【実施例1】
【0022】
本発明の好適な一実施例である実施例1の高速炉の炉心を、
図1及び
図2を用いて説明する。
【0023】
本実施例の高速炉の炉心1は、高速炉の原子炉容器(図示せず)内に配置され、内側炉心領域2及びこの内側炉心領域2を取り囲む外側炉心領域3を有する炉心燃料領域、第1放射線遮へい体領域4及び第2放射線遮へい体領域5を有する。炉心1の半径方向において、第1放射線遮へい体領域4が炉心領域を取り囲んで炉心燃料領域と隣り合っており、第2放射線遮へい体領域5が第1放射線遮へい体領域4を取り囲んでいる(
図1参照)。この炉心1は半径方向及び軸方向においてブランケット領域を配置していない。炉心1の軸方向において、上部放射線遮へい体領域13及び下部放射線遮へい体領域14が、内側炉心領域2及び外側炉心領域3のそれぞれの上方及び下方に配置される(
図2参照)。
【0024】
炉心1が適用される高速炉は、冷却材として液体ナトリウムを用いる。液体ナトリウムは原子炉容器内に充填されている。
【0025】
炉心1の炉心燃料領域(内側炉心領域2及び外側炉心領域3を含む)には、Pu酸化物(PuO
2)及び劣化ウランの酸化物(UO
2)を混合した混合酸化物(以下、MOX燃料という)を含む複数の内側炉心燃料集合体6、MOX燃料を含む複数の外側炉心燃料集合体7及びイナートマトリックス燃料を含む複数の燃料集合体(以下、イナートマトリックス燃料集合体という)8が装荷されている。
【0026】
イナートマトリックス燃料集合体8は、
図3に示すように、束ねられた複数の燃料棒11を、下端部がエントランスノズルに取り付けられた、横断面が正六角形の筒状のラッパ管12によって取り囲んで構成される。各燃料棒11は、イナートマトリックス燃料を内部に充填している。燃料棒11の、イナートマトリックス燃料を充填している燃料有効長は約140cmである。このイナートマトリックス燃料は、TRU酸化物(TRUO
X)不活性母材であるMgOを混合したものを用いており、TRUO
Xが75wt%であり、MgOが25wt%である。なお、イナートマトリックス燃料集合体8はウランを含んでいない。不活性母材として、MgO以外にZrO
2またはAl
2O
3を用いてもよい。複数のイナートマトリックス燃料集合体8が、
図1に示すように、内側炉心領域2及び外側炉心領域3のそれぞれに、均等な間隔で分散装荷されている。
【0027】
内側炉心燃料集合体6及び外側炉心燃料集合体7も、イナートマトリックス燃料集合体8と同様に、束ねられた複数の燃料棒を、下端部がエントランスノズルに取り付けられた、横断面が正六角形の筒状のラッパ管12によって取り囲んで構成される。内側炉心燃料集合体6及び外側炉心燃料集合体7の各燃料棒は、燃料棒11と異なり、MOX燃料を充填している。内側炉心燃料集合体6及び外側炉心燃料集合体7の各燃料棒の、MOX燃料を充填している燃料有効長も、約140cmである。内側炉心領域2に装荷された、燃焼度が0GWd/tの内側炉心燃料集合体6の各燃料棒に充填されたMOX燃料のPu富化度は11.4wt%であり、外側炉心領域3に装荷された、燃焼度が0GWd/tの外側炉心燃料集合体7の各燃料棒に充填されたMOX燃料のPu富化度は15.8wt%である。
【0028】
イナートマトリックス燃料集合体8内のイナートマトリックス燃料に含まれるTRUは、軽水炉から取り出された使用済燃料集合体の再処理によって得られたものである。内側炉心燃料集合体6及び外側炉心燃料集合体7に含まれるPuも、軽水炉から取り出された使用済燃料集合体の再処理によって得られたものである。
【0029】
複数の内側炉心燃料集合体6が内側炉心領域2に配置される。内側炉心燃料集合体6は外側炉心領域3に配置されていない。複数の外側炉心燃料集合体7が外側炉心領域3に配置され、外側炉心燃料集合体7は内側炉心領域2に配置されていない。
【0030】
イナートマトリックス燃料集合体8は、各燃料棒11の下端とエントランスノズルの上端の間でラッパ管12内に下部放射線遮へい体(図示せず)を設けており、各燃料棒11の上端より上方でラッパ管12内に上部放射線遮へい体(図示せず)を設けている。内側炉心燃料集合体6及び外側炉心燃料集合体7のそれぞれも、各燃料棒の下端とエントランスノズルの上端の間でラッパ管12内に下部放射線遮へい体を設けており、各燃料棒の上端より上方でラッパ管12内に上部放射線遮へい体を設けている。内側炉心燃料集合体6、外側炉心燃料集合体7及びイナートマトリックス燃料集合体8の各下部放射線遮へい体には、エントランスノズルから供給される液体ナトリウムを燃料棒相互間に供給する第1ナトリウム通路が形成される。内側炉心燃料集合体6、外側炉心燃料集合体7及びイナートマトリックス燃料集合体8の各上部放射線遮へい体には、燃料棒相互間を上昇した液体ナトリウムを排出する第2ナトリウム通路が形成される。
【0031】
上部放射線遮へい体領域13が、内側炉心燃料集合体6、外側炉心燃料集合体7及びイナートマトリックス燃料集合体8の各上部放射線遮へい体によって形成される。下部放射線遮へい体領域14が、内側炉心燃料集合体6、外側炉心燃料集合体7及びイナートマトリックス燃料集合体8の各下部放射線遮へい体によって形成される。
【0032】
複数のステンレス鋼の丸棒を横断面が正六角形の筒状体であるラッパ管で取り囲んで構成された複数のステンレス鋼放射線遮へい体9が、第1放射線遮へい体領域4に配置されている。中性子吸収材であるB
4Cを内部に充填した複数の中性子吸収棒を横断面が正六角形の筒状体であるラッパ管で取り囲んで構成された複数のB
4C放射線遮へい体10が、第2放射線遮へい体領域5に配置されている。
【0033】
ある運転サイクルにおける高速炉の起動時において、炉心1に挿入されている制御棒(図示せず)の一部が炉心1から全引き抜きされ、残りの制御棒が炉心1に挿入された状態で、高速炉が、定格の原子炉出力で運転される。原子炉容器内において液体ナトリウムが、内側炉心燃料集合体6、外側炉心燃料集合体7及びイナートマトリックス燃料集合体8のそれぞれに供給される。内側炉心燃料集合体6及び外側炉心燃料集合体7内では、Puの核分裂によって発生した熱で液体ナトリウムが加熱され、液体ナトリウムの温度が上昇する。換言すれば、内側炉心燃料集合体6及び外側炉心燃料集合体7内の各燃料棒が液体ナトリウムによって冷却される。
【0034】
イナートマトリックス燃料集合体8内では、核分裂性TRUの核分裂によって発生した熱で液体ナトリウムが加熱される。換言すれば、イナートマトリックス燃料を充填した各燃料棒が冷却される。イナートマトリックス燃料集合体8内のTRUは、核変換によって短半減期の放射性核種に変換される。すなわち、イナートマトリックス燃料集合体8内のTRUは、高速炉の運転中において消滅する。
【0035】
本実施例の高速炉の炉心1では、外側炉心領域3に装荷された燃焼度0GWd/tの外側燃料集合体7のPu富化度が内側炉心領域2に装荷された燃焼度0GWd/tの内側燃料集合体6のPu富化度よりも高いため、炉心1の半径方向の出力分布が平坦化される。このため、外側炉心領域3における平均燃焼度が増大し、炉心1の半径方向における平均燃焼度の分布は、
図4に示す実線15のように、平坦化される。ちなみに、核燃料物質として50wt%のTRUO
X及び50wt%のMgOを含むイナートマトリックス燃料のみを含むイナートマトリックス燃料集合体8だけを、内側炉心領域2及び外側炉心領域3を含む炉心燃料領域に装荷した高速炉の炉心では、外側炉心領域の平均燃焼度が内側炉心領域のそれよりもちいさくなり、この炉心の半径方向における平均燃焼度の分布は、
図4に示す破線16のようになる。本実施例の高速炉の炉心1の、炉心半径方向における平均燃焼度の分布は、イナートマトリックス燃料集合体8だけを炉心燃料領域に装荷した高速炉の炉心に比べて平坦化される。
【0036】
本実施例の高速炉の炉心では、半径方向における平均燃焼度の分布が平坦化されるので、内側炉心領域2に装荷されたイナートマトリックス燃料集合体8に含まれるTRUだけでなく、外側炉心領域3に装荷されたイナートマトリックス燃料集合体8に含まれるTRUも、短半減期の放射性核種に核変換される。このため、本実施例の炉心1では、TRUが短半減期の放射性核種に核変換される割合(TRUの消滅率)が、破線16で示されたイナートマトリックス燃料集合体8だけを炉心燃料領域に装荷した、高速炉の炉心に比べて大きくなる。
【0037】
本実施例では、炉心1の半径方向の出力分布が、イナートマトリックス燃料集合体8だけを炉心燃料領域に装荷した、高速炉の炉心におけるその出力分布よりも平坦化されるため、炉心1は、後者の高速炉の炉心よりもサイズを小さくすることができ、それだけ、中性子の漏えいが増大する。この結果、炉心1の炉心燃料領域におけるTRUの富化度を増大でき、それだけ、TRUの、短半減期の放射性核種への核変換割合が増加する。
【0038】
以上により、本実施例の炉心1における超ウラン元素の短半減期の放射性核種(短寿命の核分裂生成物)への核変換割合(TRUの消滅率)が増大する。
【実施例2】
【0039】
本発明の他の好適な実施例である実施例2の高速炉の炉心を、
図5を用いて説明する。
【0040】
本実施例の高速炉の炉心1Aは、実施例1の高速炉の炉心1において内側炉心領域2を内側炉心領域2Aに、外側炉心領域3を外側炉心領域3Aにそれぞれ置き換えた構成を有する。炉心1Aの他の構成は炉心1と同じである。
【0041】
本実施例の炉心1Aでは、複数の内側炉心燃料集合体6Aが内側炉心領域2Aに装荷され、複数の外側炉心燃料集合体7Aが外側炉心領域3Aに装荷される。各内側炉心燃料集合体6Aは、
図6に示すように、複数の燃料棒17及び複数の燃料棒18を下端部がエントランスノズルに取り付けられたラッパ管12によって取り囲んで構成される。燃料棒17は内部にMOX燃料が充填されている。燃料棒18は内部に50wt%のTRUO
X及び50wt%のMgOを混合したイナートマトリックス燃料を充填している。各外側炉心燃料集合体7Aは、
図7に示すように、複数の燃料棒17A及び前述の複数の燃料棒18を下端部がエントランスノズルに取り付けられたラッパ管12によって取り囲んで構成される。燃料棒17Aは内部にMOX燃料が充填されている。
【0042】
内側炉心燃料集合体6A及び外側炉心燃料集合体7Aでは、
図8に示すように、イナートマトリックス燃料を充填している燃料棒18の軸方向の長さは、MOX燃料を充填している燃料棒17の軸方向の長さよりも短くなっている。燃料棒18の軸方向の長さが短くなる理由は以下のとおりである。燃料棒18内に充填されたイナートマトリックス燃料は、MOX燃料と比べるとMgOのような不活性母材を含み、燃料(重金属)インベントリーが小さいので、核分裂で発生する核分裂生成物の量が少なく、また、核分裂生成物のうち燃料棒内のガスプレナムに放出される希ガスの量が少なくなる。このため、燃料棒18内で核燃料物質充填領域の上方に形成されるガスプレナムの長さが、燃料棒17内のガスプレナムの長さよりも短くなり、結果的に、燃料棒18の軸方向の長さが燃料棒17のそれよりも短くなる。なお、実施例1においても、イナートマトリックス燃料集合体8内の燃料棒11は、内側炉心燃料集合体6及び外側炉心燃料集合体7内の各燃料棒よりも軸方向の長さが短くなる。
【0043】
内側炉心燃料集合体6A及び外側炉心燃料集合体7Aは、内側炉心燃料集合体6及び外側炉心燃料集合体7と同様に、各燃料棒の下端とエントランスノズルの上端の間でラッパ管12内に下部放射線遮へい体(図示せず)を設けており、各燃料棒の上端より上方でラッパ管12内に上部放射線遮へい体(図示せず)を設けている。
【0044】
内側炉心燃料集合体6A内の燃料棒17と燃料棒18の合計本数は、外側炉心燃料集合体7A内の燃料棒17Aと燃料棒18の合計本数と同じである。内側炉心燃料集合体6Aにおける全燃料棒の本数に対するイナートマトリックス燃料を含む燃料棒18の本数比が、外側炉心燃料集合体7Aにおける全燃料棒の本数に対するイナートマトリックス燃料を含む燃料棒18の本数比よりも大きくなっている。換言すれば、外側炉心燃料集合体7Aにおけるその本数比が、内側炉心燃料集合体6Aにおけるその本数比よりも小さくなっている。内側炉心燃料集合体6A及び外側炉心燃料集合体7AのPu富化度は、共に、13.3wt%である。
【0045】
本実施例では、内側炉心燃料集合体6Aにおける全燃料棒の本数に対する燃料棒18の本数比が、外側炉心燃料集合体7Aにおける全燃料棒の本数に対する燃料棒18の本数比よりも大きくなっているので、炉心1Aの半径方向における出力分布が平坦化され、炉心1Aの半径方向における平均燃焼度も平坦化される。
【0046】
本実施例は実施例1で生じる各効果を得ることができる。実施例1では、炉心の半径方向における出力分布は、MOX燃料を含んでいないイナートマトリックス燃料集合体8が配置された位置で局所的に低下する。本実施例では、内側炉心燃料集合体6A及び外側炉心燃料集合体7AがMOX燃料を充填した燃料棒17を含んでおり、内側炉心燃料集合体6A及び外側炉心燃料集合体7Aにおけるイナートマトリックス燃料を充填した燃料棒18の本数がイナートマトリックス燃料集合体8における燃料棒11の本数よりも少なくなっているため、実施例1のように、炉心の半径方向の出力分布が局所的に低下することを抑制でき、実施例1よりも、超ウラン元素の短半減期の放射性核種への核変換割合がさらに増大する。
【実施例3】
【0047】
本発明の他の好適な実施例である核燃料再処理の前処理方法を、
図9を用いて説明する。
【0048】
実施例2の高速炉の炉心1Aに装荷された内側炉心燃料集合体6A及び外側炉心燃料集合体7Aは、それぞれ、寿命に到達したときに使用済燃料集合体として炉心1Aから取り出されてさらに原子炉容器外に取り出されて、再処理される。燃料棒17に充填されたMOX燃料、及び燃料棒18に充填されたイナートマトリックス燃料に含まれるTRUO
Xは、従来のピューレックス法で再処理を行うことができる。しかしながら、使用済の内側炉心燃料集合体6A及び使用済の外側炉心燃料集合体7Aをそのまま切断すると、全ての燃料棒18内のイナートマトリックス燃料に含まれたMgOと、全ての燃料棒17内に存在する、MgOを含まないMOX燃料が混在した状態で再処理されることになる。再処理法としてはピューレックス法または改良ピューレックス法が適用される。この場合、MgOは不純物の取り扱いとなる。MgOは、ピューレックス法で使用済核燃料を溶解する硝酸に溶けるので、核燃料物質であるTRUの回収後に廃液に移行し、廃棄物となる。
【0049】
ピューレックス法による再処理において、燃料棒17及び燃料棒18を硝酸によって溶かし、その溶液から核燃料物質であるTRUを回収する際に、イナートマトリックス燃料に含まれるMgOが全ての燃料棒17及び全ての燃料棒18を溶解した溶液に存在する場合よりも、MgOを含むイナートマトリックス燃料の溶融工程と、MgOを含まないMOX燃料の溶融工程を分離した方が、MgOを含む溶融物の全体積が少なくて済み、再処理を合理化することができる。
【0050】
このため、発明者らは、使用済の内側炉心燃料集合体6A及び外側炉心燃料集合体7Aのそれぞれを再処理する前に、これらの使用済燃料集合体において、燃料棒17と燃料棒18の長さの違いを利用して、予め、燃料棒17と燃料棒18を分離すれば良いとの考えに至った。このような考え方を適用した核燃料再処理の前処理方法を以下に説明する。
【0051】
使用済の内側炉心燃料集合体6Aに対して、まず、ラッパ管12のみを切断して取り除く。その後、前述したように、燃料棒18の軸方向の長さが燃料棒17のそれよりも短いことを利用して、ラッパ管12を除去した内側炉心燃料集合体6Aから燃料棒18を分離する。燃料棒18の分離には、
図9に示す燃料棒取り外し装置19が用いられる。燃料棒取り外し装置19は、自立している支柱21、及び上下方向に移動可能に支柱21に取り付けられたアーム20を有する。支柱21は上下方向に伸びており、アーム20は支柱21に対して垂直に配置される。複数の燃料棒把持具(図示せず)がアーム20に設けられる。
【0052】
ラッパ管12が取り除かれて複数の燃料棒17及び複数の燃料棒18を支えているエントランスノズルを、燃料棒取り外し装置19の掴み装置(図示せず)で掴み、エントランスノズルで支えられた各燃料棒17及び各燃料棒18を支柱21と並行になるように上下方向に配置する。支柱21に沿ってアーム20を下降させ、アーム20に取り付けられた各燃料棒把持具によって、長さが長く、一列に配置された複数の燃料棒17の上端部をそれぞれ把持する。アーム20を上昇させることによって、各燃料棒把持具に把持された各燃料棒17が持ち上げられ、エントランスノズルから取り外される。このようなアーム20及び燃料棒把持具の操作により、列ごとに、複数の燃料棒17がエントランスノズルから取り外され、やがて、全ての燃料棒17がエントランスノズルから取り外される。エントランスノズルに支持された燃料棒は、イナートマトリックス燃料を充填した燃料棒18のみとなる。
【0053】
使用済の外側炉心燃料集合体7Aに対しても、使用済の内側炉心燃料集合体6Aと同様に、燃料棒17と燃料棒18が分離される。
【0054】
このようにして、分離された、MOX燃料を充填した燃料棒17がピューレックス法により再処理される。また、燃料棒17の再処理工程とは別の再処理工程において、イナートマトリックス燃料を充填した燃料棒18を硝酸で溶解する。イナートマトリックス燃料が溶解している硝酸溶液から核燃料物質であるTRU(Pu及びマイナーアクチニド)を回収するために、硝酸溶液に溶けたPu及びマイナーアクチニドを選択的に抽出できる抽出材を用いる。硝酸溶液に溶けたMgOは廃液側に移行し、廃棄物となる。
【0055】
本実施例によれば、使用済燃料集合体にMOX燃料を充填した燃料棒17及びイナートマトリックス燃料を充填した燃料棒18が含まれているとき、燃料棒17と燃料棒18を分離し、分離した燃料棒17に含まれたMOX燃料と分離した燃料棒18に含まれるイナートマトリックス燃料を別々に再処理するので、核燃料物質(MOX燃料及びTRUO
X)の再処理を容易に行うことができる。
【0056】
以上に述べた実施例1〜3は酸化物の核燃料物質を用いて説明したが、これらの実施例は窒化物の核燃料物質に対しても適用することができる。