【0007】
カチオン性ポリマーは、コンタクトレンズによって取り込まれ、コンタクトレンズから放出されて有益な効果、例えば快適さ又は抗菌特性の向上を与え得るいずれのカチオン性ポリマーであってもよい。例となるカチオン性ポリマーとしては、εPLL、複数のアルギニン及び/又はリジン基を含む抗菌性ペプチド、ポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)、及び四級アンモニウム化合物(すなわちポリコート(polyquat))が挙げられる。カチオン性ポリマーの分子量は、典型的に約1,000、1,500、2,000、2,500、3,000、3,500、又は4,000から、約6,000、8,000、10,000、15,000、20,000、25,000、又は30,000までである。カチオン性ポリマーの分子量は、例えば、1,000〜30,000、例えば1,500〜25,000、2,000〜20,000又は2,500〜15,000である。種々の例では、カチオン性ポリマーの分子量は、約1,000〜約5000、約4000〜約15,000、又は約15,000〜約30,000である。本明細書では、用語「分子量」は、
1H NMR末端基解析で決定した場合のポリマーの絶対数平均分子量(ダルトンの単位)を意味する。具定例では、カチオン性ポリマーの分子量は約3,000〜15,000である。さらなる例では、カチオン性ポリマーは、約2,500〜約6,000の分子量を有する抗菌性ペプチドである。カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーを含むパッケージング溶液に、アニオン基を含む重合生成物を単に浸すことによって、該重合生成物に静電気的に結合し得る。パッケージング溶液中に浸すとき、重合生成物は乾燥していても、部分的に水和、又は完全に水和していてもよい。
【実施例】
【0015】
下記実施例は、本発明の特定の態様及び利点を説明するものであり、本発明を実施例によって限定するものと解釈すべきでない。
実施例1:アニオン性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの調製
相対部(質量)で示した下表1に列挙した化学薬品を秤量し、一緒に混合することによって6つのシリコーンヒドロゲル配合物A〜Fを作製し、0.2〜5.0ミクロンフィルターを用いてろ過した。表1に載せた単官能性シロキサンは、以下に示す構造IIを有する。このシロキサンモノマーの製造方法は米国特許第8,168,735号(Ichinohe)に記載されている。
【0016】
【化1】
II
【0017】
表1に載せた二官能性シロキサンマクロマーは、以下に示す構造IIIを有する。ここで、nは約90であり、mは約5であり、pは約7.0である。このマクロマーの製造方法は米国特許第8,129,442号(Ueyama et al.)に記載されている。
【0018】
【化2】
III
【0019】
表1
【0020】
結果として生じた重合性モノマー混合物を通常の方法でポリプロピレンコンタクトレンズ型アセンブリー内で鋳造し、窒素オーブン内で熱硬化させた。各硬化レンズをその型から取り出し、水和させ、脱イオン水の多重交換を利用して洗浄してヒドロゲルから未反応成分及び一部反応成分を除去した。
【0021】
実施例2:インビトロ取り込みアッセイ
下記実施例では水中25%濃度のεPLL(Chisso Corporation, Tokyo, Japan)を出発εPLL材料として用いた。実施例1に従って調製した配合物Fのレンズを、1.2mlのPBS(コントロールレンズ)又は1.2mlの500ppm(PBS中)εPLLを含有する6mlのガラス製バイアルに移した。特に指定のない限り、ここでのPBSへの言及は、約0.21のイオン強度を有する29mMのPBS、pH7.5(0.78wt.%のNaCl、0.05wt.%のリン酸二水素ナトリウム、及び0.36wt.%のリン酸水素ナトリウム(sodium phosphate dibasic))を意味する。バイアルを密封して120℃で30分間オートクレーブ処理した。さらに、レンズを含まない、1.2mlの500ppm(PBS中)εPLLを含有するバイアル(コントロールバイアル)をもオートクレーブ処理した。試験レンズバイアルのオートクレーブ処理後溶液及びコントロールバイアル中に存在するεPLLの量は、室温、及びH
20中0.2MのNaCl/0.1%のTFAを用いて均一濃度で1.0ml/分の流速にて、20μlのサンプル注入体積、Eprogen CATSEC300 5μ 250×4.6MMを用いてカチオンサイズ排除クロマトグラフィーで決定した。
レンズが取り込んだεPLLの量は、コントロールバイアル中に存在するεPLLの量から試験レンズのオートクレーブ処理後溶液中に存在するεPLLの量を減算することによって計算した。平均取り込みは約200μgのεPLL/レンズであった。
【0022】
実施例3:εPLLの取り込みに及ぼすコンタクトレンズのイオン含量の影響
この研究では、実施例1に従って調製した配合物A、及びC〜Eのそれぞれの3つのレンズを使用した。吸着性ティッシュペーパーで軽くふき取ることによって各レンズから過剰の溶液を除去した。1.2mlの500ppm(PBS中)εPLLを含有する、12ウェルプレートの個々のウェルに各レンズを浸した。プレートを25±2℃の温度で48時間100rpmで振盪させた。各レンズが取り込んだεPLLの量は、εPLLの初期濃度から最終濃度を減算し、1.2(PBSのml数)を掛けることによって計算した。配合物Aのレンズは約5μgのεPLLを取り込み、Cのレンズは約220μgのεPLLを取り込み、Dのレンズは約340μgのεPLLを取り込み、Eのレンズは約420μgのεPLLを取り込んだ。
【0023】
実施例4:インビトロ放出アッセイ−εPLL放出に及ぼすイオン含量の影響
この研究では、実施例1に従って調製した配合物B〜Eレンズを使用した。実施例3で述べたように1.2mlの500ppm(PBS中)εPLLに48時間レンズを浸した。吸着性ティッシュペーパーで軽くふき取ることによって各レンズから過剰の溶液を除去した。12ウェルプレートのウェル中1mlのISO 10344標準生理食塩水(0.83%の塩化ナトリウム、0.0467%のリン酸二水素ナトリウム、及び0.4486%のリン酸水素ナトリウム)に各レンズを浸し、カバーした。プレートを37±2℃で100rpmにて振盪させた。2、4、6、8、12、及び24時間で、各ウェルから溶液を除去し、1mlの新鮮なISO 10344標準生理食塩水と交換した。HPLCを用いて、各レンズから放出されたεPLLの量を決定した。表2は、各時点でレンズから放出されたεPLLの平均累積量(μg)並びにレンズが取り込んだεPLLの総量に対する放出されたεPLLの累積百分率を示す。
【0024】
表2
【0025】
1.7%のイオン成分((メタ)アクリル酸からもたらされる)を有する配合物Cのレンズだけが、アッセイの全持続時間にわたってεPLLの放出を持続した。対照的に、1.35%のイオン含量を有する配合物Bのレンズは最初の6時間でほぼ同量のεPLLを放出したが、6時間後には、たとえ放出したとしてもわずかであった。興味深いことに、2.3%のイオン成分を有し、配合物Cのレンズより約50%多くεPLLを取り込んだ配合物Dのレンズは、配合物Cのレンズより少ないεPLLを放出した。配合物Bのレンズと同様に、6時間後のεPLLの放出は、たとえあったとしても少なかった。さらに特筆すべきは、2.85%のイオン含量を有し、配合物Cのレンズが取り込んだ約2倍のεPLLを取り込んだ配合物Eのレンズは、2及び4時間の時点で最少量のεPLLを放出し、4時間後には、たとえあったとしても少ししかεPLLを放出しなかった。結果は、εPLLの徐放はレンズのイオン含量のバランスを取ることによって達成できることを示している。
24時間の時点を超えるεPLLの放出を試験するためにインビトロ放出アッセイを使用するため、24時間毎(すなわち48時間、72時間、96時間等)に生理食塩水を除去して交換し、上述したように、37±2℃で100rpmにてプレートを振盪させた。
【0026】
実施例5:イオン性シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズによるεPLL取り込みに及ぼすパッケージング溶液のイオン強度の影響
PBS又は脱イオン水中500ppmのεPLLを1.2ml含有する(containing 1.2ml 500ppm εPLL in either PBS or deionized water)6mlのガラス製バイアルに、実施例1に従って調製した配合物Fのレンズを移した。次にバイアルを密封してオートクレーブ処理した。実施例2に記載の方法を用いて決定した場合、PBS中でパッケージ化したレンズは平均233μgのεPLLをパッケージング溶液から取り込んだ。これはパッケージング溶液中で利用可能な総εPLLの39%に相当する。意外にも対照的に、脱イオン水中でパッケージ化したレンズは、利用可能なεPLLの96%に相当する平均575μgのεPLLを取り込んだ。脱イオン水を下表8及び9に示すTRIS/ソルビトール緩衝液と置き換えて本研究を繰り返した。
【0027】
表8:19mMのTRIS緩衝液(pH 7.30)と2%のソルビトール
【0028】
表9:19mMのTRIS緩衝液(pH 7.30)と5%のソルビトール
【0029】
平均して、表8及び9のTRIS/ソルビトール緩衝液中でパッケージ化したレンズは、それぞれ408μg及び386μgのεPLLを取り込んだ。
【0030】
実施例6:イオン性シリコーンヒドロゲルレンズによる異なる分子量のポリマーの取り込みと放出
異なる分子量範囲を有するポリ-L-リジンヒドロブロミド(CAS No.25988-63-0)(αPLL)の500ppmの溶液をPBS中で調製した。実施例1で述べたように調製した配合物Cを1.8mlの各溶液でパッケージ化し、オートクレーブ処理した。オートクレーブ処理及び室温での一晩の保存後にαPLLの取り込みを測定した。結果を表9に示す。
【0031】
表9
【0032】
試験した時点が2、6、及び24時間であること以外、実質的に実施例4で述べたようにポリマー放出を試験した。70K〜150Kのポリマーの有意な放出は検出されなかった。500〜2K及び1K〜5Kの分子量範囲を有するポリマーの放出は少なくとも2時間持続し、6時間〜24時間の時点では有意な放出は観察されなかった。対照的に、4K〜15K及び15K〜30Kの分子量範囲を有するポリマーは、6時間〜24時間の時点で有意な放出を示した。
【0033】
表10
【0034】
本明細書の開示は特定の説明的な実施例に言及しているが、これらの実施例は例として示したものであり、限定として理解すべきでない。前述の詳細な説明の意図は、典型例について論じているが、実施例の全ての変更形態、代替形態、及び等価形態は、さらなる開示によって定義されるように、本発明の精神及び範囲内に入り得ると解釈すべきである。
本明細書では多くの出版物及び特許を上記で引用した。引用した出版物及び特許はそれぞれ参照によってその全体がここに援用される。
【0035】
本発明はさらに以下のものを提供する。
1.パッケージング溶液に浸したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを含有する密封パッケージであって、前記コンタクトレンズが下記成分:
a)少なくとも1種のシリコーンモノマーと、重合生成物に約0.6%〜約2.2%のイオン含量を与える量の少なくとも1種のアニオン性モノマーとを含むモノマー混合物の水和重合生成物(イオン含量は、下記式I:
Σ(a
n×b
n/c
n)×89=イオン含量% (I)
(式中、a
nは、ヒドロゲルに組み込むモノマー混合物の全ての成分の質量に対するモノマー混合物中のアニオン性モノマーnの質量百分率であり、b
nは、pH 7でモノマーn上の負に荷電した基の数(例えば、モノマー中のカルボキシラート、ホスファート、ホスホナート、ホスホン酸、スルホナート、スルファート及びスルファイト基の数)であり、c
nは、イオン性モノマーnの分子量である)で決定した場合に各アニオン性モノマーnによってもたらされるイオン含量%の合計である);及び
b)約1,500〜30,000の分子量を有するカチオン性ポリマー
を含む。カチオン性ポリマーは、有利には静電気的に水和重合生成物に結合する。有利には、コンタクトレンズは、患者に装用されると、カチオン性ポリペプチドの放出を少なくとも2時間持続する。
2.少なくとも1種のアニオン性モノマーが、(メタ)アクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、及びメタクリル酸トリメチルシリルから選択される、1のパッケージ。
3.水和重合生成物が約1.0%〜約2.0%のイオン含量を有する、1又は2のパッケージ。
4.水和重合生成物が約1.6%〜約1.8%のイオン含量を有する、1又は2のパッケージ。
5.カチオン性ポリマーが約3,000〜15,000の分子量を有する、1〜4のいずれか1つのパッケージ。
6.カチオン性ポリマーが抗菌性ペプチドである、1〜5のいずれか1つのパッケージ。
7.モノマー混合物が、N-ビニル-N-メチルアセトアミド(VMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)、又はその組み合わせから選択される少なくとも1種の親水性モノマーをさらに含む、1〜6のいずれか1つのパッケージ。
8.モノマー混合物が約35wt.%〜約55wt.%のVMAを含む、1〜6のいずれか1つのパッケージ。
9.パッケージング溶液に浸したシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを含有する密封パッケージであって、前記コンタクトレンズが下記成分:少なくとも1種のシリコーンモノマー;N-ビニル-N-メチルアセトアミド(VMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)、又はVMAとNVPの両者の組み合わせから選択される少なくとも1種の親水性モノマー;及び水和重合生成物に約1.0%〜約2.2%のイオン含量を与える量の少なくとも1種のカルボン酸含有モノマーとを含むモノマー混合物の水和重合生成物を含んでなり、イオン含量は下記式I:
Σ(a
n×b
n/c
n)×89=イオン含量% (I)
(式中、a
nは、ヒドロゲルに組み込むモノマー混合物の全ての成分の質量に対するモノマー混合物中のアニオン性モノマーnの質量百分率であり、b
nは、pH 7でモノマーn上の負に荷電した基(例えば、モノマー中のカルボキシラート基)の数であり、c
nは、イオン性モノマーnの分子量である)で決定した場合に各アニオン性モノマーnによってもたらされるイオン含量%の合計である、パッケージ。
10.カルボン酸含有モノマーが、(メタ)アクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、及びメタクリル酸トリメチルシリルから選択される、9のパッケージ。
11.水和重合生成物が約1.0%〜約2.0%のイオン含量を有する、9又は10のパッケージ。
12.水和重合生成物が約1.6%〜約1.8%のイオン含量を有する、9又は10のパッケージ。
13.モノマー混合物が約25wt.%〜約75wt.%の親水性モノマーを含む、9〜12のいずれか1つのパッケージ。
14.モノマー混合物が約35wt.%〜約55wt.%のVMAを含む、9〜12のいずれか1つのパッケージ。
15.約1,500〜30,000の分子量を有するカチオン性ポリマーをさらに含む、9〜14のいずれか1つのパッケージ。カチオン性ポリマーは、有利には静電気的に水和重合生成物に結合する。有利には、コンタクトレンズは、患者に装用されると、カチオン性ポリペプチドの放出を少なくとも2時間持続する。
16.装用した後にコンタクトレンズをカチオン性ポリマーで補充する方法であって、装用したコンタクトレンズを、追加のカチオン性ポリマーを含む多目的コンタクトレンズケア溶液(MPS)に保存する工程を含んでなり、追加のカチオン性ポリマーは保存中にコンタクトレンズに組み込まれる、方法。コンタクトレンズは、例えば、上記1〜8又は15のいずれか1つで定義したとおりであり得る。
17.上記1〜15のいずれか1つのシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法であって、下記工程:モノマー混合物を重合させてレンズ形重合生成物を与える工程;場合により重合生成物を水和させてヒドロゲルを形成する工程;重合生成物又はヒドロゲルをパッケージング溶液に浸す工程;パッケージを密封する工程;及び場合により密封パッケージをオートクレーブで滅菌する工程を含む方法。
18.モノマー混合物がTMSMAを含み、モノマー混合物をポリプロピレン型内で重合させる、17の方法。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕パッケージング溶液に浸してパッケージに密封された未装用シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、
a)少なくとも1種のシリコーンモノマーと、重合生成物に約0.6%〜約2.2%のイオン含量を与える量の少なくとも1種のアニオン性モノマーとを含むモノマー混合物の水和重合生成物、及び
b)前記水和重合生成物に静電気的に結合した約1,500〜30,000の分子量を有するカチオン性ポリマー、
を含み、前記カチオン性ポリマーの放出を少なくとも2時間持続する、前記コンタクトレンズ。
〔2〕前記少なくとも1種のアニオン性モノマーが、(メタ)アクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、及びメタクリル酸トリメチルシリルから選択される、前記〔1〕に記載のコンタクトレンズ。
〔3〕前記イオン含量が、約1.0%〜約2.0%である、前記〔1〕又は〔2〕に記載のコンタクトレンズ。
〔4〕前記イオン含量が、約1.6%〜約1.8%である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔5〕前記モノマー混合物が、N-ビニル-N-メチルアセトアミド(VMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)、又はその組み合わせから選択される少なくとも1種の親水性モノマーをさらに含む、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔6〕前記モノマー混合物が、約25wt.%〜約75wt.%の前記親水性モノマーを含む、前記〔5〕に記載のコンタクトレンズ。
〔7〕前記モノマー混合物が、約35wt.%〜約55wt.%のVMAを含む、前記〔5〕に記載のコンタクトレンズ。
〔8〕パッケージング溶液に浸してパッケージに密封された未装用シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズであって、前記コンタクトレンズがモノマー混合物の水和重合生成物を含み、前記モノマー混合物が、少なくとも1種のシリコーンモノマーと、N-ビニル-N-メチルアセトアミド(VMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)、又はVMAとNVPの両者の組み合わせから選択される少なくとも1種の親水性モノマーと、水和重合生成物に約0.6%〜約2.2%、例えば、約1.0%〜約2.2%のイオン含量を与える量の少なくとも1種のカルボン酸含有モノマーとを含む、前記コンタクトレンズ。
〔9〕前記カルボン酸含有モノマーが、(メタ)アクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、及びメタクリル酸トリメチルシリルから選択される、前記〔8〕に記載のコンタクトレンズ。
〔10〕前記イオン含量が、約1.0%〜約2.0%である、前記〔8〕又は〔9〕に記載のコンタクトレンズ。
〔11〕前記イオン含量が、約1.6%〜約1.8%である、前記〔8〕又は〔9〕に記載のコンタクトレンズ。
〔12〕前記モノマー混合物が、約25wt.%〜約75wt.%の前記親水性モノマーを含む、前記〔8〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔13〕前記モノマー混合物が、約35wt.%〜約55wt.%のVMAを含む、前記〔8〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔14〕前記水和重合生成物に静電気的に結合した約2,000〜30,000の分子量を有するカチオン性ポリマーをさらに含み、場合により前記カチオン性ポリマーの放出を少なくとも2時間持続する、前記〔8〕〜〔13〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔15〕前記カチオン性ポリマーが、約3,000〜15,000の分子量を有する、前記〔1〕〜〔7〕又は〔14〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔16〕前記カチオン性ポリマーが、約15,000〜30,000の分子量を有する、前記〔1〕〜〔7〕又は〔14〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔17〕前記カチオン性ポリマーが、抗菌性ペプチドである、前記〔1〕〜〔7〕又は〔14〕〜〔16〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔18〕前記カチオン性ポリマーの放出を少なくとも8時間持続する、前記〔1〕〜〔7〕又は〔14〕〜〔17〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔19〕前記パッケージング溶液が、前記ヒドロゲルとの接触前に約50ppm〜約10,000ppmの前記カチオン性ポリマーを含む、前記〔1〕〜〔7〕又は〔14〕〜〔18〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔20〕前記パッケージング溶液が、約0.15未満のイオン強度を有する、前記〔1〕〜〔19〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ。
〔21〕前記〔1〕〜〔18〕のいずれか1項に記載のコンタクトレンズに、それを装用した後にカチオン性ポリマーを補充する方法であって、装用したコンタクトレンズを、追加のカチオン性ポリマーを含む多目的コンタクトレンズケア溶液(MPS)に保存する工程を含み、前記保存中に前記追加のカチオン性ポリマーが前記コンタクトレンズに組み込まれる、前記方法。
〔22〕前記〔1〕〜〔20〕のいずれか1項に記載のシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズの製造方法であって、前記モノマー混合物を重合させてレンズ形重合生成物を与える工程、場合により前記重合生成物を水和させてヒドロゲルを形成する工程、前記重合生成物又はヒドロゲルを前記パッケージング溶液に浸す工程、前記パッケージを密封する工程、及び場合により前記密封パッケージをオートクレーブで滅菌する工程を含む、方法。
〔23〕前記モノマー混合物がTMSMAを含み、前記モノマー混合物をポリプロピレン型内で重合させる、前記〔22〕に記載の方法。