(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5948314
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】自転車および類似の乗り物のハンドルバーのためのグリップ、およびその作成方法
(51)【国際特許分類】
B62K 21/26 20060101AFI20160623BHJP
【FI】
B62K21/26
【請求項の数】21
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-500616(P2013-500616)
(86)(22)【出願日】2011年2月10日
(65)【公表番号】特表2013-522118(P2013-522118A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】IB2011050569
(87)【国際公開番号】WO2011117760
(87)【国際公開日】20110929
【審査請求日】2014年2月3日
(31)【優先権主張番号】VR2010A000057
(32)【優先日】2010年3月24日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511227118
【氏名又は名称】セレ・ロイヤル・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】SELLE ROYAL S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メイスン,マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】ブルジョワ,バンサン
(72)【発明者】
【氏名】セガト,ステファノ
【審査官】
岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0174450(US,A1)
【文献】
特許第3947259(JP,B2)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0157758(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0089559(US,A1)
【文献】
特開平10−138982(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第02263248(GB,A)
【文献】
米国特許第06968599(US,B2)
【文献】
仏国特許出願公開第02711350(FR,A1)
【文献】
欧州特許第01373058(EP,B1)
【文献】
中国実用新案第2758230(CN,Y)
【文献】
中国実用新案第2848690(CN,Y)
【文献】
特開2006−306317(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3135678(JP,U)
【文献】
特開2008−265176(JP,A)
【文献】
特開2006−306316(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0158884(US,A1)
【文献】
米国特許第06035742(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車または類似の乗り物のハンドルバーのためのグリップ(1)であって、端部(7,8)が設けられ、長手軸(X)を有する筒状の空洞(3)を含む管状の本体(2)を備え、前記本体(2)は、ハンドルバーの端部に嵌合するのに適しており、グリップ(1)はさらに、前記本体(2)に結合される軟質な材料で構成されたパディング(5)と、パディング(5)の上に位置決めされるカバー(6)と、ハンドルバーに対してグリップ(1)を固定する手段(14,16)とを備え、前記カバー(6)は、少なくとも一部が加熱および/または冷却により熱変化した状態の熱収縮材料および/または熱形成材料からなり、前記カバー(6)はパディング(5)の形状となっており、
前記パディング(5)は、軸(X)に沿った長手方向の長さを有し、この長さは、本体(2)の長さよりも短く、これにより、本体(2)自体の端部(7,8)の少なくとも一方が被覆されない状態となり、
前記カバー(6)は、軸(X)に沿った長手方向の長さを有し、この長さは、前記本体(2)の長さに実質的に等しく、これにより、パディング(5)に被覆されない本体(2)の端部(7,8)も被覆する状態となり、
前記本体(2)の端部(7,8)および前記カバー(6)の端部は前記固定する手段(14,16)によりハンドルバーに固定される、グリップ。
【請求項2】
前記本体(2)は、前記パディング(5)よりも剛性が高い材料からなる、請求項1に記載のグリップ。
【請求項3】
前記本体(2)は、本体(2)の端部(7、8)の少なくとも一方に位置決めされるスロット(9)および/または凹部(10)を含む、請求項1または2に記載のグリップ。
【請求項4】
前記本体(2)は、空洞(3)の内側面に設けられる少なくとも1つの溝(4)を含み、前記少なくとも1つの溝(4)は、前記本体(2)と前記固定手段(14)との間の結合を容易とするために平らとなって潰れるように適合する、請求項1から3のいずれか1項に記載のグリップ。
【請求項5】
前記パディング(5)は、ポリウレタンゲル、または、熱可塑性エラストマ、および/またはシリコン、および/または小型弾性ポリウレタン(PU)、および/または、マイクロセルラポリウレタン、および/または発泡エチル酢酸ビニル(EVA)含む他の材料、および/または前記パディング(5)は、ゲルとコルクの混合物、および/またはゲルと相変化材料の混合物、および/または、および/またはエチル酢酸ビニルまたはポリウレタン発泡体の層の上に配置されるゲルの層を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のグリップ。
【請求項6】
前記パディング(5)は、本体(2)に対応する形状を有することで結合されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のグリップ。
【請求項7】
前記パディング(5)は、接着によって本体(2)に結合される、請求項1から5のいずれか1項に記載のグリップ。
【請求項8】
前記カバー(6)は、ポリオレフィン、フッ素ポリマ、ポリ塩化ビニル(PVC)、または、ポリクロロプレン(ネオプレン)、シリコンエラストマ、もしくはフッ素ポリマエラストマをベースとした合成ゴム、および/または織布もしくは不織布などの天然材料および/または合成材料から選択される1つ以上の材料を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載のグリップ。
【請求項9】
前記カバー(6)は、少なくとも一部が透明な材料からなる部分または窓(13)を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載のグリップ。
【請求項10】
前記透明な材料は、不透明な材料と同じまたは類似の熱収縮特性および/または熱形成特性を有する、請求項9に記載のグリップ。
【請求項11】
前記パディング(5)は、少なくとも1つの透明な部分を含み、これにより、本体(2)の外側面の領域、および/またはパディング(5)の領域、および/または前記パディング(5)の内側領域を見ることを可能にする、請求項9または10に記載のグリップ。
【請求項12】
パディング(5)および/または本体(2)の外部から見ることが可能な領域は、印刷、および/または絵、および/または文字、および/または装飾要素、および/または彩色などを有し、これにより、識別可能な特徴をグリップ(1)自体に付加する、請求項9から11のいずれか1項に記載のグリップ。
【請求項13】
前記固定手段は、係止手段(16)が設けられた少なくとも1つの固定リング(14)を含む、請求項1から12のいずれか1項に記載のグリップ。
【請求項14】
前記固定リング(14)は、切り欠き(15)を含む、請求項13に記載のグリップ。
【請求項15】
前記固定リング(14)は、減厚手段(30)を含む、請求項13または14に記載のグリップ。
【請求項16】
前記固定リング(14)は、本体(2)の端部(7,8)および/またはカバー(6)と結合するような直径を有する第1の内側面(17)と、本体(2)の端部およびハンドルバー管の端部を被覆させるのに適した小さい直径を有する第2の内側面(18)とを含む、請求項13から15のいずれか1項に記載のグリップ。
【請求項17】
前記本体(2)は、本体(2)の端部(7、8)の少なくとも一方に位置決めされる凹部(10)を含み
前記固定手段は、係止手段(16)が設けられた少なくとも1つの固定リング(14)を含み、
前記固定リング(14)は、切り欠き(15)を含み、
前記固定リング(14)は、切り欠き(15)に隣接して配置され、本体(2)の前記凹部(10)に対して挿入するのに適した1つ以上の隆起部(19)を含む、請求項1または2に記載のグリップ。
【請求項18】
前記固定リング(14)の内側面(17)は、リブ(20)を含み、前記リブ(20)は、本体(2)に設けられたスロット(9)および/またはカバー(6)に設けられたスロット(11)に挿入することが想定される、請求項17に記載のグリップ。
【請求項19】
前記リング(14)は、金属、および/またはポリマ材料からなる、請求項13から18のいずれか1項に記載のグリップ。
【請求項20】
本体(2)と、パディング(5)と、熱収縮材料および/または熱形成材料からなるカバー(6)とが設けられたグリップ(1)を作成する方法であって、
−端部(7,8)および長手方向の軸(X)を有し管状の本体(2)を作るステップと、
−このような本体(2)に軟質な材料で構成されたパディング(5)を結合させるステップと、
−このようなパディング(5)にカバー(6)を位置決めするステップとを備え、
カバー(6)を位置決めする前記ステップは、パディング(5)の上においてカバー(6)の収縮および/または形成を引き起こす加熱ステップおよび/または冷却ステップを含み、
前記パディング(5)は、軸(X)に沿った長手方向の長さを有し、この長さは、本体(2)の長さよりも短く、これにより、本体(2)自体の端部(7,8)の少なくとも一方が被覆されない状態となり、
前記カバー(6)は、軸(X)に沿った長手方向の長さを有し、この長さは、前記本体(2)の長さに実質的に等しく、これにより、パディング(5)に被覆されない本体(2)の端部(7,8)も被覆する状態となり、
前記本体(2)および前記カバー(6)の端部は前記固定する手段(14,16)によりハンドルバーに固定される、方法。
【請求項21】
本体(2)にパディング(5)を結合させる前記ステップは、本体(2)の上に直接的にパディングの材料を流し込んで硬化させるステップを含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、自転車、およびオートバイや配達用三輪自動車などのハンドルバーが設けられた類似の乗り物のハンドルバーのためのグリップに関する。一般に、乗り物のハンドルバーに加えて、本発明は、たとえばスポーツ器具などにも用いられる任意の種類のハンドグリップおよびハンドルのためのグリップに関する。
【0002】
本発明は、上記のグリップを得るための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術
自転車のハンドルバーのためのグリップは、たとえば、同出願人による欧州特許第1373058号B1により知られている。
【0004】
このようなグリップは、ハンドルバーへの挿着に適した主剛体と、たとえばゲル型のエラストマ材料などの比較的柔らかい材料からなるカバーとを実質的に含み、その外形は、ユーザの握りに適した形状に成形され、手の通気性を高めるように溝が設けられる。このような特許によるグリップにおいては、ハンドルバーとの係合に適した面が設けられた管形状の突出部を有する端部要素が想定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の目的
発明の1つの目的は、従来技術を向上させることである。
【0006】
本発明の他の目的は、従来技術のグリップよりも心地よい、すなわち、より良好に衝撃や振動を吸収し、ユーザとの接触部分において圧力をより良好に分散させる、ハンドルバーのためのグリップを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、簡単な構造を有して費用効率の良い、ハンドルバーのためのグリップを提供することである。
【0008】
発明の他の目的は、ハンドルバーに対してしっかりと固定することができる、ハンドルバーのためのグリップを提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、従来技術のグリップよりも耐候性が高く、候補となる色、デザイン、形状などの組合せに関して製造の柔軟性が高いグリップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面によれば、これらの目的は、請求項1に記載されるハンドルバーのためのグリップによって達成される。
【0011】
これらの目的および他の目的は、発明の好ましく有利な実施例に関する従属請求項2から22によって達成される。
【0012】
本発明のさらなる他の目的は、上記のハンドルバーのためのグリップを作成する方法を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、独立請求項
20に記載されるハンドルバーのためのグリップを作る方法を提供することである。
【0014】
発明のさらなる特徴および利点は、例示であって限定する意図のない態様で添付の図面に示されるハンドルバーのためのグリップに関する詳細な記載によって、より明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係るハンドルバーのためのグリップを示す分解斜視図である。
【
図2】本発明に係るハンドルバーのためのグリップに設けられる外側カバーの他の形態を示す斜視図である。
【
図3】上記の図面に係るグリップの詳細を示す拡大詳細図である。
【
図4】上記の図面に係るグリップの詳細を示す拡大詳細図である。
【
図5】本発明に係るグリップの代替的な実施例を詳細に示す図である。
【
図6A】本発明に係るグリップの例示的な実施例を詳細に示す図である。
【
図6B】本発明に係るグリップの例示的な実施例を詳細に示す図である。
【
図7A】本発明に係るグリップの代替的な実施例を詳細に示す図である。
【
図7B】本発明に係るグリップの代替的な実施例を詳細に示す図である。
【
図8】本発明に係るグリップに適用することができる付属品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
記載を簡素にするための便宜上、ハンドルバーを有する他の任意の種類の乗り物、および、たとえばスポーツ器具などにも用いられる任意の種類のハンドグリップおよびハンドルにもグリップを使用することができるという理解の下、後の記載においては、自転車のハンドルバーのためのグリップについて記述するものとする。
【0017】
図面を参照すると、様々な種類のハンドルバーを有する自転車および乗り物に使用される自転車のハンドルバーのためのグリップは、参照符号1で示される。
【0018】
グリップは、内側本体2を有する。内側本体2は、比較的剛性の高い材料からなり、長手軸「X」を有して実質的に管状に成形され、ハンドルバーの端部(図示せず)またはハンドグリップやハンドルなどの類似の要素の端部と嵌合するのに適している。
【0019】
内側本体2は、任意の剛性および半剛性材料、金属またはプラスチック、たとえば熱可塑性ポリマから作ることができる。
【0020】
内側本体2は、両端が開いた実質的に筒状の空洞3を含む。空洞3の内側面には、様々な製造工程においてグリップ1を位置決めして正しく配向し、グリップ1のさらなる部品の位置決めを促すのに適した1つ以上の溝4を備えることができる。これは、以下の記載でより明瞭となる。
【0021】
本体2は、2つの端部7,8を有し、各端部には、スロット9と凹部10とが設けられる。その機能については、後の記載においてより詳細に説明される。
【0022】
図7Aに示される代替的な実施例においては、本体2は、凹部10を有していなくてもよい。
【0023】
本体2の外側面には、比較的軟質な材料、たとえばポリウレタンゲル、またはこの目的に適した他の材料からなるパディング5が取り付けられる。たとえば、熱可塑性エラストマ、シリコーン、小型弾性ポリウレタン(PU)、マイクロセルラポリウレタン、発泡エチル酢酸ビニル(EVA)などの非発泡型または発泡型の材料を使用することができる。このようなパディング5は、たとえば、ゲルとコルクの混合物、ゲルと相変化物質との混合物などの連続不均一材料、および、たとえば互いに自由に流動して手の形および外部からの応力に対して完全に適合することができる微小球パケットや、エチル酢酸ビニルまたはポリウレタン発泡体の層の上に配置されるゲルの層などの非連続均一材料からも作ることができる。
【0024】
パディング5は、ユーザに対する良好なグリップおよび良好な心地よさを促すように成形された外形を有することができる。
【0025】
パディング5は、上記の本体2が収容される型(図示せず)の中において、本体2にパディングの材料を流し込むことによって得ることができる。パディングの材料は、ひとたび硬化されると、本体2に結合される。
【0026】
本発明の他の形態によれば、パディングの材料は、鋳造成形、射出成形、型成形などによって、本体2が無くとも型の中で成形することができ、たとえば接着などの他の処理によって本体2に結合させることができる。
【0027】
パディング5は、軸「X」に沿った長手方向の長さを有する。この長さは、本体2の長さよりも短い。これにより、本体2自体の端部7,8の少なくとも一方が被覆されない状態となる。
【0028】
パディング5の少なくとも一部の上には、カバー6の取り付けが想定される。カバー6は、その少なくとも一部が熱収縮材料、または、たとえば熱成形材料などの他の適切な材料からなる。カバー6は、熱収縮材料および/または熱成形材料の組み合わせ、ならびに特殊な性質を有する他のカバー材料の組み合わせを有することができる。これは、後の記載においてより詳細に記載される。
【0029】
カバー6は、ユーザに高い心地よさを提供するとともに、その下に配置されるパディング5を保護するのに適した外側面を有する。
【0030】
カバー6は、軸「X」に沿った長手方向の長さを有する。この長さは、本体2の長さに実質的に等しい。これにより、パディング5で被覆されていない本体2の端部7,8を被覆させる。このような理由から、カバー6の端部には、本体2の端部7,8に類似のスロット11と凹部12とが設けられる。
【0031】
代替的な実施例において、カバー6は、凹部12を有しておらず、凹部10を有さない本体2と組み合せて使用される。
【0032】
本発明の一形態において、カバー6は、実質的に筒状の初期形状を有するシースであり、本体2とパディング5とによって形成されるアセンブリに嵌合される。カバー6の材料は熱収縮特性を有するため、加熱および/または冷却によって、実質的に筒状の管状シースが収縮し、すなわち、その寸法、特に直径が小さくなり、図に示されるような、本体2とパディング5とのアセンブリの形状に対応する形状となる。
【0033】
図6Aおよび
図6Bに示されるように、カバー6は、ユーザの異なる要求に適合するように、異なる構成を有することができる。
【0034】
熱収縮性シースの材料は、例示であって限定する意図はないが、1つ以上の熱可塑性材料、たとえば、ポリオレフィン、フッ素ポリマ、ポリ塩化ビニル(PVC)、または、ポリクロロプレン(ネオプレン)、シリコーンエラストマ、もしくはフッ素ポリマエラストマ(Viton,DuPont社の登録商標)をベースとした合成ゴム、または織布もしくは不織布のような、天然または合成の材料を含むことができる。本発明の他の形態によれば、カバー6は、熱および圧力によって本体2およびパディング5のアセンブリの形状を成形する熱成形材料からなる。
【0035】
代替的な実施例において、カバー6は、不透水性材料と一体となった発泡エチル酢酸ビニルからなるシースを使用して得ることができ、パディング5の上に熱成形することができる。
【0036】
図2は、透明な材料からなる部分または窓13を含むカバー6の他の形態を示し、これは、グリップ1の熱収縮材料および/または熱形成材料と一体としてもよく、一体としなくてもよい。このような透明な材料は、不透明な材料と同じまたは類似の熱収縮特性および/または熱形成特性を有することができる。
【0037】
この透明な窓が付加される場合、または窓がカバー6から形成される場合、この窓を介してパディング5の領域を見ることができる。パディング5もまた透明である場合、たとえば透明のゲルからなる場合、本体2の外側面の領域、および/またはパディング5の形成に使用される他の材料および/または発泡体の領域、および/またはパディング5自体の内部の領域さえも外から見ることができる。パディング5および/または本体2の外から見ることができるこのような領域は、印刷、および/または絵、および/または文字、および/または装飾物、および/または彩色などの、特別かつ識別可能な特性をグリップ自体に付与することができる。
【0038】
グリップ1は、ハンドルバーに固定するための少なくとも1つのリング14を含み、特定的には、グリップの端部に位置決めされる2つの固定リング14を含む。
【0039】
固定リング14は、たとえば、ねじ手段または同等の手段などの係止手段16によってリング14自体の内径を小さくことができる切り欠き15を含む。これにより、固定リング14を以下の記載で説明する方法によってハンドルバーに固定することができる。
【0040】
図7Bに示されるように、固定リング14は、本体2の端部7,8およびカバー6に連結するような直径を有する第1の内側面17と、本体2の端部、カバー6の端部、およびハンドルバーの管の端部を被覆させるのに適した小さい直径を有する第2の内側面18とを含む。
【0041】
代替的な実施例において、固定リング14は、切り欠き15に隣接する1つ以上の隆起部19、特定的には2つの隆起部19を含む。この隆起部19は、本体2の凹部10に挿入され、本体2に対するリング14の角度的および軸方向の基準を定めることができる。
【0042】
固定の強さをさらに強め、リング14に対する本体2の角度的および軸方向の基準を正確にするために、内側面17は、実質的に周の所定の円弧部に沿って配置されるリブ20を含むことができる。リブ20は、適切に想定される本体2のスロット9および/またはカバー6のスロット11に挿入される。
【0043】
このような目的のために、内側本体2の溝4は、リブ20をスロット9および/またはスロット11に挿入できるように、内側本体2を平たくして若干潰れた状態にすることができる。このような溝4は、グリップ1の位置決め部としても機能し、様々な製造工程においてそれらの配向を調整し、鋳造型に配置されて溝4と結合する対応の突起部を介して、このような方法でグリップ1の全体を確実に正しく配向させる。
【0044】
全体として、グリップ1とハンドルバーの管との間の固定は、ユーザによって容易に行なわれるのにも拘らず非常にしっかりしている。
【0045】
固定リング14は、たとえば鉄鋼やアルミニウムなどの金属、または、たとえば繊維、ボール、ナノフィラ、ファイバガラス、炭素繊維もしくはアラミド繊維を含む樹脂などの複合材料によって補強された熱可塑性材料または熱硬化性材料のようなポリマ材料から作ることができる。
【0046】
代替的な実施例においては、固定リング14は、実質的に径方向に延在して係止手段16によって閉じられる、少なくとも1つの切り欠き15が設けられることで開放型となり、全体的に参照符号30で示される減厚手段を、少なくとも1つの切り欠き15に対して実質的に径方向反対側の位置に有する。このような手段は、固定リング14にヒンジ効果をもたらすのに適しており、ハンドルバーの管に対して本体2をより強く最適に係止させる。
【0047】
図面に示される好ましいが排他的ではない実施例において、減厚手段30は、止まり穴または貫通孔によって規定され、リブ20の箇所および/またはリング14の内側面17の箇所に位置決めすることができ、これら両方の一部は内側本体2およびカバー6に対して向けられている。しかし、添付の請求項の内容によって表わされる保護範囲から逸脱することのない限りにおいて、減厚手段の任意の他の構成が想定されることを理解すべきである。
【0048】
本発明に係るグリップは、市場に大抵は存在している異なる長手方向の長さを有して作ることができる。例示であって限定する意図はないが、その長さは、90mm、110mm、および130mmに設定することができる。
【0049】
図8はさらに、たとえば自転車のギヤシフトのためのアダプタ32などの、グリップ1に付加することができる付属品を示す。この付属品は、ウィング34によって、リング14に結合することができる。ウィング34には、リング14の切り欠き15に挿入することができる1つ以上のリブ36が設けられ得る。アダプタ32およびウイング34は、請求項の保護範囲から逸脱しない限りにおいて、他の形状および構成を有することができる。
【0050】
本発明は、上記のグリップ1を作成する方法にも関する。
本体2と、パディング5と、熱収縮材料および/または熱形成材料のカバー6とが設けられるグリップ1を作成する方法は、実質的に管状の本体2を作るステップと、パディング5をこのような本体2に結合させるステップと、パディング5のカバー6の収縮および/または形成を引き起こす加熱ステップおよび/または冷却するステップによってパディング5の上にカバー6を位置決めするステップとを含む。
【0051】
方法の1つの局面によれば、本体2にパディング5を取り付けるステップは、本体2の上に直接的にパディングの材料を流し込んで硬化させるステップを含む。このように考案された本発明は、請求項の保護範囲によって包含される全ての様々な変更や変形を想定することができる。