特許第5947368号(P5947368)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5947368
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】眼科用エンドプローブ
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20160623BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   A61F9/007 130H
   A61B1/00 300D
   A61B1/00 300A
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-501201(P2014-501201)
(86)(22)【出願日】2012年3月21日
(65)【公表番号】特表2014-509909(P2014-509909A)
(43)【公表日】2014年4月24日
(86)【国際出願番号】US2012029909
(87)【国際公開番号】WO2012129278
(87)【国際公開日】20120927
【審査請求日】2014年11月6日
(31)【優先権主張番号】61/466,364
(32)【優先日】2011年3月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508185074
【氏名又は名称】アルコン リサーチ, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェイムズ パパック
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジェイ.ヤドロウスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン クリストファー ハキュラック
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0004397(US,A1)
【文献】 特開2005−185427(JP,A)
【文献】 米国特許第03976077(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0018468(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
A61B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸線を有するカニューレアセンブリに接続されたハンドピースであって、前記カニューレアセンブリが外側管と同心の内側管を備え、該ハンドピースが、
加圧流体によって長手方向に動かされる機械的ピストンを備えるモータであって、該機械的ピストンが伝動シャフトに動作を与える、モータと、
前記伝動シャフトの動作を前記カニューレアセンブリに接続する伝達システムであって、前記カニューレアセンブリの長手方向軸線回りに、前記内側管を第1の方向に回転させ且つ前記外側管を前記第1の方向とは異なる第2の方向に回転させる逆回転動作を提供する伝達システムと
を更に備えるハンドピースを備える、眼科用エンドプローブ。
【請求項2】
前記伝達システムが、前記カニューレアセンブリの軸線回りに一方向にのみ前記伝動シャフトに沿って回転可能な往復動ギアを備える、請求項1記載の眼科用エンドプローブ。
【請求項3】
前記伝達システムがウォームギアを備える、請求項1記載の眼科用エンドプローブ。
【請求項4】
前記伝達システムがスプラインギアを備える、請求項1記載の眼科用エンドプローブ。
【請求項5】
前記伝達システムがワンウェイ軸受を備える、請求項1記載の眼科用エンドプローブ。
【請求項6】
前記モータの数が二つであり、更に、前記伝達システムが、前記内側管および前記外側管の独立した駆動制御のための分離されたギアシステムを備える、請求項1記載の眼科用エンドプローブ。
【請求項7】
前記伝達システムがクランクシャフトを含み、該クランクシャフトが前記機械的ピストンの動作を回転動作に変換する、請求項1記載の眼科用エンドプローブ。
【請求項8】
前記機械的ピストンの動作が前記カニューレアセンブリの長手方向軸線と平行であり、前記クランクシャフトが前記カニューレアセンブリの長手方向軸線に対して垂直である、請求項7記載の眼科用エンドプローブ。
【請求項9】
前記伝達システムが、前記カニューレアセンブリの前記内側管および前記外側管に前記クランクシャフトの動作を接続すべく、互いに垂直な少なくとも2つの円錐形のギアを備える、請求項8記載の眼科用エンドプローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年3月22日に出願された米国仮出願シリアル番号第61/466,364号に対する優先権の利益を主張し、この仮出願は、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0002】
本明細書で説明する実施態様は、眼科顕微手術用エンドプローブ(endoprobe)の分野に関する。特に、本明細書に説明する実施態様は、内視鏡による光干渉断層法(OCT)の分野および眼科顕微手術法の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
眼科顕微手術法の分野は急速に発展している。通常、これらの方法は、手術されまたは診断される組織に到達可能なエンドプローブの使用を含む。かかる方法は、遠隔コンソールの制御装置に接続されたエンドプローブを有する内視鏡外科用器具を使用する。現在の最先端技術は、手術において非常に複雑なエンドプローブを提供し、複雑な機械システムを使用して操作される可動部を必要とすることが多い。多くの場合、エンドプローブの設計において電気モータが含まれている。ほとんどの先行技術の装置は、コストが掛かり、これは単回または数回のだけの外科的処置後に、この装置を廃棄することを困難にしている。さらに、先行技術の装置は、概して、数ミリメートルの断面を有したエンドプローブを使用する。これらのエンドプローブは、眼科顕微手術法ではほとんど実用的な使用がなされていない。眼科手術においては、無関係な組織に影響を与えずに、通常関係する領域をカバーするには1ミリメートル以下の大きさが好ましい。
【0004】
診断目的または治療目的のための光の時間依存型指向(time-dependent direction)を許容する走査システムが、内視鏡外科用器具に使用されている。これらの器具は、通常、その周囲に対して内視鏡の動作を必要とすることなく、組織の拡張領域一帯に、イメージング、治療、またはこれらの両方を提供するエンドプローブを使用する。しかしながら、眼科手術に適合する走査型エンドプローブを開発する試みは、軽量で小型の駆動システムを提供する難しさによって遅れている。これは、固定相対速度または制御相対速度での逆回転シャフト(counter rotating shaft)を必要とし得る、順方向眼科用走査型エンドプローブ(forward-directed ophthalmic scanning endoprobe)に特に当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、使い捨て設計の眼科顕微手術用エンドプローブを提供する、単純で効果的なシステムの需要がある。また、プラスチックなどの低コスト材料から射出成形することができる軽量な構成要素を有した使い捨て型エンドプローブの需要もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示する実施態様によるエンドプローブの駆動システムには、流体エネルギー源と、ハンドピースを有するエンドプローブと、長手方向軸線を有するカニューレアセンブリとが含まれていてもよい。カニューレアセンブリは、外側管と同心の内側管を含み、ハンドピースは、流体エネルギー源によって動力が供給されるモータであって、伝動シャフトに動作を与えるモータと、シャフトの動作をカニューレアセンブリに接続する伝達システムであって、カニューレの長手方向軸線回りに、内側管および外側管に対して逆回転動作を提供する伝達システムとを更に含んでもよい。
【0007】
さらに、本明細書に開示する実施態様によれば、エンドプローブの駆動システムには、電源と、ハンドピースを有するエンドプローブと、長手方向軸線を有するカニューレアセンブリとが含まれていてもよい。カニューレアセンブリには、外側管と同心の内側管とが含まれ、ハンドピースには、電源によって動力が供給されるモータであって、伝動シャフトに動作を与えるモータと、シャフトの動作をカニューレアセンブリに接続する伝達システムであって、カニューレの長手方向軸線回りに、内側管および外側管に対して逆回転動作を提供する伝達システムが更に含まれていてもよい。
【0008】
開示する一部の実施態様によれば、内視鏡眼科顕微手術に使用される流体コンソール(fluid console)には、外部供給源から空気圧力(pneumatic force)を得て、調節可能な空気圧力を提供する空気圧モジュールと、空気圧モジュールに接続された走査モジュールと、走査モジュールに接続されたエンドプローブとが含まれていてもよい。
【0009】
これらの実施態様および本発明の他の実施態様を、次の図面に関して以下に更に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一部の実施態様による、光走査要素と、ハンドピースと、接続ケーブルと、モータ部とを含む顕微手術用エンドプローブを示す。
図2図2は、一部の実施態様による、モータ部と、伝達システムと、カニューレアセンブリとを含むハンドピースの一部の部分断面図を示す。
図3A図3Aは、一部の実施態様による、モータ部と、伝達システムと、カニューレアセンブリとを含むハンドピースの一部の部分断面図を示す。
図3B図3Bは、一部の実施態様による、ピストン、伝動シャフト、回転ギア、および伝達軸受を示す。
図3C図3Cは、一部の実施態様による、モータ部と、伝達システムと、ねじ付きガイド(threaded guide)を使用してハンドピースに取り付けられたカニューレアセンブリとを含むハンドピースの一部の部分断面図を示す。
図4図4は、一部の実施態様による、モータ部と、伝達システムと、カニューレアセンブリとを含むハンドピースの一部の部分断面図を示す。
図5図5は、一部の実施態様による、モータ部と、伝達システムと、カニューレアセンブリとを含むハンドピースの一部の部分断面図を示す。
図6図6は、一部の実施態様による、モータ部と、伝達システムと、カニューレアセンブリとを含むハンドピースの一部の部分断面図を示す。
図7図7は、一部の実施態様による、モータ部と、伝達システムと、カニューレアセンブリとを含むハンドピースの一部の部分断面図を示す。
図8A図8Aは、一部の実施態様による、モータ部と、カニューレアセンブリとを含むハンドピースの一部の部分断面図を示す。
図8B図8Bは、一部の実施態様による、図8Aのモータ部の上から見た図を示す。
図9図9は、一部の実施態様による、モータ部と、伝達システムと、カニューレアセンブリとを含むハンドピースの一部の部分断面図を示す。
図10図10は、一部の実施態様による、空気圧モジュールと、走査モジュールとを含む流体コンソールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面において、同一の参照符号の要素は同一の機能または類似する機能を有する。
【0012】
内視鏡器具を使用する顕微手術法には、単純で費用効果のある駆動接続システムを有するエンドプローブが含まれていてもよい。エンドプローブは、専門要員によって直接操作される携帯型エンドプローブであってもよい。一部の実施態様において、エンドプローブは、ロボットアームまたはコンピュータ制御装置によって制御されてもよい。エンドプローブは、操作制御要素(専門医もしくは装置)に近接する近位端部と、組織に近接するかまたは組織に接する遠位端部とを有する。本明細書に開示する実施態様によるエンドプローブは、寸法が小さく、近位端部から操作するのが容易であり、周囲組織に対して最小の侵襲性であり得る。遠位部において、エンドプローブは最後に端部があり、そこからエンドプローブが先端近傍にある標的組織に特定の作用を及ぼす。たとえば、エンドプローブは、その先端から光を送り、先端を介して結合された、組織から反射されたかまたは散乱した光を受光しもよい。エンドプローブの先端には、先端がその作用を及ぼすことができる可動要素が含まれていてもよい。一部の実施態様において、先端には、流体障壁を備え、かつ内部移動要素から組織を分離する、固定要素が更に含まれていてもよい。
【0013】
一部の実施態様において、エンドプローブには、近位端部にハンドピースと、組織に接する遠位端部にカニューレシステムとが含まれていてもよい。カニューレシステムは、長手方向軸線(LA)に対して対称であってもよい。一部の実施態様において、カニューレシステムには、光走査要素が含まれていてもよい。カニューレシステムには、内側管と外側管の2つの同心カニューレ管が更に含まれていてもよい。また、本明細書に開示する実施態様によれば、単一の駆動システムを使用して、外側管に対して内側管に逆回転動作を提供することが望ましい。さらに、本明細書に開示する実施態様によれば、駆動システムは、空気圧流れエネルギーなどの流体流れを使用してもよい。他の実施態様は、電力を使用して、駆動システムに動力を供給してもよい。
【0014】
携帯型エンドプローブの駆動システムは、空気圧流れエネルギーを機械的なピストン動作に変換することができる。したがって、ピストン動作を用いてギアを駆動させて、エンドプローブの遠位端部の2つのカニューレ管を逆回転させることができる。ピストン動作は、伝達システムによって、逆回転するカニューレ管に伝達される。一部の実施態様において、伝達システムには、ウォームギアまたはスプラインギアなどの往復動ギアが含まれてもよい。さらに、ギアは、カニューレ管の長手方向軸線回りの一方向のみに(たとえば、ワンウェイ軸受を介して)、ピストンシャフトに沿って回転することができる。一部の実施態様において、伝達システムには、ピストンからの単一のシャフト入力をカニューレ管の結合された逆回転動作に変換するギアシステムが含まれていてもよい。
【0015】
上述する駆動システムには、デュアルピストンモータ(dual piston motor)と、内側管および外側管のそれぞれの独立した駆動制御のための分離されたギアシステムを含んだ伝達システムとが更に含まれていてもよい。一部の実施態様において、駆動システムは、クランクシャフトシステムを使用して、ピストン動作をシャフトの回転動作に伝達することができる。ピストン動作がカニューレの軸線と平行である場合、ギアシステムは、これらの個々の軸線回りに2つのカニューレを逆回転させるのに使用される。一部の実施態様において、ギアシステムには、円錐形のギアが含まれていてもよい。
【0016】
一部の実施態様において、駆動システムには、一定のまたは調節可能な(振動しない)流体流れが含まれていてもよく、この流体流れは、伝達システムに接続されたシャフトに接続される単一のファンを回転させる。上述する駆動システムには、内側管および外側管のそれぞれの独立した駆動制御のための分離されたギアシステムを駆動させるデュアルファンモータ(dual fan motor)が含まれていてもよい。駆動システムには、その各々が、独立した駆動制御に用いられるカニューレ管に直接接続されたデュアルファンモータが含まれていてもよい。
【0017】
図1は、一部の実施態様による、光走査要素110と、ハンドピース150と、接続ケーブル195と、モータ部200とを含む顕微手術用エンドプローブを示す。また、光走査要素110は、一部の実施態様によれば、「カニューレアセンブリ」と称されることもある。要素110には、エンドプローブ100の遠位端部が含まれ、この遠位端部は、エンドプローブの軸線に沿って延び、有限の断面を有し得る。たとえば、一部の実施態様において、カニューレアセンブリ110の直径は約0.5 mmであってもよく、ハンドピース150は、直径数ミリメートルの実質的に円筒形状を有してもよい。
【0018】
一部の実施態様において、アセンブリ110は、眼科顕微手術処置のために、標的組織を含む組織に接していてもよい。したがって、アセンブリ110は、組織の感染または汚染を防止する材料でコーティングされていてもよい。さらに、外科的処置およびプロトコルに、アセンブリ110の衛生基準を設定してもよく、これら衛生基準のすべては、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる。たとえば、アセンブリ110は、一旦使用された後、廃棄されることが望ましいと考えられる。一部の状況において、少なくとも、種々の患者に、または身体の種々の部分で処置が行われるごとに、アセンブリ110を廃棄することができる。
【0019】
エンドプローブ100およびアセンブリ110の実施態様は、EN ISO 14971(2007)、「医療装置−医療装置へのリスクマネージメントの適用」、ISO/TS 20993(2006)、「医療装置の生物学的評価−リスクマネジメントプロセスの手引」、ISO 14001(2004)、「環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引」、ISO 5752(2009)、「眼科器具−エンドイルミネーター−光学的放射安全性の基本的要求事項及び試験方法」、および、ISO 15004−2(2007)、「眼科器具−基本的要求事項及び試験方法−第2部:光ハザードからの保護」などの工業規格に適合することができる。上述の引用する規格文書のすべては、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0020】
図1と一致するカニューレアセンブリ110の他の実施態様が使用されてもよい。これは、たとえば、本願と同じ日付に出願され、アルコン・ラボラトリーズ社(Alcon Laboratories)に譲渡された、Mike Papac、Mike Yadlowsky、およびJohn Huculakによる「逆回転眼科用走査駆動機構」(代理人事件番号3833/45463.37)という名称の、米国特許出願に記載されているような実施態様であり、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0021】
ハンドピース150は、エンドプローブの近位端部に近接し、また、要素110と比較して、大きな断面を有し得る。一部の実施態様によれば、要素150は、エンドプローブ100の手動操作用に構成されてもよい。要素150は、ロボットによる操作、または自動装置または遠隔操作装置による保持用に構成されてもよい。アセンブリ110は、生存組織に接し得るが、要素150は、生存組織と直接接し得ない。したがって、要素150が衛生基準に準拠するものであっても、アセンブリ110に使用されるものと比較して、衛生基準を幾分緩めてもよい。たとえば、要素150には、廃棄前に繰り返し使用することができる、エンドプローブ100の部品および構成要素が含まれていてもよい。
【0022】
このように、本明細書に開示するエンドプローブ100の一部の実施態様には、要素150に複数の構成要素が含まれていてもよく、また、高価でなく、代替可能な構成要素がアセンブリ110に含まれていてもよい。一部の実施態様には、使い捨ての着脱可能な要素110があってもよく、ハンドピース150は、2回以上使用されることができる。一部の実施態様において、カニューレアセンブリ110は、接着によってハンドピース150に固定されていてもよい。他の実施態様によれば、アセンブリ110は、ハンドピース150から着脱可能であり、これによって、反復処置において、エンドプローブ100を容易に交換することができる。図1と一致する一部の実施態様は、使い捨ての要素150と、使い捨てのアセンブリ110とを有していてもよい。
【0023】
一部の実施態様において、着脱可能なカニューレアセンブリ110には、別個の外側ねじロックによる垂直挿入における押圧が含まれていてもよい。キー締めが、ハンドピース150へのアセンブリ110の挿入時に、外側管140に対する内側管130の角度を維持するのに必要である場合がある。または、小さな接着剤タックまたは使い捨ての機械的な位置合せピンを使用して、ハンドピース150へのアセンブリ110の挿入時に、外側管140に対する内側管130の相対的な角度を維持することができる。使い捨ての位置合せピンを、設置後に除去し廃棄することができる。接着剤は、使用初期で伝達力によって除去されうる。ファイバに基づくプローブにおいて、ファイバおよび支持筒は、伸縮自在であり得る。したがって、アセンブリ110が取り出され、位置が変えられる場合、ファイバを後退させることができる。格納機構には、機械的制止部(mechanical stop)に対するばねが含まれるか、または格納機構は手動であってもよい。ファイバに基づくエンドプローブの格納機構によって、着脱可能なアセンブリ110のファイバへの損傷を回避することができる。
【0024】
一部の実施態様において、遠隔コンソールまたは制御装置(図1に示さない)にエンドプローブ100を接続するように、ケーブル195が含まれていてもよい。ケーブル195には、モータ部200の機械的アクチュエータまたはモータに電力または空気圧を伝達する送電要素が含まれていてもよい。ケーブル195には、遠隔コンソールまたは制御器から組織に、レーザービームまたはレーザーパルスなどの光学情報および光強度を伝える伝達要素が含まれていてもよい。また、光伝達要素は、処理のために、組織から遠隔コンソールまたは制御器に光学情報を伝えることもできる。たとえば、ケーブル195には、組織におよび組織から光を送る少なくとも1以上の光ファイバが含まれていてもよい。一部の実施態様において、一方の光ファイバは組織に光を送ることができ、別の光ファイバは組織からの光を送ることができる。さらに、一部の実施態様では、一方の光ファイバを介して組織におよび組織から光を送ることができる。
【0025】
図1と一致する一部の実施態様によれば、エンドプローブ100は、遠隔コンソールを介して制御され、すべての操作ボタンおよび手動アクチュエータは遠隔に設置される。制御操作のうちの一部には、空気圧を「かける」もしくは「かけない」こと、または、カニューレアセンブリ110の回転速度を調節することが含まれていてもよい。一部の実施態様は、グラフィックユーザインターフェース(GUI)を用いて、コンソールで制御を提供する。他の実施態様において、外科医または医療関係者は、フットスイッチまたは音声命令を用いて、エンドプローブ100の操作を制御することができる。図1に示すような一部の実施態様には、側面にボタン160が含まれ、ボタンの押圧によって、エンドプローブ100の特定の操作が直接制御される。また、鉗子または剪刀などの、エンドプローブ100と共に使用される他の装置には、外科医が、手で押圧してスイッチを入れたり切ったりすることができるアクチュエータが含まれていてもよい。
【0026】
また、ケーブル195には、モータ部200に空気圧力を提供する配管(図1に示さない)が含まれていてもよい。たとえば、第1の配管には、モータ部200に空気圧力を提供する流入流体流れが含まれていてもよい。また、第2の配管には、モータ部200に排気を提供する流出流体流れが含まれていてもよい。さらに、一部の実施態様によれば、第1の配管には、モータ部200に第1の圧力を提供する流入流体が含まれていてもよい。第2の配管には、モータ部200に第2の圧力を提供する流入流体が含まれていてもよい。一部の実施態様において、ケーブル195は、モータ部200に電力を提供してもよい。たとえば、モータ部には、ケーブル195からの少なくとも1つの電動モータ受信電力(electric motor receiving power)が含まれていてもよい。
【0027】
図1と一致する一部の実施態様には、ハンドピース150と、着脱可能なカニューレアセンブリ110とが含まれていてもよい。アセンブリ110は、スナップ式システムまたはバヨネットシステムによってハンドピース150から容易に着脱可能でもよい。ハンドピース150には、支持および安定性を提供するために、アセンブリ110の近位端部に接続された軸受およびブッシングが含まれていてもよい。
【0028】
図1に示すような実施態様において、顕微手術用エンドプローブ100に最小の断面積があることが望ましいと考えられる。これによって、特に対象領域に隣接する領域において、標的組織における外科的処置の侵襲性を低減することができる。エンドプローブ100のカニューレアセンブリの断面積を制限するために、エンドプローブの可動部に含まれる機械的要素を互いに近接して配置する必要がある。
【0029】
モータ部200は、ハンドピース150の遠位端部に含まれていてもよい。図1に示すエンドプローブ100の実施態様によれば、アセンブリ110とハンドピース150を接続するために、モータ部200はテーパ状のプロファイルを有し得る。たとえば、一部の実施態様において、ハンドピース150は、大きな直径(およそ数mmから1 cm以上)を有し、また、アセンブリ110は、小さな直径(100 μm以下から数100 μm最大0.5 mmまで)を有し得る。モータ部200には、モータ125と、伝達システム127にモータ125を接続する伝動シャフト212とが含まれていてもよい。モータ部200は、図2〜8および図10と一致する実施態様に関して詳述される。
【0030】
図2は、一部の実施態様による、モータ部200とアセンブリ110とを含むハンドピース150の一部を示す。モータ125には、ピストン210と、空気圧流体チャネル201と、空気圧流体チャネル202とが含まれていてもよい。図2と一致する実施態様の伝達システム127は、ウォームギア220、230および240を含むヘリカルスプラインであってもよい。一部の実施態様において、伝達システム127には、ギア220、230および240のうちのいずれか1つにスプラインギアが含まれていてもよい。シャフト212は、ウォームギア220にピストン210を接続する。
【0031】
図2によれば、空気圧流れチャネル201は、第1の圧力によって一方向においてピストン210に空気圧力を提供する。空気圧流れチャネル202は、第2の圧力によって反対方向においてピストン210に空気圧力を提供する。たとえば、チャネル201の圧力の増加によって、ピストン210を押し「下げる」ことができる。一方、チャネル202の圧力の増加によって、ピストン210を押し上げることができる。逆の形態を適用してもよく、すなわち、チャネル202の圧力の減少によって、ピストン210を引き「上げる」。同様に、チャネル201の圧力の減少によって、ピストン210を引き「下げる」ことができる。また、一部の実施態様において、「押す」と「引く」の空気圧力の組合せを用いることもできる。たとえば、チャネル201の圧力は低下し、一方、チャネル202の圧力は増加し得る。したがって、チャネル201からの引張り力を、チャネル202の押出し力に加えて、ピストン210を「下方に」移動させることができる。また、チャネル201からの押出し力を、チャネル202の引張り力に加えて、ピストン210を「上方に」移動させることもできる。チャネル201および202を通してピストン210に提供される空気圧力には、真空システムが含まれていてもよい。したがって、反対側のチャネル202(または201)の圧力未満にチャネルの圧力を下げるように、真空システムをチャネル201(または202)に接続することができる。
【0032】
図2によるモータ部200には、シャフト212の周囲にシール215が含まれていてもよい。シール215は、ゴムなどの弾性材料から形成されたOリングであってもよい。シール215は、モータ125の内部の流体がアセンブリ110の内部空間に接触することを防止することができる。したがって、シール215は、モータ125における流体によるアセンブリ110内部の要素の汚染を回避する。また、シール215は、モータ125内部の圧力レベルを適切な値に維持する。
【0033】
伝達システム127には、図2と一致する実施態様によるウォームギア220、230および240が含まれていてもよい。ギア220、230および240は平行な軸線を有してもよい。図2に示すように、ギア220の回転軸線は、アセンブリ110の長手方向軸線(LA)である。ギア230は、SA2の符号が付された回転軸線を有し、また、ギア240は、SA1の符号が付された回転軸線を有する。図2〜9と一致する実施態様において、アセンブリ110の長手方向軸線は、LAの符号が付される。回転動作が内側管130に提供されるシステム127の軸線は、図2〜9と一致する実施態様においてSA2の符号が示される。回転動作が外側管140に提供されるシステム127の軸線は、図2〜9と一致する実施態様においてSA1の符号が示される。図2と一致する実施態様によれば、軸線SA1およびSA2は、軸線LAと平行である。他の実施態様の軸線SA1およびSA2は、軸線LAに対して、異なる形態を有し得る。さらに、図2〜9によれば、軸線SA1およびSA2は相互に平行であり、軸線SA1とSA2との間に距離「D」を有し得る。図2と一致する実施態様において、LAとSA1との間の距離は、LAとSA2との間の距離と同じでない場合があることに留意すべきである。図2に示す概念と一致する一部の実施態様では、軸線LA、SA1およびSA2が、同じ平面に含まれていない場合があるが、アセンブリ110の外径以内に含まれ得る。他の実施態様は、互いに対して任意の角度をなして配向された、軸線LA、SA1およびSA2を有し得る。さらに、一部の実施態様には、相互に同一線上にある軸線LA、SA1およびSA2が含まれていてもよい。
【0034】
図2によれば、ギア220はシャフト212に固定され、ギア230および240は、シャフト217回りに回転することができる。上述に従って、空気圧力によってピストン210が移動する場合、ギア220は、シャフト212によって「上方に」および「下方に」移動する。ギア220が移動すると、ギア220は、ギア230および240の溝を押し出す。ギア230および240上でのギア220の押出しによって、トルクがかけられ、シャフト217回りのギア240および230の回転が誘導される。
【0035】
図2には、カニューレアセンブリ110が含まれる。アセンブリ110は、ハンドピース150内で、伝達システム127を介してモータ125に接続される。一部の実施態様によれば、アセンブリ110には、同心管、または「カニューレ」130、140が含まれていてもよい。内側管130および外側管140はLAに沿ってこれらの対称な軸線に整列され得る。内側管130および外側管140は、中空であり、LAの周囲で回転および逆回転する際に、相対的に移動することができる。「回転する」内側管130、および「逆回転する」外側管140に対する言及は、任意であり、管130と140との間の相対的な動作を規定するものである。一部の実施態様において、管130は、軸線LA回りに「時計回りに」回転するが、管140は、軸線LA回りに「反時計回りに」回転し得る。管130が「反時計回りに」回転し、管140が「時計回りに」回転するという、逆の形態が生じてもよい。
【0036】
図2に示すように、管130および140の回転は、ギア230および240を介してモータ125によって提供される。ギア230および240は、ある時点で同じ方向に回転してもよく、共に回転するカニューレ管130および140を提供する。(たとえば、OCTにおける)光走査に使用される、図2と一致する実施態様においては、光ビームの回転走査パターンが生じ得る。かかる形態において、共に回転する管130および140は、検出を同期させることによって、固定線形光走査パターンを続けて提供することができ、その結果、固定走査線に沿って隣接する点がそれぞれ、カニューレアセンブリ110の他の回転の間に光学的に捕捉される。図2と一致する共に回転する管130および140の他の実施態様は、体積映像法で回転光ライン走査(optical line scan)に使用されることができる。ギア230および240はそれぞれ、カニューレまたは管の内壁上のねじ付きガイドによって、カニューレ管130および140に接続される。
【0037】
図2と一致する一部の実施態様には、固定カニューレ120が含まれていてもよい。カニューレ120は、アセンブリ110の保護カバーになり得る。また、カニューレ120は、外側管140の回転に作用する粘弾性力によって、標的組織で誘導された剪断歪を防止するかまたは低減することもできる。固定カニューレ120の使用は、任意であり、エンドプローブ100が導入される標的組織の種類によって決定されてもよい。
【0038】
カニューレ要素120、130および140を形成するのに使用される材料は、種々の生体適合性材料のいずれかであってもよい。たとえば、一部の実施態様には、ステンレス鋼、またはプラスチック材料で製造された要素120、130および140が含まれていてもよい。さらに、一部の実施態様は、要素120、130および140の一部または全部が保護層でコーティングされていてもよい。コーティング材料は、金層、または一部の生体適合性高分子であってもよい。一部の実施態様において、コーティング層の役割は、アセンブリ110の可動部に潤滑および摩擦軽減を提供することであり得る。たとえば、コーティング材料は、管140の内面と管130の外面との間の摩擦を低減することができる。一部の実施態様において、コーティング層の役割は、アセンブリ110と直接接触して、組織を保護することであり得る。
【0039】
内側管130および外側管140が相対的に逆回転する場合、内側管130と外側管140との間の摩擦を低減するために、アセンブリ110の一部の実施態様には、玉軸受250が含まれていてもよい。軸受250は、アセンブリ110の長さに沿って所定距離で間隔を置いて配置することができる。固定カニューレ120を含む実施態様において、軸受250は、外側管140と固定カニューレ120との間に含まれていてもよい。玉軸受250は、ステンレス鋼などの材料、またはビニールなどの硬化プラスチックから形成されてもよい。たとえば、銅またはアルミニウムおよびポリマーコーティングなどの他の材料を、アセンブリ110の可動部に摩擦軽減を提供するのに使用することができる。
【0040】
図3Aは、一部の実施態様による、モータ部200と、伝達システム127と、カニューレアセンブリ110とを含むハンドピース150の一部を示す。図2に関して上述するように、図3Aのモータ部200には、ピストン210を備えたモータ125と、シャフト212と、シール215と、空気圧流れチャネル201および202とが含まれる。図3Aのアセンブリ110には、内側管130と、外側管140とが含まれ、所望により、一部の実施態様には、玉軸受250と固定カニューレ120とが含まれていてもよい。アセンブリ110は、上で図2に関して詳述されている。
【0041】
図3Aによる伝達システム127には、回転ウォームギア320、ギア330、331、332、335、340および341が含まれる。図2に関して詳述するように、図3Aの軸線LA、SA1およびSA2は、相互に平行である。ギアシステム127は、シャフト212の「上方への」および「下方への」動作を、内側管130と外側管140との間の逆回転動作につなげる。図3Aと一致する実施態様において、ウォームギア320が一方向においてシャフト212回りに回転すると、ウォームギア320は、ギアのねじ面の「ウォーム」連結によって、反対方向におけるギア330および340の回転を誘導する。
【0042】
ギア341は、ギア340に取り付けられており、内側管に回転を提供する。図3Aと一致する一部の実施態様において、ギア341は、ギア340に対して固定され、同じ軸線SA2回りに回転することができる。ギア331は、ギア330に取り付けられており、ギア332に反対方向の回転を提供する。ギア332は、ギア335に取り付けられることができ、これによって、外側管140に回転を提供する。図3Aと一致する実施態様において、ギア330および331は、互いに固定され、同じ軸線SA2回りに回転することができる。また、ギア332および335も互いに固定され、同じ軸線218回りに回転することができる。この結果、図3Aの伝達システム127は、内側管130と外側管140との間に逆回転動作を提供することができる。たとえば、ギア330および340は共に、時計回りに回転することができ、内側管130は、ギア341によって反時計回りに回転することができる。また、外側管140は、ギア335によって時計回りに回転することができ、そして、ギア331によって反時計回りに回転する。モータ125と回転ギア320との間の接続の詳細は、図3Bに説明する。
【0043】
図3Bは、一部の実施態様における、ピストン210、伝動シャフト212、回転ギア320、および伝達軸受321を示す。図3Aおよび3Bと一致する実施態様によれば、ピストン210が「上方に」および「下方に」移動する場合、軸受321によって、ギア320はシャフト212回りに回転することができる。たとえば、シャフト212がピストン210によって「下方に」移動すると、ギア320は、ギア320に接して配置されたギア330および340のリアクショントルクによって、時計回りにまたは反時計回りに回転することができる(図3Aを参照)。一方、ピストン210が「下方に」移動する場合、ギア320は、ギア320表面の「ウォーム」ねじの配向に応じて、時計回りにまたは反時計回りに移動する。図3Bに示す実施態様において、ギア320のウォームねじは、ピストン210が移動すると、時計回りに回転する。ピストン210が「下方に」移動する場合、ギア320が反時計回りに回転するように、一部の実施態様は、逆の形態を有していてもよい。
【0044】
ピストン210が「上方に」移動する場合、異なる実施態様は、図3Bと一致し得る。伝達軸受321が標準であるような実施態様において、ピストン210が「下方に」移動する場合、双方向軸受(bidirectional bearing)が実行されるように、ギア320は、反対方向に回転することができる。これは、ギア320に接して配置されたギア330および340のリアクショントルクによるものである(図3Aを参照)。この状況において、ピストン210が「下方に」移動する場合、システム127(図3Aを参照)は、逆回転動作と反対にある外側管140に対する逆回転動作を内側管130に提供する。たとえば、ピストン210が「下方に」移動する場合、内側管130は時計回りに回転することができ、外側管140は反時計回りに回転することができる。また、ピストン210が「上方に」移動する場合、内側管130は反時計回りに回転することができ、外側管140は時計回りに回転することができる。その結果、カニューレアセンブリ110の「スプール」動作が生じる。アセンブリ110の「スプール(spooling)」動作によって、カニューレアセンブリ110との直接接触における組織の摩耗を低減することができる。「スプール」動作は、管130および140が1サイクルについて一方向に回転し、次のサイクルにおいて反対方向に回転するように切り替わるというものである。したがって、走査効果が線形軌道である間、アセンブリ110を囲む組織は剪断の低減を経験する。
【0045】
図3Bと一致する他の実施態様において、軸受321は、一方向軸受またはワンウェイ軸受(one-directional bearing or one-way bearing)であってもよく、この結果、一方向に(時計回りにまたは反時計回りに)のみ回転することができる。したがって、シャフト212がピストン210によって「上方に」および「下方に」移動すると、結果的に、ギア320は、一方向にギア330および340を回転させる。ギア330および340の回転方向は、ワンウェイギア321が回転する方向に応じて、時計回りかまたは反時計回りであり得る。たとえば、軸受321によって、ギア320は、シャフト212回りに時計回りにのみ回転することができる。かかる形態において、ピストン210が「上方に」移動する場合、および、ピストン210が「下方に」移動する場合、ギア330および340は、反時計回りに回転する。
【0046】
図3Cは、一部の実施態様による、モータ部200と、伝達システム127と、着脱可能なカニューレアセンブリ110とを含むハンドピース150の一部の部分断面図を示す。アセンブリ110は、ねじ付きガイド350を使用してハンドピース150に取り付けられている。機械的制止部360は、適所にアセンブリ110を固定する。ねじ付きガイド350および制止部360は、内側管130および外側管140の近位端部がそれぞれ、伝達システム127のギア341および335と適切に接触することを保証する。
【0047】
また、ハンドピース150および着脱可能なカニューレアセンブリ110を備えたエンドプローブ100の他の実施態様が可能であることも明らかである。たとえば、ねじ付きガイド350の代わりに、カニューレアセンブリ110を、単純にハンドピース150上に留めて、圧力によって適所にとどめてもよい。一部の実施態様において、バヨネット機構によって、ねじ付きガイド350を、ハンドピース150に施された孔または空間に固定することによって適所にアセンブリ110を固定する溝およびピンに代えることができる。着脱可能なカニューレアセンブリ110を有するハンドピース150の他の実施態様は、図3Cに示す概念を考慮して、当業者に明らかである。
【0048】
図4は、一部の実施態様による、モータ部200と、カニューレアセンブリ110とを含むハンドピース150の一部を示す。図4と一致する実施態様のモータ125には、ピストン210と、伝動シャフト212と、空気圧流れチャネル201および202とが含まれる。また、図2に関して上述するシール215も図4に含まれている。モータ125は、図2および図3Aに提供する説明と一致する方法で作動する。図4のカニューレアセンブリ110には、内側管130と外側管140とが含まれる。また、一部の実施態様には、玉軸受250と、固定カニューレ120とが含まれていてもよい。図4のアセンブリ110は、上の図2および図3Aのアセンブリ110の説明と一致している。
【0049】
モータ部200の伝達システム127は、シャフト212の「上方への」および「下方への」動作を、アセンブリ110の管130および140の逆回転動作に接続する。図4と一致する実施態様によれば、伝達システム127には、クランクシャフト450と、軸受(ブッシング)460と、円錐形のギア410、415、420、425および427と、回転軸線217とが含まれていてもよい。クランクシャフト450は、シャフト212の「上方への」および「下方への」動作を回転動作に変換する。クランクシャフト450は、両端部のブッシング460を介してモータ部200にヒンジ留めされる。ブッシング460は、回転を可能とし、クランクシャフト450に支持を与える。図4に示すように、クランクシャフト450はシャフト212に対して垂直であり得る。カニューレアセンブリ110における逆回転する管130および140は、シャフト212と平行な軸線を有する。したがって、図4に示すように、円錐形のギア410、415、420、425および427を使用して、クランクシャフト450の回転を、カニューレアセンブリ110の軸線回りの回転に変換することができる。
【0050】
図4と一致する実施態様によれば、ギア410および420は、クランクシャフト450上に軸線を有し、クランクシャフト450に固定されていてもよい。ギア410の平面に対して垂直な平面に配向されたギア415は、アセンブリ110の軸線に沿った軸線を有する。ギア415は、アセンブリ110の内側管130に固定されていてもよい。したがって、クランクシャフト450によるギア410の回転は、内側管130の回転を誘導する。同様に、ギア427は、ギア420の平面に対して垂直な平面に配向され、アセンブリ110の軸線に沿った軸線を有する。ギア427は、外側管140に固定され、ギア425を介してギア420に接続されてもよい。ギア425は、クランクシャフト450と平行なシャフト217上のその軸線と共に、ギア420と同じ面にあってもよい。シャフト217は、ブッシング460を介してモータ部200にヒンジ留めされ、これによって、ギア420が回転すると、シャフト217およびギア425は回転することができる。ギア420が回転すると、ギア420は、ギア425および427に回転を伝達し、これによって、外側管140を回転させる。クランクシャフト450から外側管140までの伝達トレイン(transmission train)におけるギア425を含めることで、管130に対する逆回転動作が提供される。したがって、図4と一致する実施態様において、軸線SA1およびSA2は、相互に平行であってもよいし、軸線LAを含む平面を形成してもよい。ただし、軸線LAは、軸線SA1およびSA2に対して垂直である。さらに、図4と一致する一部の実施態様において、軸線LAは、平行な軸線SA1およびSA2によって形成された平面内になくてもよい。
【0051】
また、図4は、光ファイバ配線路470も示す。配線路470は、モータ部200に開けられた孔であってもよく、この孔によって、光ファイバがアセンブリ110の遠位端部に到達することが可能になる。また、配線路470には、光ファイバ束などの複数の光ファイバが含まれていてもよい。配線路470は、モータ部200に孔を開けることによって形成されてもよい。一部の実施態様において、配線路470は、2つの成形されたモータ部200の半分を連結することによって形成されてもよく、モータ部の半分はそれぞれ、その中に成形された、配線路470のための溝またはチャネルを有する。
【0052】
図5は、一部の実施態様による、モータ部200と、カニューレアセンブリ110とを含むハンドピース150の一部を示す。図5のモータ125には、流入流れチャネル501と、速度調節部505と、駆動ファン510と、排気管502とが含まれていてもよい。また、図2に関して上述するシール215も図5に含まれている。図5と一致する実施態様によれば、流体は、流入流れチャネル501から排気管502に連続的に流れる。速度調節部505は、ファン510によって流れ速度を増加させるか、または減少させることができる。図5と一致する実施態様の伝達システム127は、図4に関して説明されるシステム127と類似している。したがって、図5の軸線LAに対する軸線SA1およびSA2の配置は、図4での説明に従う。
【0053】
図5と一致する実施態様によれば、流体は、チャネル501からチャネル502に連続的に流れる。流体がファン510に衝突すると、流体は、シャフト212にファンの軸線回りの回転動作を与える。一部の実施態様において、ファン510には、シャフト212の軸線を含む平面に対して垂直な表面領域に広がる各ブレードが含まれる。さらに、ブレードがそれぞれ、シャフト212周囲の螺旋体の一部に及ぶように、ブレードは曲がっていてもよい。螺旋体は、すべてのブレードと同じ方向に(すなわち、時計回りにまたは反時計回りに)配向される。螺旋体の具体的な配向、および流体流れの方向によって、シャフト212の回転方向を決定することができる。図5に示すように、モータ125には、チャネル501に速度調節部505が含まれていてもよい。速度調節部505は、ファン510の「上流に」配置される。図5と一致する実施態様において、調節部505は、流れに対してベンチュリ効果を形成するように、チャネル501に狭窄を提供してもよい。かかる形態において、非圧縮性流体またはほぼ非圧縮性の流体に対するベンチュリ効果には、流れ断面の低減、および流れ速度の増加が含まれる。したがって、流体からシャフト212の回転動作への運動量移動を増加させることができる。速度増加の程度は、チャネル501の断面を正確に調節することによって、変更することができる。したがって、図5と一致する一部の実施態様は、アセンブリ110の管130および140の回転動作に対する速度制御を提供することができる。
【0054】
図5のアセンブリ110は、上の図2および図3Aのアセンブリ110の説明と一致している。また、図5のファイバ配線路470も、上の図4に関して提供する説明と一致している。
【0055】
図6は、一部の実施態様による、モータ部125と、伝達システム127と、カニューレアセンブリ110とを含むハンドピース150の一部を示す。図6のモータ部125は、図5に関して上に提供する説明と一致している。伝達システム127は、図4に関して上に提供する説明と一致している。したがって、軸線SA1およびSA2は、相互に平行であるが、軸線LAは、軸線SA1およびSA2に対して垂直である。図6のアセンブリ110は、上の図2および図3Aのアセンブリ110の説明と一致している。また、図2に関して上述されたシール215も図6に含まれている。図6と一致する実施態様によれば、ファイバ配線路470は、軸線LAに沿って延び得る。したがって、配線路470に含まれる光ファイバおよび他の要素の湾曲は、最小に低減される。図6に示す配線路470を提供するために、モータ125は、ハンドピース150の側面に配置され、シャフト212の長さを増加させてもよい。
【0056】
図7は、一部の実施態様による、モータ部125と、伝達システム127と、カニューレアセンブリ110とを含むハンドピース150の一部を示す。モータ部125には、2つのモータが含まれていてもよく、それぞれのモータは、図5および6におけるようなファン710−1および710−2を含み、ファイバ配線路470の周囲でハンドピース150のいずれか一方の側に配置される。図7において、ファイバ配線路470は、図6に関して説明するとおりである。また、図2に関して上述されたシール215も図7に含まれている。図7のアセンブリ110は、上の図2および図3Aのアセンブリ110の説明と一致している。
【0057】
図7と一致する実施態様によれば、モータ125には、ファン710‐1と710−2の両方に注ぎ込む入口流路701が含まれていてもよい。排気流れは、各ファン710−1および710−2にそれぞれ衝突した後、2つのチャネル710−1および710−2を通ってエンジン125から出ることができる。さらに、一部の実施態様には、アクチュエータ721−1および721−2が含まれていてもよく、このアクチュエータは、図5の調節部505に関して説明するように、速度調節の制御を提供する。したがって、図7と一致する実施態様は、ファン710−1および710−2の速度を独立して調節することができる。一部の実施態様において、ファン710−1および710−2のブレードは、反対方向で配向されていてもよく、その結果、シャフト212−1および212−2は、相対的に回転および逆回転する。このシステムは、単一の空気圧力を利用し、この空気圧力によって、2つの対向する方向に回転動作が提供され、また、伝達システム127の設計が単純化される。
【0058】
図7に示す伝達システム127には、シャフト212−1の回転を外側管140に接続するギア720−1および730−1が含まれていてもよい。また、システム127には、シャフト212−2の回転を内側管130に接続するギア720−2および730−2が含まれていてもよい。図7と一致する他の形態が、可能であり、たとえば、外側管140にシャフト212−2の回転を接続するギア720−2および730−2、内側管130にシャフト212−1の回転を接続するギア720−1および730−1である。かかる形態において、ギア730−2および730−1の再配置が、内側管130およびギア730−1にクリアランス空間を提供するために必要な場合がある。図7によれば、上の図2に関して詳述するように、軸線LA、SA1およびSA2は、相互に平行である。
【0059】
図7と一致する実施態様によれば、シャフト212−1は、所定方向に回転することができるが、管140に提供される回転は、反対方向であってもよい。シャフト212−2および管130についても同様であり得る。最終的な結果は、管130および140が、相対的に逆向きに回転動作をするということである。さらに、管130および140のそれぞれの速度は、アクチュエータ721−1および721−2を使用して相互に独立して調節されてもよい。図7に示すエンジン125の作動により、同じ空気圧力が使用され、2つの逆回転動作がもたらされる。
【0060】
図8Aは、一部の実施態様による、モータ部125と、カニューレアセンブリ110とを含むハンドピース150の一部を示す。図8Aと一致する実施態様によれば、2つの別々の流れチャネル803−1および803−2が提供され、これらはそれぞれ、流れ入口801−1および801−2と、排気チャネル802−1および802−2とを有する。それぞれの流れチャネルにおいては、駆動ファン810-1および810−2が、流れ方向に対して接線方向に配置される。ファン810−1および810−2は、流れチャネル803−1および803−2を含む平面内に配向される。したがって、ファン810−1および810−2の回転軸線は、流れチャネル803−1および803−2の方向に対して垂直である。ファン810−1および810−2には、ファンの軸線を含む平面と平行な平面に表面部分を有するブレードが含まれる。さらに、流れチャネル803−1および803−2が、ファンのブレードの先端によって、一部に沿って遮断されるように、ファン810−1および810−2が配置されてもよい。チャネル803−1および803−2における流体が、ファン810−1および810−2のブレードに衝突すると、流体からブレードの運動量移動によって、ブレードの軸線回りのファンの回転動作が生じる。図8Aのアセンブリ110は、上の図2および図3Aのアセンブリ110の説明と一致している。また、LAに沿って延びるファイバ配線路470も、上の図6に関して提供する説明と一致している。図8Aのシール215は、図2に関して上述するとおりである。
【0061】
図8Aと一致する実施態様によれば、モータ125から内側管130および外側管140への回転動作の伝達はそれぞれ、ファン810−2および810−1を介して直接提供されることができる。したがって、図8Aに示すような形態において、ハンドピース150の長手方向でない空間が使用され、また、少数の伝達ギアが必要であるか、または伝達ギアは必要ではない。図8Aと一致する実施態様において、軸線LA、SA1およびSA2は同一線上にある。一方、入口チャネル801−1および801−2、排気チャネル802−1および802−2を含めて、2つの流れチャネル803−1および803−2の使用が必要な場合がある。図8Aに示すように、チャネル803−1および803−2を通る流れは、反対方向に生じる。これは、外側管140(ファン810−1)に対して逆の回転動作を内側管130(ファン810−2)に提供する。下に図8Bに関して詳述するように、図8Aに示す概念と一致する他の形態が可能である。
【0062】
図8Bは、一部の実施態様による、図8Aのモータ部125の上から見た図を示す。図示された2つの形態において、明瞭にするため、851および852、810−1および810−2を別々に表す。ファン810−1および810−2が互いの上に配置され、上の図8Aに示すように、これらの回転軸線を共有することが理解される。構成851において、逆回転動作は、ファン810−1および810−2に対して接線方向に、およびファンの中心に対して対向面に、流れチャネル803−1および803−2を配置することによって、ファン810−1および810−2に提供される。かかる形態において、チャネル803−1および803−2の同じ方向において流体流れを有することによって、ファン810−1および810−2の逆回転動作が生じる。形態852において、逆回転動作は、ファン810−1および810−2に対して接線方向に、およびファンの中心に対して同じ側に、流れチャネル803−1および803−2を配置することによって、ファン810−1および810−2に提供される。かかる形態において、チャネル803−1および803−2の反対方向において流体流れを有することによって、ファン810−1および810−2の逆回転動作が生じる。
【0063】
図8Bの851などの形態によって、モータ125が、流れチャネル803−1と803−2の両方において、単一の流れ入口801および単一の排気口802を有することが可能になることに留意すべきである。図8Bの形態852と一致する実施態様は、流れチャネルにおいてファン810−1および810−2の一方の側のみを使用することによって、ハンドピース150に使用される断面空間を低減するという利点を有し得る。
【0064】
図9は、一部の実施態様による、モータ部125と、伝達システム127と、カニューレアセンブリ110とを含むハンドピース150の一部を示す。図9と一致する実施態様は、2つのモータ910−1および910−2が、内側管130および外側管140に逆回転動作を提供する点で、図7に説明する実施態様と類似している。したがって、図9の伝達システム127は、図7に関して説明するとおりであり、これには、軸線LA、SA1およびSA2の相対的な配向が含まれる。図9のアセンブリ110は、上の図2および図3Aのアセンブリ110の説明と一致している。また、ハンドピース150の軸線に沿って延びるファイバ配線路470も、上の図6に関して提供する説明と一致している。
【0065】
一部の実施態様によれば、図9のモータ910−1および910−2は、電動モータであってもよい。したがって、流体流れは、図9と一致する実施態様において必要でない場合があり、また、シール215は、設計に含まれていない場合がある。
【0066】
図10は、一部の実施態様による、空気圧モジュール1050と、走査モジュール1060と、エンドプローブ100とを含む流体コンソール1000を示す。図10によれば、空気圧力は、オン/オフスイッチ1012によって連動する壁圧コネクタ1010などの外部供給源から得られる。空気圧力は、要素1055〜1057を含むモジュール1050によって調節される。機械的調節器(M)1055は、電動調節器(E)1056および(E)1057の入力範囲内におおよそある流入壁圧を調節するのに使用される。電動調節器(E)1056および(E)1057は、圧力チャンバ1051および1052に細かく制御可能な圧力調節を提供する。対応するチャンバ内の圧力を制御するために、調節器1056および1057は、それぞれの制御ループに含まれている。
【0067】
圧力チャンバ1051は流体に第1の圧力(圧力1)を提供し、圧力チャンバ1052は流体に第2の圧力(圧力2)を提供する。圧力1は、圧力2とは異なる外科手術に使用されてもよい。たとえば、一部の実施態様において、圧力1は、剪刀システム、または、手術時に使用される他の機械的要素を操作するのに使用されてもよい。さらに、システムは、硝子体切除術においてカッターにエネルギーを与えることができる。
【0068】
要素1052によって提供される圧力2は、パッチケーブル1058を介して走査モジュール1060に接続される。ケーブル1055は、予め選択された圧力で流体を収容することが可能なプラスチック管であってもよい。走査モジュール1060には、ケーブル1055および結合圧力2を要素1065に収容する入口コネクタ1070が含まれていてもよい。そして、要素1065は、圧力2を、予め選択された走査圧力(圧力3)に変換し、バルブ1061および1062を介して、スキャナ1の流れチャネル1071およびスキャナ2の流れチャネル1072に接続される。先に提供する説明と一致する一部の実施態様において、スキャナ1には、内側管130の回転に関連する図1〜8の要素のうちの一部が含まれていてもよい。同様に、スキャナ2には、外側管140の回転に関連する図1〜8の要素のうちの一部が含まれていてもよい。
【0069】
一部の実施態様によれば、走査モジュール1060は、OCT走査モジュールであってもよい。かかる場合において、スキャナ1は、遠位端部に光学素子を有する、アセンブリ110の内側管130に関連付けられてもよい。同様に、スキャナ2は、遠位端部に光学素子を有する、アセンブリ110の外側管140に関連付けられてもよい。
【0070】
本明細書に開示する一部の実施態様によるプローブ100は、2つの同心管の逆回転動作を正確に制御する、単純で効果的なシステムを提供することができる。かかるエンドプローブは、OCTイメージングエンドプローブ、またはマルチスポットレーザーエンドプローブ(multi-spot laser endoprobe)として使用されてもよい。エンドプローブは、3次元のレイアウトであってもよいが、エンドプローブは、断面において高度に抑制され、一定方向に延び得る。したがって、本明細書に説明する実施態様によるエンドプローブは、エンドプローブの長さ方向である長手方向軸線と、断面とを有していてもよい。さらに、一部の実施態様において、エンドプローブは、少なくとも、遠位端部を含み得るエンドプローブの一部において、軸線方向に対称であってもよい。
【0071】
OCTイメージング技術において、コヒーレンス長を有する光ビームを、エンドプローブの使用によって、標的組織の特定の箇所へ向けることができる。コヒーレンス長は、解像度深さを提供し、エンドプローブの近位端部で変化する場合、デコンボリューションされて、照射された組織の一部の詳細な画像が生成され得る。詳細なプロファイルは、通常、OCT技術のAスキャンと呼ばれる。走査線に沿って照射する箇所を走査することによって、Aスキャンプロファイルは、2次元組織画像に変換されてもよい。これは、OCT技術のBスキャン法と呼ばれることもある。一部の実施態様において、Bスキャンは、組織の断面に沿った直線である。さらに、組織の種々の走査線に沿ってBスキャンを繰り返すことによって、組織の3D表現が提供され得る。一部の実施態様において、Bスキャンは、同じ長さを有する1組の走査線であり、共通の交差点から半径方向に配置されてもよい。したがって、複数のBスキャンは、深さを有した、組織の円形領域の画像を提供することができる。
【0072】
OCTの走査モジュール1060の一部の実施態様によれば、複数のAスキャンは、各Bスキャンステップについて完了することができる。たとえば、512のAスキャンを用いて、1つのBスキャンを完了することができる。一部の実施態様において、Bスキャンサイクルごとに少ない数のAスキャンを用いることによって、Bスキャン法をより速い速度で行うことができる。かかる場合において、管130および140の回転速度および逆回転速度は更に増加し得る。
【0073】
予め選択されたパターンに配置されたBスキャン線を含む、複雑な組の走査線の複数組を得るために、可動部がエンドプローブの遠位端部で使用されることができる。可動部には、所望の方向に沿って光ビームを進めるように移動する精巧な光学部品が含まれていてもよい。この動作の正確な制御は、OCT法の効果にとって重要である。特に、Aスキャンが、Bスキャン線に沿って整列され、連続的な画像に適合するように、動作の再現性が必要であり得る。一部の実施態様において、エンドプローブの可動部の動作は、閉鎖した軌道を有する周期的なサイクルであってもよい。たとえば、軌道は、エンドプローブの軸線を中心とする円形であってもよい。エンドプローブの長手方向軸線は、光学系の光軸であってもよい。
【0074】
本明細書に開示する一部の実施態様による対称な軸線を有する、実質的に1次元のエンドプローブは、エンドプローブの軸線の周囲で放射状に配向されたBスキャンを提供することができる。これを達成するために、2つの逆回転要素を使用することができ、このため、ギアの組合せを使用して、伝達システムによって同期させることができる。たとえば、エンドプローブの軸線の周囲で同心的に配置された2つの逆回転要素は、エンドプローブの軸線に対して垂直で、かつエンドプローブの軸線を中心とした平面において、半径方向に沿ってビームの光走査を提供することができる。かかる配置には、引用によりその全体が本明細書中に組み込まれる、Wuらの論文(J. Wu、M. Conry、C. Gu、F. Wang、Z. Yaqoob、およびC. Yang;"Paired-angle-rotation scanning optical coherence tomography forward-imaging endoprobe" Optics Letters, 31(9) 1265 (2006))に詳述されているような光学素子を使用してもよい。一部の実施態様には、所望に応じて、2つの逆回転要素の相対的な状態および速度を調節することができるように、同期システムが含まれていてもよい。したがって、2つの逆回転要素は、エンドプローブの軸線を含む平面に沿って直線状の径方向走査(linear radial scanning)を提供することができる。さらに、逆回転要素の相対的な角速度および状態を調節することによって、径方向走査の平面は、エンドプローブの軸線まわりに回転することができる。上述する一部の実施態様は、径方向走査が完全に直線状でないものと考えられる。すなわち、光ビームは、エンドプローブの軸線を含んだ平面内に含まれる完全な走査線で移動することができない。一部の実施態様において、動作は、平面の走査線に実質的に近接する細長い軌道で、平面に実質的に近くてもよい。一部の実施態様において、光ビームの軌道は、エンドプローブの軸線に対して垂直でかつ軸線を中心とする平面で、細長い「8」の数字を形成してもよい。
【0075】
一部の実施態様において、OCT技術は、順方向走査法を用いる。この場合、光照明は、エンドプローブの軸線の順方向で生じる。順方向走査において、標的組織は、エンドプローブの軸線に対して垂直な平面において、エンドプローブの前方にあり得る。したがって、エンドプローブの先端から組織に移動する光、および、組織からエンドプローブに戻る光は、エンドプローブの軸線と実質的に平行な方向に移動することができる。順方向走査を用いる一部の実施態様において、標的組織は、エンドプローブの軸線に対して正確にではないが、ほぼ垂直である。さらに、一部の実施態様において、エンドプローブから標的組織に移動する光、および、標的組織からエンドプローブに移動する光は、エンドプローブの軸線と平行でないが、エンドプローブの軸線まわりに対称パターンを形成することができる。たとえば、順方向走査における標的組織を照射する光は、エンドプローブの軸線の周囲で、円錐体またはその一部を形成することができる。同様に、順方向走査においてエンドプローブにより集光された光は、エンドプローブの軸線周囲の円錐体部の一部を含む、3D領域の標的組織によるものであってもよい。
【0076】
一部の実施態様において、OCT技術は、サイドイメージングを用いてもよい。たとえば、サイドイメージングにおいて、標的組織は、エンドプローブの軸線を含む平面と平行であり得る。このような状況において、エンドプローブの軸線周囲の円形軌道における照明スポットを移動させ、標的組織の閉ループ画像を形成することが望ましいと考えられる。かかる状況は、血管内処置を含む眼科顕微手術で生じ得る。たとえば、冠動脈硬化において、冠状動脈の内壁は、本明細書に説明する実施態様を使用して、動脈内腔に沿って円筒状部分において完全に走査されることができる。
【0077】
一部の実施態様では、治療目的を意図したレーザー光線の送達のために、本明細書に提供するようなエンドプローブを使用してもよい。たとえば、光線力学処置において、レーザー光線を走査して、過去に標的組織に送られた薬剤に含まれる化学物質を活性化させてもよい。一部の実施態様において、レーザー光線を使用して、標的領域から組織もしくは残留物質を選択的に切除するかまたは除去してもよい。先に説明する実施態様において、届けられる光の正確な制御は、エンドプローブの遠位端部の移動可能な構成要素によって提供される。
【0078】
本明細書に開示する一部の実施態様による直線動作への回転動作の変換によって、直線動作を行う滑らかなシステムが提供されることに留意すべきである。回転動作が継続的に提供され得るが、周期的な直線動作は、直接試みられる場合、機械的要素の停止および加速を必要とし得る。摩擦を受ける機械的要素の停止および加速は、望ましくないと考えられる。
【0079】
上述する本発明の実施態様は、単に例示にすぎない。当業者であれば、具体的に開示するものから、種々の代替的な実施態様を認識し得る。また、これらの代替的な実施態様も、本開示の範囲内にあるものとする。このため、本発明は、次に示す特許請求の範囲のみにより限定される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10