(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5948714
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】シクロデキストリン共重合体を含有する医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/724 20060101AFI20160623BHJP
A61P 13/00 20060101ALI20160623BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20160623BHJP
C08B 37/16 20060101ALN20160623BHJP
【FI】
A61K31/724
A61P13/00
A61P13/12
!C08B37/16
【請求項の数】16
【全頁数】86
(21)【出願番号】特願2013-500375(P2013-500375)
(86)(22)【出願日】2011年3月18日
(65)【公表番号】特表2013-522330(P2013-522330A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】EP2011001355
(87)【国際公開番号】WO2011116908
(87)【国際公開日】20110929
【審査請求日】2014年3月17日
(31)【優先権主張番号】102010012282.3
(32)【優先日】2010年3月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597075904
【氏名又は名称】フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】フィケルト トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ビヒルマイヤー インゴ
【審査官】
鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−042417(JP,A)
【文献】
米国特許第06660804(US,B1)
【文献】
特開平08−071146(JP,A)
【文献】
米国特許第04889634(US,A)
【文献】
国際公開第2009/048849(WO,A1)
【文献】
中国特許出願公開第101322932(CN,A)
【文献】
Journal of Chromatography A,2000年,Vol.894, No.1-2,p.95-103
【文献】
Polymers for Advanced Technologies,1999年,Vol.10, No.1-2,p.69-73
【文献】
高分子論文集,1986年,Vol.43, No.2,p.109-112
【文献】
ICUとCCU,2007年,31(別冊),p.S53-S55
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/33−33/44
A61K 9/00−9/72
A61K 47/00−47/48
A61M 1/00−1/38
C08B 1/00−1/14
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2種のシクロデキストリンモノマーと、少なくとも1種のリンカーとを含む共重合体を含有する泌尿生殖器系疾病治療用医薬組成物であって、
前記シクロデキストリンモノマーが、モノ置換であるか又は同じ若しくは異なる置換基により多置換されており、
前記置換基が、C1-6-アルキル-Y、C3-7-シクロアルキル-Y、C1-6-アルキル-C(=O)-Y、C3-7-シクロアルキル-C(=O)-Y、Y-C1-6-アルキル-C(=O)-OH、Y-C3-7-シクロアルキル-C(=O)-OH、Y-C1-6-アルキル-C(=O)-O-C1-6-アルキル、Y-C3-7-シクロアルキル-C(=O)-O-C3-7-シクロアルキル、[C1-6-アルキル-C(=O)]2O、[C3-7-シクロアルキル-C(=O)]2O、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、オキシラン、C1-6-アルキルオキシラン、C3-7-シクロアルキルオキシラン、ジ-C1-6-アルキルオキシラン、ジ-C3-7-シクロアルキルオキシラン、2-クロロエタノール、ジ-C1-6-アルキルサルフェート、ジ-C3-7-シクロアルキルサルフェート、ジ-C1-6-アルキルホスホロクロリデート、ジ-C3-7-シクロアルキルホスホロクロリデート、NH3、(C1-6-アルキル)NH2、(C3-7-シクロアルキル)NH2、(C1-6-アルキル)2NH、(C3-7-シクロアルキル)2NH、(C1-6-アルキル)3N、(C3-7-シクロアルキル)3N、[(Y-C1-6-アルキル)N(C1-6-アルキル)3]+ハライド、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択される官能化剤から誘導され、前記C1-6-アルキル及びC3-7-シクロアルキルは互いに独立して、未置換であっても、モノ置換又は同一又は異なる置換基Zにより多置換されていてもよく、前記更なる置換基Zはシクロデキストリンモノマーの架橋にほとんど影響しないか全く影響せず、Yは脱離基を表わし、
置換基Zは、互いに独立して、-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH3、-C(=O)OCH2CH3、-NH2、-NH(CH3)、-N(CH3)2、-N(CH3)3+A-、-NH(CH2CH3)、-N(CH2CH3)2及び-N(CH2CH3)3+A-からなる群から選択され、A-は有機又は無機のアニオンである、前記医薬組成物。
【請求項2】
前記モノマーの全物質量を基準に、前記リンカーの物質量比が20〜95mol%であることを特徴とする、請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記モノマーの全物質量を基準に、前記シクロデキストリンモノマーの物質量比が5.0〜80mol%であることを特徴とする、請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記リンカーの物質量比と前記シクロデキストリンモノマーの物質量比との合計が、≧25mol%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記共重合体の23℃における水への溶解性が≧5.0gl-1であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記共重合体を含む50mM水溶液の浸透圧重量モル濃度が≧50mosmkg-1であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記シクロデキストリンモノマーが、α-シクロデキストリン化合物、β-シクロデキストリン化合物又はγ-シクロデキストリン化合物から誘導される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記置換基が少なくとも1種の官能化剤から誘導されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記リンカーが二官能性及び/又は多官能性架橋剤から誘導されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
腎臓機能不全の治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
透析治療に使用するための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の共重合体を少なくとも1種含む、透析治療に使用するための透析液。
【請求項13】
請求項12記載の透析液を調製するために構成した、
酸を含有し、pHが6.0以下である第1の構成材料と、
緩衝剤を含有し、pHが7.0以上である第2の構成材料とを含み、
1種以上の更なる構成材料を任意で含んでもよいキットであって、
前記透析液が、1種以上の更なる構成材料を含んでもよい、第1の構成材料と第2の構成材料との混合物である、前記キット。
【請求項14】
透析液を調製するための固体組成物であって、請求項1〜11のいずれか1項に記載の共重合体を少なくとも1種含む前記固体組成物。
【請求項15】
請求項12記載の透析液を調製するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の共重合体の少なくとも1種、請求項13記載のキット、又は、請求項14記載の固体組成物の使用。
【請求項16】
少なくとも2種のシクロデキストリンモノマーと、少なくとも1種のリンカーとを含む共重合体の、泌尿生殖器系疾病治療用医薬組成物を製造するための使用であって、
前記シクロデキストリンモノマーが、モノ置換であるか又は同じ若しくは異なる置換基により多置換されており、
前記置換基が、C1-6-アルキル-Y、C3-7-シクロアルキル-Y、C1-6-アルキル-C(=O)-Y、C3-7-シクロアルキル-C(=O)-Y、Y-C1-6-アルキル-C(=O)-OH、Y-C3-7-シクロアルキル-C(=O)-OH、Y-C1-6-アルキル-C(=O)-O-C1-6-アルキル、Y-C3-7-シクロアルキル-C(=O)-O-C3-7-シクロアルキル、[C1-6-アルキル-C(=O)]2O、[C3-7-シクロアルキル-C(=O)]2O、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、オキシラン、C1-6-アルキルオキシラン、C3-7-シクロアルキルオキシラン、ジ-C1-6-アルキルオキシラン、ジ-C3-7-シクロアルキルオキシラン、2-クロロエタノール、ジ-C1-6-アルキルサルフェート、ジ-C3-7-シクロアルキルサルフェート、ジ-C1-6-アルキルホスホロクロリデート、ジ-C3-7-シクロアルキルホスホロクロリデート、NH3、(C1-6-アルキル)NH2、(C3-7-シクロアルキル)NH2、(C1-6-アルキル)2NH、(C3-7-シクロアルキル)2NH、(C1-6-アルキル)3N、(C3-7-シクロアルキル)3N、[(Y-C1-6-アルキル)N(C1-6-アルキル)3]+ハライド、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択される官能化剤から誘導され、前記C1-6-アルキル及びC3-7-シクロアルキルは互いに独立して、未置換であっても、モノ置換又は同一又は異なる置換基Zにより多置換されていてもよく、前記更なる置換基Zはシクロデキストリンモノマーの架橋にほとんど影響しないか全く影響せず、Yは脱離基を表わし、
置換基Zは、互いに独立して、-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH3、-C(=O)OCH2CH3、-NH2、-NH(CH3)、-N(CH3)2、-N(CH3)3+A-、-NH(CH2CH3)、-N(CH2CH3)2及び-N(CH2CH3)3+A-からなる群から選択され、A-は有機又は無機のアニオンである、前記使用。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明はシクロデキストリン共重合体、その製造方法、医薬組成物を製造するための該共重合体の使用に関する。
浸透圧活性化合物(浸透圧剤)は薬学や医学において広く用いられている。例えば、浸透圧剤を使って、薬剤の張性、とりわけ非経口薬剤の張性を調整する。医薬品の浸透圧は、その医薬品の使われ方次第で低張、高張又は等張になるように調整する。例えば、浸透圧剤を添加することにより、非経口薬液の浸透圧をヒトの血液の浸透圧に適応させることができる (等浸透圧溶液)。
更に、浸透圧剤を透析治療、なかでも腹膜透析に使用し、透析患者の余分な水分を排出させる。
腹膜透析法は、浸透圧活性化合物を含む溶液を透析患者の腹腔内にカテーテルを通して導入することから始まる。この溶液は、患者の腹腔内にある期間(通常は数時間)とどまり、腹腔内で浸透圧効果を発現させる。即ち、内部に生じた水分が患者の腹腔内に回収される。一定の滞留時間の後、腹膜透析溶液はその時には希釈されカテーテルから排出される。
この原理は、腹膜透析治療の様々な方法に用いられている。例えば、間歇的腹膜透析(IPD)、夜間間歇的腹膜透析(NIPD)、持続式周期的腹膜透析(CCPD)又は持続的携行式腹膜透析(CAPD)の方法が必要に応じて用いられる。IPD、NIPD及びCCPDでは、腹膜透析法の実施にあたり患者をサポートする装置が使用される。CAPDは手動方式である。
浸透圧活性化合物の添加にあたっては、腹腔内滞留時間全体にわたり腹膜透析溶液の浸透圧が十分高く、患者の体内から水分を回収できること、即ち、水分が患者の循環系から腹腔内に移動すること(限外濾過)を特に確認すべきである。
【0002】
しかしながら、水が腹腔に移動することから、導入された腹膜透析液は必然的に希釈される。この希釈により、浸透圧活性化合物の濃度は低下し、透析液の浸透圧も低下することになる。
希釈によって腹膜透析液の浸透圧が低下すると、今度は単位時間当たりの腹腔内への水の移動量の低下が起きる。或いは、このプロセスが完全に停止する可能性もある。このような場合、即ち、患者の腹腔内に腹膜透析液が滞留する時間が進むにつれ、有効な水分の排出はもはや起きてはいないのである。
浸透圧活性化合物が患者の血流の中に吸収されるので、水の移動方向は逆になることさえある。即ち、腹腔から患者の血流への移動である(ネガティブ限外濾過(negative ultrafiltration))。これは、腹腔内の希釈された腹膜透析液の浸透圧が患者の体内水分(例えば血液)に比べて低い場合である。
適した浸透圧活性化合物を腹膜透析液に加えることにより、治療のための浸透圧を保持することができる。このことが腹膜透析には好適であり、腹腔内での透析液の滞留時間のなかで、限外濾過が過度に低下することはない。そのため、ネガティブ限外濾過も大幅に抑えられる。
腹膜透析治療で使用する溶液には、通常、グルコース又はポリグルコース(例えばデンプン誘導体)等の糖のモノマー又はポリマーが浸透圧活性化合物として含まれている。
米国特許第4,889,634号は、ヒドロキシルプロピル-β-シクロデキストリンを含む腹膜透析液に関する。
日本国特許第8071146号は、α-又はγ-シクロデキストリン、2-ヒドロキシエチルエーテル、2-ヒドロキシプロピルエーテル、α-、β-及びγ-シクロデキストリンの6-O-α-グルコシル誘導体又は6-O-α-マルトシル誘導体を含有する腹膜透析液に関する。
【0003】
本発明の目的は、新規のシクロデキストリン共重合体を利用することであり、これを浸透圧活性化合物として特に透析液中で利用することである。
上記目的は、本特許クレームの発明の主題により達成される。
本発明の主題は、少なくとも2種のシクロデキストリンモノマーと、少なくとも1種のリンカーとを含む、泌尿生殖器系疾病の治療に使用するための共重合体である。
好ましくは、本発明の共重合体は、同じであっても異なっていてもよい少なくとも2種の未置換又はモノ置換もしくは多置換シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい、1種以上の未置換又はモノ置換もしくは多置換リンカーとを含む。
好適な実施形態では、本発明の共重合体は、同一又は異なるシクロデキストリンモノマーと、同一又は異なるリンカーとを含み、共重合体に含まれるモノマーの全物質量を基準として、シクロデキストリンモノマーの物質量の割合が5.0〜80モル%になり、リンカーの物質量の割合が20〜95モル%になる。
本発明の語義において、「共重合体」という用語は、分子量が2.0kDa以上の高分子化合物を指す。本発明の共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体又は架橋共重合体であってもよい(これらの用語の定義については、A.D. Jenkins, P. Kratochvil, R.F.T. Stepto, U.W. Suter. Glossary of Basic Terms in Polymer Science (IUPAC Recommendations 1996), Pure Appl. Chem., 1996, 68(12), 2287-2311を参照のこと)。
本発明の語義において、「共重合体」という用語は、単一の本発明の共重合体を指すだけでなく、2つ以上(例えば、3、4、5、6又は7つ)の異なる種類の本発明の共重合体の混合物、又は、確認できないほど多数の異なる本発明の共重合体の混合物を指す。本発明では、「異なる共重合体」とは、例えば、化学構造が異なる本発明の共重合体が挙げられるが、これは含有するモノマーが異なる、又は互いに異性体である、及び/又は、それぞれの分子量、重合度、総置換度、融点、
1H-NMR、
13C-NMR、IR及び/又はMSスペクトルが異なるものが挙げられる。
【0004】
本発明では、「シクロデキストリン化合物」という用語が、未置換又はモノ置換もしくは多置換のα-、β-及びγ-シクロデキストリンを包含するものと解釈される。
シクロデキストリンは環状オリゴ糖で、その環構造のグルコシル単位が(1→4)グルコシド結合を有する。シクロデキストリンは、オリゴ糖環のサイズによって、即ち、環構造に含まれるグルコシル単位の数によって区別される。例えば、α-シクロデキストリンにはシクロデキストリン環構造に6個のグルコシル単位が含まれ、β-シクロデキストリンには7個のグルコシル単位、γ-シクロデキストリンには8個、δ-シクロデキストリンには9個のグルコシル単位が含まれる。
シクロデキストリン(α-、β-、γ-及びδ-シクロデキストリン)は通常、生物学的プロセス(即ち、酵素によるプロセス)で合成される。このような生物学的合成プロセスによって得られた生成物は、通常、環の大きさが異なるシクロデキストリンの混合物である。この混合物を精製すると、大部分が環の大きさが均一なシクロデキストリンを含有する生成物となるが、依然として環の大きさが異なるシクロデキストリンが多量に含まれることもある。これは、シクロデキストリンの環の大きさが異なっても物理化学的特性が同様であること、及び、特定の環の大きさのシクロデキストリンの単離に関連した難しさが主な原因である。例えば、純度98%以上のβ-シクロデキストリン生成物であると、製造者が保証していたとしても、少量(微量)の他のシクロデキストリン(即ち、α-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、δ-シクロデキストリン)が含有されていることがある。そのため、いくつかの特定の環の大きさを有するシクロデキストリンモノマーを含む本発明の共重合体もまた、環の大きさが違うシクロデキストリンモノマーを微量(少量)含む可能性がある。例えば、本発明のβ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体にも、微量のα-、β-、γ-及び/又はδ-シクロデキストリンモノマーが含まれる可能性がある。
【0005】
「微量の環の大きさが異なるシクロデキストリンモノマー」というフレーズは、本発明の語義において、本発明のシクロデキストリン共重合体に含まれるシクロデキストリンモノマーの総質量を基準に、本発明のシクロデキストリン共重合体に、異なるシクロデキストリンモノマーが好ましくは10質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下、最も好ましくは1.0質量%以下、とりわけ0.50質量%以下の量で存在する可能性があることを意味する。また、環の大きさが異なるシクロデキストリンモノマーは、本発明の共重合体中に分析上は測定不能な量で存在することもあるが、この「分析上は測定不能な」というフレーズは、本発明の語義において、検出分析プロセス(例えば、NMR、LC/MS等)の検出の限界を下回る量を指す。
本発明では、「モノマー」という用語は、共重合体に含まれ、シクロデキストリン化合物及び架橋剤から誘導される構成要素を指す。例えば、「リンカー」(架橋剤モノマー)という用語は、架橋剤から誘導される構成要素を指し、「シクロデキストリンモノマー」という用語は、シクロデキストリン化合物から誘導される構成要素を含む。
例えば、未置換のシクロデキストリン化合物、α-シクロデキストリンを架橋剤のエピクロロヒドリンと反応させると、下記のα-シクロデキストリン- エピクロロヒドリン共重合体を得ることができる。
【0007】
この例のα-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体では、構成要素の
【0009】
がリンカー及び/又はエピクロロヒドリンリンカーであり、構成要素の
【0011】
がシクロデキストリンモノマー及び/又はα-シクロデキストリンモノマーであり、
【0013】
は、リンカーとシクロデキストリンモノマー間の共有結合を示す記号である。
本発明の語義において、「架橋した」という用語は、少なくとも1個のリンカーによる少なくとも2個のシクロデキストリンモノマーの共有結合を指す。通常、二官能性又は多官能性の架橋剤と、少なくとも2個のシクロデキストリン化合物の求核性ラジカルとの間に共有結合が形成されることにより架橋が得られる。本発明の語義における求核性ラジカルは、例えば、シクロデキストリン化合物のグルコシル単位における未置換のヒドロキシル基の酸素原子、又は、シクロデキストリン化合物に結合するヒドロキシアルキル置換基の未置換ヒドロキシル基の水素原子が挙げられる。このように、シクロデキストリン環系の未置換ヒドロキシル基の酸素原子、ならびに、シクロデキストリン化合物に結合している対応の置換基の未置換ヒドロキシル基の酸素原子を介して架橋が起こる。しかしながら、第一、第二、第三及び第四アミノ基の窒素原子、ならびに未置換チオール基の硫黄原子もまた本発明の語義における求核性ラジカルの例である。これらの求核性ラジカルを、「求核性ヒドロキシル基(-OH)」、「求核性チオール基(-SH)」及び「求核性アミノ基」とも呼ぶ。
本発明では、シクロデキストリンモノマーは、未置換又はモノ置換もしくは同じ又は異なる基で多置換されている。
シクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物について、「単純置換(simple substitution)」とは本発明の語義において、シクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物中に存在する未置換ヒドロキシル基の1つによる水素ラジカルの単独の置換を指すものと解釈される。
【0014】
シクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物について、「多置換」という用語は、シクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物中に存在する複数(例えば、2、3、4又は5個)のヒドロキシル基の水素ラジカルの、同じであっても異なっていてもよい多種多様な置換基による多数(例えば、2、3、4又は5回)の置換をさすものと解釈される。更に、シクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物の置換基(ラジカル)が、更にモノ置換又は多置換されていてもよい。
リンカーに関しての「モノ置換又は多置換」や「1回以上の置換」という用語は、本発明の語義においては、1つ以上の置換基による1つ以上の水素ラジカルの置換であって、とくには、同じ又は異なる1つ以上の置換基による、1個のヒドロキシル基の水素ラジカルの置換、又は多数のヒドロキシル基の水素ラジカルの置換を指すものと解釈される。
置換基に関しての「モノ置換又は多置換」というフレーズは、本発明の語義において、同じであっても異なっていてもよい1個以上の置換基による、1個のヒドロキシル基又はチオール基の水素ラジカルの置換、或いは、多数のヒドロキシル基又はチオール基の水素ラジカルの置換を指すと解釈される。更には、置換基及びラジカルにも含まれる第一、第二又は第三アミノ基もまた置換されていてもよい。
本発明では、「泌尿生殖器系の疾病」及び「腎機能不全」という用語は、世界保健機関(WHO)が「International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)」(ICD、10版、German Modification, 2009年版、「ICD-10」と呼ぶ)に定義したような医学的徴候を表わす。本願明細書中の「泌尿生殖器系の疾病」の徴候にはセクションN00〜N99が含まれ、「腎機能不全」の徴候にはICD-10のセクションN17〜N19が含まれる。
【0015】
本発明の共重合体は泌尿生殖器系疾病の治療への使用に適しており、腎機能不全の治療での使用が好ましい。本発明の共重合体は、特に透析治療(血液透析又は腹膜透析)での使用に適しており、腹膜透析治療での使用が好ましい。
本発明の語義において、記号「≧」は「〜以上」を指し、記号「≦」は「〜以下」を指し、記号「
-」は負電荷を、記号「
+」は正電荷を指す。
好適な実施形態では、本発明の共重合体に含まれるリンカーの物質量の割合は、本発明の共重合体に存在するモノマーの全物質量を基準に、20〜95mol%、より好ましくは25〜80mol%、さらに好ましくは30〜70mol%、最も好ましくは 30〜60mol%、とりわけ30〜50mol%が好ましい。
本発明の共重合体に含まれるシクロデキストリンモノマーの物質量の割合は、本発明の共重合体に存在するモノマーの全物質量を基準に、好ましくは5.0〜80mol%、より好ましくは10〜75mol%、さらに好ましくは20〜70mol%、最も好ましくは30〜70mol%、とりわけ40〜70mol%が好ましい。
別の好適な実施形態において、リンカーの物質量の割合とシクロデキストリンモノマーの物質量の割合との合計は、本発明の共重合体に含まれるモノマーの物質総質量を基準に、≧25mol%、≧30mol%又は≧40mol%、より好ましくは≧50mol%又は≧60mol%、更に好ましくは≧70mol%又は≧80mol%、最も好ましくは≧90mol%又は≧95mol%、とりわけ100mol%が好ましい。
【0016】
遊離体(出発材料)中の不純物により、数値が100mol%ちょうどになることは実際にはあり得ない。そのため、100mol%という数値は、本発明の語義において、本発明の共重合体の製造に、シクロデキストリン化合物と架橋剤と任意の官能化剤(functionalizing agents)以外、他の化合物は何も使用しなかったことを意味すると解釈すべきである。
本発明の共重合体の23℃における水への溶解性は、好ましくは≧5.0gl
-1、≧10gl
-1、≧25gl
-1又は≧50gl
-1、より好ましくは≧75gl
-1、≧100gl
-1、≧125gl
-1又は≧150gl
-1、さらに好ましくは≧175gl
-1、≧200gl
-1、≧225gl
-1又は≧250gl
-1、最も好ましくは、≧300gl
-1又は≧400gl
-1、とりわけ≧500gl
-1が好ましい。
本発明の共重合体を含む50mM水溶液の浸透圧重量モル濃度は、好ましくは≧50mosmkg
-1、≧75mosmkg
-1又は≧100mosmkg
-1、より好ましくは≧125mosmkg
-1、≧150mosmkg
-1又は≧175mosmkg
-1、更に好ましくは≧200mosmkg
-1又は≧225mosmkg
-1、最も好ましくは≧250mosmkg
-1又は≧275mosmkg
-1、とりわけ≧300mosmkg
-1が好ましい。
本発明の共重合体の重合度は、好ましくは≧2.0又は≧3.0、より好ましくは≧4.0又は ≧5.0、更に好ましくは≧6.0又は≧7.0、最も好ましくは≧8.0又は≧9.0、特に≧10が好ましい。
本発明では、「重合度」という用語は以下の商を表わす。
重合度 = M(qCD)/M(CDM)
(式中、M(qCD)は本発明の共重合体の平均分子量を表わし、M(CDM)はシクロデキストリンモノマーの平均分子量を表わす。)
【0017】
本発明の共重合体の平均分子量は、好ましくは≧2.0kDa、より好ましくは≧2.5kDa、更に好ましくは≧3.0kDa、最も好ましくは≧4.0kDa、特に≧5.0kDaが好ましい。分子量の測定は膜浸透圧計(蒸留水、23℃)で行うことが好ましい。
別の実施形態では、本発明のポリマーの平均分子量(M)は、好ましくは2.0≦M≦100kDa、より好ましくは2.0≦M≦50kDa、更に好ましくは2.0≦M≦25kDa、最も好ましくは2.0≦M≦15kDa、特に2.0≦M≦10kDaが好ましい。
別の好適な実施形態において、本発明の共重合体の平均粒子径は≦1000μm、≦900μm又は≦800μm、より好ましくは≦700μm、≦600μm又は≦500μm、更に好ましくは≦400μm、≦300μm又は≦200μm、最も好ましくは≦100μm、≦75μm又は≦50μm、とりわけ≦25μmが好ましい。
好適な実施形態では、シクロデキストリンモノマーは同じであっても異なっていてもよく、α-、β-又はγ-シクロデキストリンから誘導され、それぞれ未置換又はモノ置換もしくは多置換されている。本発明の語義において、未置換、モノ置換又は多置換のα-、β-及びγ-シクロデキストリンを「シクロデキストリン化合物」と呼ぶ。
本発明の語義において、「シクロデキストリン化合物から誘導されたシクロデキストリンモノマー」という用語は、本発明の共重合体に含有される構成要素であり、架橋剤との架橋反応(この点に関しては、上記反応例を参照のこと)によるシクロデキストリン化合物の構造的変化に寄与する構成要素を指す。
【0018】
本発明では、シクロデキストリン化合物から誘導されるシクロデキストリンモノマーは、好ましくは、本発明の共重合体の未置換、モノ置換又は多置換モノマーであり、リンカー(架橋剤モノマー)への少なくとも1個の共有結合を有し、例えば、シクロデキストリン化合物の未置換ヒドロキシル基又はチオール基の水素ラジカルの少なくとも1個が、架橋剤モノマーとの共有結合に替わっている。更に、置換シクロデキストリン化合物のアミノ基の窒素原子を介して、共有結合が起きる場合もある。
本発明の語義において、「シクロデキストリン化合物の未置換ヒドロキシル基」という用語は、シクロデキストリン環系の各グルコシルユニットの2、4及び/又は6の位置のOHラジカルを指すだけでなく、置換シクロデキストリン化合物の置換基(ラジカル)に含まれるヒドロキシル基を指す。
本発明では、「シクロデキストリン化合物の未置換チオール基」という用語は、シクロデキストリン化合物の置換基(ラジカル)に含まれるSHラジカルを指す。
本発明の語義における「置換シクロデキストリン化合物のアミノ基」という用語は、第一アミノ基(--NH
2)、第二アミノ基(例えば、--NH(CH
3))、第三アミノ基(例えば、--N(CH
3)
2)を包含し、これらは、置換シクロデキストリン化合物の置換基(ラジカル)に含まれる。前記の記号「--」は、対応する置換基(ラジカル)の炭素原子への結合を表わす。
シクロデキストリン化合物の置換基(ラジカル)は、1個以上の官能化剤から誘導されることが好ましく、同じでも異なっていてもよく、任意で更に置換されていてもよい。
【0019】
置換基は、C
1-6-アルキル-Y、C
3-7-シクロアルキル-Y、C
1-6-アルキル-C(=O)-Y、C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-Y、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-OH、Y-C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-OH、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-O-C
1-6-アルキル、Y-C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-O-C
3-7-シクロアルキル、[C
1-6-アルキル-C(=O)]
2O、[C
3-7-シクロアルキル-C(=O)]
2O、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、オキシラン、C
1-6-アルキルオキシラン、C
3-7-シクロアルキルオキシラン、ジ-C
1-6-アルキルオキシラン、ジ-C
3-7-シクロアルキルオキシラン、2-クロロエタノール、ジ-C
1-6-アルキル サルフェート、ジ-C
3-7-シクロアルキルサルフェート、ジ-C
1-6-アルキルホスホロクロリデート, ジ-C
3-7-シクロアルキルホスホロクロリデート、NH
3、(C
1-6-アルキル)NH
2、 (C
3-7-シクロアルキル)NH
2、(C
1-6-アルキル)
2NH、(C
3-7-シクロアルキル)
2NH、(C
1-6-アルキル)
3N、(C
3-7-シクロアルキル)
3N、[(Y-C
1-6-アルキル)N(C
1-6-アルキル)
3]
+ハロゲン化物、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択される官能化剤から誘導されることが好ましく、前記C
1-6-アルキル及びC
3-7-シクロアルキルは互いに独立して、未置換であっても、モノ置換又は同一又は異なるラジカルZにより多置換されていてもよく、前記更なる置換基Zはシクロデキストリンモノマー又は化合物の架橋にほとんど影響しないか全く影響しない。「ハロゲン化物」は好ましくは塩化物、臭化物又はヨウ化物を表わし、特に塩化物又は臭化物が好ましく、なかでも塩化物が好ましい。また、ラジカルYは脱離基を表わす。
【0020】
脱離基Yは、互いに独立して、-Cl、-Br、-I、-メシル、-トシル及び-エポキシからなる群から選択されることが好ましく、特に-Cl、-Br、-メシル及び-トシルが好適であり、とりわけ-Clが好ましい。
置換基Zは、互いに独立して、-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、-C(=O)OCH
2CH
3、-NH
2、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-N(CH
3)
3+A
-、-NH(CH
2CH
3)、-N(CH
2CH
3)
2及び-N(CH
2CH
3)
3+A
-からなる群から選択されることが好ましく、A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。特に有利なのは-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3及び-C(=O)OCH
2CH
3であって、とりわけ-OH、=O及び-C(=O)OHである。
別の好適な実施形態において、置換基は、CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、CH
3-CH
2-CH
2-Y
1、(CH
3)
2CH-Y
1、CH
3-CH
2-CH
2-CH
2-Y
1、(CH
3)
2CH-CH
2-Y
1、CH
3-CH
2-CH(CH
3)-Y
1、(CH
3)
3C-Y
1、CH
2=CH-Y
1、CH
2=CH-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2CH
3、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-C(=O)Y
2、(CH
3)
2CH-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-CH
2-C(=O)Y
2、(CH
3)
3C-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-CH(CH
3)-C(=O)Y
2、(CH
3)
2CH-CH
2-C(=O)Y
2、CH
2=CH-C(=O)Y
2、CH
2=CH-CH
2-C(=O)Y
2、シクロプロピル-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH
2-C(=O)]
2O、[(CH
3)
2CH-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH(CH
3)-C(=O)]
2O、[(CH
3)
2CH-CH
2-C(=O)]
2O、[(CH
3)
3C-C(=O)]
2O、[CH
2=CH-C(=O)]
2O、[CH
2=CH-CH
2-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、
【0021】
CH
2=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH=CH-C(=O)-OH、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)-OH、CH
2=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH=CH-C(=O)-O-CH
3、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)-O-CH
3、CH
2=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)O-CH
2-CH
3、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール, オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、(CH
3-O)
2P(=O)Cl、(CH
3-CH
2-O)
2P(=O)Cl、[(CH
3)
2CH-O]
2P(=O)Cl、NH
3、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択される、少なくとも1種、好ましくは唯一の官能化剤から誘導される。前記ラジカルY
1は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、トシル、メシル又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Clを表わし、ラジカルY
2は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Br、とりわけ-Clが好ましい。
【0022】
別の好適な実施形態においては、置換基が、CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール、オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択される、少なくとも1個、好ましくは唯一の官能化剤から誘導される。前記ラジカルY
1は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-トシル、メシル又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Clを表わし、ラジカルY
2は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Br、とりわけ-Clが好ましい。
別の好適な実施形態においては、置換基は、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、クロロ酢酸、クロロ酢酸メチルエステル及びクロロ酢酸エチルエステルからなる群から選択される、少なくとも1種、好ましくは唯一の官能化剤から誘導される。
官能化剤から誘導される置換基は、ハイブリッド置換基で更に置換されていてもよい。
シクロデキストリンモノマーは、一般的な環構造I、II又はIIIの構成要素であることが好ましい。
【0024】
式中、
グルコシルユニットA,C及びEは互いに独立して、
【0026】
からなる群から選択され、
グルコシルユニットB、D及びFのそれぞれは、互いに独立して、
【0030】
は、シクロデキストリンモノマーにおける1→4-グルコシド結合を表わし、
【0032】
は、リンカーへの結合を示し、
各ラジカルQは下記のいずれかを表わす。
(i)水素、又は
(ii)グリコシル、-C(=O)R
1及びR
2からなる群から選択されるラジカルで、R
1及びR
2は互いに独立して、C
1-6-アルキル、C
3-7-シクロアルキル、フェニル又は5〜7員のヘテロアリールを表わすラジカル。
本発明の語義において、α-シクロデキストリンモノマーは一般的な環構造Iの構成要素であり、β-シクロデキストリンモノマーは一般的な環構造IIの構成要素であり、γ-シクロデキストリンモノマーは一般的な環構造IIIの構成要素である。
別の好適な実施形態では、シクロデキストリンモノマーは互いに独立して、下記からなる群から選択される。
【0034】
式中、
G
1、G
7及びG
14は互いに独立して、下記からなる群から選択され、
【0036】
また、
G
2、G
3、G
4、G
5、G
6、G
8、G
9、G
10、G
11、G
12、G
13、G
15、G
16、G
17、G
18、G
19、G
20及びG
21は互いに独立して、下記からなる群から選択され、
【0040】
は、シクロデキストリンモノマーにおける1→4-グルコシド結合を表わし、
【0042】
は、リンカーへの結合を示し、
Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、Q
7、Q
8、Q
9及びQ
10は互いに独立して、水素、-グリコシル、-C(=O)R
3又は-R
4を表わし、R
3及びR
4は互いに独立して、C
1-6-アルキル、C
3-7-シクロアルキル、フェニル又は5〜7員ヘテロアリールを表わす。
本発明では、「グリコシル」という用語は、糖、糖酸、糖アルコールといった糖類を包含し、これらは、モノマー(単糖)、二量体(二糖類)、三量体(三糖類)、オリゴマー(オリゴ糖類)又はポリマー(多糖類)であってもよく、グリコシルの環構成員のいずれか可能なものがシクロデキストリンモノマーへの結合に関わっているとよい。本発明の共重合体に存在可能な代表的な単糖類としては、例えば、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、ソルビトール、グルシトール、キシリトール、トレイトール、エリスリトール、アラビトール、グリセルアルデヒド、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、グルコサミン、フコサミン、N-アセチルマンノサミン、アピオース、グルコン酸、ガラクツロン酸、エリトラル酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、アベクォース、アピオース、クラジノース、デオキシリボース、デオキシグルコース、ジギタロース、ジギトキソース、フコース、フコサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコサミニトール、グリセロール、グリセロン、マンノサミン、マンノ糖酸(manno sugar acid)、ノイラミン酸、ラムノース、ムチン酸、セドヘプツロース、ストレプトース、トレハロサミン、トレハロース、酒石酸及びグルカル酸が挙げられる。
【0043】
好適な実施形態では、グリコシルは、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、ソルビトール、グルシトール、キシリトール、トレイトール、エリスリトール、アラビトール、グリセルアルデヒド、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、グルコサミン、フコサミン、N-アセチルマンノサミン、ハマメロース、アピオース、グルコン酸、ガラクツロン酸、エリトラル酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、アベクォース、アピオース、クラジノース、デオキシリボース、デオキシグルコース、ジギタロース、ジギトキソース、フコース、フコサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコサミニトール、グリセロール、グリセロン、マンノサミン、マンノ糖酸、ノイラミン酸、ラムノース、ムチン酸、セドヘプツロース、ストレプトース、トレハロサミン、トレハロース、酒石酸及びグルカル酸からなる群から選択される単糖である。グルコースが特に好適である。
また、グリコシルは二糖、三糖、オリゴ糖又は多糖であってもよく、前記単糖の同じモノマー又は異なるモノマーを含んでいることが好ましい。
【0044】
本発明の語義において、「二糖」という用語はグリコシルを含み、好ましくは、上記に挙げた単糖類の中から同じであっても異なっていてもよい2つのモノマーを含有する。「三糖」という用語はグリコシルを含み、好ましくは、上記に挙げた単糖類の中から同じであっても異なっていてもよい3つのモノマーを含有する。「オリゴ糖」という用語はグリコシルを含み、好ましくは、上記に挙げた単糖類の中から同じであっても異なっていてもよい4、5、6、7、8又は9個のモノマーを含有する。「多糖」という用語はグリコシルを含み、好ましくは、上記に挙げた単糖類の中から同じであっても異なっていてもよい10個以上(即ち、10個、11個、12個、13個、14個、15個以上)のモノマーを含有する。二糖類、三糖類、オリゴ糖類、多糖類に含まれる単糖モノマーは、互いにグルコシド結合により結合していることが好ましく、好ましくは、(1→2)-グルコシド結合、(1→3)-グルコシド結合、(1→4)-グルコシド結合及び/又は(1→6)-グルコシド結合による結合が好ましい。特に好適なグリコシルは、単糖類グルコース及びガラクトース、二糖類マルトースならびに三糖マルトトリオースである。グリコシルのシクロデキストリンモノマーや化合物への結合は、グリコシルの環構成員の可能なものを介して起こる。
【0045】
好適な実施形態では、グリコシルは、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、ソルビトール、グルシトール、キシリトール、トレイトール、エリスリトール、アラビトール、グリセルアルデヒド、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、グルコサミン、フコサミン、N-アセチルマンノサミン、ハマメロース、アピオース、グルコン酸、ガラクツロン酸、エリトラル酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、アベクォース、アピオース、クラジノース、デオキシリボース、デオキシグルコース、ジギタロース、ジギトキソース、フコース、フコサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコサミニトール、グリセロール、グリセロン、マンノサミン、マンノ糖酸、ノイラミン酸、ラムノース、ムチン酸、セドヘプツロース、ストレプトース、トレハロサミン、トレハロース、酒石酸、グルカル酸、マルトース及びマルトトリオースからなる群から選択される。グリコシルが、グルコース、ガラクトース、マルトース及びマルトトリオースからなる群から選択されることが特に好ましい。
【0046】
「C
1-6-アルキル」という用語は本発明の語義において、非環式の飽和又は不飽和炭化水素ラジカルを含み、分岐していても直鎖であってもよく、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を有し、未置換又はモノ置換もしくは多置換であってもよく、その場合、置換基は同じであっても異なっていてもよく、置換基の位置はC
1-6-アルキルの可能ないずれの位置であってもよい。好適なC
1-6-アルキルには、C
1-6-アルカニル、C
2-6-アルケニル及びC
2-6-アルキニル基が含まれる。C
2-6-アルケニルは少なくとも1個のC-C二重結合を有し、C
2-6-アルキニルは少なくとも1個のC-C三重結合を有するが、C
1-6-アルカニルは完全に飽和していない。好適なC
1-6-アルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、N-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、N-ヘキシル、ネオヘキシル、3-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、イソブテニル、N-ブテニル、シス-2-ブテニル、トランス-2-ブテニル、1,2-ブタジエニル、1,3-ブタジエニル、ペンタ-1-エニル、シス-ペンタ-2-エニル、トランス-ペンタ-2-エニル、2-メチルブタ-1-エニル、2-メチルブタ-2-エニル、3-メチルブタ-1-エニル、ヘキサ-1-エニル、ヘキサ-2-エニル及びヘキサ-3-エニルを含む群から選択される。C
1-6-アルキルラジカルのシクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物への結合は、C
1-6-アルキルのいずれかの可能な原子が関わる。
【0047】
本発明では、「C
3-7-シクロアルキル」という用語は環状の炭化水素化合物を包含し、3、4、5、6又は7個の炭素原子を含み、飽和又はモノもしくはポリ不飽和(芳香族炭化水素ではない)であってもよく、未置換又はモノ置換もしくは多置換であってもよく、その場合、置換基は同じであっても異なっていてもよく、置換基の位置はC
3-7-シクロアルキルの可能ないずれの位置であってもよい。また、C
3-7-シクロアルキルは、飽和又は不飽和(芳香族炭化水素ではない)シクロアルキルも含み、その場合、1個又は2個の炭素原子が1個又は2個のヘテロ原子に置換されていてもよくヘテロ原子は同じであっても異なっていてもよく、N、O及びSから選択される。C
3-7-シクロアルキルは、1個以上の飽和、不飽和又は芳香環と縮合していてもよい。好ましくは、C
3-7-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリノニル、ピラニル、インドリニル、キノリジニル、クロマニル、イソクロマニル、クロメニル、イソクロメニル及びベンゾジオキソラニルを含む群から選択される。シクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物への結合は、C
3-7-シクロアルキルのいずれかの可能な環構成員が関わる。C
3-7-シクロアルキル基は、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-を介してシクロデキストリンモノマーに結合される。
【0048】
本発明の語義において、「C
1-4-アルキレンブリッジ」という用語は、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5〜7員ヘテロアリールラジカルをシクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物に結合する構成要素を包含する。C
1-4-アルキレンブリッジは分岐又は直鎖でもよく、飽和(C
1-4-アルカニレンブリッジ)又はモノ不飽和もしくはポリ不飽和(C
2-4-アケニレンブリッジ、C
2-4-アルキニレンブリッジ)であってもよい。C
2-4-アルキレンブリッジは少なくとも1個のC-C二重結合を含み、C
2-4-アルキニレンブリッジは少なくとも1個のC-C三重結合を含む。好ましくは、C
1-4-アルキレンブリッジは、-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-、-CH=CH-、-C≡C-、-C=CH-CH
2-、-CH
2-CH=CH-CH
2-及び-CH=CH-CH=CH-からなる群から選択される。
「フェニル」という用語は、本発明の語義において芳香族ベンゼンラジカルを表わすが、これは、更なる飽和、不飽和又は芳香環と縮合されていてもよい(例えば、フェニルをナフチルに縮合)。フェニルは未置換又はモノ置換もしくは多置換されていてもよく、その場合の置換基は同じであっても異なっていてもよく、フェニルのいずれの可能な場所にあってもよい。フェニルは、シクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物に対し、フェニルのいずれかの可能な環構成員を介して直接結合するか、或いは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-を介して結合することができる。
【0049】
本発明では、「5〜7員ヘテロアリール」という用語は、5員環式、6員環式、7員環式芳香族ラジカルであって、少なくとも1個、任意で2個、3個、4個又は5個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は同じか異なるヘテロ原子であり、ヘテロアリールは未置換であってもよいし、モノ置換又は多置換されていてもよい。5員〜7員ヘテロアリールの置換の場合、置換基は同じであっても異なっていてもよく、ヘテロアリールのいずれかの可能な位置にあってよい。好適なヘテロ原子としては、N、O及びSが挙げられる。ヘテロアリールは、二環式又は多環式の炭素環式又は複素環式系の一部であることもある。5員〜7員ヘテロアリールは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル及びベンゾチアジアゾリルからなる群から選択されることが好ましい。シクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物に対し、5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、ヘテロアリールのいずれかの可能な環構成員を介して結合する。また、5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、シクロデキストリンモノマー及びシクロデキストリン化合物に対し、C
1-4-アルキレンブリッジを介して、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-を介して結合することもある。
【0050】
C
1-6-アルキルに関して、「モノ置換又は多置換」という用語は本発明の語義において、1個以上の水素ラジカルを1個以上の置換基で置き換えることを指し、多数の置換基を有するアルキルラジカルは、同一原子又は異なる原子において多数回置換がおこなわれたものと解釈される。例えば、2回以上置換されるケースであって、例を挙げると、-CHF
2のように同一の炭素原子において、又は、-CH
2CH(OH)CH
2(OH)のように異なる位置で2回置換されるケースである。多数回の置換では同じ置換基又は異なる置換基が使われる。各置換基もそれ自体が任意であるが置換されていてもよい。
C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールに関して、「モノ置換又は多置換」又は「1回以上の置換」という用語は本発明の語義において、環の1個以上の水素原子を1回以上(例えば、2回、3回、4回又は5回)置換すること、また、1個の原子又は異なる原子の置換を指すと解釈される。多数の置換はここでは同じ又は異なる置換基を使う。
シクロデキストリンモノマーの多数置換の場合、該モノマーは2個以上(3、4又は5個)のラジカルを有する可能性があり、これらのラジカルは同じ又は異なり、グリコシル、-C(=O)R
1及びR
2からなる群、又はグリコシル、-C(=O)R
3及びR
4からなる群から選択される。シクロデキストリン化合物の多数置換の場合は、2個以上(例えば3、4又は5個)のラジカルを含むことがあり、これらのラジカルは同じ又は異なり、グリコシル、-C(=O)-R
6及びR
7からなる群から選択される。
【0051】
ラジカルR
1、R
2、R
3及びR
4に関して、C
1-6-アルキルは好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、N-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、N-ヘキシル、ネオヘキシル、3-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、イソブテニル、N-ブテニル、シス-2-ブテニル、トランス-2-ブテニル、1,2-ブタジエニル、1,3-ブタジエニル、ペンタ-1-エニル、シス-ペンタ-2-エニル、トランス-ペンタ-2-エニル、2-メチルブタ-1-エニル、2-メチルブタ-2-エニル、3-メチルブタ-1-エニル、ヘキサ-1-エニル、ヘキサ-2-エニル及びヘキサ-3-エニルからなる群から選択される。C
-6-アルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、N-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、N-ヘキシル、ネオヘキシル、3-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、エテニル、エチニル及びプロパ-1-エニルからなる群から選択されることが特に好ましい。前記C
1-6-アルキルラジカルは、未置換又はラジカルR
5によるモノ置換もしくは多置換(例えば、2、3、4又は5回)であってもよい。
【0052】
ラジカルR
1、R
2、R
3及びR
4に関して、C
3-7-シクロアルキルは、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリノニル、ピラニル、インドリニル、キノリジニル、クロマニル、イソクロマニル、クロメニル、イソクロメニル及びベンゾジオキソラニルからなる群から選択される。C
3-7-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドフラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリノニル及びピラニルからなる群から選択されることが特に好ましい。また、C
3-7-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びキヌクリジニルからなる群から選択されることが特に好ましい。C
3-7-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群から選択されることがとりわけ好ましい。前記C
3-7-シクロアルキルラジカルは未置換又はラジカルR
5によってモノ置換もしくは多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよい。また、C
3-7-シクロアルキルラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-によって、シクロデキストリンモノマーに結合していてもよい。
【0053】
ラジカルR
1、R
2、R
3及びR
4に関して、フェニルラジカルは未置換であっても、ラジカルR
5でモノ置換又は多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよい。また、フェニルラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-によって、シクロデキストリンモノマーに結合していてもよい。
ラジカルR
1、R
2、R
3及びR
4に関して、5員〜7員ヘテロアリールは、好ましくは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、キノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル及びベンゾチアジアゾリルからなる群から選択される。好適な実施形態では、5員〜7員ヘテロアリールは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、インドリル、キノリニル、プリニル、プテリジニル及びベンゾフリルからなる群から選択される。特に好適な実施形態において、5員〜7員ヘテロアリールは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びピリジルからなる群から選択される。前記5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、未置換又はラジカルR
5によってモノ置換もしくは多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよい。5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-によって、シクロデキストリンモノマーに結合していてもよい。
【0054】
好適な実施形態では、シクロデキストリンモノマーの置換基は、グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、-C(=O)-C
1-6-アルキル、-C(=O)-C
3-7-シクロアルキル、-C(=O)-フェニル、-C(=O)-( 5〜7員ヘテロアリール)、-C
1-6-アルキル、-C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールからなる群から選択され、ラジカル-C
1-6-アルキル、-C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールは、未置換であっても、同じ又は異なるラジカルR
5でモノ置換又は多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよく、また、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-によって、シクロデキストリンモノマーに結合していてもよい。
シクロデキストリンモノマーは1個以上のラジカルでの置換が好ましく、このラジカルは同じであっても異なっていてもよいが、同じであるほうが好ましく、グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、-C(=O)-メチル、-C(=O)-エチル、-C(=O)-イソプロピル、-C(=O)-N-プロピル、-C(=O)-イソブチル、-C(=O)-N-ブチル、-C(=O)-sec-ブチル、-C(=O)-tert-ブチル、-C(=O)-N-ペンチル、-C(=O)-イソペンチル、-C(=O)-ネオペンチル、-C(=O)-イソヘキシル、-C(=O)-N-ヘキシル、-C(=O)-ネオヘキシル、-C(=O)-(3-メチルペンチル)、-C(=O)-(2,3-ジメチルブチル)、-C(=O)-エテニル、-C(=O)-エチニル、-C(=O)-プロパ-1-エニル、-C(=O)-シクロプロピル、-C(=O)-シクロブチル、-C(=O)-シクロペンチル、-C(=O)-シクロヘキシル、-C(=O)-ピペリジニル、-C(=O)-ピペラジニル、
【0055】
-C(=O)-モルホリニル、-C(=O)-フェニル、-C(=O)-イミダゾリル、-C(=O)-チエニル、-C(=O)-フリル、-C(=O)-オキサゾリル、-C(=O)-イソオキサゾリル、-C(=O)-チアゾリル、-C(=O)-イソチアゾリル、-C(=O)-ピリジル、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、N-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、N-ヘキシル、ネオヘキシル、3-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、フェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びピリジルからなる群から選択され、ラジカルは、未置換であっても、ラジカルR
5でモノ置換又は多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよく、また、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-によって、シクロデキストリンモノマーに結合していてもよい。
R
5は好ましくは以下からなる群から選択される。
-C(=O)H、-C(=O)X、-C(=O)OH、-C(=O)OX、-C(=O)NH
2、-C(=O)NHX、-C(=O)NX
2、-C(=O)NHC(=O)X、-C(=O)NXC(=O)X、-OH、-OX、-OT、-OC(=O)H、-OC(=O)X、-OC(=O)OH、-OC(=O)OX、-OC(=O) NH
2、-OC(=O)NHX、-OC(=O)NX
2、-O-N=O、-OS(=O)H、-OS(=O)X、-OS(=O)OH、-OS (=O)OX、-OS(=O)
2H、-OS(=O)
2X、-OS(=O)
2OH、-OS(=O)
2OX、-OS(=O)NH
2、-OS(=O)NHX、-OS(=O)NX
2、-OS(=O)
2NH
2、-OS(=O)
2NHX、-OS(=O)
2NX
2、-OP(=O)(X)
2、-OP(=O)(OH)(X)、-OP(=O)(OX)(X)、-OP(=O)(OH)
2、-OP(=O)(OX)(OH)、
【0056】
-OP(=O)(OX)
2、-O-P(=NH)(X)
2、-OP(=NX)(X)
2、-OP(=O)(NH
2)
2、-OP(=O)(NX)(NH
2)、-OP(=S)(X)
2、-OP(=S)(OH)(X)、-OP(=S)(OX)(X)、-OP(=S)(OH)
2、-OP(=S)(OX)(OH)、-OP(=S)(OX)
2、-SH、-SX、-ST、-S(=O)H、-S(=O)X、-S(=O)OH、-S(=O)OX、-S(=O)
2H、-S(=O)
2X、-S(=O)
2OH、-S(=O)
2OX、-S(=O)NH
2、-S(=O)NHX、-S(=O)NX
2、-S(=O)
2NH
2、-S(=O)
2NHX、-S(=O)
2NX
2、-NH
2、-NHX、-NHT、-NX
2、-NT
2、-N(X)
3+A
-、-NHC(=O)H、-NHC(=O)X、-N[C(=O)X]
2、-NXC(=O)X、-NHC(=O)NH
2、-NHC(=O)NHX、-NXC(=O)NHX、-NXC(=O)NX
2、-NXC(=O)NX
2、-NHC(=O)OH、-NHC(=O)OX、-NXC(=O)OX、-NHS(=O)H、-NHS(=O)X、-NXS(=O)H、-NXS(=O)X、-NHS(=O)OH、-NHS(=O)OX、-NXS(=O)OH、-NXS(=O)OX、-NHS(=O)
2H、-NHS (=O)
2X、-NXS(=O)
2H、-NXS(=O)
2X、-NHS(=O)
2OH、-NHS(=O)
2OX、-NXS(=O)
2OH、-NXS(=O)
2OX、-NHS(=O)NH
2、-NXS(=O)NHX、-NHS(=O)NX
2、-NXS(=O)NH
2、-NXS(=O)NX
2、-NHS(=O)
2NH
2、-NHS(=O)
2NHX、-NHS(=O)
2NX
2、-NXS(=O)
2NH
2、-NXS(=O)
2NHX、-NXS(=O)
2NX
2、=N-OH、=N-NH
2、-N=N-X、-PH
2、-PHX、-PX
2、-P(=O)X
2、-P(=O)(OH)(X)、-P(=O)(OX)(X)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OX)(OH)、-P(=O) (OX)
2、-P(=NH)(X)
2、-P(=NX)(X)
2、-P(=O)(NH
2)
2、-P(=O)(NX
2)
2、-P(=S) (X)
2、-P(=S)(OH)(X)、-P(=S)(OX)X、-P(=S)(OH)
2、-P(=S)(OX)(OH)、-P(=S)(OX)
2、=NH、=NX、=O、=S、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-x-ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリノニル、インドリニル、イソインドリニル、キノリジニル、ベンゾジオキソラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、
【0057】
チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル及びベンゾチアジアゾリルであって、Xラジカルは好ましくはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、ビニル又はエチニルを表わし、Tラジカルはハイブリッドラジカルを表わす。更に、A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
別の好適な実施形態では、R
5が、-C(=O)H、-C(=O)X、-C(=O)OH、-C(=O)OX、-C(=O)NH
2、-C(=O)NHX、-C(=O)NX
2、-C(=O)NHC(=O)X、-C(=O)NXC(=O)X、-OH、-OX、-OT、-OC(=O)H、-OC(=O)X、-OC(=O)OH、-OC(=O)OX、-OC(=O)NH
2、-OC(=O)NHX、-OC(=O)NX
2、-OS(=O)H、-OS(=O)X、-OS(=O)OH、-OS(=O)OX、-OS(=O)
2H、-OS(=O)
2X、-OS(=O)
2OH、-OS(=O)
2OX、-OS(=O)NH
2、-OS(=O)NHX、-OS(=O)NX
2、-OS(=O)
2NH
2、-OS(=O)
2NHX、-OS(=O)
2NX
2、-OP(=O)(OH)(X)、-OP(=O)(OH)
2、-OP(=O)(OX)(OH)、-OP(=O)(OX)
2、-SH、-ST、-S(=O)H、-S(=O)X、-S(=O)OH、-S(=O)OX、-S(=O)
2H、-S(=O)
2X、-S(=O)
2OH、-S(=O)
2OX、
【0058】
-S(=O)NH
2、-S(=O)NHX、-S(=O)NX
2、-S(=O)
2NH
2、-S(=O)
2NHX、-S(=O)
2NX
2、-NH
2、-NHX、-NHT、-NX
2、-NT
2、-N(X)
3+A
-、-NHC(=O)H、-NHC(=O)X、-N[C(=O)X]
2、-NXC(=O)X、-NHC(=O)NH
2、-NHC(=O)NHX、-NXC(=O)NX
2、-NXC(=O)NHX、-NXC(=O)NX
2、-NHC(=O)OH、-NHC(=O)OX、-NXC(=O)OX、-NHS(=O)H、-NXS(=O)H、-NHS(=O)OH、-NXS(=O)OH、-NHS(=O)
2OH、-NXS(=O)
2OH、=N-OH、=N-NH
2、-PH
2、-P(=O)X
2、-P(=O)(OH)(X)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OX)(OH)、-P(=O)(OX)
2、=NH、=NX、=O、=S、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-X-ピペラジニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリノニル、イミダゾリルからなる群から選択され、ラジカルXは好ましくはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル又はエチニルを表わし、ラジカルTはハイブリッドラジカルを表わす。更に、A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
別の好適な実施形態においては、R
5が、イオン状態、イオン化可能なヒドロキシル又はポリオールラジカルを表わす。この場合のR
5は好ましくは、-C(=O)OH、-OH、-OT、-OC(=O)OH、-OC(=O)NH
2、-OS(=O)OH、-OS(=O)
2OH、-OP(=O)(OH)(X)、-OP(=O)(OH)
2、-OP(=O)(OX)(OH)、-OP(=O)(OX)
2、-SH、-ST、-S(=O)OH、-S(=O)
2OH、-NH
2、-NHX、-NHT、-NX
2、-NT
2、-N(X)
3+A
-、-NHC(=O)OH、-NXC(=O)OH、-NHS(=O)OH、-NXS(=O)OH、-NHS(=O)
2OH、-NXS(=O)
2OH、=N-OH、=N-NH
2、-P(=O)(OH)(X)、-P(=O)(OH)
2、
【0059】
-P(=O)(OX)(OH)、-P(=O)(OX)
2、=NH、=NX、ピペリジニル、モルホリニル及びイミダゾリルからなる群から選択され、ラジカルXは、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル及びエチニルからなる群から選択され、ラジカルTはハイブリッドラジカルを表わす。更に、A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
別の好適な実施形態においては、R
5が、イオン状態、イオン化可能なヒドロキシル又はポリオールラジカルを表わす。この場合のR
5は、好ましくは-C(=O)OH、-OH、-OT、-OS(=O)
2OH、-OP(=O)(OH)
2、-SH、-ST、-S(=O)
2OH、-NH
2、-NHX、-NHT、-NX
2、-NT
2、-N(X)
3+A
-、-NHC(=O)OH、-NXC(=O)OH、-P(=O)(OH)(X)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OX)(OH)を表わし、ラジカルXは、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル及びエチニルからなる群から選択され、Tラジカルはハイブリッドラジカルを表わす。更に、A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
【0060】
別の好適な実施形態において、R
1、R
2、R
3及びR
4のラジカルは互いに独立して、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、フェネチル、-CH
2-C(=O)-OH、-(CH
2)
2-C(=O)-OH、-(CH
2)
3-C(=O)-OH、-(CH
2)
4-C(=O)-OH、-(CH
2)
5-C(=O)-OH、-(CH
2)
6-C(=O)-OH、-CH
2-CH(OH)-C(=O)OH、-CH
2-CH(OH)-C(=O)O-CH
3、-CH
2-CH(OH)-C(=O)O-CH
2-CH
3、-CH(CH
2OH)-C(=O)OH、-CH(CH
2OH)-C(=O)O-CH
3、-CH(CH
2OH)-C(=O)O-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-OH、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-OCH
2-CH
3、-CH(CH
2-OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
3、-CH(CH
2-OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、-CH
2-OH、-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
2-OH、-CH(OH)-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
3-OH、-CH(CH
3)-CH
2-OH、-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
3、-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
4-OH、-(CH
2)
5-OH、-(CH
2)
6-OH、-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
3、-CH(OH)-CH
2CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH
2-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
2-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
3-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
4-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
5-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
6-O-S(=O)
2OH、-CH
2-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
2-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
3-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
4-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
5-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
6-O-P(=O)(OH)
2、-CH
2-SH、-CH(SH)-CH
3、
【0061】
-(CH
2)
2-SH、-CH(SH)-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
3-SH、-CH(SH)-(CH
2)
2-CH
3、-CH
2-CH(SH)-CH
2-CH
3、-(CH
2)
2-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
4-SH、-(CH
2)
5-SH、-(CH
2)
6-SH、-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH(SH)-CH
3、-CH(SH)-CH
2-CH
2(SH)、-CH
2-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH(SH)-CH
2-CH
3、-CH(SH)-CH
2CH(SH)-CH
3、-CH(SH)-(CH
2)
2-CH
2(SH)、-CH
2-CH(SH)-CH(SH)-CH
3、-CH
2-CH(SH)-CH
2-CH
2(SH)、-(CH
2)
2-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH(SH)-C(SH)-CH
3、-CH(SH)-CH(SH)-CH
2-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH
2-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH
2-CH(SH)-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH(SH)-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH
2-S(=O)
2OH、-(CH
2)
2-S(=O)
2OH、-(CH
2)
3-S(=O)
2OH、-(CH
2)
4-S(=O)
2OH、-(CH
2)
5-S(=O)
2OH、-(CH
2)
6-S(=O)
2OH、-CH
2-NH
2、-(CH
2)
2-NH
2、-(CH
2)
3-NH
2、-(CH
2)
4-NH
2、-(CH
2)
5-NH
2、-(CH
2)
6-NH
2、-CH
2-NH(CH
3)、-(CH
2)
2-NH(CH
3)、-(CH
2)
3-NH(CH
3)、-(CH
2)
4-NH(CH
3)、-(CH
2)
5-NH(CH
3)、-(CH
2)
6-NH(CH
3)、-CH
2-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
2-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
3-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
4-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
5-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
6-NH(CH
2CH
3)、-CH
2-N(CH
3)
2、-(CH
2)
2-N(CH
3)
2、-(CH
2)
3-N(CH
3)
2、-(CH
2)
4-N(CH
3)
2、-(CH
2)
5-N(CH
3)
2、-(CH
2)
6-N(CH
3)
2、-CH
2-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
2-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
3-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
4-N(CH
2-CH
3)
2、-(CH
2)
5-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
6-N(CH
2CH
3)
2、-CH
2-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
2-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
3-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
4-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
5-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
6-N(CH
3)
3+A
-、-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
2-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
3-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
4-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
5-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
6-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-CH
2-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
2-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
3-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
4-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
5-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
6-P(=O)(OH)
2、-CH
2-ピロリル、-(CH
2)
2-ピロリル、-(CH
2)
3-ピロリル、-(CH
2)
4-ピロリル、-CH
2-ピラゾリル、-(CH
2)
2-ピラゾリル、-(CH
2)
3-ピラゾリル、-(CH
2)
4-ピラゾリル、-CH
2-イミダゾリル、-(CH
2)
2-イミダゾリル、-(CH
2)
3-イミダゾリル、-(CH
2)
4-イミダゾリル、
【0062】
-CH
2-オキサゾリル、-(CH
2)
2-オキサゾリル、-(CH
2)
3-オキサゾリル、-(CH
2)
4-オキサゾリル、-CH
2-イソオキサゾリル、-(CH
2)
2-イソオキサゾリル、-(CH
2)
3-イソオキサゾリル、-(CH
2)
4-イソオキサゾリル、-CH
2-イソチアゾリル、-(CH
2)
2-イソチアゾリル、-(CH
2)
3-イソチアゾリル、-(CH
2)
4-イソチアゾリル、-CH
2-ピリジル、-(CH
2)
2-ピリジル、-(CH
2)
3-ピリジル及び-(CH
2)
4-ピリジルからなる群から選択され、A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。これらのラジカルは任意であるが、ハイブリッドラジカルで更に置換されていてもよい。
別の好適な実施形態において、Q、Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、Q
7、Q
8、Q
9及びQ
10は、互いに独立して、水素、グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、-C(=O)-C
1-6-アルキル、-C(=O)-C
3-7-シクロアルキル、-C(=O)-フェニル、-C(=O)-(5員〜7員ヘテロアリール)、-C
1-6-アルキル、-C
3-7-シクロアルキル、-フェニル及び-(5員〜7員ヘテロアリール)からなる群から選択され、前記C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-によってシクロデキストリンモノマーに結合していてもよく、また、C
1-6-アルキル、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールは未置換でもよく、又は、同じか異なるR
5ラジカルでモノ置換又は多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよく、前記R
5は、-C(=O)OH、-OH、-OT、-OC(=O)OH、-OC(=O)NH
2、-OS(=O)OH、-OS(=O)
2OH、-OP(=O)(OH)(X)、
【0063】
-OP(=O)(OH)
2、-OP(=O)(OX)(OH)、-OP(=O)(OX)
2、-SH、-ST、-S(=O)OH、-S(=O)
2OH、-NH
2、-NHX、-NHT、-NX
2、-NT
2、-N(X)
3+A
-、-NHC(=O)OH、-NXC(=O)OH、-NHS(=O)OH、-NXS(=O)OH、-NHS(=O)
2OH、-NXS(=O)
2OH、=N-OH、=N-NH
2、-P(=O)(OH)(X)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OX)(OH)、-P(=O)(OX)
2、=NH、=NX、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-X-ピペラジニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリノニル及びイミダゾリルからなる群から選択され、前記ラジカルXは、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル及びエチニルからなる群から選択され、ラジカルTはハイブリッドラジカルを表わす。更に、A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
別の好適な実施形態において、Q、Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、Q
7、Q
8、Q
9及びQ
10は、互いに独立して、水素、 グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、-C(=O)-メチル、-C(=O)-エチル、-C(=O)-イソプロピル、-C(=O)-N-プロピル、-C(=O)-イソブチル、-C(=O)-N-ブチル、-C(=O)-sec-ブチル、-C(=O)-tert-ブチル、-C(=O)-N-ペンチル、-C(=O)-イソペンチル、-C(=O)-ネオペンチル、-C(=O)-イソヘキシル、-C(=O)-N-ヘキシル、-C(=O)-ネオヘキシル、-C(=O)-(3-メチルペンチル)、-C(=O)-(2,3-ジメチルブチル)、-C(=O)-エテニル、-C(=O)-エチニル、-C(=O)-プロパ-1-エニル、-C(=O)-シクロプロピル、-C(=O)-シクロブチル、-C(=O)-シクロペンチル、-C(=O)-シクロヘキシル、
【0064】
-C(=O)-ピペリジニル、-C(=O)-ピペラジニル、-C(=O)-モルホリニル、-C(=O)-フェニル、-C(=O)-イミダゾリル、-C(=O)-チエニル、-C(=O)-フリル、-C(=O)-オキサゾリル、-C(=O)-イソオキサゾリル、-C(=O)-チアゾリル、-C(=O)-イソチアゾリル、-C(=O)-ピリジル、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、N-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、N-ヘキシル、ネオヘキシル、3-メチル-ペンチル、2,3-ジメチルブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、フェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びピリジルからなる群から選択され、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-によって対応のシクロデキストリンモノマーに結合していてもよく、また、C
1-6-アルキル、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールラジカルは未置換でもよく、又は、ラジカルR
5でモノ置換又は多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよく、前記R
5は、好ましくは、-C(=O)OH、-OH、-OT、-OS(=O)
2OH、-OP(=O)(OH)
2、-SH、-ST、-S(=O)
2OH、-NH
2、-NHX、-NHT、-NX
2、-NT
2、-N(X)
3+A
-、-NHC(=O)OH、-NXC(=O)OH、-P(=O)(OH)(X)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OX)(OH)、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びイミダゾリルからなる群から選択され、前記ラジカルXは、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル及びエチニルからなる群から選択され、ラジカルTはハイブリッドラジカルを表わす。更に、A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
【0065】
別の好適な実施形態において、Q、Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、Q
5、Q
6、Q
7、Q
8、Q
9及びQ
10は、互いに独立して、水素、グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、-C(=O)-メチル、-C(=O)-エチル、-C(=O)-イソプロピル、-C(=O)-N-プロピル、-C(=O)-イソブチル、-C(=O)-N-ブチル、-C(=O)-sec-ブチル、-C(=O)-tert-ブチル、-C(=O)-エテニル、-C(=O)-エチニル、-C(=O)-プロパ-1-エニル、-C(=O)-シクロプロピル、-C(=O)-シクロブチル、-C(=O)-シクロペンチル、-C(=O)-シクロヘキシル、-C(=O)-フェニル、-C(=O)-ベンジル、-C(=O)-フェネチル、-C(=O)-CH
2-C(=O)-OH、-C(=O)-(CH
2)
2-C(=O)-OH、-C(=O)-(CH
2)
3-C(=O)-OH、-C(=O)-(CH
2)
4-C(=O)-OH、-C(=O)-(CH
2)
5-C(=O)-OH、-C(=O)-(CH
2)
6-C(=O)-OH、-C(=O)-CH
2-OH、-C(=O)-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-(CH
2)
2-OH、-C(=O)-CH(OH)-CH
2-CH
3、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-(CH
2)
3-OH、-C(=O)-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
3、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
3、-C(=O)-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-(CH
2)
4-OH、-C(=O)-(CH
2)
5-OH、-C(=O)-(CH
2)
6-OH、-C(=O)-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
3、-C(=O)-CH(OH)-CH
2CH(OH)-CH
3、-C(=O)-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
2(OH)、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-C(=O)-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH
2-NH
2、-C(=O)-(CH
2)
2-NH
2、-C(=O)-(CH
2)
3-NH
2、-C(=O)-(CH
2)
4-NH
2、-C(=O)-(CH
2)
5-NH
2、
【0066】
-C(=O)-(CH
2)
6-NH
2、-C(=O)-CH
2-NH(CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
2-NH(CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
3-NH(CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
4-NH(CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
5-NH(CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
6-NH(CH
3)、-C(=O)-CH
2-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
2-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
3-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
4-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
5-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
6-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-CH
2-N(CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
2-N(CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
3-N(CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
4-N(CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
5-N(CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
6-N(CH
3)
2、-C(=O)-CH
2-N(CH
2-CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
2-N(CH
2CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
3-N(CH
2CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
4-N(CH
2CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
5-N(CH
2CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
6-N(CH
2CH
3)
2、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、フェネチル、-CH
2-C(=O)-OH、-(CH
2)
2-C(=O)-OH、-(CH
2)
3-C(=O)-OH、-(CH
2)
4-C(=O)-OH、-(CH
2)
5-C(=O)-OH、-(CH
2)
6-C(=O)-OH、-CH
2-CH(OH)-C(=O)OH、-CH
2-CH(OH)-C(=O)O-CH
3、-CH
2-CH(OH)-C(=O)O-CH
2-CH
3、-CH(CH
2OH)-C(=O)OH、-CH(CH
2-OH)-C(=O)O-CH
3、-CH(CH
2OH)-C(=O)O-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-OH、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-OCH
2-CH
3、-CH(CH
2-OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
3、-CH(CH
2-OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、-CH
2-OH、-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
2-OH、-CH(OH)-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
3-OH、-CH(CH
3)-CH
2-OH、-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
3、-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
4-OH、-(CH
2)
5-OH、-(CH
2)
6-OH、-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
3、-CH(OH)-CH
2-CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、
【0067】
-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH
2-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
2-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
3-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
4-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
5-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
6-O-S(=O)
2OH、-CH
2-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
2-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
3-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
4-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
5-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
6-O-P(=O)(OH)
2、-CH
2-SH、-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
2-SH、-CH(SH)-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
3-SH、-CH(SH)-(CH
2)
2-CH
3、-CH
2-CH(SH)-CH
2-CH
3、-(CH
2)
2-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
4-SH、-(CH
2)
5-SH、-(CH
2)
6-SH、-CH
2-S(=O)
2OH、-(CH
2)
2-S(=O)
2OH、-(CH
2)
3-S(=O)
2OH、-(CH
2)
4-S(=O)
2OH、-(CH
2)
5-S(=O)
2OH、-(CH
2)
6-S(=O)
2OH、-CH
2-NH
2、-(CH
2)
2-NH
2、-(CH
2)
3-NH
2、-(CH
2)
4-NH
2、-(CH
2)
5-NH
2、-(CH
2)
6-NH
2、-CH
2-NH(CH
3)、-(CH
2)
2-NH(CH
3)、-(CH
2)
3-NH(CH
3)、-(CH
2)
4-NH(CH
3)、-(CH
2)
5-NH(CH
3)、-(CH
2)
6-NH(CH
3)、-CH
2-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
2-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
3-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
4-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
5-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
6-NH(CH
2CH
3)、-CH
2-N(CH
3)
2、-(CH
2)
2-N(CH
3)
2、-(CH
2)
3-N(CH
3)
2、-(CH
2)
4-N(CH
3)
2、-(CH
2)
5-N(CH
3)
2、-(CH
2)
6-N(CH
3)
2、-CH
2-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
2-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
3-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
4-N(CH
2-CH
3)
2、-(CH
2)
5-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
6-N(CH
2CH
3)
2、-CH
2-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
2-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
3-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
4-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
5-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
6-N(CH
3)
3+A
-、-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
2-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
3-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
4-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
5-N(CH
2-CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
6-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-CH
2-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
2-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
3-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
4-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
5-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
6-P(=O)(OH)
2からなる群から選択され、A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択され、ラジカルは、任意であるが、ハイブリッドラジカルにより更に置換されていてもよい。
【0068】
本発明では、「リンカー」という用語は、本発明の共重合体に含有され、かつ、少なくとも2つのシクロデキストリンモノマーに対して少なくとも2つの共有結合を有する、架橋剤から誘導されるモノマーを指す。
本発明の語義において、「架橋剤から誘導されるリンカー」というフレーズは、本発明の共重合体に含有され、かつ、シクロデキストリン化合物との架橋反応(これについては、前記の反応例を参照のこと)による架橋剤の構造的な変化に寄与しうる化学構造を有する構成要素を表わす。
リンカーは、二官能性及び/又は多官能性の架橋剤、好ましくは、ホモ二官能性、ホモ多官能価、ヘテロ二官能性及び/又はヘテロ多官能性の架橋剤から誘導され、とりわけ好ましくは、ホモ及び/又はヘテロ二官能性の架橋剤から誘導される。
好適な実施形態において、リンカーは、グリオキサール、1,2-ジハロエタン(例えば1,2-ジクロロエタン)、1,3-ジハロプロパン(例えば1,3-ジクロロプロパン)、ハロカルボン酸ハロゲン化物(例えば、ハロ酢酸ハロゲン化(例えばクロロ酢酸塩化物)又はハロプロピオン酸ハロゲン化物(例えばクロロプロピオン酸塩化物))、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、テトラメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選択される架橋剤から誘導され、前記において、ハロゲン及びハロゲン化物は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Brを表わし、とりわけ好ましくは-Clを表わす。
別の好適な実施形態は、リンカーが、グリオキサール、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン及び1,2,3,4-ジエポキシブタンからなる群から選択される架橋剤から誘導される。エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン及び1,2,3,4-ジエポキシブタンが特に好適である。架橋剤エピクロロヒドリンがとりわけ好ましい。
【0069】
好ましくは、リンカーは、〜CH
2〜、〜CH
2-CH
2〜、〜CH(CH
3)〜、〜CH
2-CH
2-CH
2〜、〜CH(CH
2-CH
3)〜、〜CH(CH
3)-CH
2〜、〜C(CH
3)
2〜、〜CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜CH(CH
2-CH
2-CH
3)〜、〜C(CH
3)(CH
2CH
3)〜、〜C(CH
3)
2-CH
2〜、〜CH(CH
2CH
3)-CH
2〜、〜CH(CH
3)-CH(CH
3)〜、〜CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH(CH
3)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH(CH
2-CH
3)〜、〜C(=O)-CH(CH
3)-CH
2〜、〜C(=O)-C(CH
3)
2〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH(CH
2-CH
2-CH
3)〜、〜C(=O)-C(CH
3)(CH
2CH
3)〜、〜C(=O)-C(CH
3)
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH(CH
2CH
3)-CH
2〜、〜C(=O)-CH(CH
3)-CH(CH
3)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)CH(CH
3)-C(=O)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH(CH
2-CH
3)-C(=O)〜、〜C(=O)-CH(CH
3)-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-C(CH
3)
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH(CH
2-CH
2-CH
3)-C(=O)〜、〜C(=O)-C(CH
3)(CH
2CH
3)-C(=O)〜、〜C(=O)-C(CH
3)
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH(CH
2CH
3)-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH(CH
3) CH(CH
3)-C(=O)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-(CH
2)
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH(CH
3)-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-CH
2-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH(CH
2-CH
3)-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH(CH
3)-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-C(CH
3)
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-NH-C(=O)〜、
【0070】
〜C(=O)-NH-CH(CH
2-CH
2-CH
3)-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-C(CH
3)(CH
2CH
3)-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-C(CH
3)
2-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH(CH
2CH
3)-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH(CH
3)-CH(CH
3)-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-(CH
2)
5-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-(CH
2)
6-NH-C(=O)〜、〜CH
2-CH(OH)-CH
2〜、〜CH(CH
2OH)-CH
2〜、〜CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2〜、〜CH(CH
2OH)-CH
2-CH
2〜、〜CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
2〜、〜CH(CH
2OH)-CH(CH
2OH)〜、〜CH
2-CH(OH)-CH(CH
2OH)〜、〜CH(OH)-CH
2-CH
2-CH
2〜及び〜CH(CH
2OH)-CH
2-CH
2〜を含む群から選択され、上記における記号「〜」はシクロデキストリンモノマーに対する共有結合を示す。リンカーは、任意であるがハイブリッドラジカルで更に置換されていてもよい。
別の好適な実施形態は、リンカーが、〜CH
2〜、〜CH
2-CH
2〜、〜CH
2-CH
2-CH
2〜、〜CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2〜、〜C(=O)-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-CH
2-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-NH-C(=O)〜、〜CH
2-CH(OH)-CH
2〜、〜CH(CH
2OH)-CH
2〜、〜CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2〜、〜CH(CH
2OH)-CH
2-CH
2〜、〜CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
2〜、〜CH(CH
2OH)-CH(CH
2OH)〜及び〜CH
2-CH(OH)-CH(CH
2OH)〜を含む群から選択される。上記における記号「〜」はシクロデキストリンモノマーに対する共有結合を示す。リンカーは、任意であるがハイブリッドラジカルで更に置換されていてもよい。
【0071】
本発明のシクロデキストリン共重合体は、〜C(=O)-NH-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-NH-C(=O)〜、〜C(=O)-NH-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-NH-C(=O)〜、〜CH
2-CH(OH)-CH
2〜、〜CH(CH
2OH)-CH
2〜、〜CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2〜、〜CH(CH
2OH)-CH
2-CH
2〜、〜CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
2〜、〜CH(CH
2OH) -CH(CH
2OH)〜、〜CH
2-CH(OH)-CH(CH
2OH)〜を含む群から選択されるリンカーを1個以上有することが特に有利である。上記における記号「〜」はシクロデキストリンモノマーに対する共有結合を示す。リンカーは、任意であるがハイブリッドラジカルで更に置換されていてもよい。
本発明の共重合体の合成過程で、少なくとも1個の求核性ラジカル(例えば-OH、-SH、-NH
2)を含む、リンカーと置換基は、使用される架橋剤及び/又は官能化剤と反応することがある。これらの反応を通して、構造的に異なる複雑なリンカーと置換基が形成されることがある。これらは構造が複雑なため、構造式によって明確に表わすことができない。例えば、官能化剤の2-メチルオキシランと置換基-CH
2-CH(OH)-CH
3との反応で、置換基-CH
2CH[O-CH
2-CH(OH)-CH
3]-CH
3及び-CH
2-CH[O-CH(CH
3)-CH
2-OH]-CH
2-OHが形成され、これらが更に2-メチルオキシラン又は他の官能化剤又は架橋剤と反応して、様々な構造的に複雑な置換基を形成する。
本発明では、「ハイブリッドラジカル」という用語は、ラジカルであって、置換基又はリンカーの架橋剤及び/又は官能化剤との1つ以上の反応に寄与することになるラジカルを包含する。シクロデキストリンモノマーに含まれるリンカー及び置換基は、1個以上のハイブリッドラジカルによりモノ置換又は多置換されていてもよい。
【0072】
好適な実施形態は、ハイブリッドラジカルが下記から誘導される。
1,2-ジハロエタン(例えば1,2-ジクロロエタン)、1,3-ジハロプロパン(例えば1,3-ジクロロプロパン)、ハロカルボン酸 ハロゲン化物(例えば、ハロ酢酸ハロゲン化物(クロロ酢酸塩化物等)又はハロプロピオン酸ハロゲン化物(クロロプロピオン酸塩化物等))、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、テトラメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートの群から選択される、少なくとも1つの架橋剤。前記ハロゲン及びハロゲン化物は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Brを表わし、とりわけ好ましくは-Clをあらわす。及び/又は
C
1-6-アルキル-Y、C
3-7-シクロアルキル-Y、C
1-6-アルキル-C(=O)-Y、C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-Y、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-OH、Y-C
3-10-シクロアルキル-C(=O)-OH、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-OC
1-6-アルキル、Y-C
3-10-シクロアルキル-C(=O)-O-C
3-10-シクロアルキル、[C
1-6-アルキル-C(=O)]
2O、[C
3-7-シクロアルキル-C(=O)]
2O、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、オキシラン、(C
1-6-アルキル)オキシラン、(C
3-7-シクロアルキル)オキシラン、(ジ-C1-6-アルキル)オキシラン、(ジ-C
3-7-シクロアルキル)オキシラン、2-クロロエタノール、ジ-C
1-6-アルキルサルフェート、ジ-C
3-7-シクロアルキルサルフェート、ジ-C
1-6-アルキルホスホロクロリデート、ジ-C
3-7-シクロアルキルホスホロクロリデート、NH
3、(C
1-6-アルキル)NH
2、(C
3-7-シクロアルキル)NH
2、(C
1-6-アルキル)
2NH、(C
3-7-シクロアルキル)
2NH、(C
1-6-アルキル)
3N、(C
3-7-シクロアルキル)
3N、[(Y-C
1-6-アルキル) N(C
1-6-アルキル)
3]
+A
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンの群から選択される、少なくとも1つの官能化剤。
【0073】
前記C
1-6-アルキルラジカル及びC
3-7-シクロアルキルラジカルは、互いに独立して、未置換であってもよいし、又は、同じ又は異なるラジカルZによりモノ置換又は多置換されていてもよく、更なる置換基Zはシクロデキストリンモノマーの架橋にほとんど影響しないか全く影響しない。「ハロゲン化物」は好ましくは塩化物、臭化物又はヨウ化物を表わし、特に好ましくは塩化物又は臭化物を表わし、とりわけ好ましくは塩化物を表わす。ラジカルYは、-Cl、-Br、-I、-メシル、-トシル及びエポキシからなる脱離基を示し、特に好ましくは、-Cl、-Br、-メシル及び-トシルからなる群から選択され、とりわけ-Clが好ましい。置換基Zは互いに独立して、-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、-C(=O)OCH
2CH
3、-NH
2、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-N(CH
3)
3+A
-、-NH(CH
2CH
3)、-N(CH
2CH
3)
2及び-N(CH
2CH
3)
3+ A
-からなる群から選択されることが好ましく、-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3及び-C(=O)OCH
2CH
3からなる群から選択されることが特に好ましく、-OH、=O及び-C(=O)OHからなる群から選択されることがとりわけ好ましく、A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
【0074】
別の好適な実施形態は、ハイブリッドラジカルが、〜CH
2-CH
2-O〜、〜CH
2-CH(O〜)-CH
3、〜CH
2-CH(O〜)-CH
2-CH
3、〜CH(CH
3)-CH
2-O〜、〜CH(CH
2CH
3)-CH
2-O〜、〜CH
2-CH(O〜)-CH
2-O〜、〜CH(CH
2-O〜)-CH
2-O〜、〜CH
2-CH(O〜)-C(=O)O〜、〜CH[C(=O)O〜]-CH
2-O〜、〜CH[C(=O)O〜]-CH
2-O〜、〜CH[C(=O)O〜]-CH
2-O〜、〜CH
2-CH(O〜)-CH
2-O〜、〜CH(CH
2O〜)-CH
2O〜、〜CH
2-CH(O〜)-CH
2-CH
2O〜、〜CH(CH
2O〜)-CH
2-CH
2O〜、〜CH
2-CH(O〜)-CH(O〜)-CH
2O〜、-CH(CH
2O〜)-CH(CH
2O〜)-O〜、-CH
2-CH(O〜)-CH(CH
2O〜)-O〜、-CH(O〜)-CH
2-CH
2-CH
2O〜、-CH(CH
2O〜)-CH
2-CH
2O〜からなる群から選択される構成要素を少なくとも1つ含む。前記の記号「〜」は共有単結合を表わす。
別の好適な実施形態では、ハイブリッドラジカルが、〜CH
2-CH
2-O#、〜CH
2-CH(O#)-CH
3、〜CH
2-CH(O#)-CH
2-CH
3、〜CH(CH
3)-CH
2-O#、〜CH(CH
2CH
3)-CH
2-O#、〜CH
2-CH(O#)-CH
2-O#、〜CH(CH
2-O#)-CH
2-O#、〜CH
2-CH(O#)-C(=O)O#、〜CH[C(=O)O#]-CH
2-O#、〜CH[C(=O)O#]-CH
2-O#、〜CH[C(=O)O#]-CH
2-O#、〜CH
2-CH(O#)-CH
2-O#、〜CH(CH
2O#)-CH
2O#、〜CH
2-CH(O#)-CH
2-CH
2O#、〜CH(CH
2O#)-CH
2-CH
2O#、〜CH
2-CH(O#)-CH(O#)-CH
2O#、-CH(CH
2O#)-CH(CH
2O#)-O#、-CH
2-CH(O#)-CH(CH
2O#)-O#、-CH(O#)-CH
2-CH
2-CH
2O#、-CH(CH
2O#)-CH
2-CH
2O#からなる群から選択される構成要素を少なくとも1つ含む。前記の記号「〜」は、N-、O-又はS原子との共有単結合を表わす。記号「#」は、H原子又はC原子との共有結合を表わす。
【0075】
別の好適な実施形態では、ハイブリッドラジカルが、§O-CH
2-CH
2-O#、§O-CH
2-CH(O#)-CH
3、§O-CH
2-CH(O#)-CH
2-CH
3、§O-CH(CH
3)-CH
2-O#、§O-CH(CH
2CH
3)-CH
2-O#、§O-CH
2-CH(O#)-CH
2-O#、§O-CH(CH
2-O#)-CH
2-O#、§O-CH
2-CH(O#)-C(=O)O#、§O-CH[C(=O)O#]-CH
2-O#、§O-CH[C(=O)O#]-CH
2-O#、§O-CH[C(=O)O#]-CH
2-O#、§O-CH
2-CH(O#)-CH
2-O#、§O-CH(CH
2O#)-CH
2O#、§O-CH
2-CH(O#)-CH
2-CH
2O#、§O-CH(CH
2O#)-CH
2-CH
2O#、§O-CH
2-CH(O#)-CH(O#)-CH
2O#、§O-CH(CH
2O#)-CH(CH
2O#)-O#、§O-CH
2-CH(O#)-CH(CH
2O#)-O#、§O-CH(O#)-CH
2-CH
2-CH
2O#、§O-CH(CH
2O#)-CH
2-CH
2O#からなる群から選択される構成要素を少なくとも1つ含む。前記の記号「#」は、-H又は-CH
2を表わし、記号「§」は炭素原子との共有単結合を表わす。
別の好適な実施形態は、ハイブリッドラジカルが、§O-CH
2-CH
2-OH、§O-CH
2-CH(OH)-CH
3、§O-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
3、§O-CH(CH
3)-CH
2-OH、§O-CH(CH
2-CH
3)-CH
2-OH、§O-CH
2-CH(OH)-CH
2-OH、§O-CH(CH
2-OH)-CH
2-OH、§O-CH
2-CH(OH)-C(=O)OH、§O-CH
2-CH(OH)-C(=O)O-CH
3、§O-CH
2-CH(OH)-C(=O)O-CH
2-CH
3、§O-CH[C(=O)OH]-CH
2-OH、§O-CH[C(=O)O-CH
3]-CH
2-OH、§O-CH[C(=O)O-CH
2-CH
3]-CH
2-OH、§O-CH
2-CH(OH)-CH
2-OH、っ§O-CH(CH
2OH)-CH
2OH、§O-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2OH、§O-CH(CH
2OH)-CH
2-CH
2OH、§O-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
2OH、§O-CH(CH
2OH)-CH(CH
2OH)-OH、§O-CH
2-CH(OH)-CH(CH
2OH)-OH、§O-CH(OH)-CH
2-CH
2-CH
2OH及び§O-CH(CH
2-OH)-CH
2-CH
2OHからなる群から選択される構成要素を少なくとも1つ含む。記号「§」は炭素原子との共有単結合を表わす。
特に好適な実施形態は、本発明の共重合体が下記からなる群からの共重合体である。
【0076】
(グルコシル)-シクロデキストリン共重合体;(ガラクトシル)-シクロデキストリン共重合体;(マルトシル)-シクロデキストリン共重合体;(マルトリオシル)-シクロデキストリン共重合体;(アセチル)-シクロデキストリン共重合体;(プロピオニル)-シクロデキストリン共重合体;(イソブチリル)-シクロデキストリン共重合体;(ブチリル)-シクロデキストリン共重合体;(ピバロイル)-シクロデキストリン共重合体;(ペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(ヘキサノイル)-シクロデキストリン共重合体;(シクロプロパンカルボニル)-シクロデキストリン共重合体;(ベンゾイル)-シクロデキストリン共重合体;(2-フェニルアセチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-カルボキシアセチル)-シクロデキストリン共重合体;(3-カルボキシプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体;(4-カルボキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2-メトキシ-2-オキソアセチル)-シクロデキストリン共重合体;(3-メトキシ-3-オキソプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体;(4-メトキシ-4-オキソブタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ヒドロキシアセチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体;(3-ヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(3-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(4-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(3-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(4-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;
【0077】
(5-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3-ジヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2,4-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(3,4-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2,4-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2.5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(3,4-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(3,5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(4,5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3,4-トリヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3,4-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2,4,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(3,4,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3,4,5-テトラヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2-アミノアセチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-アミノプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体;(2-アミノブタノイル)-シクロデキストリン共重合体;[2-(1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]-シクロデキストリン共重合体;[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン共重合体;[2-(1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]-シクロデキストリン共重合体;[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン共重合体;[2-(ピリジン-3-イル)アセチル]-シクロデキストリン共重合体;[3-(ピリジン-3-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(ピリジン-3-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン共重合体;
【0078】
(メチル)-シクロデキストリン共重合体;(エチル)-シクロデキストリン共重合体;(イソプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(N-プロピル)-シクロデキストリン共重合体;(イソブチル)-シクロデキストリン共重合体;(N-ブチル)-シクロデキストリン共重合体;(sec-ブチル)-シクロデキストリン共重合体;(tert-ブチル)-シクロデキストリン共重合体;(シクロプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(フェニル)-シクロデキストリン共重合体;(ベンジル)-シクロデキストリン共重合体;(フェネチル)-シクロデキストリン共重合体;(カルボキシメチル)-シクロデキストリン共重合体;(1-カルボキシエチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-カルボキシエチル)-シクロデキストリン共重合体;(1-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(2-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(3-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(1-カルボキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体;(4-カルボキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(5-カルボキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(5-カルボキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-メトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリン共重合体;(3-メトキシ-2-オキソプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(4-メトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン共重合体;(5-メトキシ-5-オキソペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(6-メトキシ-6-オキソヘキシル)-シクロデキストリン共重合体;(2-エトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリン共重合体;(3-エトキシ-2-オキソプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(4-エトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン共重合体;(5-エトキシ-5-オキソペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(6-エトキシ-6-オキソヘキシル)-シクロデキストリン共重合体;(3-カルボキシ-2-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン共重合体;(4-エトキシ-2-ヒドロキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン共重合体;(1-カルボキシ-2-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン共重合体;(3-ヒドロキシ-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体;
【0079】
(1-エトキシ-3-ヒドロキシ-1-オキソプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体;(1-カルボキシ-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体;(1-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体;(4-エトキシ-1-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体;(ヒドロキシメチル)-シクロデキストリン共重合体;(1-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン共重合体;(1-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体;(1-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(3-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(4-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(1-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(3-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(4-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(5-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2-ジヒドロキシエチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(1,3-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,3-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(2,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(3,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,3-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(2,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;
【0080】
(2.5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(3,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(3,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(4,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2,3-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,3,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2,3-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2.5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,3,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,3,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(2,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(3,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2,3,4-テトラヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2,3,4-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2,4,5-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(2,3,4,5-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(1,2,3,4,5-ペンタヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体;[(スルホキシ)メチル]-シクロデキストリン共重合体;[2-(スルホキシ)エチル]-シクロデキストリン共重合体;[3-(スルホキシ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(スルホキシ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体;[(ホスホノオキシ)メチル]-シクロデキストリン共重合体;[2-(ホスホノオキシ)エチル]-シクロデキストリン共重合体;[3-(ホスホノオキシ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(ホスホノオキシ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(ホスホノオキシ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体;(スルホメチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-スルホエチル)-シクロデキストリン共重合体;
【0081】
(3-スルホプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(4-スルホブチル)-シクロデキストリン共重合体;(5-スルホペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(6-スルホヘキシル)-シクロデキストリン共重合体;(ホスホノメチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ホスホノエチル)-シクロデキストリン共重合体;(3-ホスホノプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(4-ホスホノブチル)-シクロデキストリン共重合体;(5-ホスホノペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(6-ホスホノヘキシル)-シクロデキストリン共重合体;(2-ホスホノビニル)-シクロデキストリン共重合体;(3-ホスホノアリル)-シクロデキストリン共重合体;(4-ホスホノブタ-3-エニル)-シクロデキストリン共重合体;(5-ホスホノペンタ-4-エニル)-シクロデキストリン共重合体;(6-ホスホノヘキサ-5-エニル)-シクロデキストリン共重合体;(アミノメチル)-シクロデキストリン共重合体;(2-アミノエチル)-シクロデキストリン共重合体;(3-アミノプロピル)-シクロデキストリン共重合体;(4-アミノブチル)-シクロデキストリン共重合体;(5-アミノペンチル)-シクロデキストリン共重合体;(6-アミノヘキシル)-シクロデキストリン共重合体;[(N,N-ジメチルアミノ)メチル]-シクロデキストリン共重合体;[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]-シクロデキストリン共重合体;[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(N,N-ジメチルアミノ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体;[5-(N,N-ジメチルアミノ)ペンチル]-シクロデキストリン共重合体;[6-(N,N-ジメチルアミノ)ヘキシル]-シクロデキストリン共重合体;[(N,N-ジエチルアミノ)メチル]-シクロデキストリン共重合体;[2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル]-シクロデキストリン共重合体;[3-(N,N-ジエチルアミノ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(N,N-ジエチルアミノ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体;[5-(N,N-ジエチルアミノ)ペンチル]-シクロデキストリン共重合体;
【0082】
[6-(N,N-ジエチルアミノ)ヘキシル]-シクロデキストリン共重合体;[(トリメチルアンモニオ)メチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[4-(トリメチルアンモニオ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[5-(トリメチルアンモニオ) ペンチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[6-(トリメチルアンモニオ)ヘキシル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[(トリエチルアンモニオ)メチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[2-(トリエチルアンモニオ)エチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[3-(トリエチルアンモニオ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[4-(トリエチルアンモニオ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[5-(トリエチルアンモニオ)ペンチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[6-(トリエチルアンモニオ)ヘキシル]-シクロデキストリン共重合体塩化物;[(1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-シクロデキストリン共重合体;[2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル]-シクロデキストリン共重合体;[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブチル]-シクロデキストリン共重合体;(ピリジン-3-イルメチル)-シクロデキストリン共重合体;[2-(ピリジン-3-イル)エチル]-シクロデキストリン共重合体;[3-(ピリジン-3-イル)プロピル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(ピリジン-3-イル)ブチル]-シクロデキストリン共重合体;
【0083】
[(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)メチル]-シクロデキストリン共重合体;[2-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)エチル]-シクロデキストリン共重合体;[3-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)プロピル]-シクロデキストリン共重合体;[4-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)ブチル]-シクロデキストリン共重合体;[5-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)ペンチル]-シクロデキストリン共重合体及び[6-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸) ヘキシル]-シクロデキストリン共重合体。上記において、「シクロデキストリン共重合体」という用語は、α-、β-、γ-、α/β-、α/γ-、β/γ-又はα/β/γ-シクロデキストリン共重合体を意味し、好ましくはα-、β-又はγ-シクロデキストリン共重合体を指し、より好ましくはβ-シクロデキストリン共重合体を指し、とりわけ、α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、α-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体、β-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体、γ-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体、α-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体、β-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体、γ-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体、α-シクロデキストリン-テトラメチレンジイソシアネート共重合体、β-シクロデキストリン-テトラメチレンジイソシアネート共重合体、γ-シクロデキストリン-テトラメチレンジイソシアネート共重合体、α-シクロデキストリン-ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体、β-シクロデキストリン-ヘキサメチレンジイソシアネート 共重合体又はγ-シクロデキストリン-ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体を指す。
【0084】
特に好適な実施形態では、本発明の共重合体は以下の群の共重合体である。
(アセチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-カルボキシアセチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(3-カルボキシプロパノイル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシアセチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(メチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(エチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(カルボキシメチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-カルボキシエチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-カルボキシエチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(ヒドロキシメチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-ヒドロキシエチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシエチル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-ヒドロキシプロピル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシプロピル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;[3-(スルホキシ)プロピル]-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;[4-(スルホキシ)ブチル]-α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(アセチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;
【0085】
(2-カルボキシアセチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(3-カルボキシプロパノイル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシアセチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(メチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(エチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(カルボキシメチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-カルボキシエチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-カルボキシエチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(ヒドロキシメチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-ヒドロキシエチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシエチル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;[3-(スルホキシ)プロピル]-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;[4-(スルホキシ)ブチル]-β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(アセチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-カルボキシアセチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;
【0086】
(3-カルボキシプロパノイル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシアセチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(メチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(エチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(カルボキシメチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-カルボキシエチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-カルボキシエチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(ヒドロキシメチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-ヒドロキシエチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシエチル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-ヒドロキシプロピル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシプロピル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体;[3-(スルホキシ)プロピル]-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体及び[4-(スルホキシ)ブチル]-γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体。
本発明の別の好ましい主題は、
(a)少なくとも1種の架橋剤と、又は
(b)少なくとも1種の架橋剤及び少なくとも1種の官能化剤と、
少なくとも1種のシクロデキストリン化合物を混合する工程を有する、泌尿生殖器系疾病の治療に使用するための方法に関する。
【0087】
好適な実施形態では、本発明の共重合体は、
(a)少なくとも1種の架橋剤と、又は
(b)少なくとも1種の架橋剤及び少なくとも1種の官能化剤と、
α-、β-又はγ-シクロデキストリン化合物の少なくとも1種を混合する工程を有する方法により得ることができる。
別の好適な実施形態において、本発明の共重合体は、
(a)架橋剤と、又は
(b)架橋剤及び官能化剤と、
未置換又はモノ置換もしくは多置換のα-、β-又はγ-シクロデキストリン化合物を混合する工程を有する方法により得ることができる。
前記「混合」工程は、溶媒又は溶媒混合物の存在下で行うことが好ましい。
シクロデキストリン化合物は、好ましくは一般構造式Iの化合物である。
【0089】
式中、
kは、6、7又は8を指し、
各ラジカルKは、
(a)水素を表わす、又は
(b)グリコシル、-C(=O)R
6もしくはR
7を表わし、
上記R
6及びR
7は互いに独立して、C
1-6-アルキル、C
3-7-シクロアルキル、フェニル又は5員〜7員ヘテロアリールを示す。
本発明の語義において、変数「k」は、シクロデキストリン化合物の環系におけるグルコシルユニットの数を定義し、α-シクロデキストリン化合物の場合は、k=6、β-シクロデキストリン化合物ではk=7、γ-シクロデキストリン化合物ではk=8である。
変数「k」は好ましくは6又は7を指し、特には7である。
好適な実施形態では、シクロデキストリン化合物の全置換度は0<TDS
b<(kx3)で、ここでTDS
bは、置換基(b)、即ち、グリコシル、-C(=O)R
6及びR
7についての一般構造式Iの化合物の全置換度を指す。
シクロデキストリン化合物が、求核性基(例えば、-OH、-SH又は第一、第二もしくは第三アミノ)を有するラジカルによりモノ置換又は多置換されている場合、全置換度は0<TDS
b<kx3の場合もあるし、求核性基はそれ自体が置換されていてもよいので、TDS
b≧kx3のこともある。
【0090】
一般構造式Iの化合物については、置換基(b)についての全置換度(TDS
b)は、a=6では、好ましくは0<TDS
b<1.0<TDS
b<2.0<TDS
b<3、又は0<TDS
b<4、より好ましくは、0<TDS
b<5.0<TDS
b<6.0<TDS
b<7、又は0<TDS
b<8、さらに好ましくは、0<TDS
b<9.0<TDS
b<10.0<TDS
b<11、又は0<TDS
b<12、最も好ましくは、0<TDS
b<13.0<TDS
b<14.0<TDS
b<15、又は0<TDS
b<16、とりわけ好ましくは、0<TDS
b<17又は0<TDS
b<18である。
一般構造式Iの化合物については、置換基(b)についての全置換度(TDS
b)は、a=7では、好ましくは0 <TDS
b<1.0<TDS
b<2.0<TDS
b<3.0<TDS
b<4、又は 0<TDS
b<5、より好ましくは、0<TDS
b<6.0<TDS
b<7.0<TDS
b<8.0<TDS
b<9 、又は0 <TDS
b<10、さらに好ましくは、0<TDS
b<11.0<TDS
b<12.0<TDS
b<13.0<TDS
b<14、又は0 <TDS
b<15、最も好ましくは、0<TDS
b<16.0<TDS
b<17.0<TDS
b<18、又は0<TDS
b<19、とりわけ好ましくは0<TDS
b<20又は0<TDS
b<21である。
一般構造式Iの化合物については、置換基(b)についての全置換度(TDS
b)は、a=8では、好ましくは0<TDS
b<1.0<TDS
b<2.0<TDS
b<3.0<TDS
b<4.0<TDS
b<5、又は0<TDS
b<6、より好ましくは0<TDS
b<7.0<TDS
b<8.0<TDS
b<9.0<TDS
b<10.0<TDS
b<11、又は0<TDS
b<12、さらに好ましくは0<TDS
b<13.0<TDS
b<14.0<TDS
b<15.0<TDS
b<16.0<TDS
b<17、又は0<TDS
b<18、最も好ましくは、0<TDS
b<19.0<TDS
b<20.0<TDS
b<21、又は0<TDS
b<22、とりわけ好ましくは0<TDS
b<23又は0<TDS
b<24である。
【0091】
「全置換度」又は「TDS」という用語は本発明の語義において、置換基の平均個数であって、置換基は同じであっても異なっていてもよく、置換シクロデキストリン化合物に含まれるもので、水素は置換基として包含されない(J. Blanchard, S. Proniuk; Some Important Considerations in the Use of Cyclodextrins; Pharm. Res. 1999, 16(12), 1796-1798参照のこと)。
例えば、メチル化β-シクロデキストリンのTDSは、>0から≦21の値と考えられるが、TDSが21であれば、β-シクロデキストリンのすべてのヒドロキシル基がメチル化されていることを意味する。TDS値が>0 から<1であれば、β-シクロデキストリン分子のいくつかはメチル置換基を有していないことを意味する。また、TDS値が8.3であれば、例えば、β-シクロデキストリン分子のそれぞれが平均で8.3個のメチル置換基を有することを意味する。置換基に求核性ラジカルを有するシクロデキストリンの場合(例えば、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン化合物のヒドロキシプロピル置換基における求核性OH基等)も、TDS値が>21のことがあるが、これは、ヒドロキシプロピル置換基の求核性基自体が置換されてもよいからである。このような場合は、TDS値がシクロデキストリン環の可能な置換場所の最大数よりも多くなる。
【0092】
好適な実施形態は、グリコシルが、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、ソルビトール、グルシトール、キシリトール、トレイトール、エリスリトール、アラビトール、グリセルアルデヒド、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、グルコサミン、フコサミン、N-アセチルマンノサミン、ハマメロース、アピオース、グルコン酸、ガラクツロン酸、エリトラル酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、アベクォース、アピオース、クラジノース、デオキシリボース、デオキシグルコース、ジギタロース、ジギトキソース、フコース、フコサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコサミニトール、グリセロール、グリセロン、マンノサミン、マンノ糖酸、ノイラミン酸、ラムノース、ムチン酸、サドヘプツロース、ストレプトース、トレハロサミン、トレハロース、酒石酸及びグルカル酸からなる群から選択される単糖である。特にグルコースが好適である。
また、グリコシルは二糖、三糖、オリゴ糖又は多糖であってもよく、好ましくは上記に挙げた単糖の同じモノマー又は異なるモノマーを含むとよい。
【0093】
好適な実施形態は、グリコシルが、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、ソルビトール、グルシトール、キシリトール、トレイトール、エリスリトール、アラビトール、グリセルアルデヒド、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、ジヒドロキシアセトン、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、グルコサミン、フコサミン、N-アセチルマンノサミン、ハマメロース、アピオース、グルコン酸、ガラクツロン酸、エリトラル酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、アベクォース、アピオース、クラジノース、デオキシリボース、デオキシグルコース、ジギタロース、ジギトキソース、フコース、フコサミン、ガラクトサミン、グルコサミン、グルコサミニトール、グリセロール、グリセロン、マンノサミン、マンノ糖酸、ノイラミン酸、ラムノース、ムチン酸、セドヘプツロース、ストレプトース、トレハロサミン、トレハロース、酒石酸、グルカル酸、マルトース及びマルトトリオースからなる群から選択される。グリコシルは、グルコース、ガラクトース、マルトース及びマルトトリオースからなる群から選択されることがとりわけ好ましい。
【0094】
ラジカルR
6及びR
7について、C
1-6-アルキルは、好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、N-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、N-ヘキシル、ネオヘキシル、3-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、イソブテニル、N-ブテニル、シス-2-ブテニル、トランス-2-ブテニル、1,2-ブタジエニル、1,3-ブタジエニル、ペンタ-1-エニル、シス-ペンタ-2-エニル、トランス-ペンタ-2-エニル、2-メチルブタ-1-エニル、2-メチルブタ-2-エニル、3-メチルブタ-1-エニル、ヘキサ-1-エニル、ヘキサ-2-エニル及びヘキサ-3-エニルからなる群から選択される。C
1-6-アルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、N-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、N-ヘキシル、ネオヘキシル、3-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、エテニル、エチニル及びプロパ-1-エニルからなる群から選択されることが特に好ましい。前記C
1-6-アルキルラジカルは未置換であっても、又はラジカルR
8によってモノ置換もしくは多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよい。
【0095】
ラジカルR
6及びR
7について、C
3-7-シクロアルキルは、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリノニル、ピラニル、インドリニル、キノリジニル、クロマニル、イソクロマニル、クロメニル、イソクロメニル及びベンゾジオキソラニルからなる群から選択される。C
3-7-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリノニル及びピラニルからなる群から選択されることが特に好ましい。更に、C
3-7-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びキヌクリジニルからなる群から選択されることが特に好ましい。更に、C
3-7-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピペラジニル及びモルホリニルからなる群から選択されることが特に好ましい。上記C
3-7-シクロアルキルラジカルは未置換であっても、又はラジカルR
8によってモノ置換もしくは多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよい。また、C
3-7-シクロアルキルラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-を介してシクロデキストリン化合物に結合されていてもよい。
【0096】
ラジカルR
6及びR
7について、フェニルラジカルは未置換であっても、又はラジカルR
8によってモノ置換もしくは多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよい。また、フェニルラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-を介してシクロデキストリンモノマーに結合されていてもよい。
ラジカルR
6及びR
7について、5員〜7員ヘテロアリールは、好ましくは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル及びベンゾチアジアゾリルからなる群から選択される。好適な実施形態では、5員〜7員ヘテロアリールは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、インドリル、キノリニル、プリニル、プテリジニル及びベンゾフリルからなる群から選択される。特に好適な実施形態においては、5員〜7員ヘテロアリールが、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びピリジルからなる群から選択される。前記5員〜7員ヘテロアリールラジカルは未置換であっても、又はラジカルR
8によってモノ置換もしくは多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよい。また、5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは、-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-を介してシクロデキストリン化合物に結合されていてもよい。
【0097】
好適な実施形態では、各ラジカルKが水素を表わすか、又は、グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、-C(=O)-C
1-6-アルキル、-C(=O)-C
3-7-シクロアルキル、-C(=O)-フェニル、-C(=O)-(5員〜7員ヘテロアリール)、-C
1-6-アルキル、-C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールからなる群から選択されるラジカルのいずれかである。上記に置いて、C
1-6-アルキル、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールは未置換であっても、又は同じか異なるラジカルR
8によってモノ置換もしくは多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよい。また、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-を介してシクロデキストリン化合物に結合されていてもよい。
別の好適な実施形態においては、各ラジカルKが水素を表わすか、又は、グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、-C(=O)-メチル、-C(=O)-エチル、-C(=O)-イソプロピル、-C(=O)-N-プロピル、-C(=O)-イソブチル、-C(=O)-N-ブチル、-C(=O)-sec-ブチル、-C(=O)-tert-ブチル、-C(=O)-N-ペンチル、-C(=O)-イソペンチル、-C(=O)-ネオペンチル、-C(=O)-イソヘキシル、-C(=O)-N-ヘキシル、ネオヘキシル、-C(=O)-3-メチルペンチル、-C(=O)-2,3-ジメチルブチル、-C(=O)-エテニル、-C(=O)-エチニル、-C(=O)-プロパ-1-エニル、-C(=O)-C
3-7-シクロアルキル、-C(=O)-シクロプロピル、-C(=O)-シクロブチル、-C(=O)-シクロペンチル、-C(=O)-シクロヘキシル、-C(=O)-ピペリジニル、-C(=O)-ピペラジニル、-C(=O)-モルホリニル、-C(=O)-フェニル、-C(=O)-イミダゾリル、-C(=O)-チエニル、-C(=O)-フリル、-C(=O)-オキサゾリル、-C(=O)-イソオキサゾリル、-C(=O)-チアゾリル、-C(=O)-イソチアゾリル、-C(=O)-ピリジル、メチル、
【0098】
エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、N-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、N-ヘキシル、ネオヘキシル、3-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、フェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びピリジルからなる群から選択されるラジカルのいずれかを表わす。ここでは、ラジカルは未置換であっても、又はラジカルR
8によってモノ置換もしくは多置換(例えば2、3、4又は5回)されていてもよい。また、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-を介してシクロデキストリン化合物に結合されていてもよい。
R
8は、好ましくは下記の群から選択される。-C(=O)H、-C(=O)W、-C(=O)OH、-C(=O)OW、-C(=O)NH
2、-C(=O)NHW、-C(=O)NW
2、-C(=O)NHC(=O)W、-C(=O)NWC(=O)W、-OH、-OW、-OV、-OC(=O)H、-OC(=O)W、-OC(=O)OH、-OC(=O)OW、-OC(=O)NH
2、-OC(=O)NHW、-OC(=O)NW
2、-O-N=O、-OS(=O)H、-OS(=O)W、-OS(=O)OH、-OS(=O)OW、-OS(=O)
2H、-OS(=O)
2W、-OS(=O)
2OH、-OS(=O)
2OW、-OS(=O)NH
2、-OS(=O)NHW、-OS(=O)NW
2、-OS(=O)
2NH
2、
-OS(=O)
2NHW、-OS(=O)
2NW
2、-OP(=O)(W)
2、-OP(=O)(OH)(W)、-OP(=O)(OW)(W)、-OP(=O) (OH)
2、-OP(=O)(OW)(OH)、-OP(=O)(OW)
2、-O-P(=NH)(W)
2、-OP(=NW)(W)
2、-OP(=O)(NH
2)
2、-OP(=O)(NW)(NH
2)、-OP(=S)(W)
2、-OP(=S)(OH)(W)、-OP(=S) (OW)(W)、-OP(=S)(OH)
2、-OP(=S)(OW)(OH)、-OP(=S)(OW)
2、-SH、-SW、-SV、-S(=O)H、-S(=O)W、-S(=O)OH、-S(=O)OW、-S(=O)
2H、-S(=O)
2W、-S(=O)
2OH、-S(=O)
2OW、-S(=O)NH
2、-S(=O)NHW、-S(=O)NW
2、 -S(=O)
2NH
2、-S(=O)
2NHW、-S(=O)
2NW
2、-NH
2、-NHW、-NHV、-NW
2、-NV
2、-N(W)
3+A
-、-NHC(=O)H、-NHC(=O)W、-N[C(=O)W]
2、-NWC(=O)W、-NHC(=O)NH
2、
【0099】
-NHC(=O)NHW、-NWC(=O)NHW、-NWC(=O)NW
2、-NWC(=O)NW
2、-NHC(=O)OH、-NHC(=O)OW、-NWC(=O)OW、-NHS(=O)H、-NHS(=O)W、-NWS(=O)H、-NWS(=O)W、-NHS(=O)OH、-NHS(=O)OW、-NWS(=O)OH、-NWS(=O)OW、-NHS(=O)
2H、-NHS(=O)
2W、-NWS(=O)
2H、-NWS(=O)
2W、-NHS(=O)
2OH、-NHS(=O)
2OW、-NWS(=O)
2OH、-NWS(=O)
2OW、-NHS(=O)NH
2、-NWS(=O)NHW、-NHS(=O)NW
2、-NWS(=O)NH
2、-NWS(=O)NW
2、-NHS(=O)
2NH
2、-NHS(=O)
2NHW、-NHS(=O)
2NW
2、-NWS(=O)
2NH
2、-NWS(=O)
2NHW、-NWS(=O)
2NW
2、=N-OH、=N-NH
2、-N=N-W、-PH
2、-PHW、-PW
2、-P(=O)W
2、-P(=O)(OH)(W)、-P(=O)(OW)(W)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OW)(OH)、-P(=O)(OW)
2、-P(=NH)(W)
2、-P(=NW)(W)
2、-P(=O)(NH
2)
2、-P(=O)(NW
2)
2、-P(=S)(W)
2、-P(=S) (OH)(W)、-P(=S)(OW)W、-P(=S)(OH)
2、-P(=S)(OW)(OH)、-P(=S)(OW)
2、=NH、=NW、=O、=S、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-W-ピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリノニル、インドリニル、イソインドリニル、キノリジニル、ベンゾジオキソラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル及びベンゾチアジアゾリルであって、上記におけるラジカルWは好ましくは、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、ビニル又はエチニルを表わし、ラジカルVはハイブリッドラジカルを表わし、A
-は、有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
【0100】
別の好適な実施形態は、R
8が以下からなる群から選択される。-C(=O)H、-C(=O)W、-C(=O)OH、-C(=O)OW、-C(=O)NH
2、-C(=O)NHW、-C(=O)NW
2、-C(=O)NHC(=O)W、-C(=O)NWC(=O)W、-OH、-OW、-OV、-OC(=O)H、-OC(=O)W、-OC(=O)OH、-OC(=O)OW、-OC(=O)NH
2、-OC(=O)NHW、-OC(=O)NW
2、-OS(=O)H、-OS(=O)W、-OS(=O)OH、-OS(=O)OW、-OS(=O)
2H、-OS(=O)
2W、-OS(=O)
2OH、-OS(=O)
2OW、-OS(=O)NH
2、-OS(=O)NHW、-OS(=O)NW
2、-OS(=O)
2NH
2、-OS(=O)
2NHW、-OS(=O)
2NW
2、-OP(=O)(OH)(W)、-OP(=O)(OH)
2、-OP(=O)(OW)(OH)、-OP(=O)(OW)
2、-SH、-SV、-S(=O)H、-S(=O)W、-S(=O)OH、-S(=O)OW、-S(=O)
2H、-S(=O)
2W、-S(=O)
2OH、-S(=O)
2OW、-S(=O)NH
2、-S(=O)NHW、-S(=O)NW
2、-S(=O)
2NH
2、-S(=O)
2NHW、-S(=O)
2NW
2、-NH
2、-NHW、-NHV、-NW
2、-NV
2、-N(W)
3+A
-、-NHC(=O)H、-NHC(=O)W、-N[C(=O)W]
2、-NWC(=O)W、-NHC(=O)NH
2、-NHC(=O)NHW、-NWC(=O)NW
2、-NWC(=O)NHW、-NWC(=O)NW
2、-NHC(=O)OH、-NHC(=O)OW、-NWC(=O)OW、-NHS(=O)H、-NWS(=O)H、-NHS(=O)OH、-NWS(=O)OH、-NHS(=O)
2OH、-NWS(=O)
2OH、=N-OH、=N-NH
2、-PH
2、-P(=O)W
2、-P(=O)(OH)(W)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OW)(OH)、-P(=O)(OW)
2、=NH、=NW、=O、=S、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-W-ピペラジニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリノニル、イミダゾリルであって、上記におけるラジカルWは好ましくは、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル又はエチニルを表わし、ラジカルVはハイブリッドラジカルを表わし、A
-は、有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
【0101】
別の好適な実施形態においては、R
8がイオン状態、イオン化可能なヒドロキシル又はポリオールラジカルを表わす。この場合のR
8は、好ましくは、-C(=O)OH、-OH、-OV、-OC(=O)OH、-OC(=O)NH
2、-OS(=O)OH、-OS(=O)
2OH、-OP(=O)(OH)(W)、-OP(=O)(OH)
2、-OP(=O)(OW)(OH)、-OP(=O)(OW)
2、-SH、-SV、-S(=O)OH、-S(=O)
2OH、-NH
2、-NHW、-NHV、-NW
2、-NV
2、-N(W)
3+A
-、-NHC(=O)OH、-NWC(=O)OH、-NHS(=O)OH、-NWS(=O)OH、-NHS(=O)
2OH、-NWS(=O)
2OH、=N-OH、=N-NH
2、-P(=O)(OH)(W)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OW)(OH)、-P(=O)(OW)
2、=NH、=NW、ピペリジニル、モルホリニル及びイミダゾリルからなる群kなら選択され、ラジカルWは、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル及びエチニルからなる群から選択され、ラジカルVはハイブリッドラジカルを表わし、A
-は、有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
別の好適な実施形態において、R
8は、イオン状態、イオン化可能なヒドロキシル又はポリオールラジカルを表わす。この場合のR
8は、好ましくは、-C(=O)OH、-OH、-OV、-OS(=O)
2OH、-OP(=O)(OH)
2、-SH、-SV、-S(=O)
2OH、-NH
2、-NHW、-NHV、-NW
2、-NV
2、-N(W)
3+A
-、-NHC(=O)OH、-NWC(=O)OH、-P(=O)(OH)(W)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OW)(OH)からなる群から選択され、ラジカルWは、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル及びエチニルからなる群から選択され、ラジカルVはハイブリッドラジカルを表わし、A
-は、有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
【0102】
本発明では、「イオン状態のラジカル」とは不変の陽イオン又は陰イオン、好ましくは陽イオン電荷を有する置換基を指すものと解釈される(例えば、第四アンモニウム;--N(CH
3)
3+、前記の記号「--」は炭素原子に対する共有単結合を表わす)。
本発明の語義において、「イオン化可能なラジカル」という用語は、プロトンを放出して陰イオン電荷を有する置換基(例えば、カルボキシルからカルボキシレートへ)、又はプロトンを受け取り陽イオン電荷を有する置換基(例えば、第一、第二、第三アミンから第一、第二、第三アンモニウムへ)を包含する。
本発明では、「ポリオール」という用語は、アルキルの同一又は異なる炭素原子上に、少なくとも2個(例えば、2個、3個、4個又は5個)のヒドロキシルラジカルを有するC
1-6-アルキル置換基を含む(例えば、CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2-OH)。
別の好適な実施形態においては、ラジカルR
6とR
7は互いに独立して、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、フェネチル、-CH
2-C(=O)-OH、-(CH
2)
2-C(=O)-OH、-(CH
2)
3-C(=O)-OH、-(CH
2)
4-C(=O)-OH、-(CH
2)
5-C(=O)-OH、-(CH
2)
6-C(=O)-OH、-CH
2-CH(OH)-C(=O)OH、-CH
2-CH(OH)-C(=O)O-CH
3、-CH
2-CH(OH)-C(=O)O-CH
2-CH
3、-CH(CH
2OH)-C(=O)OH、-CH(CH
2OH)-C(=O)O-CH
3、-CH(CH
2-OH)-C(=O)O-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-OH、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-OCH
2-CH
3、-CH(CH
2-OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
3、-CH(CH
2-OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、-CH
2-OH、-CH(OH)-CH
3、
【0103】
-(CH
2)
2-OH、-CH(OH)-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
3-OH、-CH(CH
3)-CH
2-OH、-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
3、-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
4-OH、-(CH
2)
5-OH、-(CH
2)
6-OH、-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
3、-CH(OH)-CH
2CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH
2-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
2-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
3-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
4-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
5-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
6-O-S(=O)
2OH、-CH
2-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
2-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
3-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
4-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
5-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
6-O-P(=O)(OH)
2、-CH
2-SH、-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
2-SH、-CH(SH)-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
3-SH、-CH(SH)-(CH
2)
2-CH
3、-CH
2-CH(SH)-CH
2-CH
3、-(CH
2)
2-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
4-SH、-(CH
2)
5-SH、-(CH
2)
6-SH、-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH(SH)-CH
3、-CH(SH)-CH
2-CH
2(SH)、-CH
2-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH(SH)-CH
2-CH
3、-CH(SH)-CH
2CH(SH)-CH
3、-CH(SH)-(CH
2)
2-CH
2(SH)、-CH
2-CH(SH)-CH(SH)-CH
3、-CH
2-CH(SH)-CH
2-CH
2(SH)、-(CH
2)
2-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH(SH)-C(SH)-CH
3、-CH(SH)-CH(SH)-CH
2-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH
2-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH
2-CH(SH)-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH(SH)-CH(SH)-CH(SH)-CH
2(SH)、-CH
2-S(=O)
2OH、-(CH
2)
2-S(=O)
2OH、-(CH
2)
3-S(=O)
2OH、-(CH
2)
4-S(=O)
2OH、-(CH
2)
5-S(=O)
2OH、-(CH
2)
6-S(=O)
2OH、-CH
2-NH
2、-(CH
2)
2-NH
2、-(CH
2)
3-NH
2、-(CH
2)
4-NH
2、-(CH
2)
5-NH
2、-(CH
2)
6-NH
2、-CH
2-NH(CH
3)、-(CH
2)
2-NH(CH
3)、-(CH
2)
3-NH(CH
3)、
【0104】
-(CH
2)
4-NH(CH
3)、-(CH
2)
5-NH(CH
3)、-(CH
2)
6-NH(CH
3)、-CH
2-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
2-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
3-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
4-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
5-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
6-NH(CH
2CH
3)、-CH
2-N(CH
3)
2、-(CH
2)
2-N(CH
3)
2、-(CH
2)
3-N(CH
3)
2、-(CH
2)
4-N(CH
3)
2、-(CH
2)
5-N(CH
3)
2、-(CH
2)
6-N(CH
3)
2、-CH
2-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
2-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
3-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
4-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
5-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
6-N(CH
2CH
3)
2、-CH
2-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
2-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
3-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
4-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
5-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
6-N(CH
3)
3+A
-、-CH
2-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
2-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
3-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
4-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
5-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
6-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-CH
2-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
2-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
3-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
4-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
5-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
6-P(=O)(OH)
2、-CH
2-ピロリル、-(CH
2)
2-ピロリル、-(CH
2)
3-ピロリル、-(CH
2)
4-ピロリル、-CH
2-ピラゾリル、-(CH
2)
2-ピラゾリル、-(CH
2)
3-ピラゾリル、-(CH
2)
4-ピラゾリル、-CH
2-イミダゾリル、-(CH
2)
2-イミダゾリル、-(CH
2)
3-イミダゾリル、-(CH
2)
4-イミダゾリル、-CH
2-オキサゾリル、-(CH
2)
2-オキサゾリル、-(CH
2)
3-オキサゾリル、-(CH
2)
4-オキサゾリル、-CH
2-イソオキサゾリル、-(CH
2)
2-イソオキサゾリル、-(CH
2)
3-イソオキサゾリル、-(CH
2)
4-イソオキサゾリル、-CH
2-イソチアゾリル、-(CH
2)
2-イソチアゾリル、-(CH
2)
3-イソチアゾリル、-(CH
2)
4-イソチアゾリル、-CH
2-ピリジル、-(CH
2)
2-ピリジル、-(CH
2)
3-ピリジル及び-(CH
2)
4-ピリジルからなる群から選択され、A
-は、有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択され、ラジカルは任意であるが更にハイブリッドラジカルで置換されていてもよい。
【0105】
別の好適な実施形態は、各ラジカルKが水素を表わすか、或いは、グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、-C(=O)-C
1-6-アルキル、-C(=O)-C
3-7-シクロアルキル、-C(=O)-フェニル、-C(=O)-(5員〜7員ヘテロアリール)、-C
1-6-アルキル、-C
3-7-シクロアルキル、-フェニル及び-(5員〜7員ヘテロアリール)からなる群から選択されるラジカルのどちらかを表わし、前記C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-を介してシクロデキストリンモノマーに結合していてもよく、前記C
1-6-アルキル、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールは未置換又は、同一又は異なるラジカルR
8でモノ置換もしくは多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよく、R
8は、-C(=O)OH、-OH、-OV、-OC(=O)OH、-OC(=O)NH
2、-OS(=O)OH、-OS(=O)
2OH、-OP(=O)(OH)(W)、-OP(=O)(OH)
2、-OP(=O)(OW)(OH)、-OP(=O)(OW)
2、-SH、-SV、-S(=O)OH、-S(=O)
2OH、-NH
2、-NHW、-NHV、-NW
2、-NV
2、-N(W)
3+A
-、-NHC(=O)OH、-NWC(=O)OH、-NHS(=O)OH、-NWS(=O)OH、-NHS(=O)
2OH、-NWS(=O)
2OH、=N-OH、=N-NH
2、-P(=O)(OH)(W)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OW)(OH)、-P(=O)(OW)
2、=NH、=NW、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-W-ピペラジニル、モルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリノニル 及びイミダゾリルからなる群から選択され、ラジカルWはメチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル及びエチニルからなる群から選択され、ラジカルVはハイブリッドラジカルを表わし、A
-は、有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
【0106】
別の好適な実施形態は、各ラジカルKが水素を表わすか、或いは、グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、-C(=O)-メチル、-C(=O)-エチル、-C(=O)-イソプロピル、-C(=O)-N-プロピル、-C(=O)-イソブチル、-C(=O)-N-ブチル、-C(=O)-sec-ブチル、-C(=O)-tert-ブチル、-C(=O)-N-ペンチル、-C(=O)-イソペンチル、-C(=O)-ネオペンチル、-C(=O)-イソヘキシル、-C(=O)-N-ヘキシル、-C(=O)-ネオヘキシル、-C(=O)-(3-メチルペンチル)、-C(=O)-(2,3-ジメチルブチル)、-C(=O)-エテニル、-C(=O)-エチニル、-C(=O)-プロパ-1-エニル、-C(=O)-シクロプロピル、-C(=O)-シクロブチル、-C(=O)-シクロペンチル、-C(=O)-シクロヘキシル、-C(=O)-ピペリジニル、-C(=O)-ピペラジニル、-C(=O)-モルホリニル、-C(=O)-フェニル、-C(=O)-イミダゾリル、-C(=O)-チエニル、-C(=O)-フリル、-C(=O)-オキサゾリル、-C(=O)-イソオキサゾリル、-C(=O)-チアゾリル、-C(=O)-イソチアゾリル、-C(=O)-ピリジル、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、N-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、N-ヘキシル、ネオヘキシル、3-メチル-ペンチル、2,3-ジメチルブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、シクロプロピル、シクロブチル、
【0107】
シクロペンチル、シクロヘキシル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、フェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、フリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル及びピリジルからなる群から選択されるラジカルのどちらかを表わし、前記C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールラジカルは、C
1-4-アルキレンブリッジ、好ましくは-CH
2-、-CH
2-CH
2-、-CH
2-CH
2-CH
2-又は-CH
2-CH
2-CH
2-CH
2-を介して対応のシクロデキストリンモノマーに結合していてもよく、前記C
1-6-アルキル、C
3-7-シクロアルキル、フェニル及び5員〜7員ヘテロアリールラジカルは未置換又はラジカルR
8でモノ置換もしくは多置換(例えば、2、3、4又は5回)されていてもよく、R
8は好ましくは、-C(=O)OH、-OH、-OV、-OS(=O)
2OH、-OP(=O)(OH)
2、-SH、-SV、-S(=O)
2OH、-NH
2、-NHW、-NHV、-NW
2、-NV
2、-N(W)
3+A
-、-NHC(=O)OH、-NWC (=O)OH、-P(=O)(OH)(W)、-P(=O)(OH)
2、-P(=O)(OW)(OH)、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びイミダゾリルからなる群から選択され、上記ラジカルWは、メチル、エチル、N-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、アリル、ビニル及びエチニルからなる群から選択され、ラジカルVはハイブリッドラジカルを表わし、A
-は、有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
【0108】
別の好適な実施形態は、各ラジカルKが水素を表わすか、或いは、グルコース、ガラクトース、マルトース、マルトトリオース、-C(=O)-メチル、-C(=O)-エチル、-C(=O)-イソプロピル、-C(=O)-N-プロピル、-C(=O)-イソブチル、-C(=O)-N-ブチル、-C(=O)-sec-ブチル、-C(=O)-tert-ブチル、-C(=O)-エテニル、-C(=O)-エチニル、-C(=O)-プロパ-1-エニル、-C(=O)-シクロプロピル、-C(=O)-シクロブチル、-C(=O)-シクロペンチル、-C(=O)-シクロヘキシル、-C(=O)-フェニル、-C(=O)-ベンジル、-C(=O)-フェネチル、-C(=O)-CH
2-C(=O)-OH、-C(=O)-(CH
2)
2-C(=O)-OH、-C(=O)-(CH
2)
3-C(=O)-OH、-C(=O)-(CH
2)
4-C(=O)-OH、-C(=O)-(CH
2)
5-C(=O)-OH、-C(=O)-(CH
2)
6-C(=O)-OH、-C(=O)-CH
2-OH、-C(=O)-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-(CH
2)
2-OH、-C(=O)-CH(OH)-CH
2-CH
3、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-(CH
2)
3-OH、-C(=O)-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
3、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
3、-C(=O)-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-(CH
2)
4-OH、-C(=O)-(CH
2)
5-OH、-C(=O)-(CH
2)
6-OH、-C(=O)-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
3、-C(=O)-CH(OH)-CH
2-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
2(OH)、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-C(=O)-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-C(=O)-CH
2-NH
2、-C(=O)-(CH
2)
2-NH
2、-C(=O)-(CH
2)
3-NH
2、-C(=O)-(CH
2)
4-NH
2、-C(=O)-(CH
2)
5-NH
2、-C(=O)-(CH
2)
6-NH
2、-C(=O)-CH
2-NH(CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
2-NH(CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
3-NH(CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
4-NH(CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
5-NH(CH
3)、
【0109】
-C(=O)-(CH
2)
6-NH(CH
3)、-C(=O)-CH
2-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
2-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
3-NH(CH
2-CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
4-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
5-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-(CH
2)
6-NH(CH
2CH
3)、-C(=O)-CH
2-N(CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
2-N(CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
3-N(CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
4-N(CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
5-N(CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
6-N(CH
3)
2、-C(=O)-CH
2-N(CH
2CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
2-N(CH
2-CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
3-N(CH
2CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
4-N(CH
2CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
5-N(CH
2CH
3)
2、-C(=O)-(CH
2)
6-N(CH
2CH
3)
2、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、フェネチル、-CH
2-C(=O)-OH、-(CH
2)
2-C(=O)-OH、-(CH
2)
3-C(=O)-OH、-(CH
2)
4-C(=O)-OH、-(CH
2)
5-C(=O)-OH、-(CH
2)
6-C(=O)-OH、-CH
2-CH(OH)-C(=O)OH、-CH
2-CH(OH)-C(=O)O-CH
3、-CH
2-CH(OH)-C(=O)O-CH
2-CH
3、-CH(CH
2OH)-C(=O)OH、-CH(CH
2OH)-C(=O)O-CH
3、-CH(CH
2-OH)-C(=O)O-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-OH、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-C(=O)-OCH
2-CH
3、-CH(CH
2-OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
3、-CH(CH
2-OH)-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、-CH
2-OH、-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
2-OH、-CH(OH)-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
3-OH、-CH(CH
3)-CH
2-OH、-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
3、-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
3、-(CH
2)
4-OH、-(CH
2)
5-OH、-(CH
2)
6-OH、-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
3、-CH(OH)-CH
2-CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-(CH
2)
2-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH
2-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-(CH
2)
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
3、-CH(OH)-CH(OH)-CH
2-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH
2-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH
2-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH(OH)-CH(OH)-CH(OH)-CH
2(OH)、-CH
2-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
2-O-S(=O)
2OH、
【0110】
-(CH
2)
3-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
4-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
5-O-S(=O)
2OH、-(CH
2)
6-O-S(=O)
2OH、-CH
2-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
2-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
3-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
4-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
5-O-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
6-O-P(=O)(OH)
2、-CH
2-SH、-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
2-SH、-CH(SH)-CH
2-CH
3、-CH
2-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
3-SH、-CH(SH)-(CH
2)
2-CH
3、-CH
2-CH(SH)-CH
2-CH
3、-(CH
2)
2-CH(SH)-CH
3、-(CH
2)
4-SH、-(CH
2)
5-SH、-(CH
2)
6-SH、-CH
2-S(=O)
2OH、-(CH
2)
2-S(=O)
2OH、-(CH
2)
3-S(=O)
2OH、-(CH
2)
4-S(=O)
2OH、-(CH
2)
5-S(=O)
2OH、-(CH
2)
6-S(=O)
2OH、-CH
2-NH
2、-(CH
2)
2-NH
2、-(CH
2)
3-NH
2、-(CH
2)
4-NH
2、-(CH
2)
5-NH
2、-(CH
2)
6-NH
2、-CH
2-NH(CH
3)、-(CH
2)
2-NH(CH
3)、-(CH
2)
3-NH(CH
3)、-(CH
2)
4-NH(CH
3)、-(CH
2)
5-NH(CH
3)、-(CH
2)
6-NH(CH
3)、-CH
2-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
2-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
3-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
4-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
5-NH(CH
2CH
3)、-(CH
2)
6-NH(CH
2CH
3)、-CH
2-N(CH
3)
2、-(CH
2)
2-N(CH
3)
2、-(CH
2)
3-N(CH
3)
2、-(CH
2)
4-N(CH
3)
2、-(CH
2)
5-N(CH
3)
2、-(CH
2)
6-N(CH
3)
2、-CH
2-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
2-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
3-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
4-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
5-N(CH
2CH
3)
2、-(CH
2)
6-N(CH
2CH
3)
2、-CH
2-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
2-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
3-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
4-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
5-N(CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
6-N(CH
3)
3+A
-、-CH
2-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
2-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
3-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
4-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
5-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-(CH
2)
6-N(CH
2CH
3)
3+A
-、-CH
2-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
2-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
3-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
4-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
5-P(=O)(OH)
2、-(CH
2)
6-P(=O)(OH)
2からなる群から選択されるラジカルのどちらかを表わし、前記A
-は、有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択され、ラジカルは任意であるが更にハイブリッドラジカルで置換されていてもよい。
【0111】
本発明の語義において「架橋剤」という用語は、2個以上(例えば、3、4、5又は6個)の反応性基を含む化合物で、この反応性基は同じであっても異なっていてもよく、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl又はエポキシ等が挙げられ、ゆえにシクロデキストリン化合物の架橋に適している。架橋剤の反応性基は、以下「脱離基」とも呼ばれる。
架橋剤としては二官能性又は多官能性の架橋剤の架橋剤が好ましく、ホモ二官能性、ホモ多官能性、ヘテロ二官能性又はヘテロ多官能性の架橋剤がより好ましく、とりわけホモ又はヘテロ二官能性の架橋剤が好ましい。
本発明では、「二官能性の架橋剤」という用語は、同じであっても異なっていてもよい2つの脱離基(例えば、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl、エポキシ等)を含む化合物を指す。脱離基の-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O及びエポキシは特に有利である。なかでも-Cl、-Br、-I、-N=C=O及びエポキシは好適である。
本発明では、「脱離基」という用語は、例えば、-Cl、-Br、-I、-トシル又は-メシル等、架橋反応中は架橋剤を核脱離状態(nucleofuge)にする反応性基だけでなく、例えば、-N=C=O又はエポキシ等、架橋反応中に原子が架橋剤から脱離せずに他の官能基に変換される(例えば-NHC(=O)-又はヒドロキシアルキル)ものも含まれる(この用語の定義については、P. Muller. Glossary of Terms Used in Physical Organic Chemistry (IUPAC Recommendations 1994). Pure Appl. Chem., 1994, 66(5), 1077-1184参照のこと)。
【0112】
二官能性架橋剤が2個の同じ脱離基を含む場合、本発明の語義において「ホモ二官能性架橋剤」(例えば1,2-ジクロロエタン等)と呼ぶ。本発明では、二官能性架橋剤の脱離基が互いに異なる場合、「ヘテロ二官能性架橋剤」(例えばエピクロロヒドリン)と呼ぶ。ホモ又はヘテロ二官能性架橋剤の2個の脱離基は同じ又は異なるのであるが、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択されることが好ましい。脱離基が、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O及びエポキシからなる群から選択されることが特に好ましい。なかでも、-Cl、-Br、-I、-N=C=O及びエポキシが有利である。
本発明の語義において「多官能性の架橋剤」という用語は、3個以上(例えば、4、5又は6個)の脱離基をで含む化合物であって、この脱離基は同じであっても異なっていてもよく、好ましくは-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択される。脱離基は、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O及びエポキシからなる群から選択されることが特に好ましい。なかでも、-Cl、-Br、-I、-N=C=O及びエポキシが有利である。
多官能性架橋剤が3個以上(例えば4、5又は6個)の同じ脱離基を含む場合、本発明の語義において「ホモ多官能性架橋剤」と呼ぶ。多官能性架橋剤が少なくとも2個の異なる脱離基を含む場合、本発明の語義において「ヘテロ多官能性架橋剤」と呼ぶ。ホモ又はヘテロ多官能性架橋剤の2個の脱離基は同じ又は異なるのであるが、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択されることが好ましい。脱離基は、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O及びエポキシからなる群から選択されることが特に好ましい。なかでも、-Cl、-Br、-I、-N=C=O及びエポキシが有利である。
【0113】
好適な実施形態は、架橋剤がC
1-6炭化水素化合物、3〜7員環式炭化水素化合物、ベンゼン又は5〜7員ヘテロ芳香族化合物であり、これらはそれぞれ、2個以上(例えば3、4、5又は6個)の同じ又は異なる脱離基で置換されていてもよく、この脱離基は-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択される。
別の好適な実施形態では、架橋剤がC
1-6炭化水素化合物又は3〜7員環式炭化水素化合物で、これらはそれぞれ2個以上(例えば3、4、5又は6個)の同じ又は異なる脱離基で置換されていてもよく、この脱離基は-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択される。
本発明の語義において、「C
1-6炭化水素化合物」という用語は、非環式の飽和又は不飽和炭化水素化合物を包含し、分岐又は直鎖で1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含む。「C
1-6炭化水素化合物」という用語は、C
1-6-アルカン類、C
2-6-アルケン類、C
2-6-アルキン類を包含する。C
2-6-アルケンは少なくとも1つのC-C二重結合を有し、C
2-6-アルキンは少なくとも1つのC-C三重結合を有する。C
1-6 炭化水素化合物は、好ましくは、メタン、エタン、イソプロパン、N-プロパン、イソブタン、N-ブタン、sec-ブタン、tert-ブタン、N-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、N-ヘキサン、ネオヘキサン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、エテン、エチン、プロパ-1-エン、イソブテン、N-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン、1,2-ブタジエン、1,3-ブタジエン、ペンタ-1-エン、シス-ペンタ-2-エン、トランス-ペンタ-2-エン、2-メチルブタ-1-エン、2-メチルブタ-2-エン、3-メチルブタ-1-エン、ヘキサ-1-エン、ヘキサ-2-エン及びヘキサ-3-エンからなる群から選択される。これらのC
1-6炭化水素化合物は、同じ又は異なる脱離基で2回以上置換され、脱離基がC
1-6炭化水素化合物の可能ないずれの位置にあってもよい。
【0114】
架橋剤に関する「3〜7員環式炭化水素化合物」という用語は、本発明では、3、4、5、6又は7個の炭素原子を含む、環式の飽和又は不飽和(芳香族ではない)炭化水素化合物を指す。しかしながら、1個又は2個の炭素原子は、N、O及びSからなる群から選択される同じ又は異なるヘテロ原子に置換されていてもよい。3〜7員環式炭化水素化合物は、好ましくは、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロヘプタトリエン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ジオキソラン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、テトラヒドロピラン、ピペラジン、N,N-ジメチルピペラジン、ジオキサン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピラゾリン、ピラゾリノン及びピラニルからなる群から選択される。3〜7員環式炭化水素化合物は、同じ又は異なる脱離基で少なくとも2回置換されていてもよく、この脱離基は、3〜7員環式炭化水素化合物の可能ないずれの位置にあってもよい。
架橋剤に関する芳香族炭化水素ベンゼンは、本発明の語義において、同じ又は異なる脱離基で少なくとも2回(例えば2、3又は4回)置換されており、この脱離基は、ベンゼンの可能ないずれの位置にあってもよい。ベンゼンは二環又は多環系(例えばナフタレン)の一部であってもよい。
【0115】
本発明では、「5〜7員ヘテロ芳香族化合物」という用語は、少なくとも1、2、3、4又は5個のヘテロ原子を含む、5員、6員又は7員環式芳香族化合物を包含し、前記ヘテロ原子は同じであっても異なっていてもよく、N、O及びSからなる群から選択される。ヘテロ芳香族化合物は、任意であるが二環又は多環系の一部であってもよい。5〜7員ヘテロ芳香族化合物は、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン及びピリミジンからなる群から選択されることが好ましい。5〜7員ヘテロ芳香族化合物は、同じ又は異なる脱離基により2回以上置換されるが、上記脱離基は5〜7員ヘテロ芳香族化合物の可能ないずれの位置にあってもよい。
C
1-6炭化水素化合物に関して、「少なくとも2回の置換」という用語は本発明の語義において、同じか異なる少なくとも2個の脱離基による少なくとも2個の水素ラジカルの置換であって、C
1-6炭化水素化合物の同じ又は異なる炭素原子上で、多数回(例えば2回)置換されていることで、例えば、ジ(オキシラン-2-イル)メタンのように同じ炭素原子上での二回の置換、又は1,2-ジクロロエタンの場合のように異なる位置での置換を指すと解釈される。多数回置換は、同じ脱離基(例えば1,2-ジクロロエタン等)又は異なる脱離基(例えばエピクロロヒドリン等)を使って行うことができる。
3〜7員環式炭化水素化合物、ベンゼン及び5〜7員ヘテロ芳香族化合に関して、「少なくとも2回の置換」というフレーズは、本発明の語義において、同じか異なる少なくとも2個の脱離基による環の少なくとも2個の水素ラジカルの置換を指すものと解釈される。多数回置換は、同じ又は異なる脱離基により達成されるが、環の異なる環構成要素上で、或いは可能であれば同じ環構成要素上で達成される。
【0116】
別の好適な実施形態においては、架橋剤は、メタン、エタン、イソプロパン、N-プロパン、イソブタン、N-ブタン、sec-ブタン、tert-ブタン、N-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、N-ヘキサン、ネオヘキサン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、エテン、エチン、プロパ-1-エン、イソブテン、N-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン、1,2-ブタジエン、1,3-ブタジエン、ペンタ-1-エン、シス-ペンタ-2-エン、トランス-ペンタ-2-エン、2-メチルブタ-1-エン、2-メチルブタ-2-エン、3-メチルブタ-1-エン、ヘキサ-1-エン、ヘキサ-2-エン、ヘキサ-3-エン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロヘプタトリエン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ジオキソラン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、テトラヒドロピラン、ピペラジン、N,N-ジメチルピペラジン、ジオキサン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピラゾリン、ピラゾリノン、ピラン、ベンゼン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン及びピリミジンからなる群から選択され、これらはそれぞれ、同じ又は異なる2個以上(例えば3、4、5又は6個)の脱離基で置換されていてもよく、この脱離基は、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択される。
【0117】
別の好適な実施形態は、架橋剤が、メタン、エタン、イソプロパン、N-プロパン、イソブタン、N-ブタン、sec-ブタン、tert-ブタン、N-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、N-ヘキサン、ネオヘキサン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ベンゼン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン及びピリミジンからなる群から選択され、これらはそれぞれ、同じ又は異なる2個以上(例えば3、4、5又は6個)の脱離基で置換されていてもよく、この脱離基は、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択される。
別の好適な実施形態は、架橋剤が、メタン、エタン、イソプロパン、N-プロパン、イソブタン、N-ブタン、sec-ブタン、tert-ブタン、N-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、N-ヘキサン、ネオヘキサン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン及びシクロヘプタンからなる群から選択され、これらはそれぞれ、同じ又は異なる2個以上(例えば3、4、5又は6個)の脱離基で置換されていてもよく、この脱離基は、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択される。
【0118】
別の好適な実施形態は、架橋剤が、メタン、エタン、イソプロパン、N-プロパン、イソブタン、N-ブタン、sec-ブタン、tert-ブタン、N-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、N-ヘキサン、ネオヘキサン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン及びシクロヘキサンからなる群から選択され、これらはそれぞれ、同じ又は異なる2個以上(例えば3、4、5又は6個)の脱離基で置換されていてもよく、この脱離基は、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択される。
別の好適な実施形態は、架橋剤が、メタン、エタン、N-プロパン、N-ブタン、N-ペンタン、N-ヘキサン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン及びシクロヘキサンからなる群から選択され、これらはそれぞれ、同じ又は異なる2個以上(例えば3、4、5又は6個)の脱離基で置換されていてもよく、この脱離基は、-Cl、-Br、-I、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択される。
別の好適な実施形態では、架橋剤が、グリオキサール、1,2-ジハロエタン(例えば1,2-ジクロロエタン)、1,3-ジハロプロパン(例えば1,3-ジクロロプロパン)、ハロカルボン酸ハロゲン化物(例えば、ハロ酢酸 ハロゲン化物(例えばクロロ酢酸塩化物)又はハロプロピオン酸ハロゲン化物(例えばクロロプロピオン酸塩化物))、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、テトラメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選択され、ここでのハロゲン及びハロゲン化物は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを指し、特に好ましくは-Cl又は-Br、とりわけ好ましくは-Clを指す。
【0119】
別の好適な実施形態は、架橋剤が、グリオキサール、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン及び1,2,3,4-ジエポキシブタンからなる群から選択される。架橋剤は、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン及び1,2,3,4-ジエポキシブタンが特に好ましい。
架橋剤のエピクロロヒドリンがなかでも特に好適である。
本発明では、「官能化剤」という用語は、1個以上、好ましくは1個の反応性脱離基(例えば、-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-C(=O)Cl、エポキシ)を含む化合物を指し、シクロデキストリン化合物の架橋にほとんど影響しないか全く影響しない他の官能基(例えば、-OH、アルキロキシ、-C(=O)OH)を含んでいてもよい。代表的な官能化剤としては、例えば、アルキルハロゲン化物、環状アルカンスルトン、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物、ハロカルボン酸、ハロカルボン酸エステル(ハロアルキル)トリアルキルアンモニウム塩及びオキシランが挙げられる。
本発明の語義において、「シクロデキストリン化合物の架橋にほとんど影響しないか全く影響しない」というフレーズは、本発明の共重合体のリンカー全量を基準にした際、好ましくは<10mol%、より好ましくは<5.0mol%、更に好ましくは<2.0mol%、最も好ましくは<1.0mol%、とりわけ好ましくは分析上検出できない量のシクロデキストリンモノマーが、使用した官能化剤から誘導されたリンカーを介して架橋されることを意味する。
しかしながら、官能化剤もアンモニア、第一、第二又は第三アミンであってもよいので、架橋剤と反応して本発明の化合物中でアミノ及び/又はアンモニウム置換基を形成する。例えば、構成要素の-CH
2-CH(OH)-CH
2-Clは、エピクロロヒドリンから誘導され、シクロデキストリン化合物又はシクロデキストリンモノマーの一端に結合し、NH(CH
3)
2と反応して-CH
2-CH(OH)-CH
2-N(CH
3)
2を形成することがある。
【0120】
官能化剤は、好ましくは、C
1-6-アルキル-Y、C
3-7-シクロアルキル-Y、C
1-6-アルキル-C(=O)-Y、C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-Y、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-OH、Y-C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-OH、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-O-C
1-6-アルキル、Y-C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-O-C
3-7-シクロアルキル、[C
1-6-アルキル-C(=O)]
2O、[C
3-7-シクロアルキル-C(=O)]
2O、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、オキシラン、C
1-6-アルキルオキシラン、C
3-7-シクロアルキルオキシラン、ジ-C
1-6-アルキルオキシラン、ジ-C
3-7-シクロアルキルオキシラン、2-クロロエタノール、ジ-C
1-6-アルキルサルフェート、ジ-C
3-7-シクロアルキルサルフェート、ジ-C
1-6-アルキルホスホロクロリデート、ジ-C
3-7-シクロアルキルホスホロクロリデート、NH
3、(C
1-6-アルキル)NH
2、(C
3-7-シクロアルキル)NH
2、(C
1-6-アルキル)
2NH、(C
3-7-シクロアルキル)
2NH、(C
1-6-アルキル)
3N、(C
3-7-シクロアルキル)
3N、[(Y-C
1-6-アルキル)N(C
1-6-アルキル)
3]
+ハロゲン化物、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、前記C
1-6-アルキル及びC
3-7-シクロアルキルは互いに独立して、未置換又は、同じ又は異なるラジカルZでモノ置換もしくは多置換されていてもよく、この更なる置換基Zは、シクロデキストリンモノマー及び/又は化合物の架橋にほとんど影響しないか全く影響しない。ハロゲン化物としては、好ましくは塩化物、臭化物又はヨウ化物を表わし、特に好ましくは塩化物又は臭化物を表わし、特には塩化物を表わし、ラジカルYは脱離基を表わす。
【0121】
脱離基Yは互いに独立して、-Cl、-Br、-I、-メシル、-トシル及びエポキシからなる群から選択される。特に有利なのは、-Cl、-Br、-メシル及び-トシルであり、なかでも-Clが有利である。
置換基Zは互いに独立して、好ましくは-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、-C(=O)OCH
2CH
3、-NH
2、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-N(CH
3)
3+A
-、-NH(CH
2CH
3)、-N(CH
2CH
3)
2及び-N(CH
2CH
3)
3+A
-からなる群から選択され、前記A
-は有機又は無機のアニオンを表わし、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。特に有利なのは-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3及び-C(=O)OCH
2CH
3であって、とりわけ-OH、=O及び-C(=O)OHである。
官能化剤に関し、「C
1-6-アルキル」という用語は本発明の語義において、非環式の飽和又は不飽和炭化水素ラジカルを包含し、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子を含み、分岐又は直鎖で、脱離基Y及び更なる置換基Zを含んでいてもよいが、更なる置換基Zはシクロデキストリンモノマー及び/又は化合物の架橋にほとんど影響しないか全く影響しない。脱離基と任意の置換基ZはC
1-6-アルキルの可能な位置のいずれにあってもよい。C
1-6-アルキルは、C
1-6-アルカニル、C
2-6-アルケニル及びC
2-6-アルキニルを含む。C
2-6-アルケニルは少なくとも1つのC-C二重結合を有し、C
2-6-アルキニルは少なくとも1つのC-C三重結合を有するが、C
1-6-アルカニルは完全に飽和している。
【0122】
官能化剤に関し、「C
1-6-アルキル」は好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、N-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、イソヘキシル、N-ヘキシル、ネオヘキシル、3-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチル、エテニル、エチニル、プロパ-1-エニル、イソブテニル、N-ブテニル、シス-2-ブテニル、トランス-2-ブテニル、1,2-ブタジエニル、1,3-ブタジエニル、ペンタ-1-エニル、シス-ペンタ-2-エニル、トランス-ペンタ-2-エニル、2-メチルブタ-1-エニル、2-メチルブタ-2-エニル、3-メチルブタ-1-エニル、ヘキサ-1-エニル、ヘキサ-2-エニル及びヘキサ-3-エニルからなる群から選択される。C
1-6-アルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、エテニル、エチニル及びプロパ-1-エニルからなる群から選択されることが特に好ましい。特に、C
1-6-アルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、N-プロピル、イソブチル、N-ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルからなる群から選択されることが好ましい。官能化剤について、-C
1-6-アルキルは脱離基Yを含み、同じであっても異なっていてもよい1個以上の置換基Zで置換されていてもよい。
官能化剤に関し、本発明のための「C
3-7-シクロアルキル」という用語は、3、4、5、6又は7個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和(芳香族ではない)の環式炭化水素ラジカルを表わし、脱離基Yを含み、更なる置換基Zを含んでもよく、更なる置換基Zは、シクロデキストリンモノマーの架橋に少しも影響しないか全く影響しない。脱離基及び任意の置換基Zは、C
3-7-シクロアルキルの可能な位置のいずれにあってもよい。「C
3-7-シクロアルキル」という用語は、1個又は2個の炭素原子がヘテロ原子N、O又はSで置換されている、不飽和(芳香族ではない)シクロアルキルも包含する。飽和、不飽和(芳香族ではない)C
3-7-シクロアルキルは、1個以上の飽和、不飽和又は芳香族系ラジカル、例えば、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル又はベンゼン(例えばインドリン)と縮合していてもよい。
【0123】
官能化剤に関し、C
3-7-シクロアルキルラジカルは互いに独立して、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、ピペリジニル、N-メチルピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、N,N-ジメチルピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、N-メチルモルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリノニル、ピラニル、インドリニル、キノリジニル、クロマニル、イソクロマニル、クロメニル、イソクロメニル及びベンゾジオキソラニルからなる群から選択される。C
3-7-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ジオキソラニル、ピペリジニル、N-メチルピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、N,N-ジメチルピペラジニル、ジオキサニル、モルホリニル、N-メチルモルホリニル、キヌクリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリノニル及びピラニルからなる群から選択されることが特に好ましい。とりわけ、C
3-7-シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルからなる群から選択されることが好適である。官能化剤に関しては、C
3-7-シクロアルキルは脱離基Yを含み、同じか異なる1つ以上の置換基Zで置換されていてもよい。
【0124】
好適な実施形態は、官能化剤が、CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、CH
3-CH
2-CH
2-Y
1、(CH
3)
2CH-Y
1、CH
3-CH
2-CH
2-CH
2-Y
1、(CH
3)
2CH-CH
2-Y
1、CH
3-CH
2-CH(CH
3)-Y
1、(CH
3)
3C-Y
1、CH
2=CH-Y
1、CH
2=CH-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2CH
3、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-C(=O)Y
2、(CH
3)
2CH-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-CH
2-C(=O)Y
2、(CH
3)
3C-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-CH(CH
3)-C(=O)Y
2、(CH
3)
2CH-CH
2-C(=O)Y
2、CH
2=CH-C(=O)Y
2、CH
2=CH-CH
2-C(=O)Y
2、シクロプロピル-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH
2-C(=O)]
2O、[(CH
3)
2CH-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH(CH
3)-C(=O)]
2O、[(CH
3)
2CH-CH
2-C(=O)]
2O、[(CH
3)
3C-C(=O)]
2O、[CH
2=CH-C(=O)]
2O、[CH
2=CH-CH
2-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、CH
2=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH=CH-C(=O)-OH、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)-OH、CH
2=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH=CH-C(=O)-O-CH
3、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)-O-CH
3、CH
2=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)O-CH
2-CH
3、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール、オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、
【0125】
(CH
3-O)
2P(=O)Cl、(CH
3-CH
2-O)
2P(=O)Cl、[(CH
3)
2CH-O]
2P(=O)Cl、NH
3、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、前記ラジカルY
1は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル又はエポキシを表わし、より好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、なかでも-Clを表わし、ラジカルY
2は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Brを表わし、とりわけ-Clを表わす。
好ましくは、本発明の共重合体は、少なくとも1種のα-、β-又はγ-シクロデキストリン化合物を、1種以上の架橋剤、好ましくは1種のみの架橋剤と、少なくとも1種の溶媒の存在下で混合することにより得られる。
また、好ましくは本発明の共重合体は、異なるα-シクロデキストリン化合物、異なるβ-シクロデキストリン化合物又は異なるγ-シクロデキストリン化合物を含む混合物、或いは、α-シクロデキストリン化合物とβ-シクロデキストリン化合物、α-シクロデキストリン化合物とγ-シクロデキストリン化合物、β-シクロデキストリン化合物とγ-シクロデキストリン化合物、又は、α-シクロデキストリン化合物とβ-シクロデキストリン化合物とγ-シクロデキストリン化合物とを含む混合物を、1種以上の架橋剤、好ましくは1種のみの架橋剤と、少なくとも1種の溶媒の存在下で混合することにより得られる。
【0126】
好適な実施形態では、α-、β-又はγ-シクロデキストリン化合物、或いは、上記に挙げた少なくとも2種の異なるシクロデキストリン化合物を含む混合物を、任意であるが溶媒の存在下、メタン、エタン、イソプロパン、N-プロパン、イソブタン、N-ブタン、sec-ブタン、tert-ブタン、N-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、N-ヘキサン、ネオヘキサン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、エテン、エチン、プロパ-1-エン、イソブテン、n-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン、1,2-ブタジエン、1,3-ブタジエン、ペンタ-1-エン、シス-ペンタ-2-エン、トランス-ペンタ-2-エン、2-メチルブタ-1-エン、2-メチルブタ-2-エン、3-メチルブタ-1-エン、ヘキサ-1-エン、ヘキサ-2-エン、ヘキサ-3-エン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロヘプタトリエン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ジオキソラン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、テトラヒドロピラン、ピペラジン、N,N-ジメチルピペラジン、ジオキサン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピラゾリン、ピラゾリノン、ピラン、ベンゼン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン及びピリミジンから選択される少なくとも1種、好ましくは1種のみの架橋剤と混合する。上記架橋剤はそれぞれ、同じか異なる2個以上(例えば3、4、5又は6個)の脱離基で置換され、脱離基は-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択される。
【0127】
好適な実施形態では、α-、β-又はγ-シクロデキストリン化合物、或いは、上記に挙げた少なくとも2種の異なるシクロデキストリン化合物を含む混合物を、任意であるが溶媒の存在下、グリオキサール、1,2-ジハロエタン(例えば1,2-ジハロエタン)、1,3-ジハロプロパン(例えば1,3-ジクロロプロパン)、ハロカルボン酸ハロゲン化物(例えば、ハロ酢酸ハロゲン化物(クロロ酢酸塩化物等)又はハロプロピオン酸ハロゲン化物(クロロプロピオン酸塩化物等))、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、テトラメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選択される少なくとも1種、好ましくは1種のみの架橋剤と混合する。上記ハロゲン及びハロゲン化物は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Brを表わし、とりわけ好ましくは-Clを表わす。
別の好適な実施形態においては、α-、β-又はγ-シクロデキストリン化合物、或いは、上記に挙げた少なくとも2種の異なるシクロデキストリン化合物を含む混合物を、任意であるが溶媒の存在下、架橋剤のエピクロロヒドリンと、グリオキサール、1,2-ジハロエタン (1,2-ジクロロエタン等)、1,3-ジハロプロパン(1,3-ジクロロプロパン等)、ハロカルボン酸ハロゲン化物(例えば、ハロ酢酸ハロゲン化物(クロロ酢酸塩化物等)又はハロプロピオン酸ハロゲン化物(クロロプロピオン酸塩化物等))、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、テトラメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選択される任意の更なる架橋剤と一緒に混合する。上記ハロゲン及びハロゲン化物は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Brを表わし、とりわけ好ましくは-Clを表わす。
【0128】
別の好適な実施形態では、α-、β-又はγ-シクロデキストリン化合物、或いは、上記に挙げた少なくとも2種の異なるシクロデキストリン化合物を含む混合物を、任意であるが溶媒の存在下、架橋剤のエピクロロヒドリン(他の架橋剤は使用しない)と混合するか、或いは、架橋剤の1,2,3,4-ジエポキシブタン(他の架橋剤はしない)と混合する。
特に好適な実施形態では、本発明の共重合体は下記によって得られる。1種又は少なくとも2種のシクロデキストリン化合物、好ましくは1種のみのシクロデキストリン化合物であって、 (グルコシル)-シクロデキストリン;(ガラクトシル)-シクロデキストリン;(マルトシル)-シクロデキストリン;(マルトリオシル)-シクロデキストリン;(アセチル)-シクロデキストリン;(プロピオニル)-シクロデキストリン;(イソブチリル)-シクロデキストリン;(ブチリル)-シクロデキストリン;(ピバロイル)-シクロデキストリン;(ペンタノイル)-シクロデキストリン;(ヘキサノイル)-シクロデキストリン;(シクロプロパンカルボニル)-シクロデキストリン;(ベンゾイル)-シクロデキストリン;(2-フェニルアセチル)-シクロデキストリン;(2-カルボキシアセチル)-シクロデキストリン;(3-カルボキシプロパノイル)-シクロデキストリン;(4-カルボキシブタノイル)-シクロデキストリン;(2-メトキシ-2-オキソアセチル)-シクロデキストリン;(3-メトキシ-3-オキソプロパノイル)-シクロデキストリン;(4-メトキシ-4-オキソブタノイル)-シクロデキストリン;
【0129】
(2-ヒドロキシアセチル)-シクロデキストリン;(2-ヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン;(3-ヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン;(2-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン;(3-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン;(4-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン;(2-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(3-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(4-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(5-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(2,3-ジヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン;(2,3-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン;(2,4-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン;(3,4-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン;(2,3-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(2,4-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(2.5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(3,4-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(3,5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(4,5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(2,3,4-トリヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン;(2,3,4-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(2,3,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(2,4,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(3,4,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(2,3,4,5-テトラヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン;(2-アミノアセチル)-シクロデキストリン;(2-アミノプロパノイル)-シクロデキストリン;(2-アミノブタノイル)-シクロデキストリン;[2-(1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]-シクロデキストリン;[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン;[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン;[2-(1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]-シクロデキストリン;[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン;[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン;[2-(ピリジン-3-イル)アセチル]-シクロデキストリン;[3-(ピリジン-3-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン;[4-(ピリジン-3-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン;(メチル)-シクロデキストリン;(エチル)-シクロデキストリン;
【0130】
(イソプロピル)-シクロデキストリン;(N-プロピル)-シクロデキストリン;(イソブチル)-シクロデキストリン;(N-ブチル)-シクロデキストリン;(sec-ブチル)-シクロデキストリン;(tert-ブチル)-シクロデキストリン;(シクロプロピル)-シクロデキストリン;(フェニル)-シクロデキストリン;(ベンジル)-シクロデキストリン;(フェネチル)-シクロデキストリン;(カルボキシメチル)-シクロデキストリン;(1-カルボキシエチル)-シクロデキストリン;(2-カルボキシエチル)-シクロデキストリン;(1-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン;(2-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン;(3-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン;(1-カルボキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン;(4-カルボキシブチル)-シクロデキストリン;(5-カルボキシペンチル)-シクロデキストリン;(5-カルボキシペンチル)-シクロデキストリン;(2-メトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリン;(3-メトキシ-2-オキソプロピル)-シクロデキストリン;(4-メトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン;(5-メトキシ-5-オキソペンチル)-シクロデキストリン;(6-メトキシ-6-オキソヘキシル)-シクロデキストリン;(2-エトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリン;(3-エトキシ-2-オキソプロピル)-シクロデキストリン;(4-エトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン;(5-エトキシ-5-オキソペンチル)-シクロデキストリン;(6-エトキシ-6-オキソヘキシル)-シクロデキストリン;(3-カルボキシ-2-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン;(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン;(4-エトキシ-2-ヒドロキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン;(1-カルボキシ-2-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン;(3-ヒドロキシ-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)-シクロデキストリン;(1-エトキシ-3-ヒドロキシ-1-オキソプロパン-2-イル)-シクロデキストリン;(1-カルボキシ-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン;(1-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)-シクロデキストリン;
【0131】
(4-エトキシ-1-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-シクロデキストリン;(ヒドロキシメチル)-シクロデキストリン;(1-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン;(2-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン;(1-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン;(2-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン;(3-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン;(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン;(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン;(1-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(2-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(3-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(4-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(1-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(2-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(3-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(4-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(5-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,2-ジヒドロキシエチル)-シクロデキストリン;(1,2-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン;(1,3-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン;(2,3-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン;(1,2-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(1,3-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(1,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(2,3-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(2,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(3,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(1,2-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,3-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(2,3-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(2,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(2.5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(3,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(3,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(4,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン;(1,2,3-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(1,2,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(1,3,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(2,3,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(1,2,3-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,2,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;
【0132】
(1,2.5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,3,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,3,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(2,3,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(2,3,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(2,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(3,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,2,3,4-テトラヒドロキシブチル)-シクロデキストリン;(1,2,3,4-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,2,4,5-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(2,3,4,5-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;(1,2,3,4,5-ペンタヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン;[(スルホキシ)メチル]-シクロデキストリン;[2-(スルホキシ)エチル]-シクロデキストリン;[3-(スルホキシ)プロピル]-シクロデキストリン;[4-(スルホキシ)ブチル]-シクロデキストリン;[(ホスホノオキシ)メチル]-シクロデキストリン;[2-(ホスホノオキシ)エチル]-シクロデキストリン;[3-(ホスホノオキシ)プロピル]-シクロデキストリン;[4-(ホスホノオキシ)ブチル]-シクロデキストリン;[4-(ホスホノオキシ)ブチル]-シクロデキストリン;(スルホメチル)-シクロデキストリン;(2-スルホエチル)-シクロデキストリン;(3-スルホプロピル)-シクロデキストリン;(4-スルホブチル)-シクロデキストリン;(5-スルホペンチル)-シクロデキストリン;(6-スルホヘキシル)-シクロデキストリン;(ホスホノメチル)-シクロデキストリン;(2-ホスホノエチル)-シクロデキストリン;(3-ホスホノプロピル)-シクロデキストリン;(4-ホスホノブチル)-シクロデキストリン;(5-ホスホノペンチル)-シクロデキストリン;(6-ホスホノヘキシル)-シクロデキストリン;(2-ホスホノビニル)-シクロデキストリン;(3-ホスホノアリル)-シクロデキストリン;(4-ホスホノブタ-3-エニル)-シクロデキストリン;(5-ホスホノペンタ-4-エニル)-シクロデキストリン;(6-ホスホノヘキサ-5-エニル)-シクロデキストリン;(アミノメチル)-シクロデキストリン;(2-アミノエチル)-シクロデキストリン;(3-アミノプロピル)-シクロデキストリン;(4-アミノブチル)-シクロデキストリン;(5-アミノペンチル)-シクロデキストリン;(6-アミノヘキシル)-シクロデキストリン;[(N,N-ジメチルアミノ)メチル]-シクロデキストリン;[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]-シクロデキストリン;[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]-シクロデキストリン;[4-(N,N-ジメチルアミノ)ブチル]-シクロデキストリン;[5-(N,N-ジメチルアミノ)ペンチル]-シクロデキストリン;[6-(N,N-ジメチルアミノ) ヘキシル]-シクロデキストリン;
【0133】
[(N,N-ジエチルアミノ)メチル]-シクロデキストリン;[2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル]-シクロデキストリン;[3-(N,N-ジエチルアミノ)プロピル]-シクロデキストリン;[4-(N,N-ジエチルアミノ)ブチル]-シクロデキストリン;[5-(N,N-ジエチルアミノ)ペンチル]-シクロデキストリン;[6-(N,N-ジエチルアミノ)ヘキシル]-シクロデキストリン;[(トリメチルアンモニオ)メチル]-シクロデキストリン塩化物;[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]-シクロデキストリン塩化物;[3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]-シクロデキストリン塩化物;[4-(トリメチルアンモニオ)ブチル]-シクロデキストリン塩化物;[5-(トリメチルアンモニオ)ペンチル]-シクロデキストリン塩化物;[6-(トリメチルアンモニオ)ヘキシル]-シクロデキストリン塩化物;[(トリエチルアンモニオ)メチル]-シクロデキストリン塩化物;[2-(トリエチルアンモニオ)エチル]-シクロデキストリン塩化物;[3-(トリエチルアンモニオ)プロピル]-シクロデキストリン塩化物;[4-(トリエチルアンモニオ)ブチル]-シクロデキストリン塩化物;[5-(トリエチルアンモニオ)ペンチル]-シクロデキストリン塩化物;[6-(トリエチルアンモニオ)ヘキシル]-シクロデキストリン塩化物;[(1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-シクロデキストリン;[2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル]-シクロデキストリン;[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]-シクロデキストリン;[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブチル]-シクロデキストリン;(ピリジン-3-イルメチル)-シクロデキストリン;[2-(ピリジン-3-イル)エチル]-シクロデキストリン;[3-(ピリジン-3-イル)プロピル]-シクロデキストリン;[4-(ピリジン-3-イル)ブチル]-シクロデキストリン;[(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)メチル]-シクロデキストリン;[2-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)エチル]-シクロデキストリン;[3-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)プロピル]-シクロデキストリン;[4-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)ブチル]-シクロデキストリン;[5-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)ペンチル]-シクロデキストリン及び[6-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)ヘキシル]-シクロデキストリンからなる群から選択されるシクロデキストリン化合物(シクロデキストリンはα-、β-又はγ-シクロデキストリンを表わし、好ましくはα-又はβ-シクロデキストリン、特に好ましくはβ-シクロデキストリンを表わす)を、
【0134】
1種又は少なくとも2種の異なる架橋剤、好ましくは1種のみの架橋剤であって、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、テトラメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選択される架橋剤(架橋剤エピクロロヒドリンが特に好適)と、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合することにより本発明の共重合体を得ることができ、上記において「シクロデキストリン」という用語はα-、β-又はγ-シクロデキストリン、好ましくはα-又はβ-シクロデキストリン、特に好ましくはβ-シクロデキストリンを表わす。
別の特に好適な実施形態では、(カルボキシメチル)-シクロデキストリン、(3-スルホプロピル)-シクロデキストリン又は(4-スルホブチル)-シクロデキストリンをエピクロロヒドリンと、好ましくは溶媒の存在下で混合する。
【0135】
α-シクロデキストリン化合物に関し、全置換度は好ましくは、0<TDS<1.0<TDS<2.0<TDS<3又は0<TDS<4、より好ましくは、0<TDS<5.0<TDS<6.0<TDS<7又は0<TDS<8、さらに好ましくは、0<TDS<9.0<TDS<10.0<TDS<11又は0<TDS<12、最も好ましくは、0<TDS<13.0<TDS<14.0<TDS<15又は0<TDS<16、特に好ましくは0<TDS<17又は0<TDS<18である。
β-シクロデキストリン化合物に関し、全置換度は好ましくは、0<TDS<1.0<TDS<2.0<TDS<3.0<TDS<4又は0<TDS<5、より好ましくは、0<TDS<6.0<TDS<7.0<TDS<8.0<TDS<9又は0<TDS<10、更に好ましくは、0<TDS<11.0<TDS<12.0<TDS<13.0<TDS<14又は0<TDS<15、最も好ましくは、0<TDS<16.0<TDS<17.0<TDS<18又は0<TDS<19、特に好ましくは0<TDS<20又は0<TDS<21である。
γ-シクロデキストリン化合物に関し、全置換度は好ましくは、0<TDS<1.0<TDS<2.0<TDS<3.0<TDS<4.0<TDS<5又は0<TDS<6、より好ましくは、0<TDS<7.0<TDS<8.0<TDS<9.0<TDS<10.0<TDS<11又は0<TDS<12、更に好ましくは、0<TDS<13.0<TDS<14.0<TDS<15.0<TDS<16.0<TDS<17又は0<TDS<18、最も好ましくは、0<TDS<19.0<TDS<20.0<TDS<21又は0<TDS<22、特に好ましくは0<TDS<23又は0<TDS<24である。
【0136】
シクロデキストリン化合物と架橋剤との混合は水性又は有機溶媒中で行うとよい。好ましくは、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)又はこれらの混合物中で混合する。また、この反応は、無水DMSO、無水DMF、無水NMP又はこれらの混合物中、好ましくは無水条件下で行ってもよい。特に好適な溶媒としては、水、DMSO及びDMFならびにこれらの混合物が挙げられるが、なかでも水又はDMFとこの混合物が好ましい。
混合はアルカリ媒体中、通常pH>7で行うことが好ましい。
好ましくは7.5≦pH≦14、より好ましくは、7.5≦pH≦13、更に好ましくは、8≦pH≦13、最も好ましくは、8≦pH≦12.5、特に好ましくは9≦pH≦12で、混合を行う。
反応溶液又は分散液のpHは好ましくは、塩基性アルカリ金属塩、塩基性アルカリ土類金属塩、水素化物、アルコキシド、又は、例えば、ピリジン又はジイソプロピルアミン等の有機塩基等の塩基を使って調整する。水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメタノーレート、カリウムtert-ブトキシド、ピリジン及びジイソプロピルアミンが特に好適である。
【0137】
シクロデキストリン化合物の共重合及び/又は架橋は、塩基性の反応条件下で起きるので、アルカリ媒体中で不安定な置換基は構造的に変わる場合がある。例えば、シクロデキストリン化合物(2-メトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリンのエステル基は、開裂してカルボキシル基又はカルボキシレート基となることがあり、出発化合物の(2-メトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリンが、(カルボキシメチル)-シクロデキストリンに変わる。こうした変化は、エステル基の全個数を基準とした場合、完全な場合も不完全な場合もある。結果、対応の本発明の共重合体において、すべてのエステル基又はその一部のみがカルボキシル基に変わることがある。
好適な実施形態では、シクロデキストリン化合物を溶媒又は溶媒混合物に溶解又は分散した後、好ましくは該分散液又は溶液を撹拌しながら、架橋剤をその中に溶解又は分散させる。架橋剤はすべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。架橋剤は、添加する前に溶媒(例えば、水、DMF、DMSO、NMP)に溶解又は分散させてもよく、その後、反応混合物に、溶液又は分散液としてすべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。或いは、滴下漏斗、ピペット又はシリンジを利用して滴下してもよい。添加又は滴下はシリンジポンプを用いて行えばよい。
【0138】
別の好適な実施形態においては、架橋剤は溶媒又は溶媒混合物に溶解又は分散した後、好ましくは該分散液又は溶液を撹拌しながら、シクロデキストリン化合物をその中に溶解又は分散させる。シクロデキストリン化合物はすべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。シクロデキストリン化合物は添加する前に溶媒に溶解又は分散させてもよく、その後、反応混合物に、溶液又は分散液としてすべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。或いは、滴下漏斗、ピペット又はシリンジを利用して滴下してもよい。添加又は滴下はシリンジポンプを用いて行えばよい。
別の好適な実施形態においては、架橋剤及びシクロデキストリン化合物を溶媒又は溶媒混合物中に同時に溶解又は分散させる。
混合中、好ましくないことに突然反応温度が上がる。そのため、任意であるが反応混合物を冷却して実質的に一定した反応温度を確保することが有用であろう。反応混合物の冷却は、氷浴又は水浴によって実施できる。
架橋剤の添加前、添加中、添加後、又は、シクロデキストリン化合物の添加前、添加中、添加後、又は、それらの混合物の添加前、添加中、添加後、反応混合物をアルカリ化してもよい。
アルカリpHは、pH試験紙又はpHメーターを使って測定すればよい。好適な実施形態では、反応中、連続的又はある間隔でpH値を測定する。pH値が低下して、ある値(例えばpH<8又は<7.5)を下回る場合、塩基を添加することで反応混合物におけるアルカリpHを回復することができる。
【0139】
この反応は、反応温度(反応混合物の温度)が好ましくは5.0〜90℃、より好ましくは10〜75℃、更に好ましくは15〜50℃、最も好ましくは15〜30℃、とりわけ好ましくは20〜25℃で起きる。シクロデキストリン化合物を架橋剤と、任意であるが溶媒又は溶媒混合物の存在下で混合した後、反応混合物の温度を、好ましくは5〜90℃、より好ましくは10〜75℃、更に好ましくは15〜50℃、最も好ましくは15〜30℃、特に好ましくは20〜25℃に設定する。
好適な実施形態では、1.0molのシクロデキストリン化合物の全物質量を基準に、反応混合物中、架橋剤の全物質量は≧0.5mol、≧1.0mol、≧2.0mol又は≧3.0mol、より好ましくは、≧4.0mol、≧5.0mol又は≧6.0mol、更に好ましくは、≧7.0mol、≧8.0mol又は≧9.0mol、最も好ましくは、≧10mol、≧15mol又は≧20mol、特に好ましくは≧25molにして使用する(当量)。
別の好適な実施形態においては、架橋剤の全物質量:シクロデキストリン化合物の全物質量の比は≧1:1、より好ましくは≧2:1、更に好ましくは≧3:1、最も好ましくは≧5:1、特の好ましくは≧10:1である。
反応(架橋反応)は、適切な分析プロセスで追跡するとよい。例えば、反応混合物のサンプルをある時点で無作為に採りだし、LC/MS又はNMRで分析するとよい。ある時点での反応混合物中に存在する反応生成物をこのようにして求めることができる。ランダムサンプリングの分析により、所望の反応生成物が存在していることがわかったら、反応を終了させ、所望の反応生成物を単離及び/又はワークアップすればよい。
【0140】
反応を終了させるには、好ましくは反応混合物を中和させればよい。即ち、反応溶液又は分散液のpHを好ましくは6.5≦pH≦7.5、特に好ましくは6.8≦pH≦7.2にすればよい。混合物の中和は、好ましくは有機酸(例えばトリフルオロ酢酸、酢酸等)又は無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸等)で行うとよい。
別の好適な実施形態では、反応及び/又は中和の終了後、反応混合物を透析にかける。好ましくは、無塩プロセス(salt-free process)で透析にかけることが好ましく、この場合、透析で使用する透析膜のMWCO(「カットオフ分子量」)は好ましくは0.50kDa又は1.0kDa、より好ましくは2.0kDa又は3.0kDa、更に好ましくは4.0kDa又は5.0kDa、最も好ましくは10kDa、とりわけ好ましくは≧15kDaである。
無塩プロセスで透析にかけた溶液には、本発明の共重合体の全質量を基準に、分子量が<1.5kDaの化合物が、好ましくは≦10質量%、より好ましくは≦5.0質量%、更に好ましくは≦2.5質量%、とりわけ好ましくは≦1.0質量%の残留量で含まれる。
反応混合物及び/又は本質的に無塩の透析液は、更なる精製及び/又は単離の前に、好ましくはロータリーエバポレータを用いて濃縮してもよい。反応混合物は透析(好ましくは無塩透析)に先立ち、濃縮してもよい。
本発明の共重合体の単離又はワークアップは、好ましくは、限外濾過、カラムクロマトグラフィー(例えばシリカゲル又は活性炭素使用)、分取HPLC又は再結晶により行う。得られた本発明の共重合体は凍結乾燥することができる。
【0141】
好適な実施形態では、本発明の共重合体に含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、本発明の共重合体に含まれるリンカーの物質量比は20〜95mol%、より好ましくは25〜80mol%、更に好ましくは30〜70mol%、最も好ましくは30〜60mol%、とりわけ好ましくは30〜50mol%である。
本発明の共重合体に含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、本発明の共重合体に含有されるシクロデキストリンモノマーの物質量の比は、好ましくは5.0〜80mol%、より好ましくは10〜75mol%、更に好ましくは20〜70mol%、最も好ましくは30〜70mol%、とりわけ好ましくは40〜70mol%になる。
別の好適な実施形態においては、本発明の共重合体に存在するモノマーの全物質量を基準にすると、リンカーの物質量比とシクロデキストリンモノマーの物質量比の合計は、≧25mol%、≧30mol%又は≧40mol%、より好ましくは≧50mol%又は≧60mol%、更に好ましくは≧70mol%又は≧80mol%、最も好ましくは≧90mol%又は≧95mol%、とりわけ好ましくは100mol%である。
本発明の共重合体の23℃における水への溶解度は、好ましくは≧5.0gl
-1、≧10gl
-1、≧25gl
-1又は≧50gl
-1、より好ましくは≧75gl
-1、≧100gl
-1、≧125gl
-1又は≧150gl
-1、更に好ましくは≧175gl
-1、≧200gl
-1、≧225gl
-1又は≧250gl
-1、最も好ましくは、≧300gl
-1又は≧400gl
-1、特に好ましくは≧500gl
-1である。
本発明の共重合体を含む50mM水溶液の浸透圧重量モル濃度は、好ましくは≧50mosmkg
-1、≧75mosmkg
-1又は≧100mosmkg
-1、より好ましくは≧125mosmkg
-1、≧150mosmkg
-1又は≧175mosmkg
-1、更に好ましくは≧200mosmkg
-1又は≧225mosmkg
-1、最も好ましくは、≧250mosmkg
-1又は≧275mosmkg
-1、特に好ましくは≧300mosmkg
-1である。
【0142】
本発明の共重合体の重合度は、好ましくは≧2.0又は≧3.0、より好ましくは≧4.0又は≧5.0、更に好ましくは≧6.0又は≧7.0、最も好ましくは≧8.0又は≧9.0、特に好ましくは≧10である。
本発明の共重合体の平均分子量は、好ましくは≧2.0kDa、より好ましくは≧2.5kDa、更に好ましくは≧3.0kDa、最も好ましくは≧4.0kDa、特に好ましくは≧5.0kDaである。平均分子量は膜浸透圧計(蒸留水、23℃)で測定することが好ましい。
別の好適な実施形態において、本発明のポリマーの平均分子量(M)は、好ましくは2.0≦M≦100kDa、より好ましくは2.0≦M≦50kDa、更に好ましくは2.0≦M≦25kDa、最も好ましくは2.0≦M≦15kDa、特に好ましくは2.0≦M≦10kDaである。
別の特に好適な実施形態では、本発明の共重合体は、少なくとも1種のシクロデキストリン化合物と少なくとも1種の架橋剤とを混合することにより得られるが、重合度は、好ましくは≧2.0又は≧3.0、より好ましくは≧4.0又は≧5.0、更に好ましくは≧6.0又は≧7.0、最も好ましくは≧8.0又は≧9.0、特に好ましくは≧10である。
別の好適な実施形態においては、本発明の共重合体は、少なくとも1種のシクロデキストリン化合物と少なくとも1種の架橋剤とを混合することにより得られるが、平均粒子径は好ましくは≦1000μm、≦900μm又は≦800μm、より好ましくは≦700μm、≦600μm又は≦500μm、更に好ましくは≦400μm、≦300μm又は≦200μm、最も好ましくは≦100μm、≦75μm又は≦50μm、特に好ましくは≦25μmである。
【0143】
好ましくは、本発明の共重合体は、少なくとも1種のα-、β-又はγ-シクロデキストリン化合物と、1種以上の架橋剤、好ましくは1種の架橋剤と、1種以上の官能化剤、好ましくは1種のみの官能化剤とを、好ましくは少なくとも1種の溶媒の存在下で混合することにより得られる。
また、本発明の共重合体は、様々なα-シクロデキストリン化合物を含む混合物、様々なβ-シクロデキストリン化合物を含む混合物又は様々なγ-シクロデキストリン化合物を含む混合物、或いは、α-及びβ-シクロデキストリン化合物を含む混合物、α-及びγ-シクロデキストリン化合物を含む混合物、β-及びγ-シクロデキストリン化合物を含む混合物、又はα-、β-及びγ-シクロデキストリン化合物を含む混合物を、1種以上、好ましくは1種のみの架橋剤と、1種以上、好ましくは1種のみの官能化剤と、好ましくは少なくとも1種の溶媒の存在下で混合することにより得られる。
好適な実施形態では、少なくとも1種、好ましくは1種のみのシクロデキストリン化合物を、少なくとも1種、好ましくは1種のみの架橋剤と、少なくとも1種、好ましくは1種のみの官能化剤と、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合するが、
【0144】
上記架橋剤は、メタン、エタン、イソプロパン、N-プロパン、イソブタン、N-ブタン、sec-ブタン、tert-ブタン、N-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、N-ヘキサン、ネオヘキサン、3-メチルペンタン、2,3-ジメチルブタン、エテン、エチン、プロパ-1-エン、イソブテン、N-ブテン、シス-2-ブテン、トランス-2-ブテン、1,2-ブタジエン、1,3-ブタジエン、ペンタ-1-エン、シス-ペンタ-2-エン、トランス-ペンタ-2-エン、2-メチルブタ-1-エン、2-メチルブタ-2-エン、3-メチルブタ-1-エン、ヘキサ-1-エン、ヘキサ-2-エン、ヘキサ-3-エン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロヘプタトリエン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ジオキソラン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、テトラヒドロピラン、ピペラジン、N,N-ジメチルピペラジン、ジオキサン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピラゾリン、ピラゾリノン、ピラン、ベンゼン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン及びピリミジンからなる群から選択され、これらそれぞれは、同じ又は異なる2個以上(例えば、3、4、5又は6個)の脱離基で置換され、脱離基は-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル、-N=C=O、=O、-C(=O)H、-C(=O)Cl及びエポキシからなる群から選択され、
【0145】
前記官能化剤は、C
1-6-アルキル-Y、C
3-7-シクロアルキル-Y、C
1-6-アルキル-C(=O)-Y、C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-Y、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-OH、Y-C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-OH、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-O-C
1-6-アルキル、Y-C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-O-C
3-7-シクロアルキル、[C
1-6-アルキル-C(=O)]
2O、[C
3-7-シクロアルキル-C(=O)]
2O、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、オキシラン、C
1-6-アルキルオキシラン、C
3-7-シクロアルキルオキシラン、ジ-C
1-6-アルキルオキシラン、ジ-C
3-7-シクロアルキルオキシラン、2-クロロエタノール、ジ-C
1-6-アルキルサルフェート、ジ-C
3-7-シクロアルキルサルフェート、ジ-C
1-6-アルキルホスホロクロリデート、ジ-C
3-7-シクロアルキルホスホロクロリデート、NH
3、(C
1-6-アルキル)NH
2、(C
3-7-シクロアルキル)NH
2、(C
1-6-アルキル)
2NH、(C
3-7-シクロアルキル)
2NH、(C
1-6-アルキル)
3N、(C
3-7-シクロアルキル)
3N、[(Y-C
1-6-アルキル) N(C
1-6-アルキル)
3]
+ハロゲン化物、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、C
1-6-アルキル及びC
3-7-シクロアルキルは、互いに独立して未置換又は、同じか異なるラジカルZによりモノ置換もしくは多置換されていてもよく、この更なる置換基Zはシクロデキストリンモノマーの架橋にほとんど影響しないか全く影響しない。ハロゲン化物としては、好ましくは塩化物、臭化物又はヨウ化物を表わし、特に好ましくは塩化物又は
【0146】
臭化物を表わし、特には塩化物を表わし、ラジカルYは脱離基を表わし、脱離基Yは互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-メシル、-トシル及びエポキシからなる群から選択され、特に好ましくは、-Cl、-Br、-メシル及び-トシルからなる群から選択され、なかでも好ましくは-Clを表わし、置換基Zは互いに独立して、好ましくは-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、-C(=O)OCH
2CH
3、-NH
2、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-N(CH
3)
3+A
-、-NH(CH
2CH
3)、-N(CH
2CH
3)
2及び-N(CH
2CH
3)
3+A
-からなる群から選択され、特に好ましくは-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3及び-C(=O)OCH
2CH
3からなる群から選択され、とりわけ好ましくは-OH、=O及び-C(=O)OHからなる群から選択され、前記A
-は有機又は無機のアニオンで、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
好適な実施形態では、少なくとも1種、好ましくは1種のみのシクロデキストリン化合物を、少なくとも1種、好ましくは1種のみの架橋剤と少なくとも1種、好ましくは1種のみの官能化剤と、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合するが、
架橋剤は、グリオキサール、1,2-ジハロエタン(例えば1,2-ジクロロエタン)、1,3-ジハロプロパン(例えば1,3-ジクロロプロパン)、ハロカルボン酸ハロゲン化物(例えば、ハロ酢酸ハロゲン化物(例えばクロロ酢酸塩化物)又はハロプロピオン酸ハロゲン化物(例えばクロロプロピオン酸塩化物))、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、テトラメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選択され、ハロゲン及びハロゲン化物は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを示し、特に好ましくは-Cl又は-Brを示し、とりわけ好ましくは-Clを示し、
【0147】
官能化剤は、C
1-6-アルキル-Y、C
3-7-シクロアルキル-Y、C
1-6-アルキル-C(=O)-Y、C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-Y、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-OH、Y-C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-OH、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-O-C
1-6-アルキル、Y-C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-O-C
3-7-シクロアルキル、[C
1-6-アルキル-C(=O)]
2O、[C
3-7-シクロアルキル-C(=O)]
2O、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、オキシラン、C
1-6-アルキルオキシラン、C
3-7-シクロアルキルオキシラン、ジ-C
1-6-アルキルオキシラン、ジ-C
3-7-シクロアルキルオキシラン、2-クロロエタノール、ジ-C
1-6-アルキル サルフェート、ジ-C
3-7-シクロアルキルサルフェート、ジ-C
1-6-アルキルホスホロクロリデート、ジ-C
3-7-シクロアルキルホスホロクロリデート、NH
3、(C
1-6-アルキル)NH
2、(C
3-7-シクロアルキル)NH
2、(C
1-6-アルキル)
2NH、(C
3-7-シクロアルキル)
2NH、(C
1-6-アルキル)
3N、(C
3-7-シクロアルキル)
3N、[(Y-C
1-6-アルキル)N (C
1-6-アルキル)
3]
+ハロゲン化物、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、C
1-6-アルキル及びC
3-7-シクロアルキルは互いに独立して、未置換又は、同じか異なるラジカルZによりモノ置換もしくは多置換されていてもよく、この更なる置換基Zはシクロデキストリンモノマーの架橋にほとんど影響しないか全く影響しない。ハロゲン化物としては、好ましくは塩化物、臭化物又はヨウ化物を表わし、特に好ましくは塩化物又は臭化物を表わし、特には塩化物を表わし、ラジカルYは脱離基を表わし、脱離基Yは互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-メシル、-トシル及びエポキシからなる群から選択され、特に好ましくは、-Cl、-Br、-メシル及び-トシルからなる群から選択され、なかでも好ましくは-Clを表わし、置換基Zは互いに独立して、好ましくは-OH、=O、-C(=O)OH、
【0148】
-C(=O)OCH
3、-C(=O)OCH
2CH
3、-NH
2、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-N(CH
3)
3+A
-、-NH(CH
2CH
3)、-N(CH
2CH
3)
2及び-N(CH
2CH
3)
3+A
-からなる群から選択され、特に好ましくは-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3及び-C(=O)OCH
2CH
3からなる群から選択され、とりわけ好ましくは-OH、=O及び-C(=O)OHからなる群から選択され、前記A
-は有機又は無機のアニオンを表わし、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
別の好適な実施形態においては、少なくとも1種のシクロデキストリン化合物、好ましくは1種のみのシクロデキストリン化合物を、少なくとも1種、好ましくは1種のみの架橋剤と、少なくとも1種、好ましくは1種のみの官能化剤と、任意であるが、少なくとも1種の溶媒の存在下で混合するが、
架橋剤は、好ましくは、グリオキサール、1,2-ジハロエタン(例えば1,2-ジクロロエタン)、1,3-ジハロプロパン(例えば1,3-ジクロロプロパン)、ハロカルボン酸ハロゲン化物(例えば、ハロ酢酸ハロゲン化物(クロロ酢酸塩化物等)、ハロプロピオン酸ハロゲン化物(クロロプロピオン酸塩化物等))、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、テトラメチレン、ジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選択され、ハロゲン及びハロゲン化物は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Brを表わし、とりわけ好ましくは-Clを表わし、
【0149】
官能化剤は、CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、CH
3-CH
2-CH
2-Y
1、(CH
3)
2CH-Y
1、CH
3-CH
2-CH
2-CH
2-Y
1、(CH
3)
2CH-CH
2-Y
1、CH
3-CH
2-CH(CH
3)-Y
1、(CH
3)
3C-Y
1、CH
2=CH-Y
1、CH
2=CH-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2CH
3、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-C(=O)Y
2、(CH
3)
2CH-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-CH
2-C(=O)Y
2、(CH
3)
3C-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-CH(CH
3)-C(=O)Y
2、(CH
3)
2CH-CH
2-C(=O)Y
2、CH
2=CH-C(=O)Y
2、CH
2=CH-CH
2-C(=O)Y
2、シクロプロピル-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH
2-C(=O)]
2O、[(CH
3)
2CH-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH(CH
3)-C(=O)]
2O、[(CH
3)
2CH-CH
2-C(=O)]
2O、[(CH
3)
3C-C(=O)]
2O、[CH
2=CH-C(=O)]
2O、[CH
2=CH-CH
2-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、CH
2=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH=CH-C(=O)-OH、
【0150】
(CH
3)
2C=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)-OH、CH
2=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH=CH-C(=O)-O-CH
3、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)-O-CH
3、CH
2=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)O-CH
2-CH
3、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール、オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、(CH
3-O)
2P(=O)Cl、(CH
3-CH
2-O)
2P(=O)Cl、[(CH
3)
2CH-O]
2P(=O)Cl、NH
3、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、ラジカルY
1は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-メシル、-トシル又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、なかでも好ましくは-Clを表わし、ラジカルY
2は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Brを表わし、とりわけ好ましくは-Clを表わす。
【0151】
別の好適な実施形態においては、少なくとも1種のシクロデキストリン化合物、好ましくは1種のみのシクロデキストリン化合物を、エピクロロヒドリン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、テトラメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネートからなる群から選択される架橋剤1種のみと、好ましくは1種のみの官能化剤と、任意であるが、少なくとも1種の溶媒の存在下で混合するが、上記官能化剤が、CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール、オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、ラジカルY
1は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、なかでも好ましくは-Clを表わし、ラジカルY
2は好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Brを表わし、とりわけ好ましくは-Clを表わす。
【0152】
別の好適な実施形態においては、シクロデキストリン化合物を、架橋剤エピクロロヒドリン(更なる架橋剤は使わない)又は架橋剤1,2,3,4-ジエポキシブタン(更なる架橋剤は使わない)と、更に好ましくは1種のみの官能化剤と、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合するが、前記官能化剤は、CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール、オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、上記ラジカルY
1は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、なかでも好ましくは-Clを表わし、ラジカルY
2は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Brを表わし、とりわけ好ましくは-Clを表わす。
【0153】
特に好適な実施形態では、本発明の共重合体は、
(グルコシル)-シクロデキストリン、(ガラクトシル)-シクロデキストリン、(マルトシル)-シクロデキストリン、(マルトリオシル)-シクロデキストリン、(アセチル)-シクロデキストリン、(プロピオニル)-シクロデキストリン、(イソブチリル)-シクロデキストリン、(ブチリル)-シクロデキストリン、(ピバロイル)-シクロデキストリン、(ペンタノイル)-シクロデキストリン、(ヘキサノイル)-シクロデキストリン、(シクロプロパンカルボニル)-シクロデキストリン、(ベンゾイル)-シクロデキストリン、(2-フェニルアセチル)-シクロデキストリン、(2-カルボキシアセチル)-シクロデキストリン、(3-カルボキシプロパノイル)-シクロデキストリン、(4-カルボキシブタノイル)-シクロデキストリン、(2-メトキシ-2-オキソアセチル)-シクロデキストリン、(3-メトキシ-3-オキソプロパノイル)-シクロデキストリン、(4-メトキシ-4-オキソブタノイル)-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシアセチル)-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン、(3-ヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン、(3-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン、(4-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(3-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(4-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(5-ヒドロキシ-ペンタノイル)-シクロデキストリン、(2,3-ジヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン、(2,3-ジヒドロキシ-ブタノイル)-シクロデキストリン、
【0154】
(2,4-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン、(3,4-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン、(2,3-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(2,4-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(2.5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、 (3,4-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(3,5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(4,5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(2,3,4-トリヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン、(2,3,4-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(2,3,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(2,4,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(3,4,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン、(2,3,4,5-テトラヒドロキシ-ペンタノイル)-シクロデキストリン、(2-アミノアセチル)-シクロデキストリン、(2-アミノプロパノイル)-シクロデキストリン、(2-アミノブタノイル)-シクロデキストリン、[2-(1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]シクロデキストリン、[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン、[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン、[2-(1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]-シクロデキストリン、[3-(1H-イミダゾール-1-イル)-プロパノイル]-シクロデキストリン、[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン、[2-(ピリジン-3-イル)-アセチル]-シクロデキストリン、[3-(ピリジン-3-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン、[4-(ピリジン-3-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン、(メチル)-シクロデキストリン、(エチル)-シクロデキストリン、
【0155】
(イソプロピル)-シクロデキストリン、(N-プロピル)-シクロデキストリン、(イソブチル)-シクロデキストリン、(N-ブチル)-シクロデキストリン、(sec-ブチル)-シクロデキストリン、(tert-ブチル)-シクロデキストリン、(シクロプロピル)-シクロデキストリン、(フェニル)-シクロデキストリン、(ベンジル)-シクロデキストリン、(フェネチル)-シクロデキストリン、(カルボキシメチル)-シクロデキストリン、(1-カルボキシエチル)-シクロデキストリン、(2-カルボキシエチル)-シクロデキストリン、(1-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン、(2-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン、(3-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン、(1-カルボキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン、(4-カルボキシブチル)-シクロデキストリン、(5-カルボキシペンチル)-シクロデキストリン、(5-カルボキシペンチル)-シクロデキストリン、(2-メトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリン、(3-メトキシ-2-オキソプロピル)-シクロデキストリン、(4-メトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン、(5-メトキシ-5-オキソペンチル)-シクロデキストリン、(6-メトキシ-6-オキソヘキシル)-シクロデキストリン、(2-エトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリン、(3-エトキシ-2-オキソプロピル)-シクロデキストリン、(4-エトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン、(5-エトキシ-5-オキソペンチル)-シクロデキストリン、(6-エトキシ-6-オキソヘキシル)-シクロデキストリン、(3-カルボキシ-2-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン、(4-エトキシ-2-ヒドロキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン、(1-カルボキシ-2-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン、(3-ヒドロキシ-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)-シクロデキストリン、(1-エトキシ-3-ヒドロキシ-1-オキソプロパン-2-イル)-シクロデキストリン、(1-カルボキシ-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン、(1-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)-シクロデキストリン、
【0156】
(4-エトキシ-1-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-シクロデキストリン、(ヒドロキシメチル)-シクロデキストリン、(1-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン、(1-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン、(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン、(1-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(3-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(4-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(1-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(3-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(4-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(5-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,2-ジヒドロキシエチル)-シクロデキストリン、(1,2-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン、(1,3-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン、(2,3-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン、(1,2-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(1,3-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(1,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(2,3-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(2,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(3,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(1,2-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,3-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(2,3-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(2,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(2.5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(3,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、
【0157】
(3,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(4,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン、(1,2,3-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(1,2,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(1,3,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(2,3,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(1,2,3-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,2,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,2.5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,3,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,3,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(2,3,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(2,3,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(2,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(3,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,2,3,4-テトラヒドロキシブチル)-シクロデキストリン、(1,2,3,4-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,2,4,5-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(2,3,4,5-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、(1,2,3,4,5-ペンタヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン、[(スルホキシ)メチル]-シクロデキストリン、[2-(スルホキシ)エチル]-シクロデキストリン、[3-(スルホキシ)プロピル]-シクロデキストリン、[4-(スルホキシ)ブチル]-シクロデキストリン、[(ホスホノオキシ)メチル]-シクロデキストリン、[2-(ホスホノオキシ)エチル]-シクロデキストリン、[3-(ホスホノオキシ)プロピル]-シクロデキストリン、[4-(ホスホノオキシ)ブチル]-シクロデキストリン、[4-(ホスホノオキシ)ブチル]-シクロデキストリン、(スルホメチル)-シクロデキストリン、(2-スルホエチル)-シクロデキストリン、(3-スルホプロピル)-シクロデキストリン、(4-スルホブチル)-シクロデキストリン、(5-スルホペンチル)-シクロデキストリン、(6-スルホヘキシル)-シクロデキストリン、(ホスホノメチル)-シクロデキストリン、(2-ホスホノエチル)-シクロデキストリン、(3-ホスホノプロピル)-シクロデキストリン、(4-ホスホノブチル)-シクロデキストリン、(5-ホスホノペンチル)-シクロデキストリン、(6-ホスホノヘキシル)-シクロデキストリン、(2-ホスホノビニル)-シクロデキストリン、(3-ホスホノアリル)-シクロデキストリン、(4-ホスホノブタ-3-エニル)-シクロデキストリン、(5-ホスホノペンタ-4-エニル)-シクロデキストリン、(6-ホスホノヘキサ-5-エニル)-シクロデキストリン、(アミノメチル)-
【0158】
シクロデキストリン、(2-アミノエチル)-シクロデキストリン、(3-アミノプロピル)-シクロデキストリン、(4-アミノブチル)-シクロデキストリン、(5-アミノペンチル)-シクロデキストリン、(6-アミノヘキシル)-シクロデキストリン、[(N,N-ジメチルアミノ)メチル]-シクロデキストリン、[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]-シクロデキストリン、[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]-シクロデキストリン、[4-(N,N-ジメチルアミノ)ブチル]-シクロデキストリン、[5-(N,N-ジメチルアミノ)ペンチル]-シクロデキストリン、[6-(N,N-ジメチルアミノ)ヘキシル]-シクロデキストリン、[(N,N-ジエチルアミノ)メチル]-シクロデキストリン、[2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル]-シクロデキストリン、[3-(N,N-ジエチルアミノ)プロピル]-シクロデキストリン、[4-(N,N-ジエチルアミノ)ブチル]-シクロデキストリン、[5-(N,N-ジエチルアミノ)ペンチル]-シクロデキストリン、[6-(N,N-ジエチルアミノ)ヘキシル]-シクロデキストリン、[(トリメチルアンモニオ)メチル]-シクロデキストリン塩化物、[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]-シクロデキストリン塩化物、[3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]-シクロデキストリン塩化物、[4-(トリメチルアンモニオ)ブチル]-シクロデキストリン塩化物、[5-(トリメチルアンモニオ)-ペンチル]-シクロデキストリン塩化物、[6-(トリメチルアンモニオ)ヘキシル]-シクロデキストリン塩化物、
【0159】
[(トリエチルアンモニオ)メチル]-シクロデキストリン塩化物、[2-(トリエチルアンモニオ)エチル]-シクロデキストリン塩化物、[3-(トリエチルアンモニオ)プロピル]-シクロデキストリン塩化物、[4-(トリエチル-アンモニオ)ブチル]-シクロデキストリン塩化物、[5-(トリエチルアンモニオ)ペンチル]-シクロデキストリン塩化物、[6-(トリエチルアンモニオ)ヘキシル]-シクロデキストリン塩化物、[(1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-シクロデキストリン、[2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル]-シクロデキストリン、[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]-シクロデキストリン、[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブチル]-シクロデキストリン、(ピリジン-3-イルメチル)-シクロデキストリン、[2-(ピリジン-3-イル)エチル]-シクロデキストリン、[3-(ピリジン-3-イル)プロピル]-シクロデキストリン、[4-(ピリジン-3-イル)ブチル]-シクロデキストリン、[(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)メチル]-シクロデキストリン、[2-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)エチル]-シクロデキストリン、[3-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)プロピル]-シクロデキストリン、[4-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)ブチル]-シクロデキストリン、[5-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)ペンチル]-シクロデキストリン及び[6-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)ヘキシル]-シクロデキストリンからなる群から選択される、少なくとも1種、好ましくは1種のみのシクロデキストリン化合物(ここで「シクロデキストリン」という用語は、α-、β-又はγ-シクロデキストリンを、好ましくはα-又はβ-シクロデキストリンを、特に好ましくはβ-シクロデキストリンを表わす)を、
【0160】
エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、テトラメチレンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート(上記において、架橋剤はエピクロロヒドリンがとりわけ好適である)からなる群から選択される、少なくとも1種、好ましくは1種のみの架橋剤と、
CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール、オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択される、少なくとも1種、好ましくは1種のみの官能化剤(上記において、ラジカルY
1は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、なかでも好ましくは-Clを表わし、ラジカルY
2は好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Brを表わし、とりわけ好ましくは-Clを表わす)とを、任意であるが、少なくとも1種の溶媒の存在下で混合することにより得られる。
【0161】
別の特に好適な実施形態では、未置換α-、β-又はγ-シクロデキストリンを、架橋剤のエピクロロヒドリンと官能化剤の1,3-ブタンスルトン、1,4-ブタンスルトン、2-クロロ酢酸、2-クロロ酢酸メチルエステル又は2-クロロ酢酸エチルエステルと、任意であるが溶媒の存在下で反応させる。
シクロデキストリン化合物を架橋剤と官能化剤と混合するには、水性又は有機溶媒中で行うとよい。好ましくは、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)又はこれらの混合物中で混合する。また、この反応は、無水DMSO、無水DMF、無水NMP又はこれらの混合物中、好ましくは無水条件下で行ってもよい。特に好適な溶媒としては、水、DMSO及びDMFならびにこれらの混合物が挙げられるが、なかでも水又はDMFとこの混合物が好ましい。
混合はアルカリ媒体中、通常pH>7で行うことが好ましい。
混合は、好ましくは7.5≦pH≦14、より好ましくは7.5≦pH≦13、更に好ましくは、8≦pH≦13、最も好ましくは、8≦pH≦12.5、特に好ましくは9≦pH≦12で行う。
反応溶液又は分散液のpHは好ましくは、塩基性アルカリ金属塩、塩基性アルカリ土類金属塩、水素化物、アルコキシド、又は、例えば、ピリジンもしくはジイソプロピルアミン等の有機塩基といった、塩基を使って調整する。水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメタノーレート、カリウムtert-ブトキシド、ピリジン及びジイソプロピルアミンが特に好適である。
【0162】
シクロデキストリン化合物の共重合及び/又は架橋は、塩基性の反応条件下で行われるので、アルカリ媒体中で不安定な置換基は構造的に変化する場合がある。シクロデキストリン化合物、架橋剤及び官能化剤のなかの塩基に不安的な基が、上記の変化の影響をうけることがある。例えば、シクロデキストリン化合物(2-メトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリンのエステル基は、開裂してカルボキシル基又はカルボキシレート基となることがあり、出発化合物の(2-メトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリンが、(カルボキシメチル)-シクロデキストリンに変わる。この変化は、エステル基の全個数を基準にした際、完全な場合も不完全な場合もある。結果として、対応の本発明の共重合体において、すべてのエステル基又はその一部のみがカルボキシル基に変わることがある。
好適な実施形態では、シクロデキストリン化合物を溶媒又は溶媒混合物に溶解又は分散した後、好ましくは該分散液又は溶液を撹拌しながら、架橋剤と官能化剤とをその中に溶解又は分散させる。架橋剤及び官能化剤は同時であってもいずれかの順番で添加してもよく、すべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。架橋剤及び/又は官能化剤は、添加前に溶媒(例えば、水、DMF、DMSO、NMP)に溶解又は分散させてもよく、その後、反応混合物に、溶液又は分散液としてすべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。或いは、滴下漏斗、ピペット又はシリンジを利用して滴下してもよい。添加及び/又は滴下はシリンジポンプを用いて行えばよい。
【0163】
別の好適な実施形態では、架橋剤及び官能化剤はいずれかの順番で、又は同時に溶媒又は溶媒混合物に溶解又は分散させた後、好ましくは該溶液又は分散液を撹拌しながら、シクロデキストリン化合物をその中に溶解又は分散させる。シクロデキストリン化合物は、すべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。シクロデキストリン化合物は添加する前に溶媒に溶解又は分散させてもよく、その後、反応混合物に、溶液又は分散液としてすべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。或いは、滴下漏斗、ピペット又はシリンジを利用して滴下してもよい。添加及び/又は滴下はシリンジポンプを用いて行えばよい。
別の好適な実施形態においては、架橋剤、官能化剤及びシクロデキストリン化合物を溶媒又は溶媒混合物中に同時に溶解又は分散させる。
特に好適な実施形態では、溶媒の存在下、置換又は未置換のシクロデキストリン化合物を最初に架橋剤と混合し、反応させて架橋共重合体を形成する。得られた架橋共重合体は、架橋後に精製又は単離してもよい。次に、溶媒の存在下、官能化剤を混合し、精製又は単離した共重合体と反応させる。或いは、官能化剤を混合し、未単離及び/又は未精製の共重合体を含む反応混合物と反応させる。
特に好適な実施形態では、溶媒の存在下、置換又は未置換のシクロデキストリン化合物を最初に官能化剤と混合し、反応させて置換シクロデキストリン化合物を形成する。得られた置換シクロデキストリン化合物は、架橋後に精製又は単離してもよい。次に、溶媒の存在下、架橋剤を混合し、精製又は単離した置換シクロデキストリン化合物と反応させる。或いは、架橋剤を混合し、未単離及び/又は未精製の置換シクロデキストリン化合物を含む反応混合物と反応させる。
【0164】
混合中、好ましくないことに突然反応温度が上昇することがある。そのため、任意であるが反応混合物を冷却して実質的に一定した反応温度を確保することが有用である。反応混合物は、氷浴又は水浴によって冷却することができる。
架橋剤の添加中又は添加後、又は、シクロデキストリン化合物の添加前、添加中、添加後、官能化剤の添加前、添加中、添加後、又は、これらの混合物の添加前、添加中、添加後に反応混合物をアルカリ化してもよい。
アルカリpHは、好ましくは、pH試験紙又はpHメーターを使って測定する。好適な実施形態では、反応の最中に連続的に、又は、ある間隔でpH値を測定する。pH値が低下して、ある値(例えばpH<8又は<7.5)を下回る場合、塩基を添加することで反応混合物におけるアルカリpHを回復することができる。
反応温度(反応混合物の温度)が好ましくは5.0〜90℃、より好ましくは10〜75℃、更に好ましくは15〜50℃、最も好ましくは15〜30℃、とりわけ好ましくは20〜25℃で、この反応が起きる。シクロデキストリン化合物を架橋剤と官能化剤と、任意であるが溶媒又は溶媒混合物の存在下で混合した後、反応混合物の温度を、好ましくは5〜90℃、より好ましくは10〜75℃、更に好ましくは15〜50℃、最も好ましくは15〜30℃、特に好ましくは20〜25℃に調整する。
好適な実施形態では、1.0molのシクロデキストリン化合物の全物質量を基準に、反応混合物中、架橋剤の全物質量は≧0.5mol、≧1.0mol、≧2.0mol又は≧3.0mol、より好ましくは、≧4.0mol、≧5.0mol又は≧6.0mol、更に好ましくは、≧7.0mol、≧8.0mol又は≧9.0mol、最も好ましくは、≧10mol、≧15mol又は≧20mol、特に好ましくは≧25molにして使用する(当量)。
【0165】
別の好適な実施形態では、1.0molのシクロデキストリン化合物の全物質量を基準に、反応混合物中、官能化剤の全物質量は≧0.5mol、≧1.0mol、≧2.0mol又は≧3.0mol、より好ましくは、≧4.0mol、≧5.0mol又は≧6.0mol、更に好ましくは、≧7.0mol、≧8.0mol又は≧9.0mol、最も好ましくは、≧10mol、≧15mol又は≧20mol、特に好ましくは≧25molにして使用する(当量)。
別の好適な実施形態においては、架橋剤の全物質量:シクロデキストリン化合物の全物質量の比は≧1:1、より好ましくは≧2:1、更に好ましくは≧3:1、最も好ましくは≧5:1、特の好ましくは≧10:1である。
別の好適な実施形態においては、官能化剤の全物質量:シクロデキストリン化合物の全物質量の比は≧1:1、より好ましくは≧2:1、更に好ましくは≧3:1、最も好ましくは≧5:1、特の好ましくは≧10:1である。
別の好適な実施形態においては、官能化剤の全物質量:架橋剤の全物質量の比は≧1:1、より好ましくは≧2:1、更に好ましくは≧3:1、最も好ましくは≧5:1、特の好ましくは≧10:1である。
反応(架橋反応)は、適切な分析プロセスで追跡することができる。例えば、反応混合物のサンプルをある時点で無作為に採りだし、LC/MS又はNMRで分析するとよい。ある時点での反応混合物中に存在する反応生成物をこのようにして求めることができる。ランダムサンプリングの分析により、所望の反応生成物が得られていることがわかったら、反応を終了させ、所望の反応生成物を単離又は精製することができる。
【0166】
反応を終了させるには、好ましくは反応混合物を中和させればよい。即ち、反応溶液又は分散液のpHを好ましくは6.5≦pH≦7.5、特に好ましくは6.8≦pH≦7.2に調整すればよい。好ましくは、有機酸(例えばトリフルオロ酢酸、酢酸等)又は無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸等)を用いて混合物を中和させる。
別の好適な実施形態では、反応及び/又は中和の終了後、反応混合物を透析にかける。好ましくは、無塩プロセスで透析にかけることが好ましく、この場合、透析で使用する透析膜のMWCO(「カットオフ分子量」)は好ましくは0.50kDa又は1.0kDa、より好ましくは2.0kDa又は3.0kDa、更に好ましくは4.0kDa又は5.0kDa、最も好ましくは10kDa、とりわけ好ましくは≧15kDaである。
無塩プロセスで透析にかけた本発明の共重合体には、本発明の共重合体の全質量を基準に、分子量が<1.5kDaの化合物が、好ましくは≦10質量%、より好ましくは≦5.0質量%、更に好ましくは≦2.5質量%、とりわけ好ましくは≦1.0質量%の残留量で含まれる。
反応混合物及び/又は本質的に無塩の透析液は、更なる精製及び/又は単離の前に、好ましくはロータリーエバポレータを用いて濃縮してもよい。反応混合物は透析(好ましくは無塩透析)の前でも濃縮することができる。
本発明の共重合体は、好ましくは、限外濾過、カラムクロマトグラフィー(例えばシリカゲル又は活性炭素使用)、分取HPLC又は再結晶により単離又は精製する。こうして得られた本発明の共重合体は凍結乾燥することができる。
【0167】
好適な実施形態では、本発明の共重合体に含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、本発明の共重合体に含まれるリンカーの物質量比は20〜95mol%、より好ましくは25〜80mol%、更に好ましくは30〜70mol%、最も好ましくは30〜60mol%、とりわけ好ましくは30〜50mol%である。
本発明の共重合体に含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、本発明の共重合体に含有されるシクロデキストリンモノマーの物質量の比は、好ましくは5.0〜80mol%、より好ましくは10〜75mol%、更に好ましくは20〜70mol%、最も好ましくは30〜70mol%、とりわけ好ましくは40〜70mol%になる。
別の好適な実施形態においては、本発明の共重合体に含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、リンカーの物質量比とシクロデキストリンモノマーの物質量比の合計は、≧25mol%、≧30mol%又は≧40mol%、より好ましくは≧50mol%又は≧60mol%、更に好ましくは≧70mol%又は≧80mol%、最も好ましくは≧90mol%又は≧95mol%、とりわけ好ましくは100mol%である。
本発明の共重合体の23℃における水への溶解度は、好ましくは≧5.0gl
-1、≧10gl
-1、≧25gl
-1又は≧50gl
-1、より好ましくは≧75gl
-1、≧100gl
-1、≧125gl
-1又は≧150gl
-1、更に好ましくは≧175gl
-1、≧200gl
-1、≧225gl
-1又は≧250gl
-1、最も好ましくは、≧300gl
-1又は≧400gl
-1、特に好ましくは≧500gl
-1である。
【0168】
本発明の共重合体を含む50mM水溶液の浸透圧重量モル濃度は、好ましくは≧50mosmkg
-1、≧75mosmkg
-1又は≧100mosmkg
-1、より好ましくは≧125mosmkg
-1、≧150mosmkg
-1又は≧175mosmkg
-1、更に好ましくは≧200mosmkg
-1又は≧225mosmkg
-1、最も好ましくは、≧250mosmkg
-1又は≧275mosmkg
-1、特に好ましくは≧300mosmkg
-1である。
本発明の共重合体の重合度は、好ましくは≧2.0又は≧3.0、より好ましくは≧4.0又は≧5.0、更に好ましくは≧6.0又は≧7.0、最も好ましくは≧8.0又は≧9.0、特に好ましくは≧10である。
本発明の共重合体の平均分子量は、好ましくは≧2.0kDa、より好ましくは≧2.5kDa、更に好ましくは≧3.0kDa、最も好ましくは≧4.0kDa、特に好ましくは≧5.0kDaである。平均分子量は膜浸透圧計(蒸留水、23℃)で測定することが好ましい。
別の好適な実施形態において、本発明のポリマーの平均分子量(M)は、好ましくは2.0≦M≦100kDa、より好ましくは2.0≦M≦50kDa、更に好ましくは2.0≦M≦25kDa、最も好ましくは2.0≦M≦15kDa、特に好ましくは2.0≦M≦10kDaである。
別の特に好適な実施形態では、少なくとも1種のシクロデキストリン化合物を少なくとも1種の架橋剤と少なくとも1種の官能化剤と混合することにより得られる、本発明の共重合体の重合度は、好ましくは≧2.0又は≧3.0、より好ましくは≧4.0又は≧5.0、更に好ましくは≧6.0又は≧7.0、最も好ましくは≧8.0又は≧9.0、特に好ましくは≧10である。
【0169】
別の好適な実施形態においては、少なくとも1種のシクロデキストリン化合物を少なくとも1種の架橋剤と少なくとも1種の官能化剤と混合することにより得られる、本発明の共重合体の平均粒子径は、好ましくは≦1000μm、≦900μm又は≦800μm、より好ましくは≦700μm、≦600μm又は≦500μm、更に好ましくは≦400μm、≦300μm又は≦200μm、最も好ましくは≦100μm、≦75μm又は≦50μm、特に好ましくは≦25μmである。
本発明の別の好適な主題は、少なくとも1種のシクロデキストリンポリマーを、少なくとも1種の官能化剤と混合する工程を含む方法で得ることができる、泌尿生殖器系の疾病の治療に使用するための共重合体である。
本発明では、「シクロデキストリンポリマー」という用語は、前記で定義した未置換共重合体又はモノ置換もしくは多置換共重合体であって、即ち、少なくとも2種のシクロデキストリンモノマーと少なくとも1個のリンカーを含有する共重合体を包含するもので、置換シクロデキストリンポリマーは少なくとも1個の未置換-OH、少なくとも1個の未置換-SH又は少なくとも1個の第一、第二又は第三アミノ基を含有する。
本発明の語義において、「少なくとも1個の未置換-OH」は、シクロデキストリンモノマーのグリコシルユニット、リンカー、シクロデキストリンモノマーの置換基及び/又はリンカーの置換基の一部であればよい。本発明では、「少なくとも1個の-SH」又は「少なくとも1個の第一、第二又は第三アミノ基」は、好ましくは、シクロデキストリンモノマーの置換基又はリンカーの置換基の構成要素である。シクロデキストリンポリマーに含まれるシクロデキストリンモノマーやリンカー、ならびにそれらの好適な実施形態については前述のごとく定義される。
【0170】
更に本発明では、「シクロデキストリンポリマー」という用語は、前記で定義した方法、即ち、少なくとも1種のシクロデキストリン化合物を、
(a)少なくとも1種の架橋剤と、又は、
(b)少なくとも1種の架橋剤と少なくとも1種の官能化剤と、混合する工程を有する方法により得ることができる共重合体を含み、該共重合体の好適な実施形態は上述の定義のとおりであり、置換シクロデキストリンポリマーは、少なくとも1個の未置換OH、少なくとも1個の未置換-SH又は少なくとも1個の第一、第二又は第三アミノ基を含有する。
好適な実施形態では、シクロデキストリンポリマーは、2個以上の未置換ヒドロキシル基、2個以上の未置換チオール基又は2個以上の第一、第二もしくは第三アミノ基を含有する。
別の好適な実施形態は、置換α-シクロデキストリンポリマーが、α-シクロデキストリンポリマーのα-シクロデキストリンモノマーを基準に、平均して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17個の未置換ヒドロキシル基を含有する。
別の好適な実施形態は、置換β-シクロデキストリンポリマーが、β-シクロデキストリンポリマーのβ-シクロデキストリンモノマーを基準に、平均して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の未置換ヒドロキシル基を含有する。
【0171】
別の好適な実施形態は、置換β-シクロデキストリンポリマーが、γ-シクロデキストリンポリマーのγ-シクロデキストリンモノマーを基準に、平均して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22又は23個の未置換ヒドロキシル基を含有する。
別の好適な実施形態は、置換α/β-シクロデキストリンポリマーが、α/β-シクロデキストリンポリマーのシクロデキストリンモノマーを基準に、平均して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の未置換ヒドロキシル基を含有する。
別の好適な実施形態は、置換α/γ-シクロデキストリンポリマーが、α/γ-シクロデキストリンポリマーのシクロデキストリンモノマーを基準に、平均して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22又は23個の未置換ヒドロキシル基を含有する。
別の好適な実施形態は、置換β/γ-シクロデキストリンポリマーが、β/γ-シクロデキストリンポリマーのシクロデキストリンモノマーを基準に、平均して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22又は23個の未置換ヒドロキシル基を含有する。
別の好適な実施形態は、置換α/β/γ-シクロデキストリンポリマーが、α/β/γ-シクロデキストリンポリマーのシクロデキストリンモノマーを基準に、平均して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22又は23個の未置換ヒドロキシル基を含有する。
【0172】
前記方法及びその好適な実施形態で使用される官能化剤は、上記で定義したとおりである。
そこで、本発明の共重合体は、
共重合及び/又は架橋が既になされた少なくとも1種の未置換シクロデキストリンポリマー又はモノ置換もしくは多置換シクロデキストリンポリマーを、少なくとも1種の官能化剤と混合する工程を有する方法により得ることができる。
好適な実施形態では、本発明の共重合体は、
重合及び/又は架橋が既になされた少なくとも1種の未置換シクロデキストリンポリマーを、少なくとも1種の官能化剤と混合する工程を有する方法により得ることができる。
「シクロデキストリンポリマー」という用語は、好ましくは、α-シクロデキストリンポリマー、β-シクロデキストリンポリマー、γ-シクロデキストリンポリマー、α/β-シクロデキストリンポリマー、α/γ-シクロデキストリンポリマー及びα/β/γ-シクロデキストリンポリマー、ならびに、これらのうちの少なくとも2種の異なるシクロデキストリンポリマーを含有する混合物を含み、シクロデキストリンポリマーは未置換又はモノ置換もしくは多置換ポリマーであり、好ましくは未置換であり、少なくとも1個の未置換-OH、少なくとも1個の未置換-SH又は少なくとも1個の第一、第二もしくは第三アミノ基を有する。
【0173】
本発明の語義において、「α-シクロデキストリンポリマー」という用語は、同じであっても異なっていてもよい2個以上のα-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のリンカーとを含む共重合体を表わし、「β-シクロデキストリンポリマー」という用語は、同じであっても異なっていてもよい2個以上のβ-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のリンカーとを含む共重合体を表わし、「γ-シクロデキストリンポリマー」という用語は、同じであっても異なっていてもよい2個以上のγ-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のリンカーとを含む共重合体を表わし、「α/β-シクロデキストリンポリマー」という用語は、同じであっても異なっていてもよい1個以上のα-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のβ-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のリンカーとを含む共重合体を表わし、「α/γ-シクロデキストリンポリマー」という用語は、同じであっても異なっていてもよい1個以上のα-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のγ-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のリンカーとを含む共重合体を表わし、「β/γ-シクロデキストリンポリマー」という用語は、同じであっても異なっていてもよい1個以上のβ-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のγ-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のリンカーとを含む共重合体を表わし、「α/β/γ-シクロデキストリンポリマー」という用語は、同じであっても異なっていてもよい1個以上のα-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のβ-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい1個以上のγ-シクロデキストリンモノマーと、同じであっても異なっていてもよい2個以上のリンカーとを含む共重合体を表わし、シクロデキストリンポリマーは未置換又はモノ置換もしくは多置換ポリマーであり、好ましくは未置換であり、少なくとも1個の未置換-OH、少なくとも1個の未置換-SH又は少なくとも1個の第一、第二もしくは第三アミノ基を有する。
【0174】
別の好適な実施形態においては、「シクロデキストリンポリマー」は、
α-、β-及びγ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、
α-、β-及びγ-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体、
α-、β-及びγ-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体、
α-、β-及びγ-シクロデキストリン-テトラメチレンジイソシアネート共重合体又は
α-、β-及びγ-シクロデキストリン-ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体を表わすものであり、即ち、未置換シクロデキストリンポリマー又はモノ置換又は多置換シクロデキストリンポリマーが、エピクロロヒドリン、4-クロロ-1,2-エポキシブタン、1,2,3,4-ジエポキシブタン、テトラメチレンジイソシアネート又はヘキサメチレンジイソシアネートと共重合及び/又は架橋することが好ましい。
未置換のα-、β-及びγ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、又は、1回以上置換した上記共重合体が特に有利である。
好適な実施形態では、シクロデキストリンポリマーに含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、シクロデキストリンポリマーに含まれるリンカーの物質量比は20〜95mol%、より好ましくは25〜80mol%、更に好ましくは30〜70mol%、最も好ましくは30〜60mol%、とりわけ好ましくは30〜50mol%である。
【0175】
本発明のシクロデキストリンポリマーに含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、シクロデキストリンポリマーに含有されるシクロデキストリンモノマーの物質量の比は、好ましくは5.0〜80mol%、より好ましくは10〜75mol%、更に好ましくは20〜70mol%、最も好ましくは30〜70mol%、とりわけ好ましくは40〜70mol%になる。
別の好適な実施形態においては、シクロデキストリンポリマーに含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、リンカーの物質量比とシクロデキストリンモノマーの物質量比の合計は、≧25mol%、≧30mol%又は≧40mol%、より好ましくは≧50mol%又は≧60mol%、更に好ましくは≧70mol%又は≧80mol%、最も好ましくは≧90mol%又は≧95mol%、とりわけ好ましくは100mol%である。
シクロデキストリンポリマーの水への溶解性は低くてもよい。シクロデキストリンポリマーの水への溶解性は、官能化剤との混合により向上させることができる。
シクロデキストリンポリマーの23℃における水への溶解性は、好ましくは≦1.0gl
-1、≦2.5gl
-1、≦5.0gl
-1又は≦7.5gl
-1、より好ましくは≦10gl
-1、≦20gl
-1、≦40gl
-1又は≦60gl
-1、更に好ましくは≦80gl
-1、≦100gl
-1、≦125gl
-1又は≦150gl
-1、最も好ましくは≦175gl
-1又は≦200gl
-1、とりわけ好ましくは≦225gl
-1である。
シクロデキストリンポリマーの浸透圧重量モル濃度は低くてもよい。シクロデキストリンポリマーの浸透圧重量モル濃度は、官能化剤との混合により向上させることができる。
【0176】
シクロデキストリンポリマーを含む50mM水溶液の浸透圧重量モル濃度は、好ましくは、≦10mosmkg
-1、≦25mosmkg
-1又は≦50mosmkg
-1、より好ましくは、≦75mosmkg
-1、≦100mosmkg
-1又は≦125mosmkg
-1、更に好ましくは、≦150mosmkg
-1又は≦175mosmkg
-1、最も好ましくは、≦200mosmkg
-1又は≦225mosmkg
-1、とりわけ好ましくは≧300mosmkg
-1である。
シクロデキストリンポリマーの重合度は、好ましくは≧2.0又は≧3.0、より好ましくは≧4.0又は≧5.0、更に好ましくは≧6.0又は≧7.0、最も好ましくは≧8.0又は≧9.0、とりわけ好ましくは≧10である。
本発明の共重合体の平均粒子径は、好ましくは≦1000μm、≦900μm又は≦800μm、より好ましくは≦700μm、≦600μm又は≦500μm、更に好ましくは≦400μm、≦300μm又は≦200μm、最も好ましくは≦100μm、≦75μm又は≦50μm、とりわけ好ましくは≦25μmである。
シクロデキストリンポリマーの平均分子量は、好ましくは≧2.0kDa、より好ましくは≧2.5kDa、更に好ましくは≧3.0kDa、最も好ましくは≧4.0kDa、とりわけ好ましくは≧5.0kDaである。平均分子量は膜浸透圧計(蒸留水、23℃)で測定することが好ましい。
別の好適な実施形態において、シクロデキストリンポリマーの平均分子量(M)は、好ましくは2.0≦M≦100kDa、より好ましくは2.0≦M≦50kDa、更に好ましくは2.0≦M≦25kDa、最も好ましくは2.0≦M≦15kDa、特に好ましくは2.0≦M≦10kDaである。
【0177】
別の特に好適な実施形態では、シクロデキストリンポリマーの重合度は、好ましくは≧2.0又は≧3.0、より好ましくは≧4.0又は≧5.0、更に好ましくは≧6.0又は≧7.0、最も好ましくは≧8.0又は≧9.0、特に好ましくは≧10である。
本発明の共重合体は、好ましくは、α-シクロデキストリンポリマーを、1種以上(例えば2、3又は4種)、好ましくは1種のみの官能化剤と混合する工程;β-シクロデキストリンポリマーを、1種以上(例えば2、3又は4種)、好ましくは1種のみの官能化剤と混合する工程;γ-シクロデキストリンポリマーを、1種以上(例えば2、3又は4種)、好ましくは1種のみの官能化剤と混合する工程;α/β-シクロデキストリンポリマーを、1種以上(例えば2、3又は4種)、好ましくは1種のみの官能化剤と混合する工程;α/γ-シクロデキストリンポリマーを、1種以上(例えば2、3又は4種)、好ましくは1種のみの官能化剤と混合する工程;β/γ-シクロデキストリンポリマーを、1種以上(例えば2、3又は4種)、好ましくは1種のみの官能化剤と混合する工程;α/β/γ-シクロデキストリンポリマーを、1種以上(例えば2、3又は4種)、好ましくは1種のみの官能化剤と混合する工程であって、それぞれ、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合する工程を有する方法により得ることができる。
【0178】
本発明の共重合体は、好ましくは、前記シクロデキストリンポリマーのいずれかの混合物を、少なくとも1種の官能化剤と混合する工程を有する方法によっても得ることができる。α-及びβ-シクロデキストリンポリマー、α-及びγ-シクロデキストリンポリマー、β-及びγ-シクロデキストリンポリマー、又は、α-、β-及びγ-シクロデキストリンポリマーを含有する混合物を、1種以上、好ましくは1種のみの官能化剤と、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合することにより本発明の共重合体を得ることが有利である。
好適な実施形態では、少なくとも1種、好ましくは1種のみのシクロデキストリンポリマーを、少なくとも1種、好ましくは1種のみの官能化剤と、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合するが、上記官能化剤は、C
1-6-アルキル-Y、C
3-7-シクロアルキル-Y、C
1-6-アルキル-C(=O)-Y、C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-Y、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-OH、Y-C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-OH、Y-C
1-6-アルキル-C(=O)-O-C
1-6-アルキル、Y-C
3-7-シクロアルキル-C(=O)-O-C
3-7-シクロアルキル、[C
1-6-アルキル-C(=O)]
2O、[C
3-7-シクロアルキル-C(=O)]
2O、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、オキシラン、C
1-6-アルキルオキシラン、C
3-7-シクロアルキルオキシラン、ジ-C
1-6-アルキルオキシラン、ジ-C
3-7-シクロアルキルオキシラン、2-クロロエタノール、ジ-C
1-6-アルキルサルフェート、ジ-C
3-7-シクロアルキルサルフェート、ジ-C
1-6-アルキルホスホロクロリデート、ジ-C
3-7-シクロアルキルホスホロクロリデート、NH
3、(C
1-6-アルキル)NH
2、(C
3-7-シクロアルキル)NH
2、(C
1-6-アルキル)
2NH、
【0179】
(C
3-7-シクロアルキル)
2NH、(C
1-6-アルキル)
3N、(C
3-7-シクロアルキル)
3N、[(Y-C
1-6-アルキル)N(C
1-6-アルキル)
3]
+ハロゲン化物、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、C
1-6-アルキル及びC
3-7-シクロアルキルは互いに独立して、未置換であってもよいし、同じか異なるラジカルZによりモノ置換もしくは多置換されていてもよく、この更なる置換基Zはシクロデキストリンモノマーの架橋にほとんど影響しないか全く影響しない。ハロゲン化物としては、好ましくは塩化物、臭化物又はヨウ化物を表わし、特に好ましくは塩化物又は臭化物を表わし、特には塩化物を表わし、ラジカルYは脱離基を表わし、脱離基Yは互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-メシル、-トシル及びエポキシからなる群から選択され、特に好ましくは、-Cl、-Br、-メシル及び-トシルからなる群から選択され、なかでも好ましくは-Clを表わし、置換基Zは互いに独立して、好ましくは-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3、-C(=O)OCH
2CH
3、-NH
2、-NH(CH
3)、-N(CH
3)
2、-N(CH
3)
3+A
-、-NH(CH
2CH
3)、-N(CH
2CH
3)
2及び-N(CH
2CH
3)
3+A
-からなる群から選択され、特に好ましくは-OH、=O、-C(=O)OH、-C(=O)OCH
3及び-C(=O)OCH
2CH
3からなる群から選択され、とりわけ好ましくは-OH、=O及び-C(=O)OHからなる群から選択され、前記A
-は有機又は無機のアニオンを表わし、好ましくはCl
-、Br
-、I
-、二水素ホスフェート、一水素ホスフェート、ホスフェート、バイカーボネート、カーボネート、アセテート、ラクテート及びシトレート又は他の生理的に許容できるアニオンからなる群から選択される。
【0180】
別の好適な実施形態においては、少なくとも1種、好ましくは1種のみのシクロデキストリンポリマーを、少なくとも1種、好ましくは1種のみの官能化剤と、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合するが、上記官能化剤は、CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、CH
3-CH
2-CH
2-Y
1、(CH
3)
2CH-Y
1、CH
3-CH
2-CH
2-CH
2-Y
1、(CH
3)
2CH-CH
2-Y
1、CH
3-CH
2-CH(CH
3)-Y
1、(CH
3)
3C-Y
1、CH
2=CH-Y
1、CH
2=CH-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2CH
3、Y
1-CH
2-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、Y
1-CH(CH
3)-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-C(=O)Y
2、(CH
3)
2CH-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-CH
2-C(=O)Y
2、(CH
3)
3C-C(=O)Y
2、CH
3-CH
2-CH(CH
3)-C(=O)Y
2、(CH
3)
2CH-CH
2-C(=O)Y
2、CH
2=CH-C(=O)Y
2、CH
2=CH-CH
2-C(=O)Y
2、シクロプロピル-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH
2-C(=O)]
2O、[(CH
3)
2CH-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH
2-CH
2-C(=O)]
2O、[CH
3-CH
2-CH(CH
3)-C(=O)]
2O、[(CH
3)
2CH-CH
2-C(=O)]
2O、[(CH
3)
3C-C(=O)]
2O、[CH
2=CH-C(=O)]
2O、[CH
2=CH-CH
2-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、
【0181】
CH
2=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH=CH-C(=O)-OH、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-OH、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)-OH、CH
2=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH=CH-C(=O)-O-CH
3、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-O-CH
3、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)-O-CH
3、CH
2=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、(CH
3)
2C=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH
2-CH=CH-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-CH=C(CH
3)-C(=O)O-CH
2-CH
3、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール、オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、(CH
3-O)
2P(=O)Cl、(CH
3-CH
2-O)
2P(=O)Cl、[(CH
3)
2CH-O]
2P(=O)Cl、NH
3、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、ラジカルY
1は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Clを表わし、ラジカルY
2は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Br、とりわけ好ましくは-Clを表わす。
【0182】
別の好適な実施形態においては、唯一のシクロデキストリンポリマーを唯一の官能化剤と、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合するが、上記官能化剤は、CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール、オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、ラジカルY
1は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Clを表わし、ラジカルY
2は互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Br、とりわけ-Clが好ましい。
【0183】
別の好適な実施形態においては、(グルコシル)-シクロデキストリン共重合体、(ガラクトシル)-シクロデキストリン共重合体、(マルトシル)-シクロデキストリン共重合体、(マルトリオシル)-シクロデキストリン共重合体、(アセチル)-シクロデキストリン共重合体、(プロピオニル)-シクロデキストリン共重合体、(イソブチリル)-シクロデキストリン共重合体、(ブチリル)-シクロデキストリン共重合体、(ピバロイル)-シクロデキストリン共重合体、(ペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(ヘキサノイル)-シクロデキストリン共重合体、(シクロプロパンカルボニル)-シクロデキストリン共重合体、(ベンゾイル)-シクロデキストリン共重合体、(2-フェニルアセチル)-シクロデキストリン共重合体、(2-カルボキシアセチル)-シクロデキストリン共重合体、(3-カルボキシプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体、(4-カルボキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2-メトキシ-2-オキソアセチル)-シクロデキストリン共重合体、(3-メトキシ-3-オキソプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体、(4-メトキシ-4-オキソブタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2-ヒドロキシアセチル)-シクロデキストリン共重合体、(2-ヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体、(3-ヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(3-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(4-ヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(3-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(4-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(5-ヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3-ジヒドロキシプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2,4-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(3,4-ジヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体、
【0184】
(2,3-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2,4-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2.5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(3,4-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(3,5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(4,5-ジヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3,4-トリヒドロキシブタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3,4-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2,4,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(3,4,5-トリヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3,4,5-テトラヒドロキシペンタノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2-アミノアセチル)-シクロデキストリン共重合体、(2-アミノプロパノイル)-シクロデキストリン共重合体、(2-アミノブタノイル)-シクロデキストリン共重合体、[2-(1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]-シクロデキストリン共重合体、[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン共重合体、[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン共重合体、[2-(1H-イミダゾール-1-イル)アセチル]-シクロデキストリン共重合体、[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン共重合体、[4-(1H-イミダゾール-1-イル) ブタノイル]-シクロデキストリン共重合体、[2-(ピリジン-3-イル)アセチル]-シクロデキストリン共重合体、[3-(ピリジン-3-イル)プロパノイル]-シクロデキストリン共重合体、[4-(ピリジン-3-イル)ブタノイル]-シクロデキストリン共重合体、(メチル)-シクロデキストリン共重合体、(エチル)-シクロデキストリン共重合体、(イソプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(N-プロピル)-シクロデキストリン共重合体、(イソブチル)-シクロデキストリン共重合体、(N-ブチル)-シクロデキストリン共重合体、(sec-ブチル)-シクロデキストリン共重合体、
【0185】
(tert-ブチル)-シクロデキストリン共重合体、(シクロプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(フェニル)シクロデキストリン共重合体、(ベンジル)-シクロデキストリン共重合体、(フェネチル)-シクロデキストリン共重合体、(カルボキシメチル)-シクロデキストリン共重合体、(1-カルボキシエチル)-シクロデキストリン共重合体、(2-カルボキシエチル)-シクロデキストリン共重合体、(1-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(2-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(3-カルボキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(1-カルボキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体、(4-カルボキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(5-カルボキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(5-カルボキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(2-メトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリン共重合体、(3-メトキシ-2-オキソプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(4-メトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン共重合体、(5-メトキシ-5-オキソペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(6-メトキシ-6-オキソヘキシル)-シクロデキストリン共重合体、(2-エトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリン 共重合体、(3-エトキシ-2-オキソプロピル)-シクロデキストリン共重合体、
【0186】
(4-エトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン共重合体、(5-エトキシ-5-オキソペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(6-エトキシ-6-オキソヘキシル)-シクロデキストリン共重合体、(3-カルボキシ-2-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン共重合体、(4-エトキシ-2-ヒドロキシ-4-オキソブチル)-シクロデキストリン共重合体、(1-カルボキシ-2-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン共重合体、(3-ヒドロキシ-1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体、(1-エトキシ-3-ヒドロキシ-1-オキソプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体、(1-カルボキシ-3-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体、(1-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-オキソブタン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体、(4-エトキシ-1-ヒドロキシ-4-オキソブタン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体、(ヒドロキシメチル)-シクロデキストリン共重合体、(1-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン共重合体、(2-ヒドロキシエチル)-シクロデキストリン共重合体、(1-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(2-ヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体、(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-シクロデキストリン共重合体、(1-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(2-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(3-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(4-ヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(1-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、
【0187】
(2-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(3-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(4-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(5-ヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2-ジヒドロキシエチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(1,3-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3-ジヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,3-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(2,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(3,4-ジヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,3-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(2,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(2.5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(3,4-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(3,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(4,5-ジヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2,3-トリヒドロキシプロピル)-シクロデキストリン共重合体、
【0188】
(1,2,3-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,3,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3,4-トリヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2,3-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン 共重合体、(1,2.5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,3,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,3,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3,4-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(2,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(3,4,5-トリヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2,3,4-テトラヒドロキシブチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2,3,4-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2,4,5-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(2,3,4,5-テトラヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(1,2,3,4,5-ペンタヒドロキシペンチル)-シクロデキストリン共重合体、[(スルホキシ)メチル]-シクロデキストリン共重合体、[2-(スルホキシ)エチル]-シクロデキストリン共重合体、[3-(スルホキシ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体、[4-(スルホキシ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体、[(ホスホノオキシ)メチル]-シクロデキストリン共重合体、[2-(ホスホノオキシ)エチル]-シクロデキストリン共重合体、[3-(ホスホノオキシ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体、[4-(ホスホノオキシ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体、[4-(ホスホノオキシ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体、(スルホメチル)-シクロデキストリン共重合体、
【0189】
(2-スルホエチル)-シクロデキストリン共重合体、(3-スルホプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(4-スルホブチル)-シクロデキストリン共重合体、(5-スルホペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(6-スルホヘキシル)-シクロデキストリン共重合体、(ホスホノメチル)-シクロデキストリン共重合体、(2-ホスホノエチル)-シクロデキストリン共重合体、(3-ホスホノプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(4-ホスホノブチル)-シクロデキストリン共重合体、(5-ホスホノペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(6-ホスホノヘキシル)-シクロデキストリン 共重合体、(2-ホスホノビニル)-シクロデキストリン共重合体、(3-ホスホノアリル)-シクロデキストリン共重合体、(4-ホスホノブタ-3-エニル)-シクロデキストリン共重合体、(5-ホスホノペンタ-4-エニル)-シクロデキストリン共重合体、(6-ホスホノヘキサ-5-エニル)-シクロデキストリン共重合体、(アミノメチル)-シクロデキストリン共重合体、(2-アミノエチル)-シクロデキストリン共重合体、(3-アミノプロピル)-シクロデキストリン共重合体、(4-アミノブチル)-シクロデキストリン共重合体、(5-アミノペンチル)-シクロデキストリン共重合体、(6-アミノヘキシル)-シクロデキストリン共重合体、[(N,N-ジメチルアミノ)メチル]-シクロデキストリン共重合体、[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]-シクロデキストリン共重合体、[3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体、[4-(N,N-ジメチルアミノ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体、[5-(N,N-ジメチルアミノ)ペンチル]-シクロデキストリン共重合体、[6-(N,N-ジメチルアミノ)ヘキシル]-シクロデキストリン共重合体、[(N,N-ジエチルアミノ)メチル]-シクロデキストリン共重合体、[2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル]-シクロデキストリン共重合体、[3-(N,N-ジエチルアミノ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体、
【0190】
[4-(N,N-ジエチルアミノ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体、[5-(N,N-ジエチルアミノ)ペンチル]-シクロデキストリン共重合体、[6-(N,N-ジエチルアミノ)ヘキシル]-シクロデキストリン共重合体、[(トリメチルアンモニオ)メチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[2-(トリメチルアンモニオ)エチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[4-(トリメチルアンモニオ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[5-(トリメチルアンモニオ)ペンチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[6-(トリメチルアンモニオ)ヘキシル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[(トリエチルアンモニオ)メチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[2-(トリエチルアンモニオ)エチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[3-(トリエチルアンモニオ)プロピル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[4-(トリエチルアンモニオ)ブチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[5-(トリエチルアンモニオ)ペンチル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[6-(トリエチルアンモニオ)ヘキシル]-シクロデキストリン共重合体塩化物、[(1H-イミダゾール-1-イル)メチル]-シクロデキストリン共重合体、[2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル]-シクロデキストリン共重合体、[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]-シクロデキストリン共重合体、[4-(1H-イミダゾール-1-イル)ブチル]-シクロデキストリン共重合体、(ピリジン-3-イルメチル)-シクロデキストリン共重合体、[2-(ピリジン-3-イル)エチル]-シクロデキストリン共重合体、[3-(ピリジン-3-イル)プロピル]-シクロデキストリン共重合体、[4-(ピリジン-3-
【0191】
イル)ブチル]-シクロデキストリン共重合体、[(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)メチル]-シクロデキストリン共重合体、[2-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)エチル]-シクロデキストリン共重合体、[3-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)プロピル]-シクロデキストリン共重合体、[4-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)ブチル]-シクロデキストリン共重合体、[5-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸)ペンチル]-シクロデキストリン共重合体及び[6-(β-D-グルコピラノシルオキシウロン酸) ヘキシル]-シクロデキストリン共重合体からなる群から選択され、上記「シクロデキストリン共重合体」という用語が、α-、β-、γ、α/β-、α/γ-、β/γ又はα/β/γ-シクロデキストリン共重合体を表わし、好ましくはα-、β-又はγ-シクロデキストリン共重合体を表わし、より好ましくはβ-シクロデキストリン共重合体を表わし、とりわけ好ましくはα-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、α-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体、β-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体、γ-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体、α-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体、β-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体、γ-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体、α-シクロデキストリン-テトラメチレンジイソシアネート共重合体、β-シクロデキストリン-テトラメチレンジイソシアネート共重合体、γ-シクロデキストリン-テトラメチレンジイソシアネート共重合体、α-シクロデキストリン-ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体、β-シクロデキストリン-ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体又はγ-シクロデキストリン-ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体を表わす、少なくとも1種、好ましくは唯一のシクロデキストリンポリマーと、
【0192】
CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール、オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から選択され、ラジカルY
1が互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Clを表わし、ラジカルY
2が、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Br、とりわけ好ましくは-Clを表わす、少なくとも1種、好ましくは唯一の官能化剤を、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合する工程を有する方法によって、本発明の共重合体は得ることができる。
【0193】
好ましくは、本発明の共重合体は、
未置換α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、
未置換α-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体、
未置換α-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体、
未置換β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、
未置換β-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体、
未置換γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体、
未置換γ-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体、
未置換γ-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体、又は
上記に挙げた少なくとも2つの異なるシクロデキストリンポリマーを含む混合物と、
CH
3-Y
1、CH
3-CH
2-Y
1、シクロプロピル-Y
1、Y
1-CH
2-C(=O)-OH、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
3、Y
1-CH
2-C(=O)-O-CH
2-CH
3、CH
3-C(=O)Y
2、ジヒドロフラン-2,5-ジオン、フラン-2,5-ジオン、ジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン、[CH
3-C(=O)]
2O、[シクロプロピル-C(=O)]
2O、オキシラン、2-メチルオキシラン、2-エチルオキシラン、オキシラン-2-イル-メタノール、オキシラン-2-カルボン酸、オキシラン-2-カルボン酸メチルエステル、オキシラン-2-カルボン酸エチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸、2-(オキシラン-2-イル)酢酸メチルエステル、2-(オキシラン-2-イル)酢酸エチルエステル、Cl-CH
2-CH
2-OH、(CH
3-O)
2S(=O)
2、(CH
3-CH
2-O)
2S(=O)
2、CH
3-NH
2、(CH
3)
2NH、(CH
3)
3N、CH
3-CH
2-NH
2、(CH
3-CH
2)
2NH、(CH
3-CH
2)
3N、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
3)
3]
+Cl
-、[Cl-CH
2-CH
2-N(CH
2-CH
3)
3]
+Cl
-、
【0194】
1,3-プロパンスルトン及び1,4-ブタンスルトンからなる群から好ましくは選択され、ラジカルY
1が互いに独立して、好ましくは-Cl、-Br、-I、-トシル、-メシル又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Cl、-Br又はエポキシを表わし、特に好ましくは-Clを表わし、ラジカルY
2が、好ましくは-Cl、-Br又は-Iを表わし、特に好ましくは-Cl又は-Br、とりわけ好ましくは-Clを表わす、官能化剤を、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合する工程を有する方法によって得ることができる。
別の好適な実施形態においては、本発明の共重合体は、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下、
未置換α-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体と、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、クロロ酢酸、クロロ酢酸メチルエステル又はクロロ酢酸エチルエステルを混合する工程、
未置換α-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体と、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、クロロ酢酸、クロロ酢酸メチルエステル又はクロロ酢酸エチルエステルを混合する工程、
未置換α-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体と、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、クロロ酢酸、クロロ酢酸メチルエステル又はクロロ酢酸エチルエステルを混合する工程、
未置換β-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体と、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、クロロ酢酸、クロロ酢酸メチルエステル又はクロロ酢酸エチルエステルを混合する工程、
【0195】
未置換β-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体と、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、クロロ酢酸、クロロ酢酸メチルエステル又はクロロ酢酸エチルエステルを混合する工程、
未置換β-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体と、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、クロロ酢酸、クロロ酢酸メチルエステル又はクロロ酢酸エチルエステルを混合する工程、
未置換γ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体と、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、クロロ酢酸、クロロ酢酸メチルエステル又はクロロ酢酸エチルエステルを混合する工程、
未置換γ-シクロデキストリン-4-クロロ-1,2-エポキシブタン共重合体と、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、クロロ酢酸、クロロ酢酸メチルエステル又はクロロ酢酸エチルエステルを混合する工程、或いは、
未置換γ-シクロデキストリン-1,2,3,4-ジエポキシブタン共重合体と、1,3-プロパンスルトン、1,4-ブタンスルトン、クロロ酢酸、クロロ酢酸メチルエステル又はクロロ酢酸 エチルエステルを混合する工程を有する方法により得ることができる。
別の好適な実施形態においては、未置換α-、β-又はγ-シクロデキストリン-エピクロロヒドリン共重合体と、1,3-ブタンスルトン、1,4-ブタンスルトン、2-クロロ酢酸、2-クロロ酢酸メチルエステル及び2-クロロ酢酸エチルエステルとからなる群から選択される唯一の官能化剤を、任意であるが少なくとも1種の溶媒の存在下で混合する。
【0196】
シクロデキストリン化合物と官能化剤との混合は水性又は有機溶媒中で行うとよい。好ましくは、水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)又はこれらの混合物中で混合する。また、この反応は、無水DMSO、無水DMF、無水NMP又はこれらの混合物中、好ましくは無水条件下で行ってもよい。特に好適な溶媒としては、水、DMSO及びDMFならびにこれらの混合物が挙げられるが、なかでも水又はDMFとこの混合物が好ましい。
混合はアルカリ媒体中、通常pH>7で行うことが好ましい。
混合は、好ましくは7.5≦pH≦14、より好ましくは、7.5≦pH≦13、更に好ましくは、8≦pH≦13、最も好ましくは、8≦pH≦12.5、特に好ましくは9≦pH≦12で行う。
反応溶液又は分散液のpHは、好ましくは、塩基性アルカリ金属塩、塩基性アルカリ土類金属塩、水素化物、アルコキシド、又は、例えば、ピリジン又はジイソプロピルアミン等の有機塩基等の塩基を使って調整する。水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムメタノーレート、カリウムtert-ブトキシド、ピリジン及びジイソプロピルアミン。
シクロデキストリンポリマーは塩基性の反応条件下で官能化されるので、アルカリ媒体中で不安定な置換基は構造的に変化する場合がある。この変化に、シクロデキストリンポリマー、架橋剤及び官能化剤に含まれる塩基に不安定な基が関わる場合がある。例えば、シクロデキストリンポリマーである(2-メトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリン‐エピクロロヒドリン共重合体のエステル基は、開裂してカルボキシル基又はカルボキシレート基となることがあり、前記(2-メトキシ-2-オキソエチル)-シクロデキストリン‐エピクロロヒドリン共重合体が、(カルボキシメチル)-シクロデキストリン‐エピクロロヒドリン共重合体に変わる。この変化は、エステル基の全個数を基準に、完全な場合も不完全な場合もある。結果的に、対応の本発明の共重合体において、すべてのエステル基又はその一部のみがカルボキシル基に変わることがある。
【0197】
好適な実施形態では、シクロデキストリンポリマーを溶媒又は溶媒混合物に溶解又は分散した後、好ましくは該分散液又は溶液を撹拌しながら、官能化剤をその中に溶解又は分散させる。官能化剤はすべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。官能化剤は溶媒(例えば、水、DMF、DMSO、NMP)に溶解又は分散させてもよく、その後、反応混合物に、溶液又は分散液としてすべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。或いは、滴下漏斗、ピペット又はシリンジを利用して滴下してもよい。添加又は滴下はシリンジポンプを用いて行えばよい。
別の好適な実施形態においては、官能化剤は溶媒又は溶媒混合物に溶解又は分散した後、好ましくは該溶液又は分散液を撹拌しながら、シクロデキストリンポリマーをその中に溶解又は分散させる。シクロデキストリンポリマーはすべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。シクロデキストリンポリマーは添加する前に溶媒に溶解又は分散させてもよく、その後、反応混合物に、溶液又は分散液としてすべてを一度に添加してもよいし、少しずつ順次添加してもよい。或いは、滴下漏斗、ピペット又はシリンジを利用して滴下してもよい。添加又は滴下はシリンジポンプを用いて行えばよい。
【0198】
別の好適な実施形態では、官能化剤及びシクロデキストリンポリマーを溶媒又は溶媒混合物中に同時に溶解又は分散させる。
混合中、好ましくないことに突然反応温度が上昇することがある。そのため、任意であるが反応混合物を冷却して、実質的に一定した反応温度を確保することが有用である。反応混合物は、氷浴又は水浴によって冷却すればよい。
シクロデキストリンポリマーの添加前、添加中、添加後、又は、官能化剤の添加前、添加中、添加後、又は、これらの混合物の添加前、添加中、添加後、反応混合物をアルカリ化することができる。
アルカリpHは、好ましくは、pH試験紙又はpHメーターを使って測定する。好適な実施形態では、反応期間中連続的に、又は、ある間隔でpH値を測定する。pH値が低下して、ある値(例えばpH<8又は<7.5)を下回る場合、塩基を添加することで反応混合物におけるアルカリpHを回復することができる。
この反応は、反応温度(反応混合物の温度)が好ましくは5.0〜90℃、より好ましくは10〜75℃、更に好ましくは15〜50℃、最も好ましくは15〜30℃、とりわけ好ましくは20〜25℃で行われる。シクロデキストリンポリマーを官能化剤と、任意であるが溶媒又は溶媒混合物の存在下で混合する際、又は混合の前後に、反応混合物の温度は、好ましくは5〜90℃、より好ましくは10〜75℃、更に好ましくは15〜50℃、最も好ましくは15〜30℃、特に好ましくは20〜25℃に設定する。
【0199】
好適な実施形態では、1.0molのシクロデキストリンポリマーの全物質量を基準に、官能化剤は、≧5.0mol、≧10mol、≧20mol又は≧30mol、より好ましくは、≧40mol、≧50mol又は≧60mol、更に好ましくは、≧70mol、≧80mol又は≧90mol、最も好ましくは、≧100mol、≧150mol又は≧200mol、特に好ましくは≧250molの全物質量で反応混合物において使用する(当量)。
別の好適な実施形態においては、官能化剤の全物質量:シクロデキストリンポリマーの全物質量の比は≧1:1、より好ましくは≧10:1、更に好ましくは≧25:1、最も好ましくは≧50:1、特の好ましくは≧100:1である。
適切な分析プロセスで反応を追跡するとよい。例えば、反応混合物のサンプルをある時点で無作為に採りだし、LC/MS又はNMRで分析するとよい。このようにしてある時点での反応混合物中に存在する反応生成物を求めることができる。ランダムサンプリングの分析により、所望の反応生成物の存在が明らかになったら、反応を終了させ、所望の反応生成物を単離及び/又は精製すればよい。
反応を終了させるには、好ましくは反応混合物を中和すればよく、即ち、反応溶液又は分散液のpHを好ましくは6.5≦pH≦7.5、特に好ましくは6.8≦pH≦7.2にすればよい。混合物の中和は、好ましくは有機酸(例えばトリフルオロ酢酸、酢酸等)又は無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸等)で行うとよい。
【0200】
別の好適な実施形態では、反応及び/又は中和の終了後、反応混合物を無塩プロセスで透析にかけることが好ましく、この場合、透析で使用する透析膜のMWCO(「カットオフ分子量」)は好ましくは0.50kDa又は1.0kDa、より好ましくは2.0kDa又は3.0kDa、更に好ましくは4.0kDa又は5.0kDa、最も好ましくは10kDa、とりわけ好ましくは≧15kDaである。
無塩プロセスで透析にかけた本発明の共重合体には、分子量が<1.5kDaの化合物が、本発明の共重合体の全質量を基準に、好ましくは≦10質量%、より好ましくは≦5.0質量%、更に好ましくは≦2.5質量%、とりわけ好ましくは≦1.0質量%の残留量で含まれる。
反応混合物及び/又は本質的に無塩の透析液は、更なるワークアップ及び/又は単離の前に、好ましくはロータリーエバポレータを用いて濃縮してもよい。反応混合物は透析(好ましくは無塩透析)に先立ち、濃縮してもよい。
本発明の共重合体の単離又は精製は、好ましくは、限外濾過、カラムクロマトグラフィー(例えばシリカゲル又は活性炭素使用)、分取HPLC又は再結晶により行う。得られた本発明の共重合体は凍結乾燥してもよい。
好適な実施形態では、本発明の共重合体に含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、本発明の共重合体に含まれるリンカーの物質量比は20〜95mol%、より好ましくは25〜80mol%、更に好ましくは30〜70mol%、最も好ましくは30〜60mol%、とりわけ好ましくは30〜50mol%になる。
【0201】
本発明の共重合体に含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、本発明の共重合体に含有されるシクロデキストリンモノマーの物質量の比は、好ましくは5.0〜80mol%、より好ましくは10〜75mol%、更に好ましくは20〜70mol%、最も好ましくは30〜70mol%、とりわけ好ましくは40〜70mol%になる。
別の好適な実施形態において、本発明の共重合体に含まれるモノマーの全物質量を基準にすると、リンカーの物質量比とシクロデキストリンモノマーの物質量比の合計は、≧25mol%、≧30mol%又は≧40mol%、より好ましくは≧50mol%又は≧60mol%、更に好ましくは≧70mol%又は≧80mol%、最も好ましくは≧90mol%又は≧95mol%、とりわけ好ましくは100mol%である。
本発明の共重合体の23℃における水への溶解度は、好ましくは≧5.0gl
-1、≧10gl
-1、≧25gl
-1又は≧50gl
-1、より好ましくは≧75gl
-1、≧100gl
-1、≧125gl
-1又は≧150gl
-1、更に好ましくは≧175gl
-1、≧200gl
-1、≧225gl
-1又は≧250gl
-1、最も好ましくは、≧300gl
-1又は≧400gl
-1、特に好ましくは≧500gl
-1である。
本発明の共重合体を含む50mM水溶液の浸透圧重量モル濃度は、好ましくは≧50mosmkg
-1、≧75mosmkg
-1又は≧100mosmkg
-1、より好ましくは≧125mosmkg
-1、≧150mosmkg
-1又は≧175mosmkg
-1、更に好ましくは≧200mosmkg
-1又は≧225mosmkg
-1、最も好ましくは、≧250mosmkg
-1又は≧275mosmkg
-1、特に好ましくは≧300 mosmkg
-1である。
【0202】
本発明の共重合体の重合度は、好ましくは≧2.0又は≧3.0、より好ましくは≧4.0又は≧5.0、更に好ましくは≧6.0又は≧7.0、最も好ましくは≧8.0又は≧9.0、特に好ましくは≧10である。
本発明の共重合体の平均分子量は、好ましくは≧2.0kDa、より好ましくは≧2.5kDa、更に好ましくは≧3.0kDa、最も好ましくは≧4.0kDa、特に好ましくは≧5.0kDaである。平均分子量は膜浸透圧計(蒸留水、23℃)で測定することが好ましい。
別の好適な実施形態において、本発明のポリマーの平均分子量(M)は、好ましくは2.0≦M≦100kDa、より好ましくは2.0≦M≦50kDa、更に好ましくは2.0≦M≦25kDa、最も好ましくは2.0≦M≦15kDa、特に好ましくは2.0≦M≦10kDaである。
特に好適な別の実施形態では、本発明の共重合体の重合度は、好ましくは≧2.0又は≧3.0、より好ましくは≧4.0又は≧5.0、更に好ましくは≧6.0又は≧7.0、最も好ましくは≧8.0又は≧9.0、特に好ましくは≧10である。
別の好適な実施形態においては、本発明の共重合体の平均粒子径は好ましくは≦1000μm、≦900μm又は≦800μm、より好ましくは≦700μm、≦600μm又は≦500μm、更に好ましくは≦400μm、≦300μm又は≦200μm、最も好ましくは≦100μm、≦75μm又は≦50μm、特に好ましくは≦25μmである。
好適な実施形態において、本発明の共重合体は腎機能不全の治療に使用するのに適している。
【0203】
別の好適な実施形態においては、本発明の共重合体は透析治療での使用に適している。
別の好適な実施形態においては、本発明の共重合体は、他のものと比べ浸透性の効果から、血液透析及び/又は腹膜透析治療での使用に適している。
本発明の別の主題は、少なくとも1種の本発明の共重合体を含む透析溶液に関する。
好適な実施形態の1つでは、本発明の透析液が血液透析液又は腹膜透析液である。
透析治療で使用する剤形としては、多成分系の濃縮物又はすぐに使用できる透析液が好ましい。
本発明では、「透析液」という用語は透析治療にすぐに使える剤形、即ち、透析用投与に適した液体製剤が挙げられる。とりわけ、この透析液は、希釈及び/又は他の製剤との混合を投与前にする必要がない。
上記の透析液に対し、濃縮物は液体、半固体又は固体状態の場合があり、投与前に水又は水溶液で希釈したり、水又は水溶液に溶解する。同様に、すぐに使用できる透析液を得るには、多成分系溶液の構成成分を投与前に互いに混合しなければならない。つまり、濃縮物や多成分系は、本発明の透析液の前駆体とみなすことができる。
【0204】
本発明の透析液は血液透析液又は腹膜透析液であることが好ましい。血液透析液及び腹膜透析液は、通常、血漿電解質濃度に実質的に対応する濃度の電解質を含有する。電解質は一般にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及び塩化物イオンが挙げられる。
通常、透析液は生理的に許容できるpH値を有する。これは緩衝剤(緩衝系)の使用で調整することが好ましく、緩衝剤は電解質の全含有量の一部になることもある。緩衝剤は、重炭酸塩、乳酸塩又はピルビン酸塩が好ましい。
更に、透析液は通常、生理的に許容できる浸透圧モル濃度を有する。これは、透析液に含まれる電解質と、浸透圧活性化合物(osmotics)として生理的に許容できる所望の濃度の本発明の共重合体とにより達成される。
本発明の透析液の浸透圧モル濃度は、好ましくは200〜550mosml
-1の範囲である。
本発明の透析液が血液透析液の場合、浸透圧モル濃度は好ましくは200〜350mosml
-1又は210〜340mosml
-1、より好ましくは220〜330mosml
-1、更に好ましくは230〜320mosml
-1、最も好ましくは240〜310mosml
-1で、とりわけ250〜300mosml
-1が好ましい。当該分野の当業者には、浸透圧モル濃度の測定方法及び浸透圧の測定方法は公知である。例えば、これらの値は、膜浸透圧計を使って求めることができる。
【0205】
本発明の透析液が腹膜透析液の場合、浸透圧モル濃度は好ましくは200〜570mosml
-1又は210〜560mosml
-1、より好ましくは220〜550mosml
-1、更に好ましくは230〜540mosml
-1、最も好ましくは240〜530mosml
-1、とりわけ250〜520mosml
-1が好ましい。好適な実施形態の1つでは、浸透圧モル濃度が250±50mosml
-1又は250±45mosml
-1、より好ましくは250±35mosml
-1、更に好ましくは250±25mosml
-1、最も好ましくは250±15mosml
-1、とりわけ250±10mosml
-1が好ましい。別の好適な実施形態においては、浸透圧モル濃度が300±50mosml
-1又は300±45mosml
-1、より好ましくは300±35mosml
-1、更に好ましくは300±25mosml
-1, 最も好ましくは300±15mosml
-1、とりわけ300±10mosml
-1が好ましい。別の好適な実施形態においては、浸透圧モル濃度が350±50mosml
-1又は350±45mosml
-1、より好ましくは350±35mosml
-1、更に好ましくは350±25mosml
-1、最も好ましくは350±15mosml
-1、とりわけ300±10mosml
-1が好ましい。別の好適な実施形態においては、浸透圧モル濃度が400±50mosml
-1又は400±45mosml
-1、より好ましくは400±35mosml
-1、更に好ましくは400±25mosml
-1、最も好ましくは400±15mosml
-1、とりわけ300±10mosml
-1が好ましい。別の好適な実施形態においては、浸透圧モル濃度が450±50mosml
-1又は450±45mosml
-1、より好ましくは450±35mosml
-1、更に好ましくは450±25mosml
-1、最も好ましくは450±15mosml
-1、とりわけ450±10mosml
-1が好ましい。別の好適な実施形態においては、浸透圧モル濃度が500±50mosml
-1又は500±45mosml
-1、より好ましくは500±35mosml
-1、更に好ましくは500±25mosml
-1、最も好ましくは500±15mosml
-1、とりわけ500±10mosml
-1が好ましい。
【0206】
本発明の透析液のpH値は、室温(20〜23℃)で測定した際、好ましくは4.9〜8.0、より好ましくは5.2〜7.8である。好適な実施形態において、pH値は5.5±1.0又は5.5±0.8、より好ましくは5.5±0.7又は5.5±0.6、更に好ましくは5.5±0.5又は5.5±0.4、最も好ましくは5.5±0.3又は5.5±0.2、とりわけ5.5±0.1が好ましい。別の好適な実施形態において、pH値は6.0±1.0又は6.0±0.8、より好ましくは6.0±0.7又は6.0±0.6、更に好ましくは6.0±0.5又は6.0±0.4、最も好ましくは6.0±0.3又は6.0±0.2、とりわけ6.0±0.1が好ましい。別の好適な実施形態において、pH値は6.5±1.0又は6.5±0.8、より好ましくは6.5±0.7又は6.5±0.6、更に好ましくは6.5±0.5又は6.5±0.4、最も好ましくは6.5±0.3又は6.5±0.2、とりわけ6.5±0.1が好ましい。別の好適な実施形態において、pH値は7.0±1.0又は7.0±0.8、より好ましくは7.0±0.7又は7.0±0.6、更に好ましくは7.0±0.5又は7.0±0.4、最も好ましくは7.0±0.3又は7.0±0.2、とりわけ7.0±0.1が好ましい。別の好適な実施形態において、pH値は7.4±1.0又は7.4±0.8、より好ましくは7.4±0.7又は7.4±0.6、更に好ましくは7.4±0.5又は7.4±0.4、最も好ましくは7.4±0.3又は7.4±0.2、とりわけ7.4±0.1が好ましい。
【0207】
本発明の透析液は1種以上(例えば、2種、3種、4種又は5種)の本発明の共重合体を含むが、この本発明の共重合体は上記のごとく定義される。
本発明の透析液には、本発明の共重合体が好ましくは総濃度0.010mM〜1.0M又は0.01〜750mMで、より好ましくは0.10〜500mMで、更に好ましくは1.0〜250mM、最も好ましくは10〜100mM、とりわけ15〜90mMで含まれる。好適な実施形態の1つでは、本発明の共重合体の総濃度は25±24mM、より好ましくは25±20mM、更に好ましくは25±15mM、最も好ましくは25±10mM、とりわけ25±5mMが好ましい。別の好適な実施形態においては、本発明の共重合体の総濃度は50±25mM、より好ましくは50±20mM、更に好ましくは50±15mM、最も好ましくは50±10mM、とりわけ50±5mMが好ましい。別の好適な実施形態において、本発明の共重合体の総濃度は75±25mM、より好ましくは75±20mM、更に好ましくは75±15mM、最も好ましくは75±10mM、とりわけ75±5mMが好ましい。別の好適な実施形態において、本発明の共重合体の総濃度は100±25mM、より好ましくは100±20mM、更に好ましくは100±15mM、最も好ましくは100±10mM、とりわけ100±5mMが好ましい。総濃度は、好ましくは本発明の共重合体の平均分子量により算出される。
【0208】
本発明の透析液には、本発明の共重合体が好ましくは総質量濃度0.01gl
-1〜1.0kgl
-1で、より好ましくは0.1〜750gl
-1で、更に好ましくは1.0〜500gl
-1で、最も好ましくは10〜250gl
-1で、とりわけ100〜200gl
-1で含まれる。好適な実施形態の1つでは、総質量濃度が25±24gl
-1、より好ましくは25±20gl
-1、更に好ましくは25±15gl
-1、最も好ましくは25±10gl
-1、とりわけ25±5gl
-1が好ましい。別の好適な実施形態において、総質量濃度は50±25gl
-1、より好ましくは50±20gl
-1、更に好ましくは50±15gl
-1、最も好ましくは50±10gl
-1、とりわけ50±5gl
-1が好ましい。別の好適な実施形態において、総質量濃度は75±25gl
-1、より好ましくは75±20gl
-1、更に好ましくは75±15gl
-1、最も好ましくは75±10gl
-1、とりわけ75±5gl
-1が好ましい。別の好適な実施形態において、総質量濃度は100±25g1
-1、より好ましくは100±20gl
-1、更に好ましくは100±15gl
-1、最も好ましくは100±10gl
-1、とりわけ100±5gl
-1が好ましい。別の好適な実施形態において、総質量濃度は200±25gl
-1、より好ましくは200±20gl
-1、更に好ましくは200±15gl
-1、最も好ましくは200±10gl
-1、とりわけ200±5gl
-1が好ましい。
また、本発明の透析液は、他の浸透圧活性物質、例えばグルコース、ポリグルコース、マンニトール又はグリセロールを含有してもよい。
本発明の透析液は、好ましくは1種以上の電解質を含む。
【0209】
本発明の語義において、「電解質」という用語は、遊離イオンを含み導電率を有する物質を指す。電解質は、水性組成物のpH値を著しく変えることなくカチオンとアニオンに完全に解離することが好ましい。この特性により、電解質は緩衝物質と区別される。電解質は、水中で実質的に完全に解離する結果となる濃度で存在することが好ましい。
好適な電解質は、例えばNa
+及びK
+等のアルカリ金属、及び、例えばCa
2+及びMg
2+等のアルカリ土類金属を含む群から選択される。好適なアニオンはCl
-である。
本発明の透析液は、例えば、重炭酸塩、リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、ピルビル酸塩等の更なるアニオンを含んでもよい。しかしながら、これらのアニオン(カチオンとの好適な組合せのアニオン)は、本発明の語義において電解質とはみなされないが、緩衝能力を有することから緩衝剤とみなされる。
好適な実施形態の1つは、本発明の透析液がNa
+イオンを含む。Na
+イオンの濃度は好ましくは10〜200mM又は50〜190mM、より好ましくは100〜180mM又は110〜170mM、更に好ましくは115〜165mM又は120〜160mM、最も好ましくは125〜155mM、とりわけ130〜150mMが好ましい。好適な別の実施形態は、本発明の透析液がNa
+イオンを含まない。
好適な実施形態の1つは、本発明の透析液がK
+イオンを含む。K
+イオンの濃度は好ましくは0.10〜20mM、より好ましくは0.25〜15mM、更に好ましくは0.50〜10mM、最も好ましくは0.75〜7.5mM、とりわけ1.0〜5.0mMが好ましい。別の好適な実施形態において、K
+イオンの濃度は1.0±0.75、2.0±0.75、3.0±0.75、4.0±0.75又は5.0±0.75mM、とりわけ1.0±0.50、2.0±0.50、3.0±0.50、4.0±0.50又は5.0±0.50である。別の好適な実施形態は、本発明の透析液がK
+イオンを含まない。
【0210】
好適な実施形態の1つは、本発明の透析液がCa
2+イオンを含む。Ca
2+イオンの濃度は好ましくは0.10〜10mM、より好ましくは0.20〜7.5mM、更に好ましくは0.30〜5.0mM、最も好ましくは0.40〜2.5mM、とりわけ0.50〜2.0mMが好ましい。別の好適な実施形態において、Ca
2+イオン濃度は1.0±0.75、2.0±0.75、3.0±0.75、4.0±0.75又は5.0±0.75mM、とりわけ1.0±0.50、2.0±0.50、3.0±0.50、4.0±0.50又は5.0±0.50である。別の好適な実施形態は、本発明の透析液がCa
2+イオンを含まない。
好適な実施形態の1つは、本発明の透析液がMg
2+イオンを含む。Mg
2+イオンの濃度は好ましくは0.010〜10mM、より好ましくは0.050〜7.5mM、更に好ましくは0.10〜5.0mM、最も好ましくは0.20〜2.5mM、とりわけ0.25〜1.5mMが好ましい。別の好適な実施形態において、Ca
2+イオン濃度は0.25±0.20、0.30±0.20、0.40±0.20、0.50±0.20又は1.0±0.20mM、とりわけ0.25±0.10、0.30±0.10、0.40±0.10、0.50±0.10又は1.0±0.10mMである。別の好適な実施形態は、本発明の透析液がMg
2+イオンを含まない。
好適な実施形態の1つでは、本発明の透析液がCl
-イオンを含む。Cl
-イオンの濃度は好ましくは10〜300mM、より好ましくは25〜250mM、更に好ましくは50〜200mM、最も好ましくは75〜150mM、とりわけ80〜125mMが好ましい。別の好適な実施形態は、本発明の透析液がCl
-イオンを含まない。
本発明の透析液は1種以上の緩衝剤を含むことが好ましい。
【0211】
当該分野の当業者は好適な緩衝剤については熟知している。緩衝剤として、通常、乳酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、ピルビル酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、琥珀酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、乳酸塩が挙げられる。当該分野の当業者であれば、上記アニオンに対応するカチオンが緩衝剤の一成分であり、pH値の調整に使用されることは理解されよう(例えば、緩衝剤NaHCO
3の一成分としてのNa
+)。しかしながら、緩衝剤の塩が水中で一旦解離すると、緩衝剤も電解質の効果を有する。本明細書では、カチオン又はアニオンの濃度、イオンの総濃度は、それらイオンが電解質、緩衝剤又は他の化合物(例えば、本発明の共重合体の塩として)の一成分として使用されているかどうかに応じて計算を行う。
好適な実施形態の1つでは、緩衝剤が重炭酸塩を含む。重炭酸塩は十分に耐えられる緩衝系で、酸性媒体においてはH
2CO
3及びCO
2と平衡し、アルカリ媒体においては炭酸塩と平衡する。重炭酸塩にくわえ、他の緩衝系も、pH7前後のpH範囲で緩衝効果を有するのであれば使用可能である。たとえば、人体の中で重炭酸塩に物質代謝される化合物、例えば、乳酸塩又はピルビル酸塩などの化合物が挙げられる。
好適な別の実施形態は、緩衝剤が弱酸の塩、好ましくは乳酸塩を含む。弱酸の酸度(pK
s)は好ましくは5以下である。また、緩衝剤は、緩衝作用を有する物質の混合物であってもよく、例えば、重炭酸塩と弱酸の塩(乳酸塩等)を含む混合物でもよい。重炭酸塩の濃度を低くすると、容器内のCO
2圧力が低く有利である。従来のポリオレフィンフィルムは、CO
2遮断層として使用できる。
【0212】
好適な実施形態の1つでは、本発明の透析液が重炭酸塩で緩衝される。重炭酸塩濃度は好ましくは1.0〜200mM、より好ましくは5.0〜150mM、更に好ましくは10〜100mM、最も好ましくは20〜75mM又は25〜50mM、とりわけ30〜40mMが好ましい。別の好適な実施形態は、本発明の透析液が重炭酸塩を含まない。
好適な実施形態の1つにおいて、本発明の透析液が乳酸塩で緩衝される。乳酸塩濃度は好ましくは1.0〜200mM、より好ましくは5.0〜150mM、更に好ましくは10〜100mM、最も好ましくは20〜75mM又は25〜50mM、とりわけ30〜40mMが好ましい。別の好適な実施形態は、本発明の透析液が乳酸塩を含まない。
好適な実施形態の1つでは、本発明の透析液が酢酸塩で緩衝される。酢酸塩濃度は好ましくは1.0〜100mM、より好ましくは1.0〜50mM、更に好ましくは1.0〜25mM、最も好ましくは1.0〜10mM又は2.0〜7.5mM、とりわけ2.5〜7.0mMが好ましい。別の好適な実施形態は、本発明の透析液が酢酸塩を含まない。
透析液の全容量には制限がない。通常は、数リットル(患者一人分の投与に好適)から数百リットル(1人より多い患者分の好適な貯蔵量)である。
上記で既に説明したように、「透析液」という用語は本発明の語義においては、すぐに使用できる透析液を指すと理解すべきである。即ち、透析液は透析治療(血液透析又は腹膜透析)に直接的に使用できる。
好適な実施形態の1つでは、本発明の透析液は下記に述べるような腹膜透析液である。
【0213】
腹膜透析液は、腎機能不全に伴う代謝性アシドーシスを本質的に治すように生化学的に調整される。腹膜透析液には重炭酸塩が好ましくはほぼ生理的濃度で含有される。好適な実施形態の1つでは、腹膜透析液に重炭酸塩が濃度約20〜30mMで含有される。別の好適な実施形態は、腹膜透析液の重炭酸塩濃度が25mMである。
更に、腹膜透析液には、炭酸ガス分圧(pCO
2)が60mmHg未満である二酸化炭素を含んでもよい。好適な実施形態の1つは、腹膜透析液のpCO
2が、血管で測定したpCO
2値と本質的に同じである。
更には、腹膜透析液のpH値は、好ましくは約7.4である。そのため、腹膜透析液は生理的に許容できる溶液である。
腹膜透析液は、好ましくは、pK
s≦5の弱酸を含有する。弱酸とは、好ましくは、グルコース代謝において生理的代謝物として産生する化合物である。弱酸は、乳酸塩、ピルビル酸塩、クエン酸塩、イソクエン酸塩、ケトグルタル酸塩、琥珀酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、オキサロ酢酸塩からなる群から選択されることが好ましい。これらの酸は腹膜透析液内に単独又は混合物として存在してもよい。弱酸は10〜20meql
-1の濃度で腹膜透析液中に存在するとよいが、特にナトリウム塩として存在するとよい。弱酸は、代謝性水素の1日当たりの生成量である約1meq/kgに相応する量で腹膜透析液内に存在するとよい。
腹膜透析液は、前記に定義した本発明の共重合体を少なくとも1種含有する。
【0214】
好ましくは、本発明の腹膜透析液はある濃度で重炭酸塩を含み、腎機能不全ではない患者で測定されるのと同様なpCO
2を有するとよい。濃度勾配にしたがって、透析液から透析患者の血液中に弱酸は拡散し、透析患者の代謝性アシドーシスをなおす。
本発明の別の発明の主題は、前述のすぐに使用できる透析液を調製するための多成分系に関する。すぐに使用できる透析液は、詳説されている手順により、即ち、適切な使用説明書(プロトコル)に従うことにより好ましくは調製される。この調製は手作業で行えばよく、例えば、個々の成分を混合したり、ある成分を水で希釈することにより行うが、自動化した方法で調製することもできる。例えば、この方法に適した市販の装置を使って調製できる。この調製により、変化しない組成を有する透析液に必ずしもしなくてもよい。むしろ、連続的に組成が変化する透析液になってもよく、その変化を適切な装置でモニターすればよい。例えば、本発明の共重合体が透析液中に存在していればよく、この透析液を透析治療の最中に連続的に希釈すれば、患者にとっては共重合体濃度が下降することになる。
好適な実施形態の1つでは、本発明の透析液は、腎機能不全の治療での使用に好適である。
別の好適な実施形態においては、本発明の透析液は透析治療の使用に好適である。
別の好適な実施形態においては、本発明の透析液は血液透析及び/又は腹膜透析治療での使用に好適である。
【0215】
本発明の別の発明の主題は、前述の本発明の透析液を調製するために構成した、
第1の構成材料と
第2の構成材料と、
任意で更なる構成材料を1種以上含んでもよいキットであって、
本発明の透析液は、前記第1の構成材料を第2の構成材料と任意の更なる構成材料と混合することによって調製される。
前記キットは、少なくとも1種の第1の構成材料と1種の第2の構成材料とを含む。また、キットは例えば第3の構成材料や第4の構成材料等の更なる構成材料を含んでもよい。該キットは、2つの構成材料、好ましくは互いに異なる2つの構成材料からなることが好ましい。
本発明の語義において、「構成材料」という用語は液体、半固体又は固体の(複数の)組成物を指し、該組成物は互いに同一でも異なっていてもよく、これらすべてのキット構成材料を混合することにより、本発明のすぐ使用できる透析液が得られる。
第1の構成材料及び第2の構成材料は互いに独立して、固体、半固体又は液体であってもよい。これらの構成材料が液体の場合、溶液でも分散液(例えば、分散液又は懸濁液)でもよい。
【0216】
好適な実施形態の1つでは、第1の構成材料が液体、好ましくは純水又は水溶液で、第2の構成材料も液体である。別の好適な実施形態においては、第1の構成材料が液体、好ましくは純水又は水溶液で、第2の構成材料が固体、好ましくは粉末混合物である。
第1の構成材料は、好ましくは、浸透圧活性物質(例えば本発明の共重合体)、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ヒドロニウムイオン及び塩化物イオンを含有する溶液である。
本発明のキットは様々な設計が可能である。例えば、個々の構成材料は別々の容器(例えば、別個の薬剤バッグ)に入っていてもよい。しかしながら、本発明のキットは複室容器型(例えば軟質又は硬質複室容器型)が好ましく、軟質性の複室型バッグが好ましい。
本発明のキットは、第1の構成材料、第2の構成材料及び任意の1種以上の更なる構成要素をそれぞれ収納する複室容器型が好ましく、複数の室は溶解可能及び/又は分断可能な分離用システム(例えば、分断可能な分離用部品)によって相互隔離され、この分離用システムを溶解及び/又は分断すると、第1の構成材料と第2の構成材料と任意の1種以上の更なる構成要素は互いに混合可能となり、本発明の透析液を得ることができる。
複室容器はプラスチック容器(例えば、複室型プラスチック製薬剤バッグ)でもよく、個々の構成材料のための隔室を有する。好ましくは、プラスチック容器の隔室が個々の構成材料溶液を収納し、それぞれの隔室は分離要素により互いに分離されている。
【0217】
複室容器は、第1の隔室と第2の隔室とを有する二室型薬剤バッグが好ましく、溶解可能及び/又は分断可能な分離用システムによって2つの室が相互分離され、第1の隔室が第1の構成材料を収納し、第2の隔室が第2の構成材料を収納する。分離用システムが溶解及び/又は分断すると、2つの構成材料が混ざり合い、すぐに使用できる透析液となる。複室容器において、第1の隔室と第2の隔室とが隣り合って配置され、分離用システムによって相互隔離されていることが好ましい。この分離用システムが仕切り継目(例えば可溶性の溶着部又は分断可能な溶着部)であることが好ましい。好ましくは一方の隔室に圧力をかけることにより仕切り継目が開き、それによって仕切り継目が分断及び/又は溶解して2つの隔室の中身が混ざり合い、この混合物がすぐに使用できる透析液として透析治療で使用可能となる。
本発明のキットの第1の構成材料は、酸を含みpH値が6.0以下である無菌溶液であることが好ましい。第2の構成材料も無菌溶液であることが好ましく、緩衝剤を含みpH値が7.0以上であることが好ましい。
本発明の共重合体は、第1の構成材料又は第2の構成材料、ならびに両方の構成材料中に同濃度又は異なる濃度で含有することができる。好適な実施形態の1つでは、本発明の共重合体は第1(酸性)の構成材料中にのみ含有される。別の好適な実施形態においては、本発明の共重合体は、第2(塩基性)の構成材料中にのみ含有される。第1の構成材料及び/又は第2の構成材料及び/又は任意の更なる構成材料は、1種以上の電解質を含んでもよい。
【0218】
当該分野の当業者であればわかることだが、構成材料に異なる濃度で成分が含まれる場合、個々の構成材料の混合は希釈効果を伴う。例えば、本発明の共重合体が1つの構成材料にのみ含まれる場合、この構成材料を他の少なくとも1種の構成材料と混合すると、共重合体成分に対する容積が増加するので、結果として希釈が起こる。即ち、共重合体濃度が低下する。そこで、すぐに使用可能な透析液での濃度に比べ、構成材料では本発明の共重合体の濃度を高くして含有させる。
構成材料における本発明の共重合体の濃度は、温度5℃における飽和濃度に近いことが好ましく、それによって、高温下での保存においても十分な安定性を確保することができる。
好適な実施形態の1つでは、構成材料における本発明の共重合体の総質量濃度は0.01gl
-1〜1.0kgl
-1、より好ましくは0.1〜750gl
-1、更に好ましくは1.0〜500gl
-1、最も好ましくは10〜250gl
-1、とりわけ100〜200gl
-1が好ましい。別の好適な実施形態においては、構成材料における本発明の共重合体の総質量濃度は25±24gl
-1、より好ましくは25±20gl
-1、更に好ましくは25±15gl
-1、最も好ましくは25±10gl
-1、とりわけ25±5gl
-1が好ましい。別の好適な実施形態においては、構成材料における本発明の共重合体の総質量濃度は50±25gl
-1、より好ましくは50±20gl
-1、更に好ましくは50±15gl
-1、最も好ましくは50±10gl
-1、とりわけ50±5gl
-1が好ましい。別の好適な実施形態においては、構成材料における本発明の共重合体の総質量濃度は75±25gl
-1、より好ましくは75±20gl
-1、更に好ましくは75±15gl
-1、最も好ましくは75±10gl
-1、とりわけ75±5gl
-1が好ましい。別の好適な実施形態においては、構成材料における本発明の共重合体の総質量濃度は100±25gl
-1、より好ましくは100±20gl
-1、更に好ましくは100±15gl
-1、最も好ましくは100±10gl
-1、とりわけ100±5gl
-1が好ましい。別の好適な実施形態においては、構成材料における本発明の共重合体の総質量濃度は200±25gl
-1、より好ましくは200±20gl
-1、更に好ましくは200±15gl
-1、最も好ましくは200±10gl
-1、とりわけ200±5gl
-1が好ましい。
【0219】
好適な実施形態の1つでは、第2の構成材料が本発明の共重合体の全量を含み、これにより、第2の構成材料のpH値を7.0より高く、より好ましくは7.5より高く、更に好ましくは8.0より高く、最も好ましくは8.5より高く、とりわけ9.0より高く調整する。これは、重炭酸イオンを用いて達成させることが好ましく、この重炭酸イオンは、例えば、重炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸カリウムが解離した状態で存在可能である。別の好適な実施形態は、第2の構成材料が固体であり、少なくとも1種の本発明の共重合体と、少なくとも1種の緩衝剤、例えば重炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸塩カリウムとを含有する粉末混合物とを含む。
好ましくは、複室薬剤バッグは、腹膜透析治療に使用可能な透析液で、好ましくは下記の濃度で下記成分、
Ca
2+ 0.5〜5meql
-1
Mg
2+ 0〜3.0meql
-1
Cl
- 90.5〜121meql
-1
K
+ 0〜4.0meql
-1
HCO
3- 25〜40meql
-1、を含む腹膜透析液を調製するのに適しており、複室薬剤バッグの一方の隔室は第1の酸性濃縮物を含有し、もう一方の隔室は第2の塩基性濃縮物を含有し、前記酸性濃縮物にはCa
2+イオンが含まれ、前記塩基性濃縮物はHCO
3-イオンを含むがCa
2+イオンは含まない。また、この2つの濃縮物は、分離用システム(例えば仕切り継目)を溶解及び/又は分断すると、互いに混合することができ、この2つの濃縮物の混合によって、すぐ使用できる透析液が調製されるもので、このすぐ使用できる透析液のpH値は7.2〜7.4である。
【0220】
好ましくは、塩基性濃縮物には少なくとも1種の本発明の共重合体が含まれ、一方、酸性濃縮物には、本発明の共重合体や更なる浸透圧活性物質(例えばポリグルコース)が含まれない。
塩基性濃縮物が含有する重炭酸塩の量は、すぐ使用できる透析液の重炭酸塩濃度が少なくとも20mMとなるような量であることが好ましい。塩基性構成材料における重炭酸塩濃度が高く、すぐ使用できる透析液の重炭酸塩濃度が25〜40mMとなることが好ましい。
塩基性の緩衝剤で処理した第2の濃縮物のpH値は、塩酸で調整することが好ましい。
この2つの濃縮物は、体積比で10:1〜1:10又は8:1〜1:8、より好ましくは5:1〜1:5又は3:1〜1:3、更に好ましくは2:1〜1:2、とりわけ1:1で混合することが好ましい。
もう一つの発明の主題は、透析装置又は腹膜透析サイクラーで自動的に所望の混合比が得られる、透析液の調製方法に関する。
好適な実施形態の1つにおいて、本発明は、所定の容量の溶媒(例えば水)に溶解することで、本発明の透析液を調製するのに適した固体組成物に関する。該固体組成物は、上記で説明したような構成材料の一つであることが好ましく、即ち、本発明のキットの構成材料ということになる。
本発明の固体組成物は、好ましくは、例えば重炭酸ナトリウム又は重炭酸カリウム等の重炭酸塩を含む。該固体組成物における重炭酸塩:本発明の共重合体の物質量の比は、好ましくは1:100〜100:1、より好ましくは1:50〜50:1、更に好ましくは1:25〜25:1、最も好ましくは1:10〜10:1、とりわけ1:5〜5:1が好ましい。
【0221】
固体組成物を溶解して本発明の透析液を調製するのに必要な溶媒の本発明の容量は、好ましくは1.0〜2000Lである。溶媒としては、純水、滅菌水、注射用の水が好ましく、これらには上記で説明した電解質の1種以上、浸透圧活性物質を1種以上(例えば少なくとも1種の本発明の共重合体)及び/又は上記で説明した緩衝剤の1種以上が任意で含まれてもよい。
本発明の別の主題は、本発明の透析液(血液透析液又は腹膜透析液)を調製するための、少なくとも1種の本発明の共重合体の使用に関するもので、透析液は泌尿生殖器系の疾病治療での使用が好ましくは適しており、より好ましくは透析治療での使用に、特には血液透析又は腹膜透析治療での使用に適している。
本発明の別の主題は、本発明の透析液(血液透析液又は腹膜透析液)を調製するための、本発明のキットの使用に関するもので、透析液は泌尿生殖器系の疾病治療での使用が好ましくは適しており、より好ましくは透析治療での使用に、特には血液透析又は腹膜透析治療での使用に適している。
本発明の別の主題は、本発明の透析液(血液透析液又は腹膜透析液)を調製するための、本発明の固体組成物の使用に関するもので、透析液は泌尿生殖器系の疾病治療での使用が好ましくは適しており、より好ましくは透析治療での使用に、特には血液透析又は腹膜透析治療での使用に適している。
【0222】
実施例
実施例1
β-シクロデキストリン(2g)を無水ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解する。この溶液にエピクロロヒドリン(1mmol)をゆっくり添加する。得られた溶液を60℃で4時間撹拌した後、水浴で冷却する。この冷却した溶液にエタノールを添加し、結果、得られた析出物を濾取して、冷却したエタノールで洗浄し真空乾燥する。
実施例2
置換度が約2.5の(2-カルボキシエチル)-β-シクロデキストリンのナトリウム塩(3g)を、無水ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解する。この溶液にエピクロロヒドリン(1.2mmol)をゆっくり添加する。得られた溶液を60℃で一晩撹拌した後、室温に冷却する。この溶液をロータリーエバポレータで濃縮する。結果、得られた析出物を濾取して、冷水で洗浄し真空乾燥する。
実施例3
置換度が約1.5の6-O-マルトシル-β-シクロデキストリン(3g)を無水ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解する。この溶液にテトラメチレンジイソシアネート(1.6mmol)をゆっくり添加する。得られた溶液を60℃で一晩撹拌した後、室温に冷却する。この溶液をロータリーエバポレータで濃縮する。結果、得られた析出物を濾取して、冷却したエタノールで洗浄し真空乾燥する。
【0223】
浸透活性
実施例2の化合物を使って、蒸留水による半飽和溶液を調製する。この溶液(50mL)をプフェッファー(Pfeffer)セルのチャンバー(チャンバーA)に充填し、一方、蒸留水(50mL)をプフェッファーセルの他方のチャンバー(チャンバーB)に充填する。この2つのチャンバーは、半透性膜(セルロース膜、カットオフ値:1500Da)を介して連結している。4時間で約4.7mLの溶液がチャンバーBからチャンバーAの溶液に移動する。