特許第5948247号(P5948247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5948247
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】粒状化装置
(51)【国際特許分類】
   B29B 9/06 20060101AFI20160623BHJP
   B01J 2/20 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   B29B9/06
   B01J2/20
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-539229(P2012-539229)
(86)(22)【出願日】2010年11月18日
(65)【公表番号】特表2013-511400(P2013-511400A)
(43)【公表日】2013年4月4日
(86)【国際出願番号】EP2010007017
(87)【国際公開番号】WO2011060938
(87)【国際公開日】20110526
【審査請求日】2013年8月30日
(31)【優先権主張番号】202009015876.4
(32)【優先日】2009年11月20日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515267482
【氏名又は名称】マーグ オートマティック ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Maag Automatik GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100114465
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 健
(72)【発明者】
【氏名】ダールハイマー,シュテファン
【審査官】 鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−144743(JP,A)
【文献】 特開平6−182760(JP,A)
【文献】 米国特許第5624688(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/00−9/16
B01J 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穴あき板(2)に形成されたノズル(1)から出てきた溶融物を粒状化する装置であって、モータによって駆動される少なくとも1つのカッタ(3)を備えるカッタ構成が、前記少なくとも1つのカッタ(3)が前記穴あき板(2)の前記ノズル(1)の上を通過し、その際に、出てきた前記溶融物材料のペレットを切断するように、前記穴あき板(2)の反対側に配置され、前記装置が、前記穴あき板(2)に接続し、前記カッタ構成の前記少なくとも1つのカッタ(3)を少なくとも取り囲むハウジング(6)を有し、ハウジングの中を冷却材が流れ、前記ハウジング(6)上に、前記冷却材の入口(7)、ならびに前記冷却材および前記冷却材中に存在する前記ペレットの出口(8)が配置された装置において、
前記入口(7)が、前記ハウジング(6)の下半分のみに配置され、前記ハウジング(6)に形成された入口開口(7a)と、前記ハウジング(6)へ通じるように構成された入口流路(7b)とを有すること、および前記出口(8)が、前記ハウジング(6)の上半分に配置され、前記ハウジング(6)に形成された出口開口(8a)と、前記ハウジング(6)から離れる方向へ接線に沿って続くように構成された出口流路(8b)とを有し、前記出口流路(8b)が、前記ハウジング(6)の横断面の最大内径の少なくとも2倍の長さにわたって、直線状に、または本質的に直線状に延びること、および前記入口開口(7a)と前記カッタ(3)との距離は、前記出口開口(8a)と前記カッタ(3)との距離とは異なること
を特徴とする装置。
【請求項2】
前記入口流路(7b)が、接線に沿ってハウジング(6)へ通じるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジング(6)上の前記出口(8)が、前記ハウジング(6)の前部領域の、前記少なくとも1つのカッタ(3)が運動する前記穴あき板(2)の近くの領域内に配置されていること、および前記ハウジング(6)上の前記入口(7)が、前記ハウジング(6)を長手方向に見たときに、前記ハウジング(6)の後部領域の、前記穴あき板(2)から離れる方向を向いた領域内に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記
載の装置。
【請求項4】
前記ハウジング(6)の横断面で見たときに、前記入口(7)と前記出口(8)が同じ側に配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記出口流路(8b)が、前記直線状の経路または前記本質的に直線状の経路の領域に、前記出口流路(8b)の前記直線状の経路または前記本質的に直線状の経路の最初の領域の中心軸と、前記出口流路(8b)の前記直線状の経路または前記本質的に直線状の経路の最後の領域の中心軸との間で測定した30°未満の湾曲を有する湾曲部分を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記出口流路(8b)が、前記直線状の経路または前記本質的に直線状の経路の領域に、前記出口流路(8b)の前記直線状の経路または前記本質的に直線状の経路の最初の領域の中心軸と、前記出口流路(8b)の前記直線状の経路または前記本質的に直線状の経路の最後の領域の中心軸との間で測定した15°未満の湾曲を有する湾曲部分を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記出口流路(8b)の横断面が、前記直線状の経路または前記本質的に直線状の経路の全長にわたって一定であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記出口流路(8b)が、前記直線状の経路または前記本質的に直線状の経路の全長にわたって、横断面の1つまたは複数の変化を有し、前記横断面の変化(1つまたは複数)の全長にわたる前記横断面の拡大化または狭小化の角度が、それぞれの場合に、前記出口流路(8b)のその部分の中心軸に対して15°未満であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記出口流路(8b)の前記直線状の経路または前記本質的に直線状の経路の全長が、前記出口流路(8b)の局所直径の少なくとも10倍であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穴あき板(perforated plate)に形成されたノズルから出てきた溶融物、例えば熱可塑性材料の溶融物を粒状化する装置であって、モータによって駆動される少なくとも1つのカッタを備えるカッタ構成が、前記少なくとも1つのカッタが穴あき板のノズルの上を通過し、その際に、出てきた材料のペレットを切断するように、穴あき板の反対側に配置され、この装置が、穴あき板に接続し、カッタ構成の前記少なくとも1つのカッタを少なくとも取り囲むハウジングを有し、ハウジングの中を冷却材、例えば水などの冷却流体が流れ、ハウジング上に、冷却材の入口、ならびに冷却材および冷却材中に存在するペレットの出口が配置された、請求項1のプリアンブルに記載の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対応する装置、例えば水中粒状化法を実施する対応する装置は、水中粒状化装置(underwater granulator)として知られており、例えばAutomatik Plastics Machinery GmbH.社からSPHERO(登録商標)の製品名で知られている。
【0003】
TPE、TPUなどの互いにくっつきやすいプラスチック材料の水中粒状化では特に、粒状化ユニットのハウジングに流入する間、ハウジングの中を流れている間、およびハウジングから流出する間の冷却材の誘導が決定的に重要である。第1に、冷却材の誘導は、過度の乱流なしに、可能な最大の効果で実施されるべきであり、第2に、粒状化を実施した後のペレットを含む冷却材は、ペレットが互いにくっつくことによって起こる凝集(clumping)を回避することができるような態様で運ばれるべきである。この工程においては、できる限り迅速かつ確実にペレットを送出することができるべきである。
【0004】
欧州特許EP 1 218 156 B1は、この特許ではウォーターボックスと呼んでいる追加の水流ガイドが、このウォーターボックスを通して水およびペレットの流れを誘導するためにハウジング内に取り付けられた、水中粒状化装置を記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、穴あき板に形成されたノズルから出てきた材料を粒状化する装置であって、効率的な粒状化と、このような装置で生産されたペレットの確実な高速輸送とを、構造的に単純な方式で同時に可能にする装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、穴あき板に形成されたノズルから出てきた熱可塑性材料を粒状化する装置であって、請求項1の特徴を備える本発明に基づく装置によって達成される。本発明の好ましい実施形態は従属請求項に規定されている。
【0007】
本発明に基づく装置は、穴あき板に形成されたノズルから出てきた溶融物、例えば熱可塑性材料の溶融物を粒状化する目的に使用される。穴あき板の反対側には、モータによって駆動される少なくとも1つのカッタを備えるカッタ構成が、前記少なくとも1つのカッタが、穴あき板のノズルの上を通過し、その際に、出てきた溶融物材料のペレットを切断するように配置される。本発明に基づく装置はハウジングを有し、このハウジングは、穴あき板に接続し、カッタ構成の前記少なくとも1つのカッタを少なくとも取り囲み、ハウジングの中を冷却材が流れ、ハウジング上に、冷却材の入口、ならびに冷却材および冷却材中に存在するペレットの出口が配置される。本発明によれば、入口は、ハウジングの下半分のみに配置され、ハウジングに形成された入口開口と、ハウジングへ通じるように構成された入口流路とを有する。好ましくは、入口流路を、直線状に、または本質的に直線状に延びるように構成することができる(この点に関しては、出口に関する対応する情報も参照されたい)。本発明によれば、出口は、ハウジングの上半分に配置され、ハウジングに形成された出口開口と、ハウジングから離れる方向へ接線に沿って続くように構成された出口流路とを有し、出口流路は、ハウジングの横断面の最大内径の少なくとも2倍の長さにわたって、直線状に、または本質的に直線状に延びる。ここで、「本質的に直線状に」との表現は、ある種の湾曲部分(curve)または曲り(bend)を流路に有する後に詳細に説明する本発明の実施形態に関し、この湾曲部分または曲りについては、その寸法(dimension)に関して、後の説明においてより正確に定義される。
【0008】
入口および出口の本発明のこの設計によって、効率的な粒状化と、冷却材中に存在するペレットの確実な高速輸送とを、構造的に単純な方式で同時に達成することが可能である。この設計では、出口流路が、接線に沿ってハウジングから離れる方向へ続くことによって、ペレットを含む冷却材の流れが出口流路においてあまり収斂されず、したがって出口の横断面があまり狭くならないようにすることが可能である。その結果、本発明に基づく出口開口および本発明に基づく出口流路を使用すれば、冷却材中に存在するペレットが、出口の壁のところで互いに押し合うことがなく、それによって、ペレット間の接触の危険性が大幅に低下し、または完全に回避される。ペレットどうしが接触すると、くっつきやすいプラスチック材料の場合に特に、ペレットが互いにくっつくことがある。本発明に基づく入口開口および本発明に基づく入口流路を備える入口の設計は、ハウジング内への改良された困難のない冷却材の流入を提供し、このような冷却材の流入は、ハウジング内の流動状態をより均一にし、したがってハウジング内の流動状態をより制御しやすくする。このように、本発明に従えば、改良された確定された流動状態が得られるため、効率的な粒状化が可能になり、この粒状化工程では、ハウジング内におけるペレットの滞留時間もより均一になり、このことは、均一性を達成し、生産されるペレットの品質を向上させることに貢献する。本発明に基づく設計によって流動状態が確定されることにより、ペレットの滞留時間の統計学的なガウス分布はより狭くなる。本発明によればさらに、結果として生じる、具体的には穴あき板に向かう、強制された均一な流動状態によって、冷却材が全く、またはわずかにしか流動しない、したがって冷却材中に存在するペレットが凝集する危険性がより高いデッドゾーン(dead zone)を確実に回避することができる。一般的に言えば、本発明によれば、このことは全て、カッタ構成の磨耗の低減、およびカッタ構成の駆動に必要な駆動エネルギーの可能な低減に帰着する。
【0009】
好ましくは、入口流路を、接線に沿ってハウジングへ通じるように構成することができる。その結果、本発明によれば、好ましくは、ハウジング内において、導かれた流れ(directed flow)をより容易に生み出すことができ、好ましくは円形または本質的に円形の横断面を有することができる水がハウジングに入ったときに、冷却材の回転する渦(rotating eddy)がすぐに生み出され、この回転する渦によって、ハウジング内に依然として存在する空気が、本発明に基づく装置の始動プロセスと同じ早い時期に、ハウジングから容易に運び出される。好ましくはこのように設計された本発明に基づく装置の動作中に、適切に導かれたハウジング内の流れは、冷却材中のペレットが互いにくっつく危険性をよりいっそう低下させることができる。
【0010】
ハウジング内の導かれた渦流(eddy flow)をよりいっそう改良し、そのようにして粒状化をよりいっそう効率的にし、同時に、適切に調整された均一な流動状態によって、冷却材中のペレットが一緒にくっつく危険性をさらに低下させることができるように、ハウジング上の出口を、ハウジングの前部領域の、前記少なくとも1つのカッタが運動する穴あき板の近くの領域内に配置することができ、ハウジング上の入口を、長手方向に見たときに、ハウジングの後部領域の、穴あき板から離れる方向を向いた領域内に配置することができる。後部領域から前部領域への渦流を与える冷却材のこの流れは特に均一であり、ハウジング内において有害な追加の乱流を生じない。その結果、ハウジングの前部領域において生産されたペレットを、ハウジングの後部への逆流をあまり生じさせずに、冷却材中に出口から迅速に送出することができる。この逆流が生じると、冷却材中のペレットが凝集することがある。
【0011】
ハウジングの横断面で見たときに、入口と出口が同じ側に配置されると、特に均一な流動状態が生み出される。その結果、生じると有利な渦流を、入口から出口への流れの重大な追加の偏向なしに、特に確実に生じさせることができる。
【0012】
好ましくは、出口流路が、直線状の経路または本質的に直線状の経路の領域に、出口流路の直線状の経路または本質的に直線状の経路の最初の領域の中心軸と、出口流路の直線状の経路または本質的に直線状の経路の最後の領域の中心軸との間で測定した30度未満程度、特に好ましくは15度未満程度の湾曲を有する湾曲部分を有することができる。本発明に従ってこのように好ましく設計された出口流路の場合には、ペレットを含む冷却材の流れの方向が全く、またはごくわずかにしか変化しないため、この実施形態において、この出口流路は、冷却材中のペレットが互いにくっつくことを特に確実に防ぐことができる。
【0013】
好ましくは、出口流路の横断面が、直線状の経路または本質的に直線状の経路の全長にわたって一定であることによって、冷却材中のペレットが出口領域において互いにくっつくことをさらに低減させることができる。
【0014】
粒状化する特定の材料に対する、例えばスループットまたは冷却材の流量に関する柔軟な調整を提供し、その際に、それにもかかわらず、冷却材中で互いにくっつくことによって生じるペレットの凝集の危険性をできるだけ低く保つために、出口流路は、直線状の経路または本質的に直線状の経路の全長にわたって、横断面の1つまたは複数の変化を有することができ、横断図の変化の全長にわたる横断面の拡大化または狭小化の母線角(generating angle)は、それぞれの場合に、出口流路のその部分の中心軸に対して15度未満とすることができる。
【0015】
粒状化する材料によっては、本発明の好ましい一実施形態に従って、出口流路の直線状の経路または本質的に直線状の経路の全長が、当該箇所における出口流路の局所直径の少なくとも10倍である場合に有利である。その結果、出口流路内に、狭小化のない、または本質的に狭小化のない(上記参照)十分に長い冷却区間を、冷却材中に存在するペレットに対して提供することができ、この区間には、そこを流れる流れに対する障害がない。障害がある場合には、その区間において冷却材中で冷却されたペレットが凝集する危険性が生じる可能性がある。
【0016】
次に、添付図面を例として参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の好ましい一実施形態に基づく装置の概略上面図である。
図2】本発明の好ましい他の実施形態に基づく装置の概略上面図である。
図3図1の断面A−Aに沿って描いた、本発明の好ましい一実施形態に基づく装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ダイプレート(die plate)に形成されたノズルから出てきた熱可塑性材料を粒状化する本発明の好ましい一実施形態に基づく装置の概略上面図を示す。
【0019】
図1には、その中を冷却材が流れる装置のハウジング6が示されており、ハウジング6上には、冷却材の入口7、ならびに冷却材および冷却材中に存在するペレットの出口8が配置されている。本発明によれば、入口7は、ハウジング6の下半分、好ましくは例えば4時と5時の間の位置に配置される。入口7は、ハウジングに形成された入口開口7aと、ハウジング6へ通じるように構成された入口流路7bとを有し、図1に示した好ましい実施形態では、入口流路7bが、接線に沿って直線状にハウジング6へ通じるように構成されている。さらに、本発明によれば、出口8は、ハウジング6の上半分、好ましくは10時と2時の間の位置に配置される。本発明に基づく出口8は、ハウジング6に形成された出口開口8aと、ハウジング6から離れる方向へ接線に沿って続くように構成された出口流路8bとを有し、出口流路8bは、ハウジング6の横断面の最大内径の少なくとも2倍の長さにわたって直線状に延びる。さらに、出口流路8bのこの直線状の経路の長さは、出口流路8bの対応する位置における出口流路8bの局所直径の少なくとも10倍である。図1が分かりにくくなるため、この長さを完全に示すことはできない。したがって、この長さは、図1に示した長さよりもさらに延びている。
【0020】
図2は、本発明の好ましい他の実施形態に基づく粒状化装置の概略上面図を示す。図2に示した本発明の実施形態が図1に示した本発明の実施形態と異なる点は、図2では出口流路8bが、完全には直線状に延びておらず、その代わりに本質的に直線状に延びている点だけである。この点に関して、図2に示した出口流路8bは、本質的に直線状の経路の領域に、出口流路8bの直線状の経路または本質的に直線状の経路の最初の領域(出口開口8aに近い方の領域)の中心軸と、図2の描写の上部領域にある出口流路8bの本質的に直線状の経路の最後の領域の中心軸との間で測定した約10度程度の湾曲を有する湾曲部分を有する。図2の描写によれば、出口流路8bはさらに、一例として、出口流路8bの本質的に直線状の経路の全長にわたって、横断面の1つの変化、すなわち横断面の拡大化を有し、図2の描写によれば、出口流路8bの母線角は、横断面の変化の全長にわたって、出口流路8bのその部分の中心軸に対して約10度である。
【0021】
図1の描写と図2の描写の両方に示されているように、示された本発明の好ましい両方の実施形態では、ハウジング6の横断面で見たときに、入口7と出口8が、これらの図では図面の平面内において斜めに延びるハウジング6の仮想の対称軸の同じ側に配置される。すなわち、入口7と出口8は、円形の横断面を有するハウジングの中心において図面の平面から突き出す対称軸に関して放射対称には配置されず、その代わりに、ハウジング6内の渦流の流動方向または出口8における対応する流出方向の同じ側に配置される。
【0022】
一般に、図中の同様の参照符号は装置の同様の要素を指す。特に明記しない限り、個々の図または個々の図の要素に関して提供された情報は、他の図および他の図中に示された対応する要素にもあてはまる。そのような情報は再び繰り返されない。
【0023】
図3は、図1の断面A−Aに沿って描いた、本発明の好ましい一実施形態に基づく装置の概略断面図を示す。図3の概略断面図には、穴あき板2に形成されたノズル1から出てきた溶融物材料を粒状化する本発明に基づく装置が示されている。溶融物、例えば熱可塑性材料の溶融物は、溶融物流路5が配置された溶融物分配要素4を通して、穴あき板2のノズル1に供給される。穴あき板2の反対側には、モータ(図示せず)によって駆動される少なくとも1つのカッタ3を備えるカッタ構成が配置されている。カッタ構成は破線で示されている。この設計では、生産工程において、少なくとも1つのカッタ3が穴あき板2のノズル1の上を通過し、その際に、出てきた溶融物材料のペレットを切断する。この装置はハウジング6を有し、ハウジング6は、穴あき板2に接続し、カッタ構成の少なくとも1つのカッタ3を少なくとも取り囲み、ハウジング6の中を冷却材が流れ、ハウジング6上には、冷却材が入ってくる本発明に基づく入口7、ならびに冷却材および冷却材中に存在するペレットが出ていく本発明に基づく出口8が配置されている。図3に示されているように、入口7は、ハウジング6の下半分のみに配置され、ハウジング6には入口開口7aが形成されており、ハウジング上のこの入口は、ハウジング6を長手方向に見たときに、ハウジング6の後部領域の、穴あき板2から離れる方向を向いた領域内に配置される。出口8は、ハウジング6の上半分に配置され、ハウジング6に形成された出口開口8aと、ハウジング6から離れる方向へ接線に沿って続く出口流路8bとを有し、出口流路8bは、ハウジング6の横断面の最大内径の少なくとも2倍の長さにわたって、直線状に、または本質的に直線状に延びる。出口流路8bの全長を図3に示すことはできないため、図3では、出口流路8bの長さが単に暗示的に示されている。図3に示した本発明の実施形態によれば、出口8は、ハウジング6を長手方向に見たときに、ハウジング6の前部領域の、少なくとも1つのカッタ3が運動する穴あき板2の近くの領域内のハウジング6上に配置される。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明に基づく装置を使用すると、効率的な粒状化と、冷却材中のペレットの確実な高速輸送とを、構造的に単純な方式で同時に達成することが可能であり、特に、冷却材中のペレットが互いにくっつくことを確実に回避することができる。
図1
図2
図3