特許第5946461号(P5946461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5946461薬物送達デバイスのためのキャップ・アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5946461
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】薬物送達デバイスのためのキャップ・アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20160623BHJP
【FI】
   A61M5/32 502
   A61M5/32 510R
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-533175(P2013-533175)
(86)(22)【出願日】2011年10月11日
(65)【公表番号】特表2013-539701(P2013-539701A)
(43)【公表日】2013年10月28日
(86)【国際出願番号】EP2011067685
(87)【国際公開番号】WO2012049147
(87)【国際公開日】20120419
【審査請求日】2014年9月5日
(31)【優先権主張番号】10187270.3
(32)【優先日】2010年10月12日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ヘルマー
【審査官】 安田 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許出願公開第102005061637(DE,A1)
【文献】 特表2008−501484(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/072695(WO,A1)
【文献】 特開2009−131602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
−ニードル・アセンブリ(40)を受けてハウジング(46)と解除可能に相互連結されるように適合されたキャップ・ボディ(12)、ここで、キャップ・ボディは、キャップ・ボディとニードル・アセンブリを回転可能に、インタロックするためのインタロック手段を含む、
−少なくともボディの長軸に沿って、キャップ・ボディ(12)上に可動に配置され、キャップ・ボディ(12)からニードル・アセンブリ(40)を突き出すために、エジェクタ・ユニット(14)の少なくとも軸方向変位をニードル・アセンブリ(40)に伝達するように適合された機械的伝動手段(18)を有する、エジェクタ・ユニット(14)、
を含んでなる、薬物送達デバイスのためのキャップ・アセンブリであって、
−エジェクタ・ユニット(14)がキャップ・ボディ(12)の近位端セクション上に摺動可能に配置され、キャップ・ボディ(12)の近位端セクションから少なくとも部分的に突出する排出位置に、少なくとも変位可能であり、及び
−ここで、キャップ・ボディ(12)がさらに、薬物送達デバイスのハウジング(46)と解除可能に係合するように適合され、そして薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダ(46)、又はボディの、少なくとも一部分を選択的に受けるための、カップ状レセプタクル(15)を含む、
上記キャップ・アセンブリ。
【請求項2】
カップ状レセプタクル(15)が、近位端セクションにおいてハウジング(46)の少なくとも一部分及び/又はニードル・アセンブリ(40)の少なくとも一部分を選択的に受けるように適合される、請求項1に記載のキャップ・アセンブリ。
【請求項3】
エジェクタ・ユニット(14)が、キャップ・ボディ(12)の縦スロット(24)内にガイドされる少なくとも1つの半径方向内向に突出するピン(26)を含む、請求項1に記載のキャップ・アセンブリ。
【請求項4】
エジェクタ・ユニット(14)が、キャップ・ボディ(12)の近位端セクション(1
2)を囲む、円筒状のスリーブ(14)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャップ・アセンブリ。
【請求項5】
キャップ・ボディ(12)が、キャップ・ボディ(12)とニードル・アセンブリ(40)を回転可能にインタロックするための、インタロック手段(20,22)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャップ・アセンブリ。
【請求項6】
キャップ・ボディ(12)が、その内壁に、ニードル・アセンブリ(40)の少なくとも1つの半径方向外向きに突出するスタッド(36)を受けるように適合された少なくとも1つの円周溝(20)を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャップ・アセンブリ。
【請求項7】
溝(20)が、少なくとも1つのスタッド(36)、又はハウジング(46)のスナップばめ手段を、選択的に受けるように適合される、請求項6に記載のキャップ・アセンブリ。
【請求項8】
溝(20)が、溝(20)内に配列され、ニードル・アセンブリ(40)に対するキャップ・ボディ(12)の少なくとも1つの方向への回転運動をロックするように適合されている、少なくとも1つの停止エレメント(22)を含む、請求項6又は7に記載のキャップ・アセンブリ。
【請求項9】
エジェクタ・ユニット(14)が、ニードル・アセンブリ(40)の半径方向外向きに突出するフランジ部分(38)、及び/又はキャップ・ボディ(12)の近位端セクションと軸方向に隣接するように適合された、半径方向に内向きに突出するリム(18)をその近位端セクションに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のキャップ・アセンブリ。
【請求項10】
薬物送達デバイスのための針取出システムであって、
−請求項1〜9のいずれか1項に記載のキャップ・アセンブリ(10)、
−ニードル・ハブ(42)と、その上に解除可能に取り付けられた少なくとも1つのニードル・キャップ(30)を含んでなるニードル・アセンブリ(40)
を含んでなり、ここで、ニードル・キャップ(30)とキャップ・アセンブリ(10)が、ニードル・キャップ(30)とキャップ・アセンブリ(10)の回転可能にインタロックするための、相互に対応する回転ロック手段(36)を含む、
上記針取出システム。
【請求項11】
ニードル・キャップ(30)の回転ロック手段が、キャップ・アセンブリ(10)の円周溝(20)内に配列された少なくとも1つの停止エレメント(22)と係合するように適合された、半径方向に伸びるスタッド(36)を含む、請求項10に記載の針取出システム。
【請求項12】
注射によって、薬剤を投薬するための薬物送達デバイスであって:
−ニードル・アセンブリ(40)と解除可能に係合するように適合されたハウジング(46)、
−薬剤を含有し、ハウジング(46)内に配列されるカートリッジ、及び
−請求項1〜のいずれか1項に記載のキャップ・アセンブリ、
を含んでなる、上記薬物送達デバイス。
【請求項13】
薬物送達デバイスのニードル・アセンブリ(40)とハウジング(46)の係合を外す方法であって:
−薬物送達デバイスの遠位ハウジングセクション(46)上に取り付けられたニードル・アセンブリ(40)を、固定された対応するニードル・キャップを有するキャップ・アセンブリ(10)のカップ状ボディ(12)内に挿入するステップ、
−キャップ・アセンブリ(10)とハウジング(46)を、互いに離れるように、並進して及び/又は回転可能に変位させることにより、キャップ・アセンブリ(10)に固定されている、ニードル・アセンブリ(40)とハウジング部分(46)との相互の係合を外すステップ、
を含んでなり:
−ニードル・アセンブリ(40)をキャップ・アセンブリ(10)から突き出すため、キャップ・ボディ(12)の近位端セクション上に摺動的に配置されたエジェクタ・ユニット(14)を、カップ状ボディ(12)の開口端に向かって長手方向に、及び、エジェクタ・ユニット(14)が、キャップ・ボディ(12)の近位端セクションから少なくとも部分的に突出する、突き出す位置内へ変位させることを特徴とする、
上記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物送達デバイスのためのキャップ・アセンブリ、特に、ペン型注射器に関わり、ここで、上記キャップ・アセンブリは、さらになお、薬物送達デバイスのハウジングに対する、除去可能なニードル・アセンブリを組み立てる、及び/又は、分解するための道具として、設計されている。
【背景技術】
【0002】
液状薬物などの液状薬物の必要な用量の反復用量を可能にし、及び、さらになお、上記液体の患者への投与を提供する薬物送達デバイスは、それ自体、当技術分野で周知である。一般的に、かかるデバイスは、通常の注射器の目的と、実質的に同じ目的を有している。
【0003】
この種の薬物送達デバイスは、多くの使用者に特有の要求を満たさねばならない。例えば、糖尿病患者の場合、多くの使用者は、肉体的に衰えており、また視力も弱くなっている。それゆえ、これらのデバイスは、構造的に丈夫であり、しかも、部材を操作すること、及び、使用者が、その作動を理解することの両方に関しても、使い易い必要がある。さらになお、用量の設定が容易かつ、曖昧ではない必要があり、デバイスが、再使用でなく、使い捨ての場合、デバイスは、製造コストが安価であり、捨てやすくなければならない。
【0004】
これらの要求を満たすために、デバイスを組み立てるために必要な、部材とステップの数、及び、デバイスが作られている材料の種類の総数は、最小に保たれなければならない。
【0005】
通常は、投与されるべき医薬品は、薬物送達デバイスの駆動機構のピストン・ロッドと機械的に、相互に作用する、可動のピストン、又は、バング(bung)を有する、カートリッジ内に備えられる。ピストンに遠位方向へのスラストをかけることにより、一定量の医薬流体が、カートリッジから、放出される。
【0006】
ペン型注射器の様な、薬物送達デバイスは、通常、投薬されるべき医薬品で満たされているカートリッジを受けるための、カートリッジ・ホルダを有するハウジングを含む。注射処置の間、患者方向に面しているカートリッジ・ホルダの遠位端部は、カートリッジのシールされた遠位端へのアクセスを提供する直通の開口部を含む。上記直通の開口部を手段として、注射針、又は、カニューレ(cannula)は、薬剤が、カートリッジから放出されるのを可能にする、流体相互連結をつくるため、カートリッジの弾性シールを貫通してよい。
【0007】
通常は、使い捨て注射針は、注射針をカートリッジ・ホルダに、解除可能に締結するためのニードル・アセンブリを手段として提供される。ニードル・アセンブリは通常、注射針を支持し、さらに、カートリッジ・ホルダの、対応するねじが切られた遠位ソケットにねじ込まれる、内ねじを備えたカップ状レセプタクルを有するニードル・ハブを含む。ニードル・ハブには、通常、不注意によるスティッチ損傷を防止するための防護手段として役立つ除去可能なニードル・キャップが備えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
薬剤の用量を投与するため、針が患者の皮膚をつき通す前に、ニードル・キャップを除去しなければならない。薬剤注射の処置が終了すると、針は生体組織から除去され、ニードル・ハブとカートリッジ・ホルダを分解する以前に、防護用ニードル・キャップをニードル・ハブ上に取り付けなければならない。患者がニードル・キャップをニードル・ハブ上に取り付けるとき、不注意によるスティッチ損傷がとりわけ起こる可能性がある。この問題は、患者が肉体的に衰えており、また視力も弱くなっているとき、より深刻になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
それゆえ、本発明の目的は、少なくとも、薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダからニードル・アセンブリを分解するための道具として役立つ、薬物送達デバイスのための改善されたキャップ・アセンブリを提供することである。さらなる目的は、スティッチ損傷のリスクを減らし、患者の安全を高めることである。さらにその上、キャップ・アセンブリについて、患者がそれの使用法を、容易に理解できなければならない。キャップ・アセンブリは、同様に、製造コストと組立費用に関して、費用効果が高くなければならない。
【0010】
本発明による、キャップ・アセンブリは、ハウジングと、特に、ペン型注射器の様な、薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダと、解除可能に係合されるように適合されている、キャップ・ボディを含む。キャップ・ボディは、カートリッジ・ホルダ、及び、その中に配列されるカートリッジのための防護手段として役立つだけではない。それは、さらになお、薬物送達デバイスのハウジングと、特に、カートリッジ・ホルダと、解除可能に相互連結される、ニードル・アセンブリを受けるように適合される。
【0011】
このように、キャップ・アセンブリは、ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダを組み立てるため、及び、分解するための機能を提供する。
【0012】
キャップ・アセンブリはさらに、少なくともボディの長軸に沿って、キャップ・ボディ上に配置され、キャップ・ボディからニードル・アセンブリを取り出し、取り除く目的のため、エジェクタ・ユニットの長手方向、又は、軸方向の動きを、ニードル・アセンブリに伝達するように適合されている機械的伝動手段を有する、エジェクタ・ユニットを含む。キャップ・アセンブリは、特に、そのキャップ・ボディは、ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダを分解するように適合されているので、カートリッジ・ホルダからのそれの除去後に、ニードル・アセンブリがキャップ・ボディに、機械的に係合、及び/又は、締結されるという問題が生じる。エジェクタ・ユニットを手段として、キャップ・ボディ、及び、そこに配列されたニードル・アセンブリを、互いに容易に離すことができ、ニードル・アセンブリを分離して、廃棄できる。
【0013】
キャップ・アセンブリは、ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダの組立、及び/又は、分解のための道具を提供し、さらに、ニードル・アセンブリとキャップ・アセンブリを分離するためのエジェクタ・ユニットを有するので、患者は、用量を投与するとき以外は、防護されていない針に直接、接触することはもはやない。
【0014】
好ましい実施態様において、キャップ・アセンブリは、特にキャップ・ボディは、ハウジングの少なくとも一部を、例えば、カートリッジ・ホルダを、又は、ボディを選択的に受けるための、及び/又は、近位端セクション内のニードル・アセンブリの少なくとも一部を受けるための、カップ状レセプタクルを含む。
【0015】
本文脈において、留意すべきことは、用量注射処置の間、遠位方向は患者の方向に面し、キャップ・アセンブリ、又は、薬物送達デバイスの近位方向は、それぞれ、適用の患者領域からみて外側に面している。なおその上、長手方向の、従って、軸方向の、エジェクタ・ユニットの動きは、必然的に、動きの軸方向成分を含む長手方向の並進運動の変位、及び、回転運動を含んでよい。
【0016】
通常は、キャップ・ボディは、実質的に、円筒形状であり、それの遠位端部が閉じられている。反対側の、それの近位端セクションで、キャップ・ボディは、特に、ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダの組立、及び/又は、分解のための、カートリッジ・ホルダ、及び/又は、ニードル・アセンブリを選択的に受けるように適合されたレセプタクルを含む。この目的のため、薬物送達デバイスのハウジングに対する、キャップ・アセンブリの回転の、及び/又は、長手方向の変位が、カートリッジ・ホルダに対して、ニードル・アセンブリのそれぞれの変位へと伝わる様に、ニードル・アセンブリをキャップ・ボディに固定することができる。
【0017】
さらなる、好ましい実施態様において、エジェクタ・ユニットは、キャップ・ボディの近位端セクション上に、摺動可能に配置される。それは、エジェクタ・ユニットが、キャップ・ボディの近位端セクションから、少なくとも部分的に突出する、インジェクション位置へと、少なくとも、変位可能である。通常は、近位端面を有するエジェクタ・ユニットは、キャップ・ボディのレセプタクルの端から近位方向に突出する。その結果、キャップ・ボディに対して、遠位方向にエジェクタ・ユニットを変位することによって、それぞれの近位方向を向いた変位は、キャップ・ボディのレセプタクル内に固定されたニードル・アセンブリに伝達することができる。この目的のため、エジェクタ・ユニットの少なくとも近位方向変位が、キャップ・ボディに対して、ニードル・アセンブリのそれぞれの近位方向変位に対応して伝わるように、エジェクタ・ユニットとニードル・アセンブリは相互に係合する。
【0018】
エジェクタ・ユニットは通常、キャップ・ボディに締結される。キャップ・ボディに対して、エジェクタ・ユニットの長手方向、及び/又は、回転変位が、それぞれの相対長手方向の突き出す変位を引き起こすように、それは、摺動可能に、又は、ねじ結合でその上に配列される。
【0019】
さらなる実施態様において、エジェクタ・ユニットは、キャップ・ボディの縦スロット内にガイドされている、少なくとも1つの、半径方向に内向きに突出するピンを含む。スロットは好ましくは、軸方向に伸びるが、キャップ・ボディの長軸に関して、斜めであってもよい。好ましくは、エジェクタ・ユニットは、キャップ・ボディの近位端セクションを、少なくとも部分的に囲み、ここでエジェクタ・ユニットとキャップ・ボディの相互の変位は、エジェクタ・ユニットのピンをガイドするように適合された、キャップ・ボディの縦スロットのコース(course)に支配される。前記、ピンと縦スロットの係合により、キャップ・ボディと確動的に係合しているエジェクタ・ユニットは、スロットの伸長、及び/又は、コースによって決定される、所定の限度内で、キャップ・ボディに対して、自由に動くことができる。
【0020】
別の、好ましい態様において、エジェクタ・ユニットは、キャップ・ボディの近位端セクションを囲む実質的に円筒状のスリーブを含む。エジェクタ・ユニットの円筒状スリーブは、キャップ・ボディの近位端セクションの形と形状に、通常は適合している。さらにその上、キャップ・ボディとエジェクタ・ユニットが美観設計を成すように、キャップ・ボディの形状と外面形状は、設計され、エジェクタ・ユニットの形と形状に適合されてよい。
【0021】
別の実施態様によると、キャップ・ボディは、キャップ・ボディとニードル・アセンブリを回転可能に、インタロックするためのインタロック手段を含む。好ましくは、キャップ・ボディとニードル・アセンブリは、キャップ・ボディとニードル・アセンブリを回転可能に固定するための、相互に対応するインタロック手段を含む。回転連結を手段として、ニードル・アセンブリは、カートリッジ・ホルダ上にねじ込むことができ、また、キャップ・アセンブリを使用することにより、そこからねじって外すこともできる。
【0022】
さらなる態様において、キャップ・ボディは、その内壁に、少なくとも1つの、円周溝を含み、ここで、上記溝は、ニードル・アセンブリの、少なくとも1つの、半径方向に外向きに突出するスタッド(stud)を受けるように適合される。スタッドと溝は、例えば、ニードル・アセンブリとキャップ・ボディを、少なくとも、長手方向に相互固定を提供するスナップ・イン機能を手段として、互いに係合することができる。相互係合の溝とスタッドを手段として、キャップ・ボディは、溝の周方向伸長によって画成される、少なくとも所定の限度内で、ニードル・アセンブリに対して自由に回転してよい。
【0023】
さらなる好ましい実施態様において、キャップ・ボディの内側壁の溝は、少なくとも1つのスタッド、又は、薬物送達デバイスのハウジングの、対応する、半径方向に突出するスナップばめ式手段を、選択的に受けるように、普遍的に適合されている。キャップ・アセンブリを、薬物送達デバイスのハウジングのボディに取り付けるように適合された、スナップばめ式手段は、薬物送達デバイスの、上記ボディ上、又は、カートリッジ・ホルダの近位部分上のいずれかに、直接配列される。このように、円周溝は、少なくとも2つの機能を提供する。それは、薬物送達デバイスのハウジングに、キャップ・アセンブリを固定する、締結手段として役に立ち、さらになお、薬物送達デバイスのニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダを、相互に組み立てる目的のため、ニードル・アセンブリをキャップ・アセンブリに、一時的に取り付ける手段としても役に立つ。
【0024】
さらなる、好ましい実施態様において、キャップ・ボディの溝は、キャップ・ボディの開口端のごく近くに配列される。キャップ・ボディ内側のそれの場所にかかわりなく、溝は、ニードル・アセンブリに対して、少なくとも1つの方向に、キャップ・ボディの回転運動をロックするように適合された、そこに配列された、少なくとも1つの停止エレメントを含む。好ましくは、停止エレメントは、キャップ・ボディとニードル・アセンブリの相互の自由な回転を防止する、溝内の切れ目として設計される。しかし、キャップ・アセンブリとニードル・アセンブリが相互に係合しているとき、及び、溝が、2つの直径方向に相対して位置する停止エレメントを含むとき、キャップ・ボディは、ニードル・アセンブリに対して、最大約180°回転可能である。溝内に、等距離に配置された停止エレメントの数によっては、回転の最大角度は、360°を停止エレメントの数で割った角度だけ減少される。例えば、3つの停止エレメントの場合、最大角度は120°に等しく、4つの停止エレメントの場合、個別の角度は、実質的に90°に減少する。
【0025】
停止エレメント、及び、ニードル・アセンブリの半径方向に外向きに突出するスタッドが相互に係合、又は、隣接するやいなや、キャップ・ボディのさらなる回転が、それに応じてニードル・アセンブリの回転を強いる。少なくとも1つの停止エレメントを特徴とする溝を手段として、キャップ・ボディとニードル・アセンブリを、お互いに対し、長手方向に、及び、回転に関して固定するための、むしろ簡素な効率的な手段が提供される。
【0026】
キャップ・ボディとニードル・アセンブリのスナップ・イン・アセンブリは、ニードル・アセンブリの半径方向、外向きに突出するスタッドと、対応する溝の停止エレメントが、溝が数個の、例えば、1つ、2つ、3つ、又は、4つの、等距離に配置された停止エレメントのみを含むとき、起こり得るお互いに対して、円周方向オフセットで配置されることを必要とする。このように、一種の近位方向に向いた押す動きによって、キャップ・アセンブリをニードル・アセンブリ上に、単に、置く、又は、押し付けることによって、キャップ・ボディとニードル・アセンブリは、確動的に係合してよい。相互に対応するスナップばめ式の手段を用いて、キャップ・ボディとニードル・アセンブリが相互に係合するとすぐに、ニードル・アセンブリの半径方向に外向きに突出するスタッドとキャップ・ボディの溝の停止エレメントが相互に隣接するまで、キャップ・ボディは、ニードル・アセンブリに対して、回転することができる。
【0027】
キャップ・ボディと、薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダ、又は、ハウジングとの、さらなる相対回転が、カートリッジ・ホルダに対する、ニードル・アセンブリの個別の回転する、及び、分解する動きを引き起こす。
【0028】
スナップばめ式係合によって、ニードル・アセンブリ全体は、カートリッジ・ホルダから除去されたとき、キャップ・アセンブリのレセプタクル内に留まる。エジェクタ・ユニットを手段として、ニードル・アセンブリを、キャップ・アセンブリから分離することができ、それのキャップ・ボディとキャップ・アセンブリを、保護キャップとして、カートリッジ・ホルダ上に戻すことができる。
【0029】
なおその上、本発明の、別の、好ましい実施態様によると、エジェクタ・ユニットは、それの近位端セクションに、半径方向、内向きに突出するリム(rim)を含む。ニードル・アセンブリが、キャップ・アセンブリのレセプタクル内に配列されるとき、内向きに突出するリムは、ニードル・アセンブリの、半径方向に外向きに突出するフランジ部と、軸方向で隣接するように適合されている。エジェクタ・ユニットとニードル・アセンブリとの、軸方向、及び、長手方向の隣接を有することにより、それ故、キャップ・ボディに対して、エジェクタ・ユニットを移動することにより、ニードル・アセンブリを長手方向に移動することができる。
【0030】
エジェクタ・ユニットの内向きに突出するリムは、特に、エジェクタ・ユニットが、初期の、ゆえに、アイドル位置にあるとき、キャップ・ボディの近位端セクションとも隣接してよい。
【0031】
あるいは、ニードル・アセンブリの形状によっては、エジェクタ・ユニットは、その近位端セクションに半径方向、内向きに突出するリムを有することなしでも、突き出す機能を提供してもよい。ニードル・アセンブリの半径方向に外向きに突出するフランジ部分が十分に大きいならば、エジェクタ・ユニットの近位端と、ニードル・アセンブリの個別のフランジ部分との、個別の軸方向の隣接は、エジェクタ・ユニットの近位方向への変位を、ニードル・アセンブリに伝達するのに十分な、同等の軸方向の隣接を提供することが可能である。
【0032】
さらなる、独立した態様において、本発明は、そこに取り付けられた針を有する、ニードル・ハブ(hub)を含む、薬物送達デバイスのための、ニードル・アセンブリにも関わる。ニードル・ハブは、さらになお、薬物送達デバイスのハウジングと、特に、カートリッジ・ホルダの遠位部分と、解除可能に係合するための、締結手段を含む。通常は、上記締結手段は、カートリッジ・ホルダの遠位ソケット部分として提供された、外ねじと対応する内ねじを含む。このように、ニードル・ハブを、ねじ込みにより、カートリッジ・ホルダに締結し、取り付けることができる。あるいは、ニードル・ハブとカートリッジ・ホルダとの、スナップばめ式係合も考えられる。
【0033】
ニードル・アセンブリは、ニードル・ハブ上に解除可能に取り付けられていて、さらになお、ハウジングと、即ち、薬物送達デバイスのボディ、及び/又は、カートリッジ・ホルダと、解除可能に係合するために、キャップ・アセンブリのキャップ・ボディ内側の対応する溝と係合するように適合されている、少なくとも1つの、半径方向に突出するスタッドを含んでなる、少なくとも1つのニードル・キャップを、さらになお含む。溝とスタッドの相互の係合を手段として、ニードル・キャップとキャップ・ボディとの、回転の、及び/又は、長手方向の相互連結が達成できる。それゆえ、ニードル・キャップ上に配列された、半径方向に突出するスタッドは、ニードル・キャップと、キャップ・ボディ、又は、キャップ・アセンブリとの回転の、及び/又は、長手方向の相互連結を提供するように適合されている。
【0034】
ニードル・キャップは好ましくは、ニードル・キャップの外側周辺上に等距離に配置されている、少なくとも2つ、又は、複数の、半径方向に突出するスタッドを含む。ニードル・キャップは好ましくは、別の内側保護キャップと共に提供されてもよい、針のための保護シース(sheath)を提供する、外側ニードル・キャップとして設計されている。
【0035】
ニードル・アセンブリのニードル・キャップは、薬剤の用量の注射後、ニードル・ハブ上に再度取り付ける様に意図されている。好ましい実施態様において、ニードル・キャップは、記述されたように、薬物送達デバイスのキャップ・アセンブリに、少なくとも長手方向に固定される。次に、使用者は、ニードル・ハブ上のニードル・キャップを置くためのキャップ・アセンブリを扱うだけでよい。ニードル・キャップと係合されたキャップ・アセンブリを使用することにより、ニードル・アセンブリを、カートリッジ・ホルダから分解した後、ニードル・アセンブリ全体を、エジェクタ・ユニットを使用することにより、キャップ・アセンブリから突き出すことができる。
【0036】
それゆえ、少なくとも1つのニードル・キャップは、エジェクタ・ユニットの近位端セクションと隣接する、近位端セクションにある、半径方向、外向きに突出するフランジをも、好ましくは、含む。
【0037】
別の、好ましい態様において、本発明は、上述のような、キャップ・アセンブリ、及び、ニードル・アセンブリを含む、薬物送達デバイスのための針取出システムにも関わる。ここで、ニードル・アセンブリは、その上に取り付けられた針を有し、及び、さらになお、ニードル・ハブ上に、解除可能に取り付けられた、少なくとも1つのニードル・キャップを有するニードル・ハブを含む。ニードル・キャップ、及び、キャップ・アセンブリは、ニードル・キャップとキャップ・アセンブリを回転可能にインタロックするための、相互に対応する回転ロック手段を含む。このように、カートリッジ・ホルダへニードル・アセンブリをねじ込む、又は、カートリッジ・ホルダから、ねじって外すための道具として、キャップ・アセンブリを使用することができる。
【0038】
好ましい実施態様において、ニードル・キャップの回転ロック手段は、キャップ・アセンブリの、特に、キャップ・ボディの、円周溝内に配列された、少なくとも1つの停止エレメントと係合するように適合された、半径方向に伸びているスタッドを含む。上記溝は好ましくは、実質的に円筒形状を有する、キャップ・ボディの内側の円周側壁に配列される。
【0039】
別の独立した態様において、本発明は、注射によって、薬剤の投与のための薬物送達デバイスにも関わる。デバイスは、ニードル・アセンブリと、解除可能に係合するように適合された、ハウジングを含み、さらになお、薬剤が入っている、ハウジングの中に配列されたカートリッジを有する。好ましくはペン型注射器を含む薬物送達デバイスは、さらになお、上述のように、キャップ・アセンブリを含む。
【0040】
さらにその上、別の独立した態様において、本発明は、薬物送達デバイスのニードル・アセンブリとハウジングとの係合を外す方法にも関わり、ここで第1のステップにおいて、薬物送達デバイスの遠位ハウジングセクション上に取り付けられているニードル・アセンブリは、その中に固定された対応するニードル・キャップを有するキャップ・アセンブリのカップ状ボディ内に挿入される。キャップ・アセンブリ内に、ニードル・アセンブリを挿入することを手段として、一方では、キャップ・アセンブリ内に固定されたニードル・キャップは、ニードル・アセンブリ上に再度取り付けられ、それにより、ニードル・アセンブリの尖った針を受ける。他方では、キャップ・ボディ内、及び、ニードル・キャップ内に、ニードル・アセンブリを挿入することを手段として、キャップ・アセンブリとニードル・アセンブリとの確動的な係合が達成され、従って、ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダとの係合を外すための道具として、キャップ・アセンブリを使用することができる。
【0041】
それゆえに、ニードル・アセンブリが、キャップ・アセンブリに固定される、又は、固定されたままであるように、キャップ・アセンブリとハウジングを互いから離すように、並進の、及び/又は、回転の変位をさせることによって、ニードル・アセンブリとハウジング部分の相互係合を外すことができる。ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダとを分解した後、ニードル・アセンブリは、カップ状キャップ・ボディのレセプタクル内に固定される。次に、長手方向に、キャップ・ボディ上に、可動であるように配置されている、エジェクタ・ユニットを最終的に使用することにより、カップ状ボディから、従って、キャップ・アセンブリから、ニードル・アセンブリをエジェクトし、分解するために、カップ状ボディの開口端に向かって、キャップ・アセンブリを、変位させることができる。
【0042】
同様に、キャップ・アセンブリを使用することにより、例えば、ニードル・アセンブリを、中空キャップ内に挿入することにより、及び、カートリッジ・ホルダ上にニードル・アセンブリをねじ込むための道具として、キャップ・ボディを使用することにより、カートリッジ・ホルダ上に、ニードル・アセンブリを取り付けることもできる。薬物送達デバイスのハウジングのボディに対して、遠位方向への力を、キャップ・アセンブリに加えることにより、ニードル・キャップとニードル・ハブの分解が引き起こされ、ここで、ニードル・キャップは、キャップ・アセンブリに固定されたままである。
【0043】
キャップ・アセンブリを手段として、ニードル・キャップを再び、ニードル・ハブに取り付ける前に、薬物送達デバイスを、薬剤の注射をするために使用することができる。好ましくは、キャップは、ニードル・アセンブリの反復使用ができないように設計される。
【0044】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、好ましくは少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで1つの実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0045】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0046】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0047】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0048】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0049】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0050】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0051】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン若しくはその誘導体、又は硫酸化された、例えば、上記多糖類のポリ硫酸化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0052】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基性塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基性塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1〜C6アルキル基、場合により置換されるC2〜C6アルケニル基、場合により置換されるC6〜C10アリール基、又は場合により置換されるC6〜C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集)
,Mark Publishing社,Easton, Pa., U.S.A., 1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0053】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0054】
さらになお、当業者には明らかなことであるが、種々の変更、及び、変化を、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに、本発明に行うことができる。さらになお、注意すべき点は、添付請求項に使用された、いかなる引用符号も、本発明の範囲を制約するものとして解釈されることはない。
【0055】
以下において、本発明の好ましい実施態様を、下記の図面を参照することにより、十分に詳細に説明する:
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】斜視図で、本発明に記載のキャップ・アセンブリを示す。
図2】エジェクタ・ユニットが初期位置にある、図1によるキャップ・アセンブリの近位端を、拡大図で示す。
図3】それのエジェクタ・ユニットが突き出す位置にある、図2によるキャップ・アセンブリを示す。
図4】キャップ・ボディの近位端を示す。
図5】ニードル・キャップの外側を概略的に示す。
図6】キャップ・アセンブリ内に固定された、ニードル・アセンブリの斜視図を示す。
図7】エジェクトされたニードル・アセンブリと共に、図6による、ニードル・アセンブリとキャップ・アセンブリを示す。
図8図9に示された、カートリッジ・ホルダ、ニードル・アセンブリ、キャップ・アセンブリ、及び、エジェクタ・ユニットの接触面の拡大図を示す。
図9】初期構成における、カートリッジ・ホルダ部分上に取り付けられた、ニードル・アセンブリとキャップ・アセンブリの長手方向断面を示す。
図10】エジェクタ・ユニットが突き出す位置にある、図9によるアセンブリを示す。
【0057】
図1、6、及び、7の斜視図において、薬物送達デバイスの、特に、ペン型注射器のキャップ・アセンブリ10が、別々に図示されている。キャップ・アセンブリ10は、カップ状レセプタクル15を含んでなる、実質的に円筒状のキャップ・ボディ12を含む。加えて、キャップ・アセンブリは、キャップ10、及び/又は、薬物送達デバイス全体を、例えば、1枚の布にしっかり結びつける(fasten)ための、クリップ13を含む。
【0058】
キャップ・アセンブリ10は、本明細書には図示されてはいない薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダ46のための保護手段として、本来は役立つ。さらになお、図2,3、及び、4に図示されたキャップ・ボディ12は、それゆえ、環状の、又は、円周の溝20を、それの近位端に近い内側壁に含む。上記溝20を手段として、キャップ・ボディ12を、カートリッジ・ホルダ46、又は、ボディ、又は、明確には図示されていない薬物送達デバイスのハウジング・コンポーネントのいずれかに除去可能に取り付けることができる。
【0059】
キャップ・アセンブリ10は、さらになお、キャップ・ボディ12の近位端の外周に取り付けられている円筒状スリーブ16を有するエジェクタ・ユニット14を含む。ジェクタ・ユニット14は、それの近位端に、そして図3に示すように、図2に示すようにエジェクタ・ユニットの初期構成において、キャップ・ボディ12の近位端と隣接している半径方向に内向きに突出するフランジ18を含む。加えて、エジェクティング・スリーブ(ejecting sleeve)16、及び、キャップ・ボディ12は、エジェクティング・スリーブ16の内側壁から半径方向内側に向いているピン26を手段として互いに固定され、確動的に係合されている。上記ピン26は、キャップ・ボディ12の縦スロット24内でガイドされる。
【0060】
この様に、ジェクタ・ユニット14は、キャップ・ボディ12の近位端の外側円周上に、摺動可能に支持されている。キャップ・ボディの、環状溝20は、さらになお、図4に、詳しく図示されている。斜視図に示すように、溝20は、そこの間に、レセプタクル20'を形成する2つの停止エレメント22によって遮断されている。キャップ・ボディと一体に形成された停止エレメント22は、互いに離れた方向を向いている斜めの側部28を含み、さらになお、お互いの方向を向いているかなり急勾配の、実質的に半径方向に伸びている側部27を含む。環状溝20は、対応するスナップばめ式エレメント、又は、薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダ46、若しくは、ボディの、半径方向突起を受けるように適合されるだけでなく、図5から7に示されるように、ニードル・アセンブリ40の外側ニードル・キャップ30の外周上に配列された、半径方向に伸びているスタッド36を受けるように適合される。
【0061】
図9に、断面で全体が図示されているニードル・アセンブリ40は、カートリッジ・ホルダ46の遠位支持部分48とねじ結合で係合される、ニードル・ハブ42を含む。ニードル・ハブ42は、図9に示されたように、アセンブリ構成において、カートリッジ・ホルダ46の前部、又は、遠位の面に配置された、直通の開口部50を通って、伸びている針44を支持する。ニードル・アセンブリ40は、さらになお、ニードル・ハブ42と、確動的に、及び/又は、摩擦により、しかし、解除可能に係合される、外側ニードル・キャップ30を含む。
【0062】
図5に図示されたように、外側ニードル・キャップ30は、針44を受けるように適合された、シース・セクション32を含み、それは、本明細書には図示されていない、内側ニードル・キャップによって、同様に、独立して保護されてもよい。外側ニードル・キャップ30は、さらになお、ニードル・ハブ42を受けるように適合されたソケット部分34を含む。実質的に円筒形状の、ソケット部分34は、半径方向に突き出ていて直径方向に逆向きに配置されたスタッド36を含む。ソケット34の近位端には、ソケット部分34から半径方向に突出する環状リム38が備えられている。
【0063】
さらになお、図8と9に示すように、外側ニードル・キャップ30は、キャップ・ボディ12と確動的に係合するように適合されている。それゆえ、ニードル・アセンブリ全体をスタッド36がキャップ・ボディ12の内側環状溝20とはめ合うまで、中空ペン・キャップ・アセンブリ10のレセプタクル15内に挿入することができる。このように、ニードル・キャップ30とキャップ・アセンブリ10の確動的係合を達成することができる。カートリッジ・ホルダ46に、同様に、ねじ込まれ締結されてよいキャップ・アセンブリ10、又は、それのキャップ・ボディ12を、次に、ニードル・アセンブリ40に対して、回転するとき、外側ニードル・キャップ30のスタッド36は、それらが対応する停止エレメント22に達するまで、溝22に沿ってガイドされる。
【0064】
それらの対応する形と形状に応じて、停止エレメント22自体は、半径方向に突出するスタッド36に衝合してよく、従って、キャップ・ボディ12と外側ニードル・キャップ30の、少なくとも、一方向の回転インタロックをもたらす。停止エレメント22が、隣接して伸びている溝20に向かって斜めの、又は、傾斜した側部28を含む、図4に記載の実施態様において、キャップ・ボディ12とニードル・キャップ30は、スタッド36が溝部分20'にはまり込む(snap into)まで、お互いに対して回転が可能であり、スタッド36の環状突起に対応する環状突起を含む。このように、キャップ・ボディ12と外側ニードル・キャップ30との、双方向回転ロックを達成することができる。
【0065】
図8、及び、9に、さらになお、図示するように、ニードル・キャップ30の半径方向に突出する環状リム38は、エジェクタ・ユニット14の半径方向に内向きに向いたフランジ部分18に衝合する。近位方向に、即ち、カートリッジ・ホルダ46方向に、エジェクタ・スリーブ16を変位すること、特に、滑動することを手段として、スタッド36と溝20のスナップばめ式係合を解除することができ、例えば、図7に示すように、ニードル・アセンブリ40を、全体として、ペン・キャップ・アセンブリ10から突き出すことができる。
【0066】
薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダ46に対する、ニードル・アセンブリの組立、及び、分解は次の通りである。新しいニードル・アセンブリを、カートリッジ・ホルダ46上に、手動でねじ込む、又は、例えば、図6に示すように、あるいは、ペン・キャップ・アセンブリ10のキャップ・ボディ12内にクリップ留めすることができる。キャップ・ボディ12内に挿入されたとき、ペン・キャップ・アセンブリ10を、カートリッジ・ホルダ46の対応するねじが付いた遠位部分48上に、ニードル・アセンブリ40を、特に、それのニードル・ハブ42をねじ込む道具として使用することができる。通常は、ニードル・アセンブリをカートリッジ・ホルダ上に取り付ける前に、個別の保護ホイルを、ニードル・アセンブリから取り除く。
【0067】
通常は、外側ニードル・キャップ30を、任意の角度位置でキャップ・ボディ12内にクリップ留め、又は、挿入するとき、外側ニードル・キャップ30のスタッド36は、通常、溝20と嵌め合う(mate with)。ニードル・ハブ42を、カートリッジ・ホルダ46のねじが付いた遠位支持部48上にねじ込む間に、外側ニードル・キャップ30のスタッド36を溝部分20'内にロックすることができる。図9に示すように、カートリッジ・ホルダ46上のニードル・アセンブリ40の最終組立位置が実現したとき、ペン・キャップ・アセンブリ10をカートリッジ・ホルダ46から取り除くことができ、ここで、外側ニードル・キャップ30は、キャップ・ボディ12内に締結されたままであり、従って、針44を解放する。
【0068】
その結果、薬物送達デバイスは、カートリッジ・ホルダ46内に置かれ、注射針44と流体連結しているカートリッジの内部に入っている薬剤の用量をいつでも設定し投薬することができる。通常は、針自体は、内側の、使い捨てニードル・キャップを手段として、さらになお、保護される。これは、注射の前に取り除く必要がある。
【0069】
注射処置後、そこに固定された外側ニードル・キャップ30と共に、キャップ・ボディ12を、針キャブ上に元に戻すことができる。外側ニードル・キャップ30とニードル・ハブ42は、圧力ばめ、又は、締め付けばめを手段として相互に係合するので、カートリッジ・ホルダ46に対してキャップ・ボディ12に外部から加えられたトルクによって、ニードル・ハブ42をねじって外すこととなる。ニードル・ハブ42と、カートリッジ・ホルダ46の支持部分48とのねじ込み係合が解除されたとき、キャップ・ボディ12を、カートリッジ・ホルダ46から取り除くことができる。ニードル・アセンブリ40は、次に、図6に図示されるように、ペン・キャップ・アセンブリ10に締結される。次に、エジェクタ・ユニット14を近位方向に変位することにより、エジェクタ・スリーブ16のフランジ部分18は、個別の近位方向を向いた力を、及び、それゆえ、対応する動きを、それの環状リム38を介して、外側ニードル・キャップ30に伝達する。
【0070】
この様に、キャップ・ボディ12と外側ニードル・キャップ30、及び、それゆえ、ニードル・アセンブリ40との、スナップばめ式連結を効果的に解除することができ、図7に図示するように、結局、ニードル・アセンブリ40を突き出すこととなる。
【符号の説明】
【0071】
10 ペン・キャップ・アセンブリ
12 キャップ・ボディ
13 クリップ
14 エジェクタ・ユニット
15 レセプタクル
16 エジェクタ・スリーブ
18 フランジ
20 溝
20’溝部分
22 停止エレメント
24 スロット
26 ピン
27 サイド・セクション
28 サイド・セクション
30 外側ニードル・キャップ
32 シース・セクション
34 ソケット
36 スタッド
38 リム
40 ニードル・アセンブリ
42 ニードル・ハブ
44 針
46 カートリッジ・ホルダ
48 サポート
50 直通の開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-9】
図10