(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5946445
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】テレビメディアの拡張
(51)【国際特許分類】
H04N 21/462 20110101AFI20160623BHJP
【FI】
H04N21/462
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-513225(P2013-513225)
(86)(22)【出願日】2011年5月25日
(65)【公表番号】特表2013-531426(P2013-531426A)
(43)【公表日】2013年8月1日
(86)【国際出願番号】US2011038010
(87)【国際公開番号】WO2011153043
(87)【国際公開日】20111208
【審査請求日】2014年5月23日
(31)【優先権主張番号】12/791,770
(32)【優先日】2010年6月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100153028
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 忠
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ペティット,ブラッドリー・アール
(72)【発明者】
【氏名】チェン,マリリン
(72)【発明者】
【氏名】ソルダン,エリック・アール
【審査官】
福西 章人
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2002/0166123(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0124252(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0177861(US,A1)
【文献】
特開2006−324914(JP,A)
【文献】
特開2005−332168(JP,A)
【文献】
特開2006−109098(JP,A)
【文献】
特開2009−159188(JP,A)
【文献】
特開2002−251409(JP,A)
【文献】
特開2008−085515(JP,A)
【文献】
特開2003−209759(JP,A)
【文献】
特開2005−217941(JP,A)
【文献】
特開2005−346236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00−21/858
H04N 5/38−5/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビメディアに関連した1つ又は複数のテレビイベントに対する登録を行う要求を、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスにおいてモバイルコンピューティングデバイスから受信するステップと、
前記1つ又は複数のテレビイベントに対して前記モバイルコンピューティングデバイスを登録するステップであって、前記1つ又は複数のテレビイベントは、前記テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスによって生成されるイベントを含む、ステップと、
前記1つ又は複数のテレビイベントのうちの1つのテレビイベントを、前記モバイルコンピューティングデバイスへ前記テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスから送信するステップと、
前記テレビイベントに関連する情報を表示し保存する要求を、前記テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスにおいて前記モバイルコンピューティングデバイスから受信するステップと、
前記テレビイベントに関連する前記情報を表示し保存する前記要求を受信することに応答して、且つ前記情報を表示する前に、前記テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスに関連するディスプレイに表示されているテレビメディアを一時停止するステップと、
前記テレビメディアの前記一時停止の間に、前記テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスに関連する前記ディスプレイにおいて前記情報を表示するステップであって、前記情報は、前記テレビメディアに関連する第2のテレビメディアである、ステップと、
前記情報を表示し保存する前記要求に基づいて、前記情報を前記テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスにローカルに記憶するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ディスプレイは、前記テレビメディアをも表示し、前記表示するステップの動作は、前記テレビメディアと同時に前記情報を前記ディスプレイ上に表示する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ又は複数のテレビイベントは、前記1つ又は複数のテレビイベントを利用することができる複数のアプリケーションに対して包括的である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2のテレビイベントに対する登録を行う第2の要求を、前記テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスにおいて第2のモバイルコンピューティングデバイスから受信するステップと、
前記第2のテレビイベントに対して前記第2のモバイルコンピューティングデバイスを登録するステップと、
複数の前記第2のテレビイベントのうちの1つの第2のテレビイベントを前記第2のモバイルコンピューティングデバイスへ送信するステップと、
前記第2のテレビイベントに関連する第2の情報を表示する第2の要求を受信するステップと、
前記第2の情報を前記ディスプレイにおいて表示するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記テレビメディアは、前記テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス上において再生されるテレビ番組又は広告である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数のテレビイベントは、前記テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスにおいて受信される前記テレビメディアのメディアストリーム中で引き起こされるテレビイベントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は複数のテレビイベントは、前記テレビメディアを特定のテレビ番組として識別する一意の識別子を有するテレビイベントを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスは、セットトップボックス、ゲーム機、又はメディアストリームへのアクセスを有するコンピューティングデバイスである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記テレビメディアについての前記情報は、前記テレビメディアに関連する文字による情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
コンピューティングデバイスであって、
メモリと、
前記メモリ内の命令を実行して、前記コンピューティングデバイスに、
モバイルコンピューティングデバイスからの登録要求に応答して、テレビメディアに関連した1つ又は複数のテレビイベントに対して前記モバイルコンピューティングデバイスを登録するステップであって、前記1つ又は複数のテレビイベントは、生成されるイベントのタイプと同じタイプのイベントを含む1つ又は複数の以前のイベントに関連してユーザーによって起動された動作の履歴に基づいて、前記コンピューティングデバイスによって生成されるイベントを含み、前記生成されるイベントは、前記動作の履歴中の動作のうちの1つ又は複数を実施するように構成されたアプリケーションによって利用可能である、ステップと、
前記1つ又は複数のテレビイベントのうちの1つのテレビイベントを、前記モバイルコンピューティングデバイスへ送信するステップと、
前記テレビイベントに関連する情報を表示し前記情報をその後のアクセスのために前記コンピューティングデバイスにローカルに保存する要求を、前記モバイルコンピューティングデバイスから受信するステップと、
前記要求が受信されることに応答して、且つ前記情報が表示される前に、前記コンピューティングデバイスに関連するディスプレイに現在表示されているテレビメディアを一時停止するステップと、
前記テレビメディアが一時停止されている間に、前記コンピューティングデバイスに関連する前記ディスプレイにおいて前記情報を表示するステップであって、前記情報は、前記テレビメディアに関連する第2のテレビメディアである、ステップと、
前記要求に基づいて前記情報を前記コンピューティングデバイスにローカルに記憶するステップと、
を実施させるように構成されたプロセッサと、
を備えるコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記モバイルコンピューティングデバイスは、第1及び第2のテレビイベントを含む複数のテレビイベントに対して登録され、
前記第1のテレビイベントは、前記モバイルコンピューティングデバイスの第1のユーザーに対応する第1の識別子に関連し、
前記第2のテレビイベントは、前記モバイルコンピューティングデバイスの第2のユーザーに対応する第2の識別子に関連する、
請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記テレビメディアについての前記情報は、前記テレビメディアに関連する文字による情報を含む、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記メモリ内の前記命令は、前記コンピューティングデバイスに、更に、
第2のテレビイベントに対して登録する第2の要求を第2のモバイルコンピューティングデバイスから受信するステップと、
前記第2のテレビイベントに対して前記第2のモバイルコンピューティングデバイスを登録するステップと、
前記第2のテレビイベントのうちの1つの第2のテレビイベントを前記第2のモバイルコンピューティングデバイスへ送信するステップと、
前記第2のテレビイベントに関連する第2の情報を表示する第2の要求を受信するステップと、
前記第2の情報を前記ディスプレイに表示するステップと、
を実施させるように前記プロセッサによって実行可能である、請求項10に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項14】
システムであって、
1つ又は複数のプロセッサと、
前記システムに、
テレビメディアに関連する1つ又は複数のテレビイベントに対してモバイルコンピューティングデバイスを登録する要求を受信するステップと、
前記1つ又は複数のテレビイベントに対して前記モバイルコンピューティングデバイスを登録するステップと、
前記1つ又は複数のテレビイベントのうちの1つのテレビイベントを前記モバイルコンピューティングデバイスへ送信するステップと、
前記テレビイベントに関連する情報を表示し保存する要求を前記モバイルコンピューティングデバイスから受信するステップと、
前記情報を表示し保存する前記要求に応答して、且つ前記情報が表示される前に、前記システムに関連するディスプレイに現在表示されているテレビメディアを一時停止するステップと、
前記テレビメディアの一時停止の間に、前記情報を前記システムに関連する前記ディスプレイに表示するステップであって、前記情報は、前記テレビメディアに関連する第2のテレビメディアである、ステップと、
前記情報を表示し保存する前記要求に応答して前記情報を前記システムのローカルな記憶装置に記憶するステップと、
を実施させるように前記1つ又は複数のプロセッサによって実行可能な実行可能命令を備えるメモリと、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] あまり遠くない昔、テレビは放送番組を表示するブラウン管受像機に限定されていた。放送メディアの視聴者は、メディアを単純な方法−チャンネルの変更やボリュームの調整によって、マニュアルで制御することが可能であった。長い年月の間にリモートコントローラーが開発され、それを用いて離れた場所から同様の制御を行うことが可能となったが、それは依然として単純な制御に過ぎなかった。
【0002】
[0002] ケーブルテレビや衛星放送テレビの登場と共に、テレビ番組に関する基本的な情報がテレビを通じて利用可能となった。視聴者は、通常個々のチャンネル上に表示されるテレビガイドを選択することが可能であり、また、そのガイドを次々にスクロールすることによって、どのテレビ番組が放送中又は放送予定であるかということや、番組名、そして時にはその説明を知ることが可能であった。
【0003】
[0003] ずっと最近になって、より進化したセットトップボックスとリモートコントローラーの使用を通じて、テレビメディアに対する制御やテレビメディアに関する情報は拡大されてきた。こうしたリモートコントローラーやセットトップボックスは、多くの場合、テレビ番組が画面に再生される際にその番組に関する基本的な情報を表示することに加えて、視聴者がテレビの録画、早送り、巻戻し、及び一時停止をすることを可能にする。これらのデバイスはテレビ番組の更なる情報と制御をもたらすが、それらは相変わらず全くもって限定的である。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本文書は、モバイルコンピューティングデバイス及び/又はテレビ機能内蔵コンピューティングデバイスを通じてテレビメディアを拡張するための手法、及びその能力を有した装置を説明するものである。1つの実施態様において、ユーザーのモバイルコンピューティングデバイスは、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスからテレビメディアの特定の番組に関連するイベントを受信し、このイベントを用いて、当該イベントに関連する情報により、当該モバイルコンピューティングデバイスを通じたテレビメディアを拡張する。
【0005】
[0005] この概要は、以下の詳細な説明において更に説明される概念から選び出したものを、単純化した形で紹介すべく提供されるものである。この概要は、特許請求の範囲に記載された対象の主要な又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、特許請求の範囲に記載された対象の範囲を決定付けるための助けとして用いられることも意図していない。
【0006】
[0006] 詳細な説明は、添付の図面を参照して説明される。図面において、符号の1番左の数字は、当該符号が最初に登場する図を表す。説明中及び図中の異なる例における同一の符号の使用は、類似の又は同一の事項を示すことがある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、テレビメディアを拡張するための環境の説明図である。
【
図2】
図2は、
図1のテレビ機能内蔵コンピューティングデバイスの詳細な例の説明図である。
【
図3】
図3は、
図1のモバイルコンピューティングデバイスの詳細な例の説明図である。
【
図4】
図4は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスのディスプレイを少なくとも部分的に用いてテレビメディアを拡張するための処理例を表すフロー図である。
【
図5】
図5は、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイを少なくとも部分的に用いてテレビメディアを拡張するための処理例を表すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<環境例>
[0012]
図1は、テレビメディアを拡張するための手法が機能することが可能な環境100の説明図である。環境100は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102、モバイルコンピューティングデバイス104、パーソナルエリアネットワーク(PAN)106、携帯電話ネットワーク108、インターネット110、及びリモートソース112を含む。テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102及びモバイルコンピューティングデバイス104は、それぞれセットトップボックス及びスマートフォンとして示されているが、代わりに他のデバイスが用いられることが可能である。環境100はまた、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102及びモバイルコンピューティングデバイス104がメディア及び/又は情報をそれぞれ表示する、2つのディスプレイ114及び116をも含む。
【0009】
[0013]
図2は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102のより詳細な実施態様を示す。
図2に示されるように、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102は、プロセッサー202、コンピューター読み取り可能媒体204、通信インターフェース206、デジタルビデオレコーダー(DVR)システム208、及び録画済みテレビメディア212を有する記録媒体210を含む。コンピューター読み取り可能媒体204は、テレビ(TV)イベントモジュール214、テレビ(TV)イベントデータストア216、オペレーティングシステム218、及び拡張マネージャー220を含み、又はこれらへのアクセスを有する。テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102はセットトップボックスとして描かれているが、代わりにパーソナルコンピューターやゲームデバイスといった他のコンピューティングデバイスが用いられることができる。
【0010】
[0014]
図3は、モバイルコンピューティングデバイス104のより詳細な実施態様を示し、モバイルコンピューティングデバイス104は、モバイルプロセッサー302、モバイルコンピューター読み取り可能媒体304、及びモバイル通信インターフェース306を含む。モバイルコンピューター読み取り可能媒体304は、モバイルオペレーティングシステム308、拡張モジュール310、及び、1つ又は複数の拡張アプリケーション312を含み、又はこれらへのアクセスを有する。モバイルコンピューティングデバイス104はスマートフォンとして描かれているが、代わりにネットワーク機能内蔵リモートコントローラー、ネットブック、又はタブレットコンピューターといった他のコンピューティングデバイスが用いられることができる。
【0011】
[0015]
図1−3に示されたエンティティのうちの1つ又は複数は、更に分割、結合等されることができるということに留意されたい。一般に、本明細書において説明される機能の何れもが、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア(例えば固定論理回路)、手作業による処理、又はこれらの実施の組み合わせを用いて、実現されることが可能である。本明細書において用いられるような「アプリケーション」、「システム」、「マネージャー」、及び「モジュール」という用語は、一般に、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、デバイス若しくはネットワークの全体、又は、それらの組み合わせを表す。例えば、ソフトウェアによる実現の場合において、これらの用語は、プロセッサー(例えば1つ又は複数のCPU)上で実行される際に指定のタスクを実施するプログラムコードを表すことができる。このプログラムコードは、コンピューター読み取り可能媒体204又は304等の、1つ又は複数のコンピューター読み取り可能メモリデバイスに記憶されることが可能である。
【0012】
<テレビメディアを拡張するための処理例>
[0016] 以下の議論は、テレビメディアを拡張するための処理を説明するものである。当該処理の側面は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせの形で実現されることができる。これらの処理は、例えば
図1、2、及び/又は3における1つ又は複数のエンティティによって実施される動作を特徴付けるブロックの集合として示され、これら動作を実施するためにそれぞれのブロックによって示された順序に必ずしも限定されるものではない。以下の議論の一部において、
図1の環境100だけでなく、
図2及び3に示された
図1のエンティティの詳細な実施態様が参照されることがあるが、それは必ずしも必要とされるわけではない。
【0013】
[0017]
図4は、テレビメディアを拡張するための処理例400を表すフロー図である。この処理400は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスに係るディスプレイを用いてテレビメディアを拡張することを対象とする。
【0014】
[0018] ブロック402は、テレビイベントに対する登録の要求を、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスにおいてモバイルコンピューティングデバイスから受信する。環境100の文脈において、この登録は、モバイルコンピューティングデバイス104が、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102によってイベントが引き起こされ、又は別の方法で受け取られ若しくは生成された時に通知を受け取ることを希望しているということを、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102に知らせるものである。
【0015】
[0019] 例として、
図2及び3の文脈における処理400を考慮されたい。この文脈において、拡張マネージャー220は、パーソナルエリアネットワーク106を介して、及び通信インターフェース206を用いて、テレビイベントに対する登録の要求を受信する。
【0016】
[0020] ブロック404は、要求されたテレビイベントに対してモバイルコンピューティングデバイスを登録する。目下の例を続けると、拡張マネージャー220は、これらのイベントをテレビイベントモジュール214に登録するか、又は、拡張マネージャー220がテレビイベントモジュール214からテレビイベントの送信を受け取って処理する場合には、内部にこれらのイベントを登録する。登録を完了するために、拡張マネージャー220は、モバイルコンピューティングデバイス104と要求されたイベントに関する情報を利用する。モバイルコンピューティングデバイス104に関する情報は、一意の識別子、又は他のモバイルデバイスからモバイルコンピューティングデバイス104を区別する他の手段を含むことができる。
【0017】
[0021] 上記の要求されたイベントは、多くの様々なタイプのものを含むことが可能であり、当該要求は、様々な状況に応答して受信されることが可能である。例えば、ブロック402における要求は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102がテレビショーを表示することに応答したものであり得る。テレビショーが晩年のJulia Childによる料理ショーであり、このテレビショーを見ることに応答して、ユーザーがモバイルコンピューティングデバイス104を通じてこのテレビ番組を拡張することを選んだと想定されたい。モバイルコンピューティングデバイス104は、この番組に関連するテレビイベントを要求し、当該要求は、ブロック402においてテレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102によって受信されて、その後、拡張マネージャー220は、Julia Childの料理番組に関連するテレビイベントに対してモバイルコンピューティングデバイス104を登録する。
【0018】
[0022] 言及されたように、テレビイベントは、多くのタイプのものであることが可能であり、それらを利用することができる非常に多数のアプリケーションに対して包括的であることが可能である。この例において、1つのテレビイベントは、「French Crepes」というタイトルを付された当該特定の番組を一意に識別する識別子である。例えば、番組内で少しの間表示される特定のクレープのレシピに関連するイベントのような、他のイベントは、番組中の特定の時点で発生することが可能である。更なる他のイベントは、番組内において特定の広告が表示され、又は、料理の完成品が表示され若しくは話題とされた時に、発生することが可能である。
【0019】
[0023] 余談であるが、番組中のある時点で発生するイベントは、当該番組や広告が描写されるメディアストリーム内から引き起こされることが可能である。こうしたトリガーは、テレビイベントモジュール214によって受け取られる。テレビイベントモジュール214及び/又は拡張マネージャー220は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102の状態の変化に応答して、当該番組若しくは当該番組のイベントを解析することに応答して、又は、表示されているテレビメディアに関する情報と共に視聴者の履歴若しくはお気に入りに基づいて、イベントを生成することもできる。例えば、拡張マネージャー220は、広告が始まったことを示すトリガーをテレビイベントモジュール214から受け取ることができ、視聴者の広告を早送りする履歴と連携して、広告をスキップするアプリケーションによって利用可能なイベントを生成することができる。
【0020】
[0024] ブロック406は、テレビイベントをモバイルコンピューティングデバイスへ送信する。この送信は、イベントを受け取ること若しくは判断すること(例えば、メディアストリーム中のトリガーを受け取ること)に直接的に応じるものであることが可能であり、又は他の方法によるものであることが可能である。それ故に、ある場合において、当該送信は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102における動作又は判断に直接的に応じたものであり、また他の場合においては、モバイルコンピューティングデバイス104との更なる交流に応じたものでもある。例えば、モバイルコンピューティングデバイス104は、様々な時点において、又は、トリガーが発生したようだと判断したことに応じて、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102をポーリングする、又はテレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102へ「pingを送信する」ことができ、その後、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102は、テレビイベントを送信する。
【0021】
[0025] しかしながら、目下の文脈においては、モバイルコンピューティングデバイス104とのそのような更なる交流は行われない。ここでは、拡張マネージャー220又はテレビイベントモジュール214は、テレビイベントが発生したという内部の判断に応答して、通信インターフェース206を用いて且つパーソナルエリアネットワーク106にわたって、テレビイベントを送信する。
【0022】
[0026] 上記の送信されたテレビイベントは、モバイルコンピューティングデバイス104によって使用可能な情報を含んでいる。Julia Childの例を続けると、French Crepesの番組を一意に識別するイベントが送信されたと想定されたい。この情報を用いて、モバイルコンピューティングデバイス104は、当該番組を拡張するのに用いるアプリケーション及び/又は情報を取得することができる。
【0023】
[0027] この具体的な例において、モバイルコンピューティングデバイス104は、
図1に示されたディスプレイ114を通じて当該番組をどのように拡張するかについて、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102に指示を行う。ここで、モバイルコンピューティングデバイス104のユーザーが、2、3の例を挙げれば、当該番組のレシピに関する文字による説明、Julia Childと彼女の人生についての情報、又は、フランスのクレープや一般的な料理ショーやJulia Childに関連する更に別の番組を表示し又は保存するといったような、拡張のオプションを提示されると想定されたい。この例に対して、我々は、ユーザーが番組中のレシピの1つに関する文字による説明を表示し保存することを選択すると仮定する。
【0024】
[0028] ブロック408は、上記のテレビイベントに関連する情報を表示(又は保存)する要求を受信する。
図2の文脈において、拡張マネージャー220は、パーソナルエリアネットワーク106を介して且つ通信インターフェース206を用いて、この要求を受信する。
【0025】
[0029] 当該要求された情報が直ちに拡張マネージャー220に利用可能ではない場合、拡張マネージャー220は、インターネット又は何らかの他のネットワーク(不図示)を介してリモートソースを通じるといった様々な方法で、この情報を取得することができる。ここで、拡張マネージャー220が当該情報をテレビイベントデータストア216から取得すると想定されたい。Julia Childに関連する更に別の番組等のメディアが要求された場合において、拡張マネージャー220は、リモートソース112から、又は、DVRシステム208を記録媒体210、及び当該メディアが既にローカルに保存されているのであればおそらく録画済みテレビメディア212と共に用いて、当該メディアを取得する。
【0026】
[0030] ブロック410は、テレビメディアを拡張するのに有効であるテレビメディアに関連する情報を表示する。目下の例を続け
図2の文脈において、拡張マネージャー220は、上記のレシピに関する文字による説明をディスプレイ114の一部分に表示する。拡張マネージャー220は、更に、又は代わりに、後で利用するために当該レシピに関する文字による説明をローカルに保存することができる。
【0027】
[0031] 別の例として、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102によって受信されたメディアストリーム内のJulia Childに関する映画(「Julie and Julia」)の広告等、番組中に表示された広告によって引き起こされたテレビイベントを考慮されたい。テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102は、当該広告を識別するテレビイベントを送信する。モバイルコンピューティングデバイス104が、このイベントを受信し、モバイルコンピューティングデバイス104を通じてユーザーによる選択のためのオプションを提示し、この映画の1分間のムービートレーラーを表示する選択を受け取ることを想定されたい。拡張マネージャー220は、そのメディアを取得し、次いで、French Crepesの番組を一時停止させつつそのトレーラーを表示する(即ち、広告が再生される)。直ちに明らかとなるように、Julia ChildのFrench Crepesの番組は、レシピに関する文字による説明によって拡張され、また、広告を伴う当該番組は、フルムービートレーラーの表示によって拡張される。
【0028】
[0032] 処理400の一部として規定された動作は、繰り返し行われることが可能である。例えば、第2のモバイルコンピューティングデバイス又は当該デバイス上のアプリケーションが、同一の又は他のテレビイベントに対して登録を行うことができる。家庭の母親は、料理番組に関連するテレビイベントに対して登録をしたいと思い、父親は、スポーツ番組に関連するテレビイベントに対して登録をしたいと思うかもしれない。家族の他のメンバーについても同様である。家族のこうしたメンバーのそれぞれが異なるモバイルコンピューティングデバイスを有し、又は同じモバイルコンピューティングデバイス上で区別される手段を有していれば、彼らはそれぞれ、様々なタイプの番組に対するイベントを受け取ることができる。
【0029】
[0033]
図5は、テレビメディアを拡張するための処理例500を表すフロー図である。この処理500は、モバイルコンピューティングデバイスのディスプレイを用いてテレビメディアを拡張することを対象とする。
【0030】
[0034] ブロック502は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスに1つ又は複数のテレビイベントに対する登録を行う。モバイルコンピューティングデバイス104は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102又はサードパーティーにこの登録を実施することができる。当該登録がモバイルコンピューティングデバイス104とテレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102との間で実施される場合であっても、この登録は、例えば携帯電話ネットワーク108及びインターネット110を通じる等により、間接的に行われることができる。サードパーティーへの登録の場合、当該登録は、リモートソース112等のリモートエンティティに行われることができる。
【0031】
[0035]
図2及び3の文脈において、拡張モジュール310は、特定のテレビメディア(例えば番組)やテレビメディア群に関連する1つ又は複数のテレビイベント、又は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102におけるチャンネルの変更に関連する状態の変化のイベントといったような、より一般化された1つ又は複数のテレビイベントを要求する。上で言及されたように、その登録は、ここではモバイル通信インターフェース306を用いて、パーソナルエリアネットワーク又は他のネットワークを通じてなされることが可能である。
【0032】
[0036] この例に関して、モバイルコンピューティングデバイス104が、フットボール、野球、及びバスケットボール等のスポーツ番組に関連するテレビイベントに対して登録を行うことを要求すると想定されたい。このようなタイプのイベントの選択は、拡張モジュール310によって提供されるユーザーインターフェースを通じて、又は特定の拡張アプリケーション312を通じて行われることができる。スポーツ番組についての例示的なテレビイベントは、メディアストリーム内にトリガーを有している当該番組中のスポーツのプレー、当該番組の中で表示され若しくは当該番組の合間に再生される広告、又は同様のものを含む。これらのイベントに関する情報は、特定のプレーヤーやチームの成績、賭けのライン(betting line)、当該番組の試合が影響を与えるファンタジースポーツの得点や他の作用、及び、当該試合の前、後、若しくは間の何れかにおいて解説を提供する他のテレビメディア番組を含んでいる。
【0033】
[0037] ブロック504は、テレビメディアに関連するテレビイベントを受信する。上で言及されたように、これは、テレビイベントに対するポーリングやping送信といったモバイルコンピューティングデバイス104からの交流を伴って、又は伴わずに行われることが可能である。現在の文脈においては、モバイルコンピューティングデバイス104の拡張モジュール310は、モバイルコンピューティングデバイス104によるポーリング又はping送信を行うことなく、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス102上の拡張マネージャー220からテレビイベントを受信する。このテレビイベントは、タッチダウンを獲得したフットボールチームの特定のプレーヤーに関連するものであると想定されたい。
【0034】
[0038] 処理500は、ブロック506及びブロック508へ、又は直接ブロック510へ、二者択一的に進む。ブロック506は、上記のテレビメディアがその一部となっているグループに関連するアプリケーションを要求する。ブロック508は、当該テレビイベントを利用することが可能である当該アプリケーションを受信する。例えば、拡張モジュール310により要求されたテレビイベントがプロフットボールゲームに関連するのであれば、拡張モジュール310は、プロフットボールゲームからテレビイベントを利用することが可能である拡張アプリケーションをダウンロードすることができる。この拡張アプリケーションは、
図3において拡張アプリケーション312の1つとして描かれ、包括的なものであるか、又は、特定のスポーツのリーグ又はチームを対象としたものであり得る。ここでは、当該拡張アプリケーションは、ナショナルフットボールリーグ及びグリーンベイパッカーズを対象とするものであると想定されたい。
【0035】
[0039] ブロック510は、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイス以外のリモートエンティティから、上記テレビイベントに関連する情報を要求する。当該テレビイベントは単純な一意の識別子であると想定されたい。この識別子を用いて、拡張モジュール310又は拡張アプリケーション312は、インターネット110及び携帯電話ネットワーク108を介してリモートソース112から、その一意の識別子に関連する情報を要求する。当該情報は、受信され、テレビイベントがクォーターバックのAaron Rodgersによる20ヤードラインからのラッシングタッチダウンに関連するものであることを示す。
【0036】
[0040] ブロック512は、テレビメディアを拡張するのに有効であるテレビメディアに関連する情報を表示する。上記の例を続けると、拡張アプリケーション312は、モバイルコンピューティングデバイス104のスピーカーを通じてグリーンベイパッカーズの歌を再生し、また、
図1のディスプレイ116上にAaron Rodgersの成績と彼のタッチダウンにより生じたファンタジーフットボールの得点を表示する。
【0037】
[0041] 本明細書において説明された手法は、多くのタイプのテレビメディア、テレビイベント、及びこれらのテレビメディアを拡張するための手段を予期している。上述されたものに加えて、このような手法は、子供向けのコメディーで親のコントロールを受けるべきドラマとして分類されるテレビメディアに関連するものを含み、自由に適用されることが可能である。例えば、テレビイベントは、任意のR指定の番組や、ほかに指定を受けていない又はR指定でない番組内で暴力、下品な言葉、若しくは裸体を引き起こすイベントに、関連することが可能である。親に使用されているスマートフォン等のモバイルコンピューティングデバイスが、次いでこのようなイベントを受信することが可能である。次に、親のモバイルコンピューティングデバイス上の拡張アプリケーションは、その番組に関する情報を当該親に対して表示することが可能である。上記のイベントは、親がテレビ機能内蔵コンピューティングデバイスの近くにいない場合であっても、携帯電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、又は他のネットワークを通じて受信されることができる。当該親は、次いで、モバイルコンピューティングデバイスを用いて、ローカルで、又はかなりの距離から、テレビ機能内蔵コンピューティングデバイスを制御することが可能であるだろう。これは、このような手法及び装置がテレビメディアを拡張する多くの方法のうちの、ほんの1つの追加の例に過ぎない。
【0038】
<結論>
[0042] 本文書は、テレビメディアを拡張するための手法及び装置を説明する。当該手法及び装置は、ユーザーが、テレビメディアの幅広い制御、テレビメディアとの交流、及びテレビメディアに対する拡張を享受することを可能にする。構造的機能及び/又は方法論的動作に特有の言葉で発明が説明されてきたが、添付された特許請求の範囲において定義される発明は説明された特定の機能又は動作に必ずしも限定されるものではない、ということは理解されなければならない。それどころか、当該特定の機能及び動作は、特許請求の範囲に記載された発明を実現する例示の形として開示されたのである。