(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロセッサとメモリとを備えたコンピューティングデバイスであって、前記メモリは前記プロセッサに請求項1に記載の方法を実行させるプログラムを記録したことを特徴とするコンピューティングデバイス。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード事業を営む事業者(以下、「クレジットカード事業者」)は、クレジットカードを保有する利用者(以下、「クレジットカード会員」)から、電話での問い合わせに対応することが多い。事務作業のオートメーション化が進みつつあるが、このような電話対応サービスは、オペレータによる生の人間の声により適切な対応を受けられることも多く、いまだにクレジットカード会員による大きな需要があると言える。特に、クレジットカードを紛失し、その利用を停止する場合に、即時にオペレータが対応してくれるので、このようなケースで大きな利点を有する。
【0003】
上述した電話対応サービスを実現する上で、クレジットカード事業者は、電話網と自動音声応答(IVR:Interactive Voice Response)システムとを連動したコールセンタシステムを設置していることが多い。IVRシステムとは、発信者による電話機の番号入力に応答して、予め録音してある音声ガイダンスを発信者側に自動的に再生して、音声による自動応答を行うコンピュータシステムである。上述したコールセンタシステムは、オペレータ対応が不要な問い合わせ(つまり、予め録音している音声ガイダンスを再生して対応するもの)と、オペレータ対応が必要な問い合わせとのそれぞれを、発信者の番号入力に応じて、処理を振り分ける。
【0004】
クレジットカード会員が、クレジットカード事業者からの電話対応サービスを受ける場合に通常行われる手順を、
図1を参照して説明する。
【0005】
クレジットカード会員は、問い合わせ先となるコールセンタシステムの電話番号に電話をかける(ステップS101)。このクレジットカード会員からの発呼に応答して、コールセンタシステムのIVRシステムが、所定の音声ガイダンスを再生して、クレジットカード会員を案内する。
【0006】
クレジットカード会員は、IVRシステムの音声ガイドに従って、サービス識別番号を入力する(番号をダイヤルする)(ステップS102)。サービス識別番号とは、クレジットカード会員が要求する電話対応サービスの種別を識別する番号であり、音声ガイドがその問い合わせ種別を案内する(例えば、支払い金額の照会がダイヤル「01」、利用可能額の照会がダイヤル「02」など)。
【0007】
次に、クレジットカード会員は、自身に割り当てられた会員識別番号を入力する(番号をダイヤルする)(ステップS103)。会員識別番号は、例えば、クレジットカード会員が有するクレジットカードの番号などの、所定の識別番号である。会員識別番号が入力されると、コールセンタシステムがその識別番号を認識し、コールセンタシステムにおいて、該当のクレジットカード会員が特定される。
【0008】
次に、クレジットカード会員は、予め登録された自身の暗証番号を入力する(番号をダイヤルする)(ステップS104)。この暗証番号は、クレジットカード会員が予めクレジットカード事業者に登録するものであり、所定の桁数から構成される。暗証番号が入力されると、コールセンタシステムがその暗証番号を認識し、コールセンタシステムにおいて、該当のクレジットカード会員が認証される。
【0009】
クレジットカード会員が認証されると、IVRシステムの音声ガイドに従って、所定の番号を入力して(ステップS105)、音声ガイドによるサービスまたはオペレータによるサービスを受けることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したコールセンタシステムによる電話対応サービスは、オペレータなどの人員作業を軽減することができるとともに、暗証番号の入力により認証を行っているので、悪意のある第三者の不正を防止することができる。特に、クレジットカード番号などの会員識別番号が第三者に漏れた場合、クレジットカード情報などの特に機密性が高い情報が漏洩することを防止するために、暗証番号を入力するなどによって、本人認証を行っている。
【0012】
しかしながら、クレジットカード会員が希望しているサービスを受けるまでに、音声ガイドに従って番号を入力する手順が、クレジットカード会員にとっては煩わしいことがある。特に、上述した暗証番号を入力する際に、クレジットカード会員が暗証番号を忘れている場合に、以下に説明する手順が必要となり、さらに煩わしい手順を要することになる。
【0013】
図2は、クレジットカード会員が暗証番号を忘れた場合に、暗証番号を問い合わせる手順を示すフローチャートである。ステップS201およびステップS203は、
図1で説明したステップS101およびステップS103と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0014】
ステップS201では、クレジットカード会員は、IVRシステムの音声ガイドに従って、サービス識別番号を入力する(番号をダイヤルする)ことになるが、ここでの入力は、暗所番号照会について割り当てられた番号を入力することになる。
【0015】
ステップS204では、クレジットカード会員は、クレジットカード事業者に登録された、クレジットカード会員に関する情報を入力する(番号をダイヤルする)。ここでの、クレジット会員に関する情報とは、電話番号などのクレジットカード会員を特定することができる、予め登録された番号などである。
【0016】
ステップS205では、クレジットカード会員は、クレジットカード事業者に登録された所定のキーワード入力する(番号をダイヤルする)。ここでの、所定のキーワードとは、予めクレジットカード事業者に対して登録された、暗証番号を忘れた際に入力することになる情報であり、例えば、誕生年月の4桁(例えば、誕生年月が12月01の場合は「1201」)である。
【0017】
上述した手順は、
図1で説明した電話対応サービスを受ける際の手順とほぼ同等か、またはそれ以上の負担が強いられる手順である。このような手順は、悪意のある第三者の不正を防止する観点では有効であるが、クレジットカード会員にとっては、通常の電話対応サービスを受ける際の手順とは別に、さらにそれ以上の負担が強いられる手順を必要とし、煩わしいものとなる。特に、クレジットカードを紛失し、クレジットカードの利用の停止を希望する場合には、クレジットカード会員にとっては一刻も早く利用を停止することを望むことが考えられるが、暗証番号を忘れている場合、上述した手順に要する時間だけ、対応が遅れることになる。
【0018】
特許文献1では、IVRなどの自動音声応答部を備えた口座開設システムが開示されている。特許文献1に係る発明では、顧客端末から受信した第1顧客情報が受付番号および登録番号に関連付けて記録され、自動音声部を介して顧客端末から受信した第2顧客情報が受付番号および登録番号に関連付けて記録することによって、第2顧客情報に対応する第1顧客情報を特定する上で両方の顧客情報を突合せる作業を容易にしている。この第2顧客情報を、自動音声応答部を介して受信することによって、オンライン処理システムの省力化を図っている。
【0019】
しかしながら、特許文献1で開示された発明は、コールセンタシステムにおいて、上述したようなクレジットカード会員の負担を軽減するものではない。
【0020】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クレジットカード会員の認証を安全に行いつつ、従来方式でのクレジットカード会員に強いられていた負担を軽減する、コールセンタシステムによって実行される認証方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の課題を解決するために、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第1の態様は、電話対応サービスを提供する、クライアントコンピュータおよびオペレータ端末に接続されたサーバコンピュータにより実行される方法であって、前記サーバコンピュータは、前記電話対応サービスを受けるユーザの第1のユーザ画像データを含むユーザ情報を記憶した、ユーザ情報記憶部を備え、前記クライアントコンピュータからユーザ識別番号を受信するステップと、前記受信したユーザ識別番号に基づいて、前記ユーザ情報記憶部からユーザデータを取得するステップと、前記ユーザデータを取得したことに応答して、前記クライアントコンピュータにユーザ画像データ要求を送信するステップと、前記クライアントコンピュータから第2のユーザ画像データを受信するステップと、前記オペレータ端末に、前記取得したユーザデータに含まれる第1のユーザ画像データ、および前記受信した第2のユーザ画像データを送信するステップとを備えたことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第2の態様は、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第1の態様において、前記送信した第1のユーザ画像データと、前記送信した第2のユーザ画像データとが同一の画像を表している場合に、前記オペレータ端末から肯定応答を受信するステップをさらに備えたことを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第3の態様は、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第1または第2の態様において、前記第2のユーザ画像データは、前記クライアントコンピュータ上に複数記憶されており、前記方法は、前記オペレータ端末に、前記取得したユーザデータに含まれる複数の第1のユーザ画像データ、および前記クライアントコンピュータによって選択された1つの第2のユーザ画像データを送信するステップをさらに備えたことを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第4の態様は、電話対応サービスを提供する、クライアントコンピュータおよびオペレータ端末に接続されたコンピュータシステムであって、前記電話対応サービスを受けるユーザの第1のユーザ画像データを含むユーザ情報を記憶した、ユーザ情報記憶部と、前記クライアントコンピュータからユーザ識別番号を受信する、ユーザ識別番号受信部と、前記受信したユーザ識別番号に基づいて、前記ユーザ情報記憶部からユーザデータを取得する、ユーザデータ取得部と、前記ユーザデータを取得したことに応答して、前記クライアントコンピュータにユーザ画像データ要求を送信する、ユーザ画像データ要求部と、前記クライアントコンピュータから第2のユーザ画像データを受信する、ユーザ画像データ受信部と、前記オペレータ端末に、前記取得したユーザデータに含まれる第1のユーザ画像データ、および前記受信した第2のユーザ画像データを送信する、ユーザ画像データ送信部とを備えたことを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第5の態様は、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第4の態様において、前記送信した第1のユーザ画像データと、前記送信した第2のユーザ画像データとが同一の画像を表している場合に、前記オペレータ端末から肯定応答を受信する、認証結果受信部をさらに備えたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第6の態様は、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第4または第5の態様において、前記第2のユーザ画像データは、前記クライアントコンピュータ上に複数記憶されており、前記ユーザ画像データ送信部は、前記オペレータ端末に、前記取得したユーザデータに含まれる複数の第1のユーザ画像データ、および前記クライアントコンピュータによって選択された1つの第2のユーザ画像データを送信することを特徴とする。
【0027】
また、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第7の態様は、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第1乃至第3の態様のいずれかにおける方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【0028】
また、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第8の態様は、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第7の態様におけるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体である。
【0029】
また、本発明に係るコールセンタシステムにより実行される認証方法の第9の態様は、プロセッサとメモリを備えたコンピュータであって、前記メモリは前記プロセッサに本発明に係るコールセンタシステムおよび即時口座振替方法の第1乃至第3の態様のいずれかにおける方法を実行させるプログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る認証方法によれば、クレジットカード会員の暗証番号の入力などを必要せずに、機密性が高い方式でクレジットカード会員を認証することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る認証方法を詳細に説明する。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態に係るコールセンタシステムを実現するコンピュータシステム全体の構成の例を示している。
【0034】
本実施形態に係るコールセンタシステムは、CTI(Computer Telephony Integration)サーバ1、携帯端末(携帯電話など)2a、2b、・・・2n(以下、総称して「携帯端末2」)、およびオペレータ端末3a、3b、・・・3n(以下、総称して「オペレータ端末3」)を備えている。CITサーバ1と携帯端末2とは、電話網(3GおよびLTEなどの通信方式を使用)、およびデータネットワーク(インターネットなど)を介して相互に接続されている。また、CTIサーバ1とオペレータ端末3とは、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して相互に接続されている。
【0035】
CTIサーバ1は、本実施形態に係るコールセンタシステムを提供する主要なコンピューティングデバイスであり、携帯端末2からの着呼に応答して、後述する会員データテーブルと連動し、オペレータ端末3に会員情報を表示させる。
【0036】
携帯端末2は、クレジットカード会員が使用し、本実施形態に係るコールセンタシステムに対して電話問い合わせを行う携帯型コンピューティングデバイスである。本実施形態では、タッチパネルディスプレイを備え、通話機能および画像表示機能(ウェブブラウザなど)を有する携帯端末を想定しているが、そのようなデバイスに限定されず、通話機能および画像表示機能を有するパーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0037】
オペレータ端末3は、クレジットカード事業者のオペレータが使用する、通話機能および画像表示機能(ウェブブラウザなど)を有するコンピュータ端末である。オペレータは、オペレータ端末3を使用して、クレジットカード会員からの電話に応答し、当該クレジットカード会員に関する情報を画面に表示する。オペレータ端末は、パーソナルコンピュータなどと、電話機などとを組み合わせたものでもよく、または、それらが一体となった通話機能付き(IP電話など)のパーソナルコンピュータなどであってもよい。なお、オペレータ端末3は、本分野において周知なコンピューティングデバイスまたは電話機において実装するので、本明細書では、詳細な説明を行わない。
【0038】
次に
図4を参照して、本発明の実施形態に係るコールセンタシステムを構成するコンピューティングデバイスの詳細な構成の例を説明する。
【0039】
CTIサーバ1は、呼制御・通信部11、IVR制御部12、IVR13、データ通信部14、オペレータ選択部15、会員情報取得部16、トーン信号認識部17、およびデータベーステーブル18を備えており、それらの各要素は相互に内部バスで接続されている。
【0040】
呼制御・通信部11は、電話網4を介した携帯端末2からの着呼を受信し、携帯端末2とIVR13との間の呼を確立する。また、呼制御・通信部11は、オペレータ選択部15の指示によって、選択されたオペレータ端末3との間で呼を確立する。なお、呼制御方式は、例えばSIP(Session Initiation Protocol)やH.323などの方式を適用してもよいが、それらに限定されることはない。
【0041】
IVR制御部12は、携帯端末2からの着呼または携帯端末2からのトーン信号(DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)信号)に応答して、IVR13に対し、所定の音声ガイダンスを再生するよう指示する。IVR13は、IVR制御部12からの指示に応答して、所定の音声ガイダンスを再生して、呼制御・通信部11を介して携帯端末2に音声ガイダンスに対応する音声データを送信する(例えば、「クレジットカードの残高を照会する場合は『1』を押してください」などメッセージ)。
【0042】
データ通信部14は、携帯端末2からデータネットワーク5を介して送信された画像データなどのデータを受信する。受信された画像は、オペレータ端末3に送信される。また、データ通信部14は、会員情報取得部16により送信指示された画像要求信号を、携帯端末2に送信する。
【0043】
オペレータ選択部15は、呼制御・通信部11を介した携帯端末2からの着呼をつなぐ、オペレータ端末3を選択する。この選択は、複数のオペレータ端末3の中から、例えば、現在会話中でないオペレータ端末3が選択される。
【0044】
会員情報取得部16は、クレジットカード会員の情報を含む会員データテーブルから該当の会員データレコードを取得する。会員データテーブルの詳細は後述するが、このデータテーブルは、DBMS(Database Management System)により実装され、データベーステーブル18に記憶されるが、そのような方式に限定されない。
【0045】
トーン信号認識部17は、IVR13による音声ガイダンスの再生に応答して、携帯端末2から呼制御・通信部11を介して送信されたトーン信号を認識し、認識した値に応じて、IVR制御部12および/またはオペレータ選択部15に指示する。
【0046】
上述したCITサーバ1は、中央処理装置(CPU)、メモリ、記憶装置などを備えるコンピューティングデバイスであって、メモリまたは記憶装置に格納されたコンピュータプログラムをCPUが処理することによって統括的に制御され、本実施形態に係る処理を実行し、その機能を実現することができる。CTIサーバ1は、本分野において周知なものであるが、そのシステム構成は、例示にすぎず、本実施形態を実行することができるシステム構成を限定するものではない。
【0047】
なお、CTIサーバ1は、1台のコンピューティングデバイスまたは複数のコンピューティングデバイスで実装されてもよい。また、本実施形態に係るコールセンタシステムを、従来からクレジットカード事業者によって提供されているコールセンタシステムに実装してもよく、または単独で実装されてもよい。
【0048】
携帯端末2は、音声通信部21、表示部22、制御部23、補助記憶部24、およびデータ通信部25を備えており、それらの各要素は相互に内部バスで接続されている。
【0049】
音声通信部21は、クレジットカード会員からの電話発信による音声データを、電話網4を介してCTIサーバ1に送信する。また、音声通信部21は、CTIサーバ1のIVR13によって再生された音声ガイダンスを、電話網4を介して受信する。
【0050】
表示部22は、後述する電話対応サービスインタフェースを表示するディスプレイである。電話対応サービスインタフェースは、例えば、専用ソフトウェアにより表示された画面上、またはウェブブラウザのコンテンツ上で表示してもよい。
【0051】
制御部23は、中央処理装置(CPU)であり、補助記憶部24に記憶された所定のプログラム(以下、「電話対応サービスプログラム」)を実行して、電話対応サービスインタフェースを表示するなどの処理を行う。
【0052】
補助記憶部24は、ハードディスク(HDD)などの不揮発性メモリで実装され、上述したプログラムや後述するクレジットカード会員の認証用の本人画像データなどを記憶した記憶領域である。
【0053】
データ通信部25は、本人画像データなどを、データネットワーク5を介してCTIサーバ1に送信する。また、データ通信部25は、CTIサーバ1からウェブコンテンツなどのデータを受信する。
【0054】
次に、
図3のフローチャートを参照して、本発明の一実施形態に係るコールセンタシステムが実行する電話対応サービスの例を説明する。クレジットカード会員は、自身の携帯端末2を使用して、CTIサーバ1に対し、電話をかけるものとする。
【0055】
まず、クレジットカード会員が保有する携帯端末2上で、制御部23が補助記憶部24に記憶された電話対応サービスプログラム(以下、を実行して、表示部22上に電話対応サービスインタフェースを表示する。その電話対応サービスインタフェースが表示された状態で、CTIサーバ1に対する発呼となる電話番号を入力する(ステップS501)。
【0056】
なお、電話対応サービスプログラムを実行してから電話番号を入力する方式に代えて、電話番号を入力したことに応答して、制御部23が電話対応サービスプログラムを実行するように構成してもよい。この場合、制御部23が、入力された電話番号が所定の電話番号であるかを認識したことに応答して、電話対応サービスプログラムを実行する構成となる。
【0057】
ステップS501で、携帯端末2から電話発信されると、CTIサーバ1の呼制御・通信部11は、携帯端末2から送信されたトーン信号を受信し、トーン信号認識部17が、そのトーン信号を認識し、IVR制御部12がIVR13に音声ガイダンスの再生を指示する(ステップS502)。ここで、音声ガイダンスが再生されてから、携帯端末2とCTIサーバ1との間で、所定のやり取りがされるが(例えば、「問い合わせ内容の番号を入力してください」との音声ガイダンスに対し、問い合わせ番号が携帯端末2から入力され、後続の音声ガイダンスに進むなど)、ステップS502ではその説明は省略する。
【0058】
次に、IVR13により音声ガイダンス(例えば、「会員番号を入力してください」)に応じて、クレジットカード会員は、携帯端末2から会員識別番号(例えば、クレジットカード番号などの会員番号)を入力し、入力した会員識別番号はトーン信号として、電話網4を介してCTIサーバ1に送信される(ステップS503)。
【0059】
CTIサーバ1の呼制御・通信部11が、ステップS503で送信されたトーン信号を受信し、トーン信号認識部17がそのトーン信号を認識し、認識されたトーン信号に対応する会員識別番号が会員情報取得部16に送信される。そして、会員情報取得部16は、データベーステーブル18に記憶された会員データテーブルから該当の会員データレコードを取得する(ステップS504)。なお、本ステップで会員データレコードが取得に失敗した場合は、ステップS503でクレジットカード会員が入力した会員識別番号が誤りであるとして、IVR制御部12がIVR13に指示をして、誤りである旨の音声ガイダンスを再生する。
【0060】
図6は、本発明の実施形態に係る会員データテーブル600の例を示している。会員データテーブル600は、クレジットカード事業者に予め登録された各クレジットカード会員の情報を有するデータテーブルである。
【0061】
図6に示すように、会員データテーブル600は、項目「会員識別番号」、「氏名」、「画像データ1」、「画像データ2」(項目「画像データn」は、任意の数を有する)、および画像認証フラグを有するが、これらの項目に限定されない。実際には、電話対応サービスを提供する上で、クレジットカード会員のクレジットカード残高などの項目も含まれることになるが、本明細書ではそのような項目は省略する。
【0062】
項目「画像データ1」および「画像データ2」(以下、総称して「画像データ」)は、後述するクレジットカード会員認証を行うのに使用される、クレジットカード会員の顔を撮像した画像データである。画像データは、クレジットカード会員によって予め登録されており、CTIサーバ1の補助記憶部(図示しない)に記憶されており、本項目の値は、その記憶場所(ディレクトリ名など)および画像ファイルのファイル名を示している。
【0063】
項目「画像データ」が複数存在するのは、クレジットカード会員認証を行う都度、クレジットカード会員が異なる顔画像を使用するためであり、クレジットカード会員の選択で、1つまたは複数が登録されてもよい。
【0064】
項目「画像認証フラグ」は、画像データを使用したクレジットカード会員認証を行うか否かを示す値が設定される。この項目で、例えば、「1」が設定されている場合、後続ステップで画像データを使用したクレジットカード会員認証が実行され、「0」の場合、従来型のクレジットカード会員認証が実行される(例えば、IVR13による音声の再生に従って、暗証番号が入力されるなど)。本実施形態では、画像データを使用したクレジットカード会員認証が実行されるものとする。
【0065】
なお、
図5のステップS503では、会員識別番号を入力する旨の音声ガイダンスに応答して、携帯端末2から会員識別番号が送信されることになるが、そのような構成に限定されない。例えば、携帯端末2の発信者電話番号通知機能を利用して、CTIサーバ1に携帯端末2の電話番号を通知し、ステップS504において、その電話番号に基づいて、会員データレコードを取得してもよい。この構成の場合、会員データテーブル600には、クレジットカード会員の電話番号を示す項目が含まれることになる。
【0066】
図5の処理の説明に戻ると、ステップS505では、CTIサーバ1のデータ通信部14は、ステップS504で会員情報取得部16が該当の会員データレコードを取得したことに応答して、画像要求信号を携帯端末2に送信する。
【0067】
次に、携帯端末2のデータ通信部25が、ステップS505で送信された画像要求信号を、データネットワーク5を介して受信すると、制御部23に指示によって、電話対応サービスインタフェース上で、画像選択要求インジケータが表示されるとともに、補助記憶部24に記憶された画像データが表示される(ステップS506)。補助記憶部24には、クレジットカード会員がクレジットカード事業者に登録したもの(つまり、上述した会員データテーブルに含まれる項目「画像データ」の値が示す画像データ)と同一の画像データが予め記憶されている。
【0068】
図7は、上移したインジケータおよび画像データが表示された画面(以下、「画像選択画面700」)の例を示している。
【0069】
図7に示すように、画像選択画面700は、画像選択要求インジケータ701、ならびに選択画像表示ウインドウ702および703を含む。本実施形態では、2つの選択画像表示ウインドウ702および703が表示されるが、その選択画像表示ウインドウは任意の数であってもよい(つまり、クレジットカード会員が認証方法に使用する画像データを、1つまたは複数登録してもよい)。この選択画像表示ウインドウ702および703に表示された画像データは、上述した会員データテーブル600に含まれる項目「画像データ」の値が示す、CTIサーバ1の補助記憶部に記憶された画像データに対応する。
【0070】
画像選択要求インジケータ71は、ポップアップ形式で表示されて、クレジットカード会員に、会員認証として、選択画像表示ウインドウ702または703のいずれかを選択するかを促すが、画像選択要求インジケータ701の表示形式は、そのような方式に限定されない。
【0071】
このような状態で、クレジットカード会員が選択画像表示ウインドウ702または703のいずれかを選択すると(例えば、選択画像表示ウインドウ702または703のいずれかに対してタッチ、フリック、またはスライド操作など)、携帯端末2のデータ通信部25は、選択された画像データをCTIサーバ1に送信する(ステップS507)。この送信の際、JPEGなどの周知の圧縮方式を使用して、送信画像を圧縮してもよい。また、秘密鍵暗号化方式または公開鍵暗号化方式などの周知の暗号化方法を使用して、送信画像を圧縮してもよい。
【0072】
次に、CTIサーバ1のデータ通信部14が、ステップS507で送信された画像データを受信すると、オペレータ選択部15が、複数のオペレータ端末3から所定のオペレータ端末3を選択する(ステップS508)。この選択は、オペレータ端末3に接続された回線が使用中であるかなどに基づいて判定される。
【0073】
次に、会員情報取得部16は、ステップS504で取得した会員データレコードに含まれる項目「画像データ」が示す値(格納先およびファイル名)に基づいて、補助記憶部に記憶された画像データの中から該当の画像データ(以下、「参照用画像データ」)を全て取得する。取得された画像データは、ステップS504で取得した会員データレコードに含まれる他の情報(
図6では示していないが、実際は、クレジットカード会員の住所、電話番号などの情報も含まれる)、およびステップS507で携帯端末2から送信された画像データ(以下、「認証用画像データ」)とともに(以下、参照用画像データなどを総称して「会員データ」)、ステップS508で選択されたオペレータ端末3に送信される(ステップS509)。
【0074】
送信された会員データは、オペレータ端末3の表示部(図示せず)上に表示される(会員データは、専用ソフトウェアを実行することによって表示される専用画面インタフェース、またはウェブブラウザなどの形式によって表示される)。会員データが表示された、オペレータ対応画面800を
図8に示す。
【0075】
図8に示すように、オペレータ対応画面800は、住所などの会員情報とともに、ステップS509で送信された参照用画像データ表示ウインドウ801および認証用画像データ表示ウインドウ802を含む。このような状態で、オペレータは、参照用画像データ表示ウインドウ801に表示された参照用画像データと、認証用画像データ表示ウインドウ802に表示された認証用画像データとを比較し、一致するか否かを確認する(ステップS510)。一致する場合は、オペレータによって認証ボタン803が押下されたことに応答して、IVR制御部12がIVRに後続の音声ガイダンスを再生するように指示する。一致しなかった場合は、オペレータによって否認ボタン804が押下されたことに応答して、IVR制御部12がIVRに認証に失敗した旨の所定の音声ガイダンスを再生するように指示する(ステップS511)。その後は、従来に行われていた音声ガイダンスがIVR13によって再生されることになるが、その詳細は省略する。
【0076】
なお、上述したステップS509において、ステップS504において会員情報取得部16によって取得された画像データをオペレータ端末3に送信することになるが、認証の都度、画像データをオペレータ端末3に送信する必要はない。例えば、オペレータ端末3が一旦画像データを受信すると、オペレータ端末3の補助記憶部(図示せず)に記憶し、その後、オペレータ端末3が同一のクレジットカード会員の同一の画像データを必要とする場合、自身の補助記憶部に記憶された画像データを参照用画像データとして使用してもよい。このような構成にすることによって、比較的データ容量が大きい画像データを送信することによるトラフィックを軽減することができる。この構成の場合、会員情報取得部16とオペレータ端末3との間で、画像データが存在するかのメッセージ交換が行われることになる。
【0077】
以上、クレジットカード会員の認証方法を説明した。従来の、暗証番号をダイヤルするなどの方法と比較して、本発明に係るコールセンタシステムによる認証方法は、以下のような効果を有する。
【0078】
まず、IVRによる再生された音声ガイダンスに応答してダイヤルすることよりも、クレジットカード会員は、表示された画像データを選択することのみによって、認証を行うことがでるので、会員による操作がより簡素になる。
【0079】
また、暗証番号などは、情報が第三者に漏れることによって、なりすましのおそれがあるが、本発明による認証方法は、全く同一の画像データが複製されない限り、なりすましがされることはない。
【0080】
さらに、最終的には、同一の顔写真を人間の目で一致するかを確認するので、安心感を生じさせる。特に、クレジットカード会員は予め複数の顔写真の画像データを用意し、サービスを利用する都度、異なる画像データを選択することによって、より安全な認証を実現することができる(加えて、複数の画像データを登録しても、画面に対するタッチ操作などのみによって簡易に複数の画像データから任意の認証用画像データを選択することができる)。
【0081】
なお、本実施形態では、認証用の画像データとして、クレジットカード会員の顔写真を例としているが、このような方式に限定されず、クレジットカード会員の識別性が高い任意の画像データを使用してもよい(例えば、クレジットカード会員が指定した、アニメの登場人物の画像など)。
【0082】
また、認証用画像データおよび参照用画像データのいずれについて、例えば、サムネイル、クリッピングなどの技術を使用して、双方が同一の画像を表していると人間の視覚によって認識可能な程度に解像度および/またはデータサイズを下げるようにしてもよい。上述した認証方法は、人間に視覚において確認するものであるので、視認可能な程度に解像度などを下げても十分に認証が可能である一方で、送信データ量を少なくすることができる。
【0083】
さらに、画像選択画面700に表示された認証用画像データの選択において(複数の画像が表示されている場合)、同一のクレジットカード会員による直近の処理において、どの認証用画像データが選択されたかに基づいて、認証画像データの選択を制御してもよい。例えば、前回の処理で選択されたのと同一の認証用画像を選択した場合、n回連続して同一の認証用画像を選択した場合などに、エラーメッセージを表示してもよい(例えば、「この画像は前回の認証で使用されていますので、今回の認証では使用できません」、「この画像はn回連続で使用されていますので、別の画像を選択してください」など)。この場合、過去のクレジットカード会員によってどの画像が選択されたかを示す情報が必要となるが、その情報は、携帯端末2側またはCTIサーバ1側のいずれかで管理されてもよい(CTIサーバ側で情報を管理する場合は、CTIサーバ1からの画像要求信号の送信とともに、上記情報が携帯端末2に送信されることになる)。
【0084】
以上のように、本実施形態に係る認証方法の説明を詳述したが、実施形態で説明した、会員データテーブル600などの具体的なデータ構造は例示的なものにすぎず、特許請求する事項から逸脱しない範囲で変更がされてもよい。また、
図5で説明したフローチャートの順序は、特許請求する事項から逸脱しない範囲で変更されてもよく、一部のステップが除外されてもよい。
【解決手段】クライアントコンピュータからユーザ識別番号を受信するステップと、ユーザ識別番号に基づいて、ユーザ情報記憶部からユーザデータを取得するステップと、クライアントコンピュータにユーザ画像データ要求を送信するステップと、クライアントコンピュータから第2のユーザ画像データを受信するステップと、オペレータ端末に、ユーザデータに含まれる第1のユーザ画像データ、および第2のユーザ画像データを送信するステップと、を備える。