(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、同文献記載の生産ラインの場合、はんだ位置データの基になるはんだ部と、検査パラメータの反映対象となる装着座標と、が対応している。すなわち、任意のはんだ部のはんだ位置データを反映させる部品は、当該はんだ部に装着される部品に限られる。
【0006】
一方、近年においては、基板における部品の実装密度が、一段と高くなる傾向にある。このため、はんだ部の印刷ずれがある場合、当該はんだ部と、当該はんだ部の隣りのはんだ部に装着される部品と、の間の絶縁性の確保が問題になる。
【0007】
本発明の基板外観検査機および生産ラインおよび基板外観検査方法は、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、基板に装着された任意の部品と、当該部品の周囲に配置されたはんだ部と、の間の絶縁性を、容易に確保することが可能な基板外観検査機および生産ラインおよび基板外観検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明の基板外観検査機は、基板に装着された部品と、該基板において該部品の周囲に配置されたはんだ部と、の間の距離を検査することを特徴とする。
【0009】
本発明の基板外観検査機によると、部品と、当該部品周囲のはんだ部と、の間の距離を検査することができる。このため、基板に印刷されたはんだ部が配線パターンのランド部に対してずれている場合であっても、任意の部品と、当該部品周囲のはんだ部と、の間の絶縁性を、容易に確保することができる。
【0010】
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記はんだ部は、前記基板において前記部品の隣りに装着された部品用のはんだ部である構成とする方がよい。本構成によると、任意の部品と、当該部品の隣りの部品用のはんだ部と、の間の絶縁性を、容易に確保することができる。
【0011】
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、前記部品の画像を取得する撮像装置と、該画像を基に生成される該部品の装着状態に関する情報と、前記はんだ部の印刷状態に関する情報と、該部品と該はんだ部との間の電気的な絶縁を確保する距離マージンと、が格納された記憶部と、該部品と該はんだ部との間の距離が該距離マージン以下の場合に検査不合格と判断する演算部と、を有する制御装置と、を備える構成とする方がよい。
【0012】
本構成の基板外観検査機は、撮像装置と制御装置とを備えている。制御装置は、記憶部と演算部とを備えている。演算部は、部品の装着状態に関する情報と、はんだ部の印刷状態に関する情報と、を基に、部品とはんだ部との間の距離を演算する。当該距離が、予め設定された絶縁確保用の距離マージン以下の場合、部品とはんだ部との間で、短絡が発生する可能性が高い。このため、演算部は、検査不合格と判断する。一方、部品とはんだ部との間の距離が距離マージン超過の場合、部品とはんだ部との間で、短絡が発生する可能性が低い。このため、演算部は、検査合格と判断する。このように、本構成によると、実際の部品とはんだ部との間の距離と、予め設定された距離マージンと、を比較することにより、部品とはんだ部との間の絶縁性を確保することができる。
【0013】
(4)また、上記課題を解決するため、本発明の生産ラインは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成の基板外観検査機と、該基板外観検査機の上流側に配置され、前記はんだ部の印刷状態を検査し、該はんだ部の該印刷状態に関する情報を該基板外観検査機に伝送するはんだ印刷検査機と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の生産ラインによると、基板外観検査機が、はんだ印刷検査機から、はんだ部の印刷状態を取得することができる。すなわち、従来からはんだ部の印刷状態を検査していたはんだ印刷検査機を利用して、はんだ部の印刷状態を取得することができる。このため、生産ラインに配置される他の装置を利用する場合と比較して、簡単かつ正確に、はんだ部の印刷状態を取得することができる。
【0015】
(5)また、上記課題を解決するため、本発明の基板外観検査方法は、基板に装着された部品と、該基板において該部品の周囲に配置されたはんだ部と、の間の距離を検査する距離検査工程を有することを特徴とする。
【0016】
上記(1)の構成と同様に、本発明の基板外観検査方法によると、基板に印刷されたはんだ部が配線パターンのランド部に対してずれている場合であっても、任意の部品と、当該部品周囲のはんだ部と、の間の絶縁性を、容易に確保することができる。
【0017】
(6)好ましくは、上記(5)の構成において、前記はんだ部は、前記基板において前記部品の隣りに装着された部品用のはんだ部である構成とする方がよい。上記(2)の構成と同様に、本構成によると、任意の部品と、当該部品の隣りの部品用のはんだ部と、の間の絶縁性を、容易に確保することができる。
【0018】
(7)好ましくは、上記(5)または(6)の構成において、前記距離検査工程の前に、前記はんだ部の印刷状態に関する情報を取得する印刷状態取得工程と、前記部品の装着状態に関する情報を取得する装着状態取得工程と、を有し、該距離検査工程において、該部品と該はんだ部との間の距離が距離マージン以下の場合に検査不合格と判断する構成とする方がよい。
【0019】
本構成の基板外観検査方法は、印刷状態取得工程と、装着状態取得工程と、距離検査工程と、を備えている。印刷状態取得工程においては、はんだ部の印刷状態に関する情報が取得される。装着状態取得工程においては、部品の装着状態に関する情報が取得される。距離検査工程においては、取得された印刷状態および装着状態を基に、部品とはんだ部との間の距離が演算される。そして、演算により得られた距離と、予め設定された距離マージンと、が比較される。比較の結果、部品とはんだ部との間の距離が距離マージン以下の場合、部品とはんだ部との間で、短絡が発生する可能性が高い。このため、検査不合格と判断される。一方、部品とはんだ部との間の距離が距離マージン超過の場合、部品とはんだ部との間で、短絡が発生する可能性が低い。このため、検査合格と判断される。このように、本構成によると、実際の部品とはんだ部との間の距離と、予め設定された距離マージンと、を比較することにより、部品とはんだ部との間の絶縁性を確保することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、基板に装着された任意の部品と、当該部品の周囲に配置されたはんだ部と、の間の絶縁性を、容易に確保することが可能な基板外観検査機および生産ラインおよび基板外観検査方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の基板外観検査機および生産ラインおよび基板外観検査方法の実施の形態について説明する。
【0023】
<生産ラインの構成>
まず、本実施形態の生産ラインの構成について説明する。
図1に、本実施形態の生産ラインのブロック図を示す。
図1に示すように、生産ライン1は、上流側から下流側に向かって、はんだ印刷機3と、はんだ印刷検査機4と、三台の電子部品実装機5と、基板外観検査機2と、リフロー炉(図略)と、を備えている。また、生産ライン1は、これらの装置を管理するライン管理装置6を備えている。これらの装置は、通信可能に接続されている。
【0024】
[基板外観検査機2、電子部品実装機5]
図2に、基板外観検査機の上面図を示す。なお、説明の便宜上、基板8にハッチングを施す。
図1、
図2に示すように、基板外観検査機2は、制御部20と、ベース21と、基板搬送装置22と、前後一対のX軸ガイドレール23と、X軸スライド24と、上下一対のY軸ガイドレール25と、Y軸スライド26と、検査ヘッド27と、を備えている。
【0025】
基板搬送装置22は、ベース21の上面に配置されている。基板搬送装置22は、前後一対のコンベアベルト220を備えている。基板8は、前後一対のコンベアベルト220により、左側(上流側)から右側(下流側)に向かって搬送される。
【0026】
前後一対のX軸ガイドレール23は、基板搬送装置22を前後方向から挟むように、ベース21の上面に配置されている。X軸スライド24は、前後一対のX軸ガイドレール23に、左右方向に摺動可能に取り付けられている。上下一対のY軸ガイドレール25は、X軸スライド24に配置されている。Y軸スライド26は、上下一対のY軸ガイドレール25に、前後方向に摺動可能に取り付けられている。検査ヘッド27は、Y軸スライド26に、着脱可能に取り付けられている。検査ヘッド27は、前後左右方向に移動可能である。
【0027】
制御部20は、通信制御回路200と、入出力インターフェイス201と、コンピュータ202と、画像処理装置203と、撮像装置204と、を備えている。入出力インターフェイス201は、通信制御回路200、コンピュータ202、画像処理装置203に接続されている。通信制御回路200は、生産ライン1を構成する他の装置に接続されている。コンピュータ202は、演算部202aと、記憶部202bと、を備えている。画像処理装置203は、撮像装置204に接続されている。撮像装置204は、検査ヘッド27の下面に配置されている。撮像装置204は、CCD(Charge−Coupled Device)カメラである。撮像装置204は、基板8の上面を撮像可能である。
【0028】
[電子部品実装機5]
図3に、電子部品実装機の上面図を示す。なお、説明の便宜上、基板8にハッチングを施す。
図1、
図3に示すように、電子部品実装機5は、制御部50と、ベース51と、モジュール52と、部品供給装置53と、を備えている。
【0029】
モジュール52は、基部520と、基板搬送装置521と、上下一対のX軸ガイドレール522と、X軸スライド523と、左右一対のY軸ガイドレール524と、Y軸スライド525と、装着ヘッド526と、を備えている。モジュール52は、ベース51に、着脱可能に取り付けられている。
【0030】
基部520は、ベース51の上面に配置されている。基板搬送装置521は、基部520の上面に配置されている。基板搬送装置521は、前後一対のコンベアベルト521aを備えている。基板8は、前後一対のコンベアベルト521aにより、左側から右側に向かって搬送される。
【0031】
左右一対のY軸ガイドレール524は、モジュール52のハウジング(図略)の上壁下面に配置されている。Y軸スライド525は、左右一対のY軸ガイドレール524に、前後方向に摺動可能に取り付けられている。上下一対のX軸ガイドレール522は、Y軸スライド525に配置されている。X軸スライド523は、上下一対のX軸ガイドレール522に、左右方向に摺動可能に取り付けられている。装着ヘッド526は、X軸スライド523に、着脱可能に取り付けられている。装着ヘッド526は、前後左右方向に移動可能である。装着ヘッド526は、吸着ノズル526aを備えている。吸着ノズル526aは、装着ヘッド526の下面に、着脱可能に取り付けられている。部品供給装置53は、モジュール52の前方に配置されている。部品供給装置53は、多数のテープ530を備えている。
【0032】
制御部50は、通信制御回路500と、入出力インターフェイス501と、コンピュータ502と、画像処理装置503と、撮像装置504と、を備えている。制御部50の構成は、基板外観検査機2の制御部20の構成と、同様である。撮像装置504は、装着ヘッド526に配置されている。撮像装置504は、CCDカメラである。撮像装置504は、基板8の上面を撮像可能である。
【0033】
[はんだ印刷検査機4]
はんだ印刷検査機4の構成は、
図2に示す基板外観検査機2と同様である。
図1に示すように、はんだ印刷検査機4は、制御部40を備えている。制御部40は、通信制御回路400と、入出力インターフェイス401と、コンピュータ402と、画像処理装置403と、撮像装置404と、を備えている。撮像装置404は、CCDカメラである。撮像装置404は、基板8の上面を撮像可能である。
【0034】
[はんだ印刷機3]
図4に、はんだ印刷機の右側面図を示す。
図1、
図4に示すように、はんだ印刷機3は、制御部30と、Y軸ガイドレール31と、スキージ装置32と、マスク装置33と、バックアップ装置34と、基板搬送装置35と、を備えている。
【0035】
バックアップ装置34は、バックアップテーブル340と、複数のバックアップピン341と、を備えている。バックアップテーブル340は、上下方向に移動可能である。複数のバックアップピン341は、バックアップテーブル340の上面に配置されている。
【0036】
基板搬送装置35は、前後一対のコンベアベルト350と、前後一対の壁部351と、前後一対のクランプ片352と、を備えている。前後一対のコンベアベルト350は、前後一対の壁部351に、互いに対向して配置されている。基板8は、前後一対のコンベアベルト350により、左側から右側に向かって搬送される。前後一対のクランプ片352は、前後一対の壁部351の上端に配置されている。はんだ印刷の際、基板8は、前後一対のクランプ片352により、前後方向から挟持される。また、基板8は、バックアップピン341により、下方から支持される。
【0037】
マスク装置33は、フレーム330と、メッシュ331と、スクリーンマスク332と、を備えている。メッシュ331は、フレーム330の枠内に配置されている。スクリーンマスク332は、メッシュ331の枠内に張設されている。スクリーンマスク332には、はんだ印刷用の通孔332aが穿設されている。はんだ印刷の際、スクリーンマスク332の下面は、基板8の上面に当接している。
【0038】
スキージ装置32は、Y軸ガイドレール31に、前後方向に摺動可能に取り付けられている。スキージ装置32は、シリンダ320と、前後一対のスキージ321と、を備えている。前後一対のスキージ321は、シリンダ320に対して、各々独立して、下降可能である。スキージ321がスクリーンマスク332の上面を摺動することにより、スクリーンマスク332の上面のはんだSが、通孔332aを介して、基板8の上面に転写される。
【0039】
制御部30は、通信制御回路300と、入出力インターフェイス301と、コンピュータ302と、を備えている。
【0040】
[ライン管理装置6]
図1に示すように、ライン管理装置6は、制御部60を備えている。制御部60は、通信制御回路600と、入出力インターフェイス601と、コンピュータ602と、を備えている。コンピュータ602は、演算部602aと、記憶部602bと、を備えている。
【0041】
<基板外観検査方法>
次に、本実施形態の基板外観検査方法について説明する。
図5(a)に、はんだ印刷前の基板の上面図を示す。
図5(b)に、はんだ印刷後の基板の上面図を示す。
図5(c)に、部品装着後の基板の上面図を示す。
【0042】
図5(a)に示すように、はんだ印刷前の基板8には、配線パターン80とID部81と一対の基準マーク83とが配置されている。基板8の生産においては、まず、
図5(b)に示すように、
図4に示すはんだ印刷機3により、基板8にはんだSが転写される。すなわち、配線パターン80のランド部800に、はんだ部82が形成される。次に、
図5(c)に示すように、
図3に示す三台の電子部品実装機5により、はんだ部82に部品84が装着される。その後、
図2に示す基板外観検査機2により、基板8の外観検査が行われる。本実施形態の基板外観検査方法は、印刷状態取得工程と、装着状態取得工程と、距離検査工程と、を有している。
【0043】
[印刷状態取得工程]
本工程においては、
図1に示すはんだ印刷検査機4が、
図5(b)に示すはんだ部82形成後であって部品84装着前の基板8を、検査する。すなわち、はんだ印刷検査機4は、基板8のはんだ部82を、
図2を援用して示す撮像装置204により、撮像する。そして、はんだ部82の印刷状態に関する情報を、取得する。
【0044】
図6に、
図5(b)の枠VI内の拡大図を示す。
図6に示すように、はんだ部82a〜82dは、ランド部800に対して、ずれて印刷されている。当該はんだ部82a〜82dの位置(水平方向の印刷座標)に関する情報も、はんだ印刷検査機4が取得する印刷状態に関する情報に含まれる。印刷状態に関する情報は、はんだ印刷検査機4から基板外観検査機2に伝送される。そして、記憶部202bに格納される。
【0045】
[装着状態取得工程]
本工程においては、
図1に示す基板外観検査機2が、
図5(c)に示す部品84装着後の基板8を検査する。すなわち、基板外観検査機2は、基板8の部品84の装着座標を、
図2に示す撮像装置204により、撮像する。そして、部品84の装着状態に関する情報を、取得する。
【0046】
図7に、
図5(c)の枠VII内の拡大図を示す。
図6に示すように、はんだ部82a〜82dは、ランド部800に対して、ずれて装着されている。しかしながら、
図7に示す部品84a〜84dは、
図6に示すランド部800に正確に装着されている。当該部品84a〜84dの位置(水平方向の装着座標)に関する情報も、基板外観検査機2が取得する装着状態に関する情報に含まれる。装着状態に関する情報は、記憶部202bに格納される。
【0047】
[距離検査工程]
本工程においては、
図1に示す基板外観検査機2が、全ての部品84に対して、部品84とはんだ部82との間の距離を演算する。具体的には、
図1に示す記憶部202bに格納されている、印刷状態に関する情報および装着状態に関する情報を基に、演算部202aが、
図5(c)に示す全ての部品84に対して、部品84と、部品84の周囲のはんだ部82(例えば任意の部品84の隣りに装着された他の部品84用のはんだ部82)と、の間の距離を演算する。ここで、記憶部202bには、予め、部品84ごとに、部品84と、部品84の周囲のはんだ部82と、の間の限界接近距離、つまり距離マージンが格納されている。演算部202aは、当該距離マージンと、実際の部品84〜はんだ部82間距離と、を比較する。そして、比較の結果、実際の部品84〜はんだ部82間距離が距離マージン以下の場合、演算部202aは、検査不合格と判断する。一方、実際の部品84〜はんだ部82間距離が距離マージン超過の場合、演算部202aは、検査合格と判断する。
【0048】
以下、検査の様子を具体的に説明する。
図7に示すように、任意の部品84bには、左隣りの部品84a用のはんだ部82aに対して、距離マージンLth1が設定されている。並びに、右隣りの部品84c用のはんだ部82cに対して、距離マージンLth2が設定されている。これらの距離マージンLth1、Lth2は、予め記憶部202bに格納されている。
【0049】
まず、演算部202aは、記憶部202bの印刷状態に関する情報から、はんだ部82a、82cの位置に関する情報を取り出す。また、演算部202aは、記憶部202bの装着状態に関する情報から、部品84bの位置に関する情報を取り出す。次に、演算部202aは、これらの情報から、部品84bとはんだ部82aとの距離L1、部品84bとはんだ部82aとの距離L2を算出する。続いて、演算部202aは、距離L1と、距離マージンLth1と、を比較する。また、演算部202aは、距離L2と、距離マージンLth2と、を比較する。
【0050】
部品84bの場合、右側においては、距離L2>距離マージンLth2となっている。このため、演算部202aは、部品84bの右側に関しては、検査合格と判断する。これに対して、左側においては、距離L1<距離マージンLth1となっている。このため、演算部202aは、部品84bの左側に関しては、検査不合格と判断する。すなわち、演算部202aは、これらの比較結果から、部品84bを検査不合格と判断する。
【0051】
このように、本工程においては、全ての部品84に対して、部品84と、部品84の周囲のはんだ部82と、の間の距離が検査される。
【0052】
<作用効果>
次に、本実施形態の基板外観検査機2および生産ライン1および基板外観検査方法の作用効果について説明する。
図7に示すように、本実施形態によると、部品84bと、部品84b周囲のはんだ部82a、82cと、の間の距離L1、L2を検査することができる。このため、
図6に示すように、基板8に印刷されたはんだ部82a〜82dが配線パターン80のランド部800に対してずれている場合であっても、
図7に示すように、任意の部品84bと、部品84b周囲のはんだ部82a、82cと、の間の絶縁性を、容易に確保することができる。
【0053】
また、本実施形態によると、
図7に示すように、部品84bと、部品84bの隣りの部品84a、84c用のはんだ部82a、82cと、の間の絶縁性を、容易に確保することができる。
【0054】
また、本実施形態によると、
図1に示すように、演算部202aは、全ての部品84の装着状態に関する情報と、全てのはんだ部82の印刷状態に関する情報と、を基に、全ての部品84に対して、部品84と、部品84の周囲のはんだ部82との間の距離を演算する。
図7に示すように、距離L1が、予め設定された絶縁確保用の距離マージンLth1以下の場合、部品84bとはんだ部82aとの間で、短絡が発生する可能性が高い。このため、演算部202aは、検査不合格と判断する。一方、部品84bとはんだ部82cとの間の距離L2が距離マージンLth2超過の場合、部品84bとはんだ部82cとの間で、短絡が発生する可能性が低い。このため、演算部202aは、検査合格と判断する。このように、本実施形態によると、実際の部品84bとはんだ部82a、82cとの間の距離L1、L2と、予め設定された距離マージンLth1、Lth2と、を比較することにより、部品84bとはんだ部82a、82cとの間の絶縁性を確保することができる。
【0055】
また、本実施形態によると、
図1に示すように、従来からはんだ部82の印刷状態を検査していたはんだ印刷検査機4を利用して、はんだ部82の印刷状態を取得することができる。このため、生産ライン1に配置される他の装置(例えば、はんだ印刷機3、電子部品実装機5など)を利用する場合と比較して、簡単かつ正確に、はんだ部82の印刷状態を取得することができる。
【0056】
また、リフロー炉の下流側においては、はんだ部82固化後の部品84の導通検査が行われる。この時点で部品84の導通不良(短絡など)が発覚すると、既に固化しているはんだ部82を再溶融させ、部品84を基板8から取り外す必要がある。
【0057】
これに対して、本実施形態によると、リフロー炉の上流側において、
図7に示すように、距離L1、L2と、距離マージンLth1、Lth2と、の比較が行われる。このため、上記導通検査に先駆けて、部品84の導通不良が発生しうる状態を、検出することができる。したがって、導通不良の発生を未然に防止することができる。よって、リフロー後の導通検査に不合格になった部品84の取り外し作業や再配置作業の負荷を、軽減することができる。
【0058】
<その他>
以上、本発明の基板外観検査機および生産ラインおよび基板外観検査方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0059】
上記実施形態においては、
図1に示すはんだ印刷検査機4がはんだ部82の印刷状態を取得した。しかしながら、電子部品実装機5がはんだ部82の印刷状態を取得してもよい。すなわち、基板8に部品84を装着する場合は、
図5(a)に示す一対の基準マーク83(配線パターン80と同時に形成される。)が用いられる。一方、部品84とはんだ部82と、の間の距離を検査する場合は、
図5(b)に示す一対のはんだマーク85(必要に応じて、
図4に示すはんだ印刷機3により、はんだ部82と同時に印刷される。)が用いられる場合がある。
図3に示す撮像装置504で一対のはんだマーク85を撮像し、一対のはんだマーク85の実際の位置と、一対のはんだマーク85の設定位置と、のずれを基に、はんだ部82の印刷状態を取得してもよい。例えば、
図4に示すはんだ印刷機3において、基板8と、スクリーンマスク332と、がずれている場合、
図5(a)の全てのランド部800に対して、
図5(b)の全てのはんだ部82が、一斉にずれてしまう。このような場合、一対のはんだマーク85を撮像することにより、全てのはんだ部82の位置を認識することができる。また、一対のはんだマーク85の撮像は、電子部品実装機5ではなく、はんだ印刷検査機4、基板外観検査機2が行ってもよい。また、一対のはんだマーク85として、部品84装着用のはんだ部82を用いてもよい。
【0060】
はんだ部82の印刷状態に関する情報、および部品84の装着状態に関する情報の格納先は特に限定しない。例えば、
図1に示すはんだ印刷検査機4の記憶部、電子部品実装機5の記憶部、基板外観検査機2の記憶部202b、ライン管理装置6の記憶部602bなどに、格納してもよい。また、
図7に示す距離L1、L2と、距離マージンLth1、Lth2と、の比較は、
図1に示すライン管理装置6の演算部602aが行ってもよい。
【0061】
図7に示す左側の距離マージンLth1と、右側の距離マージンLth2と、は同値でもよい。また、異値でもよい。すなわち、任意の部品84bに対する距離マージンは、隣り合うはんだ部82a、82cの方向、形状などにより、異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1:生産ライン。
2:基板外観検査機、20:制御部、200:通信制御回路、201:入出力インターフェイス、202:コンピュータ、202a:演算部、202b:記憶部、203:画像処理装置、204:撮像装置、21:ベース、22:基板搬送装置、220:コンベアベルト、23:X軸ガイドレール、24:X軸スライド、25:Y軸ガイドレール、26:Y軸スライド、27:検査ヘッド。
3:はんだ印刷機、30:制御部、300:通信制御回路、301:入出力インターフェイス、302:コンピュータ、31:Y軸ガイドレール、32:スキージ装置、320:シリンダ、321:スキージ、33:マスク装置、330:フレーム、331:メッシュ、332:スクリーンマスク、332a:通孔、34:バックアップ装置、340:バックアップテーブル、341:バックアップピン、35:基板搬送装置、350:コンベアベルト、351:壁部、352:クランプ片。
4:はんだ印刷検査機、40:制御部、400:通信制御回路、401:入出力インターフェイス、402:コンピュータ、403:画像処理装置、404:撮像装置。
5:電子部品実装機、50:制御部、500:通信制御回路、501:入出力インターフェイス、502:コンピュータ、503:画像処理装置、504:撮像装置、51:ベース、52:モジュール、520:基部、521:基板搬送装置、521a:コンベアベルト、522:X軸ガイドレール、523:X軸スライド、524:Y軸ガイドレール、525:Y軸スライド、526:装着ヘッド、526a:吸着ノズル、53:部品供給装置、530:テープ。
6:ライン管理装置、60:制御部、600:通信制御回路、601:入出力インターフェイス、602:コンピュータ、602a:演算部、602b:記憶部。
8:基板、80:配線パターン、800:ランド部、81:ID部、82:はんだ部、82a〜82d:はんだ部、83:基準マーク、84:部品、84a〜84d:部品、85:はんだマーク。
L1:距離、L2:距離、Lth1:距離マージン、Lth2:距離マージン。