(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガードレールは前記沈殿池の側壁に固定された水面ガイドレールサポート部材に支持されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の汚泥掻き寄せ機。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る汚泥掻き寄せ機の概要を示す図である。
【
図3】フライト可動体及び水面ガイドレールを示す図である。
【
図4】
図3に示すフライト可動体及び水面ガイドレールを上から見た図である。
【
図5】
図3に示す水面ガイドレール及びガードレールを示す断面図である。
【
図6】
図3に示すフライト板の断面を模式的に示す図である。
【
図7】水面ガイドレール及びガードレールの変形例を示す図である。
【
図8】
図7に示すフライト可動体、水面ガイドレール及びガードレールを上から見た図である。
【
図9】
図8に示すストッパの変形例を示す平面図である。
【
図10】
図9に示すフライト可動体が傾いた状態を示す図である。
【
図11】水面ガイドレール及びガードレールの他の変形例を示す図である。
【
図13】
図12に示すフライト可動体及び水面ガイドレールを上から見た図である。
【
図15】水面ガイドレール及びガードレールのさらに他の変形例を示す図である。
【
図16】
図15に示すフライト可動体、水面ガイドレール及びガードレールを上から見た図である。
【
図17】
図15に示す水面ガイドレール及びガードレールの拡大図である。
【
図18】フライト可動体、水面ガイドレール及びガードレールの他の構成例を示す図である。
【
図19】
図18に示すフライト可動体、水面ガイドレール及びガードレールを上から見た図である。
【
図20】
図18に示すフライト板の断面を模式的に示す図である。
【
図22】
図21に示すフライト可動体、水面ガイドレール及びガードレールを上から見た図である。
【
図23】フライト可動体、水面ガイドレール及びガードレールのさらに他の構成例を示す図である。
【
図24】
図23に示すフライト可動体、水面ガイドレール及びガードレールを上から見た図である。
【
図25】
図23に示すフライト板の断面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、各図中、同一の作用または機能を有する部材または要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0013】
図1は、汚泥掻き寄せ機の概要を示す図である。汚泥掻き寄せ機は、例えば下水処理場の沈殿池に配置される。この汚泥掻き寄せ機は、駆動装置2と、沈殿池1の内部に配置された駆動ホイール3、水面ホイール4、水中ホイール5,6と、これらの各ホイール間に掛け渡された一対の無端状チェーン7と、このチェーン7に所定の間隔で固定されたフライト可動体8とを備えている。
【0014】
一対のチェーン7は、沈殿池1内に並列に配置され、駆動装置2に連結された駆動ホイール3によってこれらのチェーン7が循環する。そして、このチェーン7の循環に伴ってフライト可動体8が沈殿池1の内部を走行するようになっている。
【0015】
フライト可動体8が沈殿池1の池底側を走行する時には、
図1に示すように、フライト可動体8は池底に溜まった汚泥を汚泥貯留部1aに掻き寄せ、また水面側を走行する時には水面に浮遊するスカムをスカムスキマ9に掻き寄せるようになっている。フライト可動体8の走行をガイドするため、沈殿池1の側壁に沿って、例えば軽量で耐食性に優れた樹脂製の水面ガイドレール27および水中ガイドレール11が配置されている。更に池底には、フライト可動体8の走行をガイドする池底ガイドレール12が敷設されている。
【0016】
駆動ホイール3は、その回転をチェーン7に伝えるスプロケットホイールである。駆動ホイール3は、駆動チェーン2aを介して駆動装置2からの動力を受けるスプロケットホイール(図示せず)に連結されている。水面ホイール4、水中ホイール5,及び水中ホイール6は、いずれも従動ホイールである。水中ホイール5は、水平方向に前後動してチェーン7の張力を調節できるよう構成されている。
【0017】
スカムスキマ9には、溢流堰が開閉自在に取り付けられており、沈殿池1の液面に浮遊しているスカムをフライト可動体8により、水と共にトラフ9a内に流入させるように構成されている。スカムスキマ9は、切欠き部のあるパイプを回転させるパイプスキマでも良い。沈殿池1には、越流堰14が設けられており、沈殿池1内の水がこの越流堰14を越えて排出されることにより、沈殿池1の水位が一定に保たれている。
【0018】
図2は、フライト可動体8を示す図である。
図2に示すように、フライト可動体8は、汚泥やスカムを掻き寄せるフライト板(掻き寄せ板)20と、このフライト板20の両端部に取り付けられたアタッチメントピース21と、各アタッチメントピース21の上部に固定された第1のガイドシュー23と、各アタッチメントピース21の下部に固定された基台10と、基台10の下部に固定された第2のガイドシュー24とを有している。アタッチメントピース21と基台10とは一体に構成されていてもよい。アタッチメントピース21の下部には、チェーン7が固定されており、フライト可動体8がチェーン7に引っ張られて走行するようになっている。
【0019】
アタッチメントピース21のチェーン7が固定された部分の反対側には、凹部25が形成されている。この凹部25には、
図1に示すチェーンガード16が微小な隙間を介して挿入される。チェーンガード16は、駆動ホイール3の一部を囲むように配置されており、フライト可動体8が駆動ホイール3の周りを走行するときに、チェーンガード16が凹部25の中に入り込むようになっている。
【0020】
これにより、地震に伴いチェーン7が駆動ホイール3から離れようとしても、チェーンガード16によってチェーン7の動きが規制され、チェーン7の駆動ホイール3からの脱落が防止される。ここで、チェーンガード16を、駆動ホイール3とすべての従動ホイール4,5,6に配置してもよい。このような配置を採用することにより、すべてのホイールでチェーン7の脱落を防止することができる。
【0021】
図3は、フライト可動体8及び水面ガイドレール27を示す図である。
図3に示すように、水面ガイドレール27は、沈殿池1の側壁1bに固定された水面ガイドレールサポート部材30により支持されている。水面ガイドレールサポート部材30は、水面ガイドレール27に沿って等間隔に配列されている。第2のガイドシュー24は基台10の下部に固定されており、水面ガイドレール27の上に位置している。
【0022】
図4は、フライト可動体8及び水面ガイドレール27を上から見た図(平面図)である。フライト可動体8の両端部には、ストッパ28が設けられている。ストッパ28は、フライト可動体8の側面8a(すなわち、基台10の側面10a)から水平方向に僅かに突き出した突起部28aを有している。ストッパ28は上から見たときにコの字型の形状を有しており、アタッチメントピース21を挟むようにして締結具としてのねじ35により基台10の上に着脱可能に取り付けられている。ストッパ28は着脱可能であるため、既設の汚泥掻き寄せ機に取り付けることができる。
【0023】
水面ガイドレール27上を走行するフライト可動体8の上方向及び横方向の動きを規制するガードレール36が水面ガイドレール27に設けられている。水面ガイドレール27とガードレール36とは一体に形成されている。
図5は水面ガイドレール27及びガードレール36を示す断面図である。ガードレール36は、水面を走行するフライト可動体8の両端に設けられたストッパ28に隣接して設けられている。水面ガイドレール27は、水面ガイドレールサポート部材30の側面30aに沿って下に延びる第1の垂直部27aと、第1の垂直部27aの上端から水平に延び、第2のガイドシュー24の下面を支持する支持部27bと、フライト可動体8の側面8a(すなわち、アタッチメントピース21の側面)に沿って支持部27bから上に延びる第2の垂直部27cとを有している。
【0024】
ガードレール36は、フライト可動体8が水面ガイドレール27上を走行しているときのストッパ28に近接して配置されている。ガードレール36はストッパ28の突起部28aの上方に位置する第1のガード面36aと、ストッパ28の突起部28aの側方に位置する第2のガード面36bとを有している。
図5に示すように、第1のガード面36aは突起部28aの上面に対向する水平面であり、第2のガード面36bは突起部28aの側端部に対向する垂直面である。ガードレール36の下端は、水面ガイドレール27の上端(すなわち、第2の垂直部27cの上端)に一体に接続されている。水面ガイドレール27、ストッパ28、及びガードレール36の材質としては、摺動性の高い樹脂が好ましい。これにより、水面ガイドレール27、ストッパ28、及びガードレール36の軽量化及び摺動性が向上する。
【0025】
ガードレール36が設けられることにより、フライト可動体8に対して横方向に力が働いても、ストッパ28がガードレール36の第2のガード面36bに当たり、フライト可動体8はそれ以上横に移動することが出来なくなる。また、地震に伴う水流によりフライト可動体8が押し上げられたときにも、ストッパ28がガードレール36の第1のガード面36aに当たり、フライト可動体8はそれ以上、上方に移動することが出来なくなる。したがって、フライト可動体8が水面ガイドレール27から落下することなく走行を続けられる。
【0026】
チェーン7が駆動ホイール3により駆動され、フライト可動体8が水面を走行すると、ガイドシュー24が水面ガイドレール27の支持部27b上を滑り、ガイドシュー24が水面ガイドレール27に案内されて走行する。フライト可動体8が水中ガイドレール11上を走行するときは、ガイドシュー24が水中ガイドレール11上を滑り、ガイドシュー24が水中ガイドレール11に案内されて走行する。第1のガイドシュー23は、フライト可動体8が池底を走行するときに、池底ガイドレール12によって案内されて走行するためのものである。
【0027】
このように、フライト可動体8は、池底用と水面および水中用の2種のガイドシュー23,24を有しており、フライト可動体8は、池底ガイドレール12、水中ガイドレール11、および水面ガイドレール27上を摺接しつつ走行する。なお、水面ガイドレール27および水中ガイドレール11用のガイドシュー24がフライト可動体8の端部に付いているのは、沈殿池1の側壁1bから延びる水面ガイドレールサポート部材30を出来るだけ小さくするためである。
【0028】
池底ガイドレール12用のガイドシュー23はフライト可動体8の端部から内側に寄ったところに設置されているので、一旦脱線してもフライト可動体8は池底ガイドレール12の上にある。このため、チェーン7がホイールから外れることが無い限り、フライト可動体8はチェーン7により引っ張られて走行するので、脱線したフライト可動体8のガイドシュー23がホイールの近くまで走行すると、ガイドシュー23が池底ガイドレール12の上に自動的に復帰するので、ガード部材等の特別な処置は必要としない。
【0029】
沈殿池1の水位は、上述したように、越流堰14によって一定に保たれており、水位は、
図3に示すように、フライト可動体8の上端よりもやや下である。水面ガイドレール27、ガードレール36及びストッパ28は水面よりも下に位置している。さらに、水面ガイドレールサポート部材30も水面よりも下に位置している。
図3に示すように、フライト可動体8の側面8aと、沈殿池1の側壁1bとの間の領域には、水面を横切る構造体が存在しない。
【0030】
図6はフライト板20の断面を模式的に示す図である。
図6に示すように、フライト板20の断面は三角形状を有しており、その内部は中空状に形成されている。フライト可動体8が水面を走行すると、水面を浮遊するスカムはフライト板20の垂直面20aに捕捉され、除去される。
【0031】
従来の装置では、特許文献1(特開2006−326483号公報)に示すように、ガードレールを支持するブラケットが水面を横切って配置されていたり、ガードレール自体が水面を横切って配置されていた。しかしながら、このような構成とすると、水面を浮遊するスカムがブラケットやガードレールに捉えられてしまう。また、ガードレール自体が水面を横切って配置された構成では、ガードレールと沈殿池の側壁との間で水が淀み、この領域に発生したスカムがそこに滞留するおそれがある。
【0032】
本発明によれば、ガードレール36は水面下に配置されているので、フライト可動体8と沈殿池の側壁1bとの間に構造体をなくすことができる。したがって、水面を浮遊するスカムが構造体に捕捉されることがなくなり、スカムはフライト可動体8により除去される。フライト可動体8が水面ガイドレール27の支持部27b上を走行すると、フライト可動体8と側壁1bとの間には水の流が形成され、スカムが内側に流れる。そして、そのスカムは後続のフライト可動体により捕捉され、除去される。したがって、スカムが沈殿池1に残留せず、走行するフライト可動体8によってスカムを除去することができる。さらに、ガードレール36は水面よりも下に位置するように構成されているため、特許文献1と比較してガードレール36を小さくすることができる。したがって、ガードレール36の設置スペースを小さくすることができ、限られた設置スペースにも容易にガードレール36を設置することができる。例えば沈殿池1の側壁1bに張り出し部(例えば梁)などの障害物があったとしても容易にガードレール36を設置することができる。
【0033】
図7は、水面ガイドレール27及びガードレール36の変形例を示す図である。なお、特に説明しない構成は、
図3に示す構成と同じであり、その重複する説明を省略する。この例では、ストッパ28は基台10の下面と第2のガイドシュー24の上面との間に位置している。
図8に示すように、ストッパ28は板状の形状を有しており、締結具としてのねじ35により第2のガイドシュー24と基台10との間に挟まれている。このような配置により、
図7に示すストッパ28は、
図3に示すストッパ28よりも低い位置にある。したがって、ガードレール36の位置をさらに低くすることができる。この例においてもフライト可動体8の側面8aと、沈殿池1の側壁1bとの間の領域には、水面を横切る構造体が存在しない。
【0034】
図9は、
図8に示すストッパ28の変形例を示す平面図である。
図9に示すように、ストッパ28は、フライト可動体8の基台10の幅W1よりも広い幅W2を有している。このような幅広のストッパ28は、
図10に示すように、フライト可動体8が傾いたときにガードレール36に直ちに接触し、フライト可動体8がそれ以上傾くことを防止する。したがって、この例のストッパ28はフライト可動体8が大きく傾くことを防止することで、フライト可動体8が水面ガイドレール27から脱落することを防ぐことができる。
【0035】
図11は、水面ガイドレール27及びガードレール36の他の変形例を示す図である。
図11に示すように、水面ガイドレール27の第1の垂直部27aを第2のガイドシュー24の内側の側面に沿って上に延ばしてもよい。
【0036】
図12は、ストッパ28の変形例を示す図であり、
図13は、
図12に示すフライト可動体及び水面ガイドレールを上から見た図である。この例では、ストッパ28は、第2のガイドシュー24に一体に形成されている。第2のガイドシュー24は、上述したように、水面ガイドレール27上を摺動自在な部材であり、基台10の下部に固定されている。ストッパ28は、このガイドシュー24から外側に延びており、フライト可動体8の側面8a(すなわち、基台10の側面10a)から水平方向に突き出している。ガードレール36の第1のガード面36aは、ストッパ28の上方に位置しており、ガードレール36の第2のガード面36bは、ストッパ28の外側に位置している。この例においても、ストッパ28は水面よりも下方に位置している。ストッパ28はガイドシュー24と一体に形成されているので、部品数を減らすことができる。
【0037】
図14に示すように、ストッパ28は、フライト可動体8の基台10の幅W1よりも広い幅W2を有してもよい。この場合は、
図9および
図10に示す例と同様に、ストッパ28はフライト可動体8が大きく傾くことを防止することができる。
【0038】
図15は、水面ガイドレール27及びガードレール36のさらに他の変形例を示す図であり、
図16は
図15の平面図である。
図17は水面ガイドレール27及びガードレール36の拡大図である。なお、特に説明しない構成は、
図3に示す構成と同じであり、その重複する説明を省略する。この例では、ガードレール36が水面ガイドレール27に着脱可能に取り付けられている。
【0039】
図17に示すように、ガードレール36は水面ガイドレール27の第2の垂直部27cの両側に配置された内側壁36c及び外側壁36dをさらに有している。外側壁36dにはねじ孔(図示せず)が設けられており、このねじ孔には、締結具としてのねじ38が挿入されている。水面ガイドレール27の第2の垂直部27cはねじ38の先端と内側壁36cとの間に挟まれている。ねじ38を締め付けることにより、ねじ38の先端が第2の垂直部27cを内側壁36cに押し付ける。これにより、ガードレール36が水面ガイドレール27に固定される。また、ねじ38を緩めることでガードレール36を水面ガイドレール27から取り外すことができる。
【0040】
地震によりフライト可動体8が横方向に移動すると、ストッパ28がガードレール36の第2のガード面36bに当たり、フライト可動体8はそれ以上横に移動することができない。また、地震に伴う水流によりフライト可動体8が押し上げられたときには、ストッパ28がガードレール36の第1のガード面36aに当たり、フライト可動体8はそれ以上、上方に移動することが出来なくなる。したがって、フライト可動体8が水面ガイドレール27から落下することなく走行を続けられる。この例においてもフライト可動体8の側面8aと、沈殿池1の側壁1bとの間の領域には、水面を横切る構造体が存在しない。
【0041】
図18は、フライト可動体8、水面ガイドレール27及びガードレール36の他の構成例を示す図であり、
図19は
図18の平面図である。なお、特に説明しない構成は、
図3に示す構成と同じであり、その重複する説明を省略する。この例では、フライト可動体8は、フライト板20と、フライト板20の上部に取り付けられた第1のガイドシュー23と、フライト板20の下部に取り付けられた第2のガイドシュー24とを備えている。この例では、アタッチメントピース21は設けられておらず、チェーン7はフライト板20の下部に固定されている。第2のガイドシュー24の下面には凹部が形成されており、この凹部に水面ガイドレール27の上端が係合している。この例では、
図1に示すチェーンガード16は設けられない。
【0042】
ガードレール36と水面ガイドレール27とは、別の部材として設けられている。ガードレール36は締結具としてのボルト51によって水面ガイドレールサポート部材30の水平面の上に固定されている。ストッパ28は、その突起部28aがガードレール36の第1のガード面36aの下方に位置するように、締結具としてのねじ52によってフライト板20の側面20bに固定されている。ガードレール36は、ストッパ28の突起部28aの上方に位置する第1のガード面36aと、ストッパ28の突起部28aの側方に位置する第2のガード面36bとを有している。この例においても、フライト板20の側面20bと沈殿池1の側壁1bとの間には、水面を横切る構造体が存在しない。
【0043】
図20は
図18に示すフライト板20の断面を模式的に示す図である。フライト板20は合成木材で構成されており、その断面は矩形状をしている。フライト可動体8が水面を走行すると、水面を浮遊するスカムはフライト板20の垂直面20aに捕捉され、除去される。
【0044】
図21はストッパ28の変形例を示す図であり、
図22は
図21の平面図である。
図22に示すように、ストッパ28は上から見たときにコの字型の形状を有した嵌合部28bを有している。この嵌合部28bにはねじ孔(図示せず)が設けられており、このねじ孔に締結具としてのねじ55が挿入されている。ストッパ28の突起部28aがガードレール36の第1のガード面36aの下方に位置するように、ストッパ28の突起部28aをフライト板20の側端部に嵌め込み、ねじ55を締め付ける。これにより、ねじ55がフライト板20をストッパ28の嵌合部28bに押し付け、ストッパ28の位置が固定される。ストッパ28はフライト板20に対して着脱可能に取り付けられている。したがって、ストッパ28は既設のフライト板に容易に取り付けることができる。この例においてもフライト板20の側面20bと、沈殿池1の側壁1bとの間の領域には、水面を横切る構造体が存在しない。
【0045】
図23はフライト可動体8、水面ガイドレール27及びガードレール36の他の構成例を示す図であり、
図24は
図23の平面図である。
図25は
図23に示すフライト板20の断面を模式的に示す図である。説明のために
図24に示すフライト板20の一部は断面で示されている。なお、特に説明しない構成は、
図3に示す構成と同じであり、その重複する説明を省略する。この例におけるストッパ28は板状の形状を有している。
図25に示すように、フライト板20はコの字型の断面形状を有しており、ストッパ28はフライト板20の内側面20cに固定されている。具体的には、
図24に示すように、ストッパ28は締結具としてのボルト60及びナット61によってフライト板20の内側面20cに固定されている。この例においてもフライト板20の側面20bと、沈殿池1の側壁1bとの間の領域には、水面を横切る構造体が存在しない。フライト可動体8が水面を走行すると、水面を浮遊するスカムはフライト板20の垂直面20aに捕捉され、除去される。
【0046】
図3乃至
図24に示すいずれの例においてもガードレール36及びストッパ28は水面よりも下に位置しているため、水面に浮遊するスカムを捉える部材がフライト可動体8以外には存在しない。したがって、スカムが沈殿池1に残存することがなく、フライト可動体8により水面に浮かぶスカムを除去することができる。さらに、ガードレール36は水面よりも下に位置するため、ガードレール36を小さくすることができる。これにより、ガードレール36の設置スペースを小さくすることができる。したがって、限られた設置スペースにも容易にガードレール36を設置することができる。例えば沈殿池1の側壁1bに張り出し部(例えば梁)などの障害物があったとしても容易にガードレール36を設置することができる。
【0047】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは勿論である。