(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のエネルギー生成源は、蒸気エネルギー、水素エネルギー及び圧縮空気エネルギー生成源からなる群から選択される前記少なくとも2つのエネルギー生成源に加え、化石燃料エネルギー生成源をさらに含む、請求項1に記載のエンジン。
前記コントローラーは、専用モードでは、各前記ピストン−シリンダーアセンブリの動作を、協調して作用させるように制御し、個別モードでは、前記エネルギー生成源のうちの少なくとも1つを他のエネルギー生成源とは異なるように動作させる、請求項3に記載のエンジン。
発電機、空気圧縮機、定置式又は移動式機械、車両、トラック、トラクター、土工機械、オートバイ、スクーター、ボート、潜水艦及び航空機からなる群から選択される外部装置に接続される、請求項1に記載のエンジン。
前記ピストンサイクル中に前記少なくとも1つの磁石を励磁する電磁石手段を更に備え、前記少なくとも1つの磁石は該電磁石手段と反発する、請求項14に記載のエンジン。
前記複数のエネルギー生成源は、前記エンジンによる前記エネルギーの使用及び該使用のために供給されたエネルギーの回収のためのそれぞれの閉ループシステムを有する、請求項1に記載のエンジン。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、本発明を、本発明の好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照して本明細書において以下でより十分に説明する。しかし当然ながら、本発明は多くの異なる形態で具現することができ、本明細書において記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように、また本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供されることが理解される。したがって、本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を使用することができ、構造上の変更を行うことができることを理解されたい。
【0014】
ここで図面の
図1を参照すると、例えば水等の液体を加熱するときに電気を用いる従来の誘導原理を使用する熱伝達用の機構が示されている。特に
図1Aを参照すると、エンジンのアイドル状態中に常に最低限の蒸気動力を維持する上で使用することができるような、全体的に参照符号100によって示される誘導加熱の初期位置又は初期段階が示されている。このように、より少ない量の蒸気生成を維持することによってエネルギーを節減することができる。
図1Aに示されるように、参照符号105によって示されるバー、例えば鋼ロッドが、参照符号110によって示される複数の巻線によって囲まれている。このアイドル状態の実施形態100では、参照符号110Aによって示されるアイドル巻線である1つのみの巻線が、この巻線110Aのみに高周波エネルギーを誘導すること等によって励磁される。バーすなわちロッド105はそれによって、生成された熱エネルギーを水等の周囲の液体に伝え、本明細書において以下でより詳細に説明する水−蒸気ガス変換セル等の、全体的に参照符号115によって示される誘導チャンバー、ボールト(vault)又は他の容器ベッセル内でそのような加熱の最低レベルを維持する。
【0015】
誘導加熱は既知の技術であり、溶接、ろう付け、(例えば炉内での)溶融、調理及び熱処理用途等の種々の工業用途において用いられている。特に、誘導加熱は、バー105又は他のワーク等の導電性金属において渦電流を誘導するために高周波交番磁界を用いる非接触プロセスである。これらの渦電流はこの場合、これらの電流が金属の抵抗を受けて流れるときにジュール加熱を生じる。さらに、印加された高周波ACは表皮効果を引き起こし、この表皮効果は、渦電流の流れを金属の表面に制限する傾向にあり、それによって効果的な抵抗が高まるとともにより多くの加熱が生じる。さらに、鉄類及び幾つかのタイプの鋼では、キュリー温度を下回ると、ヒステリシス損失として知られている磁気ドメインフィールドの「反転」(magnetic domain field "flipping")による摩擦に起因するまた別の加熱機構が存在し、これは、鉄等の高透磁率の材料の場合に最も大きい。3つの効果全てを組み合わせて、ワークの温度を摂氏数千度まで急速に上昇させることができる。
【0016】
巻線110は、銅、又はバー105上に誘導コイルを形成するように巻き付けられるような他の導電性材料から作ることができることを理解するべきである。高周波エネルギー又は誘導加熱を誘導するための他のエネルギーは、
図1に示され、かつ全体的に参照符号120によって示されるワイヤー等の入力部(inputs)を介して注入することができる。本明細書において以下でより詳細に説明するように、液体に伝えられた熱は作用するよう用いられる。
【0017】
ここで図面の
図1Bを参照すると、
図1Aのアイドリング状態よりも多くの熱を生成する例示的な実施形態が示されている。特に、この構成では、残りの巻線110の半分(アイドル巻線のうちの左側の巻線110A)が、ワイヤー120を通じた上述した高周波エネルギー入力によって励磁される。より多くの巻線が励磁されることによって、バー105からより多くの誘導熱出力が生成され、それによって周囲の流体の温度が上昇する。したがって、この段階は、蒸気エネルギー生成の中間段階を表す。
【0018】
当然ながら、より多くのの巻線を用いる、加熱のための細かな段階的変化が可能であり、複数の中間状態が可能であることを理解するべきである。当然ながら、本明細書において説明するエンジンが、エンジンの速度若しくはトルクの増大又は他の要求等により、より多くの蒸気圧又はエネルギーを必要とする場合、その必要性を満たすように、本明細書において以下でより詳細に考察するようなコンピューター又はマイクロプロセッサによって制御される入力部すなわちワイヤー120とともに、特定数の巻線を使用することができる。
【0019】
ここで図面の
図1Cを参照すると、
図1Cには、高温が必要であり、すなわち巻線110の全て、特にアイドル巻線110Aの左側及び右側双方の巻線が励磁され、それによって周囲の液体をより高温まで加熱するとともにより多くの量の液体を沸点に到達させることで、より多くの液体を蒸気エネルギーに変換する実施形態が示されている。この実施形態に示されるように、アイドリング時にはアイドル巻線110Aのみが励磁される。当然ながら、アイドル巻線110Aは他の実施形態では全ての段階で励磁してもよく、それによって誘導チャンバー又はボールト115内へのより多くの熱伝達が可能となることを理解するべきである。
【0020】
本明細書において上記で説明したような誘導加熱は、蒸気エネルギーを迅速に生成するために鉄心金属等のバー105を加熱する非常に効率的な方法である。複数の巻線110、センサー及びコンピューター制御を用いて、ボールト115内の蒸気の量を動的に調整することができる。このように、蒸気は、アイドル巻線110Aを用いて最小限の設定に保ち、後述するエンジン負荷に応じて最大まで増加させることができる。
【0021】
ここで図面の
図2を参照すると、マイクロプロセッサ制御部を有し、全体的に参照符号200によって示される、
図1と関連して説明した誘導加熱装置の実施態様が示されている。
図2を参照すると、間に大まかに示されているクロスフローバルブ217A及び217Bを有する、それぞれの参照符号215A、215B及び215Cによって示される相互接続された3つの誘導チャンバー又はボールトが示されている。このクロスフローバルブ217A及び217Bは、チャンバー間の温度及び圧力を等しくする。3つのチャンバー215A、215B及び215Cは、好ましくは、それぞれコネクター227A、227B及び227Cを介してそれぞれのステージング(staging)ボールト225A、225B及び225Cにそれぞれ接続される。
【0022】
同様に
図2には、それぞれ参照符号230A及び230Bによって示されるコントローラーバス1次プロセッサ及びコントローラーバス2次プロセッサが示されており、これらのプロセッサは全体的に参照符号230によって参照される。考察したように、エンジンの要件は、要求及び他の要因に応じて変わり、本発明の目的は、本発明の種々のエネルギー源及び機能を調節するために正確な制御をより利用することである。例えば、この実施形態では、プロセッサ又はコントローラー230は、種々のボールト225からエンジンへの蒸気の流れを調節し、誘導プロセスを微調節することによってエンジンの必要な蒸気エネルギー要求量を供給する。ボールト225A、225B及び225Cのそれぞれの内部の記号「M」は、各上記ボールト225から通る蒸気圧の立方フィートを仮想リアルタイム(virtual real time)で計量する手段を表すことを理解するべきである。この計量情報は、制御プロセッサにテレメーター情報を提供して正確な流れ情報を伝え、これはさらに、好ましくはマスターコントローラーへ、例えば全体的に参照符号232によって示されるいわゆる蒸気要求プロセッサへ転送される。
【0023】
このように、それぞれの誘導加熱器215は、エンジンに供給するための必要量の蒸気をそれぞれのボールト225へ供給するように同期モードで一様に動く。これは全て、上述したプロセッサ制御を用いて、それぞれの電気巻線110の調節と誘導加熱システムに配線されるオンオフ制御部とによって円滑に行われ、その構成は
図1に記載されている。ボールト215及び225は、エンジンの十分な蒸気要求量を収容するようなサイズであり、付加的な蒸気供給のためにスロットル調節して増やす(及び減らす)ようにミリ秒以内に係合又は係合解除することができる誘導コイルの数及びサイズによってバランスがとられることを理解するべきである。再び
図2を参照すると、符号STは、蒸気の背圧が逆に流れること(エンジンからボールト225へ戻ること)を防止するとともに、プロセッサ230及び/又は232の制御に従ってエンジンへと通過する必要な蒸気エネルギーを左右する蒸気トラップを表すことを理解するべきである。
【0024】
ここで図面の
図3を参照すると、
図2のプロセッサ制御部及び非常手段とともに、全て全体的に参照符号300によって示される、
図1の誘導装置の実施態様が示されている。考察したように、誘導チャンバー315A、315B及び315Cは、それぞれコネクター327A、327B及び327Cを介してボールト325A、325B及び325Cそれぞれに誘導によって生成された蒸気を供給する。ここで、クロスフローバルブ317A及び317Bは、本明細書において上記で説明したように、ボールト325間の圧力を調節し、ボールト325間に均一な圧力を保つ。
【0025】
蒸気はそれによって、3つ全てのボールト325内に貯蔵され、各ボールト325には、システムマイクロプロセッサ(例えばプロセッサ230又は232)によって、図示の3つの個々のコントローラーバス330を通じて制御される緊急放出弁335が備わっている。更に示されるように、緊急蒸気放出弁335は、爆発を防止するとともに過圧力を抑制するように緊急時のガス/流体急速排出リリーフ手段として働く、全体的に参照符号340Aによって示される緊急段階リリーフチャンバーに接続している。チャンバー340Aは、さらに、参照符号342によって示される緊急ガス/流体/蒸気放出弁を有する。同様に
図3には、全体的に参照符号340Bによって示される別のガス/流体急速リリーフチャンバー又はタンクが示されている。
【0026】
図3を更に参照すると、
図3には、参照符号345によって示される使用済み蒸気圧チャンバーが示されており、このチャンバー内に、使用済みの全ての低圧冷却蒸気が集められる。例えば、上述した急速リリーフタンク340Bからのオーバーフローが、「新たな」すなわち未使用のオーバーフロー蒸気を給送し、このオーバーフロー蒸気はボールト325から溢れ、この段階で集められてタンク340Bとチャンバー345とを相互接続する別の放出弁342を介して更に作用することができる。加えて、全体的に参照符号347によって示される、ボールト325からエンジンへ送られた蒸気が、使用後に集められて使用済み蒸気圧チャンバー345を満たす。このように、チャンバー345は、エンジン347の動作から生じる使用済みの蒸気を集め、本明細書において上記で説明したように、圧力弁の動作から溢れた新たな蒸気等の新たな蒸気で満たすこともできる。チャンバー345は、緊急リリーフ弁348も有する。同様にこの図には、資源を更に再利用及び節減する、使用済みの蒸気エネルギーを用いるように動作可能なタービン360と、それによってそのエネルギーから生成された電気を用いる動力装置及び付属部(attachments)が示されている。
【0027】
上述した例示的な説明は、本発明、すなわち蒸気エネルギー生成を実施する上で用いられる1つのエネルギー源の生産、貯蔵及び実施に関連する背景情報及び構成を示している。ここで図面の
図4を参照すると、この蒸気動力すなわちエネルギーをエンジンに供給するシステムが示されており、このシステムは全体的に参照符号400によって示される。図示のように、誘導加熱は、参照符号415によって示される蒸気ボイラーボウル又はボールト内で行われ、
図3において説明したようにそれぞれのステージングチャンバー又はボールト425に移され、次いでエネルギーが必要に応じてエンジン出力部447を介してエンジンに移される。
図3において説明したように、全体的に参照符号435によって示される放出弁又はオーバーフロー弁が、
図4において全体的に参照符号437によって示されるエネルギー放出機構を介してボールト425から余分な蒸気エネルギーを取り去り、その蒸気が蒸気ボイラーボウル415内の液体を加熱するのに十分に高温であれば、いかなる余分な又は未使用の蒸気もその蒸気ボイラーボウル415に経路付けて戻す。代替的には、エネルギー放出機構437は、未使用の蒸気エネルギーを、示されるような冷却ボウル417又は液体タンク418に経路付けることができる。図示のように、戻される蒸気は冷却ボウル417内で冷却し、次いで、液体として液体タンク418に移し、その後で誘導チャンバー415へ移すことができる。当然ながら、ステージングチャンバー425からの蒸気が、液体タンク418への接続部に到達するまでにエネルギー放出機構437内で凝縮していれば、そのような凝縮のために冷却ボウル417に進ませるのではなく、その流体を液体タンクに注入して、それによってエネルギーを節減することができる。このエネルギー節減機構437の動作制御は、説明したように、マスターコントローラー432、又はプロセッサ若しくは専用のコントローラーによって達成される。
【0028】
本発明の特徴は、未使用のエネルギーを再循環及び再利用することによる蒸気(及び他の)エネルギーの節減であることを理解するべきである。
図4のシステム400を更に参照すると、マスター(又は他の)コントローラー432が、エンジンの要求に従って、ボールト415(又は水−蒸気ガス変換セル)内の液体又は水の誘導加熱を開始し、必要に応じて冷却ボウル417及び液体タンク418から流体を引き込み、例えば圧力弁419を介して冷却ボウル417及び液体タンク418間の圧力を調節する。それによって制御量の蒸気が生成され、集められ、かつエンジンのそれぞれの構成部材、特に本明細書において以下でより詳細に説明する1つ又は複数のシリンダー/ヘッドの組み合わせに経路付けされる。
【0029】
ここで図面の
図5を参照すると、これまでに説明したように作用する、蒸気等の種々のタイプのクリーンで持続可能なエネルギーのコジェネレーションに関する本発明の一実施形態の全体的な図が示されている。全体的に参照符号500によって示されるシステムは、参照符号501によって示されるエネルギーを供給する手段を有する。
図1〜
図4においてこれまでに説明したように、蒸気エネルギーは、エンジンに動力を供給するために用いることができる。本明細書において以下で更に説明するように、ともにクリーンで持続可能なエネルギーである水素及び空気圧を用いる等の他の形態のエネルギーもコジェネレーションすることができる。本発明の目的は、再生可能でクリーンなタイプのエネルギーの改善された使用及び展開のための改良に向かうことであるが、本発明は、緊急時若しくはバックアップ用の動力源又は代替的な動力源として化石燃料、例えばディーゼルも用いることができる。説明したように、これらのエネルギーの生成はプロセッサ530による正確な制御下にあり、そのプロセスは、当該技術分野において従来のように直流(DC)電源等の電源550によって開始され、この電気エネルギーはバッテリー552内に長期間貯蔵される。
【0030】
図5に記載される本発明の包括的な特徴を更に参照すると、蒸気、水素ガス、圧縮空気又は化石燃料であるかにかかわらず、それらのエネルギーのプロセッサ制御式の放出によって、全体的に参照符号555によって示される専用のピストンが一緒に又は別々に駆動され、このピストンは、変速機557に連結されると作用を行う。これらのエネルギーはタービン(ここでは3ポートタービン)560も駆動し、バッテリー552を充電するために充電ライン553にわたって電気エネルギーを生成する。前述の実施形態と同等に、蒸気チラー517を用いて、使用済み又は未使用の蒸気エネルギーを回収し、この蒸気又は凝縮液を、特に蒸気生成に関して上述したエネルギー供給手段に再び方向付けるとともに再循環させることができる。本明細書において以下で説明するように、使用済み及び未使用の水素エネルギー及び空気圧エネルギーも、使用するために捕捉され再び方向付けられる。このように、本来であれば環境に失われていたエネルギーが、ランキンサイクルと同様の方法で再利用される。説明したように、プロセッサ(単数又は複数)530はエネルギー生産を制御し、また制御弁を作動させるとともに種々のセンサーを監視することで、効率的なエンジンシステムのタイミング、及びこの実施形態では異種のエネルギー源とピストン555との連結を保証する。
【0031】
本発明の改善された構成は、生成されたエネルギーをほとんど又は全く無駄にせず、生成された蒸気及び他のエネルギーの全ての供給源を回収、使用及び再利用しようと試みることを理解するべきである。例えば、システム500には、エンジンを駆動するとともに制御するように係合している全ての電気装置を駆動するために必要な電気エネルギーの大部分を提供する、高効率蒸気作動式発電機560が備わっている。蒸気駆動式タービン発電機560は、システム500内の、及びシステム500に接続されている種々の電気駆動式装置、例えばタービン560、プロセッサ530、センサー、及びシステムに取り付けられている任意の他の装置、例えば圧縮空気を供給する空気圧縮機に必要な電気の多くの割合を供給することを理解するべきである。本発明において用いられるタービン560は、システム500が電気的にほぼ自給自足することができることを確実にするように、その動作に動力を供給する3つのクリーンエネルギー源、すなわち蒸気、圧縮空気及び水素を有することが固有である。当然ながら、タービン560は化石燃料も用いることができることを理解するべきである。
【0032】
理解されるように、大型の工業用の複雑な蒸気エンジン及び関連する動力源は、自給自足式であり、新たな、好ましくはクリーンなエネルギーを供給するように設計されている。したがって、全体的に参照符号563によって示されるソーラーパネル又は風力発電機(wind power)を、日中の主要なエネルギー源として用いることができる。大型の工業用の太陽系アレイ又はウインドファーム563は、大量の電気エネルギーを生成するのに必要な量の蒸気を生成するための豊富な動力を供給することができる。大規模な蒸気エンジン用途では、全体的に参照符号502によって示される市販の電気によって補うことができる。幾つかの太陽電池パネルは、日中に十分な動力を生成し、蒸気によって生成された動力の貯蔵が夜間に持続することを可能にすることができる。任意選択的に、システム500には蒸気駆動式のタービンのみが備わっていてもよく、主要な動力源を供給するこの方法は、日中にシステムに動力を供給するソーラーパネル563と連結されている。太陽光アレイ563はしたがって、この期間中の主な供給源とすることができ、蒸気タービンは、夜間にバッテリー552の供給量を補う。当然ながら、ウインドファームの実施形態563は、環境要因に応じて散発的に動力を生成する。しかし、大規模な生産工程では、風力を用いて、そのように生産されたエネルギーを使用し、このエネルギーをバッテリー552又は同様の貯蔵装置に貯蔵し、かつ/又は余分なエネルギーを共有する、例えばそのように生産されたエネルギーを民間の電力会社502に売ることができる。
【0033】
エンジンシステム500には電力コントローラーを備え付けることができ、その動力の生成は主要な供給源としてAC電圧及び電流によってなされることも理解するべきである。バッテリー552への貯蔵が必要とされ、その貯蔵は好ましくは高効率AC/DCコンバーターによって達成される。バッテリーの電力貯蔵は好ましくは、現行の技術水準のDC電圧蓄電池によってなされる。好ましい実施形態では、電圧のこのバッテリー源は、このバッテリー源が決して50%未満に枯渇しないことを確実にするために高度に調節される。大量の蒸気を生成するよう非常に高い要求がエンジンの誘導加熱コイル110に課されると、バックアップバッテリーパック552が回路に割り込み(cuts into)、システム500内のより多くの電流増加の全体的な要求を補う。
【0034】
ここで図面の
図6を参照すると、
図6には、エネルギー源として圧縮空気を用いる本発明の他の実施形態が示されている。空気圧エネルギーとして知られている圧縮空気は、本発明を実施する上で用いられる別のクリーンなコジェネレーションエネルギーである。
【0035】
圧縮空気は、貯蔵セル603によって貯蔵され、チャンバー604に給送され、このチャンバー604の内部で、作用のためにエンジンに注入される準備が整う。次いで、使用済みの圧縮空気は脱水手段606によって脱水され、貯蔵セル603に再循環される前に、ガスを凝縮するチラー617に送られる。加圧空気は、入力部607及び接続部を介して、オーガー式等の空気圧縮機、又は本明細書において以下でより詳細に説明する加圧空気又はガスを供給する他の手段に供給される。
【0036】
空気圧エネルギーは、実施形態600内では、蒸気の実施態様における誘導によって、すなわちポート607に接続されている空気圧縮機によって生成することができることを理解するべきである。しかし、動作可能な空気圧縮機は電気エネルギーを必要とするため、本発明における空気圧エネルギーの使用は、別の形態のエネルギー生成、すなわち、空気圧縮機617を駆動するとともに必要とされる加圧空気を供給するために必要な電気エネルギーを生成することもできる上述した蒸気、水素又は化石燃料と結び付けることが好ましい。
【0037】
圧縮空気は、本明細書において以下でより詳細に説明するように、エンジン、並びに圧縮機、バッテリーを充電する電力を生産する発電機、及び動作によって温められる任意の他の機器又は装置を冷却するのに用いることもできることを更に理解するべきである。さらに、使用済みの蒸気と同様に、全ての使用済みの空気圧エネルギーは好ましくは、それらのエネルギーを節減するとともに再利用し、またバッテリー552の充電に更に役立つタービン発電機を駆動するように再利用、すなわちチャネル又はダクトを通して経路付けされる。
【0038】
ここで図面の
図7を参照すると、本発明の更なるクリーンエネルギー源、すなわち水素の実施形態が示されている。現時点で、この実施形態の技術は急速に改良されている。蒸気エネルギー及び空気圧エネルギーと同様に、水素は環境に優しく、非汚染燃料である。
図7に示されるように、水がタンク又はセル715に貯蔵され、プロセッサ730の制御を介して、或る測定された量が水素生成セル725に供給される。セル725内には、全てが電流電源又はDC電源に接続されているとともに電解を助成するイオン性溶媒又はイオン性媒体によって囲まれている複数の別個のプレート727がある。既知のように、イオン性媒体を通る電流によって、電極、例えばプレート727に沿って化学反応が生じ、周囲の液体、すなわち電解質内で、水からの水素ガスの生成等の物質の分離機構が提供される。上述したプロセッサ730は、センサーを介して、エンジンの動作に必要な水素の量を求め、測定された電流によって所与の数のプレート727を作動させる。直流は、電極がそのように通電されるときに生じる、電解質中のイオンの生成又は排出に必要なエネルギーを供給することを理解するべきである。プレート727又はその一部を構成することができる電極部材は好ましくは、金属、黒鉛及び/又は半導体材料から作る。
【0039】
水素がセル725内に形成されると、このガスは、ポートを通って、全体的に参照符号728によって示される水素ガス保持ステージに進み、水素注入ポート(injector port)729を介して、作用するようエンジンのシリンダーヘッドに対して利用可能となる。そのように注入される水素の量はコントローラー730によって調節される。未使用の水素は、
図7に示されるようにシリンダーヘッドから導管731を介して水素チラー717に移すことができる。チラー717は、未使用又は使用済みの水素を再び処理してクリーンな液体又は水にし、その内部に貯蔵されている水素を低温に保つ。セル715及び725と連通している回収セル718も示されており、チラー717は水素エネルギーの回収に役立つ。
【0040】
引火性の高いガスである水素の適切な貯蔵が、水素エネルギー使用の必要な局面であることを理解するべきである。例えば、機械的循環水素タンクは最良には地下に位置付けられ、地下では、より低温の環境によってエネルギーの保護及び節減の双方が可能である。エンジンの動作供給は、水素エネルギーを地面の下からより小さい貯蔵球に経路付けることによって達成され、この貯蔵球は、生成された又は貯蔵されている水素燃料を例えば注入ポート729への接続部を介してエンジンのシリンダー・ピストンアセンブリに給送する接続部又は保護管路を有する。
【0041】
ここで図面の
図8を参照すると、本発明の原理を用いる、全体的に参照符号800によって示される4気筒ピストンエンジンの、特にその構成の底面図が示されている。
図8に示されるように、このエンジン構成800は、ともに参照符号856によって示されるシリンダーヘッドの側面に位置する、参照符号815A及び815Bによってそれぞれ示される蒸気ボイラーすなわちボールトと、圧縮空気ボイラーすなわちボールトとを有する。また、自動変速機857と、シリンダーヘッド856の側面に位置する潤滑油リザーバー858と、エンジンスターター859とが示されている。示されるように、参照識別子855A、855B、855C及び855Dによって示される4つのピストンアセンブリが、シリンダーヘッド856の周りに配置されており、エンジン800に供給する様々なエネルギー源を用いる。例えば、ピストンアセンブリ855A及び855Bは、
図6に示し、
図6に関連して説明したような空気圧システム826に接続されており、ピストンアセンブリ855C及び855Dは、
図1〜
図4に示し、本明細書において上記で
図1〜
図4に関連して説明したような蒸気生成システムに接続されている。特に、ピストンアセンブリは、本明細書において以下でより詳細に説明するギア接続に起因してピストン855A及び855Cが下方ストロークにあり、ピストン855B及び855Dが上方ストロークにある状態であって、典型的な交互のピストン動作の場面が示されている。この例示的な実施形態では2つのみのエネルギー源が説明されているが、各ピストン855は交互の動力源を用いて他の3つとは独立して始動する(fire)ことができることを理解するべきである。実際に、各ピストンアセンブリ855は、異なる動力源によって始動することもできるし、本明細書において以下で更に説明するように他の任意の対で組み合わせることもできる。
【0042】
本発明の別の特徴はモジュール設計を用いることであり、これは、複数のエネルギー作動式シリンダーピストンステージ、複数種の化石燃料、電気水素(electric hydrogen)エネルギー、空気圧エネルギー、及び蒸気エネルギーを自動的に又は手動で選択することを可能にすることを理解するべきである。モジュール方式によって、より相互交換可能な構成部材を用いて動作及びメンテナンスがより効率的になる。さらに、本発明は、複数種の化石燃料、電気水素エネルギー、空気圧エネルギー及び蒸気エネルギーを含む、同じエネルギータイプのうちの1つ又は複数を用いる1つ又は複数のエンジンの実施形態において4つのシリンダーヘッド及びピストンを有するエンジンを駆動する。エンジンは好ましくはモジュール設計を用いるため、このことは、幾つかのエネルギー生産ユニット(ピストン及びシリンダー)が動くことを可能にし、一方で、他のものはアイドル状態にあるか又は他の作用、例えば、電気エネルギー、空気圧エネルギー、電気水素エネルギー又は蒸気エネルギーを生成する付属部と、全てが必要な蒸気エネルギー、電気水素エネルギー及び空気圧エネルギーを生成するための電気を供給することが可能な上述した誘導加熱、誘電加熱、又はAC電気位相バッキングタイプ(AC electric phase bucking-type)の加熱のための電源電圧を供給するのに用いられる電力を生成するとともに貯蔵する蒸気発生器との駆動を行う。
【0043】
換言すると、全てのピストンが協調して一方の端に向かって作用する、すなわちトルクを提供するためにガソリンを消費する従来のエンジンとは異なり、本発明の、制御が改善されたモジュール化による改良は、システムがマルチタスクを行うこと、例えば、蒸気で稼動する3つのピストンアセンブリ855は、エンジントルクを提供するよう指示され、水素を用いる1つのピストンアセンブリは他の作用又は機能を行うことを可能にする。エネルギー源及びピストンの数の他のそのような組み合わせが可能であることが明らかであるはずである。
【0044】
ここで図面の
図9を参照すると、全体的に参照符号900によって示される本発明の別の実施形態が底面図で示されている。実際には、この実施形態は、
図8の4気筒エンジン800のうちの2つを組み合わせてタンデム8気筒構成にしている。示されるように、8つのピストンアセンブリ955は、その上半分が空気チャンバー926によって送達される圧縮空気エネルギーを用いて、その下半分が蒸気チャンバー925によって送達される蒸気による蒸気生成を用いて動いている。潤滑油リザーバー958が摩擦を防止する。より大きなタンデムエンジンを作り出すために複数のそのような構成が可能であることを理解するべきである。
【0045】
説明したように、本発明のエンジンのモジュール設計は、複数のエネルギー生産ユニットをエンジンに挿入することを可能にし、例えば、複数種の化石燃料ユニット、電気水素エネルギーユニット、空気圧エネルギーユニット及び蒸気エネルギーユニットを用いることができ、プロセッサ230の動的な制御下で、異種のエネルギー源による生成にもかかわらず作用を行うように自動的に又は手動で選択される。さらに、本発明は、上述した複数種の化石燃料、電気水素エネルギー、空気圧エネルギー及び蒸気エネルギーを含む同じエネルギータイプのうちの1つ又は複数を用いる1つ又は複数のエンジンの実施形態におけるタンデム配置又は並列配置の第2のエンジンの動作を可能にする。特に、
図10に示し、
図10に関連して更に説明するように、単一の自動変速機957が、双方の4気筒エンジンによってそれらの同期の動作及び結合に起因して生成されるトルクを実現する。読取駆動(read drive)シャフト及びベルトプーリーが総荷重の動力の伝達に役立つことを更に理解するべきである。
図9に示されるエンジンのようなタンデムエンジンは、1つのコントローラーが2つの個々のユニットを制御するように共通のデジタル作動バスを通じて共通のマイクロプロセッサ230の制御下にあることが好ましいが、ただしプライマリプロセッサ232は好ましくは全てのエンジン操作システム及び実施形態を制御する。考察したように、それぞれのエンジンの一部は個々に動作し、残りのピストンは協調して作用することができる。
【0046】
図面の
図10を参照すると、
図9に記載されているエンジン、すなわち全体的に参照符号1000によって示されるタンデム8気筒エンジン構成の上面図が示されている。図示されるように、ピストン1055は、圧縮空気及び蒸気の双方によって動力を供給されるが、説明したように他のエネルギーが可能である。図示のように、ピストン1055はそれぞれ、それぞれのスラストロッド1047を介してそれぞれのエンジンスラストギア1048に接続されており、これによって、ピストンの往復運動が回転エネルギーに、例えば
図10に示されるギア1048、並びに伸張ロッド及び非伸張ロッド1047の時計周りの運動に変換される。ギア1048は、間にタンデムクランクアーム1049が取着されているそれぞれのシリンダーヘッド1056に接続されている。したがって、2つのエンジン800は、当該技術分野において理解されるようにシリンダーヘッド1056を相互接続するとともに相互作用させて一体で駆動するタンデムクランクアーム1049に起因して一体で動く。実際に、そのように構成されているタンデムエンジン1000の全ての8つのピストン及びシリンダーステージ1055は、同期モードで一緒に作用する。
【0047】
同様に、本発明のモジュール設計の態様に起因して、複数のエネルギー生産ユニット、すなわち複数種の化石燃料、電気水素エネルギー、空気圧エネルギー及び蒸気エネルギーをこの実施形態において用いることができ、プロセッサ制御によってそれらの間で自動的に又は手動で選択を行い、エンジン1000をタンデム又は並列で駆動し、特定のエネルギー源を用いる個々のピストン1055を、エンジンに直接動力を供給するのではなく他の試みで用いることができる。
【0048】
ここで図面の
図11を参照すると、空気圧縮機1107が動作可能である、全体的に参照符号1100によって示される本発明の別の実施形態の概略図が示されている。本明細書における上記の図に記載した上述の4気筒構成及び8気筒構成のいずれかで構成することができるエンジン1147が示されている。また、エンジン1147と、考察したように電気によって動力を供給される空気圧縮機1107とに接続されている自動変速機1157が示されている。理解されるように、生成される機械的エネルギーは、使用のために電気エネルギーに変換される。空気圧エネルギーの貯蔵は、高圧貯蔵タンク1103内のアースの上又は下で行うことができる。空気圧縮機は好ましくはオーガー式であることを理解するべきである。
【0049】
また、
図11に示されているように、タンク1103からの空気圧管路1103Aがエンジン1147に冷却空気を給送し、エンジン1147内で生成される熱を冷却する。このように、システム1100は、その内部の構成部材、主にエンジン1147の動作のための冷却剤を提供することができるが、このシステム内の全ての構成部材をそのように冷却することができる。流体が凍結し、流体通路が不純物に起因して目詰り又は閉塞する場合、本実施形態は、この問題を解消する簡便な方法を提供し、装置1100が非常に低温及び/又は非常に高温の環境で動くことを可能にする。
【0050】
図11を更に参照すると、この構成は、エンジン1147が2つ〜4つのピストン−シリンダーステージから採用することを可能にし、ソフトウェア、すなわちプロセッサ230の制御下で自動的に又は手動で、個々のピストン−シリンダーアセンブリ又はその群を動作可能にすることもできるし、アイドルモードにすることもできることを理解するべきである。自動変速機1157の歯車装置によって、発生器に課される総負荷をメガワット生産範囲にすることができることを理解するべきである。したがって、構成1100は、AC主グリッド電源が故障した場合に予備電源の工業負荷を与えるか、又は高エネルギー比率の期間中に配電網を外れたピーク負荷を補うための効率性を加えるように動く。動力発生機、又はシステム1100に接続されている他の装置を、エンジンシステム自体によって生じる空気圧源から空気冷却することができることも理解するべきである。この冷却は、重負荷下で動く場合、又はエンジンの発生器環境が極めて高い温度を経験する場合等に、発生器の巻線内部の損失を低下させる上で有益である。このことは、タンク1103の貯蔵部が地下にある場合に、貯蔵空気を低温に保つのに役立つ。
【0051】
ここで
図12を参照すると、全体的に参照符号1200によって示されるエンジンのピストン/シリンダーアセンブリ1255の図が示されている。図示のように、ピストン1255Aはシリンダー1255B内で往復移動し、本明細書において上記で説明したように、また当該技術分野において理解されるようにスラストロッド1255Cを介して上述のエンジンスラストギア1048に、及び次いで自動変速機及び他の装置に伝達される機械的エネルギーを生成する。本発明の進歩によって、複数のエネルギー源及び様々なエネルギー源をアセンブリ1255内で用いることが可能となる。これを達成するために、これらのエネルギー源を供給しなければならない。
図12には、本明細書において説明される4つのタイプのエネルギー源を提供する、蒸気注入管路1206と、水素注入管路1207と、化石燃料注入管路1208と、圧縮空気注入管路1209とが示されている。当然ながら、代替的及び将来的なエネルギー源を本発明の原理に従って用いることもできることを理解するべきである。
【0052】
図11と関連して本明細書において上記で考察したように、本発明の別の態様は、エンジン1247の代替的な空気冷却を提供することである。圧縮空気注入管路1209は、必要な冷却を提供するために当該技術分野において理解されるように、エンジン1247内に下方に延びているとともにエンジン1247内に分散している冷却導管1249を用いてエンジン1247を冷却するように(例えば
図11のタンク1103から)冷却空気を供給する。しかし、全体的に参照符号1209Aによって示される別の導管が、圧縮空気注入管路1209をピストンアセンブリ1255に接続し、説明したような圧縮空気動力生成又は空気圧動力生成の代替形態を提供する。
【0053】
ここで図面の
図13を参照すると、全体的に参照符号1300によって示される種々のエネルギー源のポート及び排気ポートを更に示す、
図12に示されるようなエンジンのシリンダー/ピストンアセンブリ1255が示されている。特に、全体的に参照符号1301によって示されるエンジンヘッドアセンブリが、全体的に参照符号1355によって示される複数のシリンダー及びピストンを、4つの挙げられている利用可能なエネルギー、すなわち複数種の化石燃料、電気水素エネルギー、空気圧エネルギー及び蒸気エネルギーのうちのいずれか1つを採用するように頭部に嵌めた状態で(in head fit)有する。図示のように、シリンダー1355の上部は、本発明に従って種々のエネルギー又は燃料を供給するように位置決めされている種々のインジェクターを有する。これらのインジェクターのポートは全体的に参照符号1365によって示され、蒸気、水素、空気圧及び化石燃料を含む上述のタイプのエネルギーを表す。ディーゼル燃料インジェクター1366等の化石燃料インジェクターが示されている。空気圧チラーセル1317も示されており、圧縮空気注入ポート1367が、空気圧エネルギーをエンジンに、特にピストン/シリンダーアセンブリ1355に供給する。
図12においてより詳細に説明したように、チラー1317も、エンジンに、冷却のために圧縮空気注入管路1309を通して冷却された圧縮空気を供給し、これは、加熱を受けるそれらのエンジン部分を通る冷却導管1349を通した、エンジンの代替的な冷却手段を提供する。当然ながら、図面の平面外ではあるが全体的に示されるように、注入ポート1365は蒸気注入ポート及び水素注入ポートも含むことを理解するべきである。
【0054】
ピストン/シリンダーアセンブリ1355内への注入されたエネルギー又は燃料を消費すると、内容物は当然ながら排出され、アセンブリは次の燃料の吹き込みのために準備される。ディーゼル排気ポート1367が化石燃料の残留物を燃料チャンバー1055から除去し、プロセッサ230は、制御弁1368を通じて関連する排気ゲートを監視及び制御し、例えば弁1368は、燃焼が完了すると排気ポート1367を開き、次のサイクルが開始する前にゲートを閉じ、サイクルの全行程はミリ秒の長さである。
図13を更に参照すると、その他方の側には、蒸気、圧縮空気及び水素の生成物の排気のための、全体的に参照符号1370によって示される他の排気ポートがある。本明細書において上記で説明したように、これらのそれぞれの用いられるエネルギーは全て、回収及び再利用のために例えばタービン発電機に送られる。
【0055】
化石燃料ステージのような任意の1つ又は複数のピストン−シリンダーアセンブリ1355は、他と比較して異なるサイズとすることができることを理解するべきである。それにもかかわらず、ピストンアセンブリ1355は、エンジンが同期モードで動作しながら、ソフトウェア及び/又はマイクロプロセッサ制御によって異なるエネルギー源間でシフト又は変更することができる。
【0056】
本発明の全体的なヘッド及びシリンダーブロックアセンブリ1301は、好ましくは、チタン、ステンレス鋼及びニッケルの組み合わせ等の金属の1つの中実片で構成されることを更に理解するべきである。説明したように、一体的なアセンブリ1301は、内部に冷却空気を適用する手段、例えば、上述の導管1349及び/又は従来の冷却液の代わりにシリンダーヘッドを冷却する空気流を有する空気取り付け(air attached)ボルテックスチューブを含む。上述の冷却空気貯蔵タンク1103(チラー1317に接続されている)は、種々の空気ダクト又は導管1349を含み、マイクロプロセッサ230の制御を介して、これらの導管又はダクトのゲートは、開くと、冷却及びエネルギー生成のためにエンジン内に冷却空気を送る。ピストンチャンバー1355内へのこの冷却空気注入は、より低温の空気が1平方インチあたりにより多くの分子を有するため、ピストンが上死点(TDC)に近づくと動力行程の効率を高めるという点で、シリンダーチャンバー内のガス、特に化石燃料の着火のために供される酸素に影響を与えることを理解するべきである。
【0057】
図13を更に参照すると、本発明の別の特徴が示されている。特に、本発明のピストン・シリンダーアセンブリ1355は、ガソリン又はディーゼル燃料作動式のエンジンの設計には典型的な構成である従来のエンジンタイプのカムシャフトなしで動く。
【0058】
ポート1370は蒸気用のものであると仮定して、ここで、
図13に示される本発明の動作を説明する。蒸気弁注入ポート1365が、プログラムされたマイクロプロセッサ230の管理されたタイミング下で開閉し、ピストンシリンダー1355内部に蒸気圧が印加され、ピストンシリンダー1355では、ピストンが上死点に又は上死点付近にきた後で、蒸気が蒸気インジェクター1365を通して注入される。次いで、高温高圧の蒸気が圧力を印加し、上記ピストン、並びにピストンチャンバーの上面及びシリンダーの側壁を含むピストンチャンバー内の全ての他の面を押す。ともに参照符号1355Aによって示される、
図10と関連してより詳細に説明したエンジンスラストギア1048まで延びる、ピストン及び取り付けられているピストンロッドがこの時点で、円形運動で回転し始め、ピストンは、ピストンの動力行程中に、上死点(TDC)から、TDCから約2度〜約80度ずれて下方に押しやられる。考察したように、蒸気排気ポート1370が開くタイミングは、この排気ポート1370に対するシリンダー1355の正確な位置、及びエンジンの動作のピストン行程に対するピストンの正確な場所を知らせる位置決めセンサーを通じてマスターマイクロプロセッサ230によって制御される。ピストンの動力行程が完了したときのエンジンに影響する(leveraged)抗力に一部起因して、マイクロコントローラー230は、この抗力の位置を感知し、電磁石をオンにし、ピストンプッシュロッド1355Aに取り付けられているスラストギア1048に、電動エネルギーのブースト又は挿入を与えて電子磁石を引き付けるとともに、エンジンの抗力が、シリンダーアセンブリ内部に収容されているピストンチャンバー内でTDCの上部付近までピストンを戻すのを助ける。この電磁石によるブーストは本明細書において以下で更に説明する。
【0059】
シリンダー及びピストン1355の設計は、本発明の動作において達成される、シリンダーの側面に圧力を加えるシリンダーチャンバーの高圧に耐える最高強度の構成材料を必要とすることを理解するべきである。単一片からアセンブリを作ることの利点は、これらの高圧を可能にする。考察したように、冷却導管1349を通して、エンジン内で(onboard)作られた冷却空気(pneumatic chilled air)を用いて、シリンダーヘッド領域1301における温度は十分に制御される。当然ながら、エンジンがエンジンの動作の1つのモードのためにこの空気圧源を豊富に作るとしても、より大量の冷却が急に必要になったときに、任意選択的な緊急時のバックアップ供給部として電気空気圧縮機も用いることができる。
【0060】
本発明の別の特徴は、他の化石燃料が従来のスパークプラグを用いるように、化石燃料及び電気水素エネルギーを着火させるためにシリンダー1355の多くの領域に熱を注入するレーザー散乱ビームである。したがって、レーザーエネルギーを、例えばレーザーエネルギー導管をチャンバーまで供給する入力ポート1365を介してシリンダー1355内に送ることができる。この特徴は、本明細書において用いられる全ての種類のガスを着火させるレーザー熱を選択する。好ましくはエンジン内の全ての動作レベルで動作するコアのマスターコントローラー232及び230、センサー並びにフィードバック回路が動作全体に対する安全性を第1に考慮してエンジンを効率的に駆動するように機能的活動に関する必要なフィードバックを提供する。好ましいシリンダー/ピストン1355の設計は、極めて低温から極めて高温に及ぶ世界中の広範な環境条件に耐える。
【0061】
ここで図面の
図14を参照すると、全体的に参照符号1400によって示される、本発明に従ったシリンダーヘッドの実施形態の上面図が示されている。シリンダーヘッド1455は、全体的に参照識別子1455Aによって示される1つの動作ピストン及び1つのシリンダーを有するが、本発明によると、そのような各ヘッドは、選択されたタイプのエネルギー又は特定のエネルギーを燃焼チャンバーに注入するための、4つの異なるタイプのエネルギーインジェクター、例えば、独立した、蒸気エネルギー用のインジェクター1406、水素エネルギー用のインジェクター1407、化石燃料用のインジェクター1408及び空気圧エネルギー用のインジェクター1409を受け入れるようになっている(equipped to)。各インジェクターは、それぞれのポート、すなわちインジェクター1406〜1409のポート1416〜1419内にそれぞれ挿入される。1つのみのインジェクター又はエネルギータイプを所与のヘッド1455に関して所与の時間で用いるように選択することができるが、エネルギー源を動的に変更することの選択は、本明細書において上記で説明し、また本明細書において以下で説明するようにプロセッサ230の制御に従って又は手動で行われる。
【0062】
図14を更に参照すると、冗長な蒸気インジェクター1406(又は他のインジェクター)を、バックアップが必要なところに備え付けることができることを理解するべきである。1つ又は2つの同様のインジェクターが、一緒に動いて高い冗長性を達成することができるか、又は、予備インジェクター及び燃料源がオンラインになって動くような故障が生じるまで、1つ1つのインジェクター及び燃料源としてオンラインで一度に別々に動くことができることを更に理解するべきである。
【0063】
図8〜
図10及び
図12〜
図14を更に参照すると、図示の機械的ピストン部材及びシリンダー部材は、本発明に従って1つ、2つ、3つ及び4つの抽出(extractor)ゲートをそれぞれ有する。動作中に、1つ以外の全ての抽出ゲートが作動されて閉位置すなわちロック位置になり、1つの抽出ゲートは、作動し、すなわち、抽出ポートを塞ぐように厳密にタイミングが計られた順序で開閉するように動作し、厳密にタイミングが計られた移動期間におけるピストンの下方移動中にエネルギーを収容することを可能にする。考察したように、エネルギーインジェクターのうちの1つが開き、選択したエネルギーをシリンダーウェル内に入れ、ミリ秒又はマイクロ秒以内に閉じてピストンウェルを閉鎖してロックする。ピストンが特定の所定の位置まで下方に移動すると、シリンダーウェル内に残っている使用済みの(用いた)エネルギーガスすなわち使用済みエネルギーが下方のエネルギー行程で駆動されるピストンの端に達した後で、特定のマイクロ制御抽出ゲートが開いて上記使用済みのエネルギーガスの抽出を可能にする。
【0064】
ここで
図15を参照すると、ピストン・シリンダーアセンブリ1555が、全体的に参照符号1500によって示される機械的な円形の歯車機構のリムに沿って配置される構成が示されている。他の実施形態と同様に、種々の配列されるピストンアセンブリ1555はそれぞれ、エンジンプロセッサ230によって管理されたタイミングに厳密に従って、すなわち時間的順序で動くため、各ピストン−シリンダーアセンブリ1555は作用に寄与するように機能することができる。
図15に示されるように、ラジアルエンジン1500は、内方に延びているとともに歯車付きのオフセットスラストギア(geared off set thruster gear)1557に取り付けられている接続ロッド1556をそれぞれ有する複数のピストンアセンブリ1555を有し、歯車付きのオフセットスラストギア1557は、全てのスラストギア1557に取り付けられる大きなインターギア(inter-gear)1558内に嵌合する。このように、スラストギア1557を回転させるピストンの動力は、インターリングギア機構1559、及び参照符号1560によって示されるその内部のシャフト、駆動部又は他のギアの回転の動力を供給することに寄与し、発電機又は空気圧縮機等の装置に動力を供給する。この構成1500は、その内部の全てのピストンアセンブリ1555が、インターギア1558の回転を助けるようにその動力を付加することを可能にし、小スペース内で大きな負荷に動力を供給するための複数のエンジンステージを付加する新たな方法、及び動作に燃料供給する(fuel)複数の異なるタイプのエネルギーの使用を提供することを理解するべきである。
【0065】
本明細書において上記で、また
図15に示したように、この放射状の構成を含む本発明の構成は、上述の4つのタイプのエネルギーのうちのいずれか1つを注入することによって作用するように作られる。ピストンアセンブリ1555のそれぞれは、最適な動作のために構成されているソフトウェアによって個々に、また一緒に制御され、エネルギーは、各ピストンアセンブリ内に注入され、ピストンアセンブリはそれぞれエンジンプロセッサによって管理されたタイミングに厳密に従って動く。この全ての結果として、エンジンに課されるより大きな作業負荷の要求を満たす全体的な付加的なフートポンドが増大する。
図15に記載されている構成とは対照的に、大型の空気圧縮機、例えばスクリュータイプのオーガー圧縮機は、空気圧エネルギーを生成するために一定速度で回転させることができる。本発明は、小スペース内で大きな負荷に動力を供給するための複数のエンジンステージを付加する新規の方法、及びそれらの動作に燃料供給する複数の異なるタイプのエネルギーの使用を説明及び図示するものである。
【0066】
図15に示されている放射状の構成1500のうちの2つ以上を、同軸に位置合わせすることができ、発電機に、又は空気圧縮機等の他の装置に接続することができることを理解するべきである。
【0067】
ここで図面の
図16を参照すると、全体的に参照符号1600によって示される本発明の別の改良が示されている。
図15において、また前述の実施形態と関連して説明したように、ピストンロッドは下方に延び、当該技術分野において既知であるように動力移動を生じさせるよう種々のギアと係合する。
図16に示されるように、ピストンアセンブリ1655が、下方に延びるとともにスラストギア1680と係合するピストンロッド又はスラストロッド1675を有する。スラストギア1680の外面に沿って、磁石1685が取着されており、
図16の双方の図に示すようにスラストロッド1675がスラストギア1680と嵌合するところから約180度に位置決めされている。ピストン1655がシリンダー壁内で上下に移動すると、上死点から5度〜130度でピストンの動力行程が実現され、スラストロッド1675は、ピストンが引きずられるか又はより多くの摩擦を受ける角度を回転する。この時点で、プロセッサ230はこの位置を実現し、スラストギア1680に取着されている磁石1685が支持壁に別個に取着されている電磁石1690によって励磁されるように、隣接する電磁石1690内で反発する電圧を誘発する。この誘発によって固定されている磁石1685は、近接していることに起因して、電磁石1690から離れるように反発し、磁気的な反発力は、行程中の上述の摩擦を克服することによってエンジンを助け、ブーストによりサイクルを促進する。
【0068】
本明細書において記載される種々の実施形態において説明したように、本発明の主な目的は、エンジン内で3つのクリーンエネルギー源を同期生産することを可能にし、かつ3つのクリーンエネルギー源のうちのいずれか1つ又は任意のもので動く、新規の改良されたエンジン技術を提供することである。本発明の別の態様は、上記のエネルギーと、複数種の化石燃料のタイプのエネルギーとを組み合わせることであり、これらは全て1つのエンジンの実施形態に含まれる。考察したように、付加的、代替的及び将来的なエネルギー源を用いることもできることを理解するべきである。
【0069】
本発明は、水素エネルギー及び蒸気エネルギーの変換に加えて、1つ又は複数のクリーンエネルギー源、及び複数種の化石燃料の改善された変換に関する。本発明は、エネルギーの節減と、水素、蒸気及び空気圧、並びにそれによって生成されるエネルギー(コジェネレーション又は並行した生成として)の再利用等の再利用とにも関する。
【0070】
本発明は、内部で自己生成される冷気(華氏0度〜50度)による冷却システム及び加熱システムの設計における改良も含み、この改良は、過酷な環境における液体によるエンジン冷却の要件を相殺し、エネルギーを節減及び再利用するための別の機構を提供する。
【0071】
本発明の好ましい実施形態では、複数種の化石燃料、電気水素エネルギー、空気圧エネルギー及び蒸気エネルギーを用いるエンジンは、以下の、誘導加熱と、ガス及び液体の温度を監視し、自動的に又は手動でこれらを調整するセンサーと、ガス及び/又は流体並びに空気圧エネルギーの循環、入力ゲート及び排気ゲートの開閉の調節の仕方及び調節するときを決めるモーションセンサー及びプロセッサを用い、エンジンの動作の可変の要求を満たすことと、タービンを回転させて副生成物として電気を生成するように空気圧エネルギー等の使用済みすなわち使用したエネルギーを回収することと、の適合又はそれらの組み合わせのうちの1つ又は複数を含む。
【0072】
説明したように、光電池又は風力駆動発電機又は電力グリッド供給源を用いて、例えばバッテリーを通じて本発明の動作を補強又は開始することができる。
【0073】
考察したように、本発明は、複数のエネルギー生産ユニット、複数種の化石燃料、電気水素エネルギー、空気圧エネルギー及び蒸気エネルギーを自動的に又は手動で選択することを可能にし、かつ複数種の化石燃料、電気水素エネルギー、空気圧エネルギー及び蒸気エネルギーを含む同じエネルギータイプのうちの1つ又は複数を用いて1つ又は複数のエンジンの実施形態においてエンジンシリンダー及びピストンをタンデム配置又は並列配置で駆動する、モジュール設計を用いる。さらに、本明細書における設計は、幾つかのエネルギー生産ユニットが動くことを可能にし、一方で他のユニットは、アイドル状態であるか、又は電気エネルギー若しくは空気圧エネルギー若しくは電気水素エネルギー若しくは蒸気エネルギーを生成するように付属部を駆動することによって作用を行い、かつ、負荷と、エンジン内のユニットを係合させるか又はユニットをアイドル状態にするかを自動的に又は手動で判断するセンサー及びプロセッサを用いる、モジュール設計である。
【0074】
本発明は、製造及びモジュール性を容易にするために、複数種の化石燃料、電気水素、空気圧及び蒸気のインジェクター及び抽出器、並びに動作する各エネルギー生産ユニットの関連する排出ポートを用いる方法を用いる、個々の共通のピストン・シリンダーステージ設計を用い、これらの装置の全てが同じ共通のシリンダー・ピストンの実施形態において互いに独立して係合することを可能にし、かつ幾つかのうちの個々のシリンダー及び個々の実施形態がローカルな又は遠隔のソフトウェア管理によって制御されることを可能にする。
【0075】
加えて、本発明は好ましくは、エンジン及びそれを構成するエネルギー生産ユニットのセンサー及び動作を制御する冗長なプロセッサを用い、それによってタイミング及び動作におけるより高い安全性を提供する。この制御は、1つ又は複数のエネルギー生産ユニットが、電気エネルギー、電気水素エネルギー、空気圧エネルギー及び蒸気エネルギーを、作用を行うための出力として生成することを可能にし、一方で、エンジン内のエネルギー生産ユニットがエンジンの動作のための電気を生成することを可能にし、1つ又は複数のエネルギー生産ユニットが故障し、また制御コンピューターがエネルギー源のうちの任意の1つのタイプの自動化制御を可能にする場合に、エンジン内(又はタンデムで動く複数のエンジン内)の生産ユニットが、負荷を共有し、付加的な負荷を仮定することを可能とする。
【0076】
上記で用いられるような「エネルギー生産ユニット」という句は、一形態のエネルギーを別の形態のエネルギーに(例えば熱から機械的エネルギーに、又は熱から機械的エネルギーに、更には電気エネルギーに)変換するのに用いることができる任意の機械的システムを含むことを理解するべきである。幾つかの他のピストン及びシリンダーを有するエンジン内の或るピストン・シリンダーステージは、エネルギー生産ユニットの一形態であり、タービンは別の形態であり、空気圧(pneumatic air)モーターがまた別の形態であり、また、
図15と関連して考察した上述の循環タービンエネルギー生産ユニットである。
【0077】
本発明の原理は、任意のサイズ及び形態であり、陸上又は水上又は水中で動く、任意の定置式機械又は移動式機械、車両、トラック、トラクター、土工機械、及びオートバイ若しくはスクーター又はボート、及び航空機を駆動するために機械的動力又は電力を(又は双方をタンデムで)生成するように用いることができ、また、製造又は住宅の電気的な冷却及び暖房用途を含む工業用途の局所的な電力又は電気水素エネルギー又は空気圧エネルギー又は蒸気エネルギー源として働くことができる。
【0078】
さらに、複数のエネルギー源によって動くエンジンは、ギア比、及び一定の制御された動作速度を達成するようにエンジンと負荷との間に位置決めされる自動変速機を用いることができ、この自動変速機は、エンジンにかかる負荷が、負荷なしから、軽い負荷へ、更に重い作用負荷へ変わるときにエンジン負荷及び速度を上手く調節する。また、エンジン負荷は、エンジンが、上述の4つのエネルギー源の4つのうちの1つ又は組み合わせから、ピストン−シリンダーステージへの可変負荷比及び可変燃料又はエネルギー源入力で動くように変わる場合に、一定の回転速度の設定を有する任意のオプションのギアで稼働するように設定することができる。
【0079】
示されるように、本発明は、手動で又は自動的にエネルギーを注入するように選択される4つ以上の別個のエネルギー源のうちの任意の1つを選択し駆動するように、単一の機械的ピストン・シリンダーヘッドステージが1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の独立したエネルギーインジェクターを有することを可能にする。さらに、各エンジンのシリンダー−ピストンは、シリンダー1内の化石燃料、シリンダー2内の空気圧エネルギー、シリンダー3内の蒸気エネルギー及び第4のシリンダー内の電気水素エネルギー等のエネルギー源が選択される場合(全てがこれらの4つの別個のエネルギー源のサービス性能を通じて作用を行うように動く)に、別のシリンダー−ピストンステージとは独立して動くことができる。また、これらの動作は全て、本明細書において記載したようなエンジンの中央マイクロコントローラープロセッサ制御及び監視システムの正確な管理に従って連係され行われる。
【0080】
別の実施形態では、上述の機械的円形歯車機構は、幾つかのピストン・シリンダーアセンブリを有する一体部品の付属部であり、これらはそれぞれ、説明したような4つのタイプのエネルギーのうちの任意の1つを注入することによって作用することを理解するべきである。特定のピストンユニットを個々に選択することができ、エネルギーは、円形歯車機構に取り付けられている全てのシリンダー−ピストンユニットの、機械的及び時間的順序でエンジンプロセッサによって管理されたタイミングに全て厳密に従って各シリンダーウェル内に注入されるため、各ピストン−シリンダーの実施形態は、作用に寄与するように機能することができ、結果としてエンジンに課されるより大きな作業負荷の要求を満たす全体的な付加的なトルクのフートポンドが増大することを更に理解するべきである。
【0081】
説明したように、例えば空気渦(pneumatic vortexes)から、また低温発生器から導管に通されるような冷却された圧縮空気は、エンジンを冷却するように方向付けられているエンジンのシリンダー・ピストンチャンバーのオリフィスを通って給送され、複数種の化石燃料の燃焼から生じる高温、又は蒸気エネルギー、空気圧エネルギー、電気水素エネルギー及び他のエネルギーを用いたエンジンの動作から生じる他の高温を冷却するために水又は液体を使用することを回避する。また、用いられるタイプのエネルギーあたりの所定の設定レベルを維持するようにコアマイクロプロセッサソフトウェアの指示下でなされる制御された冷却空気流を有する圧縮空気が、各ピストン−シリンダーアセンブリを通って流れるように調節される。
【0082】
放射状の配置では、任意の数のピストン−シリンダーアセンブリは、ソフトウェア制御下で自動的に又は手動で概ねアイドルモードにされる、円形構成で配置することができ、1つ又は複数のモデルオーガー式の圧縮機ステージに動力を供給することができる。
【0083】
前述の説明は、本発明を実施する好ましい実施形態であり、本発明の範囲は必ずしもこれらの説明によって限定されるべきではない。本明細書において列挙される全ての文献、引用文献及び引例はそれらの全体が参照によって明示的に援用されることを理解するべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。