチャーは、アクティブなモードに基づいて音楽ライブラリをブラウズし又はラジオチャンネルをスキャンする。アクティブなモードは、ゾーン507及び508の1つにタッチすることによりトグル又は選択される。例えば、ゾーン508でタップすると、音楽ライブラリモードをアクチベートし、そしてゾーン507でタップすると、ラジオモードをアクチベートする。或いは又、ゾーン507及び508の上での右から左へのウェーブジェスチャーは、音楽ライブラリモードをアクチベートし、そしてゾーン507及び508の上での左から右へのウェーブジェスチャーは、ラジオモードをアクチベートする。
【0038】
一般的に、複数の用途に対して流暢で且つ柔軟性のある操縦を行うように異なるゾーンが整合される。ユーザは、ゾーン507及び508と相互作用することにより用途を選択し、そして他のゾーン501−506の各々には、アクティブな用途の観点が指定される。用途が選択されるたびに、ステアリングホイールの画像がダッシュボードに現れ、入力ゾーンの各々にどのコマンドが関連しているか指示する。
【0039】
次いで、本発明の実施形態による複数の検出ゾーンを有するステアリングホイールの第2の実施形態の簡単な図である
図3を参照する。ユーザ入力のための複数の検出ゾーンが図中の番号で示されている。各ゾーンの検出特性を以下に示す。
【0040】
ゾーン510−512は、ステアリングホイールのエアギャップである。各エアギャップには、そこに挿入される物体を検出するため光ビームの二次元グリッドが投影される。
【0041】
次いで、本発明の実施形態により、
図3のステアリングホイールの中空部分に挿入される物体を検出するための両方向光グリッド、即ち水平及び垂直方向光ビームの簡単な図である
図4を参照する。
図4には、ゾーン511に光ビームグリッド600が示されている。
【0042】
ある実施形態では、光ビームの2つ以上の層が各エアギャップに投影され、エアギャップの厚みに沿った異なるポイントで一連の検出が行われる。
【0043】
次いで、本発明の実施形態による
図3のステアリングホイールの簡単な側面図及びプロフィール図である
図5を参照する。
図5は、
図3及び4のステアリングホイールをプロフィール図で示すと共に、ホイールの右上コーナーからの角度で示している。両図は、グリップ部材401の厚み410を示し、それに沿って複数の光グリッドが積み重ねられる。これは、物体をエアギャップに挿入する角度を検出できるようにする。z軸座標検出のための複数の検出層及びその使用についての詳細な説明が、ここに参考として内容を援用する“LIGHT-BASED FINGER GESTURE USER INTERFACE”と題する米国特許第8,416,217号に述べられている。
【0044】
図3に戻ると、検出ゾーン517は、ステアリングホイールの外周を取り巻くホバリングスペースである。ゾーン517に入る物体は、ステアリングホイールのグリップ部材に埋め込まれるセンサにより検出される。
【0045】
ゾーン513−515は、これらのゾーンにタッチするか又は接近する1つ以上の物体の位置を検出する。接近検出の範囲は、
図5において、公称範囲408で示されている。ある実施形態では、ゾーン513−515は、タッチ物体により加えられる圧力の程度を検出するのにも適応される。
【0046】
ゾーン516は、これにタッチするか又は接近する1つ以上の物体の位置を検出する。接近検出の範囲は、
図5において、公称範囲409で示されている。ある実施形態では、ゾーン516は、タッチ物体により加えられる圧力の程度を検出するのにも適応される。
【0047】
乗物を操向しながら検出ゾーンへの偶発的な入力を回避するために、タッチ感知入力システムは、特定の条件のもとでのみ作動される。例えば、システムがタッチ入力を登録するために、ユーザは、先ず、1つ以上の検出ゾーンにおいて特定のタッチジェスチャーを遂行する。別の例として、検出ゾーンがユーザ入力を登録する前に、ユーザは、ステアリングホイールから離れた位置にあるトグルスイッチを作動しなければならない。更に別の例として、ステアリングホイールの位置でタッチ入力を登録できるようにする。例えば、ステアリングホイールが「12時」の位置又はニュートラルの位置にあるときだけ、システムが検出ゾーンからの入力を登録するが、ホイールがニュートラル位置から所与の度数だけ回転すると、システムは、検出ゾーンをアクティブに監視するが、他の装置への入力は発生しない。
【0048】
本発明のユーザインターフェイスを幾つかの使用ケースにより示す。第1の使用ケースは、カーステレオのボリュームを調整する。
【0049】
本発明の実施形態により、カーステレオコントロールを調整するための一連のユーザインターフェイスイベントを示すフローチャートである
図6を参照する。ステップ10において、ステアリングホイールは、タッチ入力を可能にするニュートラル位置にある。ステップ11において、ドライバは、娯楽システムのためのコントロールを作動するゾーン513の位置を押す。コントロールにより調整されるべき第1のパラメータは、ボリュームである。ステップ12において、ダッシュボードディスプレイ又はHUDのようなディスプレイ装置にボリュームメータが現れる。ドライバは、ステアリングホイールの右外側リム、即ちゾーン517の右区分に沿って手をスライド又はスイープさせるジェスチャーを行うことによりボリュームレベルを調整する。ステップ13−16は、検出ゾーン517の右側に沿った反時計方向のジェスチャーがボリュームを上げ、そしてそのゾーンに沿った時計方向のジェスチャーがボリュームを下げることを示す。この反時計方向のジェスチャーは、ステアリングホイールに沿ってドライバの右手を上げることにより行うことができる。ステップ17において、ステアリングホイールの外側(ゾーン517)で1回以上タップすると、入力システムは、例えば、低音又は高音を調整するための異なるモードに入る。次いで、システムは、ステップ12に戻り、ボリュームではなく、例えば、低音又は高音の、アクティブなモードに関連したメータを表示する。システムの機能をアクチベートするジェスチャーを右手で行う間に、その右手のジェスチャーを妨げることのない検出ゾーンにおいて付加的なジェスチャーを左手で行うことができる。ある場合には、この左手のジェスチャーは、何のコマンドも発生しない。
【0050】
第2の使用ケースは、乗物ナビゲーションシステムへのアドレスのテキスト入力である。
【0051】
次いで、本発明の実施形態により、テキストを入力する一連のユーザインターフェイスイベントを示すフローチャートである
図7を参照する。ステップ20において、ドライバは、テキスト入力記号でマークされたゾーン514の位置を押して、テキスト入力モードをアクチベートする。ステップ21及び22において、ゾーン510内のジェスチャーは、キャラクタ又は記号と解釈される。或いは又、キャラクタは、ゾーン516の表面において指又はスタイラスの滑走ジェスチャーによって入力される。ステップ23において、入力されたテキストがダッシュボード又はHUDに表示される。ステップ21−23は、表示されたテキストが名前又はワード(又はその一部分)を形成するまでループ状に続けられる。入力を確認するために、ドライバは、ステップ24で示すように、ステアリングホイールの外側リム(ゾーン517)を一度タップする。入力を削除又は拒絶するため、ドライバは、ステップ25で示すように、ステアリングホイールの外側リムを二度タップする。システムは、左右の利き手に関わりなく動作する。
【0052】
第3の使用ケースは、画像ビューアである。
【0053】
本発明の実施形態により、車のダッシュボードに表示される画像を操作するための一連のユーザユーザインターフェイスイベントを示すフローチャートである
図8を参照する。ステップ30において、ダッシュボードに画像が表示される。或いは又、この画像は、HUDに表示される。この画像は、マップ、リアビューカメラのビューファインダー画像、又は他の画像である。ステップ31において、ドライバは、例えば、画像記号でマークされたゾーン515の位置をタップすることにより、画像操作モードをアクチベートする。ステップ32−34において、検出ゾーン511における手の動きは、画像操作コマンドとして解釈される。これらのコマンドは、画像をパンし、ズームし及び回転することを含む。サポートされる手の動きは、1本指及び複数本指の並進移動ジェスチャー、2本指のピンチ、2本指広げ及び2本指回転ジェスチャーを含む。サポートされる更に別の手の動きは、完全に手を広げることを含み、従って、ユーザが片手の全ての指をエアギャップ内で広げることを含む。サポートされる他のジェスチャーは、完全に手をピンチするジェスチャーを含み、これは、片手の全ての指先が互いにタッチしないときに始めて、ユーザが自分の指先を一緒に引き寄せるジェスチャーである。光ビームガイドの複数の層がz軸検出を与えるときには、傾けるジェスチャーもサポートされる。傾けるジェスチャーは、指がエアギャップ511に挿入される角度をジェスチャー属性の1つとして使用する。サポートされるジェスチャー及びコマンドの完全な説明が“LIGHT-BASED FINGER GESTURE USER INTERFACE”と題する米国特許第8,416,217号に含まれている。ドライバは、ステップ35に示すように、入力を受け容れるためにステアリングホイールの外側リム(ゾーン517)を一度タップし、そしてステップ36に示すように、入力をキャンセルするためにステアリングホイールの外側リム(ゾーン517)を二度タップする。このシステムは、左右の利き手に関わらず動作する。
【0054】
種々の検出ゾーンの各々に対するセンサの具現化について以下に説明する。一般的に述べると、光ベースのタッチ又は接近センサは、送光器及び受光器を備え、そしてセンサ上又はその付近に位置する指のような物体が送光器と受光器との間の光の結合を変化させる原理に基づいている。従って、送光器と受光器との間の信号を導通するチャンネルは、チャンネル内にタッチがあるかどうか指示する。
【0055】
チャンネルは、次の2つのタイプがあり、即ち
A.送光器と受光器との間の信号を指で作動するチャンネル;及び
B.送光器と受光器との間の信号を指でブロックするチャンネル。
【0056】
タイプAのチャンネルでは、ほぼ0の低い信号がノータッチを示し、そして高い信号がタッチを示す。タイプBのチャンネルでは、高い信号がノータッチを示し、ほぼ0の低い信号がタッチを示す。
【0057】
本発明の実施形態によるステアリングホイールのPCBアッセンブリ(PCBA)の簡単な図である
図9−11を参照する。
図9−11は、本発明の実施形態により、ステアリングホイール400の種々のタッチ及び接近センサコンポーネントがポピュレートされたプリント回路板アッセンブリ(PCBA)411を示している。光ガイドの三次元特徴を示すために、
図9は、PCBAを上から示し、
図10は、PCBAを回転して示し、そして
図11は、断面図である。
図9−11に示す実施形態は、5つの異なるセンサシステムを含む。
【0058】
第1のセンサシステムは、
図2の検出ゾーン507及び508を備えている。この第1システムの各センサは、
図9−11に示すように、一対の光ガイド330及び331を含む。光ガイド330は、送光器(図示せず)に結合され、そして光ガイド331は、受光器(図示せず)に結合される。ドライバは、それらセンサの1つの上で自分の手をホバーするとき、その手が光ガイド330からの光を光ガイド331へ反射するので、高い信号を発生する。これは、タイプAチャンネルである。ある実施形態では、ホイール400のグリップ部材401をステアリングカラム407に接続するスポーク402−404に沿って配置された同様のセンサを使用して、
図3の検出ゾーン513−515を形成することができる。又、本発明のある実施形態では、ホイール400のステアリングカラム407内に配置された同様のセンサが、
図3の検出ゾーン516を形成する。
【0059】
第2のセンサシステムは、
図2の検出ゾーン505及び506を形成する。この第2システムの各センサは、
図9−11に示すように、光ガイド320に結合された送光器103及び受光器203の交互の行を備えている。ドライバは、光ガイド320の上縁にタッチすると、そのタッチが1つ以上の送光器103からの光を1つ以上の各隣接受光器203へ反射するので、高い信号を発生する。これも、タイプAチャンネルである。ある実施形態では、ホイール400のグリップ部材401をステアリングカラム407に接続するスポーク402−404に沿って配置された同様のセンサを使用して、
図3の検出ゾーン513−515を形成する。又、本発明のある実施形態では、ホイール400のステアリングカラム407内に配置された同様のセンサが、
図3の検出ゾーン516を形成する。
【0060】
第3のセンサシステムは、
図2の検出ゾーン501を形成する。このシステムは、コリメート光ガイド340の助けで開口412を横切ってコリメートされた光ビームを投影する放射器104の行を備えている。開口412の反対端にある受光器の行(図示せず)は、ホイール400のグリップ部材401に埋め込まれた第2のコリメート光ガイド341の助けでコリメートされた光ビームを受光する。ドライバは、開口412のアクティブな検出ゾーン501へ手又は指を挿入するとき、自分の手又は指がコリメートされた光ビームの一部分を遮るので、低い信号を発生する。これは、タイプBのチャンネルである。
【0061】
ここに示す第3のセンサシステムは、垂直方向にコリメートされた光ビームを特徴とし、1つの軸のみに沿って物体を検出する。ある実施形態では、開口412を横切って水平にコリメートされたビームを投影するために、グリップ部材401の左右の部分に埋め込まれた付加的な同様のセンサシステムが追加される。このケースでは、直交方向にコリメートされたビームの2つのセットが、挿入された物体の二次元(2D)検出を与える。ある実施形態では、
図4に光グリッド600で示された2D検出を与えるために、直交ビームの同様のセットが
図3の開口511及び512に使用される。
【0062】
第4のセンサシステムは、ステアリングホイール400の各側に沿って2つのセンサを備えている。これらのセンサは、
図2において検出ゾーン503及び504を形成する。この第4のシステムの各センサは、
図9−11に示すように、一対の光ガイド310及び311を備えている。光ガイド310は、送光器(図示せず)に結合され、そして光ガイド311は、受光器(図示せず)に結合される。ドライバは、これらセンサの1つに対向して自分の手をホバーさせたとき、そのタッチが光ガイド310からの光を光ガイド311へ反射するので、高い信号を発生する。これは、タイプAのチャンネルである。ある実施形態では、
図3の検出ゾーン517を形成するように、全ホイールの周りに同様のセンサが配置される。
【0063】
第5のセンサシステムは、ステアリングホイール400の上部外側リムに沿った一連のセンサを備えている。これらのセンサは、
図2の検出ゾーン502を形成する。この第5のシステムの各センサは、送光器100、受光器200、及び光ガイド300を備えている。これらセンサの1つに対向するホイールの外側リムにタッチするドライバは、そのタッチが放出器100からの光を受光器200へ反射するので高い信号を発生する。それ故、これは、タイプAのチャンネルである。全ホイールの周りに配置された同様のセンサを使用して、
図3の検出ゾーン22を形成する。
【0064】
本発明のある実施形態では、センサに使用される近赤外線に加えて、ステアリングホイールには種々の検出ゾーンをライトアップするために可視光素子も埋め込まれる。可視光素子は、特に、ゾーン510−512内の手を照明するか、或いはゾーン510−512内又はゾーン502−506に沿った手の動きを追跡して、センサと相互作用するドライバに視覚フィードバックを与えるために、使用される。
【0065】
上述したタイプAのチャンネルセンサシステムは、送光器からの光がドライバの指又は手から近傍の受光器へと反射されるのを検出する。このタイプAセンサが検出可能な最大距離が、センサの「公称範囲(nominal range)」として定義される。ある実施形態では、異なるセンサシステムは、異なる公称範囲を有する。例えば、第2及び第5のセンサシステムがタッチスイッチ又はスライダーコントロールとして使用されるように設計されたときには、それらは、非常に短い公称範囲に対して調整される。同様に、第1及び第4のセンサシステムがセンサの上又はセンサに対向する空気中でのホバージェスチャーを検出するように設計されたときには、それらは、数インチの公称範囲に対して調整される。又、第1システムは、ドライバが車に乗り込むのを検出するように設計されたときには、非常に大きな公称範囲に対して調整される。
【0066】
特に、送光器の強度、チャンネルに物体が存在するかどうか判断するのに使用される検出スレッシュホールド、及び光ガイドに基づいて、公称範囲を調整する多数の方法がある。特に、光ガイドが検出チャンネルの光の一部分を吸収するときには、センサが短い公称範囲を有する。
【0067】
検出ゾーン507及び508に使用される第1のセンサシステムについて以下に詳細に述べる。
【0068】
本発明の実施形態によるステアリングホイール上の接近センサの簡単な図である
図12−16を参照する。
図12−15は、センサ520及び521を形成するコンポーネントの層を示す。
図12は、ドライバが見る接近センサ520及び521を示す。
図13は、上部ステアリングホイールケーシング層を除去した接近センサ520及び521を示す。
図13に見られるように、これらの接近センサは、支持カラム332がその上部に送光器光ガイド上面333及び受光器光ガイド上面334を有することを特徴とする。
図14において、カラム332が除去されて、光ガイド330の真下の上方を向いた送光器101と、光ガイド331の真下の上方を向いた受光器201と、送光器101からの散乱光が受光器201に到達するのを防止するために送光器101と受光器201との間にある光バリア335とを露出している。
図15は、両接近センサ520及び521における素子、即ち送光器101及び102、受光器201及び202、光ガイド330、331、336及び337と、光バリア335及び338との別の図である。光ガイド330、331、336及び337は、全反射(TIR)を利用してこの検出チャンネルにおける光の量を最大にする。
【0069】
放射器101が光ガイド330を通してセンサの上に直接光ビーム601及びTIRビーム602を送光することを示す
図16に、センサ520及び521の動作が示されている。センサの上でホバリングする指413は、両矢印603で示すように、放射ビームの一部分を隣接光ガイド331及び受光器201へ反射する。光ガイド331及び受光器201は、
図16には示されていない。
【0070】
非常に短い公称距離に調整され、そしてゾーン502、505及び506に使用される第2のセンサシステムについて以下に詳細に述べる。
【0071】
本発明の実施形態により、ステアリングホイールに埋め込まれるスライダーコントロールの簡単な図である
図17−20を参照する。
図17−20は、スライダーコントロール522及び523を形成するコンポーネントの層を示す。ここに示す実施形態では、これらスライダーコントロールの各々は、道路から目をそらすことなくコントロールに沿って指を滑走し易いように、穏やかに傾斜する凹んだ空洞内に位置される。第1の凹んだ空洞は、壁414−416によって3辺を取り巻かれた傾斜面417により形成される。スライダーコントロール523は、壁415への境界接合面417に沿って配置される。
【0072】
図18に示すように、スライダーコントロール522及び523の露出面は、直立した光ガイド320及び321の長くて薄い上面である。光ガイド320及び321は、中間層418の狭い開口スロット419に挿入することにより直立位置に支持される。
【0073】
図19は、中間層418が除去された後のスライダーコントロール522の内側コンポーネントを示す。スライダーコントロール522は、送光器103及び受光器203の1つの交互の行と、1つの直立した光ガイド320とを備えている。スライダーコントロール522は、直線的な一連の検出チャンネルであり、各チャンネルは、チャンネルの一端に送光器を有すると共に、チャンネルの他端に送光器及び受光器の交互の行におけるその隣接受光器を有する。
【0074】
このチャンネルを通る光ビーム路を示す
図20を参照する。光ビーム604は、送光器103を出て、光ガイド320を通して上方に向けられる。光ガイド320の頂部にタッチする指413は、ビームの一部分を光ガイド320へと下方に反射する。この反射された光の一部分は、光ガイド320を経て、検出チャンネルを完成する隣接受光器203(
図19に示す)に向けられる。ドライバの指を光ガイド320の露出面に沿って滑走すると、異なる検出チャンネルがアクチベートされて、このスライダーコントロールに沿った指の位置を指示する。光ガイド320及び321は、TIRを使用して、検出チャンネルにおける光の両を最大にする。
【0075】
ゾーン501に使用されるタイプBのセンサシステムについて以下に詳細に述べる。
【0076】
本発明の実施形態により、ステアリングホイールに埋め込まれて、ステアリングホイールの開いた空洞内でジェスチャーを検出するセンサの簡単な図である
図21−30を参照する。
図21には検出ゾーン501が示されている。
図22は、光ビームをゾーン501へ投影する光ガイド341の露出上縁342を示す。
図23は、光ガイド341と、ステアリングカラムにおいて光ガイド341の下に位置された送光器104のアレイとの回転断面図である。光ガイド341は、その光ガイド内の光をコリメートするコリメート内部反射素子(図示せず)と、内部反射小面344と、カーブしたウインドウ345とを含む。カーブしたウインドウ345は、この光ガイドが、これをマウントする丸み付けされたステアリングカラムの輪郭をたどるようにするために要求される。ウインドウ345の外面は、
図22の露出した上縁342である。本発明のある実施形態において、ウインドウ345は、このウインドウがセンサの光ビームに対して及ぼすレンズ作用を最小にするために均一な厚みで形成される。又、ある実施形態では、ウインドウ345は、光ビームがウインドウを通過するときに横方向にシフトされる距離を最小にするために、できるだけ薄く形成される。
【0077】
下から見た光ガイド341を示す
図24を参照する。この図では、内部反射コリメート面343が見える。各面343は、送光器により光ガイドへ放射された巾の広い光ビームをコリメートする。更に、面343は、
図25の光ビーム605のように、コリメートされた光を内部反射面344へ向け直す。
【0078】
図26は、各放射器106−108からレンズ345を通過する3本のビーム606−608を示す。
図26は、ウインドウ345の均一な厚み及び大きな曲率半径対ビーム巾が3本の光ビーム606−608に対するレンズ作用をどのように減少するか示している。例えば、ビーム606は、カーブしたウインドウ345を出るときに放射器106の左へオフセットするが、ウインドウを通過する結果として向き直されるのではない。ビーム606のオフセットは、図中、距離420により示されている。ウインドウ345が薄いときには、オフセットを無視できる。オフセットを無視でき、送光器及び受光器がPCB411上に均一に離間される実施形態では、ビームオフセットは、特に、ブロックされた対応ビームの位置を、送光器及び受光器の位置からオフセットした、スクリーンを横切るときのビームの位置に基づいて計算することにより、ソフトウェアで取り扱われる。オフセットを無視できず、送光器及び受光器がPCB411上で均一に離間されていない他の実施形態では、オフセットが、検出ゾーン501に交差するビームを均一に離間させる。ビームのドット部分610は、この図に示されていない光ガイド340及び341を通過するビームを表わす。
【0079】
ゾーン501に対する光センサの第2の半分について以下に述べる。
図27は、投影された光ビームを受光し、そしてビームを、ステアリングホイールの丸いグリップ部材内に埋め込まれた受光器に向ける光ガイドの露出下縁346を示す。
図28及び29は、ステアリングホイール400の丸いグリップ部材内にある受光素子204の3つの食い違った行及びそれらの各光ガイドを示す2つの断面図である。検出ゾーン501に交差するコリメートされた光が、カーブしたウインドウ353を通してグリップ部材に入る。光ビームのコリメーションを維持するために、ウインドウ353は、上述したウインドウ345と同様に、その内面及び外面の両方に均一な巾及び実質的に同様の弧を有する。
【0080】
図29は、
図28とは異なる角度から見た光ガイド340を示す。この光ガイドのコリメート部分は、丸い断面347である。このコリメート部分は、2つの空気対プラスチック界面を使用して、コリメートされた巾広のビームを各受光器に向ける。これらのコリメートレンズの動作は、参考としてここに内容を援用する“OPTICAL ELEMENTS WITH ALTERNATING REFLECTIVE LENS FACETS”と題する米国特許出願第13/424,543号に詳細に説明されている。特に、この米国特許出願第13/424,543号の
図50から52及びその関連段落[00267]−[00271]を参照されたい。
図29に示す実施形態では、光ガイドが単一のプラスチック部片348で形成される。受光器204は、プラスチック348で形成された空洞421に懸架されて示されている。それらの受光器がマウントされるPCBは、図中に示されておらず、受光器の上にあって、空洞421をカバーする。光ガイド340を通る光ビーム611の経路が示されている。
【0081】
2つの異なるセンサのための送光器及び受光器がPCB411の両側にマウントされている。
図30は、ステアリングホイールPCB411の両側からの分解図である。検出ゾーン501の受光器204は、PCBの片側にあり、そして検出ゾーン502の送光器・受光器対100−200は、このPCBの反対側にマウントされる。又、この分解図は、検出ゾーン502に使用される光ガイド300と、光ガイド340を形成するプラスチック素子348も示しており、それらは、両方とも、PCB411にマウントされる。
【0082】
上述した検出ゾーン503及び504に使用されるタイプAのセンサについて以下に詳細に述べる。
【0083】
本発明の実施形態により、ステアリングホイールの外側リムに埋め込まれた接近センサの簡単な図である
図31−35を参照する。
図31は、ステアリングホイール400の各側に4つの検出ゾーン524−527を示している。
図32は、ホイールから離れる光ビームを投影し、そしてホバリングする指又は手により反射されるビームの一部分を検出することにより、ステアリングホイールの片側に検出ゾーンを形成する2つのセンサを示している。ドライバが見たとき、各センサは、発光面354又は356と、隣接受光面355又は357を含む。
図33は、ステアリングホイールの外側リムにはめ込まれたプラスチックリム422を示しており、これは、それらのセンサに対する近赤外線(NIR)の通過を許すNIR透過部分354−357を有している。
図34は、NIR透過部分が実際に個別の光ガイド358−361であることを示し、一対の光ガイドが検出チャンネルを形成している。光ガイド358−361の各々は、各送光器又は各受光器コンポーネントに結合される。従って、光ガイド358及び360は、各送光器(図において光ガイド359及び361のために見えない)に結合され、そして光ガイド359及び361は、受光器209及び210に各々結合される。
図35は、光ガイド358を通る光ビーム路612を示している。又、
図35は、光ガイド358に結合された送光器109も示している。
【0084】
本発明の実施形態により、ステアリングホイールの外側リムを横切って埋め込まれたタッチセンサの簡単な図である
図36−38を参照する。
図36及び37は、上述した検出ゾーン502に使用されるタイプAのセンサのコンポーネント、即ち送光器・受光器対100・200、及び光ガイド300を示している。光ガイド300は、送光器100及び受光器200の両方により共有され、そして光ガイド300は、各送光器及び各受光器に対向するコリメートレンズ部分362を有する。
図38は、光ガイド300が、放射器100により放射された光ビーム613のような光ビームに対してペリスコープとしてどのように働くか示している。上述したように、一連のこれらセンサが外側リムに沿って設けられたステアリングホイールは、ホイールの外側リムに沿ったタップジェスチャー及び手をスライドするジェスチャーを検出することができる。
【0085】
本発明のある実施形態では、ステアリングホイールのリム又はスポークに沿ってタッチセンサに接続されたプロセッサは、ホイールにタッチする各手の指の本数を検出する。これは、ホイールを保持する手で覆われたセグメントのサイズを発見的に決定することにより、又はセンサアレイに沿った一連の4個までの物体を互いに検出することにより、実行される。ドライバがホイールを握ったときに1本の指だけでホイールをタップするとき、例えば、他の指でホイールを握り続けながら1本の指でホイールをタップすることで、プロセッサは、保持されているホイールのセグメント内のタップの位置によりどの指でタップを行ったか決定する。これは、異なる指が異なる機能に関連付けられるユーザインターフェイスを可能にする。例えば、人差指によるタップは、ステレオをコントロールし、そして中指によるタップは、電話をコントロールする。どの指でホイールをタップしたかの決定は、保持されたホイールのセグメント内の、タッチセンサにより検出された指の相対的な位置に基づく。従って、このユーザインターフェイスは、ホイールのどのセグメントにタッチしたかに依存するものではない。従って、これは、相対的な指の位置に基づいてホイールのどこにでも適用される。ある場合には、プロセッサは、ホイールの右半分及び左半分に基づいて右手と左手を区別する。
【0086】
本発明のある実施形態では、オートバイのドライバがハンドルバーのグリップを回転することによりオートバイのエンジンを吹かすようにドライバがグリップの周りで自分の手を回転するときを検出するために、ホイールグリップの管状又は円筒状表面の周りに複数のセンサが配置されている。ユーザインターフェイスは、このジェスチャーによる特定の特徴をコントロールするように構成される。本発明をオートバイのハンドルバーに適用する場合には、それらのセンサが、オートバイのエンジンのスピードをコントロールするためにハンドルバーグリップを回転する代替手段をなす。
【0087】
又、本発明のある実施形態では、ステアリングホイールのグリップ又はスポークの後部に接近検出器又はタッチ検出器をマウントして、ホイールの周りに巻いた指でホイールグリップの後部又はスポークの後部に対して行われるタップジェスチャーを検出する。例えば、これらのジェスチャーは、ギアをシフトするか、又はドライブモードをシフトするのに使用される。ドライブモードは、特に、エコモード、スポーツモード、2輪駆動、及び4輪駆動を含む。
【0088】
本発明のある実施形態では、各コントロール設定に種々のジェスチャーを指定することを含めて、ユーザインターフェイスを構成するユーザプロフィールを乗物にロードする。各ユーザが自分の設定を乗物にダウンロードできるようにすることで乗物は複数のユーザをサポートする。従って、複数のユーザの設定がインターネットサーバーにアップロードされる。ドライバは、車に乗り込むと、自分の設定をインターネットサーバーから乗物へダウンロードし、従って、自分のカスタマイズした設定に乗物を適応させる。例えば、ドライバによる異なる特徴をコントロールするために異なるジェスチャーをマップすることができる。このシステムの1つの用途は、レンタカーである。ドライバは、車をレンタルするとき、自分のユーザプロフィールをレンタカーにダウンロードし、ユーザインターフェイスを馴染み深いものにする。別の用途は、カーディーラーショップであり、購入者がテストモデルを試乗するか又は模擬運転席に座る間に車のインターフェイスを購入者用にカスタマイズする。ディーラーは、デモカーにおいてユーザプロフィールを構成し、それをインターネットサーバーにアップロードする。ディーラーは、購入された車が到着したときに購入者のプロフィールのダウンロードを越えてカスタマイズする必要はない。
【0089】
又、本発明の態様は、コンテキストユーザインターフェイスにも関する。ドライバが車に乗り込むと、ディスプレイスクリーンを使用して、車のユーザインターフェイスがドライバに何をしたいか尋ね、それを行うように誘導する。従って、UIは、コンテキストに基づいてオプションを表わす。エンジンがオフである場合には、UIは、車を始動したいかどうかドライバに尋ねる。ドライバがエンジンを切った場合には、UIは、次の初期オプションを提示する。即ち、ドアを開く、ガソリンタンクを開く、トランクを開く、及びフードを開く。ある実施形態では、ディスプレイは、ドライバがそれらオプションを実行するためにステアリング要素において実行可能な、手をスライド及びタップさせる異なるジェスチャーのマップをレンダリングする。ドライバが車を停止すると、UIは、ドライバが駐車したいかどうか尋ねる。ドライバが駐車したい旨の応答をすると、UIは、例えば、道路に駐車するか又は近傍の駐車場に駐車する等の駐車オプションを提示する。ドライバがいなくても走行できる自動化された車両では、UIは、ドライバが買物又は仕事で不在である間に、(車がどのような動力で動くかに基づいて)ガソリン、バッテリ又はソーラパネルを補充する更に別のオプションを提示する。車を去る前に、UIは、駐車場にいつ戻るかドライバに尋ねる。
【0090】
又、ある実施形態では、本発明のステアリング要素にバイオメトリックセンサも追加される。UIにアクセスするために、バイオメトリックセンサは、先ず、ドライバを登録しなければならない。ドライバが車を運転するのに適合しないことをバイオメトリックセンサが検出し、例えば、センサが高い心拍数又は高いアルコール飲酒量を検出する場合には、UIは、それに応じて応答し、そしてそのドライバが運転することを許さない。
【0091】
本発明によるステアリングホイールの別の実施形態が
図39−42に示されている。この実施形態では、ステアリングホイールは、2つの埋め込まれたタッチ感知ディスプレイスクリーンを備えている。ディスプレイスクリーンの情報は、ヘッドアップディスプレイにおいてドライバに表示され、ドライバは、ディスプレイを見下ろすために道路から目をそらす必要がない。
【0092】
本発明の実施形態によるマルチタッチセンサ及び埋め込まれたタッチスクリーンディスプレイを伴うステアリングホイールの簡単な図である
図39を参照する。
図39は、2つの埋め込まれたタッチスクリーン450及びスライダーコントロール530を有するステアリングホイール400を示している。スライダーコントロール530は、
図17−20を参照して上述したスライダーコントロール522及び523と同様の一連の送光器及び受光器として具現化される。タッチスクリーン450は、各スクリーン450をカバーするタッチ検出光ガイドを形成するスクリーン縁に沿った一連の送光器及び受光器によってタッチ可能とされる。2つの接近センサストリップ531及び532を有するステアリングホイール400も示されており、これら2つのストリップ間でステアリングカラムに置かれるドライバの手を検出する。
【0093】
本発明の実施形態によるヘッドアップディスプレイを伴う
図39のステアリングホイールの簡単な図である
図40を参照する。
図40は、ステアリングホイール400をある角度で見て示している。ドライバが容易に見ることのできる位置にスクリーン450からのグラフィックをレンダリングするために2つのヘッドアップディスプレイ451が設けられている。ドライバは、ヘッドアップディスプレイ451を見てスクリーン450上でタッチジェスチャーを遂行することによりスクリーン450上のユーザインターフェイスと相互作用することができる。
【0094】
本発明の実施形態による
図39のステアリングホイールのステアリングカラムに並んだ接近センサの簡単な図である
図41及び42を参照する。
図41は、ステアリングカラム407の前部及び頂部が接近センサの2本のストリップによりタッチ感知となることを示している。第1の接近センサストリップ531が示されている。このストリップは、カラム407の外面を横切って光ビームを放射する交互の一連の放射器及び検出器により形成される。このストリップは、ステアリングカラム407の輪郭に沿ってカーブしている。ドライバがステアリングカラム407に手を置くと、手が投影された光ビームを接近センサへ反射し、隣接する検出器が反射光の増加を感知する。このタイプの接近センサの動作が、“REMOVABLE PROTECTIVE COVER WITH EMBEDDED PROXIMITY SENSORS”と題する本出願人の同時係争中の米国特許出願第13/775,269号の特に
図4から10に示されている。第2の接近センサストリップ532は、ストリップ531とは反対であり、
図41の視線角度では見えない。
【0095】
図42は、接近センサストリップ531の光ビームを示す。放射ビーム614は、ステアリングカラム407の輪郭に一致して示されている。1本の反射ビームが破線のビーム615として示されている。ドライバがステアリングカラム407に手を置くと、その手が1本以上のビーム614をビーム615として反射する。
【0096】
本発明の実施形態による
図39のステアリングホイールのステアリングカラムにおいて行われるユーザインターフェイスジェスチャーの簡単な図である
図43を参照する。
図43は、ステアリングカラム407に並んだ2つの接近センサにより検出される手のジェスチャーを示す。このジェスチャーにおいて、ドライバは、ステアリングカラム407により形成される丸み付けされたコーナーに沿って手のひら452を傾斜させる。ある用途では、このジェスチャーは、サイドミラーの角度を調整するのに使用される。従って、手のひらを下に傾けてカラム407の上部にタッチすると、ミラーが上に傾き;手のひらをもっと垂直に傾けると、ミラーが下に傾く。
【0097】
ステアリングカラム407の2つの互いに逆の縁に並んだ2つの接近センサは、独特の二次元検出器を形成する。反射ビームを検出する接近センサに沿った位置は、1つの次元に沿った位置である。反射物体がストリップ531又は532に近いほど、検出信号が大きなものとなる。接近ストリップ531の検出信号を接近ストリップ532と比較することにより、2つのストリップ間のどこに指があるかおおよその推定がなされる。従って、両ストリップが同様の量の反射光を検出する場合には、指は、2つのストリップ間のほぼ中間にある。それに対して、一方の接近センサが他方より多くの光を検出する場合には、指は、高い検出量のストリップに接近している。
【0098】
本発明の実施形態は、乗物のダッシュボード、ドライバディスプレイシステム及び関連ユーザインターフェイスにも関する。
【0099】
本発明の実施形態により、乗物のダッシュボードにおいて可能にされるユーザインターフェイス及び関連スイープジェスチャーの簡単な図である
図44−46を参照する。
図44は、縁に沿って接近センサを有するダッシュボードディスプレイ423を示す。本発明のある実施形態では、ディスプレイそれ自体は、タッチ検出を行わず、即ちタッチスクリーンではない。フレーム528は、ディスプレイを取り巻くように示されている。このフレームは、接近及びホバージェスチャーを検出するための検出ゾーンを示す。ディスプレイは、一群の関連機能を各々表わす2つのアイコン424及び425を右上及び左上のコーナーに示している。ドライバは、ディスプレイの一部分の上において自分の手でスイープジェスチャーを行うとき、対応するアイコンを拡張して、関連機能の完全セットを露呈させる。
【0100】
図45は、この状況におけるジェスチャーの作用を示す。(A)とマークされた
図45の上部にダッシュボードディスプレイ423が示されている。ディスプレイの左上コーナーを横切ってスイープしそしてディスプレイを対角方向に横切って続けるジェスチャーが矢印426で示されている。スクリーンを対角方向に横切ってジェスチャーが進むにつれて、アイコン425がスクリーンを横切って膨張する。膨張されたアイコンが、(B)とマークされた
図45の下部にアイコン427として示されている。ある実施形態では、この膨張されたエリアは、アイコン425で表わされた機能に関連したアイコンがポピュレートされる。他の実施形態では、膨張されたアイコンは、膨張する同様のジェスチャーに対する更に別のオプションを提示し、膨張スクリーンの複数の層を与える。
【0101】
従って、本発明の実施形態は、ディスプレイの関連するコーナー又は側部における簡単な手のジェスチャーで機能の広いアレイへの容易なアクセスを与える。これは、ユーザインターフェイスがディスプレイを散らかすことなく限定された数のアイコンを初期ディスプレイに提示すると共に、前記スイープジェスチャーに応答して、選択されたアイコンを膨張させて、関連機能の全リストを明示できるようにする。
【0102】
図46は、ディスプレイの4つのコーナーに4つのアイコン428、429、431及び432を、そしてディスプレイの右縁にテキストボックス430を伴うダッシュボードディスプレイ423を示している。8つの異なるスイープジェスチャーを示す8つの矢印433−440が示されている。各スイープジェスチャーは、そのジェスチャーに関連したアイコン又はテキストに基づいてディスプレイを変更させる。
図46において、ジェスチャー433、435、437及び439には、各アイコンが各々関連付けられ、そしてジェスチャー436には、テキスト430が関連付けられる。又、ある実施形態では、ディスプレイの縁に沿って滑走するような付加的なジェスチャーも機能を与える。
【0103】
上述したダッシュボードスイープジェスチャーを検出するホバー及び接近センサは、ステアリングホイールに関して述べたセンサと実質的に同じである。これらのセンサは、ダッシュボードディスプレイの周りの個別の位置に分散される。
【0104】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明した。しかしながら、本発明の広い範囲及び精神から逸脱せずにその特定の実施形態に対して種々の変更や修正がなされることが明らかである。従って、明細書及び添付図面は、例示に過ぎず、それに限定されるものではない。