(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
メルトブローされるポリマー材料が、無煙タバコとの接触の前に、そのガラス転移温度より低い温度に冷却され、ストランドのモメンタムにより、ストランドが無煙タバコの構造繊維に順応する、請求項9記載の方法。
ポリマー材料が、ポリマー材料と無煙タバコの接触時にそのガラス転移温度より高い温度にあるよう、メルトブロープロセス由来の十分な潜熱を保持しており、それによって、メルトブローされるポリマー材料は、タバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応する、請求項9記載の方法。
スパンボンドプロセスがストランドのフローを生成し、かつ無煙タバコが、無煙タバコをポリマー材料のフローに通すことによって、ポリマー材料と密接に接触した状態にされる、請求項19記載の方法。
無煙タバコ材料および複数のメルトブローポリマー繊維を含む、口内で使用するためのメルトブロー無煙タバコ物品であって、無煙タバコ材料が、成人タバコ消費者の口内に置かれたときに各メルトブロー無煙タバコ物品の結束性を維持するよう、複数のメルトブローポリマー繊維に少なくとも部分的に固定されている、物品。
【発明の概要】
【0004】
要旨
無煙タバコと、無煙タバコと密接に接触しタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応して安定化されているポリマー材料とを含み、それによって安定化されたポリマー材料が無煙タバコをも固定している、無煙タバコ製品を記載する。
【0005】
無煙タバコは、乾燥または湿性無煙タバコであり得る。いくつかの態様において、無煙タバコは、約30重量%から約61重量%のオーブン揮発物含有量を有する湿性無煙タバコである。他の態様において、無煙タバコは、2%から15%の間のオーブン揮発物含有量を有する乾燥スナッフである。いくつかの態様において、複合無煙タバコ製品は、約4重量%から約61重量%の総オーブン揮発物含有量を有する。無煙タバコ製品のいくつかの態様は、メルトブローポリマー繊維と組み合わされ、メルトブローポリマー繊維によって固定されている無煙タバコを含む。特定の態様において、ポリマー繊維は、無煙タバコと共にまたは無煙タバコに対してメルトブローされる。他の態様においては、スパンボンドポリマー繊維を、無煙タバコと組み合わせることができる。さらに、いくつかのシステムは、各々が実質的に類似の形状および/または容積を有し得る複数のメルトブロー無煙タバコ製品を保持する容器を含む。
【0006】
特定の態様において、無煙タバコ製品は、構造繊維の不織布の網(nonwoven network)全体に分布している無煙タバコを含み、構造繊維の不織布の網の少なくとも一部は、メルトブローポリマー繊維またはスパンボンドポリマー繊維を含む。いくつかの態様において、無煙タバコは、構造繊維の不織布の網全体に均等に分布している。
【0007】
無煙タバコ製品の製造方法も記載されている。この方法は、ポリマー材料と無煙タバコを密接に接触させ、ポリマー材料をタバコの繊維構造に順応させる工程を包含する。いくつかの態様において、ポリマー材料は、100ミクロン未満の直径を有するストランドにされ、そのストランドがタバコの繊維構造に順応するよう無煙タバコに対して堆積される。いくつかの態様において、ストランドは、無煙タバコとの接触の前に、それらのガラス転移温度より低い温度に冷却されるが、タバコの繊維構造への順応はストランドの流動(フロー)によって達成される。この方法は、ポリマー材料および無煙タバコを含む複合タバコ製品を形成する。複合タバコ製品は、湿気透過性の多孔質表面を有する。
【0008】
他の態様においては、無煙タバコの孤立堆積物(discrete deposit)を、1つまたは複数の不織布ポリマーファブリックによってカプセル化することができる。例えば、無煙タバコの孤立堆積物は、メルトブローポリマー繊維のストリームを通され得る。無煙タバコの孤立堆積物を、メルトブローポリマー繊維のストリームに通す前にポリマーウェブ上に堆積させ、トップコートを提供することもできる。いくつかの態様において、ポリマーウェブは、加熱される。複合物はその後、任意で、2つの不織布ファブリックの層によって包囲された無煙タバコの孤立堆積物を含む無煙タバコ製品が製造されるよう、さらに結合および切断され得る。不織布ファブリックは、成人タバコ消費者に、望ましい口内感覚(mouth feel)および香味プロフィールを提供することができる。
【0009】
ポリマー材料をそのガラス転移温度より高い温度にしつつポリマー材料とタバコを密接に接触させる工程を包含する方法も、開示されている。ポリマー材料がタバコの繊維構造に順応した後、ポリマー材料は、ポリマー材料をそのガラス転移温度より低い温度にすることによって、無煙タバコと接触した状態で安定化される。いくつかの態様において、ポリマー材料は、ストランドとして、無煙タバコに向けて送られる(例えば、メルトブロー装置から)。この方法は、ポリマー材料および無煙タバコを含む複合タバコ製品を形成する。
【0010】
いくつかの態様において、メルトブローまたはスパンボンドポリマー繊維は、メルトブローポリマー繊維の不織布の網の中での無煙タバコの均等または準均等な分布が形成されるよう、無煙タバコと共にまたは無煙タバコに対して堆積される。特定の態様において、無煙タバコは、スピナレットのアレイから出てきたポリマー繊維のフローに投入される。他の態様において、複数のメルトブローポリマー繊維および/またはスパンボンドポリマー繊維ならびに無煙タバコの層が順に堆積され、次いで結合される。例えば、約0.1インチの無煙タバコの層を堆積することにより、その後のポリマー繊維の堆積で無煙タバコをバラバラ(disrupt)にし、無煙タバコとポリマー繊維を交絡させることができる。さらに、他のバラバラにする技術を、無煙タバコをメルトブローポリマー繊維のマトリクスの中で分散させるために使用することができる。
【0011】
特定の態様において、無煙タバコとポリマー繊維の重層構造の追加の処理により、無煙タバコをポリマー繊維にさらに固定することができる。例えば、メルトブローポリマー繊維と無煙タバコの重層構造は、無煙タバコをメルトブローポリマー繊維に固定するために、ニードル処理され得る。他の態様において、スパンレース、水流交絡、スパンジェット、空気ジェット、ニードル、ニードルパンチ、ニードルフェルト、サーマルボンド、超音波ボンド、放射線ボンド、ケミカルボンド、ステッチボンドおよびキルト技術が、無煙タバコをポリマー繊維にさらに固定するのに使用され得る。
【0012】
いくつかの態様において、口内で使用するための無煙タバコ製品は、無煙タバコおよび複数のポリマー繊維を含む。無煙タバコは、成人タバコ消費者の口内に置かれ唾液に曝されたときに各無煙タバコ製品の結束性(cohesion)を維持するよう、少なくとも部分的に複数のポリマー繊維に固定され得る。いくつかの態様において、システムは、内部空間を画定する蓋および基部を含む容器を含む。容器の内部空間には、複数の無煙タバコ製品が収容され得る。複数の無煙タバコ製品は各々、実質的に類似の形状および/または容積を有し得る。
【0013】
メルトブロー無煙タバコ製品は、0.1から1.0インチの間の厚みを有し得る。いくつかの態様において、無煙タバコは、メルトブロー無煙タバコ製品の少なくとも1つの外表面に沿って露出している。
【0014】
無煙タバコは、4%から61%の間のオーブン揮発物含有量を有し得る。特定の態様において、無煙タバコは、いくつかの態様において30から61%重量パーセントの間のオーブン揮発物含有量を有する湿性無煙タバコであり得る。他の態様において、無煙タバコは、2%から15%の間のオーブン揮発物含有量を有する乾燥スナッフである。いくつかの態様において、無煙タバコは、15%から57%の間のオーブン揮発物含有量を有するスヌースである。他の態様において、無煙タバコは、口内崩壊性の無煙タバコ組成物、例えば、US 2005/0244521またはUS 2006/0191548(これらは参照により本明細書に組み入れられる)に記載されているものを含み得る。いくつかの態様において、無煙タバコは、香味料および/またはその他の添加物を含む。
【0015】
ポリマー繊維は、口内使用に関して安全なポリマーであり得る。適当なポリマーには、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、酢酸ポリビニル、ポリビニルアルコール、セルロース物質、例えばヒドロキシプロピルセルロースおよびそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの態様において、再構成セルロース繊維(例えば、タバコ植物の組織由来のもの)が使用される。
【0016】
特定の態様において、無煙タバコは、無煙タバコ製品のポリマー繊維の中に実質的に均等に分散されている。他の態様においては、無煙タバコの塊を、1つまたは複数のポリマー繊維の不織布ファブリックの層によってカプセル化することができる。例えば、不織布ファブリックは、無煙タバコの塊をカプセル化し得る。いくつかの態様において、無煙タバコの塊は、0.25から4.0グラムの間の重さである。
【0017】
無煙タバコ製品のさらなる処理により、複合無煙タバコ製品の表面特性を変化させることができる。例えば、無煙タバコ製品に、エンボス加工または刻印をすることができる。部分および完全の両方のコーティングも、無煙タバコ製品に適用することができる。例えば、1つまたは複数の香味ストリップが、複合無煙タバコ製品の1つまたは複数の外表面または内表面に適用され得る。
【0018】
無煙タバコ製品の包装物は、湿気非透過性(moisture-tight)の内部空間を画定する容器および湿気非透過性の内部空間に置かれた少なくとも1つの本明細書に記載の無煙タバコ製品を含み得る。
【0019】
無煙タバコ製品の使用方法も記載されている。この方法は、少なくとも1つの無煙タバコ製品を含む容器を開封する工程、少なくとも1片の無煙タバコ製品を取り出す工程、および取り出した片を成人タバコ消費者の口内に置く工程を包含する。
【0020】
本明細書に記載される製品および方法はまた、無煙タバコに加えて、その他の口内で消費される植物材料にも適用することができる。例えば、いくつかの非タバコまたは「ハーブ」組成物も、無煙タバコ組成物の代替物として開発されている。非タバコ製品は、茶葉、レッドクローバー、ココナツフレーク、ミント葉、朝鮮人参、リンゴ、トウモロコシ毛、グレープ葉およびバジル葉を含むがこれらに限定されない多くの異なる主成分を含み得る。いくつかの態様において、非タバコ製品は、繊維構造を有する非タバコ植物材料および非タバコ植物材料と密接に接触し植物材料の繊維構造の表面トポグラフィーに順応して安定化されているポリマー材料を含み、それによって安定化されたポリマー材料が植物の繊維構造をも保持しているものである。いくつかの態様において、そのような非タバコ無煙製品は、非タバコ無煙製品が望ましい口内感覚および香味プロフィールを提供することができるよう、タバコエキスをさらに含むことができる。いくつかの態様において、タバコエキスは、キュアリングしたおよび/または発酵させたタバコを水と混合し、不溶性のタバコ物質を除去することによって、キュアリングしたおよび/または発酵させたタバコから抽出することができる。いくつかの態様において、タバコエキスは、ニコチンを含み得る。非タバコ製品は、湿気透過性の多孔質表面を有し得、かつ少なくとも10重量パーセントの総オーブン揮発物含有量を有し得る。いくつかの態様において、非タバコ製品は、少なくとも40重量パーセントの総オーブン揮発物含有量を有する。
【0021】
[本発明1001]
100ミクロン未満の直径を有するポリマー材料のストランドを製造する工程;ならびに
該ストランドがタバコの繊維構造に順応するよう該ストランドと無煙タバコを組み合わせて、ポリマー材料と無煙タバコとを含む複合タバコ製品を形成する工程
を含む、無煙タバコ製品の調製方法。
[本発明1002]
ポリマー材料のストランドが、30ミクロン未満の直径を有する、本発明1001の方法。
[本発明1003]
ポリマー材料のストランドが、0.5から5.0ミクロンの間の直径を有する、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
ポリマー材料が、1平方メートルあたり15グラム未満の基本重量を有する、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1005]
ポリマー材料が、1平方メートルあたり2から10グラムの間の基本重量を有する、本発明1004の方法。
[本発明1006]
ストランドが、無煙タバコを含む表面に向けて送られる、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1007]
無煙タバコが、ストランドと混合され、かつストランドと共に表面に向けて送られる、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1008]
ストランドが、ポリマー材料を押し出しかつ
延伸することによって製造される、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1009]
ポリマー材料が、メルトブロープロセスによって押し出されかつ
延伸される、本発明1008の方法。
[本発明1010]
ポリマー材料が、無煙タバコ上にメルトブローされる、本発明1009の方法。
[本発明1011]
メルトブローされるポリマー材料が、無煙タバコとの接触の前に、そのガラス転移温度より低い温度に冷却され、ストランドのモメンタムにより、ストランドが無煙タバコの構造繊維に順応する、本発明1010の方法。
[本発明1012]
ポリマー材料が、ポリマー材料と無煙タバコの接触時にそのガラス転移温度より高い温度にあるよう、メルトブロープロセス由来の十分な潜熱を保持しており、それによって、メルトブローされるポリマー材料は、タバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応する、本発明1010の方法。
[本発明1013]
無煙タバコが、ストランドとの接触の前に、成形された塊となっている、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1014]
成形された塊が、ストランドのフローに通される、本発明1013の方法。
[本発明1015]
ストランドが、メルトブロースピナレットのアレイから出てくる、本発明1014の方法。
[本発明1016]
成形された塊が、ストランドのフローに通される前に、既製のポリマー材料層の上に堆積される、本発明1014の方法。
[本発明1017]
無煙タバコが、ストランドとの接触の前に、重層形態で堆積される、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1018]
無煙タバコが、ストランドのフローに吹きつけられる、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1019]
空気のジェット流が無煙タバコの層に送られて、タバコの繊維構造とストランドが絡合される、本発明1018の方法。
[本発明1020]
ポリマー材料が、スパンボンドプロセスにより、ストランドになるよう押し出されかつ
延伸される、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1021]
スパンボンドプロセスがストランドのフローを生成し、かつ無煙タバコが、無煙タバコをポリマー材料のフローに通すことによって、ポリマー材料と密接に接触した状態にされる、本発明1020の方法。
[本発明1022]
ポリマー材料が、ポリマー材料をタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応させるために、ポリマー材料のガラス転移温度より高い温度に加熱される、本発明1020の方法。
[本発明1023]
ポリマー材料の加熱が、スパンボンドされたポリマー材料の繊維を結合させる、本発明1020の方法。
[本発明1024]
ポリマー材料が、ポリプロピレンである、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1025]
ポリマー材料が、再構成セルロース材料である、本発明1001〜1023のいずれかの方法。
[本発明1026]
無煙タバコ製品をニードル処理する工程をさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1027]
ポリマー材料が、少なくとも2つの異なる材料を含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1028]
少なくとも2つの異なるポリマー材料が、ポリマー材料の複合ポリマー繊維を形成するよう、共押し出しされる、本発明1027の方法。
[本発明1029]
複合ポリマー繊維が、複数の繊維を形成するよう、フィブリル化される、本発明1028の方法。
[本発明1030]
ポリマー材料の少なくとも1つが口内安定性であり、かつポリマー材料の少なくとも1つが口内溶解性である、本発明1027の方法。
[本発明1031]
口内安定性材料および口内溶解性材料が、共押し出しされる、本発明1030の方法。
[本発明1032]
複合タバコ製品が、約4重量%から約61重量%の総オーブン揮発物含有量を有する、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1033]
複合タバコ製品が、約30重量%から約61重量%の総オーブン揮発物含有量を有する、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1034]
複合タバコ製品が、寸法安定性を有する、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1035]
無煙タバコおよびポリマー材料の複数の層を密接に接触させる工程をさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1036]
複合タバコ製品に香味料を添加する工程をさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1037]
複合タバコ製品を個別の無煙タバコ製品に切断する工程をさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1038]
複合タバコ製品をそれ自身の上に折り重ねるまたはそれ自身に巻き取る工程をさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1039]
複合タバコ製品の外表面の少なくとも一部を溶解性フィルムでコートする工程をさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1040]
複合タバコ製品の少なくとも一部を、容器の湿気非透過性の内部空間に堆積する工程をさらに含む、前記本発明のいずれかの方法。
[本発明1041]
無煙タバコ;および
ポリマー材料を含み、100ミクロン未満の直径を有する構造繊維であって、構造繊維がタバコの繊維構造をも保持するよう、無煙タバコと密接に接触しかつタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応して安定化されている、構造繊維
を含み、構造繊維を含む湿気透過性の多孔質表面を有する、無煙タバコ製品。
[本発明1042]
構造繊維が、無煙タバコの塊の外表面の少なくとも一部に順応されている、本発明1041の無煙タバコ製品。
[本発明1043]
約40重量%から約60重量%の総オーブン揮発物含有量を有する、本発明1041または1042の無煙タバコ製品。
[本発明1044]
寸法安定性を有する、本発明1041〜1043のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1045]
ポリマー材料が、少なくとも部分的に口内安定性である構造繊維の形態にあり、かつ無煙タバコ製品が、成人タバコ消費者の口内に置かれ唾液に曝されたときに実質的な結束性
を維持するよう適合されている、本発明1041〜1044のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1046]
構造繊維が、ポリプロピレンを含む、本発明1041〜1045のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1047]
構造繊維が、再構成セルロース繊維を含む、本発明1041〜1045のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1048]
再構成セルロース繊維が、タバコ植物材料を溶解し紡績することによって再構成されたものである、本発明1047の無煙タバコ製品。
[本発明1049]
構造繊維が、無煙タバコの塊をカプセル化している、本発明1041〜1048のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1050]
ポリマー材料が、セルロース繊維と絡合されたポリマー繊維の形態にある、本発明1041〜1049のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1051]
複数の構造繊維層および複数の無煙タバコ層を含む、本発明1041〜1050のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1052]
それ自身の上に折り重ねられているまたはそれ自身に巻き取られている、本発明1041〜1051のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1053]
外表面に露出している無煙タバコを含む、本発明1041〜1052のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1054]
無煙タバコ製品を少なくとも部分的にコートしている溶解性フィルムをさらに含む、本発明1041〜1053のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1055]
無煙タバコが、キュアリングされたタバコを含む、本発明1041〜1054のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1056]
無煙タバコが、キュアリングされ、エイジングされ、発酵されたタバコを含む、本発明1055の無煙タバコ製品。
[本発明1057]
無煙タバコが、キュアリングされ、エイジングされ、発酵されていないタバコを含む、
本発明1055の無煙タバコ製品。
[本発明1058]
無煙タバコが、乾燥重量基準で、製品の約15%から約85%を占める、本発明1041〜1057のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1059]
無煙タバコが、黒タバコを含む、本発明1041〜1058のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1060]
新鮮重量基準で最大70重量%の黒タバコを含む、本発明1041〜1059のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1061]
無煙タバコが、0.1から1.0インチの間の平均長および0.009から0.1インチの平均幅を有する、本発明1041〜1060のいずれかの無煙タバコ製品。
[本発明1062]
湿気非透過性の内部空間を画定する容器;および
湿気非透過性の内部空間内に置かれた少なくとも1つの無煙タバコ製品であって、無煙タバコ製品が、無煙タバコと、ポリマー材料を含みかつ100ミクロン未満の直径を有する構造繊維とを含み、構造繊維が、タバコの繊維構造をも保持するよう、無煙タバコと密接に接触しかつタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応して安定化されており、無煙タバコ製品が、構造繊維を含む湿気透過性の多孔質表面を有する、無煙タバコ製品
を含む、包装された無煙タバコ製品。
[本発明1063]
内部空間内に置かれた複数の類似形状の無煙タバコ製品を含む、本発明1062の無煙タバコ製品。
[本発明1064]
容器が、使用済みの無煙タバコ製品の廃棄のための第2の内部空間を画定する、本発明1062または1063の無煙タバコ製品。
[本発明1065]
第2の内部空間が、湿気透過性である、本発明1064の無煙タバコ製品。
[本発明1066]
少なくとも1つの無煙タバコ製品を含む湿気非透過性の内部空間を画定する容器を開封する工程であって、無煙タバコ製品が、無煙タバコと、ポリマー材料を含みかつ30ミクロン未満の直径を有する構造繊維とを含み、構造繊維が、タバコの繊維構造をも保持するよう、無煙タバコと密接に接触しかつタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応して安定化されており、無煙タバコ製品が、構造繊維を含む湿気透過性の多孔質表面および少なくとも10重量パーセントの総オーブン揮発物含有量を有する、工程;
少なくとも1片の無煙タバコ製品を取り出す工程;ならびに
取り出された無煙タバコ製品を、成人タバコ消費者の口内に置く工程
を含む、無煙タバコ製品の使用方法。
[本発明1067]
ポリマー材料と無煙タバコを密接に接触させる工程であって、無煙タバコが繊維構造を含む、工程;
ポリマー材料をそのガラス転移温度より高い温度にしつつ、ポリマー材料をタバコの繊維構造に順応させる工程;ならびに
ポリマー材料をそのガラス転移温度より低い温度にし、ポリマー材料を無煙タバコと接触させた状態で安定化させて、ポリマー材料と無煙タバコとを含む複合タバコ製品を形成する工程であって、複合タバコ製品が、湿気透過性の多孔質表面および少なくとも10重量パーセントの総オーブン揮発物含有量を有する、工程
を含む、無煙タバコ製品の調製方法。
[本発明1068]
無煙タバコ;および
無煙タバコと密接に接触し、かつタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応して安定化されているポリマー材料であって、安定化されたポリマー材料がタバコの繊維構造をも保持している、材料
を含み、湿気透過性の多孔質表面を有する、無煙タバコ製品。
[本発明1069]
無煙タバコ材料および複数のメルトブローポリマー繊維を含む、口内で使用するためのメルトブロー無煙タバコ物品であって、無煙タバコ材料が、成人タバコ消費者の口内に置かれたときに各メルトブロー無煙タバコ物品の結束性を維持するよう、複数のメルトブローポリマー繊維に少なくとも部分的に固定されている、物品。
[本発明1070]
無煙タバコ;および
無煙タバコ物品が成人タバコ消費者の口内に置かれたときに無煙タバコの結束性を維持する手段
を含む、口内で使用するための無煙タバコ物品。
[本発明1071]
ポリマー材料を無煙タバコに対してまたは無煙タバコと共にメルトブローして、無煙タバコと交絡されたまたは無煙タバコをコートしているポリマー繊維を生成することによって製造される、無煙タバコ物品。
別の定義がなされていない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本発明の方法および組成物の属する技術の分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本発明の方法および組成物の実施または試験には本明細書に記載されているのと類似または等価な方法および材料を使用することができるが、以下には適当な方法および材料が記載されている。さらに、材料、方法および実施例は、例示を目的とするにとどまり、限定を意図したものではない。本明細書で言及されているすべての刊行物、特許出願、特許およびその他の参考文献は、それらの全体が参照により組み入れられる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本開示は、ポリマー材料によって固定された無煙タバコを有する製品に関する方法および材料を提供する。ポリマー材料は、無煙タバコと密接に接触し、無煙タバコの繊維構造に順応して安定化される。いくつかの態様においては、100ミクロン未満の直径を有するポリマーストランド(例えば、メルトブローされたポリマーストランド)を無煙タバコに堆積させ、ポリマーストランドをタバコの繊維構造と密接に接触させる。他の態様において、この方法は、ポリマー材料をそのガラス転移温度より高い温度にしつつポリマー材料と無煙タバコを密接に接触させ、ポリマー材料を無煙タバコに順応させる工程を包含し得る。得られる無煙タバコ製品は、湿気透過性の多孔質表面を有し得る。本開示は、一部、得られる複合無煙タバコ製品が成人タバコ消費者に特有の触感および香味の体験を提供するという驚くべき発見に基づいている。特に、ポリマーストランドは、滑らかな口内質感を提供し、使用時には無煙タバコに結合しているが、成人タバコ消費者に無煙タバコへの良いアクセスをもたらすことができる。典型的なポーチ用の紙と比較して、ポリマーストランドは柔らかく、継ぎ目がなく、基本重量が小さく、かつ選択膜としての作用が小さいものであり得る。
【0025】
複合無煙タバコ製品を形成する方法も、本明細書に記載されている。本明細書に記載される方法は、包装、取扱、輸送および成人タバコ消費者による使用時に結束性を維持し分解する可能性が低い製品を提供する。いくつかの態様において、無煙タバコは、製品の外表面に沿って露出しており、そのため、無煙タバコと成人タバコ消費者の頬または歯茎との直接的な接触が実現する。他の態様において、ポリマー材料は、無煙タバコの周りに柔らかく多孔質のコーティングを形成する。本明細書に記載される方法は、典型的なポーチ製造工程を用いて袋詰めするのに適さない無煙タバコ、例えば、平均部分アスペクト比が3を超える無煙タバコ(例えば、ロングカットの無煙タバコ)を内包または交絡させることができる。
【0026】
記載されるポリマー材料と無煙タバコの組み合わせは、柔らかい口内感覚を提供することができる。さらに、特定の態様において、ポリマー材料は、弾性があるまたは変形し易いもの(例えば、ポリマー性ポリウレタン、例えばBayerから入手可能なDESMOPAN DP 9370A)であり、したがって口内での「加工」に良く耐え得る無煙タバコ製品を形成することができる。例えば、無煙タバコ製品は、香味を提供するおよび/または頬と歯茎の間に心地よく順応するよう加工され得る。いくつかの態様においては、成人タバコ消費者の口内に置かれたときにほぐされるがそれでもほぼ結束性を維持する製品を提供するよう、口内安定性および口内溶解性のポリマー材料の組み合わせが、無煙タバコと組み合わされる。ポリマー構造繊維はまた、口内安定性および口内溶解性材料の両方を含み得る、複数の材料の複合物とすることができる。
【0027】
複合無煙タバコ製品は、ポリマー構造繊維を含み得る。構造繊維は、織布または不織布の網を形成し得る。本明細書で使用される場合、「構造繊維」という用語は、取り扱われるときまたは成人タバコ消費者の口内に置かれたときに、複合無煙タバコ製品が結束性を維持できるようにする繊維を表す。本明細書で使用される場合、「不織布」という用語は、交絡により結び付けられたおよび/または化学、熱もしくは溶媒処理によりひとつに結合された繊維から製造される、織布またはニットファブリックの規則的パターンを示さない材料を意味する。無煙タバコは、例えば、ほぐされた状態でまたは塊としてのいずれかで、メルトブローポリマー材料のストリームに投入することができる。いくつかの態様において、メルトブローポリマー材料のストリームは、無煙タバコの周りに柔らかく多孔質のコーティングを形成するよう、無煙タバコをコートするであろう。メルトブローポリマー材料は、無煙タバコをカプセル化することができ、また、無煙タバコの一方の側面をコートし隣接する繊維層とつなぐことができる。他の態様において、無煙タバコは、無煙タバコがポリマー構造繊維の中で交絡されるように、メルトブローポリマー材料のストリームに添加することができる。
【0028】
他の態様において、ポリマー構造繊維は、ポリマー繊維がそれらのガラス転移温度より高い状態のまま、製造しかつ無煙タバコと接触させることができる。ポリマー材料はまた、加熱しその後に無煙タバコに対してプレスすることができ、および/または加熱しつつ無煙タバコに対してプレスすることができる。いくつかの態様において、ポリマー材料は、多孔質のシートまたはウェブである。例えば、ポリマーシートまたはウェブを、ポリマー材料が無煙タバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応するよう、加熱し、無煙タバコに対してプレスすることができる。重層された複合無煙タバコ製品を製造するために、複数のポリマー材料および/または無煙タバコの層が適用され得る。個々のタバコ部分は、無煙タバコの孤立堆積物または塊の対向する側面にポリマー材料を重層し、その後にそのウェブからその部分を切断することによって製造することもできる。
【0029】
無煙タバコをポリマー構造繊維にさらに固定するために、追加のプロセスを使用することもできる。他の複合無煙タバコ製品を製造する方法も想定されているが、以下では様々な複合無煙タバコ製品を製造する様々な方法についてより詳細に議論されている。
【0030】
複合無煙タバコ製品はまた、寸法安定性であり得る。本明細書で使用される場合、「寸法安定性」は、複合無煙タバコ製品がそれ自身の重みの下でその形状を保つことを意味する。いくつかの態様において、複合無煙タバコ製品は、柔軟性を有するが、重力により曲がったり垂れ下がったりさせずに一方の端で持ち上げることができるものである。他の態様において、複合無煙タバコ製品は、容易に変形するものであり得る。例えば、複合無煙タバコ製品を持ち上げたときに垂れ下がるように、緩めに充填されたロングカット無煙タバコは、その端部で結合されたメルトブローポリマー繊維によって、対向する側面をコートされ得る。
【0031】
例示的な包装システムおよび使用方法
図1を参照して、無煙タバコシステム50のいくつかの態様は、ポリマー材料110により安定化された無煙タバコ105を含む1つまたは複数の無煙タバコ製品100を含み得る。ポリマー材料は、ポリマー材料がタバコの繊維構造をも保持するよう、タバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応して安定化され得る。いくつかの態様において、ポリマー材料は、タバコの繊維構造に順応するよう、100ミクロン未満(または50ミクロン未満、または30ミクロン未満、または10ミクロン未満、または5ミクロン未満、または1ミクロン未満、または0.5ミクロン未満、または0.1ミクロン未満、または0.05ミクロン未満、または0.01ミクロン未満)の直径を有する構造繊維の形態である。いくつかの態様において、構造繊維は、0.5から5ミクロンの間の直径を有する。蓋54に嵌る容器52の内部空間51には、複数の無煙タバコ製品100を配置することができる。容器52内に配置された複数の複合無煙タバコ製品100はすべて、実質的に類似の形状を有し得、それによって、成人タバコ消費者は、その中にある類似形状の無煙タバコ製品100のいずれかを選択し、ほぼ同じ分量の無煙タバコ105を受け取ることができるという便宜を与えられる。他の態様において、容器52は、複合無煙タバコ製品のストリップを含むことができ、成人タバコ消費者はそのストリップから小片を切り取り、それを彼または彼女の口内に置くことができる。
【0032】
さらに
図1を参照して、容器52と蓋54は、その中に収容される無煙タバコ製品100の鮮度およびその他の製品品質を維持するよう、連結リム53で開放可能に嵌め合わせることができる。そのような品質は、質感、香味、色、芳香、口内感覚、味、使い易さおよびそれらの組み合わせに関連するものであり得るが、これらに限定されない。特に、容器52は、ほぼ円筒形の形状を有し、基部および内部空間53を少なくとも部分的に画定する円筒形の側壁を含み得る。いくつかの態様において、容器は、湿気非透過性である。特定の容器は、気密性であり得る。容器52に形成される連結リム53は、蓋54のスナップフィット式の嵌め込みを提供する。1つまたは複数の無煙タバコ製品100を保持するために、容器52に加えて、包装の多くのその他の選択肢を利用できることが、本明細書の記載から理解されるであろう。
【0033】
特定の態様において、各無煙タバコ製品100は、その中にタバコを含む小ポーチと同様の様式で口内で使用される構成とすることができる。簡潔に述べると、使用時、システム50は、成人タバコ消費者が成人タバコ消費者の口内に置くための少なくとも1つの複合無煙タバコ製品100を簡単に掴み取ることができ、それによって、各無煙タバコ製品100において既定分量の無煙タバコを受け取ることができるような構成とされ得る。いくつかの態様において、無煙タバコの既定分量は、容器に収容されている他の無煙タバコ製品100の各々とほぼ同じである。例えば、各複合無煙タバコ製品は、0.25から4.0グラムの間の無煙タバコを提供することができる。したがって、システム50は、成人タバコ消費者が、無煙タバコ製品100を彼または彼女の口内に置くごとに同じ分量の無煙タバコを受け取れるようにすることができる。特定の態様において、成人タバコ消費者は、露出しており内包されてもいる無煙タバコを成人タバコ消費者の口内で保有するという、触感および香味の利益を体験することができる。ポリマー材料の外表面(例えば、メルトブローポリマー繊維を含む外表面)の質感は、成人タバコ消費者に、心地良い口内感覚を提供し得る。いくつかの態様において、無煙タバコは、工業的なポーチ製造機に適さないタイプの無煙タバコ、例えば、平均アスペクト比が3を超える無煙タバコ(例えば、ロングカット無煙タバコ)である。いくつかの態様において、外表面は、特有の触感および香味の体験を提供するポリマー繊維110と無煙タバコ105の組み合わせを含む。
【0034】
容器52と蓋54は、成人タバコ消費者がその中に収容されている1つまたは複数の無煙タバコ製品100にアクセスできるように、互いから分離することができる。その後、成人タバコ消費者は、単に無煙タバコ製品100のいずれか1つを掴み取ることによって既定分量の無煙タバコ105を得ることができる(例えば、無煙タバコの量を概算する必要なく)。無煙タバコ製品100の残りの分量は、蓋54を容器52に再度嵌め込むことで、容器52内に格納することができる。使用中、ポリマー材料は、無煙タバコ製品の結束性を維持し、したがって、無煙タバコの実質的部分が離散し、成人タバコ消費者の口内で「浮遊」する可能性を低下させることができる。成人タバコ消費者が製品100を満喫した後、成人タバコ消費者は、その製品100を彼または彼女の口から取り出し、廃棄することができる。いくつかの態様において、容器52は、使用済みの無煙タバコ製品を受け入れるための追加の保管部(例えば、湿気透過性の保管部)を有する。
【0035】
製造方法
無煙タバコ製品を製造する1つの方法は、100ミクロン未満(または50ミクロン未満、または30ミクロン未満、または10ミクロン未満、または5ミクロン未満、または1ミクロン未満、または0.5ミクロン未満、または0.1ミクロン未満、または0.05ミクロン未満、または0.01ミクロン未満)の直径を有するポリマーストランドを無煙タバコに向けて送り、ストランドをタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応させる工程を包含する。いくつかの態様において、ポリマーストランドは、0.5から5ミクロンの間の直径を有する。他の態様において、ポリマーストランドは、無煙タバコと共に送達され、ポリマーストランドが無煙タバコの繊維構造に順応するよう表面に対して送られる。ストランドは、ポリマーのガラス転移温度より低い温度で無煙タバコと接触し得るが、ストランドの寸法により、その繊維性ポリマーはタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応し得る。ポリマーストランドは、ひとたび位置につくと、本明細書で議論されている構造繊維を形成し得る。いくつかの態様において、以下で議論されているように、ストランドは無煙タバコに対してまたは無煙タバコと共にメルトブローされる。
【0036】
無煙タバコ製品を製造する別の方法は、ポリマー材料をそのガラス転移温度より高い温度にしつつポリマー材料と無煙タバコを密接に接触させて、ポリマー材料をタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応させる工程を包含する。ポリマー材料は、ポリマー材料をそのガラス転移温度より低い温度にすることにより、無煙タバコと接触した状態で安定化され得る。無煙タバコとポリマー材料を接触させるプロセスおよびポリマー材料をタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応させるプロセスは、段階的にまたは同時に実施することができる。いくつかの態様においては、そのガラス転移温度より高い温度を有するポリマー材料を無煙タバコと密接に接触させ、その接触が、ポリマー材料をタバコの繊維構造のトポグラフィーに順応させるであろう。他の態様においては、ポリマー材料と無煙タバコの組み合わせを接触させた状態で加熱することで、ポリマー材料をタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応させることができる。
【0037】
これらのプロセスは、得られる複合タバコ製品が、湿気透過性の多孔質表面および4から61重量パーセントの間の総オーブン揮発物含有量を有するよう制御することができる。いくつかの態様において、このプロセスは、少なくとも30重量パーセントの総オーブン揮発物含有量を有するよう制御される。
【0038】
メルトブロープロセス
ポリマー材料と無煙タバコを密接に接触させる1つの方法は、無煙タバコに対してポリマー材料をメルトブローすることによるものである。いくつかの態様において、メルトブローポリマー繊維は、無煙タバコとの接触の前に、それらのガラス転移温度より低い温度まで急速に冷却される。メルトブローポリマー繊維は、100ミクロン未満、50ミクロン未満、30ミクロン未満、10ミクロン未満、5ミクロン未満、1ミクロン未満、0.5ミクロン未満、0.1ミクロン未満、0.05ミクロン未満、または0.01ミクロン未満の直径を有し得る。いくつかの態様において、メルトブローポリマー繊維は、0.5から5ミクロンの間の直径を有し得る。メルトブローポリマー繊維(ストランド)のフローおよびメルトブロー装置から出てくるときのポリマー繊維の寸法は、メルトブロー繊維と無煙タバコの間の密接な接触を生じ、メルトブローポリマー繊維をタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応させる。
【0039】
メルトブローポリマー繊維は、他の態様において、無煙タバコとの接触時にポリマーのガラス転移温度より高い温度を維持し、それによってタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応するよう、メルトブロープロセス由来の十分な潜熱を保持している。さらに他の態様において、メルトブローポリマー繊維と無煙タバコの複合物は、メルトブローポリマー繊維をタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応させるために、後から、ポリマーのガラス転移温度より高い温度まで加熱することができる。さらに他の態様において、メルトブロープロセスは、他のプロセスに加えて、ポリマー材料のウェブを形成するのに使用することができ、これをその後に無煙タバコと組み合わせ、複合無煙タバコ製品を形成するために加熱することができる。
【0040】
メルトブローポリマー繊維110は、メルトブロー装置120を用いて製造することができる。メルトブローは、押し出しダイを通じて溶融ポリマー樹脂を押し出し、気体を投入してフィラメントを
延伸してポリマー繊維を生成する押し出しプロセスである。気体は、各スピナレットを囲むオリフィスを通じて高速で吹き出す加熱した空気であり得る。他の態様においては、熱した空気の層が、スピナレットの列の間のスロットを通じて吹き出し - ポリマー材料のストランドが、2つの空気の層の間に捕捉されることによって漸先形(attenuate)にされる。漸先形化用の気体(例えば、加熱した空気)を送達する他の方法も可能である。
【0041】
ポリマー繊維は、可動性のコンベヤまたはキャリア上に堆積され得る。
図2A-10は、例示的なメルトブロー装置120およびメルトブロー繊維110と無煙タバコ105を組み合わせるための配置を示している。他のメルトブロー装置は、参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第4,380,570号;同第5,476,616号;同第5,645,790号;および同第6,013,223号ならびに米国特許出願US 2004/0209540;US 2005/0056956;US 2009/0256277;US 2009/0258099;およびUS 2009/0258562に記載されている。
【0042】
ここで
図2A、2Bおよび3を参照して、メルトブロー装置120は、複数のポリマーオリフィス122を通じて低溶融粘度の溶融ポリマーを押し出すポリマー押し出し機121を含み得る。メルトブロー装置120は、ポリマーが確実にその融点より高い望ましいメルトブロー温度を維持するよう、ポリマーがメルトブロー装置120を通じて移動している間にそれを加熱する1つまたは複数の加熱装置123を含む。溶融ポリマー材料がポリマーオリフィス122から出てくると、そのポリマー材料は、1つまたは複数の空気オリフィス124を通じて平行なフローとして吹き出している気体によって音速付近まで加速される。空気オリフィス124は、ポリマーオリフィス122に隣接させることができる。
図2Bに示されるように、空気オリフィス124は、各ポリマーオリフィス122を取り囲むものであり得る。ポリマーオリフィス122と周囲の空気オリフィス124の各組み合わせは、スピナレット129と呼ばれる。例えば、メルトブロー装置120は、1平方インチあたり10から500個の間のスピナレット129を有し得る。ポリマーオリフィス122および気体オリフィス124を通る気体の速度は、100ミクロンまたはそれ未満の繊維を形成するよう組み合わせることができる。いくつかの態様において、スピナレットは各々、30ミクロンまたはそれ未満のポリマーオリフィス径を有する。いくつかの態様において、繊維は、0.5ミクロンから5ミクロンの間の直径を有する。繊維の直径に影響する因子には、スループット、溶融温度、空気温度、空気圧およびドラムからの距離が含まれる。いくつかの態様において、スピナレット129は各々、900ミクロン未満のポリマーオリフィス径を有する。いくつかの態様において、スピナレット129は各々、少なくとも75ミクロンのポリマーオリフィス径を有する。平均ポリマーオリフィス径は、75ミクロンから900ミクロンの範囲であり得る。特定の態様において、平均ポリマーオリフィス径は、150ミクロンから400ミクロンの間であり得る。特定の態様において、約180ミクロン、約230ミクロン、約280ミクロンまたは約380ミクロンのポリマーオリフィス径が使用される。
【0043】
図2Aおよび3に示されるように、無煙タバコ105は、キャリア111または132上に堆積され、メルトブロー装置120を通過して移送される際にスピナレット129のアレイから出てくるメルトブローポリマーのストリーム230を通され、それによって無煙タバコ105の上にメルトブローポリマー繊維110が堆積される。いくつかの態様において、メルトブローポリマー繊維110は、スピナレット129から出てきたときに急速に冷却され、そのポリマーのガラス転移温度より低い温度で無煙タバコと接触される。しかし、そのモメンタムおよび繊維の寸法により、メルトブローポリマー繊維は、タバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応する。他の態様において、メルトブローポリマーストランドは、メルトブローポリマー繊維を無煙タバコと接触させるときに、そのポリマーのガラス転移温度より高い温度で維持され得、それによって無煙タバコが、少なくとも一部がタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応したメルトブローポリマー繊維によって固定される。無煙タバコは、メルトブロープロセスの間に、メルトブローポリマー繊維の不織布の網の中で絡合され得るまたはその不織布の網によってコートされ得る。特定の態様において、無煙タバコ105は、スピナレット129の下を通過する前に、圧縮される(例えば、機械的圧縮プロセスに供される)。
【0044】
図2Aおよび3は、堆積した無煙タバコ105を圧縮するコンベヤ12を示している。無煙タバコ105は、ポリマー繊維110をメルトブローする前に、所望の厚みおよび密度まで事前に圧縮することができる。例えば、メルトブローポリマー繊維の適用前の圧縮無煙タバコ層の厚みは、1mmから5mmの間、3mmから10mmの間、.5cmから2cmの間、または1cmから3cmの間であり得る。圧縮無煙タバコ層の上に堆積されるポリマー繊維層は、10ミクロンから100ミクロンの間、50ミクロンから500ミクロンの間、100ミクロンから1000ミクロンの間、0.5mmから5mmの間または1mmから10mmの間の厚みを有し得る。例えば、複数の無煙タバコ層ならびに複数のメルトブローおよび/またはスパンボンド構造繊維層を交互に堆積することができる。いくつかの態様において、ポリマー繊維層は、15gsm以下、12gsm以下、9gsm以下、6gsm以下、または3gsm以下の基本重量を有し得る。いくつかの態様において、ポリマー繊維は、1gsm以上、4gsm以上、7gsm以上、10gsm以上、または13gsm以上の基本重量を有し得る。例えば、基本重量は、2gsmから10gsmの間であり得る。
【0045】
示されていない他の態様において、無煙タバコ105は、ほぐされた形態で堆積され、メルトブローポリマー繊維110の堆積の前に圧縮されない。例えば、無圧縮無煙タバコは、ロングカット無煙タバコであり得る。メルトブローの構成は、コンベヤ12を含まないこと以外は
図2Aおよび3に示されているようなものであり得る。無圧縮無煙タバコ層は、例えば、0.1インチから3.0インチの間の厚みを有し得る。いくつかの態様においては、0.1から1.0インチの間の厚みの複数の無圧縮無煙タバコ層が、各々10から100ミクロンの間、50ミクロンから500ミクロンの間、100ミクロンから1000ミクロンの間、0.5mmから5mmの間または1mmから10mmの間の厚みを有するメルトブローポリマー繊維層である、一つおきのポリマー繊維層に沿って連続的に堆積される。いくつかの態様において、ポリマー繊維層は、メルトブロー繊維とスパンボンド繊維の間で交互に入れ替えられる。得られるウェブは、所望の寸法を有する複合無煙タバコ製品100を形成するよう、幅方向、長さ方向、および厚み方向に切断され得る。例えば、1インチ×1インチ×0.1インチの寸法を有する複合無煙タバコ製品100は、(a)0.1インチ厚のタバコおよびポリマー材料の複合ウェブを形成してこれを1インチ平方に切断する;または(b)1インチ厚のタバコおよびポリマー材料の多層複合物を形成してこれを0.1インチごとの小片に薄切りする、ことによって製造され得る。
【0046】
他の態様においては、0.25から3.0インチの間の厚みを有する無圧縮無煙タバコ層が、10から100ミクロンの間の厚みを有するメルトブロー繊維層でコートされ、その後に、無煙タバコをメルトブローポリマー繊維により強固に固定する処理がなされ得る。いくつかの態様においては、無煙タバコをバラバラにし、無煙タバコの一部をメルトブローポリマー繊維の不織布の網の中に絡合させるのに、メルトブローポリマー繊維のフローが使用される。メルトブロー装置120から出たメルトブローポリマー繊維のフローを通過する際に無煙タバコをバラバラにするのに、空気のジェット流または送風機を使用することもできる。
【0047】
いくつかの状況において、
図2Aに示されるように、キャリア111は、最終的なメルトブロー無煙タバコ製品100に繊維を提供せず、メルトブロープロセスを完了した後に容易に剥離または除去することができる裏当て層を含み得る。いくつかの態様において、無煙タバコ/メルトブローポリマー繊維の複合物は、無煙タバコをメルトブローポリマー繊維にさらに固定するために、さらに処理される。例えば、無煙タバコ/メルトブローポリマー繊維の複合物は、ニードルまたは加熱処理され得る。他の態様において、無煙タバコ/メルトブローポリマー繊維の複合物は、無煙タバコ層が折り重ねられた複合無煙タバコ製品の外表面を形成するよう、折り重ね熱で結合され得る。
【0048】
図3に示されるような他の態様において、無煙タバコ105は、ウェブ132上に堆積され得、そして無煙タバコ105は、ウェブ132とメルトブローポリマー繊維110の間で固定され得る。ウェブおよびメルトブローポリマー繊維は、例えば、加熱および加圧、超音波ボンド技術、電波ボンド技術、水流交絡および/またはニードル技術を用いて結合され得る。ウェブ132は、薄いおよび/または多孔質のものであり得る。いくつかの態様において、ウェブ132は、30ミクロン未満の厚みである。いくつかの態様において、ウェブ132は、15gsm未満の基本重量を有し得る。ウェブ132は、別のメルトブロープロセス、スパンボンドプロセスにおいて形成されるかまたは他のプロセスを用いて形成され得る。いくつかの態様において、ウェブ132は、ポリマー材料を含む。ウェブ132は、いくつかの態様において、天然繊維、例えば綿の不織布を含み得る。
【0049】
複数の無煙タバコ105およびメルトブローポリマー繊維110の層は、所望の厚みとなるよう構築することができる。例えば、メルトブロー無煙タバコ製品は、0.1から1.0インチの間の厚みを有し得る。したがって、いくつかの態様においては、メルトブローポリマー繊維層と無煙タバコ層が交互に堆積されるよう、複数のメルトブロー装置120および/または無煙タバコ分注機がコンベヤシステムに沿って交互に配列される。コンベヤシステムの速度ならびにメルトブローポリマー繊維および無煙タバコの堆積率を制御することにより、上記の範囲の厚みを有するよう各層の厚みを制御することができる。いくつかの態様において、各層の厚みは、各メルトブローポリマー繊維層が、それより前に堆積されたタバコ層と均一に混合されるよう、十分に薄いものである。次いで、隣接するポリマー繊維層のポリマー繊維は、無煙タバコ105が不織布ファブリックの中で実質的に均一に分布している固形の無煙タバコ製品100を形成するよう、結合され得る。他の態様において、無煙タバコの濃度は、異なるメルトブローポリマー層の間で変化させることができる。例えば、内側の層は、低濃度の無煙タバコを有し得る。特定の態様において、無煙タバコの層または堆積物は、無煙タバコをメルトブローポリマー繊維全体に分布させるよう、メルトブロープロセスの間にまたはその直前に、バラバラにされ得る。例えば、キャリア11またはウェブ132の下に空気のジェット流を設け、無煙タバコの少なくとも一部をスピナレット129から落ちてくるポリマー繊維の「滝」230の中に射出することができる。
【0050】
図4A〜Cに示されるようなさらに他の態様においては、無煙タバコ105の孤立堆積物を堆積させ、そして繊維材料層を、無煙タバコの各孤立堆積物の周縁140を囲むように結合させることができる。例えば、無煙タバコ105の孤立堆積物を、不織布ファブリック132の上に堆積させることができる。いくつかの態様において、孤立堆積物は、アスペクト比が3を超える無煙タバコ(例えば、ロングカット無煙タバコ)を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数のコンベヤ部分が、各孤立堆積物のサイズを決め、圧縮し、および/または位置を決めるような形状になっている。他の態様において、無煙タバコは、ほぐされた形態で堆積される。いくつかの態様において、無煙タバコのほぐされた堆積物は、その結合を補助する結合剤を含み得る。例えば、ほぐされた無煙タバコ堆積物は、0.5重量パーセント未満の結合剤(例えば、0.1重量パーセントのグアーガム、キサンタンガム、セルロースエーテルまたはそれらの類似物もしくは組み合わせ)を含み得る。例えば、いくつかの態様において、コンベヤ12は、規定の孤立堆積物のサイズおよび形状に対応する凹み、空洞および/または突起を含み得る。各孤立堆積物は、ポーチ式の無煙タバコ製品において一般的に見られる無煙タバコ量(例えば、約0.25から4.0グラムの間)にほぼ対応するものであり得る。例えば、無煙タバコ製品は、約2.5グラムの無煙タバコを含み得る。次いで、メルトブローポリマー繊維110を、連続層として、不織布ファブリック132および孤立堆積物105の上に堆積することができる。メルトブローポリマー繊維110を、ウェブ132に結合し、タバコの繊維構造の一部の表面トポグラフィーに順応させることができる。次いで、この複合物をダイカットし、包囲された無煙タバコの孤立堆積物を分離することができる。例えば、繊維材料によって包囲された無煙タバコの孤立堆積物のシートを、
図4Cに示される線に沿ってダイカットすることができる。
【0051】
ウェブ132は既製のものであり得る。
図5を参照して、既製のウェブ132を、無煙タバコ105の孤立堆積物に対応する空洞505を有するスクリーン500の上に堆積することができる。いくつかの態様において、スクリーン500は、ウェブ132と共に、加熱装置510(例えば、加熱ランプ)を通過して移動するものであり得る。無煙タバコ105の孤立堆積物(例えば、成形された無煙タバコの塊の形態のもの)は、ウェブ132が空洞に順応するよう、ウェブ上の、空洞505に相当する位置に堆積することができる。他の態様において、ウェブ132をスクリーン500上にメルトブローすることができ、それによってその位置で形成された空洞を有するウェブ132が形成される。さらに他の態様においては、空洞内の複数の無煙タバコの孤立堆積物に対してポリマーをメルトブローし、次いで得られたポリマー繊維と無煙タバコ堆積物の複合物を裏返し、その反対側をメルトブローポリマー繊維でコートすることができる。
【0052】
無煙タバコは、メルトブロースピナレットのアレイから出てきたメルトブローポリマー繊維のストリーム230に無煙タバコ105の塊を投下することによって、ポリマー材料の層でカプセル化することもできる。
図6Aおよび6Bを参照して、無煙タバコ塊105は、それらがメルトブロー繊維のストリーム230への投下中に結束性を維持するように形成され得る。メルトブロー繊維は、無煙タバコ塊105と衝突する際、そのポリマーのガラス転移温度より高いまたは低い温度であり得る。いくつかの態様においては、ストリーム610への投下の際に無煙タバコ塊105を回転させ、ポリマー繊維による塊の被覆を増大させるために、空気のストリームを使用することができる。このプロセスによって無煙タバコ塊105が十分にカプセル化されない場合、下流のプロセスにおいて塊の裏側をシールすることもできる。余分なメルトブロー繊維は、真空ロール212に巻き付け、次いで巻き取りロール218に巻き付けて、可能性のある他の作業で使用することができる。いくつかの態様において、無煙タバコ塊105は、0.5重量パーセントから5.0重量パーセントの間の量で、1つまたは複数の結合剤、例えば親水コロイドを含む。特定の態様において、無煙タバコ製品は、0.5から1.5重量パーセントの間の結合剤を含む。例えば、既製の無煙タバコ製品は、グアーガム、キサンタンガム、セルロースエーテルまたはそれらの類似物もしくは組み合わせを含む、0.6から0.8重量パーセントの間の結合剤を含み得る。いくつかの態様において、無煙タバコ塊は、参照により本明細書に組み入れられる米国仮出願61/421,931に記載される組成を有し、かつ同出願に記載される特性も有し得る。
【0053】
図2A、3および4Aに戻って、メルトブロー繊維110、無煙タバコ105およびキャリア11またはウェブ132は、メルトブロープロセスの間、プラットフォーム7によって支持される。いくつかの態様において、プラットフォームは、スピナレット129の位置の下の領域で真空を形成するようになっている。この真空は、メルトブローポリマー繊維をプラットフォーム7の方に引き寄せることができ、かつ繊維の結合を補助し得る。多孔質の層(多孔質キャリア11またはウェブ132、多孔質の無煙タバコ層105等)は、メルトブローポリマー繊維が真空によりプラットフォーム7の方に引き寄せられるようにする。特定の態様において、プラットフォーム7の真空セクションの直前に無煙タバコをバラバラにするための空気のストリームを配置することができる。いくつかの態様において、プラットフォーム7は、回転真空ドラム212または真空チャンバ上を通過する可動コンベヤ214で置き換えられる。いくつかの態様においては、メルトブロープロセスの間に真空が使用されず、それによって初期メルトブロープロセスの間によりランダムな繊維分布およびより少ない繊維間結合が達成され得る。
【0054】
ここで
図7Aおよび7Bを参照して、メルトブロー装置120'は、メルトブロープロセスの間に無煙タバコ105を送達する構成とすることもできる。ポリマー押し出し機121を含むことに加えて、メルトブロー装置120'は、ポリマー材料がポリマーオリフィス122から出てきたときにメルトブローポリマー繊維110と混合されるよう無煙タバコ105を送達するタバココンベヤ125も含む。
図7Bに示されるように、タバコ送達オリフィス126は、ポリマーオリフィス122および空気オリフィス124の近くに設置され得る。
図7Bは、他の図と同様、原寸通りではない。実施の際、タバコ送達オリフィス126は、ポリマーオリフィス122よりも1から数オーダー大きなものであり得る。他の態様において、タバコ送達オリフィス126は、1つまたは複数列のスピナレット129の間に整列され得る。タバコ送達オリフィス126の正確な寸法および配置は、個々の無煙タバコの特性および選択された送達方法に依存するであろう。いくつかの態様において、無煙タバコ105は、目詰りを回避するために、メルトブロー装置120'を通じて空気圧で移送され得る。他の態様においては、振動コンベヤが使用され得る。無煙タバコ105とメルトブローポリマー繊維110の組み合わせをコンベヤベルト11上に堆積させ、均等物101を形成することができる。無煙タバコがメルトブローポリマー繊維と絡合すると、ポリマー繊維はタバコの繊維構造の一部の表面トポグラフィーに少なくとも部分的に順応し得る。コンベヤベルト11の速度は、所望の厚み(例えば、0.1から1.0インチの間)にするために制御することができる。均等物101は、その後、メルトブロー無煙タバコ製品100を形成するため、所望の形状となるようダイカットされ得る。いくつかの態様において、無煙タバコ105は、メルトブローポリマー繊維110と共に、無煙タバコ層105の上に共堆積される。例えば、
図2および3のメルトブロー装置120は、
図7Aおよび7Bのメルトブロー装置120'と置き換えられ得る。いくつかの態様において、コンベヤベルト11は、真空チャンバの上を通される、または、コンベヤベルトは、回転真空ドラムと置き換えられ得る。他の態様においては、メルトブロープロセスの間に真空が使用されない。
【0055】
ここで
図8を参照して、ほぐされた無煙タバコ105は、高速の繊維のストリーム230aおよび230bに入るよう送られ得る。タバコがストリーム230aおよび230bに入り込むことで、タバコの繊維構造がポリマー繊維と絡合される。いくつかの態様において、繊維は、繊維がそのガラス転移温度より高いまたは低い温度でほぐされた無煙タバコと接触し、ポリマー繊維がタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに少なくとも部分的に順応するよう、メルトブローされる。無煙タバコ製品100を所望の寸法に切断するために、切断装置850を使用することができる。いくつかの態様において、異なるメルトブロー装置120aおよび120bは、どちらも材料、寸法、さらにはプロセスの点で異なる構造繊維110を送達し得る。例えば、いくつかの態様において、1つの押し出し機がメルトブローポリマー繊維を提供し、第2の押し出し機がスパンボンド繊維を提供する。いくつかの態様において、複合無煙タバコ製品は、口内安定性の構造繊維および口内溶解性の繊維の組み合わせを含む。
【0056】
口内安定性の構造繊維は、あらゆる押し出し可能なポリマー、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、PVC、ビスコース、ポリエステルおよびPLAを含むことができる。いくつかの態様において、口内安定性の構造繊維は、低抽出性を有し、FDAの食品接触物(food contact)の承認を有し、および/またはGMPの承認を得た供給元によって製造されたものである。特に望ましいのは、処理が容易でありかつ口内使用の承認(例えば、品質、低抽出性、FDAの食品接触物の承認を有すること、供給元がGMPの承認を得ていること)を比較的受けやすい材料である。口内安定性の構造繊維はまた、天然繊維、例えば綿またはビスコース(溶媒延流)を含むことができる。いくつかの態様において、口内安定性の構造繊維は、エラストマーである。エラストマーは、伸長性および強度に優れたウェブを提供することができる。適当なエラストマーには、VISTAMAX(ExxonMobil)およびMD-6717(Kraton)が含まれる。いくつかの態様において、エラストマーは、1:9から9:1の範囲の比率で、ポリオレフィンと組み合わせることができる。例えば、エラストマー(例えば、VISTAMAXまたはMD-6717)は、ポリプロピレンと組み合わせることができる。
【0057】
口内溶解性の繊維は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVOH)、PVP、ポリエチレンオキシド(PEO)、デンプン等から製造されるものであり得る。これらの繊維は、香味料、甘味料、粉砕タバコおよびその他の官能成分を含むことができる。繊維は、押し出しまたは溶媒プロセスによって形成することができる。ここで
図9を参照して、無煙タバコ材料105は、送風機418によって、水平メルトブロープロセスにおいてダイから出てきたメルトブローポリマー繊維のストリーム230に吹きつけることができる。構造繊維110と絡合した無煙タバコ105のストリームは、真空ドラムの対212aおよび212bの間に集めてカレンダ処理することができる。カレンダ処理は、ポリマー繊維をひとつに結合し、さらなる結束性を提供するために、任意で熱(加熱または潜熱のいずれか)と組み合わせて使用することができる。
【0058】
ポリマー材料を冷却するために、水蒸気を使用することができる。例えば、水蒸気を溶融したポリマー材料のストランドのストリームに送り、ポリマーストランドを「急冷(quench)」し、繊維を形成することができる。細かい水蒸気の霧は、ストランドをポリマーのガラス転移温度より低い温度に急速に冷却することができる。いくつかの態様において、急冷したメルトブロー繊維は、改善された柔らかさおよび繊維/ウェブの引張強度を有し得る。
【0059】
ポリマー材料を形成する他のプロセス
スパンボンド
無煙タバコと組み合わせるためのポリマー材料を提供するのに、スパンボンドプロセスを使用することもできる。いくつかの態様においては、メルトブローポリマー繊維とスパンボンドポリマー繊維の交互の層が、無煙タバコと組み合わされる。スパンボンドプロセスとメルトブロープロセスは、機器および作業者の視点である程度類似しており、無煙タバコは実質的に類似の様式でこれらのプロセスに添加することができる。典型的なメルトブロープロセスと典型的なスパンボンドプロセスの間の2つの大きな違いは:i)フィラメントを漸先形にするのに使用される空気の温度および容積;ならびにii)フィラメントを
延伸するまたは漸先形にする力を加える場所である。メルトブロープロセスは、フィラメントを漸先形にするのに比較的多量の高温の空気を使用する。空気の温度は、ポリマーの溶融温度と同じまたはわずかに高いものであり得る。これに対して、スパンボンドプロセスは一般に、最初に繊維を急冷し、次いでその繊維を漸先形にするのに大気温度に近い少量の空気を使用する。メルトブロープロセスにおいては、
延伸するまたは漸先形にする力は、ポリマーがまだ溶融状態にある段階でダイの先端に加えられる。この点に力を加えることで、マイクロファイバーを形成することができるが、高分子配向は実現しない。スパンボンドプロセスにおいては、この力は、ポリマーが冷却され固化した後に、ダイまたはスピナレットからある程度離れた点に加えられる。この点に力を加えることで、高分子配向に必要な条件が提供されるが、マイクロファイバーの形成には寄与しない。したがって、スパンボンドプロセスは、上記と実質的に同じプロセスで、ウェブを形成するおよび/またはポリマー材料と無煙タバコを組み合わせるのに使用することができる。スパンボンドポリマー繊維は、いくつかの態様において、スパンボンドポリマー繊維がタバコの繊維構造の一部の表面トポグラフィーに少なくとも部分的に順応するよう無煙タバコと接触させる際またはその直前に加熱され得る。
【0060】
エレクトロスピン
エレクトロスピンは、10nmから数百ナノメートルの範囲の直径の繊維を紡績するプロセスであり;典型的には、ポリマーは、水または有機溶媒に溶解される。このプロセスは、細いオリフィスまたはスピナレットの先端から出た繊維を紡績するために静電気的および機械的な力を使用する。スピナレットは、DC電源により正または負電荷で維持される。静電気的反発力がポリマー溶液の表面張力を上回ったとき、液体はスピナレットから溢れ出し、極細の連続フィラメントを形成する。これらのフィラメントは、スピナレットのそれと反対電荷の下にある電極を有する回転または固定収集装置上に集められ、そこでそれらは蓄積し、ひとつに結合して、ナノ繊維ファブリックを形成する。エレクトロスピンナノ繊維は、いくつかの態様において、口内で溶解するようにすることができる。例えば、繊維は、可溶性ポリマー、例えばHPC、HPMCまたはPVOHの水(または他の溶媒)溶液から紡績することができ;これらの繊維は、香味料、甘味料、粉砕タバコまたはその他の官能成分を含むことができる。例えば、複合無煙タバコ製品100のバルクは、粗め〜きめ細かなフィラメントから設計され、エレクトロスピンナノ繊維ウェブと組み合わされた1つまたは複数のメルトブロー層から製造することができる。メルトブローおよび/またはスパンボンド層は安定性を提供することができ、外側のエレクトロスピンナノ繊維層は滑らかさを改善することができる。いくつかの態様において、エレクトロスピン繊維は、特有の質感を提供するために、切り刻まれ、ポリマー構造繊維(例えば、メルトブローまたはスパンボンド繊維)と混合され、そして構造繊維の網の中で熱的に結合される。いくつかの態様においては、サーマルボンドプロセスにより、エレクトロスピンポリマー繊維をタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応させることができる。
【0061】
フォーススピン
フォーススピンは、回転ドラムおよびノズルを用いて10nmから500nmの範囲の直径の繊維を紡績するプロセスであり、綿菓子製造機とよく似たものである。このプロセスは、ノズルから出た繊維を紡績するために、静水圧および遠心圧の組み合わせを使用する。例えば、フォーススピンの1つのタイプは、ロータリージェットスピンであり、この方法では、ポリマー材料は、制御可能なモータの上にあるリザバーで保持され、そして高速回転ノズルから押し出される。フォーススピンナノ繊維は、いくつかの態様において、口内で溶解するようにすることができる。例えば、繊維は、可溶性ポリマー、例えばHPC、HPMCまたはPVOHの水(または他の溶媒)溶液からフォーススピンすることができ;これらの繊維は、香味料、甘味料、粉砕タバコまたはその他の官能成分を含むことができる。複合無煙タバコ製品100のバルクは、粗め〜きめ細かなフィラメントから設計され、フォーススピンナノ繊維ウェブと組み合わされた1つまたは複数のメルトブロー層から製造することができる。メルトブローおよび/またはスパンボンド層は安定性を提供することができ、外側のフォーススピンナノ繊維層は滑らかさを改善することができる。いくつかの態様において、フォーススピン繊維は、特有の質感を提供するために、切り刻まれ、ポリマー構造繊維(例えば、メルトブローまたはスパンボンド繊維)と混合され、そして構造繊維の網の中で熱的に結合される。いくつかの態様においては、サーマルボンドプロセスにより、フォーススピンポリマー繊維をタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応させることができる。
【0062】
ポリマーウェブ形成プロセス
ポリマー繊維を処理してウェブにするために、乾式積層(Drylaying)および湿式積層(Wetlaying)プロセスを使用することもできる。乾式積層プロセスは、一般には天然繊維に使用されるものであり、これは一組のピンを使用して繊維のかたまりを整列させることができる。湿式積層技術は、製紙技術と似ており、これもポリマー繊維を配列するのに使用することができる。乾式積層および/または湿式積層プロセスによって処理されたポリマー構造繊維を、無煙タバコと組み合わせ、そしてポリマー構造繊維がタバコの繊維構造の一部の表面トポグラフィーに少なくとも部分的に順応するよう加熱することができる。無煙タバコは、乾式積層または湿式積層プロセスの前、最中または後にポリマー繊維と組み合わせることができる。いくつかの態様においては、これらのプロセスが、ポリマー繊維のウェブを製造するのに使用され、そしてそのウェブが、無煙タバコと接触した状態に置かれ、そのウェブと無煙タバコの組み合わせが、ポリマー材料をタバコの繊維構造に順応させるようポリマーのガラス転移温度より高いまたは低い温度に加熱され、そして、複合製品を安定化させるために冷却される。いくつかの態様において、無煙タバコとポリマー繊維は、加熱前に交絡される(例えば、以下で議論されるようなニードル処理によって)。
【0063】
その他のポリマー材料の形態
ポリマー材料を押し出し整列させ、ポリマーシートにすることもできる。いくつかの態様において、ポリマー材料は、ポリマー材料の多孔質シートである。孔は、押し出しプロセス後に溶解し得る犠牲材料(例えば、塩)を含めることによって生成することができる。多孔質ポリマーシートは、様々な他の技術を使用して製造することもできる。ポリマー材料を無煙タバコに接して置き、加熱することで、プラスチックウェブをタバコの繊維構造の一部の表面トポグラフィーに少なくとも部分的に順応させることができる。
【0064】
追加の処理
いくつかの状況において、無煙タバコをポリマー材料にさらに固定するために、追加のプロセスを使用することができる。これらのプロセスは、ポリマー材料をタバコの繊維構造に順応させる前または後に実施することができる。いくつかの態様において、これらのプロセスには、機械的な交絡、例えば、ニードル、ニードルパンチ、ニードルフェルト、スパンレースおよび水流交絡が含まれる。
【0065】
ニードルパンチとしても公知のニードル処理は、有刺ニードル(barbed needle)のアレイを繊維のウェブに突き刺し、繊維の房を垂直方向に運ぶことによってファブリックを機械的に形成するプロセスである。いくつかの態様においては、ポリマー繊維と無煙タバコの混合物を形成するため、ポリマー繊維を無煙タバコと共にニードル処理することができる。ニードル処理は、ポリマー繊維をタバコの繊維構造の少なくとも一部の表面トポグラフィーに順応させた後に、複合無煙タバコ100をさらに交絡させるために使用することができる。ここで
図10を参照して、無煙タバコ/ポリマー繊維の複合物は、ポリマー繊維のストリーム230を無煙タバコの上に堆積させた後に、さらにニードル織機のビーム65に移送され得る。ニードル織機のビーム65は、ニードル64がプレート67および69の対応する穴に突き入り、突き出るように上下に往復するよう構成される。その際、ニードルはポリマー繊維110、無煙タバコ105およびウェブ132の繊維を突き刺し、各ニードル64のブレードのトゲは、その下方への動作の中で、タバコ繊維を含むいずれかの繊維を掴み、これらの繊維を突き入った深さまで運ぶことができる。ニードル64の往復は、ローラ11、12、13および14が複合物をニードル織機60を通して移送する間に繰り返し行われ、ニードルは繊維を水平方向中心からほぼ垂直方向に再配向させる。
【0066】
水流交絡としても公知のスパンレースは、繊維をひとつに固定するのに流体力を使用するプロセスである。例えば、細かい水のジェット流を、コンベヤベルトによって支えられている構造繊維のウェブに通し、構造繊維同士および/または構造繊維とタバコの繊維構造を交絡させることができる。交絡は、水流がウェブに衝突し、繊維が反り返ることで起こる。ウェブ内での激しい撹拌により、繊維が交絡される。いくつかの態様において、スパンレースプロセスは、ポリマー構造繊維をタバコの繊維構造の少なくとも一部の表面トポグラフィーに順応させる前に、無煙タバコとポリマー構造繊維のウェブを交絡させるのに使用される。いくつかの態様において、無煙タバコは、スパンレースプロセスの間、可溶性成分を保持するよう処理またはカプセル化される。いくつかの態様において、可溶性のタバコ成分は、スパンレースプロセスの前に無煙タバコから抽出され、そして乾燥後に最終スパンレース処理製品に戻される。いくつかの態様において、スパンレース用の液体は、香味料またはその他の添加物の溶液である。
【0067】
スパンレースと同様、無煙タバコおよびポリマー繊維はまた、繊維を交絡させるために、高速の気体のストリームを用いて空気ジェット交絡処理され得る。他の態様において、空気のジェット流は、構造繊維の熱による結合の前に無煙タバコと構造繊維を絡合するのに使用され得、それによって結束性および/または寸法安定性を有する複合無煙タバコ製品100が形成される。
【0068】
化学的な結合も、無煙タバコ製品をさらに固定するのに使用することができる。例えば、ビーズまたは小さなランダム形状の形態の接着性材料をポリマー繊維の網に絡合させ、それを加熱および/または加圧により活性化させて網に結合させることができる。いくつかの態様において、熱は、ポリマー材料をタバコの繊維構造に順応させる上で、ケミカルボンド剤を活性化するためおよびポリマー材料をそのガラス転移温度より高いまたは低い温度にするための両方に使用される。いくつかの態様において、シリコーンまたは酢酸ポリビニルが、化学接着剤として使用される。いくつかの態様においては、アルギン酸ナトリウムが網に添加され、その後にカルシウム塩が、網の中でアルギン酸塩が溶けないようにするために添加され、それによって周囲の繊維に結合される。ケミカルボンドは、本明細書に記載される任意の他の技術と共に使用することができる。
【0069】
タバコの繊維構造へのポリマー材料の順応
ポリマー繊維は、無煙タバコに対して送られるポリマーストランド(ポリマー繊維になるもの)の寸法およびモメンタムにより、タバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応し得る。他の態様において、ポリマーストランドを無煙タバコと共に送達し、表面との衝突により無煙タバコの繊維構造に順応させることができる。ポリマー繊維は、100ミクロン未満、50ミクロン未満、30ミクロン未満、10ミクロン未満、5ミクロン未満、1ミクロン未満、.5ミクロン未満、0.1ミクロン未満、0.05ミクロン未満または0.01ミクロン未満の直径を有し得る。いくつかの態様において、ポリマー繊維は、0.5から5.0ミクロンの間の直径を有する。上記のように、ポリマー材料がタバコの繊維構造の表面トポグラフィーに順応するのを助けるため、メルトブロープロセスの潜熱を使用することもできる。他の態様においては、無煙タバコとポリマー材料を組み合わせる直前、最中または後に、加熱を用いて、ポリマー材料の温度をそのガラス転移温度より高い温度に上昇させることができる。この加熱は、様々なポリマー材料(例えば、ポリマー構造繊維)間の熱による結合ももたらし、したがってその製品を安定化させることができる。いくつかの態様において、ポリマー構造繊維は、複合無煙タバコ製品を安定化またはさらに安定化させるために、熱により結合される。例えば、ポリマー繊維のウェブを、加熱カレンダローラの間に通し、ウェブの1つまたは複数の部分を結合することができる。いくつかの態様においては、複合無煙タバコ製品に柔らかさおよび柔軟性を与ることができるポイントボンドを提供するために、エンボス加工されたロールが使用される。
【0070】
本明細書で使用される場合、「順応(conforming)」は、ポリマー材料がタバコの繊維構造とかみ合う対応する形状を提供することを意味する。順応は、ポリマー材料がタバコの繊維構造の表面トポグラフィーのあらゆるマイクロまたはナノ構造と合致するような形状であることを必要としない。その代わり、順応は、ポリマー材料が、ポリマー材料と無煙タバコの繊維構造の間である程度の接着が起こるように、その表面トポグラフィーに対して堆積されることのみを必要とする。
【0071】
ポリマー材料のそのガラス転移温度より高い温度への任意の加熱は、電気加熱表面、超音波ボンド、赤外線エネルギー、電波エネルギーおよび電磁波エネルギーを用いて達成することができる。ステッチボンド、ポイントボンドおよびキルト処理は、不織布ファブリックにパターンを適用する方法である。これらは、典型的には超音波ボンドプロセスを用いて達成されるサーマルボンドの形態であるが、繊維の網の中で特定パターンの結合を形成するために、その他のエネルギー源および関連装置を使用することができる。ステッチボンド、ポイントボンドおよびキルト処理はすべて、ポリマー繊維をタバコの繊維構造の少なくとも一部の表面トポグラフィーの少なくとも一部に順応させるために使用することができる。
【0072】
構造繊維間の結合は、構造繊維の網に低溶融温度ポリマーを組み込むことによっても達成することができる。低溶融温度ポリマーは、繊維、ビーズまたはランダム形状の形態で網の中に導入することができる。低溶融温度ポリマーの繊維、ビーズまたはランダム形状は、構造繊維の網の中に分散され得る。いくつかの態様において、低溶融温度ポリマーは、約60℃から150℃の間の融点を有する。例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンの低分子量繊維が、低溶融温度ポリマーとして使用することができる。他の態様において、低溶融温度ポリマーは、酢酸ポリビニルである。例えば、低溶融温度ポリマーの繊維、ビーズまたはランダム形状は、約60Cから150Cの融点を有し得る。構造繊維、無煙タバコおよび低溶融温度ポリマー材料の複合物を2つの異なる材料の融点の間の(したがって、低溶融温度ポリマーのガラス転移温度より高くもある)温度に加熱することによって、低溶融温度ポリマー材料を選択的に溶融させ、それによって周囲の繊維に結合させることができ、かつタバコの繊維構造の少なくとも一部の表面トポグラフィーの少なくとも一部に順応させることもできる。いくつかの態様において、ポリマー構造繊維は、異なる材料から製造された二成分または多成分繊維である。
【0073】
構造繊維は、フィブリル化され複数の繊維に分解する多成分繊維から形成することもできる。多成分繊維は、繊維に力を加えることによってフィブリル化し得る。例えば、多成分繊維をフィブリル化するために水流交絡を使用することができる。他の態様において、多成分繊維に対して打撃および/または圧迫力(例えば、ハンマーまたは加圧ローラ)を加えることができる。いくつかの態様において、ニードルプロセスは、多成分繊維をフィブリル化することができる。他の態様において、多成分繊維は、ニードル処理の際にはフィブリル化されず、その後のプロセスにおいておよび/または成人タバコ消費者による使用時にフィブリル化され得る。いくつかの態様において、1つの多成分繊維を、多くの(例えば、10本またはそれ以上の)マイクロ繊維にフィブリル化することができる。さらに、複合無煙タバコ製品を、例えば以下に記載されるような装飾的なデザインでエンボス加工またはコートすることができる。いくつかの態様においては、溶解性のタバコフィルムおよび/または香味フィルムが、複合無煙タバコ製品の少なくとも1つの表面の少なくとも一部にコートされる。
【0074】
製品の成分
無煙タバコ製品100は、無煙タバコ105およびポリマー材料110を含む。無煙タバコ製品100は、任意で、1つまたは複数の香味料およびその他の添加物を含み得る。いくつかの態様において、無煙タバコ105は、無煙タバコ(例えば、湿性の、キュアリング、発酵された無煙タバコ)を含む。個々の組成は、部分的に、無煙タバコ製品100の香味プロフィールおよび口内感覚を決定し得る。
【0075】
ポリマー材料
適当なポリマー材料は、以下のポリマー材料の1つまたは複数を含む:アセタール、アクリル、例えばポリメチルメタクリレートおよびポリアクリロニトリル、アルキド、ポリマー合金、アリル、例えばフタル酸ジアリルおよびイソフタル酸ジアリル、アミン、例えば尿素、ホルムアルデヒドおよびメラミンホルムアルデヒド、エポキシ、セルロース、例えば酢酸セルロース、三酢酸セルロース、硝酸セルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオネート、酢酸酪酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース(CMC)、セロファンおよびレーヨン、塩素化ポリエーテル、クマロンインデン、エポキシ、ポリブテン、フッ化炭素、例えばPTFE、FEP、PFA、PCTFE、ECTFE、ETFE、PVDFおよびPVF、フラン、炭化水素樹脂、ニトリル樹脂、ポリアリールエーテル、ポリアリールスルホン、フェノールアラルキル、フェノール、ポリアミド(ナイロン)、ポリ(アミドイミド)、ポリアリールエーテル、ポリカーボネート、ポリエステル、例えば芳香族ポリエステル、熱可塑性ポリエステル、PBT、PTMT、(ポリエチレンテレフタレート)PETおよび不飽和ポリエステル、例えばSMCおよびBMC、熱可塑性ポリイミド、ポリメチルペンテン、ポリオレフィン、例えばLDPE、LLDPE、HDPEおよびUHMWPE、ポリプロピレン、イオノマー、例えばPDおよびポリアロマー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン(例えば、Bayerから入手可能なDESMOPAN DP 9370A)、ポリp-キシリレン、シリコーン、例えば液体シリコーンおよびエラストマー、硬化シリコーン、スチレン、例えばPS、ADS、SAN、スチレンブタジエンラテックス(styrene butadiene latricies)およびスチレンベースのポリマー、スルホン、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリフェニルスルホン、高分子エラストマー、ならびにビニル、例えばPVC、酢酸ポリビニル、塩化ポリビニリデン、ポリビニルアルコール、酪酸ポリビニル、ポリビニルホルマール、プロピレン・塩化ビニルコポリマー、酢酸エチルビニル、およびポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドン、およびポリエチレンオキシド、およびエチレンビニルアルコール))。
【0076】
ポリマー材料は、複数の材料を含むことができる。いくつかの態様において、第1のポリマー材料の構造繊維が、第2のポリマー材料の構造繊維に分散または重層される。例えば、低溶融性のポリマーは結合剤として機能し得、これは高溶融性のポリマー構造繊維に分散された散在する繊維であり得る。他の態様において、構造繊維は、異なる材料から製造される複数の成分を含み得る。例えば、低溶融性のシースで高溶融性のコアを囲むことができ、それによって順応および/または結合プロセスを補助することができる。多成分繊維の成分はまた、並列構成で押し出しすることができる。例えば、異なるポリマー材料をメルトブローまたはスパンボンドプロセスにおいて共押し出しおよび
延伸し、多成分構造繊維を形成することができる。
【0077】
いくつかの態様において、ポリマー材料は、1つの口内安定性材料および1つの口内溶解性材料を含み、それによって、無煙タバコ製品は、口内溶解性材料が溶解したときにほぐれるが結束性は維持する。いくつかの態様において、ポリマー構造繊維の網は、口内溶解性ポリマー繊維および口内安定性ポリマー繊維を含む。本明細書で使用される場合、「口内安定性」は、その材料が、成人タバコ消費者の口内に置かれたときに1時間の間結束性を維持することを意味する。本明細書で使用される場合、「口内溶解性」は、その材料が、成人タバコ消費者の口内に置かれ唾液およびその他の口内液に曝された後1時間以内に分解することを意味する。口内溶解性材料には、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVOH)、PVP、ポリエチレンオキシド(PEO)、デンプン等が含まれる。口内溶解性材料は、香味料、甘味料、粉砕タバコおよびその他の官能成分と組み合わされ得る。他の態様において、多成分繊維は、口内安定性材料および口内溶解性材料を含む。
【0078】
いくつかの態様において、ポリマー材料は、再構成セルロース繊維を含む。再構成セルロース繊維は、様々な木材および一年生植物から、その木材または植物材料を適当な溶媒、例えばメチルモルホリンオキシド(MNNO)一水和物中で物理的に溶解させることによって製造することができる。溶液中のセルロース濃度は、6重量パーセントから15重量パーセントの間であり得る。この溶液は、その後、70℃から120℃の間の温度で紡績(例えば、メルトブローまたはスパンボンド)され得、それによって再構成セルロース繊維が製造される。いくつかの態様において、再構成セルロース繊維は、タバコ材料(例えば、タバコの茎)を用いて製造される。再構成タバコセルロース繊維は、その後、天然セルロース繊維を有する無煙タバコと絡合され得、それによってタバコ由来の構造繊維を有する複合無煙タバコ製品が製造される。再構成プロセスは、タバコの組成を変化させ、可溶性のタバコ成分を除去する。
【0079】
ポリマー材料は、無煙タバコを含むタバコとの接触の前に、粉砕タバコと組み合わせることもできる。例えば、粉砕タバコは、ポリマー材料が粉砕タバコを少なくとも部分的にカプセル化するように、ポリマー構造繊維と組み合わせることができる。例えば、粉砕タバコは、メルトブローまたはスパンボンドプロセスにおいて、最大約80%の量で、溶融ポリマー(例えば、ポリプロピレン)に添加し、押し出すことができる。粉砕タバコは特有の質感を提供し、ポリマー材料は口内安定性および結束性を維持する。
【0080】
無煙タバコ製品100において使用されるポリマー材料の量は、望まれる香味プロフィールおよび望まれる口内感覚に依存する。いくつかの態様において、無煙タバコ製品100は、少なくとも0.5重量パーセントのポリマー材料を含み、これは、無煙タバコ製品100が包装および輸送の間その完全性(integrity)を維持する可能性を高めることができる。特定の態様において、無煙タバコ製品100は、最大20重量パーセントのポリマー材料を含む。いくつかの態様において、無煙タバコ製品は、0.5から10.0重量パーセントのポリマー材料を含む。いくつかの態様において、無煙タバコ製品100は、1.0から7.0重量パーセントの間のポリマー材料を有する。
【0081】
タバコ
無煙タバコは、口内で使用されるタバコ製品において使用するのに適したタバコである。「無煙タバコ」は、処理されたニコチアナ(Nicotiana)属のメンバーの一部、例えば
葉および茎、を意味する。タバコの例示的な種には、N.ルスティカ(N. rustica)、N.タバカム(N. tabacum)、N.トメントシフォルミス(N.tomentosiformis)およびN.シルベストリス(N. sylvestris)が含まれる。適当なタバコには、発酵および非発酵タバコが含まれる。発酵に加えて、タバコは、他の技術を用いて処理することもできる。例えば、タバコは、熱処理(例えば、熱調理、トースト焼き)、香味付け、酵素処理、膨張および/またはキュアリングによって処理することができる。発酵および非発酵の両方のタバコは、これらの技術を用いて処理することができる。他の態様において、タバコは、未処理のタバコであり得る。適当に処理されたタバコの具体例には、エアキュアリングされた黒タバコ、ファイアキュアリングされた黒タバコ、バーレー種タバコ、フルーキュアリング(flue cured)されたタバコ、およびシガーフィラーまたはシガーラッパーのタバコ、ならびに全葉ステミング作業由来の生産物が含まれる。いくつかの態様において、無煙タバコは、新鮮重量(fresh weight)基準で最大70%の黒タバコを含む。例えば、タバコは、米国公開第2004/0118422号または同第2005/0178398号に記載されるような加熱、
乾燥および/または低温殺菌工程により調整され得る。発酵は、典型的には、高い初期含湿量、熱の発生および乾燥重量の10から20%損失によって特徴付けられる。例えば、米国特許第4,528,993号;同第4,660,577号;同第4,848,373号;および同第5,372,149号を参照のこと。葉の芳香の調整に加えて、発酵は、葉の色および質感のいずれかまたは両方を変化させることができる。また、発酵プロセスの間に、放散気体が発生し得、酸素が摂取され得、pHが変化し得、そして保持されている水分量が変化し得る。例えば、米国公開第2005/0178398号およびTso(1999, Tobacco, Production, Chemistry and Technology, Davis & Nielsen, eds., Blackwell Publishing, OxfordのChapter 1)を参照のこと。キュアリングされた、またはキュアリングおよび発酵されたタバコは、無煙タバコ製品に組み込む前にさらに処理(例えば、切断、膨張、ブレンド、粉砕または破砕)され得る。タバコは、いくつかの態様において、ポリマー材料ならびに任意で香味料および他の添加物と混合される前に、48から50重量パーセントの間のオーブン揮発物含有量を有する、ロングカットの発酵、キュアリングされた湿性タバコである。
【0082】
タバコは、いくつかの態様において、緑葉組織1cm
2あたり20μg未満のDVTを有する植物から製造することができる。例えば、タバコ粒子は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許公開第2008/0209586号に記載されるタバコから選択することができる。そのような低DVT種由来のタバコを含むタバコ組成物は、センサパネル評価において、低レベルDVTを有さないタバコまたはタバコ組成物と比較して改善された香味の特徴を示す。
【0083】
タバコの緑葉は、従来的な手段、例えばフルーキュアリング、バーンキュアリング(barn-cured)、ファイアキュアリング、エアキュアリングまたはサンキュアリング(sun-cured)を用いてキュアリングすることができる。例えば、異なるタイプのキュアリング法の解説については、Tso(1999, Tobacco, Production, Chemistry and Technology, Davis & Nielsen, eds., Blackwell Publishing, OxfordのChapter 1)を参照のこと。キュアリングされたタバコは通常、木製ドラム(すなわち、ホッグスヘッド)または段ボール箱の中、圧縮された状態で、数年間(例えば2から5年間)、10%から約25%の範囲の含湿量の下、エイジングされる。米国特許第4,516,590号および同第5,372,149号を参照のこと。キュアリングおよびエイジングされたタバコは、その後、さらに処理され得る。さらなる処理には、様々な温度の蒸気を投入するまたはしない真空下でのタバコの調整、低温殺菌および発酵が含まれる。発酵は、典型的には、高い初期含湿量、熱の発生および乾燥重量の10から20%損失によって特徴付けられる。例えば、米国特許第4,528,993号、同第4,660,577号、同第4,848,373号、同第5,372,149号;米国公開第2005/0178398号;およびTso(1999, Tobacco, Production, Chemistry and Technology, Davis & Nielsen, eds., Blackwell Publishing, OxfordのChapter 1)を参照のこと。キュアリング、エイジングおよび発酵させた無煙タバコは、さらに処理(例えば、切断、裁断、膨張またはブレンド)され得る。例えば、米国特許第4,528,993号;同第4,660,577号;および同第4,987,907号を参照のこと。
【0084】
無煙タバコは、所望のサイズとなるよう処理することができる。例えば、ロングカット無煙タバコは、典型的には、約10カット/インチから最大約110カット/インチの幅および約0.1インチから最大約1インチの長さに切断または裁断される。ダブルカット無煙タバコは、ダブルカット無煙タバコの約70%が-20メッシュから80メッシュの間のメッシュサイズに該当する範囲に収まる粒子サイズを有し得る。他の長さおよびサイズの分布も想定されている。
【0085】
無煙タバコは、約10重量%以上;約20重量%以上;約40重量%以上;約15重量%から約25重量%;約20重量%から約30重量%;約30重量%から約50重量%;約45重量%から約65重量%;または約50重量%から約60重量%の総オーブン揮発物含有量を有し得る。当業者は、「湿性」無煙タバコが典型的には約40重量%から約60重量%の間(例えば、約45重量%から約55重量%、または約50重量%)のオーブン揮発物含有量を有するタバコを表すことを理解しているであろう。本明細書で使用される場合、「オーブン揮発物(oven volatiles)」は、事前に温めておいた110℃の強制通風オーブン内でサンプルを3.25時間乾燥させた後のサンプルの重量損失の比率を計算することによって決定される。複合無煙タバコ製品は、複合無煙タバコ製品を製造するのに使用される無煙タバコのオーブン揮発物含有量とは異なる総オーブン揮発物含有量を有し得る。本明細書に記載される処理工程は、オーブン揮発物含有量を減少または増加させ得る。複合無煙タバコ製品の総オーブン揮発物含有量は、以下で議論されている。
【0086】
複合無煙タバコ製品は、乾燥重量基準で、15重量パーセントから85重量パーセントの間の無煙タバコを含み得る。乾燥重量基準での複合無煙タバコ製品中の無煙タバコの量は、事前に温めておいた110℃の強制通風オーブン内で複合無煙タバコ製品を3.25時間乾燥させた後に計算される。残存する非揮発物は、タバコ材料およびポリマー材料に分類される。複合無煙タバコ製品中の無煙タバコの比率は、無煙タバコの重量を非揮発物の総重量で割り算することによって計算される。いくつかの態様において、複合無煙タバコ製品は、乾燥重量基準で、20から60重量パーセントの間のタバコを含む。いくつかの態様において、複合無煙タバコ製品は、乾燥重量基準で、少なくとも28重量パーセントのタバコを含む。例えば、複合無煙タバコ製品は、乾燥重量基準で、約57重量パーセントの総オーブン揮発物含有量、約3重量パーセントのポリマー材料および約40重量パーセントの無煙タバコを含み得る。
【0087】
いくつかの態様においては、タバコ以外の植物材料が、複合無煙タバコ製品のタバコ代替物として使用される。タバコ代替物は、ハーブ組成物であり得る。ハーブおよびその他の食用植物は、一般的には、料理用ハーブ(例えば、タイム、ラベンダー、ローズマリー、コリアンダー、ディル、ミント、ペパーミント)および薬用ハーブ(例えば、ダリア、キナ(Cinchona)、キツネノテブクロ、シモツケ(Meadowsweet)、エキナセア、エルダーベリー、セイヨウヤナギ(Willow bark))に分類することができる。いくつかの態様において、タバコは、非タバコ植物材料の混合物と置き換えられる。そのような非タバコ組成物は、茶葉、レッドクローバー、ココナツフレーク、ミント葉、朝鮮人参、リンゴ、トウモロコシ毛、グレープ葉およびバジル葉を含むがこれらに限定されない多くの異なる主成分を有し得る。植物材料は、典型的には、約10重量%以上、例えば、約20重量%以上;約40重量%以上;約15重量%から約25重量%;約20重量%から約30重量%;約30重量%から約50重量%;約45重量%から約65重量%;または約50重量%から約60重量%の総オーブン揮発物含有量を有する。
【0088】
香味料および添加物
香味料および他の添加物を、本明細書に記載される組成物および構成に含めることができ、かつ、これらを、複合無煙タバコ製品の製造プロセスの任意の時点で複合無煙タバコ製品に添加することができる。例えば、ポリマー材料を含む初期成分のいずれかを、香味付けした形態で提供することができる。いくつかの態様において、香味料および/または他の添加物は、無煙タバコ中に含められる。いくつかの態様において、香味料および/または他の添加物は、ポリマー材料とタバコの繊維構造を組み合わせた後に無煙タバコ製品100に吸着させる。いくつかの態様において、香味料および/または他の添加物は、無煙タバコに混合するまたはポリマー材料をそのガラス転移温度より高い温度に加熱する前に、ポリマー材料(例えば、構造繊維)と混合される。代わりにまたは加えて、香味料は、さらなる処理(例えば、切断またはパンチによる成形)の前に適用することができ、また香味料は、包装の前に適用することができる。
図12Aを参照して、例えば、無煙タバコ製品200Aのいくつかの態様は、香味ストリップ205の形態で、香味料を含むことができる。
【0089】
適当な香味料には、ウィンターグリーン、チェリーおよびベリータイプの香味料、様々なリキュールおよびリカー、例えば、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ(apium graveolents)、クローブ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、ジャパニーズミント、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、イランイラン、セージ、フェンネル、ピメンタ、ジンジャー、アニス、コリアンダー、コーヒー、リコリッシュおよびメンタ(Mentha)属の種由来のミント油が含まれる。複合無煙タバコ製品100の特定の態様において有用なミント油には、スペアミントおよびペパーミントが含まれる。
【0090】
香味料は、香味ビーズの形態で含めることもでき、これを複合無煙タバコ製品の中(例えば、ポリマー構造繊維の不織布の網の中)に分散させることができる。例えば、複合無煙タバコ製品は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開2010/0170522に記載されるビーズを含み得る。
【0091】
いくつかの態様において、複合無煙タバコ製品100中の香味料の量は、総量で10重量パーセント未満に限定される。いくつかの態様において、複合無煙タバコ製品100中の香味料の量は、総量で5重量パーセント未満に限定される。例えば、特定の香味料は、約3重量パーセントの量で、複合無煙タバコ製品に含めることができる。
【0092】
その他の任意添加物には、増量剤(例えば、デンプン、リン酸二カルシウム、ラクトース、ソルビトール、マンニトールおよび微結晶セルロース)、可溶性繊維(例えば、Matsushita製のFibersol)、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウムおよびクレイ)、滑沢剤(例えば、レシチン、ステアリン酸、硬化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール4000〜6000(PEG)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルクおよびステアリン酸塩(例えば、MgまたはK)、ならびにワックス(例えば、モノステアリン酸グリセロール、モノステアリン酸プロピレングリコールおよびアセチル化モノグリセリド))、可塑剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、トリアセチンおよび1,3ブタンジオール)、安定化剤(例えば、アスコルビン酸およびクエン酸モノステロール、BHTもしくはBHA)、人工甘味料(例えば、スクラロース、サッカリンおよびアスパルテーム)、崩壊剤(例えば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、架橋PVP)、pH安定化剤、またはその他の化合物(例えば、植物油、界面活性剤および保存剤)が含まれる。いくつかの化合物は、これらのカテゴリーの2以上に分類される機能的貢献を示す。例えば、プロピレングリコールは、可塑剤および滑沢剤の両方として作用し得、ソルビトールは、増量剤および可塑剤の両方として作用し得る。
【0093】
オーブン揮発物、例えば水、もまた、その複合無煙タバコ製品のオーブン揮発物含有量を所望の範囲にするよう、複合無煙タバコ製品100に添加され得る。いくつかの態様において、香味料および他の添加物は、水和液体中に含められる。
【0094】
オーブン揮発物
無煙タバコ製品100は、10から61重量パーセントの間の総オーブン揮発物含有量を有し得る。いくつかの態様において、総オーブン揮発物含有量は、少なくとも40重量パーセントである。オーブン揮発物には、水およびその他の揮発性化合物が含まれ、これらはタバコ、ポリマー材料、香味料および/または他の添加物の一部であり得る。本明細書で使用される場合、「オーブン揮発物」は、事前に温めておいた110℃の強制通風オーブン内でサンプルを3.25時間乾燥させた後のサンプルの重量損失の比率を計算することによって決定される。プロセスのいくつかは、オーブン揮発物含有量を低下させ得る(例えば、複合物の加熱または無煙タバコと加熱されたポリマー材料の接触)が、これらのプロセスは、所望の範囲の総オーブン揮発物含有量を有するよう制御することができる。例えば、水および/またはその他の揮発物は、そのオーブン揮発物含有量を所望の範囲にするよう、複合無煙タバコ製品に戻され得る。いくつかの態様において、複合無煙タバコ製品100のオーブン揮発物含有量は、50から61重量パーセントの間である。例えば、本明細書に記載される様々なプロセスにおいて使用される無煙タバコ105のオーブン揮発物含有量は、約57重量パーセントであり得る。他の態様において、オーブン揮発物含有量は、10から30重量パーセントの間であり得る。
【0095】
製品の構成
本明細書に記載される無煙タバコ製品は、多くの異なる構成を有し得、例えば、
図1に示される構成を有し得、または、
図1に示される複合無煙タバコ製品100の特定の態様とは異なる形状もしくは重層構造を有し得る。例えば、
図11A〜Kを参照して、無煙タバコ製品100A〜Kは、成人タバコ消費者における口内設置性の改善、包装上の特徴の改善またはその両方をもたらす形状で形成することができる。いくつかの状況において、複合無煙タバコ製品は以下のようになるよう構成することができる:(A)楕円形の形状の複合無煙タバコ製品100A;(B)細長楕円形の形状の複合無煙タバコ製品100B;(C)半円形の複合無煙タバコ製品100C;(D)正方形または長方形の形状の複合無煙タバコ製品100D;(E)フットボール形状の複合無煙タバコ製品100E;(F)細長長方形の形状の複合無煙タバコ製品100F;(G)ブーメラン形状の複合無煙タバコ製品100G;(H)丸縁長方形の形状の複合無煙タバコ製品100H;(I)涙またはコンマ形状の複合無煙タバコ製品100I;(J)蝶ネクタイ形状の複合無煙タバコ製品100J;ならびに(K)ピーナツ形状の複合無煙タバコ製品100K。あるいは、無煙タバコ製品は、傾斜のある複合無煙タバコ製品(例えば、くさび)が製造されるよう(例えば、
図11Lに示されるメルトブロー無煙タバコ製品を参照のこと)または半球形状が製造されるよう、異なる厚みまたは寸法を有し得る。
【0096】
無煙タバコ製品は、異なるタバコ/繊維プロフィールを有する様々な無煙タバコ組成物が製造されるよう、縦方向または横方向に切断または薄切りすることができる。例えば、メルトブロー無煙タバコ製品の質感(例えば、柔らかさおよび口内での心地よさ)、味、オーブン揮発物(例えば、湿気)のレベル、香味放出プロフィールおよび成人タバコ消費者の全体的満足度は、無煙タバコの濃度および分布ならびにメルトブローポリマー繊維の層数、厚みおよび寸法およびタイプに依存するであろうし、これらはすべて最終製品の密度および完全性に影響するものである。上記の態様と同様、
図11A〜Lに示される無煙タバコ製品100A〜Lは、既定分量の無煙タバコ105を含むよう構成することができ、かつ無煙タバコ105は、複合無煙タバコ製品100A〜Lの多くの外表面に沿って露出させることができる。さらに、複合無煙タバコ製品100A〜Lは、複数の類似形状の無煙タバコ製品100A〜Lと共に蓋54を有する容器52(
図1)で包装することができ、それによって、成人タバコ消費者は、口内で使用するためにその中にある類似形状のメルトブロー無煙タバコ製品のいずれかを選択し、実質的に同じ分量の無煙タバコ105を受け取ることができるという便宜を与えられる。
【0097】
香味料を無煙タバコ105に含めることに加えて、香味料は、そのプロセスの中で多くの異なる場所に含めることができる。例えば、メルトブローポリマー繊維は、メルトブロー処理前にポリマー材料に添加された香味料を含み得る。代わりにまたは加えて、香味料は、さらなる処理(例えば、切断またはパンチによる成形)の前に無煙タバコ製品に適用することができ、また香味料は、包装の前に無煙タバコ製品に適用することができる。
図12Aを参照して、例えば、無煙タバコ製品200Aのいくつかの態様は、香味ストリップ205の形態で香味料を含み得る。香味ストリップ205は、無煙タバコ105および香味ストリップ205の両方が複合無煙タバコ製品200Aの外表面に沿って露出するように、無煙タバコ製品105に適用され得る。いくつかの態様において、香味ストリップ205は、メルトブロープロセスの後であるが、複合無煙タバコ製品を切断またはパンチして所望の形状にする前に無煙タバコ製品200Aに適用される。
【0098】
無煙タバコ製品は、多くの異なる方法で利用することができる。例えば、
図12Bに示されるように、無煙タバコ製品の特定の態様200Bは、食用または溶解性フィルムでラップまたはコートすることができる。溶解性フィルムは、無煙タバコ製品200Bが成人タバコ消費者の口内に置かれたときに容易に消失し得、それによって、その溶解後に、成人タバコ消費者に、複合無煙タバコ製品200Bの外面に沿って無煙タバコ105の触感を提供する。加えてまたはその代わりに、無煙タバコ製品のいくつかの態様は、デザイン(例えば、ロゴ、絵図、商標、商品名等)をエンボス加工または刻印され得る。例えば、
図12Cに示されるように、メルトブロー無煙タバコ製品200Cは、絵図を含むがこれらに限定されない任意のタイプのデザイン206をエンボス加工または刻印され得る。デザインは、無煙タバコ製品200Cの外面に沿って配置された無煙タバコ105に直接形成することができる。他の態様において、ポリマー繊維の外面がエンボス加工され得る。デザイン206はまた、
図12Bに示されるように、溶解性フィルムが適用された態様にエンボス加工または刻印され得る。
【0099】
いくつかの態様において、複合無煙タバコ製品は、様々な無煙タバコ製品を形成するよう、他のタバコおよび非タバコ成分と組み合わせて使用される。例えば、複合無煙タバコ製品は、上記のような香味ビーズを含み得る。
【0100】
包装
本明細書に記載される無煙タバコ製品は、使用に便利な任意の多くの方法で包装することができる。上記のように、無煙タバコ製品は、任意の形状またはサイズの個々の小片として包装され得、そして、例えば、蓋54を有するほぼ円筒形の容器52(
図1)に収容され得る。あるいは、
図13Aに示されるように、無煙タバコ製品は、剥離蓋254を有するトレイ容器252を含むシステムで包装され得る。トレイ容器252は、無煙タバコ製品255の別スタックを保存するよう、複数の仕切りされた内部空間253A〜Cを含み得る。そのスタックにおいて無煙タバコ製品は、それ自身の上に折り重ねることができる。いくつかの状況において、剥離蓋254は、容器252に繰り返し固定できるように取り外すことができるものである。
【0101】
図13Bに示される別の代替システム260において、メルトブロー無煙タバコ製品は、特定幅のストリップに切断し、そして、コイルとして(例えば、それ自身に巻き取って)包装することができる。そのため、成人タバコ消費者は、口内で使用するために無煙タバコ製品のコイル265から任意の長さを容易に引きちぎりまたは破り取ることができる。いくつかの場合において、無煙タバコ製品のコイル265は、成人タバコ消費者がコイル265から選択された長さをより簡単に切り離せるようにするミシン目または切り込み線を含み得る。無煙タバコ製品のコイルは、コイル265を受け入れる大きさの円筒形の内部空間253を有する容器262に収容することができる。
図13Cに示されるさらに別の代替システム270において、無煙タバコ製品のコイル275は、側面にクリップ装置273を有する容器272で包装することができる。コイル275は、(取り外し可能であり得る)蓋274を有する容器272内に保管することができ、クリップ装置273は、コイル275から選択された長さを引き出し、これを簡単に切り取ることができるよう、容器272の側壁にヒンジを介して接続することができる。そのため、成人タバコ消費者は、口内に入れる特定サイズの無煙タバコ製品を選択することができる。
【0102】
本明細書に記載されるいくつかの態様にしたがい、当技術分野のいくつかの従来技術が使用されることがある。そのような技術は、文献により十分に説明されている。以下の実施例ではいくつかの態様がさらに説明されているが、これは特許請求の範囲に記載されている本発明の方法および組成物の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0103】
想定実施例
複合無煙タバコ製品は、57%の含湿(すなわち、オーブン揮発物含有)量を有するSKOAL Long Cut無煙タバコ(ウィンターグリーン香味料入り)の小片を、メルトブロー装置で形成したポリプロピレン繊維でコートおよび/またはカプセル化することによって製造することができる。メルトブロースピナレットにポリプロピレンを提供する押し出し機の複数の段階は、280Fから370Fの間の温度で実行することができる。例えば、ポリプロピレンを、355Fの温度、50から400psiの間(例えば、約118psi)の圧でスピナレットから送り出すことができる。押し出しノズルは、0.011''または0.023''であり得、スループットは毎分1つの穴あたり0.1から1.1グラムの間であり得る。漸先形化用の空気は、350Fの温度および1から15psiの間の圧で送り出すことができる。ノズルからのドラム収集距離は1から25インチの間であり得る。得られるメルトブロー繊維は、1平方メートルあたり2から15グラムの間の基本重量および0.5から5.0ミクロンの間の繊維径を有するよう制御することができる。
【0104】
その他の態様
本発明は、本明細書において、多くの異なる局面に関連して解説されているが、上記の様々な局面の解説は、例示を意図したものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。他の局面、利点および改良物も、添付の特許請求の範囲に包含されるのである。
【0105】
開示される方法および組成物のために使用できる、それらと共に使用できる、その準備のために使用できる方法および組成物、またはその生産物も開示されている。これらおよびその他のものが本明細書に開示され、なおかつ、これらの方法および組成物の組み合わせ、部分集合、相互作用、グループ等が開示されていることを理解されたい。すなわち、これらの組成物および方法の様々な個別のおよび集合的な組み合わせおよび入れ替えの各々に対して具体的な言及が明示的には開示されていないとしても、各々は具体的に想定され、本明細書に開示されているのである。例えば、そうでないことが明記されていない限り、本発明の特定の組成物または特定の方法が開示および議論されかつ多くの組成物または方法が議論されている場合、その組成物および方法の各々およびすべての組み合わせおよび入れ替えが、具体的に想定されていることになる。同様に、これらの任意の部分集合または組み合わせもまた具体的に想定されかつ開示されている。