(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前後方向に並び自転可能な複数のローラであって前後方向に隣り合う一対の前記ローラで前方に向けて卵を挟持して搬送する複数のローラと、前記卵の鋭端が下方に向くように卵を上方に押し上げる押上機構とを備えるローラバーコンベアとを含む卵の方向整列装置において、
鋭端を左右方向のいずれかに向けた前記卵を前記一対のローラにより挟持した状態で前記ローラバーコンベアの終端に向けて搬送する第1のステップと、
前記ローラバーコンベアの終端にて卵を落下させる第2のステップとを含み、
前記第1のステップは、少なくとも前記終端付近において前記ローラを所定の方向に自転させることを含み、
前記第2のステップは、
前記押上機構によって、落下直前に前記卵を、その鋭端が下方に向く状態に傾けることと、
傾いた前記卵の鋭端を前記ローラの一部に当接させることにより、前記ローラの自転によって、前記卵の鋭端を前記卵の搬送方向に向けることと、
前記卵をその鋭端から落下させることとを含む、卵の方向整列方法。
【背景技術】
【0002】
鶏卵等に代表される卵には、調理に用いられる食卵や、雛を生産するための種卵がある。これらの卵は、鶏により産卵された後にトレイに充填されて運搬、管理等される。たとえば、種卵の生産工程では、多数の鶏から生まれた多数の卵は、鶏舎から搬送され、セッタートレイと称される専用の容器に収容され、セッタートレイに充填された状態で38度の環境下におかれて孵卵工程に入る。
【0003】
ところで、鶏卵は、曲率の比較的小さい鋭端と、曲率の比較的大きい鈍端とを有し、鋭端側の先端と鈍端側の先端とを結ぶ仮想的な軸線が長軸と称される。一般に、卵の鈍端側には気室が位置する。種卵は、気室を介する種卵内の胚のガス交換を行いやすくするために、鈍端を上に向けて、すなわち長軸を上下方向に向けてセッタートレイに充填される。また、種卵に限らず、食卵においてもガス交換を容易に行って卵の鮮度を維持すべく、卵は、その鈍端を上に向けてトレイに充填される。
【0004】
しかし、卵は、トレイに充填されるまでは、搬送を容易にするために長軸を横方向にした状態でコンベア等により搬送される。したがって、長軸を上下方向に向けた状態で卵をトレイに充填するためには、卵の姿勢を変更して揃える必要がある。
【0005】
そのような、卵の鈍端を上向きに揃えて卵の方向整列を行う装置として、例えば、特許文献1に記載の卵の方向整列装置がある。この方向整列装置は、卵を搬送する第1の搬送ラインと、該第1の搬送ラインの終端において落下する卵を受けて、さらに卵を搬送する第2の搬送ラインと含む。
【0006】
第1の搬送ラインは、ローラバーコンベアから構成されており、前後方向に隣り合う一対のローラで、長軸が左右方向に向く状態に卵を挟持して後方から前方に搬送する。第1の搬送ラインは、その終端付近において、搬送される卵に対して左右方向の略中央を一対のローラの間から持ち上げる持上げ部材と、中央を持ち上げられた卵の鋭端側を搬送方向、すなわち前方にむけるべく押圧する押圧部材とを備える。持上げ部材は、搬送される卵の略中央を持上げて鋭端側が下方に向く状態に卵を傾ける。
【0007】
押圧部材は、持上げ部材により傾けられた卵の鋭端を、卵の搬送速度よりも高速に前方に向けて押圧する。押圧部材として、卵の鋭端を前方に押圧すべく回転する板状部材と、板状部材を回転させる駆動機構とがコンベアの終端付近に設けられている。
【0008】
上記の構成によれば、第1の搬送ラインの終端付近まで搬送された卵は、持ち上げ部材により鋭端が下方に向くように、その中央を持ち上げられて姿勢を傾けられる。卵は、その姿勢で押圧部材により鋭端側を前方に向けて押圧され、鋭端を前方に向けながら第1の搬送ラインの終端に達し、落下する。したがって、卵は、その鋭端が下に向く状態で落下し、第2の搬送ラインに受けられる。これにより、卵は、鋭端を下に向けた状態で第2の搬送ラインにより卵を搬送され、第2の搬送ラインからトレイに移され、その上端を上に向けた状態で充填される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、引用文献1の卵の方向整列装置では、第1の搬送ラインに駆動機構を備えた押圧部材が設けられるため、装置の構造が極めて複雑となり、また押圧部材が設けられる第1の搬送ラインの終端付近の清掃が困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る卵の方向整列装置は、鋭端を左方向および右方向のいずれかに向けた状態におかれた複数の卵を前後方向へ順次搬送する少なくとも1つの搬送ラインと、前記搬送ラインの終端に向けて前記卵を搬送すべく所定の回転方向に回転し、各搬送ラインに動力を伝達する無端体とを備えるローラバーコンベアであって前記搬送ラインの前記終端において前記卵を落下させるローラバーコンベ
アを含む。
【0012】
各搬送ラインは、左右方向に延在しかつ前後方向に並列して前記無端体に連結されている複数のローラであって隣り合う一対の前記ローラで各卵を挟持して順次搬送する複数のローラと、前記搬送ラインの終端付近において、前記一対のローラの間から略上方に前記卵を押し上げるための押上機構とを備える。
【0013】
各ローラは、その中央から左右の両側に向けてテーパを有する鼓形状の卵載置部材であって前記終端付近において前記回転方向と同一方向に自転する卵載置部材と、前記卵載置部材と共に自転し、前記卵載置部材の左右の両側に相互に対向するように配置されている一対の円盤状部材とを有する。
【0014】
前記押上機構は、前記卵載置部材の左右方向の中央に対応する位置において前記卵を押し上げることにより鋭端が下方に向くように前記卵の姿勢を傾け、前記円盤状部材は、姿勢が傾いた前記卵の鋭端に当接する外周を有する。
【0015】
また、本発明に係る卵の方向整列装置は、鋭端を左方向および右方向のいずれかに向けた状態におかれた複数の卵を前後方向へ順次搬送する少なくとも1つの搬送ラインと、前記搬送ラインの終端に向けて前記卵を搬送すべく所定の回転方向に回転し、各搬送ラインに動力を伝達する無端体とを備えるローラバーコンベアであって前記搬送ラインの前記終端において前記卵を落下させるローラバーコンベ
アを含む。
【0016】
各搬送ラインは、左右方向に延在し前後方向に並列して前記無端体に連結されている複数のローラであって隣り合う一対の前記ローラで各卵を挟持して順次搬送する複数のローラと、前記終端の付近において前記一対のローラの間から略上方に、前記卵を押し上げるための押上機構とを備える。
【0017】
各ローラは、円柱形状を有する卵載置部材であって前記終端付近において前記回転方向と同一方向に自転する卵載置部材と、前記卵載置部材の左右の両側に相互に対向するように配置されている一対の円盤状部材とを有する。
【0018】
前記押上機構は、前記卵載置部材の左右方向の中央に対応する位置において前記卵を押し上げることにより鋭端が下方に向くように前記卵の姿勢を傾け、前記円盤状部材は、姿勢が傾いた前記卵の鋭端に当接する外周を有する。
【0019】
さらに、本発明に係る卵の方向整列方法は、前後方向に並び自転可能な複数のローラであって前後方向に隣り合う一対の前記ローラで前方に向けて卵を挟持して搬送する複数のローラと、前記卵の鋭端が下方に向くように卵を上方に押し上げる押上機構とを備えるローラバーコンベア
とを含む卵の方向整列装置を用いる。
【0020】
鋭端を左右方向のいずれかに向けた前記卵を前記一対のローラにより挟持した状態で前記ローラバーコンベアの終端に向けて搬送する第1のステップと、前記ローラバーコンベアの終端にて卵を落下させる第2のステップ
とを含む。
【0021】
前記第1のステップは、少なくとも前記終端付近において前記ローラを所定の方向に自転させることを含み、前記第2のステップは、前記押上機構によって、落下直前に前記卵を、その鋭端が下方に向く状態に傾けることと、傾いた前記卵の鋭端を前記ローラの一部に当接させることにより、前記ローラの自転によって、前記卵の鋭端を前記卵の搬送方向に向けることと、前記卵をその鋭端から落下させることとを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る卵の方向整列装置によれば、ローラバーコンベアの各搬送ラインにおいて、各卵が、その鋭端を左右方向のいずれかに向けた状態で前後方向に隣り合う一対のローラに挟持され、複数のローラが、無端体から動力を伝達され搬送ラインの終端に向けて移動することにより、複数の卵が前方に向かって一列に搬送される。このとき卵載置部材が鼓形状に形成されていることから、卵は、卵載置部材の中央にその略中心が位置する状態で搬送される。搬送ラインの終端に到達した卵は、落下した卵の姿勢を保持する受卵部に受けられる。
【0023】
この落下の直前、すなわち各搬送ラインの終端付近で、卵は、卵載置部材の中央に対応する位置、すなわち卵の略中心を略上方に押し上げられ、鋭端側を下方に向けるように傾く。下方に向いた卵の鋭端は、その直下に位置する円盤状部材の外周に接触する。ローラの円盤状部材は自転しているため、卵の鋭端は、円盤状部材の外周に接することで生じる摩擦力により、円盤状部材の自転の接線方向、すなわち卵の搬送方向に向けられる。
【0024】
その後、卵は落下運動に移るため、鋭端側を下にした状態で卵受部に受けられ保持される。これにより、卵は、鋭端を左右方向のいずれかに向けた状態から、鋭端を下方に向けた状態に方向を揃えられ、すなわち方向整列されて搬送ラインにより、さらに搬送される。
【0025】
さらに、本発明に係る方向整列方法によれば、各卵が、その鋭端を左右方向のいずれかに向けた状態で一対のローラに挟持され、ローラバーコンベアの終端に向けて搬送される。ローラバーコンベアの終端付近に達した卵は、押上機構によって、落下直前に、鋭端が下方に向く状態に姿勢を傾けられる。姿勢が傾いた卵は、自転するローラの一部に鋭端を当接させることにより、搬送方向に鋭端を向けられる。鋭端を搬送方向に向けられた卵は、ローラバーコンベアの終端において鋭端から落下し、鋭端を下方に向けた状態で受卵部に受けられて保持される。
【0026】
このような方向整列装置および方向整列方法によれば、卵を搬送するためのローラが卵の鋭端を前方に向ける作用も有するため、卵の鋭端を前方に向けるべく駆動する押圧部材のような特別な機構を搬送ラインの終端に設ける必要がない。したがって、装置の構造が簡易になり、搬送ラインの清掃も容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に示すように、本発明の第1の実施例に係る卵の方向整列装置10は、卵の充填システムSに組み込まれる。充填システムSは、たとえば、鶏舎にて産卵された卵Eをセッタートレイのようなトレイ12に充填するために用いられる。セッタートレイは、いわゆる種卵の孵化途中の保管に用いられる。トレイ12は、食卵のような、卵を保管、運搬するためのアメリカントレイ、パルプモールドトレイ等のトレイであってもよい。トレイは、n列×m行(n、mは順序数)の卵収容用座を備える。
【0029】
卵の充填システムSでは、鶏舎にて産卵された卵Eが、その長軸を水平方向に向けた状態でバーコンベアのような搬送装置13により矢印aの方向に搬送される。搬送装置13の下流には、アキュームレータのような分配整列装置14が設けられている。搬送装置3から無秩序な配列で搬送された複数の卵Eは、分配整列装置14により、横方向に複数列、たとえば、6列に並ぶように配列されて順次搬送される(たとえば、特許文献2参照)。
【0030】
分配整列装置14の下流には、本発明の第1の実施例に係る卵の方向整列装置10が設けられている。卵Eは、分配整列装置14までは長軸を横方向に向けた状態で搬送されるが、卵の方向整列装置10により長軸を上下方向に向けた状態に揃えられる。長軸を上下方向に向けられた卵Eは、卵の方向整列装置10から移載装置15により移載されて長軸を上下方向に向けられた状態のままトレイ12に充填される。
【0031】
図2、
図3に示すように、卵の方向整列装置10は、分配整列装置14から搬入される卵Eを受け、卵Eを搬送するローラバーコンベア20と、ローラバーコンベア20により搬送された卵Eを受ける卵受部、すなわちカップ22を有するカップコンベア24とを備える。ローラバーコンベア20は、その基端で分配整列装置14から卵Eを受け、その終端にて卵Eを落下させる。カップコンベア24は、ローラバーコンベア20の終端から落下する卵Eをカップ22が受けることができるようにローラバーコンベア20に接続されている。カップコンベア24は、卵Eを受けたカップ22を移載装置15に向けて移送する。卵の方向整列装置10は、ローラバーコンベア20からカップ22に卵Eが落下するときに、卵Eの向きを揃えるように変更、すなわち卵の方向を整列させる。
【0032】
ローラバーコンベア20は、所定の方向に回転する一対の無端体28と、無端体28の回転に連動して卵Eを搬送する少なくとも1つの搬送ライン30とを備える。各搬送ライン30は、左右方向(
図3における矢印Cの方向)に延在しかつ前後方向に並ぶ複数のローラ32を備える。複数のローラ32は、前後方向に隣り合う一対のローラ32により分配整列装置14から受けた卵Eを挟持する。
【0033】
図示の例では、ローラバーコンベア20は、左右方向に6列に並んだ6つの搬送ライン30を備える。これにより、卵の方向整列装置10は、分配整列装置14から左右方向に6列に並んだ状態の卵Eを受けることができる。複数の搬送ライン30の幅は、たとえば、鶏卵の寸法に対応して75〜90mmとされる。ローラバーコンベア20は、左右方向のいずれかに卵Eの鋭端が向いた状態、すなわち左方向に鋭端が向いた卵Eと、右方向に鋭端が向いた卵Eとが入り交じった状態で分配整列装置14から卵Eを受ける。
【0034】
各搬送ライン30では、その基端付近30aにおいて隣り合う一対のローラに分配整列装置14から卵Eが乗り移り、卵Eを挟持した一対のローラ32が前方に向けて移動することにより卵Eが搬送される。卵Eを挟持するローラ32が、各搬送ライン30の基端から終端、すなわち後方から前方(
図3における矢印bの方向)に向けて卵Eを搬送すべく、無端体28は、所定の回転方向に回転する。
【0035】
一対の無端体28は、左右方向に間隔をおいて配置されており、一対の無端体28の間に、複数の搬送ライン30が位置している。無端体28は、モータのような駆動機構(図示しない)により動力を受けて回転する。無端体28は、各搬送ライン30に連動しており、無端体28の回転により各搬送ライン30が卵Eを搬送するように、前記駆動機構からの動力を各搬送ライン30に伝達する。本実施例において、ローラバーコンベア20では、一対の無端体28により搬送ライン30に動力を提供しているが、1つの無端体28により動力を提供してもよい。
【0036】
ローラバーコンベア20は、さらに、無端体28が取り付けられるコンベア本体34と、左右方向に複数列に並んだ搬送ライン30において、左右方向に並んだ複数のローラ32を貫通して結合する棒状の連結部材36と、コンベア本体に形成され、連結部材36を支持するガイド38とを備える。連結部材36は無端体28に連結されており、無端体28の回転により、連結部材36、ひいては連結部材36に結合されたローラ32がコンベア本体34において公転しながら移動し、搬送ライン30が構成される。
【0037】
連結部材36は、その公転の上側において、ガイド38に載置されるように支持されており、公転に伴う移動によりガイド38上を自転する(
図4参照)。これにより、連結部材36に結合されたローラ32も自転する。連結部材36がガイド38に支持された状態で移動するため、ガイド38は連結部材36の移動経路を提供する。
【0038】
ローラバーコンベア20に接続するカップコンベア24は、カップ22を移送するカップ移送ライン40を、ローラバーコンベア20の搬送ライン30と同数備える。各カップ移送ライン40では、カップ22が、所定の方向(
図3における矢印bの方向)に向けて移動し、移送装置15まで移送される。カップコンベアは、無端体(図示しない)の回転によりカップが移送される、従来よく知られる無端コンベアである。
【0039】
移載装置15は、カップコンベア24の終端に設けられる。移載装置15は、カップコンベア24の終端にてカップ22に受けられた卵Eを真空吸着する吸着機構42と、吸着機構42をトレイ12の上方に移動する移動機構44と、卵を真空吸着するための減圧機構46とを備える。吸着機構42は、複数の吸盤48と、複数の吸盤48が取り付けられたベース50とを備える。各吸盤48は、各卵Eに一対一の関係で対応し、複数の吸盤48は、トレイ12の卵収容用座(図示しない)の配置に対応した配置でベース50に取り付けられており、卵Eを吸着すべく減圧機構46に接続されている。
【0040】
本実施例において、複数の吸盤48は、セッタートレイが6列×6行で等ピッチに卵収容座を有するため、6列×6行で等ピッチにベース50に取り付けられている。この場合、移載装置15は、左右方向に6列で前方に向けて順次搬送される卵Eのうち、前後方向に6行分の卵を、6列×6行に取り付けられた吸盤48により吸着する。移載装置15は、吸着機構42の吸盤48が減圧機構46によりカップ22から卵Eを吸着したのち、移動機構44が吸着機構42をトレイ12の上方へ移動し、減圧機構46が吸盤48の真空吸着を解除することによって、卵Eをトレイ12に充填する。
【0041】
トレイ12は、卵の方向整列装置10の付近に設けられたトレイコンベア(図示しない)により搬送される。トレイ12は、前記トレイコンベアの搬送路の一部で待機し、移載装置15から卵Eを充填される。
【0042】
複数のカップ移送ライン40のピッチは、カップコンベア24の基端において、ローラバーコンベア20の複数の搬送ライン30間のピッチと同一のピッチで設けられている。複数の搬送ライン30のピッチは、トレイ12の卵収容用座(図示しない)の列のピッチおよび移載装置15の吸盤48の列のピッチに対して大きい。したがって、複数列に並んだカップ22は、カップコンベア24の基端から終端に移送される過程で、そのピッチを移載装置15の吸盤48の列ピッチ、ひいてはトレイ12の列ピッチに適合するようにピッチを縮められる。
【0043】
図4および
図5に示すように、各搬送ライン30の複数のローラ32は、後方から前方(
図4および
図5における矢印bの方向)に向けて卵Eを搬送すべく、搬送ライン30の上側において後方から前方に向けて移動する。また、各搬送ライン30の複数のローラ32は、搬送ライン30の終端付近30bにて上側から下側に折り返されて、搬送ライン30の下側において前方から後方に移動する。図示はしないが、さらに、各搬送ライン30の複数のローラ32は、搬送ライン30の基端にて下側から上側に折り返される。このように、各搬送ライン30の複数のローラ32は、無端体28の回転方向と同一の回転方向に公転する。複数のローラ32は無端体28に連結しており、ローラ32の公転は、無端体28の回転により動力を伝達されて行われる。
【0044】
各ローラ32は、その中央から左右の両側(
図5の矢印eの方向)に向けてテーパを有する鼓形状の卵載置部材52と、卵載置部材52の両側に相互に対向するように配置された一対の円盤状部材54とを備える。卵載置部材52は、円盤状部材54を介して連結部材36に結合されている。本実施例において、円盤状部材54は、卵載置部材52の両端外周の直径よりも大きい直径の外周を有する。卵載置部材52と円盤状部材54とは相互に回転不能に結合されている。各ローラ32において、連結部材36がガイド38上を移動することにより連結部材36が自転すると、これに結合された卵載置部材52が自転する。さらに、円盤状部材54は、卵載置部材52と共に自転する。
【0045】
図示の例では、各円盤状部材54は、卵載置部材52の両端の外周と同程度の直径を有する第1の円盤状部56と、第1の円盤状部56の左右方向の外側に連続して形成され、第1の円盤状部56よりも大きい直径を有する第2の円盤状部58とを備える。これにより、円盤状部材54は、卵載置部材52の外周よりも大きい直径の外周を有する。
【0046】
各ローラ32は、卵Eを挟持した状態で無端体28の回転方向と同一方向に自転および公転する。ローラ32に挟持された卵Eは、ローラ32の自転から生じる卵載置部材52との摩擦によりローラ32の自転方向(
図4における矢印fの方向)と逆方向(
図4における矢印gの方向)に自転する。自転する卵Eは、従来よく知られるように、鋭端方向に向かう力を生じるが、鼓形状に形成された卵載置部材52に載置され、前後方向に隣り合う一対のローラ32により挟持された状態で自転することにより、長軸を左右方向に沿わせた状態で安定して搬送される。
【0047】
各搬送ライン30は、さらに、その終端付近30bにおいて、搬送されてきた卵Eを押し上げるための押上機構60を備える。押上機構60は、隣り合う一対のローラ32の間から突出することにより、一対のローラ32に挟持された卵Eを上方に押し上げる。本実施例において、押上機構60は、4つの山部62aと4つの谷部62bを有する歯車形状に形成された押上板62を備える。押上機構60によれば、押上板62がローラ32の公転方向(
図4における矢印hの方向)に回転することにより、山部62aが一対のローラ32の間から突出して卵を押し上げる。
【0048】
押上板62は、ローラ32の延在方向の中心に位置している(
図5参照)。ローラ32の卵載置部材52に載置された卵Eは、その略中央を鼓形状の載置部材52の中央に位置して搬送されており、これにより、押上板62は、卵Eの略中央の位置を押し上げることができる。
【0049】
本実施例において、押上機構60は、押上板62の回転を複数のローラ32の公転による移動と同期されており、隣り合う一対のローラ32の間に押上板62の山部62aが噛み合うように回転する。この場合、押上板62の回転を無端体28の回転に同期させればよい。
【0050】
本実施例において、押上機構60は、押上板62を回転させる駆動機構(図示しない)を備える。しかし、押上機構60は、独立した駆動機構を備えなくとも、無端体28を回転させる前記した駆動機構により押上板62を回転させるようにしてもよい。押上板62を回転させる前記駆動機構と無端体28を回転させる前記駆動機構とを共通にすることにより、押上板62の回転と、無端体28の回転、ひいてはローラ32の公転とを容易に同期させることができる。無端体28の駆動機構と押上機構60の駆動機構を共通にするために、たとえば、押上板62の回転軸dと無端体28を回転させる駆動機構をベルト、チェーン、ギア等の動力伝達部材により連結すればよい。
【0051】
本実施例において、押上機構60は、回転運動により卵Eを押し上げるように構成されている。しかし、例えば、上下方向に延びる棒状部材が、上下運動することにより、隣り合う一対のローラの間から突出して卵を押し上げる機構とされてもよい。この場合は、前記棒状部材の上下運動と複数のローラの移動とを同期させればよい。押上機構60は、鋭端が下方に向く状態に卵Eの姿勢を傾けるように、卵Eを押し上げる他の機構であってもよい。
【0052】
ガイド38は、搬送ライン30の終端付近30bにおける、無端体28の折り返し位置に対応する位置まで延在している。したがって、ローラ32は、搬送ライン30の終端付近30bの付近において、無端体28の折り返し位置に対応する位置まで自転する。
【0053】
図示の例では、無端体28は、半円を描くように折り返されており、ガイド38は、該半円の中心dに対して円周角が90°の弧となるように延在している(
図4参照)。これにより、連結部材36およびローラ32は、ガイド38に支持される位置、すなわち無端体28の折り返し位置に対応する位置まで自転する。ガイド38の延在する弧の円周角は、0°〜90°とすることができる。円周角が大きいほど、ローラ32の自転する距離が伸びる。後に説明するように、自転するローラ32により、卵が方向を変更されるため、ローラ32の自転する距離が延びることにより、卵が確実に方向を変更される。前記円周角は、15°以上であることが望ましい。
【0054】
図6および
図7に示すように、搬送ライン30により搬送される卵Eは、搬送ライン30の終端付近30bに到達するまでは、長軸を左右方向(
図6において紙背方向)に向け、外殻を鼓形状の卵載置部材52のテーパに沿わせた状態で搬送される(
図8参照)。終端付近30bに到達した卵Eは、その中央を押上機構60に押上られ、鈍端側の外殻を卵載置部材52から離され、鋭端側を下方に向けた状態に姿勢を傾けられる(
図9参照)。姿勢を傾けられた卵Eは、卵Eを挟持していた一対のローラ32の円盤状部材54の外周に鋭端を当接させ、自転する円盤状部材54の外周との摩擦により鋭端を前方に向けるように力を受ける。鋭端を前方に向けられた卵Eは、搬送ライン30の終端に達し、搬送ライン30から離れ、鋭端を下方に向けて落下を始める。落下した卵Eは、落下時の状態のまま、すなわち鋭端を下に向けた状態のままカップコンベア24のカップ22に受けられる。
【0055】
押上機構60により姿勢を傾けられた卵Eは、その大きさ等の形状に依存して、隣り合う一対のローラ32のうち、前方に位置するローラ32、後方に位置するローラ32またはそれら両方のローラ32の円盤状部材54の外周に当接される。なお、一対のローラ32のいずれの円盤状部材54も、自転により卵Eの鋭端を前方に向ける方向に力を与えることができるため、卵Eは鋭端を前方に向けられる。
【0056】
次に、
図15および
図16を参照して、卵の充填装置を用いた卵の充填方法について説明する。
【0057】
先ず、卵の方向整列装置10の各搬送ライン30は、上流の分配整列装置14の対応する列から卵Eを、その鋭端を左方向または右方向に向けた状態で受ける。卵の方向整列装置10の各搬送ライン30では、各卵Eが隣り合う一対のローラ32により挟持されて、ローラ32の移動により卵Eが搬送ライン30の終端に向けて搬送される(S1)。
【0058】
このとき、複数のローラ32は、コンベア本体34に設けられたガイド38に支持されており、ガイド38の設けられた位置、すなわち搬送ライン30の終端におけるローラ32の折り返し位置まで自転する。
【0059】
次いで、搬送ライン30の終端まで搬送された卵Eは、搬送ライン30の終端に接続するように、搬送ライン30の終端の下方に設けられたカップコンベア24に向けて落下する(S2)。
【0060】
このとき、落下直前の卵Eは、搬送ライン30に設けられた押上機構60によって、卵Eの略中央を押し上げられ、鋭端が下方に向くように姿勢を傾けられる(S2−1)。その後、姿勢の傾いた卵Eは、鋭端をローラ32の一部、すなわちローラ32の外周部を形成する円盤状部材54の外周に当接される(S2−2)。ローラ32の自転により、卵Eの鋭端が当接する円盤状部材54が自転するため、卵Eは、鋭端を前方に向ける力を受け、鋭端を前方に向けるように姿勢を変更される。卵は、鋭端を前方に向けながら搬送ライン30の終端にて落下を始めるため、鋭端から下方に落下する(S2−3)。
【0061】
次いで、落下した卵Eは、カップコンベア24のカップ22に受けられる(S3)。このとき、カップ22は、落下した状態のまま、すなわち鋭端が下方に向いた状態のまま卵Eを保持する。
【0062】
次いで、カップ22に受けられた卵Eは、カップコンベア24により搬送される(S4)。このとき、卵Eは、カップコンベア24の終端に到達するまでに、左右方向のピッチを移載装置15の吸盤48のピッチ、すなわちトレイ12の卵収容用座(図示しない)の列ピッチに適合したピッチに変更される。また、カップコンベア24は、その終端において移送されるカップ22の前後方向の行ピッチも、トレイ12の前記卵収容用座の行ピッチに適合される。
【0063】
次いで、終端に到達した卵Eは、鋭端が下方を向いた状態のまま移載装置15の吸着機構42の対応する吸盤48に吸着され、移動機構44により吸着機構42がトレイ12の上方まで移動した後、減圧機構46が卵Eの吸着を解除することにより、トレイ12の前記卵収容用座に放出され、トレイ12に充填される(S5)。
【0064】
以上のように、左右方向に長軸を向けて分配整列装置14から搬送された卵Eは、卵の方向整列装置10により、鋭端を下方に向けた状態で揃えられ、トレイ12に充填される。
【0065】
本発明の第1の実施例に係る卵の方向整列装置10によれば、卵Eの鋭端を前方に向ける円盤状部材54がローラ32に設けられているため、搬送ライン30の終端付近30bに卵Eの鋭端を前方に向けるべく駆動する押圧部材等を備える特別な機構を設ける必要がない。したがて、本発明に係る卵の方向整列装置10では、装置の構造が簡易になり、搬送ラインの清掃も容易になる。
【0066】
本実施例において、卵Eの鋭端に当接する外周を有する円盤状部材54として、
図10に示すような、卵載置部材52の両端外周と同程度の直径を有する第1の円盤状部56と、第1の円盤状部56の外側に連続して形成され、第1の円盤状部56よりも大きい直径を有する第2の円盤状部58を備える円盤状部材54について説明してきた。
【0067】
この第2の円盤状部58は、第2の円盤状部58の外周が卵Eに当接する。この第2の円盤状部58の外周は、鼓形状の卵載置部材52のテーパの仮想的な延長線i上に位置する。また、卵Eの鋭端に当接する外周を有する円盤状部材として、
図11に示すような截頭錐体状に形成された円盤状部材54Aを用いてもよい。円盤状部材は、押上機構60により姿勢を傾けられた卵Eの鋭端に当接する他の形状であってもよい。
【0068】
また、卵載置部材と円盤状部材とは、異なる材料で別に作成されてもよいし、同一の材料で一体的に形成されてもよい。
【0069】
また、円盤状部材は、ゴムのような摩擦力の高い材料で形成されることが望ましく、すくなくとも卵Eの鋭端に当接する外周は、摩擦の高い材料で形成されることが望まれる。そのようにすれば、鋭端が当接することによる卵Eとの摩擦力が大きくなり、これにより、卵Eの鋭端を前方に向ける力が大きくなるため、卵Eの鋭端を確実に前方に向けることができる。また、本実施例において、卵載置部材は、卵に対して比較的低摩擦のプラスチックのような材料である。
【0070】
本実施例において、卵Eを挟持して搬送する複数のローラとして、鼓形状の卵載置部材52と、円盤状部材54とを有する鼓形状のローラ32について説明してきた。この鼓形状のローラ32に代えて、
図12に示すような、円柱状の卵載置部材152と、卵載置部材152の両側に配置された一対の円盤状部材154とを備える円柱状のローラ132を用いてもよい。
【0071】
円柱状のローラ132は、鼓形状のローラ32と同様に、ローラバーコンベア20の無端体28に連結される。これにより、円柱状のローラ132は、前後方向に隣り合う一対のローラ132により一つの卵Eを挟持して、無端体28の回転により卵Eを搬送する。また、円柱状のローラ132は、鼓形状のローラ32と同様に、卵Eの搬送時に自転する。これにより卵Eは、ローラ132の自転方向と逆方向に自転する。卵Eは、従来よく知られるように、自転により鋭端方向に力を受ける。このとき、卵Eは、その鋭端を鋭端側の円盤状部材154に乗り上げ、その長軸を左右方向に沿わせる状態で安定して搬送される。
【0072】
円柱状のローラ132で搬送された卵Eは、鼓形状のローラ32と同様に、搬送ライン30の終端付近において、押上機構60により、その略中央部分を押し上げられる。これにより、鋭端側に傾き、自転する円盤状部材154により鋭端を前方に向ける力を受ける。
【0073】
円柱状のローラ132は、鼓形状のローラ32よりも卵載置部材の形状が簡易であるため、鼓形状のローラ32よりも安価で作成できる。しかし、鼓形状のローラ32は、テーパを卵Eの形状に沿わせて、卵Eを挟持するため、円柱状のローラ132よりも卵Eを安定して搬送することができる。
【0074】
本発明の第2の実施例に係る卵の方向整列装置について説明する。本発明の第2の実施例に係る卵の方向整列装置110は、鶏舎で生産された卵をトレイ112に充填するための充填システムに組み込まれる。卵の方向整列装置110では、卵の方向整列装置10と同様に、卵の長軸が、左右方向に向いた状態から上下方向に向けた状態に変更される。卵の長軸を上下方向に向けられた卵Eは、充填機と称される卵間のピッチを変更するピッチ変換機構170に落下し、ピッチ変換機構170を介してトレイ112に充填される(
図13参照)。
【0075】
図13に示すように、卵の方向整列装置110は、第1の実施例に係る卵の方向整列装置10と同様に、分配整列装置14から搬入される卵Eを受けるローラバーコンベア120を備える。ローラバーコンベア120は、その基端で分配整列装置14から卵Eを受け、その終端にて卵Eを落下させる。
【0076】
さらに、卵の方向整列装置110は、ローラバーコンベア120の終端にて落下する卵Eを受ける卵受部、すなわちホルダ122を有するピッチ変換機構170を備える。ピッチ変換機構170は、複数のホルダ122から構成されるバケット172を備える。卵の方向整列装置110は、ローラバーコンベア120からホルダ122に卵Eが落下するときに、卵Eの向きを揃えるように変更、すなわち卵の方向を整列させる。
【0077】
ローラバーコンベア120は、第1の実施例に係る方向整列装置のローラバーコンベア20と同様の構成を有する。したがって、ローラバーコンベア120は、卵Eを搬送する少なくとも1つの搬送ライン30を備える。また、各搬送ライン30は、卵Eを後方から前方に搬送する複数のローラ32を備える。前後方向に隣り合う一対のローラ32は、搬送ライン30の終端に向けて卵Eを挟持して搬送する。各ローラ32は、少なくとも搬送ライン30の終端付近において自転する。
【0078】
各搬送ライン30は、さらに、その終端付近において、搬送されてきた卵Eを押し上げるための押上機構60を備える。押上機構60は、隣り合う一対のローラ32の間から突出することにより、一対のローラ32に挟持された卵Eを上方に押し上げる。
【0079】
ローラバーコンベア120の搬送ライン30から卵を受けるピッチ変換機構170は、卵を受ける複数のホルダ122から構成されるバケットを備える。バケット172は、搬送ライン30の列数と同数のホルダ122を備える。ホルダ122は、左右方向に一列に並んでいる。図示の例では、6つの搬送ライン30に対応した6つのホルダ122からバケット172が構成されている。
【0080】
図14に示すように、卵の方向整列装置110では、トレイ112は、ピッチ変換機構170の直下に配置される。トレイ112は、6列×5行に配置された卵収容座112a〜112eを備える。ピッチ変換機構170は、上方の第1の位置Aと下方の第2の位置Bとの間でバケット172を上下方向に移動可能としている。バケット172は、第1の位置Aにおいて、複数のホルダ122が搬送ライン30間のピッチと同一ピッチで左右方向(
図14の紙背方向)に並び、第2の位置Bにおいて、トレイ112の卵収容用座の列のピッチと同一ピッチで左右方向に並ぶように、ホルダの列ピッチを変更しながら上下に移動する。このようなピッチ変換は、たとえば、ホルダ122間の間隔を変更する間隔変更手段によりホルダのピッチを変更する(特許文献3参照)。また、バケット172は、第2の位置Bにおいてホルダ122の下部が(
図14における矢印jの方向に)開放し、下方に卵Eを放出する。
【0081】
ピッチ変換機構170のバケット172は、第1の位置Aにおいて搬送ライン30間のピッチと同一のピッチで設けられたホルダ122により、搬送ライン30から落下する卵Eを受ける。また、バケット172は、第2の位置Bにおいてトレイの列ピッチと同一ピッチで複数のホルダ122が位置し、バケット172が開放することにより卵Eがトレイ112の一列の卵収容用座112aに充填される。卵を放出したピッチ変換機構170は、バケットを第1の位置Aに再び移動する。第1の位置Aに戻ったバケット172は、鋭端を下方に向けた卵Eを搬送ライン30から再び受ける。その後、バケットは第2の放出位置Bで卵Eを再び放出する。バケットが第2の放出位置Bで卵Eを放出するまでにトレイ112は次の行の卵収容用座112bがバケットの直下にくるように移動される。
【0082】
このように、卵Eが鋭端を下方に向けて、トレイ112の卵収容用座112a〜112eに順次充填されることにより、トレイ112の全ての卵収容用座112a〜112eに卵が充填される。全ての112a〜112eに卵が充填されたトレイ112は、次工程に搬送され、ピッチ変換機構170の直下には、他のトレイ112が準備される。
【0083】
第2の実施例に係る卵の方向整列装置110によれば、搬送ライン30により搬送される卵Eは、搬送ライン30の終端付近に到達するまでは、長軸を左右方向に向けた状態で搬送される。終端付近に到達した卵Eは、その中央を押上機構60に押上られ、鋭端を下方に向けた状態に姿勢を傾けられる。姿勢を傾けられた卵Eは、卵Eを挟持していた一対のローラ32の一部に鋭端を当接させ、自転するローラの一部との摩擦により鋭端を前方に向けるように力を受ける。
【0084】
鋭端を前方に向けられた卵Eは、搬送ライン30の終端に達し、搬送ライン30から離れ、鋭端を下に向けて落下を始める。落下した卵Eは、落下時の状態のまま、すなわち鋭端を下に向けた状態のままピッチ変換機構170のホルダ122に受けられる。さらに、ホルダ122に受けられた複数の卵Eは、ピッチ変換機構170によりピッチを調整されてトレイ112に充填される。
【0085】
したがって、本発明の第2の実施例に係る方向整列装置110によれば、卵Eをトレイ112に充填する際に、ローラの一部に鋭端を当接させて卵Eの鋭端を前方に向けることができるため、搬送ラインの終端付近に卵Eの鋭端を前方に向けるべく駆動する押圧部材を備える特別な機構を設ける必要がない。したがって、本発明に係る方向整列装置110では、装置の構造が簡易になり、搬送ラインの清掃も容易になる。
【0086】
上記の実施例において、搬送ライン30から落下した卵Eは、カップコンベア24のカップ22、またはピッチ変換機構170のホルダ122に受けられたのち、カップコンベア24およびピッチ変換機構170を介してトレイに充填される。しかし、トレイの卵収容用座を受卵部として、搬送ライン30からトレイの卵収容用座に卵Eを充填してもよい。
【0087】
なお、卵には、上記した鶏卵のほかに、アヒル、七面鳥等の他の卵を含む。
【0088】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。