特許第5947465号(P5947465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5947465CNS活性剤としてのベンズイミダゾール類
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5947465
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】CNS活性剤としてのベンズイミダゾール類
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20160623BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20160623BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20160623BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20160623BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   C07D401/14CSP
   C07D403/04
   A61K31/4184
   A61K31/4439
   A61P25/00 101
   A61P25/16
   A61P25/14
   A61P25/28
   A61P25/24
   A61P25/22
   A61P25/18
   A61P27/16
   A61P25/36
【請求項の数】15
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2015-531611(P2015-531611)
(86)(22)【出願日】2013年9月27日
(65)【公表番号】特表2015-528486(P2015-528486A)
(43)【公表日】2015年9月28日
(86)【国際出願番号】EP2013070166
(87)【国際公開番号】WO2014053409
(87)【国際公開日】20140410
【審査請求日】2015年3月11日
(31)【優先権主張番号】12186784.0
(32)【優先日】2012年10月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】チェッカレッリ,シモーナ・エム
(72)【発明者】
【氏名】ヤーガジア,ラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーコップ−ルートネ,ローラント
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッヒマン,ユルゲン
【審査官】 小川 由美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/006419(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/046072(WO,A1)
【文献】 特開2009−292782(JP,A)
【文献】 特表2012−520238(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/016123(WO,A1)
【文献】 特表平11−501320(JP,A)
【文献】 特表2009−530353(JP,A)
【文献】 特表2009−521516(JP,A)
【文献】 特表2008−533162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D,A61K
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化55】

[式中、
は、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲン、又はハロゲンによって置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
は、水素又はハロゲンであり;
は、N又はCHであり;
は、N又はCHであり;
但し、X又はXの1つだけが、Nであり;
は、C(R)又はNであり;
そして、Rは、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲン、ハロゲンによって置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、又はSO1〜4個の炭素原子を有するアルキルである]
で表される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる酸付加塩、ラセミ混合物若しくはその対応するエナンチオマー、及び/又は光学異性体。
【請求項2】
請求項1に記載の式IA:
【化56】

[式中、
は、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲン、又はハロゲンによって置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
は、水素又はハロゲンであり;
は、C(R)又はNであり;
そして、Rは、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲン、ハロゲンによって置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、又はSO1〜4個の炭素原子を有するアルキルである]
で表される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる酸付加塩、ラセミ混合物若しくはその対応するエナンチオマー、及び/又は光学異性体。
【請求項3】
以下である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の式IAの化合物:
1−p−トリル−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−フェニル−6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール
1−フェニル−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1−p−トリル−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−p−トリル−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール、又は
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一項に記載の式IA−1:
【化57】

[式中、
は、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲン、又はハロゲンによって置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
は、水素又はハロゲンであり;
Rは、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲン、ハロゲンによって置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、又はSO1〜4個の炭素原子を有するアルキルである]
で表される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる酸付加塩、ラセミ混合物若しくはその対応するエナンチオマー、及び/又は光学異性体。
【請求項5】
以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の式IA−1の化合物:
1−p−トリル−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−フェニル−6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール
1−フェニル−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1−p−トリル−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−p−トリル−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール、又は
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか一項に記載の式IA−2:
【化58】

[式中、
は、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲン、又はハロゲンによって置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
は、水素又はハロゲンである]
で表される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる酸付加塩、ラセミ混合物若しくはその対応するエナンチオマー、及び/又は光学異性体。
【請求項7】
以下である、請求項1〜及び6のいずれか一項に記載の式IA−2の化合物:
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール又は
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール。
【請求項8】
請求項1に記載の式IB:
【化59】

[式中、
は、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲン、又はハロゲンによって置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり;
は、水素又はハロゲンであり;
は、C(R)又はNであり;
そして、Rは、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、ハロゲン、ハロゲンによって置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ、又はSO1〜4個の炭素原子を有するアルキルである]
で表される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる酸付加塩、ラセミ混合物若しくはその対応するエナンチオマー、及び/又は光学異性体。
【請求項9】
以下である、請求項1又は8のいずれか一項に記載の化合物:
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(3−フェニル−3H−イミダゾール−4−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[3−(4−クロロ−フェニル)−3H−イミダゾール−4−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール又は
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3H−イミダゾール−4−イル]−1H−ベンゾイミダゾール。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に定義される式Iの化合物の製造プロセスであって、
式:
【化60】

で表される化合物を、式:
【化61】

で表される化合物と反応させて、式:
【化62】

で表される化合物にすること、及び所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩に変換すること
を含むプロセス。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物と薬学的に許容しうる担体及び/又は補助剤とを含む、医薬組成物。
【請求項12】
統合失調症、強迫性人格障害、大鬱病、双極性障害、不安障害、正常老化、癲癇、網膜変性、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心的外傷後ストレス障害、パニック障害、パーキンソン病、認知症、アルツハイマー病、軽度認識障害、化学療法誘発性認知機能障害、ダウン症候群、自閉症スペクトラム障害、難聴、耳鳴、脊髄小脳失調症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンチントン病、卒中、放射線療法、慢性ストレス、神経刺激薬(例えば、アルコール、アヘン、メタンフェタミン、フェンシクリジン及びコカイン)の乱用の処置において使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物と薬学的に許容しうる担体及び/又は補助剤とを含む医薬組成物。
【請求項13】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
統合失調症、強迫性人格障害、大鬱病、双極性障害、不安障害、正常老化、癲癇、網膜変性、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心的外傷後ストレス障害、パニック障害、パーキンソン病、認知症、アルツハイマー病、軽度認識障害、化学療法誘発性認知機能障害、ダウン症候群、自閉症スペクトラム障害、難聴、耳鳴、脊髄小脳失調症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンチントン病、卒中、放射線療法、慢性ストレス、神経刺激薬(例えば、アルコール、アヘン、メタンフェタミン、フェンシクリジン及びコカイン)の乱用の処置における治療活性物質として使用するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
統合失調症、強迫性人格障害、大鬱病、双極性障害、不安障害、正常老化、癲癇、網膜変性、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心的外傷後ストレス障害、パニック障害、パーキンソン病、認知症、アルツハイマー病、軽度認識障害、化学療法誘発性認知機能障害、ダウン症候群、自閉症スペクトラム障害、難聴、耳鳴、脊髄小脳失調症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンチントン病、卒中、放射線療法、慢性ストレス、神経刺激薬(例えば、アルコール、アヘン、メタンフェタミン、フェンシクリジン及びコカイン)の乱用の治療的及び/又は予防的処置のための医薬の調製のための、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物の使用
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式:
【化1】

[式中、
は、水素、低級アルキル、ハロゲン、又はハロゲンによって置換されている低級アルキルであり;
は、水素又はハロゲンであり;
は、N又はCHであり;
は、N又はCHであり;
但し、X又はXの1つだけが、Nであり;
は、C(R)又はNであり;
そして、Rは、水素、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、低級アルコキシ、又はSO−低級アルキルである]
で表される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる酸付加塩、ラセミ混合物若しくはその対応するエナンチオマー、及び/又は光学異性体に関する。
【0002】
今般、本化合物が神経幹細胞(NSC)からの神経新生を刺激することが示された。
神経新生は、発達中の脳及び成体の脳において起こる。概念的には、この神経新生のプロセスは、4つの段階:(i)NSCの増殖;(ii)NSCの神経細胞運命決定;(iii)新しい神経細胞の生存及び成熟;ならびに(iv)新しい神経細胞の、神経回路網への機能的統合に分けられうる。
【0003】
成体の神経新生は、成体の脳において一生にわたって起こる発達プロセスであり、それによって成体の神経幹細胞から新しい機能性神経細胞(ニューロン)が生成される。生理学的条件下での構成的な成体の神経新生は、2つの「神経新生」脳領域、1)海馬歯状回中の顆粒細胞下帯(SGZ)(新しい歯状回顆粒細胞が生成される)、2)側脳室の脳室下帯(SVZ)(新しいニューロンが生成され、次いで、吻側移動経路(RMS)を通って嗅球に移動し、介在ニューロンになる)で主に起こる。
【0004】
膨大な証拠が、正確な機能が依然として分かっていないが、成体海馬の神経新生が認知状態及び情動状態において重要な役割を担っていることを示唆する。比較的少数の新生顆粒神経細胞(ニューロン)が、歯状回内の多くの介在ニューロンを神経支配し、その各々が何百もの成熟顆粒細胞を抑制して、神経新生依存性のフィードバック抑制をもたらすという理由から、この新生顆粒神経細胞が脳機能全体に影響を及ぼしうることが議論されている。低い興奮閾値と共同して、新生神経細胞は、状況に応じて極めてわずかな変化への応答を引き起こす。このプロセスにおける障害が、精神疾患に関連するパターン分離の不足に行動的に現れうる。例えば、成体海馬の神経新生は、認知能力及び情緒的能力と相関しており、例えば、運動、豊かな環境への露出及び典型的な抗鬱薬は、成体海馬の神経新生と認知状態及び/又は情動状態を同時に促進し、一方で慢性ストレス、鬱病、睡眠不足及び加齢は、成体の神経新生を低下させ、ネガティブな認知状態及び/又は情動状態を伴う(Neuron 70, May 26, 2011, pp 582-588 and pp 687-702;国際公開公報第2008/046072号)。興味深いことに、抗鬱薬は、成体海馬の神経新生を促進し、特定の行動に対するそれらの効果は、神経新生の刺激を必要とする。他の成体のCNS領域における神経新生は、一般的に、正常な生理学的条件下では極めて限定的であると考えられているが、卒中のような損傷ならびに中枢及び末梢の脳障害の後に誘発されうる。
【0005】
それ故、成人の神経新生の刺激は、正常な老化、特に、統合失調症、強迫性人格障害、大鬱病、双極性障害、不安障害、癲癇、網膜変性症、外傷性脳損傷、脊髄損傷、外傷後ストレス障害、パニック障害、パーキンソン病、認知症、アルツハイマー病、軽度認知障害、化学療法誘発性認知機能障害(「ケモブレイン」)、ダウン症候群、自閉症スペクトラム障害、難聴(Neuroscience、167 (2010) 1216-1226;Nature Medicine, Vol. 11, number 3, (2005), 271-276)、耳鳴、脊髄小脳失調症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンチントン病、卒中、及び放射線療法に起因する障害、慢性的なストレス、又は神経刺激薬(例えば、アルコール、アヘン、メタンフェタミン、フェンシクリジン、及びコカイン)の乱用を含む、様々な神経変性疾患及び精神神経疾患のための神経再生治療標的を表すと考えられている(米国特許第2012/0022096号)。
【0006】
従って、成体の神経新生の化学的刺激は、神経疾患及び神経精神障害の処置用の新薬を開発するための新しい再生手段及び機会を提供する。
【0007】
そのため、本発明の目的は、神経新生を調節する化合物を同定することであった。式Iの化合物がこの領域において活性であり、そのために、これらの化合物を、統合失調症、強迫性人格障害、大鬱病、双極性障害、不安障害、正常老化、癲癇、網膜変性、外傷性脳損傷、脊髄損傷、心的外傷後ストレス障害、パニック障害、パーキンソン病、認知症、アルツハイマー病、軽度認識障害、化学療法誘発性認知機能障害(「ケモブレイン」)、ダウン症候群、自閉症スペクトラム障害、難聴、耳鳴、脊髄小脳失調症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンチントン病、卒中、ならびに放射線療法に起因する障害、慢性ストレス、又は神経刺激薬、例えばアルコール、アヘン、メタンフェタミン、フェンシクリジン及びコカインの乱用の処置に使用されうることが見いだされた。
【0008】
式Iの化合物の最も好ましい適応症は、アルツハイマー病、鬱病、不安障害及び卒中である。
【0009】
本発明は、式Iの化合物、及びその医薬的に許容される塩(本発明が、エナンチオマー又はジアステレオマーの混合物、又はそのエナンチオマー又はジアステレオマーとして純粋な形態に当てはまる場合)、医薬的に有効な物質としてのこれらの化合物、これらの製造プロセス、並びに神経新生、統合失調症、強迫性人格障害、大鬱病、双極性障害、不安障害、正常老化、癲癇、網膜変性症、外傷性脳損傷、脊髄損傷、外傷後ストレス障害、パーキンソン病、認知症、アルツハイマー病、軽度認知障害、化学療法誘発性認知機能障害、ダウン症候群、自閉症スペクトラム障害、難聴、耳鳴、脊髄小脳失調症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、ハンチントン病、卒中、放射線療法、慢性的なストレス、神経刺激薬(例えば、アルコール、アヘン、メタンフェタミン、フェンシクリジン、及びコカイン)の乱用に関連する障害の治療又は予防における使用、及び式Iの化合物を含有する医薬組成物に関する。
【0010】
本記載において使用される一般的用語の以下の定義は、問題となっている用語が単独で現れるか又は組み合わせで現れるかにかかわらず適用される。
【0011】
本明細書で使用される場合、用語「低級アルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の炭素鎖を含む、飽和、すなわち脂肪族炭化水素基を示す。「アルキル」の例は、メチル、エチル、n−プロピル及びイソプロピルである。
【0012】
用語「低級アルコキシ」は、O−R’(式中、R’は、上記に定義される低級アルキルである)で表される基を示す。
【0013】
用語「ハロゲンによって置換されている低級アルキル」は、水素原子の少なくとも1個がハロゲンに置き換わっている、上記に定義される低級アルキル基を示す。
【0014】
用語「ハロゲン」は、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素を示す。
【0015】
用語「薬学的に許容しうる塩」又は「薬学的に許容しうる酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの無機酸及び有機酸との塩を包含する。
【0016】
本発明の1つの実施態様は、式:
【化2】

[式中、
は、水素、低級アルキル、ハロゲン、又はハロゲンによって置換されている低級アルキルであり;
は、水素又はハロゲンであり;
は、C(R)又はNであり;
そして、Rは、水素、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、低級アルコキシ、又はSO−低級アルキルである]
で表される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる酸付加塩、ラセミ混合物若しくはその対応するエナンチオマー、及び/又は光学異性体、例えば
1−p−トリル−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−フェニル−6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール
1−フェニル−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1−p−トリル−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−p−トリル−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール、又は
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾールである。
【0017】
本発明の1つのさらなる実施態様は、式:
【化3】

[式中、
は、水素、低級アルキル、ハロゲン、又はハロゲンによって置換されている低級アルキルであり;
は、水素又はハロゲンであり;
Rは、水素、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、低級アルコキシ、又はSO−低級アルキルである]
で表される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる酸付加塩、ラセミ混合物若しくはその対応するエナンチオマー、及び/又は光学異性体、例えば
1−p−トリル−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−フェニル−6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール
1−フェニル−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1−p−トリル−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−p−トリル−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール、又は
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾールである。
【0018】
本発明の1つのさらなる実施態様は、式:
【化4】

[式中、
は、水素、低級アルキル、ハロゲン、又はハロゲンによって置換されている低級アルキルであり;
は、水素又はハロゲンである]
で表される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる酸付加塩、ラセミ混合物若しくはその対応するエナンチオマー、及び/又は光学異性体、例えば
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール又は
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾールである。
【0019】
本発明の1つのさらなる実施態様は、式:
【化5】

[式中、
は、水素、低級アルキル、ハロゲン、又はハロゲンによって置換されている低級アルキルであり;
は、水素又はハロゲンであり;
は、C(R)又はNであり;
そして、Rは、水素、低級アルキル、ハロゲン、ハロゲンによって置換されている低級アルキル、低級アルコキシ、又はSO−低級アルキルである]
で表される化合物、あるいはその薬学的に許容しうる酸付加塩、ラセミ混合物若しくはその対応するエナンチオマー、及び/又は光学異性体、例えば
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(3−フェニル−3H−イミダゾール−4−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
6−[3−(4−クロロ−フェニル)−3H−イミダゾール−4−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール、又は
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3H−イミダゾール−4−イル]−1H−ベンゾイミダゾールである。
【0020】
本発明の式Iの化合物及びそれらの薬学的に許容しうる塩は、当技術分野において公知の方法によって、例えば、後述するプロセスによって調製されえ、当該プロセスは、
式:
【化6】

で表される化合物を、式:
【化7】

で表される化合物と反応させて、式:
【化8】

で表される化合物にすること、及び所望であれば、得られた化合物を薬学的に許容しうる酸付加塩に変換すること
を含む。
【0021】
本発明の式Iの化合物の調製は、逐次又は収束合成経路で実施されうる。本発明の化合物の合成は、以下のスキーム1に示される。本反応及び得られた生成物の精製を実施するのに必要な技能は、当業者に公知である。以下のプロセスの記載において使用される置換基及び指数は、特に指定がなければ、本明細書において先に与えられた意味を有する。
【0022】
より詳細には、式Iの化合物は、後述の方法によって、実施例に与えられる方法によって、又は類似の方法によって製造されうる。個別の反応工程における適切な反応条件は、当業者に公知である。反応の順序は、スキーム1に示したものに限定されず、出発物質及びそれらの各反応性に依存して反応工程の順序を自由に変更することができる。出発物質は、市販のものであるか、あるいは後述の方法と類似の方法によって、本記載もしくは実施例で引用した参考文献に記載されている方法によって、又は当技術分野において公知の方法によって調製されうるかのいずれかである。
【0023】
【化9】
【0024】
式IAの化合物は、ブロモ−ベンズイミダゾール2とボロン酸1のパラジウム触媒カップリング反応によって調製されうる(スキームI)。
【0025】
ボロン酸1は、市販されているか、又は対応するフェニル−イミダゾール6から、−78℃で、n−ブチルリチウム及びホウ酸トリイソプロピルで処理することによって調製されうるかのいずれかである。市販されていなければ、フェニル−イミダゾール6は、対応するフェニル−ヒドラジン5から調製されうる。
【0026】
ブロモ−ベンズイミダゾール2は、4−ブロモ−2−フルオロ−ニトロベンゼン7を対応するアニリン8と反応させ、続いて、ニトロ基を還元して、1,2−ジアミノ−ベンゼン誘導体9にし、これをその後、オルトギ酸トリメチル及びギ酸で処理することによってベンズイミダゾール2に変換することによって調製されうる。
【0027】
【化10】
【0028】
式IBの関連するイミダゾール誘導体は、ブロモ−ベンズイミダゾール3と市販のフェニル−イミダゾール4とのパラジウム触媒カップリング反応によって容易に調製されうる(スキーム2)。
【0029】
化合物の単離及び精製
本明細書に記載される化合物及び中間体の単離及び精製は、所望なら、任意の適切な分離又は精製手順、例えば、濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、厚層クロマトグラフィー、分取低圧又は高圧液体クロマトグラフィー、又はこれらの手順の組み合わせにより、達成され得る。適切な分離及び単離手順の具体例は、本明細書下記の調製及び実施例を参照することにより得られうる。しかし、当然ながら、その他の等価な分離又は単離手順を使用してもよい。式Iのキラル化合物のラセミ混合物は、キラルHPLCを用いて分離されうる。
【0030】
式Iの化合物の塩
式Iの化合物は塩基性であり、対応する酸付加塩に変換されうる。この変換は、少なくとも化学量論量の適切な酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、及び有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等で処理することによって達成される。典型的には、遊離塩基を不活性有機溶媒、例えばジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、エタノール又はメタノール等に溶解し、酸を同様の溶媒に加える。温度を、0℃〜50℃で維持する。得られた塩は、自然に沈殿するか、又はより極性の小さい溶媒を用いて溶液からもたらされうる。
【0031】
塩基性の式Iの化合物の酸付加塩は、少なくとも化学量論当量の適切な塩基、例えば水酸化ナトリウム又はカリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア等で処理することによって対応する遊離塩基に変換されうる。
【0032】
式Iの化合物及びその薬学的に使用可能な付加塩は、有益な薬理学的特性を有する。具体的には、本発明の化合物が神経新生薬として活性を有することが見いだされた。
【0033】
本化合物を本明細書で以下に与えられる試験に従って調査した。
【0034】
神経新生アッセイ
神経幹細胞増殖アッセイ
小分子の神経新生特性は、以前に記載されているような二重スマッド(smad)阻害を介して誘導されたヒト胚性幹細胞由来の神経幹細胞(NSC)の増殖に基づいて決定される(Chambers, S.M., et al., Highly efficient neural conversion of human ES and iPS cells by dual inhibition of SMAD signaling, Nature biotechnology, 2009.27(3): p. 275-80.)。
【0035】
化合物の応答は、4日間インキュベートした後のATPレベル(Promega:CellTiterGlo(登録商標))に基づいた細胞の増加によって測定される。
【0036】
NSCを融解し、3継代成長させる。14日目に、NSCをポリオルニチン/ラミニンコートの384ウェルプレートに、培地量38μl中、細胞密度21,000細胞/cm2で播種する。
播種の4時間後、化合物溶液を2μlの容量で加える。化合物の原液(水、5%DMSO)を希釈し、8μM〜8nMの範囲の用量応答(11点、希釈比は2である)を得る。対照が細胞の神経新生特性を矛盾なく決定するために運行される。
【0037】
陰性(中性)対照は、細胞培養培地である(最終DMSO濃度:0.25%)。
陽性対照は、以下である:
1.細胞培養培地+100ng/ml FGF2(最終DMSO濃度:0.1%)
2.細胞培養培地+20ng/ml EGF(最終DMSO濃度:0.1%)
3.細胞培養培地+100ng/ml Wnt3a(最終DMSO濃度:0.1%)。
【0038】
37℃、5% COでの4日間インキュベート後、ウェルあたりのATP量を定量する。ATP濃度は、細胞数に比例する。ATPをPromega CellTiterGlo(登録商標)キットを使用して定量する。CellTiterGlo(登録商標)試薬は、細胞溶解バッファー、熱安定ルシフェラーゼ(UltraGlo(商標)recombinant luciferase)、マグネシウム及びルシフェリンを含有する。ルシフェリンはATPと反応し、オキシルシフェリン、AMP及び光を産生する。発光シグナルは、ATP含量と比例する。
【0039】
16個の陰性対照ウェルの平均を取ることによって、各アッセイプレートについての陰性(中性)対照の値を決定する。神経新生化合物の応答を(化合物/陰性対照)×100として各化合物について計算する。
【0040】
用量反応曲線からEC150の値を各試験化合物について決定する。EC150は、対照(100%)に対して150%活性に達する化合物濃度である。好ましい化合物は、以下の表に示すように、<2.8μMの範囲のEC150(μM)を示す。
【0041】
【表1】




【0042】
中間体
中間体A: 1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸
【化11】

THF(39.5ml)中の市販の1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール[CAS No 81329-32-0](1.6g、9.87mmol)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でN−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6N、6.47ml、10.4mmol)を滴下した。混合物を−78℃で1時間撹拌した後、ホウ酸トリイソプロピル(7.65g、9.35ml、39.5mmol)を−78℃で加えた。混合物を、−78℃で1時間撹拌し、徐々に室温に温め、そして1M HCl溶液で混合物のpHを5に調整した。混合物を蒸発させ、残った水層を酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして蒸発させた。原産物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/MeOH)そしてトリチュレート(ジエチルエーテル/ヘキサン)により精製し、標記化合物を白色の固体として得た(479mg、24%)、MS(ISN)m/z=205.0[(M−H)]、融点115℃。
【0043】
中間体B: 1−(p−トリル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸
【化12】

標記化合物、オフホワイトの固体(629mg、37%)、MS(ISN)m/z=201.2[(M−H)]、融点111℃を、中間体Aの一般的な方法に従って、市販の1−(p−トリル)−1H−ピラゾール[CAS No. 20518-17-6](1.35g、8.53mmol)及びホウ酸トリイソプロピルから、調製した。
【0044】
中間体C: 1−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸
【化13】

標記化合物、明褐色の固体(2.26g、62%)、MS(ISN)m/z=255.5[(M−H)]、融点306℃を、中間体Aの一般的な方法に従って、市販の1−(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)−1H−ピラゾール[CAS No. 207797-05-5](3g、14.1mmol)及びホウ酸トリイソプロピルから、調製した。
【0045】
中間体D: 1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸
【化14】

標記化合物、明褐色の固体(400mg、17%)、MS(ISN)m/z=221.2[(M−H)]を、中間体Aの一般的な方法に従って、市販の1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール[CAS No. 25419-86-7](1.87g、10.5mmol)及びホウ酸トリイソプロピルから、調製した。
【0046】
中間体E: 6−ブロモ−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【化15】

工程A
DMSO(17.9ml)中の市販の4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(1g、4.47mmol)と炭酸カリウム(680mg、4.92mmol)の撹拌した混合物に、アニリン(419mg、410μl、4.47mmol)を加え、反応混合物を室温で65時間撹拌した。反応混合物を水(100ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×70ml)で抽出した。合わせた有機層を水(1×50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして蒸発させた。粗生成物(橙色の固体、1.32g)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー[ヘプタン/酢酸エチル(0〜10%)]により精製して、橙色の固体(1.06g、3.62mmol)を得た後、これをメタノール(50.0ml)に溶解した。撹拌した溶液に、塩酸(37%、50ml)及び塩化スズ(II)二水和物(4.9g、21.7mmol)を室温で加え、その後、反応混合物を80℃で1時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、氷及び3N水酸化ナトリウム溶液(50ml)を加え、そして混合物を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして蒸発させた。粗生成物(0.94g)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル 4:1)により精製して、4−ブロモ−N2−フェニル−ベンゼン−1,2−ジアミンを明褐色の固体として得た(429mg、36%)、MS(ISN)m/z=261.0[(M−H)]、融点103℃。
【0047】
工程B
4−ブロモ−N2−フェニル−ベンゼン−1,2−ジアミン(工程A)(420mg、1.6mmol)とオルトギ酸トリメチル(4.8g、5ml、45.2mmol)の撹拌した混合物に、ギ酸(1.2g、1ml、26.1mmol)を室温で加え、そしてその後、反応混合物を還流条件下で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷やし、蒸発させ、そして酢酸エチル(2×40ml)で抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして蒸発させた。粗生成物(400mg)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル 3:2)により精製して、標記化合物をオフホワイトの固体として得た(358mg、82%)、MS(ISP)m/z=275.0[(M+H)]。
【0048】
中間体F: 6−ブロモ−1−p−トリル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【化16】

工程A
4−ブロモ−N2−p−トリル−ベンゼン−1,2−ジアミン、橙色の油状物(0.95g、76%)、MS(ISN)m/z=275.1[(M−H)]を、中間体E(工程A)の一般的な方法に従って、市販の4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(1g、4.47mmol)及びp−トルイジン(484mg、4.47mmol)から、調製した。
【0049】
工程B
標記化合物、明褐色の油状物(854mg、88%)、MS(ISP)m/z=289.0[(M+H)]を、中間体E(工程B)の一般的な方法に従って、4−ブロモ−N2−p−トリル−ベンゼン−1,2−ジアミン(工程A)(0.94g、3.39mmol)から、調製した。
【0050】
中間体G: 6−ブロモ−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【化17】

工程A
4−ブロモ−N2−(4−フルオロ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン、褐色の油状物(0.83g、33%)、MS(ISN)m/z=281.1[(M−H)]を、中間体E(工程A)の一般的な方法に従って、市販の4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(2g、8.94mmol)及び4−フルオロ−アニリン(1.02g、8.94mmol)から、調製した。
【0051】
工程B
標記化合物、オフホワイトの固体(751mg、88%)、MS(ISP)m/z=293.0[(M+H)]、融点111.5℃を、中間体E(工程B)の一般的な方法に従って、4−ブロモ−N2−(4−フルオロ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン(工程A)(0.82g、2.92mmol)から、調製した。
【0052】
中間体H: 6−ブロモ−1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【化18】

工程A
4−ブロモ−N2−(4−クロロ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン、明褐色の油状物(0.9g、41%)、MS(ISP)m/z=299.3[(M+H)]を、中間体E(工程A)の一般的な方法に従って、市販の4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(1.5g、6.71mmol)及び4−クロロ−アニリン(0.97g、7.38mmol)から、調製した。
【0053】
工程B
標記化合物、明褐色の固体(492mg、53%)、MS(ISP)m/z=309.3[(M+H)]、融点131℃を、中間体E(工程B)の一般的な方法に従って、4−ブロモ−N2−(4−クロロ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン(工程A)(0.9g、3.02mmol)から、調製した。
【0054】
中間体I: 6−ブロモ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【化19】

工程A
4−ブロモ−N2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン、明褐色の固体(0.46g、21%)、MS(ISP)m/z=331.3[(M+H)]、融点84℃を、中間体E(工程A)の一般的な方法に従って、市販の4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(1.5g、6.71mmol)及び4−トリフルオロメチル−アニリン(1.23g、7.38mmol)から、調製した。
【0055】
工程B
標記化合物、明褐色の固体(461mg、97%)、MS(ISP)m/z=341.3[(M+H)]、融点84.5℃を、中間体E(工程B)の一般的な方法に従って、4−ブロモ−N2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン(工程A)(0.46g、1.39mmol)から、調製した。
【0056】
中間体K: 6−ブロモ−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【化20】

工程A
4−ブロモ−N2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン、褐色の固体(1.98g、73%)、MS(ISP)m/z=299.3[(M+H)]、融点77℃を、中間体E(工程A)の一般的な方法に従って、市販の4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(2g、9.09mmol)及び2,4−ジフルオロ−アニリン(2.35g、18.2mmol)から、調製した。
【0057】
工程B
標記化合物、明褐色の固体(2.0g、98%)、MS(ISP)m/z=309.3[(M+H)]、融点84℃を、中間体E(工程B)の一般的な方法に従って、4−ブロモ−N2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン(工程A)(1.98g、6.62mmol)から、調製した。
【0058】
中間体L: 6−ブロモ−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール
【化21】

工程A
4−ブロモ−N2−ピリジン−4−イル−ベンゼン−1,2−ジアミン、白色の固体(0.31g、30%)、MS(ISP)m/z=266.3[(M+H)]、融点137.5℃を、中間体E(工程A)の一般的な方法に従って、市販の4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(0.865g、3.93mmol)及び4−アミノ−ピリジン(0.37g、3.93mmol)から、調製した。
【0059】
工程B
標記化合物、白色の固体(207mg、67%)、MS(ISP)m/z=274.3[(M+H)]、融点132℃を、中間体E(工程B)の一般的な方法に従って、4−ブロモ−N2−ピリジン−4−イル−ベンゼン−1,2−ジアミン(工程A)(0.3g、1.14mmol)から、調製した。
【0060】
中間体M: 6−ブロモ−1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【化22】

工程A
4−ブロモ−N2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン、明褐色の油状物(1.4g、49%)、MS(ISP)m/z=317.3[(M+H)]を、中間体E(工程A)の一般的な方法に従って、市販の4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(2g、9.09mmol)及び4−クロロ−2−フルオロ−アニリン(2.65g、18.2mmol)から、調製した。
【0061】
工程B
標記化合物、オフホワイトの固体(1.33g、92%)、MS(ISP)m/z=327.3[(M+H)]、融点154℃を、中間体E(工程B)の一般的な方法に従って、4−ブロモ−N2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン(工程A)(1.4g、4.44mmol)から、調製した。
【0062】
中間体N: 6−ブロモ−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【化23】

工程A
4−ブロモ−N2−(4−メトキシ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン、暗赤色の固体(2.48g、93%)、MS(ISP)m/z=293.4[(M+H)]、融点96℃を、中間体E(工程A)の一般的な方法に従って、市販の4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(2.0g、9.09mmol)及び4−メトキシ−アニリン(2.24g、18.2mmol)から、調製した。
【0063】
工程B
標記化合物、紅梅色の固体(2.3g、90%)、MS(ISP)m/z=305.4[(M+H)]、融点122℃を、中間体E(工程B)の一般的な方法に従って、4−ブロモ−N2−(4−メトキシ−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン(工程A)(2.47g、8.43mmol)から、調製した。
【0064】
中間体O: 6−ブロモ−1−(4−メチルスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール
【化24】

工程A
4−ブロモ−N2−(4−メチルスルホニル−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン、明褐色の固体(186mg、10%)、MS(ISN)m/z=339.5[(M−H)]、融点179℃を、中間体E(工程A)の一般的な方法に従って、市販の4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(1.21g、5.49mmol)及び4−メチルスルホニル−アニリン(0.94g、5.49mmol)から、調製した。
【0065】
工程B
標記化合物、オフホワイトの泡状物(147mg、79%)、MS(ISP)m/z=353.3[(M+H)]を、中間体E(工程B)の一般的な方法に従って、4−ブロモ−N2−(4−メチルスルホニル−フェニル)−ベンゼン−1,2−ジアミン(工程A)(0.18g、0.53mmol)から、調製した。
【0066】
実施例1
1−p−トリル−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化25】

1,2−ジメトキシエタン(3ml)中の6−ブロモ−1−p−トリル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体F)(100mg、348μmol)と1−p−トリル−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体B)(91.5mg、453μmol)の混合物に、2M 炭酸ナトリウム溶液(696μl、1.39mmol)加え、反応混合物を、超音波浴中で、10分間アルゴンでパージした。撹拌した混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(80.5mg、69.6μmol)を室温で加え、反応混合物を還流条件下で15時間撹拌した。反応混合物を室温に冷やし、水(20ml)に注ぎ、そして酢酸エチル(2×20ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、そして蒸発させた。粗物質(200mg)を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル 1:1)そしてジエチルエーテル/ヘプタンからのトリチュレートにより精製し、標記化合物をオフホワイトの固体として得た(55mg、43%)、MS(ISP)m/z=365.2[(M+H)]、融点165℃。
【0067】
実施例2
1−フェニル−6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化26】

標記化合物、オフホワイトの固体(36mg、29%)、MS(ISP)m/z=337.3[(M+H)]、融点194℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体E)(100mg、366μmol)及び市販の1−フェニル−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸[CAS No. 1238702-56-1](89.5mg、476μmol)から、調製した。
【0068】
実施例3
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール
【化27】

標記化合物、オフホワイトの固体(39mg、30%)、MS(ISP)m/z=355.2[(M+H)]、融点201℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体E)(100mg、366μmol)及び1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体A)(98.0mg、476μmol)から、調製した。
【0069】
実施例4
1−フェニル−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化28】

標記化合物、オフホワイトの泡状物(36mg、28%)、MS(ISP)m/z=351.3[(M+H)]を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体E)(100mg、366μmol)及び1−p−トリル−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体B)(96.2mg、476μmol)から、調製した。
【0070】
実施例5
6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1−p−トリル−1H−ベンゾイミダゾール
【化29】

標記化合物、オフホワイトの固体(27mg、22%)、MS(ISP)m/z=351.3[(M+H)]、融点146℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−p−トリル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体F)(100mg、348μmol)及び市販の1−フェニル−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸[CAS No. 1238702-56-1](85.1mg、453μmol)から、調製した。
【0071】
実施例6
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−p−トリル−1H−ベンゾイミダゾール
【化30】

標記化合物、オフホワイトの固体(22mg、17%)、MS(ISP)m/z=369.2[(M+H)]、融点149℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−p−トリル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体F)(100mg、348μmol)及び1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体A)(93.3mg、453μmol)から、調製した。
【0072】
実施例7
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(2−フェニル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化31】

標記化合物、明褐色の固体(26mg、21%)、MS(ISP)m/z=355.2[(M+H)]、融点194℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体G)(100mg、344μmol)及び市販の1−フェニル−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸[CAS No. 1238702-56-1](83.9mg、447μmol)から、調製した。
【0073】
実施例8
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
【化32】

標記化合物、白色の固体(40mg、31%)、MS(ISP)m/z=373.1[(M+H)]、融点173℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体G)(100mg、344μmol)及び1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体A)(92.0mg、447μmol)から、調製した。
【0074】
実施例9
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(2−p−トリル−2H−ピラゾール−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化33】

標記化合物、明褐色の泡状物(78mg、61%)、MS(ISP)m/z=369.2[(M+H)]を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体G)(100mg、344μmol)及び1−p−トリル−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体B)(90.2mg、447μmol)から調製した。
【0075】
実施例10
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
【化34】

標記化合物、黄色の固体(45mg、31%)、MS(ISP)m/z=423.5[(M+H)]、融点167℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体G)(100mg、344μmol)及び1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体C)(96.7mg、378μmol)から、調製した。
【0076】
実施例11
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化35】

標記化合物、オフホワイトの固体(28mg、21%)、MS(ISP)m/z=389.4[(M+H)]、融点180℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体G)(100mg、344μmol)及び1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体D)(84.0mg、378μmol)から、調製した。
【0077】
実施例12
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
【化36】

標記化合物、明褐色の固体(56mg、39%)、MS(ISP)m/z=439.4[(M+H)]、融点198℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体H)(100mg、325μmol)及び1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体C)(91.6mg、358μmol)から、調製した。
【0078】
実施例13
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
【化37】

標記化合物、明褐色の固体(29mg、22%)、MS(ISP)m/z=405.4[(M+H)]、融点182℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体H)(100mg、325μmol)及び1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体D)(79.6mg、358μmol)から、調製した。
【0079】
実施例14
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化38】

標記化合物、明褐色の固体(37mg、29%)、MS(ISP)m/z=439.4[(M+H)]、融点196℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体I)(100mg、293μmol)及び1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体D)(71.7mg、322μmol)から、調製した。
【0080】
実施例15
1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
【化39】

標記化合物、オフホワイトの固体(48mg、34%)、MS(ISP)m/z=441.4[(M+H)]、融点129℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体K)(100mg、324μmol)及び1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体C)(91.1mg、356μmol)から、調製した。
【0081】
実施例16
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化40】

標記化合物、オフホワイトの固体(29mg、22%)、MS(ISP)m/z=407.4[(M+H)]、融点133℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体K)(100mg、324μmol)及び1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体D)(79.2mg、356μmol)から、調製した。
【0082】
実施例17
1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
【化41】

標記化合物、明褐色の固体(69mg、55%)、MS(ISP)m/z=391.5[(M+H)]、融点152℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体K)(100mg、324μmol)及び1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体A)(79.9mg、388μmol)から、調製した。
【0083】
実施例18
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化42】

標記化合物、明褐色の固体(67mg、54%)、MS(ISP)m/z=423.3[(M+H)]、融点204℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体I)(100mg、293μmol)及び1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体A)(72.5mg、352μmol)から、調製した。
【0084】
実施例19
1−(4−クロロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
【化43】

標記化合物、オフホワイトの固体(44mg、35%)、MS(ISP)m/z=389.4[(M+H)]、融点173℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体H)(100mg、325μmol)及び1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体A)(80.3mg、390μmol)から、調製した。
【0085】
実施例20
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール
【化44】

標記化合物、オフホワイトの固体(62mg、48%)、MS(ISP)m/z=356.4[(M+H)]、融点199℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール(中間体L)(100mg、365μmol)及び1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体A)(90.2mg、438μmol)から、調製した。
【0086】
実施例21
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール
【化45】

標記化合物、白色の固体(50mg、37%)、MS(ISP)m/z=372.4[(M+H)]、融点203℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−ピリジン−4−イル−1H−ベンゾイミダゾール(中間体L)(100mg、365μmol)及び1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体D)(97.4mg、438μmol)から、調製した。
【0087】
実施例22
1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
【化46】

標記化合物、白色の固体(46mg、37%)、MS(ISP)m/z=407.5[(M+H)]、融点153℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体M)(100mg、307μmol)及び1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体A)(76.0mg、369μmol)から、調製した。
【0088】
実施例23
1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
【化47】

標記化合物、白色の固体(23mg、18%)、MS(ISP)m/z=423.4[(M+H)]、融点158℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体M)(100mg、307μmol)及び1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体D)(82.1mg、369μmol)から、調製した。
【0089】
実施例24
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化48】

標記化合物、オフホワイトの固体(34mg、27%)、MS(ISP)m/z=385.5[(M+H)]、融点143℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体N)(100mg、330μmol)及び1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体A)(81.6mg、396μmol)から、調製した。
【0090】
実施例25
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化49】

標記化合物、オフホワイトの固体(16mg、12%)、MS(ISP)m/z=401.5[(M+H)]、融点163℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体N)(100mg、330μmol)及び1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体D)(88.1mg、396μmol)から、調製した。
【0091】
実施例26
6−[2−(4−フルオロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化50】

標記化合物、白色の固体(12mg、14%)、MS(ISP)m/z=433.4[(M+H)]、融点247℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−メチルスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体O)(70mg、199μmol)及び1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体A)(49.2mg、239μmol)から、調製した。
【0092】
実施例27
6−[2−(4−クロロ−フェニル)−2H−ピラゾール−3−イル]−1−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化51】

標記化合物、白色の固体(13mg、15%)、MS(ISP)m/z=449.4[(M+H)]、融点280℃を、実施例1の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−メチルスルホニル−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体O)(70mg、199μmol)及び1−(4−クロロ−フェニル)−1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(中間体D)(53.2mg、239μmol)から調製した。
【0093】
実施例28
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(3−フェニル−3H−イミダゾール−4−イル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化52】

火炎乾燥反応フラスコに、市販の1−フェニル−1H−イミダゾール(50.5mg、0.35mmol)、パラジウム(II)アセタート(7.86mg、35.0μmol)、フッ化セシウム(106mg、0.7mmol)、トリフェニルアルシン(21.4mg、70.0μmol)及び6−ブロモ−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体G)(204mg、0.7mmol)を加えた。反応フラスコを排気し、アルゴンで埋め戻し、そしてこの順序を2回繰り返した。その後、DMF(1.75ml)を、アルゴン流下、シリンジにより室温で連続して加えた。得られた混合物を、アルゴン雰囲気下、140℃で48時間撹拌した。その後、反応混合物を室温に冷やし、水(20ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×30ml)で抽出し、そしてブライン(20ml)で洗浄した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、そして蒸発させた。粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー[ジクロロメタン/MeOH(0〜3%)]そしてジクロロメタン/ヘキサンからの結晶化により精製し、標記化合物をオフホワイトの固体として得た(23mg、19%)、MS(ISP)m/z=355.1[(M+H)]、融点216℃。
【0094】
実施例29
6−[3−(4−クロロ−フェニル)−3H−イミダゾール−4−イル]−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾイミダゾール
【化53】

標記化合物、オフホワイトの固体(20mg、15%)、MS(ISP)m/z=389.5[(M+H)]、融点254℃を、実施例28の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体G)(204mg、0.7mmol)及び市販の1−(4−クロロ−フェニル)−1H−イミダゾール(62.5mg、0.35mmol)から、調製した。
【0095】
実施例30
1−(4−フルオロ−フェニル)−6−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3H−イミダゾール−4−イル]−1H−ベンゾイミダゾール
【化54】

標記化合物、明褐色の固体(26mg、20%)、MS(ISP)m/z=373.5[(M+H)]、融点247℃を、実施例28の一般的な方法に従って、6−ブロモ−1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(中間体G)(204mg、0.7mmol)及び市販の1−(4−フルオロ−フェニル)−1H−イミダゾール(56.8mg、0.35mmol)から、調製した。