(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記体格指数演算手段により算出される体格指数は、体重を身長の二乗で除することにより求められるBMI(Body Mass Index)値であることを特徴とする請求項1記載の試着装置。
前記撮影制御手段は、前記計量部で前記人物の体重が計量されたことに応じて前記人物を前記表示部に向けて立たせることを指示するガイダンスを前記表示部に表示させてから前記カメラを動作させることを特徴とする請求項1記載の試着装置。
衣料品を試着する人物が出入するための出入口を有する試着室に装備され、前記試着室の前記出入口と対向する室内の面に設けられた表示部と、前記室内の床面に設けられた計量部と、前記床面に立つ人物を撮影するカメラと、前記人物が試着する衣料品の識別データを読み取る読取手段とを備えた試着装置のコンピュータを、
前記計量部で前記人物の体重が計量されたことに応じて前記カメラを動作させる撮影制御手段、
前記カメラで撮影された画像から前記人物の身長を推定し、前記身長と前記体重とを基に体格指数を算出する体格指数演算手段、
前記体格指数演算手段により算出された前記体格指数に基づいて前記読取手段により読み取られた前記識別データで識別される衣料品のサイズを決定するサイズ決定手段、
各衣料品のサイズ別の画像を記憶するデータベースから、前記識別データで識別される衣料品の前記サイズ決定手段により決定されたサイズの画像を取得する衣料品画像取得手段、
前記衣料品画像取得手段により取得した前記衣料品の画像を前記カメラにより撮影された人物の画像に重ね合わせた合成画像を前記表示部に表示させる表示制御手段、および、
前記計量部で前記人物の体重が計量された後に設定重量以上の減量変化があった場合に、前記表示部の画像を消去する消去手段、
として機能させるための試着プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、試着装置の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、衣料品を販売する衣料品店の試着室に装備される試着室端末を試着装置に適用した場合である。
図1は、本実施形態に係る試着支援システムの全体構成図である。このシステムは、試着支援サーバ1と試着室端末2とを含む。試着室端末2は、衣料品店の試着室3に装備される。試着支援サーバ1と試着室端末2とは、インターネット等のネットワーク4によって双方向通信自在に接続される。
【0009】
試着支援サーバ1は、商品情報データベース5と商品画像データベース6とを管理する。商品情報データベース5は、当該衣料品店にて販売される各種商品(衣料品)に関する情報を蓄積する。商品画像データベース6は、前記各種商品の画像データを蓄積する。
【0010】
図2は、商品情報データベース5に格納される商品情報の一具体例であり、男性のスーツに関する情報の一部を示している。
図2に示すように、商品情報データベース5には、各商品を識別するために商品毎に設定される商品コードに関連付けて、サイズ区分別のフラグ、商品分類、価格等の項目情報が格納される。サイズ区分は、対応する商品コードで識別される商品に対して設定されるものであり、本実施形態では、男性のスーツに対して、細身型の“Y”、標準型の“A”、やや肥満型の“AB”及び肥満型の“BB”の4つのサイズが設定されているものと仮定する。そして、これらサイズ区分別のフラグは、対応する商品コードで識別される商品の在庫がある場合は“1”となり、在庫がない場合は“0”となる。
【0011】
図3は、商品画像データベース6に格納される画像情報の一例であり、
図2において、商品コード“123456”で識別される商品の画像情報を模式的に示している。すなわち、商品コード“123456”で識別される商品「メンズスーツ」は、サイズとして“Y”、“A”、“AB”及び “BB”の4種類が設定されているので、商品画像データベース6には、
図3に示すように、前記商品コード“123456”と各サイズ区分“Y”、“A”、“AB”、“BB”とにそれぞれ関連付けて、その商品コードで識別される商品のうちそのサイズ区分で特定されるサイズの画像データが格納される。
【0012】
図4は、前記試着室端末2を装備した試着室3を示す斜視図である。試着室3は、
図4に示すように、上面と正面の一部とが開口した直方体形状を有する。試着室3の正面の開口部分は、顧客が出入するための出入口31となる。出入口31には、布製のカーテン32が図示しないカーテンレールによって開閉自在に取り付けられる。なお、試着室3の出入口31は、カーテン32の代わりに、例えばスライド開閉自在な扉を設けてもよい。
【0013】
図4では、カーテン32を開いた状態の試着室3を示しているため、試着室3の中を視認できる。
図4に示すように、試着室3の中の背面側の壁には、商品である衣料品7を試着した顧客の画像を表示する試着室端末2が取り付けられる。そして、この試着室端末2の上方位置に、蛍光灯である照明33が取り付けられる。
【0014】
試着室端末2は、厚みのある平板状のハウジング21を備える。このハウジング21には、例えば液晶ディスプレイからなる表示部22と、試着室3に入って衣料品を試着する顧客(人物)の画像を撮影する撮影手段としてのカメラ23とが取り付けられる。
【0015】
また、試着室3の中の背面側の壁には、バーコード9を読み取るためのスキャナ24も取り付けられる。スキャナ24は、試着室端末2との間でデータ通信可能に有線接続される。バーコード9は、例えば衣料品7に付されたタグ71に印刷されている。あるいは、
図5に示すように、各種衣料品の画像データ81をまとめたカタログ8に、各画像データ81と1対1に対応してバーコード9が印刷されている。これらのバーコード9は、対応する商品の商品コードをバーコード化したものである。
【0016】
試着室3の床面には、この床面に加わる荷重を計量する計量部としての秤部25が取り付けられる。秤部25で測定された重量データは、図示しない通信線を介して試着室端末2に送信される。
【0017】
試着室3の背面には、細長い円柱状のポール34が立設される。ポール34の先端部には、例えば赤色を発光可能な発光部26が設けられる。発光部26は、ポール34を通る図示しない通信線によって試着室端末2と接続されており、試着室端末2のCPU201(
図6参照)によって動作制御を受ける。なお、CPU201による動作制御を受けていない状態では、発光部26は発光動作をしていない。
【0018】
図6は、試着室端末2の要部構成を示すブロック図である。試着室端末2は、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)201を備える。また、主記憶部であるROM(Read Only Memory)202及びRAM(Random Access Memory)203と、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ204とを備える。ROM202,RAM203及びフラッシュメモリ204は、アドレスバス,データバス等のバスライン205を介してCPU201に接続される。
【0019】
また、試着室端末2は、前記ネットワーク4に接続され、このネットワーク4を介して前記試着支援サーバ1との間で行われるデータ通信を司る通信インターフェース206、前記スキャナ24で読み取られたバーコードデータを取り込むスキャナインターフェース207、前記カメラ23の撮影動作を制御するカメラコントローラ208、前記表示部22の画像表示を制御する表示コントローラ209、前記秤部25で計測された計量データをデジタルデータに変換するA/Dコンバータ210及び前記発光部26に対して発光オン、オフの信号を出力する出力ポート211を備える。これら通信インターフェース206、スキャナインターフェース207、カメラコントローラ208、表示コントローラ209、A/Dコンバータ210及び出力ポート211も、前記バスライン205を介してCPU201に接続される。
【0020】
ROM202には、後述する試着プログラム等の固定的データが予め格納される。RAM203には、種々のデータが書き換え自在に格納される。フラッシュメモリ204には、
図7に示すように、各種の衣料品を種別に区分する商品分類毎に、BMI値のレベルに対応付けて、その商品分類に属する衣料品のサイズ情報を設定した置換テーブル70が格納される。
【0021】
因みに、BMI値は、Body Mass Indexの略であり、人物の身長と体重とから算出される体格指数の一種である。具体的には、BMI値は、体重を身長の二乗で除することにより求められる。
【0022】
図7は、商品分類が「メンズスーツ」の場合の置換テーブル70を示しており、BMI値が“18.0”より小さい場合には、サイズ区分として細身型の“Y”が対応付けられる。BMI値が“18.0”以上で“25.0未満の場合には、サイズ区分として標準型の“A” が対応付けられる。BMI値が“25.0”以上で“30.0未満の場合には、サイズ区分としてやや肥満型の“AB”が対応付けられる。BMI値が“30.0”以上の場合には、サイズ区分として肥満型の“BB”が対応付けられる。
【0023】
かかる構成の試着室端末2において、CPU201は、人物が試着する衣料品の識別データであるバーコード9を受け付ける衣料品受付手段、人物の身長と体重とを基に体格指数であるBMI値を算出する体格指数演算手段、体格指数演算手段により算出されたBMI値(体格指数)に応じて衣料品受付手段により受け付けたバーコード(識別データ)9で識別される衣料品のサイズを決定するサイズ決定手段、各衣料品のサイズ別の画像を記憶する商品画像データベース6から、衣料品受付手段により受け付けたバーコード(識別データ)9で識別される衣料品のサイズ決定手段により決定されたサイズの画像を取得する衣料品画像取得手段、この衣料品画像取得手段により得られた衣料品画像を撮影手段であるカメラ23により撮影された人物の画像に重ね合わせた合成画像を表示部22に表示する表示手段として機能する。またCPU201は、カメラ(撮影手段)23により撮影された人物の画像から当該人物の身長を推定する身長推定手段としても機能する。これらの機能は、試着プログラムに従って実現される。
【0024】
図示しない試着室端末2の電源オンにより試着プログラムが起動すると、CPU201は、
図8及び
図9の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。先ず、CPU201は、A/Dコンバータ210から出力されるデジタルデータを解析して、秤部25で計量されている重量データを取り込む(ST1)。取り込んだ重量データは、RAM203に順次蓄積される。CPU201は、蓄積された重量データにより、単位時間(例えば5秒)以内に設定重量(例えば30Kg)以上の増量変化があったか否かを判断する(ST2)。増量変化がない場合(ST2にてNO)、CPU201は、ステップST1に戻り、次の重量データを取り込む。
【0025】
このように、CPU201は、秤部25で計量されている重量データを周期的に取り込み、増量変化があるのを待機する。増量変化が認められると(ST2にてYES)、試着室3に顧客が入ったとみなされる。CPU201は、その増量分を、試着室3を利用する顧客(人物)の体重として、RAM203に格納する(ST3)。
【0026】
CPU201は、出力ポート211から発光部26に対して駆動信号を出力する。これにより、発光部26は、例えば赤色に点灯する(ST4)。また、CPU201は、予め用意されたスタート画面221(
図10を参照)の表示データを表示コントローラ209に出力する(ST5)。これにより、表示部22にはスタート画面221が表示される。
【0027】
図10は、スタート画面221の一例である。
図10に示すように、スタート画面221には、試着室3を利用する顧客を表示部22に向けて立たせることを指示するガイダンス(例えば「こちらを向いてお立ちください」)が表示される。
【0028】
このガイダンスに従い、顧客は、表示部22に向かって立つので、CPU201は、撮像オン信号をカメラコントローラ208に出力する(ST6)。これにより、カメラ23が作動し、試着室3内を撮影する。撮影された動画像のデータはフレーム毎にRAM203に格納される。
【0029】
CPU201は、RAM203に格納されたフレーム画像を取り込み、この画像から表示部22に向かって立っている顧客の画像を抽出する。すなわちCPU201は、フレーム画像を二値化した画像から輪郭線を抽出する。そしてCPU201は、抽出された輪郭線を結んで画像に映し出されている人物の輪郭抽出を試みる(ST7)。
【0030】
CPU201は、表示部22に向かって立っている人物の輪郭を抽出できたか否かを判断する(ST8)。抽出できなかった場合(ST8にてNO)、CPU201は、ステップST7に戻り、次のフレーム画像を取り込んで人物の輪郭抽出を試みる。
【0031】
表示部22に向かって立っている人物の輪郭が抽出されると(ST8にてYES)、CPU201は、そのときのフレーム画像をRAM203に格納する。またCPU201は、撮像オフ信号をカメラコントローラ208に出力する(ST9)。これにより、カメラ23が停止する。
【0032】
CPU201は、抽出された輪郭から人物の身長を推定する。フラッシュメモリ204には、人物の輪郭の高さに対する実際の身長との対応関係を示すデータテーブルが予め格納されている。CPU201は、このデータテーブルを参酌して人物の身長を推定し、推定された身長データをRAM203に格納する(ST10)
CPU201は、RAM203に記憶された体重と身長の各データから次の(1)式によりBMI値を算出する(ST11)。そしてCPU201は、算出されたBMI値をRAM203に格納する。
BMI値=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) …(1)
BMI値を算出後、CPU201は、予め用意された操作画面222(
図11を参照)の表示データを表示コントローラ209に出力する(ST12)。これにより、表示部22には操作画面222が表示される。
【0033】
図11は、操作画面222の一例である。
図11に示すように、操作画面222には、試着をする商品(衣料品)の識別データであるバーコードをスキャナ24で読み取らせることを顧客に指示するガイダンス(例えば「試着する商品のバーコードをスキャナに読み取らせてください」)が表示される。
【0034】
このガイダンスに従い、顧客は、試着する衣料品7に付されたタグ71のバーコード9またはカタログ8に印刷されたバーコード9をスキャナ24に読み取らせるので、CPU201は、スキャナ24で商品コードのバーコードが読み取られるのを待機する(ST13)。この待機期間中、CPU201は、秤部25で計量されている重量データを取り込み(ST14)、単位時間(例えば5秒)以内に設定重量(例えば30Kg)以上の減量変化があったか否かを判断する(ST15)。減量変化がない場合(ST15にてNO)、CPU201は、ステップST13に戻り、商品コードのバーコードが読み取られるのを待機する。
【0035】
スキャナ24で読み取られたバーコードデータを解析して商品コードが入力されると(ST13にてYES)、CPU201は、試着支援サーバ1にアクセスして、当該商品コードに対応して商品情報データベース5に蓄積されている商品情報を取得する(ST16)。取得した商品情報は、RAM203に記憶される。
【0036】
CPU201は、取得した商品情報から商品分類情報を検出する。そしてCPU201は、この検出された商品分類情報別の置換テーブル70を参酌して、RAM203に記憶されたBMI値をサイズ区分に置換する(ST17)。例えば、商品分類が「メンズスーツ」の場合でBMI値が“17.0”の場合には、
図7の置換テーブル70により、サイズ区分として細身型の“Y”が選択される。同様に、商品分類が「メンズスーツ」の場合でBMI値が“26.0”の場合は、サイズ区分としてやや肥満型の“AB”が選択される。
【0037】
CPU201は、取得した商品情報のサイズ区分別フラグを参酌して、BMI値から置換されたサイズ区分の商品の在庫があるか否かを判定する(ST18)。在庫がある場合、CPU201は、ステップST17にて得られたサイズ区分を当該顧客が試着する商品のサイズとして決定する。これに対し、在庫がない場合には、CPU201は、置換テーブル70を参酌して、BMI値に対応していないサイズ区分のうち、商品の在庫がある区分の中でBMI値に最も近いサイズ区分を、当該顧客が試着する商品のサイズとして決定する(ST19)。
【0038】
ステップST19の処理の一具体例として、サイズ区分“AB”の商品在庫がなく、サイズ区分“A”と“BB”の商品在庫がある場合を想定する。この場合、BMI値がサイズ区分“AB”の領域(“25.0”以上で“30.0”未満)内であるときには、BMI値が“25.0”以上で“27.5”未満であればサイズ区分を“A”と決定し、“27.5”以上で“30.0”未満であればサイズ区分を“BB”と決定する。
【0039】
顧客が試着する商品のサイズ区分が決定されると、CPU201は、試着支援サーバ1にアクセスして、ステップST13にて入力された商品コードと当該サイズ区分とに対応して商品画像データベース6に蓄積されている商品画像データを取得する(ST20)。取得した商品画像データは、RAM203に記憶される。
【0040】
しかる後、CPU20は、ステップST7の処理にて表示部22に向かって立っている人物の輪郭が抽出されたフレーム画像に映し出されている人物の画像に、ステップST20の処理にて取得した商品画像を重ね合わせた合成画像を生成し、表示コントローラ209に出力する(ST21)。これにより、表示部22には、上記合計画像223,224(
図12,
図13を参照)が表示される。
【0041】
合成画像223,224が表示された後、CPU201は、ステップST13の処理に戻る。そしてCPU201は、次の商品コードが入力されるのを待機する。バーコード9のスキャニングにより商品コードが入力されると、CPU201は、前記ステップST16〜ST21の処理を繰り返す。
【0042】
一方、単位時間内に設定重量以上の減量変化があった場合(ST15にてYES)、試着室3を顧客が出たとみなされる。CPU201は、表示部22の画像を消去する(ST22)。またCPU201は、RAM203に記憶した身長、体重などのデータをクリアする(ST23)。さらにCPU201は、発光部26に対する駆動信号を停止する。これにより、発光部26は、消灯する(ST24)。以上で、1顧客に対する試着プログラムの処理は終了する。
【0043】
ここに、試着室端末2においては、試着プログラムにしたがってCPU201が実行する情報処理手順のステップST13の処理により衣料品受付手段が構成され、ステップST11の処理により体格指数演算手段が構成され、ステップST17の処理によりサイズ決定手段が構成され、ステップST20の処理により衣料品画像取得手段が構成され、ステップST21の処理により表示手段が構成される。また、ステップST10の処理により身長推定手段が構成される。
【0044】
図12は、BMIが“18.0”未満の細身の男性顧客が、試着室端末2を利用して、メンズスーツを仮想的に試着した場合の合成画像223を示す。
図7の置換テーブル70に従うと、BMIが“18.0”未満の場合にはメンズスーツのサイズ区分は“Y”である。したがって、サイズ区分が“Y”のスーツ画像が商品画像データベース6から選択される。そして、
図12に示すように、細身の顧客の画像の上に、サイズ区分が“Y”のスーツ画像が重ねられた合成画像223が表示される。すなわち、表示部22に表示される衣料品の試着イメージは、当該顧客が実際に着用したときのイメージを損なわないものとなる。
【0045】
一方、
図13は、BMIが“30.0”以上の太目の男性顧客が、試着室端末2を利用して、メンズスーツを仮想的に試着した場合の合成画像224を示す。
図7の置換テーブル70に従うと、BMIが“30.0”以上の場合にはメンズスーツのサイズ区分は“BB”である。したがって、サイズ区分が“BB”のスーツ画像が商品画像データベース6から選択される。そして、
図13に示すように、太目の顧客の画像の上に、サイズ区分が“BB”のスーツ画像が重ねられた合成画像224が表示される。すなわち、表示部22に表示される衣料品の試着イメージは、当該顧客が実際に着用したときのイメージを損なわないものとなる。
【0046】
このように本実施形態の試着室端末2は、試着を行う顧客の身長と体重とを基に体格指数としてBMI値を算出し、このBMI値に応じて衣料品のサイズを決定する。そして試着室端末2は、商品画像データベース6から、決定されたサイズの衣料品の画像を取得し、カメラ23によって撮影された顧客の画像に重ね合わせた合成画像を、試着室3内の表示部22に表示する。したがって、試着室端末2では、顧客の体格に合ったサイズの衣料品の画像データをその体格を有する顧客の画像データに重ね合わせた合成画像が表示されるので、実際の着用時に限りなく近い試着イメージを顧客が捉えることができる。
【0047】
また、前記実施形態では、体格指数として、体重を身長の二乗で除することにより求められるBMI値を採用した。BMI値は、人間の体格のバランスを把握するために計算される指数として非常に有効である。したがって、実際の着用時に限りなく近い試着イメージを精度よく顧客が捉えることができる。
【0048】
また、前記実施形態では、カメラ23により撮影された人物の画像から、試着室端末2のCPU201が人物の身長を推定するようにした。したがって、顧客の身長を測定するための専用の計測器は不要である。さらに、前記実施形態では、試着室3の床面に計量部である秤部25を設け、試着室3内に入った顧客の体重を自動的に計測するようにした。したがって、身長や体重を手入力することなく顧客の体格指数であるBMI値が算出されて衣料品のサイズが決定されるので、顧客が負担に感じることなくその顧客に実際の着用時に限りなく近い試着イメージを提示することができる。
【0049】
また、前記実施形態では、試着室3内に入った顧客の体重が秤部25で計量されたことを条件に、カメラ23が撮影動作するようにした。したがって、試着室3内に顧客が入ったことを検知するための格別なセンサが不要である。また、秤部25で計量されていた顧客の体重が計量されなくなったことを条件に、カメラ23が撮影動作を停止するようにした。したがって、カメラ23は、試着室3内に顧客が居るときのみ撮影動作するので、上述したようなセンサを用いることなく省電力化を図ることができる。
【0050】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、体格指数は、BMI値に限定されるものではない。例えば、学童の評価に用いられるローレル指数やリビー指数、ポンデラル指数等であってもよい。あるいは身長及び体重に加えて胸囲のデータも取得できるようにすることで、ベルベック指数やピネー指数またはボルハルト指数等を採用することも可能である。
【0051】
また、前記実施形態において、試着室端末2にテンキーを接続することで、顧客の身長と体重のうち少なくとも一方を顧客自身が手入力するようにしてもよい。この場合、表示部22の画面の一部をタッチパネルとし、このタッチパネルにテンキーの画像を表示させて、手入力を促すことも可能である。
【0052】
また、前記実施形態では、試着室端末2と試着支援サーバ1とをネットワーク4で接続し、試着支援サーバ1が商品情報データベース5と商品画像データベース6とを管理するようにした。この点については、試着室端末2にHDD(Hard Disk Drive)装置等の大容量記憶装置を接続し、この大容量記憶装置に商品情報データベース5と商品画像データベース6とを保存して、試着支援サーバ1を省略してもよい。こうすることにより、試着室端末2と試着支援サーバ1とを接続するネットワーク4を店舗内に構築する必要がなくなる。
【0053】
また、前記実施形態は、装置内部のプログラム記憶部であるROM202に発明の機能を実現させる試着プログラムが予め記録されているものとした。しかしこれに限らず、同様のプログラムがネットワークから装置にダウンロードされてもよい。あるいは、記録媒体に記録された同様のプログラムが、装置にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0054】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]衣料品を試着する人物を撮影する撮影手段と、前記人物が試着する衣料品の識別データを受け付ける衣料品受付手段と、前記人物の身長と体重とを基に体格指数を算出する体格指数演算手段と、前記体格指数演算手段により算出された前記体格指数に応じて前記衣料品受付手段により受け付けた識別データで識別される衣料品のサイズを決定するサイズ決定手段と、各衣料品のサイズ別の画像を記憶するデータベースから、前記衣料品受付手段により受け付けた識別データで識別される衣料品の前記サイズ決定手段により決定されたサイズの画像を取得する衣料品画像取得手段と、この衣料品画像取得手段により得られた衣料品画像を前記撮影手段により撮影された人物の画像に重ね合わせた合成画像を表示する表示手段と、を具備したことを特徴とする試着装置。
[2]前記体格指数演算手段により算出される体格指数は、体重を身長の二乗で除することにより求められるBMI(Body Mass Index)値であることを特徴とする付記[1]記載の試着装置。
[3]前記撮影手段により撮影された人物の画像から前記人物の身長を推定する身長推定手段、をさらに具備し、前記体格指数演算手段は、前記身長推定手段により推定された身長を用いて前記体格指数を算出することを特徴とする付記[1]または[2]記載の試着装置。
[4]前記表示手段により前記合成画像が表示されるディスプレイを備えた試着室内に入った人物の体重を計測する計量部を備え、前記体格指数演算手段は、前記計量部で計測された体重を用いて前記体格指数を算出することを特徴とする付記[1]乃至[3]のうちいずれか1に記載の試着装置。
[5]前記撮影手段は、前記計量部で前記人物の体重が計測されたことに応じて撮影動作することを特徴とする付記[4]記載の試着装置。
[6]衣料品を試着する人物を撮影する撮影手段、及びこの撮影手段で撮影された人物の画像が表示される表示部を接続したコンピュータを、前記人物が試着する衣料品の識別データを受け付ける衣料品受付手段、前記人物の身長と体重とを基に体格指数を算出する体格指数演算手段、この体格指数演算手段により算出された前記体格指数に応じて前記衣料品受付手段により受け付けた識別データで識別される衣料品のサイズを決定するサイズ決定手段、各衣料品のサイズ別の画像を記憶するデータベースから、前記衣料品受付手段により受け付けた識別データで識別される衣料品の前記サイズ決定手段により決定されたサイズの画像を取得する衣料品画像取得手段、及び、この衣料品画像取得手段により得られた衣料品画像を前記撮影手段により撮影された人物の画像に重ね合わせた合成画像を前記表示部に表示させる表示手段、として機能させるための試着プログラム。