(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5946644
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】エアコンプレッサシステム
(51)【国際特許分類】
F04B 49/00 20060101AFI20160623BHJP
F04B 49/06 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
F04B49/00 A
F04B49/06 341C
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-8703(P2012-8703)
(22)【出願日】2012年1月19日
(65)【公開番号】特開2013-147995(P2013-147995A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156395
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 寿王
(72)【発明者】
【氏名】今井 伸介
【審査官】
後藤 泰輔
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭56−050748(JP,U)
【文献】
実開昭60−030867(JP,U)
【文献】
実開昭56−050747(JP,U)
【文献】
特開2000−192886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 49/00−51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両においてエンジンの動力により駆動され、エアを圧縮するエア圧縮機能を有するエアコンプレッサと、
前記エアコンプレッサにより圧縮されたエアを溜めるエアタンクと、
前記エアコンプレッサに設けられ、前記エアコンプレッサの前記エア圧縮機能を停止状態にするアンローダバルブと、
前記エアタンクのエアを前記アンローダバルブへ流通させるためのエア流路と、
前記エア流路上に設けられたレギュレータバルブと、
前記エア流路上において前記レギュレータバルブと前記アンローダバルブとの間に設けられた電磁弁と、
前記電磁弁の開閉を制御する制御部と、を備え、
前記エアタンクのエアの圧力が下限閾値よりも大きく且つ上限閾値以下であって前記車両が減速時の場合、前記レギュレータバルブが開とされると共に前記制御部により前記電磁弁が閉とされることで、当該エアの前記アンローダバルブへの流通が停止され、前記アンローダバルブが非作動にされて前記エア圧縮機能が作動状態とされ、
前記エアタンクのエアの圧力が前記下限閾値よりも大きく且つ前記上限閾値以下であって前記車両が非減速時の場合、前記レギュレータバルブが開とされると共に前記制御部により前記電磁弁が開とされることで、当該エアが前記アンローダバルブへ流通され、前記アンローダバルブが作動されて前記エア圧縮機能が停止状態とされ、
前記エアタンクのエアの圧力が臨界閾値に達した場合、当該エアが前記レギュレータバルブを介して大気開放されること、を特徴とするエアコンプレッサシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記エンジンの燃料噴射量が0のとき、前記車両のフットブレーキが操作されているとき、及び前記車両の排気ブレーキ機能が作動されているときの少なくとも一つのとき、前記車両が減速運転時の場合として前記電磁弁を閉とすること、を特徴とする請求項1記載のエアコンプレッサシステム。
【請求項3】
前記レギュレータバルブは、前記エアタンクのエアの圧力が下限閾値以下の場合に閉とされること、を特徴とする請求項1又は2記載のエアコンプレッサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両においてエンジンの動力により駆動されるエアコンプレッサを備えたエアコンプレッサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のエアコンプレッサシステムとしては、例えば下記特許文献1に記載されているように、車両においてエンジンの動力により駆動されエアを圧縮するエア圧縮機能を有するエアコンプレッサと、エアコンプレッサにより圧縮されたエアを溜めるエアタンクと、エアコンプレッサに設けられエアコンプレッサのエア圧縮機能を停止状態にするアンローダバルブと、を備えたものが知られている。
【0003】
このようなエアコンプレッサシステムでは、例えばエアタンクのエアの圧力が高まると、アンローダバルブが作動され、エアコンプレッサはエア吸気口から吸い込んだエアを圧縮することなくそのままエア吸気口へ戻す。一方、エアタンク内のエアの圧力が一定値以下となると、アンローダバルブが非作動とされ、エアコンプレッサはエアを圧縮してエアタンクへ供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−192886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記エアコンプレッサシステムでは、前述のように、エアタンクのエアの圧力が一定値以下になると、エンジンの稼動状況に関係なくエンジンの動力が取り出されてエアコンプレッサが稼動され、当該エアコンプレッサによりエアが圧縮される。そのため、場合によっては、エアコンプレッサの稼動がエンジンの燃費悪化の要因となるおそれがある。また、近年のコンプレッサシステムでは、その信頼性の向上の要求が益々高まる傾向にある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高い信頼性を確保しつつ、車両の燃費向上を実現できるエアコンプレッサシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るエアコンプレッサシステムは、車両においてエンジンの動力により駆動され、エアを圧縮するエア圧縮機能を有するエアコンプレッサと、エアコンプレッサにより圧縮されたエアを溜めるエアタンクと、エアコンプレッサに設けられ、エアコンプレッサのエア圧縮機能を停止状態にするアンローダバルブと、エアタンクのエアをアンローダバルブへ流通させるためのエア流路と、エア流路上に設けられたレギュレータバルブと、エア流路上においてレギュレータバルブとアンローダバルブとの間に設けられた電磁弁と、電磁弁の開閉を制御する制御部と、を備え、エアタンクのエアの圧力が下限閾値よりも大きく且つ上限閾値以下であって車両が減速時の場合、レギュレータバルブが開とされると共に制御部により電磁弁が閉とされることで、当該エアのアンローダバルブへの流通が停止され、アンローダバルブが非作動にされてエア圧縮機能が作動状態とされ、エアタンクのエアの圧力が下限閾値よりも大きく且つ上限閾値以下であって車両が非減速時の場合、レギュレータバルブが開とされると共に制御部により電磁弁が開とされることで、当該エアがアンローダバルブへ流通され、アンローダバルブが作動されてエア圧縮機能が停止状態とされ、エアタンクのエアの圧力が臨界閾値に達した場合、当該エアがレギュレータバルブを介して大気開放されること、を特徴とする。
【0008】
この本発明のエアコンプレッサシステムでは、車両の非減速時におけるエアコンプレッサの稼動率を下げる一方で、車両の減速時においては、減速エネルギをエアコンプレッサの動力として積極的に利用することができ、これにより、車両の燃費向上に貢献することが可能となる。加えて、例えば電磁弁が閉のまま固着したとしても、エアタンクのエアの圧力が臨界閾値に達した場合には当該エアが大気開放されるため、エアタンクの破損を防止できる。従って、エアコンプレッサシステムの高い信頼性を確保することが可能となる。
【0009】
ここで、上記作用効果を好適に奏する構成として、具体的には、制御部は、エンジンの燃料噴射量が0のとき、車両のフットブレーキが操作されているとき、及び車両の排気ブレーキ機能が作動されているときの少なくとも一つのとき、車両が減速運転時として電磁弁を開とする構成が挙げられる。
【0010】
また、レギュレータバルブは、エアタンクのエアの圧力が下限閾値以下の場合に閉とされることが好ましい。この場合、例えば電磁弁が開のまま固着したとしても、エアタンクのエアの圧力が下限閾値以下の場合にはレギュレータバルブが閉とされるため、アンローダバルブを非作動としてエア圧縮機能を確実に作動状態にできる。よって、エアコンプレッサシステムの一層高い信頼性を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高い信頼性を確保しつつ車両の燃費向上を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るエアコンプレッサシステムを示す概略図である。
【
図2】
図1のエアコンプレッサシステムにおけるレギュレータバルブの作動圧力を示すグラフである。
【
図3】
図1のエアコンプレッサシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は実施形態に係るエアコンプレッサシステムを示す概略図であり、
図2はレギュレータバルブの作動圧力を示すグラフである。
図1に示すように、本実施形態のエアコンプレッサシステム100は、例えばトラック等の車両に搭載されるものであり、当該車両の空気制動器(エアブレーキ)へ圧縮されたエアを供給する。このエアコンプレッサシステム100は、エアコンプレッサ1、エアドライヤ2、エアタンク3、レギュレータバルブ4、電磁弁5及び制御部6を備えている。
【0015】
エアコンプレッサ1は、車両のエンジンの動力により駆動されるものであり、エアを圧縮するエア圧縮機能を有している。ここでのエアコンプレッサ1は、エンジンに連結されたクランクシャフトの回転によってピストン1aをシリンダ1b内で往復運動させることにより、エア吸気口1cから吸い込んだシリンダ1b内のエアを圧縮し、エア排気口1dから排気する。
【0016】
このエアコンプレッサ1には、アンローダバルブ7が設けられている。アンローダバルブ7は、エア圧縮機能を停止状態にする、すなわち、エアコンプレッサ1をロード状態からアンロード状態へ切り替えるものである。アンローダバルブ7は、アンローダパイプ8を介して圧縮エアが供給(流通)されることで当該圧縮エアの圧力により作動され、これにより、エア吸気口1cが常に開口状態とされる。その結果、エアコンプレッサ1においては、エア吸気口1cから吸い込んだエアが圧縮されずにそのままエア吸気口1cへと戻され、無負荷状態で稼動される。
【0017】
エアドライヤ2は、エアコンプレッサ1で圧縮してなる圧縮エアを除湿するものであり、エアコンプレッサ1のエア排気口1dに接続されている。このエアドライヤ2には、大気と連通するパージバルブ9が内蔵されている。エアドライヤ2としては、その仕様や形式は限定されず、種々のものを採用することができる。パージバルブ9は、エアドライヤ2内の基部に設けられており、生じた水(凝縮水)を圧縮エアとともに外部へ放出する。さらに、ここでのパージバルブ9は、後述するように、エアタンク3内の圧縮エアをレギュレータバルブ4を介して外部へ開放(大気開放)する。
【0018】
エアタンク3は、エアコンプレッサ1で圧縮された圧縮エアを溜めるものであり、エアドライヤ2にチェックバルブ10を介して接続されている。このエアタンク3には、充填された圧縮エアを外部へ供給する供給口3aが設けられている。また、エアタンク3には、当該エアタンク3内の圧縮エアの圧力Pを検出する圧力センサ3bが設けられている。
【0019】
レギュレータバルブ4は、エアタンク3の圧力に応じてアンローダパイプ8への圧縮エアの流通を許容/遮断するための切替弁であり、エアパイプ11を介してエアタンク3に接続されていると共に、アンローダパイプ8を介してアンローダバルブ7に接続されている。エアパイプ11及びアンローダパイプ8は、エアタンク3の圧縮エアをアンローダバルブ7へ流通させて供給するエア流路12を構成する。
【0020】
図2に示すように、ここでのレギュレータバルブ4は、流通する圧縮エアの圧力(作動圧力)が下限閾値P1以下のとき、その開閉状態を「閉(OFF)」とすると共に、作動圧力が下限閾値P1よりも大きいとき、その開閉状態を「開(ON)」とする。換言すると、レギュレータバルブ4は、作動圧力の上昇時及び下降時の双方において、同じ下限閾値P1で開閉を切り替える。下限閾値P1は、例えば車両の空気制動器に必要な圧力の下限値とされる。
【0021】
図1に戻り、このレギュレータバルブ4は、エアドライヤ2のパージバルブ9に接続されており、作動圧力が臨界閾値P3に達したとき、エアタンク3の圧縮エアをパージバルブ9から大気開放する。臨界閾値P3は、エアタンク3の破損防止のための設定値であり、例えばエアタンク3の耐久圧力値に基づく所定値とされる。
【0022】
電磁弁5は、アンローダパイプ8における圧縮ガスの流通を許容/遮断し、アンローダバルブ7への圧縮エアの供給を制御するものである。この電磁弁5は、アンローダパイプ8に設けられている。つまり、電磁弁5は、エア流路12上においてレギュレータバルブ4とアンローダバルブ7との間に設けられている。
【0023】
制御部6は、例えばCPU、ROM、及びRAM等から構成されている。この制御部6は、エアタンク3の圧力センサ3bによって検出されたエアタンク3内の圧縮エアの圧力Pに基づいて、電磁弁5の開閉を制御する。加えて、エンジンの燃料噴射装置(燃料噴射ECU)から現在の燃料噴射量Qを検出し、この燃料噴射量Qに基づいて電磁弁5の開閉を制御する。
【0024】
具体的には、制御部6は、エアタンク3の圧縮エアの圧力Pが下限閾値P1以下の場合に電磁弁5を閉とすると共に、当該圧縮エアの圧力Pが上限閾値P2よりも大きい場合に電磁弁5を開とする。また、制御部6は、エアタンク3の圧縮エアの圧力Pが下限閾値P1よりも大きく且つ上限閾値P2以下であってエンジンの燃料噴射量Qが0の場合に、電磁弁5を閉とする。さらにまた、制御部6は、エアタンク3の圧縮エアの圧力Pが下限閾値P1よりも大きく且つ上限閾値P2以下であってエンジンの燃料噴射量Qが0よりも大きい場合に、電磁弁5を開とする。上限閾値P2は、例えば車両の空気制動器に必要な圧力の上限値とされる。
【0025】
以上のように構成されたエアコンプレッサシステム100では、エンジンが稼動された状態において、
図3のフローチャートに示すように、エアタンク3の圧縮エアの圧力Pが下限閾値P1以下の場合(S1にてP≦P1)、レギュレータバルブ4が閉とされると共に、制御部6により電磁弁5が閉とされる(S2,S3)。これにより、アンローダバルブ7への圧縮エアの供給(流通)が遮断され、アンローダバルブ7が非作動とされる(S4)。その結果、エアコンプレッサ1がロード状態となってエアがエアコンプレッサ1により圧縮され、当該圧縮エアがエアドライヤ2及びチェックバルブ10を介してエアタンク3に供給され、エアタンク3内の圧縮エアの圧力が高められる(S5)。
【0026】
また、エアタンク3の圧縮エアの圧力Pが上限閾値P2よりも大きい場合(S1にてP>P2)、レギュレータバルブ4が開とされると共に、制御部6により電磁弁5が開とされる(S6,S7)。これにより、アンローダバルブ7へ圧縮エアが供給され、アンローダバルブ7が作動される(S8)。その結果、エアコンプレッサ1がアンロード状態となり、エア圧縮機能が停止状態とされる(S9)。つまり、エアコンプレッサ1は、エア吸気口1cからのエアを圧縮せずにそのままエア吸気口1cへと戻し、無負荷状態で稼動する。
【0027】
また、エアタンク3の圧縮エアの圧力Pが下限閾値P1よりも大きく且つ上限閾値P2以下の場合(S1にてP1<P≦P2)、レギュレータバルブが開とされる(S10)。そして、エンジンの燃料噴射量Qが0のとき(S11にてQ=0)、車両が減速走行時であるとして、制御部6により電磁弁5が閉とされる(S3)。これにより、アンローダバルブ7への圧縮エアの供給が遮断されてアンローダバルブ7が非作動とされ、エアコンプレッサ1がロード状態となってエアがエアコンプレッサ1により圧縮される(S4,S5)。
【0028】
一方、上記S10の後、エンジンの燃料噴射量Qが0よりも大きいとき(S11にてQ>0)、車両が非減速走行時であるとして、制御部6により電磁弁5が開とされる(S7)。これにより、アンローダバルブ7へ圧縮エアが供給されてアンローダバルブ7が作動され、エアコンプレッサ1がアンロード状態となってエア圧縮機能が停止状態とされる(S8,S9)。
【0029】
以上、本実施形態のエアコンプレッサシステム100では、車両の非減速時におけるエアコンプレッサ1の稼動率を下げる一方で、車両の減速時においては、熱エネルギとして捨てていた減速エネルギをエアコンプレッサ1の動力として積極的に(できるだけ)利用することができる。これにより、車両の燃費向上に貢献することが可能となる。
【0030】
ここで、電磁弁5に不具合が生じ、電磁弁5が開のまま固着したとしても、エアタンク3の圧縮エアの圧力Pが下限閾値P1以下の場合に、レギュレータバルブ4が閉とされるため、アンローダバルブ7への圧縮エアの供給が遮断される。よってこの場合、アンローダバルブ7を非作動としてエアコンプレッサ1を確実にロード状態(エア圧縮機能を作動状態)にできる。他方、電磁弁5が閉のまま固着したとしても、エアタンク3の圧縮エアの圧力Pが臨界閾値P3に達した場合、レギュレータバルブ4を介してパージバルブ9により当該圧縮エアが大気開放される。よってこの場合、エアタンク3の破損を防止することができる。
【0031】
従って、本実施形態によれば、車両の減速エネルギを選択的にエアコンプレッサ1の稼動に用いて回生し、エアコンプレッサ1の駆動エネルギの効率化を図り、車両の燃費を改善することができる。これに併せ、電磁弁5に不具合を起こした際のバックアップ機構としてレギュレータバルブ4(及びパージバルブ9)を機能させ、エアコンプレッサシステム100の信頼性を高めることができる。その結果、高い信頼性を確保しつつ、車両の燃費向上を実現することが可能となる。
【0032】
また、本実施形態のエアコンプレッサシステム100では、既存システムを利用することができ、例えば電磁弁5を1つ追加するたけで構造上成立させることが可能となる。よって、構成を簡易化することができ、追加コストを最低限に抑制することが可能となる。
【0033】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【0034】
例えば、上記実施形態では、エンジンの燃料噴射量が0のとき、車両が減速運転時の場合として制御部6により電磁弁5を
閉としているが、これに代えてもしくは加えて、車両のフットブレーキが操作されているとき、及び車両の排気ブレーキ機能が作動されているときの少なくとも一つのとき、制御部6により電磁弁5を
閉としてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、車両としてトラックを例示しているが、例えばバス、トラクタ又はその他の車両でもよい。また、上記実施形態では、本発明を空気制動器に適用しているが、エアサスペンション、クラッチ、エアホーン、オートドア又はその他のエア機器に適用することも可能である。なお、上記において、「燃料噴射量Qが0」とは、燃料の噴射が実質的に行われていない状態を意図し、製造上や設計上の誤差を許容するものである。
【符号の説明】
【0036】
1…エアコンプレッサ、3…エアタンク、4…レギュレータバルブ、5…電磁弁、6…制御部、7…アンローダバルブ、8…アンローダパイプ、9…パージパイプ、10…チェックバルブ、11…エアパイプ、12…エア流路、100…エアコンプレッサシステム。