(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて実施例を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の第1の実施例の映像表示システムを示す図である。本実施例の映像表示システムは、複数の端末装置1と映像表示装置3とを含む。
【0014】
端末装置1は無線通信機能を有しており、基地局4と各種情報の送受信を行うことができる。また、端末装置1は、離れた場所の映像表示装置3の制御(以降、「リモート制御」)を行う機能を有しており、ユーザは、端末装置1を用いて、映像表示装置3のチャンネルや音量などを操作することができる。
【0015】
映像表示装置3は映像コンテンツを受信して表示する装置であり、例えば、放送局5から無線あるいは有線でテレビジョン信号を受信して、当該テレビジョン信号に基づく映像コンテンツを表示することができる。また、映像表示装置3は無線ルータ6を介してネットワーク7から受信したインターネットコンテンツ等の映像コンテンツを表示することもできる。なお、映像表示装置3は1台に限るものではなく、複数台存在してもよい。
【0016】
基地局4は電話網と端末装置1とを中継する装置であり、端末装置1と各種情報の送受信を行うことができる。例えば、基地局4は映像表示装置3を視聴するためのテレビの番組表を端末装置1に送ることもできる。
【0017】
放送局5は、テレビビジョン信号を出力する装置である。
【0018】
無線ルータ6は、Wi−Fi(Wireless Fidelity)などの無線LAN(Local Area Network)機能を備え、通信回線を経由してネットワーク7に接続できる。映像表示装置3は、無線ルータ6に接続することによりインターネット網から映像コンテンツや各種情報を入手することができる。尚、端末装置1にも、無線LAN機能を備えさせ、インターネット網から各種情報を入手することができるようにしても良い。また、無線ルータ6と映像表示装置3を無線で接続した例を示したが、これらを有線で接続してもよい。
【0019】
図2は、
図1の端末装置1の構成を示すブロック図である。
【0020】
端末装置1の各部の制御は制御部20が行う。制御部20はCPU(Central Processing Unit)あるいは、任意の制御回路や、ASIC等の専用回路により構成される。
【0021】
端末装置1の無線通信部21はアンテナの他、符号化回路および復号化回路を含む通信回路等により構成されており、基地局4と通信を行い、各種情報を送受信する。
【0022】
表示部22は例えば液晶パネルであり、各種情報を表示する。操作部23は例えばタッチパッドであり、ユーザによる操作を受け付け、当該操作に基づく指示を制御部20に伝える。液晶パネルとタッチパッドを組み合わせて一体化したものは一般にタッチパネルと呼ばれ、本実施例でもタッチパネルを使用した例を記載している。
【0023】
コマンド送信部24は例えば赤外線やWi−Fi、Wi−Fi Direct、Bluetooth(登録商標)などを使用して、映像表示装置3に制御コマンドを送信する。ステータス受信部25は、同じくWi−Fiなどを使用して、映像表示装置3からステータス情報を受信する。制御コマンドとは、端末装置1が映像表示装置3のリモート制御を行うための情報であり、例えば、電源のオンとオフの切り替えを指示する電源コマンドや、特定のチャンネルや音量を指示する設定コマンドなどが含まれる。また、ステータス情報とは、リモート制御の可否を特定する情報であり、リモート制御をする権限の有無や、複数の端末装置1との間の優先順位などが含まれる。なお、映像表示装置3への制御コマンドの送信や、映像表示装置3からのステータス情報の受信は、無線ルータ6等を介して間接的に行ってもよい。また、コマンド送信部24とステータス受信部25とは別体であっても、一のハードウェアにより一体的に構成しても良い。
【0024】
尚、コマンド送信部24は、制御コマンドを送信する際には端末装置1固有の識別コードも送信する。識別コードは、端末装置1に個別に付与されるIDや電話番号などが適用可能である。また、一般的には一人のユーザが一つの端末装置1を所有することが想定されるため、端末装置1の製造メーカ等によってユーザごとに与えられるユーザIDを適用しても良い。この場合、ユーザIDは、ユーザの操作等に基づいて端末装置1に事前に記憶される。
【0025】
記憶部26は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュROMなどにより構成され、端末装置1を制御するためのプログラムや各種設定値などを格納する。
【0026】
図3は、
図1の映像表示装置3の構成を示すブロック図である。
【0027】
映像表示装置3の各部の制御は制御部30が行う。制御部30はCPUあるいは、任意の制御回路や、ASIC等の専用回路により構成される。
【0028】
テレビ信号受信部31は復号化回路を含む通信回路等により構成されており、放送局5から出力されたテレビジョン信号を受信し、映像および音声を復号して表示部32および音声出力部33に送る。
【0029】
表示部32は例えば液晶パネル、プラズマパネルや有機EL(ElectroLuminescence)パネルなどによって構成されており、各種映像コンテンツ、および各種情報を表示する。音声出力部33は例えばアンプとスピーカによって構成されており、各種音声を出力する。
【0030】
コマンド受信部34は例えば赤外線やWi−Fi、Wi−Fi Direct、Bluetoothなどを使用して、端末装置1から制御コマンドと識別コードを受信し、端末装置1からの指示を制御部30に伝える。ステータス送信部35は、端末装置1にステータス情報を送信する。尚、コマンド受信部34とステータス送信部35とは別体であっても、一体であっても良い。
【0031】
記憶部36は、ROM、RAMやフラッシュROMなどにより構成され、映像表示装置3を制御するためのプログラムや各種設定情報、電源コマンドを送信した端末装置1の識別コード、各端末装置1の優先順位などを格納する。尚、HDD(Hard Disc Drive)やBD(Blu−ray Disc)ドライブのようなストレージを備え、映像コンテンツを記憶してもよい。
【0032】
LAN送受信部37は有線あるいは無線で無線ルータ6と接続し、インターネット網などから映像コンテンツなどを受信することができる。
【0033】
図4は、映像表示装置3のリモート制御を行う際の端末装置1の動作を示すフローチャートである。
【0034】
尚、以下において、一の端末装置1と他の端末装置1とを区別する必要がある際、一方を端末装置1aとし、他方を端末装置1bとして表記する場合がある。
【0035】
ステップS401において、端末装置1は、ユーザの操作に基づき、映像表示装置3のリモート制御を行うためのアプリケーションソフトウェア(以降、「操作アプリ」)の起動を待つ。
【0036】
図5は、端末装置1のタッチパネル式の表示部22の各種表示例である。
図5(a)は、端末装置1に各種アプリケーションソフトウェアが並んだメニュー画面を示しており、タッチパネルに表示された「テレビ」ボタンがユーザによって押されると操作アプリが起動する。
【0037】
ステップS402において、ユーザの操作に基づいて、端末装置1はリモート制御の対象とする映像表示装置3を選択する。
図5(b)は、リモート制御の対象として選択可能な映像表示装置3が2台ある場合の選択画面の表示例である。ここでは、「テレビA」が選択されるものとする。
【0038】
リモート制御の対象となる映像表示装置3を選択すると、端末装置1は映像表示装置3に対して送信可能な各種指示を表示する。
図5(c)は、その際の映像表示装置3の操作画面の表示例である。
【0039】
次に、ステップS403において、端末装置1はユーザが操作アプリを終了するための操作をしたかどうかを確認する。ユーザが操作アプリを終了するための操作をした場合、端末装置1はメニュー画面を表示する工程に戻る。
【0040】
ステップS404において、端末装置1はユーザが電源ボタンを押したかどうかを確認する。ユーザが端末装置1に表示された電源ボタンを押した場合、端末装置1は、映像表示装置3に電源コマンドを送信し(ステップS405)、ステップS406において、端末装置1の記憶部26に記憶されたチャンネルや音量などの各種設定値を映像表示装置3に設定コマンドとして送信し、ステップS403からの工程を繰り返す。
【0041】
尚、端末装置1は、電源コマンドまたは設定コマンドを送信する際には端末装置1の識別コードを送信する。
【0042】
端末装置1は、電源コマンドを送信した後に記憶部26に記憶されたチャンネルや各種設定値を含む設定コマンドを映像表示装置3に送信することにより、端末装置1の設定値通りに映像表示装置3を設定することができる。
【0043】
ユーザが端末装置1に表示された電源ボタンを押していない場合、ステップS407において、端末装置1はユーザが電源オンオフ以外の設定変更を指示したかどうかを確認する。電源オンオフ以外の設定変更とは、例えばチャンネルや音量の切り換え、あるいは画質調整などである。
【0044】
ユーザが映像表示装置3の設定変更を指示した場合、端末装置1は、映像表示装置3に該当する設定コマンドを送信し(ステップS408)、ステップS409において、端末装置1の記憶部26に設定値を記憶する。
【0045】
例えば、チャンネル1ボタンが押された場合は、チャンネル1への切り替えを指示する設定コマンドが映像表示装置3に送信され、記憶部26にはチャンネル1が記憶される。その次にチャンネル+ボタンが押された場合は、チャンネルの加算を指示する設定コマンドあるいはチャンネル2への切り替えを指示する設定コマンドが映像表示装置3に送信され、記憶部26にはチャンネル2が記憶される。このように、設定コマンドがチャンネル+やチャンネル−のように相対値を指定するものである場合は、チャンネル2のような絶対値に置き換えて最終値のみ記憶部26に記憶しておく。
【0046】
次に、端末装置1は、ステップS410において、映像表示装置3から送られたステータス情報を受信し、ステータス情報に対応した表示すべき情報があれば端末装置1の表示部22に表示して、ステップS403からの工程を繰り返す。設定コマンドを送信する際には端末装置1の識別コードも送信される。
図5(d)はステータス情報の表示例である。
【0047】
ステップS407において、ユーザが映像表示装置3の設定変更を指示していない場合、端末装置1はステップS403からの工程を繰り返す。
【0048】
図6は、第1の実施例の映像表示装置3の動作を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS601において、映像表示装置3は電源コマンドの受信を待つ。電源コマンドを受信したら、映像表示装置3は電源を入れると共に(ステップS602)、端末装置1から送信された各種設定値を反映する。そして、ステップS603において、映像表示装置3は、電源コマンドを送信した端末装置1が何れであるかを示す情報、即ち、電源コマンドに付随して送信された識別コードを記憶部36に記憶しておく。ここでは端末装置1aが電源コマンドを送信したものとする。
【0050】
次に、ステップS604において、映像表示装置3は再び電源コマンドを受信したかどうかを確認する。電源コマンドを受信した場合、映像表示装置3は電源を切る(ステップS605)。電源コマンドを受信していない場合、ステップS606において、映像表示装置3は第1のコマンドを受信したかどうかを確認する。第1のコマンドとは、例えば、チャンネルの切り替えや入力切り換えを指示する設定コマンドである。第1のコマンドを受信した場合、映像表示装置3は、特定の端末装置1、即ち、電源のオンを指示した端末装置1からの設定コマンドかどうかを確認する(ステップS607)。電源のオンを指示した端末装置1からの設定コマンドの場合、映像表示装置3は、指示通りコマンド実行し(ステップS608)、ステップS604からの工程を繰り返す。
【0051】
ステップS607において、電源のオンを指示した端末装置1による設定コマンドでない場合、映像表示装置3は、チャンネル等を変更する権限がないことを示すステータス情報を該当する端末装置1に送った後(ステップS609)、ステップS604からの工程を繰り返す。例えば、端末装置1bから第1のコマンドを受信した場合、このコマンドに基づく処理を行うことができない旨のステータス情報を端末装置1bに送信し、端末装置1bは当該コマンドの実行権限がないことを表示部22に表示する。
図5(d)は、チャンネルを変更する権限がないことを表示した例である。
【0052】
ステップS606において、第1のコマンドを受信していない場合、映像表示装置3は、第2のコマンドを受信したかどうかを確認する(ステップS610)。第2のコマンドとは、例えば、第1のコマンド以外の設定コマンドであり、音量の指定、画質の調整、映像モードの切り換え、音声モードの切り換え、明るさの調整、コントラストの調整、などを指示する設定コマンドである。
【0053】
尚、第1のコマンドをチャンネルの選択や入力切り換えの他、音量の指定、画質の調整、映像モードの切り換え、音声モードの切り換え、明るさの調整、コントラストの調整、などを指示する設定コマンドとし、第2のコマンドを視聴の予約や録画の予約、などを指示する設定コマンドとしてもよい。
【0054】
更に、利便性の向上を図るべく、第1のコマンドと第2のコマンドをユーザが指定(変更)できるようにしてもよい。
【0055】
第2のコマンドを受信した場合、映像表示装置3は、指示通りコマンド実行した後(ステップS611)、ステップS604からの工程を繰り返す。ステップS610において、第2のコマンドを受信していない場合、映像表示装置3は、ステップS604からの工程を繰り返す。
【0056】
これにより、映像表示装置3の第1のコマンドに関する処理の実行は、映像表示装置3の電源を入れた端末装置1aから指示された場合のみ可能になり、第2のコマンドに関する処理の実行は端末装置1aの他、端末装置1bから指示された場合も可能になる。
【0057】
なお、電源のオンを指示した端末装置1にのみ、映像表示装置3の電源を切る権限を与えてもよい。
【0058】
以上の構成により本発明の第1の実施例では、端末装置1は、映像表示装置3に送ったチャンネルや音量などの設定を記憶しておき、電源コマンドを送信すると共に、記憶している設定値を映像表示装置3に送信する。これにより、ユーザが端末装置1を介して映像表示装置3の電源を入れるだけで、映像表示装置3は前回視聴していたチャンネルや音量に設定される。
【0059】
各種の設定値は各端末装置1に記憶されるため、複数のユーザが各自の端末装置1に映像表示装置3の設定値を記憶することができ、自分の端末装置1を使って映像表示装置3の電源を入れると、映像表示装置3をユーザが前回視聴した設定にすることができる。更に、或る映像表示装置3で視聴していた設定を別の映像表示装置3に反映させることができる。
【0060】
更に、映像表示装置の第1のコマンドの実行権限は、その映像表示装置3の電源を入れた端末装置1aにのみ与え、第2のコマンドの実行権限は全ての端末装置1a〜1bに与えることができる。例えば第1のコマンドがチャンネルの切り替えを指示する設定コマンドを適用した場合、その映像表示装置3の電源のオンを指示した端末装置1aのみがチャンネルを選択することができる。その結果、一のユーザが行っている映像コンテンツの視聴を、他のユーザが干渉してしまうことを防ぐことができる。
【実施例2】
【0061】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。なお、本実施例における構成および効果等は、特に断りのない限り、第1の実施例と同じである。このため、以下では本実施例と第1の実施例との相違点を主に説明し、説明の重複を避けるため、共通点の説明は極力省略する。
【0062】
図7は、本実施例の映像表示装置3の動作を示すフローチャートである。
【0063】
ステップS701において、映像表示装置3は電源コマンドの受信を待つ。電源コマンドを受信したら、映像表示装置3は電源を入れる(ステップS702)。そして、ステップS703において、映像表示装置3は、電源コマンドを送信した端末装置1の優先順位を最上位に設定する。ここでは端末装置1aが電源コマンドを送信したものとする。
【0064】
次に、ステップS704において、映像表示装置3は再び電源コマンドを受信したかどうかを確認する。電源コマンドを受信した場合、映像表示装置3は電源を切る(ステップS705)。電源コマンドを受信していない場合、ステップS706において、映像表示装置3は第1のコマンドを受信したかどうかを確認する。第1のコマンドとは、第1の実施例と同様に、チャンネルの切り替えや入力切り換えを指示する設定コマンドである。第1のコマンドを受信した場合、映像表示装置3は、コマンドを送信した端末装置1の優先順位が最上位であるかどうかを確認する(ステップS707)。優先順位が最上位である場合、映像表示装置3は、コンテンツを1つ視聴したかどうか、言い換えると、1単位の映像コンテンツの再生が完了したか否かを確認する(ステップS708)。視聴した場合は、映像表示装置3は、ステップS709にて当該端末装置1の優先順位を最下位に変更する。この場合、優先順位が2位以下の端末装置1の優先順位が繰り上がる。尚、優先順位の変更は、映像表示装置3の記憶部36に各端末装置1の新たな優先順位を記憶させることにより実現される。
【0065】
次に、ステップS710において、映像表示装置3は指示通りにコマンドを実行し、ステップS704からの工程を繰り返す。
【0066】
例えば、ユーザが端末装置1aを用いてコンテンツを1つ視聴した場合、端末装置1aの優先順位は最下位となり、次に端末装置1bから第1のコマンドが送信されたら、端末装置1bの優先順位が最上位であるので、指示通りコマンド実行が行われる。この時、端末装置1aは第1のコマンド実行の権利がなくなる。しかし、端末装置1aの優先順位が最下位になっても、他の端末装置、例えば、端末装置1bから第1のコマンドが送信されるまでは、その優先順位を上回るものがないため最上位としても扱い、第1のコマンドの実行が許可される。
【0067】
ステップS707において、当該端末装置1の優先順位が最上位でない場合、映像表示装置3は、実行権限なしとのステータス情報を該当する端末装置1に送る(ステップS711)。例えば端末装置1bが第1のコマンドを送信した場合、このステータス情報は端末装置1bに送られ、端末装置1bは当該コマンドの実行権限がないことを表示部22に表示する。
【0068】
ステップS706において、映像表示装置3が第1のコマンドを受信していない場合、映像表示装置3は、第2のコマンドを受信したかどうかを確認する(ステップS712)。第2のコマンドとは、第1の実施例と同様に、第1のコマンド以外の設定コマンドである。
【0069】
第2のコマンドを受信した場合、映像表示装置3は、指示通りコマンド実行した後(ステップS713)、ステップS704からの工程を繰り返す。ステップS712において、第2のコマンドを受信していない場合、映像表示装置3はステップS704からの工程を繰り返す。
【0070】
これにより、第1のコマンド実行について、まず映像表示装置3の電源を入れた端末装置1aに最上位の優先順位を与え、コンテンツを1つ視聴したら最下位の優先順位とすることで、端末装置1bに第1のコマンドの実行権限が移動する。第2のコマンド実行は端末装置1a、端末装置1bから可能である。
【0071】
以上の構成により本発明の第2の実施例では、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0072】
更に、映像表示装置3の第1のコマンドの実行権限は、その映像表示装置3の電源を入れた端末装置1に最初に与え、コンテンツを1つ視聴する度に別の端末装置1に実行権限が移動するため、例えば、使用する端末装置1をユーザ間で貸し借りすることなく、全ての端末装置1に実行権限を順に与えることができる。例えば第1のコマンドがチャンネルの切り替えを指示する設定コマンドである時、その映像表示装置3の電源オンを指示した端末装置1が最初にチャンネルを選択することができ、少なくともコンテンツを1つ視聴することができる。
【0073】
なお、第1のコマンドの実行権限が移る契機としては、1単位の映像コンテンツの再生の終了に限るものではなく、複数単位の映像コンテンツの再生の終了でもよい。また、第1のコマンドの実行権限が変わる契機となる映像コンテンツの視聴数を、ユーザの操作に基づいて変更可能にしても良い。
【実施例3】
【0074】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。なお、本実施例における構成および効果等も、特に断りのない限り、第1の実施例と同じであるため、以下では本実施例と第1の実施例との相違点を主に説明する。
【0075】
図8は、本実施例の映像表示装置3の動作を示すフローチャートである。
【0076】
また、ステップS801〜ステップS806については
図7のステップS701〜ステップS706と同様であるため説明を省略する。
【0077】
ステップS807において、当該端末装置1の優先順位が最上位である場合、映像表示装置3は、ユーザによる映像コンテンツの視聴が予め定めた時間に達したかどうかを確認する(ステップS808)。視聴した場合、映像表示装置3は、ステップS809にて当該端末装置1の優先順位を最下位に変更し、視聴していない場合は優先順位を変更しない。
【0078】
例えば、ユーザが端末装置1aを用いて予め定めた時間、映像コンテンツを視聴した場合、端末装置1aの優先順位は最下位となり、次に端末装置1bから第1のコマンドが送信されたら、端末装置1bの優先順位が最上位であるので、当該コマンドの実行が許可される。この時、端末装置1aは第1のコマンド実行の権利がなくなる。しかし、端末装置1aの優先順位が最下位になっても、他の端末装置、例えば、端末装置1bからチャンネル変更コマンドが送信されるまでは、その優先順位を上回るものがないため最上位としても扱い、第1のコマンドの実行が許可される。
【0079】
ステップS811〜ステップS813については
図7のステップS711〜ステップS713と同様であるため説明を省略する。
【0080】
これにより、第1のコマンド実行について、まず映像表示装置3の電源を入れた端末装置1aに最上位の優先順位を与え、予め定めた時間ユーザが視聴したら最下位の優先順位とすることで、端末装置1bに第1のコマンドの実行権限が移動する。第2のコマンド実行は端末装置1a、端末装置1bから可能である。
【0081】
以上の構成により本発明の第3の実施例では、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0082】
更に、映像表示装置3の第1のコマンドの実行権限は、その映像表示装置3の電源を入れた端末装置1に最初に与え、予め定めた時間ユーザが視聴する度に別の端末装置1に実行権限が移動するため、全ての端末装置1に実行権限を順に与えることができる。例えば第1のコマンドがチャンネルの切り替えを指示する設定コマンドである時、その映像表示装置3の電源オンを指示した端末装置1が最初にチャンネルを選択することができ、少なくとも予め定めた時間視聴することができる。
【0083】
なお、第1のコマンドの実行権限が変わる契機となる映像コンテンツの視聴時間を、ユーザの操作に基づいて変更可能にしても良い。
【実施例4】
【0084】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。なお、本実施例における構成および効果等も、特に断りのない限り、第1の実施例と同じであるため、以下では本実施例と第1の実施例との相違点を主に説明する。
【0085】
図9は、本実施例の映像表示装置3の動作を示すフローチャートである。
【0086】
また、ステップS901〜ステップS905については
図7のステップS701〜ステップS705と同様であるため説明を省略する。尚、本実施例においても端末装置1aが電源コマンドを送信したものとする。
【0087】
ステップS906において、映像表示装置3は第1のコマンドを受信したかどうかを確認する。第1のコマンドを受信した場合、映像表示装置3は、当該時間帯の優先順位を確認し(ステップS907)、コマンドを送信した端末装置1の優先順位が最上位であるかどうかを確認する(ステップS908)。優先順位が最上位である場合、映像表示装置3は、指示通りにコマンドを実行する。
【0088】
ステップS908において、優先順位が最上位でない場合、映像表示装置3は、実行権限なしとのステータス情報を該当する端末装置1に送る(ステップS911)。例えば端末装置1bが第1のコマンドを送信した場合、このステータス情報は端末装置1bに送られ、端末装置1bは当該コマンドの実行権限がないことを表示部22に表示する。
【0089】
各端末装置1の優先順位は、時間帯や曜日によって変えることができる。例えば、端末装置1bの優先順位を18:00〜21:00の時間内のみ端末装置1aより上げることや(
図10(a)参照)、日曜日のみ優先順位を上げることができる(
図10(b)参照)。
【0090】
逆に各端末装置1の優先順位を固定することもできる。また、これらを組み合わせることもできる。
【0091】
ステップS912〜ステップS913については
図7のステップS712〜ステップS713と同様であるため説明を省略する。
【0092】
これにより、第1のコマンド実行について、まず映像表示装置3の電源を入れた端末装置1に最上位の優先順位を与え、更に時間帯や曜日により別の端末装置1との優先順位を変えることができる。
【0093】
以上の構成により本発明の第4の実施例では、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0094】
更に、映像表示装置3の第1のコマンドの実行権限は、その映像表示装置3の電源を入れた端末装置1に最初に与え、時間帯や曜日により別の端末装置1に実行権限が移動するため、全ての端末装置1にコマンドの実行権限を順に与えることができる。例えば第1のコマンドがチャンネルの切り替えを指示する設定コマンドである時、その映像表示装置3の電源オンを指示した端末装置1が最初にチャンネルを選択することができ、時間帯や曜日により別の端末装置1にチャンネルの選択権限を移動させることができる。
【実施例5】
【0095】
次に、本発明の第5の実施例について説明する。なお、本実施例における構成および効果等も、特に断りのない限り、第1の実施例と同じであるため、以下では本実施例と第1の実施例との相違点を主に説明する。
【0096】
図11は、本実施例の映像表示装置3の動作を示すフローチャートである。
【0097】
ステップS1101〜ステップS1103については
図6のステップS601〜ステップS603と同様であるため説明を省略する。
【0098】
ステップS1104において、当該端末装置1の操作に関連して録画した映像コンテンツ(以降、「録画コンテンツ」)がある場合、映像表示装置3は、録画コンテンツがあることを端末装置1に伝える。録画コンテンツについては後述する。
図12(a)は、この時の端末装置1の画面の表示例である。
【0099】
次に、ステップS1107において、映像表示装置3は、端末装置1からの再生コマンドを受信したら、録画コンテンツを再生する。尚、再生コマンドは、録画コンテンツの再生を指示するものであり、設定コマンドに含まれる概念、または、これに類似する概念である。
【0100】
ステップS1108〜ステップS1110については
図6のステップS604〜ステップS606と同様であるため説明を省略する。
【0101】
ステップS1111において、受信した第1のコマンドが、電源を入れた時の端末装置1から送信されたものである場合、映像表示装置3は、指示通りコマンド実行した後(ステップS1112)、ステップS1108からの工程を繰り返す。
【0102】
受信した第1のコマンドが、電源を入れた時の端末装置1によるコマンドでない場合、映像表示装置3は、指示されたチャンネルの映像コンテンツを録画する。録画コンテンツは、例えば
図3の記憶部36に格納される。
図12(b)は、この時の端末装置1の画面の表示例である。
【0103】
次に、映像表示装置3は、ステップS1114において、録画を開始したとのステータス情報を該当する端末装置1に送る。例えば、端末装置1aが映像表示装置3の電源を入れ、端末装置1bが第1のコマンドを送信した場合、このステータス情報は端末装置1bに送られ、端末装置1bは、チャンネルを変更する権限がない旨と、録画を開始したことを表示部22に表示する。
【0104】
ステップS1115〜ステップS1116については
図6のステップS610〜ステップS611と同様であるため説明を省略する。
【0105】
これにより、映像表示装置3の第1のコマンド実行は、映像表示装置3の電源を入れた端末装置1aからのみ可能であり、端末装置1bが第1のコマンドを送信した場合は当該コンテンツの録画を行う。そして、端末装置1bが映像表示装置3の電源を入れた時に、録画コンテンツを再生することができる。
【0106】
なお、ステップS1113におけるコンテンツの録画は、予め録画モードを設定してある場合にのみ実施するようにしてもよい。コンテンツを録画したい場合は予め録画モードを設定しておき、録画したくない場合は録画モードを設定しておかない。
【0107】
以上の構成により本発明の第5の実施例では、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0108】
更に、映像表示装置3の第1のコマンドの実行権限は、その映像表示装置3の電源を入れた端末装置1に与え、別の端末装置1から第1のコマンドが送信された場合は、コンテンツを録画する。例えば第1のコマンドがチャンネルの切り替えを指示する設定コマンドである時、その映像表示装置3の電源を入れた端末装置1がチャンネルを選択することができ、別の端末装置1が選択したチャンネルの該当コンテンツは、即座に視聴することができなくても、録画して後で視聴することができる。
【実施例6】
【0109】
次に、本発明の第6の実施例について説明する。なお、本実施例における構成および効果等も、特に断りのない限り、第1の実施例と同じであるため、以下では本実施例と第1の実施例との相違点を主に説明する。
【0110】
図13は、本実施例の端末装置1の動作を示すフローチャートである。
【0111】
ステップS1301〜ステップS1310については
図4のステップS401〜ステップS410と同様であるため説明を省略する。
【0112】
ステップS1311において、端末装置1は、緊急災害情報を受信したら、通常モードから緊急モードに切り換える。緊急災害情報とは、災害の発生などの緊急事態を知らせる情報であり、緊急地震速報などが適用される。
【0113】
緊急モードの端末装置1は、表示画面に緊急災害情報の内容を表示すると共に、映像表示装置3に、端末装置1固有の識別コードの代わりに、またはこれに付加して、緊急コードをコマンドと共に送信する。
【0114】
これにより、緊急災害情報を受信した端末装置1は緊急モードに切り換わり、映像表示装置3を操作する際に緊急コードを付加して、映像表示装置3を緊急モードに切り換える。
【0115】
図14は、第6の実施例の映像表示装置3の動作を示すフローチャートである。
【0116】
ステップS1401〜ステップS1411については
図6のステップS601〜ステップS611と同様であるため説明を省略する。
【0117】
ステップS1412において、映像表示装置3は緊急コードを受信したかどうかを確認する。緊急コードを受信した場合、映像表示装置3は緊急モードに切り換えて、指示通りコマンド実行した後(ステップS1408)、ステップS1404からの工程を繰り返す。
【0118】
これにより、緊急モードでは全ての端末装置1から第1のコマンドの実行が可能になる。
【0119】
なお、緊急災害情報としては緊急地震速報の他に、緊急雷速報、緊急火災速報、緊急津波速報、緊急台風速報、緊急大雨速報、緊急河川氾濫速報、緊急噴火速報等を適用してもよい。また、緊急モードでは映像表示装置3が自ら緊急地震情報を受信してもよい。
【0120】
以上の構成により本発明の第6の実施例では、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0121】
更に、緊急災害情報の受信時には、全ての端末装置1から第1のコマンドの実行が可能になる。例えば第1のコマンドがチャンネルの切り替えを指示する設定コマンドである時、緊急災害情報の受信時には、全ての端末装置1からチャンネル選択が可能になる。
【0122】
尚、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0123】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード等の記録媒体に置くことができる。
【0124】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。