(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のN−ピペリジン−4−イル誘導体はFSH受容体の拮抗薬であり、子宮内膜症
の治療および予防に、閉経前および閉経前後ホルモン依存性乳癌の治療および予防に、避
妊に、そして子宮筋腫および他の月経関連障害、例えば機能不全性子宮出血の治療に用い
ることができる。
【0021】
本発明による化合物はFSHR調節活性を有し、そのようなFSHR拮抗薬による用量
漸増法によって、卵胞発達低下(無排卵)およびエストロゲンの循環レベルの低下を生じ
るが、なおもエストロゲン産生は十分であることで、例えば骨量に対する有害効果が回避
される。
【0022】
理論によって拘束されるものではないが、本発明による化合物は、当該化合物がアロス
テリックFSHR拮抗薬であることから、循環エストロゲンレベルの低下によるフィード
バック阻害の喪失が原因のFSHの循環レベル増加に対する感受性が比較的低いという事
実により、エストロゲンの循環レベルに対する至適な制御を提供することができる。さら
に、FSHR拮抗薬の用量漸増法によって、FSHRシグナル伝達に対する、従って効力
(エストロゲン低下)と副作用(最小レベルの残留エストロゲン)との間のバラ員すに対
する第2のレベルの制御が可能となると考えられる。
【0023】
GnRHR(拮抗薬)作動薬治療法とは対称的に、FSHR拮抗薬の耐容性がより高い
ことで、6ヶ月を超える期間にわたって治療が可能となる。
【0024】
上記において本明細書で使用される(C
1−3)アルキルという用語は、分岐している
か分岐していない1から3個の炭素原子を有するアルキル基を意味し、メチル、エチル、
プロピルおよびイソプロピルである。
【0025】
(C
1−4)アルキルという用語は、分岐しているか分岐していない1から4個の炭素
原子を有するアルキル基を意味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、
イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルである。
【0026】
(C
1−6)アルキルという用語は、分岐しているか分岐していない1から6個の炭素
原子を有するアルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルである。
【0027】
(C
2−4)アルケニルという用語は、分岐しているか分岐していない2から4個の炭
素原子を有するアルケニル基を意味し、例えばビニル、アリルおよびブテニルである。
【0028】
(C
2−4)アルキニルという用語は、分岐しているか分岐していない2から4個の炭
素原子を有するアルケニル基を意味し、例えばエチニル、プロピニルおよびブチニルであ
る。
【0029】
(C
3−5)シクロアルキルという用語は、3から5個の炭素原子を有するシクロアル
キル基を意味し、例えばシクロペンチル、シクロブチルおよびシクロプロピルである。
【0030】
(C
3−6)シクロアルキルという用語は同様に、3から6個の炭素原子を有するシク
ロアルキル基を意味し、例えばシクロペンチル、シクロブチルおよびシクロプロピルであ
る。
【0031】
ハロ(C
1−6)アルキルという用語は、1以上のハロゲン、好ましくは1以上のフル
オロによって置換されている前記で定義の(C
1−6)アルキル基を意味する。好ましい
ハロ(C
1−4)アルキル基は、トリフルオロメチルである。
【0032】
ヒドロキシ(C
1−4)アルキルという用語は、1から3個のヒドロキシ基で置換され
ている前記で定義の(C
1−4)アルキル基を意味する。
【0033】
(C
1−4)アルコキシという用語は、1から4個の炭素原子を有するアルコキシ基を
意味し、そのアルキル部分は前記で定義のものと同じ意味を有する。(C
1−3)アルコ
キシ基が好ましい。
【0034】
(C
1−6)アルコキシという用語は、1から6個の炭素原子を有するアルコキシ基を
意味し、そのアルキル部分は前記で定義のものと同じ意味を有する。
【0035】
ハロ(C
1−4)アルコキシという用語は、1以上のハロゲンで置換されている前記で
定義の(C
1−4)アルコキシ基を意味し、好ましいハロゲンはフッ化物である。好まし
いハロ(C
1−4)アルコキシ基はトリフルオロメトキシである。
【0036】
ハロゲンという用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0037】
式Iの定義において、置換基R
5は、1、2もしくは3個の窒素原子を含み、酸素もし
くは硫黄原子を含んでいても良い5員ヘテロアリール基を表すことができる。これらのヘ
テロアリール環は、(C
1−3)アルキル、(C
1−3)アルコキシまたはハロゲンで置
換されていても良い。炭素原子もしくは窒素原子を介して結合していることができるその
ようなヘテロアリール基の例には、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾ
リル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チエニル、オキサジアゾリルなどがある。
【0038】
好ましいものは、1H−ピラゾール−1−イル、1H−ピラゾール−3−イル、1−メ
チル−1H−ピラゾール−3−イル、1H−イミダゾール−2−イル、2H−1,2,3
−トリアゾール−2−イル、1,3−チアゾール−2−イルまたは1,3−オキサゾール
−2−イルである。
【0039】
式Iの定義において、置換基R
7は、O、NおよびSから選択される1から3個のヘテ
ロ原子を有する5または6員ヘテロアリール基を表すことができる。そのようなヘテロア
リール基の例には、ピリジル、ピリミジル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキ
サゾリル、チアゾリルなどがある。好ましいものは、フラン−3−イル、1,2−オキサ
ゾール−3−イルおよび5−メチル−1,2−オキサゾール−3−イルである。
【0040】
医薬として許容される塩という用語は、医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、ア
レルギー応答などを生じることなくヒトおよび下等動物の組織との接触しての使用に好適
であり、妥当な利益/リスク比を与える塩を表す。医薬として許容される塩は当業界で公
知である。それらは、本発明の化合物の最終的な単離および精製時に得ることができるか
、別個に塩酸、リン酸もしくは硫酸などの好適な無機酸と、または例えばアスコルビン酸
、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸
、プロピオン酸、酢酸、メタンスルホン酸などの有機酸と遊離塩基官能基を反応させるこ
とで得ることができる。酸官能基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リ
チウムなどの有機もしくは無機塩基と反応させることができる。
【0041】
本発明において好ましいものは、WがC(O)NHである式IによるN−ピペリジン−
4−イル誘導体である。別の好ましいものは、R
4がHである式Iの化合物である。やは
り好ましいものは、Aが
【0042】
【化3】
であり;R
5がCNまたは2個の窒素原子を有する5員ヘテロアリール基であり;R
6が
Hである本発明の化合物である。別の好ましいものは、R
5が1H−ピラゾール−1−イ
ル、1H−ピラゾール−5−イルまたは1H−イミダゾール−2−イルである式Iによる
本発明のN−ピペリジン−4−イル誘導体、ならびにR
1が(C
1−4)アルキル−オキ
シであり、R
2がOCH
2R
7であり、R
7が(C
3−6)シクロアルキルであるN−ピ
ペリジン−4−イル誘導体である。
【0043】
具体的に好ましい本発明のN−ピペリジン−4−イル誘導体は、
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)
−N−(3−メトキシ−5−((5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メトキシ)フ
ェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド;
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メト
キシベンズアミド;
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−((5−メチルイソオキ
サゾール−3−イル)メトキシ)ベンズアミド;
N−((1−(4−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−1,3,5−
トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキ
シ)−5−メトキシベンズアミド;
N−((1−(4−(3−シアノフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピ
ペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキ
シ)ベンズアミド;
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)−5−フルオロ
ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキ
シ)−5−メトキシベンズアミド;
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ−N−((1−(2−(3−(1−メ
チル−1H−ピラゾール−3−イルカルバモイル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピ
ペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド;
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ−N−((1−(2−(3−(4−メ
チル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4
−イル)メチル)ベンズアミド;
N−(1−(1−(4−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−1,3,
5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−(シクロプロピルメ
トキシ)−5−メトキシベンズアミド;
N−(1−(1−(2−(3−シアノフェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−
4−イル)エチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド;
N−(1−(1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン
−4−イル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−
メトキシベンズアミド;
N−((1−(4−(3−(1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−1,3,5
−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメト
キシ)−5−メトキシベンズアミド2,2,2−トリフルオロアセテート;
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)
−N−(3,5−ジメトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド;および
N−((1−(2−(3−(1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−5−フルオ
ロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)−メチル)−3−(シクロプロピルメ
トキシ)−5−メトキシベンズアミド2,2,2−トリフルオロアセテート;またはこれ
らの医薬として許容される塩である。
【0044】
ゴナドトロピン受容体作動薬および拮抗薬の受容体結合または生理活性を求めるための
イン・ビトロアッセイは公知である。一般的に、受容体を発現する細胞を、調べる化合物
とともにインキュベートし、結合または機能的応答の刺激もしくは阻害を求める。機能的
応答を測定するために、FSH受容体遺伝子、好ましくはヒト受容体をコードする単離D
NAを、好適な宿主細胞系で発現させる。そのような宿主細胞系としては、チャイニーズ
ハムスター卵巣細胞系が考えられるが、他の細胞系を用いることもできる。好ましくは、
宿主細胞は哺乳動物起源のものである(Jia et al (1991) Mol E
ndocrinol 5, 759−776)。
【0045】
FSH受容体発現細胞系を構築する方法は当業界で公知である(例えば、Sambro
ok et al., Molecular Cloning:A Laborator
y Manual, Cold Spring Harbor Laboratory
PRess、最新版)。所望のタンパク質をコードするDNAのトンラスフェクションお
よび発現によって、受容体の異種発現が得られる。部位特異的突然変異誘発、別の配列の
連結、PCRおよび好適な発現系の構築の技術も当業界で公知である。好ましくは連結を
容易するための制限部位を含めるための標準的な固相技術を用いて合成的に、所望のタン
パク質をコードするDNAの一部または全てを構築することができる。含まれるコード配
列の転写および翻訳のための好適な制御要素を、DNAコード配列に提供することができ
る。公知のように、細菌などの原核生物宿主ならびに酵母、植物細胞、昆虫細胞、鳥細胞
、哺乳動物細胞などの真核生物宿主などの非常に多様な宿主と適合性である発現系を用い
ることができる。
【0046】
次に、受容体を発現する細胞を、試験化合物とともにインキュベートして、結合または
機能性応答の刺激もしくは阻害を求める。あるいは、発現された受容体を含む単離細胞膜
を用いて、化合物の結合を測定することができる。
【0047】
結合の測定には、放射活性物質標識化合物または蛍光標識化合物を用いることができる
。あるいは競争結合アッセイを行うことができる。FSH受容体拮抗性化合物は、受容体
介在cAMP蓄積の測定が関与するスクリーニングアッセイで確認することもできる。そ
のような方法では、固定された準最大有効FSH濃度(すなわち、試験化合物の非存在下
にFSHによる最大cAMP蓄積の約80%を誘発するFSH濃度)の存在下に、宿主細
胞系におけるFSH受容体を発現させ、一定の濃度範囲の試験化合物とともにインキュベ
ートを行う。次に、cAMPの量を測定する。濃度−効果曲線から、各化合物について、
IC
50値およびFSH誘発cAMP蓄積の阻害パーセントを求めることができる。作動
薬として、ヒト組換えFSHを用いることができる。
【0048】
本発明のN−ピペリジン−4−イル誘導体は、ヒトFSH受容体で安定にトランスフェ
クションされたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で測定して、ヒトFSH受容
体で拮抗薬活性を有することが認められた(実施例51参照)。本発明のFSHR拮抗薬
は、前記アッセイで6より高いpIC
50値を有する。本発明の好ましい化合物は、8よ
り高いpIC
50値を有する。
【0049】
FSH受容体発現細胞系におけるcAMPの直接測定に加えて、発現がcAMPの細胞
内濃度によって決まるレポーター遺伝子をコードする第2のcDNAで細胞系をトランス
フェクションすることができる。そのようなレポーター遺伝子は、cAMP油発性である
か、それらが新規なcAMP応答性要素に連結されるような形で構築可能であると考えら
れる。概して、レポーター遺伝子発現は、細胞内cAMPのレベル変動に対して反応する
応答要素によって制御可能であると考えられる。好適なレポーター遺伝子は例えば、β−
ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ホタルルシフェラーゼおよび緑色蛍光タン
パク質をコードする遺伝子である。そのようなトランス活性アッセイの原理は当業界で公
知であり、例えばStratowa et al (1995) Curr Opin
Biotechnol 6, 574に記載されている。細胞内cAMPレベルの変化は
、突然変異型のルシフェラーゼに融合したcAMP結合ドメインを有する遺伝子コードさ
れたバイオセンサーを用いるGloSensor(商標名)cAMPアッセイ、またはバ
イオセンサーとしてcAMP依存性イオンチャンネルを利用するACT One(商標名
)cAMPアッセイなどの生存細胞cAMPバイオセンサーアッセイで求めることもでき
る。拮抗薬化合物は、作動薬占有された受容体へのβ−アレスチンの受容体誘発召集に基
づくアッセイ(例えば、Transfluor(登録商標)アッセイ、PathHunt
er(登録商標)およびTango(商標名)β−アレスチンアッセイ)または受容体内
部移行アッセイ(例えば、PathHunter(登録商標)エンドサイトーシスアッセ
イ)で識別することもできる。標識を用いないアッセイも、FSH受容体拮抗薬のスクリ
ーニングに利用可能である場合がある。これらのアッセイは、細胞内内容物の受容体誘発
動質量再分配または細胞の形態もしくは接着における受容体誘発変化に基づくものである
(Van Koppen (2010)Drug Discovery tb 7, 6
9)。
【0050】
式Iの化合物は、やはり本発明の範囲内である塩を形成することができる。本明細書に
おいて式Iの化合物に言及することは、別段の断りがない限り、それの塩に言及すること
の包含することは明らかである。
【0051】
式Iの化合物は、不斉またはキラル中心を含有し得ることから、異なる立体異性形態で
存在し得る。式(I)の化合物の全ての立体異性形態およびラセミ混合物などのそれらの
混合物は、本発明の一部を形成するものである。さらに、本発明は、全ての幾何異性体お
よび位置異性体を包含するものである。例えば、式(I)の化合物が二重結合または縮合
環を組み込んでいる場合、シス型およびトランス型の両方ならびに混合物が、本発明の範
囲に包含される。
【0052】
ジアステレオマー混合物は、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶などに
よって、当業者に公知の方法により、その物理化学的差異に基づいて個々のジアステレオ
マーに分離することができる。エナンチオマーは、エナンチオマー混合物を適切な光学活
性化合物(例えば、キラルアルコールまたはモッシャーの酸塩化物等のキラル補助基)と
の反応によってジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジ
アステレオマーを相当する純粋なエナンチオマーに変換する(例えば、加水分解する)こ
とによって分離できる。また、式(I)の化合物の一部はアトロプ異性体(例えば、置換
ビアリール)であってもよく、本発明の一部とみなされる。エナンチオマーは、キラルH
PLCカラムの使用によって分離することもできる。
【0053】
式(I)の化合物が異なる互変異型で存在する可能性もあり、そのような形態は全て本
発明の範囲に包含される。やはり、例えば、当該化合物の全てのケト−エノール型および
イミン−エナミン型が本発明に包含される。
【0054】
エナンチオマー形態(不斉炭素の不在下であっても存在し得る)、回転異性形態、アト
ロプ異性体およびジアステレオマー形態などの各種置換基上の不斉炭素のために存在し得
る化合物等の、本化合物のすべての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体等)(
化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグの立体異性体、ならびにプロドラッ
グの塩、溶媒和物およびエステルの立体異性体を含む)は、位置異性体のように、本発明
の範囲内に含まれるものと想到される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、
他の異性体が実質的になくてもよく、あるいは、例えばラセミ体としてまたは他の全ての
もしくは他の選択された立体異性体と混合されていてもよい。本発明のキラル中心は、I
UPAC 1974 Recommendationsによって定義されている通りのS
またはR配置を有し得る。
【0055】
本発明の化合物は、水和物または溶媒和物を形成していることができる。電荷を有する
化合物が、水で凍結乾燥した場合に水和物を形成し、または適切な有機溶媒を含む溶液中
で濃縮した場合に溶媒和物を形成することは、当業者には知られている。本発明の化合物
は、当該化合物のプロドラッグ、水和物または溶媒和物を含む。
【0056】
プロドラッグについての説明は、T. Higuchi and V. Stella
, Pro−drugs as Novel Delivery Systems (1
987) 14 of the A.C.S. Symposium Series、な
らびにBioreversible Carriers in Drug Design
, (1987) Edward B. Roche ed., American P
harmaceutical Association and Pergamon P
ress、ならびにJana S. et al, Current Med. Che
m. 17, 3874−3908, 2010にある。「プロドラッグ」という用語は
、化合物(例えば、薬剤前駆体)が、イン・ビボで変換することによって、式Iの化合物
またはこの化合物の医薬として許容される塩、水和物または溶媒和物を生成する化合物を
意味する。変換は、様々な機序により(例えば、代謝性または化学的プロセス)、例えば
、血中の加水分解などを介して生じ得る。プロドラッグの使用についての考察は、T.
Higuchi and W. Stella, ″Pro−drugs as Nov
el Delivery Systems″ A.C.S. Symposium Se
ries、14巻、およびBioreversible Carriers in Dr
ug Design、Edward B. Roche編、American Phar
maceutical Association and Pergamon Pres
s、1987年により提供されている。
【0057】
1以上の本発明の化合物は、非溶媒和形態、および水、エタノール等の医薬として許容
される溶媒との溶媒和形態で存在することができ、本発明は溶媒和および非溶媒和形態の
両方を包含するものである。「溶媒和物」は、本発明の化合物の1以上の溶媒分子との物
理的会合を意味する。この物理的会合には、水素結合を含む多様な程度のイオン結合およ
び共有結合が関与する。ある場合では、例えば1個以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格
子に組み込まれている場合、溶媒和物を単離することができる。「溶媒和物」は、液相お
よび単離可能な溶媒和物の両方を網羅する。好適な溶媒和物の例には、エタノレート、メ
タノレートなどがあるが、これらに限定されるものではない。「水和物」は、溶媒分子が
H
2Oである溶媒和物である。
【0058】
「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明
の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異体、位置異性体、ラセミ体
またはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグにも等しく適用される
ものである。
【0059】
本発明はまた、医薬として許容される補助剤および適宜に他の治療薬との混合で一般式
Iを有する化合物またはそれの医薬として許容される塩を含む医薬組成物に関するもので
もある。その補助剤は、組成物の他の成分と適合性であり、それの投与を受ける者に対し
て有害ではないという意味において「許容できる」ものでなければならない。
【0060】
本発明はさらに、1以上の他薬剤と組み合わせた式Iの化合物をも含む。
【0061】
組成物には、例えば経口、舌下、皮下、静脈、筋肉、経鼻、局所または直腸投与などに
好適なものなどがあり、いずれも単位製剤で投与される。
【0062】
経口投与の場合、有効成分は、錠剤、カプセル、粉剤、粒剤、液剤、懸濁液などの個別
の単位として提供され得る。
【0063】
非経口投与の場合、本発明の医薬組成物は、単一用量容器または複数用量容器に入って
、例えば所定量の注射液で、例えば密閉バイアルもしくはアンプルに入って提供されても
良く、冷凍乾燥(凍結乾燥)条件下で保存することができ、使用に先だっては、水などの
無菌液体担体を加える必要があるのみである。
【0064】
例えば標準的な参考文献、Gennaro、A.R. et al., Reming
ton: The Science and Practice of Pharmac
y(20th edition., Lippincott Williams & W
ilkins, 2000、特にはPart 5: Pharmaceutical M
anufacturing参照)に記載のようにそのような医薬として許容される補助剤
と混合して、活性薬剤を圧縮して、丸薬、錠剤などの固体単位製剤とすることができるか
、加工してカプセルもしくは坐薬とすることができる。医薬として許容される液体により
、流体組成物として、例えば液剤、懸濁液、乳濁液の形態での注射製剤として、または経
鼻噴霧剤などの噴霧剤として活性薬剤を投与することができる。
【0065】
固体単位製剤を製造する場合、充填剤、着色剤、重合性結合剤などの従来の添加剤の使
用が想到される。概して、活性化合物の機能を妨害しないいかなる医薬として許容される
添加剤も使用可能であり、本発明の活性薬剤を固体組成物として投与可能な好適な担体に
は、乳糖、デンプン、セルロース誘導体などまたはそれらの混合物などがあり、それらは
好適な量で使用される。非経口投与の場合、水系懸濁液、等張性生理食塩水溶液および無
菌注射液を用いることができ、それらは医薬として許容される分散剤および/または湿展
剤、例えばプロピレングリコールまたはブチレングリコールを含む。
【0066】
本発明はさらに、組成物に好適な包装材料と組み合わせた本明細書において前述の医薬
組成物であって、前記包装材料に本明細書において前述の用途向けの組成物の使用のため
の説明書が入っているものを含む。
【0067】
有効成分またはそれの医薬組成物の投与の正確な用量および投与法は、特定の化合物、
投与経路ならびに医薬の投与を受ける個々の対象者の年齢および状態に応じて変動し得る
。
【0068】
概して、非経口投与では、吸収への依存性がより高い他の投与方法より低い用量が必要
とされる。しかしながら、ヒトにおける用量は好ましくは、0.0001から100mg
/体重kgを含む。所望の用量は、1用量として、またはその日を通じて適切な間隔で投
与される複数の部分用量として提供することができる。用量ならびに投与方法は、女性被
投与者と男性被投与者の間で異なる場合がある。
【0069】
一般式Iの化合物において、原子はそれらの天然同位体の豊富さを示す場合があるか、
1以上の原子を、同じ原子番号を持つが原子質量または質量数が自然界で主に認められる
原子質量または質量数とは異なる特定の同位体が人工的に豊富とすることができる。本発
明は、一般式Iの化合物の全ての好適な同位体形態を包含するものとする。例えば、水素
(H)の異なる同位体型は、プロチウム(
1H)および重水素(
2H)を包含する。プロ
チウムは、自然界で見られる支配的な水素同位体である。重水素豊富とすることで、イン
・ビボ半減期の延長または必要用量の低減など、ある種の治療上の利点が得られることが
あるか、生体サンプルの特性決定用の標準物として有用な化合物を提供することができる
。一般式Iの範囲内の同位体豊富化合物は、当業者に周知の従来の技術または本明細書に
おける図式および実施例に記載されたものに類似のプロセスにより、適切な同位体豊富試
薬および/または中間体を用い、必要以上の実験を行わずに製造することができる。
【0070】
本開示は、FSH受容体に対する選択的調節活性を示す低分子量化合物の製造を説明す
るものである。本発明の化合物は、FSH受容体の(部分)拮抗薬として用いることがで
きる。
【0071】
従って本発明は、子宮内膜症の治療および/または予防のための手段、閉経前および閉
経前後のホルモン依存性乳癌の治療および/または予防のための手段、避妊のための手段
、ならびに子宮筋腫および他の月経関連障害、例えば機能不全性子宮出血の治療のための
手段としてのFSHR拮抗薬に関するものである。
【0072】
従って、本発明による化合物は治療法で用いることができる。
【0073】
本発明のさらに別の態様は、FSH受容体介在疾患の治療のための本発明による化合物
またはそれの医薬として許容される塩の使用に存するものである。
【0074】
本発明の別の態様は、FSHR介在シグナル伝達が役割を果たす疾患、特にはシグナル
伝達がFSHRに対する拮抗によって阻害可能である疾患に治療における一般式Iを有す
る化合物またはそれの医薬として許容される塩の使用に存する。それには子宮内膜症の治
療および予防、閉経前および閉経前後のホルモン依存性乳癌の治療および予防、避妊なら
びに子宮筋腫および他の月経関連障害、例えば機能不全性子宮出血の治療などがあるが、
これらに限定されるものではない。
【0075】
本発明の別の実施形態において、本発明による化合物を用いて、用量漸増法によるエス
トロゲンの循環レベルに対する改善された制御を提供することで子宮内膜症を治療するこ
とで、効力と副作用の間の均衡に対する至適な制御が可能となる。さらに、FSHRとの
選択的で的確な相互作用は、LHR介在シグナル伝達および関連するテストステロンの産
生を妨害するものではない。耐容性における改善があることで、本発明による化合物は、
避妊法に精通した患者群において疾患の初期段階で、好ましくは経口投与経路によって、
簡単で有効な治療を提供することもできる。経口治療は、医薬製剤中の本発明による化合
物の投与によって行うことができる。本発明による化合物による治療中、規則的出血を部
分的または完全に回避することができる(無月経を含む)。これは、逆行性月経を低減も
しくは防止することで、疾患の再発を減らすことから、子宮内膜症の治療において特に有
用である。
【0076】
本発明による化合物は避妊に用いることもできる。本発明による化合物は、治療効果お
よび避妊効果を有するが、ほとんど萎縮性もしくは不活性な子宮内膜を誘発する。それに
より、この治療は子宮内膜増殖または過形成を回避する。本発明による化合物は、子宮筋
腫および機能不全性子宮出血などの他の月経関連状態の治療にも有用である。さらに、本
発明による化合物の特性を考慮すると、エストロゲンの循環レベルを低下させるために、
本発明による化合物は、閉経前および閉経前後の女性における、単独でのまたはタモキシ
フェンなどのエストロゲン受容体拮抗薬またはフルベストラントなどの選択的エストロゲ
ン受容体低下剤と併用した、エストロゲン受容体陽性乳癌の治療においても非常に有用で
ある。
【0077】
式IによるN−ピペリジン−4−イル誘導体は、図式1から12に描かれた一般法によ
って製造することができる。
【0079】
【化4】
式IのN−ピペリジン−4−イル誘導体(R
1、R
2、R
4、A、X、YおよびWは前
記で定義の通りである)は、有機化学の業界で公知の方法によって製造することができる
。
【0080】
WがC(O)NHである式IAの化合物(図式1)は例えば、DIPEAなどの有機塩
基の存在下に、そしてDMFまたはCH
2Cl
2などの好適な溶媒中、HATUまたはT
BTUなどのアミド結合形成試薬を用い、式
1のアミン誘導体の式
2の適切な安息香酸と
の縮合から得ることができる。当該安息香酸は、商業的入手源から得ることができるか、
図式2に描いたような標準的な有機合成技術を用いることで容易に製造することができる
。
【0082】
【化5】
式
2aの化合物(R
1はOCH
3であり、R
2はORであり、Rは1以上のハロゲン、
ヒドロキシもしくは(C
1−4)−アルキルオキシで置換されていても良い(C
1−6)
アルキルであり;またはRはCH
2R
7であり、R
7は前記で定義の意味を有する。)は
例えば、図式2に描いた方法に従って、アルキルハライドもしくは類似の試薬によるアル
キル化と、それに続く塩基性もしくは酸性条件下にメチルエステル
4の簡単な加水分解な
どの公知の方法を用いて、3−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸メチル
3の官能化によ
って製造することができる。
【0083】
この段階での他の置換基R
2の導入は、好適な塩基の存在下に無水トリフ酸を用いる化
合物
3のトリフ化によって行うことができ、それによって誘導体
4(R=SO
2CF
3)
が得られる。次に、ウルマン−、スズキ−、スティル−、ソノガシラ−、ヘック−および
バックウォルド−プロトコールなどの公知の有機金属反応を介して、トリフレート
4を炭
素−炭素単結合、二重結合および三重結合、炭素−窒素結合(アニリンおよびアミド)な
らびにニトリルを含む置換基に変換することができる。
【0085】
【化6】
式
1の化合物は、エタノールなどの好適な溶媒中にて三級アミン塩基(例えば、トリエ
チルアミン)の存在下に化合物
5(X=CRまたはN)およびピペリジン類
6(R
4およ
びYは前記で定義の通りである)のカップリングを行って
7を得て、それから、ジオキサ
ンまたは酢酸エチルなどの有機溶媒中で酸(例えばHCl)処理することでBoc基を脱
離させることで得ることができる。
【0087】
【化7】
式
5の化合物(XおよびAは前記で定義の通りである)は、適切なアリールボロン酸エ
ステル
9(相当するボロン酸を用いても良い)を用いる化合物
8のスズキ−ミヤウラアリ
ール化によって得ることができる。代表的な手順では、化合物
8、パラジウム触媒(例え
ば、Pd(PPh
3)
4またはPd(dppf)
2Cl
2)、塩基(例えば、K
2CO
3
、NaOH水溶液など)およびアリールボロン酸エステル
9のジオキサンまたはトルエン
/EtOHなどの好適な溶媒中の混合物を、窒素雰囲気下に、マイクロ波照射下または従
来の加熱を用いて加熱する。ジクロライド
8のボロン酸エステル
9による官能化によって
、いずれかのクロライド原子または両方のクロライドが置換されている生成物の混合物が
生成する可能性があることは、当業者には明らかであろう。概して、カラムクロマトグラ
フィー、HPLCまたはUPLCなどの標準的な技術を用いるそのような混合物の精製に
よって、一般式
5の所望の誘導体を得ることができる。
【0088】
ボロン酸エステル
9は、商業的入手先から得ることができるか、公知の方法を用いて、
相当するアリールブロミドまたはアリールヨージドから容易に製造することができる。
【0090】
【化8】
本発明の式IAの化合物製造の別途合成経路を図式5に描いている。この経路では、最
終段階は、図式4に記載の代表的な手順を用いる適切なボロン酸エステル
6と化合物
12
のスズキ−ミヤウラアリール化である。化合物
12は、図式3に描いた方法に従って化合
物
6および
8を原料として化合物
10を得ることで得られる。Boc基を酸(例えば、H
Cl/ジオキサン)で処理することで脱離させて化合物
11が得られる。
【0091】
DMFまたはCH
2Cl
2などの好適な溶媒中、適切な塩基の存在下にHATUまたは
TBTUなどのアミド結合形成試薬を用いて、化合物
11を式
2の適切な安息香酸と縮合
させることで、化合物
12が得られる。
【0093】
【化9】
さらに、前記の化合物
2および
13の縮合によって、化合物
14が得られる。酸(例え
ば、トリフルオロ酢酸)を用いるBoc基の脱離によって、化合物
15が得られる。
【0094】
図式3に記載の条件を用いて、化合物
15および
8をカップリングすることで、化合物
2が得られる。
【0096】
【化10】
式IAの化合物(R
1およびR
2は
2aで定義の通りである(R
1=OCH
3およびR
2=OR))は、公知の方法、例えばアルキルハライドまたは同様の試薬によるアルキル
化を用いるメタヒドロキシル部分の官能化によって、化合物
17から得ることもできる。
この段階での他の置換基R
2の導入を、好適な塩基の存在下に無水トリフ酸を用いる化合
物
17のトリフ化によって行うことができ、それによって式1Aの誘導体が得られる(R
2=OSO
2CF
3)。次に、ウルマン−、スズキ−、スティル−、ソノガシラ−、ヘッ
ク−およびバックウォルド−プロトコールなどの公知の有機金属反応を介して、これらト
リフレート1Aを炭素−炭素単結合、二重結合および三重結合、炭素−窒素結合(アニリ
ンおよびアミド)ならびにニトリルを含む置換基に変換することができる。
【0097】
化合物
17は、当業者に公知の方法を用いて、保護基を脱離させることで、化合物
16
(図式1および図式2に記載の方法に従って製造することができ、R
1、R
4、A、Xお
よびYは前記で定義の通りであり、Pgは保護基、例えばベンジルもしくはTMSなどで
ある。)から得ることができる。
【0099】
【化11】
Aがアミド含有アリール基であり、R
1、R
2、R
4、R
6、XおよびYが前記で定義
の通りである式IAの化合物(化合物
20)は、DMFまたはCH
2Cl
2などの好適な
溶媒中、HATUもしくはTBTUなどのアミド結合形成試薬を用い、アミン(例えば、
アルキルアミン、アリールアミンなど)を安息香酸誘導体
19と縮合させることで得るこ
とができる。化合物
19は、メタノール/水などの好適な溶媒中で塩基(例えば、NaO
H水溶液など)で処理することにより、化合物
18のメチルエステルを加水分解すること
で容易に製造することができる。化合物
18は、図式5に記載の方法に従って製造するこ
とができる。
【0101】
【化12】
あるいは、式IAの化合物は、エタノールなどの好適な溶媒中、三級アミン塩基(例え
ば、トリエチルアミン)の存在下に化合物
5および
15をカップリングさせることで得る
こともできる。
【0103】
【化13】
式IBの化合物(WはNHC(O)であり、Y=非存在である)は、DMFまたはCH
2Cl
2などの好適な溶媒中、HATUまたはTBTUなどのアミド形成結合試薬を用い
て適切なアニリンと化合物
24を縮合させることで得ることができる(図式10)。化合
物
24は、化合物
23のエチルエステル(化合物
22a(Q=Cl)の適切なボロン酸エ
ステル
9とのスズキ−ミヤウラアリール化を介して合成される)の加水分解によって容易
に製造することができる。化合物
23は、リーベスカインド−スローグル反応を介してチ
オエーテル
22bから誘導することもできる。THFなどの好適な溶媒中での適切なボロ
ン酸エステル
9を用いる非塩基性Cu(I)介在の(例えば、Cu(I)−チオフェン−
2−カルボキシレート)、パラジウム触媒(例えば、Pd(Ph
3)
4)アリール化。関
連する変換が、Villalobos, J. M.; Srogl, J.; Lie
beskind, L.S., J. Am. Chem. Soc. 129(51)
:15734−15735(2007)に記載されている。化合物
22は、前記の方法に
従って、化合物
8および
21のカップリングから得ることができる。
【0105】
【化14】
あるいは、式IBの化合物は、図式11に報告の方法に従って製造することもできる。
最終段階は、上記のような化合物
26aについてのスズキ−ミヤウラ条件下または化合物
26bの場合のリーベスカインド−スローグル条件下での適切なボロン酸エステルによる
化合物
26のアリール化である。化合物
26は、前記で示した条件を用いる適切なアニリ
ンによる化合物
25の縮合によって得ることができる。化合物
25は、エチルエステル
2
2の簡単な加水分解によって得ることができる。
【0107】
【化15】
最後に、式IBの化合物は、図式12に示した方法に従って製造することができる。最
終段階は、標準的な方法、例えばアルキルハライドまたは同様の試薬によるアルキル化を
用いる化合物
28のヒドロキシル基の官能化である。この段階での他の置換基R
2の導入
は、好適な塩基の存在下に無水トリフ酸を用いる化合物
28のトリフ化によって行うこと
ができ、それによって式1Bの誘導体が得られる(R
2=OSO
2CF
3)。次に、ウル
マン−、スズキ−、スティル−、ソノガシラ−、ヘック−およびバックウォルド−プロト
コールなどの公知の有機金属反応を介して、これらトリフレート1B(R
2=OSO
2C
F
3)を炭素−炭素単結合、二重結合および三重結合、炭素−窒素結合(アニリンおよび
アミド)ならびにニトリルを含む置換基に変換することができる。化合物
28は、ジオキ
サンまたはCH
2Cl
2などの好適な溶媒中、酸(例えば、HCl)で処理することによ
り、化合物
27のTBDMS保護基を脱離させることで得ることができる。化合物
27は
、前述の方法に従って、適切なアニリンを化合物
24と縮合させることで製造することが
できる。
【0108】
以下、実施例によって本発明を説明する。
【0109】
実施例
次の略称を用いた。すなわち、Boc:tert−ブトキシカルボニル;CDCl
3:
クロロホルム−d;DiPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMF:N,N
−ジメチルホルムアミド;Et
3NまたはTEA:トリエチルアミン;HPLC:高速液
体クロマトグラフィー;TFA:トリフルオロ酢酸;MS:質量分析スペクトラム;(P
Ph
3)
4Pd:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0);THF:テ
トラヒドロフラン;TLC:薄層クロマトグラフィー;SiO
2:シリカゲル;N:規定
度;t−BuOK;カリウムtert−ブトキシド;TBDMS:tert−ブチルジメ
チルシリル;TMS:トリメチルシリル;HATU:(2−(7−アザ−1H−ベンゾト
リアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホス
フェート);TBTU:(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,
3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート);APCI−MS:大気圧化学イ
オン化質量分析;ESI−MS;エレクトロスプレーイオン化質量分析である。
【0110】
全般
1H NMRスペクトラムは、別段の断りがない限り、溶媒として重クロロホルムを用
いてBrukerスペクトル装置(400MHz)で記録した。化学シフトは、内部標準
としてテトラメチルシランに対するδ値(百万分率)として記録される。
【0111】
MS:エレクトロスプレースペクトラムは、Applied Biosystemsの
フローインジェクションを用いる交互陽イオンおよび陰イオンモードでのAPI−165
シングル・クワッドMSで記録した。質量範囲は120から2000Daであり、0.2
Daの段階速度で走査し、キャピラリー電圧は5000Vに設定した。N
2ガスを霧化に
使用した。
【0112】
LC−MSスペクトル装置(Waters)検出器:PDA(200から320nm)
、質量検出器:ZQ。
【0113】
全ての標的化合物を
1H NMR、MSおよび分析HPLCによって特性決定し、少な
くとも>95%純度であると決定した。
【0114】
実施例1(中間体化合物)
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ安息香酸
i)3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(80g、0.52mol)のCH
3OH(
600mL)中溶液を撹拌し、それに濃H
2SO
4(40mL)を室温で少量ずつ加えた
。反応混合物を加熱して還流温度として4時間経過させた。冷却して室温とした後、反応
混合物を減圧下に濃縮し、残留物を酢酸エチルに溶かした。この溶液を飽和Na
2CO
3
水溶液、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮して、
3−ヒドロキシ
−5−メトキシ安息香酸メチル(73g)を白色固体として得た。粗生成物を、それ以上
精製せずに次の段階で用いた。
【0115】
ii)前段階で得られた生成物(10.0g)のCH
3CN(140mL)中溶液を撹
拌しながら、それに室温でK
2CO
3(15.2g、110mmol)およびブロモメチ
ル−シクロプロパン(10.5mL、77mmol)を加えた。反応混合物を加熱して7
0から80℃として5時間経過させた。完了後、混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮し
て、
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ安息香酸メチル(8.5g)を得た
。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0116】
iii)前段階で得られた生成物(8.5g、35.7mmol)のCH
3OH(50
mL)およびH
2O(50mL)中溶液を撹拌しながら、それに、LiOH・H
2O(4
.5g、107mmol)を1回で加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。有機溶
媒を減圧下に除去し、濃塩酸でpHをpH=3に調節した。水層を酢酸エチルで抽出し、
ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水した。有機層を減圧下に濃縮して標題化合物
3−
(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ安息香酸(7.8g)を白色固体として得た
。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0117】
1H NMR(DMSO):δ13.00(s、1H)、7.03(t、2H、J=2
.26Hz)、6.73(t、1H、J=2.04Hz)、3.84(d、2H、J=6
.56Hz)、3.77(s、3H)、1.22−1.19(m、1H)、0.59−0
.54(m、2H)、0.34−0.31(m、2H)。
【0118】
実施例2(中間体化合物)
実施例1に記載の手順と類似の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0119】
3−メトキシ−5−((5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メトキシ)安息香酸
;
1H NMR(CDCl
3):δ7.33(s、1H)、7.29(s、1H)、6.
77(t、1H、J=2.30Hz)、6.12(s、1H)、5.15(s、2H)、
3.84(s、3H)、2.44(s、3H)。
【0120】
実施例3(中間体化合物)
3−メトキシ−5−(2−メトキシエトキシ)安息香酸
i)3−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸メチル(実施例1、段階i、0.5g、2
.7mmol)のDMF(10mL)中溶液に、窒素雰囲気下に0でNaH(0.2g、
5.4mmol)を加えた。数分間撹拌後、1−ブロモ−2−メトキシ−エタン(0.7
5g、5.4mmol)を加え、反応混合物を50で1時間撹拌した。溶液を氷100m
Lに投入し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し
、減圧下に濃縮して、3−メトキシ−5−(2−メトキシエトキシ)安息香酸メチルを得
た(0.5g)。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0121】
ii)実施例1段階iiiに記載の手順と類似の手順に従って、標題化合物
3−メトキ
シ−5−(2−メトキシエトキシ)安息香酸を製造した。MS(ESI)m/z:227
(M+H)
+。
【0122】
実施例4(中間体化合物)
(R)−3−(2−ヒドロキシプロポキシ)−5−メトキシ安息香酸
【0123】
【化16】
i)化合物3−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸メチル(実施例1段階i、90mg
、0.5mmol)およびプロピレンオキサイド(120mg、2mmol)のDMF(
2mL)中溶液に、K
2CO
3(280mg、2mmol)を加えた。反応混合物を10
0℃で終夜撹拌した。冷却して室温とした後、混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮した
。得られた残留物を、50%酢酸エチルを含む石油エーテルで溶離を行う順相クロマトグ
ラフィーを用いて精製して、
(R)−3−(2−ヒドロキシプロポキシ)−5−メトキシ
安息香酸メチル(100mg)を得た。
【0124】
ii)前段階で得られた生成物(100mg、0.42mmol)のCH
3OH(2m
L)中溶液に、2N NaOH水溶液(1mL)を加えた。反応液を加熱して60℃とし
て2時間経過させた。冷却して環境温度とした後、混合物を水(10mL)に投入し、H
Cl水溶液を加えることでpHをpH=4に調節した。生成物を酢酸エチルで抽出した。
有機層を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮して、標題化合物
3−(2−ヒドロキシプロポキシ)−5−メトキシ安息香酸(60mg)を油状物として
得た。MS(ESI)m/e227(M+H)
+。
【0125】
実施例5(中間体化合物)
実施例4に記載の手順と類似の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0126】
3−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−5−メトキシ安息香酸メチル;
MS(ESI)m/e:241(M+H)
+。
【0127】
実施例6(中間体化合物)
適切なアルキルハライドを用い、実施例4に記載の手順と類似の手順に従って、下記化
合物を製造した。
【0128】
6A:
3−メトキシ−5−(3−メトキシプロポキシ)安息香酸
MS(ESI)m/e:241.2(M+H)
+。
【0129】
6B:
3−メトキシ−5−プロポキシ安息香酸
MS(ESI)m/e:211.2(M+H)
+。
【0130】
6C:
3−メトキシ−5−(プロプ−2−インオキシ)安息香酸
MS(ESI)m/e:207.2(M+H)
+。
【0131】
6D:
3−(2−アミノエトキシ)−5−メトキシ安息香酸
MS(ESI)m/e:212.2(M+H)
+。
【0132】
6E:
3−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)−5−メトキシ安息香酸
MS(ESI)m/e:226.2(M+H)
+。
【0133】
6F:
3−イソブトキシ−5−メトキシ安息香酸
MS(ESI)m/e:224.2(M+H)
+。
【0134】
6G:
3−sec−ブトキシ−5−メトキシ安息香酸
MS(ESI)m/e:224.2(M+H)
+。
【0135】
6H:
3−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−メトキシ安息香酸
MS(ESI)m/e:213.2(M+H)
+。
【0136】
6I:
3−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)安息香酸
MS(ESI)m/e:251.1(M+H)
+。
【0137】
6J:
3−(ベンゾキシ)−5−メトキシ安息香酸;MS(ESI)m/e:259.
2(M+H)
+。
【0139】
【化17】
3−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イ
ル)フェニル)−1H−ピラゾール
i)1−(3−ブロモフェニル)エタノン(4g、20mmol)のEtOH(60m
L)中溶液を撹拌しながら、それに室温でN,N−ジメチルホルムアミド・ジエチルアセ
タール(7.15g、60mmol)を加え、混合物を還流温度で2時間撹拌した。冷却
して環境温度とした後、混合物を減圧下に濃縮した。残留物を、50%酢酸エチルを含む
石油エーテルで溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して、
(Z)−1−(3
−ブロモフェニル)−3−(ジメチルアミノ)プロプ−2−エン−1−オン(3.0g)
を油状物として得た。
【0140】
ii)前の段階で得られた生成物(3g、11.8mmol)のEtOH(50mL)
中溶液に、ヒドラジン水和物(2.2g、35.4mmol、85%)を室温で加えた。
反応混合物を還流温度で1時間撹拌した。冷却して環境温度とした後、混合物を濃縮し、
残留物をCH
2Cl
2(50mL)に溶かした。溶液をブラインで洗浄し、Na
2SO
4
で脱水し、減圧下に濃縮して、
3−(3−ブロモフェニル)−1H−ピラゾール(2.5
g)を黄色固体として得た。
【0141】
iii)Pd
2(dba)
3(183mg、0.20mmol)、PCy
3(132m
g、0.47mmol)のジオキサン中混合物を窒素雰囲気下に室温で30分間撹拌した
。次に、前の段階で得られた生成物(1.5g、6.73mmol)、ビス(ピナコラト
)ジボロン(2.56g、10.1mmol)および酢酸カリウム(1.32g、13.
5mmol)を加えた。反応混合物を還流温度で4時間撹拌した。冷却して室温とした後
、混合物を濾過し、減圧下に濃縮した。残留物を、10%酢酸エチルを含む石油エーテル
で溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して、標題化合物
3−(3−(4,4
,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H
−ピラゾール(1.8g)を得た。
【0142】
MS(ESI)m/z:271.0(M+H
+)。
【0143】
実施例8(中間体化合物)
1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イ
ル)フェニル)−1H−ピラゾール
i)水素化ナトリウム(3.52g、88mmol)のDMF(40mL)中懸濁液に
、ピラゾール(3.0g、44mmol)を少量ずつ加えた。室温で30分間撹拌後、D
MF(20mL)中の1−ブロモ−3−フルオロベンゼン(9.3g、53mmol)を
滴下し、得られた混合物を130℃で2時間撹拌した。混合物を冷却し、飽和NH
4Cl
水溶液を加えることで反応停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、
Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を、10%酢酸エチルを含む石油エー
テルで溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して、
1−(3−ブロモフェニル
)−1H−ピラゾール(4.7g)を黄色固体として得た。
【0144】
ii)実施例7段階iiiに記載の手順と類似の手順に従って、標題化合物
1−(3−
(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル
)−1H−ピラゾールを製造した(5.4g)。
1H NMR(CDCl
3):δ8.0
6(d、1H、J=1.32Hz)、7.99(d、1H、J=2.36Hz)、7.8
2−7.84(m、1H)、7.72(d、2H、J=2.56Hz)、7.47(t、
1H、J=8.02Hz)、6.46(t、1H、J=2.24Hz)、1.47(s、
12H)。
【0146】
【化18】
2−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イ
ル)フェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダ
ゾール
i)水素化ナトリウム(8.8g、221mmol、鉱油中60%品)のTHF(10
0mL)中懸濁液に、イミダゾール(10g、147mmol)を少量ずつゆっくり加え
た。混合物を室温で30分間撹拌後、2−(トリメチルシリル)−エトキシメチルクロラ
イド(29.3g、176mmol)を15分間かけて滴下した。反応混合物を室温で1
時間撹拌し、水(50mL)を加えることで反応停止した。生成物を酢酸エチルで抽出し
、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮して、
1−((2−(トリメ
チルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾール(34g)を油状物として得た。
粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0147】
ii)前の段階で得られた生成物(34g、粗)のCH
3CN(400mL)中溶液を
撹拌しながら、それにシアン酸ブロミド(40g、377mmol)を少量ずつ加えた。
室温で3時間撹拌後、水を加えることで混合物を希釈し、生成物を酢酸エチルで抽出した
。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。粗生
成物を、10%酢酸エチルを含む石油エーテルで溶離を行う順相クロマトグラフィーを用
いて精製して、
2−ブロモ−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1
H−イミダゾール(10.5g)を得た。
【0148】
iii)前の段階で得られた生成物(28g、101mmol)のジオキサン/水(4
50mL、3/1)中溶液を撹拌しながら、それに窒素雰囲気下で、3−ブロモフェニル
ボロン酸(24.3g、121mmol)、K
2CO
3(27.9g、202mmol)
およびPd(PPh
3)
4(5.8g、5mmol)を加えた。得られた混合物を還流温
度で4時間撹拌した。冷却して環境温度とした後、混合物を濾過し、有機層を分離し、減
圧下に濃縮した。粗生成物を、15%酢酸エチルを含む石油エーテルで溶離を行う順相ク
ロマトグラフィーを用いて精製して、
2−(3−ブロモフェニル)−1−((2−(トリ
メチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾール(15g)を無色油状物として
得た。
【0149】
iv)実施例7段階iiiに記載の手順と類似の手順に従って、標題化合物2−(3−
(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル
)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾールを製造
した(2.2g)。
1H NMR(CDCl
3):δ8.15(s、1H)、7.85−
7.80(m、2H)、7.64−7.64(m、1H)、7.45(t、1H、J=8
.0Hz)、7.14(s、1H)、7.12(s、1H)、5.27(s、2H)、3
.50(t、2H、J=8.4Hz)、1.23(s、12H)、0.90(t、2H、
J=8.0Hz)、0.00(s、9H)。
【0150】
実施例10(中間体化合物)
3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5−メトキシアニリン
i)3,5−ジメトキシアニリン(2.53g、16.5mmol)のN−メチルピロ
リジノン(10mL)中溶液に、ナトリウムチオメトキシド(2.32g、33.1mm
ol)を加えた。反応混合物を加熱して140℃として2.5時間経過させ、環境温度で
さらに18時間撹拌した。混合物を飽和NaH
2PO
4溶液(50mL)に投入し、次に
酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を疎水性フリットで濾過し、溶媒を減圧下に除去
して暗赤色油状物を得た。粗残留物をイソ−ヘキサンおよび量を増加させる酢酸エチルで
溶離を行う順相クロマトグラフィーによって精製して、
3−アミノ−5−メトキシフェノ
ールを淡黄色固体として得た(1.53g)。
【0151】
ii)前の段階で得られた生成物(950mg、6.83mmol)のCH
2Cl
2(
50mL)中溶液に、イミダゾール(2.32g、34.2mmol)およびt−ブチル
ジメチルシリルクロライド(3.1g、20.5mmol)を加えた。得られた黄色懸濁
液を環境温度で16時間撹拌した。完了後、溶媒を減圧下に除去し、残留物を酢酸エチル
と水との間で分配した。有機相を1N NaOH水溶液、水およびブラインで洗浄した。
有機相を疎水性フリットで濾過し、溶媒を減圧下に除去した。得られた粗残留物を、イソ
−ヘキサンおよび量を増加させる酢酸エチルで溶離を行う順相クロマトグラフィーによっ
て精製して、
3−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−5−メトキシアニリンをオフ
ホワイト油状物として得た(1.72g)。
1H NMR(CDCl
3):δ5.70−
5.62(3H、m)、3.53(3H、s)、3.41(2H、s)、0.78(8H
、s)、0.09(6H、s)。
【0152】
実施例11
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(ベンゾキシ)−5−メトキシベンズア
ミド
【0153】
【化19】
i)4−N−Boc−アミノメチルピペリジン(4.95g、23.1mmol)、2
,4−ジクロロピリミジン(3.28g、22.0mmol)およびトリエチルアミン(
7.84g、77.5mmol)のエタノール(90mL)中溶液を85℃で45分間撹
拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残留物をCH
2Cl
2に溶かし、濾過し
た。溶媒を減圧下に除去して粗残留物を得て、それを、イソ−ヘキサンおよび量を増加さ
せる酢酸エチルで溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して、
tert−ブチ
ル(1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチルカーバメー
トをオフホワイト固体として得た(6.0g)。
【0154】
ii)前の段階で得られた生成物(5.92g、18.1mmol)、3−ピラゾール
フェニルボロン酸(3.41g、18.1mmol)、炭酸カリウム(7.51g、54
.3mmol)およびPd(dppf)
2Cl
2をジオキサン:水(150mL、9:1
)に溶かした。N
2で15分間パージした後、反応混合物を加熱して85℃として2時間
経過させ、冷却して環境温度とした。溶媒を減圧下に除去した。残留物を、酢酸エチルと
水との間で分配した。有機相を分離し、減圧下に濃縮して、暗色固体(9.59g)を得
た。粗固体を、イソ−ヘキサンおよび量を増加させる酢酸エチルで溶離を行う順相クロマ
トグラフィーを用いて精製して、
tert−ブチル(1−(2−(3−(1H−ピラゾー
ル−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチルカーバ
メートをピンク固体として得た(6.05g)。
【0155】
iii)前の段階で得られた生成物(4.60g、10.6mmol)のCH
2Cl
2
(40mL)中スラリーに4N HCl/1,4−ジオキサン溶液(25mL、100m
mol)を加え、室温で48時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去して、橙赤色固体を得た
。粗固体を1:1CH
2Cl
2:イソ−ヘキサン(40mL)で磨砕し、40℃で真空乾
燥して、
(1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)ピペリジン−4−イル)メタンアミン塩酸塩を淡橙赤色固体として得た(4.2
6g)。
【0156】
iv)前の段階で得られた生成物(0.80g、2.17mmol)を3−(ベンゾキ
シ)−5−メトキシ安息香酸(0.56g、2.17mmol)、ジイソプロピルエチル
アミン(0.69g;5.4mmol)およびHATU(0.98g、2.6mmol)
のDMF(15mL)中溶液に加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル
と水との間で分配し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物を得た(1.45g)。少量サンプ
ル(50mg)を逆相分取HPLCによって精製して、標題化合物
N−((1−(2−(
3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4
−イル)メチル)−3−(ベンゾキシ)−5−メトキシベンズアミドをオフホワイト固体
として得た。
1H NMR(CDCl
3):δ8.80(1H、s)、8.32−8.2
7(3H、m)、7.98(1H、d、J=7.91Hz)、7.74(1H、d、J=
1.72Hz)、7.57(1H、t、J=7.95Hz)、7.45−7.30(5H
、m)、6.98(1H、t、J=1.71Hz)、6.92(1H、t、J=1.71
Hz)、6.66(1H、t、J=2.24Hz)、6.54−6.47(2H、m)、
6.29(1H、s)、5.08(2H、s)、4.62(2H、s)、3.82(3H
、s)、3.40(2H、t、J=6.43Hz)、3.05(2H、t、J=12.6
8Hz)、2.08−1.88(3H、m)、1.36(2H、qd、J=12.35、
4.12Hz)。
【0157】
実施例12
適切な原料を用い、実施例11に記載の手順と類似の手順に従って、下記化合物を製造
した。
【0158】
12A:
3−(ベンゾキシ)−N−((1−(2−(3−クロロフェニル)ピリミジン
−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−5−メトキシベンズアミド;MS(ES
I)m/e:543.07(M+H)
+。
【0159】
12B:
3−(ベンゾキシ)−5−メトキシ−N−((1−(4−(3−(ピリジン−
2−イル)フェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メ
チル)ベンズアミド;MS(ESI)m/e:587.7(M+H)
+。
【0160】
実施例13
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアミド
i)N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン
−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(ベンゾキシ)−5−メトキシベン
ズアミド(実施例11段階iv、1.45g、2.5mmol)、ギ酸アンモニウム(0
.70g、11.1mmol)および10%パラジウム/炭素(0.15g)のメタノー
ル(30mL)中溶液を加熱して還流温度として18時間経過させた。反応混合物を冷却
して環境温度とし、セライトで濾過した。濾液を減圧下に濃縮し、得られた残留物をCH
2Cl
2と水との間で分配した。有機相を疎水性フリットに通し、減圧下に濃縮して、
N
−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イ
ル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアミドを淡
黄色泡状物として得た(1.16g)。MS(ESI)m/e:485.6(M+H)
+
。
【0161】
実施例14
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(4−フルオロベンゾキシ)−5−メト
キシベンズアミド
【0162】
【化20】
i)4−フルオロベンジルクロライド(15μL、0.12mmol)をN−((1−
(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリ
ジン−4−イル)メチル)−3−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアミド(実施例13、
55mg、0.11mmol)および炭酸セシウム(80mg、0.24mmol)のD
MF(1mL)中溶液に加えた。反応混合物を加熱して40℃として5時間経過させた。
溶媒を減圧下に除去し、残留物を酢酸エチルと水との間で分配した。水相を酢酸エチルで
抽出し、合わせた有機層を疎水性フリットで濾過し、減圧下に濃縮した。粗残留物を、イ
ソ−ヘキサンおよび量を増やす酢酸エチルで溶離を行う順相クロマトグラフィーによって
精製して、標題化合物
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニ
ル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(4−フルオロベン
ゾキシ)−5−メトキシベンズアミドを白色固体として得た(42.5mg)。
1H N
MR(CDCl
3):δ8.64(1H、t、J=1.88Hz)、8.34−8.29
(2H、m)、8.06(1H、d、J=2.48Hz)、7.86(1H、ddd、J
=8.02、2.33、1.07Hz)、7.74(1H、d、J=1.74Hz)、7
.54(1H、t、J=7.90Hz)、7.43−7.37(2H、m)、7.11−
7.05(2H、m)、6.96(1H、t、J=1.75Hz)、6.91(1H、t
、J=1.74Hz)、6.65(1H、t、J=2.25Hz)、6.49−6.44
(2H、m)、6.21(1H、t、J=6.08Hz)、5.04(2H、s)、4.
60(2H、s)、3.82(3H、s)、3.39(2H、t、J=6.43Hz)、
3.01−2.92(2H、m)、2.04−1.88(3H、m)、1.33(2H、
qd、J=12.28、4.12Hz)。
【0163】
実施例15
実施例14に記載の手順と類似の手順に従って、下記化合物を製造した。
【0164】
15A:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−
5−メトキシベンズアミド
【0165】
【化21】
1H NMR(CDCl
3):δ8.64(1H、t、J=1.88Hz)、8.34
−8.30(2H、m)、8.06(1H、d、J=2.48Hz)、7.86(1H、
ddd、J=8.03、2.33、1.08Hz)、7.74(1H、d、J=1.74
Hz)、7.53(1H、t、J=7.90Hz)、6.89−6.86(2H、m)、
6.59(1H、t、J=2.25Hz)、6.49−6.44(2H、m)、6.19
(1H、t、J=6.10Hz)、4.59(2H、s)、3.85−3.80(5H、
m)、3.39(2H、t、J=6.42Hz)、3.00−2.91(2H、m)、2
.04−1.88(3H、m)、1.38−1.24(3H、m)、0.68−0.62
(2H、m)、0.37−0.32(2H、m)。
【0166】
15B:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−((5−メチル
イソオキサゾール−3−イル)メトキシ)ベンズアミド
【0167】
【化22】
1H NMR(CDCl
3):δ8.63(1H、t、J=1.84Hz)、8.33
−8.28(2H、m)、8.06(1H、d、J=2.48Hz)、7.87−7.8
4(1H、m)、7.74(1H、d、J=1.73Hz)、7.54(1H、t、J=
7.92Hz)、7.01−6.95(2H、m)、6.67(1H、dt、J=9.6
4、2.26Hz)、6.50−6.45(2H、m)、6.27(1H、t、J=6.
09Hz)、6.09(1H、s)、5.12(2H、s)、4.60(2H、s)、3
.82(3H、s)、3.39(2H、t、J=6.41Hz)、3.01−2.91(
2H、m)、2.43(3H、s)、2.06−1.88(3H、m)、1.39−1.
24(2H、m)。
【0168】
15C:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(3−ヒドロキシプロポキシ)
−5−メトキシベンズアミド
【0169】
【化23】
1H NMR(DMSO):δ8.89(1H、s)、8.81(1H、d、J=2.
51Hz)、8.68(1H、t、J=5.77Hz)、8.50(1H、d、J=7.
22Hz)、8.32(2H、dd、J=22.81、7.97Hz)、7.99(1H
、d、J=1.68Hz)、7.89(1H、t、J=7.99Hz)、7.32(1H
、d、J=7.19Hz)、7.17(2H、d、J=7.69Hz)、6.78(2H
、dt、J=4.14、2.13Hz)、4.6(1H、広いピーク)、4.22(2H
、t、J=6.38Hz)、3.93(3H、s)、3.72(2H、t、J=6.41
Hz)、3.4(4H、m)、2.16(1H、m)、2.08−1.98(4H、m)
、1.48−1.38(2H、m)。
【0170】
15D:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−(2−メトキシ
エトキシ)ベンズアミド
【0171】
【化24】
1H NMR(CDCl
3):δ8.64(1H、s)、8.34−8.29(2H、
m)、8.07(1H、d、J=2.43Hz)、7.87(1H、dd、J=8.03
、2.14Hz)、7.74(1H、d、J=1.69Hz)、7.54(1H、t、J
=7.91Hz)、6.91(2H、s)、6.62(1H、t、J=2.22Hz)、
6.50−6.45(2H、m)、6.20(1H、t、J=6.07Hz)、4.59
(2H、s)、4.14(2H、t、J=4.53Hz)、3.82(3H、s)、3.
75(2H、t、J=4.52Hz)、3.45(3H、s)、3.39(2H、t、J
=6.40Hz)、2.97(2H、t、J=12.69Hz)、1.91(3H、d、
J=13.73Hz)、1.33(2H、qd、J=12.20、4.08Hz)。
【0172】
実施例16
適切な安息香酸を用い、実施例11段階ivに記載の手順と類似の手順に従って、下記
化合物を製造した。
【0173】
16A:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシベンズアミド;MS(
ESI)m/e:469.56(M+H)
+。
【0174】
16B:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3,5−ジクロロベンズアミド;M
S(ESI)m/e:507.4、509.4(M+H)
+。
【0175】
16C:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3,5−ジメチルベンズアミド;M
S(ESI)m/e:467.5(M+H)
+。
【0176】
16D:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メチル−5−(トリフルオロメ
チル)ベンズアミド;MS(ESI)m/e:521.5(M+H)
+。
【0177】
実施例17
2,4−ジクロロ−1,3,5−トリアジンを原料として、実施例14に記載の手順と
類似の手順に従って、下記化合物を製造した。
【0178】
17A:
N−((1−(4−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−1,
3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピ
ルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド
【0179】
【化25】
1H NMR(CDCl
3):δ8.70−8.64(2H、m)、8.34(1H、
d、J=7.83Hz)、8.07(1H、d、J=2.48Hz)、7.94(1H、
dd、J=8.03、2.21Hz)、7.76(1H、d、J=1.73Hz)、7.
57(1H、t、J=7.94Hz)、6.88(2H、t、J=2.55Hz)、6.
59(1H、t、J=2.25Hz)、6.50(1H、t、J=2.12Hz)、6.
20(1H、t、J=6.02Hz)、5.09(1H、d、J=13.31Hz)、4
.91(1H、d、J=13.18Hz)、3.83(5H、t、J=2.90Hz)、
3.39(2H、q、J=6.09Hz)、2.98(2H、s)、1.93(3H、s
)、1.35−1.22(3H、m)、0.69−0.63(2H、m)、0.37−0
.32(2H、m)。
【0180】
17B:
N−((1−(4−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−1,
3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−
((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メトキシ)ベンズアミド
【0181】
【化26】
1H NMR(CDCl
3):δ8.69−8.65(2H、m)、8.36−8.3
2(1H、m)、8.06(1H、d、J=2.46Hz)、7.95−7.92(1H
、m)、7.76(1H、d、J=1.73Hz)、7.57(1H、t、J=7.94
Hz)、6.88(2H、d、J=2.21Hz)、6.57(1H、t、J=2.22
Hz)、6.50(1H、t、J=2.10Hz)、6.21(1H、t、J=6.07
Hz)、5.01(2H、dd、J=72.55、13.02Hz)、4.02(2H、
dd、J=11.45、4.20Hz)、3.86−3.81(5H、m)、3.49−
3.38(4H、m)、2.98(3H、s)、2.04(2H、s)、1.93(2H
、s)、1.75(2H、d、J=13.30Hz)、1.32(4H、s)。
【0182】
17C:
N−((1−(4−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−1,
3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−フラン−3−イ
ルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド
【0183】
【化27】
MS(ESI)m/e:566.1(M+H)
+。
【0184】
17D:
N−((1−(4−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−1,
3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−
(2−(メチルアミノ)−2−オキソエトキシ)ベンズアミド
【0185】
【化28】
MS(ESI)m/e:557.63(M+H)
+。
【0186】
17E:
N−((1−(4−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−1,
3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(ベンゾキシ)
−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド
【0187】
【化29】
MS(ESI)m/e:614.63(M+H)
+。
【0188】
実施例18
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3,5−ジメトキシベンズアミド
【0189】
【化30】
i)(1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチルカーバ
メート(実施例11段階i、2.32g、6.73mmol)のCH
2Cl
2(30mL
)中溶液にトリフルオロ酢酸(6.0mL、81mmol)を加えた。室温で3時間撹拌
後、溶媒を減圧下に除去して、
(1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ピペリジン−
4−イル)メタンアミン2,2,2−トリフルオロ酢酸塩を白色固体として得た(1.7
1g)。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0190】
ii)前の段階で得られた生成物(2.360g、10.41mmol)、3,5−ジ
メトキシ安息香酸(1.58g、8.67mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチ
ルアミン(3.51mL、21.25mmol)の懸濁液を、CH
2Cl
2(70mL)
に懸濁させた。室温で15分間撹拌後、HATU(3.96g、10.41mmol)を
加え、反応混合物をさらに4時間撹拌した。反応混合物を、飽和NaHCO
3水溶液を加
えることで反応停止し、生成物をCH
2Cl
2:CH
3OH(9:1)で抽出した。有機
層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。粗残留物を、ヘプタンおよび量を増やす
酢酸エチルで溶離を行う順相クロマトグラフィーによって精製して、
N−((1−(2−
クロロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3,5−ジメトキシベ
ンズアミドを白色固体として得た(3.6g)。
【0191】
iii)前の段階で得られた生成物(100mg、0.256mmol)、3−(1H
−ピラゾール−5−イル)フェニルボロン酸(96mg、0.512mmol)および2
N炭酸カリウム水溶液(384μL、0.768mmol)のジオキサン(3mL)中溶
液をN
2で10分間パージした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0
)(14.78mg、0.013mmol)を加え、反応混合物をマイクロ波リアクター
において150℃で10分間撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈し、ブラインで
洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。粗残留物を、C
H
2Cl
2および量を増やすCH
3OHで溶離を行う順相クロマトグラフィーによって精
製して、標題化合物
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−5−イル)フェニル
)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3,5−ジメトキシベンズ
アミド(58mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/e:499.2(M+H
)
+。
【0192】
実施例19
適切な原料を用い、実施例18に記載の手順と類似の手順に従って、下記化合物を製造
した。
【0193】
19A:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−シクロプロピルメトキシ)−5
−メトキシベンズアミド
【0194】
【化31】
1H NMR(CDCl
3):δ8.72(t、1H)、8.35(d、1H)、8.
29(d、1H)、7.83(d、1H)、7.65(d、1H)、7.50(t、1H
)、6.89(t、2H)、6.61(d、1H)、6.59(t、1H)、6.44(
d、1H)、6.30(t、1H)、4.58(m、2H)、3.82(s、3H)、3
.82(d、2H)、3.37(t、2H)、2.94(t、2H)、1.97(m、1
H)、1.89(d、2H)、1.28(m、2H)、0.88(m、1H)、0.65
(m、2H)、0.35(m、2H)
19B:
N−((1−(2−(3−シアノフェニル)−5−フルオロピリミジン−4−
イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ
ベンズアミド
【0195】
【化32】
MS(ESI)m/e:516.0(M+H)
+。
【0196】
19C:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−5−イル)フェニル)−5−
フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピ
ルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド
【0197】
【化33】
1H NMR(CDCl
3):δ8.66(s、1H)、8.28(dt、1H)、8
.16(d、1H)、7.83(d、1H)、7.65(d、1H)、7.50(t、1
H)、6.88(m、2H)、6.71(d、1H)、6.59(t、1H)、6.23
(t、NH)、4.72(d、2H)、3.82(m、2H)、3.82(s、3H)、
3.39(t、2H)、3.10−3.00(t、2H)、2.00(m、1H)、1.
90(m、2H)、1.40(m、2H)。
【0198】
19D:
3−(4−(4−((3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズ
アミド)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)安息香酸
【0199】
【化34】
MS(ESI)m/e:517.3(M+H)
+。
【0200】
19E:
N−((1−(2−(1H−インダゾール−5−イル)ピリミジン−4−イル
)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベ
ンズアミド
【0201】
【化35】
NMR(CDCl
3):δ8.78(m、1H)、8.48(t、1H)、8.37(
m、1H)、8.27(d、1H)、8.19(s、1H)、7.57(m、1H)、6
.89(m、2H)、6.74(d、1H)、6.63(t、1H)、4.55(m、2
H)、3.54(d、2H)、3.76(s、3H)、3.18(t、2H)、2.95
(t、2H)、1.95(m、1H)、1.79(m、2H)、1.16(m、3H)、
0.58(m、2H)、0.33(m、2H)。
【0202】
19F:
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ−N−((1−(2−(1−
メチル−1H−インダゾール−6−イル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル
)メチル)ベンズアミド
【0203】
【化36】
MS(ESI)m/e:527.3(M+H)
+。
【0204】
19G:
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ−N−((1−(2−(1−
メチル−1H−インダゾール−4−イル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル
)メチル)ベンズアミド
【0205】
【化37】
MS(ESI)m/e:527.3(M+H)
+。
【0206】
実施例20
適切なフェニルボロン酸およびピペリジン−4−イルメタンアミン類縁体を用い、実施
例18に記載の手順と類似の手順に従って、下記化合物を製造した。
【0207】
20A:
2−(1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジ
ン−4−イル)ピペリジン−4−イル)−2−(3,5−ジメトキシベンズアミド)酢酸
メチル
【0208】
【化38】
MS(ESI)m/e:557.3(M+H)
+。
【0209】
20B:
N−(7−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジ
ン−4−イル)−7−アザスピロ[3.5]ノナン−1−イル)−3,5−ジメトキシベ
ンズアミド
【0210】
【化39】
MS(ESI)m/e:525.3(M+H)
+。
【0211】
20C:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)−4−メチルピペリジン−4−イル)メチル)−3,5−ジメトキシベ
ンズアミド
【0212】
【化40】
MS(ESI)m/e:513.3(M+H)
+。
【0213】
20D:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミ
ジン−4−イル)−4−フルオロピペリジン−4−イル)メチル)−3,5−ジメトキシ
ベンズアミド
【0214】
【化41】
MS(ESI)m/e:517.2(M+H)
+。
【0215】
実施例21
適切なフェニルボロン酸および2,4−ジクロロピリミジンを用い、実施例18に記載
の手順と類似の手順に従って、下記化合物を製造した。
【0216】
21A:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−5−
シアノピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3,5−ジメトキシベ
ンズアミド
【0217】
【化42】
MS(ESI)m/e:524.3(M+H)
+。
【0218】
21B:
2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)−4−(4−((3,
5−ジメトキシベンズアミド)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−5−カルボ
ン酸メチル
【0219】
【化43】
MS(ESI)m/e:557.8(M+H)
+。
【0220】
21C:
N−((1−(2−(3,5−ジクロロフェニル)ピリミジン−4−イル)ピ
ペリジン−4−イル)メチル)−3,5−ジメトキシベンズアミド
【0221】
【化44】
MS(ESI)m/e:501.1、503.2(M+H)
+。
21D:
N−((1−(2−(1H−インドール−6−イル)ピリミジン−4−イル)ピ
ペリジン−4−イル)メチル)−3,5−ジメトキシベンズアミド
【0222】
【化45】
MS(ESI)m/e:472.6(M+H)
+。
【0223】
実施例22
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロ
ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−5−メトキシベンズアミド
【0224】
【化46】
i)4−N−Boc−アミノメチルピペリジン(10g、47mmol)、2,4−ジ
クロロピリミジン(7.8g、47mmol)およびトリエチルアミン(10g、100
mmol)のエタノール(100mL)中溶液を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下に
除去して粗残留物を得て、それを、10%の酢酸エチルを含む石油エーテルで溶離を行う
順相クロマトグラフィーを用いて精製して、
tert−ブチル(1−(2−クロロ−5−
フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチルカーバメートをオフホワ
イト固体として得た(16g)。
【0225】
ii)前の段階で得られた生成物(1g、2.9mmol)、3−(3−(4、4,5
,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1H−ピ
ラゾール(0.8g、3.0mmol)のCH
3CN(6mL)および2N Na
2CO
3水溶液(4mL、8mmol)中懸濁液に、窒素雰囲気下にPd(dppf)
2Cl
2
を加えた。マイクロ波リアクター中においてN
2で15分間パージした後、反応混合物を
加熱して135℃として10分間経過させた。冷却して環境温度とした後、溶媒を減圧下
に除去し、得られた残留物を、25%の酢酸エチルを含む石油エーテルで溶離を行う順相
クロマトグラフィーを用いて精製して、
tert−ブチル(1−(2−(3−(1H−ピ
ラゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4
−イル)メチルカーバメートをオフホワイト固体として得た(0.3g)。
【0226】
iii)前の段階で得られた生成物(0.3g、0.66mmol)の酢酸エチル(2
mL)中溶液に、6N HCl/酢酸エチル溶液(1mL)を加えた。反応混合物を室温
で30分間撹拌し、溶媒を減圧下に除去して、
(1−(2−(3−(1H−ピラゾール−
3−イル)フェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メ
タンアミン塩酸塩を白色固体として得た(0.18g)。粗生成物を、それ以上精製せず
に次の段階で用いた。
【0227】
iv)前の段階で得られた生成物(54mg、0.14mmol)、3−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−5−メトキシ安息香酸(実施例6H、30mg、0.14mmol)、
トリエチルアミン(30mg、0.3mmol)のDMF(2mL)中溶液に、HATU
(54mg、0.14mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減
圧下に除去し、生成物を逆相分取HPLCによって精製して、標題化合物
N−((1−(
2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロピリミジン−4−
イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−メトキ
シベンズアミドを白色固体として得た(10mg)。
【0228】
1H NMR(CD
3OD):δ8.54(s、1H)、8.31(d、1H、J=8
.0Hz)、8.08(d、1H、J=8.0Hz)、7.99(d、1H、J=8.0
Hz)、7.72(d、1H、J=2.4Hz)、7.60(t、1H、J=8.0Hz
)、6.97−6.98(m、2H)、6.76(d、1H、J=2.4Hz)、6.6
6(t、1H、J=2.0Hz)、4.85−4.91(m、2H)、4.05(t、2
H、J=4.4Hz)、3.85(t、2H、J=4.8Hz)、3.80(s、3H)
、3.26−3.32(m、4H)、2.07−2.12(m、1H)、1.97−2.
01(m、2H)、1.40−1.50(m、2H)。
【0229】
実施例22に記載の手順と類似の手順に従って、下記化合物を製造した。
【0230】
実施例23
23A:N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−
フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−
(3−メトキシプロポキシ)ベンズアミド
【0231】
【化47】
MS(ESI)m/e:575.6(M+H)
+。
【0232】
23B:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−
フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−
プロポキシベンズアミド
【0233】
【化48】
MS(ESI)m/e:545.6(M+H)
+。
【0234】
23C:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−
フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−
(プロプ−2−インオキシ)ベンズアミド
【0235】
【化49】
1H NMR(CDCl
3):δ9.07−9.10(m、2H)、8.60(s、1
H)、8.24(d、1H、J=7.2Hz)、8.17(d、1H、J=8.0Hz)
、7.80(d、1H、J=7.6Hz)、7.65(d、1H、J=2.0Hz)、7
.45(t、1H、J=8.0Hz)、6.88(d、2H、J=2.4Hz)、6.7
3(d、1H、J=2.0Hz)、6.60(t、1H、J=2.0Hz)、6.28(
t、1H、J=6.0Hz)、4.73(d、2H、J=13.6Hz)、4.64(d
、2H、J=2.4Hz)、3.76(s、3H)、3.33(t、2H、J=6.4H
z)、3.07(t、2H、J=12.0Hz)、2.47(t、1H、J=2.4Hz
)、1.98−1.99(m、1H)、1.89(d、2H、J=13.2Hz)、1.
32−1.41(m、2H)。
【0236】
23D:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−
フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(2−アミノエ
トキシ)−5−メトキシベンズアミド塩酸塩
【0237】
【化50】
1H NMR(CDCl
3):δ8.60(s、1H)、8.34(d、1H、J=7
.6Hz)、8.14(d、1H、J=6.8Hz)、8.02(d、1H、J=7.6
Hz)、7.75(d、1H、J=2.4Hz)、7.62(t、1H、J=7.6Hz
)、7.08(d、2H、J=2.0Hz)、6.76−6.80(m、2H)、4.9
0−4.91(m、2H)、4.32(t、2H、J=4.8Hz)、3.86(s、3
H)、3.48(t、2H、J=5.2Hz)、3.28−3.37(m、4H)、2.
82(s、3H)、2.12−2.15(m、1H)、2.02(d、2H、J=12.
0Hz)、1.45−1.54(m、2H)。
【0238】
23E:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−
フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(2−アミノ−
2−オキソエトキシ)−5−メトキシベンズアミド
【0239】
【化51】
1H NMR(CDCl
3):δ8.65(s、1H)、8.48(t、1H、J=5
.6Hz)、8.34(d、1H、J=6.8Hz)、8.14(d、1H、J=7.6
Hz)、7.86(d、1H、J=8.0Hz)、7.72(d、1H、J=2.0Hz
)、7.46−7.50(m、2H)、7.37(s、1H)、7.00(d、2H、J
=2.0Hz)、6.71(d、1H、J=2.0Hz)、6.65(t、1H、J=2
.0Hz)、4.54(d、2H、J=12.8Hz)、4.42(s、2H)、3.7
4(s、3H)、3.06−3.16(m、4H)、1.79−1.94(m、3H)、
1.22−1.30(m、2H)。
【0240】
23F:
(S)−N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル
)−5−フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(2−
ヒドロキシプロポキシ)−5−メトキシベンズアミド
【0241】
【化52】
1H NMR(CD
3OD):δ8.57(s、1H)、8.35(d、1H、J=8
.0Hz)、8.11(d、1H、J=8.0Hz)、8.03(d、1H、J=8.0
Hz)、7.75(d、1H、J=2.4Hz)、7.62(t、1H、J=8.0Hz
)、7.00(d、2H、J=2.0Hz)、6.79(d、1H、J=2.0Hz)、
6.69(t、1H、J=2.0Hz)、4.89−4.95(m、2H)、4.09−
4.14(m、1H)、3.88−3.94(m、2H)、3.83(s、3H)、3.
31−3.35(m、4H)、2.12−2.15(m、1H)、2.02(d、2H、
J=13.2Hz)、1.44−1.54(m、2H)、1.28(d、3H、J=6.
4Hz)。
【0242】
23G:
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−
フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロポキシ)−5−メトキシベンズアミド
【0243】
【化53】
1H NMR(CD
3OD):δ8.54(s、1H)、8.33(d、1H、J=8
.0Hz)、8.07(d、1H、J=7.6Hz)、8.01(d、1H、J=7.6
Hz)、7.72(d、1H、J=2.4Hz)、7.60(t、1H、J=8.0Hz
)、6.97−6.99(m、2H)、6.76(d、1H、J=2.4Hz)、6.6
7(t、1H、J=2.0Hz)、4.88−4.92(m、2H)、3.80(s、3
H)、3.79(s、2H)、3.28−3.32(m、4H)、2.07−2.10(
m、1H)、1.98−2.01(m、2H)、1.41−1.50(m、2H)、1.
30(s、6H)。
【0245】
【化54】
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロ
ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)3−(2−(ジメチルアミノ)
エトキシ)−5−メトキシベンズアミド2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
i)3−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸メチル(1.82g、10mmol)およ
び2−ブロモエタノール(2.5g、20mmol)のCH
3CN(20mL)中溶液に
、K
2CO
3(4.2g、0.03mol)を加え、反応混合物を加熱して80℃として
終夜経過させた。冷却して室温とした後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮した
。得られた残留物を、石油エーテルおよび量を増やす酢酸エチルで溶離を行う順相クロマ
トグラフィーを用いて精製して、化合物
3−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−メトキシ
安息香酸メチルを得た(1.0g)。
【0246】
ii)前の段階で得られた生成物(0.46g、2.0mmol)およびトリエチルア
ミン(0.5g、5.0mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中溶液に、メタンスルホ
ニルクロライド(360mg、3.0mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌
した。完了後、溶液を水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、溶媒を減圧下に除
去して、
3−メトキシ−5−(2−(メチルスルホンオキシ)エトキシ)安息香酸メチル
(600mg)を透明油状物として得た。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用
いた。
【0247】
iii)前の段階で得られた生成物(500mg、1.64mmol)のCH
3OH(
10mL)中溶液に、2N NaOH水溶液(5mL)を加え、反応混合物を室温で終夜
撹拌した。反応混合物を水50mLに投入し、HCl水溶液を加えることで、pHをpH
=4に調節した、生成物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を減圧下に濃縮して、
3
−メトキシ−5−(2−(メチルスルホンオキシ)エトキシ)安息香酸(300mg)を
得た。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0248】
iv)前の段階で得られた生成物(300mg、1.03mmol)、(1−(2−(
3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)
ピペリジン−4−イル)メタンアミン塩酸塩(実施例22段階iii、400mg、1.
03mmol)およびトリエチルアミン(300mg、3mmol)のDMF(5mL)
中溶液に、HATU(400mg、1.03mmol)を加え、反応混合物を室温で2時
間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、得られた残留物を、酢酸エチルで溶離を行う順相ク
ロマトグラフィーを用いて精製して、
メタンスルホン酸2−(3−((1−(2−(3−
(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)ピペ
リジン−4−イル)メチルカルバモイル)−5−メトキシフェノキシ)エチル(200m
g)をオフホワイト固体として得た。
【0249】
v)前の段階で得られた生成物(50mg、0.08mmol)のTHF(2mL)中
溶液に、ジメチルアミン(200mg、4.4mmol)を加え、反応混合物を加熱して
60℃として2時間経過させた。冷却して室温とした後、溶媒を減圧下に除去し、残留物
を分取HPLCによって精製して、
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−
イル)フェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル
)−3−(2−(ジメチルアミノ)エトキシ)−5−メトキシベンズアミド(10mg、
収率22%)を白色固体として得た。
【0250】
1H NMR(CD
3OD):δ8.58(s、1H)、8.27(d、1H、J=7
.6Hz)、8.12(d、1H、J=7.6Hz)、7.94(d、1H、J=7.2
Hz)、7.70(d、1H、J=2.0Hz)、7.55(t、1H、J=7.6Hz
)、7.05(d、2H、J=2.0Hz)、6.74(d、2H、J=2.4Hz)、
4.83−4.88(m、2H)、4.36(t、2H、J=4.8Hz)、3.82(
s、3H)、3.58(t、2H、J=4.8Hz)、3.20−3.33(m、4H)
、2.97(s、6H)、2.06−2.07(m、1H)、1.94−1.97(m、
2H)、1.39−1.48(m、2H)。
【0251】
実施例25
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロ
ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シアノメトキシ)−5
−メトキシベンズアミド
【0252】
【化55】
i)原料として3−ヒドロキシ−5−メトキシベンゾエート(34mg、0.2mmo
l)を用い、実施例24段階ivに記載の手順と類似の手順に従って、
N−((1−(2
−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イ
ル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアミド(5
0mg)を白色固体として製造した。
【0253】
ii)前の段階で得られた生成物(50mg、0.1mmol)およびブロモアセトニ
トリル(24mg、0.2mmol)のDMF(2mL)中溶液に、室温でK
2CO
3(
70mg、0.5mmol)を加え、反応混合物を加熱して100℃として2時間経過さ
せた。冷却して室温とした後、混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮した。残留物を、分
取HPLCによって精製して、標題化合物
N−((1−(2−(3−(1H−ピラゾール
−3−イル)フェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)
メチル)−3−(シアノメトキシ)−5−メトキシベンズアミド(10mg、収率18%
)を白色固体として得た。
【0254】
1H NMR(CD
3OD):δ8.48(s、1H)、8.22(d、1H、J=7
.6Hz)、8.02(d、1H、J=7.6Hz)、7.90(d、1H、J=8.0
Hz)、7.63(d、1H、J=2.4Hz)、7.50(t、1H、J=8.0Hz
)、7.02(s、1H)、6.99(s、1H)、6.67−6.70(m、2H)、
4.92(s、2H)、4.78−4.79(m、2H)、3.75(s、3H)、3.
21−3.22(m、4H)、1.89−2.06(m、3H)、1.31−1.42(
m、2H)。
【0256】
【化56】
i)1,3−ジブロモベンゼン(84g、356mmol)のDMF(700mL)中
溶液に、1,2,3−1H−トリアゾール(30g、427mmol)、CuI(6.8
g、35.6mmol)、アセチルアセトン酸鉄(III)(38g、107mmol)
および炭酸セシウム(231g、712mmol)を加えた。得られた混合物を窒素雰囲
気下に加熱して120℃として終夜経過させた。冷却して室温とした後、反応混合物を濾
過し、濾液を減圧下に濃縮した。得られた残留物を、20%酢酸エチルを含む石油エーテ
ルで溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して、
2−(3−ブロモフェニル)
−2H−1,2,3−トリアゾール(28g)および
1−(3−ブロモフェニル)−1H
−1,2,3−トリアゾール(11g)を純粋な異性体として得た。
【0257】
ii)2−(3−ブロモフェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール(実施例11段
階I、23g、103mmol)のジオキサン(330mL)中溶液に、室温でビス(ピ
ナコラト)ジボロン(31.5g、124mmol)および酢酸カリウム(20.2g、
206mmol)を加えた。窒素で10分間パージした後、Pd(dppf)Cl
2(3
.8g、5.2mmol)を加え、反応混合物を窒素雰囲気下に110℃で終夜撹拌した
。冷却して室温とした後、混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃縮した。粗生成物を、5%
酢酸エチルを含む石油エーテルで溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して、
2−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル
)フェニル)−2H−1,2,3−トリアゾール(19g)を黄色固体として得た。
【0258】
1H NMR(CDCl
3):δ8.50(d、1H、J=0.8Hz)、8.16−
8.13(m、1H)、7.8(s、2H)、7.77(d、1H、J=4.0Hz)、
7.48(t、1H、J=8.0Hz)、1.34(s、12H)。
【0260】
【化57】
実施例26に記載の手順と類似の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0261】
1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イ
ル)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール
1H NMR(CDCl
3):δ8.057(d、1H、J=0.6Hz)、8.03
9(d、1H、J=0.4Hz)、7.929−7.900(m、1H)、7.871−
7.832(m、2H)、7.532(t、1H、J=7.6Hz)、1.351(s、
12H)。
【0262】
実施例28
実施例25に記載の手順と類似の手順に従って、下記化合物を製造した。
【0263】
28A:
N−((1−(2−(3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フ
ェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−
(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド
【0264】
【化58】
1H NMR(CDCl
3):δ8.91(s、1H)、8.49(d、1H、J=4
.0Hz)、8.30(dd、1H、J
1=8.0Hz、J
2=8.0Hz)、8.25
(d、1H、J=4.0Hz)、7.85(s、2H)、7.671(t、1H、J=8
.0Hz)、6.87(s、2H)、6.60(t、1H、J=2.0Hz)、6.31
(d、1H、J=2.8Hz)、4.94(d、2H、J=6.4Hz)、3.83(s
、3H)、3.81(d、2H、J=2.4Hz)、3.42(t、2H、J=6.4H
z)、3.27(t、2H、J=12.0Hz)、2.15−2.03(m、3H)、1
.52−1.46(m、2H)、1.28−1.25(m、1H)、0.68−0.63
(m、2H)、0.35−0.34(m、2H)。
【0265】
28B:
N−((1−(2−(3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フ
ェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−
メトキシ−5−(2−メトキシエトキシ)ベンズアミド
【0266】
【化59】
1H NMR(CDCl
3):δ8.91(s、1H)、8.47(d、1H、J=4
.0Hz)、8.28(t、2H、J=8.0Hz)、7.85(s、2H)、7.66
(t、1H、J=8.0Hz)、6.89(s、2H)、6.62(t、1H、J=2.
4Hz)、6.33(t、1H、J=2.4Hz)、4.92(d、2H、J=6.4H
z)、4.13(t、2H、J=4.8Hz)、3.8(s、3H)、3.74(t、2
H、J=4.4Hz)、3.46(s、3H)、3.43(t、2H、J=6.8Hz)
、3.41−3.39(m、2H)、3.24(t、2H、J=12.4Hz)、2.1
4−2.01(m、3H)、1.51−1.42(m、2H)。
【0267】
28C:
N−((1−(2−(3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フ
ェニル)−5−フルオロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−
(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド
【0268】
【化60】
1H NMR(CD
3OD):δ8.70(s、1H)、8.64(s、1H)、8.
34−8.31(m、2H)、8.05(t、1H、J=1.2Hz)、7.95(s、
1H)、7.75(t、1H、J=8.0Hz)、6.96(s、2H)、6.62(t
、1H、J=2.0Hz)、4.85(d、2H、J=6.4Hz)、3.84(d、2
H、J=3.6Hz)、3.81(s、3H)、3.33−3.31(m、2H)、3.
31−3.23(m、2H)、2.11−1.96(m、3H)、1.50−1.40(
m、2H)1.29−1.22(m、1H)、0.67−0.63(m、2H)、0.3
5−0.33(m、2H)。
【0269】
実施例29
N−((1−(4−(3−シアノフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピ
ペリジン−4−イル)メチル)−3−エトキシ−5−メトキシベンズアミド
【0270】
【化61】
i)4−N−Boc−アミノメチルピペリジン(25g、120mmol)、2,4−
ジクロロ−1,3,5−トリアジン(20g、140mmol)およびDIPEA(77
.4g、600mmol)のCH
3CN(300mL)中溶液を室温で2時間撹拌した。
水を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2
SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。粗残留物を、30%酢酸エチルを含む石油エーテル
で溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して、
tert−ブチル(1−(4−
クロロ−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチルカーバメー
トをオフホワイト固体として得た(30.0g)。
【0271】
ii)アセトニトリル:水(120mL、3:1)中の前の段階で得られた生成物(1
5g、45.8mmol)、3−シアノフェニルボロン酸(8.07mg、54.9mm
ol)、炭酸ナトリウム(9.89mg、91.6mmol)およびPd(PPh
3)
2
Cl
2(1.61mg、2.3mmol)。マイクロ波リアクターにおいて、N
2で15
分間パージした後、反応混合物を加熱して150℃として1時間経過させた。冷却後、溶
液を水に投入し、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を水、ブラインで洗浄
し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮して暗色固体を得た。粗固体を、30%酢酸エ
チルを含む石油エーテルで溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して、
ter
t−ブチル(1−(4−(3−シアノフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)
ピペリジン−4−イル)メチルカーバメートをオフホワイト固体として得た(2.2g)
。
【0272】
iii)前の段階で得られた生成物(2.2g、5.58mmol)の酢酸エチル(2
0mL)中溶液に、6N HCl/酢酸エチル溶液(50mL)を加えた。反応混合物を
室温で15分間撹拌し、溶媒を減圧下に除去して、
3−(4−(4−(アミノメチル)ピ
ペリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ベンゾニトリル塩酸塩を白
色固体として得た(1.4g)。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0273】
iv)前の段階で得られた生成物(500mg、1.52mmol)、3−ヒドロキシ
−5−メトキシ安息香酸(310mg、1.82mmol)、DIPEA(590mg、
4.56mmol)のCH
2Cl
2(20mL)中溶液に、TBTU(580mg、1.
82mmol)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。変換が完了した後、溶液を
水に投入し、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、
Na
2SO
4で脱水した。溶媒を減圧下に除去し、生成物を、50%酢酸エチルを含む石
油エーテルで溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して、標題化合物
N−((
1−(4−(3−シアノフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−
4−イル)メチル)−3−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアミドを白色固体として得た
(481mg)。
【0274】
v)前の段階で得られた生成物(40mg、0.088mmol)のDMF(5mL)
中溶液に、室温でヨウ化エチル(20mg、0.22mmol)およびK
2CO
3(35
mg、0.27mmol)を加えた。変換が完了するまで、反応混合物を150℃で4時
間撹拌した。冷却して室温とした後、溶液を減圧下に濃縮し、得られた残留物を、分取H
PLCを用いて精製して、標題化合物
N−((1−(4−(3−シアノフェニル)−1,
3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−エトキシ−5−
メトキシベンズアミド(20mg)を白色固体として得た。
1H NMR(CDCl
3)
:δ8.78(s、1H)、8.63(s、1H)、8.58(d、1H、J=6.4H
z)、7.86(d、1H、J=7.6Hz)、7.67(t、1H、J=7.2Hz)
、6.86(s、2H)、6.59(s、1H)、6.35(s、1H)、5.08(d
、1H、J=11.2Hz)、4.98(d、1H、J=0.8Hz)、4.06(dd
、2H、J
1=J
2=6.8Hz)、3.82(s、3H)、3.43(s、2H)、3
.12−3.04(m、2H)、2.10−1.91(m、2H)、1.43−1.36
(m、5H)。
【0275】
実施例30
実施例29に記載の手順と類似の手順に従って、下記化合物を製造した。
【0276】
30A:
N−((1−(4−(3−シアノフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−
イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−イソブトキシ−5−メトキシベンズアミド
【0277】
【化62】
1H NMR(CDCl
3):δ8.71(s、1H)、8.69(s、1H)、8.
64(d、1H、J=8.0Hz)、7.84(d、1H、J=7.6Hz)、7.64
(t、1H、J=8.0Hz)、6.86(d、2H、J=2.0Hz)、6.59(t
、1H、J=2.0Hz)、6.34−6.23(m、1H)、5.08(d、1H、J
=12.4Hz)、4.95(d、1H、J=14.0Hz)、3.83(s、3H)、
3.74(d、2H、J=6.8Hz)、3.45−3.37(m、2H)、3.12−
2.98(m、2H)、2.14−1.93(m、4H)、1.40−1.25(m、2
H)、1.07−1.01(m、6H)。
【0278】
30B:
3−sec−ブトキシ−N−((1−(4−(3−シアノフェニル)−1,3
,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−5−メトキシベンズア
ミド
【0279】
【化63】
1H NMR(CDCl
3):δ8.77(s、1H)、8.62(s、1H)、8.
56(d、1H、J=8.4Hz)、7.86(d、1H、J=7.6Hz)、7.66
(t、1H、J=8.0Hz)、6.83(d、2H、J=2.0Hz)、6.58(t
、1H、J=2.4Hz)、6.33(s、1H)、5.07(d、1H、J=12.8
Hz)、4.95(d、1H、J=13.6Hz)、4.33(dd、1H、J
1=J
2
=6.0Hz)、3.81(s、3H)、3.42(dd、2H、J
1=6.4Hz、J
2=6.0Hz)、3.08−2.942(m、2H)、2.13−1.96(m、3H
)、1.76−1.60(m、2H)、1.58−1.33(m、2H)、1.10−0
.99(m、3H)。
【0280】
30C:
N−((1−(4−(3−シアノフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−
イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)ベンズアミド
【0281】
【化64】
1H NMR(CDCl
3):δ8.78(s、1H)、8.64(s、1H)、8.
60(d、1H、J=8.0Hz)、7.89(d、1H、J=7.6Hz)、7.49
(s、1H)、7.69(t、1H、J=8.0Hz)、6.97(s、1H)、6.9
4(s、1H)、6.66(s、1H)、3.36(s、1H)、5.16(d、1H、
J=8.8Hz)、5.03−4.91(m、1H)、4.43−4.33(m、2H)
、3.86(s、3H)、3.46−3.42(m、2H)、3.15−3.04(m、
2H)、2.21−1.91(m、3H)1.43−1.37(m、2H)。
【0282】
30D:
N−((1−(4−(3−シアノフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−
イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)ベンズアミド
【0283】
【化65】
MS(ESI)m/e:499.59(M+H)
+。
【0285】
【化66】
3−(シクロプロピルメトキシ)−N−((1−(2−(3−(エチルカルバモイル)
フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−5−メトキシベン
ズアミド
i)3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル(89mmol、15g)、炭酸カリウム(
107mmol、14.79g)およびヨードメタン(89mmol、5.55mL、1
2.66g)のアセトン(300mL)中懸濁液を60℃で4時間撹拌した。TLCで、
3種類の化合物の混合物が示され、それは原料、モノメチル化生成物およびジメチル化生
成物であった。冷却して室温とした後、減圧下にアセトンを除去し、油状残留物を酢酸エ
チルと水との間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し
、減圧下に溶媒留去した。粗生成物を、を用いて精製し順相クロマトグラフィーを、酢酸
エチルおよび量を増やすヘプタンで溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して
、
3−ヒドロキシ−5−メトキシ安息香酸メチル(6.25g)を透明油状物として得た
。
【0286】
ii)前の段階で得られた化合物(2.55g、14.0mmol)、(ブロモメチル
)シクロプロパン(1.643mL、16.80mmol)および炭酸セシウム(5.4
7g、16.8mmol)のDMF(2mL)中スラリーを50℃で終夜撹拌した。冷却
して室温とした後、混合物を酢酸エチルと水との間で分配した。合わせた有機層をブライ
ンで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。
【0287】
得られた残留物をエタノール(10mL)に溶かし、2N 水酸化ナトリウム水溶液(
5mL)を加えた。反応混合物を50℃で1.5時間撹拌した。冷却して室温とした後、
水を加え、1N HCl水溶液を加えることで、pHをpH=1に調節した。生成した結
晶を濾過によって除去し、水で洗浄し、乾燥させて、
3−(シクロプロピルメトキシ)−
5−メトキシ安息香酸(2.97g)を得た。
【0288】
iii)前の段階で得られた生成物(2.99g、13.44mmol)、4−(アミ
ノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.4g、11.20mmo
l)およびDIPEA(5.55mL、33.6mmol)のCH
2Cl
2(5mL)中
懸濁液を15分間撹拌してから、HATU(13.44mmol、5.11g)を加えた
。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、飽和NaHCO
3水溶液を加え、生成物をCH
2Cl
2/CH
3OH(9/1)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下に
濃縮した。粗生成物を、酢酸エチルおよび量を増やすヘプタンで溶離を行う順相クロマト
グラフィーを用いて精製して、
4−((3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ
ベンズアミド)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(6.5g)を得
た。
【0289】
iv)前の段階で得られた生成物(5.12g、12.23mmol)のCH
2Cl
2
(75mL)中溶液に、室温でトリフルオロ酢酸(10.90mL、147mmol)を
加えた。室温で2時間撹拌後、反応混合物を減圧下に濃縮した。得られた残留物をCH
2
Cl
2に溶かし、シリカ結合CARBONATE(147mmol)を加え、15分間撹
拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メト
キシ−N−(ピペリジン−4−イルメチル)ベンズアミド2,2,2−トリフルオロ酢酸
塩(5.23g)を白色固体として得た。
【0290】
v)前の段階で得られた生成物(1g、2.31mmol)のエタノール(25mL)
中溶液に、−78℃でDIPEA(0.764mL、4.62mmol)および2,4−
ジクロロピリミジン(0.45g、3.01mmol)を加えた。反応混合物を−78℃
で撹拌し、昇温させて室温とした。反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残留物をCH
2Cl
2に溶かした。有機層を水で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。
粗生成物を、酢酸エチルおよび量を増やすヘプタンで溶離を行う順相クロマトグラフィー
を用いて精製して、
N−((1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−
イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド(480
mg)を白色固体として得た。
【0291】
vi)前の段階で得られた生成物(480mg、1.12mmol)のジオキサン(3
mL)中溶液に、3−(メトキシカルボニル)フェニルボロン酸(300mg、1.66
mmol)および炭酸カリウム(460mg、3.mmol)を加えた。窒素で15分間
パージした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(128mg、
0.11mmol)を加え、マイクロ波リアクターにおいて反応混合物を加熱して150
℃として20分間経過させた。冷却して室温とした後、反応混合物をCH
2Cl
2で希釈
し、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水した。溶媒を減圧下に除去し、得ら
れた残留物を、酢酸エチルおよび量を増やすヘプタンで溶離を行う順相クロマトグラフィ
ーを用いて精製して、
3−(4−(4−((3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メト
キシベンズアミド)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)安息香酸メ
チル(400mg)を白色固体として得た。
【0292】
vii)前の段階で得られた生成物(278mg、0.523mmol)のメタノール
(2mL)中溶液に、1N NaOH水溶液(1mL)を滴下した。室温で2時間撹拌後
、2N HCl水溶液を加えることで、反応混合物を酸性とした。生成物をCH
2Cl
2
で抽出し、有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮して、
3−
(4−(4−((3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド)メチル
)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)安息香酸(214mg)を透明油状物
として得た。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0293】
viii)前の段階で得られた生成物(40.0mg、0.077mmol)、エタン
アミン(10.5mg、0.232mmol)、DIPEA(29.8mg、0.231
mmol)をCH
2Cl
2(5mL)に懸濁させた。室温で15分間撹拌後、HATU(
32.3mg、0.085mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。飽和
NaHCO
3水溶液を加え、水層をCH
2Cl
2/CH
3OH 9/1で抽出した。有機
層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。得られた残留物を、酢酸エチルおよび量
を増やすヘプタンで溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いて精製して、標題化合物
3
−(シクロプロピルメトキシ)−N−((1−(2−(3−(エチルカルバモイル)フェ
ニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−5−メトキシベンズア
ミド(23mg)を白色固体として得た。
1H NMR(CDCl
3):δ8.63(s
、1H)、8.48(t、1H)、8.23(m、1H)、7.54(m、1H)、6.
88(m、2H)、6.59(t、1H)、6.30(m、NH)、6.20(m、NH
)、5.05−4.90(dd、2H)、3.82(s、3H)、3.82(d、2H)
、3.40(m、2H)、3.07(d、3H)、2.98(m、2H)、2.02(t
、1H)、1.92(m、2H)、1.27(m、4H)、0.88(t、1H)、0.
66(m、2H)、0.35(m、2H)。
【0294】
実施例31に記載の手順と類似の手順に従って、下記化合物を製造した。
【0295】
実施例32
32A:
3−(シクロプロピルメトキシ)−N−((1−(2−(3−(エチルカルバ
モイル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−5−メト
キシベンズアミド
【0296】
【化67】
1H NMR(CDCl
3、DMSO−d
6):δ8.78(s、1H)、7.76(
m、1H)、8.48(m、1H)、8.43(m、1H)、8.30(d、1H)、7
.92(m、1H)、7.57(t、1H)、7.00(m、2H)、6.81(t、1
H)、6.63(t、1H)、4.58(m、2H)、4.45(q、2H)、3.74
(d、2H)、3.75(s、3H)、3.17(t、2H)、2.99(t、2H)、
2.23(m、2H)、2.10(m、2H)、1.94(m、1H)、1.70(m、
2H)、1.68(m、2H)、1.18(m、3H)、0.59(m、2H)、0.3
3(m、2H)。
【0297】
32B:
N−((1−(4−(3−カルバモイルフェニル)−1,3,5−トリアジン
−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−シクロプロピルメトキシ)−5−メ
トキシベンズアミド
【0298】
【化68】
1H NMR(CDCl
3):δ8.78(t、1H)、8.63(s、1H)、8.
58(d、1H)、8.05(d、1H)、7.58(t、1H)、6.88(m、2H
)、6.59(t、1H)、6.2(t、NH)、5.10(d、1H)、4.91(d
、1H)、3.82(s、3H)3.82(d、2H)、3.40(m、2H)、2.9
8(m、2H)、1.92(m、2H)、1.30(m、1H)、1.27(m、2H)
、0.65(m、2H)、0.25(m、2H)。
【0299】
32C:
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ−N−((1−(2−(3−
(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イルカルバモイル)フェニル)ピリミジン−4−
イル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド
【0300】
【化69】
1H NMR(DMSO−d
6):δ10.95(s、1H)、8.87(t、1H)
、8.49(m、2H)、8.31(d、1H)8.08(m、1H)、7.62(d、
1H)、7.58(t、1H)、6.99(m、2H)、6.82(d、1H)、6.6
3(m、2H)、3.83(d、2H)、3.79(s、3H)、3.77(s、3H)
、3.18(m、2H)、2.98(m、2H)、1.97(m、1H)、1.81(m
、2H)、1.21(m、3H)0.60(m、2H)、0.44(m、2H)。
【0301】
32D:
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ−N−((1−(4−(3−
(ピロリジン−1−カルボニル)フェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピペ
リジン−4−イル)メチル)ベンズアミド
【0302】
【化70】
1H NMR(DMSO):δ8.62(s、1H)、8.56(t、1H)、8.4
6(m、1H)、7.68(m、1H)、7.52(t、1H)、6.89(m、2H)
、6.60(t、1H)、6.20(t、NH)、5.08(m、1H)、4.90(m
、1H)、3.82(d、2H)、3.82(s、3H)、3.68(t、2H)、3.
46(t、2H)、3.39(m、2H)、2.95(m、2H)、1.98(m、3H
)、1.90(m、4H)、1.28(m、2H)、0.98(t、1H)、0.66(
m、2H)、0.36(m、2H)。
【0303】
32E:
2−(3−(4−(4−((3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ
ベンズアミド)メチル)ピペリジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)
ベンズアミド)酢酸メチル
【0304】
【化71】
MS(ESI)m/e:588.9(M+H)
+。
【0305】
32F:
N−((1−(2−(3−(tert−ブチルカルバモイル)フェニル)ピリ
ミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)
−5−メトキシベンズアミド
【0306】
【化72】
MS(ESI)m/e:572.721(M+H)
+。
【0307】
32G:
3−(シクロプロピルメトキシ)−N−((1−(4−(3−(2,2−ジフ
ルオロエチルカルバモイル)フェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジ
ン−4−イル)メチル)−5−メトキシベンズアミド
【0308】
【化73】
MS(ESI)m/e:581.64(M+H)
+。
【0309】
32H:
3−(シクロプロピルメトキシ)−N−((1−(4−(3−(2−ヒドロキ
シエチルカルバモイル)フェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−
4−イル)メチル)−5−メトキシベンズアミド
【0310】
【化74】
MS(ESI)m/e:561.65(M+H)
+。
【0311】
32I:
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ−N−((1−(4−(3−
(チアゾール−2−イルカルバモイル)フェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル
)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミド
【0312】
【化75】
MS(ESI)m/e:600.71(M+H)
+。
【0313】
実施例33
実施例31段階viに記載の手順と類似の手順に従って、適切なフェニルボロン酸を用
いて、下記化合物を製造した。
【0314】
33A:
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ−N−((1−(2−(3−
(4−メチル−1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリ
ジン−4−イル)メチル)ベンズアミド
【0315】
【化76】
1H NMR(DMSO−d
6):δ8.50(t、1H)、8.48(m、1H)、
8.32(m、2H)、8.22(m、1H)、7.86(m、1H)、7.60(s、
1H)、7.57(t、1H)、7.0(m、2H)、6.83(d、1H)、6.64
(t、1H)、4.55(m、2H)、3.85、(d、2H、3.77(s、3H)、
3.20(t、2H)、2.97(t、2H)、2.12(s、3H)、1.93(m、
1H)、1.80(m、2H)、1.20(m、3H)、0.57(m、2H)、0.3
3(m、2H)。
【0316】
33B:
N−((1−(2−(ベンゾ[d]イソオキサゾール−5−イル)ピリミジン
−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−
メトキシベンズアミド
【0317】
【化77】
1H NMR(DMSO−d
6):δ8.48(m、2H)、8.42(m、2H)、
8.24(d、1H)、7.07(m、1H)、6.97(m、2H)6.54(d、1
H)、6.63(t、1H)、4.53(m、2H)、3.84(d、2H)、3.77
(s、3H)、3.16(m、2H)、2.94(m、2H)、1.90(m、1H)、
1.77(m、2H)、1.18(m、3H)、0.59(m、2H)、0.33(m、
2H)。
【0318】
33C:
N−((1−(2−(3−シアノ−4−フルオロフェニル)ピリミジン−4−
イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキ
シベンズアミド
【0319】
【化78】
1H NMR(DMSO−d
6):δ8.68(m、2H)、8.47(t、1H)、
8.28(d、1H)、7.63(t、1H)、6.98(m、2H)、6.84(d、
1H)、6.62(t、1H)、3.84(d、2H)、3.78(s、3H)、3.1
7(m、2H)、2.96(m、2H)、1.92(m、1H)、1.77(m、2H)
、1.18(m、3H)、0.56(m、2H)、0.37(m、2H)。
【0320】
33D:
1−(3−(4−(4−((3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ
ベンズアミド)メチル)ピペリジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)フェニル)−5
−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸
【0321】
【化79】
1H NMR(CDCl
3):δ12.31(bs、1H)、8.56(d、1H)、
8.47(m、1H)、8.36(m、1H)、8.10(s、1H)、7.68(m、
2H)、6.89(m、2H)、6.62(d、1H)、6.59(t、1H)、4.7
9(m、2H)、3.82(d、2H)、3.81(s、3H)、3.40(t、2H)
、3.12(m、2H)、2.63(s、3H)、2.10(m、1H)、2.00(d
、2H)、1.32(m、3H)、0.66(m、2H)、0.36(m、2H)。
【0322】
33E:
N−((1−(2−(6−(1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン−2−イ
ル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメ
トキシ)−5−メトキシベンズアミド
【0323】
【化80】
1H NMR(DMSO−d
6):δ9.27(d、1H)、8.52(t、1H)、
8.44、(m、2H)8.26(m、2H)、7.93(m、1H)、7.26(d、
1H)6.99(m、2H)、6.72(m、1H)、6.63(t、1H)、4.20
(m、1H)、3.84(d、2H)、3.78(s、3H)、3.43(m、4H)、
3.22(m、2H)、2.03(m、1H)、1.89(m、2H)、1.25(m、
3H)、0.58(m、2H)、0.34(m、2H)。
【0325】
【化81】
N−((1−(4−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジ
ン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5
−メトキシベンズアミド
実施例31段階viに記載の手順と類似の手順に従って、ベンゾ[d]イソオキサゾー
ル−5−イルボロン酸を用いて、下記の化合物を製造した。トリフルオロ酢酸の存在下に
HPLCを用いることで精製した後に、
N−((1−(4−(ベンゾ[d]イソオキサゾ
ール−5−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル
)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミドが転位して
N−((1
−(4−(3−シアノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル
)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベ
ンズアミドとなった。
【0326】
MS(ESI)m/e:415.6(M+H)
+。
【0327】
実施例35
N−(6−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−
イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−イル)−3−(シクロプロピルメトキ
シ)−5−メトキシベンズアミド
【0328】
【化82】
i)化合物4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(3g、0.013mol
)のトルエン(50mL)中溶液に、PPh
3CH
2COOCH
3(5.37g、16.
1mmol)を加え、反応混合物を終夜加熱還流した。冷却して室温とした後、反応混合
物を減圧下に濃縮し、得られた残留物を、順相クロマトグラフィーを用いて精製して、
4
−(2−メトキシ−2−オキソエチリデン)ピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(3.
8g)を黄色油状物として得た。
【0329】
ii)(Me)
3SOI(3.39g、15.4mmol)のDMSO(20mL)中
溶液に、i−ButOK(1.73g、15.4mmol)を少量ずつ加え、反応混合物
を室温で3時間撹拌した。次に、前の段階で得られた生成物(2.5g、8.6mmol
)のDMSO(5mL)中溶液を滴下し、反応混合物を室温で終夜撹拌した、変換完了後
、ブライン(200mL)を加え、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をブ
ラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。得られた残留物を、順相ク
ロマトグラフィーを用いることによって精製して、化合物
6−アザスピロ[2.5]オク
タン−1,6−ジカルボン酸6−ベンジル1−メチル(1.7g)を無色油状物として得
た。
【0330】
iii)前の段階で得られた生成物(1.7g、5.6mmol)のTHF/H
2O(
20mL、1/1)中溶液に、水酸化リチウム(1.18g、28mmol)を加え、反
応混合物を室温で撹拌した。変換が完了した後、反応混合物を減圧下に濃縮した。残留物
をH
2O(20mL)で処理し、酢酸エチルで抽出した。水層をpH=3の酸性とし、酢
酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、減圧
下に濃縮して、
6−(ベンゾキシカルボニル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1
−カルボン酸(1.5g)を無色油状物として得た。粗生成物を、それ以上精製せずに次
の段階で用いた。
【0331】
iv)前の段階で得られた生成物(19g、65.5mmol)のトルエン(200m
L)中溶液に、DPPA(27g、98.2mmol)およびTEA(19.8g、19
6.5mmol)を加えた。反応混合物を還流温度で6時間撹拌した。冷却して室温とし
た後、i−BuOH(14.3g、196.5mmol)を加え、反応混合物を還流温度
で終夜撹拌した。冷却して室温とした後、反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残留物
を、順相クロマトグラフィーを用いることで精製して、
1−(tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボン酸ベンジル(15g)
を無色油状物として得た。
【0332】
v)前の段階で得られた生成物(8g、22mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中
溶液に、4N HCl/酢酸エチル溶液(22mL)を滴下した。室温で1時間撹拌後、
反応混合物を減圧下に濃縮して、
1−アミノ−6−アザスピロ[2.51オクタン−6−
カルボン酸ベンジル塩酸塩(5.7g、87%)を白色固体として得た。
【0333】
vi)3−シクロプロピルメトキシ−5−メトキシ−安息香酸(3g、13.5mmo
l)のCH
2Cl
2(30mL)中溶液に、TEA(4.09g、40.5mmol)お
よびTBTU(4.59g、14.1mmol)を加えた。5分間撹拌後、前の段階で得
られた生成物(4.4g、14.9mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌し
た。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を順相クロマトグラフィーを用いることによっ
て精製して、
1−(3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド)−6
−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボン酸ベンジルを両方のエナンチオマーの混
合物として得た。SFCによる分離によって、2種類のエナンチオマー(2.2gおよび
2.1g)を無色油状物として得た。
【0334】
vii)前の段階で得られた生成物(1g、2mmol)のエタノール(30mL)中
溶液に、窒素雰囲気下で10%Pd/C(0.3g)を加えた。5分間撹拌後、反応混合
物を水素雰囲気下に終夜撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、残留物を酢酸エチル
で洗浄した。濾液を減圧下に濃縮して、
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ
−N−(6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−イル)ベンズアミド(0.65g)を
無色油状物として得た。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0335】
viii)前の段階で得られた生成物(100mg、0.30mmol)のCH
3CN
中溶液に、TEA(91mg、0.909mmol)および2,4−ジクロロ−ピリミジ
ン(68mg、0.454mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反
応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残留物を順相クロマトグラフィーを用いることによ
って精製して、
(R)−N−(6−(2−クロロピリミジン−4−イル)−6−アザスピ
ロ[2.5]オクタン−1−イル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベ
ンズアミド(125mg)を白色固体として得た。
【0336】
ix)実施例11段階iiに記載の手順と同様にして、標題化合物
N−(6−(2−(
3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−6−アザスピ
ロ[2.5]オクタン−1−イル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベ
ンズアミドを製造した。
【0337】
1H NMR(CDCl
3):δ8.61(d、1H、J=8.0Hz)、8.54(
s、H)、8.45(d、1H、J=6.4Hz)、7.90(d、1H、J=7.2H
z)、7.66(d、1H、J=8.8Hz)、7.31(d、1H、J=15.2Hz
)、6.82−6.89(m、2H)、6.73(s、1H)、6.53−6.61(m
、2H)、4.60−4.90(m、1H)、3.94−4.07(m、1H)、3.6
5−3.83(m、7H)、2.81−2.90(m、1H)、1.80−1.92(m
、2H)、1.53−1.62(m、1H)、1.42−1.51(m、1H)、1.1
8−1.30(m、1H)、1.01−1.09(m、1H)、0.56−0.72(m
、1H)、0.50−0.56(m、2H)、0.31−0.42(m、2H)。
【0338】
実施例36
N−(1−(1−(4−(3−シアノフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル
)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベ
ンズアミド
【0339】
【化83】
i)3−(2−シクロプロピルエチル)−5−メトキシ安息香酸(2.4g、10.7
mmol)および4−(1−アミノエチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチ
ル(2.4g、10.7mmol)のDMF(40mL)中溶液に、トリエチルアミン(
4.47mL)を加えた。室温で10分間撹拌後、TBTU(5.15g、16.1mm
ol)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。H
2O 100mLを加
え、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4
で脱水し、減圧下に濃縮した。得られた残留物を、10%酢酸エチルを含む石油エーテル
で溶離を行う順相クロマトグラフィーを用いることによって精製して、
4−(1−(3−
(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド)エチル)ピペリジン−1−カ
ルボン酸tert−ブチル(3.0g)を得た。
【0340】
ii)前の段階で得られた生成物(900mg、2.1mmol)のCH
2Cl
2(1
2mL)中溶液を撹拌しながら、それに、TFA(3mL)を加えた。反応混合物を室温
で30分間撹拌し、完了後、反応混合物を減圧下に濃縮して、
3−(シクロプロピルメト
キシ)−5−メトキシ−N−(1−(ピペリジン−4−イル)エチル)ベンズアミド2,
2,2−トリフルオロ酢酸塩(900mg)を得た。粗生成物を、それ以上精製せずに次
の段階で用いた。
【0341】
iii)前の段階で得られた生成物(900mg)およびジエチルアミンのCH
3CN
(40mL)中溶液を室温で10分間撹拌した。2,4−ジクロロ−1,3,5−トリア
ジン(733mg、4.89mmol)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。H
2O 100mLを加え、白色固体を沈殿させ、それを濾過し、真空乾燥して、
N−(1
−(1−(4−クロロ−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)エ
チル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミドを得た(980m
g)。
【0342】
iv)前の段階で得られた生成物(150mg、0.34mmol)のCH
3CN/H
2O(4mL、3/1)中溶液に、窒素雰囲気下に3−シアノフェニルボロン酸(60m
g、0.41mmol)、Na
2CO
3(73mg、0.68mmol)およびPd(P
Ph
3)
2Cl
2(12mg、0.017mmol)を加えた。マイクロ波リアクターに
おいて反応混合物を加熱して150℃として10分間経過させた。混合物を濾過し、濾液
をNa
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を、分取HPLCを用いることによ
って精製して、標題化合物
N−(1−(1−(4−(3−シアノフェニル)−1,3,5
−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−(シクロプロピルメト
キシ)−5−メトキシベンズアミドを得た(25mg)。
1H NMR(CD
3OD):
δ8.331−8.277(m、3H)、7.584(d、1H、J=3.8Hz)、7
.355(t、1H、J=3.2Hz)、6.606(t、2H、J=2.0Hz)、6
.277(t、1H、J=2.4Hz)、4.782−4.757(m、1H)、3.6
63(t、1H、J=6.8Hz)、3.525(d、2H、J=13.2Hz)、3.
467(s、3H)、2.679(t、2H、J=12.4Hz)、1.653−1.5
74(m、2H)、1.547−1.520(m、1H)、1.009−0.944(m
、2H)、0.914(d、3H、J=3.2Hz)、0.270(d、2H、J=3.
6Hz)、0.005(d、2H、J=1.8Hz)。
【0343】
実施例37
実施例36に記載の手順と類似の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0344】
N−(1−(1−(4−(3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル)−1,3,
5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)エチル−3−(シクロプロピルメト
キシ)−5−メトキシベンズアミド
【0345】
【化84】
1H NMR(CD
3OD):δ8.88(s、1H)、8.58(d、1H、J=8
.0Hz)、8.21(d、1H、J=8.4Hz)、7.98(d、1H、J=7.6
Hz)、7.69(s、1H)、7.60(t、1H、J=8.0Hz)、6.85(t
、3H、J=6.8Hz)、6.61(t、2H、J=7.6Hz)、5.91(dd、
1H、J
1=2.4Hz、J
2=2.0Hz)、4.22(dd、1H、J
1=8.8H
z、J
2=12.8Hz)、3.82−3.80(m、5H)、3.19−3.13(m
、2H)、2.12−1.94(m、3H)、1.49−1.46(m、2H)、1.2
7−1.26(m、5H)、0.65(d、2H、J=7.2Hz)、0.36−0.3
4(m、2H)。
【0346】
実施例38
N−(1−(1−(2−(3−シアノフェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−
4−イル)エチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド
【0347】
【化85】
i)3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ−N−(1−(ピペリジン−4−
イル)エチル)ベンズアミド2,2,2−トリフルオロ酢酸塩(実施例36段階ii、2
.0g)、ジエチルアミン(3mL)および2,4−ジクロロ−ピリミジン(550mg
)のCH
3CN(80mL)中溶液を室温で30分間撹拌した。H
2O 30mLを加え
、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で
脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を、15%酢酸エチルを含む石油エーテルで溶離を行
う順相クロマトグラフィーを用いることによって精製して、
N−(1−(1−(2−クロ
ロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−(シクロプロピルメト
キシ)−5−メトキシベンズアミド(740mg)を白色固体として得た。
【0348】
ii)実施例33段階ivに記載の手順と同様にして、標題化合物
N−(1−(1−(
2−(3−シアノフェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)エチル)−
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミドを製造した。
【0349】
1H NMR(CDCl
3):δ8.62(d、1H、J=8.0Hz)、8.55(
s、1H)、7.89(d、1H、J=8.0Hz)、7.73(t、1H、J=8.0
Hz)、6.86(dd、2H、J
1=J
2=2.0Hz)、6.68(d、1H、J=
7.2Hz)、6.59(t、1H、J=2.0Hz)、5.91(d、1H、J=8.
8Hz)、4.23(dd、2H、J
1=J
2=7.2Hz)、3.82(s、5H)、
3.20−3.15(m、2H)、2.08−1.96(m、3H)、1.49(dd、
2H、J
1=11.6Hz、J
2=10.0Hz)、1.28(d、4H、J=6.8H
z)、0.66(d、2H、J=6.8Hz)、0.35(d、2H、J=5.6Hz)
。
【0350】
実施例39
実施例38に記載の手順と類似の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0351】
N−(1−(1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン
−4−イル)ピペリジン−4−イル)エチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−
メトキシベンズアミド
【0352】
【化86】
1H NMR(CDCl
3):δ8.69−8.95(m、2H)、8.39(d、1
H、J=2.4Hz)、8.19−8.13(m、2H)、7.75(d、1H、J=1
.2Hz)、7.64(t、1H、J
1=J
2=8.0Hz)、6.86(dd、2H、
J
1=2.0Hz、J
2=2.4Hz)、6.66(s、1H)、6.58(s、1H)
、6.53(t、1H、J
1=1.6Hz)、5.91(d、1H、J=8.8Hz)、
4.24−4.13(m、1H)、3.82(s、5H)、3.25−3.06(m、2
H)、2.07−1.96(m、3H)、1.49(dd、2H、J
1=12.8Hz、
J
2=8.8Hz)、1.27(d、4H、J=6.8Hz)、0.65−0.63(m
、2H)、0.35−0.34(m、2H)。
【0353】
実施例40
N−((1−(4−(3−(1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−1,3,5
−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメト
キシ)−5−メトキシベンズアミド2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【0354】
【化87】
i)N−((1−(4−クロロ−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4
−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシベンズアミド(実施
例31段階v、150mg、0.35mmol)のCH
3CN/H
2O(4mL、3/1
)中溶液に、窒素雰囲気下に2−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−
ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ
)メチル)−1H−イミダゾール(実施例9、140mg、0.35mmol)、Na
2
CO
3(73mg、0.70mmol)およびPd(PPh
3)
2Cl
2(12mg、0
.018mmol)を加えた。マイクロ波リアクターにおいて、反応混合物を150℃で
10分間撹拌した。冷却して室温とした後、混合物を濾過し、濾液をNa
2SO
4で脱水
し、溶媒を減圧下に除去した。残留物を、分取HPLCを用いることによって精製して、
3−(シクロプロピルメトキシ)−5−メトキシ−N−((1−(4−(3−(1−((
2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾール−2−イル)フェニ
ル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)ベンズアミ
ド(35mg)を固体として得た。
【0355】
ii)前の段階で得られた生成物(35mg、0.052mmol)のEtOH(2m
L)中溶液に濃HCl(2mL)を加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。固体KOH
を加えることでpHをpH=4に調節した。得られた混合物を濾過し、濾液を減圧下に濃
縮した。残留物を、分取HPLCを用いることによって精製して、標題化合物
N−((1
−(4−(3−(1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−1,3,5−トリアジン
−2−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメトキシ)−5−
メトキシベンズアミド・トリフルオロ酢酸塩(10mg)を白色固体として得た。
【0356】
1H NMR(CDCl
3):δ8.96(s、1H)、8.63(s、1H)、8.
46(d、1H、J=3.6Hz)、8.36(d、1H、J=3.8Hz)、7.57
(s、1H)、7.35(s、2H)、6.90(s、2H)、6.59(s、1H)、
6.57(s、1H)、5.08(d、1H、J=6.0Hz)、4.97(d、1H、
J=6.2Hz)、3.81(s、5H)、3.42(s、2H)、3.21−3.16
(m、2H)、2.11−2.00(m、3H)、1.38(d、2H、J=6.2Hz
)、1.26(d、2H、J=1.6Hz)、0.67−0.63(m、2H)、0.3
6−0.34(m、2H)。
【0357】
実施例41
実施例40に記載の手順と類似の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0358】
N−((1−(2−(3−(1H−イミダゾール−2−イル)フェニル)−5−フルオ
ロピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−イル)メチル)−3−(シクロプロピルメト
キシ)−5−メトキシベンズアミド・2,2,2−トリフルオロ酢酸塩
【0359】
【化88】
1H NMR(CDCl
3):δ8.99(s、1H)、8.55(d、1H、J=3
.6Hz)、8.24(d、1H、J=3.6Hz)、8.16(d、1H、J=3.6
Hz)、7.67(t、1H、J=8.0Hz)、7.25(s、2H)、6.88(s
、1H)、6.58(s、1H)、6.49(s、1H)、4.94(d、2H、J=5
.4Hz)、3.80(s、5H)、3.42(t、2H、J=6.4Hz)、3.33
(t、2H、J=11.4Hz)、2.17(d、1H、J=2.1Hz)、2.08(
d、2H、J=6.6Hz)、1.51(d、2H、J=5.6Hz)、1.25(m、
1H)、0.65−0.63(m、2H)、0.34−0.32(m、2H)。
【0361】
【化89】
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)
−N−(3−(4−フルオロベンゾキシ)−5−メトキシフェニル)ピペリジン−4−カ
ルボキサミド
i)イソニペコチン酸エチル(2.94g、18.7mmol)を4−クロロ−2−メ
チルチオピリミジン(2.5g、15.6mmol)およびトリエチルアミン(2.6m
L、18.7mmol)のジオキサン(20mL)中溶液に加え、混合物を加熱して80
℃として4時間経過させた。冷却して環境温度とした後、溶媒を減圧下に除去した。残留
物をジエチルエーテルに溶かし、0.1N HCl、ブラインで洗浄し、MgSO
4で脱
水した。溶媒を減圧下に除去して、
1−(2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル)ピ
ペリジン−4−カルボン酸エチルをオフホワイト油状物として得た(3.9g)。
【0362】
ii)前の段階で得られた生成物(250mg、0.89mmol)、チオフェン−2
−カルボン酸銅(I)(252mg、1.3mmol)および3−(1H−ピラゾール−
1−イル)フェニルボロン酸(318mg、1.3mmol)のTHF(5mL)中溶液
を窒素ガスで10分間パージした。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(
0)(51mg、0.044mmol)を加え、混合物をマイクロ波照射によって加熱し
て85℃として75分間経過させた。酢酸エチルを加え、混合物をセライトで濾過した。
有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、次に疎水性フリットに通した。溶液を減
圧下に濃縮して粗残留物を得て、それを、量を増やす酢酸エチルを含むCH
2Cl
2で溶
離を行う順相クロマトグラフィーによって精製して、
1−(2−(3−(1H−ピラゾー
ル−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸エチルを
オフホワイト固体として得た(249mg)。
【0363】
iii)前の段階で得られた生成物(1.37g、3.63mmol)のエタノール(
20mL)中溶液に1N水酸化ナトリウム溶液(9mL、9mmol)を加え、混合物を
室温で4時間撹拌した。完了後、反応混合物を減圧下に濃縮し、得られた残留物を水に溶
かし、冷却し、1N HClでpH5の酸性として白色沈殿を得た。固体を濾過によって
回収し、水およびジエチルエーテルで洗浄してから、真空乾燥して、
1−(2−(3−(
1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カル
ボン酸をオフホワイト固体として得た(855mg)。
【0364】
iv)前の段階で得られた生成物(495mg、1.42mmol)、HATU(65
0mg、1.70mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(620μL、3.54
mmol)のCH
2Cl
2(10mL)中混合物を室温で20分間撹拌した。3−(te
rt−ブチルジメチルシロキシ)−5−メトキシアニリン(実施例20、366mg、1
.45mmol)を加え、混合物を24時間撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈
し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、合わせた有機相を疎水性フリットに通した。溶
媒を減圧下に除去して粗残留物を得て、それを、イソヘキサンおよび量を増やす酢酸エチ
ルで溶離を行う順相クロマトグラフィーによって精製して、
1−(2−(3−(1H−ピ
ラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−N−(3−(tert−ブチ
ルジメチルシロキシ)−5−メトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミドを白色
泡状物として得た(970mg)。
【0365】
v)前の段階で得られた生成物(970mg、1.66mmol)のCH
2Cl
2(2
0mL)中溶液に4M HCl/ジオキサン溶液(5mL、20mmol)を加え、混合
物を室温で36時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去し、得られた残留物をCH
2Cl
2お
よびジイソプロピルエチルアミンの混合液(5:1)に溶かした。有機相を水で洗浄し、
疎水性フリットに通すことで乾燥させた。溶媒を減圧下に除去して、黄色固体(130m
g)を得た。水相で沈殿が生成し、それを濾過し、水およびジエチルエーテルで洗浄して
から、真空乾燥した。得られた固体を合わせて、
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−
1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−N−(3−ヒドロキシ−5−メトキシフ
ェニル)ピペリジン−4−カルボキサミドを淡黄色固体として得た(512mg)。
【0366】
vi)前の段階で得られた生成物のDMF中原液から少量サンプル(2mL、0.11
mmol)と取り、炭酸セシウム(70mg、0.22mmol)の入った反応管中に投
入した。4−フルオロベンジルクロライド(14μL、0.1171mmol)を加え、
混合物を加熱して40℃として18時間経過させた。溶媒を減圧下に除去し、得られた残
留物をCH
2Cl
2と水との間で分配した。有機相を疎水性フリットで濾過し、溶媒を減
圧下に除去した。粗残留物を、イソヘキサンおよび量を増やす酢酸エチルで溶離を行う順
相クロマトグラフィーによって精製して、標的化合物
1−(2−(3−(1H−ピラゾー
ル−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−N−(3−(4−フルオロベンゾキ
シ)−5−メトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミドを白色固体として得た(
10.4mg)。
【0367】
1H NMR(DMSO−d):δ9.95(1H、s)、9.09(1H、s)、8
.75(1H、d、J=4.75Hz)、8.46−8.36(2H、m)、8.20(
1H、d、J=7.80Hz)、8.05(1H、d、J=7.99Hz)、7.95(
1H、td、J=7.69、1.82Hz)、7.64(1H、t、J=7.76Hz)
、7.49−7.32(6H、m)、7.00(1H、s)、6.93−6.86(2H
、m)、6.32(1H、t、J=2.22Hz)、5.08(2H、s)、4.65(
2H、bs)、3.73(3H、s)、3.10(2H、t、J=12.63Hz)、2
.75−2.66(1H、m)、1.97(2H、d、J=12.94Hz)、1.73
−1.60(2H、m)。
【0368】
実施例43
実施例42に記載の手順と類似の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0369】
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)
−N−(3−メトキシ−5−((5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メトキシ)フ
ェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド
【0370】
【化90】
1H NMR(DMSO−d):δ9.97(1H、s)、8.79(1H、t、J=
1.86Hz)、8.60(1H、d、J=2.54Hz)、8.37(1H、dd、J
=11.09、6.16Hz)、8.31(1H、d、J=7.88Hz)、7.96(
1H、dd、J=8.04、2.27Hz)、7.82(1H、d、J=1.73Hz)
、7.66−7.60(1H、m)、6.99−6.89(3H、m)、6.61(1H
、t、J=2.09Hz)、6.35−6.32(2H、m)、5.11(2H、s)、
4.86−4.58(2H、m)、3.74(3H、s)、3.09(2H、t、J=1
2.60Hz)、2.77−2.67(1H、m)、2.46−2.38(3H、m)、
1.96(2H、d、J=12.98Hz)、1.73−1.60(2H、m)。
【0371】
実施例44
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)
−N−(3−イソプロポキシ−5−メトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド
【0372】
【化91】
i)3−アミノ−5−メトキシフェノール(実施例20段階i、140mg、1.0m
mol)、トリフェニルホスフィン(390mg、1.5mmol)およびプロパン−2
−オール(90μL、1.2mmol)のTHF(3mL)中溶液に、ジ−tert−ブ
チルジアゾカルボキシレート(345mg、1.5mmol)を室温で少量ずつ加えた。
3時間撹拌後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N HCl水溶液で抽出した。合わ
せた水相を1N NaOH水溶液でpH=10とし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有
機層を疎水性フリットで濾過し、溶媒を減圧下に除去して、3−イソプロポキシ−5−メ
トキシアニリンを明褐色油状物として得た(169mg)。
【0373】
ii)前の段階で得られた生成物(56mg、0.16mmol)、HATU(72m
g、0.19mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(70μL、0.39mmo
l)のCH
2Cl
2(5mL)中混合物を環境温度で15分間撹拌した。1−(2−(3
−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−
カルボン酸(実施例20段階iii、34mg、0.19mmol)を加え、混合物を環
境温度で3時間撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2(3mL)で希釈し、飽和重炭酸ナ
トリウム溶液(5mL)で洗浄した。水相をCH
2Cl
2(5mL)で再抽出し、合わせ
た有機層を疎水性フリットに通し、減圧下に濃縮して乾固させた。得られた粗残留物をイ
ソヘキサンおよび量を増やす酢酸エチルで溶離を行う順相クロマトグラフィーによって精
製して、オフホワイト固体を得た。固体をジエチルエーテルで磨砕して、標題化合物1−
(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−N−
(3−イソプロポキシ−5−メトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミドをオフ
ホワイト固体として得た(27.6mg)。
【0374】
実施例44に記載の手順と類似の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0375】
実施例45
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)
−N−(3−(シクロヘキシルメトキシ)−5−メトキシフェニル)ピペリジン−4−カ
ルボキサミド
【0376】
【化92】
1H NMR(CDCl
3):δ8.65(1H、s)、8.34(2H、t、J=7
.71Hz)、8.06(1H、d、J=2.47Hz)、7.86(1H、d、J=8
.19Hz)、7.75(1H、d、J=1.71Hz)、7.54(1H、t、J=7
.95Hz)、7.15(1H、s)、6.80(1H、s)、6.72(1H、s)、
6.51−6.47(2H、m)、6.24(1H、s)、4.61(2H、bd、J=
12.95Hz)、3.78−3.69(5H、m)、3.09(2H、t、J=12.
53Hz)、2.55(1H、s)、2.07(2H、d、J=13.02Hz)、1.
95−1.80(4H、m)、1.75(4H、d、J=13.54Hz)、1.31−
1.18(3H、m)、1.04(2H、t、J=11.88Hz)。
【0378】
【化93】
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)
−N−(3−メチル−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピペリジン−4−カルボ
キサミド
i)ピペリジン−4−カルボン酸エチル(13.0g、82.69mmol)のエタノ
ール(130mL)中溶液に、Et
3N(17.29mL、124mmol)および2,
4−ジクロロピリミジン(13.55g、90.96mmol)を加えた。80℃で8分
間撹拌後、溶媒を減圧下に除去し、50%酢酸エチルを含むヘプタンで溶離を行う順相ク
ロマトグラフィーによって精製して、化合物
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ピ
ペリジン−4−カルボン酸エチル(19.45g、76%)を無色油状物として得た。
【0379】
ii)前の段階で得られた化合物(1.0g、3.707mmol)および1−(3−
(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル
)−1H−ピラゾール(1.84g、6.811mmol)のジオキサン(25mL)中
混合物に、DMF(2.0mL)、Pd(PPh
3)
4(216mg、0.190mmo
l)、H
2O(2.0mL)およびK
2CO
3(1.53g、11.12mmol)を加
えた。反応混合物をN
2で10分間パージした後、反応混合物を還流温度で18時間加熱
した。冷却して環境温度とした後、混合物を減圧下に濃縮した。残留物をジクロロメタン
で抽出し、Na
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。得られた粗残留物を、量を増やす
酢酸エチルを含むヘプタンで溶離を行う順相クロマトグラフィーによって精製して、化合
物
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)
ピペリジン−4−カルボン酸エチル(0.84g)を無色油状物として得た。
【0380】
iii)前の段階で得られた化合物(0.84g、2.26mmol)のMeOH(2
0mL)中溶液に、1N NaOH(2.45mL)を加え、反応混合物を室温で4時間
撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、2M HCl水溶液を加えることで酸性とした
。沈殿した白色固体を濾過によって回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空乾燥して、
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピ
ペリジン−4−カルボン酸(0.712g)を白色固体として得た。
【0381】
iv)前の段階で得られた生成物(50mg、0.1432mmol)のCH
2Cl
2
(15mL)中懸濁液に、DIPEA(55mg、0.4296mmol)、TBTU(
138mg、0.4296mmol)、3−メチル−5−(トリフルオロメトキシ)アニ
リン(82mg、0.4296mmol)およびDMF 5滴を加えた。反応混合物を室
温で終夜撹拌した。混合物を減圧下に濃縮し、飽和NaHCO
3水溶液を加えた。生成物
をCH
2Cl
2で抽出し、有機相をNa
2SO
4で脱水し、減圧下に濃縮した。得られた
粗残留物を、量を増やすMeOHを含むCH
2Cl
2で溶離を行う順相クロマトグラフィ
ーによって精製して、標題化合物
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェ
ニル)ピリミジン−4−イル)−N−(3−メチル−5−(トリフルオロメトキシ)フェ
ニル)ピペリジン−4−カルボキサミドを白色固体として得た(22mg)。
【0382】
1H NMR(CDCl
3):δ8.68(s、1H)、8.34(d、2H)、8.
08(s、1H)、7.86(d、1H)、7.88(s、1H)、7.64(s、1H
)、7.56(t、1H)、7.37(s、1H)、7.28(d、1H)、6.80(
s、1H)、6.48(m、2H)、4.58(d、2H)、3.02(t、2H)、2
.46(m、1H)、2.37(s、3H)、2.00(m、2H)、1.90(m、2
H)。
【0383】
実施例47
実施例46に記載の手順と類似の手順に従って、下記化合物を製造した。
【0384】
47A:
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)−N−(3−(2,2−ジフルオロエトキシ)フェニル)ピペリジン−4−カル
ボキサミド
【0385】
【化94】
1H NMR(CDCl
3):δ8.72(s、1H)、8.37(t、2H)、8.
15(s、1H)、7.92(d、2H)、7.78(s、1H)、7.58(t、1H
)、7.24(s、1H)、7.15(t、1H)、7.00(d、1H)、6.72(
d、1H)、6.54(m、2H)、6.32−5.88(m、2H)、4.62(d、
2H)、4.12(t、2H)、3.16(t、2H)、2.60(m、1H)、2.1
0(m、2H)、1.94(m、2H)。
【0386】
47B:
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)−N−(3−フルオロ−5−メトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミ
ド
【0387】
【化95】
1H NMR(CDCl
3):δ8.70(s、1H)、8.32(t、2H)、8.
10(s、1H)、7.90(d、1H)、7.80(s、1H)、7.58(t、1H
)、7.38(s、1H)、6.98(m、2H)、6.50(m、2H)、6.42(
d、2H)、4.62(m、2H)、3.80(s、3H)、3.10(t、2H)、2
.58(t、1H)、2.06(m、2H)、1.88(m、2H)。
【0388】
47C:
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)−N−(3−メトキシ−5−(5−メチル−2H−テトラゾール−2−イル)フ
ェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド
【0389】
【化96】
1H NMR(CDCl
3):δ9.24(s、1H)、8.78(s、1H)、8.
32(s、1H)、8.24(m、2H)、8.00(d、2H)、7.74(s、1H
)、7.64(s、1H)、7.58(t、1H)、7.24(s、1H)、6.70(
s、1H)、6.64(d、2H)、6.44(s、1H)、4.60(d、2H)、3
.82(s、3H)、3.28(t、2H)、2.92(m、1H)、2.62(s、3
H)、2.18(m、2H)、2.02(t、2H)。
【0390】
47D:
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)−N−(3,5−ジメチルフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド
【0391】
【化97】
MS(ESI)m/e:453.1(M+H)
+。
【0392】
47E:
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4
−イル)−N−(3−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−4
−カルボキサミド
【0393】
【化98】
MS(ESI)m/e:523.52(M+H)
+。
【0395】
【化99】
1−(2−(3−シアノフェニル)ピリミジン−4−イル)−N−(3−(ジメチルア
ミノ)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド
i)実施例46に記載の手順と類似の手順に従って、3−シアノフェニルボロン酸およ
びN1,N1−ジメチルベンゼン−1,3−ジアミンを用い、標題化合物
1−(2−(3
−シアノフェニル)ピリミジン−4−イル)−N−(3−(ジメチルアミノ)フェニル)
ピペリジン−4−カルボキサミドを製造した。MS(ESI)m/e:427.3(M+
H)
+。
【0397】
【化100】
1−(2−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル)ピリミジ
ン−4−イル)−N−(3,5−ジメトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド
i)ピペリジン−4−カルボン酸エチル(13.0g、82.69mmol)のエタノ
ール(130mL)中溶液に、Et
3N(17.29mL、124mmol)および2,
4−ジクロロピリミジン(13.55g、90.96mmol)を加えた。80℃で8分
間撹拌後、溶媒を減圧下に除去し、粗生成物を、50%酢酸エチルを含むヘプタンで溶離
を行う順相クロマトグラフィーによって精製して、化合物
1−(2−クロロピリミジン−
4−イル)ピペリジン−4−カルボン酸エチル(19.45g)を無色油状物として得た
。
【0398】
ii)前の段階で得られた化合物(10g、37.07mmol)のMeOH(70m
L)中溶液に、1N NaOH水溶液(35mL)を加え、反応混合物を室温で4時間撹
拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、2M HCl水溶液を加えることで酸性とした。
水系混合物をCH
2Cl
2:MeOH(9:1)で抽出した。合わせた有機層をNa
2S
O
4で脱水し、減圧下に濃縮して、
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)ピペリジン
−4−カルボン酸(8.87g)を白色固体として得た。
【0399】
iii)前の段階で得られた化合物(8.87g、36.7mmol)のジクロロメタ
ン(300mL)中懸濁液に、Ν,Ν−ジイソプロピルエチルアミン(14.23g、1
10.1mmol)、3,5−ジメトキシアニリン(16.87g、110.1mmol
)およびTBTU(17.68g、55.1mmol)を加えた。室温で17時間撹拌後
、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加えることで反応混合物を反応停止し、ジクロロメタン
で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下に溶媒留去した。粗生成物
を、50%酢酸エチルを含むヘプタンで溶離を行う順相クロマトグラフィーによって精製
して、
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−N−(3,5−ジメトキシフェニル)
ピペリジン−4−カルボキサミド(6.99g)を白色固体として得た。
【0400】
iv)2−ブロモ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(177mg、0.9mmol)
、ビスピナコラトジボロン(250mg、0.99mmol)およびKOAc(265m
g、2.7mmol)をジオキサン(9mL)に溶かした。N
2でパージした後、Pd(
dppf)Cl
2(37mg、0.045mmol)を加えた。還流温度で終夜撹拌後、
反応液を冷却して室温とし、反応混合物を少量の酢酸エチル(20mL)で希釈した。混
合物をセライト層で濾過し、溶媒を減圧下に留去して、
2−(4,4,5,5−テトラメ
チル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾールを
黒色油状物として得た。粗生成物を、それ以上精製せずに次の段階で用いた。
【0401】
v)前の段階で得られた粗ボロン酸エステルのジオキサン(8mL)および水(800
μL)中溶液を、1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−N−(3,5−ジメトキシ
フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド(実施例49段階iii、100mg、0.
52mmol)、BF
4・P(t−Bu
4)(18mg、0.06mmol)およびCs
2CO
3(260mg、0.78mmol)の入ったフラスコに加えた。N
2でパージ後
、Pd(dba)
2(24mg、0.04mmol)を加え、マイクロ波リアクターにお
いて反応混合物を加熱して140℃として15分間経過させた。冷却して室温とした後、
反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈した。混合物をセライト層で濾過し、溶媒を
減圧下に留去した。生成物を分取HPLCによって精製して、標題化合物
1−(2−(3
−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−
N−(3,5−ジメトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド(5mg)を白色
固体として得た(20mg)。
【0402】
1H NMR(DMSO):δ9.35(t、NH)、8.57(s、1H)、8.4
4(m、1H)、8.31(d、1H)、8.20(d、1H)、7.68(s、1H)
、7.65(m、2H)、7.29(m、2H)、6.84(d、2H)、6.80(d
、1H)、6.26(t、1H)、4.86(m、2H)、3.76(s、6H)、3.
16(m、2H)、2.76(m、1H)、2.04(m、2H)、1.86(m、2H
)。
【0403】
実施例50
実施例49に記載の手順と類似の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0404】
50A:
N−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−(2−(3−(オキサゾール−2
−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド
【0405】
【化100】
MS(ESI)m/z:486.3(M+H
+)。
【0406】
50B:
N−(3,5−ジメトキシフェニル)−1−(2−(2−メチルピリジン−4
−イル)ピリミジン−4−イル)ピペリジン−4−カルボキサミド
【0407】
【化101】
MS(ESI)m/z:434.6(M+H
+)。
【0408】
実施例51
実施例46に記載の手順と類似の手順に従って、下記の化合物を製造した。
【0409】
51:
1−(2−(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−
イル)−N−(3,5−ジメトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド
【0410】
【化102】
MS(ESI)m/z:448.2(M+H
+)。
【0411】
実施例52
CHO細胞で発現されたヒトFSH受容体での化合物の拮抗薬活性
ヒトFSH受容体でトランスフェクションし、ホタルルシフェラーゼレポーター遺伝子
の発現を指向するcAMP応答要素(CRE)/プロモーターで共トランスフェクション
したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で、ヒトFSH受容体での化合物の拮抗
薬活性を求めた。Gsタンパク質結合FSH受容体に化合物が結合すると、cAMPの増
加が生じ、それが次に、ルシフェラーゼレポーターのトランス活性化上昇を誘発する。試
験化合物(0.316nMから10.0μΜの濃度)とともに1μg/mLウシインシュ
リン、5μg/mLヒトアポトランスフェリン、100U/mLペニシリンGおよび10
0μg/mLストレプトマイシンを補充したダルベッコの最小必須F12改変培地(In
vitrogen)において、5%から7%CO
2および37℃の加湿雰囲気(95%)
下に、49pMrecFSH(試験化合物の非存在下にこの濃度で、最大ルシフェラーゼ
刺激の80%を誘発する。)とともに二連で、細胞(細胞7500個/384ウェルプレ
ートのウェル)をインキュベートした。DMSOの最終濃度は1%であった。4時間のイ
ンキュベーション後、プレートを1時間にわたり室温に調節した。次に、SteadyL
ite(PerkinElmer)溶液をウェルに加え、細胞を室温で少なくとも1時間
にわたり溶解させた。次に、発光カウンターでルシフェラーゼ活性を測定した。シグナル
は、カウント/秒(cps)として表される。化合物のIC
50(化合物によるルシフェ
ラーゼ刺激の最大達成可能阻害の半最大(50%)阻害を引き起こす試験化合物の濃度)
および効力を、ソフトウェアプログラムMathIQ(バージョン2.3、ID Bus
iness Solutions Limited)を用いて求めた。
【0412】
一般式Iによるおよび実施例11から25および28から51に具体的に開示されてい
る本発明の全てのN−ピペリジン−4−イル誘導体は、6.0より高いpIC
50(IC
50値の負の対数)を特徴とする。実施例11、12B、14、15C、15D、17B
、17C、17D、18、19B、19E、21B、22、23A、23C、28C、3
0C、31、32F、32G、32H、32I、33A、33B、33C、33D、33
E、34、35、42、44、45および46のN−ピペリジン−4−イル誘導体が、7
.0から8.0のpIC
50を示した。実施例15A、15B、17A、19C、30D
、32C、33A、37、38、39、40、41、43および51のN−ピペリジン−
4−イル誘導体は8.0より高いpIC
50を有する。
【0413】
実施例53
ヒト顆粒膜細胞培養物における試験化合物のhFSHR拮抗薬活性を評価するための機
能アッセイ
患者へのhCG投与から約36時間後に、通常のIVF術時の成熟卵母細胞の回復のた
めの卵胞吸引の際にヒト顆粒膜細胞を得た。卵胞液を患者当たり1バッチとして回収し、
卵母細胞除去後に室温(RT)で350gにて5分間遠心した。得られたペレットを、コ
ラゲナーゼ(0.1%)含有分離培地5mLに再懸濁させ、Histopaque−10
77 5mL上に重ね、遠心して(450gで20分間、室温)、赤血球から顆粒膜細胞
を分離した。顆粒膜細胞および他の単核細胞(例えば、リンパ球)が界面から得られ、分
離培地で1回洗浄した(450g、20分間)。上清の吸引後、ペレットを分離培地に再
懸濁させ、病院から実験室に輸送した。顆粒膜細胞を遠心(350g、5分間)によって
ペレットとし、10%ウシ胎仔血清(FCS)を含む少量の培地に再懸濁させた。細胞の
分散を促進するため、懸濁液について緩やかな機械的解離を行った。
【0414】
トリパンブルー排除によって細胞生存率を求め、コラーゲンでコーティングした96ウ
ェルプレートにおいて10%FCSを含む培地中、生存細胞25000個/200μL/
ウェルの密度で顆粒膜細胞を蒔き、5%CO
2を補充した加湿雰囲気下に37℃で培養し
た。72時間ごとに、細胞を予熱した培地で1回洗浄して、死亡細胞、壊死片および非接
着性細胞を除去した。培養開始から7日後に、細胞を再度培地で洗浄する。培地を吸引し
、実施例51と組み合わせてヒト組換えFSH(hrecFSH:0および250mU/
mL)またはhrecFSH(250mU/mL)を含むイソブチルメチルキサンチン(
IBMX)を含む分離培地250μLを、37℃、5%CO
2でさらに48時間インキュ
ベートした。全ての試験条件は3連で実施した。次に、上清を96ウェルプレートに回収
した。最後に、上清25μLを、新たな96深ウェルプレートに移し、cAMP EIA
キット(Amersham Life Sciences、カタログ番号RPN225)
を用いるcAMPレベルの測定に用いた。顆粒膜細胞の上清の吸引の直後に、10μMテ
ストステロンを補充した培地150μLをウェルに加えた。37℃、5%CO
2で2時間
インキュベーションした後、上清を回収し、エストラジオール−ELISA(DRG i
nstruments、製品番号EIA−2693)を用いるエストラジオールレベルの
測定に用いた。上清をダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(DPBS、Hycloneカ
タログ番号SH30028.03)で1:300希釈し、DPBS中のエストラジオール
の自作較正曲線を用いて、上清中のエストラジオールレベルの測定を行った。1−(2−
(3−(1H−ピラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−4−イル)−N−(3,
5−ジメトキシフェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド(実施例51)についての結
果を
図1に示してある。