【課題を解決するための手段】
【0009】
それゆえ、本発明の目的は、少なくとも、薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダからニードル・アセンブリを分解するための道具として役立つ、薬物送達デバイスのための改善されたキャップ・アセンブリを提供することである。さらなる目的は、スティッチ損傷のリスクを減らし、患者の安全を高めることである。さらにその上、キャップ・アセンブリについて、患者がそれの使用法を、容易に理解できなければならない。キャップ・アセンブリは、同様に、製造コストと組立費用に関して、費用効果が高くなければならない。
【0010】
本発明による、キャップ・アセンブリは、ハウジングと、特に、ペン型注射器の様な、薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダと、解除可能に係合されるように適合されている、キャップ・ボディを含む。キャップ・ボディは、カートリッジ・ホルダ、及び、その中に配列されるカートリッジのための防護手段として役立つだけではない。それは、さらになお、薬物送達デバイスのハウジングと、特に、カートリッジ・ホルダと、解除可能に相互連結される、ニードル・アセンブリを受けるように適合される。
【0011】
このように、キャップ・アセンブリは、ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダを組み立てるため、及び、分解するための機能を提供する。
【0012】
キャップ・アセンブリはさらに、少なくともボディの長軸に沿って、キャップ・ボディ上に配置され、キャップ・ボディからニードル・アセンブリを取り出し、取り除く目的のため、エジェクタ・ユニットの長手方向、又は、軸方向の動きを、ニードル・アセンブリに伝達するように適合されている機械的伝動手段を有する、エジェクタ・ユニットを含む。キャップ・アセンブリは、特に、そのキャップ・ボディは、ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダを分解するように適合されているので、カートリッジ・ホルダからのそれの除去後に、ニードル・アセンブリがキャップ・ボディに、機械的に係合、及び/又は、締結されるという問題が生じる。エジェクタ・ユニットを手段として、キャップ・ボディ、及び、そこに配列されたニードル・アセンブリを、互いに容易に離すことができ、ニードル・アセンブリを分離して、廃棄できる。
【0013】
キャップ・アセンブリは、ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダの組立、及び/又は、分解のための道具を提供し、さらに、ニードル・アセンブリとキャップ・アセンブリを分離するためのエジェクタ・ユニットを有するので、患者は、用量を投与するとき以外は、防護されていない針に直接、接触することはもはやない。
【0014】
好ましい実施態様において、キャップ・アセンブリは、特にキャップ・ボディは、ハウジングの少なくとも一部を、例えば、カートリッジ・ホルダを、又は、ボディを選択的に受けるための、及び/又は、近位端セクション内のニードル・アセンブリの少なくとも一部を受けるための、カップ状レセプタクルを含む。
【0015】
本文脈において、留意すべきことは、用量注射処置の間、遠位方向は患者の方向に面し、キャップ・アセンブリ、又は、薬物送達デバイスの近位方向は、それぞれ、適用の患者領域からみて外側に面している。なおその上、長手方向の、従って、軸方向の、エジェクタ・ユニットの動きは、必然的に、動きの軸方向成分を含む長手方向の並進運動の変位、及び、回転運動を含んでよい。
【0016】
通常は、キャップ・ボディは、実質的に、円筒形状であり、それの遠位端部が閉じられている。反対側の、それの近位端セクションで、キャップ・ボディは、特に、ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダの組立、及び/又は、分解のための、カートリッジ・ホルダ、及び/又は、ニードル・アセンブリを選択的に受けるように適合されたレセプタクルを含む。この目的のため、薬物送達デバイスのハウジングに対する、キャップ・アセンブリの回転の、及び/又は、長手方向の変位が、カートリッジ・ホルダに対して、ニードル・アセンブリのそれぞれの変位へと伝わる様に、ニードル・アセンブリをキャップ・ボディに固定することができる。
【0017】
さらなる、好ましい実施態様において、エジェクタ・ユニットは、キャップ・ボディの近位端セクション上に、摺動可能に配置される。それは、エジェクタ・ユニットが、キャップ・ボディの近位端セクションから、少なくとも部分的に突出する、インジェクション位置へと、少なくとも、変位可能である。通常は、近位端面を有するエジェクタ・ユニットは、キャップ・ボディのレセプタクルの端から近位方向に突出する。その結果、キャップ・ボディに対して、遠位方向にエジェクタ・ユニットを変位することによって、それぞれの近位方向を向いた変位は、キャップ・ボディのレセプタクル内に固定されたニードル・アセンブリに伝達することができる。この目的のため、エジェクタ・ユニットの少なくとも近位方向変位が、キャップ・ボディに対して、ニードル・アセンブリのそれぞれの近位方向変位に対応して伝わるように、エジェクタ・ユニットとニードル・アセンブリは相互に係合する。
【0018】
エジェクタ・ユニットは通常、キャップ・ボディに締結される。キャップ・ボディに対して、エジェクタ・ユニットの長手方向、及び/又は、回転変位が、それぞれの相対長手方向の突き出す変位を引き起こすように、それは、摺動可能に、又は、ねじ結合でその上に配列される。
【0019】
さらなる実施態様において、エジェクタ・ユニットは、キャップ・ボディの縦スロット内にガイドされている、少なくとも1つの、半径方向に内向きに突出するピンを含む。スロットは好ましくは、軸方向に伸びるが、キャップ・ボディの長軸に関して、斜めであってもよい。好ましくは、エジェクタ・ユニットは、キャップ・ボディの近位端セクションを、少なくとも部分的に囲み、ここでエジェクタ・ユニットとキャップ・ボディの相互の変位は、エジェクタ・ユニットのピンをガイドするように適合された、キャップ・ボディの縦スロットのコース(course)に支配される。前記、ピンと縦スロットの係合により、キャップ・ボディと確動的に係合しているエジェクタ・ユニットは、スロットの伸長、及び/又は、コースによって決定される、所定の限度内で、キャップ・ボディに対して、自由に動くことができる。
【0020】
別の、好ましい態様において、エジェクタ・ユニットは、キャップ・ボディの近位端セクションを囲む実質的に円筒状のスリーブを含む。エジェクタ・ユニットの円筒状スリーブは、キャップ・ボディの近位端セクションの形と形状に、通常は適合している。さらにその上、キャップ・ボディとエジェクタ・ユニットが美観設計を成すように、キャップ・ボディの形状と外面形状は、設計され、エジェクタ・ユニットの形と形状に適合されてよい。
【0021】
別の実施態様によると、キャップ・ボディは、キャップ・ボディとニードル・アセンブリを回転可能に、インタロックするためのインタロック手段を含む。好ましくは、キャップ・ボディとニードル・アセンブリは、キャップ・ボディとニードル・アセンブリを回転可能に固定するための、相互に対応するインタロック手段を含む。回転連結を手段として、ニードル・アセンブリは、カートリッジ・ホルダ上にねじ込むことができ、また、キャップ・アセンブリを使用することにより、そこからねじって外すこともできる。
【0022】
さらなる態様において、キャップ・ボディは、その内壁に、少なくとも1つの、円周溝を含み、ここで、上記溝は、ニードル・アセンブリの、少なくとも1つの、半径方向に外向きに突出するスタッド(stud)を受けるように適合される。スタッドと溝は、例えば、ニードル・アセンブリとキャップ・ボディを、少なくとも、長手方向に相互固定を提供するスナップ・イン機能を手段として、互いに係合することができる。相互係合の溝とスタッドを手段として、キャップ・ボディは、溝の周方向伸長によって画成される、少なくとも所定の限度内で、ニードル・アセンブリに対して自由に回転してよい。
【0023】
さらなる好ましい実施態様において、キャップ・ボディの内側壁の溝は、少なくとも1つのスタッド、又は、薬物送達デバイスのハウジングの、対応する、半径方向に突出するスナップばめ式手段を、選択的に受けるように、普遍的に適合されている。キャップ・アセンブリを、薬物送達デバイスのハウジングのボディに取り付けるように適合された、スナップばめ式手段は、薬物送達デバイスの、上記ボディ上、又は、カートリッジ・ホルダの近位部分上のいずれかに、直接配列される。このように、円周溝は、少なくとも2つの機能を提供する。それは、薬物送達デバイスのハウジングに、キャップ・アセンブリを固定する、締結手段として役に立ち、さらになお、薬物送達デバイスのニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダを、相互に組み立てる目的のため、ニードル・アセンブリをキャップ・アセンブリに、一時的に取り付ける手段としても役に立つ。
【0024】
さらなる、好ましい実施態様において、キャップ・ボディの溝は、キャップ・ボディの開口端のごく近くに配列される。キャップ・ボディ内側のそれの場所にかかわりなく、溝は、ニードル・アセンブリに対して、少なくとも1つの方向に、キャップ・ボディの回転運動をロックするように適合された、そこに配列された、少なくとも1つの停止エレメントを含む。好ましくは、停止エレメントは、キャップ・ボディとニードル・アセンブリの相互の自由な回転を防止する、溝内の切れ目として設計される。しかし、キャップ・アセンブリとニードル・アセンブリが相互に係合しているとき、及び、溝が、2つの直径方向に相対して位置する停止エレメントを含むとき、キャップ・ボディは、ニードル・アセンブリに対して、最大約180°回転可能である。溝内に、等距離に配置された停止エレメントの数によっては、回転の最大角度は、360°を停止エレメントの数で割った角度だけ減少される。例えば、3つの停止エレメントの場合、最大角度は120°に等しく、4つの停止エレメントの場合、個別の角度は、実質的に90°に減少する。
【0025】
停止エレメント、及び、ニードル・アセンブリの半径方向に外向きに突出するスタッドが相互に係合、又は、隣接するやいなや、キャップ・ボディのさらなる回転が、それに応じてニードル・アセンブリの回転を強いる。少なくとも1つの停止エレメントを特徴とする溝を手段として、キャップ・ボディとニードル・アセンブリを、お互いに対し、長手方向に、及び、回転に関して固定するための、むしろ簡素な効率的な手段が提供される。
【0026】
キャップ・ボディとニードル・アセンブリのスナップ・イン・アセンブリは、ニードル・アセンブリの半径方向、外向きに突出するスタッドと、対応する溝の停止エレメントが、溝が数個の、例えば、1つ、2つ、3つ、又は、4つの、等距離に配置された停止エレメントのみを含むとき、起こり得るお互いに対して、円周方向オフセットで配置されることを必要とする。このように、一種の近位方向に向いた押す動きによって、キャップ・アセンブリをニードル・アセンブリ上に、単に、置く、又は、押し付けることによって、キャップ・ボディとニードル・アセンブリは、確動的に係合してよい。相互に対応するスナップばめ式の手段を用いて、キャップ・ボディとニードル・アセンブリが相互に係合するとすぐに、ニードル・アセンブリの半径方向に外向きに突出するスタッドとキャップ・ボディの溝の停止エレメントが相互に隣接するまで、キャップ・ボディは、ニードル・アセンブリに対して、回転することができる。
【0027】
キャップ・ボディと、薬物送達デバイスのカートリッジ・ホルダ、又は、ハウジングとの、さらなる相対回転が、カートリッジ・ホルダに対する、ニードル・アセンブリの個別の回転する、及び、分解する動きを引き起こす。
【0028】
スナップばめ式係合によって、ニードル・アセンブリ全体は、カートリッジ・ホルダから除去されたとき、キャップ・アセンブリのレセプタクル内に留まる。エジェクタ・ユニットを手段として、ニードル・アセンブリを、キャップ・アセンブリから分離することができ、それのキャップ・ボディとキャップ・アセンブリを、保護キャップとして、カートリッジ・ホルダ上に戻すことができる。
【0029】
なおその上、本発明の、別の、好ましい実施態様によると、エジェクタ・ユニットは、それの近位端セクションに、半径方向、内向きに突出するリム(rim)を含む。ニードル・アセンブリが、キャップ・アセンブリのレセプタクル内に配列されるとき、内向きに突出するリムは、ニードル・アセンブリの、半径方向に外向きに突出するフランジ部と、軸方向で隣接するように適合されている。エジェクタ・ユニットとニードル・アセンブリとの、軸方向、及び、長手方向の隣接を有することにより、それ故、キャップ・ボディに対して、エジェクタ・ユニットを移動することにより、ニードル・アセンブリを長手方向に移動することができる。
【0030】
エジェクタ・ユニットの内向きに突出するリムは、特に、エジェクタ・ユニットが、初期の、ゆえに、アイドル位置にあるとき、キャップ・ボディの近位端セクションとも隣接してよい。
【0031】
あるいは、ニードル・アセンブリの形状によっては、エジェクタ・ユニットは、その近位端セクションに半径方向、内向きに突出するリムを有することなしでも、突き出す機能を提供してもよい。ニードル・アセンブリの半径方向に外向きに突出するフランジ部分が十分に大きいならば、エジェクタ・ユニットの近位端と、ニードル・アセンブリの個別のフランジ部分との、個別の軸方向の隣接は、エジェクタ・ユニットの近位方向への変位を、ニードル・アセンブリに伝達するのに十分な、同等の軸方向の隣接を提供することが可能である。
【0032】
さらなる、独立した態様において、本発明は、そこに取り付けられた針を有する、ニードル・ハブ(hub)を含む、薬物送達デバイスのための、ニードル・アセンブリにも関わる。ニードル・ハブは、さらになお、薬物送達デバイスのハウジングと、特に、カートリッジ・ホルダの遠位部分と、解除可能に係合するための、締結手段を含む。通常は、上記締結手段は、カートリッジ・ホルダの遠位ソケット部分として提供された、外ねじと対応する内ねじを含む。このように、ニードル・ハブを、ねじ込みにより、カートリッジ・ホルダに締結し、取り付けることができる。あるいは、ニードル・ハブとカートリッジ・ホルダとの、スナップばめ式係合も考えられる。
【0033】
ニードル・アセンブリは、ニードル・ハブ上に解除可能に取り付けられていて、さらになお、ハウジングと、即ち、薬物送達デバイスのボディ、及び/又は、カートリッジ・ホルダと、解除可能に係合するために、キャップ・アセンブリのキャップ・ボディ内側の対応する溝と係合するように適合されている、少なくとも1つの、半径方向に突出するスタッドを含んでなる、少なくとも1つのニードル・キャップを、さらになお含む。溝とスタッドの相互の係合を手段として、ニードル・キャップとキャップ・ボディとの、回転の、及び/又は、長手方向の相互連結が達成できる。それゆえ、ニードル・キャップ上に配列された、半径方向に突出するスタッドは、ニードル・キャップと、キャップ・ボディ、又は、キャップ・アセンブリとの回転の、及び/又は、長手方向の相互連結を提供するように適合されている。
【0034】
ニードル・キャップは好ましくは、ニードル・キャップの外側周辺上に等距離に配置されている、少なくとも2つ、又は、複数の、半径方向に突出するスタッドを含む。ニードル・キャップは好ましくは、別の内側保護キャップと共に提供されてもよい、針のための保護シース(sheath)を提供する、外側ニードル・キャップとして設計されている。
【0035】
ニードル・アセンブリのニードル・キャップは、薬剤の用量の注射後、ニードル・ハブ上に再度取り付ける様に意図されている。好ましい実施態様において、ニードル・キャップは、記述されたように、薬物送達デバイスのキャップ・アセンブリに、少なくとも長手方向に固定される。次に、使用者は、ニードル・ハブ上のニードル・キャップを置くためのキャップ・アセンブリを扱うだけでよい。ニードル・キャップと係合されたキャップ・アセンブリを使用することにより、ニードル・アセンブリを、カートリッジ・ホルダから分解した後、ニードル・アセンブリ全体を、エジェクタ・ユニットを使用することにより、キャップ・アセンブリから突き出すことができる。
【0036】
それゆえ、少なくとも1つのニードル・キャップは、エジェクタ・ユニットの近位端セクションと隣接する、近位端セクションにある、半径方向、外向きに突出するフランジをも、好ましくは、含む。
【0037】
別の、好ましい態様において、本発明は、上述のような、キャップ・アセンブリ、及び、ニードル・アセンブリを含む、薬物送達デバイスのための針取出システムにも関わる。ここで、ニードル・アセンブリは、その上に取り付けられた針を有し、及び、さらになお、ニードル・ハブ上に、解除可能に取り付けられた、少なくとも1つのニードル・キャップを有するニードル・ハブを含む。ニードル・キャップ、及び、キャップ・アセンブリは、ニードル・キャップとキャップ・アセンブリを回転可能にインタロックするための、相互に対応する回転ロック手段を含む。このように、カートリッジ・ホルダへニードル・アセンブリをねじ込む、又は、カートリッジ・ホルダから、ねじって外すための道具として、キャップ・アセンブリを使用することができる。
【0038】
好ましい実施態様において、ニードル・キャップの回転ロック手段は、キャップ・アセンブリの、特に、キャップ・ボディの、円周溝内に配列された、少なくとも1つの停止エレメントと係合するように適合された、半径方向に伸びているスタッドを含む。上記溝は好ましくは、実質的に円筒形状を有する、キャップ・ボディの内側の円周側壁に配列される。
【0039】
別の独立した態様において、本発明は、注射によって、薬剤の投与のための薬物送達デバイスにも関わる。デバイスは、ニードル・アセンブリと、解除可能に係合するように適合された、ハウジングを含み、さらになお、薬剤が入っている、ハウジングの中に配列されたカートリッジを有する。好ましくはペン型注射器を含む薬物送達デバイスは、さらになお、上述のように、キャップ・アセンブリを含む。
【0040】
さらにその上、別の独立した態様において、本発明は、薬物送達デバイスのニードル・アセンブリとハウジングとの係合を外す方法にも関わり、ここで第1のステップにおいて、薬物送達デバイスの遠位ハウジングセクション上に取り付けられているニードル・アセンブリは、その中に固定された対応するニードル・キャップを有するキャップ・アセンブリのカップ状ボディ内に挿入される。キャップ・アセンブリ内に、ニードル・アセンブリを挿入することを手段として、一方では、キャップ・アセンブリ内に固定されたニードル・キャップは、ニードル・アセンブリ上に再度取り付けられ、それにより、ニードル・アセンブリの尖った針を受ける。他方では、キャップ・ボディ内、及び、ニードル・キャップ内に、ニードル・アセンブリを挿入することを手段として、キャップ・アセンブリとニードル・アセンブリとの確動的な係合が達成され、従って、ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダとの係合を外すための道具として、キャップ・アセンブリを使用することができる。
【0041】
それゆえに、ニードル・アセンブリが、キャップ・アセンブリに固定される、又は、固定されたままであるように、キャップ・アセンブリとハウジングを互いから離すように、並進の、及び/又は、回転の変位をさせることによって、ニードル・アセンブリとハウジング部分の相互係合を外すことができる。ニードル・アセンブリとカートリッジ・ホルダとを分解した後、ニードル・アセンブリは、カップ状キャップ・ボディのレセプタクル内に固定される。次に、長手方向に、キャップ・ボディ上に、可動であるように配置されている、エジェクタ・ユニットを最終的に使用することにより、カップ状ボディから、従って、キャップ・アセンブリから、ニードル・アセンブリをエジェクトし、分解するために、カップ状ボディの開口端に向かって、キャップ・アセンブリを、変位させることができる。
【0042】
同様に、キャップ・アセンブリを使用することにより、例えば、ニードル・アセンブリを、中空キャップ内に挿入することにより、及び、カートリッジ・ホルダ上にニードル・アセンブリをねじ込むための道具として、キャップ・ボディを使用することにより、カートリッジ・ホルダ上に、ニードル・アセンブリを取り付けることもできる。薬物送達デバイスのハウジングのボディに対して、遠位方向への力を、キャップ・アセンブリに加えることにより、ニードル・キャップとニードル・ハブの分解が引き起こされ、ここで、ニードル・キャップは、キャップ・アセンブリに固定されたままである。
【0043】
キャップ・アセンブリを手段として、ニードル・キャップを再び、ニードル・ハブに取り付ける前に、薬物送達デバイスを、薬剤の注射をするために使用することができる。好ましくは、キャップは、ニードル・アセンブリの反復使用ができないように設計される。
【0044】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、好ましくは少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで1つの実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0045】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0046】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0047】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH
2配列のペプチドを意味する。
【0048】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH
2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0049】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH
2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH
2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH
2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH
2;
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0050】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらのアンタゴニストである。
【0051】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン若しくはその誘導体、又は硫酸化された、例えば、上記多糖類のポリ硫酸化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0052】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩及び塩基性塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基性塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na
+、又は、K
+、又は、Ca
2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN
+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1〜C6アルキル基、場合により置換されるC2〜C6アルケニル基、場合により置換されるC6〜C10アリール基、又は場合により置換されるC6〜C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集)
,Mark Publishing社,Easton, Pa., U.S.A., 1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0053】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0054】
さらになお、当業者には明らかなことであるが、種々の変更、及び、変化を、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに、本発明に行うことができる。さらになお、注意すべき点は、添付請求項に使用された、いかなる引用符号も、本発明の範囲を制約するものとして解釈されることはない。
【0055】
以下において、本発明の好ましい実施態様を、下記の図面を参照することにより、十分に詳細に説明する: