特許第5948400号(P5948400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5948400
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】エレベータのピット梯子装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20160623BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   B66B7/00 F
   B66B5/00 D
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-248203(P2014-248203)
(22)【出願日】2014年12月8日
(65)【公開番号】特開2016-108112(P2016-108112A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2014年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】森永 千晶
(72)【発明者】
【氏名】保坂 賢
【審査官】 筑波 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−041264(JP,A)
【文献】 実開昭64−018076(JP,U)
【文献】 特開2004−217410(JP,A)
【文献】 特開平06−080350(JP,A)
【文献】 特開平08−113439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00
B66B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ昇降路に設けられたピットと最下階乗場の間での保守員の登り降りに用いられ、前記最下階乗場に設置された乗場敷居の下に収納されるエレベータのピット梯子において、
一対の縦部材と、前記縦枠の間に所定の間隔をおいて取り付けられた踏み段をなす横部材と、からなり、梯子不使用時には、前記乗場敷居の下に鉛直方向に対して斜めに立った姿勢で収納される梯子本体と、
少なくとも2段階の旋回動作を組み合わせて前記梯子本体を使用位置まで取り出せるように、一方の前記縦部材の上端部を前記乗場敷居に連結する、少なくとも2つの旋回軸を有する旋回連結手段と、
を備えたことを特徴とするエレベータのピット梯子。
【請求項2】
旋回連結手段は、前記一対の縦部材のうち長い方の縦部材と前記乗場敷居を連結し、鉛直軸回りに前記梯子本体を旋回可能にする第1の旋回軸と、前記長い方の縦部材の軸回りに前記梯子本体を旋回可能にする第2の旋回軸と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータのピット梯子装置。
【請求項3】
旋回連結手段は、前記乗場敷居の長手方向と平行な軸回りに前記梯子本体を旋回可能にする第1の旋回軸と、前記第1の旋回軸と水平面上で直交する第2の旋回軸回りに前記梯子本体を旋回可能にする第2の旋回軸と、を有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータのピット梯子装置。
【請求項4】
前記梯子本体を使用位置に固定したときに、前記一対の縦部材からスライドまたは回転により上方に延出可能な取手部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項 に記載のエレベータのピット梯子装置。
【請求項5】
前記梯子本体を収納するときに、短い方の前記縦部材の上端部を前記乗場敷居に固定する手段を有することを特徴とする請求項2に記載のエレベータのピット梯子装置。
【請求項6】
前記梯子本体を使用位置に固定するときに、前記旋回連結手段と非連結の前記縦部材の上端部を前記乗場敷居に固定する手段を有することを特徴とする請求項3に記載のエレベータのピット梯子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータのピット梯子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータでは、昇降路の最下部はピットと呼ばれ、このピットには、緩衝器をはじめとして各種の機器が設置されている。ピットでの点検・保守作業を行う場合には、保守員は最下階の乗場から梯子を利用してピットに降りて、ピットに設置されている各種機器の点検・保守作業を行っている。通常、ピットには、梯子が常備されている。
昇降路と乗りかごの間は狭く、従来、この種のピット梯子は、最下階乗場の出入り口の下側の壁面に常設保管されていることが多い。
【0003】
保守員は、最下階の乗場の出入り口に立って身を乗り出しながら、梯子に繋がれているロープを手繰り寄せて梯子を引き上げ、梯子を使用可能な状態にする。そして乗場敷居に梯子を立て掛け、ピットに降りている。保守員は、ピットでの点検作業が終わると、梯子を登って乗場に戻り、その後、梯子を元の位置に保管している。
【0004】
従来のように梯子を平置きした場合、保守員が梯子を引き上げるには、乗場の敷居から身を乗り出すようにしなければ、梯子に手が届かなかった。その際、乗場には、つかまるようなところがないため、バランスを崩してピット内に転落する虞があった。
【0005】
そこで、梯子の取り出しを容易にするために、不使用時には梯子を乗場敷居の下に保管し、使用時には梯子を回転またはスライドさせて動かせるようにしたピット梯子装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−327372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、使用時に回転させたりする梯子の場合、梯子を動かせる可動範囲が限定されてしまうため、梯子を登り降りし易い方向に向けられないことがあるという問題があった。また、梯子使用時の安定性にも問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、前記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであって、不使用時には、乗場敷居の下に保管することができ、使用時には、梯子の可動範囲を大きくとり、登り降りし易い方向に梯子を容易に設置することができるようにしたエレベータのピット梯子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明の実誌形態によるエレベータのピット梯子装置は、エレベータ昇降路に設けられたピットと最下階乗場の間での保守員の登り降りに用いられ、前記最下階乗場に設置された乗場敷居の下に収納されるエレベータのピット梯子において、一対の縦部材と、前記縦枠の間に所定の間隔をおいて取り付けられた踏み段をなす横部材と、からなり、梯子不使用時には、前記乗場敷居の下に鉛直方向に対して斜めに立った姿勢で収納される梯子本体と、少なくとも2段階の旋回動作を組み合わせて前記梯子本体を使用位置まで取り出せるように、一方の前記縦部材の上端部を前記乗場敷居に連結する、少なくとも2つの旋回軸を有する旋回連結手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態によるピット梯子装置が設置されるピットをかご下からみた昇降路10の断面図である。
図2】第1実施形態によるピット梯子が乗場敷居の下で昇降路の壁際に保管された状態(梯子不使用時の状態)を示す正面図である。
図3】乗場敷居の下で使用可能な状態に置かれた第1実施形態のピット梯子を示す正面図である。
図4】第1実施形態においてピット梯子と乗場敷居を連結する回転連結手段を示す模式図である。
図5】第1実施形態において収納位置から使用位置でまでのピット梯子の旋回動作を上からみた図である。
図6】第1実施形態におけるピット梯子の旋回動作を示す斜視図である。
図7】ピット梯子が乗場敷居の下で昇降路の壁際に止め金で固定されて保管された状態を示す正面図である。
図8】第2実施形態によるピット梯子が乗場敷居の下で昇降路の壁際に保管された状態(梯子不使用時の状態)を示す正面図である。
図9】乗場敷居の下で使用可能な状態に置かれた第2実施形態のピット梯子を示す正面図である。
図10】第2実施形態においてピット梯子と乗場敷居を連結する回転連結手段を示す模式図である。
図11】第2実施形態において収納位置から使用位置でまでのピット梯子の旋回動作を上からみた図である。
図12】第3実施形態によるピット梯子において取手部が延びた状態を示す正面面図である。
図13】第3実施形態の他の例によるピット梯子において取手部が延びた状態を示す正面面図である。
図14】第4実施形態によるピット梯子において取手部が延びた状態を示す正面面図である。
図15】第4実施形態の他の例によるピット梯子において取手部が延びた状態を示す正面面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明によるエレベータのピット梯子装置の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態によるピット梯子装置が設置されるピットをかご下からみた昇降路10の断面図である。
エレベータの昇降路10を形成する側壁には、最下階のエレベータ乗場の出入り口12が開口している。エレベータ乗場の出入り口12には、昇降路10側に突き出るように乗場敷居14が配置されている。
保守員がピットの点検・保守作業を行う際に、出入り口12からピットに降りられるように、出入り口12には、図2乃至図4のように構成されているピット梯子16が設けられている。
【0012】
ここで、図2は、ピット梯子16が乗場敷居14の下で昇降路10の壁際に収納された状態(梯子不使用時の状態)を示す正面図である。図3は、乗場敷居14の下で使用可能な状態に置かれたピット梯子16を示す正面図である。
【0013】
ピット梯子16の本体は、一対の平行な縦部材17a、17bを有し、この縦部材17a、17bには、登り降りに際して足の踏み段となる複数の横部材18が一定の間隔をおいて取り付けられている。
【0014】
この実施形態のピット梯子16では、縦部材17aと縦部材17bとでは長さが異なっている。一方の縦部材17aは延長部20を有し、他方の縦部材17bよりも長く、さらに上に延びるようになっている。
【0015】
延長部18を含む縦部材17aの長さは、ピットの床面15からの乗場敷居14の高さよりも長くなっている。図2に示されるように、保管状態にあるピット梯子16では、縦部材17aの下端はピットの床面15に着床しているのに対して、他方の縦部材17bの下端は床面15から浮いている斜めの姿勢で保管される。
【0016】
また、この実施形態では、ピット梯子16の縦部材17aの上端部は、乗場敷居14と図4に示すような旋回連結手段22を介して連結されている。
【0017】
この旋回連結手段22は、ビット梯子16を回転自在に乗場敷居14と連結する手段である。この旋回連結手段22は、第1ジョイント23と第2ジョイント24を組み合わせた継手機構である。
このうち、第1ジョイント23の上端は、乗場敷居14の下面に固定されている。第1ジョイント23は、くの字に曲がった連結部25を介して2ジョイント24の上端に連結されている。第2ジョイント24の下端は、ピット梯子16の縦部材17aの延長部20に固定されている。
【0018】
ピット梯子16は、第1ジョイント23によって、鉛直な第1旋回軸回りに旋回することが可能であり、さらに、ピット梯子16は、第2ジョイント24によって、縦部材15aと同軸の第2旋回軸回りに旋回することができる。
【0019】
本実施形態によるエレベータのピット梯子装置は、以上のように構成されるものであり、次に、その作用および効果について説明する。
図1図2に示されるように、ピット梯子16を使用しない時は、乗場敷居14の端部の下に置いて、昇降路10の壁際に斜めの姿勢にして収納できるので、狭いピット内であってもスペースを取らずに保管することができる。
【0020】
保守員がピットでの点検・保守作業に際して、ピット梯子16を使ってピットに降りる場合には、次のようにして、ピット梯子16を二段階に旋回させることで、収納していたピット梯子16を使用可能な位置に設置することができる。
【0021】
ここで、図5は、ピット梯子16を収納位置である位置Aから使用位置である位置Cに至るピット梯子16の旋回動作を上からみた図である。図6は、ピット梯子16の旋回動作を示す斜視図である。
ピット梯子16が旋回する経路は、位置Aから中間の位置Bまでの経路、位置Bから位置Cに至る経路に分けられる。
【0022】
まず、昇降路10の壁際に収納されたピット梯子16を取り出すには、旋回連結手段22の第1ジョイント23(図4参照)を利用し、ピット梯子16の全体を鉛直な第1旋回軸回りに旋回させながら、位置Bまで移動させる。
【0023】
位置A−B間の経路では、ピット梯子16は、縦部材17aが第1ジョイント23を頂点とする円すい面を描くように旋回することになる。ピット梯子16を位置Bまで移動させたら、縦部材17aの下端はピットの床面15に着床させておく。
【0024】
次に、旋回連結手段22の第2ジョイント24(図4参照)を利用し、ピット梯子16を第2旋回軸により縦部材17a回りに旋回させる。これによって、ピット梯子16は位置Cに移動し、その縦部材17a、17bの下端は、両方ともピットの床面15に着いた状態になり、ピット梯子16は使用可能になる。
【0025】
以上のような第1旋回軸回りの旋回動作と、第2旋回軸回りの旋回動作を組み合わせて、ピット梯子16の可動範囲を大きくとることができる。このため、上述の二段階の旋回動作を組み合わせることで、ビット梯子16を登り降りし易い向きおよび姿勢にして位置Cに設置することが可能になる。
【0026】
図6に示した位置Cでは、踏み段となる横部材18が水平になるようにピット梯子16を設置できるので、点検員は、ピットに降り、登って戻るのが容易になる。また縦部材17a、17bが共に床面15に着いているので、ピット梯子16を安定させることができる。
【0027】
また、位置Cでは、乗場ドア11の戸当たりの位置にできるだけ近づけて、ピット梯子16を配置できるので、乗場ドア11を半開きの状態にしてもピット梯子16を使用し易い位置になっている。
【0028】
ピットでの点検・保守作業が終わり、ピット梯子16を片付ける場合には、上述の旋回動作とは逆の順序で、位置Cから位置Bまでの旋回動作と、位置Bから位置Aまでの旋回動作を行い、壁際の位置Aで斜めの姿勢で収納すればよい。
【0029】
なお、図7に示されるように、ピット梯子16を収納するときには、止め金26を用いて、縦部材17bの上端部を乗場敷居14に固定することもできる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図8乃至図11を参照して説明する。なお、図8乃至図11において、第1実施形態の図2と同一の参照符号は、同一の構成要素を示し、その詳細な説明は省略する。
この第2実施形態では、ピット梯子30を構成している縦部材17aと縦部材17bとは同じ長さであり、旋回連結手段32は、一方の縦部材17bの上端部を乗場敷居14に連結するようになっている。
【0031】
図8に示されるように、昇降路の壁際に保管状態にあるピット梯子30では、一方の縦部材17aの下端はピットの床面15に着床しているのに対して、他方の縦部材17bの下端は床面15から浮いている斜めの姿勢で収納される。この点は第1実施形態と同様である。
【0032】
図9は、収納位置から取り出して使用状態にあるピット梯子16を示す。この第2実施形態においても、ピット梯子16を旋回連結手段32により乗場敷居14と連結し、二段階の旋回動作を経て使用位置に取り出せるように構成されている。
【0033】
次に、図10は、第2実施形態による旋回連結手段32を示す。
この旋回連結手段32は、乗場敷居14の長手方向と平行でかつ水平な第1旋回軸となる第1ジョイント33と、第1旋回軸と垂直でかつ水平な第2旋回軸となる第2ジョイント34と、を組み合わせた継手機構である。
【0034】
次に、以上のような第2実施形態によるピット梯子30の旋回動作について説明する。
ここで、図11は、ピット梯子16を収納位置である位置Aから中間位置Bを経由して、使用位置である位置Cまでのピット梯子16の旋回動作を上から示した図である。
【0035】
まず、乗場敷居14の端下で昇降路10の壁際に収納されたピット梯子16を取り出すには、旋回連結手段32の第1ジョイント33(図10参照)を利用し、ピット梯子16全体を、乗場敷居18と平行な第1旋回軸回りに位置Bまで旋回させる。
【0036】
位置A−B間の旋回動作では、ピット梯子16は、傾いた姿勢のまま旋回し、位置Aではピットの床面15に着いていた縦部材17aの下端は、床面15から離れるようになる。
【0037】
次に、旋回連結手段32の第2ジョイント34(図9参照)を利用し、ピット梯子16全体を、第1旋回軸と水平面上で直交する第2旋回軸回りに旋回させる。これによって、それまで傾いていたピット梯子16は位置Cに移動し、図9に示されるように、その踏み段となる横部材18は水平になり、ピット梯子16は使用可能になる。
【0038】
以上のようにして、第2実施形態においても、第1旋回軸回りの旋回動作と、第2旋回軸回りの旋回動作を組み合わせて、ピット梯子16の可動範囲を大きくとることができる。このため、上述の二段階の旋回動作を組み合わせることで、ビット梯子16を登り降りし易い向きおよび姿勢にして設置することが可能になる。
【0039】
なお、図9に示されるように、ピット梯子16を使用状態で固定するときには乗場敷居14に取り付けたブラケット36を介してボルト37等により、縦部材17aの上端部を乗場敷居14に固定することが好ましい。
【0040】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図12図13を参照して説明する。なお、図 12、図13において、第1実施形態の図2、第2実施形態の図8と同一の参照符号は、同一の構成要素を示し、その詳細な説明は省略する。
この3実施形態は、登り降りの際につかまる取手をピット梯子16から伸ばせるようにした実施の形態である。図12は、取手を伸ばした状態ピット梯子16を示す。
【0041】
この第3実施形態では、第1実施形態のピット梯子16において、縦部材17a、17bを伸縮自在に構成して、縦部材17a、17bから延長取手部40a、40bを伸ばすことで、延長取手部40a、40bを取手として利用できるようにしている。縦部材17a、17bには筒状の部材が用いられ、延長取手部40a、40bは、縦部材17a、17bの上端から入れ子状に挿入されている。
【0042】
以上のような第3実施形態によれば、点検・保守作業に際して、保守員がピット梯子16を使ってピットに降りる場合には、延長取手部40a、40bをピット梯子16の縦部材17a、17bから上にスライドさせ伸ばし、ピン42を差し込んで固定すれば、延長取手部40a、40bを取手として利用することができる。保守員は、延長取手部40a、40bにつかまりながら、体のバランスを崩さずに容易にピットに降りることができる。
【0043】
点検・保守作業が終わり、保守員がピット梯子16を登って乗場に戻る場合も、乗場に突き出た延長取手部40a、40bに掴まりながら体のバランスを保つことで、安全に乗場に上がることが可能である。
【0044】
図13は、本実施形態を第2実施形態のピット梯子30に適用した例を示し、取手は伸ばした状態が示されている。
【0045】
このピット梯子30においても、延長取手部40a、40bを、縦部材17a、17bの上端から入れ子状に挿入することで、延長取手部40a、40bを伸し、取手として利用できるようになっている。
【0046】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図14図15を参照して説明する。なお、図 14、図15において、第1実施形態の図2、第2実施形態の図8と同一の参照符号は、同一の構成要素を示し、その詳細な説明は省略する。
図14は、第4実施形態を第1実施形態のピット梯子16に適用した例を示し、取手を伸ばした状態を表している。
このピット梯子16では、取手部43a、43bは、縦部材17a、17bの上端部に180度回動可能に取り付けられている。
【0047】
以上のような第4実施形態によれば、点検・保守作業に際して、保守員がピット梯子16を使ってピットに降りる場合には、取手を固定するピン42を抜いてから、取手部43a、43bを180度回動させて乗場敷居14てれば、取手部43a、43bを取手として利用することができる。保守員は、この取手部43a、43bにつかまりながら、体のバランスを崩さずに容易にピットに降りることができる。
【0048】
点検・保守作業が終わり、保守員がピット梯子14を登って乗場に戻る場合も、乗場敷居14ら突き出た取手部43a、43bに掴まりながら体のバランスを保つことで、安全に乗場に上がることが可能である。
【0049】
次に、図15、本実施形態を第2実施形態のピット梯子30に適用した例を示す。
このピット梯子30においても、取手部43a、43bを、縦部材17a、17bの上端部に180度回動自在に取り付けることで、取手部43a、43bを取手として利用できる。
【0050】
以上、本発明に係るエレベータのピット梯子装置について、好適な実施形態を挙げて説明したが、これらの実施形態は、例示として挙げたもので、発明の範囲の制限を意図するものではない。もちろん、明細書に記載された新規な装置、方法およびシステムは、様々な形態で実施され得るものであり、さらに、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の省略、置換、変更が可能である。請求項およびそれらの均等物の範囲は、発明の主旨の範囲内で実施形態あるいはその改良物をカバーすることを意図している。
【符号の説明】
【0051】
10…ピット、12…出入り口、14…乗場敷居、15…ピットの床面、16…ピット梯子、17a、17b…縦部材、18…横部材、20…延長部、22…旋回連結手段、23…第1ジョイント、24…第2ジョイント、30…ピット梯子、32…旋回連結手段、33…第1ジョイント、34…第2ジョイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15