【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0008】
(1)プラットホームの線路端に沿って柵を設け、なおかつ、列車の停止位置で側扉に面する部分を開閉可能な開口部とした可動式ホームゲート装置であって、前記柵の外側とプラットホームに停車する列車との間の領域を検知エリアに含む、前記開口部毎に設けられている検知装置と、該検知装置の制御手段とを含み、該制御手段は、前記検知装置の検知エリアを、プラットホームに停車する列車の、閉扉状態の側扉に沿って規定される、車両側面の凹部を含む位置まで拡張する、検知エリアの拡張機能を具備する可動式ホームゲート装
置。
【0009】
本項に記載の可動式ホームゲート装置は、柵の外側とプラットホームに停車する列車との間の領域を検知エリアに含む検知装置と、この検知装置を制御する制御手段とを含むものである。そして、制御手段は、検知装置の検知エリアを、列車の閉扉状態の側扉に沿って規定される、車両側面の凹部を含む位置まで拡張する拡張機能を具備している。すなわち、制御手段は、検知エリアの拡張前は平面状である、検知エリアの列車の車両側面に対向する面が、車両側面の凹部を含むように車両側面側に突出した、凸部を有するように、検知エリアを拡張するものである。なお、検知エリアを拡張する際には、列車の側扉や車両側面等を支障物として誤検知することがないように、列車の車体から所定の距離だけ離れた位置まで、検知エリアを拡張する。これにより、検知装置で行う支障物の検知を、列車の車両側面の凹部を含むように拡張された検知エリアで行うことになるため、車両側面の凹部に支障物が存在する場合であっても、検知装置による検知からもれることなく、支障物が検知されるものである。
【0010】
なお、ここで用いられる検知装置には、例えば、距離画像センサや3Dセンサ等の画像処理センサが挙げられる。検知装置として距離画像センサを用いる場合には、検出データの取り込み処理動作として、まず距離画像センサから、夫々の検知エリア全域を走査するように光を投射し、この光が検知エリア内の検出対象物に反射され、再び距離画像センサに戻るまでの時間を計測する。そして、計測した時間から、距離画像センサから検知エリア内の検出対象物への距離を求め、検知エリア内の距離画像データを取得し、この距離画像データを検出データとして取り込むこととなる。又、検知装置は、画像処理センサに限定されるものではなく、色の反射で検知対象物を識別する平面センサ(極座標型)、光電管(透過型を除く)等を用いることも可能である。
【0011】
(2)上記(1)項において、前記制御手段が具備する検知エリアの拡張機能は、前記制御手段が前記検知装置を利用して特定する、列車の側扉の開扉開始位置を基準位置として、前記検知装置の検知エリアの拡張範囲を決定するものである可動式ホームゲート装置(請求項
1)。
本項に記載の可動式ホームゲート装置は、制御手段が具備する拡張機能を用いて、検知装置の検知エリアを拡張する際の拡張範囲を、制御手段が検知装置を利用して特定する、列車の側扉の開扉開始位置を基準位置として決定するものである。すなわち、制御手段は、通常は支障物を検知する際に用いる検知装置を、列車の側扉の開扉開始位置を特定するためにも利用する。そして、特定した列車の側扉の開扉開始位置に基づいて、車両側面の凹部の位置を算出し、この凹部を含むような範囲に、検知装置の検知エリアの拡張範囲を決定するものである。従って、本項に記載の可動式ホームゲート装置は、検知エリアの拡張範囲を、列車の車両側面の凹部を正確に含むように決定するものとなる。更に、検知エリアの拡張範囲を、実際にプラットホームに停車した列車の、側扉の開扉開始位置を基準位置として決定するため、列車の停止位置が正規の位置から若干ずれた場合であっても、適切な範囲に検知エリアを拡張するものとなる。
【0012】
(3)上記(2)項において、前記制御手段が具備する検知エリアの拡張機能は、列車の側扉の開扉開始位置を基準位置とする、列車の車両形式毎に異なる所定の範囲を含むように、前記検知装置の検知エリアを拡張するものである可動式ホームゲート装置(請求項
2)。
本項に記載の可動式ホームゲート装置は、制御手段の拡張機能によって、検知装置により特定した列車の側扉の開扉開始位置を基準位置とする、列車の車両形式毎に予め定められている範囲を含むように、検知装置の検知エリアを拡張するものである。これにより、本可動式ホームゲート装置が設置されるプラットホームに、複数種類の車両形式の列車が停車する場合であっても、プラットホームに停車した列車の車両形式に応じた、適切な範囲を含むように、検知エリアを拡張するものとなる。
【0013】
(4)上記(3)項において、前記制御手段が具備する検知エリアの拡張機能は、列車の長手方向に関しては、列車の側扉の開扉開始位置から、列車の車両形式毎に異なる所定の長さ分だけ、列車の長手方向の列車前方側及び列車後方側に離れた2つの位置間に、列車の幅方向に関しては、拡張前の検知エリアの、列車の車両側面に対向する面から、列車の車両形式毎に異なる別の所定の長さ分だけ、列車の幅方向に列車側に近づけた位置まで、前記検知装置の検知エリアを拡張するものである可動式ホームゲート装置。
【0014】
本項に記載の可動式ホームゲート装置は、制御手段の拡張機能により、検知装置の検知エリアを拡張する際に、制御手段が算出する3つの位置を用いることで、検知エリアの拡張範囲を決定するものである。まず、制御手段は、検知装置により特定した列車の側扉の開扉開始位置を基準位置として、2つの位置を算出する。すなわち、列車の側扉の開扉開始位置から、列車の長手方向の列車前方側と列車後方側とに、列車の車両形式毎に予め定められている長さ(両開き扉の片側の扉1枚分の、開閉方向の長さ)分だけ夫々離れた、2つの位置を算出する。そして、この算出した2つの位置間を、列車の長手方向に係る検知エリアの拡張範囲に決定する。更に、制御手段は、拡張前の検知エリアの、列車の車両側面に対向する面から、列車の車両形式毎に予め定められている、上述した長さとは別の長さ(拡張前の検知エリアから、側扉手前までの距離)分だけ、列車の幅方向に列車側に近づけた位置を算出する。そして、拡張前の検知エリアから、この算出した位置までを、列車の幅方向に係る検知エリアの拡張範囲に決定する。このようにして、検知エリアの拡張範囲を決定することにより、プラットホームに停車する列車の側扉が、両開き扉である場合でも、列車の車両形式毎に予め定められている長さを利用して、迅速に、かつ、的確な範囲に、検知エリアを拡張するものとなる。
【0015】
(5)上記(3)項において、前記制御手段が具備する検知エリアの拡張機能は、列車の長手方向に関しては、列車の側扉の開扉開始位置から、列車の車両形式毎に異なる所定の長さ分だけ、列車の長手方向の列車前方側或いは列車後方側に離れた位置と、列車の側扉の開扉開始位置との2つの位置間に、列車の幅方向に関しては、拡張前の検知エリアの、列車の車両側面に対向する面から、列車の車両形式毎に異なる別の所定の長さ分だけ、列車の幅方向に列車側に近づけた位置まで、前記検知装置の検知エリアを拡張するものである可動式ホームゲート装置。
【0016】
本項に記載の可動式ホームゲート装置は、制御手段の拡張機能により、検知装置の検知エリアを拡張する際に、制御手段が検知装置を利用して特定する、列車の側扉の開扉開始位置と、制御手段が算出する2つの位置とを用いることで、検知エリアの拡張範囲を決定するものである。まず、制御手段は、列車の側扉の開扉開始位置から、列車の長手方向の列車前方側、或いは、列車後方側に、列車の車両形式毎に予め定められている長さ(片開き扉1枚分の、開閉方向の長さ)分だけ離れた位置を算出する。この際に、列車前方側に離れた位置か、或いは、列車後方側に離れた位置かの決定は、プラットホームに停車した列車の車両の向きや形式に基づいて行われる。そして、この算出した位置と、列車の側扉の開扉開始位置との間を、列車の長手方向に係る検知エリアの拡張範囲に決定する。更に、制御手段は、拡張前の検知エリアの、列車の車両側面に対向する面から、列車の車両形式毎に予め定められている、上述した長さとは別の長さ(拡張前の検知エリアから、側扉手前までの距離)分だけ、列車の幅方向に列車側に近づけた位置を算出する。そして、拡張前の検知エリアから、この算出した位置までを、列車の幅方向に係る検知エリアの拡張範囲に決定する。このようにして、検知エリアの拡張範囲を決定することにより、プラットホームに停車する列車の側扉が、片開き扉である場合でも、列車の車両形式毎に予め定められている長さを利用して、迅速に、かつ、的確な範囲に、検知エリアを拡張するものとなる。
【0017】
(6)上記(2)から(5)項において、前記制御手段は、列車の側扉の開扉開始位置を特定する際に、プラットホームに停車する列車の側扉の開扉動作に起因して、前記検知装置が検知する列車の車体までの距離が、所定の値以上に変化し始める車体の位置を、前記基準位置として特定する可動式ホームゲート装置(請求項
3)。
本項に記載の可動式ホームゲート装置は、制御手段が検知装置を利用して、列車の側扉の開扉開始位置を特定する際に、検知装置により検知する、プラットホームに停車した列車の車体までの距離が、開扉動作を行う側扉の位置では、所定の値以上に変化することを利用するものである。すなわち、検知装置が検知する列車の車体までの距離は、列車の側扉までの距離を検知している位置において、側扉が開扉状態の際には、列車内部までの距離を検知することになる。このため、側扉の開扉前と開扉後とでは、列車の長手方向の同じ位置を検知しているにも関わらず、検知する距離が所定の値以上に変化する。そして、側扉の開扉開始位置は、一番初めに、この距離が所定の値以上に変化する位置であることから、制御手段は、検知距離が所定の値以上に変化し始める位置を以って、側扉の開扉開始位置を特定する。これにより、側扉の開扉開始位置が、正確に特定されることになるため、この開扉開始位置を基準位置として決定される、検知エリアの拡張範囲も、正確な範囲に決定されるものとなる。
【0018】
(7)上記(1)から(6)項において、前記検知装置毎に前記制御手段を具備する可動式ホームゲート装置(請求項
4)。
本項に記載の可動式ホームゲート装置は、検知装置毎に制御手段を具備することで、検知装置毎に異なる範囲に、検知装置の検知エリアを拡張するものとなる。このため、列車の夫々の側扉に対応する位置に設けられている検知装置毎に、列車の側扉毎に形成され
ている車両側面の凹部を含むように、正確に検知エリアを拡張するものとなる。
【0019】
(8)上記(1)から(7)項において、前記検知装置は、支障物センサと、信号処理装置とを含む可動式ホームゲート装置(請求項
5)。
本項に記載の可動式ホームゲート装置は、検知装置が、支障物センサと信号処理装置とを含むことで、検知装置が行う複数の処理動作を、夫々の装置の特徴を生かして、効率良く分担して行うものである。具体的には、検出データの取り込みは、支障物センサが行い、検出データに基づく検出対象物の有無の判定、検知エリアの変更、といった処理動作は、信号処理装置で行うものである。
【0020】
(9)プラットホームの線路端に沿って柵を設け、なおかつ、列車の停止位置で側扉に面する部分を開閉可能な開口部とした可動式ホームゲート装置の制御方法であって、前記開口部毎に、検知装置によって前記柵の外側とプラットホームに停車する列車との間の領域の支障物を検知し、この際、プラットホームに停車する列車の、閉扉状態の側扉に沿って規定される車両側面の凹部を含む位置まで、前記検知装置の検知エリアを拡張して支障物を検知し、前記検知装置によって支障物が検知されない場合にのみ、開放状態にある開口部を閉じる可動式ホームゲート装置の制御方
法。
【0021】
本項に記載の可動式ホームゲート装置の制御方法は、開口部毎に、検知装置によって柵の外側とプラットホームに停車する列車との間の領域の支障物を検知し、この際、プラットホームに停車する列車の、閉扉状態の側扉に沿って規定される、車両側面の凹部を含む位置まで、検知装置の検知エリアを拡張して支障物を検知する。なお、検知エリアを拡張する際には、列車の側扉等を支障物として誤検知することがないように、列車の車体から所定の距離だけ離れた位置まで、検知エリアを拡張する。従って、車両側面の凹部に支障物が存在する場合であっても、検知装置による検知からもれることなく、正確に支障物を検知するものとなる。
そして、検知装置によって支障物が検知されない場合にのみ、開放状態にある開口部を閉じることで、乗客の乗降時における乗降客や手荷物が、扉体に挟みこまれてしまう、扉体と列車との間に取り残されてしまう、列車の側扉に挟みこまれた状態で列車が発車してしまうといった、列車の安全な運行を妨げる要因となるものを回避する。
【0022】
(10)上記(9)項において、
前記検知装置の検知エリアを拡張する際、前記検知装置を利用して特定する、プラットホームに停車する列車の側扉の開扉開始位置を基準位置として、検知エリアの拡張範囲を決
定する可動式ホームゲート装置の制御方法(請求項
6)。
本項に記載の可動式ホームゲート装置の制御方法は、支障物を検知するための検知装置を利用して、プラットホームに停車する列車の側扉の開扉開始位置を特定し、この側扉の開扉開始位置を基準位置として、検知装置の検知エリアの拡張範囲を決定するものである。これにより、実際にプラットホームに停車した列車の、側扉の開扉開始位置を基準位置として、検知エリアを拡張することになるため、列車の停止位置が正規の位置から若干ずれた場合であっても、車両側面の凹部を正確に含むように、検知エリアを拡張するものとなる。
【0023】
(11)上記(10)項において、プラットホームに停車する列車の側扉の開扉開始位置を基準位置として、列車の車両形式毎に定めた範囲を含むように、前記検知装置の検知エリアを拡張する可動式ホームゲート装置の制御方法(請求項
7)。
本項に記載の可動式ホームゲート装置の制御方法は、検知装置の検知エリアを拡張する際に、プラットホームに停車する列車の側扉の開扉開始位置を基準位置とする、列車の車両形式毎に予め定めた範囲を含むように、検知エリアを拡張するものである。従って、プラットホームに停車した列車の車両形式に応じて、適切な範囲に検知エリアを拡張することとなる。
【0024】
(12)上記(11)項において、前記検知装置の検知エリアを、列車の長手方向に関しては、列車の側扉の開扉開始位置から、列車の車両形式毎に定めた長さ分だけ、列車の長手方向の列車前方側及び列車後方側に離れた2つの位置間に、列車の幅方向に関しては、拡張前の検知エリアの、列車の車両側面に対向する面から、列車の車両形式毎に定めた別の長さ分だけ、列車の幅方向に列車側に近づけた位置まで、拡張する可動式ホームゲート装置の制御方法。
【0025】
本項に記載の可動式ホームゲート装置の制御方法は、プラットホームに停車した列車の側扉が、両開き扉である場合に用いる制御方法である。まず、車両側面の凹部の位置を特定するために、検知装置を利用して特定した、列車の側扉の開扉開始位置に基づいて、凹部の列車長手方向の両端の位置を算出する。この際に、列車の側扉は両開き扉であることから、側扉の開扉開始位置は、側扉の列車長手方向の中心位置、すなわち、車両側面の凹部の列車長手方向の中心位置となる。このため、列車の側扉の開扉開始位置から、列車の長手方向の列車前方側と列車後方側とに、列車の車両形式毎に予め定められている長さ(両開き扉の片側の扉1枚分の、開閉方向の長さ)分だけ夫々離れた、2つの位置を算出することで、凹部の列車長手方向の両端の位置を算出する。次に、車両側面の凹部の、列車幅方向の側扉側の位置を算出する。この際には、拡張前の検知エリアから、列車の車両形式毎に予め定められている、上述した長さとは別の長さ(拡張前の検知エリアから、側扉手前までの距離)分だけ、列車幅方向に離れた位置を算出することで、凹部の列車幅方向の側扉側の位置を算出する。そして、算出した凹部の列車長手方向の両端の位置と、凹部の列車幅方向の側扉側の位置とに対応するように、検知エリアの拡張範囲を決定する。こうすることで、列車の側扉が両開き扉である場合でも、列車の車両形式毎に予め定められている長さを利用して、迅速に、かつ、的確な範囲に、検知エリアを拡張するものとなる。
【0026】
(13)上記(11)項において、前記検知装置の検知エリアを、列車の長手方向に関しては、列車の側扉の開扉開始位置から、列車の車両形式毎に定めた長さ分だけ、列車の長手方向の列車前方側或いは列車後方側に離れた位置と、列車の側扉の開扉開始位置との2つの位置間に、列車の幅方向に関しては、拡張前の検知エリアの、列車の車両側面に対向する面から、列車の車両形式毎に定めた別の長さ分だけ、列車の幅方向に列車側に近づけた位置まで、拡張する可動式ホームゲート装置の制御方法。
【0027】
本項に記載の可動式ホームゲート装置の制御方法は、プラットホームに停車した列車の側扉が、片開き扉である場合に用いる制御方法である。まず、車両側面の凹部の位置を特定するために、検知装置を利用して特定した、列車の側扉の開扉開始位置に基づいて、凹部の列車長手方向の両端の位置を算出する。この際に、列車の側扉は片開き扉であるため、側扉の開扉開始位置が、凹部の列車長手方向の列車前方側端部、或いは、列車後方側端部の位置となる。この列車長手方向の端部の決定は、プラットホームに停車した列車の車両の向きや形式に基づいて行われる。そして、側扉の開扉開始位置が、凹部の列車長手方向の列車後方側端部に該当する場合には、凹部の列車長手方向の列車前方側端部を算出する際に、列車の側扉の開扉開始位置から、列車の長手方向の列車前方側に、列車の車両形式毎に予め定められている長さ(片開き扉1枚分の、開閉方向の長さ)分だけ離れた位置を算出することで、凹部の列車長手方向の列車前方側端部の位置を算出する。又、側扉の開扉開始位置が、凹部の列車長手方向の列車前方側端部に該当する場合には、その位置から列車の長手方向の列車後方側に、列車の車両形式毎に予め定められている長さ分だけ離れた位置を算出すればよい。次に、車両側面の凹部の、列車幅方向の側扉側の位置を算出する。この際には、拡張前の検知エリアから、列車の車両形式毎に予め定められている、上述した長さとは別の長さ(拡張前の検知エリアから、側扉手前までの距離)分だけ、列車幅方向に離れた位置を算出することで、凹部の列車幅方向の側扉側の位置を算出する。そして、算出した凹部の列車長手方向の両端の位置と、凹部の列車幅方向の側扉側の位置とに対応するように、検知エリアの拡張範囲を決定する。こうすることで、列車の側扉が片開き扉である場合でも、列車の車両形式毎に予め定められている長さを利用して、迅速に、かつ、的確な範囲に、検知エリアを拡張するものとなる。
【0028】
(14)上記(10)から(13)項において、前記検知装置を利用して列車の車体までの距離を検出し、この距離がプラットホームに停車する列車の側扉の開扉動作に起因して、所定の値以上に変化し始める車体の位置を以って、列車の側扉の開扉開始位置を特定する可動式ホームゲート装置の制御方法(請求項
8)。
本項に記載の可動式ホームゲート装置の制御方法は、検知装置を利用して、プラットホームに停車した列車の車体までの距離を検出する。この車体までの距離は、列車の側扉の位置においては、側扉が閉扉状態から開扉状態になる際に、検出する距離に所定の値以上の変化が生じる。これを利用し、車体までの距離が、所定の値以上に最初に変化した位置を以って、列車の側扉の開扉開始位置を特定する。この方法によれば、列車の側扉の開扉開始位置を、正確に特定することになるため、この開扉開始位置を基準位置として決定される、検知エリアの拡張範囲も、車両側面の凹部を含むように正確に決定されることになる。