【実施例】
【0012】
図1は、本発明の実施に用いる脱水装置の概略側面説明図であり、
図2及び
図3は、本発明に係る脱水方法の実施例の側面工程説明図である。
図中、1は、金属製の軸部1aの外周に適宜厚さのゴム1bを円筒様に固着して成る下部ロールであって、ベアリング等の軸受を内蔵した軸受箱2を介して、機台等に固定されている。
下部ロール1は、減速機付電動機等の駆動源(図示省略)を介して、常時(若しくは随時)、図示矢印方向に回転駆動され、後述する上部ロール3と協働して、単板5を、長さ方向(繊維方向と同方向)へ送る過程に於て、単板5を厚さ方向に圧縮し、単板5に含有される水分を、該単板5の表裏面、及び単板内部の空隙を介して後端面に搾り出す。
尚、必要に応じては、図示は省略したが、前記ゴムの部分に於ける軸芯方向の適宜間隔毎に、適宜深さと適宜幅とを有して周長方向に連なる環状の細溝を穿設し、該複数の列状の細溝によって、単板への圧接に伴うゴムの局部的変形を、容易に許容する機能を付加しても差支えない。
【0013】
3は、総金属製の上部ロールであって、ベアリング等の軸受を内蔵し、且つ、ガイド部4aを付設した軸受箱4を介して、上下方向に昇降し得るよう、フレーム6に嵌装されている。
この上部ロール3は、後述する作動機構8の作動により、適時、実線で示した待機位置と点線で示した作動位置との間を交互に昇降される。
待機位置に於ては、単板5を全く圧縮することなく、また、作動位置まで下降した際には、前記下部ロール1と協働して、上記のように単板5に含有される水分を搾り出す。
尚、必要に応じては、図示は省略したが、上部ロールの周面に、適宜形状(楔状・角錐状・断面が三角形のリング状等)の金属製の突起体を、分散状又は軸芯方向の適宜間隔毎に周長方向に連なる複数の列状又は不連続なネジ山状等に配設し、単板への圧接に伴う、前記突起体の突入によって、単板の幅方向への圧縮機能(局部的な圧縮機能)をも併有させ、脱水作用の助長を図っても差支えない。
【0014】
8は、前記軸受箱4を介して上部ロール3に間接的に連結した、流体シリンダ等から成る作動機構であって、フレーム6に固定されている。
作動機構8は、所望時に、前記軸受箱4を介して、上部ロール3を、図示矢印方向へ交互に昇降させる。
上部ロール3を、待機位置から作動位置へ下降させる場合には、上部ロール3と前記下部ロール1の間隔が、単板の厚さTよりも狭い間隔G1となるように、フレーム6にストッパ7を備えて規制する。
また、上部ロール3を、作動位置から待機位置へ上昇させる場合には、上部ロール3と前記下部ロール1の間隔が、単板の厚さTと同等以上の任意間隔Gと成るように、作動機構8の工程長さを調整する。
【0015】
尚、前記間隔G1の大きさは、脱水機能に大きく影響する因子である。
所要の脱水作用を得るためには、前記間隔G1の大きさを、単板の厚さTの70%以下でなければ、十分な脱水作用とならない。
単板の厚さTの60%以下とするのが実用的であり、単板の厚さTの50%以下なら脱水作用が一段と促進されることが、本発明の開発過程に於ける実験でも確認された。
本実施例でもこのような数値を採用するが、実験に基づいて定めるのが望ましい。
一方、前記任意間隔Gは、単板の厚さTと同等乃至単板の厚さTよりも極く僅か(例えば2mm以下程度、或は、例えば上部ロールの周面に突起体を配設した場合には、突起体が単板に浅く刺さって、上部ローが従動回転する程度)だけ広くするのが実用的である。
9、9aは、前記一対の下部ロール1及び上部ロール3の入口側と出口側とに夫々配設した単板ガイドであって、単板5が、安定的に下部ロール1と上部ロール3の対向間隔内を通過し得るように案内する。
【0016】
本発明に係る脱水方法は、以上のような脱水装置を用いて実施することが可能である。
単板5を通す前には、作動機構8の作動により、予め上部ロール3を、
図1に於て実線で示した待機位置に待機させておく。
そして、単板5を通し始め、単板5の最前端から適宜距離(
図3に於て、符号Lで示した距離)隔てた部位(以下、圧縮開始部位と言う)が、作動位置を通過するまで、
図2に示すように、上部ロール3を、待機位置に待機させたままにする。
次いで、前記圧縮開始部位が作動位置を通過する際、
図3に示すように、作動機構8の作動により、上部ロール3を作動位置へ下降させる。
以後は、単板5の最後端が通過するまで、上部ロール3の作動位置への下降状態を維持して、単板5を所望通りに圧縮することにより、脱水処理を施す。
更に、単板5の最後端が通過したら、再び作動機構8の作動により、上部ロール3を
図1に於て実線で示した待機位置へ上昇させる。
【0017】
以下、同様の動作の繰り返しによって、次々と単板5を通して脱水処理を施すことができる。
このような脱水方法によれば、単板5の最前端から圧縮開始部位に至るまでの範囲では、前記下部ロール1と上部ロール3とによる圧縮が行われない。
そのため、前記範囲では単板5が幅方向に伸びる現象が発生せず、伸びに起因する微細な割れや、厚さ方向の圧縮率が減少するなどの問題が解消される。
そして前記範囲で伸びの発生が無ければ、単板5の圧縮開始部位以降が、前下部ロール1と上部ロール3とにより圧縮されても、圧縮による伸びを二次的な誘因とする新たな伸びの発生が、抑止乃至は大幅に抑制される。
そのため微細な割れの発生や、厚さ方向の圧縮率が減少するなど問題が、単板5の概ね全長に亘って、大幅に削減され、当然ながら、脱水効果が低減される不都合や、割れの拡大に伴う、単板5の品質や歩留りの低下などの不都合も、大幅に削減されることになる。
【0018】
因に、
図3に符号Lで示した、前記範囲の値には、単板の性状や、一対のロールの形態等に対応させるべく、実験に基づいて定めるのが望ましいが、一応の目安としては、1mm〜15mm程度が適当であり、3mm〜10mm程度がより好ましい。
仮に、単板の前端が、一対のロールの軸芯方向に対して幾分斜めの状態で挟み込まれる可能性がある場合には、通過が遅れた側の最前端からの距離を、前記値に合わせるのが好ましい。
【0019】
而して、述上の如く、単板5の最前端から圧縮開始部位を所要位置まで通した後に、上部ロール3を作動位置へ下降させ、前記各ロール1・3による単板5への圧縮を施し始めるという、一連の動作を適確に実施する為の、より具体的な手段の一例を説明する。
図示は省略したが、入口側の単板ガイド9の上面に、単板5を所要位置まで通した場合に於ける、単板5の最後端の位置を示す目印(例えば単板の幅方向に伸びる直線)を描いておくと共に、該目印と単板5の最後端とが一致する位置まで、人手によって、脱水装置に単板5を通した後に、例えばフットスイッチ等の起動スイッチを押して、前記作動機構8を作動させ、上部ロール3を作動位置へ下降させる手段が挙げられる。
また必要に応じては、脱水装置に単板前端部を通す期間に限って、下部ロール1の駆動を停止させ、上部ロール3の下降に併せて、再起動する構成を採っても差支えなく、更に、後述する如く、一連の動作を自動的に行う構成を採ることも可能である。
【0020】
即ち、例えば
図4に示すように、前記各ロール1・3の前位に、少なくともいずれか片方を、前記下部ロール1の駆動速度と同速度にて駆動回転可能とした、一対の補助送りロール10・10aと、1個〜2個の単板検知器11(1個の場合は、単板の幅方向の中央部、2個の場合は、単板の幅方向の両端部近辺に配設するのが適当である)とを夫々配設する。
前記単板検知器11によって、単板5の最前端(2個の単板検知器を配設した場合には、通過が遅れた側の最前端が望ましい)の通過を検知すると共に、前記補助送りロール10・10aの駆動速度に対応させて、単板5の最前端が所要位置まで到達するに足る遅延時間だけ遅らせた後に、前記作動機構8を作動させ、上部ロール3を作動位置へ下降させる手段を採れば、一連の動作を自動的に行うことができる。
【0021】
また、一対のロールによる圧縮に伴う、単板前端部に於ける幅方向の伸びの発生を、安定的に予防するには、前記
図2〜
図3に例示した実施例の如く、単板の最前端から圧縮開始部位に至るまでの範囲の圧縮を、完全に休止するのが有効であるが、後述する如く、単板前端部に於ける圧縮を完全には休止せず、圧縮を暫時軽減させるようにしても、相応に有効である。
【0022】
即ち、
図5に示すように、
図4に示した脱水装置に於ける実線で示した待機位置に代えて、下部ロール1と上部ロール3との間隔が、先記所望間隔G1よりは広く、且つ、単板の厚さTよりは若干狭い所定間隔G2となる位置に、上部ロール3の上昇限度位置が定まるよう、別のストッパ13を作動機構8に付設して、脱水装置を構成する。
尚、前記所定間隔G2は、単板前端部の幅方向への伸びの発生抑止に直接関与する間隔であるから、単板の厚さTより若干狭ければ差支えなく、実験によれば、単板の厚さTの85%以下であると、単板前端部の幅方向への伸びが発生し易くなる傾向があるので、85%を下回るのは不適切であり、単板の厚さTの90%以上とするのが実用的である。
【0023】
而して、前記
図5に示した脱水装置に、単板5を通す際には、作動機構8の作動により、予め上部ロール3を、
図5に於て実線で示した上昇限度位置に待機させておき、
図6に示すように、単板5の最前端が、下部ロール1と上部ロール3に挟み込まれる時点から、軽度の圧縮を開始させる。
そして、
図7に示すように、上部ロール3を、単板5の最前端から前記圧縮開始部位に相当する位置(
図8に於て、符号L1で示した距離)が通過するまで、前記上昇限度位置に待機させたままにする。
前記相当する位置まで単板5を通したら、
図8に示すように、作動機構8の作動により、上部ロール3を、作動位置へ下降させて圧縮を強化し、その後は、単板5の最後端が通過するまで、上部ロール3の作動位置への下降状態を維持して、単板5を所望通りに圧縮する。
このことにより脱水処理を施し、更に、単板5の最後端が通過したら、再び作動機構8の作動により、上部ロール3を
図5に於て実線で示した上昇限度位置へ上昇させる。
以下、同様の動作の繰り返しによって、次々と単板5を通して脱水処理を施すことができる。
【0024】
以上のような脱水方法によると、単板5の最前端から圧縮開始部位に至るまでの範囲では、下部ロール1と上部ロール3による軽度の圧縮が施されることになるが、単板前端部に幅方向への伸びは発生しにくくなる。
また当然ながら、一対のロールによる圧縮が開始された後の、単板前端部に後続する部分についても、伸びが発生し難くなるので、単板の概ね全長に亘る、微細な割れの発生予防や、脱水効果の低減予防等には、相応に効果的である。
【0025】
また、
図8に於て符号L1で示した、単板前端部への圧縮を軽減する距離の推奨値については、単板の性状や、一対のロールの形態、或は、前記所定間隔G2の採用値等に対応させるべく、実験に基づいて定めるのが望ましい。
一応の目安としては、3mm〜15mm程度が適当であり、仮に、単板の前端が、一対のロールの軸芯方向に対して幾分斜めの状態で挟み込まれる可能性がある場合には、通過が遅れた側の最前端からの距離を、3mm以上とすれば差支えない。
また、本発明に係る脱水方法よれば、先端部に節が在る単板のように、一対のロールに、先端部が送り込み難い単板であっても、常に確実な送り込みが行い得る。
【0026】
また、前記いずれかの脱水方法を実施するに際しては、
図4を用いて説明したような装置は有効である。
しかし用い得る脱水装置としては、図示は省略したが、単板の最後端の位置を検出する単板検出器を、前記単板検知器(11)に代えて、先記入口側の単板ガイド(9)の上方などに備え、該単板検出器によって、単板の最後端の通過を検出して、作動機構を作動させ、上部ロールを作動位置へ下降させる構成であっても、述上の如き脱水方法を極めて容易に実施することができる。
【0027】
また一方、先記
図4、
図5に示した脱水装置と同様に、一対の補助送りロールと、1個〜2個の単板検知器とを夫々配設して成る脱水装置を用いれば、後述する如く、単板の後端側に於ける幅方向への伸びの発生を抑止して、伸びに起因する割れの発生を防止する脱水方法を極めて容易に実施することができるので至便である。
【0028】
即ち、例えば
図9に示すように、
図4に示した脱水装置と同様に、一対の補助送りロール10・10aと、1個〜2個の単板検知器11とを夫々配設し、更に、少なくともいずれか片方を、下部ロール1の駆動速度と同速度にて駆動回転可能とした、一対の補助送りロール12・12aを、必要に応じて、付加的に配設して、脱水装置を構成する。
【0029】
而して、
図9示すように構成した脱水装置に、単板5を通して、先記いずれかの脱水方法を実施することにより、単板5に脱水処理を施す工程中に、単板検知器11によって、単板5の最後端の通過を検知する。
前記最後端から適宜距離L2隔てた部位が、上下一対の下部ロール1と上部ロール3とによって圧接される時期に至ったら、
図10に示すように、作動機構8の作動により、上部ロール3を待機位置(又は上昇限度位置)へ上昇させる。
このことにより、最後端から適宜距離L2隔てた部位から、最後端に至るまでの、単板後端部については、上下一対の下部ロール1と上部ロール3とによる圧縮を休止、或は、軽減させる脱水方法を、実施することができる。
尚、上下一対の下部ロール1と上部ロール3とによる圧縮を休止する構成を採る場合であって、而も、補助送りロール12・12aを、付加的に配設しない場合には、下部ロール1と上部ロール3とによる圧縮を休止した後に、人手によって、単板5を引き出すようにすれば足りる。
【0030】
既述した如く、従来方法に於ても、単板の前端側にあっては、一対のロールによる圧縮に伴って、幅方向の伸びが発生する際に、未だ圧縮されていない後続する単板の部分が、伸びの発生を抑制する作用を成すので、仮に、割れが発生しても微細である。
また、後端側に於ては、伸びの発生を抑制する後続部分が無くなるので、発生する割れの長さや広がりが大きくなる傾向があり、後の加熱乾燥工程に於て、割れが拡大する確率や、人手による取扱いによって、割れが拡大する確率が高くなり、単板の品質や歩留りに悪影響を及ぼす虞が多い。
しかし、上記脱水方法によれば、最後端から圧縮開始部位から、最後端に至るまでの、単板後端部については、圧縮を休止、或は、軽減するので、幅方向の伸びの発生が抑止又は大幅に抑制され、幅方向の伸びに起因する割れの発生も抑止されるので、一段と有効である。
【0031】
因に、述上の如き脱水方法によると、単板後端部についても、所望通りの脱水処理が行われないので、単板後端部の含水率が、単板前端部を除いた他の部分の含水率よりも多いことになるが、種々の要因からして、最終的に、乾燥後に於て、実用的に支障となるほどの乾燥状態の差異が生じる虞のないことは、既述した通りである。
【0032】
また、後端側に於ける軽度の圧縮の実施は、それ以前の所望通りの圧縮によって、単板の表裏面及び単板内部の空隙(仮道管等)に搾り出した水分を、単板の最後端まで押し出し続ける作用を成すので、それ以前に搾り出した水分の水切り効果が、大いに期待でき、圧縮を休止させる場合に比べて好ましい。
しかし仮に、後端側の圧縮を休止させる場合であっても、先記任意間隔(G)を、単板の厚さ(T)と同等に設定しておけば、単板の表裏面に搾り出した水分については、多少なりとも水切り効果が期待できるので有益である。
【0033】
尚、
図9に於て符号L2で示した、単板後端部への圧縮を休止、或は、軽減する距離の推奨値については、単板の性状や、一対のロールの形態、前記所定間隔(G2)の具体値等に対応させるべく、実験に基づいて定めるのが望ましい。
一応の目安としては、既述した、単板前端部への圧縮を休止、或は、軽減する距離の推奨値と、同等以上の距離とするのが適当であり、単板前端部に於ける推奨値よりも若干長くするのも一策である。
【0034】
勿論、述上の如き脱水方法の実施に用い得る脱水装置としては、
図9に示した構成の脱水装置に限るものではない。
即ち、図示は省略したが、例えば最後端から圧縮開始部位以降の単板後端部への、上下一対のロールによる圧接を休止、或は、軽減するべき時期に至った際の、単板の最前端の位置を検出する単板検出器を、先記出口側の単板ガイド(9a)の上方などに別途に備え、該単板検出器によって、単板の最前端の到来を検出して、作動機構を作動させ、上部ロールを待機位置(又は上昇限度位置)へ上昇させる構成であっても、述上の如き脱水方法を極めて容易に実施することができる。
【0035】
而して、前記いずれの脱水方法の実施に用いるにせよ、脱水装置を構成する一対のロールの離隔・接近態様ついては、図示した実施例の如く、片方のロールのみを、他方のロールに対して離隔・接近させ得る構成を採れば足りる。
また必要に応じては、図示は省略したが、双方のロールを、他方のロールに対して離隔・接近させ得る構成を採っても差支えない。
該構成を採る場合には、双方のロールを一緒に作動させる作動態様の外に、例えば各ロール毎に作動距離を異ならせるように設定し、前端側に於ては、作動距離を多く設定した一方のロールのみを作動させることによって、圧縮を完全に休止させ、また、後端側に於ては、作動距離を少なく設定した他方のロールのみを作動させることによって、圧縮を暫時軽減させるような作動態様も、簡便に実施可能である。
【0036】
また、脱水装置を構成する一対のロールの形態については、格別な制約はなく、既述した材質に係る態様、周面の形状に係る態様、支持方式に係る態様等を含めて、従来公知の種々の形態を採用して差支えない。
先記本出願人の出願(特願2012−85531号)に係る最新技術の如く、対のいずれか片方のロールを、複数の小幅ロールに分割すると共に、分割した各小幅ロールを、軸受、支持ピン、支持部材、保持部材等を具備する支持機構を介して、各別に回転可能に、且つ、対の他方側の駆動ロールに対して離隔・接近可能に備え、更に、流体シリンダ等から成る作動機構を用いて、各小幅ロールを、適宜の押圧力を以って、各別に駆動ロールに向けて押圧する支持態様も、当然に採用可能である。
【0037】
また、図示実施例に於ては、流体シリンダを用いて、作動機構を構成しており、当該流体シリンダは、構造が比較的単純であって、操作性も比較的良いので至便ではあるが、作動機構を構成する機器としては、流体シリンダに限るものではなく、図示は省略したが、例えば各種のカム機構、リンク機構等々、従来公知の種々の作動要素(機器)を用いて、作動機構を構成して差支えない。
【0038】
次に、必要に応じて、本発明に係る脱水方法の実施に用い得る脱水装置に付加的に配設し得る構成の形態について若干言及する。
図示は省略したが、例えば主として各ロールの溝部分に対応する単板の表裏面に搾り出された水分を、圧縮空気の噴射によって、単板の搬出側から搬入側へ吹き飛ばす、ノズル状の噴射部材を、単板の搬出側に配設して成る噴射機構を併設する形態、或は、例えば単板の表裏面に搾り出された水分を吸引する、角漏斗状の吸引部材を、単板の搬入側に配設して成る吸引機構を併設する形態、前記噴射機構と吸引機構とを併設する形態等が代表的な例として挙げられるが、要は、本発明に係る脱水方法の実施に支障のない構成であれば、必要に応じて、種々の構成を付加的に配設して差支えない。