【文献】
Parent, M. et al.,Chemical Communications,2005年,(15),2029-2031
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マイクロチャネル、マイクロポンプ、カンチレバー、プラズモンデバイス及びフォトニック結晶の中から選ばれる三次元(3D)微細構造を作製するための請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物又は請求項8〜10のいずれか一項に記載の水溶液の使用。
【実施例】
【0077】
多光子活性化の原理の証拠が、アセテート類似体及びグルタメート類似体を調製及び試験することによって、本発明の化合物に関して実証された。
直接結合したトリス−ヘテロアリールアミンケージ化合物の合成の例:
中心対称性の本発明の八重極ケージ化合物が、以下のスキーム1によって実現した:
【0078】
【化15】
【0079】
(I
A)及び(I
B)等の八重極ケージ化合物の合成を、2つの相異なる化学的経路に従って実現することができる。スキーム1に示されるように、好都合に置換した出発ブロモアニリンを、デーブナー・ミラー型の反応条件を使用して、ブロモキナルジンに変換する(Vogel's Textbook of Practical Organic Chemistry; Fifth Edition, Longman Scientific Technical, 1989, p.1187)。臭素を、リガンドとしてのL−プロリンの存在下で、銅媒介性アミノ化において−NH
2によって置き換える。その後、三量体構造を、アミノキナルジン及び2当量のブロモキナルジンを用いて、ブッフバルト・ハートウィグのアミノ化条件を使用することによって組み立てた。最終工程では、二酸化セレンを使用することによるベンジル酸化、その後の水素化ホウ素ナトリウムを用いる還元によって、トリオールの単離がなされた。
【0080】
別の手順によれば、ブロモキナルジンを、SeO
2媒介性ベンジル酸化、及びメタノール中における水素化ホウ素ナトリウムによる形成したアルデヒドの還元、その後のTBS(t−ブチルジメチルシリルエーテル)としての第一級アルコールの保護によって、保護されたヒドロキシメチレンに変換する。水性アンモニアを使用するブロモキナルジンのアミノ化、その後のブッフバルト・ハートウィグのアミノ化、及びHF−ピリジンによるTBS基の脱保護によって、純粋なトリオールがもたらされた。
【0081】
【化16】
【0082】
内部スペーサーを有するトリス−ヘテロアリールアミン化合物の合成の例:
内部スペーサーを有する中心対称性のケージ化合物の調製は、薗頭の条件(TMS−アセチレンを使用することによる)下での対応するエチニル誘導体へのブロモキナルジンの変換からなるものであり、その後、TMS官能基の脱保護後に、アルキン−キナルジン(3当量)が、第2の薗頭反応によってトリアリールアミンと結合する。手順の最終段階は先に述べたものと同じ官能基変換工程を繰り返すものであり、SeO
2酸化、その後NaBH
4還元が行われ、純粋なトリオールが単離される。
【0083】
【化17】
【0084】
本発明による種々の化合物の調製:
A {6−[トリス−(2−ヒドロキシメチル−キノリン−6−イル)−アミノ]−キノリン−2−イル}−メタノールの調製
1)6−ブロモ−2−メチル−キノリンの調製
【0085】
【化18】
【0086】
デーブナー・ミラーの合成:
4−ブロモアニリン(12.4g、55.6mmol)を、0℃で37%HClの溶液(24mL)に添加した。その後、パラアルデヒド(21mL、168mmol、3当量)を導入し、混合物を、室温で1時間放置して反応させ、その後3時間還流させた。0℃への冷却後、水酸化ナトリウム(25mL)を液滴で添加し、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を水及びブラインで2回洗浄し、その後、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィ(SiO
2、シクロヘキサン−AcOEt 9/1)によって精製した。白色粉末が得られる(5.9g、48%)。
分子式:C
10H
8BrN
分子量:222.08g・mol
−1
1H NMR:δ7.92(d,J=9.7Hz,1H,H
8)、7.87(m,2H,H
4,H
5)、7.71(dd,J=9.7Hz,J=2.0Hz,1H,H
7)、7.27(d,J=9.7Hz,1H,H
3)、2.70(s,3H,CH
3(9))。
13C NMR:δ159.9(s,C
2)、146.8(s,C
8a)、135.6(s,C
4)、133.2(s,C
7)、130.7(s,C
8)、129.9(s,C
5)、128.0(s,H
4a)、123.2(s,C
3)、119.8(s,C
6)、25.7(s,CH
3(9))。
2)6−ブロモ−キノリン−2−カルバルデヒドの調製
【0087】
【化19】
【0088】
ジオキサン(50mL)中の懸濁液における二酸化セレン(Selenium dioxide)(1.3g、12mmol、1.3当量)を60℃で加熱した。その後、6−ブロモキナルジン(2g、9mmol)を導入し、混合物を80℃で3時間放置して反応させた。室温への冷却後、混合物をセライトで濾過し、ジオキサンで溶出し、減圧下で濃縮した。得られる生成物は、純粋な白色固体である(3.3g、>98%)。
分子式:C
10H
6BrNO
分子量:236.06g・mol
−1
1H NMR:δ10.17(s,1H,CHO)、8.19(d,J=8.5Hz,1H,H
4)、8.08(d,J=9.0Hz,1H,H
8)、8.04(d,J=2.0Hz,1H,H
5)、8.02(d,J=8.5Hz,1H,H
3)。
ESI m/z:236(M+H
+)、268(ヘミアセタール)、282(アセタール)。
Rf=0.71(シクロヘキサン/EtOAc:3/1)。
3)(6−ブロモ−2−イル)−メタノールの調製
【0089】
【化20】
【0090】
6−ブロモキノリン−2−カルバルデヒド(177mg、0.75mmol)を、0℃でEtOH(5mL)に添加した。その後、水素化ホウ素ナトリウム(28.4mg、0.75mmol、1当量)を導入し、混合物を室温で1時間撹拌した。エタノールを蒸発させ、水を添加した。溶液をジクロロメタンで抽出し、有機層を水及びブラインで2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。第一級アルコールを白色粉末として得た(179mg、>98%)。
分子式:C
10H
8BrNO
分子量:238.08g・mol
−1
1H NMR:δ8.06(d,J=8.5Hz,1H,H
4)、7.95(m,2H,H
5及びH
8)、7.79(d,J=8.7Hz,1H,H
7)、7.35(d,J=8.5Hz,1H,H
3)、4.93(s,2H,H
9)、4.15(b,1H,OH)。
13C NMR:δ160.8(s,C
2)、148.5(s,C
8a)、136.4(s,C
4)、133.7(s,C
7)、130.6(s,C
8)、130.1(s,C
5)、120.6(s,C
4a)、119.7(s,C
6)、64.5(s,C
9)。
MS(ESI):m/z=238.0、240.0[M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
10H
8BrNO+H]
+についてのm/zの算出値:237.9868、実測値:237.9872(ppm1.9)、239.9847、実測値:239.9852(ppm2.1)。
4)6−ブロモ−2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−キノリンの調製
【0091】
【化21】
【0092】
第一級アルコール(2g、8mmol、1当量)、TBDMSCl(1.4g、9mmol、1.1当量)及びイミダゾール(623mg、9mmol、1.1当量)を、DMF(20mL)に添加した。得られた溶液を室温で3時間撹拌し、その後溶媒を高減圧下で除去した。シクロヘキサンを添加し、混合物を水、その後ブラインで2回洗浄した。その後、有機層をMgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。生成物を白色固体として純粋な状態で得た(2.8g、>98%)。
分子式:C
16H
22BrNOSi
分子量:352.34g・mol
−1
1H NMR:δ7.98(d,J=8.5Hz,1H,H
4)、7.84(s,1H,H
5)、7.82(d,J=8.5Hz,1H,H
8)、7.67(d,J=8.5Hz,2H,H
3及びH
7)、4.95(s,2H,H
9)、0.95(s,9H,
tBu)、0.95(s,6H,diMe)。
13C NMR:δ162.6(s,C
2)、146.2(s,C
8a)、135.9(s,C
4)、133.2(s,C
7)、130.8(s,C
8)、130.0(s,C
5)、128.8(s,H
4a)、120.0(s,C
6)、119.6(s,C
3)、67.0(s,C
9)、26.3(s,
tBu)、18.7(s,
tBu)、−4.8(s,diMe)。
R
f=0.48(シクロヘキサン/EtOAc:3/1)。
MS(ESI):m/z=351.9、353.9[M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
16H
22BrNOSi+H]
+についてのm/zの算出値:352.0732、実測値:352.0743(ppm3.0)、354.0712、実測値:354.0726(ppm4.0)。
5)2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−キノリン−6−イルアミンの調製
【0093】
【化22】
【0094】
保護されたブロモキノリン誘導体(600mg、1.7mmol、1当量)、ヨウ化銅(65mg、0.3mmol、20mol%)、L−プロリン(78mg、0.7mmol、40mol%)及びK
2CO
3(705mg、5mmol、3当量)を、DMSO(20mL)に溶解した。その後、28%の水性アンモニアNH
4OH(1.6mL)を導入し、混合物を80℃で18時間加熱した。室温への冷却後、ジクロロメタンを添加し、その後飽和NH
4Cl溶液を添加した。水層をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機層を飽和NH
4Cl溶液で再度洗浄した。生成物を、カラムクロマトグラフィ(SiO
2、シクロヘキサン−AcOEt 1/1)によって精製し、白色粉末として得た(300mg、61%)。
分子式:C
16H
24N
2OSi
分子量:288.46g・mol
−1
1H NMR(250MHz):δ7.90(d,J=8.5Hz,1H,H
8)、7.83(d,J=8.7Hz,1H,H
4)、7.57(d,J=8.5Hz,1H,H
7)、7.11(d,J=8.7Hz,1H,H
3)、6.86(s,1H,H
5)、4.96(s,2H,H
9)、3.98(s,2H,NH
2)、0.97(s,9H,
tBu)、0.13(s,6H,diMe)。
13C NMR(250MHz):δ158.2(s,C
2)、144.7(s,C
6)、142.6(s,C
8a)、134.9(s,C
4)、130.1(s,C
8)、129.2(s,C
4a)、122.0(s,C
3)、119.3(s,C
7)、108.0(s,C
5)、67.1(s,C
9)、26.4(s,
tBu)、18.8(s,
tBu)、−4.8(s,diMe)。
ESI m/z:289.1(M+H
+)。
R
f=0.16(シクロヘキサン/EtOAc:3/1)。
MS(ESI):m/z=289.2[M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
16H
24N
2OSi+H]
+についてのm/zの算出値:289.1736、実測値:289.1732(ppm−1.4)。
6)トリス−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−キノリン−6−イル]−アミンの調製
【0095】
【化23】
【0096】
グローブボックスに置かれた封管内に、アミノ誘導体(100mg、0.3mmol、1当量)、ブロモ誘導体(269mg、0.8mmol、2.2当量)、ジパラジウムトリス−ジベンジリデンアセトン(Pd
2dba
3)(70mg、0.07mmol、20mol%)及びナトリウムtertブトキシドNaOC(CH
3)
3(73mg、0.8mmol、2.2当量)を導入した。トリtertブチルホスフィンP
tBu
3の1M溶液(64μL、0.3mmol、80mol%)及び蒸留トルエン(1.7mL)を添加し、管を密閉した。混合物を110℃で18時間加熱した。室温への冷却後、シクロヘキサンを添加し、有機層を水及びブラインで2回洗浄した。生成物を、カラムクロマトグラフィによって精製し(SiO
2、シクロヘキサン−AcOEt 9/1)、黄色粉末として得た(268mg、95%)。
分子式:C
48H
66N
4O
3Si
3
分子量:831.32g・mol
−1
1H NMR:δ7.97(m,2H,H
4及びH
8)、7.66(d,J=8.7Hz,1H,H
7)、7.62(d,J=8.5Hz,1H,H
3)、7.49(s,1H,H
5)、5.02(s,2H,H
9)、1.00(s,9H,
tBu)、0.17(s,6H,diMe)。
13C NMR:δ161.2(s,C
2)、145.4(s,C
6)、144.9(s,C
8a)、136.1(s,C
4)、130.5(s,C
8)、128.8(s,C
4a)、128.3(s,C
3)、120.7(s,C
7)、119.4(s,C
5)、67.1(s,C
9)、26.4(s,
tBu)、18.8(s,
tBu)、−4.8(s,diMe)。
ESI m/z:831.3(M+H
+)。
R
f=0.12(シクロヘキサン/EtOAc:9/1)、0.68(シクロヘキサン/EtOAc:2/1)。
1H NMR(250MHz):δ7.97(m,2H,H
4H
8)、7.66(d,J=8.7Hz,1H,H
7)、7.62(d,J=8.5Hz,1H,H
3)、7.49(s,1H,H
5)、5.02(s,2H,H
9)、1.00(s,9H,
tBu)、0.17(s,6H,diMe)。
13C NMR(63MHz):δ161.2(s,C
2)、145.4(s,C
6)、144.9(s,C
8a)、136.1(s,C
4)、130.5(s,C
8)、128.8(s,C
4a)、128.3(s,C
3)、120.7(s,C
7)、119.4(s,C
5)、67.1(s,C
9)、26.4(s,
tBu)、18.8(s,
tBu)、−4.8(s,diMe)。
MS(ESI):m/z=831.3[M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
48H
66N
4O
3Si
3+H]
+についてのm/zの算出値:831.4521、実測値:831.4560(ppm4.7)。
7)トリス−(2−メチル−キノリン−6−イル)−アミンの調製
【0097】
【化24】
【0098】
グローブボックスに置かれた封管内に、6−アミノキノリン誘導体(400mg、2.5mmol、1当量)、6−ブロモキノリン誘導体(1.2g、5.4mmol、2.2当量)、Pd
2dba
3(259mg、0.25mmol、10mol%)及びナトリウムtertブトキシドNaOC(CH
3)
3(577mg、6.0mmol、2.4当量)を導入した。トリ−tertブチルホスフィンP
tBu
3の1Mトルエン溶液(106μL、0.5mmol、20mol%)及び蒸留トルエン(12mL)を添加し、管を密閉した。混合物を110℃で18時間加熱した。室温への冷却後、溶媒を減圧下で除去し、その後ジクロロメタンを添加し、有機層を水及びブラインで2回洗浄した。生成物を、カラムクロマトグラフィ(SiO
2、ジクロロメタン−MeOH 99/1)によって精製し、黄色粉末として得た(781mg、71%)。
分子式:C
30H
24N
4
分子量:440.54g・mol
−1
1H NMR(250MHz):δ7.92(d,J=8.7Hz,1H,H
8)、7.74(d,J=8.3Hz,1H,H
4)、7.53(d,J=8.7Hz,1H,H
7)、7.38(s,1H,H
5)、7.15(d,J=8.3Hz,1H,H
3)、2.67(s,3H,H
9)。
13C NMR(125MHz):δ158.1(s,C
2)、145.4(s,C
6)、145.1(s,C
8a)、135.6(s,C
4)、130.3(s,C
8)、128.1(s,C
4a)、127.8(s,C
3)、122.8(s,C
7)、120.5(s,C
5)、25.5(s,C
9)。
ESI m/z:441.3(M+H
+)。
8)トリス−(キノリン−6−イル−2−カルバルデヒド)−アミンの調製
【0099】
【化25】
【0100】
ジオキサン(2mL)中の懸濁液における二酸化セレン(108mg、1.0mmol、3.3当量)を60℃で加熱した。6−トリス−キノリン(100mg、0.3mmol)を導入し、混合物を80℃で3時間放置して反応させた。室温への冷却後、混合物をセライトで濾過し、ジオキサンで溶出し、減圧下で濃縮した。生成物を、カラムクロマトグラフィ(SiO
2、シクロヘキサン−AcOEt 4/1)によって精製し、黄色の油として得た(43mg、30%)。
分子式:C
30H
18N
4O
3
分子量:482.49g・mol
−1
1H NMR(アセトン d6,250MHz):δ10.15(s,3H,CHO)、8.41(d,J=8.5Hz,3H,H
4)、8.26(d,J=8.5Hz,3H,H
3)、7.97(d,J=8.5Hz,3H,H
8)、7.88(m,6H,H
5及びH
7)。
13C NMR(75MHz):δ194.4(s,CHO)、153.5(s,C
2)、148.4(s,C
6)、146.9(s,C
8a)、138.0(s,C
4)、133.4(s,C
8)、132.9(s,C
4a)、130.2(s,C
7)、122.4(s,C
3)、119.0(s,C
5)。
9){6−[トリス−(2−ヒドロキシメチル−キノリン−6−イル)−アミノ]キノリン−2−イル}−メタノールの調製
【0101】
【化26】
【0102】
6−トリス−キノリン−2−カルバルデヒド(50mg、0.1mmol)を、0℃でEtOH(0.5mL)に添加した。その後、水素化ホウ素ナトリウム(18mg、0.47mmol、4.5当量)を導入し、混合物を室温で1時間撹拌した。エタノールを蒸発させ、水を添加した。溶液をジクロロメタンで抽出し、有機層を水及びブラインで2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。トリス−アルコールを黄色の油として得た(38mg、80%)。
分子式:C
30H
24N
4O
3
分子量:488.54g・mol
−1
1H NMR(500MHz):δ8.04(d,J=9.0Hz,3H,H
8)、7.91(d,J=8.0Hz,3H,H
4)、7.61(dd,J=9.0Hz,J=2.0Hz,3H,H
7)、7.61(d,J=2.0Hz,3H,H
5)、7.25(d,J=8.0Hz,3H,H
3)、4.90(s,6H,H
9)。
ESI m/z:489.2(M+H
+)。
R
f=0.11(RP18,MeOH/H
2O:3/2)。
1H NMR(500MHz)(MeOD):δ8.92(bb,3H,H
7)、8.48(d,J=6.5Hz,3H,H
4)、8.10(dd,J=8.0Hz,J=3.0Hz,6H,H
8H
3)、8.05(d,J=3.0Hz,3H,H
5)、5.23(s,6H,H
9)、4.86(bb,3H,OH)。
13C NMR(75MHz)(MeOD):δ161.3(s,C
2)、148.0(s,C
6)、146.8(s,C
8a)、136.7(s,C
4)、133.6(s,C
4a)、131.2(s,C
7)、123.9(s,C
8)、123.5(s,C
5)、121.7(s,C
3)、62.0(s,C
9)。
MS(ESI):m/z=489.1[M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
30H
24N
4O
3+H]
+についてのm/zの算出値:489.1927、実測値:489.1916(ppm−2.2)。
HPLC−MS:(方法C):rt=16.57分、m/z=489.1、260nm及び360nmで抽出(extraction)、λ
max=371nm。
9)酢酸[6−(ビス−(2−アセトキシメチル−キノリン−6−イル)−アミノ)−キノリン−2−イル]−メチルエステル「6−トリポード(tripode)−OAc」の調製
【0103】
【化27】
【0104】
トリスアルコール9(11mg、0.02mmol)、トリエチルアミン(14μL、0.1mmol、4.5当量)、無水酢酸(10μL、0.1mmol、4.5当量)及び触媒量のDMAPをジクロロメタン(100μL)に溶解し、混合物を暗所において室温で2時間撹拌した。その後、粗生成物を、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン−MeOH 95:5)によって精製して、化合物トリアセテートを黄色の油として得た(11mg、89%)。
分子式:C
36H
30N
4O
6
分子量:614.65g・mol
−1
R
f=0.21(シクロヘキサン/EtOAc:1/3)。
1H NMR(500MHz):δ8.01(d,J=9.0Hz,3H,H
8)、7.90(d,J=8.5Hz,3H,H
4)、7.58(dd,J=9.0Hz,J=2.5Hz,3H,H
7)、7.43(d,J=2.5Hz,3H,H
5)、7.39(d,J=8.5Hz,3H,H
3)、5,34(s,6H,H
9)、2.15(s,9H,OAc)。
13C NMR(125MHz):δ172.0(s,CO)、156.6(s,C
2)、146.8(s,C
6)、146.5(s,C
8a)、137.3(s,C
4)、132.1(s,C
7)、130.0(s,C
4a)、129.5(s,C
8)、121.6(s,C
3 C
5)、68.8(s,C
9)、22.3(s,OAc)。
MS(ESI):m/z=615.3[M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
36H
30N
4O
6+H]
+についてのm/zの算出値:615.2244、実測値:615.2233(ppm−1.7)。
UV(MeCN):λ
max=366nm、ε(λ
max)=13900M
−1・cm
−1。
B {7−[トリス−(2−ヒドロキシメチル−キノリン−7−イル)−アミノ]キノリン−2−イル}−メタノールの調製
1)7−ブロモ−2−メチル−キノリンの調製
【0105】
【化28】
【0106】
デーブナー・ミラーの合成:
3−ブロモアニリン(3mL、27mmol)を、0℃で37%HClの溶液(24mL)に添加した。その後、パラアルデヒド(8mL、83mmol、3当量)を導入し、混合物を、室温で1時間放置して反応させ、その後3時間還流させた。0℃への冷却後、水酸化ナトリウム(25mL)を液滴で添加し、混合物を、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水及びブラインで2回洗浄し、その後MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。生成物を、カラムクロマトグラフィ(SiO
2、シクロヘキサン−AcOEt 9/1)によって精製し、白色固体として得た(2.8g、46%)。
分子式:C
10H
8BrN
分子量:222.08g・mol
−1
IR(フィルム):1610cm
−1、1494cm
−1、1264cm
−1、841cm
−1、736cm
−1
融点:57℃
1H NMR:δ8.09(s,1H,H
8)、7.80(d,J=8.2Hz,1H,H
4)、7.39(m,2H,H
5及びH
7)、7.12(d,J=8.2Hz,1H,H
3)、2.61(s,3H,H
9)。
13C NMR:δ160.3(s,C
2)、148.6(s,C
8a)、136.2(s,C
4)、131.2(s,C
8)、129.4(s,C
5)、128.9(s,C
6)、125.3(s,C
4a)、123.7(s,C
7)、122.6(s,C
3)、25.7(s,C
9)。
R
f=0.33(シクロヘキサン/EtOAc:2/1)、0.73(シクロヘキサン/EtOAc:1/1)。
2)7−ブロモ−キノリン−2−カルバルデヒドの調製
【0107】
【化29】
【0108】
ジオキサン(50mL)中の懸濁液における二酸化セレン(1.6g、14mmol、1.3当量)を60℃で加熱した。7−ブロモキナルジン(2.5g、11.2mmol)を導入し、混合物を80℃で3時間放置して反応させた。室温への冷却後、混合物をセライトで濾過し、ジオキサンで溶出し、減圧下で濃縮した。生成物を白色固体として純粋な状態で得た(3.3g、>98%)。
分子式:C
10H
6BrNO
分子量:236.06g・mol
−1
IR(フィルム):1701cm
−1、1587cm
−1、1298cm
−1、911cm
−1、843cm
−1、757cm
−1
融点:151℃
SM−IC
+(CH
3OH)m/z:236(M+H
+)、268(ヘミアセタール)、282(アセタール)。
MS(ESI):m/z=236.0、238.0[M+H]
+、258.0、260.0[M+Na]
+、268.0、270.0(ヘミアセタール)、282.0、284.0(アセタール)。
HRMS(ESI):[C
10H
6BrNO+H]
+についてのm/zの算出値:235.9711、実測値:235.9702(ppm−3.8);237.9691、実測値:237.9681(ppm−4.0)。
3)(7−ブロモ−キノリン−2−イル)−メタノールの調製
【0109】
【化30】
【0110】
7−ブロモキノリン−2−カルバルデヒド(177mg、0.75mmol)を、0℃でEtOH(5mL)に添加した。その後、水素化ホウ素ナトリウム(28.4mg、0.75mmol、1当量)を導入し、混合物を室温で1時間撹拌した。エタノールを蒸発させ、水を添加した。溶液をジクロロメタンで抽出し、有機層を水及びブラインで2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。第一級アルコールを白色粉末として得た(179mg、>98%)。
分子式:C
10H
8BrNO
分子量:238.08g・mol
−1
R
f=0.25(シクロヘキサン/EtOAc:3/1)。
1H NMR(250MHz):δ8.19(s,1H,H
8)、8.06(d,J=8.5Hz,1H,H
4)、7.64(d,J=8.5Hz,1H,H
6)、7.57(d,J=8.0Hz,1H,H
5)、7.32(d,J=8.5Hz,1H,H
3)、4.91(s,2H,C
9)、4.60(bb,1H,OH)。
13C NMR(63MHz):δ160.9(s,C
2)、147.5(s,C
8a)、137.1(s,C
4)、131.2(s,C
8)、130.3(s,C
6)、129.3(s,C
5)、126.4(s,C
4a)、124.3(s,C
7)、119.2(s,C
3)、64.6(s,C
9)。
MS(ESI):m/z=238.0;240.0[M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
10H
8BrNO+H]
+についてのm/zの算出値:237.9868、実測値:237.9872(ppm1.9);239.9847、実測値:239.9852(ppm2.1)。
4)2−メチル−キノリン−7−イルアミンの調製
【0111】
【化31】
【0112】
7−ブロモキノリン誘導体(800mg、3.6mmol、1当量)、ヨウ化銅(137mg、0.7mmol、20mol%)、L−プロリン(166mg、1.4mmol、40mol%)及びK
2CO
3(1.5g、11mmol、3当量)を、DMSO(20mL)に溶解した。その後、水性アンモニア(28%)NH
4OH(2mL)を導入し、混合物を80℃で18時間加熱した。室温への冷却後、ジクロロメタンを添加し、その後飽和NH
4Cl溶液を添加した。水層をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機層を飽和NH
4Cl溶液で再度洗浄した。生成物を、カラムクロマトグラフィ(SiO
2、シクロヘキサン−AcOEt 1/3)によって精製し、白色粉末として得た(511mg、90%)。
分子式:C
10H
10N
2
分子量:158.20g・mol
−1
1H NMR(500MHz):δ7.69(d,J=8.0Hz,1H,H
4)、7.38(d,J=8.5Hz,1H,H
5)、7.04(s,1H,H
8)、7.85(d,J=8.0Hz,1H,H
3)、6.77(d,J=8.5Hz,1H,H
6)、4.26(bb,2H,NH
2)、2.58(s,3H,H
9)。
13C NMR(125MHz):δ160.3(s,C
2)、151.0(s,C
8a)、149.6(s,C
7)、137.1(s,C
4)、129.9(s,C
5)、121.5(s,C
4a)、119.6(s,C
4)、119.0(s,C
6)、109.8(s,C
8)、42.2(s,C
9)。
R
f=0.20(ジクロロメタン/MeOH:95/5)。
ESI m/z:159.2(M+H
+)。
5)トリス−(2−メチル−キノリン−7−イル)−アミンの調製
【0113】
【化32】
【0114】
グローブボックス内に置いた封管に、6−アミノキノリン誘導体(400mg、2.5mmol、1当量)、6−ブロモキノリン誘導体(1.2g、5.4mmol、2.2当量)、Pd
2dba
3(259mg、0.25mmol、10mol%)及びナトリウムtertブトキシドNaOC(CH
3)
3(577mg、6.0mmol、2.4当量)を投入した。トリtertブチルホスフィンP
tBu
3の1Mトルエン溶液(106μL、0.5mmol、20mol%)及び蒸留トルエン(12mL)を添加し、管を密閉した。混合物を110℃で18時間加熱した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除去し、その後ジクロロメタンを添加し、有機層を水及びブラインで2回洗浄した。生成物をカラムクロマトグラフィ(SiO
2、ジクロロメタン−MeOH 99/1)によって精製し、黄色の粉末として得た(715mg、65%)。
分子式:C
30H
24N
4
分子量:440.54g・mol
−1
1H NMR(250MHz):δ7.93(d,J=8.3Hz,1H,H
4)、7.68(d,J=8.5Hz,1H,H
5)、7.66(d,J=2.5Hz,1H,H
8)、7.40(dd,J=8.5Hz,J=2.5Hz,1H,H
6)、7.15(d,J=8.3Hz,1H,H
3)、2.63(s,3H,H
9)。
13C NMR(125MHz):δ159.8(s,C
2)、149.4(s,C
8a)、148.6(s,C
7)、136.0(s,C
4)、129.0(s,C
5)、124.4(s,C
6)、123.9(s,C
4a)、122.5(s,C
3)、121.2(s,C
8)、25.6(s,C
9)。
R
f=0.36(ジクロロメタン/MeOH:95/5)。
ESI m/z:441(M+H
+)、881(2M+H
+)。
6){7−[トリス−(2−ヒドロキシメチル−キノリン−7−イル)−アミノ]−キノリン−2−イル}−メタノールの調製
【0115】
【化33】
【0116】
第1の合成:
ジオキサン(2mL)中の懸濁液における二酸化セレン(108mg、1.0mmol、3.3当量)を60℃で加熱した。トリス−(2−メチル−キノリン−7−イル)−アミン(100mg、0.3mmol)を投入し、混合物を80℃で3時間反応させた。室温まで冷却した後、混合物をセライトで濾過し、ジオキサンで溶出し、減圧下で濃縮した。得られたトリスアルデヒドの一部(60mg、0.12mmol)をEtOH(0.5mL)に0℃で添加した。その後、水素化ホウ素ナトリウム(16mg、0.42mmol、4.5当量)を投入し、混合物を室温で1時間撹拌した。エタノールを蒸発させ、水を添加した。溶液をジクロロメタンで抽出し、有機層を水及びブラインで2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。トリオールが黄色の油として得られた(20mg、2工程で8%)。
第2の合成:
トリス−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−キノリン−6−イル]−アミン(35mg、0.04mmol、1.0当量)を蒸留THFに溶解した。その後、混合物にTBAFの1M THF溶液(672μL)を添加し、媒体を室温で3時間撹拌した。減圧下で濃縮した後、HCl/エーテルを添加することによって粗生成物を塩として変換した。濾液を除去した後、塩をMeOHから再結晶化した。黄色の結晶としてHCl塩を得た(14mg、70%)。
分子式:C
30H
24N
4O
3
分子量:488.54g・mol
−1
R
f=0.12(RP18,MeOH/H
2O:7/3)。
1H NMR(250MHz)(CDCl
3):δ8.07(d,J=8.5Hz,1H,H
4)、7.76(d,J=8.5Hz,1H,H
5)、7.75(d,J=2.0Hz,1H,H
8)、7.45(dd,J=8.5Hz,J=2.0Hz,1H,H
6)、7.19(d,J=8.5Hz,1H,H
3)、4.84(s,2H,H
9)。
(D
2O)(塩):δ9.06(d,J=8.5Hz,3H,H
6)、8.36(d,J=9.0Hz,3H,H
4)、8.19(s,3H,H
8)、7.97(d,J=8.5Hz,3H,H
5)、7.91(d,J=9.0Hz,3H,H
3)、5.27(s,6H,H
9)。
13C NMR(125MHz)(CDCl
3):δ160.1(s,C
2)、148.6(s,C
8a)、148.4(s,C
7)、136.8(s,C
4)、129.4(s,C
5)、125.1(s,C
4a)、125.0(s,C
3)、122.3(s,C
6)、117.8(s,C
8)、64.5(s,C
9)。
(D
2O)(塩):δ160.9(s,C
2)、151.7(s,C
8a)、148.0(s,C
7)、140.3(s,C
4)、132.9(s,C
5)、128.6(s,C
6)、127.6(s,C
4a)、120.2(s,C
3)、115.1(s,C
8)、62.0(s,C
9)。
MS(ESI):m/z=489.2[M+H]
+。
HPLC−MS:(方法C):rt=17.21分,m/z=489.2[M+H]
+、260nm及び360nmで抽出,λ
max=386nm。
分子式:C
30H
24N
4O
3
分子量:488.54g・mol
−1
1H NMR(250MHz):δ8.07(d,J=8.5Hz,1H,H
4)、7.76(d,J=8.5Hz,1H,H
5)、7.75(d,J=2.0Hz,1H,H
8)、7.45(dd,J=8.5Hz,J=2.0Hz,1H,H
6)、7.19(d,J=8.5Hz,1H,H
3)、4.84(s,2H,H
9)。
13C NMR(125MHz):δ160.1(s,C
2)、148.6(s,C
8a)、148.4(s,C
7)、136.8(s,C
4)、129.4(s,C
5)、125.1(s,C
4a)、125.0(s,C
3)、122.3(s,C
6)、117.8(s,C
8)、64.5(s,C
9)。
ESI m/z:489.2(M+H
+)。
C 本発明によるエチニル中心対称ケージの調製
1)2−メチル−5−トリメチルシラニルエチニル−キノリンの調製:
【0117】
【化34】
【0118】
封管内に、5−ブロモ−2−メチル−キノリン(1.0g、4.5mmol、1.0当量)、PdCl
2(PPh
3)
3(154mg、0.22mmol、5mol%)、ヨウ化銅(42mg、0.22mmol、5mol%)及びトリフェニルホスフィン(236mg、0.9mmol、20mol%)を投入した。その後、DMF(10mL)、続いてジエチルアミン(9.5mL、68mmol、15当量)及びトリメチルシリルアセチレン(700μL、5.0mmol、1.1当量)を添加した。混合物を110℃で一晩加熱した。冷却後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(フロリジル、シクロヘキサン−EtOAc 95:5)によって精製し、2−メチル−5−トリメチルシラニルエチニル−キノリンを白色の固体として得た(970mg、90%)。
分子式:C
15H
17NSi
分子量:239.39g・mol
−1
R
f=0.26(シクロヘキサン/EtOAc:95/5)。
1H NMR:δ8.45(d,J=8.7Hz,1H,H
8)、7.97(d,J=8.2Hz,1H,H
4)、7.60(d,J=8.7Hz,1H,H
7)、7.55(d,J=8.7Hz,1H,H
6)、7.28(d,J=8.2Hz,1H,H
3)、2.69(s,3H,H
9)、0.33(s,9H,TMS)。
13C NMR:δ159.7(s,C
2)、147.8(s,C
8a)、134.9(s,C
4)、130.5(s,C
6)、130.1(s,C
7)、129.0(s,C
8)、127.3(s,C
4a)、123.0(s,C
3)、121.1(s,C
5)、102.3(s,C
10)、100.3(s,C
11)、25.6(s,C
9)、0.49(s,TMS)。
2)5−エチニル−2−メチル−キノリンの調製:
【0119】
【化35】
【0120】
2−メチル−5−トリメチルシラニルエチニル−キノリン(140mg、0.6mmol、1.0当量)のMeOH溶液(5mL)に、K
2CO
3(324mg、2.34mmol、4当量)を添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。その後、溶媒を減圧下で除去した後、水を添加した。水層をシクロヘキサンで2回抽出した後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。濾過して減圧下で濃縮した後、粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(シクロヘキサン−EtOAc 99:1)によって精製し、5−エチニル−2−メチル−キノリンを黄色の油として得た(99mg、98%)。
分子式:C
12H
9N
分子量:167.21g・mol
−1
R
f=0.30(シクロヘキサン/EtOAc:95/5)。
1H NMR(250MHz):δ8.50(d,J=8.2Hz,1H,H
8)、8.03(d,J=8.5Hz,1H,H
4)、7.71(d,J=8.2Hz,1H,H
7)、7.61(d,J=8.2Hz,1H,H
6)、7.35(d,J=8.5Hz,1H,H
3)、3.47(s,1H,H
11)、2.75(s,3H,H
9)。
13C NMR(63MHz):δ160.0(s,C
2)、147.8(s,C
8a)、134.8(s,C
4)、131.0(s,C
6)、130.4(s,C
7)、129.1(s,C
8)、127.5(s,C
4a)、123.2(s,C
3)、120.1(s,C
5)、82.7(s,C
11)、81.1(s,C
10)、25.6(s,C
9)。
3)2−メチル−7−トリメチルシラニルエチニル−キノリンの調製:
【0121】
【化36】
【0122】
封管内に、7−ブロモ−2−メチル−キノリン(500mg、2.25mmol、1.0当量)、PdCl
2(PPh
3)
3(79mg、0.11mmol、5mol%)、ヨウ化銅(21mg、0.11mmol、5mol%)及びトリフェニルホスフィン(106mg、0.39mmol、20mol%)を投入した。その後、DMF(5mL)、続いてジエチルアミン(3.5mL、34mmol、15当量)及びトリメチルシリルアセチレン(350μL、2.5mmol、1.1当量)を添加した。混合物を110℃で一晩加熱した。冷却後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(フロリジル、シクロヘキサン−EtOAc 95:5)によって精製し、2−メチル−7−トリメチルシラニルエチニル−キノリンを白色の固体として得た(435mg、81%)。
分子式:C
15H
17NSi
分子量:239.39g・mol
−1
R
f=0.34(シクロヘキサン/EtOAc:95/5)。
Mp:96℃。
1H NMR(250MHz):δ8.15(s,1H,H
8)、8.00(d,J=8.2Hz,1H,H
4)、7.69(d,J=8.2Hz,1H,H
5)、7.52(d,J=8.2Hz,1H,H
6)、7.28(d,J=8.2Hz,1H,H
3)、2.75(s,3H,H
9)、0.30(s,9H,TMS)。
13C NMR(63MHz):δ160.1(s,C
2)、147.8(s,C
8a)、136.1(s,C
4)、132.8(s,C
8)、128.9(s,C
6)、127.8(s,C
5)、126.7(s,C
4a)、124.5(s,C
7)、122.9(s,H
3)、105.2(s,C
10)、96.5(s,C
11)、25.8(s,C
9)、0.40(s,TMS)。
4)7−エチニル−2−メチル−キノリンの調製
【0123】
【化37】
【0124】
2−メチル−7−トリメチルシラニルエチニル−キノリン(140mg、0.59mmol、1.0当量)のMeOH溶液(5mL)に、K
2CO
3(324mg、2.34mmol、4当量)を添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。その後、溶媒を減圧下で除去した後、水を添加した。水層をシクロヘキサンで2回抽出した後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。濾過して減圧下で濃縮した後、粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(シクロヘキサン−EtOAc 99:1)によって精製し、84mgの7−エチニル−2−メチル−キノリンを黄色の結晶として得た(86%)。
分子式:C
12H
9N
分子量:167.21g・mol
−1
R
f=0.35(シクロヘキサン/EtOAc:4/1)。
Mp:41℃。
1H NMR(500MHz):δ8.19(s,1H,H
8)、8.01(d,J=8.5Hz,1H,H
4)、7.71(d,J=8.5Hz,1H,H
5)、7.54(d,J=8.5Hz,1H,H
6)、7.29(d,J=8.5Hz,1H,H
3)、3.23(s,1H,H
11)、2.75(s,3H,H
9)。
13C NMR(125MHz):δ161.3(s,C
2)、148.7(s,C
8a)、137.2(s,C
4)、134.1(s,C
8)、129.9(s,C
6)、129.0(s,C
5)、127.9(s,C
4a)、124.5(s,C
7)、124.1(s,C
3)、84.8(s,C
10)、80.1(s,C
11)、26.7(s,C
9)。
5)2−メチル−6−トリメチルシラニルエチニル−キノリンの調製
【0125】
【化38】
【0126】
封管内に、6−ブロモ−2−メチル−キノリン(4.6g、21mmol、1当量)、PdCl
2(PPh
3)
3(727mg、1mmol、5mol%)、ヨウ化銅(197mg、1mmol、5mol%)及びトリフェニルホスフィン(1.1g、4.1mmol、20mol%)を投入した。その後、DMF(35mL)、続いてジエチルアミン(6mL、62mmol、5当量)及びトリメチルシリルアセチレン(3.2mL、23mmol、1.1当量)を添加した。混合物を一晩還流させた。冷却後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(フロリジル、シクロヘキサン−AcOEt 95/5)によって精製し、白色の固体として得た(4.2g、83%)。
分子式:C
15H
17NSi
分子量:239.39g・mol
−1
R
f=0.4(シクロヘキサン/EtOAc:4/1)。
1H NMR(250MHz):δ7.98(d,J=8.0Hz,1H,H
8)、7.94(d,J=8.5Hz,1H,H
4)、7.30(m,3H,H
3,H
5及びH
6)、2.75(s,3H,H
9)、0.31(s,9H,TMS)。
6)6−エチニル−2−メチル−キノリンの調製
【0127】
【化39】
【0128】
2−メチル−6−トリメチルシラニルエチニル−キノリン(2.1g、1.03mmol、1当量)のMeOH溶液(5mL)に、K
2CO
3(5.69g、4.12mmol、4当量)を添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。その後、溶媒を減圧下で除去した後、水を添加した。水層をシクロヘキサンで2回抽出した後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。濾過して減圧下で濃縮した後、粗生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィ(シクロヘキサン−EtOAc 99:1)によって精製し、169mgの6−エチニル−2−メチル−キノリンを黄色の結晶として得た(98%)。
分子式:C
12H
9N
分子量:167.21g・mol
−1
1H NMR(500MHz):δ7.94(d,J=8.5Hz,1H,H
8)、7.93(d,J=8.0Hz,1H,H
4)、7.90(d,J=1.0Hz,1H,H
5)、7.70(dd,J=8.5Hz,J=1.0Hz,1H,H
7)、7.25(d,J=8.0Hz,1H,H
3)、3.16(s,1H,H
11)、2.72(s,3H,H
9)。
13C NMR(125MHz):δ161.4(s,C
2)、148.8(s,C
8a)、137.2(s,C
4)、133.7(s,C
7)、133.1(s,C
5)、130.3(s,C
8)、127.4(s,C
4a)、124.1(s,C
3)、120.8(s,C
6)、84.7(s,C
10)、79.4(s,C
11)、26.8(s,C
9)。
7)トリス−[4−(2−メチル−キノリン−6−イルエチニル)−フェニル]−アミンの調製
【0129】
【化40】
【0130】
シュレンク管(schlenk)内に、トリス−p−ブロモフェニルアミン(54mg、0.1mmol、1当量)、アルキン誘導体(60mg、0.4mmol、4当量)、PdCl
2(PPh
3)
3(12mg、0.02mmol、15mol%)、ヨウ化銅(3mg、0.02mmol、15mol%)及びトリフェニルホスフィン(15mg、0.06mmol、55mol%)を投入した。その後、DMF(500μL)、続いてジエチルアミン(500μL、5mmol、45当量)を添加した。混合物を一晩還流させた。冷却後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(SiO
2、シクロヘキサン−AcOEt 9/1)によって精製し、橙色の固体として得た(16mg、20%)。
分子式:C
54H
36N
4
分子量:740.89g・mol
−1
1H NMR(500MHz):δ8.00(d,J=7.0Hz,3H,H
8)、7.98(d,J=8.5Hz,3H,H
4)、7.95(d,J=1.5Hz,3H,H
5)、7.77(dd,J=7.0Hz,J=1.5Hz,3H,H
7)、7.55(dd,J=7.5Hz,J=2.0Hz,6H,H
13)、7.35(dd,J=7.5Hz,J=1.5Hz,6H,H
14)、7.55(d,J=8.5Hz,3H,H
3)、2.74(s,9H,H
9)。
13C NMR(125MHz):δ161.1(s,C
2)、137.4(s,C
8a)、133.7(s,C
15)、133.5(s,C
4)、133.1(s,C
13)、132.2(s,C
7)、130.0(s,C
5)、129.9(s,C
8)、129.8(s,C
14)、127.7(s,C
4a)、124.5(s,C
6)、124.1(s,C
3)、122.2(s,C
12)、91.7(s,C
10)、90.5(s,C
11)、26.7(s,C
9)。
ESI m/z:741.0(M+H
+)。
8)トリス−[4−(キノリン−2−カルバルデヒド−6−イルエチニル)−フェニル]−アミンの調製
【0131】
【化41】
【0132】
ジオキサン(1mL)中の懸濁液における二酸化セレン(35mg、0.3mmol、4当量)を60℃で加熱した。トリス−キノリン誘導体(60mg、0.08mmol)を投入し、混合物を80℃で12時間反応させた。室温まで冷却した後、混合物をセライトで濾過し、ジオキサンで溶出し、減圧下で濃縮した。生成物を黄色の固体として得た(15mg、24%)。
分子式:C
54H
30N
4O
3
分子量:782.84g・mol
−1
1H NMR(500MHz):δ10.20(s,3H,CHO)、8.26(d,J=8.5Hz,3H,H
4)、8.20(d,J=8.5Hz,3H,H
3)、8.06(d,J=2.0Hz,3H,H
5)、8.03(d,J=8.5Hz,3H,H
8)、7.89(dd,J=8.5Hz,J=2.0Hz,3H,H
7)、7.57(m,6H,H
13)、7.37(m,6H,H
14)。
【0133】
【化42】
【0134】
トリアルデヒド(20mg、0.03mmol)のEtOH溶液(0.2mL)に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(5mg、0.13mmol、4.5当量)を少しずつ(portionwise)添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、水を添加した。溶液をジクロロメタンで抽出し、有機層を水及びブラインで2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。トリオールを黄色の油として得た。
分子式:C
54H
36N
4O
3
分子量:788.89g・mol
−1
本発明によるケージドアセテート化合物及びケージドグルタメート化合物の調製
D 酢酸6−[トリス−(2−アセトキシメチル−キノリン−6−イル)−アミノ]−キノリン−2−イルメチルエステルの調製
【0135】
【化43】
【0136】
トリオール(11mg、0.02mmol)、トリエチルアミン(14μL、0.1mmol、4.5当量)、無水酢酸(10μL、0.1mmol、4.5当量)及び触媒量のDMAPをジクロロメタン(100μL)に溶解し、混合物を室温で2時間、暗所で撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(SiO
2、ジクロロメタン−MeOH 95/5)によって精製し、黄色の油として得た(6mg、43%)。
分子式:C
36H
30N
4O
6
分子量:614.65g・mol
−1
R
f=0.21(シクロヘキサン/EtOAc:1/3)。
1H NMR(500MHz):δ8.01(d,J=9.0Hz,3H,H
8)、7.90(d,J=8.5Hz,3H,H
4)、7.58(dd,J=9.0Hz,J=2.5Hz,3H,H
7)、7.43(d,J=2.5Hz,3H,H
5)、7.39(d,J=8.5Hz,3H,H
3)、5,34(s,6H,H
9)、2.15(s,9H,OAc)。
13C NMR(125MHz):δ172.0(s,CO)、156.6(s,C
2)、146.8(s,C
6)、146.5(s,C
8a)、137.3(s,C
4)、132.1(s,C
7)、130.0(s,C
4a)、129.5(s,C
8)、121.6(s,C
3 C
5)、68.8(s,C
9)、22.3(s,OAc)。
MS(ESI):m/z=615.3[M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
36H
30N
4O
6+H]
+に関するm/zの算出値:615.2244、実測値:615.2233(ppm−1.7)。
UV(MeCN):λ
max=366nm、ε(λ
max)=13900M
−1・cm
−1。
E 酢酸7−[トリス−(2−アセトキシメチル−キノリン−7−イル)−アミノ]−キノリン−2−イルメチルエステルの調製
【0137】
【化44】
【0138】
トリオール(15mg、0.03mmol)、トリエチルアミン(19μL、0.1mmol、4.5当量)、無水酢酸(13μL、0.1mmol、4.5当量)及び触媒量のDMAPをジクロロメタン(100μL)に溶解し、混合物を室温で2時間、暗所で撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィ(SiO
2、ジクロロメタン−MeOH 95/5)によって精製し、黄色の油として得た(12mg、67%)。
分子式:C
36H
30N
4O
6
分子量:614.65g・mol
−1
R
f=0.23(シクロヘキサン/EtOAc:1/1)、0.55(シクロヘキサン/EtOAc:1/3)。
1H NMR(500MHz):δ8.09(d,J=8.5Hz,1H,H
4)、7.73(s,1H,H
8)、7.72(d,J=8.5Hz,1H,H
5)、7.44(dd,J=8.5Hz,J=2.0Hz,1H,H
6)、7.36(d,J=8.5Hz,1H,H
3)、5.28(s,2H,H
9)。
13C NMR(125MHz):δ170.5(s,C
10)、156.6(s,C
2)、148.8(s,C
8a)、148,2(s,C
7)、136.4(s,C
4)、128.8(s,C
5)、124.9(s,C
3)、124.6(s,C
4a)、122.4(s,C
6)、118.5(s,C
8)、67,2(s,C
9)、27.0(s,C
11)。
MS(ESI):m/z=615.1[M+H]
+,1229.0[2M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
36H
30N
4O
6+H]
+に関するm/zの算出値:615.2244、実測値:615.2221(ppm−3.7)。
HPLC−MS:(方法C):rt=16.13分、m/z=615.1、260nm及び360nmで抽出、λ
max=367nm。
UV(MeCN):λ
max=367nm,ε(λ
max)=13700M
−1・cm
−1。
F 2−アミノ−ペンタン二酸5−(7−{トリス−[2−(4−アミノ−4−カルボキシ−ブチリルオキシメチル)−キノリン−7−イル]−アミノ}−キノリン−2−イルメチル)エステルの調製
【0139】
【化45】
【0140】
NHBOC tert−ブチルエステルで保護されたトリグルタメート(12mg、0.014mmol)をTFAの50%ジクロロメタン溶液に溶解し、媒体を室温で3時間、暗所で撹拌した。反応が完了した後、溶媒を蒸発させ、得られた塩をMeOH及びエーテルから結晶化した(crystallized)後、濾過し、エーテルで洗浄し、橙色の粉末を得た(7mg、95%)。
分子式:C
45H
45N
7O
12
分子量:875.88g・mol
−1
1H NMR(500MHz):δ8.43(d,J=8.0Hz,3H,H
4)、8.02(d,J=8.0Hz,3H,H
5)、7.76(s,3H,H
8)、7.59(d,J=8.0Hz,6H,H
3及びH
6)、5.38(s,6H,H
9)、4.04(s,3H,H
13)、2.75(m,6H,H
12)、2.22(m,6H,H
11)。
MS(ESI):m/z=876.1[M+H]
+、ESI−:874.0[M−H]
+。
HRMS(ESI):[C
45H
45N
7O
12+H]
+に関するm/zの算出値:876.3204、実測値:876.3236(ppm3.6)。
HPLC−MS:(方法C):rt=15.41分、m/z=876.1[M+H]
+、260nm及び360nmで抽出、λ
max=396nm。
【0141】
【化46】
【0142】
得られたNHBOC tert−ブチルエステルで保護されたトリグルタメート(2mg、0.002mmol)(上記の式を参照されたい)を、99%TFA/ジクロロメタン(1/4)溶液に溶解し、媒体を室温で4時間、暗所で撹拌した。反応が完了した後、溶媒を蒸発させ、得られたHCl塩を乾燥させ、−4℃で使用前まで保存した。
分子式:C
45H
45N
7O
12
分子量:875.88g・mol
−1。
R
f=0.21(シクロヘキサン/EtOAc:1/1)。
1H NMR(500MHz):δ8.08(d,J=8.5Hz,3H,H
4)、7.72(d,J=8.5Hz,3H,H
5)、7.71(s,3H,H
8)、7.43(dd,J=8.5Hz,J=2.5Hz,3H,H
6)、7.36(d,J=8.5Hz,3H,H
3)、5.28(s,6H,H
9)、4.18(s,3H,H
13)、2.48(m,6H,H
12)、1.93(m,6H,H
11)、1.42(s,H
19 回転異性体)、1.41(s,27H,H
19)、1.40(s,H
16 回転異性体)、1.38(s,27H,H
16)。
13C NMR(125MHz):δ173.8(s,C
10)、172.6(s,C
14)、158.1(s,C
2)、156.8(s,C
17)、149.6(s,C
8a)、138.0(s,C
7)、130.3(s,C
4)、126.4(s,C
5)、126.2(s,C
3)、123.7(s,C
4a)、119.9(s,C
6)、119.8(s,C
8)、81.1(s,C
18)、78.8(s,C
15)、68.7(s,C
9)、50.6(s,C
13)、29.7(s,C
19)、29.5(s,C
16)、27.0(s,C
11)、26.3(s,C
12)。
MS(ESI):m/z=1344.5[M+H]
+、1366.3[M+Na]
+。
HRMS(ESI):[C
72H
93N
7O
18+Na]
+に関するm/zの算出値:1366.6475、実測値:1366.6475(ppm0.0)。
G 6,6’,6’’−(4,4’,4’’−ニトリロトリス(ベンゼン−4,1−ジイル)トリス(エチン−2,1−ジイル)トリス(2−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−7−(ジメチルアミノ)キノリン−8−カルボニトリル)の調製
1)6−ブロモ−7−ジメチルアミノ−2−メチルキノリン−8−カルボニトリルの調製
【0143】
【化47】
【0144】
8−シアノ−7−N,N−ジメチルアミノキナルジン(1.1g、5.2mmol、1.0当量)のクロロホルム溶液(26mL)に、NBS(1.2g、6.8mmol、1.3当量)を添加し、溶液を室温で3時間撹拌した。その後、混合物をNa
2S
2O
3の飽和溶液及びNaClの飽和溶液で2回洗浄し、有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。6−ブロモ−7−ジメチルアミノ−2−メチルキノリン−8−カルボニトリルをエーテルから結晶化し、淡黄色の結晶として得た(1.2g、78%)。
分子式:C
13H
12BrN
3
分子量:290.16g・mol
−1
R
f=0.6(シクロヘキサン/EtOAc:4/1)。
1H NMR(500MHz):δ7.73(s,1H,H
5)、7.30(d,J=9.0Hz,1H,H
4)、6.82(d,J=9.0Hz,1H,H
3)、3.15(s,6H,H
10)、2.59(s,3H,H
9)。
13C NMR(125MHz):δ160.1(s,C
2)、157.5(s,C
7)、150.2(s,C
8a)、139.0(s,C
4)、132.1(s,C
5)、121.7(s,C
4a)、119.8(s,CN)、118.8(s,C
3)、117.0(s,C
6)、92.4(s,C
8)、44.2(s,C
10)、27.4(s,C
9)。
MS(ESI):m/z=290.0,292.0[M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
13H
12BrN
3+H]
+に関するm/zの算出値:290.0293、実測値:290.0291(ppm−0.6);292.0272、実測値:292.0277(ppm1.6)。
2)6−ブロモ−7−ジメチルアミノ−2−ホルミルキノリン−8−カルボニトリルの調製
【0145】
【化48】
【0146】
ジオキサン(1mL)中の懸濁液における二酸化セレン(50mg、0.45mmol、1.3当量)を60℃で加熱した。その後、6−ブロモ−7−ジメチルアミノ−2−メチルキノリン−8−カルボニトリル(100mg、0.34mmol、1.0当量)を投入し、混合物を80℃で3時間反応させた。室温まで冷却した後、混合物をセライトで濾過し、ジオキサンで溶出し、減圧下で濃縮した。粗生成物をエーテルから沈殿させ、6−ブロモ−7−ジメチルアミノ−2−ホルミルキノリン−8−カルボニトリルを橙色の粉末として得た(74mg、72%)。
分子式:C
13H
10BrN
3O
分子量:304.14g・mol
−1
MS(ESI):m/z=304.0、306.0[M+H]
+、336.0、338.0[ヘミアセタール+H]
+。
3)6−ブロモ−7−ジメチルアミノ−2−(ヒドロキシメチル)キノリン−8−カルボニトリルの調製
【0147】
【化49】
【0148】
6−ブロモ−7−ジメチルアミノ−2−ホルミルキノリン−8−カルボニトリル(2.4g、7.9mmol、1.0当量)をMeOH(20mL)に0℃で添加した。その後、水素化ホウ素ナトリウム(328mg、8.7mmol、1.1当量)を投入し、混合物を室温で1時間撹拌した。溶液を1M HClでクエンチし、エタノールを蒸発させ、水を添加した。溶液をジクロロメタンで抽出し、有機層を水及びブラインで2回洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。6−ブロモ−7−ジメチルアミノ−2−(ヒドロキシメチル)キノリン−8−カルボニトリルを橙色の固体として得た(2.4g、98%)。
分子式:C
13H
12BrN
3O
分子量:306.16g・mol
−1
R
f=0.55(シクロヘキサン/EtOAc:1/1)。
1H NMR(250MHz):δ8.06(s,1H,H
5)、7.63(d,J=9.5Hz,1H,H
4)、7.13(d,J=9.5Hz,1H,H
3)、4.83(s,2H,H
9)、3.38(s,6H,H
10)。
13C NMR(63MHz):δ158.3(s,C
2)、156.4(s,C
7)、148.0(s,C
8a)、138.8(s,C
4)、131.3(s,C
5)、121.4(s,C
3)、118.5(s,C
4a)、118.2(s,CN)、112.6(s,C
6)、91.0(s,C
8)、64.0(s,C
9)、43.1(s,C
10)。
MS(ESI):m/z=306.0,308.0[M+H]
+。
HRMS(ESI):[C
13H
12BrN
3O+H]
+に関するm/zの算出値:306.0242、実測値:306.0252(ppm3.3);308.0222、実測値:308.0230(ppm2.8)。
4)6−ブロモ−2−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−7−(ジメチルアミノ)キノリン−8−カルボニトリルの調製
【0149】
【化50】
【0150】
6−ブロモ−7−ジメチルアミノ−2−(ヒドロキシメチル)キノリン−8−カルボニトリル(2g、6.5mmol、1当量)、TBDMSCl(1.4g、7.3mmol、1.1当量)及びイミダゾール(623mg、7.3mmol、1.1当量)をDMF(20mL)に添加した。得られた溶液を室温で3時間撹拌した後、溶媒を高減圧下で除去した。シクロヘキサンを添加し、混合物を水、その後ブラインで2回洗浄した。その後、有機層をMgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。純粋な状態で生成物を黄色の粉末として得た(1.9g、68%)。
分子式:C
19H
26BrN
3OSi
分子量:420.42g・mol
−1
R
f=0.23(シクロヘキサン/EtOAc:3/1)。
5)2−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−7−(ジメチルアミノ)−6−(トリメチルシリル)エチニル)キノリン−8−カルボニトリルの調製
【0151】
【化51】
【0152】
封管内に、6−ブロモ−2−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−7−(ジメチルアミノ)キノリン−8−カルボニトリル(946mg、2.25mmol、1.0当量)、PdCl
2(PPh
3)
3(79mg、0.11mmol、5mol%)、ヨウ化銅(21mg、0.11mmol、5mol%)及びトリフェニルホスフィン(106mg、0.39mmol、20mol%)を投入した。その後、DMF(5mL)、続いてジエチルアミン(3.5mL、34mmol、15当量)及びトリメチルシリルアセチレン(350μL、2.5mmol、1.1当量)を添加した。混合物を110℃で一晩加熱した。冷却後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(フロリジル、シクロヘキサン−EtOAc 95:5)によって精製し、2−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−7−(ジメチルアミノ)−6−(トリメチルシリル)エチニル)キノリン−8−カルボニトリルを白色の固体として得た(700mg、71%)。
分子式:C
24H
35N
3OSi
2
分子量:437.73g・mol
−1
1H NMR(500MHz):δ7.95(s,1H,H
5)、7.65(d,J=9.5Hz,1H,H
4)、7.03(d,J=9.5Hz,1H,H
3)、5.00(s,2H,H
9)、3.28(s,6H,H
10)、0.97(s,9H,TBDMS)、0.29(s,9H,TMS)、0.17(s,6H,TBDMS)。
6)2−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−7−(ジメチルアミノ)−6−エチニルキノリン−8−カルボニトリルの調製
【0153】
【化52】
【0154】
2−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−7−(ジメチルアミノ)−6−(トリメチルシリル)エチニル)キノリン−8−カルボニトリル(263mg、0.6mmol、1当量)のMeOH溶液(5mL)に、K
2CO
3(324mg、2.3mmol、4当量)を添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。その後、溶媒を減圧下で除去した後、水を添加した。水層をシクロヘキサンで2回抽出した後、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。減圧下での濃縮後、白色の固体を純粋な生成物として得た(189mg、86%)。
分子式:C
21H
27N
3OSi
分子量:365.54g・mol
−1
R
f=0.22(シクロヘキサン/EtOAc:4/1)。
1H NMR(500MHz):δ8.03(s,1H,H
5)、7.62(d,J=9.5Hz,1H,H
4)、7.09(d,J=9.5Hz,1H,H
3)、5.12(s,2H,H
9)、3.34(s,6H,H
10)、0.97(s,9H,TBDMS)、0.20(s,6H,TBDMS)。
13C NMR(125MHz):δ163.9(s,C
2)、158.2(s,C
7)、151.0(s,C
8a)、141.6(s,C
5)、132.8(s,C
4)、120.6(s,C
4a)、119.6(s,C
3)、119.2(s,CN)、114.1(s,C
6)、94.1(s,C
8)、84.2(s,C
11)、81.4(s,C
12)、67.7(s,C
9)、44.2(s,C
10)、27.4(s,TBDMS)、20.0(s,TBDMS)、−3.6(s,TBDMS)。
7)6,6’,6’’−(4,4’,4’’−ニトリロトリス(ベンゼン−4,1−ジイル)トリス(エチン−2,1−ジイル))トリス(2−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−7−(ジメチルアミノ)キノリン−8−カルボニトリルの調製
【0155】
【化53】
【0156】
封管内に、トリス−パラ−ヨードフェニルアミン(62mg、0.1mmol、1.0当量)、2−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−7−(ジメチルアミノ)−6−エチニルキノリン−8−カルボニトリル(110mg、0.3mmol、3.0当量)、PdCl
2(PPh
3)
3(11mg、0.015mmol、15mol%)、ヨウ化銅(3mg、0.015mmol、15mol%)及びトリフェニルホスフィン(16mg、0.06mmol、60mol%)を投入した。その後、DMF(0.3mL)、続いてジエチルアミン(0.6mL、4.5mmol、45当量)を添加した。混合物を110℃で一晩加熱した。冷却後、溶媒を蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィ(SiO
2、シクロヘキサン−EtOAc 95:5)によって精製し、6,6’,6’’−(4,4’,4’’−ニトリロトリス(ベンゼン−4,1−ジイル)トリス(エチン−2,1−ジイル))トリス(2−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−7−(ジメチルアミノ)キノリン−8−カルボニトリルを橙色の油として得た(39mg、29%)。
分子式:C
81H
90N
10O
3Si
3
分子量:1335.90g・mol
−1
1H NMR(250MHz):δ8.07(s,3H,H
5)、7.65(d,J=9.5Hz,3H,H
4)、7.50(d,J=7.8Hz,6H,H
14)、7.14(m,9H,H
15H
3)、5.21(s,6H,H
9)、3.36(s,18H,H
10)、0.93(s,27H,TBDMS)、0.22(s,18H,TBDMS)。
光分解実験:
次に、UV条件及びIR条件下での本発明のアシル化トリス−ヘテロアリールアミン化合物の光分解を研究した。トリアセテートエステル及びトリグルタメートエステルを試験した。
【0157】
任意の発色団の光化学効率は、観察される発色団の光化学的事象に特徴的な吸光係数(ε)及び量子収率(Q
u)によって求められる。これらの数値の積(εQ
u)は、例えば入射光による蛍光又は化学変換等の事象の効率を特徴づける。分子の2PA能は二光子吸収断面積δ
aによって特徴づけられ、マリア・ゲッパート=メイヤーにちなんだGM単位で表される(1GM=10
−50cm
4・s・photons
−1)。εに類似したこの数値(quantum)は、特定の波長及び偏光での2つの光子の同時吸収による分子の励起の可能性を反映する。二光子吸収断面積δ
aと二光子光分解アンケージング断面積(δ
u)との関係は、
δ
u=Q
u2×δ
a
(式中、Q
u2は二光子光分解量子収率である)によって表される。
【0158】
したがって、1PAと同様に、Q
u2×δ
aの積はTPAプロセスの効率を特徴づける。
【0159】
【化54】
【0160】
一光子(UV)照射条件下での本発明の化合物の評価:
トリアセテート試料及びトリグルタメート試料を、水性TRIS緩衝液(pH=7)中、又はアセトニトリル/ブリトン−ロビンソン緩衝液の50/50混合物(pH=7)中、0.1mM濃度で調製した。この溶液のアリコート(1mL)に、1mL石英皿内で、およそ366nm(ε
366nm=13700M
−1・cm
−1、εはモル吸光係数である)で照射した。光分解の進行を、C−18逆相クロマトグラフィを用いたHPLC(XTerra、溶離液:アセトニトリル/メタノール/NH
4CO
2H、260nm及び360nmで検出)によって追跡した。
【0161】
7−アミノキナルジン三量体から誘導された本発明のトリアセテート化合物について得られた結果は、以下のとおりである:
t
90%=48分、
アンケージング量子収率:Q
u=0.045、及び
変換効率:εQ
u=616。
二光子(IR)照射条件下での7−アミノキナルジン三量体から誘導された本発明のトリアセテート化合物の評価:
0.1mMの試料を、水性TRIS緩衝液(pH=7)中、又はアセトニトリル/TRISの混合物(50/50)中で調製し、45μL石英皿内で以下のように照射した。二光子光分解を、720nmに設定した、80MHzの繰り返し率で100fsのパルスを生成するチタンサファイアレーザー(Ti:Sa;Mai Tai、Spectra Physics, Inc.、USA)を用いて行った。レーザー光を皿上の直径30μmのスポットに対する50mmレンズ(LEICA)によって、直径およそ900nmのスポットに強く集束させた。二光子パターニング実験に用いたレーザー波長は720nmであった。この波長での対物面における最大時間平均レーザー出力は約90mW〜100mWであった(およそ1.3nJのパルスエネルギーに相当する)。脱保護に対する二光子アンケージングの影響を研究するために、総曝露時間及び適用レーザー出力の両方を変化させた。
【0162】
本発明の化合物について得られた結果は以下のとおりである:
δ
u=0.12GM、及び
δ
a=2.7GM。