(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記警告部は、前記フル検知部により前記廃トナー回収容器が満杯になったことが複数回検知された場合に、画像形成を停止するとの警告をユーザーに対して行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記廃トナー回収容器には、前記第1の廃トナー落下口および前記第2の廃トナー落下口を覆うとともに、前記第1の廃トナー落下口および前記第2の廃トナー落下口を開閉する蓋部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
前記蓋部材は、前記廃トナー回収容器の装着動作に伴って、前記落下部の下方に配置される前記第1の廃トナー落下口または前記第2の廃トナー落下口を開くことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【背景技術】
【0002】
コピー機、プリンター、FAX等の電子写真方式を用いる画像形成装置においては、主に粉末の現像剤(以下、トナーという)が使用され、感光体ドラム等の像担持体上に形成された静電潜像を現像装置内のトナーによって可視化し、そのトナー像を直接或いは中間転写体を介して記録媒体上に転写した後、定着処理を行うプロセスが一般的である。このような画像形成装置においては、感光体ドラムや中間転写体表面の残留トナー(廃トナー)を除去するためのクリーニング装置が搭載されており、クリーニング装置によって除去された残留トナーは、廃トナー回収容器内へ貯留される。所定枚数印刷後に廃トナー回収容器が満杯になると、ユーザーに通知されて廃トナー回収容器の廃棄、交換が行われる。
【0003】
このような廃トナー回収容器は、通常、画像形成装置本体内の空きスペースを利用して配置できるように、空きスペースに合わせて大きさや形状が設計される。そのため、空きスペースの都合上、廃トナー回収容器が横長になることがあった。この場合、廃トナーを単に廃トナー回収容器内部に導入するだけでは容量全体に隙間なく充填することができず、廃トナー回収容器内に余計な未充填スペースが発生するという問題点があった。また、この未充填スペースの発生を見越して廃トナー量に見合うだけの容積を確保するには大型の廃トナー回収容器を搭載する必要があるため、装置の小型化、省スペース化の障害となっていた。
【0004】
特に、4色のトナーを使用するフルカラー画像形成装置においては、発生する廃トナー量もモノクロ機に比べ4倍以上となるため、廃トナー回収容器の配置スペースの確保は大きな課題となっている。さらに、廃トナーを現像装置内へ再投入して再利用する廃トナーリサイクル方式も提案されているが、カートリッジから供給される新たなトナーに比べて電荷特性、物理特性に劣る廃トナーの混入による画像品質の劣化が問題となっていた。
【0005】
そこで、廃トナー回収容器に回収された廃トナーの充填効率を高める方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図10は、上記特許文献1の回収容器(廃トナー回収容器)の構造を説明するための断面図である。上記特許文献1には
図10に示すように、上面の中央部に廃トナー落下口101aが形成された回収容器101が開示されている。この回収容器101内には、廃トナーTを回収容器101の長手方向両側に搬送する容器内搬送部材(スクリュー)102が設けられている。
【0006】
上記特許文献1では、廃トナー搬送経路103内の廃トナーTは、経路内搬送部材104により搬送され、廃トナー搬送経路103から落下して回収容器101に回収される。廃トナーTは湿気または紙粉を含んでいるので、回収容器101の中央部に山状に堆積する。山状に堆積した廃トナーTは、容器内搬送部材102の回転駆動により回収容器101の長手方向両側に搬送され平均化される。そして、回収容器101端部の外部に設置された満杯検知センサー105により廃トナーTが検知されると、回収容器101を交換するようにユーザーに対して警告する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1では、消耗品である回収容器101に容器内搬送部材(スクリュー)102を追加するので、回収容器101の構造が複雑になるとともにコストが増加するという問題点がある。また、容器内搬送部材102を駆動させるための駆動源も必要となり、装置本体のコストも増加するという問題点がある。
【0009】
また、
図11に示すように、廃トナーTが容器内搬送部材102の高さを越えて容器内搬送部材102の周囲のみ空洞化され、所謂カマクラ状になる場合がある。特に、廃トナーTが一度に多量に落下してきた場合や、廃トナーTが湿気または紙粉を多く含んでいる場合は、この現象は顕著である。この場合、廃トナー落下口101aまで廃トナーTが堆積する一方、回収容器101の長手方向両側には空きスペースが残る。このため、回収容器101に効率良く廃トナーTを充填することができないという問題点がある。
【0010】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、低コストかつ簡単な構成で、廃トナー回収容器に効率良く廃トナーを充填することが可能な画像形成装置およびそれに使用される廃トナー回収容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、トナー像が形成される像担持体と、像担持体上の廃トナーを除去するクリーニング部と、クリーニング部により除去された廃トナーを回収する着脱可能な廃トナー回収容器と、クリーニング部から廃トナー回収容器に廃トナーを搬送する廃トナー搬送経路と、廃トナー回収容器内の廃トナーの量を検知するための廃トナー検知部と、を備え、廃トナー回収容器の上面の一方側および他方側には、クリーニング部により除去された廃トナーを回収する第1の廃トナー落下口および第2の廃トナー落下口がそれぞれ設けられており、廃トナー搬送経路には、廃トナーを廃トナー回収容器に落下させる落下部が設けられており、廃トナー回収容器は一方側と他方側とを反転して装着可能であり、廃トナー回収容器の一方側と他方側とを反転して装着することにより、第1の廃トナー落下口または第2の廃トナー落下口が、廃トナー搬送経路の落下部の下方に配置される。
【0012】
この画像形成装置では、上記のように、廃トナー回収容器は一方側と他方側とを反転して装着可能であり、廃トナー回収容器の一方側と他方側とを反転して装着することにより、第1の廃トナー落下口または第2の廃トナー落下口が、廃トナー搬送経路の落下部の下方に配置される。これにより、例えば第1の廃トナー落下口側で廃トナー回収容器が満杯または満杯近くになった場合に、廃トナー回収容器の一方側と他方側とを反転して装着することによって、第2の廃トナー落下口側の空きスペースに廃トナーを充填することができる。このため、廃トナー回収容器に効率良く廃トナーを充填することができる。
【0013】
さらに、廃トナー回収容器の一方側と他方側とを反転して装着するときの振動等により、廃トナーがレベリング(平均化)され、廃トナー回収容器内の未充填スペースを少なくできる。これにより、廃トナー回収容器に、より効率良く廃トナーを充填することができる。
【0014】
また、消耗品である廃トナー回収容器に容器内搬送部材(スクリュー)を追加する必要がなく、容器内搬送部材(スクリュー)を駆動させるための駆動源も必要ないので、廃トナー回収容器や装置本体の構造が複雑になるのを抑制することができるとともに、コストが増加するのを抑制することができる。
【0015】
上記画像形成装置において、好ましくは、廃トナー回収容器の一方側の部分と他方側の部分とは、互いに略対称形状に形成されている。このように構成すれば、廃トナー回収容器の一方側と他方側とを反転して容易に装着することができる。また、廃トナー回収容器が装着される領域を略対称形状にすることができるので、廃トナー回収容器周辺に余計な空間が形成されるのを抑制することができ、省スペース化を図ることができる。また、第1の廃トナー落下口と第2の廃トナー落下口とが廃トナー回収容器の上面の略対称な位置に配置されるので、廃トナー回収容器の一方側と他方側とを反転して装着することにより、第1の廃トナー落下口または第2の廃トナー落下口を、廃トナー搬送経路の落下部の下方に容易に配置することができる。
【0016】
上記画像形成装置において、好ましくは、廃トナー検知部は、廃トナー搬送経路の落下部の真下に位置する廃トナーの量を検知する。このように構成すれば、廃トナー検知部により、廃トナーの最も量の多い部分(最も高い部分)を検知することができるので、廃トナーが廃トナー回収容器から溢れるのを効果的に防止することができる。
【0017】
上記画像形成装置において、好ましくは、ユーザーに対して警告を行う警告部を備え、廃トナー検知部は、廃トナー回収容器が満杯になったことを検知するためのフル検知部と、廃トナー回収容器が満杯近くになったことを検知するためのニア検知部とを含み、警告部は、ニア検知部により廃トナー回収容器が満杯近くになったことが検知された場合に、廃トナー回収容器を反転して装着するようにユーザーに対して警告する。このように構成すれば、廃トナー回収容器を反転させるべき時期を、ユーザーに知らせることができる。また、廃トナー回収容器が満杯近くになった場合に、ユーザーが廃トナー回収容器を反転して装着することになるので、廃トナーが廃トナー回収容器から溢れるのをより確実に防止することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、警告部は、ニア検知部により廃トナー回収容器が満杯近くになったことが検知された場合に、廃トナー回収容器が満杯に近いことをユーザーに対して警告する。このように構成すれば、廃トナー回収容器が満杯になる前に、ユーザーは新しい廃トナー回収容器を準備しておくことができる。
【0019】
上記画像形成装置において、好ましくは、ユーザーに対して警告を行う警告部を備え、廃トナー検知部は、廃トナー回収容器が満杯になったことを検知するためのフル検知部を含み、警告部は、フル検知部により廃トナー回収容器が満杯になったことが最初に検知された場合に、廃トナー回収容器を反転して装着するようにユーザーに対して警告し、フル検知部により廃トナー回収容器が満杯になったことが複数回検知された場合に、廃トナー回収容器を新しいものに交換するようにユーザーに対して警告する。このように構成すれば、廃トナー回収容器を反転させるべき時期および廃トナー回収容器を交換するべき時期を、ユーザーに知らせることができる。また、廃トナー回収容器が満杯になった場合に、ユーザーが廃トナー回収容器を交換することになるので、廃トナーが廃トナー回収容器から溢れるのを確実に防止することができる。
【0020】
この場合、好ましくは、警告部は、フル検知部により廃トナー回収容器が満杯になったことが複数回検知された場合に、画像形成を停止するとの警告をユーザーに対して行う。このように構成すれば、廃トナー回収容器が満杯になった場合に、ユーザーが廃トナー回収容器をより確実に交換することになるので、廃トナーが廃トナー回収容器から溢れるのをより確実に防止することができる。
【0021】
上記画像形成装置において、好ましくは、廃トナー回収容器には、第1の廃トナー落下口および第2の廃トナー落下口を覆うとともに、第1の廃トナー落下口および第2の廃トナー落下口を開閉する蓋部材が設けられている。このように構成すれば、蓋部材により第1の廃トナー落下口および第2の廃トナー落下口を閉じることができるので、廃トナー回収容器の廃棄時に、廃トナーが第1の廃トナー落下口および第2の廃トナー落下口から外部に飛散するのを抑制することができる。
【0022】
この場合、好ましくは、蓋部材は、廃トナー回収容器の装着動作に伴って、落下部の下方に配置される第1の廃トナー落下口または第2の廃トナー落下口を開く。このように構成すれば、廃トナー回収容器を装着する際に、落下部の下方に配置される第1の廃トナー落下口または第2の廃トナー落下口が自動的に開かれるので、落下部の下方に配置される廃トナー落下口を開き忘れることがない。
【0023】
本発明の廃トナー回収容器は、上記の構成の画像形成装置に対し着脱可能であり、上面の一方側および他方側に、クリーニング部により除去された廃トナーを回収する第1の廃トナー落下口および第2の廃トナー落下口がそれぞれ設けられている。このように構成すれば、低コストかつ簡単な構成で、効率良く廃トナーを充填することが可能な廃トナー回収容器を得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、低コストかつ簡単な構成で、廃トナー回収容器に効率良く廃トナーを充填することが可能な画像形成装置およびそれに使用される廃トナー回収容器を容易に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0027】
まず、
図1〜
図4を参照して、本発明の一実施形態による画像形成装置100の構造について説明する。画像形成装置100(ここではカラープリンター)本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(
図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
【0028】
この画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a、1b、1c及び1dが配設されており、これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、駆動手段(図示せず)により
図1において時計回りに回転しながら各画像形成部に隣接して移動する中間転写ベルト8(像担持体)上に順次転写(一次転写)された後、二次転写ローラー9において用紙P上に一度に転写(二次転写)され、さらに、定着部7において用紙P上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。感光体ドラム1a〜1dを
図1において反時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0029】
トナー像が転写される用紙Pは、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12a及びレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナーを除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
【0030】
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光ユニット4と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像ユニット3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部5a、5b、5c及び5dが設けられている。
【0031】
ユーザーにより画像形成開始が入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット4によって光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニット3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラー(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各色のトナーがトナーカートリッジ(図示せず)によって所定量充填されている。このトナーは、現像ユニット3a〜3dの現像ローラーにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット4からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0032】
そして、中間転写ベルト8に所定の転写電圧で電界が付与された後、一次転写ローラー6a〜6dにより感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエロー、及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング部5a〜5dにより除去される。
【0033】
中間転写ベルト8は、従動ローラー10、駆動ローラー11及びテンションローラー20に掛け渡されており、駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が時計回りに回転を開始すると、用紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9へ搬送され、中間転写ベルト8とのニップ部(二次転写ニップ部)において用紙P上にフルカラー画像が二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは定着部7へと搬送される。
【0034】
定着部7に搬送された用紙Pは、定着ローラー対13のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。用紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0035】
一方、用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着部7を通過した用紙Pの一部を一旦排出ローラー対15から装置外部にまで突出させる。その後、用紙Pは排出ローラー対15を逆回転させることにより分岐部14で用紙搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ローラー9に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次の画像が二次転写ローラー9により用紙Pの画像が形成されていない面に転写され、定着部7に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ17に排出される。
【0036】
また、装置の下部にはクリーニング部5a〜5d及びベルトクリーナー19(クリーニング部)において掻き取られた廃トナーを回収して貯留する廃トナー回収容器21が配置されている。廃トナー回収容器21は、画像形成装置100に対して着脱可能である。なお、廃トナー回収容器21は、
図1では装置の下部右側に配置されているが、装置内のいずれの位置に配置されていてもよい。
【0037】
図2に示すように、廃トナー回収容器21の上方には、クリーニング部5a〜5d及びベルトクリーナー19から廃トナー回収容器21まで廃トナーを搬送する廃トナー搬送パイプ22(廃トナー搬送経路)が設けられている。この廃トナー搬送パイプ22の端部には、廃トナーを廃トナー回収容器21に落下させる落下部22aが形成されている。また、廃トナー搬送パイプ22内には、廃トナーを搬送するスクリューなどからなる廃トナー搬送部材23が設けられている。
【0038】
廃トナー回収容器21の上面の一方側(
図2の左側)および他方側(
図2の右側)には、廃トナーを回収する第1の廃トナー落下口21aおよび第2の廃トナー落下口21bがそれぞれ形成されている。廃トナー回収容器21を画像形成装置100本体に装着した状態で、第1の廃トナー落下口21aは、廃トナー搬送パイプ22の落下部22aの真下(下方)に配置される。
【0039】
また、廃トナー回収容器21は左右対称形状に形成されている。すなわち、廃トナー回収容器21の一方側の部分と他方側の部分とは、互いに対称形状に形成されており、第1の廃トナー落下口21aおよび第2の廃トナー落下口21bは、廃トナー回収容器21の上面の略対称な位置に設けられている。このため、廃トナー回収容器21は一方側と他方側とを反転して画像形成装置100本体に装着可能である。また、廃トナー回収容器21の一方側と他方側とを反転して画像形成装置100本体に装着することにより、第1の廃トナー落下口21aまたは第2の廃トナー落下口21bが、廃トナー搬送パイプ22の落下部22aの真下(下方)に配置される。
【0040】
また、
図3に示すように、廃トナー回収容器21には、第1の廃トナー落下口21aおよび第2の廃トナー落下口21bを覆う蓋部材21cが設けられている。この蓋部材21cは
図4に示すように、廃トナー回収容器21の長手方向に沿ってスライド可能に構成されており、第1の廃トナー落下口21aおよび第2の廃トナー落下口21bを開閉することが可能である。
【0041】
そして、第1の廃トナー落下口21aが廃トナー搬送パイプ22の落下部22aの真下に配置される場合は、第1の廃トナー落下口21aを開いて第2の廃トナー落下口21bを閉じるように、ユーザーにより蓋部材21cがスライドされる。逆に、第2の廃トナー落下口21bが廃トナー搬送パイプ22の落下部22aの真下に配置される場合は、第1の廃トナー落下口21aを閉じて第2の廃トナー落下口21bを開くように、ユーザーにより蓋部材21cがスライドされる。また、廃トナー回収容器21を廃棄する場合は、第1の廃トナー落下口21aおよび第2の廃トナー落下口21bの両方を閉じるように、ユーザーにより蓋部材21cがスライドされる。
【0042】
なお、蓋部材21cは、廃トナー回収容器21の装着動作に連動して(伴って)、落下部22aの下方に配置される第1の廃トナー落下口21aまたは第2の廃トナー落下口21bを開いてもよい。例えば、画像形成装置100本体に、蓋部材21cに当接して蓋部材21cをスライドさせる図示しない当接部材(例えばバネ部材)を設け、ユーザーが廃トナー回収容器21を装着する際に、第1の廃トナー落下口21aまたは第2の廃トナー落下口21bが自動的に開くように構成することも可能である。
【0043】
画像形成装置100本体には
図2に示すように、廃トナー回収容器21内の廃トナーの量を検知するための廃トナー検知センサー24(廃トナー検知部)が設けられている。廃トナー検知センサー24は、廃トナー回収容器21が満杯になったことを検知するためのフル検知センサー(フル検知部)24aと、フル検知センサー24aの下方に配置され、廃トナー回収容器21が満杯近くになったことを検知するためのニア検知センサー(ニア検知部)24bとを含んでいる。フル検知センサー24aおよびニア検知センサー24bは、廃トナー搬送パイプ22の落下部22aの真下に位置する廃トナーの量(高さ)を検知するように配置されている。
【0044】
フル検知センサー24aおよびニア検知センサー24bは、例えば透磁率センサーにより形成されており、廃トナー回収容器21の外部から、廃トナー回収容器21内の廃トナー量の増加に伴う透磁率の変化を検知する。
【0045】
フル検知センサー24aおよびニア検知センサー24bには、フル検知センサー24aおよびニア検知センサー24bから検知信号が送信される制御部25(
図1参照)が電気的に接続されている。制御部25には、ユーザーに対して警告を行うことが可能な警告部26(
図1参照)が電気的に接続されている。この警告部26は、例えば、操作パネル等の表示部からなりユーザーに対して警告文を表示するように構成されていてもよいし、アラーム音発生器からなりユーザーに対して警告音を発するように構成されていてもよい。
【0046】
警告部26は、ニア検知センサー24bにより廃トナー回収容器21が満杯近くになったことが検知された場合に、廃トナー回収容器21を反転して装着するようにユーザーに対して警告する。また、警告部26は、ニア検知センサー24bにより廃トナー回収容器21が満杯近くになったことが検知された場合に、廃トナー回収容器21が満杯に近いことをユーザーに対して警告する。また、警告部26は、フル検知センサー24aにより廃トナー回収容器21が満杯になったことが検知された場合に、廃トナー回収容器21を新しいものに交換するようにユーザーに対して警告する。また、警告部26は、フル検知センサー24aにより廃トナー回収容器21が満杯になったことが検知された場合に、画像形成を停止するとの警告をユーザーに対して行う。なお、これらの警告部26の動作は、制御部25により制御される。また、制御部25と廃トナー検知センサー24とによって、廃トナーの量が検知されてもよい。
【0047】
次に、
図5〜
図9を参照して、廃トナー回収容器21が反転装着される過程および新しいものに交換される過程について説明する。
【0048】
図5に示すように、画像形成装置100による画像形成動作が開始されると、図示しない駆動モーターにより廃トナー搬送部材23が回転駆動される。これにより、廃トナーTは、廃トナー搬送部材23により搬送されて落下部22aから落下し、廃トナー回収容器21に回収され山状に堆積する。
【0049】
次に、
図5に示したように廃トナーTがニア検知センサー24bの高さ位置まで堆積すると、ニア検知センサー24bにより、廃トナー回収容器21が満杯近くになったことが検知される。そして、警告部26により、廃トナー回収容器21を反転して装着するようにユーザーに対して警告されるとともに、廃トナー回収容器21が満杯に近いことがユーザーに対して警告される。
【0050】
これにより、
図6に示すように、ユーザーにより、廃トナー回収容器21は一方側と他方側とを反転して画像形成装置100本体に装着される。このとき、着脱時の振動等により廃トナーがレベリング(平均化)されるとともに、廃トナー回収容器21内の下部の未充填スペースが少なくなる。
【0051】
その後、
図7に示すように、廃トナーTがニア検知センサー24bの高さ位置まで堆積すると、ニア検知センサー24bにより、廃トナー回収容器21が満杯近くになったことが検知される。そして、警告部26により、廃トナー回収容器21を反転して装着するようにユーザーに対して警告されるとともに、廃トナー回収容器21が満杯に近いことがユーザーに対して警告される。
【0052】
これにより、
図8に示すように、ユーザーにより、廃トナー回収容器21は一方側と他方側とを反転して画像形成装置100本体に装着される。このとき、着脱時の振動等により廃トナーがレベリング(平均化)されるとともに、廃トナー回収容器21内の未充填スペースが少なくなる。
【0053】
廃トナー回収容器21の反転装着を複数回繰り返すと、最終的には
図9に示すように、廃トナーTがフル検知センサー24aの高さ位置まで堆積する。これにより、フル検知センサー24aにより、廃トナー回収容器21が満杯になったことが検知される。そして、警告部26により、廃トナー回収容器21を新しいものに交換するようにユーザーに対して警告されるとともに、画像形成を停止するとの警告がユーザーに対して行われる。このとき、画像形成装置100による画像形成動作が停止してもよい。
【0054】
その後、ユーザーにより、廃トナー回収容器21が新しいものに交換される。
【0055】
本実施形態では、上記のように、廃トナー回収容器21は一方側と他方側とを反転して装着可能であり、廃トナー回収容器21の一方側と他方側とを反転して装着することにより、第1の廃トナー落下口21aまたは第2の廃トナー落下口21bが廃トナー搬送パイプ22の落下部22aの下方に配置される。これにより、第1の廃トナー落下口21a側で廃トナー回収容器21が満杯近くになった場合に、廃トナー回収容器21の一方側と他方側とを反転して装着することによって、第2の廃トナー落下口21b側の空きスペースに廃トナーTを充填することができる。このため、廃トナー回収容器21に効率良く廃トナーTを充填することができる。
【0056】
さらに、廃トナー回収容器21の一方側と他方側とを反転して装着するときの振動等により、廃トナーTがレベリング(平均化)され、廃トナー回収容器21内の未充填スペースを少なくできる。これにより、廃トナー回収容器21に、より効率良く廃トナーTを充填することができる。
【0057】
また、消耗品である廃トナー回収容器21に容器内搬送部材(スクリュー)を追加する必要がなく、容器内搬送部材(スクリュー)を駆動させるための駆動源も必要ないので、廃トナー回収容器21や装置本体の構造が複雑になるのを抑制することができるとともに、コストが増加するのを抑制することができる。
【0058】
また、上記のように、廃トナー回収容器21の一方側の部分と他方側の部分とは、互いに略対称形状に形成されている。これにより、廃トナー回収容器21の一方側と他方側とを反転して画像形成装置100本体に容易に装着することができる。また、廃トナー回収容器21が装着される領域を略対称形状にすることができるので、廃トナー回収容器21周辺に余計な空間が形成されるのを抑制することができ、省スペース化を図ることができる。また、第1の廃トナー落下口21aと第2の廃トナー落下口21bとが廃トナー回収容器21の略対称な位置に配置されるので、廃トナー回収容器21の一方側と他方側とを反転して装着することにより、第1の廃トナー落下口21aまたは第2の廃トナー落下口21bを、落下部22aの下方に容易に配置することができる。
【0059】
また、上記のように、廃トナー検知センサー24は、廃トナー搬送パイプ22の落下部22aの真下に位置する廃トナーTの量(高さ)を検知する。これにより、廃トナー検知センサー24により、廃トナーTの最も量の多い部分(最も高い部分)を検知することができるので、廃トナーTが廃トナー回収容器21から溢れるのを効果的に防止することができる。
【0060】
また、上記のように、警告部26は、ニア検知センサー24bにより廃トナー回収容器21が満杯近くになったことが検知された場合に、廃トナー回収容器21を反転して装着するようにユーザーに対して警告する。これにより、廃トナー回収容器21を反転させるべき時期を、ユーザーに知らせることができる。また、廃トナー回収容器21が満杯近くになった場合に、ユーザーが廃トナー回収容器21を反転して装着することになるので、廃トナーTが廃トナー回収容器21から溢れるのをより確実に防止することができる。
【0061】
また、上記のように、警告部26は、ニア検知センサー24bにより廃トナー回収容器21が満杯近くになったことが検知された場合に、廃トナー回収容器21が満杯に近いことをユーザーに対して警告する。これにより、廃トナー回収容器21が満杯になる前に、ユーザーは新しい廃トナー回収容器21を準備しておくことができる。
【0062】
また、上記のように、廃トナー回収容器21には、第1の廃トナー落下口21aおよび第2の廃トナー落下口21bを覆うとともに、第1の廃トナー落下口21aおよび第2の廃トナー落下口21bを開閉する蓋部材21cが設けられている。これにより、蓋部材21cにより第1の廃トナー落下口21aおよび第2の廃トナー落下口21bを閉じることができるので、廃トナー回収容器21の廃棄時に、廃トナーTが第1の廃トナー落下口21aおよび第2の廃トナー落下口21bから外部に飛散するのを抑制することができる。
【0063】
また、上記のように、蓋部材21cは、廃トナー回収容器21の装着動作に連動して(伴って)、落下部22aの下方に配置される第1の廃トナー落下口21aまたは第2の廃トナー落下口21bを開いてもよい。このように構成すれば、廃トナー回収容器21を装着する際に、落下部22aの下方に配置される第1の廃トナー落下口21aまたは第2の廃トナー落下口21bが自動的に開かれるので、落下部22aの下方に配置される廃トナー落下口を開き忘れることがない。
【0064】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0065】
例えば、上記実施形態では、
図1に示したようなタンデム型のカラー画像形成装置に本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らない。言うまでもなく、ロータリー方式のカラー複写機及びプリンター、モノクロ複写機、モノクロプリンター、デジタル複合機、ファクシミリ等の、廃トナーの回収機構を有する種々の画像形成装置に本発明を適用できる。
【0066】
また、上記実施形態では、フル検出部により廃トナー回収容器が満杯になったことが検知されるまで、廃トナー回収容器の反転装着を繰り返した例について示したが、本発明はこれに限らない。廃トナー回収容器の反転装着を1回だけ行うように構成してもよい。すなわち、ニア検知部の1回目の検知時に廃トナー回収容器を反転するように警告し、反転後はフル検知センサーにより廃トナー回収容器が満杯になるまでユーザーに対して警告しないように、警告部および制御部を構成してもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、廃トナー回収容器が満杯になったことを検知するためのフル検知部と、廃トナー回収容器が満杯近くになったことを検知するためのニア検知部とを設けた例について示したが、本発明はこれに限らず、フル検知部のみを設けてもよい。そして、警告部は、フル検知部により廃トナー回収容器が満杯になったことが最初(1回目)に検知された場合に、廃トナー回収容器を反転して装着するようにユーザーに対して警告し、フル検知部により廃トナー回収容器が満杯になったことが複数回検知された場合に、廃トナー回収容器を新しいものに交換するようにユーザーに対して警告してもよい。このように構成すれば、廃トナー回収容器を反転させるべき時期および廃トナー回収容器を交換するべき時期を、ユーザーに知らせることができる。また、廃トナー回収容器が満杯になった場合に、ユーザーが廃トナー回収容器を交換することになるので、廃トナーが廃トナー回収容器から溢れるのを確実に防止することができる。さらに、警告部は、フル検知部により廃トナー回収容器が満杯になったことが複数回検知された場合に、画像形成を停止するとの警告をユーザーに対して行ってもよい。このように構成すれば、廃トナー回収容器が満杯になった場合に、ユーザーが廃トナー回収容器をより確実に交換することになるので、廃トナーが廃トナー回収容器から溢れるのをより確実に防止することができる。
【0068】
また、上記実施形態のように廃トナー回収容器の反転装着を繰り返すと、廃トナー回収容器内の空きスペースが少なくなるとともに、警告の間隔が短くなる。このため、警告の間隔が所定期間(所定印字枚数)以下になった場合に、廃トナー回収容器を交換するようにユーザーに対して警告してもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、廃トナー回収容器の一方側の部分と他方側の部分とを、互いに略対称形状に形成した例について示したが、本発明はこれに限らない。廃トナー回収容器が装着される領域が十分確保できる場合は、廃トナー回収容器の一方側の部分と他方側の部分とを、互いに非対称な形状に形成することも可能である。
【0070】
また、上記実施形態では、廃トナー回収容器に、第1の廃トナー落下口および第2の廃トナー落下口の両方を覆う蓋部材を設けた例について示したが、本発明はこれに限らない。第1の廃トナー落下口および前記第2の廃トナー落下口の一方を覆う蓋部材を設けてもよい。また、廃トナー回収容器に蓋部材を設けなくてもよい。