特許第5946908号(P5946908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5946908電子部品保持ヘッド、電子部品検出方法、および、ダイ供給機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5946908
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】電子部品保持ヘッド、電子部品検出方法、および、ダイ供給機
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20160623BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   B25J15/06 N
   H01L21/68 A
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-514324(P2014-514324)
(86)(22)【出願日】2012年5月11日
(86)【国際出願番号】JP2012062101
(87)【国際公開番号】WO2013168278
(87)【国際公開日】20131114
【審査請求日】2015年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】特許業務法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100142974
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】清水 利律
(72)【発明者】
【氏名】大橋 広康
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】村井 正樹
【審査官】 臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−133794(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/005058(WO,A1)
【文献】 特開2005−262351(JP,A)
【文献】 特開2005−044991(JP,A)
【文献】 特開2009−123936(JP,A)
【文献】 特開2008−210925(JP,A)
【文献】 特開2007−221035(JP,A)
【文献】 特開2009−130334(JP,A)
【文献】 特開2009−111155(JP,A)
【文献】 特開2012−000692(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 15/06
H01L 21/677
H05K 13/02−13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を吸着保持するための複数の吸着ノズルと、
それら複数の吸着ノズルに対応して設けられ、前記複数の吸着ノズルのうちの自身に対応するものに接続される複数のエア通路と、
それら複数のエア通路が接続され、前記複数のエア通路内からエアを吸引するエア吸引装置と、
前記複数のエア通路に対応して設けられ、前記複数のエア通路のうちの自身に対応するものの内部を流れるエアの流量を検出する複数の流量センサと
を備え、前記複数の吸着ノズルによって複数の電子部品を同時に吸着保持することが可能な電子部品保持ヘッドであって、
当該電子部品保持ヘッドが、
前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を検出する電子部品検出装置を備え、
その電子部品検出装置が、
前記複数の流量センサの各々に対して、その各々が設けられた前記エア通路に接続された前記吸着ノズルのノズル径に応じて閾値を設定する設定部と、
前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記複数の流量センサの各々による検出値が、その各々に応じて前記設定部において設定された閾値を超えているか否かを判定する判定部と、
前記複数の流量センサのうちの検出値が閾値を超えていると判定されたものに対応する前記吸着ノズルには、電子部品が吸着されておらず、検出値が閾値以下と判定されたものに対応する前記吸着ノズルには、電子部品が吸着されていると認定する認定部と
を有する電子部品保持ヘッド。
【請求項2】
前記電子部品検出装置が、
当該電子部品保持ヘッドによる保持作業が行われていない状況下で前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記複数の流量センサの各々による検出値に基づいて、その各々に応じて前記設定部において設定された閾値を補正する補正部を有する請求項1に記載の電子部品保持ヘッド。
【請求項3】
前記吸着ノズルが、前記エア通路に着脱可能に接続されており、
前記設定部が、
前記吸着ノズルが前記エア通路に着脱される毎に、閾値を設定するように構成された請求項1または請求項2に記載の電子部品保持ヘッド。
【請求項4】
電子部品を吸着保持するための複数の吸着ノズルと、
それら複数の吸着ノズルに対応して設けられ、前記複数の吸着ノズルのうちの自身に対応するものに接続される複数のエア通路と、
それら複数のエア通路が接続され、前記複数のエア通路内からエアを吸引するエア吸引装置と、
前記複数のエア通路に対応して設けられ、前記複数のエア通路のうちの自身に対応するものの内部を流れるエアの流量を検出する複数の流量センサと
を備え、前記複数の吸着ノズルによって複数の電子部品を同時に吸着保持することが可能な電子部品保持ヘッドにおいて、前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を検出する電子部品検出方法であって、
前記複数の流量センサの各々に対して、その各々が設けられた前記エア通路に接続された前記吸着ノズルのノズル径に応じて閾値を設定する設定工程と、
前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記複数の流量センサの各々による検出値が、その各々に応じて前記設定工程において設定された閾値を超えているか否かを判定する判定工程と、
前記複数の流量センサのうちの検出値が閾値を超えていると判定されたものに対応する前記吸着ノズルには、電子部品が吸着されておらず、検出値が閾値以下と判定されたものに対応する前記吸着ノズルには、電子部品が吸着されていると認定する認定工程と
を含む電子部品検出方法。
【請求項5】
当該電子部品検出方法が、
当該電子部品保持ヘッドによる保持作業が行われていない状況下で前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記複数の流量センサの各々による検出値に基づいて、その各々に応じて前記設定工程において設定された閾値を補正する補正工程を含む請求項4に記載の電子部品検出方法。
【請求項6】
前記吸着ノズルが、前記エア通路に着脱可能に接続されており、
前記設定工程が、
前記吸着ノズルが前記エア通路に着脱される毎に、閾値を設定するように構成された請求項4または請求項5に記載の電子部品検出方法。
【請求項7】
請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の電子部品保持ヘッドと、
ウェハをダイシングしてなるダイ集合体を保持するダイ集合体保持装置と
を備え、
前記電子部品保持ヘッドがダイ集合体から複数のダイを同時に吸着保持した状態で、それら複数のダイを供給するダイ供給機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の吸着ノズルによって複数の電子部品を同時に吸着保持することが可能な電子部品保持ヘッド、その電子部品保持ヘッドにおいて吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を検出する電子部品検出方法、および、電子部品保持ヘッドを備えたダイ供給機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子部品を保持するための電子部品保持ヘッドには、電子部品を吸着保持するための複数の吸着ノズルと、それら複数の吸着ノズルに接続される複数のエア通路と、それら複数のエア通路内からエアを吸引するエア吸引装置とを備え、複数の吸着ノズルによって複数の電子部品を同時に吸着保持することが可能なものがある。このような電子部品保持ヘッドでは、複数の吸着ノズルによって複数の電子部品を同時に吸着保持することで、各種作業時間の短縮等を図ることが可能となり、便利である。ただし、吸着ミス等により、保持すべき電子部品の吸着保持が行われない場合もあり、吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を確認する必要がある。このようなことに鑑みて、吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を確認するための技術が開発されており、下記特許文献には、そのような技術の一例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−133794号公報
【特許文献2】特開2009−111155号公報
【特許文献3】特開2009−130334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に記載の電子部品保持ヘッドでは、エア通路にエアの流量を検出する流量センサを設け、その流量センサの検出値に基づいて、吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無が判定されている。具体的には、エア通路内のエアが吸引されている際に、流量センサによる検出値がある程度低い場合には、吸着ノズルによって電子部品が吸着されており、流量センサによる検出値が低くならない場合には、吸着ノズルによって電子部品が吸着されていないと判定されている。これは、電子部品が吸着ノズルに吸着された後、つまり、吸着ノズルのノズル口が電子部品によって塞がれた後には、エアはエア通路内を殆ど流れなくなり、流量センサによる検出値は低くなるが、電子部品が吸着ノズルに吸着されていなければ、エア通路内をエアが流れ、流量センサによる検出値は低くならないためである。
【0005】
しかしながら、電子部品保持ヘッドには、種々の大きさの電子部品を保持するべく、複数種類の吸着ノズルが装着される場合があり、それら複数種類の吸着ノズルのノズル径は、互いに異なっている。また、吸着ノズルに電子部品が吸着されている際に、ノズル口と電子部品との隙間からエアが僅かであるが、吸引され、この際に検出されるエア流量は、吸着ノズルのノズル径に応じて、大きく異なる。具体的には、例えば、大きな電子部品を保持するための吸着ノズルのノズル径が、小さな電子部品を保持するための吸着ノズルのノズル径の数倍以上である場合があり、そのような場合には、吸着ノズルに電子部品が吸着されている際に流量センサによって検出されるエア流量に関しても、大径の吸着ノズルでのエア流量は、小径の吸着ノズルでのエア流量の数倍以上となる。このため、比較的大径の吸着ノズルが接続されたエア通路には、吸着ノズルに電子部品が吸着されているにも関わらず、ある程度の量のエアが流れ、吸着ノズルに電子部品が吸着されていないと誤判定される虞がある。
【0006】
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を適切に判定することが可能な電子部品保持ヘッド,電子部品検出方法、および、ダイ供給機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願の請求項1に電子部品保持ヘッドは、電子部品を吸着保持するための複数の吸着ノズルと、それら複数の吸着ノズルに対応して設けられ、前記複数の吸着ノズルのうちの自身に対応するものに接続される複数のエア通路と、それら複数のエア通路が接続され、前記複数のエア通路内からエアを吸引するエア吸引装置と、前記複数のエア通路に対応して設けられ、前記複数のエア通路のうちの自身に対応するものの内部を流れるエアの流量を検出する複数の流量センサとを備え、前記複数の吸着ノズルによって複数の電子部品を同時に吸着保持することが可能な電子部品保持ヘッドであって、当該電子部品保持ヘッドが、前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を検出する電子部品検出装置を備え、その電子部品検出装置が、前記複数の流量センサの各々に対して、その各々が設けられた前記エア通路に接続された前記吸着ノズルのノズル径に応じて閾値を設定する設定部と、前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記複数の流量センサの各々による検出値が、その各々に応じて前記設定部において設定された閾値を超えているか否かを判定する判定部と、前記複数の流量センサのうちの検出値が閾値を超えていると判定されたものに対応する前記吸着ノズルには、電子部品が吸着されておらず、検出値が閾値以下と判定されたものに対応する前記吸着ノズルには、電子部品が吸着されていると認定する認定部とを有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の電子部品保持ヘッドは、請求項1に記載の電子部品保持ヘッドにおいて、前記電子部品検出装置が、当該電子部品保持ヘッドによる保持作業が行われていない状況下で前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記複数の流量センサの各々による検出値に基づいて、その各々に応じて前記設定部において設定された閾値を補正する補正部を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の電子部品保持ヘッドは、請求項1または請求項2に記載の電子部品保持ヘッドにおいて、前記吸着ノズルが、前記エア通路に着脱可能に接続されており、前記設定部が、前記吸着ノズルが前記エア通路に着脱される毎に、閾値を設定するように構成されたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の電子部品検出方法は、電子部品を吸着保持するための複数の吸着ノズルと、それら複数の吸着ノズルに対応して設けられ、前記複数の吸着ノズルのうちの自身に対応するものに接続される複数のエア通路と、それら複数のエア通路が接続され、前記複数のエア通路内からエアを吸引するエア吸引装置と、前記複数のエア通路に対応して設けられ、前記複数のエア通路のうちの自身に対応するものの内部を流れるエアの流量を検出する複数の流量センサとを備え、前記複数の吸着ノズルによって複数の電子部品を同時に吸着保持することが可能な電子部品保持ヘッドにおいて、前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を検出する電子部品検出方法であって、前記複数の流量センサの各々に対して、その各々が設けられた前記エア通路に接続された前記吸着ノズルのノズル径に応じて閾値を設定する設定工程と、前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記複数の流量センサの各々による検出値が、その各々に応じて前記設定工程において設定された閾値を超えているか否かを判定する判定工程と、前記複数の流量センサのうちの検出値が閾値を超えていると判定されたものに対応する前記吸着ノズルには、電子部品が吸着されておらず、検出値が閾値以下と判定されたものに対応する前記吸着ノズルには、電子部品が吸着されていると認定する認定工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の電子部品検出方法は、請求項4に記載の電子部品検出方法において、当該電子部品保持ヘッドによる保持作業が行われていない状況下で前記エア吸引装置によってエアが吸引されている際の前記複数の流量センサの各々による検出値に基づいて、その各々に応じて前記設定工程において設定された閾値を補正する補正工程を含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の電子部品検出方法は、請求項4または請求項5に記載の電子部品検出方法において、前記吸着ノズルが、前記エア通路に着脱可能に接続されており、前記設定工程が、前記吸着ノズルが前記エア通路に着脱される毎に、閾値を設定するように構成されたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載のダイ供給装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の電子部品保持ヘッドと、ウェハをダイシングしてなるダイ集合体を保持するダイ集合体保持装置とを備え、前記電子部品保持ヘッドがダイ集合体から複数のダイを同時に吸着保持した状態で、それら複数のダイを供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の電子部品保持ヘッドおよび、請求項4に記載の電子部品検出方法では、複数の流量センサの各々に対して、その各々が設けられたエア通路に接続された吸着ノズルのノズル径に応じて閾値を設定し、その閾値とエア通路内のエア流量とに基づいて、吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無が判定される。具体的には、エア吸引装置によってエアが吸引されている際の流量センサによる検出値が閾値を超えているか否かを判定し、検出値が閾値を超えていると判定された場合には、電子部品が吸着されておらず、検出値が閾値以下と判定された場合には、電子部品が吸着されていると認定される。これにより、吸着ノズルのノズル径の大きさに関わらず、吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を適切に判定することが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の電子部品保持ヘッドおよび、請求項5に記載の電子部品検出方法では、電子部品保持ヘッドによる保持作業が行われていない状況下でエア吸引装置によってエアが吸引されている際のエア通路のエア流量が測定され、その測定値に基づいて、設定部において設定された閾値が補正される。具体的には、例えば、同じ種類の2つの吸着ノズルでは、互いのノズル径は同じであることから、同じ閾値に設定される。ただし、ノズル径の形成誤差等により、同じ種類の2つの吸着ノズルの間でエア流量が異なる場合がある。また、1つの吸着ノズルにおいても、計時劣化,ノズル詰まり等により、吸着ノズルのエア流量が低下し、実際のエア流量が、ノズル径に応じたエア流量より少なくなる場合がある。このような場合に、吸着ノズルのノズル口が開放されている状況下でのエア流量に基づいて、閾値を補正することで、ノズル径の形成誤差,ノズル詰まり等をも考慮しつつ、吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を判定することが可能となる。
【0016】
請求項3に記載の電子部品保持ヘッドおよび、請求項6に記載の電子部品検出方法では、吸着ノズルがエア通路に着脱可能に接続されており、吸着ノズルがエア通路に着脱される毎に、閾値が設定される。電子部品保持ヘッドにおいて、吸着ノズルの付替えは、比較的頻繁に行われるが、本技術によれば、吸着ノズルの付替え毎に、閾値が設定される。これにより、吸着ノズルの付替え毎に、吸着ノズルによる電子部品の吸着の有無を適切に判定することが可能となる。
【0017】
請求項7に記載のダイ供給機には、上記請求項1ないし請求項3に記載の電子部品保持ヘッドが装着されている。これにより、請求項7に記載のダイ供給機において、上記効果と同様の効果を発揮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例であるダイ供給機を示す斜視図である。
図2図1に示すダイ供給機の備えるピックアップヘッドを示す斜視図である。
図3図2に示すピックアップヘッドの備える吸着ノズル、保持ロッド、エア通路、ポンプ、流量センサを模式的に示す図である。
図4図1に示すダイ供給機の備える制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0020】
<ダイ供給機の構成>
図1に、ダイ供給機10を示す。ダイ供給機10は、ウェハにダイシングシートを貼着したものをダイシングしてなるダイ集合体20から、ダイシングによって得られた複数のダイ22の各々を供給するものとされている。なお、ダイ集合体20は、単に「ウェハ」と呼ばれることもあり、ダイ22は、「チップ」と呼ばれることもある。
【0021】
ダイ供給機10は、メインフレーム30と、メインフレーム30に併設されて複数のダイ集合体20を収容するダイ集合体収容装置32と、メインフレーム30上に配設されて1つのダイ集合体20を固定的に保持するダイ集合体保持装置34と、ダイ集合体保持装置34によって保持されたダイ集合体20からダイ22をピックアップするピックアップヘッド36と、ピックアップヘッド36をダイ集合体保持装置34によって保持されたダイ集合体20上の任意の位置に移動させるヘッド移動装置38とを備えている。なお、以下の説明において、メインフレーム30とダイ集合体収容装置32とが並ぶ方向をX方向とし、その方向に直角な水平の方向をY方向と称する。
【0022】
ダイ集合体収容装置32は、昇降テーブル40と、昇降テーブル40上に配設されたラック42と、昇降テーブル40を上下方向に昇降させるテーブル昇降機構(図4参照)44とを有している。ラック42の内部には、複数のダイ集合体20が積み重ねられた状態で収容されており、昇降テーブル40がテーブル昇降機構44によって上下方向に昇降されることで、積み重ねられた状態の複数のダイ集合体20が上下方向に移動させられるようになっている。そして、所定の高さに位置するダイ集合体20が、ダイ集合体保持装置34の上に引き出されるようになっている。
【0023】
ダイ集合体保持装置34は、メインフレーム30上にX方向に延びるように配設された1対のガイドレール(図では一方のみが示されている)50と、それら1対のガイドレール50によってX方向に移動可能に保持された保持フレーム52と、その保持フレーム52をX方向に移動させるフレーム移動機構(図4参照)54とを有しており、ダイ集合体収容装置32から引き出されたダイ集合体20が保持フレーム52上において保持され、保持されたダイ集合体20が、フレーム移動機構54によって、X方向に移動させられるようになっている。また、ダイ集合体保持装置34は、ダイ集合体固定機構(図4参照)56を有しており、そのダイ集合体固定機構56によって、ダイ集合体20が保持フレーム52上に固定されるようになっている。
【0024】
また、ピックアップヘッド36は、ダイ集合体保持装置34によって保持されたダイ集合体20からダイ22をピックアップするものであり、図2に示すように、ダイ22を吸着する吸着ノズル60を下端部に保持する保持ロッド62を4本備えている。各保持ロッド62には、図3に示すように、各保持ロッド62に保持された吸着ノズル60に連通するエア通路66が形成されており、各エア通路66は、負圧源としてのポンプ68に接続されている。そして、ポンプ68の作動により、エア通路66内からエアが吸引されることで、負圧にてダイ22が吸着ノズル60によって吸着保持されるようになっている。なお、各エア通路66には、各エア通路66の内部を流れるエアの流量を検出するための流量センサ69が設けられている。
【0025】
また、概して軸状をなす保持ロッド62は、図2に示すように、ロッド保持体64に、軸方向が垂直となる状態に保持されており、上下方向に移動可能とされている。そして、保持ロッド62の下端部が、ロッド保持体64の下面から下方に向かって延び出している。ピックアップヘッド36は、ロッド昇降機構70を有しており、そのロッド昇降機構70の操作ブロック72の昇降により、4つの保持ロッド62を同時に昇降、若しくは、各保持ロッド62を個別に昇降させることが可能とされている。
【0026】
ピックアップヘッド36は、さらに、ロッド保持体64を上下方向に反転させる反転機構74も有しており、反転機構74の作動により、ロッド保持体64に保持された保持ロッド62の上下を逆さまにすることが可能とされている。詳しくは、ロッド保持体64は、概して水平方向に延びる支持軸76によって、ピックアップヘッド36の本体部78に回動可能に支持されている。反転機構74は、支持軸76と同軸的にロッド保持体64に固定されたピニオン80と、そのピニオン80に噛合するラック82とを有しており、ラック82の移動によりピニオン80が回転させられ、ロッド保持体64が、図での矢印に示すように、支持軸76を中心に反転させられる。これにより、ロッド保持体64に保持された保持ロッド62が反転し、吸着ノズル60をノズル口が上を向いた状態で保持ロッド62の上端部に位置させることが可能となる。
【0027】
また、ヘッド移動装置38は、図1に示すように、XYロボット型の移動装置であり、ピックアップヘッド36をメインフレーム30上の任意の位置に移動可能とされている。詳しく言えば、ヘッド移動装置38は、ピックアップヘッド36をX方向に移動させるためのX方向スライド機構84と、ピックアップヘッド36をY方向に移動させるためのY方向スライド機構86とを備えている。X方向スライド機構84は、X方向に移動可能にメインフレーム30上に設けられたX方向スライダ88と、電磁モータ(図4参照)90とを有しており、その電磁モータ90によって、X方向スライダ88がX方向の任意の位置に移動可能とされている。また、Y方向スライド機構86は、Y方向に移動可能にX方向スライダ88の側面に設けられたY方向スライダ92と、電磁モータ(図4参照)94とを有しており、その電磁モータ94によって、Y方向スライダ92がY方向の任意の位置に移動可能とされている。そして、そのY方向スライダ92にピックアップヘッド36が取り付けられることで、ピックアップヘッド36は、ヘッド移動装置38によって、メインフレーム30上の任意の位置に移動可能とされている。
【0028】
また、ヘッド移動装置38のX方向スライダ88の背面には、ダイ集合体20を把持するためのクランプ98が取り付けられている。クランプ98は、ダイ集合体20がダイ集合体収容装置32からダイ集合体保持装置34の保持フレーム52に引き出される際に、ダイ集合体20を把持するものであり、クランプ98が取り付けられたX方向スライダ88をX方向に移動させることで、クランプ98によって把持されたダイ集合体20をX方向に移動させることが可能となっている。
【0029】
また、ダイ供給機10は、ダイ集合体保持装置34の下方に配設されたダイ突上装置(図4参照)100を備えている。ダイ突上装置100は、ダイ集合体保持装置34によって保持されたダイ集合体20のダイ22を裏面から突き上げる突上具(図示省略)と、その突上具を上下方向に昇降させる突上具昇降機構(図4参照)102と、突上具をダイ集合体20の下方の任意の位置に移動させる突上具移動機構(図4参照)104とを有しており、ピックアップヘッド36によるダイ22のピックアップをサポートするものとされている。詳しくは、ピックアップヘッド36によってピックアップされるダイ22の下方に突上具が移動させられ、その位置において、突上具が上昇される。これにより、ダイ22が持ち上げられ、その持ち上げられたダイ22が、ピックアップヘッド36の吸着ノズル60によって吸着される。
【0030】
また、ダイ供給機10は、ダイカメラ106を備えている。ダイカメラ106は、下方を向いた状態でY方向スライダ92に固定されており、ヘッド移動装置38によって移動させられることで、ダイ集合体保持装置34に保持されたダイ集合体20を任意の位置において撮像することが可能となっている。ダイカメラ106によって得られた画像データは、画像処理装置(図4参照)108において処理され、画像データから各種情報を取得することが可能となっている。
【0031】
さらに、ダイ供給機10は、図4に示すように、制御装置110を備えている。制御装置110は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体とするコントローラ112と、上記テーブル昇降機構44,フレーム移動機構54,ダイ集合体固定機構56,ポンプ68,ロッド昇降機構70,反転機構74,電磁モータ90,94の各々に対応する複数の駆動回路114とを備えている。また、コントローラ112には、各駆動回路114を介してダイ集合体収容装置,保持装置等の駆動源が接続されており、ダイ集合体収容装置,保持装置等の作動を制御することが可能とされている。また、コントローラ112には、ダイカメラ106によって得られた画像データを処理する画像処理装置108、および、エア通路66を流れるエアの流量を検出するための流量センサ69が接続されている。
【0032】
<ダイ供給機によるダイの供給>
ダイ供給機10では、上述した構成によって、ダイ集合体20からダイ22をピックアップするとともに、ピックアップしたダイ22を供給することが可能とされている。具体的には、まず、ダイ集合体20が載置されていない保持フレーム52を、フレーム移動機構54によって、ダイ集合体収容装置32側、つまり、後方側に移動させておく。そして、テーブル昇降機構44によって、積み重ねられた状態の複数のダイ集合体20を昇降させ、それら複数のダイ集合体20のうちの1枚のダイ集合体20を所定の高さに移動させる。
【0033】
次に、X方向スライダ88が、X方向スライド機構84によって後方側に移動させられることで、所定の高さに移動させられたダイ集合体20が、X方向スライダ88に取り付けられたクランプ98によって把持される。そして、X方向スライダ88が、X方向スライド機構84によって前方側に移動させられることで、クランプ98に把持されたダイ集合体20が、保持フレーム52の上に載置される。保持フレーム52上に載置されたダイ集合体20は、ダイ集合体固定機構56によって保持フレーム52上に固定され、その保持フレーム52は、フレーム移動機構54によって前方側に移動させられる。これにより、保持フレーム52によって固定的に保持されたダイ集合体20が、所定の作業位置(図1で保持フレーム52に保持されたダイ集合体20が示されている位置)に位置させられる。
【0034】
ダイ集合体20が作業位置に移動させられると、ダイカメラ106が、ヘッド移動装置38によって、ピックアップされるダイ22の上方に移動させられる。そして、ダイカメラ106によって、ダイ22が撮像され、その撮像によりダイ22の位置情報が取得される。なお、4つの吸着ノズル60によって4つのダイ22が吸着される際には、4つのダイ22の位置情報が取得される。
【0035】
続いて、ダイ22の撮像により取得されたダイ22の位置情報に基づいて、ピックアップヘッド36が、ヘッド移動装置38によって、ピックアップされるダイ22の上方に移動させられる。そして、1つの保持ロッド62が、ロッド昇降機構70によって下降させられる。保持ロッド62の降下時には、エア通路66内のエアが、ポンプ68によって吸引されており、保持ロッド62の下端部に保持されている吸着ノズル60のノズル口から、エアが吸引されている。これにより、吸着ノズル60によって、ダイ22が吸着保持され、ダイ集合体20からピックアップされる。
【0036】
また、ダイ22が吸着ノズル60によってピックアップされる際には、そのピックアップされるダイ22が、ダイ突上装置100の突上具によって上方に突き上げられ、ダイ22のピックアップがサポートされる。そして、上記ダイ22のピックアップ動作が、4つの保持ロッド62毎に行われることで、4つの吸着ノズル60によって、4つのダイ22が同時に吸着保持され、4つのダイ22のピックアップが完了する。なお、ピックアップヘッド36では、ロッド昇降機構70によって、4つの保持ロッド62を同時に昇降させることが可能とされており、4つの保持ロッド62を同時に降下させて、4つのダイ22を同時にピックアップすることも可能である。
【0037】
4つのダイ22のピックアップが完了すると、ピックアップヘッド36は、ヘッド移動装置38によって、メインフレーム30上の任意の位置に移動させられ、その位置において、4つの保持ロッド62が、反転機構74によって上下逆さまにされる。これにより、各保持ロッド62の吸着ノズル60が、各保持ロッド62の上端に位置し、その位置において、各吸着ノズル60に吸着保持されているダイ22が供給される。その位置において供給されるダイ22は、対基板作業機等の装着ヘッドに保持され、回路基板への装着作業に用いられる。
【0038】
<吸着ノズルによるダイの吸着の有無の検出>
上述したように、ダイ供給機10では、4つの吸着ノズル60によって4つのダイ22を同時に吸着保持し、4つのダイ22を供給することが可能となっている。しかしながら、吸着ミス等により、4つの吸着ノズル60による4つのダイ22の吸着保持が行われない場合もあり、ピックアップヘッド36によってダイ22を供給する際に、吸着ノズル60によるダイ22の吸着の有無を確認する必要がある。このため、ダイ供給機10では、各吸着ノズル60に接続されたエア通路66のエアの流量に基づいて、吸着ノズル60によるダイ22の吸着の有無を検出している。以下に、吸着ノズル60によるダイ22の吸着の有無を検出する方法について詳しく説明する。
【0039】
吸着ノズル60によってダイ22がピックアップされる際には、上述したように、ポンプ68によってエア通路66内のエアが吸引される。このため、ダイ22が吸着ノズル60に吸着される前、つまり、吸着ノズル60のノズル口がダイ22によって塞がれる前には、エア通路66内をエアが流れ、エア通路66に設けられた流量センサ69による検出値は高くなる。一方、ダイ22が吸着ノズル60に吸着された後、つまり、吸着ノズル60のノズル口がダイ22によって塞がれた後には、エアはエア通路66内を殆ど流れなくなり、流量センサ69による検出値は低くなる。つまり、ポンプ68によってエア通路66内のエアが吸引されている際に、流量センサ69による検出値がある程度低い場合には、吸着ノズル60によってダイ22が吸着されており、流量センサ69による検出値が低くならない場合には、吸着ノズル60によってダイ22が吸着されていないのである。
【0040】
そこで、ダイ供給機10では、流量センサ69による検出値が所定の閾値を超えている場合には、吸着ノズル60によってダイ22が吸着されておらず、流量センサ69による検出値が所定の閾値以下となっている場合には、吸着ノズル60によってダイ22が吸着されていると認定している。ただし、吸着ノズル60のノズル径の大きさによって、吸着ノズル60のノズル口から吸引される単位時間当たりのエアの量、つまり、エア通路66を流れる単位時間当たりのエアの流量は大きく異なるため、吸着ノズル60によるダイ22の吸着の有無を判定するための閾値を、吸着ノズル60のノズル径の大きさに応じて設定している。
【0041】
詳しくは、保持ロッド62に保持される吸着ノズル60は、保持ロッド62に着脱可能とされており、吸着ノズル60は、吸着保持するダイ22の大きさに応じて、ノズル径の異なる複数種類のものが採用されている。具体的には、ピックアップヘッド36では、図3に示すように、大きなダイ22を吸着保持する際に用いられる大きなノズル径の吸着ノズル60aと、小さなダイ22を吸着保持する際に用いられる小さなノズル径の吸着ノズル60bと、それら2つの吸着ノズル60a,bの間のノズル径の吸着ノズル60cとが採用されており、2つの保持ロッド62に吸着ノズル60cが、1つの保持ロッド62に吸着ノズル60aが、1つの保持ロッド62に吸着ノズル60bが、それぞれ、装着されている。
【0042】
図から解るように、吸着ノズル60aのノズル径は、吸着ノズル60bのノズル径の数倍以上とされており、吸着ノズル60aから吸引されるエアの量は、吸着ノズル60bから吸引されるエアの量の数倍以上となる。つまり、吸着ノズル60aにダイ22が吸着されている際にノズル口とダイ22との隙間から吸引されるエアの量も、吸着ノズル60bにダイ22が吸着されている際にノズル口とダイ22との隙間から吸引されるエアの量の数倍以上となる。このため、ダイ供給機10では、大きなノズル径の吸着ノズル60aに対して、比較的大きな値の閾値Aが設定され、小さなノズル径の吸着ノズル60bに対しては、比較的小さな値の閾値B(B<A)が設定されている。また、中間のノズル径の吸着ノズル60cに対しては、吸着ノズル60aに対する閾値Aと吸着ノズル60bに対する閾値Bとの間の大きさの閾値C(B<C<A)が設定されている。これにより、吸着ノズル60のノズル径の大きさに関わらず、吸着ノズル60によるダイ22の吸着の有無を適切に判定することが可能となる。
【0043】
ちなみに、吸着ノズル60a,b,cと閾値A,B,Cとの関係が、マップデータによって制御装置110に記憶されており、保持ロッド62に装着されている吸着ノズル60の種類が、制御装置110に入力されるようになっている。これにより、保持ロッド62に装着されている吸着ノズル60に応じて、閾値が自動で設定されるようになっており、保持ロッド62に吸着ノズル60が着脱される度に、閾値が再設定されるようになっている。なお、吸着ノズル60の種類の制御装置110への入力は、操作者による入力であってもよく、制御装置110による自己判定であってもよい。
【0044】
なお、吸着ノズル60のノズル径に応じた閾値を設定するための工程が、設定工程となっており、流量センサ69による検出値が、設定工程において設定された閾値を超えているか否かを判定するための工程が、判定工程となっている。また、流量センサ69による検出値が閾値を超えていると判定された場合に、吸着ノズル60にダイ22は吸着されておらず、流量センサ69による検出値が閾値以下と判定された場合に、吸着ノズル60にダイ22が吸着されていると認定するための工程が、認定工程となっている。さらに、各工程を実行するための機能部として、図4に示すように、制御装置110のコントローラ112に、閾値設定部120と流量判定部122とダイ有無認定部124とが設けられている。
【0045】
また、ダイ供給機10では、設定工程において設定された閾値に対して、キャリブレーションが行われている。具体的には、例えば、2つの保持ロッド62に装着されている2つの吸着ノズル60cは同じ種類であることから、同じ閾値に設定される。ただし、ノズル径の形成誤差等により、2つの吸着ノズル60cの間で単位時間当たりのエアの流量が異なる場合がある。また、1つの吸着ノズル60においても、計時劣化,ノズル詰まり等により、吸着ノズル60のエアの流量が低下し、実際のエアの流量が、ノズル径に応じたエアの流量より少なくなる場合がある。
【0046】
このようなことに鑑みて、ピックアップヘッド36によるピックアップ作業が行われていない状況下において、ポンプ68によってエア通路66からエアを吸引し、流量センサ69によって、エア吸引時のエアの流量を測定する。そして、測定されたエアの流量に基づいて、閾値を補正する。具体的には、例えば、キャリブレーション時のエア流量の測定値をLCとし、エア流量の初期値をLSとした場合の閾値Aの補正は、以下の式に従って行われる。
A‘=A+K・(LC−LS)
ここで、A‘は、補正後の閾値であり、Kは、ゲインである。このように閾値を補正することで、ノズル径の形成誤差,ノズル詰まり等をも考慮した閾値に基づいて、より適切に、吸着ノズル60によるダイ22の吸着の有無を判定することが可能となる。
【0047】
なお、設定工程において設定された閾値を補正するための工程が、補正工程となっており、その補正工程を実行するための機能部として、図4に示すように、制御装置110のコントローラ112に、閾値補正部126が設けられている。
【0048】
ちなみに、上記実施例において、ダイ供給機10は、ダイ供給機の一例であり、ダイ供給機10を構成するダイ集合体保持装置34,ピックアップヘッド36,制御装置110は、ダイ集合体保持装置,電子部品保持ヘッド,電子部品検出装置の一例である。ピックアップヘッド36を構成する吸着ノズル60,エア通路66,ポンプ68,流量センサ69は、吸着ノズル,エア通路,エア吸引装置,流量センサの一例である。制御装置110を構成する閾値設定部120,流量判定部122,ダイ有無認定部124,閾値補正部126は、設定部,判定部,認定部,補正部の一例である。また、ダイ22は、電子部品の一例であり、吸着ノズル60によるダイ22の吸着の有無を検出する方法は、電子部品検出方法の一例である。
【0049】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例では、電子部品保持ヘッドとして、ダイ供給機10の備えるピックアップヘッド36が採用されているが、電子部品を保持するための種々の作業ヘッドを採用することが可能である。具体的には、例えば、回路基板に電子部品を装着するための電子部品装着機の備える装着ヘッド等を、本発明の電子部品保持ヘッドとして採用することが可能である。
【0050】
また、上記実施例では、吸着ノズル60によるダイ22の吸着の有無を判定するための閾値が、吸着ノズル60のノズル径の大きさに応じて予め設定されているが、ダイ22が吸着されていない状態での流量センサ69による検出値に基づいて、閾値を設定してもよい。つまり、閾値設定部120が、ピックアップヘッド36によるピックアップ作業が行われていない状況下でポンプ68によってエアが吸引されている際の複数の流量センサ69の各々による検出値に基づいて、その各々に応じて閾値を設定するように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10:ダイ供給機 20:ダイ集合体 22:ダイ 34:ダイ集合体保持装置 36:ピックアップヘッド(電子部品保持ヘッド) 60:吸着ノズル 66:エア通路 68:ポンプ(エア吸引装置) 69:流量センサ 110:制御装置(電子部品検出装置) 120:閾値設定部(設定部) 122:流量判定部(判定部) 124:ダイ有無認定部(認定部) 126:閾値補正部(補正部)
図1
図2
図3
図4