(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[(2−ピリミジン−2−イルフェニル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}オキシ)ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[2−メチル−6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[3−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[3−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[4−クロロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[4−フルオロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[4−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)チオフェン−3−イル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[4−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)イソチアゾール−3−イル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[1−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[3−メチル−5−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)イソチアゾール−4−イル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)チオフェン−2−イル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[5−ブロモ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[5−クロロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[6−メトキシ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−3−イル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[4−シアノ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−({(3R,6R)−1−[(2−シクロプロピル−6−メトキシピリジン−3−イル)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}オキシ)ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[2−フルオロ−6−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[4−(フルオロメトキシ)−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[4−(ジフルオロメトキシ)−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[6−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ピリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−1−{[4−クロロ−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[2−(2H−テトラゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル;
2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[(3−ピリミジン−2−イルチオフェン−2−イル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}オキシ)ピリジン−4−カルボニトリル;
2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[(2−ピリミジン−2−イルチオフェン−3−イル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}オキシ)ピリジン−4−カルボニトリル;
2−({(3R,6R)−1−[(3−フルオロ−2−ピリミジン−2−イルフェニル)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}オキシ)ピリジン−4−カルボニトリル;
2−({(3R,6R)−1−[(4−フルオロ−2−ピリミジン−2−イルフェニル)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}オキシ)ピリジン−4−カルボニトリル;
2−({(3R,6R)−1−[(5−フルオロ−2−ピリミジン−2−イルフェニル)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}オキシ)ピリジン−4−カルボニトリル;および
2−({(3R,6R)−1−[(2−フルオロ−6−ピリミジン−2−イルフェニル)カルボニル]−6−メチルピペリジン−3−イル}オキシ)ピリジン−4−カルボニトリル;
からなる群より選択される化合物または薬学的に許容され得るその塩。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の一実施形態は、式Ia:
【化2】
【0007】
(式中、R
1a、R
1b、R
1cおよびR
3は、本明細書において定義される)の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含む。
【0008】
本発明の一実施形態は、式Ia’:
【化3】
【0009】
(式中、R
1a、R
1b、R
1cおよびR
3は、本明細書において定義される)の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含む。
【0010】
本発明の一実施形態は、式Ia’’:
【化4】
【0011】
(式中、R
1a、R
1b、R
1cおよびR
3は、本明細書において定義される)の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含む。
【0012】
本発明の一実施形態は、式Ib:
【化5】
【0013】
(式中、R
1a、R
1bおよびR
3は、本明細書において定義される)の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含む。
【0014】
本発明の一実施形態は、式Ib’:
【化6】
【0015】
(式中、R
1a、R
1bおよびR
3は、本明細書において定義される)の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含む。
【0016】
本発明の一実施形態は、式Ib’’:
【化7】
【0017】
(式中、R
1a、R
1bおよびR
3は、本明細書において定義される)の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含む。
【0018】
本発明の一実施形態は、式Ic:
【化8】
【0019】
(式中、R
1aおよびR
3は、本明細書において定義される)の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含む。
【0020】
本発明の一実施形態は、式Ic’:
【化9】
【0021】
(式中、R
1aおよびR
3は、本明細書において定義される)の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含む。
【0022】
本発明の一実施形態は、式Ic’’:
【化10】
【0023】
(式中、R
1aおよびR
3は、本明細書において定義される)の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含む。
【0024】
本発明の一実施形態は、Aが、フェニル、ピリジル、チオフェニル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびピラゾリルから選択される化合物を含む。本発明の一実施形態は、Aがフェニルである化合物を含む。本発明の一実施形態は、Aがピリジルである化合物を含む。本発明の一実施形態は、Aがチオフェニルである化合物を含む。本発明の一実施形態は、Aがチアゾリルである化合物を含む。本発明の一実施形態は、Aがイソチアゾリルである化合物を含む。本発明の一実施形態は、Aがピラゾリルである化合物を含む。
【0025】
本発明の一実施形態は、R
1a、R
1bおよびR
1cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C
1−6アルキル(これは、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換される)、
(5)−O−C
1−6アルキル(これは、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換される)、
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジルおよびピリミジニルから選択される)であって、これは、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、−O−C
1−6アルキルもしくは−NO
2で置換される、
(7)フェニル(これは、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、−O−C
1−6アルキルもしくは−NO
2で置換される)、
(8)−O−フェニル(これは、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、−O−C
1−6アルキルもしくは−NO
2で置換される)、
(9)−CN、および
(10)−NH−C
1−6アルキルまたは−N(C
1−6アルキル)(C
1−6アルキル)であって、これは、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキルおよび−O−C
1−6アルキルで置換される、
からなる群より選択される化合物を含む。
【0026】
本発明の一実施形態は、R
1a、R
1bおよびR
1cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C
1−6アルキル(これは、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換される)、
(5)−O−C
1−6アルキル(これは、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシルもしくはフェニルで置換される)、
(6)−CN、および
(7)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジルおよびピリミジニルから選択される)であって、これは、未置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシル、C
1−6アルキル、−O−C
1−6アルキルもしくは−NO
2で置換される、
からなる群より選択される化合物を含む。
【0027】
本発明の一実施形態は、R
1a、R
1bおよびR
1cが、独立して、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)C
1−6アルキル(これは、未置換であるかまたはハロゲンで置換される)、
(4)−O−C
1−6アルキル(これは、未置換であるかまたはハロゲンで置換される)、
(5)−CN、および
(6)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、トリアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジルおよびピリミジニルから選択される)
からなる群より選択される化合物を含む。
【0028】
本発明の一実施形態は、R
1cが、水素であり、R
1aおよびR
1bが、独立して、
(1)水素、
(2)フルオロ、
(3)クロロ、
(4)ブロモ、
(5)メチル、
(6)エチル、
(7)トリフルオロメチル、および
(8)ヘテロアリール(ここで、ヘテロアリールは、トリアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、イミダゾリル、インドリル、ピリジルおよびピリミジニルから選択される)
からなる群より選択される化合物を含む。
【0029】
本発明の一実施形態は、R
3がC
1−6アルキルである化合物を含む。本発明の一実施形態は、R
3がC
3−6シクロアルキルである化合物を含む。本発明の一実施形態は、R
3がメチルまたはエチルである化合物を含む。本発明の一実施形態は、R
3がメチルである化合物を含む。本発明の一実施形態は、R
3が(R)−メチルである化合物を含む。
【0030】
本発明のある実施形態は、本明細書の実施例の主題化合物からなる群より選択される化合物または薬学的に許容され得るその塩を包含する。
【0031】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含有してよく、したがって、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして存在してもよい。分子上の様々な置換基の性質に依存して、追加の不斉中心が存在してもよい。このような不斉中心の各々は、独立して、2つの光学異性体を生じるものであり、混合物の状態および純粋なまたは部分的に精製された化合物として、すべての可能な光学異性体およびジアステレオマーが本発明の範囲内に包含されることが意図される。本発明は、これらの化合物のこのような異性体のすべてを包含するものとする。式Iは、具体的な立体化学なしの化合物類の構造を示す。
【0032】
これらのジアステレオマーの個別の合成またはそのクロマトグラフ分離は、本明細書に開示された方法を適切に修正することにより、当技術分野において周知のように達成し得る。それらの絶対立体化学は、必要に応じて立体配置が公知の不斉中心を含有する試薬を用いて誘導体化された結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶解析によって測定してもよい。所望であれば、化合物のラセミ混合物を分離して個々のエナンチオマーが単離されるようにしてもよい。分離は、当技術分野において周知の方法によって行なってよく、例えば、化合物のラセミ混合物をエナンチオピュアな化合物とカップリングさせてジアステレオマー混合物を生成した後、個々のジアステレオマーを分別結晶またはクロマトグラフィーなどの標準的な方法により分離してもよい。カップリング反応は、エナンチオピュアな酸または塩基を使用した塩の生成であることが多い。ジアステレオマー誘導体は、次いで、付加されたキラル残基を切断することにより純粋なエナンチオマーに変換してもよい。化合物のラセミ混合物はまた、キラル固定相を利用したクロマトグラフ法によって直接分離してもよく、この方法は当技術分野において周知である。別法として、化合物の任意のエナンチオマーを、当技術分野において公知の方法により、立体配置が公知である光学的に純粋な出発原料または試薬を使用して立体選択的に合成することによって得てもよい。
【0033】
当業者に理解される通り、ハロゲンまたはハロは、本明細書で用いる場合、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを包含することが意図される。同様に、C
1−6アルキルのようなC
1−6は、直鎖または分枝鎖状で、1、2、3、4、5または6個の炭素を有する基を特定するために定義され、例えば、C
1−8アルキルとしては、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを含む。独立して置換基で置換されるものとして示
された基は、独立して、多数のこのような置換基で置換されていてもよい。用語「複素環」は、本明細書で用いる場合、不飽和および飽和複素環式基の双方を包含し、ここで、不飽和複素環式基(すなわち「ヘテロアリール」)としては、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイミダゾロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、ジヒドロインドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリルおよびそれらのN−オキシドを包含し、そしてここで、飽和複素環基は、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニルおよびテトラヒドロチエニルおよびそれらのN−オキシドを含む。
【0034】
本発明はまた、1個以上の原子が、同じ原子番号を有するが原子量または質量数は自然界に通常見られる原子量または質量数と異なる原子で置き換えられた式Iの化合物の薬学的に許容され得るあらゆる同位体異型を含む。本発明の化合物に含めるのに適した同位体の例としては、水素(
2Hおよび
3Hなど)、炭素(
11C、
13Cおよび
14Cなど)、窒素(
13Nおよび
15Nなど)、酸素(
15O、
17Oおよび
18Oなど)、リン(
32Pなど)、イオウ(
35Sなど)、フッ素(
18Fなど)、ヨウ素(
123Iおよび
125Iなど)、および塩素(
36Clなど)の同位体が挙げられる。式Iの特定の同位体標識化合物(例えば、放射性同位体が組み込まれたもの)は、薬物および/または基質の組織分布試験に有用である。放射性同位体トリチウム(すなわち、
3H)およびカーボン−14(すなわち、
14C)は、組み込みの容易性および容易な検出手段に鑑みると、この目的に特に有用である。重水素(すなわち、
2H)などのより重い同位体で置き換えると代謝安定性が大きくなることにより、特定の治療上の利点(例えば、インビボ半減期の増大または必要投薬量の低減)がもたらされることがあり得、したがって、一部の環境において好ましい場合があり得る。陽電子放出同位体(
11C、
18F、
15Oおよび
13Nなど)で置き換えることは、基質受容体の占有率を調べるための陽電子断層撮影(PET)試験に有用であり得る。式Iの同位体標識化合物は、一般的に、当業者に知られた慣用的な手法によって、または付随の本実施例に記載のものと同様の方法によって、先に使用した非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて調製され得る。
【0035】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、無機または有機塩基および無機または有機酸を含む、薬学的に許容され得る非毒性の塩基または酸から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を含む。特定の実施形態では、アンモニウム、カルシウム、マグネシウ
ム、カリウムおよびナトリウムの塩を包含する。固体形態にある塩は、2種以上の結晶構造で存在してもよく、また水和物の形態で存在してもよい。薬学的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第一級、第二級および第三級のアミンの塩;天然産置換アミンを含む置換アミン塩、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩を含む。
【0036】
本発明化合物が塩基性である場合、塩は、無機および有機酸を含む薬学的に許容され得る非毒性の酸から調製してもよい。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素、塩化水素、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。特定の実施形態では、クエ
ン酸、臭化水素、塩化水素、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸を含む。
【0037】
本明細書で用いる場合、式Iの化合物についての記載は、薬学的に許容され得る塩も包含することを意味するものと理解されよう。
【0038】
本発明を例示するものとしては、実施例および本明細書に開示された化合物の使用がある。本発明の範囲内の具体的な化合物は、以下の実施例に開示された化合物および薬学的に許容され得るそれらの塩と、それらの個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーとからなる群より選択される化合物を包含する。
【0039】
主題化合物は、このような阻害を必要とする哺乳類などの患者に有効量の化合物を投与することを含む、オレキシン受容体活性に拮抗する方法において有用である。本発明は、本明細書に開示された化合物のオレキシン受容体活性のアンタゴニストとしての使用に関する。霊長類、特にヒトに加えて、他の多様な哺乳類を本発明の方法にしたがって治療し得る。本発明は、医薬に有用であり得る本発明の化合物または薬学的に許容され得るその塩に関する。本発明はさらに、オレキシン受容体活性に拮抗するための、または本明細書に開示された障害および疾患をヒトおよび動物において治療するための、医薬の製造のための本発明の化合物または薬学的に許容され得るその塩の使用に関し得る。
【0040】
本方法で治療される患者は、一般に、哺乳類、例えば、男性または女性であるヒトである。用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家が求めている、組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発することができる主題化合物の量を意味する。本発明の化合物の有効量を用いて、現在障害に苦しんでいる患者を治療することによりまたは障害に苦しめられた患者を予防的に治療することにより、当業者には、神経学的および精神医学的障害に影響を及ぼし得ることが理解される。本明細書で用いる場合、用語「治療」および「治療すること」は、本明細書に記載された神経学的および精神医学的障害の進行を、遅延、中断、阻止、制御または停止させ得るすべてのプロセスを指すが、必ずしもすべての障害症候の完全な排除を示すものではなく、また特に、このような疾患または障害の素因をもつ患者における上記の症状の予防療法も指す。用語、化合物「の投与」およびまたは「投与すること」は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを、それを必要とする個体に与えることを意味するものと理解されるべきである。
【0041】
用語「組成物」は、本明細書で用いる場合、特定の成分を特定の量で含む生成物、ならびに、特定成分の特定量の組合せから直接または間接的に得られる任意の生成物を包含することを意図する。医薬組成物に関するこのような用語は、活性成分と担体を構成する不活性成分とを含む生成物、ならびに、任意の2種以上の成分の組合せ、複合体形成または凝集からまたは1種以上の成分の解離からまたは1種以上の成分の別のタイプの反応もしくは相互作用から、直接または間接的に得られる任意の生成物を包含することが意図される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と薬学的に許容され得る担体とを混合することにより製造される任意の組成物を包含する。「薬学的に許容され得る」は、担体、希釈剤または賦形剤が、配合物の他の成分と適合性でなければならず、かつその受容者に有害であってはならないことを意味する。
【0042】
オレキシン受容体OX1Rおよび/またはOX2Rアンタゴニストとしての本発明の化合物の有効性は、「FLIPR Ca
2+Flux Assay」(Okumura et al,Biochem.Biophys.Res.Comm.280:976−981,2001)を含む、当技術分野において周知の方法により過度の実験を伴わずに容易に測定し得る。典型的な実験においては、本発明の化合物のOX1およびOX2受容体アンタゴニスト活性を、以下の実験法にしたがって測定した。細胞内カルシウム測定には、ラットのオレキシン−1受容体またはヒトのオレキシン−2受容体を発現しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を、2mM L−グルタミン、0.5g/ml G418、1%ヒポキサンチン−チミジンサプリメント、100U/ml ペニシリン、100ug/ml ストレプトマイシンおよび10%熱不活化ウシ胎児血清(FCS)を含有するイスコフ(Iscove)変法DMEMで増殖させる。細胞は、ポリ−D−リジンをコートしたベクトン−ディッキンソン(Becton−Dickinson)黒色384ウェル透明底滅菌済プレート中に、20,000細胞/ウェルで播種する。すべての試薬は、ギブコ−インビトロジェン社(GIBCO−Invitrogen Corp)から得た。播種されたプレートを、37℃および5%CO2にて一晩インキュベートする。
【0043】
アゴニストとして、Ala−6,12ヒトオレキシン−Aを、1%ウシ血清アルブミン(BSA)中の1mMストック溶液として調製し、アッセイバッファ(20mM HEPES、0.1%BSAおよび2.5mMプロベネシドを含有するHBSS、pH7.4)中に希釈して、最終濃度70pMでアッセイに使用する。試験化合物は、DMSO中の10mMストック溶液として調製し、次に384ウェルプレート中で、まずDMSOで、次にアッセイバッファで希釈する。アッセイの当日に、細胞をアッセイバッファ100ulで3回洗浄し、次に1uM Fluo−4AMエステル、0.02%プルロニック酸および1%BSAを含有するアッセイバッファ60ul中で、60分間(37℃、5%CO2)インキュベートする。次いで色素添加溶液を吸引し、細胞をアッセイバッファ100ulで3回洗浄する。同じバッファ30ulを、各ウェルに残しておく。蛍光イメージングプレートリーダー(Fluorescent Imaging Plate Reader)(FLIPR、モレキュラーデバイス(Molecular Devices))内で、体積25ulの試験化合物をプレートに添加し、5分間インキュベートし、最後にアゴニスト25ulを添加する。蛍光を、各ウェルについて1秒間隔で5分間測定し、蛍光ピークの高さを、アンタゴニストの代わりにバッファを用いて70pM Ala−6,12オレキシン−Aによって誘発される蛍光ピークの高さと比較する。各アンタゴニストについて、IC50値(アゴニストの応答の50%を阻害するのに要する化合物の濃度)を測定する。別法として、化合物の効力を、放射線結合アッセイ(Bergman et.al.Bioorg.Med.Chem.Lett.2008,18,1425−1430)によって評価してもよく、これにおいては、阻害定数(K
i)を、OX1またはOX2のいずれかの受容体を発現しているCHO細胞から調製された膜において測定する。本発明において使用し得る化合物の固有のオレキシン受容体アンタゴニスト活性は、これらのアッセイによって測定し得る。
【0044】
以下の実施例の最終化合物はすべて、上記のアッセイにおいて、約0.1nM〜100nMのIC
50で、ヒトのオレキシン−2受容体を拮抗する活性を有していた。以下の実施例の最終化合物はすべて、放射線結合アッセイにおいても、オレキシン−2受容体に対し、Ki<約0.1nM〜100nMの活性を有していた。以下の実施例の最終化合物はすべて、FLIPRアッセイにおいて、約0.1nM〜100nMのIC50で、オレキシン−2受容体に対する活性を有していた。追加のデータを、以下の実施例において示す。このような結果は、オレキシン−1受容体および/またはオレキシン−2受容体のアンタゴニストとして使用する際の、化合物の固有活性の指標である。一般に、当業者は、物質が約50μM未満、好ましくは約100nM未満のIC50をもつ場合に、それをオレキシン受容体を有効に拮抗するものと見なすことを理解するであろう。国際公開第2010/048012号パンフレットに開示されているものなどの他のピペリジン化合物に対して、本発明化合物が、予想外の特性(すなわち、オレキシン−1受容体と比べてオレキシン−2受容体に対して増加した選択性)を示すことが望ましいであろう。例えば、2−ピリジルオキシ−4−ニトリル環を有しない国際公開第2010/048012号パンフレットの特定化合物と比べて、実施例の化合物は、オレキシン−1受容体よりもオレキシン−2受容体に対してより大きな選択性を有する。
【0045】
オレキシン受容体は、広範囲の生物学的機能に関係づけられてきた。これにより、ヒトまたは他の種での様々な疾患プロセスにおけるこれらの受容体の潜在的役割が示唆されてきた。したがって、本発明の化合物は、以下の症状または疾患の1つ以上を含む、オレキシン受容体に関連した様々な神経学的および精神医学的障害を、治療、予防、改善、制御またはリスク低減する上で潜在的に有用であり得る:睡眠異常、睡眠障害(睡眠の質の向上、睡眠の質の改善、睡眠効率の上昇、睡眠維持の増強を含む);患者の睡眠時間を患者が入眠努力している時間で割ることで計算される値の増加;睡眠開始の改善;睡眠潜伏期または開始(寝入るのに要する時間)の短縮;入眠困難の低減;睡眠持続性の増加;睡眠中の覚醒回数の減少;睡眠中の断続的な覚醒の減少;夜間覚醒の減少;最初の睡眠開始後の覚醒時間の減少;睡眠総量の増加;睡眠分断の低減;レム睡眠期間のタイミング、頻度または持続期間の変更;徐波(すなわち、第3または4期)睡眠期間のタイミング、頻度または持続期間の変更;第2期睡眠の量およびパーセンテージの増加;徐波睡眠の促進;睡眠中のEEG−デルタ活動の増強;夜間覚醒、特に早朝覚醒の減少;日中の敏捷性の増加;日中傾眠の低減;日中の過剰な睡眠の治療または低減;睡眠の深さの満足感の増大;睡眠維持の向上;特発性不眠症;睡眠困難;不眠症、過眠症、特発性過眠症、反復性過眠症、内因性過眠症、ナルコレプシー、睡眠中断、睡眠時無呼吸、覚醒、夜間ミオクローヌス、レム睡眠中断、時差ぼけ、交代勤務者の睡眠障害、睡眠異常、夜驚、不眠症(抑うつ、情緒/気分障害、アルツハイマー病または認知障害に付随する)、ならびに夢遊病および夜尿症および加齢に伴う睡眠異常;アルツハイマー型日没症候群;概日リズムに関連した症状ならびに時間帯横断旅行および回転交代勤務制に付随する精神的および身体的障害;副作用としてレム睡眠の減少をもたらす薬物に起因する症状;線維筋痛症;非回復性睡眠および筋肉痛によって発症する症候群または睡眠中の呼吸障害に付随する睡眠時無呼吸;睡眠の質低下から生じる症状;学習増加;記憶増強;記憶保持の増加;過剰な摂食に付随する摂食障害およびそれらに付随する合併症;脅迫性摂食障害;肥満(遺伝的または環境的を問わない何らかの原因による)、肥満関連障害、過食、食欲不振、病的飢餓、カヘキシー、食欲調節異常、高血圧、糖尿病、高血漿インスリン濃度およびインスリン抵抗性、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌および結腸癌、骨関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心疾患、肺疾患、異常心拍および不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈性心疾患、急性およびうっ血性心不全;低血圧;高血圧;尿閉;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;虚血性または出血性卒中;クモ膜下出血;潰瘍;アレルギー;良性前立腺肥大;慢性腎不全;腎臓病;グルコース耐性障害;突然死、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プラダー−ウィリー症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠損患者、正常変異低身長、ターナー症候群、および代謝活性の低下を示すか、または、例えば急性リンパ芽球性白血病の小児などの安静時エネルギー消費の低下を徐脂肪総体重のパーセンテージとして示す他の病的症状、X症候群としても知られるメタボリックシンドローム、インスリン抵抗性症候群、生殖ホルモン異常、性機能および生殖機能不全、例えば生殖機能障害、不妊、男性の性機能低下および女性の多毛症、母体肥満に付随する胎児欠陥、胃腸運動障害、腸運動ジスキネジア、肥満関連胃食道逆流、視床下部疾患、下垂体疾患、呼吸障害、例えば肥満−低換気症候群(ピックウィック症候群)、息切れ、心血管障害、炎症、例えば脈管系の全身性炎症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、下背部痛、胆嚢疾患、痛風、腎臓癌、麻酔危険度上昇、肥満の二次的結果のリスク低減、例えば左心室肥大のリスク低減;脳内で異常な振動活動が生じる疾患または障害(抑うつ、片頭痛、神経障害性疼痛、パーキンソン病、精神病および統合失調症を含む)、ならびに、特に視床を介する活動の異常なカップリングが存在する疾患または障害;認識機能増強(正常、健康、若年、成人または加齢集団において一過性または慢性的に生じるおよびまた精神医学性、神経性、心血管性および免疫性の障害においても一過性または慢性的に生じる、すべてのタイプの注意、学習および記憶機能における欠損を含む認識機能障害を含む);記憶増強;記憶保持増加;免疫応答増大;免疫機能増大;ホットフラッシュ;寝汗;寿命延長;統合失調症;心拍のような神経系により課せられる興奮/弛緩リズムによって支配される筋肉関連疾患および他の心血管系の障害;血管拡張または血管収縮および血圧などの細胞増殖に関連する症状;癌;心不整脈;高血圧;うっ血性心不全;生殖器/泌尿系の症状;性機能および生殖能力の異常;腎機能の充実度;麻酔薬に対する応答性;抑うつまたはさらに具体的には抑うつ障害などの、気分障害、例えば、単一エピソード型または回帰性大うつ病性障害および気分変調性障害または双極性障害、例えばI型双極性障害およびII型双極性障害および循環気質性障害、一般的な身体疾患に起因する気分障害および物質誘発性気分障害;情動神経症;抑うつ神経症;不安神経症;不安障害(急性ストレス障害、広所恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、社会不安障害、特定恐怖症、物質誘発性不安障害および一般的な身体疾患に起因する不安を含む);急性の神経学的および精神医学的障害、例えば心臓バイパス手術および移植後の脳欠陥、卒中、虚血性卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性ニューロン損傷;ハンチントン舞踏病;ハンチントン病およびトウレット症候群;クッシング症候群/疾患;好塩基性腺腫;プロラクチノーマ;高プロラクチン血症;下垂体腫瘍/腺腫;視床下部疾患;炎症性大腸疾患;胃ジスキネジア;胃潰瘍;フレーリッヒ症候群;アドレナリン下垂体疾患(adrenohypophysis);下垂体疾患;アドレナリン下垂体機能低下;アドレナリン下垂体機能亢進症;視床下部性腺機能低下;カールマン症候群(無嗅覚症、嗅覚減退);機能性または心因性無月経;下垂体機能低下;下垂体性甲状腺機能低下;視床下部−副腎機能不全;特発性高プロラクチン血症;下垂体障害性成長ホルモン欠損症;特発性発育不全;小人症;巨人症;先端巨大症;筋委縮性側索硬化症;多発性硬化症;眼球損傷;網膜症;認識障害;特発性および薬物誘発性パーキンソン病;筋痙攣および筋痙性に付随する障害(震顫、てんかん、痙攣、発作障害、アブサンス発作、複雑部分発作および全身性発作を含む);レノックス−ガストー症候群;認知症を含む認識障害(アルツハイマー病、虚血、外傷、血管性の問題または卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤコブ病;周産期低酸素症、他の一般的な身体疾患または物質乱用に付随);せん妄、健忘症または加齢関連認識減退;統合失調症または精神病、例えば、統合失調症(妄想型、解体型、緊張型または未分化型を含む)、統合失調症型障害、分裂情動性障害、妄想性障害、一過性精神障害、共有精神病性障害、一般的な身体疾患に起因する精神病性障害および物質誘発性精神病性障害;多重人格症候群および心因性健忘症を含む、分裂障害;物質関連障害、物質使用、物質乱用、物質探求、物質復活、すべてのタイプの心理学的および身体的な嗜癖および嗜癖行動、応答関連行動(物質誘発性せん妄、持続性認知症、持続性健忘症、精神病性障害または不安障害);アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、ハルシノジェン、吸入剤、モルヒネ、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、催眠剤または抗不安剤を含む物質に対する耐性、嗜癖性摂食、嗜癖性摂食行動、ビンジ/パージ摂食行動、依存症、禁断または再発;食欲、味覚、摂食または飲酒障害;運動障害、例えば、運動不能症および無動−硬直症候群(パーキンソン病、薬剤誘発性パーキンソン病、脳炎後パーキンソン症候群、進行性核上麻痺、多系統委縮症、皮質基底変性症、パーキンソン症−ALS認知症複合および基底核石灰化を含む)、慢性疲労性症候群、疲労(パーキンソン疲労、多発性硬化症性疲労、睡眠障害または概日リズム障害により生じる疲労を含む)、薬剤誘発性パーキンソニズム(例えば、神経弛緩剤誘発性パーキンソニズム、神経弛緩性悪性症候群、神経弛緩剤誘発性急性ジストニア、神経弛緩剤誘発性急性アカシジア、神経弛緩剤誘発性急性ジスキネジアおよび薬剤誘発性姿勢震顫)、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群、てんかんおよびジスキネジア[震顫(例えば、安静時震顫、本態性震顫、姿勢震顫および意図震顫)、舞踏病(例えば、シデナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球症、症候性舞踏病、薬剤誘発性舞踏病および片側バリズム)、ミオクローヌス(一般的ミオクローヌスおよび局限性ミオクローヌスを含む)、チック(単純チック、複合チックおよび症候性チックを含む)、むずむず脚症候群およびジストニア(特発性ジストニア、薬剤誘発性ジストニア、症候性ジストニアおよび発作(paroxyma)ジストニアなどの一般的ジストニア、および、眼瞼痙攣、口顎部ジストニア、痙攣性発声障害、痙攣性斜頚、軸性ジストニア、書痙および片麻痺性ジストニアなどの局限性ジストニアを含む);疾病分類学的実体を含む神経変性疾患、例えば、脱抑制−痴呆−パーキンソニズム−筋委縮複合;淡蒼球−橋−黒質の変性;てんかん;急発作;注意欠陥/多動性障害(ADHD);行為障害;片頭痛(片側頭痛を含む);頭痛;痛覚過敏;疼痛;疼痛に対し増強または強調された感覚、例えば知覚過敏、灼熱痛および異痛症;急性疼痛;熱傷性疼痛;非定形顔面痛;神経障害性疼痛;背部痛;複合性局所性疼痛症候群I型およびII型;関節炎痛;スポーツ損傷性疼痛;感染、例えばHIVに関連した疼痛、化学療法後の疼痛;卒中後疼痛;術後疼痛;神経痛;嘔吐、吐き気、吐出;胃ジスキネジア;胃潰瘍;カールマン症候群(無嗅覚);喘息;癌、内臓痛に付随する症状、例えば過敏性腸症候群およびアンギナ;摂食障害;尿失禁;物質耐性;物質禁断(アヘン剤、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、催眠剤などを含む);精神病;統合失調症;不安(全般性不安障害、パニック障害および強迫性障害を含む);気分障害(抑うつ、躁病、双極性障害を含む);三叉神経痛;聴力損失;耳鳴り;眼球損傷を含むニューロン損傷;網膜症;眼の黄斑変性;嘔吐;脳浮腫;例えば、急性および慢性の疼痛症状、激痛、難治性疼痛、炎症痛、神経障害性疼痛、外傷後の疼痛、骨および関節痛(骨関節塩)、反復運動痛、歯痛、癌性疼痛、筋筋膜性疼痛(筋肉損傷、線維筋痛症)、術中疼痛(一般外科、婦人科)、慢性疼痛、神経障害性疼痛、外傷後疼痛、三叉神経痛、片頭痛および片側頭痛を含む疼痛、および一般的なオレキシン系の機能不全に関連した他の疾患。
【0046】
したがって、ある実施形態において、本発明は、睡眠の質の向上;睡眠維持の増強;レム睡眠の増加;第2期睡眠の増加;睡眠パターン分断の低減;不眠症およびすべてのタイプの睡眠障害の治療;神経障害性疼痛およびむずむず脚症候群を含む、神経学的障害などの疾患に付随する睡眠障害の治療または制御;嗜癖障害の治療または制御;精神活性物質使用および乱用の治療または制御;認識強化;記憶保持の増加;肥満の治療または制御;糖尿病、および食欲、味覚、摂食または飲酒障害の治療または制御;視床下部疾患の治療または制御;抑うつの治療または制御;欠神てんかんを含むてんかんの治療、制御、改善またはリスク低減;神経障害性疼痛を含む疼痛の治療または制御;パーキンソン病の治療または制御;精神病の治療または制御;気分変調障害、気分障害、精神病性障害および不安障害の治療または制御;大うつ病および大うつ性障害を含むうつ病の治療または制御;双極性障害の治療または制御、または統合失調症の治療、制御、改善もしくはリスク低減のための、これを要する哺乳類患者における方法であって、本発明の化合物の治療有効量を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0047】
主題化合物はさらに、本明細書に示した疾患、障害および症状の、予防、治療、制御、改善またはリスク低減のための方法に潜在的に使用され得る。本明細書の組成物中の活性成分の投与量は、変更してもよいが、活性成分の量は、適切な剤形が得られるような量でなければならない。活性成分は、最適な薬学的効果を与え得る量で、このような治療を要する患者(動物およびヒト)に投与し得る。選択される投与量は、所望の治療効果、投与経路および治療期間に依存する。用量は、疾患の性質および重篤度、患者の体重、患者が受けている特別食、併用医薬、および当業者に理解される他の要因に依存して、患者ごとに変更し得る。一般に、有効なオレキシン受容体拮抗作用を得るためには、1日当たり、0.0001〜10mg/kg体重の投与量レベルが、患者、例えばヒトおよび高齢者に投与される。投与量範囲は、一般に1日当たり患者当たり、約0.5mg〜1.0gでよく、これを単回でまたは複数回で投与してもよい。一実施形態においては、投与量範囲は、1日当たり患者当たり、約0.5mg〜500mgでよく;別の実施形態では、1日当たり患者当たり、約0.5mg〜200mgでよく;また別の実施形態では、1日当たり患者当たり、約5mg〜50mgでよい。本発明の医薬組成物は、例えば約0.5mg〜500mgの活性成分を含み、または約1mg〜250mgの活性成分を含む固形製剤で提供してよい。医薬組成物は、約1mg、5mg、10mg、25mg、30mg、50mg、80mg、100mg、200mgまたは250mgの活性成分を含む固形製剤の形態で提供してもよい。経口投与用には、組成物は、治療されるべき患者に対症的に調整するため1.0〜1000ミリグラムの活性成分、例えば、約1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900および1000ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供してもよい。化合物は、1日当たり1〜4回、例えば、1日当たり1または2回のレジメで投与してよい。化合物は、就寝前に投与してもよい。例えば、化合物は、就寝の1時間前、就寝の約30分前または就寝の直前に投与してもよい。
【0048】
本発明の化合物は、本発明の化合物または他の薬剤が有効な疾患または症状の、治療、予防、制御、改善またはリスク低減において1種以上の他の薬剤と併用してもよく、ここで、薬剤の組合せは、いずれかの薬剤単独よりも安全または有効である。このような他の薬剤は、それらに通常用いられる経路および量で、本発明の化合物と同時または順次に投与し得る。本発明の化合物が1種以上の他の薬剤と同時に投与される場合、このような他の薬剤と本発明の化合物とを含有する単位剤形の医薬組成物が意図される。しかしながら、併用療法はまた、本発明の化合物と1種以上の他の薬剤とが、別々の重複するスケジュールで投与される療法も包含する。また、1種以上の他の活性成分と併用する場合、本発明の化合物および他の活性成分は、各々が単独で使用される場合よりも低用量で使用できることも意図される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1種以上の他の活性成分を含有するものを包含する。上記の併用は、本発明の化合物と1種の他の活性化合物との併用だけでなく、2種以上の他の活性化合物との併用も包含する。
【0049】
同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用な疾患または症状の、予防、治療、制御、改善またはリスク低減に使用される他の薬剤と併用してもよい。このような他の薬剤は、それらに通常用いられる経路および量で、本発明の化合物と同時または順次に投与してもよい。本発明の化合物が1種以上の他の薬剤と同時に投与される場合、本発明の化合物に加えて、このような他の薬剤を含有する医薬組成物が意図される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1種以上の他の活性成分も含有するものを包含する。
【0050】
本発明の化合物の第2の活性成分に対する重量比は変更可能であって、各成分の有効用量に依存する。一般に、それぞれの有効用量が使用できる。したがって、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と併用する場合、本発明の化合物の他の薬剤に対する重量比は、約1000:1〜約1:1000、例えば、約200:1〜約1:200の範囲内であろう。
【0051】
本発明の化合物と他の活性成分との併用もまた、一般に、上記の範囲内となるが、どの場合でも、各活性成分の有効量を使用するべきである。このような併用の場合、本発明の化合物および他の活性薬剤は、別々にまたは一緒に投与してもよい。さらに、一方の成分の投与は、他方の薬剤の投与の前、同時またはその後でよい。
【0052】
本発明の化合物は、睡眠の質の向上、睡眠異常および睡眠障害の予防および治療に有用であることが当技術分野において周知な他の化合物、例えば、鎮静剤、催眠剤、不安緩和剤、抗精神病薬、抗不安薬、抗ヒスタミン剤、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT−2Aアンタゴニストおよび5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む、5HT−2アンタゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニストを含むヒスタミンアンタゴニスト、ヒスタミンH3インバースアゴニスト、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動薬、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニストおよびアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、T型カルシウムチャンネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジンなど、例えば:アジダゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロレタート、クロザピン、コナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エスクロリノール(ethchlorynol)、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、イニジプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オルノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポホール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデムおよびそれらの塩、ならびにそれらの組合せなどと併用して投与してもよく、または、本発明の化合物を、光療法または電気刺激などの物理的方法の使用と併用して投与してもよい。
【0053】
別の実施形態においては、主題化合物は、当業者に周知の他の化合物と併用されてもよく、別々かまたは同一の医薬組成物として投与され、限定されるものではないが、例えば、インスリン増感剤、例えば(i)PPARγアンタゴニスト、例えばグリタゾン類(例えば、シグリタゾン;ダルグリタゾン;エングリタゾン;イサグリタゾン(MCC−555);ピオグリタゾン;ロシグリタゾン;トログリタゾン;ツラリク;BRL49653;CLX−0921;5−BTZD)、GW−0207、LG−100641およびLY−300512など);(iii)ビグアニド、例えばメトホルミンおよびフェンホルミン;(b)インスリンまたはインスリン疑似物質、例えばビオタ、LP−100、ノバラピド、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリングラルジン、インスリン亜鉛水性懸濁液(遅効または超遅効);Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン)およびGLP−1(7−36)−NH
2);(c)スルホニル尿素、例えばアセトヘキサミド;クロルプロパミド;ダイアビネス;グリベンクラミド;グリピジド;グリブリド;グリメピリド;グリクラジド;グリペンチド;グリキドン;グリソラミド;トラザミドおよびトルブタミド;(d)α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース;アジポシン;カミグリボース;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボース;プラジミシン−Q;サルボスタチン;CKD−711;MDL−25,637;MDL−73,945およびMOR14など;(e)コレステロール低下剤、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(アトルバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチンおよび他のスタチン類)、(ii)胆汁酸/金属イオン封鎖剤、例えばコレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体;コレスチド(Colestid)(登録商標);ロコレスト(LoCholest)(登録商標)など、(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸またはその塩、(iii)増殖因子活性化受容体αアゴニスト、例えばフェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラートおよびベンザフィブラート)、(iv)コレステロール吸収阻害剤、例えばスタノールエステル、ベータ−シトステロール、チケシドなどのステロールグリコシドおよびエゼチミベのようなアゼチジノンなど、ならびに、アバシミベおよびメラナミドなどのアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT))阻害剤、(v)抗酸化剤、例えばプロブコール、(vi)ビタミンE、および(vii)甲状腺ホルモン類似薬;(f)PPARαアゴニスト、例えば、ベクロフィブラート、ベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラートおよびゲムフィブロジル、および他のフィブリン酸誘導体、例えばアトロミド(Atromid)(登録商標)、ロピド(Lopid)(登録商標)およびトリコール(Tricol)(登録商標)など、ならびに、国際公開第97/36579号パンフレットに記載されたPPARαアゴニスト;(g)PPARδアゴニスト、例えば国際公開第97/28149号パンフレットに記載されたもの;(h)PPARα/δアゴニスト、例えばムラグリタザール、および米国特許第6,414,002号明細書に記載された化合物;(i)抗肥満剤、例えば(1)成長ホルモン分泌促進物質、成長ホルモン分泌促進物質受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、NN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692、429およびL−163,255、ならびに、米国特許第5,536,716号明細書および米国特許第6,358,951号明細書、米国特許出願第2002/049196号明細書および米国特許出願第2002/022637号明細書および国際公開第01/56592号パンフレットおよび国際公開第02/32888号パンフレットに開示されたもの;(2)タンパク質チロシンリン酸化酵素阻害剤−1B(PTP−1B)阻害剤;(3)カンナビノイド受容体リガンド、例えばカンナビノイドCB
1受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニスト、例えばリモナバント、タラナバント、AMT−251、および、SR−14778およびSR14176A(Sanofi Synthelabo)、SLV−319(Solvay)、BAY65−2520(Bayer)、および、米国特許第5,532,237号明細書、米国特許第4,973,587号明細書、米国特許第5,013,837号明細書、米国特許第5,081,122号明細書、米国特許第5,112,820号明細書、米国特許第5,292,736号明細書、米国特許第5,624,941号明細書、米国特許第6,028,084号明細書、国際公開第96/33159号パンフレット、国際公開第98/33765号パンフレット、国際公開第98/43636号パンフレット、国際公開第98/43635号パンフレット、国際公開第01/09120号パンフレット、国際公開第98/31227号パンフレット、国際公開第98/41519号パンフレット、国際公開第98/37061号パンフレット、国際公開第00/10967号パンフレット、国際公開第00/10968号パンフレット、国際公開第97/29079号パンフレット、国際公開第99/02499号パンフレット、国際公開第01/58869号パンフレット、国際公開第01/64632号パンフレット、国際公開第01/64633号パンフレット、国際公開第01/64634号パンフレット、国際公開第02/076949号パンフレット、国際公開第03/007887号パンフレット、国際公開第04/048317号パンフレットおよび国際公開第05/000809号パンフレットに開示されたもの;(4)抗肥満セロトニン作動薬、例えばフェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテルミンおよびシブトラミン;(5)β3−アドレナリン受容体アゴニスト、例えばAD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、トレカドリン、ゼネカD7114、SR59119A;(6)膵臓リパーゼ阻害剤、例えばオルリスタット(キセニカル(Xenical)(登録商標))、トリトンWR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン、ジエチルウンベリフェリルホスファートおよび国際公開第01/77094号パンフレットに開示されたもの;(7)ニューロペプチドY1アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A、および、米国特許第6,001,836号明細書および国際公開第96/14307号パンフレット、国際公開第01/23387号パンフレット、国際公開第99/51600号パンフレット、国際公開第01/85690号パンフレット、国際公開第01/85098号パンフレット、国際公開第01/85173号パンフレットおよび国際公開第01/89528号パンフレットに開示されたもの;(8)ニューロペプチドY5アンタゴニスト、例えばGW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819AおよびJCF−104、および、米国特許第6,057,335号明細書;米国特許第6,043,246号明細書;米国特許第6,140,354号明細書;米国特許第6,166,038号明細書;米国特許第6,180,653号明細書;米国特許第6,191,160号明細書;米国特許第6,313,298号明細書;米国特許第6,335,345号明細書;米国特許第6,337,332号明細書;米国特許第6,326,375号明細書;米国特許第6,329,395号明細書;米国特許第6,340,683号明細書;米国特許第6,388,077号明細書;米国特許第6,462,053号明細書;米国特許第6,649,624号明細書および米国特許第6,723,847号明細書、欧州特許出願公開第01010691号明細書および欧州特許出願公開第01044970号明細書;国際公開第97/19682号パンフレット、国際公開第97/20820号パンフレット、国際公開第97/20821号パンフレット、国際公開第97/20822号パンフレット、国際公開第97/20823号パンフレット、国際公開第98/24768号パンフレット;国際公開第98/25907号パンフレット;国際公開第98/25908号パンフレット;国際公開第98/27063号パンフレット、国際公開第98/47505号パンフレット;国際公開第98/40356号パンフレット;国際公開第99/15516号パンフレット;国際公開第99/27965号パンフレット;国際公開第00/64880号パンフレット、国際公開第00/68197号パンフレット、国際公開第00/69849号パンフレット、国際公開第01/09120号パンフレット、国際公開第01/14376号パンフレット;国際公開第01/85714号パンフレット、国際公開第01/85730号パンフレット、国際公開第01/07409号パンフレット、国際公開第01/02379号パンフレット、国際公開第01/02379号パンフレット、国際公開第01/23388号パンフレット、国際公開第01/23389号パンフレット、国際公開第01/44201号パンフレット、国際公開第01/62737号パンフレット、国際公開第01/62738号パンフレット、国際公開第01/09120号パンフレット、国際公開第02/22592号パンフレット、国際公開第0248152号パンフレットおよび国際公開第02/49648号パンフレット;国際公開第02/094825号パンフレット;国際公開第03/014083号パンフレット;国際公開第03/10191号パンフレット;国際公開第03/092889号パンフレット;国際公開第04/002986号パンフレットおよび国際公開第04/031175号パンフレットに開示されたもの;(9)メラニン濃縮ホルモン(MCH)受容体アンタゴニスト、例えば国際公開第01/21577号パンフレットおよび国際公開第01/21169号パンフレットに開示されたもの;(10)メラニン濃縮ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、例えばT−226296(Takeda)および国際公開第01/82925号パンフレット、国際公開第01/87834号パンフレット、国際公開第02/051809号パンフレット、国際公開第02/06245号パンフレット、国際公開第02/076929号パンフレット、国際公開第02/076947号パンフレット、国際公開第02/04433号パンフレット、国際公開第02/51809号パンフレット、国際公開第02/083134号パンフレット、国際公開第02/094799号パンフレット、国際公開第03/004027号パンフレットに開示されたもの;(11)メラニン濃縮ホルモン2受容体(MCH2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(12)オレキシン受容体アンタゴニスト、例えばSB−334867Aおよび本明細書の特許公開において開示されたもの;(13)セロトニン再吸収阻害剤、例えばフルオキセチン、パロキセチンおよびセルトラリン;(14)メラノコルチンアゴニスト、例えばメラノタンII;(15)Mc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えばCHIR86036(Chiron)、ME−1
0142およびME−10145(Melacure)、CHIR86036(Chiron);PT−141およびPT−14(Palatin);(16)5HT−2アゴニスト;(17)5HT2C(セロトニン受容体2C)アゴニスト、例えば、BVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065、および、米国特許第3,914,250号明細書および国際公開第02/36596号パンフレット、国際公開第02/48124号パンフレット、国際公開第02/10169号パンフレット、国際公開第01/66548号パンフレット、国際公開第02/44152号パンフレット、国際公開第02/51844号パンフレット、国際公開第02/40456号パンフレットおよび国際公開第02/40457号パンフレットに開示されたもの;(18)ガラニンアンタゴニスト;(19)CCKアゴニスト;(20)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えばAR−R15849、GI181771、JMV−180、A−71378、A−71623およびSR14613、および、米国特許第5,739,106号明細書に記載されたもの;(21)GLP−1アゴニスト;(22)コルチコトロピン放出ホルモンアゴニスト;(23)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレータ;(24)ヒスタミン受容体−3(H3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト、例えばヒオペラミド、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピルN−(4−ペンテニル)カルバメート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)およびO−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]−カルバメート;(25)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1阻害剤(β−HSD−1);(26)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、例えばテオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラムおよびシロミラスト;(27)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害剤;(28)NE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤、例えばGW320659、デシピラミン、タルスプラムおよびノミフェンシン;(29)グレリン受容体アンタゴニスト、例えば国際公開第01/87335号パンフレットおよび国際公開第02/08250号パンフレットに開示されたもの;(30)組換えヒトレプチン(PEG−OB、Hoffman La Roshe)および組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen)を含むレプチン;(31)レプチン誘導体;(32)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト、例えば[D−Phe6,beta−Ala11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)および[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド、および、Pept.Sci.2002 Aug;8(8):461−75に開示された化合物;(33)CNTF(毛様体神経栄養因子)、例えばGI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンジド、PD170,292およびPD149164(Pfizer);(34)CNTF誘導体、例えば、アキソキン(Regeneron);(35)モノアミン再吸収阻害剤、例えばシブトラミン;(36)UCP−1(非共役型タンパク質−1)、2または3アクチベーター、例えばフィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸;(37)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えばKB−2611(KaroBioBMS);(38)FAS(脂肪酸シンターゼ)阻害剤、例えばセルレニンおよびC75;(39)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤;(40)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤;(41)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤;(42)グルココルチコイドアンタゴニスト;(43)アシル−エストロゲン、例えば、del Mar−Grasa,M.et al.,Obesity Research,9:202−9(2001)に開示された、オレイル−エストロン;(44)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤、例えばイソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、NVP−DPP728、LAF237、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444、シタグリプチンおよび米国特許第6,699,871号明細書、国際公開第03/004498号パンフレット;国際公開第03/004496号パンフレット;欧州特許出願公開第1258476号明細書;国際公開第02/083128号パンフレット;国際公開第02/062764号パンフレット;国際公開第03/000250号パンフレット;国際公開第03/002530号パンフレット;国際公開第03/002531号パンフレット;国際公開第03/002553号パンフレット;国際公開第03/002593号パンフレット;国際公開第03/000180号パンフレットおよび国際公開第03/000181号パンフレットに開示された化合物;(46)ジカルボキシラーゼトランスポーター阻害剤;(47)グルコーストランスポーター阻害剤;(48)ホスファートトランスポーター阻害剤;(49)メトホルミン(グルコファージ(Glucophage)(登録商標));(50)トピラメート(トピマックス(Topimax)(登録商標));(50)ペプチドYY、PYY3−36、ペプチドYY類似体、誘導体およびフラグメント、例えばBIM−43073D、BIM−43004C(Olitvak,D.A.et al.,Dig.Dis.Sci.44(3):643−48(1999);(51)ニューロペプチドY2(NPY2)受容体アゴニスト、例えばNPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−Vおよびシクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPY;(52)ニューロペプチドY4(NPY4)アゴニスト、例えば膵臓ペプチド(PP)、および他のY4アゴニスト、例えば、1229U91;(54)シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、例えばエトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、BMS3347070、チラコキシブまたはJTE522、ABT963、CS502およびGW406381;(55)ニューロペプチドY1(NPY1)アンタゴニスト、例えばBIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A;(56)オピオイドアンタゴニスト、例えばナルメフェン(レベックス(Revex)(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン;(57)11βHSD−1(11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型)阻害剤、例えばBVT3498、BVT2733、および、国際公開第01/90091号パンフレット、国際公開第01/90090号パンフレット、国際公開第01/90092号パンフレット、米国特許第6,730,690号明細書および米国特許出願公開第2004−0133011号明細書に開示されたもの;(58)アミノレックス;(59)アンフェクロラール;(60)アンフェタミン;(61)ベンズフェタミン;(62)クロルフェンテルミン;(63)クロベンゾレックス;(64)クロフォレックス;(65)クロミノレックス;(66)クロルテルミン;(67)シクレキセドリン;(68)デクストロアンフェタミン;(69)ジフェメトキシジン、(70)N−エチルアンフェンタミン;(71)フェンブトラザート;(72)フェニソレックス;(73)フェンプロレックス;(74)フルドレックス;(75)フミノレックス;(76)フルフリルメチルアンフェタミン;(77)レバンフェタミン;(78)レボファセトペラン:(79)メフェノレックス;(80)メタンフェプラモン;(81)メタンフェタミン;(82)ノルプソイドエフェドリン;(83)ペントレックス;(84)フェンジメトラジン;(85)フェンメトラジン;(86)ピシロレックス;(87)フィトファーム57、および(88)ゾニサミド、(89)ニューロメジンUおよびその類似体もしくは誘導体、(90)オキシントモジュリンおよびその類似体もしくは誘導体、および、(91)ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト(NK−1アンタゴニスト)、例えば米国特許第5,162,339号明細書、米国特許第5,232,929号明細書、米国特許第5,242,930号明細書、米国特許第5,373,003号明細書、米国特許第5,387,595号明細書、米国特許第5,459,270号明細書、米国特許第5,494,926号明細書、米国特許第5,496,833号明細書および米国特許第5,637,699号明細書に開示された化合物が挙げられる。
【0054】
別の実施形態においては、主題化合物は、ノルエピネフリン再吸収阻害剤(第三級アミン三環系および第二級アミン三環系を含む)、選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリン再吸収阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、非定形抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5−HT
1Aアゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT
1A部分アゴニスト、およびコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストを包含する、抗抑うつ剤または抗不安剤と併用してもよい。具体的な薬剤としては、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミンおよびトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチンおよびプロトリプチリン;シタロプラム、ドロキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン;イソカルボキサミド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレギリン;モクロベミド:ベラファキシン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムおよびプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロンおよびイプサピロン、および薬学的に許容され得るそれらの塩が挙げられる。
【0055】
別の実施形態においては、主題化合物は、抗アルツハイマー薬;ベータセクレターゼ阻害剤;ガンマ−セクレターゼ阻害剤;成長ホルモン分泌促進物質;組換え成長ホルモン;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;イブプロフェンを含むNSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体;CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体インバースアゴニスト;ドキシサイクリンおよびリファンピシンなどの抗生物質;メマンチンなどのN−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト;コリンエステラーゼ阻害剤、例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジルおよびタクリン;成長ホルモン分泌促進物質、例えば、イブタモレン、メシル酸イブタモレンおよびカプロモレリン;ヒスタミンH
3アンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IV阻害剤;GABA
Aインバースアゴニストまたはニューロン性ニコチンアゴニストと併用してもよい。
【0056】
別の実施形態においては、主題化合物は、鎮静剤、催眠剤、不安緩和剤、抗精神病薬、抗不安剤、シクロピロロン、イミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン作動薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、5HT−2アンタゴニストなど、例えばアジナゾラム、アルバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスプリオン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼパート、クロレタート、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、エスタゾラム、エスクロリノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、マプロチチン、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、ミダフルル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポホール、プロトリプチリン、クアゼパム、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、テマゼパム、チオリダジン、トラカゾレート、トラニルシプロマイン、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾルピデムおよびそれらの塩、ならびにそれらの組合せなどと併用して投与してもよいし、または主題化合物を、光療法または電気刺激などの物理的方法の使用と併用して投与してもよい。
【0057】
別の実施形態においては、主題化合物は、レボドパ(カルビドパまたはベンセラジドなどの選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤を併用または併用せず)、抗コリン作動薬、例えばビペリデン(その塩酸塩または乳酸塩でもよい)およびトリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩、COMT阻害剤、例えばエンタカポン、MOA−B阻害剤、抗酸化剤、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニスト、およびドーパミン受容体アゴニスト、例えばアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールと併用してもよい。
【0058】
別の実施形態においては、主題化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボトバ、レボドパとベンセラジド併用、レボドパとカルビドパ併用、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセンまたはトリフルオペラジンと併用してもよい。
【0059】
別の実施形態においては、主題化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジンおよびインドロンクラスの神経弛緩薬からの化合物と併用してもよい。フェノチアジン類の好適例としては、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジンおよびトリフルオロペラジンが挙げられる。チオキサンテン類の好適例としては、クロロプロチキセンおよびチオチキセンが挙げられる。ジベンズアゼピンの一例は、クロザピンである。ブチロフェノンの一例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの一例は、ピモジドである。インドロンの一例は、モリンドロンである。他の神経弛緩薬としては、ロキサピン、スルプリドおよびリペリドンが挙げられる。
【0060】
別の実施形態においては、主題化合物は、ニコチンアゴニストまたはニコチン受容体部分アゴニスト、例えばバレニクリン、オピオイドアンタゴニスト(例えば、ナルトレキソン(ナルトレキソン・デポを含む)、アンタビュースおよびナルメフェン)、ドーパミン作動薬(例えば、アポモルフィン)、ADD/ADHD剤(例えば、塩酸メチルフェニデート(例えば、リタリン(Ritalin)(登録商標)およびコンセルタ(Concerta)(登録商標))、アトモキセチン(例えば、ストラテラ(Strattera)(登録商標))、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、アンフェタミン(例えば、アデラール(Adderall)(登録商標))、および抗肥満剤、例えばapo−B/MTP阻害剤、11ベータ−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1(11ベータ−HSD1型)阻害剤、ペプチドYY3−36またはその類似体、MCR−4アゴニスト、CCK−Aアゴニスト、モノアミン再吸収阻害剤、交感神経様作動薬、β3アドレナリン作動性受容体アゴニスト、ドーパミン受容体アゴニスト、色素細胞刺激ホルモン受容体類似体、5−HT2c受容体アゴニスト、メラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニスト、レプチン、レプチン類似体、レプチン受容体アゴニスト、ガラニン受容体アンタゴニスト、リパーゼ阻害剤、ボンベシン受容体アゴニスト、ニューロペプチド−Y受容体アンタゴニスト(例えば、NPY Y5受容体アンタゴニスト)、甲状腺ホルモン模倣剤、デヒドロエピアンドステロンまたはその類似体、グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、他のオレキシン受容体アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、毛様体神経栄養因子、ヒトアグーチ関連タンパク質アンタゴニスト、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニスト、およびニューロメジンU受容体アゴニスト、および薬学的に許容され得るそれらの塩と併用してもよい。
【0061】
別の実施形態においては、主題化合物は、食欲減退剤、例えば、アミノレックス、アンフェクロラール、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェタミン、クロベンゾレックス、クロフォレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デクスフェンフルラミン、デクストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラザート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フェンプロポレックス、フルドレックス、フルミノレックス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェプラモン、メタンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレックスおよびシブトラミン;選択的セロトニン再吸収阻害剤(SSRI);ハロゲン化アンフェタミン誘導体、例えばクロルフェンテルミン、クロフォレックス、クロルテルミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックス、およびシブトラミン、および薬学的に許容され得るそれらの塩と併用してもよい。
【0062】
別の実施形態においては、主題化合物は、アヘンアゴニスト、リポキシゲナーゼ阻害剤、例えば5−リポキシゲナーゼの阻害剤、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えばシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、インターロイキン阻害剤、例えばインターロイキン−1阻害剤、NMDAアンタゴニスト、酸化窒素の阻害剤または酸化窒素合成の阻害剤、非ステロイド性抗炎症剤またはサイトカイン抑制抗炎症剤、例えばアセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛剤、スフェンタニル、スリンダク、テニダップの化合物などと併用してもよい。同様に、主題化合物は、鎮痛剤;相乗剤、例えばカフェイン、H2−アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウム;うっ血除去剤、例えばフェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ−デスオキシ−エフェドリン;鎮咳剤、例えばコデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストラメトルファン;利尿剤および鎮静性または非鎮静性の抗ヒスタミン剤と共に投与してもよい。
【0063】
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内注射または注入、皮下注射またはインプラント)、吸入スプレー、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下または局所の投与経路により投与してよく、単独でまたは組み合わせて、通常の非毒性の薬学的に許容され得る担体、アジュバント、および各投与経路に適したビヒクルを含有する好適な投与単位製剤として製剤し得る。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどなどの温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトにおける使用に有効であり得る。
【0064】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、投与単位剤形で都合よく供されてよく、薬学の技術分野において周知の任意の方法で調製し得る。すべての方法は、活性成分を、1種以上の副成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般に、医薬組成物は、有効成分を、液体担体もしくは超微粒子状の固形担体またはその双方と均一かつ均質に会合させ、次いで、必要に応じて、生成物を所望の製剤に成型することにより調製される。医薬組成物においては、活性な目的化合物は、医薬組成物中に疾患のプロセスまたは症状に対し所望の効果を生じるのに充分な量で含まれる。本明細書で用いる場合、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、ならびに、特定の成分の特定の量の組合せから、直接または間接的に得られる任意の生成物を包含することを意図する。
【0065】
経口使用を意図した医薬組成物は、医薬組成物製造の技術分野において周知の任意の方法にしたがって調製してもよく、このような組成物は、薬剤としてエレガントで飲みやすい製剤を提供するため、甘味剤、着香剤、着色剤および保存剤からなる群より選択される1種以上の薬剤を含有してもよい。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容され得る賦形剤との混合物として含有する。これらの賦形剤は、例えば不活性な希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;造粒剤および崩壊剤、例えばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム、および滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクでよい。錠剤は、コーティングしていなくてもよく、または、公知の技術によってコーティングして、胃腸管内での崩壊および吸収を遅らせて、それにより長時間の持続作用を供するようにしてもよい。経口用の組成物はまた、活性成分が、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンなどの不活性な固形希釈剤と混合されたゼラチン硬カプセルとして、または、活性成分が水または油性媒体、例えばラッカセイ油、流動パラフィンまたはオリーブ油と混合されたゼラチン軟カプセルとして提供してもよい。水性懸濁液は、活性成分を、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物として含有する。油性懸濁液は、有効成分を、適当な油中に懸濁することにより製剤し得る。水中油型エマルジョンもまた使用してよい。水の添加により水性懸濁液を調製するのに適した分散性粉末および顆粒は、活性成分を分散または湿潤剤、懸濁化剤および1種以上の保存剤との混合物で提供する。本発明の医薬組成物は、無菌の注射用の水性または油性の懸濁液の形態でもよい。本発明の化合物はまた、直腸投与用の座剤の形態で投与してもよい。局所での使用には、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液などを使用し得る。本発明の化合物はまた、吸入による投与用に製剤してもよい。本発明の化合物はまた、当技術分野において公知の方法により、経皮パッチによって投与してもよい。
【0066】
本発明の化合物を調製するための数種の方法を以下のスキームおよび実施例において例示する。出発原料は、当技術分野において公知の方法により(例えば、国際公開第2001/68609号パンフレット、国際公開第2004/085403号パンフレット、国際公開第2005/118548号パンフレット、国際公開第2008/147518号パンフレット、国際公開第2009/143033号パンフレットおよび国際公開第2010/048012号パンフレット)、または本明細書に例示したように製造される。本明細書では、以下の略語が使用される:Me:メチル;Et:エチル;t−Bu:tert−ブチル;Ar:アリール;Ph:フェニル;Bn:ベンジル;Ac:アセチル;THF:テトラヒドロフラン;DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;NMM:N−メチルモルホリン;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド;HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;Et
3N:トリエチルアミン;DCM:ジクロロメタン;DCE:ジクロロエタン;BSA:ウシ血清アルブミン;TFA:トリフルオロ酢酸;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;MTBE:メチルtert−ブチルエーテル;SOCl
2:塩化チオニル;CDI:カルボニルジイミダゾール;PyClu:1−(クロロ−1−ピロリジニルメチレン)−ピロリジニウムヘキサフルオロホスファート;rt:室温;HPLC:高速液体クロマトグラフィー。本発明の化合物は、様々な様式で調製し得る。
【0067】
ある場合には、最終生成物を、例えば、置換基を操作することによりさらに修飾してもよい。これらの操作には、これに限定されないが、還元、酸化、アルキル化、アシル化および加水分解反応を包含してよく、これらの反応は当技術分野において周知である。ある場合には、上記の反応スキームを行なう順序を変更して、反応を促進するかまたは不要の反応生成物を避けるようにしてもよい。以下の実施例は、本発明をより充分に理解するために提供するものである。これらの実施例は、例示にすぎず、何ら本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0069】
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル
工程1:±トランス−6−メチルピペリジン−3−オールヒドロクロリド
6−メチルピリジン−3−オール(20.0g、0.183mol)のMeOH(200mL)中の溶液に、濃HCl(15.43mL、0.1850mol)およびPtO
2(2.40g、0.011mol)を加えた。得られた混合物を、50PSI下、70℃で一晩加熱した。反応物をsolka−flocでろ過してPtO
2を除去し、固体に濃縮した。さらなる精製せずに、粗固形物を回収した。
【0070】
工程2:±ベンジル トランス−5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート
±トランス−6−メチルピペリジン−3−オールヒドロクロリド(14.0g、0.092mol)のCH
2Cl
2(150mL)中の混合物を、0℃で冷却した。トリエチルアミン(51.5mL、0.369mol)をゆっくりと加えた。温度を20℃未満に維持しながら、CbzCl(13.59mL、0.092mol)を滴下した。反応物を一晩加温して室温にした。水を加えることによって反応をクエンチし、追加のCH
2Cl
2でさらに希釈した。層を分離し、有機物をMgSO
4で脱水し、濃縮した。シリカゲル勾配クロマトグラフィー(ヘキサン中0〜75%酢酸エチル)によって粗物質を精製して、標題化合物を油として得た。
【0071】
工程3:±ベンジル2−メチル−5−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
オキサリルクロリド(13.17mL、0.150mol)のCH
2Cl
2(250mL)中の−78℃の溶液に、DMSO(14.23mL、0.201mol)を滴下した。反応を−78℃で20分間熟成し、次いで±トランス−6−メチルピペリジン−3−オールヒドロクロリド(25.0g、0.100mol)を10分間かけて滴下し、さらに10分間熟成してから、トリエチルアミン(41.9mL、0.301mol)を−78℃で5分間かけて滴下した。反応物を室温に加温し、次いで、半飽和NaHCO
3水溶液および追加のCH
2Cl
2を加えてクエンチした。層を分離し、有機物をMgSO
4で脱水し、濃縮した。シリカゲル勾配クロマトグラフィー(ヘキサン中0〜50%酢酸エチル)によって粗物質を精製して、標題化合物を黄色の油として得た。
【0072】
工程4:±ベンジル−5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート
THF(200mL)およびMeOH(11mL)の溶液に、LiBH
4(2M、89mL、0.18mol)を加えた。いくらかのガス発生およびわずかな発熱が観察された。反応を室温で30分間熟成してから、アセトン:氷浴で−10℃に冷却した。次いで、温度を−5℃未満に維持しながら、±ベンジル2−メチル−5−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(22.0g、0.089mol)を滴下した。次いで、反応を−10℃で30分間熟成した。半飽和NaHCO
3水溶液を加えることによって反応をクエンチし、次いでEtOAcで抽出した。層を分離し、有機物をMgSO
4で乾燥した。有機物を濃縮して、標題化合物を無色の粗油として得た。
【0073】
工程5:ベンジル(2R,5S)−5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート
粗±ベンジル−5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレートをキラル分割(SFC、IC30x250mm、15%MeOH/CO
2、70ml/分、115mg/ml、MeOH中)して、標題化合物をエナンチオピュアな物質として得た。
【0074】
工程6:ベンジル(2R,5R)−2−メチル−5−{[(4−ニトロフェニル)カルボニル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシレート
ベンジル(2R,5S)−5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(34g、136mmol)のTHF(909ml)溶液に、4−(ジメチルアミノ)フェニルジフェニルホスフィン(58.3g、191mmol)および4−ニトロ安息香酸(29.6g、177mmol)をN
2下で加え、DEAD(30.0ml、191mmol)を−15〜−25℃で20分間かけて滴下した。反応物を一晩加温して室温(RT)にした。反応物を真空で濃縮してほとんどのTHFを除去し、次いでEt
2O(500mL)で希釈した。混合物を0℃で冷却し、1N HCl(5x200mL)で洗浄した。合わせた水層をEt
2Oで2回逆抽出した。続いて、合わせた有機層を1N HClで2回以上洗浄した。有機物をMgSO
4で脱水し、ろ過し、濃縮した。シリカゲル勾配クロマトグラフィー(ヘキサン中0〜40%酢酸エチル)によって粗物質を精製して、標題化合物を淡黄色の油として得、これはゆっくりと凝固した。LRMS m/z(M+H)399.3 観測値、399.1 理論値。
【0075】
工程7:ベンジル(2R,5R)−5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート
ベンジル(2R,5R)−2−メチル−5−{[(4−ニトロフェニル)カルボニル]オキシ}ピペリジン−1−カルボキシレート(54.3g、136mmol)のTHF(850mL)およびMeOH(138mL)中の溶液に、1N NaOH(204mL)および水(30mL)を加えた。この溶液を一晩撹拌し、次いで真空で濃縮した。残留物を最小限の食塩水および水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。有機物を食塩水で洗浄し、MgSO
4で脱水し、ろ過し、濃縮して、標題化合物を橙黄色の粗油として得、さらなる精製せずにこれを使用した。1H NMR(400 MHz,CDC1
3)δ 7.28−7.36(m,5H),5.14(d,J=3.5 Hz,2H),4.50(t,J=6.8 Hz),1H),4.09(d,J=8.8 Hz,1H),3.94(s,1H),3.09(dd,J=14.3,1.9 Hz,1H),2.06−2.15(m,1H),1.96(br s,1H),1.75−1.83(m,1H),1.66−1.72(m,1H),1.24−1.32(m,2H),1.16(d,J=7.0 Hz,2H)ppm.LRMS m/z(M+H)250.1 観測値、250.1 理論値。
【0076】
工程8:tert−ブチル(2R,5R)−5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート
ベンジル(2R,5R)−5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(34.76g、139mmol)、ジ−tertブチルジカーボネート(33.5g、153mmol)およびパラジウム(活性炭上、10重量%、1.0g)の脱気EtOAc(500mL)中の溶液を、水素ガス雰囲気下で一晩撹拌した。追加のパラジウム(0.2g)を加え、3.5時間撹拌し続けた。次いで、EtOAcで洗浄しながら、脱気した混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲル勾配クロマトグラフィー(ヘキサン中0〜75%酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を淡黄色の固形物として得た。1H NMR(400 MHz,CDCl
3)5 4.40(t,J=6.8 Hz,1H),3.86−4.05(m,2H),3.02(dd,J=14.2,1.8 Hz,1H),2.22(s,1H),2.01−2.13(m,1H),1.59−1.82(m,2H)ppm.LRMS m/z(M+H)216.3 観測値、216.2 理論値。
【0077】
工程9:tert−ブチル(2R,5R)−5−[(4−シアノピリジン−2−イル)オキシ]−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート
tert−ブチル(2R,5R)−5−ヒドロキシ−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(4.50g、22.9mmol)のDMSO(42mL)中の溶液をNaH(0.60g、25.1mmol)で少しずつ処理し、次いで15分間撹拌した。次いで、固体状の4−シアノ−2−フルオロピリジン(3.83g、31.4mmol)を加え、反応物を室温(RT)で一晩撹拌した。飽和NaHCO
3水溶液を加えることによって反応をクエンチし、次いで水でさらに希釈した。混合物をEtOAcで3回抽出した。
【0078】
有機物を食塩水で洗浄し、MgSO
4で脱水し、ろ過し、濃縮した。シリカゲル勾配クロマトグラフィー(ヘキサン中0〜25%酢酸エチル)によって粗物質を精製して、標題化合物を無色の油として得、これはすぐに凝固して白色の結晶を得た。1H NMR(400 MHz,CDC1
3)δ 8.27(d,J=5.2 Hz,1 H),7.05(dd,J=5.18,1.3 Hz,1 H),6.96(d,J=1.1 Hz,1 H),5.16(s,1 H),4.51(s,1 H),4.34(d,J=15.0 Hz,1 H),3.05−3.08(m,2H),2.07−2.20(m,1 H),1.89−1.95(m,2 H),1.35−1.38(m,2 H),1.30(s,9 H),1.19(d,J=7.2 Hz,3 H)ppm.LRMS m/z(M+H)318.4 観測値、318.2 理論値。
【0079】
工程10:2−{[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリルヒドロクロリド
tert−ブチル(2R,5R)−5−[(4−シアノピリジン−2−イル)オキシ]−2−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(5.42g、17.1mmol)のCH
2Cl
2(8mL)中の溶液を−78℃で冷却し、HCl(ジオキサン中4M、30mL、120mmol)で処理した。反応物を室温(RT)に加温した。40分後、反応物を真空で濃縮し、得られた残留物をEt
2O中で数時間スラリー化した。得られた混合物をろ過し、固形物をEt
2Oで洗浄して粗標題化合物を得、さらなる精製せずにこれを使用した。LRMS m/z(M+H)218.3 観測値、218.1 理論値。
【0080】
工程11:2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル
2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(2.46g、13.0mmol)(国際公開第2008/147518号パンフレット、国際公開第2009/143033号パンフレットおよび国際公開第2010/048012号パンフレットに記載されているように調製した)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(1.77g、13.0mmol)およびEDC(2.95g、15.4mmol)のDMF(20mL)中の溶液を、5分間撹拌した。2−{[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリルヒドロクロリド(3.0g、11.8mmol)のDMF(20mL)中の溶液およびヒューニッヒ塩基(6.20ml、35.5mmol)を付加ロートで素早く滴下した。反応物を室温(RT)で一晩撹拌し、次いで飽和NaHCO
3水溶液および水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機物を食塩水で洗浄し、MgSO
4で脱水し、ろ過し、濃縮した。シリカゲル勾配クロマトグラフィー(ヘキサン中0〜75%酢酸エチル)によって粗物質を精製して、標題化合物を白色の泡状物質として得た。HRMS m/z(M+H)389.1714 観測値、389.1721 理論値。
【0082】
2−({(3R,6R)−6−メチル−1−[(2−ピリミジン−2−イルフェニル)カルボニル]ピペリジン−3−イル}オキシ)ピリジン−4−カルボニトリル
2−{[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリルヒドロクロリド(410mg、1.62mmol)、2−(ピリミジン−2−イル)安息香酸(356mg、1.78mmol)(国際公開第2008/147518号パンフレット、国際公開第2009/143033号パンフレットおよび国際公開第2010/048012号パンフレットに記載されているように調製した)およびヒューニッヒ塩基(0.37ml、2.1mmol)のDMF(5.4mL)中の溶液を、2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスホリナン−2,4,6−トリオキシド(EtOAc中50%、1.92mL、3.23mmol)の溶液で30分間かけて少しずつ滴下して処理した。得られた溶液を室温(RT)で一晩撹拌し、次いで飽和NaHCO
3水溶液および水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。有機物を食塩水で洗浄し、MgSO
4で脱水し、ろ過し、濃縮した。シリカゲル勾配クロマトグラフィー(ヘキサン中0〜95%酢酸エチル)によって粗物質を精製して、標題化合物をオレンジ色の泡状物質として得た。逆相クロマトグラフィー(10〜90%MeCN水溶液、0.1%TFA)によってさらに精製して、白色の泡状物質を得た。HRMS m/z(M+H)400.1769 観測値、400.1768 理論値。
【0084】
2−{[(3R,6R)−6−メチル−1−{[2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)フェニル]カルボニル}ピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリル
2−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)安息香酸(226mg、1.11mmol)(国際公開第2008/147518号パンフレット、国際公開第2009/143033号パンフレットおよび国際公開第2010/048012号パンフレットに記載されているように調製した)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(201mg、1.47mmol)、EDC(283mg、1.47mmol)、2−{[(3R,6R)−6−メチルピペリジン−3−イル]オキシ}ピリジン−4−カルボニトリルヒドロクロリド(187mg、0.737mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.77mL、4.4mmol)のDMF(5.9mL)中の溶液を50℃で一晩撹拌し、次いで飽和NaHCO
3水溶液および水で希釈し、EtOAcで2回抽出した。有機物を食塩水で洗浄し、MgSO
4で脱水し、ろ過し、濃縮した。シリカゲル勾配クロマトグラフィー(ヘキサン中0〜45%酢酸エチル)によって粗物質を精製して、標題化合物を淡橙色の泡状物質として得た。HRMS m/z(M+H)404.1712 観測値、404.1717 理論値。
【0085】
表1
前記反応スキームおよび実施例に記載されているように、適切な酸を2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)安息香酸(工程6)に代える以外は、前記方法論および実施例1に記載されている一般的な手順を使用して、以下の化合物を調製した。必要な出発原料は市販のものか、文献に記載されているものか、または有機合成分野の当業者であれば過度な実験を伴わずに通常の反応を使用して市販の試薬から容易に合成されるものであった。
【表1】
【0090】
表2
前記反応スキームおよび実施例に記載されているように、適切な酸を2−(ピリミジン−2−イル)安息香酸(工程1)に代える以外は、前記方法論および実施例2に記載されている一般的な手順を使用して、以下の化合物を調製した。必要な出発原料は市販のものか、文献に記載されているものか、または有機合成分野の当業者であれば過度な実験を伴わずに通常の反応を使用して市販の試薬から容易に合成されるものであった。
【表2】
【0091】
表3
以下の表は、オレキシン受容体アンタゴニストとしての実施例の化合物について、前記アッセイ(ここで、hOX2 Kiは、試験化合物がヒトオレキシン−2受容体の作用を阻害する能力の尺度であり、hOX1Rは、試験化合物がラットオレキシン−1受容体の作用を阻害する能力の尺度である)によって測定した場合の代表データを示す。以下の表は、オレキシン受容体アンタゴニストとしての実施例の化合物について、本明細書のアッセイによって測定した場合の代表データを示す。
【化14】
【表3】
【0095】
国際公開第2010/048012号パンフレットに開示されているものなどの他のピペリジン化合物に対して、本発明化合物が、予想外の特性(例えば、オレキシン−1受容体と比べてオレキシン−2受容体に対して増加した選択性)を示すことが望ましいであろう。例えば、2−ピリジル−4−カルボニトリル環を有しない国際公開第2010/048012号パンフレットの特定化合物と比べて、実施例の化合物は、オレキシン−1受容体よりもオレキシン−2受容体に対してより大きな選択性を有する。
【0096】
例えば、以下の化合物が、国際公開第2010/048012号パンフレットに開示されている。
【化15】
【0097】
本明細書の代表的な化合物は、実施例1〜実施例9の化合物である。
【化16】
【0099】
本明細書のデータによって示されているように、本実施例の化合物は、オレキシン−1受容体よりもオレキシン−2受容体に対してより大きな機能選択性を提供する。全細胞FLIPR機能アッセイにおけるオレキシン−2受容体とオレキシン−1受容体との間の効力の差異は、in vivo有効性を決定するための強化された予測された値を提供する。オレキシン−2受容体に対する機能選択性の増加は、in vivoにおける二重受容体拮抗の可能性を減少させる。このようなより大きな機能選択性は、当技術分野において公知の他のオレキシン受容体アンタゴニストを上回る利益を提供し得る。
【0100】
本発明を、そのある特定の実施形態について説明および例示してきたが、当業者であれは、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、手順およびプロトコールについての様々な応用、変更、修正、置換、削除または付加が行なわれ得ることを理解するであろう。