(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の非接触アダプタの実施形態を
図1〜
図4に従って説明する。
図1に示すように、机1の天板2内には、非接触給電装置(以下、給電装置という)10が同天板2の中央位置に収納固設されている。給電装置10の筐体内には、給電コイル11と、高周波電流を生成しその高周波電流を給電コイル11に通電する高周波インバータ13(
図4参照)とが設けられている。
【0018】
給電装置10の筐体内に設けられた給電コイル11は、その筐体の上側に配置され、そのコイル面が天板2の表面2aと平行になるように配置されている。そして、給電コイル11は、高周波インバータ13からの高周波電流が通電されると、交番磁束を発生する。交番磁束は、天板2の表面2aであって給電コイル11の直上に位置する表面2aから上方に向かって放射される。
【0019】
給電コイル11の直上位置の天板2には、非接触アダプタ20が載置されている。非接触アダプタ20は、四角箱状の筐体21を有し、その筐体21内には給電装置10の給電コイル11が発生する交番磁束と交鎖して誘起電圧を発生する受電コイル22を有している。
【0020】
筐体21内の下側に配置された受電コイル22は、そのコイル面が、給電コイル11上の天板2に載置されたとき、給電コイル11のコイル面と平行に相対向するように配置されている。そして、受電コイル22は、給電コイル11と相対向した状態で、給電コイル11が発生する交番磁束と交鎖して誘起電圧を発生し、その誘起電圧を筐体21内に設けた受電回路29(
図4参照)に出力するようになっている。
【0021】
図2に示すように、筐体21の後面21aには、コンセント26及びLED等の発光素子よりなる表示ランプ27が設けられている。コンセント26は、同コンセント26の出力端子T3,T4(
図4参照)が受電回路29の外部出力端子T1,T2(
図4参照)と電気的に接続されている。表示ランプ27は非接触アダプタ20が給電装置10から受電しているかどうかを表示するランプである。
【0022】
筐体21の上面21bには、台座30が配置されている。台座30は、板状であって上方から見ると筐体21の上面21bと同一形状をなしている。台座30は筐体21に対して傾動可能に連結されている。
図2に示すように、台座30は、その後面30aと筐体21の後面21aとの間に左右一対のヒンジ31が連結されている。そして、台座30は、左右一対のヒンジ31の連結軸間を結ぶ軸線Oを回動中心として傾動する。
【0023】
図2に示すように、筐体21の上面21bの前寄りには、前後方向に延びる左右一対の収容凹部32が凹設されている。左右一対の収容凹部32には、支持アーム33が収納されている。支持アーム33は、その前側の基端部が収容凹部32内で回動可能に軸支され、収容凹部32に収納される収納位置と、
図2に示す後側の先端部が収容凹部32から突出し台座30と直角になる位置まで起立する起立位置の2位置の間を回動するようになっている。
【0024】
図3に破線で示すように、台座30は、その下面30bであって筐体21の上面21bに形成した収容凹部32と対向する位置に、支持アーム33の先端部が嵌合する嵌合凹部34が前後方向に複数個形成されている。従って、各嵌合凹部34に対して支持アーム33が嵌合する嵌合凹部34を変えることによって、台座30の傾斜角度は、変更される。
【0025】
詳述すると、台座30は、支持アーム33が収納位置にある時、
図3に2点鎖線で示す、筐体21の上面21bと当接した水平位置に配置される。また、台座30は、支持アーム33と直角位置にある時、
図3に実線で示ように、筐体21に対して台座30の下面30bが最大の角度(最大傾斜角度)に傾動支持された最大傾斜位置に配置される。そして、台座30は、水平位置と最大傾斜位置の間において、嵌合凹部34の数だけ傾斜角度が選択される。
【0026】
台座30の上面30cには、電気機器としてのプロジェクタ40が載置される。このとき、台座30が水平配置と、最大傾動配置の間で複数の傾斜角度に段階的に支持されることから、プロジェクタ40を段階的に希望する傾斜した配置状態で載置させることができる。そして、プロジェクタ40の電源プラグ41を筐体21の後面21aに設けたコンセント26に差し込むことにより、プロジェクタ40は非接触アダプタ20から駆動電源が受けられることになる。
【0027】
次に、上記のように構成した給電装置10と非接触アダプタ20の電気的構成を説明する。
まず、給電装置10について説明する。
図4に示すように、給電装置10は、電源回路12と高周波インバータ13を有している。
【0028】
電源回路12は、整流回路及びDC/DCコンバータを有し、外部から商用電源を入力して整流回路にて整流する。電源回路12は、整流した直流電圧をDC/DCコンバータにて所望の電圧に変換した後、その直流電圧を駆動電源として高周波インバータ13に出力する。
【0029】
高周波インバータ13は、電源回路12からの駆動電源を入力して発振して高周波電流を生成する。高周波インバータ13は、給電コイル11と接続されていて、生成した高周波電流を同給電コイル11に流すようになっている。これによって、給電コイル11は、高周波電流が通電されることで、交番磁束を発生する。
【0030】
図4において、非接触アダプタ20は、受電コイル22と接続する受電回路29を備える。受電回路29は、整流平滑回路、DC/AC変換回路を有している。受電回路29は、整流平滑回路にて受電コイル22が発生する誘起電圧をリップルのない直流電圧に変換しDC/AC変換回路にてプロジェクタ40の電源仕様のための電源電圧に変換する。受電回路29はプロジェクタ40の仕様のあわせた電源電圧を外部出力端子T1,T2に出力する。
【0031】
外部出力端子T1,T2は、コンセント26の出力端子T3,T4に接続されている。そして、コンセント26の出力端子T3,T4は、プロジェクタ40の電源プラグ41のプラグ端子T5,T6と接続される。これによって、プロジェクタ40は、受電回路29(非接触アダプタ20)からの電源電圧が印加される。
【0032】
次に、上記のように構成した非接触アダプタ20の作用について説明する。
今、台座30にプロジェクタ40を載置した非接触アダプタ20を、給電装置10の給電コイル11が配置されている真上の天板2に載置する。これによって、筐体21内の受電コイル22は、給電コイル11が発生する交番磁束と交鎖し誘起電圧を出力する。受電回路29は、受電コイル22が出力する誘起電圧に基づいてプロジェクタ40のための駆動電源を生成する。
【0033】
そして、台座30に載せたプロジェクタ40の電源プラグ41を筐体21に設けたコンセント26に差し込むことによって、プロジェクタ40は、非接触アダプタ20から電源電圧が供給されて使用可能な状態となる。
【0034】
また、台座30は、ヒンジ31を介して筐体21に連結したことから、筐体21に対して傾動する。そのとき、筐体21の上面21bに形成した収容凹部32に収納した支持アーム33を起立させる。その支持アーム33の先端部を、台座30の下面30bに形成した複数の嵌合凹部34のうちの希望する傾斜角度の対応する嵌合凹部34に嵌合させる。これによって、台座30は、支持アーム33によって支持されて希望する傾斜角度となる。その結果、台座30に載置されたプロジェクタ40は、希望する傾斜角度に設定されて映像を映写する。
【0035】
次に、上記のように構成した実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、筐体21を給電コイル11が設置されている箇所に配置すれば、非接触アダプタ20は、台座30に載置したプロジェクタ40に対して駆動電源を供給することができる。
【0036】
(2)上記実施形態によれば、ヒンジ31を介して筐体21に台座30を連結し、同台座30を筐体21に対して傾動可能にした。そして、筐体21に設けた支持アーム33を起立させその先端部を希望する嵌合凹部34に嵌合させて、台座30を支持するようにした。
【0037】
従って、台座30は、支持アーム33によって希望する傾斜角度に支持され、台座30に載置されるプロジェクタ40を、希望する傾斜角度に設定して映像を映写することができる。これによって、プロジェクタ40の持つ機能、性能を最大に発揮できる。
【0038】
しかも、台座30の下面30bに形成した嵌合凹部34を複数個形成したので、台座30の傾斜角度を設定する際、複数の傾斜角度の中から希望する傾斜角度を選択することができる。
【0039】
(3)上記実施形態によれば、支持アーム33は、その先端部が台座30の下面30bの形成した嵌合凹部34に嵌合して台座30を支持している。従って、支持アーム33の先端部は、台座30とプロジェクタ40の重量によって嵌合凹部34から容易に外れることはなく、強固に台座30に載置されたプロジェクタ40を希望する傾斜角度に保持することができる。
【0040】
(別の実施形態)
○上記実施形態では、支持アーム33を左右一対の2本設けたが、支持アーム33を1本にして実施してもよい。
【0041】
○上記実施形態では、支持アーム33と嵌合する嵌合凹部34を複数個形成したが、1つであって、台座30が水平位置と最大傾斜位置の2位置に配置され最大傾斜位置のみの傾斜状態で配置されるようにしてもよい。勿論、
図5及び
図6に示す非接触アダプタ20に応用して実施してよいことは勿論である。
【0042】
○上記実施形態では、支持アーム33が確実に台座30を希望する傾斜角度で保持するように、支持アーム33と嵌合する嵌合凹部34を形成したが、これを省略して実施してもよい。この場合、支持アーム33の回動軸部分にラチエット機構を設けて実施すれば、段階的に台座30の傾斜角度を設定することができる。
【0043】
○上記実施形態では、ヒンジ31にて、筐体21に対して台座30を回動可能に連結した。これを、
図5に示すように、筐体21の上面21bの後端左右両側に軸受け片50を形成する。そして、この左右両側に設けた軸受け片50間に台座30の後側部を介在するとともに、支軸51を一方に軸受け片50から台座30の後側部を貫通して他方の軸受け片50に貫挿して筐体21に対して台座30を回動可能に連結してもよい。
【0044】
このとき、
図5に示すように、台座30の前側を短く形成し、短く形成された台座30の前側部に支持プレート52を台座30に対して回動可能に連結する。
詳述すると、筐体21と台座30の連結構造と同様に、台座30の前端左右両側に軸受け部53を延出形成する。そして、この左右両側に設けた軸受け部53間に支持プレート52の基端部を介在するとともに、支軸54を一方に軸受け部53から支持プレート52の基端部を貫通して他方の軸受け部53に貫挿して台座30に対して支持プレート52を回動可能に連結する。一方、筐体21の上面21b前側に、左右方向に凹設された係合溝55を複数個前後方向に形成する。
【0045】
これによって、支持プレート52の先端部を複数の係合溝55の中から希望する係合溝55に係合させることによって、上記実施形態と同様な効果を有する。
また、
図6に示すように、筐体21の上面21bに、左右方向に凹設した収容溝56を複数個前後方向に形成する。そして、その複数の収容溝56の中の希望する収容溝56に、円柱状のストッパ57を配置し、該ストッパ57にて台座30の下面30bを支承するようにする。これによって、ストッパ57を、複数の収容溝56の中から適宜収容する収容溝56を選択して配置することによって、段階的に台座30(プロジェクタ40)の傾斜角度を設定することができる。
【0046】
○上記実施形態では、台座30(プロジェクタ40)の傾斜角度を段階的に設定できるようにしたが、傾斜角度を無段階に設定できるようにしてもよい。
例えば、筐体21に対して台座30を回動可能に連結され、台座30と筐体21との間に形態が可変する可動機構を設ける。詳述すると、可動機構は、
図7に示すように、筐体21の上面21bに筐体側回動アームA1を、第1ジョイントJ1を介して回動可能に連結するとともに、台座30の下面30bに台座側回動アームA2を、第2ジョイントJ2を介して回動可能に連結する。そして、筐体側回動アームA1の先端と台座側回動アームA2の先端間を、第3ジョイントJ3を介して回動可能に連結する。
【0047】
このとき、筐体側回動アームA1の先端と第3ジョイントJ3との間、及び、台座側回動アームA2の先端と第3ジョイントJ3との間には、それぞれ予め定めた摺動抵抗を持たせている。その摺動抵抗は、台座30にある程度の力を加えないと筐体側回動アームA1と台座側回動アームA2とが相対回動はしないように設定されている。そして、ユーザが台座30に対して力を加えて所定の傾斜角度の状態にしたとき、台座30にプロジェクタ40を載置していても、ユーザが力を加えない限りその状態が保持されるようになっている。
【0048】
これによって、力を加えて台座30を回動させることで、台座30(プロジェクタ40)は、その傾斜角度を無段階に設定することができる。
なお、この種の形態を変えて傾斜角度を無段階に設定する可動機構は、上記の
図7の構成に限定されるものではない。例えば、一方向に伸縮する棒状に形成された複数のテレスコピックパイプからなる伸縮構造の伸縮部材で構成する。そして、伸縮部材の一端を、ユニバーサルジョイントを介して筐体21の上面21bに連結するとともに、伸縮部材の他端を、ユニバーサルジョイントを介して台座30の下面30bに連結する。そして、伸縮部材を、伸張することによって、台座30は、その傾斜角度を無段階に設定される。
【0049】
この場合同様に、伸縮部材の伸縮動作する際のその各テレスコピックパイプ間には、予め定めた摺動抵抗を持たせている。その摺動抵抗は、台座30にある程度の力を加えないと伸縮部材が伸縮しないように設定されている。
【0050】
そして、ユーザが台座30に対して力を加えて所定の傾斜角度の状態にしたとき、台座30にプロジェクタ40を載置していても、ユーザが力を加えない限りその伸張した状態が保持されるようになっている。これによって、力を加えて台座30を回動させることで、台座30(プロジェクタ40)は、その傾斜角度を無段階に設定することができる。
【0051】
また、
図8に示すように、
図5に示す支持プレート52、係合溝55等を省略して、軸受け片50と支軸51との間、及び、支軸51と台座30との間に、予め設定した摺動抵抗をそれぞれ持たせる。その摺動抵抗は、台座30にある程度の力を加えないと台座30が筐体21に対して回動はしないように設定されている。
【0052】
そして、ユーザが台座30に対して力を加えて所定の傾斜角度の状態にしたとき、台座30にプロジェクタ40を載置していても、ユーザが力を加えない限りその状態が保持されるようになっている。これによって、力を加えて台座30を回動させることで、台座30(プロジェクタ40)は、その傾斜角度を無段階に設定することができる。
【0053】
なお、台座30を、無段階に傾動可能にし、かつ所定の傾斜角度で保持する連結固定部材の構造として、例えば、左右一対の軸受け片50で台座30の後側部を挟持固定する締め付け部材を設けて実施してもよい。つまり、台座30を傾動させるときは、締め付け部材にて左右一対の軸受け片50による台座30の後側部の挟持を緩めて、台座30を希望の傾斜角度に設定する。そして、台座30を希望の傾斜角度に設定した後、締め付け部材にて左右一対の軸受け片50で台座30の後側部を締め付け固定し、台座30を設定した傾斜角度に保持する。
【0054】
これによっても、台座30(プロジェクタ40)は、その傾斜角度を無段階に設定することができる。
さらに、
図9に示すように、筐体21の上面21bの左右両側部に一対の三角形状の支持側板60を立設する。そして、左右一対の支持側板60間に台座61を回動可能に吊下する。詳述すると、台座61は、プロジェクタ40が載置される平板の台座部62を有し、その台座部62の左右両側にはそれぞれ三角形状の吊下板63が上方に向かって延出形成されている。この左右一対の吊下板63の上端部は、それぞれ対向する支持側板60と支軸64によって連結されている。
【0055】
そして、それぞれの支持側板60と支軸64との間、及び、支軸64と吊下板63との間に、予め設定した摺動抵抗をそれぞれ持たせる。その摺動抵抗は、台座部にある程度の力を加えないと台座部62が支持側板60に対して回動はしないように設定されている。そして、ユーザが台座部62に対して力を加えて所定の傾斜角度の状態にしたとき、台座部にプロジェクタ40を載置していても、ユーザが力を加えない限りその状態が保持されるようになっている。
【0056】
これによって、力を加えて台座部62を回動させることで、台座部(プロジェクタ40)は、その傾斜角度を無段階に設定することができる。
なお、この場合にも、台座部62を、無段階に傾動可能にし、かつ所定の傾斜角度で保持する連結固定部材の構造として、例えば、左右一対の支持側板60で左右一対の吊下板63を挟持固定する締め付け部材を設けて実施してもよい。つまり、台座部62を傾動させるときは、締め付け部材にて左右一対の支持側板60による左右一対の吊下板63の挟持を緩めて、台座部62を希望の傾斜角度に設定する。そして、台座部62を希望の傾斜角度に設定した後、締め付け部材にて左右一対の支持側板60で吊下板63を締め付け固定し、台座部62を設定した傾斜角度に保持する。
【0057】
これによっても、台座部62(プロジェクタ40)は、その傾斜角度を無段階に設定することができる。
○上記実施形態では、筐体21の上面21bに支持アーム33を回動可能に設け、台座30の下面30bに嵌合する嵌合凹部34を形成した。これを、台座30の下面30bに支持アーム33を回動可能に設けて、筐体21の上面21bに嵌合する嵌合凹部34を形成し、支持アーム33の先端部を、嵌合凹部34に嵌合させて、台座30を所定の傾斜角度に保持するようにしてもよい。
【0058】
上記実施形態では、給電装置10は外部から商用電源を入力したが、2次電池の電源を入力して実施してもよい。
上記実施形態では、非接触アダプタ20の筐体21に設けた台座30にプロジェクタ40を載置したが、プロジェクタ40に限定されるものではない。例えば、ノートパソコンやタブレット端末等、その他の電気機器を台座30に載置して実施してもよいことは勿論である。