【実施例】
【0146】
実施例1:(R)−3−シクロペンチル−3−[4−(2−ヒドロキシ−5−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
【化36】
【0147】
ステップ1.(R)−3−シクロペンチル−3−[4−(2−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
【化37】
【0148】
4−クロロ−2−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.4g、2.18mmol、トロントリサーチケミカルズ(Toronto Research Chemicals)及び(R)−3−シクロペンチル−3−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(0.824g、2.61mmol、Org. Lett., 2009, 11(9), 1999-2002に記載されているように調製)を1,4−ジオキサン(4mL)に溶解し、水(2mL)中の炭酸カリウム(0.903g、6.54mmol)を加えた。混合物を脱気し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.126g、0.109mmol)を加えた。反応混合物を100℃まで16時間加熱した。反応混合物を水と酢酸エチル間に分配した。水性層を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、デカントし、濃縮した。塩化メチレン中0〜10% MeOHの勾配を用いて溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して、生成物(670mg、91%)を精製した。
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 8.59 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.24 (d, 1H), 6.81 (d, 1H), 4.47 (dt, 1H), 4.04 (s, 3H), 3.21 (dd, 1H), 3.10 (dd, 1H), 2.62-2.44 (m, 1H), 2.02-1.86 (m, 1H), 1.81-1.20 (m, 7H); LCMS (M+H)
+: 337.0.
【0149】
ステップ2.(R)−3−シクロペンチル−3−[4−(5−ヨード−2−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
【化38】
【0150】
3−シクロペンチル−3−[4−(2−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(0.532g、1.58mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に、N−ヨードスクシンイミド(0.36g、1.6mmol)を加えた。反応物を30分間撹拌し、溶媒を真空中で除去した。残留物をヘキサン中0〜65%酢酸エチルの勾配を用いて溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体(250mg、34%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 10.31 (br s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 4.34-4.21 (m, 1H), 4.06 (s, 3H), 3.14 (dd, 1H), 3.03-2.90 (m, 1H), 2.66-2.49 (m, 1H), 2.02-1.17 (m, 8H); LCMS (M+H)
+: 463.0.
【0151】
ステップ3.(R)−4−[1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イルアセテート
【化39】
【0152】
3−シクロペンチル−3−[4−(5−ヨード−2−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(0.25g、0.54mmol)の酢酸(3mL)溶液を酢酸銀(0.27g、1.6mmol)で処理し、70℃まで16時間加熱した。混合物を濾過し、MeCNで濯ぎ、濾液に水を加え、この混合物を20分間撹拌した。この溶液に固体塩化ナトリウムを加えた。この水性混合物を3部の酢酸エチルにより抽出して、生成物を得た。一緒にした抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し、デカントし、濃縮した。生成物の一部を、更に精製することなく加水分解ステップ(ステップ4)に使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 9.87 (br s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 4.22 (dt, 1H), 4.06 (s, 3H), 3.14 (dd, 1H), 2.94 (dd, 1H), 2.64-2.47 (m, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.03-1.86 (m, 1H), 1.79-1.12 (m, 7H); LCMS (M+H)
+: 395.1.
【0153】
ステップ4.(R)−3−シクロペンチル−3−[4−(2−ヒドロキシ−5−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンアミド
【化40】
【0154】
酢酸(2mL、8mmol)中の4MのHBrを4−[1−(2−シアノ−1−シクロペンチルエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−メトキシ−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−イルアセテート(0.050g、0.13mmol)に加え、反応物を1時間撹拌した。揮発性物質を真空中で除去した。残留物を再構成し、分取HPLC−MS(0.15% NH
4OHを含むMeCN/H
2Oの勾配を用いて溶出する)を使用して、精製生成物(12mg、26%)を得た。
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO): δ 9.20 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.75 (s, 1H), 4.49 (dt, 1H), 3.89 (s, 2H), 2.80 (dd, 1H), 2.64 (dd, 1H), 2.36-2.26 (m, 1H), 1.83-1.74 (m, 1H), 1.63-1.36 (m, 4H), 1.32-1.20 (m, 2H), 1.15-1.05 (m, 1H); LCMS (M+H)
+: 357.0.
【0155】
ステップ5.(R)−3−シクロペンチル−3−[4−(2−ヒドロキシ−5−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
3−シクロペンチル−3−[4−(2−ヒドロキシ−5−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンアミド(0.006g、0.02mmol)の、トリエチルアミン(20TL、0.2mmol)を含む塩化メチレン(0.5mL)溶液に、トリクロロアセチルクロリド(20TL、0.2mmol)を加えた。反応が完了した際、分取HPLC−MS(0.15% NH
4OHを含むMeCN/H
2O)を使用して精製生成物(3mg、52%)を得た。
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO): δ 11.39 (br s, 1H), 9.37 (s, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.63 (s, 1H), 4.68-4.59 (m, 1H), 3.94 (s, 2H), 3.19-3.15 (m, 2H), 2.42-2.30 (m, 1H), 1.86-1.75 (m, 1H), 1.69-1.20 (m, 6H), 1.18-1.05 (m, 1H); LCMS (M+H)
+: 339.1.
【0156】
実施例2:(3R)−及び(3S)−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル及び(3R)−及び(3S)−3−[(1S,2S)−2−ヒドロキシシクロペンチル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
【化41】
【0157】
ステップ1.(1S,2R)−エチル2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンタンカルボキシレート及び(1R,2S)−エチル2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンタンカルボキシレート
【化42】
【0158】
tert−ブチルジメチルクロロシラン(0.524g、3.48mmol)及び1H−イミダゾール(0.473g、6.95mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)溶液に、エチルシス−2−ヒドロキシ−1−シクロペンタンカルボキシレート(ラセミ体、アクロス)(0.50g、0.0032mol)を加えた。反応物を16時間撹拌した。更にイミダゾール(0.40g、5.8mmol)及びtert−ブチルジメチルクロロシラン(0.50g、3.3mmol)を一部ずつ加え、反応物を更に24時間撹拌した。生成物をヘキサンで抽出した。抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、蒸発させてラセミ体TBS−保護ヒドロキシエステル(0.9g)を得、これを更に精製することなく使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 4.46 (ddd, 1H), 4.19 (dq, 1H), 4.01 (dq, 1H), 2.72 (dt, 1H), 2.22-2.11 (m, 1H), 1.96-1.49 (m, 5H), 1.26 (t, 3H), 0.84 (s, 9H), 0.03 (s, 3H), 0.01 (s, 3H).
【0159】
ステップ2.(1S,2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンタンカルボアルデヒド及び(1R,2S)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンタンカルボアルデヒド
【化43】
【0160】
ステップ1からの(1S,2R)−エチル 2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンタンカルボキシレート及び(1R,2S)−エチル 2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンタンカルボキシレート(0.86g、3.2mmol)のヘキサン(40mL)溶液に、−78℃で1.0Mの水素化ジイソブチルアルミニウムのトルエン(3.5mL、3.5mmol)溶液を滴加した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、この温度でメタノール(2mL)を滴加することによりクエンチした。冷却を中断し、混合物を周囲温度に到達させた。Rochelleの塩の水溶液を加えた。二層混合物を2時間激しく撹拌し、得られた層を分離した。水性層を更にヘキサンで1回抽出した後、3部の酢酸エチルで抽出した。一緒にした抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、デカントし、濃縮してラセミ体アルデヒド生成物を得、これを更に精製することなく使用した(0.7g、97%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 9.74 (d, 1H), 4.62 (ddd, 1H), 2.68-2.61 (m, 1H), 2.22-2.11 (m, 1H), 1.95-1.83 (m, 1H), 1.80-1.57 (m, 4H), 0.85 (s, 9H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H).
【0161】
ステップ3.(E)−及び(Z)−3−((1R,2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ}シクロペンチル)アクリロニトリル及び(E)−及び(Z)−3−((1S,2S)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ}シクロペンチル)アクリロニトリル
【化44】
【0162】
ステップ2)からの(1S,2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンタンカルボアルデヒド及び(1R,2S)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンタンカルボアルデヒド(0.36g、1.6mmol)のトルエン(9mL)溶液に、(トリフェニルホスホラニリデン)アセトニトリル(0.475g、1.58mmol)を加え、反応物を80℃まで2時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水を加えた。生成物を3部のエチルエーテルで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、デカントし、濃縮してE−及びZ−オレフィン異性体のラセミ混合物を提供し、これを更に精製することなく使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 6.82 (dd, 1H, トランスオレフィン), 6.63 (dd, 1H, シスオレフィン), 5.307 (dd, 1H, トランスオレフィン), 5.305 (dd, 1H, シスオレフィン), 4.24 (ddd, 1H), 4.20 (ddd, 1H), 2.96-2.86 (m, 1H), 2.53-2.43 (m, 1H), 1.95-1.56 (m, 12H), 0.87 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.04-0.01 ( 一重項, 全体で12H).
【0163】
ステップ4.(3R)−及び(3S)−3−[(1R,2R)−2−ヒドロキシシクロペンチル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル並びに(3R)−及び(3S)−3−[(1S,2S)−2−ヒドロキシシクロペンチル]−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル
ステップ3)からの粗生成物である(E)−及び(Z)−3−((1R,2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンチル)アクリロニトリル並びに(E)−及び(Z)−3−((1S,2S)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)シクロペンチル)アクリロニトリル(0.40g、1.6mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液に、4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(0.50g、1.6mmol)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、0.24mL、1.6mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌し、更にDBU(0.24mL、1.6mmol)を加えた。反応物を3日間撹拌し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(10〜40%酢酸エチル/ヘキサンの勾配を用いて溶出)を使用して生成物を精製し、次いでこれをDCM中20% TFAで3時間処理し、蒸発させ、メタノール溶液中の過剰のエチレンジアミンで一晩処理した。SEM保護基の除去が完了した際、EtOH/H
2O/c.HCl(10:4:3容積比)と共に3時間撹拌することにより、任意の残留TBS保護基を除去した。完全に脱保護した生成物を分取HPLC−MS(MeCN/H
2Oの勾配中0.15% NH
4OH)により精製した。M+H=323の全画分をプールし、蒸発させた(およそ80mg)。生成物を以下のように、一連のキラルクロマトグラフィー精製に付した:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H(3×25cm、5Tm)20% EtOH/80%ヘキサンを用いて流速25mL/分で溶出して、ピーク1(19mg)を得、以下の少数のピークは収集しなかった;ピーク2(60mg)、ピーク3(6mg)。ピーク2は混合物であり、次いでこれをChiral Technologies Chiralpak IA(2×25cm、5Tm)を使用して70% EtOH/30%ヘキサンの勾配を用いて流速8mL/分で溶出して、3つの成分に更に分離した。これらを、生成物の混合物であるピーク2−1(溶離2、ピーク1、32mg)、ピーク2−2(6.5mg)及びピーク2−3(13.7mg)と標識した。ピーク2−1をChiral Technologies Chiralpak IA(2×25cm、5Tm)を使用して25% EtOH/75%ヘキサンの勾配を用いて流速12mL/分で溶出して、3つの成分に更に分離した。単離した生成物を、ピーク2−1−1(10.5mg);2−1−2(13mg);及び2−1−3(2.3mg)と標識した。
【0164】
ピーク1:
1H NMR (500 MHz, CD
3OD): δ 8.65 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.49 (d, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.71 (ddd, 1H), 4.28 (br t, 1H), 3.26 (dd, 1H), 3.21 (dd, 1H), 2.53-2.45 (m, 1H), 1.98-1.73 (m, 3H), 1.62-1.47 (m, 2H), 1.38-1.29 (m, 1H); LCMS (M+H)
+: 323.
ピーク 2−1−1:
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 8.64 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.49 (d, 1H), 6.94 (d, 1H), 4.90-4.78 (m, 1H), 3.64 (br t, 1H), 3.21 (dd, 1H), 3.07 (dd, 1H), 2.55-2.40 (m, 1H), 2.01-1.58 (m, 6H); LCMS (M+H)
+: 323.
ピーク 2−1−2:
1H NMR (500 MHz, CD
3OD): δ 8.65 (s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.49 (d, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.71 (ddd, 1H), 4.28 (br t, 1H), 3.26 (dd, 1H), 3.21 (dd, 1H), 2.53-2.45 (m, 1H), 1.98-1.73 (m, 3H), 1.62-1.48 (m, 2H), 1.38-1.26 (m, 1H); LCMS (M+H)
+: 323.
ピーク 2−3:
1H NMR (300 MHz, CD
3OD): δ 8.64 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 6.93 (d, 1H), 4.90-4.78 (m, 1H), 3.64 (br t, 1H), 3.21 (dd, 1H), 3.07 (dd, 1H), 2.55-2.40 (m, 1H), 2.01-1.58 (m, 6H); LCMS (M+H)
+: 323.
【0165】
実施例3:ラセミ体3−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルトリフルオロ酢酸塩
【化45】
【0166】
ステップ1.1−[(トリメチルシリル)オキシ]シクロペンタンカルボアルデヒド
【化46】
【0167】
Tetrahedron, 50(9), 2821-30; 1994に記載されている手順と同様の手順にて反応を行った:1−[(トリメチルシリル)オキシ]シクロペンタンカルボニトリル(2.25g、12.3mmol、Organometallics, 3(11), 1660-5; 1984に記載されているように調製)のトルエン(18mL)溶液に、−45℃でヘキサン(17.2mL、17.2mmol)中の1.0Mの水素化ジブチルアルミニウムを滴加した。次いで、溶液を0℃に暖まらせ、この温度で1時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテル(25mL)と塩化アンモニウム(25mL、飽和)の混合物中に注いだ。得られた混合物に、15℃で、硫酸の希釈溶液(1.53mLの濃H
2SO
4を50mLの水で希釈することにより調製)を加えた。次いで、溶液を温度5℃で一晩撹拌した。混合物を3部のジエチルエーテルで抽出し、一緒にした抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、デカントし、濃縮して生成物(0.84g、36%)を得、これを更に精製することなくステップ2で使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 9.47 (s, 1H), 1.88-1.46 (m, 8H), 0.00 (s, 9H).
【0168】
ステップ2.(2E)−及び(2Z)−3−{1−[(トリメチルシリル)オキシ]シクロペンチル}アクリロニトリル
【化47】
【0169】
シアノメチルホスホン酸ジエチル(0.912mL、5.64mmol)を、水素化ナトリウム(0.198g、4.96mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中の懸濁液に0℃で滴加した。滴加後、反応物を室温に暖め、45分間撹拌した。混合物を再び0℃に冷却し、テトラヒドロフラン(20mL)中の1−[(トリメチルシリル)オキシ]シクロペンタンカルボアルデヒド(0.84g、4.5mmol)を導入した。反応物を室温に暖まらせ、2時間撹拌した。反応物に水及び酢酸エチルを加え、層を分離した。水性層を更なる2部の酢酸エチルで抽出した。一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、デカントし、濃縮して生成物をオレフィン異性体の混合物として得、これを更に精製することなくステップ3で使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 6.80 (d, 1H, トランス/主な 生成物), 6.53 (d, 1H, シス/少数の生成物), 5.52 (d, 1H, トランス), 5.28 (d, 1H, シス), 2.06-0.76 (m, 16H 両方の異性体の合計), 0.18 (s, 9H, 少数の生成物), 0.13 (s, 9H, 主な 生成物).
【0170】
ステップ3.ラセミ体3−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−3−(4−(7−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリル
【化48】
【0171】
(2E)−及び(2Z)−3−{1−[(トリメチルシリル)オキシ]シクロペンチル}アクリロニトリル(0.94g、4.5mmol)及び4−(1H−ピラゾール−4−イル)−7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(1.4g、4.5mmol)のアセトニトリル(20mL)中の縣濁液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.67mL、4.5mmol)を加えた。反応物を室温で6日間撹拌した。アセトニトリルを蒸発させた。所望の非保護アルコール生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して、ヘキサン中0〜80%酢酸エチルの勾配を用いて溶出して、非保護アルコール及びTMS−保護アルコールの生成物の混合物から単離した(890mg、44%)。
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ 8.87 (s, 1H), 8.56 (br s, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.46 (d, 1H), 6.84 (d, 1H), 5.69 (s, 2H), 4.40 (dd, 1H), 4.03 (s, 1H), 3.55 (dd, 2H), 3.46 (dd, 1H), 2.97 (dd, 1H), 2.04-1.27 (m, 8H), 0.93 (dd, 2H), -0.05 (s, 9H); LCMS (M+H)
+: 453.1.
【0172】
ステップ4.ラセミ体3−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリルトリフルオロ酢酸塩
ラセミ体3−(1−ヒドロキシシクロペンチル)−3−[4−(7−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル(0.100g、0.221mmol)の塩化メチレン(4mL)及びトリフルオロ酢酸(1mL)の溶液を2時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。残留物をエチレンジアミン(0.1mL、2mmol)と共にメタノール(4.5mL)中で1時間撹拌し、蒸発させた。粗生成物をメタノール中で再構成し、分取HPLC−MSを使用した二つの連続クロマトグラフィーステップにより精製して(第一の溶離において0.15% NH
4OHを含むアセトニトリル/H
2Oの勾配、続いて、第二の溶離において0.1% TFAを含むアセトニトリル/H
2Oの勾配を用いて溶出)、ラセミ生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。
1H NMR (400 MHz, d
6-dmso): δ 12.72 (br s, 1H), 8.94 (s, 1H), 8.86 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.21 (s, 1H), 4.80 (dd, 1H), 3.51 (dd, 1H), 3.22 (dd, 1H), 1.79-1.42 (m, 7H), 1.25-1.15 (m, 1H); LCMS (M+H)
+: 323.1.
【0173】
実施例A
薬物動態及び毒物動態試験に関連して、化合物Iを投与した後、代謝産物1〜39をヒト、ラット又はイヌの尿、血漿又は糞便から単離した。HPLC方法を用いて代謝産物を単離した後、代謝産物が何であるかを決定した。使用した方法と、対応する代謝産物の保持時間を、表2に示す。必要に応じて、タンデムMS/MS分析及びより高次のMSn実験を行って、構造情報を明らかにした。
【0174】
化合物Iは、m/z 307にプロトン化分子イオンを示し、プロダクトイオンスペクトルは、m/z 266、186及び159にシグナルを示す。m/z 266のフラグメントイオンは、カルボニトリル部分の損失と一致する。m/z 186の診断フラグメントイオンは、無傷シクロペンチルプロパンニトリル部分の損失を示している。m/z 159のフラグメントイオンは、化合物Iのピラゾール環を通した切断に関連したシクロペンチルプロパンニトリルの損失を示す。
【0175】
代謝産物化合物1、2、27及び29は、主にヒト対象由来の尿中に観察され、微量レベルの化合物27及び29が血漿中に観察された。フルスキャン質量分析法は、化合物Iのビス−ヒドロキシル化と一致する、m/z 339のプロトン化分子イオンを示した。これらのm/z 339イオンのプロダクトイオンフラグメンテーションは、これらの代謝産物に関して事実上同一のスペクトルを提供し、イオンはm/z 321、186、159及び154に観察される。m/z 321のイオンは水損失と一致し、シクロペンチル環上に少なくとも一つのヒドロキシル化が存在し得ることを示唆する。m/z 186及びm/z 159のイオンは、無傷ピラゾール−ピロロピリミジンと一致する。m/z 154のイオンは、非修飾ピラゾール/ピロロピリミジン部分全体のニューラルロスと一致する。m/z 298及びm/z 280の少数のフラグメントイオンは、容易な水損失を伴う又は伴わないアセトニトリル要素の損失を示唆し、シクロペンチル部分に対するヒドロキシル化の位置を更に制限している。このことは、m/z 237のイオンにより更に支持され、これは修飾シクロペンチルの損失と一致し、分子の残りの部分を非修飾のまま残している。
【0176】
化合物31は、ヒト対象由来の尿中に見出された。フルスキャン質量分析法は、化合物Iに対する32amuの付加と一致する、m/z 339のプロトン化分子イオンを示した。m/z 339イオンのプロダクトイオンフラグメンテーションは、m/z 311、218及び191にフラグメントイオンを提供する。ピラゾール−ピロロピリミジン部分に対する32amuの付加と一致する、m/z 218の一次フラグメント。m/z 191のフラグメントイオンは、推定ビスヒドロキシル化ピラゾール−ピロロピリミジンのピラゾール部分のCHN損失と一致し、ピロロピリミジンに対する修飾の位置を制限している。m/z 311のフラグメントイオンは、アミド結合の切断と続くピロリジノンからのCOの損失から生じた可能性がある。質量分析法のみを用いた化合物31の構造割り当ては曖昧な結果をもたらし、従って化合物31をヒト尿から単離し、
1H及び
13C NMRにより分析した。31の構造は、化合物Iの飽和ピロロピリミジン部分のアミド−アルコール代謝産物として同定される。31のプロトンNMRスペクトルは、δ 3.56に、強度2Hの一重項を有する。この一重項はδ 177.9の炭素と長距離相関を有し、アミドと一致する。加えて、H3とH9との間で核Overhauser増感(nOe)が存在する。
【0177】
化合物32は、ヒト対象由来の血漿及び尿中に見出された。フルスキャン質量分析法は、化合物Iに対する32amuの付加と一致する、m/z 339のプロトン化分子イオンを示した。m/z 339イオンのプロダクトイオンフラグメンテーションは、m/z 218及び191にフラグメントイオンを提供する。ピラゾール−ピロロピリミジン部分に対する32amuの付加と一致する、m/z 218の一次フラグメント。m/z 191のフラグメントイオンは、推定ビスヒドロキシル化ピラゾール−ピロロピリミジンのピラゾール部分のCHNの損失と一致し、ピロロピリミジンに対する修飾の位置を制限している。質量分析法のみを用いた化合物32の構造割り当ては曖昧な結果をもたらし、従って化合物32をヒト尿から単離し、
1H及び
13C NMRにより分析した。化合物32の構造は、化合物Iの飽和ピロロピリミジン部分のケト−アルコール代謝産物として特定される。32のプロトンNMRスペクトルは、δ 3.82に、強度2Hの一重項を有し、δ 191.5の炭素と長距離相関を示し、ケトンと一致する。H2〜任意の他のプロトンには核Overhauser増感(nOe)が観察されなかった。
【0178】
化合物40は、ヒト対象由来血漿及び尿中に観察された。フルスキャン質量分析法は、化合物Iに対する34amuの付加と一致する、m/z 341のプロトン化分子イオンを示した。m/z 341イオンのプロダクトイオンフラグメンテーションは、m/z 323、220、202及び175にフラグメントイオンを提供する。m/z 323のフラグメントイオンは、ピロリジンジオールからの水の損失から生じる。m/z 220及び202のフラグメントイオンは、観察された容易な水損失を伴う及び伴わない、二重ヒドロキシル化飽和ピロロピリミジンと一致する。m/z 175に観察されるイオンは、容易な水損失に続く、二重ヒドロキシル化飽和ピラゾールピロロピリミジンのピラゾール部分からのCHNの損失と一致する。化合物40は、3−シクロペンチル−3−(4−(5,6−ジヒドロキシ−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)プロパンニトリルと同定される。
【0179】
観察されたm/z 499を有する、化合物Iの単一ヒドロキシル化代謝産物の抱合体はヒト由来の尿中に見出され、7つの抱合体のうちの2つが微量にてヒト血漿中に観察された。初期プロダクトイオンフラグメンテーションは、これらの代謝産物の6つに関して事実上同一のスペクトルを提供し、グルクロニド抱合体の損失と一致するm/z 323のイオンが観察される。これらのm/z 323フラグメントイオンのプロダクトイオンフラグメンテーション(MS
3)は、再度、事実上同一の質量スペクトルを示し、m/z 305、186及び159にフラグメントイオンを有した。m/z 305に見出されるフラグメントイオンは、水損失(18amu)と一致し、ヒドロキシル化と、続く分子の飽和部分上の衝突誘導フラグメンテーションを示唆し、シクロペンチル部分に対する修飾の部位を制限している。m/z 186及びm/z 159のフラグメントイオンは、非修飾ピラゾール−ピロロピリミジンと一致する。追加の少数のフラグメントイオンは弱すぎて、それらを確実性をもって割り当てることは全くできなかった。これらの推定代謝産物が何であるかは、β−グルクロニダーゼを用いて単離グルクロニド抱合体を加水分解してアグリコンを出現させることにより確認し、アグリコンを次にHPLC−MSによる分析に付して、遊離アグリコンの保持時間と質量スペクトルとを単一ヒドロキシル化代謝産物基準のものと一致させた。これらのグルクロニド抱合体代謝産物のアグリコンは、2−ヒドロキシル代謝産物(代謝産物9、表1)及び3−ヒドロキシル代謝産物(代謝産物8、表1)に対応する。第七のグルクロニド抱合体代謝産物、化合物42、のアグリコンは、化合物Iのピラゾール−ピロロピリミジン部分の単一ヒドロキシル化代謝産物に対応し、該代謝産物は、ヒト対象由来の血漿又は尿中に独立して観察されなかった。フルスキャン質量分析法は、化合物Iの16amuの付加と一致する、m/z 323のプロトン化分子イオンを示した。m/z 323イオンのプロダクトイオンフラグメンテーションは、m/z 202に一次フラグメントを提供し、これはピラゾール−ピロロピリミジン部分に対する16amuの付加と一致する。m/z 175のフラグメントイオンは、推定ヒドロキシル化ピラゾール−ピロロピリミジンのピラゾール部分からのCHNの損失と一致し、ピロロピリミジンに対する修飾の位置を制限している。代謝産物化合物42の構造は、化合物Iの単一ヒドロキシル化ピロロピリミジン部分のグルクロニド抱合体として特定される。
【0180】
代謝産物化合物41は、ヒト対象由来の尿中に見出された。フルスキャン質量分析法は、非修飾化合物Iのグルクロニド抱合と一致する、m/z 583のプロトン化分子イオンを示した。m/z 583イオンのプロダクトイオンフラグメンテーションは、m/z 307に一次フラグメントを提供し、これは無傷グルクロニドの損失と一致する。m/z 186及びm/z 159の少数のフラグメントイオンは、化合物Iに関して観察されたものと一致する。m/z 307フラグメントイオンのMS
3フラグメンテーションも、m/z 186及びm/z 159にフラグメントイオンを出現させた。化合物41は、化合物IのN−結合グルクロニド抱合体として特定される。
【0181】
表2
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0182】
方法A1:ヒト、イヌ及びマウスの血漿、尿及び糞便試料中の
14C−化合物Iの生体内変換
代謝産物プロファイリング用の試料調製:
血漿:
全対象からの血漿試料を、対象及び/又は時間点によりプールした。プールした血漿試料を、以下ように、HPLC−放射測定分析用に調製した:
プールした血漿試料のアリコートを、最初におよそ二つの同等の(W/V)容積のHPLC等級アセトニトリル中1%ギ酸で抽出した後、激しくボルテックスし、遠心分離して変性血漿タンパク質を除去した。上清を確保し、プレコンディショニングしたWaters C−18固相抽出カートリッジに通過させ、濾液を保持した。SPEカートリッジを保持した。次いで、残りの血漿ペレットをHPLC等級アセトニトリル/水(90/10)中1%ギ酸で3回抽出し、各抽出後に遠心分離した。全上清を確保した。各々のギ酸/アセトニトリル/水抽出上清を使用してSPEカートリッジを溶出した。次いで、SPEカートリッジをメタノール中1%ギ酸で濯いだ。全溶離液を保持し、一緒にし、窒素流下にて30℃で蒸発させた。この抽出の残物をおよそ0.6mlの水中0.1%ギ酸中で再構成し、ボルテックスし、遠心分離して特定の物質を除去した。次いで、上清をHPLC−フロー放射測定法(Flow Radiometry)及びHPLC−MSにより分析した。
【0183】
尿:
各対象由来のおよそ等量の尿のアリコートをプールして、適切な投与後時間間隔を表した。HPLC−放射測定分析の前に、プールした各尿試料を4,000rpmで10分間遠心分離して微粒子物質を除去し、その後、直接分析した。
【0184】
糞便:
各対象由来の糞便ホモジネートのアリコートをプールして、適切な投与後時間間隔を表した。プールした糞便ホモジネート試料を、以下のようにHPLC−放射測定分析用に調製した:
【0185】
糞便ホモジネートのおよそ5グラムアリコートを、最初におよそ二つの同等の(W/V)容積のミリポア水で抽出した後、遠心分離して、固体を除去した。上清を確保し、プレコンディショニングしたWatersC−18固相抽出カートリッジに通過させた。SPEカートリッジを保持した。次いで、残りの糞便ペレットをHPLC等級アセトニトリル/水(90/10)中1%ギ酸で3回抽出し、各抽出後に遠心分離した。全上清を確保した。各々のギ酸/アセトニトリル/水抽出上清を使用してSPEカートリッジを溶出した。全溶離液を保持し、一緒にし、窒素流下にて30℃で蒸発させた。この抽出の残物をおよそ2.0mlの水中0.1%ギ酸で再構成し、ボルテックスし、遠心分離して微粒子物質を除去した。次いで、上清をHPLC−フロー放射測定法及びHPLC−MSにより分析した。
【0186】
HPLC−フロー放射測定分析方法:
全試料を、HPLC−フロー放射測定法又はHPLC−MSのいずれかにより、実行可能な限り同一の分析システムを使用して分析した。HPLC−フロー放射測定法システムは、Agilent HP1100シリーズQuaternaryポンプ、オートサンプラー、及び、500μL液体シンチレーションセルを有するRaytest Ramona−90フローシンチレーション検出器と結合されたUV検出器からなっていた。Waters Symmetry C−18 HPLCカラム、4.6×250mm、5μm粒径HPLCカラムを用いて、化合物I及びその代謝産物の分離を達成した。移動相「A」は、HPLC等級水中の0.1%ギ酸からなり、移動相「B」は、HPLC等級メタノール/アセトニトリル(1:1)からなっていた。分析物の溶出は、移動相「B」の線形増加の勾配の使用により達成した。必要に応じて、様々な時間にて、二つの異なる勾配溶出方法を使用した。これらの二つの方法のクロマトグラフィー条件を、表3及び4に概略する。
【0187】
HPLC−質量分析方法:
HPLC−放射測定法システムは、Agilent HP1100 シリーズQuaternaryポンプ、及び、正イオン検出モードで作動されるApplied Biosystems API 4000 Qtrapと結合されたLeap Technologies CTC−PALオートサンプラーからなっていた。フルスキャン(MS)及びデータ依存性プロダクトスキャン(MS
2)を、化合物Iの代謝産物の特徴付けに使用した。選択MRMトランジションも使用して、以前に同定及び特徴付けされた代謝産物を走査及び同定した。化合物I及びその代謝産物の分離は、Waters Symmetry C−18 HPLCカラム、4.6×250mm、5μm粒径HPLCカラムを使用して達成した。移動相「A」は、HPLC等級水中の0.1%ギ酸からなり、移動相「B」は、HPLC等級メタノール/アセトニトリル(1:1)からなっていた。分析物の溶出は、移動相「B」の線形増加の勾配の使用により達成した。必要に応じて、様々な時間にて、二つの異なる勾配溶出方法を使用した。これらの二つの方法のクロマトグラフィー条件を、表3及び4に概略する。
【0188】
表3
【表3】
【0189】
表4
【表4】
【0190】
方法A2:化合物Iの生体内変換:代謝産物の単離
ヒト尿由来の代謝産物の単離:
プールした尿試料から、20cc Waters HLB SPEカートリッジ(1グラム吸着剤)を使用した固相抽出を用いて、化合物Iの代謝産物を濃縮した。カートリッジを最初に100%HPLC等級メタノールで、その後ミリポア水を用いてコンディショニングした。次いで、カートリッジに10mlまでの生の未加工尿を直ちに負荷した。数個の濃度の水中のHPLC等級メタノールを使用して、カートリッジを連続して溶出した(表5)。
【0191】
表5
【表5】
【0192】
最初の尿、最後の負荷容積、及び全部の洗浄/溶出容積のアリコートを、LC−MSにより、化合物I及び興味ある代謝産物の存在に関して分析した。負荷容積、又は洗浄/溶出のいずれも、ミリポア水中25%メタノールまでは、有意な量の化合物I、又はその代謝産物のいずれも存在しなかった。100%メタノール溶出アリコート中に、有意な量の薬物又は代謝産物は見出されなかった。50%及び75%メタノールの溶出からの溶出容積は、各々、Genevac遠心エバポレーターを使用して容積が低減され、最終容積約2mLに再構成された後、興味ある代謝産物の画分収集のためにLC−MS上に順次注入された。
【0193】
分析条件:
LC−MSにより、Sil−HTCオートサンプラー及びシステムコントローラーからなるShimadzu Binary HPLC スタック、及び二つのSil 10ADVp 高圧LC ポンプと結合されたFinnigan LCQ Deca XP Plusを使用して、試料を分析した。質量分析は正イオン検出モードで作動され、データ依存性スキャニングを使用してMS及びデータ依存性MS
2データを提供した。Shimadzu UV検出器、Sil SPD10 AVpを254nmの検出波長で使用して、質量分析計と協調してHPLC溶離液を監視した。
【0194】
移動相「A」は、ギ酸によりpHをpH3.2に調整された5mMギ酸アンモニウムからなっていた(およそ0.1容積%)。移動相「B」は、90%アセトニトリル/10%メタノールからなっていた。使用したHPLCカラムは、Zobax XDB C−18、3.0mm×150mm、5.0Tm粒径であった。分析物の溶出は、移動相「B」の線形増加の勾配の使用により達成した。分析スケールに関するクロマトグラフィー条件を、下記の表6に概略する。
【0195】
表6
【表6】
【0196】
半分取分析条件:
試料を、上記のようにLC−MSにより、以下の変更を加えて分析した:
使用したHPLCカラムは、Phenomenex Polar RP 10mm×150mm 5Tm粒径であった。
【0197】
最初の分画は、中性酢酸アンモニウムを「A」相として使用して行い、次の収集された個々のピークのクリーンアップステップは、水中0.025%ギ酸を「A」相として使用して行った。移動相「B」は、90%アセトニトリル/10%メタノールからなっていた。
【0198】
最初の分析物溶出及び自動化画分収集は、移動相「B」の線形増加の勾配の使用により行った。最初の半分取分析のクロマトグラフィー条件は下記の表7に概略されるが、%Bは次のクリーンアップステップにおいて必要に応じて個々の代謝産物の各々に関して最適化した
【0199】
表7
【表7】
*次の分画ステップにおいて、個々の代謝産物の各々に関して最適化
【0200】
半分取分析の溶離液流を、PEEK tee及びチューブを使用して分割し、約1.65ml/分の溶離液流は画分収集に使用し、残りを質量分析計に移動した。溶離液流組成物をMS及び選択MS−MS実験により監視した。ダイバートバルブを画分収集器と協調して使用することにより、対象分析物を含む画分を自動的に収集した。
【0201】
方法A3:ヒト及びラットの血漿及び尿試料中の化合物Iの生体内変換
試料調製:
化合物Iを経口投与された動物及びヒト対象由来の血漿及び尿試料を、単回投与試験及び/又は複数回投与試験後に得た。各対象の残留血漿試料を、時間加重平均プーリングによりプールした。プールした血漿試料のアリコート(150μL)を二容積のアセトニトリルで沈殿させ、ボルテックス混合した後、遠心分離した。上清を除去し、LC−MSによる分析に使用した。ヒトの場合、試験中の各個人由来の尿試料をプールして、臨床試験の1日目(単回投与試験)及び10日目(複数回投与試験)の0〜12時間を表した。分析前に尿試料を約15000×gで10分間遠心分離し、直接注入した。
【0202】
試料分析:
エレクトロスプレーイオン化LC−MSを用いて、正イオン化モードで作動させた、Thermo Finnigan LCQ Deca−XP Plus Ion−Trap Mass分光計(サーモフィッシャーサイエンティフィック、ウォルサム、MA、USA)を使用して、試料をアッセイした。データ依存性走査を使用して、最初のMSデータ〜MS
2データを生成した。必要に応じて、より高次のMS
n実験を行って、構造情報を明らかにした。質量分光計を、オートサンプラー/コントローラーを組み合わせたShimadzu Sil HT−Cに接続し、該オートサンプラー/コントローラーは、Shimadzu LC−10Aバイナリ勾配ポンプシステム(シマヅサイエンティフィックインスツルメンツ、コロンビア、MD、USA)を組み合わせた。勾配条件は、表8に記載されている。化合物I及びその代謝産物の分離は、Zorbax XDB C−18 HPLCカラム(3.0×150mm、3.5μmm)(アジレント、サンタクララ、CA、USA)を移動相流速300μL/分で使用して達成した。移動相「A」は、ギ酸によりpHをpH3.2に調整された、ミリポア水中の5mMギ酸アンモニウムからなっていた。移動相「B」は、90%アセトニトリル/10%メタノールからなっていた。
【0203】
表8.HPLC勾配溶出スキーム
【表8】
【0204】
方法A4:ラットの胆汁、血漿及び尿の代謝産物の特徴付けの方法
化合物Iを投与したラット由来の尿、糞便及び胆汁試料をプールした。単一試料中に、一匹のラット由来の90%の排泄用量が含まれるように、各時間点からおよそ30%の各試料をプールした。各ラット由来の試料を別個に分析した。糞便試料はアセトニトリルを使用して抽出し、抽出回収率は、抽出物の液体シンチレーション計数(LSC)と、非抽出ペレットの燃焼及びLSCにより決定した。入手可能な場合、代謝産物基準を使用して、構造を確認した。投与した用量の5%未満を占めるピークは、特に言及されない限り報告しなかった。
【0205】
尿、糞便、胆汁及び/又は血漿試料をHPLC及び質量分析により分析して、放射活性物質で標識した任意の代謝産物の分子量を決定し、これら代謝産物の構造情報を得た。
【0206】
方法A5:単離方法
化合物Iの薬物動態及び毒物動態試験からの尿試料を、同一の種の個々の動物、即ちイヌ又はラットから一緒にプールした。尿試料は酢酸エチルを用いて、容積比1対1で3回抽出した。酢酸エチル抽出画分をプールし、ロータリーエバポレーターを使用して揮発性物質を除去した。得られた残留物をアセトニトリル:水(1:1 v/v)に溶解し、溶液を分取HPLC精製に付した。各代謝産物の単離は、下記の3つのHPLC条件を連続して用いて達成した。
【0207】
濃縮抽出物は、Zobax SB C18カラム(19×150mm、5Tm)上で、水中0.1% TFA(溶媒A)及びアセトニトリル中0.1% TFA(溶媒B)からなる移動相を、5%〜60%溶媒Bの勾配を用いて20分間に亘り、流速15mL/分で使用することにより精製した。
1.次いで、第一のHPLC精製から収集した画分を更に、カラムZobax SB C18カラム(9.6×150mm、5Tm)上で、水中0.1% TFA(溶媒A)及びメタノール(溶媒B)からなる異相相を、5%〜95%溶媒Bの勾配を用いて25分間に亘り、流速4mL/分で使用することにより精製した。
2.[M+H]
+=321及び323を有する、第二の精製から収集した各画分を、15%エタノールと85%ヘキサン、又は30%エタノールと70%ヘキサンからなる移動相を、キラルカラム(ChiralCel OD−H、20×250mm、5Tm)上にて流速15mL/分で使用するキラル分離に付した。
【0208】
方法A6:分析方法
Zorbax SB C18カラム(4.6×150mm、80Å、3.5Tm)をカラム温度40℃で使用して、水中0.05% TFA(溶媒A)及びアセトニトリル中0.05% TFA(溶媒B)からなる移動層を、表9に示す勾配溶出スキームにより、流速1mL/分で使用するHPLC分析を用いて、35、37及び38に関する保持時間を得た。インラインUV検出は、220nmで行った。
【0209】
表9.勾配溶出スキーム
【表9】
【0210】
方法A7:代替的分析方法
Water Atlantis(登録商標)T−3 HPLCカラム(4.6×150mm、3.5μm)(ウォーターズコーポレーション(Water Corporation)、ミルフォード、MA、USA)を移動相流速400L/分で使用するHPLC分析から、40、41及び42に関する保持時間を得た。移動相「A」は、ギ酸によりpHをpH3.2に調整されたミリポア水中の5mMギ酸アンモニウムからなっていた。移動相「B」は、100%メタノールからなっていた。初期移動相条件は、90%移動相「A」/10%移動相「B」であり、一分間で27%移動相「B」へのステップ勾配を有した。次いで、初期勾配を57分間で52%移動相「B」へと線形状に進行させ、10分間で95%移動相「B」への第二の線形勾配が続いた。95%移動相「B」における5分間のカラム洗浄期間が続き、その後出発条件に戻り、次の分析注入の前に、カラムを8分間再平衡化した。100%のカラム溶離液をShimadzu固定波長UV検出器、SPD−10Avp(シマズサイエンティフィックインストルメンツ、コロンビア、MD、USA)を通して送り、λ254nmで監視した。UV検出器を出た後、PEEK teeを使用して溶離液流を分割し、およそ100μlの溶離液がエレクトロスプレーイオン化を介して質量分析計に導入されるようにした。エレクトロスプレー源の電圧を4.5kV、キャピラリー温度を325℃にセットし、シース及びスイープガスを各々50及び30(任意単位)にセットした。初期のデータ依存性MS/MS設定は、分離幅(isolation width)2.0amu及び衝突エネルギー設定42を含んでいた。全ての他の機器の設定及び電位を最適化して、化合物Iのための最大信号対雑音比を達成した。
【0211】
方法A8:化合物Iのグルクロニド代謝産物の酵素加水分解。
化合物Iの単離されたグルクロニド抱合体代謝産物を、β−グルクロニダーゼと共にインキュベートし、反応は全てのケースで完了まで進行し、関連するアグリコンを得、該アグリコンを上述と同一のLC−MS法を用いて分析した。遊離アグリコンの保持時間及び質量スペクトルを化合物Iの単一ヒドロキシル化代謝産物基準の保持時間及び質量スペクトルと比較して、抱合体が何であるかを割り当てた。
【0212】
実施例B:
分子量323の代謝産物試料は、ヒドロキシル含有代謝産物と推定され、Isotecから得た200μLのCD
3ODに溶解された。分子量321の試料は、ケトン部分を含むと推定され、Isotecから得た200μLのCDCl
3に溶解された。上記以外の分子量を有する試料は、同様にIsotecから得た200μLのDMSO−d
6に溶解された。溶解後、ウィルマッドグラス(Wilmad Glass)から得た3mm NMR管内に各試料を配置した。試料は、分析の直前に調製された。
【0213】
Varian INOVA NMR分光計を使用して試料を分析し、該分光計は、
1Hの場合500MHzで作動され、
13Cの場合125MHzで作動された。3mmの三重共鳴逆検出勾配プローブを使用した。全てのデータ獲得を行う間、試料を30℃に保った。プローブをロックし、各試料に関して粗調整した。他のNMR実験を行って、構造の決定に必要なデータを得た。
【0214】
化合物31
1H(500 MHz, DMSO-D
6): δ 8.58 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 4.47 (td, 1H), 3.56 (s, 2H), 3.18 (dd, 1H), 3.13 (dd, 1H), 2.35 (m, 1H), 1.79 (m, 2H), 1.59-1.39 (m, 4H), 1.29 (m, 2H).
化合物32
1H(500 MHz, DMSO-D
6): δ 9.24 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 4.56 (td, 1H), 3.82 (s, 2H), 3.17 (dd, 1H), 3.11 (dd, 1H), 2.35 (m, 1H), 1.79-1.12 (m, 4H), 1.61-1.45 (m, 4H).
化合物35
1H(500 MHz, DMSO-D
6): δ 12.25 (s, 1H), 8.82 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.64 (m, 1H), 7.08 (m, 1H), 4.93 (dd, J=11.6, 3.3, 1H), 3.76 (d, J=4.8, 1H), 3.52 (dd, J=17.2, 11.7, 1H), 3.08 (dd, J=17.4, 3.6), 2.04 (m, 1H), 1.76 (m,1H), 1.63 (m, 1H), 1.54 (m, 2H), 0.95 (m, 1H).
化合物37
1H(500 MHz, CDCl
3): δ 8.71 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 4.22 (td, J=9.6, 3.7, 1H), 3.71 (s, 2H), 3.09 (dd, J=17.0, 9.1, 1H), 2.91 (dd, J=16.8, 3.7, 1H), 2.55 (m, 1H), 1.94 (m, 1H), 1.80-1.45 (m, 5H), 1.27 (m, 1H), 1.19 (m, 1H).
化合物38
1H(500 MHz, DMSO-D
6): δ 11.35 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 4.55 (td, J=9.8, 3.8, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.79 (s, 2H), 3.19 (dd, J=16.9, 9.5, 1H), 3.13 (dd, J=17.5, 4.5, 1H), 2.39 (m, 1H), 2.01 (m, 1H), 1.58 (m, 1H), 1.48-1.07 (m, 4H).
【0215】
実施例C:
代謝産物1〜39の活性データを、遊離画分及び固有クリアランスデータと共に、親化合物である化合物Iのデータと比較し得る。JAK活性アッセイ、遊離画分アッセイ及び固有クリアランスアッセイは、以下に記載されている。代謝産物1〜39の個々の立体異性体に関するデータ点を獲得し得る。代謝産物は、化合物Iと同様、JAK1、JAK2及びJAK3の強力な阻害剤であり得る。
【0216】
インビトロでのJAKキナーゼアッセイ
本明細書に記載する化合物を、Park et al., Analytical Biochemistry 1999, 269, 94-104に記載されている以下のインビトロアッセイに従って、JAK標的の阻害活性について試験し得る。N−末端Hisタグを有する、ヒトJAK1(a.a.837〜1142)、JAK2(a.a.828〜1132)及びJAK3(a.a.781〜1124)の触媒ドメインを、昆虫細胞内にてバキュロウイルスを使用して発現させ、精製してもよい。JAK1、JAK2又はJAK3の触媒活性は、ビオチン標識ペプチドのリン酸化を測定することによりアッセイし得る。均一時間分解蛍光(HTRF)によりリン酸化ペプチドを検出し得る。100mM NaCl、5mM DTT、及び0.1mg/mL(0.01%)BSAを有する50mMトリス(pH7.8)緩衝液中に酵素、ATP及び500nMペプチドを含む反応物中で、各キナーゼに関して化合物のIC
50を測定し得る。反応物中のATP濃度は、Jak1の場合、90μM、Jak2の場合30μM、Jak3の場合3μMであり得る。反応は、室温で1時間行った後、アッセイ緩衝液(パーキンエルマー、ボストン、MA)中の20μL 45mM EDTA、300nM SA−APC、6nM Eu−Py20を用いて停止する。ユーロピウム標識抗体に対する結合は40分間であり得、HTRFシグナルはFusionプレートリーダー(パーキンエルマー、ボストン、MA)上で測定してもよい。上記の任意のJAK標的に関して、10μM又はそれ以下のIC
50を有する化合物は、活性を有すると考慮することができる。
【0217】
遊離画分アッセイ
試験化合物のタンパク質結合は、ハーバードアパラタス(Harvard Apparatus)(ホリストン、MA)製のDianormシステムを使用した平衡透析により測定することができる。透析はヒト血清中にて37℃で2時間行うことができる。代謝産物は3μMで、化合物Iは3μM及び10μMでインキュベートされてもよい。透析後の血清及び緩衝液中の化合物濃度は、LC/MS/MS分析により決定し得る。遊離画分は、緩衝液対血清の濃度の比として定義される。
【0218】
固有クリアランスアッセイ
固有クリアランスは、1μMの試験化合物を、ヒト男女混合肝臓ミクロソーム(0.5mg/mLタンパク質)中で、1mM NADPHの存在下、37℃でインキュベートすることにより測定され得る。試験化合物の消失は、LC/MSを用いて0、5、10、20及び30分にて監視してもよい。化合物濃度における低下の勾配を使用して、文献に報告されている標準的な方法を用いることにより、ヒト固有クリアランスを計算することができる。
【0219】
本明細書に記載したものに加えて、本発明の様々な変更が前述の記載から当業者に明らかとなるであろう。そのような変更も添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。本願にて引用した各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。