(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5946895
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】液体散布装置
(51)【国際特許分類】
A01M 7/00 20060101AFI20160623BHJP
【FI】
A01M7/00 J
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-246750(P2014-246750)
(22)【出願日】2014年12月5日
(65)【公開番号】特開2016-106570(P2016-106570A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2015年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】397002360
【氏名又は名称】ヤマホ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(72)【発明者】
【氏名】今川 良成
【審査官】
門 良成
(56)【参考文献】
【文献】
実開平6−5479(JP,U)
【文献】
特開2003−169586(JP,A)
【文献】
特開平11−56201(JP,A)
【文献】
実開平4−43980(JP,U)
【文献】
実開昭54−165808(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が閉塞された門型パイプ(7)の両端部と長手途中に液体を噴射するノズル(9)を有し、さらに、前記門型パイプ(7)の長さ方向中間部に上向きに突出する連結軸(8)を有する噴管(6)を具備し、その噴管(6)が作業者によって操作される杆(2)の先端に前記連結軸(8)を中心にした回転が許容されるように吊り下げられた液体散布装置であって、前記杆(2)の外周にスライド自在に装着されるスライダ(12)と、そのスライダをスライドの各位置において杆(2)に固定するロック具(13)と、前記噴管(6)の前記連結軸(8)よりも片端側に偏った位置の外周に固定される連結具(14)と、一端が前記スライダ(12)に、他端が前記連結具(14)にそれぞれピボット軸を中心にした揺動が許容されるように接続されるリンク(15)を備えた噴管の回転操作具(4)を備える液体散布装置。
【請求項2】
前記杆(2)を、ストレート部(2a)と、そのストレート部に当該ストレート部(2a)を水平姿勢にした状態で所定角度下向きに屈曲して連なる先端部(2b)を備えた杆にし、
さらに、前記スライダ(12)と前記連結具(14)に、自己の軸心を中心にして回転可能なジョイント(16)を、前記スライダ(12)に対しては自己の軸心が前記杆(2)の下側から杆(2)に対して直角をなす方向に延び出し、さらに、前記連結具(14)に対しては自己の軸心が前記噴管(6)の下側から垂直に垂下して延び出すように組み付け、前記リンク(15)の一端と他端をそのジョイント(16)に水平配置のピボット軸(17)で結合した請求項1に記載の液体散布装置。
【請求項3】
前記杆(2)を内部に液体通路を備えた中空の杆にし、さらに、前記連結軸(8)を管継手で構成し、その管継手の連結軸を介して前記噴管(6)の内部の液体通路を前記杆(2)の内部の液体通路に連通させて散布液体の噴管(6)への供給を杆(2)経由で行うようにした請求項1又は2に記載の液体散布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高設栽培や土耕栽培される野菜や果物、例えば、イチゴやねぎなどに防除を目的として薬剤を散布する液体散布装置、詳しくは、作物に対して散布を常に安定して適切な方向から行えるようにした液体散布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高設栽培用の液体散布装置のひとつに、下記特許文献1に記載されたものがある。また、
図10に示した液体散布装置も知られている。
図10の液体散布装置1は、本出願人が商品化しているものであってイチゴの高設栽培や土耕栽培に利用されている。
【0003】
本出願人が商品化しているその液体散布装置は、作業者が手で持って操作する杆2と、その杆の先端に縦軸を支点にして回転可能に吊るされた門型の噴管6を組み合わせて構成されている。
【0004】
図示の杆2は、内部に液体通路(図示せず)を有する中空の杆である。その杆2の先端に管継手3が取り付けられている。
【0005】
その管継手3は、縦向きに配置する幹管3aに対して枝管3bを直角に連ならせた継手であって、枝管3bに杆2の先端が差し込まれて固定される。幹管3aの上部開口はキャップ5によって塞がれている。
【0006】
噴管6は、門型パイプ7と、噴口となる複数のノズル9を組み合わせたものである。門型パイプ7の長手方向中間部には、上向きに突出した連結軸8が設けられている。図示の連結軸8は、上端にフランジを備えたスリーブ8bを有底筒状部8aの開口側に挿入、固定した構造の管継手が用いられており、その管継手を介して噴管6の内部の通路が杆2の内部通路に連通している。
【0007】
噴管は、作物の種類によっては、円弧状に湾曲した門型パイプにノズルを取り付けたものが用いられることもある。
【0008】
管継手で構成された連結軸8の上端は袋ナット10を用いて管継手3の下部に連結されており、連結軸8を支点にした噴管6の回転が許容される。その回転により杆2に対する噴管6の装置平面視における接続角を変えることができる。
【0009】
なお、門型パイプ7の横行き部7aや垂下部7bの形状、門型パイプ7に対するノズル9の取り付け位置、取り付け個数は、噴霧対象に合わせて変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−211807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1の液体散布装置は、噴管のノズルから高設栽培の作物に向けて薬液などを散布するものであって、散布設備が大掛かりなものになる。
【0012】
これに対し、本出願人が商品化して市場に提供している
図10のような液体散布装置は、人が移動しながら操作するものであって、据付方式の装置に比べて設備費が格段に少なくて済む。
【0013】
ところが、その液体散布装置は、作物に対する薬剤などの均一散布の良し悪しが作業条件などによって変動する。
【0014】
図10の液体散布装置は、例えば、高設栽培の架台20上の培地21に植えられた作物22に薬剤を散布する場合、培地21と作物22に対して門型の噴管6を跨がせ、作業者が培地21の片側において後方から杆2を持って散布作業を進める。
【0015】
このとき、作物の両側に配置される噴管の左右の垂下部のノズルを対向させ、その左右の垂下部のノズル9から作物22までの距離を極力均等に保ちながら培地21に沿って噴管6を並行移動させることが均一散布の面で重要である。
【0016】
しかしながら、噴管の垂下部に設けられたノズルの作物に対する位置は、杆の長さや作業者の杆を持つ位置などによって異なったものになる。
【0017】
噴管6は、上述したように、連結軸8の上端を袋ナット10で管継手3につないでいる。そのために、装置平面視における噴管6の杆2への接続角(杆2とのなす角。
図2のθ)を連結軸8と管継手3の接続部において調整することができる。
【0018】
その接続角の調整によって作業者に合ったノズルの位置設定が行える。その位置設定後に散布作業を実施するようにしているが、連結軸8と管継手3が単純に袋ナット10のみを用いて連結されているため、作業中に噴管が作物などに接触して自然に回転することがあり、その予期せぬ回転によって杆とノズルの位置関係が狂ったり作業がし辛くなったりすることがあった。
【0019】
また、予期せぬ回転を生じた噴管は、作業者が一旦手元側に戻して回転前の姿勢に戻す必要があり、それも作業を煩わしくする原因になっていた。
【0020】
そこで、この発明は、門型の噴管を杆の先に縦軸(後述の連結軸)を支点にして回転可能に吊るした液体散布装置を改善の対象にして、噴管の向きの設定が作業者の手元側において自由に行え、さらに、噴管の予期せぬ回転も確実に阻止されて作物に対して最適な条件で薬剤などを散布できるものにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するため、この発明においては、両端が閉塞された門型パイプの両端部と長手途中に液体を噴射するノズルを有し、さらに、前記門型パイプの長さ方向中間部に上向きに突出する連結軸を有する噴管を具備し、その噴管が作業者によって操作される杆の先端に前記連結軸を中心にした回転が許容されるように吊り下げられた液体散布装置に対して、前記杆の外周にスライド自在に装着されるスライダと、そのスライダをスライドの各位置において杆に固定するロック具と、前記噴管の前記連結軸よりも片端側に偏った位置の外周に固定される連結具と、一端が前記スライダに、他端が前記連結具にそれぞれ縦軸中心の揺動が許容されるように接続されるリンクを備えた噴管の回転操作具を追設した。
【0022】
かかる液体散布装置は、前記杆として、ストレート部と、そのストレート部に当該ストレート部を水平姿勢にした状態で所定角度下向きに屈曲して連なる先端部を備えたものが用いられている場合には、以下の構成を付加する。
【0023】
即ち、前記スライダと前記連結具に、自己の軸心を中心にして回転可能なジョイントを、前記スライダに対しては自己の軸心が前記杆の下側から杆に対して直角をなす方向に延び出し、前記連結具に対しては自己の軸心が前記噴管の下側から垂直に垂下して延び出すように組み付け、前記リンクの一端と他端をそのジョイントに水平配置のピボット軸で結合させて前記リンクの前記スライダ及び連結具に対する接続を前記ジョイントを介して間接的に行う。
【0024】
いずれの形態の装置も、前記杆を内部に液体通路を備えた中空の杆にし、さらに、前記連結軸を管継手で構成し、その管継手を介して噴管の内部の液体通路を杆の内部の液体通路に連通させて散布液体の噴管への供給を杆経由で行うようにしたものが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
この発明の液体散布装置は、作業者が杆を掴んでいない方の手で前記スライダを操作して杆のストレート部の長手方向にスライドさせる。そのスライダが杆の先端側に押し動かされると押し力が前記リンク及び連結具経由で噴管に伝わって噴管が前記連結軸を支点にして回転する。
【0026】
これにより、装置平面視における噴管の杆に対する接続角が変化する。このように、杆に対する噴管の接続角を作業者が手元側において変化させることができる。
【0027】
また、回転操作具のスライダはロック具によってスライドの各位置において杆に固定することができ、これにより、作業者や杆の長さに合わせて予め設定した杆とノズルの最適な位置関係の狂いが防止され、散布の均一性が損なわれたり、作業がし辛くなったりする不具合が回避される。
【0028】
なお、前記リンクを前記スライダと連結具に対して前記ジョイントを介して接続したものは、杆の先端側が屈曲していてもスライダのスライドが支障なくなされる。
【0029】
また、液体の噴管への供給を、杆の内部に設けた液体通路を介して行うものは、液体圧送源(ポンプ)に連なるホースを噴管まで延ばす必要がなく、装置の操作、取り扱いがし易い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】この発明に係る液体散布装置の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図1の液体散布装置を杆に対する噴管の接続角を変化させた状態にして示す平面図である。
【
図4】
図1の液体散布装置を杆に対する噴管の接続角を変化させた状態にして示す側面図である。
【
図5】杆と噴管の接続部の詳細を示す断面図である。
【
図6】
図1の液体散布装置から取り外した回転操作具の側面図である。
【
図10】回転操作具の無い従来の液体散布装置の一例を使用状態にして示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜
図5に示した液体散布装置1は、イチゴの高設栽培での防除に利用されるものであって、作業者が手で持って操作する杆2と、先端に管継手3を取り付けたその杆の先端に吊り下げられる門型の噴管(ノズル管)6と、その噴管6を回転させる回転操作具4を組み合わせて構成されている。
【0032】
杆2は、中空杆であり内部の空洞は液体通路となっている。図示の杆2の後部には、液体の供給路を開閉するコックのついた操作具(図示せず)が連結される。
【0033】
図示の杆2は、ストレート部2aとそのストレート部に接続されたストレート部2aに対して屈曲している先端部2bとからなる。この杆の先端部2bは、ストレート部2aを水平姿勢にした状態で下向きに所定角度(例えば、20°)屈曲しており、ストレート部2aを水平面に対して所定角度傾けたときに水平姿勢に近づく。その先端部2bの先端に管継手3が取り付けられている。
【0034】
図示の管継手3は、
図5に示すように、縦向き(垂直又はそれに近い状態)に配置される幹管3aに対してその幹管に交差する枝管3bを連ならせたT型の継手である。この管継手の枝管3bに杆の先端部2bの先端が液密に差し込まれて固定されている。
【0035】
また、この管継手の幹管3aの上側の開口はキャップ5によって塞がれ、幹管3aの下部に噴管6が接続されている。なお、図示の管継手3に代えてL型の管継手を使用してもよい。
【0036】
噴管6は、門型パイプ7と、その門型パイプ7に上向きに突出して設けられる連結軸8と、噴口となる複数のノズル9を組み合わせて構成されている。
【0037】
図示の門型パイプ7は、連結軸8に対する接続点から左右に対称状態に延び出す横行き部7a、7aと、左右の横行き部の延び出し端に連設された所定長さの下向きに垂れた垂下部7bを備えており、横行き部7aの長手中間点に連結軸8が配置されている。
【0038】
図示の連結軸8は、
図5に示すように、有底筒状部8aの開口側に、上端にフランジを備えたスリーブ8bを挿入、固定した管継手によって構成されている。その連結軸(管継手)8の有底筒状部8aに門型パイプ7が固定され、その連結軸の内部通路を介して噴管6の内部の通路が杆2の内部の通路に連通し、噴管6に対する散布液体の供給が杆2経由でなされるようになっている。
【0039】
なお、図示の噴管6は、門型パイプ7の左右の垂下部7b、7bの下端が端栓によって閉塞され、横行き部7aの長手途中と各垂下部7bの下端近傍及び上端近傍に噴口となるノズル9が取り付けられているが、作物の種類によっては、全体がアーチ状に湾曲したパイプにノズルを組みつけた、例示品とは形状の異なる噴管が用いられることもある。
【0040】
管継手で構成された連結軸8の上端は、袋ナット10とシールパッキン11(
図5参照)を用いて管継手3の下部に液密に連結されている。袋ナット10による連結軸8の管継手3に対する連結は、連結軸8が自己の軸心を中心にして回転できるようになされており、そのために、杆2の先端に連結軸8を介して吊り下げられた噴管6は、連結軸8を支点にして回転することができる。
【0041】
その回転により噴管6の杆2に対する装置平面視での接続角θ(
図2、
図3参照)が変化する。以上の構成は既に市販している製品と変わるところがない。
【0042】
この発明の液体散布装置1は、従来装置に対して、前記回転操作具4を追設したところに特徴を有している。
【0043】
その回転操作具4は、スライダ12と、ロック具13(
図6、
図8参照)と、連結具14と、リンク15を組み合わせたものが設けられている。その回転操作具4の詳細を
図6〜
図9に示す。
【0044】
この回転操作具4のスライダ12は、杆2のストレート部2aの外周にストレート部2aの長手方向へのスライドが許容されるように装着されている。
【0045】
ロック具13は、スライダ12をスライドの各位置において杆2に固定するものであって、スライダ12を周方向に2分割して周方向の切り離し端に対向した連結片を連設し、片側の対向位置の連結片と他側の対向位置の連結片を締結具13a、13bで締め付けてスライダ12を杆2の外周に固定するものを例示した。
【0046】
なお、締結具13a、13bは、ネジとナットを組み合わせたものを示した。締結具13bは一般的なネジ、ナットでよいが、締結具13aを構成するネジとナットは、どちらか一方が指先で回転操作のできるもの、例えば、蝶ネジ、つまみ付きネジ、蝶ナットなどが好ましい。
【0047】
連結具14は、スライダ12と類似の構造を有するものを採用した。この連結具14の締結具14a、14bは、指先での回転操作ができるもの、できないもののどちらであってもよい。この連結具14は、噴管6の横行き部7aの外周に位置決めして固定される。
【0048】
例示のロック具13と連結具14には、ジョイント16が組み付けられている。スライダ12に組み付けられたジョイント16は、自己の軸心が杆2の下側、かつ、杆2のストレート部2aに対して直角をなす方向に延びており、その自己の軸心を中心にした回転が可能である。
【0049】
また、連結具14に組み付けられたジョイント16は、自己の軸心が噴管6の下側から垂直に垂れ下がる向きに延びており、これも自己の軸心を中心にした回転が可能である。
【0050】
リンク15は、両端を各ジョイント16に対して横向きのピボット軸17で結合させており、ピボット軸17を支点にした揺動が許容される。
【0051】
このように、リンク15のスライダ12と連結具14に対する接続を、リンクやスライダに対して回転可能なジョイント16を介して行うと、噴管6が杆2の屈曲した先端に吊り下げられた図示の如き装置においてもスライダ12のスライドが支障なく行われる。
【0052】
噴管6が先端の屈曲していない杆2の先端に吊り下げられている装置については、スライダ12のスライド(進退)に伴うリンク15の杆のストレート部2aに対する傾きの変動は起こらないので、ジョイント16の設置は不要である。
【0053】
なお、杆2の内部通路を経由して噴管6に散布対象の液体を供給する図示の液体散布装置には、杆2に添わせる液体供給用のホースが含まれていない。そのため、装置の操作、取り扱いがし易いが、噴管6に対する液体の供給は、液体圧送源(ポンプ)に連なるホースを噴管に直接接続してそのホース経由で行うこともできる。
【0054】
以上の通りに構成された例示の液体散布装置1は、作業者が杆2を持って架台上の培地の片側から培地に植えられた作物(例えば、イチゴ)に対して噴管6を跨がせる。そして、スライダ12を操作して噴管6を門形パイプの左右の垂下部7b、7bが培地を間に挟んで対向して両垂下部のノズル9から作物までの距離が大まかに均等化されるところまで噴管6を連結軸8を支点にして回転させる。
【0055】
回転操作具4を杆2の左側に設けた図示の液体散布装置1については、スライダ12を杆2の後部側に後退させると門形パイプの横行き部7aの連結軸8を基準にした左側が引き動かされて噴管6が平面視において反時計周りに回転し、
図3のように、杆2に対する噴管6の接続角θが変化する。
【0056】
その調整作業を終えたら、スライダ12をロック具13で調整完了点に固定する。その後、培地に沿って噴管の位置、姿勢を極力維持しながら移動して作物に薬剤などの液体を散布する。
【0057】
このように、この発明の液体散布装置は、噴管の向きを作業者が手元側において自身にとって最適な姿勢となるように調整することができる。また、調整後の噴管位置を固定して作業中の噴管の作物に対する位置の変動を防止することもでき、使い勝手が良くて、噴管の不測の回転による作業の支障や中断なども確実に防止される。
【符号の説明】
【0058】
1 液体散布装置
2 杆
2a ストレート部
2b 先端部
3 管継手
3a 幹管
3b 枝管
4 回転操作具
5 キャップ
6 噴管
7 門型パイプ
7a 横行き部
7b 垂下部
8 連結軸
8a 有底筒状部
8b スリーブ
9 ノズル
10 袋ナット
11 シールパッキン
12 スライダ
13 ロック具
13a、13b 締結具
14 連結具
14a、14b 締結具
15 リンク
16 ジョイント
17 ピボット軸
20 架台
21 培地
22 作物
θ 杆に対する装置平面視での噴管の接続角