(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明のゲーム装置、ゲーム制御方法、およびゲーム制御プログラムの実施形態について説明する。
【0012】
[構成の概略]
図1は、本発明の一実施形態に係るゲームシステム1の構成の一例を示す構成図である。ゲームシステム1は、複数のユーザ端末100−N(Nは正の整数。ユーザ端末100−1、ユーザ端末100−2、・・・)と、SNSサーバ200と、ゲームサーバ(ゲーム装置)300とを備える。各ユーザ端末100−Nとサーバ装置は、ネットワーク5を介して接続されている。各ユーザ端末100−Nは、同様の構成を有することができるため、以下の説明では、いずれのユーザ端末であるかを区別しないときは、ユーザ端末100と表記する。
図1では、3台のユーザ端末100を示したが、ゲームシステム1は、任意の台数のユーザ端末100を備えることができる。ネットワーク5は、例えば、携帯電話網、PHS(Personal Handy-phone System)網、VPN(Virtual Private Network)網、専用通信回線網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、PSTN(Public Switched Telephone Network;公衆交換電話網)など、またはこれらの組み合わせによって構成される情報通信ネットワークである。
【0013】
以下の説明では、ゲームシステム1がユーザに提供するゲームは、SNSサーバ200が提供するSNS上で動作するソーシャルゲームであるものとする。「SNS上で動作するソーシャルゲーム」とは、SNSの会員を対象に提供されるゲームであって、ゲーム内でユーザ同士がつながりを持ちながら進行するゲームである。「ゲーム内でユーザ同士がつながりを持ちながら」とは、例えば、ユーザ間でコミュニケーションを取り合いながら、という意味である。
【0014】
[ゲームの概要]
図2は、本実施形態のゲームシステム1がユーザに提供するゲームの全体像を模式的に示す図である。ユーザが、例えば、SNSを提供するためのウェブページ(SNS画面)に設けられた特定のアイコンやハイパーリンクなどをタップまたはクリック等(以下、単に「操作」と称する)すると、ユーザ端末100でゲームアプリケーションが起動し、ロビー画面が表示される。ロビー画面において、ユーザは、第1のゲームと第2のゲームのいずれかを選択することができる。また、ロビー画面は、第1のゲームや第2のゲームにおいて、ユーザが「ロビーに戻る」操作を行った場合にも表示される。
【0015】
本実施形態において、第1のゲームは、例えば、1回毎のゲームに完結性があり、時間経過と無関係に進行するゲームである。第1のゲームは、例えば、ライン上に図柄が揃うと、図柄の種類とベット数に応じた配当が払い出されるスロットゲームである。一方、本実施形態において、第2のゲームは、例えば、時間経過に応じてゲームの状態が変化するゲームである。第2のゲームは、例えば、仮想的な街を作成するゲームであり、時間経過に応じてオブジェクトが成長したり、作成されたオブジェクトに応じて収入が得られる街づくりゲームである。第1のゲームと第2のゲームは、それぞれ完結性のあるゲームであり、ユーザが、それぞれを独立して楽しめる内容となっている。ユーザは、ロビー画面上で所定の操作をすることにより、スロットゲームまたは街づくりゲームのいずれかを選択することができる。ユーザがスロットゲームを開始する操作を行うと、後述するステージ毎に異なるローディング画面を挟んでスロットゲームが開始される。また、ユーザが街づくりゲームを開始する操作を行うと、街づくりゲーム専用のローディング画面を挟んで街づくりゲームが開始される。本実施形態のゲームシステム1が提供するゲーム世界においては、仮想的な価値(以下、単に「通貨」と称する)が例えば3種類存在する。通貨は、例えば、コイン、キャッシュ、ジェムの3種類である。スロットゲームにおいて、ユーザは、コインを消費し、ゲームの結果に応じてコインとキャッシュを獲得する。一方、街づくりゲームにおいて、ユーザは、キャッシュを消費し、キャッシュとコインを獲得する。コインやキャッシュは、例えば、ゲームへのユーザ登録時に初期値としてユーザに付与される他、ログインボーナス(後述)や現実のマネーとの引換、ゲーム運営者からのギフトとして獲得される。なお、ジェムは補助的な役割をする通貨であり、例えば、ユーザが現実のマネーを支払うことで獲得する。このジェムは、本発明の実施において必須のものではない。
【0016】
〔ロビー画面〕
図3は、ロビー画面の一例を示す図である。ロビー画面では、スロットゲームと街づくりゲームが結合したゲーム世界であることを示すタイトルが表示される。以下、スロットゲームと街づくりゲームがセットで制御されるゲームを、「スロット/待ちづくりゲーム」と称することがある。また、ロビー画面には、例えば、スロットゲームの各ステージの開始を受け付けるゲーム開始受付領域A1、A2、A3、および街づくりゲームの開始を受け付けるゲーム開始受付領域A4が設けられる。これらのゲーム開始受付領域は、ユーザによるゲームの開始指示を受け付けるグラフィックスイッチとして機能する。
【0017】
スロットゲームでは、例えば、レベルアップに応じて複数のステージが順次プレイ可能となる。
図3に示す状態では、ゲーム開始受付領域A1は、スロットゲームにおいて既にプレイ可能な状態となっているステージ(
図3中「STAGE1」すなわちステージ1)を表している。ユーザがゲーム開始受付領域A1を操作すると、スロットゲームのステージ1が開始される。ロビー画面におけるゲーム開始受付領域A2、A3は、スロットゲームにおいて未だプレイ可能となっていないステージを表している。従って、ユーザがゲーム開始受付領域A2またはA3を操作しても、スロットゲームは開始されない(ロックされた状態)。
【0018】
一方、ロビー画面におけるゲーム開始受付領域A4は、街づくりゲームを表している。ユーザがゲーム開始受付領域A4を操作すると、街づくりゲームが開始される。ロビー画面は、例えば、ゲーム開始受付領域A1〜A4を街に見立て、領域同士が道や橋などで連結された地図のようなデザインとなっており、各領域の表すゲームが1つのゲーム世界を構成しているような演出がなされている。また、ロビー画面には、矢印スイッチA5、A6が設けられ、これらのスイッチをユーザが操作すると、現画面がスライドアウトし、スロットゲームや街づくりゲームの別のステージを選択可能な画面が表示される。
【0019】
また、ロビー画面には、ステータス情報表示領域A7が設けられる。ステータス情報表示領域A7では、ユーザ名、スロットゲームにおけるレベルを示すスロットレベル、街づくりゲームにおけるレベルを示すCITYレベル、その他、アバター等で表されるユーザ画像等が表示される。また、ステータス情報表示領域A7では、ユーザがゲーム内で保有するコイン、キャッシュ、ジェムの量(額)が表示される。ユーザ名は、例えば、スロットゲームと街づくりゲームで共通のユーザ名である。スロットゲームにおいて、ユーザは、例えば、毎回のスロットゲームにおける合計ベット数を累積することにより経験値が増加し、経験値が基準値を満たすとレベルアップする。また、街づくりゲームにおいて、ユーザは、特定の建物を完成させるなどのミッションをクリアする毎に経験値が増加し、経験値が基準値を満たすとレベルアップする。
【0020】
その他、ロビー画面には、スイッチA8〜A13が設けられる。スイッチA8が操作されると、コインやキャッシュ、ジェムの他、各種アイテム等を購入可能なショップの画面が表示される。スイッチA9が操作されると、ゲーム内で(或いはSNS内で)で知り合いとなった他のユーザとのメッセージの作成および送受信のための画面が表示される。スイッチA10が操作されると、ゲーム音量などの設定を受け付ける設定画面が表示される。スイッチA11が操作されると、他のユーザにコインやキャッシュ、ジェムを贈ったり、ゲームの運営者から送られたコイン等を受け取ったりするための画面が表示される。例えば、ユーザがスロット/待ちづくりゲームにログインすると、前回贈られたときから一定時間(例えば1日、或いは数時間程度)経過していれば、ゲームの運営者から一定額のコイン等が贈られる(ログインボーナス)。スイッチA12が操作されると、ユーザのスロットゲームにおけるランキング(所持コインのランキング、過去の獲得コインのランキング等)がポップアップ表示される。スイッチA13が操作されると、スロット/待ちづくりゲームに他のユーザを招待する指示を受け付けるための画面が表示される。
【0021】
〔スロットゲームのゲーム画面〕
図4は、スロットゲームのゲーム画面(以下、スロット画面と称する)の一例を示す図である。スロット画面には、例えば、複数の図柄(シンボル)が縦方向に回転するリール部B1と、有効なラインを示す領域B2、B3とが設けられる。リール部B1は、例えば5列で構成され、それぞれの列が縦方向に回転する。リール部B1では、図柄テーブルとして予め配列されている各列の図柄のうち、3つの図柄のみが表示され、残りの図柄は隠れた状態とされる。また、有効なラインとは、ライン上に同じ図柄が揃うと、その図柄に対応する配当が支払われるラインである。
図5は、有効なラインの一部を列挙した図である。
図5において、ハッチングの施された位置(段)が、有効なラインを構成する位置を示す。
図5に示すように、有効なラインは、例えば、各列から上、中、下のうち任意の段を選択したものとして予め規定されており、ユーザは、有効なラインをいくつ設定するかを任意に選択することができる。例えば、ユーザが有効なラインを5に設定した場合、有効なラインは、
図5におけるライン1からライン5までとされる。
【0022】
また、スロット画面では、有効なラインの1ラインあたりのベット数を表示するベット数表示領域B4、ユーザが設定した有効なラインの数を表示するライン数表示領域B5、合計ベット数(1ラインあたりのベット数×有効なラインの数)を示す合計ベット数表示領域B6、直近の配当額を表示する配当額表示領域B7が設けられる。
【0023】
また、スロット画面では、説明画面表示スイッチB8、ベット数変更スイッチB9、ライン数変更スイッチB10、最大ライン数/開始スイッチB11、開始スイッチB12が設けられる。説明画面表示スイッチB8が操作されると、スロットゲームのルールなどの各種情報が表示される。ベット数変更スイッチB9が操作されると、1ラインあたりのベット数が変更される。ライン数変更スイッチB10が操作されると、有効なラインの数が変更される。最大ライン数/開始スイッチB11が操作されると、スロットゲームのステージに応じた有効なラインの最大ライン数が設定され、その時点で設定されている1ラインあたりのベット数で、スロットゲームの1ゲームが開始される。開始スイッチB12が操作されると、その時点で設定されている有効なラインの数および1ラインあたりのベット数で、スロットゲームの1ゲームが開始される。スロットゲームの1ゲームが開始されると、リール部B1が、ある程度の時間、縦方向に回転し、自動的に停止する。そして、有効なライン上に揃った図柄に応じて(5列全部揃う必要はない)、ユーザに配当としてのコインやキャッシュが払いだされる。配当の額は、配当額表示領域B7に表示されると共に、ステータス情報表示領域B13に表示されるコインやキャッシュの額に加算される。
【0024】
また、スロット画面では、ロビー画面におけるステータス情報表示領域A7と同様の情報(CITYレベルが省略されてもよい)を表示するステータス情報表示領域B13や、スイッチB14〜B16が設けられる。スイッチB14が操作されると、コインやジェム等を消費して各種アイテム等を購入可能なショップの画面が表示される。スイッチB15が操作されると、ゲーム音量などの設定を受け付ける設定画面が表示される。スイッチB16が操作されると、スロットゲームが終了し、ロビー画面が表示される。
【0025】
〔街づくりゲームのゲーム画面〕
図6は、街づくりゲームのゲーム画面(以下、街づくり画面と称する)の一例を示す図である。街づくり画面には、ユーザが作成する仮想的な街の例えば俯瞰図を示すメイン領域C1が設けられる。メイン領域C1には、建物C2など、ユーザが所望の場所に作成(建設)した様々なオブジェクトが表示される。ユーザが作成したオブジェクトには、時間の経過に応じて、住民が移り住んだり、逆に住民が環境に不満をもって去って行ったりする。住民の動向に応じて変化する街の人口は、例えば、人口に応じて伸縮する棒グラフ状の人口ゲージC3で表される。また、ユーザが作成したオブジェクトは、時間の経過に応じて、税収等としてのコインやキャッシュ、食糧、その他の生産物を生み出してユーザに還元することがある。
【0026】
メイン領域C1には、更に、建設スイッチC4や移動/撤去スイッチC5が設けられる。建設スイッチC4が操作されると、その時点で作成(建設)可能なオブジェクトの一部または全部が表示される。そして、ユーザが所望のオブジェクトを選択して街における所望の場所を指定すると、未完成の状態でオブジェクトがメイン領域C1に設置され、ユーザの操作や時間の経過に応じてオブジェクトが完成に近づいていく。オブジェクトとしては、人が住居可能な建物の他、商業施設、工場、公園、駅、田畑および作物、美術品、動物など、様々なものが用意されている。また、移動/撤去スイッチC5が操作されると、既に作成されたオブジェクトの移動、撤去などが、ユーザの指示に応じて行われる。
【0027】
メイン領域C1には、更に、ミッション一覧表示領域C6やスイッチC7が設けられる。ミッション一覧表示領域C6には、ユーザが街づくりゲーム内で行うべきミッションの一覧が表示される。ミッションとしては、例えば、特定の建物を建てる、街の人口を規定数まで上げる、知り合いのユーザが行っている街づくりゲームを手伝うなど、様々なものが用意されている。ミッションがクリアされると、ユーザにキャッシュやコイン、その他の特典が付与される。スイッチC7が操作されると、その時点における街の風景が保存され、後に任意のタイミングで閲覧可能となる。保存された街の風景は、SNSにおいて他のユーザに公開することもできる。
【0028】
また、街づくり画面には、ロビー画面におけるステータス情報表示領域A7と同様の情報(スロットレベルは省略されてもよい)を表示するステータス情報表示領域C8が設けられる。また、街づくり画面には、スイッチC9、C10、C11が設けられる。スイッチC9が操作されると、キャッシュやジェム等を消費して各種アイテム等を購入可能なショップの画面が表示される。スイッチC10が操作されると、ゲーム音量などの設定を受け付ける設定画面が表示される。スイッチC11が操作されると、街づくりゲームが終了し、ロビー画面が表示される。
【0029】
[機能構成]
以下、ゲームシステム1を構成する各構成要素の機能等について、より詳細に説明する。
図7は、ユーザ端末100の機能構成の一例を示す構成図である。ユーザ端末100は、例えば、入力部110と、通信部120と、表示部130と、記憶部140と、ゲーム制御部150とを備える。
入力部110は、例えば、ボタンやタッチパネル、キーボード、マウス、マイクロホンなどの入力デバイスの少なくとも一部を備え、ユーザからの指示情報の入力を受け付ける。通信部120は、ネットワーク5を介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。表示部130は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electroluminescence)表示装置であり、画像やテキスト等の情報を表示する。入力部110と表示部130とは一体に構成されてユーザからの操作を受け付けるタッチパネルであってよい。記憶部140は、ゲームアプリケーション記憶部142とユーザ情報記憶部144を備える他、図示しないOS(Operating System)やブラウザアプリケーションなどのプログラム、その他の情報が記憶される。ゲーム制御部150は、ロビー画面制御部151と、スロットゲーム制御部152と、街づくりゲーム制御部154とを備える。スロットゲーム制御部152は、サブ機能としてミニゲーム制御部153を備える。ゲーム制御部150は、ゲームサーバ300と協働してスロットゲームや街づくりゲームを制御する。詳しくは、後述する。
【0030】
図8は、SNSサーバ200の機能構成の一例を示す構成図である。SNSサーバ200は、SNSをユーザに提供するコンピュータ装置であり、例えば、SNS制御部210と、ユーザ情報記憶部220と、通信部230とを備える。SNS制御部210は、例えばウェブサーバの機能を備えており、予め定められたプログラムに基づいてSNSをユーザに提供する。ユーザ情報記憶部220には、SNSを利用する会員であるユーザに関するユーザ情報が記憶される。
【0031】
図9は、ユーザ情報記憶部220に記憶されるユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報記憶部220に記憶されるユーザ情報には、例えば、ユーザIDと、ユーザ名と、フレンドユーザIDと、メールアドレスとが含まれる。ユーザIDは、SNSにおいてユーザを識別する情報である。ユーザ名は、対応するユーザの名称であり、例えばSNSを利用するユーザのアカウント名である。フレンドユーザIDは、SNSにおいて対応付けられた他のユーザIDである。例えば、フレンドユーザとして対応付けられたユーザ間ではSNSにおける各種情報が共有されるように制御される。メールアドレスは、対応するユーザのメールアドレスである。通信部230は、ネットワーク5を介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。
【0032】
上記構成を用いて、SNSサーバ200は、ユーザ端末100を介してユーザにSNSを提供する為の処理を行うと共に、ユーザ端末100とゲームサーバ300との通信を中継する。本実施形態においては、ユーザ端末100とゲームサーバ300との間の通信は、例えば、SNSサーバ200を介して行われる。なお、ユーザ情報記憶部220は、SNSサーバ200とは別体のデータベースサーバが備えてもよい。
【0033】
図10は、ゲームサーバ300の機能構成の一例を示す構成図である。ゲームサーバ300は、例えば、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを備える。通信部310は、ネットワーク5を介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。
【0034】
記憶部320は、例えば、プログラム記憶部321と、ユーザ情報記憶部322と、スロットデザイン記憶部323と、オブジェクト情報記憶部324と、配当テーブル記憶部325と、収入/建設費テーブル記憶部326とを備える。プログラム記憶部321には、制御部330が実行する各種プログラムが記憶されている。
図11は、ユーザ情報記憶部322に記憶されるユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報記憶部322に記憶されるユーザ情報には、例えば、ユーザIDと、ユーザ名と、ユーザが保有するコイン、キャッシュ、ジェムの額と、スロットレベルと、CITYレベルと、街づくりゲームで作成されたオブジェクトの情報などが含まれる。スロットデザイン記憶部323には、スロットレベルなどに応じたスロットゲームのデザイン(図柄、背景、音楽など)の情報が記憶されている。オブジェクト情報記憶部324には、CITYレベルなどに応じて作成可能となる各種オブジェクトの形状、作成に必要なキャッシュまたはジェムの額などの情報が記憶されている。配当テーブル記憶部325には、スロットゲームにおける有効ライン上の図柄と、配当との対応関係を規定した配当テーブルが記憶されている。収入/建設費テーブル記憶部326には、街づくりゲームにおいて、時間の経過に応じてオブジェクトが生み出すキャッシュやコインを規定した収入/建設費テーブルが記憶されている。なお、記憶部320は、ゲームサーバ300とは別体のデータベースサーバが備えてもよい。
【0035】
制御部330は、例えば、ロビー画面制御部331と、スロットゲーム制御部332と、街づくりゲーム制御部334と、通貨変換部335と、通知制御部336とを備える。なお、通貨変換部335は、後述する通貨の変換をユーザに行わせない場合は、必須の構成でない。スロットゲーム制御部332は、サブ機能としてミニゲーム制御部333を備える。ロビー画面制御部331は、制御部330は、ユーザ端末100のゲーム制御部150と協働してスロットゲームや街づくりゲームを制御する。
【0036】
[ゲームの制御、処理フロー]
〔ロビー画面の制御〕
前述したように、ユーザが、例えば、SNS画面に設けられた特定のアイコンやハイパーリンクなどを操作すると、ユーザ端末100でゲームアプリケーションが起動し、ロビー画面が表示される。
【0037】
図12は、ゲームアプリケーション起動時における処理の流れを示すフローチャートの一例である。ユーザがSNS画面に設けられた特定のアイコンやハイパーリンクなどを操作すると、ユーザ端末100は、SNSサーバ200に対してスロット/街づくりゲームの起動操作がなされると(ステップS400)ゲームアプリケーションを起動させる(ステップS402)。ゲームアプリケーションが起動すると、スロット/街づくりゲームが開始されることを示す信号が、SNSサーバ200に送信される。SNSサーバ200は、信号を受信すると、ゲーム起動要求を、例えばユーザIDなどのユーザを特定する情報と共にゲームサーバ300に送信する(ステップS404)。ゲームサーバ300のロビー画面制御部331は、ユーザ情報記憶部322に記憶されたユーザのステータス情報(ユーザが保有するコイン、キャッシュ、ジェムの額、スロットレベル、CITYレベル、街づくりゲームで作成されたオブジェクトの情報など)やロビー画面の情報を、SNSサーバ200を介してユーザ端末100に送信する(ステップS406)。なお、以下、ユーザ端末100とゲームサーバ300が通信を行う際に、「SNSサーバ200を介して」と注記するのを省略する。
【0038】
ゲームアプリケーションが起動することによって、ユーザ端末100ではロビー画面制御部151が起動している。ロビー画面制御部151は、ゲームサーバ300から受信したステータス情報を反映させたロビー画面を表示するように、図示しないOSなどを介して表示部130を制御する(ステップS408)。また、ゲームサーバ300から受信したステータス情報は、ユーザ情報記憶部144に記憶される。ユーザ情報記憶部144は、例えば、ゲームアプリケーションが起動している間、ユーザのステータス情報を一時的に記憶する。なお、ロビー画面やスロット画面、街づくり画面の表示のためのデータは、画面表示の度にゲームサーバ300からユーザ端末100に送信されてもよいし、基本的なデザインに係るデータについてはユーザ端末100が保持してもよい。
【0039】
ユーザ端末100のロビー画面制御部151は、ユーザによりスロットゲームが選択されたか否かを判定する(ステップS410)。より具体的には、ロビー画面制御部151は、その時点でプレイ可能なスロットゲームのステージを表す、ロビー画面上の領域(
図3のゲーム開始受付領域A1など)がユーザにより操作されたか否かを判定する。ユーザによりスロットゲームが選択された場合、ロビー画面制御部151は、スロットゲームのローディング画面を表示すると共に、スロットゲーム制御部152を起動してスロットゲームを開始させる(ステップS412)。
【0040】
また、ユーザ端末100のロビー画面制御部151は、ユーザにより街づくりゲームが選択されたか否かを判定する(ステップS414)。より具体的には、ロビー画面制御部151は、街づくりゲームを表すロビー画面上の領域(
図3のゲーム開始受付領域A4など)がユーザにより操作されたか否かを判定する。ユーザにより街づくりゲームが選択された場合、ロビー画面制御部151は、街づくりゲームのローディング画面を表示すると共に、街づくりゲーム制御部154を起動して街づくりゲームを開始させる(ステップS416)。
【0041】
〔スロットゲームの制御〕
ロビー画面においてスロットゲームが選択されると、スロットゲームが開始される。
図13は、スロットゲームの制御のために実行される処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【0042】
スロットゲーム制御部152は、ユーザによるベット数の変更指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS500)。スロットゲーム制御部152は、ベット数の変更指示を受け付けた場合には、ベット数を変更した旨をゲームサーバ300に通知して、ベット数の表示を変更する(ステップS502)。なお、ユーザ端末100は、ベット数が変更された画面をゲームサーバ300から受信してもよいし、自らベット数の表示に係る部分(
図4におけるベット数表示領域B4、合計ベット数表示領域B6)の表示内容を変更してもよい。ライン数についても同様である。
【0043】
また、スロットゲーム制御部152は、ユーザによるライン数の変更指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS504)。スロットゲーム制御部152は、ライン数の変更指示を受け付けた場合には、ライン数を変更した旨をゲームサーバ300に通知して、ライン数を変更する(ステップS506)。
【0044】
ベット数やライン数の変更指示は、
図4におけるベット数変更スイッチB9、ライン数変更スイッチB10をユーザ操作した場合に受け付けられる。ベット数は、例えば、ユーザがベット数変更スイッチB9を操作する度に規定幅増加し、スロットレベルに応じた上限値に至った状態でベット数変更スイッチB9が操作されると、最小値に戻される。ライン数も同様に、例えば、ユーザがライン数変更スイッチB10を操作する度に規定幅増加し、スロットレベルに応じた上限値に至った状態でライン数変更スイッチB10が操作されると、最小値に戻される。
【0045】
次に、スロットゲーム制御部152は、ベットされた状態でスタート指示がなされたか否かを判定する(ステップS508)。ベットされた状態でスタート指示がなされたとは、
図4に例示したスロット画面における最大ライン数/開始スイッチB11が操作された場合(この場合、最大ベット数且つ最大ライン数となる)、および、ベット数とライン数が共にゼロでない状態で開始スイッチB12が操作された場合の双方を含む。
【0046】
ベットされた状態でスタート指示がなされた場合、スロットゲーム制御部152は、ユーザのコインを減らし、ゲームサーバ300にスタート通知を送信し、リール部B1を回転させる(ステップS510)。ユーザのコインは、
図4のスロット画面におけるステータス情報表示領域B13、およびユーザ情報記憶部144に記憶されたステータス情報の双方で減らされる。
【0047】
スタート通知を受信すると、ゲームサーバ300のスロットゲーム制御部152は、抽選や状態判定の処理を行う(ステップS512)。抽選や状態判定の処理の詳細については、後述する。そして、スロットゲーム制御部152は、処理の結果をユーザ端末100に送信する(ステップS514)。また、スロットゲーム制御部152は、処理の結果に応じて、ユーザ情報記憶部322に記憶されたユーザのステータス情報を更新する(ステップS516)。
【0048】
ユーザ端末100のスロットゲーム制御部152は、ゲームサーバ300から受信した処理の結果に応じた位置で、リール部B1を停止させる(ステップS518)。なお、ユーザ端末100は、リール部B1の回転開始から停止までの全ての画面を、ゲームサーバ300から受信してもよいし、自ら画面を生成してもよい。
【0049】
次に、スロットゲーム制御部152は、ゲームサーバ300から受信した「結果」に、ミニゲームやフリースピンの実施指示が含まれているか否かを判定する(ステップS520)。受信した結果に、ミニゲームの実施指示が含まれている場合、スロットゲーム制御部152は、ミニゲーム制御部153を起動し、ミニゲームを実施させる(ステップS522)。また、受信した結果に、フリースピンの実施指示が含まれている場合、スロットゲーム制御部152は、フリースピンを実施する(ステップS522)。
【0050】
ミニゲームとは、例えば、スロットゲームの図柄と共通するテーマのキャラクター等を使用した、スロットゲームとは異なる態様のゲームである。例えば、ユーザに、複数の選択肢から一または複数のものを選択させ、選択された選択肢が当たりであるか、はずれであるかに応じてユーザに配当を行うような態様のゲームが、ミニゲームとして実施される。ミニゲーム制御部153は、例えば、ゲームサーバ300のミニゲーム制御部333から、ユーザのスロットレベルに応じた配当額、当たりとはずれに関する情報などを受信し、ミニゲームを実施する。また、フリースピンとは、所定回数、コインをベットせずにスロットゲームを行わせ、前回ベットされたのと同額のコインをベットしたのと同様の配当を行うことをいう。ユーザ端末100は、ミニゲームやフリースピンの画面をゲームサーバ300から受信しながら、これらのゲームをユーザに提供する。
【0051】
次に、スロットゲーム制御部152は、ゲームサーバ300から受信した処理の結果(ミニゲームやフリースピンを実施した場合は、それらの結果を加える)に応じて配当額を配当額表示領域B7に表示すると共に、配当額が加算されたコインやキャッシュの額を、ステータス情報表示領域B13に表示する(ステップS524)。
【0052】
次に、スロットゲーム制御部152は、ユーザによりロビー画面に戻る指示がなされたか否かを判定する(ステップS526)。具体的には、スロットゲーム制御部152は、
図4におけるスイッチB16が操作されたか否かを判定する。ユーザによりロビー画面に戻る指示がなされた場合、スロットゲーム制御部152は、スロットゲームを終了し、ロビー画面を表示するようにロビー画面制御部151に依頼する(ステップS528)。ユーザによりロビー画面に戻る指示がなされなかった場合、スロットゲームの次の1ゲームが開始される(ステップS500〜)。
【0053】
図14は、ゲームサーバ300のスロットゲーム制御部332により実行される処理(
図13におけるステップS512の処理)の流れを示すフローチャートの一例である。
【0054】
まず、スロットゲーム制御部332は、抽選を行う(ステップS540)。具体的には、スロットゲーム制御部332は、リール部B1の各列の停止位置を、回転開始時の各列の位置と乱数処理の結果などに基づき決定する。そして、スロットゲーム制御部332は、停止したリール部B1の各列の位置を用いて配当テーブルを参照し、コインの配当額を決定する(ステップS542)。また、スロットゲーム制御部332は、停止したリール部B1の各列の位置を用いて配当テーブルを参照し、キャッシュの配当額を決定する(ステップS544)。また、スロットゲーム制御部332は、停止したリール部B1の各列の位置を用いて配当テーブルを参照し、ミニゲームやフリースピンの実施有無を決定する(ステップS546)。そして、スロットゲーム制御部332は、決定した内容を、ユーザ端末100に送信する(ステップS548)。
【0055】
図15は、配当テーブル記憶部325に記憶された配当テーブルの一例である。
図15に示すように、例えば、図柄「7」が有効ライン上で3つ(3列)揃った場合、ベット数の25倍のコインと、3倍のキャッシュが、それぞれ配当として払い出される。また、
図15に示すように、例えば、配当としてキャッシュが払い出されるパターンは、配当としてコインが払い出されるパターンよりも少なく設定される。すなわち、スロットゲームでは、キャッシュの方が、コインよりも低頻度に配当される。また、
図16は、配当テーブル記憶部325に記憶された配当テーブルの他の例である。
図16に示すように、スロットゲームにおいて、キャッシュの配当は、コインの配当の一定割合に設定されてもよい。ここで、キャッシュの配当倍率が小数点以下を含む場合、キャッシュの配当額は、例えば、四捨五入、切り捨て、切り上げなどで計算される。
【0056】
図14に戻り、フローチャートの処理を説明する。スロットゲーム制御部332は、今回のスロットゲームの実施により、ユーザのスロットレベルがアップしたか否かを判定する(ステップS550)。スロットレベルがアップした場合、スロットゲームの新しいステージをプレイ可能とするため、スロットゲーム制御部332は、新しいスロットデザインをスロットデザイン記憶部323から読み出す(ステップS552)。また、スロットゲーム制御部332は、読み出した新しいスロットデザインに含まれる図柄の識別情報を、街づくりゲーム制御部334に通知する(ステップS554)。ステップS554の処理の意義については後述する。
【0057】
なお、
図13、14で説明したユーザ端末100とゲームサーバ300の処理分担は、あくまで一例であり、ユーザ端末100とゲームサーバ300のいずれかが、上記説明よりも多くの処理を担ってもよい。
【0058】
このように、ゲームサーバ300は、スロットゲームの制御において、スロットゲームのベットに用いられるコインのみならずキャッシュの配当を行うことにより、ユーザを、スロットゲームを行うことにより貯まったキャッシュを街づくりゲームで使用するように誘導することができる。すなわち、ゲームサーバ300は、ユーザにスロットゲームとは別の街づくりゲームをプレイする動機を与え、ゲームの幅を広げることができる。
【0059】
〔街づくりゲームの制御〕
ロビー画面において街づくりゲームが選択されると、街づくりゲームが開始される。
図17は、街づくりゲーム制御部334によりに実行される処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図17のフローチャートにおける各ステップの処理は、街づくりゲーム制御部334を主体として実行され、実行結果が街づくり制御部154に送信される。そして、街づくり制御部に154が、受信した情報に応じて表示部130などを制御する。また、ユーザ端末100に対するユーザの操作は、街づくり制御部に154により検知され、街づくりゲーム制御部334に送信される。以下、このような流れを前提とし、処理の主体を街づくりゲーム制御部334として説明する。
【0060】
前回の基準時点(前回ステップS602、S604の処理が行われた時点)から所定時間が経過すると、街づくりゲーム制御部334は、その時点で存在するオブジェクトの状態を変化させる(ステップS600、S602)。オブジェクトの状態とは、オブジェクトの完成度、住居であるオブジェクトの居住率、畑であるオブジェクトの作物の生育度、その他の状態である。次に、街づくりゲーム制御部334は、その時点で存在するオブジェクトの種類や数、或いはオブジェクトの状態変化に応じて、キャッシュとコインをユーザに配当する(ステップS604)。街づくりゲーム制御部334は、例えば、収入/建設費テーブル記憶部326に記憶された収入/建設費テーブルを参照し、その時点で存在するオブジェクトに対応するキャッシュやコインの配当額を決定し、決定した額を街づくり制御部154に送信する。街づくり制御部154は、受信したキャッシュやコインの配当額に応じて街づくり画面におけるステータス情報表示領域C8の表示内容を変更する。
【0061】
図18は、収入/建設費テーブル記憶部326により記憶される収入/建設費テーブルの一例である。
図18に示すように、オブジェクト[民家(1)]からは、例えば所定時間毎にキャッシュが10単位、そして所定時間毎にランダムにコインが5単位の収入が得られる。また、オブジェクト[民家(2)]からは、例えば所定時間毎にキャッシュ20単位、そして所定時間毎にランダムにコイン10単位の収入が得られる。また、オブジェクト[高層マンション]からは、例えば所定時間毎にキャッシュ100単位の収入が得られる。また、オブジェクト[畑]からは、植えられた作物に対応した食材が得られる。また、オブジェクト[カジノ]からは、例えば所定時間毎にキャッシュ30単位、コイン30単位の収入が得られる。
【0062】
また、街づくりゲーム制御部334は、ユーザにより「建設」指示がなされたか否か(街づくり制御部154が、
図6における建設スイッチC4が操作されたことを検知したか否か)を判定する(ステップS606)。「建設」指示がなされると、街づくりゲーム制御部334は、収入/建設費テーブル326に設定されている建設費分のキャッシュを消費させて(ユーザの保有額から減らし)、ユーザにより指定された箇所にオブジェクトを設置する(ステップS610)。
【0063】
また、街づくりゲーム制御部334は、ユーザにより「移動/撤去」指示がなされたか否か(街づくり制御部154が、
図6における移動/撤去スイッチC5が操作されたことを検知したか否か)を判定する(ステップS618)。「移動/撤去」指示がなされると、街づくりゲーム制御部334は、ユーザ操作に応じて、指定されたオブジェクトを移動または撤去する(ステップS620)。
【0064】
また、街づくりゲーム制御部334は、ユーザがレベルアップしたか否かを判定する(ステップS622)。街づくりゲーム制御部334は、例えば、オブジェクトが作成されたり、オブジェクトから収入が得られたりする度にユーザの経験値をカウントアップし、経験値が規定値に達すると、ユーザのCITYレベルを1つアップさせる。街づくりゲーム制御部334は、ユーザがレベルアップすると、作成可能なオブジェクトを追加する(ステップS624)。このとき、街づくりゲーム制御部334は、追加した作成可能なオブジェクトの識別情報を、スロットゲーム制御部332に通知する(ステップS626)。
【0065】
このように、ゲームサーバ300は、街づくりゲームの制御において、オブジェクトの作成などに用いられるキャッシュのみならずコインをユーザに配当することにより、ユーザを、街づくりゲームを行うことにより貯まったコインをスロットゲームで使用するように誘導することができる。すなわち、ゲームサーバ300は、ユーザに街づくりゲームとは別のスロットゲームをプレイする動機を与え、ゲームの幅を広げることができる。
【0066】
また、ゲームサーバ300は、スロットゲームにおいてコインとキャッシュを配当し、街づくりゲームではキャッシュのみ配当する場合、或いは、街づくりゲームにおいてキャッシュとコインを配当し、スロットゲームではコインのみ配当する場合と比較すると、ユーザを、双方のゲームをバランス良くプレイするように誘導することができる。この結果、ゲームサーバ300は、ユーザに異なる2つのゲームをプレイする動機を双方向に与え、ゲームの幅を更に広げることができる。
【0067】
なお、
図17のフローチャートでは、街づくりゲーム内でキャッシュのみ消費されるものとしたが、街づくりゲーム内の特定の場面では、コインも消費されるものとしてもよい。
図19は、街づくりゲーム制御部334によりに実行される処理の流れを示すフローチャートの他の例である。
図19のフローチャートにおいて、
図17と共通する処理については、同一のステップ番号を付している。以下、
図17と同一のステップ番号を付した処理については、説明を省略する。
【0068】
ステップS606において「建設」指示がなされたと判定されると、街づくりゲーム制御部334は、特定のオブジェクト(1)を建設するように指示されたか否かを判定する(ステップS608)。特定のオブジェクト(1)とは、例えばスロットゲームに関連した[カジノ]などのオブジェクトである。
【0069】
特定のオブジェクト(1)でないオブジェクトを建設するように指示された場合、街づくりゲーム制御部334は、収入/建設費テーブル326に設定されている建設費分のキャッシュを消費させて(ユーザの保有額から減らし)、ユーザにより指定された箇所にオブジェクトを設置する(ステップS610;
図17と同じ)。
【0070】
次に、街づくりゲーム制御部334は、設置されたのが特定のオブジェクト(2)であるか否かを判定する(ステップS612)。特定のオブジェクト(2)は、例えば、キャッシュとコインの変換に関連した[両替屋]などのオブジェクトである。設置されたのが特定のオブジェクト(2)である場合、街づくりゲーム制御部334は、以降、通貨変換部335を起動し、街づくりゲーム内でキャッシュとコインの変換を可能にする(ステップS614)。その後、ユーザは、例えば、オブジェクト[両替屋]を操作することで、キャッシュとコインの変換を指示するための画面を表示させ、その画面上で所定の操作を行うことにより、保有するキャッシュとコインを所定の変換レートで変換することができるようになる。なお、同じタイミングで、スロットゲームにおいてもキャッシュとコインの変換ができるようにしてよい。また、街づくりゲームにおいてはキャッシュからコインへの変換のみできるようにし、スロットゲームにおいてはコインからキャッシュへの変換のみできるようにしてもよい。その逆に、街づくりゲームにおいてはコインからキャッシュへの変換のみできるようにし、スロットゲームにおいてはキャッシュからコインへの変換のみできるようにしてもよい。また、キャッシュとコインの変換は、上記のような条件付きで可能とする必要は無く、ゲーム開始時から無条件で可能としても構わない。このようなコインとキャッシュの変換は、通貨変換部335によって制御される。
【0071】
ステップS608において、特定のオブジェクト(1)を建設するように指示されたと判定された場合、街づくりゲーム制御部334は、特定のオブジェクト(1)に対応して収入/建設費テーブル326に設定されている建設費分のコインを消費して(ユーザの保有額から減らし)、ユーザにより指定された箇所にオブジェクトを設置する(ステップS616)。
【0072】
〔図柄とオブジェクトの関連付け〕
スロットゲーム制御部332と、街づくりゲーム制御部334は、スロットゲームの図柄と、街づくりゲームにおける作成可能なオブジェクトとを関連させてよい。前述したように、スロットゲーム制御部332は、新しいスロットデザインをスロットデザイン記憶部323から読み出したときに、新しいスロットデザインに含まれる図柄の識別情報を、街づくりゲーム制御部334に通知する(
図14のステップS554)。これを受信した街づくりゲーム制御部334は、新しい図柄に対応したオブジェクトを、ユーザにより作成可能とする。
【0073】
図20は、街づくりゲーム制御部334により実行される処理の流れを示すフローチャートの一例である。街づくりゲーム制御部334は、新しいスロットデザインに含まれる図柄の識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS700)。街づくりゲーム制御部334は、新しいスロットデザインに含まれる図柄の識別情報を受信すると、新しい図側に関連したオブジェクトを、ユーザにより作成可能とする(ステップS702)。例えば、新しいスロットデザインに含まれる図柄が「大仏」であった場合、街づくりゲーム制御部334は、オブジェクト[大仏]を作成可能とする。具体的には、街づくりゲーム制御部334は、ユーザにより建設スイッチC4が操作されたときに表示されるオブジェクトの一覧に、[大仏]を追加する。そして、ユーザが[大仏]を選択した場合、オブジェクト[大仏]を、ユーザにより指定された箇所に設置する。
【0074】
一方、街づくりゲーム制御部334は、ユーザのレベルアップにより作成可能なオブジェクトを追加したときに、追加した作成可能なオブジェクトの識別情報を、スロットゲーム制御部332に通知する(
図17、19のステップS626)。これを受信したスロットゲーム制御部332は、新しいオブジェクトに対応した図柄を、スロットゲームの図柄に追加する。
【0075】
図21は、スロットゲーム制御部332により実行される処理の流れを示すフローチャートの一例である。スロットゲーム制御部332は、新しいオブジェクトの識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS710)。スロットゲーム制御部332は、新しいオブジェクトの識別情報を受信すると、新しいオブジェクトに関連した図柄を、スロットゲームのリール部B1に追加する(ステップS712)。例えば、新しく作成可能となったオブジェクトが[警察署]であった場合、スロットゲーム制御部332は、[パトカー]などの図柄をリール部B1に追加する。
【0076】
係る処理によって、ゲームサーバ300は、スロットゲームと街づくりゲームが相互に関連していることを演出し、ユーザに、同一のゲーム世界でプレイしているかのような印象を与えることができる。この結果、ゲームサーバ300は、ゲームの面白さを向上させることができる。
【0077】
〔プレイが偏っている場合に、プレイを誘導するための処理〕
(その1)
スロットゲーム制御部332は、街づくりゲームがプレイされる頻度を監視し、街づくりゲームがプレイされる頻度が低下すると、スロットゲームにおけるキャッシュの配当を増加させる。これによって、ゲームサーバ300は、より多くのキャッシュをユーザに配当し、ユーザが街づくりゲームをプレイするように誘導する。
図22は、スロットゲーム制御部332により実行される処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図22のフローチャートの処理は、例えば、監視期間ごとに定期的に行われる。
【0078】
スロットゲーム制御部332は、過去の監視期間において、該当するユーザにより街づくりゲームがプレイされた回数または時間を取得する(ステップS720)。スロットゲーム制御部332は、これらの情報を、例えば街づくりゲーム制御部334が記憶部320に記憶させているプレイ履歴情報を参照して取得する。
【0079】
次に、スロットゲーム制御部332は、取得した回数または時間を監視期間で除して、街づくりゲームがプレイされた頻度を示す指標値を算出する(ステップS722)。なお、指標値は、「街づくりゲームがプレイされた回数または時間」を「スロットゲームがプレイされた回数または時間」で除した値に基づくものであってもよい。スロットゲーム制御部332は、指標値が基準値を下回るか否かを判定する(ステップS724)。
【0080】
スロットゲーム制御部332は、指標値が基準値を下回る場合、キャッシュの配当を増加させる(ステップS726)。具体的には、スロットゲーム制御部332は、配当テーブル記憶部325に記憶された配当テーブルの内容を修正することにより、キャッシュの配当を増加させる。キャッシュの配当を増加させることは、キャッシュを払い出す頻度を高くすることで行われてもよいし、キャッシュを払い出す額を増加させることで行われてもよい。
図23は、配当テーブルの内容の修正例を示す図であり、キャッシュを払い出す頻度を高くすることによりキャッシュの配当を増加させる場合の修正例を示す図である。
図23(A)は、修正前の配当テーブルの内容を示し、
図23(B)は、修正後の配当テーブルの内容を示す。また、
図24は、配当テーブルの内容の修正例を示す図であり、キャッシュを払い出す額を増加させることによりキャッシュの配当を増加させる場合の修正例を示す図である。
図24(A)は、修正前の配当テーブルの内容を示し、
図24(B)は、修正後の配当テーブルの内容を示す。
【0081】
スロットゲーム制御部332は、キャッシュの配当を増加させると、通知制御部336を呼び出し、キャッシュの配当を増加させた状態であることをユーザに通知するように、ユーザ端末100に依頼する(ステップS728)。通知制御部336は、ユーザ端末100に対し、例えばポップアップ画面により、キャッシュの配当を増加させた状態であることをユーザに通知するように依頼する。
【0082】
このように、ゲームサーバ300は、ユーザにより街づくりゲームがプレイされる頻度が低下すると、スロットゲームにおけるキャッシュの配当を増加させることにより、ユーザを、街づくりゲームをプレイするように誘導することができる。この結果、ゲームサーバ300は、ユーザに異なる2つのゲームをバランスよくプレイするように誘導し、ゲームの幅を更に広げることができる。なお、ゲームサーバ300は、街づくりゲームがプレイされる頻度が低下すると、オブジェクトの建設費を低下させてもよい。
【0083】
(その2)
街づくりゲーム制御部334は、スロットゲームがプレイされる頻度を監視し、スロットゲームがプレイされる頻度が低下すると、街づくりゲームにおけるコインの配当を増加させる。これによって、より多くのコインをユーザに配当し、ユーザがスロットゲームをプレイするように誘導する。
図25は、スロットゲーム制御部332により実行される処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図25のフローチャートの処理は、例えば、監視期間ごとに定期的に行われる。
【0084】
街づくりゲーム制御部334は、過去の監視期間において、該当するユーザによりスロットゲームがプレイされた回数または時間を取得する(ステップS730)。街づくりゲーム制御部334は、これらの情報を、例えばスロットゲーム制御部332が記憶部320に記憶させているプレイ履歴情報を参照して取得する。
【0085】
次に、街づくりゲーム制御部334は、取得した回数または時間を監視期間で除して、スロットゲームがプレイされた頻度を示す指標値を算出する(ステップS732)。なお、指標値は、「スロットゲームがプレイされた回数または時間」を「街づくりゲームがプレイされた回数または時間」で除した値に基づくものであってもよい。街づくりゲーム制御部334は、指標値が基準値を下回るか否かを判定する(ステップS734)。ステップS734における基準値は、
図22のステップS724における基準値と同じでもよいし、異なってもよい。
【0086】
街づくりゲーム制御部334は、指標値が基準値を下回る場合、コインの配当を増加させる(ステップS726)。具体的には、街づくりゲーム制御部334は、収入/建設費テーブル記憶部326に記憶された収入/建設費テーブルの内容を修正することにより、コインの配当を増加させる。コインの配当を増加させることは、コインをユーザに獲得させる頻度を高くすることで行われてもよいし、コインを獲得させる額を増加させることで行われてもよい。
図26は、収入/建設費テーブルの内容(収入に関する部分を抜粋)の修正例を示す図であり、コインを払い出す頻度を高くすることにより獲得させるコインを増加させる場合の修正例を示す図である。
図26(A)は、修正前の収入/建設費テーブルの内容を示し、
図26(B)は、修正後の収入/建設費テーブルの内容を示す。また、
図27は、収入/建設費テーブルの内容(収入に関する部分を抜粋)の修正例を示す図であり、コインを獲得させる額を増加させることにより獲得させるコインを増加させる場合の修正例を示す図である。
図27(A)は、修正前の収入/建設費テーブルの内容を示し、
図27(B)は、修正後の収入/建設費テーブルの内容を示す。
【0087】
街づくりゲーム制御部334は、コインの配当を増加させると、通知制御部336を呼び出し、コインの配当を増加させた状態であることをユーザに通知するように、ユーザ端末100に依頼する(ステップS738)。通知制御部336は、ユーザ端末100に対し、例えばポップアップ画面により、コインの配当を増加させた状態であることをユーザに通知するように依頼する。
【0088】
このように、ゲームサーバ300は、ユーザによりスロットゲームがプレイされる頻度が低下すると、街づくりゲームにおけるコインの配当を増加させることにより、ユーザを、スロットゲームをプレイするように誘導することができる。この結果、ゲームサーバ300は、ユーザに異なる2つのゲームをバランスよくプレイするように誘導し、ゲームの幅を更に広げることができる。
【0089】
(その3)
また、通貨変換部335は、スロットゲームがプレイされる頻度と、街づくりゲームがプレイされる頻度を比較し、いずれかの頻度が相対的に低い場合に、コインとキャッシュの変換レートを変更する。これによって、スロットゲームがプレイされる頻度が低い場合には、より多くのコインをキャッシュから変換でき、街づくりゲームがプレイされる頻度が低い場合には、より多くのキャッシュをコインから変化できるようにするため、スロットゲームと街づくりゲームをバランスよくプレイするように誘導することができる。
【0090】
図28は、通貨変換部335により実行される処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図28のフローチャートの処理は、例えば、監視期間ごとに定期的に行われる。通貨変換部335は、過去の監視期間においてスロットゲームがプレイされた回数または時間と、街づくりゲームがプレイされた回数または時間とを取得する(ステップS740)。通貨変換部335は、これらの情報を、例えばスロットゲーム制御部332が記憶部320に記憶させているプレイ履歴情報と、街づくりゲームが記憶部320に記憶させているプレイ履歴情報を参照して取得する。
【0091】
次に、通貨変換部335は、スロットゲームについての回数または時間を、街づくりゲームについての回数または時間で除して、スロットゲームと街づくりゲームのプレイ頻度比率を示す指標値を算出する(ステップS742)。そして、通貨変換部335は、指標値が第1の基準値を上回るか否かを判定する(ステップS744)。
【0092】
指標値が第1の基準値を上回る場合、通貨変換部335は、キャッシュのコインに対する相対的な価値を低下させる(ステップS746)。すなわち、通貨変換部335は、コインからキャッシュに変換する場合に、より多くのキャッシュが得られる方向に、変換レートを変更する。これによって、通貨変換部335は、コインからキャッシュに変換して街づくりゲームをプレイしようという動機をユーザに与えることができる。
【0093】
一方、指標値が第1の基準値以下である場合、通貨変換部335は、指標値が第2の基準値を下回るか否かを判定する(ステップS748)。ここで、第2の基準値≧第1の基準値である。指標値が第2の基準値を下回る場合、通貨変換部335は、コインのキャッシュに対する相対的な価値を低下させる(ステップS750)。すなわち、通貨変換部335は、キャッシュからコインに変換する場合に、より多くのコインが得られる方向に、変換レートを変更する。これによって、通貨変換部335は、キャッシュからコインに変換してスロットゲームをプレイしようという動機をユーザに与えることができる。
【0094】
係る処理によって、ゲームサーバ300は、ユーザに異なる2つのゲームをバランスよくプレイするように誘導し、ゲームの幅を更に広げることができる。
【0095】
[まとめ]
以上説明したゲームサーバ(ゲーム装置)300によれば、コインを消費するスロットゲームにおいてコインとキャッシュをユーザに払い出し、キャッシュを消費する街づくりゲームにおいてキャッシュとコインを払い出すため、スロットゲームと街づくりゲームを並行してプレイする環境を提供することができる。
【0096】
また、街づくりゲームは、時間の経過に応じてゲームの状態が変化する性質のゲームである。このため、ユーザは、街づくりゲームにおいて、例えばオブジェクトが成長するのを待つ時間の間、スロットゲームをプレイするといった楽しみ方をすることができる。これによって、ゲームサーバ300は、ゲームの幅を更に広げることができる。
【0097】
また、ゲームサーバ300は、プレイされる頻度が低下した方のゲームで消費される通貨を、より多くユーザに配当するように制御することにより、ユーザに異なる2つのゲームをバランスよくプレイするように誘導し、ゲームの幅を更に広げることができる。
【0098】
[ハードウェア構成など]
前述した各実施形態におけるユーザ端末100、SNSサーバ200、およびゲームサーバ300は、内部にコンピュータシステムを有している。「コンピュータシステム」は、CPU(Central Processing Unit)、RAM等のメモリ装置、ROM、HDD、フラッシュメモリ等の記憶装置、記憶媒体を装着可能なドライブ装置、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0099】
そして、前述したユーザ端末100の制御部150、SNSサーバ200のSNS制御部210、ゲームサーバ300の制御部350に含まれる各機能部等の動作の過程は、例えば、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。なお、上記各機能部の処理が、全てプログラムを実行することによって行われる必要は無く、一部の機能部は、IC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)、ネットワークカードなどのハードウェアによって実現されてもよい。
【0100】
「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるHDD等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0101】
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、更に、前述した機能を、コンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0102】
[変形等]
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0103】
例えば、上記実施形態では、ユーザ端末100とゲームサーバ300は、SNSサーバ200を介して通信を行うものとしたが、ユーザ端末100とゲームサーバ300は、SNSサーバ200を介さずに通信を行ってもよい。なお、SNSサーバ200には、いわゆるゲームプラットフォームサーバが含まれる。
【0104】
また、上記実施形態では、第1のゲームはスロットゲームであり、第2のゲームは街づくりゲームであるものとしたが、これらの一方または双方が、異なる種類のゲームであってもよい。また、第1のゲームと第2のゲームが同じ種類のゲームであってもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、ユーザは、第1のゲームであるスロットゲームと第2のゲームである街づくりゲームをプレイできるものとしたが、3種類以上のゲームをプレイできるようにしてもよい。この場合、ゲームサーバ300は、例えば、第1の通貨を消費する第1のゲームで第1の通貨と第2の通貨を配当し、第2の通貨を消費する第2のゲームで第2の通貨と第3の通貨を配当し、第3の通貨を消費する第1のゲームで第3の通貨と第1の通貨を配当するというように、配当に循環的な関係をもたせてもよい。
【0106】
また、ゲームサーバ300は、例えば、第1の通貨を消費する第1のゲームで第2の通貨のみ配当し、第2の通貨を消費する第2のゲームで第1の通貨のみ配当してもよい。