特許第5947072号(P5947072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5947072-抗酸化剤 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5947072
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】抗酸化剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/48 20060101AFI20160623BHJP
   A61K 35/644 20150101ALI20160623BHJP
   A61P 39/06 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 17/18 20060101ALI20160623BHJP
   A61K 8/97 20060101ALI20160623BHJP
   A61K 8/98 20060101ALI20160623BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20160623BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20160623BHJP
   A23L 33/28 20160101ALI20160623BHJP
   C09K 15/34 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   A61K36/48
   A61K35/644
   A61P39/06
   A61P43/00 121
   A61P17/18
   A61K8/97
   A61K8/98
   A61Q19/08
   A23L33/105
   A23L33/28
   C09K15/34
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-65104(P2012-65104)
(22)【出願日】2012年3月22日
(65)【公開番号】特開2013-194020(P2013-194020A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】牟田 恵子
【審査官】 鶴見 秀紀
(56)【参考文献】
【文献】 InnovativeFood Science & Emerging Technologies ,2010年,11(3),pp.464-469
【文献】 J Agric Food Chem ,1982年,Vol.30,No.1,Page.50-53
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00−36/9068
A23L 33/105
A23L 33/28
A61K 8/97
A61K 8/98
A61K 35/644
A61P 17/18
A61P 39/06
A61P 43/00
A61Q 19/08
C09K 15/34
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上の植物の抽出物および(b)ローヤルゼリーを有効成分とする抗酸化剤。
【請求項2】
(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物がシカクマメ(学名:Psophocarpus tetragonolobus)である請求項1に記載の抗酸化剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天然物を有効成分とする抗酸化剤に関し、より詳しくは、フリーラジカル捕捉能を有し、安全性が高く、飲食品や外用剤中に配合されて用いられる抗酸化剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、特に生体成分を酸化させる要因として、活性酸素が注目されており、その生体への悪影響が問題となっている。活性酸素は、生体細胞内のエネルギー代謝過程で生じるものであり、活性酸素としては、スーパーオキサイド(すなわち酸素分子の一電子還元で生じるスーパーオキシドアニオン:・O2-)、過酸化水素(H22)、ヒドロキシラジカル(・OH)及び一重項酸素(12)等が挙げられる。これらの活性酸素は、食細胞の殺菌機構にとって必須であり、ウィルスや癌細胞の除去に重要な働きを果たしている。
【0003】
しかしながら、活性酸素の過剰な生成は、生体内の膜や組織を構成する生体内分子を攻撃し、各種疾患を誘発する。通常、生体内で生産され、他の活性酸素の出発物質ともなっているスーパーオキサイドは、細胞内に含まれているスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)の触媒作用により逐次消去されているが、スーパーオキサイドの産生が過剰である場合、又はSODの作用が低下している場合には、スーパーオキサイドの消去が不十分となり、スーパーオキサイド濃度が高くなり、これが関節リウマチやベーチェット病等の組織障害、心筋梗塞、脳卒中、白内障、しわ、糖尿病、動脈硬化、肩凝り、冷え性等を引き起こす。
【0004】
特に皮膚は、酸素や紫外線等の外界からの刺激も直接受けることから、活性酸素による酸化ストレスのダメージが大きな組織である。近年では、紫外線により発生した種々の活性酸素が、皮脂や脂質の過酸化、蛋白変性、酵素阻害等を引き起こし、それが、短期的には皮膚の炎症などを誘発する。また、長期的には、老化やガンなどの原因となると考えられている。さらに活性酸素や過酸化脂質は、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎、乾癬などの皮膚疾患にも関与すると考えられている。このように、皮膚老化や皮膚疾患には、活性酸素(フリーラジカル)が深く関与している。
【0005】
したがって、活性酸素や生体内ラジカルの生成を阻害・抑制することにより、しわ形成や弾力低下等の皮膚の老化や、関節リウマチやベーチェット病等の組織障害、心筋梗塞、脳卒中、白内障、糖尿病、動脈硬化、肩凝り、冷え性等の活性酸素が関与する各種障害を予防、治療又は改善できるものと考えられる。
【0006】
上記のような活性酸素による酸化を防止するため、従来様々な抗酸化剤が開発されている。例えば、酸化防止剤として知られているビタミンEやビタミンCは、生体内におけるフリーラジカル捕捉型抗酸化物質である。また、BHTやBHAの合成抗酸化物質も知られている。また、植物由来の酸化防止剤としては、シイタケ、エノキタケ、シメジ、カワラタケ、マツタケ、マンネンタケ、ホウウロクタケ、ナメコ、その他の担子菌類の抽出物が報告されている(特許文献1〜3)。さらに、ゴマノハグサ科モウズイカ属植物の抽出物からなる抗酸化剤や(特許文献4)、ムラサキ科カキバチシャノキ属植物の抽出物からなる抗酸化剤(特許文献5)、松樹皮抽出物とセサミンからなる抗酸化剤(特許文献6)、サガリバナ、ナンヨウザクラ、キントラノオ等の抽出物からなる抗酸化剤(特許文献7)、羅漢果花部の抽出物からなる抗酸化剤(特許文献8)などが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−317016号公報
【特許文献2】特開平6−65575号公報
【特許文献3】特開昭59−124984号公報
【特許文献4】特開平11−171723号公報
【特許文献5】特開平11−171720号公報
【特許文献6】特開2011−32334号公報
【特許文献7】特開2010−43012号公報
【特許文献8】特開2010−184873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、植物由来の抗酸化剤については、新しい植物で新たな抗酸化力を奏する植物を見出すことが求められている。そこで本発明者らはこのような従来の事情に対処して、新しい植物由来の抗酸化剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、このような現状に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の植物抽出物に優れた抗酸化作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上の植物の抽出物を有効成分とする抗酸化剤である。
【0011】
また本発明は、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上の植物の抽出物および(b)ローヤルゼリーを有効成分とする抗酸化剤である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の抗酸化剤は、フリーラジカル捕捉能を有し、優れた抗酸化作用を有すると共に、天然物由来成分であるから安全性が高く、経口摂取、経皮投与のいずれも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】シカクマメ抽出物、およびシカクマメ抽出物とローヤルゼリーを用いた時のラジカル開始剤による細胞生存率の低下抑制の程度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明で用いられる(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物は、マメ科の熱帯産つる性の草本である。本発明ではシカクマメ属に属する植物であれば特に限定されるものではなく、任意に用いることができる。本発明では中でも、シカクマメ(学名:Psophocarpus tetragonolobus)が好ましく用いられる。改良品種として「ウリズン」等が知られる。市販品としては、その種子をサカタのタネなどで購入できる。
シカクマメ属植物抽出物は、従来、ラミニン5産生促進作用や細胞増殖促進作用等を有する成分としては知られているが(特開2003−313135号公報、特開2010−24211号公報参照)、抗酸化効果については知られておらず、本発明者が初めて見出したものである。
【0015】
本発明に用いられるシカクマメ(Psophocarpus)属植物の抽出物は、シカクマメ(Psophocarpus)属植物の葉、茎、枝、花、樹皮、種子、さや、根茎または植物全草等を抽出溶媒と共に浸漬または加熱還流した後、濾過し濃縮して得られる。使用部位としては、植物体の任意の部位を用いることができるが、種子を用いるのが特に好ましい。
【0016】
シカクマメ(Psophocarpus)属植物の抽出物は、常法により得ることができ、例えばシカクマメ(Psophocarpus)属植物を抽出溶媒とともに浸漬または加熱還流した後、濾過し、濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、含水アルコール類、クロロホルム、ジクロルエタン、四塩化炭素、アセトン、酢酸エチル、ヘキサン等の有機溶媒等を、それぞれ単独あるいは組み合わせて用いることができる。上記溶媒で抽出して得た抽出液をそのまま、あるいは濃縮したエキスを吸着法、例えばイオン交換樹脂を用いて不純物を除去したものや、ポーラスポリマー(例えばアンバーライトXAD−2)のカラムにて吸着させた後、メタノールまたはエタノールで溶出し、濃縮したものも使用することができる。また分配法、例えば水/酢酸エチルで抽出した抽出物等も用いられる。
【0017】
こうして得られる抽出液は、そのまま、あるいはエタノール等でさらに希釈し、または固化後、乾燥物をそのまま、もしくは乾燥物を例えばエタノールに再溶解して、抗酸化剤として用いることができる。
【0018】
(ローヤルゼリー)
ローヤルゼリーは、ミツバチの働き蜂から女王蜂に与えられる特別食である。ミツバチの下咽頭腺、大顎腺から分泌される乳白色糊状の物質で、主な成分はタンパク質、炭水化物、脂肪、無機物、ビタミン等である。
本発明のローヤルゼリーとしては、女王蜂を育てるために蜜蜂が分泌するものを収集したものを用いることもでき、また一般に市販されているものを用いることもできる。本発明のローヤルゼリーとしては、ローヤルゼリーをそのまま用いても良く、或いは、ローヤルゼリーを適宜前処理して得た乾燥物を用いても良い。
本発明で用いられるローヤルゼリーは、蜜蜂の若い働き蜂の頭部にある分泌腺から分泌される乳白色の粘液性物質であるローヤルゼリーを、アルコール、多価アルコール、その他各種有機溶媒、水、水性アルコール等の抽出溶媒で抽出したものを使用することが好ましい。
【0019】
(b)ローヤルゼリーについては、高麗人参等と併用して肌荒れ防止効果を奏すること(特開平9−286709号公報)が知られている。また、ローヤルゼリー由来物が抗酸化活性を有することも知られている(特開2005−263782号公報、特開2009−274960号公報等)。
しかし本発明者らの実験によれば、ローヤルゼリー単独で抗酸化活性は認められず、シカクマメ属植物とローヤルゼリーとを併用することではじめて優れた抗酸化活性を有するという結果が得られている。
【0020】
本発明の抗酸化剤は(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上の植物の抽出物、あるいは該抽出物と、(b)ローヤルゼリーとからなることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において他の種々の成分を含有することが出来る。
【0021】
また本発明の抗酸化剤は(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上の植物の抽出物と、(b)ローヤルゼリーとを含むことで、抗酸化効果は一層高められる。
【0022】
本発明の抗酸化剤において、(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属植物抽出物と、(b)ローヤルゼリーを含む場合、その配合比率は、1:10〜80:1の割合(乾燥質量での質量比)で組合せて配合することが好ましい。この範囲内であると抗酸化効果が特に優れる。
【0023】
本発明に記載の抗酸化剤は、そのまま、または種々の成分を加えて、飲食品類、化粧品類として経口または経皮で用いることができる。
【0024】
飲食品類としては、本発明に記載の抗酸化剤をそのまま、または種々の栄養成分を加えて、食用に適した形態、例えば、粉末状・粒状・顆粒状・液状・ペースト状・クリーム状・タブレット状・カプセル状・カプレット状・ソフトカプセル状・錠剤状・棒状・板状・ブロック状・丸薬状・固形状・ゲル状・ゼリー状・グミ状・ウエハース状・ビスケット状・飴状・チュアブル状・シロップ状・スティック状などに成形して食品素材として提供することができる。また、水、牛乳、豆乳、果汁飲料、乳清飲料、清涼飲料、青汁、ヨーグルトなどに添加して使用してもよい。
【0025】
化粧品類としては、例えば、化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、ヘアト
ニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、ボディシャンプー、
洗顔剤、石鹸、ファンデーション、整髪料などの形態で化粧品素材として使用できる。
【0026】
本発明の抗酸化剤を食品に配合して用いる場合、本発明の抗酸化剤の配合量(乾燥質量)は、それらの種類、目的、形態、利用方法などに応じて、適宜決めることができ、例えば、食品全量中に0.1〜90質量%程度とすることができる。特に、保健用飲食品等として利用する場合には、本発明の有効成分を所定の効果が充分発揮されるような量で含有させることが好ましい。
【0027】
また、本発明の抗酸化剤は、大人では(a)マメ科シカクマメ(Psophocarpus)属に属する植物の中から選ばれる1種または2種以上の植物の抽出物を1日当たり50mg以上、好ましくは50mg〜1000mgを投与することが好ましい。また、(b)ローヤルゼリーは、1日当たり生ローヤルゼリーとして10mg以上、好ましくは50mg〜2000mgを投与することが好ましい。1日当たりの投与量が少なすぎると効果が十分に発揮されない。1日当たりの投与量の上限は本発明の効果を損なわない範囲において特に限定されないが、過剰に配合しても増量に見合った顕著な効果が得られない。
【0028】
経皮吸収の形態としては、例えば、皮膚化粧料とすることができる。特に制限はなく、各種用途から適宜選択することができ、例えば、軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、入浴剤、アストリンゼント、などが挙げられる。
【0029】
本発明による抗酸化剤の前記皮膚化粧料全体に対する配合量は、皮膚化粧料の種類や抽出物の生理活性等によって適宜調整することができるが、乾燥残分として0.0001〜10質量%が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。
【0030】
必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、その皮膚化粧料の製造に通常使用される各種主剤及び助剤、その他成分を使用することができる。
その他の成分としては、抗酸化作用の妨げにならない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した成分が挙げられ、例えば、収斂剤、殺菌剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、細胞賦活剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料、などが挙げられる。これらの成分は、本体重減少化剤と共に併用した場合、相乗的に作用して、通常期待される以上の優れた作用効果をもたらすことがある。
【実施例】
【0031】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれによりなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限り質量%で示す。
【0032】
試験例1〜4
A.試料の調製
(1)シカクマメ抽出物溶液の調製
シカクマメの種子50gを、室温で1週間90%エタノールに浸漬し、抽出液を濃縮し、シカクマメ90%エタノール抽出物(乾燥物)2.9gを得た。
得られたシカクマメ抽出物をジメチルスルホキシド(DMSO)mlに溶解し、この溶液を用いて実分の終濃度が0.005%(ローヤルゼリー溶液と併用する場合),0.01%(ローヤルゼリー溶液と併用しない場合)となるように培地中に添加した。
【0033】
(2)ローヤルゼリー溶液の調製
ローヤルゼリー50gに85%エタノール溶液500mLを加え、10分間攪拌し、1時間超音波処理を行った。不溶成分を限外ろ過膜によりろ過してローヤルゼリー溶液を得た(生ローヤルゼリー換算20%、乾燥残分7%)。
得られた溶液を培地に溶解して実分終濃度0.005%(シカクマメ抽出物と併用する場合),0.01%(シカクマメ抽出物と併用しない場合)となるように添加した。
【0034】
B.抗酸化活性(フリーラジカル捕捉活性)の測定
ヒト表皮角化細胞を、表皮角化細胞専用培地(KGM)にて1×105cells/mlの濃度で24穴プレートに播種した。細胞接着後、0.1%BSA含有基礎培地(KBM)に薬剤(試験試料)を添加したものに置換し一晩放置した。
翌日水溶性ラジカル開始剤AAPH(2,2'-Azobis-(2-Amidinopropane)Dihydrochloride)を80mM添加した0.1%BSA含有基礎培地(KBM)に置換し、3.5時間後、それぞれの細胞生存率についてラジカル開始剤を添加していないものを100とした時の値で比較した。
【0035】
C.結果
結果を表1および図1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
図1は、表1の結果をグラフにしたものである。
上記結果から分かるように、薬剤を何も添加しない場合はラジカル開始剤の添加により細胞生存率は47.1%に低下した(試験例1)。シカクマメ抽出物を0.01%添加するとその低下が有意に抑制された(試験例2)。シカクマメ抽出物とローヤルゼリー溶液を共に(各0.005%)添加した場合、さらに生存率は高まった(試験例3)。
一方、ラジカル開始剤存在下でローヤルゼリー溶液0.01%のみを加えても、ラジカル開始剤による生存率の低下を抑制することはできなかった(試験例4)。
【0038】
これらの結果から、シカクマメエキスの添加はラジカル開始剤による生存率低下を抑制し、さらにローヤルゼリーを加えるとその効果はさらに高まることが明らかとなった。
図1