(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
(ビタミンミネラル含有錠剤)
本発明のビタミンミネラル含有錠剤(以下、単に「錠剤」と称することがある)は、ビタミンCと、鉄と、を少なくとも含有し、必要に応じて、更にその他の成分を含有する。
本発明のビタミンミネラル含有錠剤は、温度60℃、相対湿度0%で3日間保存前の前記錠剤表面の色と、温度60℃、相対湿度0%で3日間保存後の前記錠剤表面の色との色差ΔEab*が12.0以下である。また、黒色斑点がないものである。
【0014】
<ビタミンC>
前記ビタミンCとしては、例えば、アスコルビン酸及びその誘導体又はこれらの塩などが挙げられる。
前記アスコルビン酸の塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸マグネシウムなどが挙げられる。
前記アスコルビン酸の誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸リン酸エステル等のアスコルビン酸のエステル体などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】
前記ビタミンCの原料の状態としては、特に制限はなく、前記ビタミンミネラル含有錠剤の製造方法や最終製品の形態等に応じて適宜選択することができ、例えば、顆粒状、粉末状、固形状、半固形状などが挙げられる。これらの中でも、粉末状、顆粒状が好ましく、顆粒状が特に好ましい。
【0016】
前記ビタミンCは、被覆(コーティング)されたものであることが、前記鉄と共に錠剤化した場合であっても、該鉄との直接的な接触を防ぐことができ、前記錠剤の褐変や黒色斑点の発生を抑制することができる点で好ましい。
前記ビタミンCの被覆に用いられる材料(以下、「被覆材料」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の増粘剤などが挙げられる。
【0017】
前記増粘剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デキストリン、グアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、プルラン等の多糖類;セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、デンプン、カルボキシメチルデンプン等のタンパク質;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム等のアルギン酸又はその塩;ゼラチン;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、エチレン・プロピレンブロックポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等の高分子化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】
また、前記ビタミンCは、前記増粘剤以外の成分で被覆されていてもよい。前記増粘剤以外の成分としては、例えば、炭酸カルシウム(貝殻未焼成カルシウム、珊瑚カルシウム、卵殻カルシウムなど)、炭酸カルシウムマグネシウム(ドロマイトなど)、リン酸カルシウム(フィッシュカルシウムなど)、酸化カルシウム(貝殻焼成カルシウムなど)等のカルシウム類;フラボノイド類(カテキン、アントシアニン、タンニンなど)、フェノール類(クロロゲン酸、エラグ酸、クルクミンなど)等のポリフェノール類;菜種や大豆、ひまわり、アブラ椰子等から抽出した植物性油脂などが挙げられる。
【0019】
これらの中でも、前記被覆されたビタミンCとしては、多糖類、セルロース誘導体、カルシウム類などで被覆されたビタミンCが好ましく、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、炭酸カルシウムなどで被覆されたビタミンCがより好ましい。
【0020】
なお、前記被覆されたビタミンCは、被覆層を有するビタミンCと称することがある。本発明において、前記被覆層としては、前記ビタミンCと前記鉄との物理的接触が緩和又は抑制でき、前記ビタミンミネラル含有錠剤表面の褐変及び黒色斑点を抑制できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
したがって、前記被覆層の被覆率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、該被覆層は、連続したもの(前記ビタミンCの全体が覆われているもの)であってもよく、不連続なもの(前記ビタミンCの一部が覆われているもの)であってもよい。また、前記被覆層の厚みとしても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、厚みが均一なものであってもよく、不均一なものであってもよい。
【0021】
前記被覆層を有するビタミンCにおいて、前記被覆材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ビタミンCに対して、0.5質量%〜5質量%が好ましく、1質量%〜3質量%がより好ましい。前記被覆層の含有量が、0.5質量%未満であると、前記ビタミンCの露出部が多すぎて、前記鉄と反応しやすくなるため、前記色差が得られないことがある。また、前記被覆材料の含有量が、5質量%を超えると、造粒及び/又は被覆時間が大幅に延び、製造面で不向きであること、造粒顆粒が大きくなりすぎることによる打錠不良が発生すること、錠剤質量が大きくなりすぎ、服用感が悪くなることなどがある。
【0022】
なお、前記被覆材料がカルシウム類である場合、該カルシウム類の含有量としては、前記ビタミンC1質量部に対して、0.5質量部〜5質量部が好ましく、1質量部〜4質量部がより好ましい。前記カルシウム類の含有量が、0.5質量部未満であると、前記ビタミンCの露出部が多すぎて、前記鉄と反応しやすくなるため、前記色差が得られないことがある。5質量部を超えると、造粒及び/又は被覆時間が大幅に延び、製造面で不向きであること、造粒顆粒が大きくなりすぎることによる打錠不良が発生すること、錠剤質量が大きくなりすぎ、服用感が悪くなることなどがある。
【0023】
前記ビタミンCは、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、ビタミンC含有顆粒−97、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム(いずれもBASFジャパン株式会社製)、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム(いずれも扶桑化学株式会社製)、などが挙げられる。これらは被覆されていないビタミンCである。
前記被覆されたビタミンCとしては、市販品を用いてもよく、後述する本発明のビタミンミネラル含有錠剤の製造方法の被覆工程で被覆されたビタミンCであってもよい。
前記被覆されたビタミンCの市販品としては、例えば、VC−80R(日油化学株式会社製)、VC−90R(日油化学株式会社製)、アスコルビン酸−95R(日油化学株式会社製)、ビタコートC−95、ビタコートC−70(いずれも横浜油脂株式会社製)などが挙げられる。
また、前記被覆されたビタミンCの市販品を、更に後述する本発明のビタミンミネラル含有錠剤の製造方法の被覆工程で被覆したものであってもよい。
【0024】
前記ビタミンミネラル含有錠剤におけるビタミンCの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1錠あたり、3質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
前記ビタミンCの含有量の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以下が、前記ビタミンミネラル含有錠剤中の鉄との配合バランス、打錠性などの点で好ましく、40質量%以下がより好ましい。
【0025】
<鉄>
前記鉄は、元素(Fe
0)の状態であってもよく、鉄カチオン(Fe
2+、Fe
3+)の状態であってもよく、鉄含有化合物の状態であってもよい。
前記鉄含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸アンモニウム第二鉄、塩化第二鉄、クエン酸第二鉄、リン酸第二鉄、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、硫酸第二鉄、アスコルビン酸第一鉄、カルボン酸第一鉄、クエン酸第一鉄、フマル酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、硫酸第一鉄、水酸化第二鉄、酸化第二鉄などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記鉄は、ピロリン酸第二鉄が、水への溶解性が高い、小児や高齢者への鉄補給剤としての使用実績があるなどの点で好ましい。
【0026】
前記鉄の原料の状態としては、特に制限はなく、加工工程や最終製品の形態等に応じて適宜選択することができ、例えば、顆粒状、粉末状、固形状、半固形状などが挙げられる。
【0027】
前記鉄は、被覆(コーティング)されたものであることが、前記ビタミンCと共に錠剤化した場合であっても、該ビタミンCとの直接的な接触を防ぐことができ、前記錠剤の褐変や黒色斑点の発生を抑制することができる点で好ましい。
前記鉄の被覆に用いられる材料(以下、「被覆材料」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の増粘剤などが挙げられる。前記増粘剤としては、前記ビタミンCと同様のものが好適に挙げられる。
【0028】
なお、前記被覆された鉄は、被覆層を有する鉄と称することがある。本発明において、前記被覆層としては、前記ビタミンCと前記鉄との物理的接触が緩和又は抑制でき、前記ビタミンミネラル含有錠剤表面の褐変及び黒色斑点を抑制できる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
したがって、前記被覆層の被覆率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、該被覆層が、連続したもの(前記鉄の全体が覆われているもの)であってもよく、不連続なもの(前記鉄の一部が覆われているもの)であってもよい。また、前記被覆層の厚みとしても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、厚みが均一なものであってもよく、不均一なものであってもよい。
【0029】
前記被覆層を有する鉄において、前記被覆材料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記鉄に対して、0.5質量%〜5質量%が好ましく、1質量%〜3質量%がより好ましい。前記被覆層の含有量が、0.5質量%未満であると、前記鉄の露出部が多すぎて、前記ビタミンCと反応しやすくなるため、前記色差が得られないことがある。また、前記被覆材料の含有量が、5質量%を超えると、造粒及び/又は被覆時間が大幅に延び、製造面で不向きであること、造粒顆粒が大きくなりすぎることによる打錠不良が発生すること、錠剤質量が大きくなりすぎ、服用感が悪くなることなどがある。
【0030】
前記鉄は、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えば、ピロリン酸第二鉄、グルコン酸第一鉄(いずれも富田製薬株式会社製)、硫酸第一鉄(古河ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。これらは被覆されていない鉄である。
前記被覆された鉄としては、市販品を用いてもよく、後述する本発明のビタミンミネラル含有錠剤の製造方法の被覆工程で被覆された鉄であってもよい。
前記被覆された鉄の市販品としては、例えば、サンアクティブFe−P80、サンアクティブFe−12(いずれも太陽化学株式会社製)、FP−80R(日油化学株式会社製)などが挙げられる。
また、前記被覆された鉄の市販品を、更に後述する本発明のビタミンミネラル含有錠剤の製造方法の被覆工程で被覆したものであってもよい。
【0031】
前記ビタミンミネラル含有錠剤における前記鉄の含有量としては、1錠あたり、1質量%以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましい。
前記鉄の含有量の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以下が、前記ビタミンミネラル含有錠剤中のビタミンCとの配合バランス、打錠性などの点で好ましく、40質量%以下がより好ましい。
【0032】
ここで、前記ビタミンミネラル含有錠剤における、前記鉄と前記ビタミンCとの質量比(ビタミンC/鉄)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜30が好ましく、0.5〜15がより好ましい。前記質量比が、0.1未満であると、ビタミンCの含有量が少なすぎて、ビタミンミネラル含有錠剤中にビタミンCを均一に配合できないことがあり、30を超えると、錠剤質量が大きくなりすぎ、服用感が悪くなることがある。
【0033】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ビタミンC以外のビタミン類、前記鉄以外のミネラル、アミノ酸、機能性成分、各種ポリフェノール類、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤、結合剤、固着剤、着色剤、pH調整剤、緩衝剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0034】
前記ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ヘスペリジン、イノシトールなどが挙げられる。
前記ミネラルとしては、例えば、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、マンガン、銅、セレン、クロム、モリブデンなどが挙げられる。
前記機能性成分としては、例えば、コエンザイムQ10、α−リポ酸、L−カルニチンなどが挙げられる。
前記滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、タルク、微粒二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、植物油脂、硬化油などが挙げられる。
前記賦形剤としては、乳糖、ビール酵母、デキストリン、コーンスターチなどのデンプンなどが挙げられる。
前記結合剤としては、結晶セルロース、結晶セルロース・微粒酸化ケイ素、セルロース誘導体、糖アルコール、還元麦芽糖水あめなどが挙げられる。
前記着色剤としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄などが挙げられる。
前記pH調整剤及び前記緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
前記その他の成分の含有量としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0036】
前記ビタミンミネラル含有錠剤の1錠の質量としては、特に制限はなく、配合する成分の数などに応じて適宜選択することができるが、150mg〜460mgが好ましく、200mg〜400mgがより好ましい。前記質量が、150mg未満であると、一日目安粒数が多くなり服用性が劣ることや、錠剤の取扱い性に劣ることがあり、460mgを超えると、錠剤が大きすぎて摂取しにくいことがある。
【0037】
前記ビタミンミネラル含有錠剤の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、丸錠、三角錠、その他の異形錠などが挙げられる。
前記ビタミンミネラル含有錠剤の平均直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、服用のしやすさの点で、6mm〜18mmが好ましく、7mm〜10mmがより好ましい。
前記ビタミンミネラル含有錠剤の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、服用のしやすさの点で、2mm〜7mmが好ましく、3mm〜6mmがより好ましい。
【0038】
<錠剤物性>
前記ビタミンミネラル含有錠剤の錠剤表面の色は、温度60℃、相対湿度0%で3日間保存前の前記錠剤表面の色(イニシャルの色)と、温度60℃、相対湿度0%で3日間保存後の前記錠剤表面の色との色差ΔEab*が12.0以下であるが、前記ΔEab*が、10.0以下が好ましく、8.5以下が特に好ましい。前記ΔEab*が、12.0を超えると、成分の効力が低下することや、錠剤が褐変し商品外観を損なうことなどがある。一方、前記色差ΔEab*が、12.0以下の範囲内であると、褐変により外観を損なうことがない点で有利である。
なお、色差ΔEab*=0は、温度60℃、相対湿度0%で3日間保存前の前記錠剤表面の色と、温度60℃、相対湿度0%で3日間保存後の前記錠剤表面の色とで差がないことを示すため、前記色差ΔEab*は、その値が低いほどよく、下限値に意味はない。
前記ΔEab*は、例えば、分光測色計(例えば、CM−5、コニカミノルタホールディングス社製など)、分光式色差計(例えば、SE−2000、日本電色工業株式会社製など)などで測定することができる。
【0039】
また、前記ビタミンミネラル含有錠剤は、褐変が発生しないだけでなく、従来、錠剤に加工するために、圧縮成形されることにより、微小な環境下でビタミンCと鉄とが強制的に接触させられ、該ビタミンCと該鉄とが化学的相互作用することにより生じていた錠剤表面の黒色斑点を有さないものであり、温度60℃、相対湿度0%で3日間保存後であっても黒色斑点が発生しない。前記錠剤が、黒色斑点を有するか否かは、目視して判断することができる。
【0040】
前記ビタミンミネラル含有錠剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の錠剤の成形方法(打錠法)を用いることができるが、前記被覆された鉄含有顆粒(コーティング鉄含有顆粒)と、前記被覆されたビタミンC含有顆粒(コーティングビタミンC含有顆粒)とを打錠してなることが好ましく、後述する本発明のビタミンミネラル含有錠剤の製造方法により製造されることが、錠剤の褐変や黒色斑点の発生の抑制の点で、特に好ましい。
【0041】
(ビタミンミネラル含有錠剤の製造方法)
本発明のビタミンミネラル含有錠剤の製造方法は、造粒工程と、被覆工程(コーティング工程)と、混合物調製工程と、打錠工程と、を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の工程を含む。
【0042】
<造粒工程>
前記造粒工程は、ビタミンC及び鉄をそれぞれ造粒する工程である。
前記ビタミンC及び前記鉄は、本発明の前記ビタミンミネラル含有錠剤で説明したものを好適に用いることができる。
【0043】
前記造粒の方法としては、前記ビタミンC又は前記鉄が造粒され得る限り、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法を適宜選択することができるが、前記ビタミンC又は前記鉄、更に必要に応じて、その他の成分(以下、これらを合せて「造粒用末」と称することがある)を練合、捏和、及び/又は攪拌し、適宜選択した増粘剤を噴霧する方法などが挙げられる。
【0044】
前記増粘剤は、噴霧するために、溶解液乃至分散液とすることが好ましい。
前記増粘剤を溶解乃至分散するために用いる溶媒としては、特に制限はなく、使用する増粘剤の種類などに応じて適宜選択することができるが、例えば、水、エタノールなどが挙げられる。
【0045】
前記増粘剤の溶解液乃至分散液の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mPa・s〜55mPa・sが好ましく、10mPa・s〜50mPa・sがより好ましい。前記増粘剤の粘度が、5mPa・s未満であると、前記造粒用末に該増粘剤が付着しにくく、前記造粒用末を被覆できないことや、噴霧時間を長くする必要があり製造効率が悪くなることがあり、55mPa・sを超えると、粘度が高くなり送液ポンプで送液できないほどの粘度を示すことがある。
【0046】
前記増粘剤の溶解液乃至分散液中の該増粘剤の濃度(固形分濃度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記増粘剤の溶解液乃至分散液の噴霧量としては、特に制限はなく、前記粘度や濃度などに応じて適宜選択することができるが、前記造粒用末100質量部に対して、0.5質量部〜5質量部が好ましく、1質量部〜3質量部がより好ましい。前記噴霧量が、0.5質量部未満であると、前記造粒物の露出部が大きすぎて、前記鉄や前記ビタミンCと反応しやすくなるため、前記色差が得られないことがあり、5質量部を超えると、造粒及び/又は被覆時間が大幅に延び、製造面で不向きであること、造粒顆粒が大きくなりすぎることによる打錠不良が発生すること、錠剤質量が大きくなりすぎ、服用感が悪くなることなどがある。
【0047】
前記増粘剤の噴霧の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、使用する造粒装置に設けられた噴霧手段、例えば、スプレーガン、噴霧ノズル等から噴霧する方法などが好適に挙げられる。
なお、このとき、前記噴霧の条件としては、特に制限はなく、公知の条件を採用することができ、目的に応じてその噴霧量、噴霧する霧粒子(ミスト)の大きさ、噴霧時間、噴霧間隔などを適宜選択することができる。
【0048】
前記造粒装置としては、特に制限はなく、公知の造粒装置の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、転動流動コーティング装置(例えば、転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製など)、遠心流動型コーティング造粒装置(例えば、グラニュレックス(フロイント産業株式会社製など)、複合型造粒コーティング装置(例えば、スパイラフロー(フロイント産業株式会社製など)、流動層造粒乾燥装置(例えば、GPCG/WSG−CTシリーズ(株式会社パウレック製)、フローコーター(フロイント産業株式会社製など)、微粒子コーティング・造粒装置−SFPシリーズ(株式会社パウレック製)、微粒子コーティング装置GPCG−SCPシリーズ(株式会社パウレック製)、撹拌混合造粒装置(例えば、バーチカルグラニュレーター、株式会社パウレック製)などが好適に挙げられる。これらの中でも、転動流動コーティング装置及び/又は流動層造粒乾燥装置が好ましい。
【0049】
前記造粒工程の給気温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜100℃が好ましく、65℃〜90℃がより好ましい。前記給気温度が、50℃未満であると、前記造粒工程中の顆粒の乾燥効率が悪く、該顆粒が濡れすぎて造粒が進みすぎる(顆粒が大きくなりすぎる)ことや、ブロッキングが発生することなどがあり、100℃を超えると、前記ビタミンミネラル含有錠剤中の各種成分の安定性を損ねること、造粒用末が焦げることなどがある。
【0050】
前記造粒工程の排気温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20℃〜45℃が好ましく、25℃以上35℃未満がより好ましい。前記排気温度が、20℃未満であると、前記造粒工程中の顆粒の乾燥効率が悪く、該顆粒が濡れすぎて造粒が進みすぎることや、ブロッキングが発生することなどがあり、45℃を超えると、造粒が進まずに目的とする粒子径の顆粒が得られないことがある。
【0051】
前記造粒工程の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15分間〜50分間が好ましく、20分間〜40分間がより好ましい。前記造粒工程の時間が、15分間未満であると、造粒が不十分で目的とする粒子径の顆粒を得ることができないことがあり、50分間を超えると、顆粒が目的とする粒子径よりも大きくなることがある。
【0052】
前記顆粒のメジアン径(d50)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm〜700μmが好ましく、300μm〜500μmがより好ましい。前記メジアン径(d50)が、100μm未満であると、後の被覆工程において均一に被覆できないことや、打錠工程において凝集が発生し、製造効率が悪くなることがあり、700μmを超えると、打錠工程において偏析が生じること、前記ビタミンミネラル含有錠剤中の各成分が不均一な状態になること、製剤化した後の服用感が悪くなることなどがある。
前記メジアン径(d50)は、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置 マイクロトラックMT3000II(日機装株式会社製)により測定することができる。
【0053】
ここで、前記造粒工程では、前記被覆工程の前に、所望の粒子径で顆粒の成長を止めることが好ましい。なお、前記造粒物を所望の粒子径とするためには、給気温度、排気温度、時間、増粘剤の噴霧量などにより調整することができ、特に排気温度を、後述する被覆工程の好ましい排気温度に設定することで、好適に顆粒の成長を所望の粒子径で止めることができる。
【0054】
<被覆工程>
前記被覆工程は、前記造粒したビタミンC及び前記造粒した鉄をそれぞれ被覆(コーティング)する工程である。
前記被覆する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、適宜選択した増粘剤を噴霧する方法などが挙げられ、該噴霧の方法としては、前記造粒工程と同様の方法を用いることができる。前記増粘剤は、前記造粒工程と同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
前記被覆工程は、前記造粒工程と連続して行われてもよく、別々に行われてもよいが、連続して行われることが、製造効率がよく操作が簡便である点で好ましい。
【0055】
前記被覆工程の給気温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、55℃〜100℃が好ましく、65℃〜90℃がより好ましい。前記給気温度が、55℃未満であると、前記造粒工程で得られた顆粒を被覆することができず、造粒のみが進行することがあり、100℃を超えると、過乾燥状態となり、前記顆粒を被覆できないことがある。
【0056】
前記被覆工程の排気温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30℃〜45℃が好ましく、35℃〜40℃がより好ましい。前記排気温度が、30℃未満であると、前記造粒工程で得られた顆粒を被覆することができず、造粒のみが進行することがあり、45℃を超えると、過乾燥状態となり、前記顆粒を被覆できないことがある。
【0057】
前記被覆工程の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15分間〜60分間が好ましく、25分間〜50分間がより好ましい。前記被覆工程の時間が15分間未満であると、前記顆粒の被覆が不十分となり、該顆粒の露出部が多くなることがある。また、前記被覆工程の時間が60分間を超えると、被覆時間が大幅に延びるため製造効率が悪くなること、被覆した顆粒が大きくなりすぎること、該大きくなりすぎた顆粒により、後の打錠工程において打錠不良が発生すること、錠剤質量が大きくなりすぎ、服用感が悪くなることなどがある。
【0058】
前記増粘剤の噴霧量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記顆粒100質量部対して、0.3質量部〜5質量部が好ましく、1質量部〜3質量部がより好ましい。前記噴霧量が0.3質量部未満であると、前記顆粒の被覆が不十分となり、該顆粒の露出部が多くなることがある。また、前記噴霧量が5質量部を超えると、被覆時間が大幅に延び、製造効率が悪くなること、被覆した顆粒が大きくなりすぎること、該大きくなりすぎた顆粒により、後の打錠工程において打錠不良が発生することなどがある。
【0059】
前記被覆工程により、前記造粒物(顆粒)が被覆されたことは、例えば、電子顕微鏡観察により確認することができる。
【0060】
<混合物調製工程>
前記混合物調製工程は、前記被覆されたビタミンC及び前記被覆された鉄を混合して混合物を調製する工程である。
前記混合する方法としては、特に制限はなく、常法により混合することができる。前記混合には、装置を用いることができ、該装置としては、例えば、コンテナタンブラー(山崎金属産業株式会社製)、V型混合機(株式会社徳寿工作所製)、ボーレコンテナミキサー(寿工業株式会社製)などが挙げられる。
【0061】
<打錠工程>
前記打錠工程は、前記混合物を打錠する工程である。
前記打錠工程における充填加圧時の圧力(打錠圧)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、6kg/cm
2〜20kg/cm
2が好ましく、12kg/cm
2〜16kg/cm
2がより好ましい。前記圧力が、6kg/cm
2未満であると、十分な硬度が得られず錠剤がもろくなることや、スティッキングが発生することがあり、20kg/cm
2を超えると、キャッピングが発生することがある。一方、前記圧力が、前記より好ましい範囲であると、十分な硬度の錠剤が得られ、スティッキングやキャッピングの発生を抑制できるなど、打錠障害を抑制することができる点で有利である。
【0062】
前記打錠成形に用いる装置としては、例えば、打錠機(例えば、HT−APSS型、HT−AP−MS型、HT−X−SS型、HT−X−MS型(以上、株式会社畑鉄工所製);VIRGO、AQUARIUS、LIBRA(以上、株式会社菊水製作所製))などが挙げられる。
【0063】
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕工程、乾燥工程、整粒工程などが挙げられる。
【0064】
<<粉砕工程>>
前記粉砕工程は、前記造粒工程の前に、造粒物である顆粒の粒子径が大きくなりすぎないようコントロールするため、事前に粉砕する工程である。
前記粉砕する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕式造粒機(パワーミル、株式会社ダルトン製)などが挙げられる。
【0065】
<<乾燥工程>>
前記乾燥工程は、前記被覆工程後の被覆されたビタミンC又は被覆された鉄を乾燥させる工程である。前記乾燥工程を経ることにより、後に行われる前記混合物調製工程や、前記打錠工程において、取り扱い性がよくなる点で有利である。
前記乾燥させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、風乾する方法、加熱乾燥法などが挙げられる。
【0066】
<<整粒工程>>
前記整粒工程は、前記被覆工程後の被覆されたビタミンCからなる顆粒又は被覆された鉄からなる顆粒を整粒し、均一な粒子径とする工程である。これにより、前記打錠工程において、取り扱い性がよくなる点で有利である。
前記整粒する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、所望の目開きを有する篩を用いる方法などが挙げられる。
【実施例】
【0067】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0068】
(調製例A−1:造粒用噴霧液の調製)
増粘剤としてのヒドロキシプロピルセルロース(セルニー、日本曹達株式会社製)の5.0質量%水溶液を調製し、これを造粒用噴霧液とした。
【0069】
(調製例B−1:コーティングビタミンC含有顆粒1の調製)
<造粒工程>
造粒用末としてのビタミンC(ビタミンC含有顆粒−97、BASFジャパン株式会社製;ビタミンC含有量:97質量%)1.0質量部を、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)に入れ、調製例A−1の造粒用噴霧液を、下記造粒条件で均一に散布しながら造粒加工し、ビタミンC含有顆粒を調製した。
[造粒条件]
・給気温度:70℃
・噴霧速度:2.5mL/分間
・合計噴霧時間:30分間
【0070】
前記ビタミンC含有顆粒は、前記造粒工程により、前記造粒用噴霧液を20分間〜30分間噴霧する間に粒子径の成長が認められた。
【0071】
<被覆工程>
前記造粒工程終了後、続けて、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)内を下記被覆条件とし、前記ビタミンC含有顆粒に前記造粒用噴霧液を均一に散布しながら被覆して、ヒドロキシプロピルセルロースで被覆されたコーティングビタミンC含有顆粒1を調製した。
[被覆条件]
・給気温度:85℃
・噴霧速度:2.5mL/分間
・合計噴霧時間:40分間
【0072】
前記造粒工程の後、前記被覆工程により排気温度を40℃に上昇させることで、前記ビタミンC含有顆粒の成長が停止した。次いで排気温度35℃にて10分間〜40分間、調製例1の造粒用噴霧液を噴霧する間に、該ビタミンC含有顆粒の表面が、ヒドロキシプロピルセルロースにより被覆され、コーティングビタミンC含有顆粒1が得られた。
得られたコーティングビタミンC含有顆粒1におけるビタミンCの含有量(純分換算)は、95質量%であった。
【0073】
<乾燥工程、整粒工程>
次に、得られたコーティングビタミンC含有顆粒を、水分量が2質量%以下になるまで90℃にて乾燥し、目開きが1.00mmの篩を用いて整粒を行った。
【0074】
(調製例B−2:コーティングビタミンC含有顆粒2の調製)
調製例B−1において、被覆工程を行わず、造粒工程を以下に示す方法に変えたこと以外は、調製例B−1と同様の方法で、コーティングビタミンC含有顆粒2を得た。
【0075】
<造粒工程>
−ビタミンC含有造粒用末の調製−
下記組成及び配合量のビタミンC含有造粒用末を調製した。
[ビタミンC含有造粒用末]
・ビタミンC 1質量部
(ビタミンC含有顆粒−97、BASFジャパン株式会社製;ビタミンC含有量:97質量%)
・カルシウム 3質量部
(貝殻末焼成カルシウム、株式会社エヌシーコーポレーション製)
・デキストリン 0.3質量部
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
【0076】
前記ビタミンC含有造粒用末を、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)に入れ、下記造粒条件で均一に散布しながら造粒加工し、貝殻末焼成カルシウムで被覆されたコーティングビタミンC含有顆粒2を調製した。
得られたコーティングビタミンC含有顆粒2におけるビタミンCの含有量(純分換算)は、22.5質量%であった。なお、コーティングビタミンC含有顆粒2は、貝殻末焼成カルシウムで被覆されたものであり、下記造粒条件では、ヒドロキシプロピルセルロースで被覆されることはなかった。
[造粒条件]
・給気温度:60℃
・排気温度:0分間〜30分間:26℃〜35℃
・噴霧速度:5.0mL/分間
・合計噴霧時間:30分間
【0077】
(調製例B−3:ビタミンC含有顆粒1の調製)
調製例B−1において、被覆工程を行わず、造粒工程を以下の方法に変えたこと以外は、調製例B−1と同様の方法で、コーティングされていないビタミンC含有顆粒1を得た。
【0078】
<造粒工程>
造粒用末としてのビタミンC(ビタミンC含有顆粒−97、BASFジャパン株式会社製;ビタミンC含有量:97質量%)1.0質量部を、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)に入れ、調製例A−1の造粒用噴霧液を、下記造粒条件で均一に散布しながら造粒加工し、ビタミンC含有顆粒1を調製した。
得られたビタミンC含有顆粒1におけるビタミンCの含有量(純分換算)は、95質量%であった。なお、下記造粒条件では、ビタミンCがヒドロキシプロピルセルロースで被覆されることはなかった。
[造粒条件]
・給気温度:60℃
・排気温度:0分間〜30分間:26℃〜35℃
・噴霧速度:5.0mL/分間
・合計噴霧時間:30分間
【0079】
(調製例C−1:コーティング鉄含有顆粒1の調製)
<造粒工程>
−鉄含有造粒用末の調製−
下記組成及び配合量の鉄含有造粒用末を調製した。
[鉄含有造粒用末]
・鉄 1質量部
(ピロリン酸第二鉄、富田製薬株式会社製;鉄含有量:25質量%)
・デキストリン 0.7質量部
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
【0080】
前記鉄含有造粒用末を、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)に入れ、調製例A−1の造粒用噴霧液を、下記造粒条件で均一に散布しながら造粒加工し、鉄含有顆粒を調製した。
[造粒条件]
・給気温度:70℃
・噴霧速度:2.5mL/分間
・合計噴霧時間:30分間
【0081】
前記ビタミンC含有顆粒は、前記造粒工程により、前記造粒用噴霧液を20分間〜30分間噴霧する間に粒子径が成長した。
【0082】
<被覆工程>
前記造粒工程終了後、続けて、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)内を下記被覆条件とし、前記、鉄含有顆粒に前記造粒用噴霧液を均一に散布しながら被覆して、ヒドロキシプロピルセルロースで被覆されたコーティング鉄含有顆粒1を調製した。
[被覆条件]
・給気温度:85℃
・噴霧速度:2.5mL/分間
・合計噴霧時間:40分間
【0083】
前記造粒工程の後、前記被覆工程により排気温度を40℃に上昇させることで、前記鉄含有顆粒の成長が停止した。次いで排気温度35℃にて10分間〜40分間噴霧する間に、該鉄含有顆粒の表面が、ヒドロキシプロピルセルロースにより被覆され、コーティング鉄含有顆粒1が得られた。
得られたコーティング鉄含有顆粒1における鉄の含有量(純分換算)は、14.5質量%であった。
【0084】
<乾燥工程、整粒工程>
得られたコーティング鉄含有顆粒を、水分量が2質量%以下になるまで90℃にて乾燥し、目開きが1.00mmの篩を用いて整粒を行った。
【0085】
(調製例C−2:コーティング鉄含有顆粒2の調製)
調製例C−1において、被覆工程を行わず、造粒工程を以下の方法に変えたこと以外は、調製例C−1と同様の方法で、調製例C−2のコーティング鉄含有顆粒2を得た。
【0086】
<造粒工程>
造粒用末としての鉄(サンアクティブFe−P80、太陽化学株式会社製;鉄含有量:7.6質量%)1.0質量部を、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)に入れ、調製例A−1の造粒用噴霧液を、下記造粒条件で均一に散布しながら造粒加工し、コーティング鉄含有顆粒2を調製した。
得られたコーティング鉄含有顆粒2における鉄の含有量(純分換算)は、7.5質量%であった。なお、下記造粒条件では、ヒドロキシプロピルセルロースで被覆されることはなかった。
[造粒条件]
・給気温度:60℃
・排気温度:0分間〜30分間:26℃〜35℃
・噴霧速度:5.1mL/分間
・合計噴霧時間:30分間
【0087】
(調製例C−3:コーティング鉄含有顆粒3の調製)
調製例C−1において、被覆工程を行わず、造粒工程を以下の方法に変えたこと以外は、調製例C−1と同様の方法で、調製例C−3のコーティング鉄含有顆粒3を得た。
【0088】
<造粒工程>
造粒用末としての鉄(FP−80R、日油化学株式会社製;鉄含有量:19.7質量%)1.0質量部を、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)に入れ、調製例A−1の造粒用噴霧液を、下記造粒条件で均一に散布しながら造粒加工し、コーティング鉄含有顆粒3を調製した。
得られたコーティング鉄含有顆粒3における鉄の含有量(純分換算)は、19.3質量%であった。なお、下記造粒条件では、ヒドロキシプロピルセルロースで被覆されることはなかった。
【0089】
(調製例C−4:鉄含有顆粒1の調製)
調製例C−1において、被覆工程を行わず、造粒工程を以下の方法に変えたこと以外は、調製例C−1と同様の方法で、コーティングされていない鉄含有顆粒1を得た。
【0090】
<造粒工程>
−鉄含有造粒用末の調製−
下記組成及び配合量の鉄含有造粒用末を調製した。
[鉄含有造粒用末]
・鉄 1質量部
(ピロリン酸第二鉄、富田製薬株式会社製;鉄含有量:25質量%)
・デキストリン 0.7質量部
(パインデックス(登録商標)#100、松谷化学株式会社製)
【0091】
前記鉄含有造粒用末を、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置−MP−01、株式会社パウレック製)に入れ、調製例A−1の造粒用噴霧液を、下記造粒条件で均一に散布しながら造粒加工し、鉄含有顆粒1を調製した。
得られた鉄含有顆粒1における鉄の含有量(純分換算)は、14.5質量%であった。なお、下記造粒条件では、ヒドロキシプロピルセルロースで被覆されることはなかった。
[造粒条件]
・給気温度:60℃
・排気温度:0分間〜30分間:26℃〜35℃
・噴霧速度:5.0mL/分間
・合計噴霧時間:30分間
【0092】
<増粘剤による被覆の確認>
調製例B−1の原料として用いたビタミンC(ビタミンC含有顆粒−97)及びコーティングビタミンC含有顆粒1(調製例B−1)、並びに、調製例C−1で原料とて用いた鉄含有造粒用末及びコーティング鉄含有顆粒1(調製例C−1)の外観を、それぞれ電子顕微鏡(日立卓上顕微鏡Miniscope TM3000、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)で観察して被覆工程前後の状態を比較し、コーティングビタミンC含有顆粒1及びコーティング鉄含有顆粒1が、それぞれ増粘剤で被覆されていることを確認した。
また、レーザー回折・散乱式 粒子径・粒度分布測定装置(マイクロトラックMT3000II、日機装株式会社製)により、それぞれのメジアン径(d50)を測定したところ、ビタミンC(ビタミンC含有顆粒−97)のメジアン径(d50)は300μm〜500μmの範囲であり、コーティングビタミンC含有顆粒1のメジアン径(d50)は400μm〜600μmであった。また、鉄含有造粒用末のメジアン径(d50)は300μm〜500μmでありコーティング鉄含有顆粒1のメジアン径(d50)は400μm〜600μmであった。
【0093】
(実施例1〜4、比較例1〜2)
<混合物調製工程>
下記表1に示す組成及び配合量で、コーティング又は未コーティングのビタミンC含有顆粒と、コーティング又は未コーティングの鉄含有顆粒とを混合し、更に、ビタミンB
2(リボフラビン、BASFジャパン株式会社製)0.3質量部及びビタミンB
12・1,000倍散(オルガノ株式会社製)1.2質量部を加えて混合し、混合物(打錠末)を調製した。なお、下記表1の含有量は、ビタミンC又は鉄の純分換算した値を示す。
【0094】
<打錠工程>
打錠機(HT−AP12SS−U、株式会社畑鉄工所製)を用い、常法により前記打錠末を15kg/cm
2の圧力で充填加圧して打錠加工し、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、360mg/錠の丸錠である実施例1〜4及び比較例1〜2のビタミンミネラル含有錠剤を得た。
【0095】
(比較例3〜5)
<混合物調製工程>
下記表1に示す組成及び配合量で、ビタミンC粉末(ビタミンC含有顆粒−97、BASFジャパン株式会社製;ビタミンC含有量:97質量%)と、各種鉄含有粉末〔(ピロリン酸第二鉄、富田製薬株式会社製;鉄含有量:25質量%)、(サンアクティブFe−P80、太陽化学株式会社製;鉄含有量:7.6質量%)、又は(FP−80R、日油化学株式会社製;鉄含有量:19.7質量%)〕とを混合し、更に、ビタミンB
2(リボフラビン、BASFジャパン株式会社製)0.3質量部及びビタミンB
12・1,000倍散(オルガノ株式会社製)1.2質量部を加えて混合し、混合物(打錠末)を調製した。なお、下記表1の含有量は、ビタミンC又は鉄の純分換算した値を示す。
【0096】
<打錠工程>
打錠機(HT−AP12SS−U、株式会社畑鉄工所製)を用い、常法により前記打錠末を15kg/cm
2の圧力で充填加圧して打錠加工し、直径9mm、曲率半径(R)7.5mm、360mg/錠の丸錠である比較例3〜5のビタミンミネラル含有錠剤を得た。
【0097】
(比較例6〜8)
<混合物調製工程>
下記表1に示す組成及び配合量で、ビタミンC粉末(ビタミンC含有顆粒−97、BASFジャパン株式会社製;ビタミンC含有量:97質量%)と、各種鉄含有粉末〔(ピロリン酸第二鉄、富田製薬株式会社製;鉄含有量:25質量%)、(サンアクティブFe−P80、太陽化学株式会社製;鉄含有量:7.6質量%)、又は(FP−80R、日油化学株式会社製;鉄含有量:19.7質量%)〕とを混合し、更に、ビタミンB
2(リボフラビン、BASFジャパン株式会社製)0.3質量部及びビタミンB
12・1,000倍散(オルガノ株式会社製)1.2質量部を加えて混合し、混合物(混合粉末)を調製した。なお、下記表1の含有量は、ビタミンC又は鉄の純分換算した値を示す。
【0098】
【表1】
なお、表1において、含有量は、ビタミンミネラル含有錠剤 1錠当たりの含有量を示す。
【0099】
<錠剤物性の評価>
実施例1〜4及び比較例1〜5のビタミンミネラル含有錠剤について、以下の方法で、「錠剤表面の褐色化の評価」及び「錠剤表面の黒色斑点の評価」を行った。
【0100】
<<錠剤表面の褐色化の評価>>
実施例1〜4及び比較例1〜5のビタミンミネラル含有錠剤の、イニシャル(温度60℃、相対湿度0%)の条件下で3日間保存前)と、温度60℃、相対湿度0%)の条件下で3日間保存後との色差ΔEab*を、分光測色計CM−5(コニカミノルタホールディングス株式会社製)を用いて測定した。色差ΔEab*は、12.0以下が、実用上問題ないレベルのものとする。なお、前記保存は、熱風循環式 定温乾燥機 NEW HD−60(ナガノ科学機械製作所製)内で行った。
結果を下記表2に示す。また、実施例1〜4及び比較例1〜5のビタミンミネラル含有錠剤の外観を
図1に示す。
【0101】
<<錠剤表面の黒色斑点の評価>>
錠剤表面の黒色斑点の評価としては、実施例1〜4及び比較例1〜5のビタミンミネラル含有錠剤の表面を目視で観察し、下記の評価基準に従って評価を行った。結果を表2に示す。実施例1〜4及び比較例1〜5のビタミンミネラル含有錠剤の外観の一例は、
図1に示すとおりである。
[評価基準]
○:錠剤表面に黒色斑点が全く見られない
△:錠剤表面の黒色斑点が発生し、黒色斑点の面積が錠剤表面の
全面積の1/10未満である
×:錠剤表面に明らかに黒色斑点が見られる
(錠剤表面の全面積の1/10以上の範囲で黒色斑点が見られる)
【0102】
<<総合評価>>
「錠剤表面の褐色化の評価」及び「錠剤表面の黒色斑点の評価」の評価結果に基づき、下記評価基準で「総合評価」を行った。
[評価基準]
○:Eab*が12.0以下であり、かつ、錠剤表面の黒色斑点の評価が○。
△:Eab*が12.0以下であり、かつ、錠剤表面の黒色斑点の評価が△又は×。
×:Eab*が12.0超であり、かつ、錠剤表面の黒色斑点の評価が△又は×。
【0103】
<粉末物性の評価>
比較例6〜8のビタミンミネラル含有粉末について、以下の方法で、「粉末の褐色化の評価」を行った。なお、比較例6〜8のビタミンミネラル含有粉末については、黒色斑点を評価することができないため、黒色斑点の評価は実施しなかった。
【0104】
<<粉末物性の褐色化の評価>>
比較例6〜8のイニシャル(温度60℃、相対湿度0%)の条件下で3日間保存前)と、温
度60℃、相対湿度0%)の条件下で3日間保存後との色差ΔEab*を、分光測色計CM−5(コニカミノルタホールディングス株式会社製)を用いて測定した。色差ΔEab*は、12.0以下が、実用上問題ないレベルものとする。なお、前記保存は、熱風循環式 定温乾燥機 NEW HD−60(ナガノ科学機械製作所製)内で行った。
結果を下記表2に示す。また、比較例6〜8のビタミンミネラル含有粉末の外観を
図2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】
表2の結果より、実施例1〜4のビタミンミネラル含有錠剤は、僅かな褐変の発生がみられるが黒色斑点の発生はなく、製品価値の高いものであった。一方、比較例1〜2のビタミンミネラル含有錠剤は、僅かな褐変の発生であるが、黒色斑点が発生していた。また比較例3〜5のビタミンミネラル含有錠剤は、明確な褐変及び黒色斑点が発生しており、実用上問題があるものであった。
なお、錠剤において褐変や黒色斑点が発生した錠剤(比較例3〜5)の処方と同じ処方を粉末とした場合(比較例6〜8)は、褐変は僅かであり、黒色斑点は発生しなかった。これは、粉末では、錠剤のように圧縮成形されないために、ビタミンCと鉄とが強制的に接触させられることがなく、ビタミンCと鉄との化学的相互作用が生じないためである。したがって、実施例1〜4のビタミンミネラル含有錠剤は、錠剤に固有の褐変や黒色斑点の課題を解決できたことがわかった。