特許第5947360号(P5947360)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5947360
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】タッチセンサ一体型表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20160623BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20160623BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   G06F3/041 412
   G06F3/041 422
   G06F3/044 129
   G02F1/1368
【請求項の数】13
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-237504(P2014-237504)
(22)【出願日】2014年11月25日
(65)【公開番号】特開2015-106412(P2015-106412A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2014年11月25日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0148525
(32)【優先日】2013年12月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】金 周 漢
(72)【発明者】
【氏名】金 哲 世
(72)【発明者】
【氏名】金 眞 星
(72)【発明者】
【氏名】韓 萬 協
【審査官】 萩島 豪
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−218659(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0127414(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0227850(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0218199(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1343−1/1345
G02F1/135−1/1368
G06F3/03
G06F3/041−3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差するように配置される複数のゲートライン及び複数のデータラインと、
前記複数のゲートラインと前記複数のデータラインとの交差によって定義される領域内にそれぞれ配置される、複数の画素電極と、
前記複数の画素電極の一部と対応して配置され、それぞれ第1サイズを有する、複数の第1−1電極と、
前記第1−1電極と接続され、前記複数の画素電極の他の一部と対応して配置され、前記第1サイズより大きい第2サイズを有する、複数の第1−2電極と、
前記第1−1電極と前記第1−2電極との間に配置され、前記第1−1電極と前記第1−2電極と交差する方向に配列される、複数の第2電極と、
を含み、
前記第1−2電極間には、2つの第1−1電極が並行するように配置されることを特徴とする、タッチセンサ一体型表示装置。
【請求項2】
前記複数の第1−1電極及び前記複数の第1−2電極は、共通電極とタッチ駆動電極の機能を兼ね、前記複数の第2電極は、タッチセンシング電極であることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項3】
前記複数の第1−1電極及び前記複数の第1−2電極は、共通電極とタッチセンシング電極の機能を兼ね、前記複数の第2電極は、タッチ駆動電極であることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項4】
前記第1−1電極に対応する画素領域には、画素電極が一つのラインをなすように配置され、前記第1−2電極に対応する画素領域には、画素電極が二つのラインをなすように配置されることを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項5】
前記第1−2電極に対応して配列された2ラインの画素電極の間には、それぞれの画素電極のための2つのゲートラインが隣接して並行するように配置されることを特徴とする、請求項4記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項6】
前記複数の第1−1電極及び前記複数の第1−2電極の各々と接触し、前記データラインの方向に沿って配置され、前記第1−1電極及び前記第1−2電極の抵抗を減少させる少なくとも一つの第1電極の抵抗減少配線をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項7】
前記第1電極の抵抗減少配線は、前記データラインと重なるように配置されることを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項8】
前記複数の第2電極のそれぞれに前記第2電極の方向に沿って重なるように配置され、前記第2電極の抵抗を減少させる少なくとも一つの第2電極の抵抗減少配線をさらに含むことを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項9】
前記第2電極の抵抗減少配線は、前記ゲートラインと重なるように配置されることを特徴とする、請求項8記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項10】
前記第1−1電極と、前記第1−2電極は、少なくとも一つの第1ボトルネック部によって互いに接続され、前記第1電極の抵抗減少配線は、前記第1−1及び前記第1−2電極と共に、前記少なくとも一つの第1ボトルネック部を経由することを特徴とする、請求項6記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項11】
前記第2電極は、前記第1ボトルネック部と交差する位置に前記第2電極より狭い幅を有する第2ボトルネック部を含むことを特徴とする、請求項10記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項12】
前記画素電極の各々は、前記ゲートラインと前記データラインとの交差部に配置される薄膜トランジスタをカバーする第1保護膜上に形成され、第1保護膜を貫通するコンタクトホールを介して露出される前記薄膜トランジスタと接続され、
前記第1−1電極及び前記第1−2電極は、前記画素電極をカバーする第2保護膜上で、前記画素電極と少なくとも一部が重なるように配置されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項13】
前記第1−1電極及び前記第1−2電極は、前記ゲートラインと前記データラインとの交差部に配置された薄膜トランジスタをカバーする第1保護膜上に配置され、
前記画素電極は、前記第1−1電極及び前記第1−2電極をカバーする、第2保護膜上で前記第1−1電極及び前記第1−2電極と少なくとも一部が重なるように配置され、
前記画素電極の各々は、前記第1保護膜及び前記第2保護膜を貫通するコンタクトホールを介して露出される前記薄膜トランジスタと接続されることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのタッチを認識することができるタッチセンサ一体型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック(Joystick)、デジタイザ(digitizer)などの様々な入力装置(input device)がユーザと家電機器または各種情報通信機器との間のインターフェースを構成するために使用されている。しかし、前述のような入力装置を使用するために使い方を学ぶことを要し、また設置のための空間を要する、などの問題点があった。したがって、便利ながらも、簡単で誤作動を減らすことができる入力装置に対する要求が日々増加している。このような要求に応じて、ユーザが指やペンなどで画面に直接接触して情報を入力するタッチセンサ(touch sensor)が提案された。
【0003】
タッチセンサは操作が簡単であり、誤作動が少なく、別の入力機器を使用しなくても入力が可能なだけでなく、ユーザが画面上に表示される内容を迅速かつ容易に操作することができる利便性のために様々な表示装置に適用されている。
【0004】
タッチセンサは、構造に応じて、上板取付型(add-on type:アドオンタイプ)と、上板一体型(on-cell type:オンセルタイプ)とに分けることができる。上板取付型は、表示装置とタッチセンサが形成されたタッチパネルを個別に製造した後に、表示装置の上板にタッチパネルを取り付けする方式である。上板一体型は、表示装置の上部ガラス基板の表面にタッチセンサを直接形成する方式である。
【0005】
上板取付型は、表示装置の上板に完成されたタッチパネルが装着される構造を有するため、厚さが大きくなってしまい、表示装置の明るさが暗くなり視認性が低下する問題がある。
【0006】
一方、上板一体型の場合、表示装置の上面に別のタッチセンサが形成された構造を有するため、上板取付型より厚さを小さくすることができるが、それでもタッチセンサを構成する駆動電極層とセンシング電極層およびこれらを絶縁させるための絶縁層のために全体の厚さが増加し、工程数が増加して製造コストが増加する問題点があった。
【0007】
したがって、このような従来技術による問題点を解消したタッチセンサ一体型表示装置が必要とされており、例えば特許文献1のようなタッチセンサ一体型表示装置が知られている。
【0008】
特許文献1に開示されたタッチセンサ一体型表示装置は、ディスプレイ用の共通電極を分割して、タッチ駆動のためのタッチ駆動電極とタッチセンシングのためのタッチセンシング電極とを兼用にすることで、タッチ時に発生する相互静電容量の変化量を測定して、タッチの有無とタッチ位置を認識している。
【0009】
前記の構成において、タッチ駆動電極とタッチセンシング電極は、同じ層に形成されるため、異なる種類の電極と接触しないように、同じ機能を実行する電極同士が配線によって互いに接続される。すなわち、タッチ駆動電極は、コンタクトホールを介してタッチ駆動電極配線に接続され、タッチセンシング電極は、コンタクトホールを介してタッチセンシング電極配線に接続されることにより、タッチ駆動電極とタッチセンシング電極は、電気的に互いに接触しなくなる。
【0010】
しかし、従来のタッチセンサ一体型表示装置では、タッチ駆動電極配線及びタッチセンシング電極配線が複雑に構成されており、特にタッチ駆動電極とタッチ駆動電極配線との接続、およびタッチセンシング電極とタッチセンシング電極配線との接続のために多くのコンタクトホールが必要となるので、表示装置の開口率が低下する、という問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第7,859,521号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、タッチ駆動電極及びタッチセンシング電極のための複雑な配線を簡単かつ効率的に形成することにより、開口率を向上させることができるタッチセンサ一体型表示装置を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、タッチ駆動電極とタッチセンシング電極との間の相互静電容量を減少させ、タッチセンサのタッチ電極と表示装置の信号配線との間に形成される寄生容量を減少させることにより、タッチ性能を向上させることができるタッチセンサ一体型表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明に係るタッチセンサ一体型表示装置は、複数のゲートラインと、前記複数のゲートラインと交差するように配置される複数のデータラインと、前記複数のゲートラインと前記データラインとが交差することによって定義される領域内にそれぞれ配置される複数の画素電極と、前記複数の画素電極の一部に対応して配置され、それぞれ第1サイズを有する複数の第1−1電極と、前記第1−1電極と接続され、前記複数の画素電極の他の一部に対応して配置され、前記第1サイズより大きい第2サイズを有する複数の第1−2電極と、前記第1−1電極と前記第1−2電極との間に配置され、前記第1−1電極及び前記第1−2電極と交差する方向に配列される複数の第2電極を含み、前記第1−2電極間には、2つの第1−1電極が並行するように配置されることを特徴とする。
【0015】
前記構成において、複数の第1−1及び1−2の電極は、共通電極及びタッチ駆動電極の機能を兼ね、前記複数の第2電極は、タッチセンシング電極となるように構成されることがあり、またこれとは異なり、前記複数の第1−1及び1−2電極は、共通電極とタッチセンシング電極の機能を兼ね、前記複数の第2電極は、タッチ駆動電極となるように構成することもできる。
【0016】
また、前記第1−1電極に対応する画素領域には、画素電極が一つのラインになるように配置され、前記第1−2電極に対応する画素領域には、画素電極が二つのラインになるように配置することができる。
【0017】
また、前記第1−2電極に対応して配列された二つのラインの画素電極の間には、それぞれの画素電極のための二つのゲートラインが隣接して並行するように配置されることができる。
【0018】
また、前記複数の第1−1及び1−2電極の各々と接触し、前記データラインの方向に沿って配置され、前記第1−1及び1−2電極の抵抗を減少させる少なくとも1つの第1電極の抵抗減少配線をさらに含むことができる。
【0019】
また、前記第1電極の抵抗減少配線は、前記データラインと重なるように配置することができる。
【0020】
また、前記複数の第2電極のそれぞれに前記第2電極の方向に沿って重なるように配置され、前記第2電極の抵抗を減少させる少なくとも一つの第2電極の抵抗減少配線をさらに含むことができる。
【0021】
また、前記第2電極の抵抗減少配線は、前記ゲートラインと重なるように配置することができる。
【0022】
また、前記第1−1電極と前記1−2電極とは、少なくとも一つの第1ボトルネック部(bottleneck部:瓶首部:以下ボトルネック部と称する)によって互に接続され、前記第1電極の抵抗減少配線は、前記第1−1及び第1−2と共に、前記少なくとも一つの第1ボトルネック部を経由するように構成される。
【0023】
また、前記第2電極は、前記第1ボトルネック部と交差する位置に、前記第2電極より狭い幅を有する第2ボトルネック部を含む。
【0024】
また、前記画素電極の各々は、前記ゲートラインと前記データラインとの交差部に配置される薄膜トランジスタをカバーする第1保護膜上に配置され、第1保護膜を貫通するコンタクトホールを介して露出される前記薄膜トランジスタと接続され、前記第1−1電極及び第1−2電極は、前記画素電極をカバーする第2保護膜上で、前記画素と少なくとも一部が重なるように配置されることもできる。
【0025】
これとは異なり、前記第1−1電極及び1−2電極は、前記ゲートラインとデータラインとの交差部に配置される薄膜トランジスタをカバーする第1保護膜上に配置され、前記画素電極は、前記第1−1電極および第1−2電極をカバーする第2保護膜上で、前記第1−1電極及び1−2電極と少なくとも一部が重なるように配置され、前記画素電極の各々は、前記第1保護膜及び第2保護膜を貫通するコンタクトホールを介して露出される前記薄膜トランジスタと接続されることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るタッチセンサ一体型表示装置によれば、タッチ駆動電極とタッチセンシング電極とを接続し、その抵抗を減少させるための配線をデータラインまたはゲートラインと重ねるように形成することができるので、開口率の低下を抑制できる、という技術的に有利な効果を得ることができるとともに、表示装置の画素電極、ゲートラインとデータラインの設計に応じて、タッチセンサを構成するタッチ駆動電極、タッチセンシング電極、および配線関係を容易に設計することができる、という技術的に有利な効果を得ることができる。
【0027】
また、タッチ駆動電極とタッチセンシング電極抵抗減少配線とを接続するためのコンタクトホールが不要であるから、開口率を向上させることができ、高解像度の画像表示製品および大面積の画像表示製品に有利な効果を提供することができる。
【0028】
また、本発明に係るタッチセンサ一体型表示装置によれば、タッチ駆動電極が1ラインの画素電極に対応する第1−1タッチ駆動電極パターンと、2ラインの画素電極に対応する第1−2タッチ駆動電極パターンと、を含むように構成し、タッチセンシング電極を第1−1タッチ駆動電極と第1−2タッチ駆動電極との間に配置し、第1−2タッチ駆動電極パターンに対応して配置される2ラインの画素電極間にゲートラインを配置することにより、ゲートラインと重ねるタッチセンシング電極の数を減らすことができるようになる。したがって、タッチセンシング電極数の減少による相互静電容量と寄生容量の大きさを小さくすることができ、タッチ性能を向上させることができる、という技術的に有利な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置を概略的に示す一部分解斜視図である。
図2】本発明の第1実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置を概略的に示す平面図である。
図3図2に示された単位タッチ認識領域TUでの共通電極(タッチ駆動電極)、タッチセンシング電極、及び画素電極の関係を概略的に示す平面図である。
図4A】共通電極が画素電極の上層に形成される場合の図3に示された領域R1を示す平面図である。
図4B図4AのI−I’ラインに沿って取った断面図である。
図5A】画素電極が共通電極の上層に形成される場合の図3に示された領域R1を示す平面図である。
図5B図5AのII−II’ラインに沿って取った断面図である。
図6】本発明の第2実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置の共通電極兼用タッチ駆動電極とタッチセンシング電極の関係を概略的に示す平面図である。
図7図6に示された単位タッチ認識領域TUでの共通電極(タッチ駆動電極)と、タッチセンシング電極および画素電極の関係を概略的に示す平面図である。
図8A】共通電極が画素電極の上層に形成される場合の図7に示された領域R2を示す平面図である。
図8B図8AのI−I’ライン及びII−II’ラインに沿って取った断面図である。
図9A】画素電極が共通電極の上層に形成される場合の図7に示された領域R2を示す平面図である。
図9B図9AのIII−III’ライン及びIV−IV’ラインに沿って取った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。明細書全体において同一の参照番号は同一の構成要素を示す。
【0031】
まず、図1及び図2を参照して本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置を概略的に示す一部分解斜視図であり、図2は、本発明の第1実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置の共通電極兼用タッチ駆動電極とタッチセンシング電極の関係を概略的に示す平面図である。
【0032】
図1を参照すると、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置は、液晶層(図示せず)を挟んで形成される薄膜トランジスタアレイTFTAと、カラーフィルタアレイCFAを備える液晶表示パネルLCPと、を含む。
【0033】
薄膜トランジスタアレイTFTAは、第1基板SUB1上に第1方向(例えば、x方向)と並行するように形成された複数のゲートラインG1、G2と、前記複数のゲートラインG1、G2と互いに交差するように第2方向(例えば、y方向)と並行するように形成されたデータラインD1、D2と、ゲートラインG1、G2とデータラインD1、D2とが交差によって定義される領域に位置する液晶セルと、ゲートラインG1、G2とデータラインD1、D2とが交差する領域に形成される薄膜トランジスタTFTと、液晶セルにデータ電圧を充電させるための複数の画素電極Pxと、前記複数の画素電極Pxと電界を形成するように配置された共通電極(図示せず)と、を含む。
【0034】
カラーフィルタアレイCFAは、第2基板SUB2上に形成されるブラックマトリックス及びカラーフィルタ(図示せず)を含む。液晶表示パネルLCPの第1基板SUB1と第2基板SUB2の外面には、それぞれ偏光板POL1、POL2が付着され、液晶と接する第1基板SUB1と第2基板SUB2の内面には、液晶のプレチルト角を設定するための配向膜(図示せず)がそれぞれ形成される。液晶表示パネルLCPのカラーフィルタアレイCFAと薄膜トランジスタアレイTFTAとの間には、液晶セルのセルギャップ(cell gap)を維持するためのカラムスペーサー(column spacer)が形成されることができる。
【0035】
一方、共通電極は、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードのような垂直電界駆動方式において、第2基板SUB2に形成され、IPS(In Plane Switching)モードやFFS(Fringe Field Switching)モードのような水平電界駆動方式では、画素電極Pxと共に、第1基板SUB1上に形成される。以下の本発明の実施の形態においては、水平電界駆動方式を例に挙げて説明する。
【0036】
図2を参照すると、本発明の第1実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置の共通電極COMは、第1方向(x軸方向)または第2方向(y軸方向)に分割される複数の電極Tx1、Tx2からなる。図2の実施の形態において、分割された共通電極は、第2方向、すなわち、y軸方向に配列された複数の列(column)を構成する電極として示されており、タッチセンサを構成する複数のタッチ駆動電極Tx1、Tx2としての機能を兼ねるものと説明される。
【0037】
複数のタッチ駆動電極Tx1、Tx2のそれぞれは、後述する複数のタッチセンシング電極Rx1〜Rx8と交差する領域ごとにy軸方向に沿ってx軸方向に配列される互いに平行な複数の狭い幅を有するボトルネック部(Tb)を備える。すなわち、タッチ駆動電極Tx1、Tx2の内の第1タッチ駆動電極Tx1は、y軸方向に沿ってx軸方向に配列された複数の第1タッチ駆動電極パターン(Tx11〜Tx18)が第1ボトルネック部Tb1によって接続される方式で形成される。また、第2タッチ駆動電極Tx2は、第1タッチ駆動電極Tx1と同様に、y軸方向に沿ってx軸方向に配列された複数のタッチ駆動電極パターンTx21〜Tx28が第2ボトルネック部Tb2によって接続される方式で形成される。
【0038】
複数のタッチ駆動電極Tx1、Tx2のそれぞれには、y軸方向に配列された第1及び第2ボトル部Tb1、Tb2をそれぞれ経由するように複数のタッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13及びTc21〜Tc23が配置される。具体的には、第1タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13は、第1タッチ駆動電極パターン(Tx11〜Tx18)と、これらを接続するy軸方向の第1ボトルネック部Tb1とを経由するように配置される。第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc21〜Tc23は、第2タッチ駆動電極パターンTx21〜Tx28と、これらを接続するy軸方向の第2ボトル部Tb2とを経由するように配置される。第1タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13は、第1タッチ駆動電極Tx1と直接接触するように配列されることにより、高抵抗の透明導電性物質で形成された第1タッチ駆動電極Tx1の抵抗を下げることができる。また第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc21〜Tc23は、第2タッチ駆動電極Tx2と直接接触するように配列されることにより、高抵抗の透明導電性物質で形成された第2タッチ駆動電極Tx2の抵抗を下げることができる。
【0039】
第1タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13は、タッチ駆動電極Tx1、Tx2およびセンシング電極Rx1〜Rx8が形成された領域の外側で一つに接続され、第1タッチ駆動ルーティング配線TW1を介して第1タッチ駆動ルーティングパッド(TP1)に接続される。第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc21〜Tc23もまた、タッチ駆動電極Tx1、Tx2とタッチセンシング電極Rx1〜Rx8が形成された領域の外側で一つに接続され、第2タッチ駆動ルーティング配線TW2を介して第2タッチ駆動ルーティングパッド(TP2)に接続される。
【0040】
図2に示された実施の形態では、タッチ駆動電極が2つのタッチ駆動ラインからなる構成の例、すなわち、第1タッチ駆動電極Tx1と第1タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11、Tc12、Tc13とからなる第1タッチ駆動ラインと、第2タッチ駆動電極Tx2と第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc21、Tc22、Tc23とからなる第2タッチ駆動ラインの例を示している。
【0041】
また、前述した本発明の第1実施の形態では、第1タッチ駆動ラインを形成するために、3つの第1タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11、Tc12、Tc13が使用され、第2タッチ駆動ラインを形成するために、3つの第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc21、Tc22、Tc23が使用される場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、それぞれのタッチ駆動ラインを形成するための1つまたは2つのタッチ駆動電極の抵抗減少配線が利用されることもあり、また4つまたはそれ以上のタッチ駆動電極の抵抗減少配線が利用されることもある。
【0042】
一方、タッチセンサを構成するタッチセンシング電極Rx1〜Rx8は、y軸方向に互いに隣接するタッチ駆動電極パターンの間(すなわち、Tx11、Tx21とTx21、Tx22との間、Tx12、Tx22とTx13、Tx23との間、Tx13、Tx23とTx14、Tx24との間、Tx14、Tx24とTx15、Tx25との間、Tx15、Tx25とTx16、Tx26との間、Tx16、Tx26とTx17、Tx27との間、Tx17、Tx27とTx18、Tx28との間)、及び最下側のタッチ駆動電極パターンTx18、Tx28の下部でx軸方向に配列され、第1及び第2ボトルネック部Tb1、Tb2と第1及び第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13、Tc21〜Tc23と交差する。タッチセンシング電極Rx1〜Rx8のそれぞれは、第1及び第2ボトルネック部Tb1、Tb2と交差する領域に形成されるボトルネック部Rbを備える。
【0043】
タッチセンシング電極Rx1〜Rx8にも抵抗減少のための第1乃至第8タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11〜Rc14、Rc21〜Rc24がそれぞれ形成される。タッチセンシング電極Rx1〜Rx8は互いに分離されているが、第1乃至第4タッチセンシング電極Rx1〜Rx4とそれぞれ接触する第1乃至第4タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11〜Rc14と、第5乃至第8タッチセンシング電極Rx5〜Rx8とそれぞれ接触する第5乃至第8タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc21〜Rc24によって2つの単位でグループ化され、第1タッチセンシングラインRx1〜Rx4、Rc11〜Rc14と第2タッチセンシングラインRx5〜Rx8、Rc21〜Rc24とを構成する。
【0044】
第1タッチセンシングラインRx1〜Rx4、Rc11〜Rc14は、タッチ駆動電極Tx1、Tx2とタッチセンシング電極Rx1〜Rx8が形成された領域の外側で一つに接続され、第1タッチセンシングルーティング配線RW1を介して第1タッチセンシングルーティングパッドRP1に接続される。第2タッチセンシングラインRx5〜Rx8、Rc5〜Rc8もまた、タッチ駆動電極Tx1、Tx2及びタッチセンシング電極Rx1〜Rx8が形成された領域の外側で一つに接続され、第2タッチセンシングルーティング配線(RW2)を介して第2タッチセンシングルーティングパッドRP2に接続される。
【0045】
本発明の第1実施の形態に係るタッチセンサは、前述のように、第1及び第2タッチ駆動電極Tx1、Tx2と第1〜第8タッチセンシング電極Rx1〜Rx8とからなり、タッチ認識のための単位タッチ認識ブロックTUは、図2に示すように、第1及び第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13、Tc21〜Tc23と第1〜第8タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11〜Rc14、Rc21〜Rc24とを利用して、複数のタッチ駆動電極と複数のタッチセンシング電極を適切にグループ化することができる。図2に図示された例では、2つのタッチ駆動電極Tx1、Tx2と8つのタッチセンシング電極Rx1〜Rx8とによって4つの単位タッチ認識ブロックTUが形成されることができることを示している。
【0046】
以上説明したタッチ駆動電極Tx1、Tx2はすべて共通電極COMとしての機能を兼ねており、水平電界方式の表示装置において、これらは画素電極Pxと共に薄膜トランジスタアレイTFTAの第1基板SUB1に形成され、画素電極Pxは、ゲートラインとデータラインの交差によって定義される領域に形成される。
【0047】
一方、共通電極COMとしての機能を兼ねる第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11〜Tx18、Tx21〜Tx28のそれぞれは、1ライン分の複数の単位画素電極(単位画素電極は、色を表示するために必要な複数のサブ画素からなる)に対応して形成されることができる。
【0048】
前述のように、本発明の第1実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置において、第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11〜Tx18、Tx21〜Tx28のそれぞれは、1ライン分の複数の単位画素電極に対応するように形成することができる。また、第1及び第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13、Tc21〜Tc23のそれぞれは、1つのデータラインに対応して形成されるか、またはn(nは2以上の自然数)個のデータラインに対応して形成されることができる。また、タッチセンシング電極Rx1〜Rx8は、ゲートラインと1:1に対応して形成されることができ、またゲートラインn個ごとに1つの関係に規則性を有するように形成されることもできる。
【0049】
次に、図3を参照して本発明の第1実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置において、共通電極(タッチ駆動電極)と画素電極との関係をさらに詳細に説明する。図3は、図2に示された単位タッチ認識領域TUでの共通電極(タッチ駆動電極)、タッチセンシング電極、および画素電極の関係を概略的に示す平面図である。以下、3つの他の単位タッチ認識領域も、図3に示された単位タッチ認識領域TUと同じであるから、説明の便宜のために、図3に示された構成要素だけを挙げて説明する。
【0050】
図3を参照すると、第1タッチ駆動電極パターンTx11〜Tx18の各領域に対応して、複数の画素電極Pxは、各駆動電極パターンの配列方向に沿って並行するように配置される。すなわち、第1タッチ駆動電極パターン(Tx11〜Tx18)の各領域において、複数の単位画素電極がx軸方向に1行に配列される。図3の実施の形態では、3つの単位画素電極(それぞれの単位画素電極は、3つのサブ画素電極からなり、以下、サブ画素電極は、画素電極と称する)が、タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12、Tx13、Tx14のそれぞれに対応するように配置されている。
【0051】
次に、図4Aおよび図4Bを参照して、共通電極(タッチ駆動電極)が画素電極の上層に形成される場合の本発明の第1実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置について説明する。図4Aは、共通電極が画素電極の上層に形成される場合の図3に示された領域R1を示す平面図であり、図4Bは、図4AのI−I’ラインに沿って取った断面図である。
【0052】
以下の説明では、説明の単純化のために、2つのタッチ駆動電極パターンTx11、Tx12の一部領域とそれに隣接する2つのタッチセンシング電極Rx1、Rx2の一部領域を含む領域R1に配置される画素電極Px(本実施の形態の図面において、Pxは、色を表示するために必要なサブ画素として、3つのサブ画素が一つの単位画素電極を形成する場合を例に挙げた。以下、各サブ画素を単に画素電極と称する)を中心に説明する。
【0053】
図3図4A及び図4Bを参照すると、本発明の第1実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置は、薄膜トランジスタアレイTFTAの基板SUB1上に互いに交差するように形成されるゲートラインGL及びデータラインDLと、前記ゲートラインGLとデータラインDLの交差領域に形成される薄膜トランジスタTFTと、ゲートラインGLとデータラインDLの交差によって定義される領域に形成される画素電極Pxと、前記画素電極Pxと対向する共通電極COMと、を含む。本発明の第1実施の形態では、共通電極COMがタッチ駆動電極Txの機能を兼ねるので、以下の説明では、必要に応じて共通電極COMは、「タッチ駆動電極Tx」、「共通電極兼用タッチ駆動電極Tx」、または「タッチ駆動電極兼用共通電極COM」と称する。
【0054】
前記構成において、基板SUB上には、ゲートラインGLが形成され、その上部には、ゲート絶縁膜GIが形成される。ゲート絶縁膜GI上では薄膜トランジスタTFTを構成する活性層A、ソース電極S及びドレイン電極Dが形成される。
【0055】
すなわち、薄膜トランジスタTFTは、基板SUB上に形成されるゲートラインGLから延長されるゲート電極Gと、ゲートラインGL及びゲート電極Gをカバーするゲート絶縁膜GI上でゲート電極Gと対応する領域に形成される活性層Aと、活性層Aの一部を露出させるようにゲート絶縁膜GI上に分離されて形成されるデータラインDLから延長されるソース電極S及びドレイン電極Dと、を含む。
【0056】
前記実施の形態において、薄膜トランジスタは、ゲート電極がソース/ドレイン電極の下層に形成されるボトムゲート構造(gate bottom structure)の薄膜トランジスタを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲート電極がソース/ドレイン領域の上部に形成されるトップゲート構造(gate top structure)の薄膜トランジスタも含むものと理解しなければならない。トップゲート構造の薄膜トランジスタは、公知の構成なので、それに対する詳細な説明は省略する。
【0057】
薄膜トランジスタTFT及びデータラインDLが形成されたゲート絶縁膜GI上には、薄膜トランジスタTFTとデータラインDLをカバーする第1保護膜PAS1が形成され、第1保護膜PAS上には、平坦化のためのフォトアクリルなどの有機絶縁膜INSが形成される。有機絶縁膜INS及び第1保護膜PAS1には、ドレイン電極Dの一部を露出させるコンタクトホールCHが形成される。
【0058】
有機絶縁膜INS上には、データラインDLとゲートラインGLの交差によって定義される画素領域内にそれぞれ画素電極Pxが形成される。画素電極Pxは、有機絶縁膜INS及び第1保護膜PAS1を貫通するコンタクトホールCHを介して薄膜トランジスタTFTのドレイン電極Dと接触するように形成される。
【0059】
また、有機絶縁膜INS上には、y軸方向に配列された隣接する画素電極Pxとの間に配置され、ゲートラインGLと並行するようにタッチセンシング電極Rx1、Rx2が形成される。タッチセンシング電極Rx1、Rx2のそれぞれは、タッチ駆動電極のボトルネック部Tb1と交差する領域の幅が狭く形成されたボトルネック部Rbを含む。タッチセンシング電極Rx1、Rx2上には、それぞれゲートラインGLと並行するようにタッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11、Rc12が形成される。
【0060】
画素電極Pxとタッチセンシング電極パターンTx11、Tx12、及びタッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11、Rc12が形成された有機絶縁膜INS上には第2保護膜PAS2が形成される。
【0061】
第2保護膜PAS上には、データラインDLと重ねるように、タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11が形成される。タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11は、タッチ駆動電極パターンTx11のボトルネック部Tb1を経由し、後述するタッチセンシング電極のボトルネック部Rbと交差するように形成される。
【0062】
タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11が形成された第2保護膜PAS2上には、共通電極兼用の第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12が形成される。第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12は、画素電極Pxと重なるように形成される。第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12のそれぞれは、画素電極Pxとの間に水平電界が形成されやすいように複数のスリットSLを含む。したがって、有機絶縁層INS上に形成される画素電極Pxは、スリットを有しないように形成され、第2保護層PAS2上に形成される第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12は、スリットSLを有するように形成される。
【0063】
次に、図5A及び図5Bを参照して、画素電極が共通電極(タッチ駆動電極)の上層に形成される場合の本発明の第1実施の形態の変形例に係るタッチセンサ一体型表示装置について説明する。図5Aは、画素電極が共通電極の上層に形成される場合の図3に示された領域R1を示す平面図であり、図5Bは、図5AのII−II’ラインに沿って取った断面図である。
【0064】
図3図5A及び図5Bを参照すると、本発明の第1実施の形態の変形例に係るタッチセンサ一体型表示装置は、薄膜トランジスタアレイTFTAの基板SUB1上に互いに交差するように形成されるゲートラインGL及びデータラインDLと、前記ゲートラインGLとデータラインDLの交差領域に形成される薄膜トランジスタTFTと、ゲートラインGLとデータラインDLの交差によって定義される領域に形成される画素電極Pxと、前記画素電極Pxと対向する共通電極COMと、を含む。本発明の第1実施の形態の変形例でも、本発明の第1実施の形態と同様に、共通電極COMがタッチ駆動電極Txの機能を兼ねるので、以下の説明では、必要に応じて「共通電極COM」、「タッチ駆動電極Tx」、「共通電極兼用タッチ駆動電極Tx」、または「タッチ駆動電極兼用共通電極COM」と称する。
【0065】
前記構成において、基板SUB上には、ゲートラインGLが形成され、その上部には、ゲート絶縁膜GIが形成される。ゲート絶縁膜GI上では、薄膜トランジスタTFTを構成する活性層A、ソース電極S及びドレイン電極Dが形成される。
【0066】
すなわち、薄膜トランジスタTFTは、基板SUB上に形成されたゲートラインGLから延長されるゲート電極Gと、ゲートラインGL及びゲート電極Gをカバーするゲート絶縁膜GI上でゲート電極Gと対応する領域に形成される活性層Aと、活性層Aの一部を露出させるようにゲート絶縁膜GI上に分離されて形成されるデータラインDLから延長されるソース電極S及びドレイン電極Dと、を含む。
【0067】
前記実施の形態において、薄膜トランジスタは、ゲート電極が、ソース/ドレイン電極の下層に形成されるボトムゲート構造(gate bottom structure)の薄膜トランジスタを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲート電極がソース/ドレイン領域の上部に形成されるトップゲート構造(gate top structure)の薄膜トランジスタも含むものと理解しなければならない。トップゲート構造の薄膜トランジスタは、公知の構成であるから、それに対する詳細な説明は省略する。
【0068】
薄膜トランジスタTFT及びデータラインDLが形成されたゲート絶縁膜GI上には、薄膜トランジスタTFTとデータラインDLとをカバーする第1保護膜PAS1が形成され、第1保護膜PAS1上には、平坦化のためのフォトアクリルなどの有機絶縁膜INSが形成される。有機絶縁膜INSには、ドレイン電極Dの一部と対応する位置の第1保護膜PAS1を露出させる第1コンタクトホールCH1が形成される。
【0069】
第1コンタクトホールCH1が形成された有機絶縁膜INS上には、ボトルネック部Tbによって互いに接続される共通電極COM兼用の第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12が形成される。第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12上には、タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11がデータラインDLに沿ってタッチ駆動電極のボトルネック部Tbを経由するように形成される。
【0070】
第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12とタッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11が形成された有機絶縁膜INS上には、第2保護膜PAS2が形成される。有機絶縁膜INSの第1コンタクトホールCH1を介して露出される第1保護膜PAS1と第2保護膜PAS2には、薄膜トランジスタTFTのドレイン電極Dの一部を露出させる第2コンタクトホールCH2が形成される。
【0071】
第2コンタクトホールCH2が形成された第2保護膜PAS2上には、ゲートラインGLと平行方向(x軸方向)にタッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11、Rc12が形成される。タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11、Rc12が形成された第2保護膜PAS2上には、データラインDLとゲートラインGLの交差によって定義される画素領域内にそれぞれ画素電極Pxが形成され、また、y軸方向に互いに隣接する画素電極Pxとの間には、センシング電極の抵抗減少配線Rc11をカバーするように、ゲートラインGLと平行にタッチセンシング電極Rx1、Rx2が形成される。タッチセンシング電極Rx1、Rx2は、タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12との間の空間に配置される。また、タッチセンシング電極Rx1、Rx2のそれぞれは、隣接するタッチ駆動電極パターンTx11、Tx12を接続するタッチ駆動電極のボトルネック部Tbと交差する領域でボトルネック部Rbを有するように形成される。
【0072】
画素電極Pxは、第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12と重なるように形成される。画素電極Pxのそれぞれは、第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12との間に水平電界が形成されやすいように複数のスリットSLを含む。したがって、有機絶縁層INS上に形成される第1及び第2タッチ駆動電極パターンTx11、Tx12は、スリットを有しないように形成され、第2保護層PAS2上に形成される画素電極Pxは、スリットSLを有するように形成される。
【0073】
以上の本発明の第1実施の形態とその変形例に係るタッチセンサ一体型表示装置によると、表示装置の単位画素電極、ゲートライン、及びデータラインの設計に応じて、タッチセンサを構成するタッチ駆動電極、タッチセンシング電極、及び配線関係を容易に設計することができる、という技術的に有利な効果を得ることができる。
【0074】
また、タッチ駆動電極とタッチセンシング電極の抵抗減少配線とを接続するためのコンタクトホールが不要なため、開口率を向上させることができ、高解像度の画像表示製品及び大面積の画像表示製品に対して、技術的に有利な効果を提供することができる。
【0075】
次に、図6を参照して本発明の第2実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置について説明する。図6は、本発明の第2実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置を概略的に示す平面図である。
【0076】
図6を参照すると、本発明の第2実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置の共通電極COMは、第1方向(x軸方向)または第2方向(y軸方向)に分割される複数の電極Tx1、Tx2からなる。図2の実施の形態において、分割された共通電極は、第2方向、すなわち、y軸方向に配列された複数の列(column)を構成する電極で示されており、タッチセンサを構成する複数のタッチ駆動電極Tx1、Tx2としての機能を兼ねるものと説明される。
【0077】
複数のタッチ駆動電極Tx1、Tx2のそれぞれは、後述する複数のタッチセンシング電極(Rx1〜Rx4)と交差する領域ごとにy軸方向に沿ってx軸方向に配列される互いに平行な複数の狭い幅を有するボトルネック部Tbを備える。すなわち、タッチ駆動電極Tx1、Tx2の第1タッチ駆動電極Tx1は、y軸方向に沿ってx軸方向に配列された複数の第1タッチ駆動電極パターンTx11〜Tx16が第1ボトルネック部Tb1によって接続される方式で形成される。また、第2タッチ駆動電極Tx2は、第1タッチ駆動電極Tx1と同様に、y軸方向に沿ってx軸方向に配列された複数のタッチ駆動電極パターンTx21〜Tx26が第2ボトルネック部Tb2によって接続される方式で形成される。
【0078】
第1及び第2タッチ駆動電極Tx1、Tx2は、大きさが異なる2種類のタッチ駆動電極パターンTx11〜Tx16、Tx21〜Tx26からなる。
【0079】
第1タッチ駆動電極Tx1は、第1サイズを有する第1−1タッチ駆動電極パターンTx11、Tx13、Tx14と、第1−1タッチ駆動電極パターンのサイズより約2倍程度の第2サイズを有する第1−2タッチ駆動電極パターンTx12、Tx15と、からなる。図6の実施の形態において、第1タッチ駆動電極Tx1は、第1−1タッチ駆動電極パターンTx11、第1−2タッチ駆動電極パターンTx12、2つの第1−1タッチ駆動電極パターンTx13、Tx14、第1−2タッチ駆動電極パターンTx15、及び第1−1タッチ駆動電極パターンTx16の順に配列されている。
【0080】
また、第2タッチ駆動電極Tx2は、第1サイズを有する第2−1タッチ駆動電極パターンTx21、Tx23、Tx24と、第2−1タッチ駆動電極パターンのサイズより約2倍程度の第2サイズを有する第2−2タッチ駆動電極パターンTx22、Tx25と、からなる。図6の実施の形態において、第2タッチ駆動電極Tx2は、第2−1タッチ駆動電極パターンTx21、第2−2タッチ駆動電極パターンTx22、2つの第2−1タッチ駆動電極パターンTx23、Tx24、第2−2タッチ駆動電極パターンTx25、および第2−1タッチ駆動電極パターンTx26の順に配列されている。
【0081】
複数のタッチ駆動電極Tx1、Tx2のそれぞれには、y軸方向に配列された第1及び第2ボトルネック部Tb1、Tb2をそれぞれ経由するように、複数のタッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13;Tc21〜Tc23が配置される。具体的には、第1タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13は、第1タッチ駆動電極パターンTx11〜Tx16と、これらを接続するy軸方向の第1ボトルネック部Tb1を経由するように配置される。第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc21〜Tc23は、第2タッチ駆動電極パターンTx21〜Tx26と、これらを接続するy軸方向の第2ボトルネック部Tb2を経由するように配置される。第1タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13は、第1タッチ駆動電極Tx1と直接接触するように配列されることにより、高抵抗の透明導電性物質で形成された第1タッチ駆動電極Tx1の抵抗を下げ、第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc21〜Tc23は、第2タッチ駆動電極Tx2と直接接触するように配列されることにより、高抵抗の透明導電性物質で形成された第2タッチ駆動電極Tx2の抵抗を下げることができる。
【0082】
第1タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13は、タッチ駆動電極Tx1、Tx2及びセンシング電極Rx1〜Rx6が形成された領域の外側で一つに接続され、第1タッチ駆動ルーティング配線TW1を介して第1タッチ駆動ルーティングパッドTP1に接続される。第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc21〜Tc23もまた、タッチ駆動電極Tx1、Tx2とタッチセンシング電極Rx1〜Rx6が形成された領域の外側で一つに接続され、第1タッチ駆動ルーティング配線TW2を介して第2タッチ駆動ルーティングパッドTP2に接続される。
【0083】
図6に示された実施の形態では、タッチ駆動電極が2つのタッチ駆動ラインからなる構成の例、すなわち、第1タッチ駆動電極Tx1と第1タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11、Tc12、Tc13とからなる第1タッチ駆動ラインと、第2タッチ駆動電極Tx2と第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc21、Tc22、Tc23からなる第2タッチ駆動ラインの例を示している。
【0084】
また、前述した本発明の第2実施の形態では、第1タッチ駆動ラインを形成するために、3つの第1タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11、Tc12、Tc13が使用され、第2タッチ駆動ラインを形成するために、3つの第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc21、Tc22、Tc23が使用される場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、それぞれのタッチ駆動ラインを形成するための1つまたは2つのタッチ駆動電極の抵抗減少配線が用いられることもあり、4つまたはそれ以上のタッチ駆動電極の抵抗減少配線が用いられることもある。
【0085】
一方、タッチセンサを構成するタッチセンシング電極Rx1〜Rx4は、y軸方向に互いに隣接する第1−1及び第2−1タッチ駆動電極パターンと、第1−2及び第2−2タッチ駆動電極パターンとの間、即ち、Tx11、Tx21とTx21、Tx22との間、Tx12、Tx22とTx13、Tx23との間、Tx13、Tx23とTx14、Tx24との間、Tx14、Tx24とTx15、Tx25との間、Tx15、Tx25とTx16、Tx26との間に配置され、第1及び第2ボトルネック部Tb1、Tb2と第1及び第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13、Tc21〜Tc23と交差するようにx軸方向に配列される。タッチセンシング電極Rx1〜Rx4のそれぞれは、第1及び第2ボトルネック部Tb1、Tb2と交差する領域に形成されるボトルネック部Rbを備える。
【0086】
タッチセンシング電極Rx1〜Rx4にも抵抗を減少させるための第1乃至第4タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11〜Rc12、Rc21〜Rc22がそれぞれ形成される。タッチセンシング電極Rx1〜Rx4は互いに分離されているが、第1及び第2タッチセンシング電極Rx1〜Rx2とそれぞれ接触する第1及び第2タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11〜Rc12と、第3及び第4タッチセンシング電極Rx3〜Rx4とそれぞれ接触する第3及び第4タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc21〜Rc22とによって2つの単位としてグループ化され、第1タッチセンシングラインRx1〜Rx2、Rc11〜Rc12と第2タッチセンシングラインRx3〜Rx4、Rc21〜Rc22を構成する。
【0087】
第1タッチセンシングラインRx1〜Rx2、Rc11〜Rc12は、タッチ駆動電極Tx1、Tx2とタッチセンシング電極Rx1〜Rx4が形成された領域の外側で一つに接続され、第1タッチセンシングルーティング配線(RW1)を介して第1タッチセンシングルーティングパッドRP1に接続される。第2タッチセンシングラインRx3〜Rx4、Rc21〜Rc22もまた、タッチ駆動電極Tx1、Tx2とタッチセンシング電極Rx1〜Rx4が形成された領域の外側で一つに接続され、第2タッチセンシングルーティング配線RW2を介して第2タッチセンシングルーティングパッドRP2に接続される。
【0088】
本発明の第2実施の形態に係るタッチセンサは、前述のように、第1及び第2タッチ駆動電極Tx1、Tx2と第1〜第8タッチセンシング電極Rx1〜Rx8からなり、タッチ認識のための単位タッチ認識ブロックTUは、図6に示すように、第1及び第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13、Tc21〜Tc23と第1〜第4タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11〜Rc12、Rc21〜Rc22を用いて、複数のタッチ駆動電極と複数のタッチセンシング電極とを適切にグループ化することができる。図6に図示された例では、2つのタッチ駆動電極Tx1、Tx2と4つのタッチセンシング電極Rx1〜Rx4によって4つの単位タッチ認識ブロックTUが形成されることができることを示している。
【0089】
以上説明したタッチ駆動電極Tx1、Tx2はすべて共通電極COMとしての機能を兼ねており、水平電界方式の表示装置において、これらは画素電極Pxと共に薄膜トランジスタアレイTFTAの第1基板SUB1に形成され、画素電極Pxは、ゲートラインとデータラインの交差によって定義される領域に形成される。
【0090】
一方、共通電極COMとしての機能を兼ねる第1サイズの第1−1及び第2−1タッチ駆動電極パターンTx11、Tx13、Tx14、Tx16と、Tx21、Tx23、Tx24、Tx26のそれぞれは1ライン分の複数の単位画素電極(単位画素電極は、色を表示するために必要な複数のサブ画素を含む)に対応するように形成される。共通電極COMとしての機能を兼ねる第2サイズの第1−2及び第2−2タッチ駆動電極パターンTx12、Tx15と、Tx22、Tx25の各々は、2ライン分の複数の単位画素電極に対応するように形成される。
【0091】
また、第1及び第2タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11〜Tc13、Tc21〜Tc23のそれぞれは、1つのデータラインに対応して形成されるか、またはn(nは2以上の自然数)個のデータラインに対応して形成することができる。また、タッチセンシング電極Rx1〜Rx4は、ゲートラインと1:1に対応して形成されることができ、またゲートラインn個ごとに1つの関係に規則性を有するように形成されることもできる。
【0092】
次に、図7を参照して本発明の第2実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置において、共通電極(タッチ駆動電極)と画素電極との関係をさらに詳細に説明する。図7は、図6に示された単位タッチ認識領域TUでの共通電極(タッチ駆動電極)、タッチセンシング電極、及び画素電極の関係を概略的に示す平面図である。以下、3つの異なるタッチ認識領域も、図6に示された単位タッチ認識領域TUと同じなので、説明の便宜のために、図7に示された構成要素だけを挙げて説明する。
【0093】
図7を参照すると、第1サイズを有する第1−1タッチ駆動電極パターンTx11、Tx13の各領域に対応して1ライン分の複数の画素電極Pxが配置される。また、第2サイズを有する第1−2タッチ駆動電極パターンTx12の領域に対応して、2ライン分の複数の画素電極Pxが配置される。更に、第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx11とTx12との間、並びに、第1−2及び第1−1タッチ駆動電極パターンTx12とTx13との間には、それぞれ一つのタッチセンシング電極Rx1、Rx2が配置される。
【0094】
本発明の第2実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置は、図6および図7に示すように、タッチ駆動電極が第1サイズを有する第1−1タッチ駆動電極パターンTx11、Tx13、Tx14、Tx16と、第2サイズを有する第1−2タッチ駆動電極パターンTx12、Tx15と、を含み、第2サイズを有する第1−2タッチ駆動電極パターンTx12、Tx15のそれぞれに対応して2ラインの画素電極が配置され、2ラインの画素電極の間に、各ラインの画素電極のための2つのゲートラインが互いに隣接して並行するように形成される、という点で、本発明の第1実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置と異なる。
【0095】
次に、図8A及び図8Bを参照して、共通電極(タッチ駆動電極)が画素電極の上層に形成される場合の本発明の第2実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置について説明する。図8Aは、共通電極が画素電極の上層に形成される場合の図7に示された領域R2を示す平面図であり、図8Bは、図8AのI−I’ライン及びII−II’ラインに沿って取った断面図である。
【0096】
以下の説明では、説明の単純化のために、第2サイズを有する第1−2タッチ駆動電極パターンTx12の一部の領域と、それに隣接する1つのタッチセンシング電極Rx2の一部領域を含む領域R2と、に配置される画素電極Px(本実施の形態の図面においてPxは、色を表示するために必要なサブ画素として、3つのサブ画素が一つの単位画素電極を形成する場合を例に挙げた。以下、各サブ画素を単純に画素電極と称する)を中心に説明する。
【0097】
図7図8A及び図8Bを参照すると、本発明の第2実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置は、薄膜トランジスタアレイTFTAの基板SUB1上に互いに交差するように形成されるゲートラインGL及びデータラインDLと、前記ゲートラインGLとデータラインDLの交差領域に形成される薄膜トランジスタTFTと、ゲートラインGLとデータラインDLの交差によって定義される領域に形成される画素電極Pxと、前記画素電極Pxと対向する共通電極COMと、を含む。
【0098】
本発明の第2実施の形態では、共通電極COMがタッチ駆動電極Txの機能を兼ねるので、以下の説明では、必要に応じて「共通電極COM」、「タッチ駆動電極Tx」、「共通電極兼用タッチ駆動電極Tx」、または「タッチ駆動電極兼用共通電極COM」と称する。
【0099】
前記構成において、基板SUB上には、ゲートラインGLが形成され、その上部には、ゲート絶縁膜GIが形成される。ゲート絶縁膜GI上では、薄膜トランジスタTFTを構成する活性層A、ソース電極Sおよびドレイン電極Dが形成される。
【0100】
すなわち、薄膜トランジスタTFTは、基板SUB上に形成されるゲートラインGLから延長されるゲート電極Gと、ゲートラインGL及びゲート電極Gをカバーするゲート絶縁膜GI上でゲート電極Gと対応する領域に形成される活性層Aと、活性層Aの一部を露出させるようにゲート絶縁膜GI上に分離されて形成されるデータラインDLから延長されるソース電極S及びドレイン電極Dと、を含む。
【0101】
前記実施の形態において、たとえ薄膜トランジスタは、ゲート電極がソース/ドレイン電極の下層に形成されるボトムゲート構造(gate bottom structure)の薄膜トランジスタを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲート電極がソース/ドレイン領域の上部に形成されるトップゲート構造(gate top structure)の薄膜トランジスタも含むものと理解しなければならない。トップゲート構造の薄膜トランジスタは、公知の構成であるから、それに対する詳細な説明は省略する。
【0102】
薄膜トランジスタTFTとデータラインDLが形成されたゲート絶縁膜GI上には、薄膜トランジスタTFTとデータラインDLをカバーする第1保護膜PAS1が形成され、第1保護膜PAS1上には、平坦化のためのフォトアクリルなどの有機絶縁膜INSが形成される。有機絶縁膜INS及び第1保護膜PAS1には、ドレイン電極Dの一部を露出させるコンタクトホールCHが形成される。
【0103】
有機絶縁膜INS上には、データラインDLとゲートラインGLの交差によって定義される画素領域内に、それぞれ画素電極Pxが形成される。画素電極Pxは、有機絶縁膜INS及び第1保護膜PAS1を貫通するコンタクトホールCHを介し、薄膜トランジスタTFTのドレイン電極Dと接触するように形成される。
【0104】
また、有機絶縁膜INS上には、後述する第1サイズより大きい第2大きさを有する第1−2タッチ駆動電極パターンTx12と第1サイズを有する第1−1タッチ駆動電極パターンTx12との間に配置され、ゲートラインGLと並行するタッチセンシング電極Rx2が形成される(図8A参照)。タッチセンシング電極Rx2は、タッチ駆動電極のボトルネック部Tbと交差する領域の幅が狭く形成されたボトルネック部Rbを含む。タッチセンシング電極Rx2上には、それぞれゲートラインGLと並行するようにタッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc12が形成される。タッチセンシング電極Rx2及びタッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc12は、ゲートラインGLと重なるように形成することができ、このように形成する場合、タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc12によって開口率の低下を抑制できる、という効果を得ることができる。
【0105】
画素電極Px、タッチセンシング電極Rx2、及びタッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc11、Rc12が形成された有機絶縁膜INS上には、第2保護膜PAS2が形成される。
【0106】
第2保護膜PAS2上には、データラインDLと重ねるように、タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11が形成される。タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11は、タッチセンシング電極のボトルネック部Rbを経由するように形成される。
【0107】
タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11が形成された第2保護膜PAS2上には、共通電極兼用の第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12が、ボトルネック部Tcによって接続するように形成される。第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12は、タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11をカバーするように形成される。第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12は、少なくとも一部が画素電極Pxと重なるように形成される。第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12のそれぞれは、画素電極Pxとの間に水平電界が形成されやすいように複数のスリットSLを含む。したがって、有機絶縁層INS上に形成される画素電極Pxは、スリットを有しないように形成され、第2保護層PAS2上に形成される第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12は、スリットSLを有するように形成される。
【0108】
次に、図9A及び図9Bを参照して、画素電極が共通電極(タッチ駆動電極)の上層に形成される場合の本発明の第2実施の形態の変形例に係るタッチセンサ一体型表示装置について説明する。図9Aは、画素電極が共通電極の上層に形成される場合の図7に示された領域R2を示す平面図であり、図9Bは、図9AのIII−III’ライン及びIV−IV’ラインに沿って取った断面図である。
【0109】
図7図9A及び図9Bを参照すると、本発明の第2実施の形態の変形例に係るタッチセンサ一体型表示装置は、薄膜トランジスタアレイTFTAの基板SUB1上に互いに交差するように形成されるゲートラインGL及びデータラインDLと、前記ゲートラインGLとデータラインDLの交差領域に形成される薄膜トランジスタTFTと、ゲートラインGLとデータラインDLの交差によって定義される領域に形成される画素電極Pxと、前記画素電極Pxと対向する共通電極COMと、を含む。本発明の第2実施の形態の変形例でも、本発明の第1実施の形態と同様に、共通電極COMがタッチ駆動電極Txの機能を兼ねるので、以下の説明では、必要に応じて「共通電極COM」、「タッチ駆動電極Tx」、「共通電極兼用タッチ駆動電極Tx」、または「タッチ駆動電極兼用共通電極COM」と称する。
【0110】
前記の構成において、基板SUB上には、ゲートラインGLが形成され、その上部には、ゲート絶縁膜GIが形成される。ゲート絶縁膜GI上では、薄膜トランジスタTFTを構成する活性層A、ソース電極S、及びドレイン電極Dが形成される。
【0111】
すなわち、薄膜トランジスタTFTは、基板SUB上に形成されたゲートラインGLから延長されるゲート電極Gと、ゲートラインGL及びゲート電極Gをカバーするゲート絶縁膜GI上でゲート電極Gと対応する領域に形成される活性層Aと、活性層Aの一部を露出させるようにゲート絶縁膜GI上に分離されて形成されるデータラインDLから延長されるソース電極S及びドレイン電極Dと、を含む。
【0112】
前記実施の形態において、薄膜トランジスタは、ゲート電極が、ソース/ドレイン電極の下層に形成されるボトムゲート構造(gate bottom structure)の薄膜トランジスタを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲート電極がソース/ドレイン領域の上部に形成されるトップゲート構造(gate top structure)の薄膜トランジスタも含むものと理解しなければならない。トップゲート構造の薄膜トランジスタは、公知の構成であるから、それに対する詳細な説明は省略する。
【0113】
薄膜トランジスタTFTとデータラインDLが形成されたゲート絶縁膜GI上には、薄膜トランジスタTFTとデータラインDLをカバーする第1保護膜PAS1が形成され、第1保護膜PAS1上には、平坦化のためのフォトアクリルなどの有機絶縁膜INSが形成される。有機絶縁膜INSには、ドレイン電極Dの一部と対応する位置の第1保護膜PASを露出させる第1コンタクトホールCH1が形成される。
【0114】
第1コンタクトホールCH1が形成された有機絶縁膜INS上には、第1ボトルネック部Tbによって互いに接続される共通電極COM兼用の第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12が形成される。第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12上には、タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11が、データラインDLに沿ってタッチ駆動電極のボトルネック部Tb1を経由するように形成される。タッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11がデータラインDLと重なるように形成されると、開口率の低下を抑制することができる、という効果を得ることができる。
【0115】
第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12とタッチ駆動電極の抵抗減少配線Tc11が形成された有機絶縁膜INS上には、第2保護膜PAS2が形成される。有機絶縁膜INSの第1コンタクトホールCH1を介して露出される第1保護膜PAS1及び第2保護膜PAS2には、薄膜トランジスタTFTのドレイン電極Dの一部を露出させる第2コンタクトホール(CH2)が形成される。
【0116】
第2コンタクトホールCH2が形成された第2保護膜PAS2上には、第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12の間において、ゲートラインGLと平行方向(x軸方向)にタッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc12が形成される。タッチセンシング電極の抵抗減少配線Rc12が形成された第2保護膜PAS2上には、データラインDLとゲートラインGLの交差によって定義される画素領域内にそれぞれ画素電極Pxが形成される。また、y軸方向に互いに隣接するタッチ駆動電極パターンTx12、Tx13との間には、センシング電極の抵抗減少配線Rc12をカバーするように、ゲートラインGLと平行にタッチセンシング電極Rx2が形成される。すなわち、タッチセンシング電極Rx2は、第1−2タッチ駆動電極パターンTx12と第1−1タッチ駆動電極パターンTx13との間の領域に対応して配置される。また、タッチセンシング電極Rx2は、隣接する第1−1タッチ駆動電極パターンTx13と第1−2タッチ駆動電極パターンTx12とを接続するボトルネック部Tb1と交差する領域に、ボトルネック部Rbを有するように形成される。
【0117】
画素電極Pxは、第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12と重なるように形成される。画素電極Pxのそれぞれは、第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12との間に水平電界が形成されやすいように複数のスリットSLを含む。したがって、有機絶縁層INS上に形成される第1−1及び第1−2タッチ駆動電極パターンTx13、Tx12は、スリットを有しないように形成され、第2保護層PAS2上に形成される画素電極Pxは、スリットSLを有するように形成される。
【0118】
前述したような本発明の第2実施の形態及びその変形例に係るタッチセンサ一体型表示装置によると、本発明の第1実施の形態とその変形例に係るタッチセンサに比べて次に示すような効果を得ることができる。
【0119】
即ち、本発明の第1実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置によると、それぞれのタッチ駆動電極パターンが1ライン分の複数の単位画素電極に対応するように配置され、単位画素電極単位で形成されるタッチセンシング電極とタッチ駆動電極パターンとによって相互静電容量の大きさが増加して、タッチ感度に影響を与え、また、タッチセンシング電極及び駆動電極の抵抗減少配線と表示装置の信号配線の間に発生する寄生静電容量により、タッチ性能が低下する可能性がある。
【0120】
しかし、本発明の第2実施の形態及びその変形例に係るタッチセンサ一体型表示装置によると、タッチ駆動電極が、1ラインの画素電極に対応する第1−1タッチ駆動電極パターンと、2ラインの画素電極に対応する第1−2タッチ駆動電極パターンとを含むように構成され、タッチセンシング電極を第1−1タッチ駆動電極と、第1−2タッチ駆動電極との間に配置し、第1−2タッチ駆動電極パターンに対応して配置される2ラインの画素電極間にゲートラインを配置することにより、ゲートラインと重ねるタッチセンシング電極の数を減少させることができるようになる。したがって、第1実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置によって得られる効果のほか、タッチセンシング電極数の減少による相互静電容量と寄生静電容量の大きさを減らすことができ、タッチ性能を向上させることができる、という効果を得ることができる。
【0121】
以上説明した内容を通じて、当業者であれば本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変更および修正が可能であることが分かる。例えば、前述した本発明の実施の形態で説明したタッチ駆動電極は、タッチセンシング電極に、またタッチセンシング電極は、タッチ駆動電極に置き換えることによって変形実施することもできる。また、本発明の第1乃至第4の実施の形態の説明では、薄膜トランジスタの保護のための第1保護膜と、平坦化のための有機絶縁膜とを別々に形成するものとして説明したが、第1保護膜または有機絶縁膜のいずれか一つの膜で二つの機能を実現することもできる。したがって、本発明の技術的範囲は、発明の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって定まるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B