特許第5946479号(P5946479)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5946479画像を生成するためのシステム及び画像を生成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5946479
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】画像を生成するためのシステム及び画像を生成する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20160623BHJP
   A61B 6/14 20060101ALI20160623BHJP
   A61B 6/12 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   A61B6/03 360D
   A61B6/03 360T
   A61B6/14 300
   A61B6/12
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-18391(P2014-18391)
(22)【出願日】2014年2月3日
(65)【公開番号】特開2014-151196(P2014-151196A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2014年2月28日
(31)【優先権主張番号】13/766,585
(32)【優先日】2013年2月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513097067
【氏名又は名称】デンタル・イメージング・テクノロジーズ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・キーティング
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・パーマ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・エイチ・エルビン
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・エス・ウォルシュ
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・テニー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エス・オドネル
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・コッコ
【審査官】 亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−087921(JP,A)
【文献】 特表2009−517144(JP,A)
【文献】 特表2013−500789(JP,A)
【文献】 特表2011−512897(JP,A)
【文献】 特開2003−088537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を生成するためのシステムであって、
画像生成設定を受信する手段と、
被写体のCTスキャンによって生成された1組の投影データを受信する手段と、
前記被写体の第1の視野を有する第1の3次元のデータセットであり、前記1組の投影データに基づく第1の3次元のデータセットを生成する手段と、
前記3次元のデータセットに基づいて第1の画像を自動的に生成する手段と、
少なくとも1次元で前記第1の視野よりも小さい前記被写体の第2の視野を有する第2の3次元のデータセットであり、前記1組の投影データおよび前記画像生成設定に基づく第2の3次元のデータセットを自動的に生成する手段と、
前記第2の視野の上縁を位置付ける手段と、
前記第2の視野の下縁を位置付ける手段と、
少なくとも1つのネットワークを介してサービス提供者に前記第2の3次元のデータセットを送信するする手段と、
を含むプロセッサ、
を備え、
前記第2の3次元のデータセットが、前記投影データから生成されるデータセットであり、前記第1の3次元のデータセットの範囲内に存在する、システム。
【請求項2】
前記プロセッサが、さらに、前記第2の視野を判定する手段を備え、前記第2の視野を判定する手段が、
前記被写体内で1セットの少なくとも1つの金属品を自動的に検出する手段と、
前記セットの少なくとも1つの金属品を含む垂直領域を判定する手段と、
前記垂直領域の少なくとも1つの縁からの第1の所定の垂直距離に前記第2の視野の上縁を位置付ける手段と、
前記垂直領域の前記少なくとも1つの縁からの第2の所定の垂直距離に前記第2の視野の下縁を位置付ける手段と、
を備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサがさらに、ディスプレイに前記第1の画像を出力する手段を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プロセッサが、前記第1の画像が前記ディスプレイに出力される間に、前記第2の3次元のデータセットを自動的に生成する手段を備える、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第2の3次元のデータセットが、前記第1の3次元のデータセットより高い解像度を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記被写体が、人間の頭部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記サービス提供者が、デバイス製造業者を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記デバイス製造業者が、歯科器具製造業者を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の視野が、頭部の一部を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の視野が、前記頭部に含まれる顎および歯を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
画像を生成する方法であって、
オペレータからの画像生成設定をプロセッサで受信するステップと、
前記画像生成設定に基づいてCT画像装置での被写体のスキャンを前記プロセッサによって開始するステップと、
前記スキャン中に取得された前記CT画像装置からの1組の投影データを前記プロセッサによって受信するステップと、
第1の視野を有する第1の3次元のデータセットであり、前記1組の投影データに基づく第1の3次元のデータセットを前記プロセッサによって生成するステップと、
前記第1の3次元のデータセットに基づいて前記被写体の第1の画像を前記プロセッサによって自動的に生成するステップと、
前記第1の画像を前記オペレータに表示するための信号を生成するステップと、
少なくとも1次元で前記第1の視野よりも小さい第2の視野を有する第2の3次元のデータセットを前記プロセッサで自動的に生成するステップであって、前記第2の3次元のデータが前記1組の投影データおよび前記画像生成設定に基づく、ステップと、
前記第2の視野の上縁を位置付けるステップと、
前記第2の視野の下縁を位置付けるステップと、
少なくとも1つのネットワークを介してデバイス製造業者に前記第2の3次元のデータセットを送信するステップと
を含み、
前記第2の3次元のデータセットが、前記投影データから生成されるデータセットであり、前記第1の3次元のデータセットの範囲内に存在する、
方法。
【請求項12】
前記被写体内で1セットの少なくとも1つの金属品を自動的に検出するステップと、
前記セットの少なくとも1つの金属品を含む垂直領域を判定するステップと、
前記垂直領域の少なくとも1つの縁からの第1の所定の垂直距離に前記第2の視野の上縁を位置付けるステップと、
前記垂直領域の前記少なくとも1つの縁からの第2の所定の垂直距離に前記第2の視野の下縁を位置付けるステップと
によって前記第2の視野を判定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の3次元のデータセットを生成するステップが、前記第1の画像が前記オペレータに表示される間に、前記第2の3次元のデータセットを自動的に生成するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の3次元のデータセットを生成するステップが、前記第1の3次元のデータセットよりも高い解像度を有する3次元のデータセットを生成するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記投影データを受信するステップが、人間の頭部のスキャンに基づくデータを受信するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の3次元のデータセットを前記デバイス製造業者に送信するステップが、前記第2の3次元のデータセットを歯科器具製造業者に送信するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の視野が、頭部の一部を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の視野が、前記頭部の顎および歯を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
画像を生成するためのシステムであって、
被写体をスキャンし、投影データを生成するように構成された、画像装置と、
画像生成設定を受信する手段と、
前記画像生成設定に基づいて前記画像装置で前記被写体のスキャンを開始する手段と、
前記スキャン中に生成された前記画像装置からの1組の投影データを受信する手段と、
前記被写体の第1の視野を有する第1の3次元のデータセットであり、前記1組の投影データに基づく第1の3次元のデータセットを生成する手段と、
前記第1の3次元のデータセットに基づいて、第1の画像を自動的に生成する手段と、
前記第1の画像をオペレータに表示するための信号を生成する手段と、
前記第1の画像が前記オペレータに表示される間に、少なくとも1次元で前記第1の視野よりも小さい前記被写体の第2の視野を有する第2の3次元のデータセットであり、前記1組の投影データおよび前記画像生成設定に基づく第2の3次元のデータセットを自動的に生成する手段と、
前記第2の視野の上縁を位置付ける手段と、
前記第2の視野の下縁を位置付ける手段と、
少なくとも1つのネットワークを介して歯科器具製造業者によって操作される遠隔サーバであり、前記第2の3次元のデータセットを自動的に処理して少なくとも1つの歯科器具のための設計または治療計画を生成するように構成された遠隔サーバに前記第2の3次元のデータセットを自動的に送信する手段と、
を含む、プロセッサと
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明の実施形態は、歯科画像システムなどの医療画像システムに関する。詳細には、本発明の実施形態は、患者の単一のスキャンから複数の画像を自動的に生成するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]従来のコーンビームコンピュータ断層撮影(「CBCT」)歯科画像システムは、患者の3次元データを生成する。3次元の、体積データは、異なる目的で使用することができる。たとえば、内科医、歯科医、および関連臨床医学者は、通常は、患者治療または計画のために速く画像を提供するために、完全な視野を有するが低い(すなわち、粗い)解像度を有する3次元のデータを必要とする。一方で、デバイスまたは器具製造業者(たとえば、歯科または歯列矯正デバイス製造業者)および特注の治療計画を提供する企業などのサービス提供者は、器具を設計するまたは特注の治療計画を作成するために自動的に処理することができる、部分的な視野を有するがより高い(すなわち、より微細な)解像度を有する3次元のデータをしばしば必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8,325,874号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0003]2つの異なるタイプの3次元のデータを提供することは有用であろうが、多くの市販のCBCT画像システムは、患者の単一のスキャンを実行し、単一の再構成を実行して、患者治療および計画において臨床医学者が使用するための体積データを作成する。1つまたは複数の別個の3次元のデータセットが外部のサービス提供者のために必要とされる場合、オペレータは、その別個のデータセットの再構成を手動で開始しなければならない。追加の再構成の手動での開始は、オペレータの時間を要し、エラーの可能性をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0004]本発明の実施形態は、患者の頭部などの被写体のコンピュータ断層撮影(「CT」)スキャン中にとらえられた投影データから第2の3次元の、体積データセットを自動的に再構成するための方法およびシステムを提供する。本システムは、サービス提供者、たとえば歯列矯正デバイス製造業者、に第2の3次元の、体積データセットを自動的に送信するように構成され得る。好ましくは、その第2の3次元の、体積データセットは、自動処理に適した特徴を有する。
【0006】
[0005]一実施形態は、画像を生成するためのシステムを提供する。本システムは、プロセッサを含む。本プロセッサは、画像生成設定を受信し、被写体のCTスキャンによって生成された投影データ(1セットのx線投影フレームに加えた、各投影フレームのx線源およびx線検出器の位置)を受信し、その投影データからその被写体の第1の視野を有する第1の3次元の、体積データセットを生成し、その第1の3次元の、体積データセットに基づいて第1の画像を自動的に生成するように構成される。本プロセッサはまた、少なくとも1次元で第1の視野よりも小さい、被写体の第2の視野を有する、第2の3次元の、体積データセットをその投影データおよびその画像生成設定から自動的に生成し、少なくとも1つのネットワークを介してサービス提供者にその第2の3次元の、体積データセットを送信するように構成される。任意選択で、その第2の3次元の、体積データセットは、その第2の3次元の、体積データセットに基づく画像を生成するまたはオペレータに表示することなしに、生成され、サービス提供者に送信され得る。別法として、第2の画像は、その第2の3次元の、体積データセットに基づいて生成され、オペレータに表示され得る。
【0007】
[0006]もう1つの実施形態は、画像を生成する方法を提供する。本方法は、以下を含む:オペレータからの画像生成設定をプロセッサで受信するステップと、その画像生成設定に基づいてCT画像装置での被写体のスキャンをプロセッサで開始するステップと、そのスキャン中に取得されるCT画像装置からの投影データをプロセッサで受信するステップと、その被写体の第1の視野を有する第1の3次元の、体積データセットをその投影データからプロセッサで生成するステップ。本方法はまた、その第1の3次元の、体積データセットに基づいてその被写体の第1の画像をプロセッサで自動的に生成するステップと、その第1の画像をオペレータに表示するための信号を生成するステップとを含む。加えて、本方法は、その投影データおよびその画像生成設定に基づいて、少なくとも1次元で第1の視野よりも小さい第2の視野を有する第2の3次元の、体積データセットをプロセッサで自動的に生成するステップと、少なくとも1つのネットワークを介してデバイス製造業者に第2の3次元の、体積データセットを送信するステップとを含む。任意選択で、その第2の3次元の、体積データセットは、その第2の3次元の、体積データセットに基づく画像を生成またはオペレータに表示することなしに、生成し、サービス提供者に送信することができる。別法として、第2の画像は、その第2の3次元の、体積データセットに基づいて生成され、オペレータに表示され得る。
【0008】
[0007]さらにもう1つの実施形態は、画像を生成するためのシステムを提供する。本システムは、以下を含む:被写体をスキャンし、投影データを生成するように構成された画像装置と、プロセッサ。本プロセッサは、画像生成設定を受信し、その画像生成設定に基づいて画像装置で被写体のスキャンを開始し、そのスキャン中に生成される投影データをその画像装置から受信し、その被写体の第1の視野を有するその投影データからの第1の3次元の、体積データセットを生成し、その第1の3次元の、体積データセットから自動的に第1の画像を生成し、その第1の画像をオペレータに表示するための信号を生成するように構成される。本プロセッサはまた、第1の画像がオペレータに表示される間に、その投影データおよびその画像生成設定から第2の3次元の、体積データセットを自動的に生成するように構成され、その第2の3次元の、体積データセットは、少なくとも1次元でその第1の視野よりも小さい、その被写体の第2の視野を有する。加えて、本プロセッサは、任意選択でオペレータにその第2の3次元の、体積データセットから生成される画像を表示することなしに、少なくとも1つのネットワークを介して歯科器具製造業者によって操作される遠隔サーバにその第2の3次元の、体積データセットを自動的に送信するように構成される。その遠隔サーバは、少なくとも1つの歯科器具を製造するために、その第2の3次元の、体積データセットを自動的に処理する。
【0009】
[0008]本発明の他の態様が、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって、明らかとなろう。
【0010】
[0009]本特許または申請ファイルは、色付きで制作された少なくとも1つの図面を含む。色付きの図面(複数可)を有する本特許または特許申請公報のコピーは、要求および必要な料金の支払いに応じて、当局によって提供されよう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0010]医療画像システムの図である。
図2】[0011]図1の医療画像システムの概略図である。
図3】[0012]図1の医療画像システムによって実行される単一のCTスキャンから複数の画像を自動的に生成する方法の流れ図である。
図4】[0013]ログイン画面の図である。
図5】[0014]患者選択画面の図である。
図6】[0015]プロトコル選択画面の図である。
図7】[0016]スキャンタイプ選択画面の図である。
図8】[0017]データ取得画面の図である。
図9】[0018]患者治療および計画のために臨床医学者によって使用される画像の図である。
図10】[0019]サービス提供者によって使用される画像の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0020]本発明の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本発明はその出願において以下の説明に記載されるまたは以下の図面に示される構成要素の構造の詳細および配列に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行が可能である。
【0013】
[0021]また、本明細書で使用される表現および専門用語は説明を目的とし、限定として見なされるべきではないことを理解されたい。本明細書における「含む」、「備える」または「有する」およびそれらの変形の使用は、その後に記載される項目およびそれらの同等物ならびに追加の項目を包含するものである。「取り付けられた」、「接続された」および「結合された」という用語は、広義で使用され、直接および間接の取付け、接続および結合を包含する。さらに、「接続された」および「結合された」は、物理的または機械的接続または結合に限定されず、直接でも間接でも、電気的接続または結合を含み得る。また、電子通信および通知は、直接接続、ワイヤレス接続などを含む任意の知られている手段を使用して、実行され得る。
【0014】
[0022]複数のハードウェアおよびソフトウェアベースのデバイス、ならびに複数の異なる構造的構成要素が、本発明を実装するために使用され得ることに留意されたい。さらに、後のパラグラフで説明するように、図面に示す具体的な構成は、本発明の実施形態を例示するものであり、他の代替構成が可能である。
【0015】
[0023]図1は、医療画像システム100を示す。システム100は、画像装置105およびワークステーション110を含む。画像装置105は、被写体をスキャンするコンピュータ断層撮影(「CT」)スキャナを含む。ワークステーション110は、コンピュータ110A、および、ディスプレイ、たとえばタッチ画面110B、を含む。いくつかの実施形態で、コンピュータ110Aおよびタッチ画面110Bは、単一のデバイス内で結合される。また、いくつかの実施形態で、ワークステーション110は、コンピュータ110Aおよび/またはタッチ画面110Bに接続された、キーボード、マウス、プリンタなどの周辺デバイスを含む。加えて、いくつかの実施形態では、非タッチセンサ式の画面が、タッチ画面110Bの代わりにまたはタッチ画面110Bに加えて使用されることを理解されたい。
【0016】
[0024]図2に関して以下にさらに詳しく説明するように、コンピュータ110Aは、画像装置105によって生成された投影データを受信し、その投影データから3次元の、体積データの1つまたは複数のセットを生成し、3次元の、体積データのそれらのセットのうちの少なくとも1つに基づいて複数の画像を構築し、タッチ画面110Bにその生成された画像のうちの少なくとも1つを表示し、3次元の、体積データのそれらのセットのうちの少なくとも1つをサービス提供者に送信するように構成される。いくつかの実施形態で、コンピュータ110Aはまた、画像装置105の動作を制御する(たとえば、ユーザ入力またはコマンドに基づいて)ように構成される。コンピュータ110Aは、1つまたは複数のワイヤードまたはワイヤレス接続によって画像装置105に接続され得る。
【0017】
[0025]画像装置105は、たとえば、歯科CTデバイスであり、搭載コンピュータまたはプロセッサ112、放射線検出器115、ガントリ120、撮像される被写体もしくは患者のための支え125、および、放射線源130を含む。放射線検出器115は、放射線源130の向かい側のガントリ120上に置かれ、複数の検出要素を有する検出器配列135を含む。スキャン中、患者は、支え125に座るか立つ(そして、彼のまたは彼女の顎を顎の支え140内に置く)。しかし、本発明は、座ったまたは立った患者を受け入れるように設計されたシステムに限定されない。たとえば、いくつかの実施形態で、患者は、横になってもよい。ガントリ120は、患者の頭部の周りを回転し、ガントリ120が回転するとき、放射線源130が動いて、患者の頭部に様々な角度で放射線を向ける。放射線検出器115は、患者を通過する放射線を検出し、画像装置105内の搭載コンピュータまたはプロセッサ112に送信される1セットの投影フレームを生成する。搭載コンピュータまたはプロセッサ112は、未加工の投影フレームを受信し、そしてまた、放射線源130および検出器115の位置を記録する。そのスキャン中またはその後に、搭載コンピュータまたはプロセッサ112は、その投影フレームと放射線源130および検出器115の位置とを備える投影データをワークステーションコンピュータ110Aに送信する。
【0018】
[0026]図2に示すように、コンピュータ110Aは、画像装置105、タッチ画面110B、および、サービス提供者によってホストされた遠隔サーバ190に接続される。コンピュータ110Aは、プロセッサ200、非一時的コンピュータ可読媒体202、および、入力/出力インターフェース204を含む。他の構造で、コンピュータ110Aは、追加の、より少ない、または、異なる構成要素を含むことを理解されたい。プロセッサ200は、媒体202から命令およびデータを検索し、いくつかある中でも、画像装置105から投影データを受信するための命令を実行し、その投影データから3次元の、体積データの1つまたは複数のセットを生成し、タッチ画面110Bにデータを出力し(すなわち、タッチ画面110B上にデータを表示するための信号を生成し)、サーバ190にデータを出力するように構成される。
【0019】
[0027]入力/出力インターフェース204は、プロセッサ200から外部のシステム、ネットワーク、および/またはデバイスにデータを送信し、外部のシステム、ネットワーク、および/またはデバイスからデータを受信する。具体的には、入力/出力インターフェース204は、1つまたは複数のワイヤードまたはワイヤレス接続および/またはネットワークを介して、画像装置105、タッチ画面110B、およびサーバ190と通信する。入力/出力インターフェース204はまた、媒体202で外部のソースから受信されるデータを記憶する、および/または、そのデータをプロセッサ200に提供することができる。
【0020】
[0028]コンピュータ可読媒体202は、プログラム命令とユーザインターフェース(「UI」)アプリケーション(または「アプリケーション」)210を含むデータとを記憶する。プロセッサ200によって実行されるとき、UIアプリケーション210は、ユーザコマンドを受信し、画像装置105からデータを取得し、タッチ画面110B上でユーザに画像および他の情報を表示し、画像をサーバ190に送信する。
【0021】
[0029]図2に示すように、サーバ190は、インターネット、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、または、それらの組合せなどのネットワークによってコンピュータ110Aに接続され得る。サーバ190は、サービス提供者によって操作され、コンピュータ110Aから3次元の、体積データまたは画像を受信するための命令を実行する。いくつかの実施形態で、サーバ190はまた、コンピュータ110Aから受信された3次元の、体積データまたは画像を自動的に処理するための命令を実行して様々な出力を生成する。たとえば、本明細書で使用されるように、「サービス提供者」という用語は、ユーザのために臨床医学者の治療または治療の計画を支援してデバイスまたはサービスを提供する任意の実体を含む。たとえば、サービス提供者は、臨床医学者のための特注の治療計画を生成し得る。サービス提供者はまた、患者のためのデバイス計画または実際のデバイスを生成し得る。そのデバイスは、固定装置、ブリッジ、ブレース、インプラント、および他の歯列矯正デバイスなどの歯科器具を含み得る。
【0022】
[0030]ユーザは、システム100を使用してCTスキャンを開始する。具体的には、コンピュータ110Aに含まれるプロセッサ200は、ユーザインターフェースアプリケーション210を実行して、タッチ画面110B上でユーザに様々な画面を表示する。ユーザは、その画面上のボタン(タッチ画面110B自体またはキーボードもしくはマウスなどの別個の周辺デバイスを介して選択可能な)を使用し、表示された画面を介してコマンドおよび画像生成設定を入力して、スキャンを開始し、スキャン中に取得されるデータを調べる。図3に示すように、その処理過程を開始するために、ユーザは、ユーザアプリケーション210にログインする(ステップ220で)。たとえば、図4は、アプリケーション210によって生成および表示されるログイン画面222を示す。ログイン画面222は、ユーザ名およびパスワードの入力をユーザに求め、次へまたは入力ボタン224を含む。いくつかの実施形態で、ログイン画面222はまた、電源オフボタン226およびヘルプボタン228を含む。
【0023】
[0031]前述の説明は、コンピュータ110Aを介して医療画像システム100を制御するユーザを参照するが、システム100は、そのユーザがシステム100を直接制御できるようにするために、それ自体の搭載ユーザインターフェースを含み得ることに留意されたい。その搭載ユーザインターフェースを介する制御は、コンピュータ110Aを介する制御の代わりまたはそれに加えてでもよい。
【0024】
[0032]ユーザがログインした後、そのユーザは患者を選択する(ステップ230で)。たとえば、図5は、アプリケーション210によって生成および表示される患者選択画面232を示す。画面232は、スケジュールされたスキャンまたは検査のリスト234を含む。いくつかの実施形態で、それらのスケジュールされたスキャンまたは検査は、画像保存通信システム(「PACS」)または患者管理システムなどの別個のシステムまたはデバイスによって提供される。図5に示すように、画面232はまた、リスト234に含まれる特定の患者に関する追加のデータを提供する詳細欄236を含む。リスト234から患者を選択した後(たとえば、リストに記載された患者をクリックすることによって)、ユーザは、次へボタン238を選択することができる。
【0025】
[0033]ユーザはまた、画像生成設定を選択する。たとえば、ユーザは、スキャンプロトコルおよびスキャンタイプを選択することができる(ステップ240で)。図6は、アプリケーション210によって生成および表示されるプロトコル選択画面242を示し、図7はアプリケーション210によって生成および表示されるスキャンタイプ選択画面244を示す。画面242および244は、ユーザが特定の画面で選択を行った後に選択することができる次へボタン246を含む。加えて、画面242および244は、ユーザが前に表示された画面に戻るために選択することができる戻るボタン248を含む。いくつかの実施形態で、プロトコル選択画面242に含まれるそれらのスキャンプロトコルのうちの1つまたは複数は、特定のタイプのスキャンのために事前に定義された画像生成設定を含む。以下により詳細に説明するように、その画像生成設定は、サービス提供者のための3次元の、体積データまたは画像を自動的に生成するために使用される。いくつかの実施形態で、それらのスキャンプロトコルおよび/または関連画像生成設定のうちの1つまたは複数は、ユーザによって事前選択され、そのユーザの「お気に入り」として設定される。したがって、ユーザがアプリケーション210にログインするとき、アプリケーション210は、プロトコル選択画面242にそのユーザの事前定義された「お気に入り」を含む。
【0026】
[0034]ユーザが患者、スキャンプロトコル、およびスキャンタイプを選択した後、そのユーザは、スキャンを開始する(たとえば、スキャンタイプ選択画面244で次へボタン246を選択することによって)(ステップ250で)。スキャンを開始するために、アプリケーション210は、画像装置105と通信して、ユーザによって指定されたようにスキャンを開始する(ステップ252で)。いくつかの実施形態で、スキャンが実行され、アプリケーション210が画像装置105から投影データを取得する間に、アプリケーション210は、図8に示すように、画像取得画面254を表示する。
【0027】
[0035]その投影データから、アプリケーション210は、撮像される患者の頭部または他の被写体の内部構造を表す第1の3次元の、体積データセットを生成する(ステップ253で)。アプリケーション210はまた、第1の3次元のデータセットに基づいて患者治療または計画のための第1の画像を自動的に再構成する(ステップ260で)ように構成される。第1の画像は、患者の頭部を表す3次元のデータの2次元の描画を含み得る。アプリケーション210は、スキャンの前にユーザによって選択された画像生成設定(たとえば、スキャンプロトコルおよび/またはスキャンタイプ)に基づいて第1の3次元の、体積データセットおよび/または第1の画像を生成するように構成され得る。たとえば、第1の画像は、通常は、但し必ずではなく、実質的に患者の頭部全体(たとえば、凡そ下顎から前頭部まで、または、高さ約13センチメートルおよび幅約16センチメートル)である視野(「FOV」)を有する。アプリケーション210は、図9に示すように、タッチ画面110Bに第1の画像265を表示するための信号を生成する(ステップ270で)。いくつかの実施形態で、第1の画像265は、パノラマビュー265a、サイドビュー265b、フロントビュー265c、およびトップビュー265dなどの画像の複数のバージョンまたはビューを含み得る。臨床医学者は、第1の画像265を使用して、スキャンの品質および位置決めを調べ、患者を治療し、患者の治療の計画を立てる。アプリケーション210はまた、第1の画像265をローカル画像データベースサーバに送信し、そこで、第1の画像265は他の臨床医学者および他のワークステーションによってアクセスされ得る。
【0028】
[0036]アプリケーション210はまた、投影データおよび画像生成設定に基づいてサービス提供者の第2の3次元の、体積データセットを自動的に生成する(ステップ280で)。第2の3次元の、体積データセットは、通常は、高さなどの少なくとも1次元でその第1の3次元の、体積データセットのFOVよりも小さいFOVを有する。たとえば、図10に示すように、第2の3次元の、体積データセットのFOVは、患者の顎またはその一部(たとえば、完全なFOVの下の約8センチメートル)のみを含み得る。任意選択で、但し必ずではなく、アプリケーション210は、第2の3次元の、体積データセットからの第2の画像285を生成することができる。いくつかの実施形態で、第2の画像285は、パノラマビュー285a、サイドビュー285b、フロントビュー285c、およびトップビュー285dなどの画像の複数のバージョンまたはビューを含み得る。
【0029】
[0037]いくつかの実施形態で、第2の3次元の、体積データセットは、第1の3次元の、体積データセットの解像度よりも高い解像度を有する(すなわち、より微細、または、より小さいボクセルを有する)。たとえば、第1の3次元の、体積データセットは、約0.25ミリメートルの解像度を有することができ、そして、第2の3次元の、体積データセットは約0.20ミリメートルの解像度を有することができる。しかし、第2の3次元の、体積データセットはより高い解像度を有するが、第2の3次元の、体積データセットのより小さいFOVは、第2の3次元の、体積データセットの送信および処理を遅らせるまたは複雑にすることあるいは第1の3次元の、体積データセットの再構成を遅らせるまたは妨げることなしに、画像が速く再構成され得るようにする。
【0030】
[0038]いくつかの実施形態で、アプリケーション210は、第1の3次元の、体積データセットの生成と並行して、第2の3次元の、体積データセットを生成する。他の実施形態で、アプリケーション210は、第2の3次元の、体積データセットを生成する前に第1の3次元の、体積データセットを生成する、またはその逆を行う。たとえば、アプリケーション210は、第1の3次元の、体積データセットが生成された後に、そして第1の画像265がタッチ画面110Bに表示される間に、第2の3次元の、体積データセットを生成するように構成され得る。したがって、アプリケーション210は、第1の3次元の、体積データセットおよび第1の画像265の生成および臨床医学者の見直しを遅らせることなしに、第2の3次元の、体積データセットを生成する。
【0031】
[0039]図3に示すように、第2の3次元の、体積データセットが作成された後、アプリケーション210は、歯科器具製造業者または特注の治療計画を作成する実体などのサービス提供者に第2の3次元の、体積データセットを自動的に送信する(ステップ290で)。いくつかの実施形態では、第2の3次元の、体積データセットはオペレータによって使用されず、したがって、そのオペレータは第2の3次元の、体積データセットに基づいて画像285を見直す必要はないので、アプリケーション210は、第2の3次元の、体積データセットに基づいて任意の画像を生成するまたはオペレータに表示することなしに、サービス提供者に第2の3次元の、体積データセットを送信する。図2に示すように、アプリケーション210は、サービス提供者によって操作されるサーバ190に第2の3次元の、体積データセットを送信する。いくつかの実施形態で、サーバ190は、第2の3次元の、体積データセットを自動的に処理して、要求された出力(たとえば、治療計画、デバイス設計、デバイスなど)を生成するように構成される。
【0032】
[0040]好ましくは、但し必ずではなく、第2のFOVは、第1のFOVと同じ垂直寸法を有するが、より小さい垂直寸法を有する。たとえば、第2のFOVは、患者の目などの特徴を含むことなしにその患者の顎および歯を包含するように選択され得る。第2のFOVは、垂直および水平の高さおよび位置の固定パラメータを使用し、前もって選択することができる。別法として、または加えて、第2のFOVは、第1の3次元の、体積データセットに現れる患者の特徴に基づいて適切な垂直の高さおよび位置を自動的に判定することによって、選択され得る。
【0033】
[0041]たとえば、一実施形態で、第2のFOVの垂直寸法および位置は、以下のステップによって判定され得る:第1の3次元の、体積データセットを生成するステップと、その開示を参照により本明細書に組み込む米国特許第8,325,874号に記載されるように患者の咬合平面またはマスタアーチを自動的に検出するステップと、咬合平面またはマスタアーチからの所定の垂直距離に第2のFOVの上縁および下縁を設定するステップ。任意選択で、第2のFOVの上縁および下縁は、咬合平面またはマスタアーチから等距離にすることができる。
【0034】
[0042]加えて、第2のFOVの垂直寸法および位置は、以下のステップによって判定され得る:患者の歯に添付された金属品(たとえば、ブラケット)の存在および位置を検出するステップと、金属のブラケットが現れる垂直範囲からの所定の垂直距離に第2のFOVの上縁および下縁を設定するステップ。任意選択で、第2のFOVの上縁および下縁は、金属のブラケットが現れる垂直範囲から等距離にすることができる。
【0035】
[0043]アプリケーション210は、患者の頭部(たとえば、顎)のスキャンを表すデータセットと使用するものとして説明されるが、アプリケーション210は、人体の任意の部分または任意の被写体のスキャンから取得されるデータに基づいて異なる目的で3次元の、体積データセットおよび画像を生成するように構成され得ることを理解されたい。加えて、他のタイプのスキャニング手順が、そのデータセットを生成するために使用され得る。加えて、アプリケーション210は、第1のおよび第2の3次元の、体積データセットのみではなくそれ以上のものを生成するように構成され得ることを理解されたい。たとえば、アプリケーション210は、サービス提供者による処理のための複数の3次元の、体積データセットを自動的に生成するように構成され得る。また、第1のおよび第2の3次元の、体積データセットの特性は、臨床医学者および/またはサービス提供者の必要に応じて変化し得ることを理解されたい。たとえば、いくつかの実施形態で、第1のおよび第2の3次元の、体積データセットは、同FOVおよび/または同解像度を有し得る。加えて、いくつかの実施形態で、UIアプリケーション210の機能性は、複数のアプリケーションまたはモジュールの間で分散され得る。たとえば、いくつかの実施形態で、別個のアプリケーションまたはモジュールが、第1のおよび第2の3次元の、体積データセットを生成する。
【0036】
[0044]本発明の様々な特徴および利点が、以下の特許請求の範囲に記載される。
【符号の説明】
【0037】
100 システム
105 画像装置
110 ワークステーション
110A コンピュータ
110B タッチ画面
112 プロセッサ
115 放射線検出器
120 ガントリ
125 支え
130 放射線源
135 検出器配列
140 支え
190 遠隔サーバ
200 プロセッサ
202 非一時的コンピュータ可読媒体
210 ユーザインターフェースアプリケーション
222 ログイン画面
224 入力ボタン
226 電源オフボタン
228 ヘルプボタン
232 画面
234 リスト
236 詳細欄
238 次へボタン
242 プロトコル選択画面
244 スキャンタイプ選択画面
246 次へボタン
248 戻るボタン
254 画像取得画面
265 第1の画像
265a パノラマビュー
265b サイドビュー
265c フロントビュー
265d トップビュー
285 第2の画像
285a パノラマビュー
285b サイドビュー
285c フロントビュー
285d トップビュー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10