特許第5946957号(P5946957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5946957
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】インピーダンスマッチング装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/38 20060101AFI20160623BHJP
   H03H 11/28 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   H03H7/38 Z
   H03H11/28
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-512554(P2015-512554)
(86)(22)【出願日】2012年11月30日
(65)【公表番号】特表2015-521437(P2015-521437A)
(43)【公表日】2015年7月27日
(86)【国際出願番号】KR2012010325
(87)【国際公開番号】WO2013180360
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2014年11月14日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0059309
(32)【優先日】2012年6月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514291923
【氏名又は名称】ノースン・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NOHSN CO., LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】515027521
【氏名又は名称】ハン,チョル‐ミン
【氏名又は名称原語表記】HAN, CHEOL‐MIN
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ハン,チョル‐ミン
【審査官】 ▲高▼橋 義昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−098197(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/022132(WO,A1)
【文献】 特開2005−117111(JP,A)
【文献】 特開平11−112288(JP,A)
【文献】 特開平09−102763(JP,A)
【文献】 特開平06−018497(JP,A)
【文献】 特開平10−328194(JP,A)
【文献】 特開平04−213072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 7/38
H03H 11/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信パルスの周波数をキャリア周波数に変換してマッチング素子アレー部に出力する第1の変換部と、
前記マッチング素子アレー部を通過した前記送信パルスのキャリア周波数を元の周波数に変換し、前記送信パルスが外部に出力されて反射された受信パルスの周波数をキャリア周波数に変換して前記マッチング素子アレー部に出力する第2の変換部と、
前記送信パルス及び前記受信パルスが通過するマッチング素子アレー部と、
前記マッチング素子アレー部を通過した前記送信パルス及び前記受信パルスからパルス情報を抽出し、前記パルス情報を利用してマッチングインピーダンス値を算出する抽出/算出部とを備える、インピーダンスマッチング装置。
【請求項2】
前記第1の変換部及び前記第2の変換部を制御して、チャンネルグループ情報を設定する変換制御部をさらに備える、請求項1に記載のインピーダンスマッチング装置。
【請求項3】
前記第1の変換部及び前記第2の変換部は、前記チャンネルグループ情報によって前記送信パルス及び前記受信パルスの周波数を変換する、請求項2に記載のインピーダンスマッチング装置。
【請求項4】
前記パルス情報は、前記送信パルス及び前記受信パルスの振幅、位相、及び周波数を含む、請求項1に記載のインピーダンスマッチング装置。
【請求項5】
前記抽出/算出部は、前記送信パルス及び前記受信パルスのそれぞれに対して前記パルス情報に対応するインピーダンス値を算出し、前記送信パルスに対して前記受信パルスの回答特性が最も優れたインピーダンス値を前記マッチングインピーダンス値で算出する、請求項1に記載のインピーダンスマッチング装置。
【請求項6】
前記マッチング素子アレー部は、マッチング素子アレーが集積されたプログラマブルデバイス(Programmable Device)である、請求項1に記載のインピーダンスマッチング装置。
【請求項7】
前記マッチングインピーダンス値によって前記マッチング素子アレー部をルーティングするアレー制御部をさらに備える、請求項1に記載のインピーダンスマッチング装置。
【請求項8】
前記アレー制御部は、前記マッチングインピーダンス値によってマッチング素子の構成及び連結関係を決定し、前記構成及び連結関係によってマトリックスコード(Matrix Code)を生成し、前記マトリックスコードを前記マッチング素子アレー部にダウンロードさせて前記マッチング素子アレー部をルーティングする、請求項7に記載のインピーダンスマッチング装置。
【請求項9】
送信パルスの周波数をキャリア周波数に変換する段階と、
前記送信パルスをマッチング素子アレー部に出力する段階と、
前記マッチング素子アレー部を通過する前記送信パルスからパルス情報を抽出する段階と、
前記マッチング素子アレー部を通過した前記送信パルスのキャリア周波数を元の周波数に変換して外部に出力する段階と、
前記外部から前記送信パルスに対する受信パルスを受信する段階と、
前記受信パルスの周波数をキャリア周波数に変換する段階と、
前記受信パルスを前記マッチング素子アレー部に出力する段階と、
前記マッチング素子アレー部を通過する前記受信パルスからパルス情報を抽出する段階と、
前記送信パルス及び前記受信パルスのパルス情報を利用してマッチングインピーダンス値を算出する段階とを備える、インピーダンスマッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置のデータ出力分野に関し、特に半導体装置のデータ出力端に位置し、内部データを外部に提供するオフチップドライバ回路の可変インピーダンスコントロールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気的製品の作動スピードが高速化されることによって、半導体装置間にインターフェースされる信号のスイング幅が徐々に減少している。その理由は、信号伝逹にかかる遅延時間を最小限にするためである。しかしながら、信号のスイング幅が減少するほど外部ノイズに対する影響が増加し、インターフェース端においてインピーダンスのミスマッチング(miss matching、不整合)による出力信号の反射も重要になる。
【0003】
前記インピーダンスのミスマッチングは、外部のノイズ又は電源電圧の変動、作動温度の変化、製造工程の変化等に起因して発生される。インピーダンスのミスマッチングが発生すれば、データの高速送信が困難になり、半導体装置のデータ出力端から出力される出力信号としてのデータが歪曲され得る。従って、受信側の半導体装置が前記歪曲された出力信号を入力端にて受信するとき、セットアップ/ホールドペール又は入力レベルの判断ミス等の問題が頻繁に起こり得る。
【0004】
自動インピーダンスマッチングシステムを適用するために必ず求められるR−L−Cを効果的に集積させ得る技術が求められる。しかしながら、超音波装置の場合、20〜40MhzのLow周波数の帯域を用いるため、R−L−C値を集積するときに、受動素子の値が大きいため、半導体の大面積を占める。しかしながら、集積技術には、限界があり、各チャンネル別に可変する素子値をオンボードにて提供することが困難である。
【0005】
しかしながら、システムが小型化し、R−L−Cマッチングに求められる素子値も相対的に低減している。従って、各素子値が低減し、これに求められるインピーダンスマッチング機能をシステム又は各ノード間の有機的な状況で値を決定するようになれば、全体システムの性能を最大限に向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、インピーダンスマッチング装置の入力又は出力端に周波数変換部を追加することによって、R−L−Cを効果的に集積させるインピーダンスマッチング装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るインピーダンスマッチング装置は、
送信パルスの周波数をキャリア周波数に変換してマッチング素子アレー部に出力する第1の変換部と、
前記マッチング素子アレー部を通過した前記送信パルスのキャリア周波数を元の周波数に変換し、前記送信パルスが外部に出力されて反射された受信パルスの周波数をキャリア周波数に変換して前記マッチング素子アレー部に出力する第2の変換部と、
前記送信パルス及び前記受信パルスが通過するマッチング素子アレー部と、
前記マッチング素子アレー部を通過した前記送信パルス及び前記受信パルスからパルス情報を抽出し、前記パルス情報を利用してマッチングインピーダンス値を算出する抽出/算出部とを備える。
本発明に係るインピーダンスマッチング方法は、
送信パルスの周波数をキャリア周波数に変換する段階と、
前記送信パルスをマッチング素子アレー部に出力する段階と、
前記マッチング素子アレー部を通過する前記送信パルスからパルス情報を抽出する段階と、
前記マッチング素子アレー部を通過した前記送信パルスのキャリア周波数を元の周波数に変換して外部に出力する段階と、
前記外部から前記送信パルスに対する受信パルスを受信する段階と、
前記受信パルスの周波数をキャリア周波数に変換する段階と、
前記受信パルスを前記マッチング素子アレー部に出力する段階と、
前記マッチング素子アレー部を通過する前記受信パルスからパルス情報を抽出する段階と、
前記送信パルス及び前記受信パルスのパルス情報を利用してマッチングインピーダンス値を算出する段階とを備える。
【0008】
また、他の態様に係るインピーダンスマッチング装置は、システムから出力された送信パルス及び前記送信パルスが外部に出力後に反射された受信パルスが通過するマッチング素子アレーから構成されたマッチング素子アレー部と、前記送信パルス及び前記受信パルスから前記パルス情報を抽出し、前記送信パルス及び前記受信パルスのそれぞれに対して前記パルス情報に相当するインピーダンス値を算出して、前記送信パルスに対して前記受信パルスの回答特性が最も優れたインピーダンス値をマッチングインピーダンス値で算出する抽出/算出部と、前記マッチングインピーダンス値によって前記マッチング素子アレー部をルーティングするアレー制御部と、前記送信パルスの周波数をキャリア周波数に変換して前記マッチング素子アレー部に出力する第1の変換部と、前記マッチング素子アレー部で出力されるキャリア周波数を低周波数に変換する第2の変換部と、前記第1の変換部及び第2の変換部の周波数変換を制御する信号を出力する変換制御部とを備える。
また、他の態様に係るインピーダンスマッチング方法は、入力される送信パルスを予め設定されたキャリア周波数に変換してマッチング素子アレーに入力させる段階と、前記マッチング素子アレーを通過する送信パルスからパルス情報を抽出する段階と、前記マッチング素子アレーを通過した送信パルスをキャリア周波数から元の周波数に変換して外部に出力する段階と、前記送信パルスに対する受信パルスを受信する段階と、前記受信パルスをキャリア周波数に変換する前記マッチング素子アレーに入力させる段階と、前記マッチング素子アレーを通過する受信パルスからパルス情報を抽出する段階と、前記送信パルス及び前記受信パルスのパルス情報を利用してマッチングインピーダンス値を算出する段階と、前記マッチングインピーダンス値によって前記送信パルス及び前記受信パルスが通過するマッチング素子アレーをルーティングする段階とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、インピーダンスマッチングをするために必ず求められるR−L−C素子値を低くするために、ソースの入力端又は出力端に周波数変換部を追加することによって、R−L−Cを効果的に集積させてPLD(Programmable Logic Device)を設けることができる。
【0010】
また、本発明では、既存の超音波サンプリング周波数範囲内で作動するプローブとシステムとの間のインピーダンスマッチングのためのR−L−C集積技術の限界を克服することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態によるインピーダンスマッチング装置の構成図である。
図2】本発明によるインピーダンスマッチング装置が超音波システムに適用された一例を示した構成図である。
図3】本発明の一実施形態によるインピーダンスマッチング方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、様々な変更を加えることができ、また様々な実施形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明において詳しく説明する。しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に限定するためのものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物乃至代替物を含むものとして理解されなければならない。
【0013】
本発明の説明において、本発明に係る公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨をかえって不明確にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略することにする。また、本明細書の説明過程において用いられる数字は、一つの構成要素を他の構成要素と区分するための識別記号に過ぎない。
【0014】
また、本明細書において、一構成要素が異なる他の構成要素と「結合される」又は「続される」等と記載されたときには、前記一構成要素が前記他の構成要素と直接結合又は接続され得るが、特にそれを否定し得る記載が存在しない以上、その間にまた他の構成要素を媒介として結合又は接続され得ると理解されたい。
【0015】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照して詳しく説明する。本発明を説明することにおいて全体的な理解を容易にするために図面番号に係わらず、同一の手段については、同一の参照符号を用いる。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるインピーダンスマッチング装置の構成図である。
【0017】
図2は、本発明によるインピーダンスマッチング装置が超音波システムに適用された一例を示した構成図である。
【0018】
図1を参照すると、インピーダンスマッチング装置100は、システム1と入出力部2との間に位置し、入出力部2に送信される送信信号及び入出力部2から受信される受信信号を利用してインピーダンスマッチングを遂行する。
【0019】
システム1は、一例として、図2に示された超音波システムのパルス発生装置10となり得、媒質(例えば、診断又は治療のための身体部位)によって診断用又は治療用送信パルス(Tx pulse)又は信号が発生する。
【0020】
入出力部2に該当する探針子は、内部信号又は外部信号、或いは情報を送信又は受信する装置である。一例として、図2に示されたように、超音波の場合、プローブに該当することができ、媒質への超音波送信及び媒質からエコー(echo)信号を受信する。この際、超音波プローブは、電気的信号を超音波に変換するためのエレメント(element;圧電素子、音波発生素子)の配列で構成され、エレメントは、RFチャンネルを構成する。MRIの場合、コイルと、受信部回路部とから構成される。この際、探針子は、第1の変換部150を備えることになり、回路構成によって、探針子に備えられる回路の領域であるコネクター位置は変更され得る。
【0021】
そして、プローブ20は、内部に装着され、超音波信号と電気信号とを交互変換するトランスデューサ(transducer;変換器)を備え、一般的にトランスデューサは、多数の超音波振動子の集合体を備えることができる。例えば、プローブ20は、パルス発生装置10が発生した送信パルスを超音波信号に変換して人体の診断又は治療部位に超音波を放射した後、その反射された超音波信号を電気信号に変換して画像処理装置(図示しない)に送信し、画像処理装置は、受信された信号を利用して映像を生成することができる。この際、プローブ20の各チャンネル別における特性インピーダンス値は、製造スペックによって決定される。或いは、入出力部2は、MRIのコイル及び受信部となり得る。
【0022】
本発明で記載された図1のインピーダンスマッチングシステム構造図において、超音波の場合、パルス発生装置及び第2の変換部は、プローブ内部に構成され得、インピーダンスマッチング特性を向上させるために、それぞれの機能ブロックの構成位置は、システム又はプローブ端にそれぞれ位置され得る。
【0023】
本発明において、インピーダンスマッチング装置100に入力されるパルスの周波数が低周波数である場合、Lの値が大きくなる。従って、本発明では、高周波数のキャリア送信端を追加することによって、システム1と入/出力部2とのインピーダンスマッチング効率が高くなる。このようなキャリア送信端は、インピーダンスマッチング装置100に入力される周波数を高周波数に変換させる機能を遂行する。従って、本発明によって、図1に示されたように、インピーダンスマッチング装置100の入力/出力端にそれぞれ変換部110、150がさらに備えられる。
【0024】
インピーダンスマッチング装置100は、詳しくは、第1の変換部110と、マッチング素子アレー部120と、アレー制御部130と、抽出/算出部140と、第2の変換部150と、変換制御部160とを備える。
【0025】
変換部110、120は、第1の変換部110と第2の変換部120とに区分され、それぞれがTx/Rx状態に応じて変調又は復調機能及びキャリア周波数可変機能、チャンネルグループ設定及び解除機能を遂行する。
【0026】
第1の変換部110がTx機能を遂行するときは、変換部制御部160の情報(キャリア周波数、変調/復調制御情報のような変換部機能を遂行するために求められる制御情報及びチャンネルグループ情報)によって、システム1に提供されたパルス(又は信号)情報又はシステム特性情報(探針子の情報を含む)をキャリア周波数に提供するために、キャリア周波数可変機能及び変造機能を遂行する。この時、Tx信号は、第1の変換部110のキャリア周波数に提供され、マッチング素子アレー部120を通過し、さらに、第2の変換部150で該当のキャリア周波数に送信されたTx情報を復元後に再び入出力2(探針子)部に送信する。また、第1の変換部110及び第2の変換部150が送信/受信(Tx/Rx)機能を遂行するとき、マッチング素子アレー部120のR−L−C素子の使用個数を低減するために、チャンネルのグループを設定してキャリア周波数に信号を提供し、インピーダンスマッチング素子アレー部120に送信し得る。
【0027】
前記第1の変換部110がマッチング素子アレー部120で受信(Rx)作動するときには、変換制御部160で設定されたチャンネルグループ設定情報によってキャリア周波数に受信された情報を復元してシステム1に伝達する機能を果たす。
【0028】
前記第1の変換部110及び第2の変換部150は、キャリア送信端と表記することができ、キャリア送信端は、変換制御部160の制御情報によって、入出力部2(探針子)のチャンネルグループを設定することができる。この際、設定されたチャンネルのグループの個数によって、インピーダンスマッチング素子の使用個数が変更され得る。チャンネルのグループは、送信帯域、送信率、インピーダンス特性、及びこれによるシステム性能改善要求事項に応じて変換制御部160によって制御される。
【0029】
前記変換制御部160は、診断及び治療装置のリソース(超音波、電磁気場等)及び該当のシステムの特性に適合するように、キャリア周波数の固定又は可変が求められる場合、第1の変換部110、第2の変換部150のそれぞれを制御するための機能及び探針子(プローブ)チャンネル情報を独立して送信するか、或いはグループ設定によって送信するように制御機能を遂行する。
【0030】
前記のように、第1の変換部110は、システム1の出力端に結合され、システム1から出力されるパルス信号をキャリア周波数に変換して出力する。従って、マッチング素子アレー部120のLの値が減少する。
【0031】
前記のマッチング素子アレー部120は、R−L−Cのインピーダンスマッチング素子のアレー(array)で構成され、マトリックススイッチングを通じてアレー制御部130の入力情報によって、入出力部2(探針子)とシステム1とをマッチングさせる機能を遂行する。この際に、インピーダンスマッチング素子アレー部1200は、キャリア送信端である第1の変換部110と第2の変換部150とのチャンネルグループ設定情報に適合するように、インピーダンスマッチング機能が遂行される。アレー制御部130は、第1の変換部110及び第2の変換部150の状態情報、及び送信/受信情報を抽出/算出部140からマッチングインピーダンス値を伝達され、マッチングインピーダンス値によってマッチング素子アレー部120のマッチング素子アレーをルーティングする。例えば、アレー制御部130は、マッチングインピーダンス値によってRLC素子の構成及び連結関係を決定し、これによるマトリックスコード(Matrix Code)を生成し得る。次いで、アレー制御部130は、生成したマトリックスコードをマッチング素子アレー部120にダウンロードさせることによって、マッチング素子アレー部120がマッチングインピーダンス値によってマッチング素子アレーをルーティングするように制御し得る。
【0032】
超音波では、一般的にR−Cを固定させ、L値を可変してインピーダンス値をマッチングさせる。そして、一般的なインピーダンスマッチングは、電力伝達及び電力出力の方向によって、それぞれがマッチングを行うが、超音波では、送信パルスライン及び受信パルスラインを同様に用いているため、各チャンネル別にパルスエコー情報の効率を重要にしているのみならず、全体チャンネルの均一性(各チャンネルのパルスエコー特性を均一に揃える)が画像特性に大きい影響を及ぼす。
【0033】
また、アレー制御部130は、システム1が送信パルスを発生する前にマッチング素子アレー部120を初期化することができる。例えば、アレー制御部130は、予め設定された固定インピーダンス値によってマッチング素子アレー部120のマッチング素子アレーをルーティングすることができる。又は、アレー制御部130は、抽出/算出部140が確認されたパルス情報によってインピーダンス値を算出するように制御し、算出されたインピーダンス値によってマッチング素子アレーがルーティングされるように制御することができる。
【0034】
抽出/算出部140は、送信パルス及び受信パルスからパルス情報を抽出する。例えば、抽出/算出部140は、マッチング素子アレー部120を通過する送信パルス及び受信パルスの振幅、位相、及び周波数を測定することができ、これによって、各チャンネルの周波数回答特性及び感度(Sensitivity)及びダイナミックレンジ(Dynamic Range)を含むパルス情報を抽出することができる。
【0035】
また、抽出/算出部140は、前記抽出された送信パルス及び受信パルスのパルス情報を伝達され、マッチングインピーダンス値を算出する。例えば、抽出/算出部140は、送信パルス及び受信パルスのそれぞれに対して振幅情報、位相情報、及び周波数情報に相当するインピーダンス値を算出し、送信パルスに対して受信パルスの回答特性が最も優れたインピーダンス値をマッチングインピーダンス値で算出することができる。一般的に超音波では、感度が高く、ダイナミックレンジが広く、中心周波数(center frequency)を中心にした広帯域で周波数の回答特性が優れる。
【0036】
第2の変換部150は、マッチング素子アレー部120から出力されるキャリア周波数を、元の送信パルスに復元して入出力部2に出力し、入出力部2から受信された信号をキャリア周波数に変換する。
【0037】
第2の変換部150がTx機能を遂行するときは、マッチング素子アレー部120で受信された情報を変換制御部160のチャンネルグループ情報及び制御情報によって、キャリア信号からTx信号(又は情報)を復元し、復元されたTx信号を入出力部2(探針子)に伝達する。
【0038】
第2の変換部150がRx機能を遂行するときは、変換制御部160の制御情報(キャリア周波数、グループ設定等)によって、入出力部2(探針子)から受信された情報を変換してインピーダンスマッチング素子アレー部120に伝達する。
【0039】
変換制御部160は、第1の変換部110及び第2の変換部150を制御する制御部であって、システム(超音波/MRI、又は媒質特性、損失率等)1の特性によって第1の変換部110及び第2の変換部150のキャリア周波数を制御し、チャンネルグループを設定する。
【0040】
図3は、本発明の一実施形態よるインピーダンスマッチング方法を説明するためのフローチャートである。
【0041】
段階310において、インピーダンスマッチング装置100には、システム1から発生された送信パルスが入力される。発生された送信パルスは、インピーダンスマッチング装置100のマッチング素子アレー部120を通過して入出力部2に伝達され、この送信パルスが媒質に反射入出力部2を通じて受信されれば、受信パルスが入出力部2から伝達され、マッチング素子アレー部120を通過して受信される。
【0042】
この際、段階320において、インピーダンスマッチング装置100は、システム1で出力される送信パルスをキャリア周波数に変換してマッチング素子アレー部120を通過させる。
【0043】
段階330において、インピーダンスマッチング装置100は、マッチング素子アレー部120を通過する送信パルスのパルス情報を抽出する。すなわち、送信パルスの振幅、位相、及び周波数を測定することができる。
【0044】
そして、段階340において、キャリア周波数で入出力部2にて出力可能な周波数に変換された送信パルスに変換し、段階350において送信パルスを出力する。
【0045】
従って、入出力部2は、送信パルスを媒質に出力し、媒質から反射された受信パルスを受信して出力する。
【0046】
段階360において、インピーダンスマッチング装置100は、入出力部2から出力される受信パルスを受信し、段階370において、受信パルスの周波数をキャリア周波数に変換してマッチング素子アレー部120を通過させる。
【0047】
そして、段階380において、インピーダンスマッチング装置100は、マッチング素子アレー部120を通過する受信パルスのパルス情報を抽出する。すなわち、受信パルスの振幅、位相、及び周波数を測定することができる。
【0048】
段階390において、インピーダンスマッチング装置100は、前記抽出された送信パルス及び受信パルスのパルス情報を利用してマッチングインピーダンス値を算出する。例えば、インピーダンスマッチング装置100は、送信パルス及び受信パルスのそれぞれに対して振幅情報、位相情報、及び周波数情報に相当するインピーダンス値を算出し、送信パルスに対して受信パルスの回答特性が最も優れたインピーダンス値をマッチングインピーダンス値で算出することができる。
【0049】
そして、段階400において、インピーダンスマッチング装置100は、算出されたマッチングインピーダンス値によってマッチング素子アレー部120のマッチング素子アレーをルーティングする。
【0050】
例えば、インピーダンスマッチング装置100は、マッチングインピーダンス値によってRLC素子の構成及び連結関係を決定し、これによるマトリックスコード(Matrix Code)を生成することができる。次いで、インピーダンスマッチング装置100は、生成したマトリックスコードをマッチング素子アレー部120にダウンロードすることによって、マッチングインピーダンス値に応じて、マッチング素子アレー部120のマッチング素子アレーをルーティングすることができる。
【0051】
一方、本発明の実施形態によるインピーダンスマッチング方法は、電子的に情報を処理する多様な手段によって遂行され得るプログラム命令形態であり、保存媒体に記録され得る。保存媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造等を単独で或いは組み合わせて備えることができる。
【0052】
保存媒体に記録されるプログラム命令は、本発明のために特別に設計及び構成されたもの又はソフトウェア分野の当業者に公知のものであり、使用可能なものであり得る。保存媒体の例としては、ハードディスク、プロッピィーディスク、及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD−ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気−光媒体(magneto−optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリー等のようなプログラム命令を保存して遂行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。また、上述の媒体は、プログラム命令、データ構造等を指定する信号を送信する搬送波を含む光又は金属線、導波管等の送信媒体であり得る。プログラム命令の例としては、コンパイラーによって作られるものと同様の機械語コードのみならず、インタプリター等を用いて電子的に情報を処理する装置、例えば、コンピューターによって実行され得る高級言語コードを含む。
【0053】
上述のハードウェア装置は、本発明の作動を遂行するために、一種以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成され得、その逆の場合も同様である。
図1
図2
図3