特許第5948483号(P5948483)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5948483
(24)【登録日】2016年6月10日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】タッチスクリーンを備える溶接装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 9/10 20060101AFI20160623BHJP
   G06F 3/0484 20130101ALI20160623BHJP
【FI】
   B23K9/10 Z
   B23K9/10 A
   G06F3/0484 150
   G06F3/0484
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-500710(P2015-500710)
(86)(22)【出願日】2013年3月11日
(65)【公表番号】特表2015-512336(P2015-512336A)
(43)【公表日】2015年4月27日
(86)【国際出願番号】AT2013050062
(87)【国際公開番号】WO2013138831
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2014年10月20日
(31)【優先権主張番号】A50096/2012
(32)【優先日】2012年3月23日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】504380611
【氏名又は名称】フロニウス・インテルナツィオナール・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】FRONIUS INTERNATIONAL GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(72)【発明者】
【氏名】フランツ・ニーデレーダー
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター・ノイバッハー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート・フリートル
(72)【発明者】
【氏名】ルーペルト・フランエンシュー
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−500911(JP,A)
【文献】 特開2010−205280(JP,A)
【文献】 特表2010−537288(JP,A)
【文献】 特開平11−047950(JP,A)
【文献】 特開2000−315105(JP,A)
【文献】 特開2006−004059(JP,A)
【文献】 特開2003−136241(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/111722(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 9/00 − 9/32
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接処理を行うための溶接トーチ(7)のための接続部(27)と、
前記溶接トーチ(7)に溶接電流を供給するための電源(2)と、
制御装置(4)と、
前記制御装置(4)に接続されて、タッチスクリーン(21)によって形成される、パラメータ及び機能などを設定/表示するための入/出力装置(18)とを備え、
前記制御装置(4)は、
パラメータのカルーセルの形式において、前記タッチスクリーン(21)のメインエリア(28)におけるパラメータの順次に周回する設定/表示のために構成され、
設定可能なパラメータは、前記メインエリア(28)の中心において強調して表示され、
前記制御装置(4)は、
前記タッチスクリーン(21)の前記メインエリア(28)において、中心に表示されて設定可能なパラメータに次ぐパラメータの並び順のうちの少なくとも1つ先行および少なくとも1つ後続のパラメータを表示するように構成され、
前記パラメータ及び機能などを選択して変更するための組み合わせの制御素子(24)が、前記タッチスクリーン(21)の領域において配置され
前記組み合わせの制御素子は、前記パラメータのカルーセルの形式におけるパラメータの回転と、設定可能なパラメータの設定値の変更との双方が、当該制御素子に対する同一の操作で実現されるように構成された
溶接装置(1)。
【請求項2】
設定可能なパラメータは、前記タッチスクリーン(21)上で、前記並び順のうちの少なくとも1つ先行および少なくとも1つ後続のパラメータよりも大きく表示される、
請求項1に記載の溶接装置(1)。
【請求項3】
前記タッチスクリーン(21)上で、前記パラメータのカルーセルの形式におけるパラメータの回転によって順番に表示されるパラメータの並び順を変更するための制御エリア(31)が、前記タッチスクリーン(21)上に設けられる、
請求項1又は2に記載の溶接装置(1)。
【請求項4】
時間の関数としての曲線の進行として、選択されたパラメータを表示するための制御エリアが、前記タッチスクリーン(21)上に設けられる、
請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の溶接装置(1)。
【請求項5】
前記タッチスクリーン(21)上に、
前記溶接処理のステータスを表示するためのステータスライン(29)が、前記タッチスクリーン(21)の上側の領域において好適に配置されて設けられるとともに、
少なくとも1つのメニューバー(30)が、パラメータを選択するための、或いは設定を為すための制御エリアを表示するように、前記タッチスクリーン(21)の側部に好適に配置されて設けられる、
請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の溶接装置(1)。
【請求項6】
全画面モードに切り替えるための制御エリア(32)は、前記タッチスクリーン(21)上に設けられ、
前記全画面モードにおいて、少なくとも1つのメニューバー(30)が見えなくなるとともに前記タッチスクリーン(21)の前記メインエリア(28)がより大きく表示される、
請求項5に記載の溶接装置(1)。
【請求項7】
前記タッチスクリーン(21)のための透明の保護カバー(22)が設けられ、
前記組み合わせの制御素子(24)は、前記保護カバー(22)の外側に配置され、
前記制御素子(24)は、前記タッチスクリーン(21)が覆われた場合であっても作動し得る、
請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の溶接装置(1)。
【請求項8】
前記制御素子(24)は、押圧/回転コントローラによって形成される、
請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の溶接装置(1)。
【請求項9】
前記制御装置(4)に接続される、好適にはUSBインタフェースであるインタフェース(26)が設けられるとともに、
前記インタフェース(26)は、入力及び/又は出力装置(18)の領域において好適に配置される、
請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載の溶接装置(1)。
【請求項10】
特に、溶接ワイヤ(9)を挿入するための処理を初期化するためのキー、およびシールドガス(5)の要求された量を検査するための処理を初期化するためのキーにおける、少なくとも1つの機能キー(25)が、前記タッチスクリーン(21)の領域において設けられる、
請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載の溶接装置(1)。
【請求項11】
前記制御装置(4)は、パラメータが設定され得る範囲のスケール(33)を表示するように構成される、
請求項1〜10のうちのいずれか1つに記載の溶接装置(1)。
【請求項12】
前記スケール(33)は、前記溶接処理の設定されたパラメータに、及び/又は使用されている前記溶接装置(1)の構成要素、特に前記電源(2)に適合する、
請求項11に記載の溶接装置(1)。
【請求項13】
溶接ジョブの設定されたパラメータを、前記溶接ジョブのための一意の識別とともに格納するためのメモリが設けられる、
請求項1〜12のうちのいずれか1つに記載の溶接装置(1)。
【請求項14】
前記タッチスクリーン(21)は、前記電源(2)上に、及び/又は前記溶接装置(1)の構成要素、特にワイヤ供給装置(8)、遠隔制御部などの上に配置される、
請求項1〜13のうちのいずれか1つに記載の溶接装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接処理を行うための溶接トーチのための接続部と、溶接トーチに溶接電流を供給するための電源と、制御装置と、入/出力装置とを備える溶接装置に関する。入/出力装置は、前記制御装置に接続され、パラメータ及び機能などを設定/表示するためのタッチスクリーンによって形成される。
【背景技術】
【0002】
溶接装置を制御するため、及び種々の溶接処理を行うために、種々のパラメータ及び機能が選択され及び/又は設定される必要がある。種々のパラメータ及び機能などは通常、溶接処理を開始する前に主に選択され、設定される。しかし、溶接処理の期間中にも、溶接装置の電源上、溶接トーチ上、遠隔制御部上、または溶接装置の他の構成要素上に位置する種々の制御素子を用いて、種々のパラメータ及び機能などは選択され、設定される。本明細書において用いられる用語「パラメータ」は、溶接電流などの溶接パラメータとともに、機能パラメータなどの他のパラメータをも含む。溶接パラメータは、即時効果を有する。他のパラメータは、溶接処理に直接的に影響しないが、間接的に影響する。
【0003】
より近年の世代の溶接装置は、しばしばパラメータ及び機能などの入力及び出力/表示の双方を可能にするタッチスクリーンを備え付けられる。溶接装置においてタッチスクリーンを用いる場合、個別の設定可能なパラメータ又は機能は、通常、ユーザ又は溶接作業者によって選択され得る固定位置に割り当てられる。このようにするために、ユーザは、しばしば、タッチスクリーン上で種々のユーザのインタフェース及び/又はマスクにアクセスしなければならず、このことは制御をより一層困難にする。なぜならば、ユーザは、関連するパラメータ又は要求された機能がどのインタフェース及び/又はマスク上にあるかを、常時知ってはいないからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、できる限り容易で素早く、且つ直観的に、溶接処理の前、期間中または後に、パラメータ及び機能などを設定してアクセスすることを可能にする、上述したような溶接装置を提供することにある。本発明は、ユーザ及び/又は溶接作業者によって為される設定が溶接用手袋を着用したままでも為され得る場合に、好適である。既知のタッチスクリーンを備える溶接装置の不都合は、排除され、或いは少なくとも削減される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による目的は、上述のように、以下の溶接装置によって達成される。溶接装置において、制御装置は、タッチスクリーンのメインエリアにおいて、パラメータの順次に周回する表示およびパラメータの設定のために構成され、設定可能なパラメータは、メインエリアの中心において、強調して表示される。これによると、パラメータは、タッチスクリーン上のカルーセルの形式における周回する外観において表示され、そのためユーザによるパラメータの選択および設定は、より一層容易に成される。スクリーンにタッチすることにより、パラメータのカルーセルは回転され得、設定されるべき各パラメータは素早く且つ容易に選択され得る。この選択されたパラメータは、タッチスクリーンの中心において強調して表示され、タッチスクリーンを直接にタッチすることによって、或いは他の制御素子を作動することによって所望のとおり設定され得る。このことは、本発明に係る溶接装置が、溶接処理を行う前に、タッチスクリーンの手段によって種々のパラメータの様々な設定を可能にするとともに、溶接処理を行っている期間中に、他の制御素子の手段によって特定のパラメータの設定及び/又は選択を可能にすることを意味する。溶接装置の電源上に付け加えて、またはこれに代えて、本発明によって構成されるタッチスクリーンは、遠隔制御部、ワイヤ供給装置などの上に配置されてもよい。タッチスクリーンは、適切なラインによって、或いは無線の方法において溶接装置の電源に接続される。この場合において、パラメータは上記のタッチスクリーンの手段によって、及び可能であれば遠隔制御部、ワイヤ供給装置などの上の制御素子によって設定される。多数の制御素子と組み合わせたタッチスクリーンを備える、従来の溶接装置と比較して、本発明の溶接装置は、より明確にレイアウトされる。
【0006】
パラメータ及び機能などを選択して変更するための組み合わせの制御素子は、タッチスクリーンの領域において配置されることが好ましい。これにより、入/出力がタッチスクリーンと組み合わせの制御素子の手段によって組み合わされ、溶接用手袋を着用している場合であっても容易に作動され得る。用語「組み合わせの制御素子」は、特定の機能の組み合わせを許容する、種々の制御素子を含む。特に、パラメータを確定又は選択することとともに、パラメータの値の無段の設定と段階的な設定とを組み合わせることが可能であるべきである。タッチスクリーン上で選択されたパラメータは、タッチスクリーンの中心において強調して表示される。そして、タッチスクリーン上で選択されたパラメータは、タッチスクリーンを直接にタッチすることによって、又は組み合わせの制御素子を作動することによっての何れかで、所望のとおり設定され得る。そのため、組み合わせの制御素子とともに提供される溶接装置は、溶接処理を行う前に、タッチスクリーンの手段によって種々のパラメータの様々な設定を可能にするとともに、溶接処理を行っている期間中に、組み合わせの制御素子の手段によって特定のパラメータの設定及び/又は選択を可能にする。タッチスクリーンのみを備えた溶接装置と比較して、組み合わせの制御素子を備える溶接装置は、同様に手袋を着用している場合であっても、上記組み合わせの制御素子を介する制御を可能にする。ユーザは、操作の前に溶接用手袋を外さなくてもよい。多数の制御素子と組み合わせたタッチスクリーンを備える、従来の溶接装置と比較して、本発明の溶接装置は、より明確にレイアウトされる。組み合わせの制御素子は、パラメータ及び機能などのための特定値を設定したり、パラメータ及び機能などを選択したりすることだけでなく、タッチスクリーンのユーザインタフェースを制御可能にすることを許容してもよい。
【0007】
制御装置は、タッチスクリーンのメインエリアにおいて、中心に表示されて設定可能なパラメータに次ぐパラメータの並び順のうちの少なくとも1つ先行および少なくとも1つ後続のパラメータを表示するように構成されることが好ましい。このことは、パラメータがタッチスクリーン上でカルーセルの形式において表示されることを意味し、これによってユーザがパラメータを選択して設定することをより容易にする。可能な組み合わせの制御素子を作動することによって、及び/又はタッチスクリーンをタッチすることによって、パラメータのカルーセルは回転され得、設定されるべきパラメータは素早く且つ容易に選択され得る。この選択されたパラメータは、選択モードにおいてタッチスクリーンの中心にて表示される。選択モードは、ユーザが現時点で設定されることとなるパラメータを視認するとともに、次に選択され得る少なくとも2つの隣接するパラメータを把握するために有利な方法である。これにより、ユーザは、パラメータのカルーセルを左側に、又は右側に動かすことによって、設定されることとなる次のパラメータの選択を素早く且つ容易に行い得る。
【0008】
設定可能なパラメータは、タッチスクリーン上で、並び順のうちの少なくとも1つ先行および少なくとも1つ後続のパラメータよりも大きく表示されることが好ましい。これによると、設定され得るパラメータはタッチスクリーン上で適切に強調される。さらに、選択されたパラメータは、例えば境界線又は色付けの表現などの種々の画像効果によっても、強調されてもよい。一度、パラメータが、タッチスクリーンをタッチすることによって、或いは可能であれば上記組み合わせの制御素子を作動することによって、カルーセルから選択された場合、その値は変更され得る。パラメータに対する設定の可能な範囲のスケールが、選択物に応じて、現時点での設定値とともに表示されることが好ましい。
【0009】
本発明の他の特徴によると、タッチスクリーン上でのパラメータの並び順を変更するための制御エリアが、タッチスクリーン上に設けられる。溶接装置をユーザの個別の要求に適応可能にするように、カルーセルにおいて配置されて表示されるパラメータおよびそれらの並び順が設定されてもよい。
【0010】
時間に応じた曲線の進行として選択されたパラメータを表示するための制御エリアが、タッチスクリーン上に設けられてもよい。タッチスクリーン上でこの制御エリアを作動することによって、表示モード(溶接曲線ビュー)が選択されるとともに、選択されたパラメータが、時間の関数としての曲線として表示される。そのような曲線の表現は、例えば溶接の開始手順などの複雑な処理のためにも用いられる。このことは、種々の溶接処理/詳細の処理に対して多大な利点である。例えば、溶接処理の期間中に、溶接電流の時間経過に亘る概要をユーザに提供するために、溶接電流が、タッチスクリーン上で、或いはタッチスクリーンのエリアにおいて、時間に応じて図形的に表示されてもよい。
【0011】
設定された溶接処理のステータスを表示するためのステータスラインが、タッチスクリーンの上側の領域において設けられることが好ましい。それとともに、少なくとも1つのメニューバーがタッチスクリーンの側部に配置されることが好ましく、メニューバーは、パラメータを選択するための、或いは設定を為すための制御エリアを表示するように設けられる。ステータスラインにおいて、重要な設定、作動される機能、ログインしているユーザ、時間および現時点のエラーなどの情報が、テキスト又はシンボル/アイコンの形式においてユーザに提供される。
【0012】
全画面モードに切り替えるための制御エリアは、タッチスクリーンの上に設けられてもよい。全画面モードにおいて、(左手側に及び/又は右手側に配置されることが好ましい)少なくとも1つのメニューバーが見えなくなるとともに、タッチスクリーンのメインエリアがより大きく表示される。この全画面モードへの切り替えによって、タッチスクリーンは重要な表示に制限され、より重要でない設定オプション又は情報は見えなくなる。全画面モードは、制御インタフェースの簡素化及び/又は簡約された表現とみなされ得る。
【0013】
溶接スパッタなどからタッチスクリーンを保護するために、好適には、透明の保護カバーが設けられてもよい。可能な組み合わせの制御素子は、この保護カバーの外側に配置され、そのため、制御素子は、保護カバーがタッチスクリーンを覆うように使用された場合であっても作動し得る。このことは、タッチスクリーンが覆われた場合に、タッチスクリーン付近の組み合わせの制御素子を、溶接処理の期間中であっても作動できるようにする。
【0014】
制御素子は、押圧/回転コントローラによって形成されることが好ましい。そのような押圧/回転コントローラは、組み合わせの制御素子の簡素な実装を提供する。押圧/回転コントローラを押すことにより、パラメータの選択及び/又は値が確定され得、押圧/回転コントローラをひねることにより、パラメータの値の無段の設定、又はタッチスクリーン上での異なるパラメータ及び/又は異なる画面の選択が行われる。制御素子が十分なサイズである場合、溶接用手袋を着用している場合であっても特に簡便に作動し得る。
【0015】
溶接装置上で制御装置に接続されるインタフェースを設けることによって、種々のデータ又はプログラムが溶接装置からエクスポートされてもよいし、或いは溶接装置中にインポートされてもよい。インタフェースは、入力及び/又は出力装置の領域において配置されることが好ましい。付け加えて、新規の表示ディスプレイ及び/又はタッチスクリーンのためのレイアウトがインストールされてもよいし、或いはユーザが溶接装置上に直接に適用したユーザインタフェースなどがインタフェースを介して読み出されてもよい。例えば、USB(ユニバーサルシリアルバス)インタフェースは、外部メモリにおいて、特にUSBフラッシュドライブ上で溶接処理の個別の設定を格納すること、およびそれらを他の溶接装置による使用のために提供することを許容する。また、USBポートに接続されたWLAN(無線ローカルエリアネットワーク)アダプタの手段によって、ローカルネットワーク又はインターネットへの接続も、構築されてもよい。イーサネット(登録商標)ネットワークなどの他のインタフェースも、溶接装置をローカルネットワーク又はインターネットに接続するために設けられてもよい。さらに、そのようなインタフェースは、溶接装置の遠隔メンテナンスおよびソフトウェアの更新を許容してもよい。
【0016】
少なくとも1つの機能キーが、タッチスクリーンの領域において配置されてもよい。例えば、溶接ワイヤを挿入するための処理を初期化するためのキー、およびシールドガスの要求された量を検査するための処理を初期化するためのキーが、機能キーとして設けられてもよい。この形式の外部の機能キーは、頻繁に用いられる機能のために主に用いられる。そのため、特定の制御手順、実際の値の決定などは、或る機能キーの一度の押圧によって素早く且つ容易に行われ得る。これによると、溶接ワイヤの挿入処理などの関連する機能が、機能キーを一度押すことにより、行われ得る。キーが十分なサイズである場合、溶接用手袋を着用している場合に簡便に作動し得る。
【0017】
制御装置が、パラメータが設定され得る範囲のスケールを表示するように構成される場合、パラメータの設定が制御素子の手段によって為され得る範囲は、特に明確にレイアウトされた手法においてユーザのために表示され得る。このとき、変更可能である種々の溶接処理及び/又はパラメータのための設定範囲のための、及び柔軟な方法において適用可能である設定範囲のための利点がある。その結果、理想的な範囲が常時、ユーザにとって利用可能である。例えば、スケールは、円若しくは円の一部の形式において、またはバーの形式において表示され得る。
【0018】
スケールは、溶接処理の設定されたパラメータに、及び/又は使用されている溶接装置の構成要素、特に電源に適合することが好ましい。このことは、溶接処理のさらなる設定されたパラメータに依存して、スケール、及び/又は現時点で選択されたパラメータの設定が為され得る範囲が、自動的に表示されることを意味する。例えば、溶接ワイヤの運搬速度のパラメータが選択された場合、選択された溶接処理のために妥当で可能なワイヤの運搬速度の範囲が、自動的に表示される。ユーザは、制御素子を作動することによって、或いはタッチスクリーンに適切にタッチすることによって、スケール上に表示される上記の範囲から所望の値を選択し得る。スケールの自動的な関連付けは、対応する格納された機能又はテーブルによって行われる。このような機能又はテーブルは、選択された更なる溶接処理のパラメータに依存して、パラメータの値がそれぞれの設定可能なパラメータのために変化し得る範囲を含む。
【0019】
溶接ジョブの設定されたパラメータを、溶接ジョブのための一意の識別とともに格納するためのメモリが設けられる場合、ユーザは、特定の溶接ジョブの自身の個人設定を、情報管理又はその後の使用のために維持し得る。
【0020】
既に上述したとおり、タッチスクリーンは、電源上に、及び/又は溶接装置の構成要素、特にワイヤ供給装置、遠隔制御部などの上に配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】溶接装置の概略説明図を示す。
図2】タッチスクリーンを備える溶接装置の電源の外観図を示す。
図3】タッチスクリーンを備える溶接装置の電源の制御部の外観図を示す。
図4】選択モードにおける、全画面モードにおけるタッチスクリーンの外観図を示す。
図5】設定モードにおける、全画面モードにおけるタッチスクリーンの外観図を示す。
図6】設定モードにおける、全画面モードにおけるタッチスクリーンの他の外観図を示す。
図7】曲線表示モードにおけるタッチスクリーンの外観図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を、添付図面を用いてより詳細に説明する。添付図面は、溶接装置及び溶接装置のタッチスクリーンの例示の実施形態を示す。
【0023】
図1は、溶接装置1の概略説明図を示す。溶接装置1は、例えばミグ/マグ溶接及び/又はティグ溶接または電極溶接方法、二重ワイヤ/タンデム溶接方法、プラズマの方法、ろう付け及びはんだ付けの方法などの多くの異なる処理及び/又は方法のための溶接装置である。溶接装置1は、電力ユニット3が内部に配置された電源2と、制御装置4と、(図示しない)例えばスイッチング部材、制御バルブなどの更なる構成要素及びラインとを備える。電源2及びその構成要素は、対応するハウジング11において配置される。制御装置4は、ガス格納部6と溶接トーチ7の間に、例えばCO、ヘリウム又はアルゴンなどのシールドガスのための供給ラインにおいて配置される制御バルブに接続されてもよい。さらに、制御装置4は、ミグ/マグ溶接で一般的であるように、追加の材料及び/又は溶接ワイヤ9が供給コイル10及び/又はワイヤコイル又は外部のドラムコイル(ワイヤドラム)から供給ラインを介して溶接トーチ7の領域に供給されるように、ワイヤ供給装置8を制御するために用いられてもよい。勿論、図1に示すように、カート12上に配置された付加的な装置であることに代えて、ワイヤ供給装置8を溶接装置1の内部、特に電源2のハウジング11の内部に一体化することも可能である。また、電源2のハウジング11が上部表面上にワイヤ供給装置8を受け入れるように形成されて、ワイヤ供給装置8を溶接装置1の上部に直接に配置することも可能である。この場合、カート12は省略できる。ワイヤ供給装置8は、ティグ溶接において一般的であるように、溶融していない電極が溶接トーチ7の内部に好適に配置される場合において、溶接トーチ7の外側から加工部位に溶接ワイヤ9を供給してもよい。
【0024】
電極又は溶接ワイヤ9と加工対象物14の間に電気アーク13を生成するための電流は、(図示しない)溶接ラインを介して電源2の電力素子3によって溶接トーチ7に、特に電極又は溶接ワイヤ9に供給される。溶接されることとなる加工対象物14は、電気回路が電気アーク13を用いて生成できるように、更なる電位のための更なる溶接ラインを介して、特に接地ケーブルを介して電源2に接続される。
【0025】
溶接トーチ7を冷却するために、溶接トーチ7は液体タンクに、特に、レベル表示器17を備える水タンク16に、冷却装置15及びフロー制御部などの可能な中間的構成要素を介して接続されてもよい。溶接システムの個別の構成要素は、すなわち電源2と、ワイヤ供給装置8と、冷却装置15とは、各構成要素が安全に互いに上部に積み上げられ、或いは配置されることができるような方法で、形成される。
【0026】
溶接装置1は、特に電源2は、全ての種々のパラメータ、動作モードまたは溶接プログラムを設定する及び/又は検索するおよび表示するための入/出力装置18をさらに備える。入/出力装置18によって設定されるパラメータ、動作モードまたは溶接プログラムは、制御装置4と通信される。すると、制御装置4は溶接装置1の個々の構成要素を作動し、及び/又は調整若しくは制御のための適切な設定点を規定する。溶接トーチ入/出力装置19を備える適切な溶接トーチ7を用いることによって、溶接トーチ7を介して設定手順を行うことも可能である。この場合、溶接トーチ7は、データ及び供給ラインによって、溶接装置1に、特に電源2又はワイヤ供給装置8に接続されることが好ましい。溶接処理を開始するために、溶接トーチ7は通常(図示しない)開始スイッチを備え、そして電気アーク13は開始スイッチを作動することによって点弧することができる。
【0027】
さらに、例示で示す実施形態において、溶接トーチ7は、ホースパッケージ20を介して溶接装置1に接続される。ホースパッケージ20において、例えば供給ライン及び/又は溶接ワイヤ9のため、ガス5のため、冷却装置8のため、データ転送のためなどのラインの個々のラインは、溶接装置1から溶接トーチ7に配置される。一方、接地ケーブルは、電源2に、好適に分離して接続される。
【0028】
一般的に、種々の溶接方法のために及び/又は例えばミグ/マグ式装置やプラズマ式装置などの溶接装置1のために、上述の構成要素がすべて用いられなくてもよく、及び/又は組み込まれなくてもよい。例えば、溶接トーチ7が空冷式溶接トーチ7として形成されることが可能であってもよく、そうすると冷却装置15を省略できる。そのため、溶接装置1は、少なくとも電源2と、ワイヤ供給装置8と、冷却装置15とによって形成される。これらの構成要素は全て共通のハウジング11の内部に配置されてもよい。
【0029】
図2は、溶接処理のパラメータを設定するためのタッチスクリーン21によって形成される入/出力装置18を備える溶接装置1の電源2の外観図を示す。タッチスクリーン21は、ユーザの指によるのみでなくスタイラスペンなどによる作動をも許容するために、抵抗式タッチ技術を用いて構成されることが好ましい。タッチスクリーン21のサイズは、電源2または溶接装置1の他の構成要素のサイズ、並びにパラメータや機能など及び表示されるべき制御オプションの多様性に依存する。溶接処理を行う場合、繊細なタッチスクリーン21は好適に透明の保護カバー22によって保護されてもよい。保護カバー22は、溶接装置1に回動自在に接続される。図示した例示の実施形態においては、保護カバー22は、タッチスクリーン21に渡ってヒンジで下ろされ得る。例えば(図示しない)タッチスクリーン21に渡ってスライドされる保護カバー22などの他の機構も、同様に可能である。保護カバー22は、保護カバー22が閉じる場合にタッチスクリーン21付近に位置する可能な組み合わせの制御素子24に当たらないための切り込み23を備える。そのため、組み合わせの制御素子24は、タッチスクリーン21が覆われる場合であっても作動し得る。制御素子24は、タッチスクリーン21の側部に、或いはタッチスクリーン21よりも下に配置されることが好ましい。勿論、制御素子24は、タッチスクリーン21自体に直接に、同一の変更及び設定をさせることができる。これにより、ユーザは、溶接用手袋を着用している場合であっても、溶接処理を行う際に組み合わせの制御素子24を介して特定の設定およびパラメータを変更し得る。組み合わせの制御素子24は、押圧/回転コントローラによって形成されことが好ましく、押圧/回転コントローラは少なくとも2つの機能を行うことができる。制御素子24に加えて、例えば溶接ワイヤ9を挿入すること又はシールドガスの検査処理を行うことなどの種々の頻繁に用いられる機能を初期化するための機能キー25が設けられてもよい。さらには、インタフェース26は、例えばUSBインタフェースであり、データ及び/又は情報を交換するための、外部装置への溶接装置1の接続を許容するために、電源2上に配置され得る。更には、溶接装置1及び/又は電源2をローカルネットワーク又はインターネットに接続するためのインタフェースが設けられてもよく、特に(図示しない)イーサネット(登録商標)インタフェースが溶接装置1の背部上に好適に配置される。(図示しない)接地ケーブルは、接続部27を介して電源2に接続される。
【0030】
図3は、タッチスクリーン21を備える溶接装置1の電源2の制御部の拡大図を示す。入/出力装置18を形成するタッチスクリーン21は、メインエリア28を含む。メインエリア28において、設定されるべきパラメータは表示され、及び設定され、及び/又は変更され得る。本発明によると、パラメータは、タッチスクリーン21のメインエリア28において、順次に周回する表現において表示される。現時点で選択されて設定可能なパラメータは、メインエリア28の中心において強調して表示される。並び順のうちの少なくとも1つ先行と1つ後続のパラメータは、選択されて設定可能なパラメータの左側と右側に、それぞれ表示される。図示した例において、このことは、3つのパラメータが同時にタッチスクリーン21のメインエリア28において表示されるのだが、中心において強調して表示されるパラメータのみが、何時でも変更され得、及び/又は設定され得ることを意味する。選択されて設定可能なパラメータは、図示した例においてはアンペア数であり、表示上の他のパラメータに対してより大きく表示することによって、また可能であれば色付けや境界線で囲まれて表示することによって強調される。ユーザは個々のパラメータを動かせ、そのため、非常に様々なパラメータが、要求されるとおりにメインエリア28の中心に移動され得る。パラメータの移動は、パラメータのカルーセルの形式において行われる。パラメータのカルーセルにおいて、中心のパラメータの次に表示されるパラメータは、回転の方向に依存して、中心に移動する。そのため、或る異なるパラメータ又は従前に反対側から表示されたパラメータが、中心のパラメータの次に表示される。このことは、偶数でない個数のパラメータが、タッチスクリーン21のメインエリア28において、中心に位置するパラメータが強調されながら表示されることを意味する。例えば、3個、5個、7個などのパラメータが、メインエリア28において表示される。このような表示形式は、ユーザがカルーセルの双方向における形式において、即ち左側に或いは右側にパラメータを動かし、そしてタッチスクリーン21の中心において所望のパラメータを素早く配置することを可能にする。
【0031】
テキスト又はアイコンの形式において、重要な設定、作動された機能、ログインしているユーザ、時間、日付および現在のエラーの情報を表示するステータスライン29は、好適には、タッチスクリーン21のメインエリア28よりも上に位置する。案内のための、或いは頻繁に用いられる機能を設定するための制御エリアを含むメニューバー30は、タッチスクリーン21のメインエリア28の両側に位置する。右手のメニューバー30において、カルーセルにて表示されるパラメータとそれらの並び順とを選択する及び/又は変更するための制御エリア31が表示される。そのため、ユーザは、ユーザの個別の要求に応じて電源2を設定でき、ユーザが溶接処理の間に設定、変更またはモニタしたいパラメータを選択できる。ユーザは、パラメータのカルーセルにおいて表示されることとなるパラメータとそれらの並び順とを、個別に設定できる。これによって、理想のカスタマイズを得て、常時、溶接処理のための最も重要なパラメータを利用可能になる。更なる制御エリア32(本明細書における右手のメニューバー30における最も下部の制御エリア)は、全画面モードに切り替えることを可能にする。制御エリア32の詳細は図4を用いて後述する。メニューバー30におけるそれぞれの制御エリア31,32は、それ自体の説明の絵文字及び/又は短文の説明用テキストを含むことが好ましい。すると、ユーザは、操作マニュアルを過度に学ぶことなく、電源2を操作することができる。機能に依っては、テキストまたは絵文字/シンボルは省略されてもよい。
【0032】
メニューバー30における可能な制御エリア及びそれらの機能を以下、簡単に説明する。左手のメニューバー30における最も上部の制御エリアは、メニュー項目「溶接」を示す。メニュー項目「溶接」は、溶接処理が実行される場合に選択される。左手のメニューバー30において溶接トーチのためのシンボル及びテキスト要素「JOB」(ジョブ)を含む、次の制御エリアは、標準的な溶接方法、パルス溶接方法、CMT(コールドメタルトランスファ)溶接方法などの種々の溶接方法を選択するために用いられる。左手のメニューバー30においてより下に位置する、3つのスライダのシンボルを含む制御エリアは、処理のパラメータを設定するために用いられる。この制御エリアを押すことにより、種々の処理のパラメータが設定され得る。左手のメニューバー30において溶接装置及びレンチのシンボルを含む、最も下部の制御エリアは、溶接装置の選択物を規定して変更するために用いられる。タッチスクリーン21上でこの制御エリアを選択することによって、表示の形式または色などの種々の基礎的な設定が規定され得る。
【0033】
タッチスクリーン21の右手のメニューバー30において、パラメータのカルーセルのシンボル(3つの矩形及び曲がった矢印)を含む最も上部の制御エリア31は、パラメータのカルーセルのパラメータを変更するために用意される。この制御エリア31を選択することによって、対応するサブメニューが、カルーセルにおいて配置されることとなるパラメータ及びそれらの並び順を規定するために、タッチスクリーン21上に現れる。下部に配置されて矩形の関数及びチェックマークのシンボルを含む制御エリアは、同期パルスなどの特定の特殊機能のオン及びオフを切り替えるために用いられる。右手のメニューバー30において傾いた四角及び矢印の絵文字を含む第3の制御エリアは、溶接ジョブとして種々の設定を節約することを可能にし、そのためこれらの設定は後の応用に利用可能である。最後に、右手のメニューバー30において矩形及び外向きの矢印のシンボルを含む、最も下部の制御エリア32は、上述したように全画面モードに切り替えることを示す。全画面モードにおいて、メニューバー30は見えなくなり、タッチスクリーン21メインエリア28はより大きく表示される(図4参照)。
【0034】
勿論、新しい補助機能を含む新しい制御エリアが、メニューバー30において制御エリアを選択する場合に、溶接装置1の操作並びにパラメータ及び機能などの変更をより容易にするように現れてもよい。
【0035】
図4は、図3による全画面モードにおけるタッチスクリーン21の外観図を示す。全画面モードは、タッチスクリーン21上のそれぞれの制御エリア32を作動させた後に進入される。全画面モードにおいて、図3におけるメインエリア28の側部に表示されるメニューバー30は見えなくなり、タッチスクリーン21のメインエリア28は、対応してより大きく表示される。ステータスライン29は、ユーザにとって重要な情報を示すので、好適に表示上に残存する。全画面モードは、溶接処理の不可欠な部分又はパラメータのみがタッチスクリーン21上に表示される、簡素化された及び/又は簡約されたモードである。通常モードに戻ることは、例えばタッチスクリーン21をタッチすることによって行われる。通常モードにおいて、タッチスクリーン21のメインエリア28の側部にメニューバー30が再度、表示されてこれらの機能が作動され得る。この選択モードにおいて、パラメータは選択され得る。
【0036】
図5は、設定モードにおけるタッチスクリーン21を示す。設定モードにおいて、表示エリアのサイズは全画面モードに対応する。ステータスライン29は、通常ではタッチスクリーン29のメインエリア28よりも上に配置されるが、簡単のため、図5に図示していない。設定モードは、組み合わせの制御素子25を作動することによって、特に押圧/回転コントローラを押すことによって進入される。図5では、選択されたパラメータの設定可能な範囲を含むスケール33が表示される。図示した例示の実施形態において、選択されたパラメータは溶接電流Iであり、30〜420Aの間で設定され得る。設定バー34は、溶接電流Iに対する現時点での設定値を示す。設定バー34に加えて、パラメータの値は、数(図5では235A)としても表示され得る。タッチスクリーン21上で設定バー34をドラッグすることによって、或いは組み合わせの制御素子24をひねることによって、パラメータの値(図5では溶接電流I)が所望の値に設定され得る。タッチスクリーン21をタッチすること、或いは組み合わせの制御素子24を押すことで、図4による全画面モードに戻る。
【0037】
様々な追加のパラメータ及び/又は機能によって、パラメータの設定可能な範囲は、上述した場合において30〜420Aの間であったが、変更可能に構成される。例えば、設定が同一のままになっているが材料の選択を変える場合、パラメータの設定可能な範囲は、30〜420Aから20〜350Aに変更されてもよい。本実施形態では、特定のパラメータがそれぞれの設定可能な範囲を規定することを考慮している。また、例えば使用される電力素子、ワイヤ供給装置などのインストールされた構成要素も、設定可能な範囲の規定に寄与してもよい。例えば、電力素子を300Aで使用する場合、420Aまでの範囲を表示することは、その値の電流が設定できないため、妥当でない。溶接装置の構成要素を置き換える場合、パラメータのためのスケールは、特にその設定範囲は、これらの構成要素のために格納された特徴数に基づいて規定される。
【0038】
図6は、設定モードにおけるタッチスクリーン21の他の外観図を示す。溶接ワイヤの運搬速度のパラメータが表示されている。タッチスクリーン21のメインエリア28よりも上のステータスライン29は、図5と同様に図示されていない。溶接ワイヤの運搬速度が設定され得る値の範囲は、図示した例において速度0〜10m/minの間である。再度、設定バー34は、そのパラメータに対する現時点での設定値(図6では6.8m/min)を示す。設定バー34に加えて、設定値は、タッチスクリーン21上で数としても表示される。
【0039】
図7は、曲線表示モードにおける溶接装置1のタッチスクリーン21を示す。図7において、現時点で選択されたパラメータは、タッチスクリーン21上でメニューバー30における適切な制御エリアを選択することによって、時間ダイアグラム35の形式にて図形的に表示され得る。図示した例において、溶接電流Iのパラメータは、時間tの関数としてタッチスクリーン21のメインエリア28の一部において表示される。時間ダイアグラム35よりも下に、パラメータリスト36も表れており、パラメータリスト36において、表示されて選択されたパラメータ(図7では溶接電流)が適切に、例えば境界線によって枠囲いされて、強調される。パラメータ(図7では溶接電流)の時間経過は、明確にレイアウトされた方法において、溶接処理の期間中の変化に関連する情報を、ユーザに伝えることを可能にする。
【0040】
本実施形態では、パラメータが変更される場合に、ユーザは即座に特性曲線からその効果を読み取ることができることが重要である。なぜなら、特性曲線は為された設定に応じて変化するからである。
【0041】
タッチスクリーン21及び組み合わせの制御素子24を介して、本発明の溶接装置1は、ユーザ及び/又は溶接作業者に対して、特に柔軟で且つ簡便に操作可能な設定オプションを提供する。本発明における設定オプションは、特に容易な方法においてそれぞれの要求に適用し得る。
【符号の説明】
【0042】
1 溶接装置
2 電源
4 制御装置
7 溶接トーチ
9 溶接ワイヤ
18 入/出力装置
21 タッチスクリーン
24 組み合わせの制御素子
26 インタフェース
28 メインエリア
29 ステータスライン
30 メニューバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7