(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の細胞保存容器の好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の細胞保存容器1は、生体試料から採取された幹細胞や臍帯血等の細胞を保存する場合に用いられる。
【0016】
まず、第1実施形態の細胞保存容器1について、
図1〜
図9を参照しながら説明する。
第1実施形態の細胞保存容器1は、
図1〜
図3に示すように、保存容器本体10と、スナップチップ20と、筒状部材30と、細胞導入チューブ40と、を備える。
保存容器本体10は、EVA樹脂(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)等の可撓性を有する熱可塑性樹脂からなる2枚のシート状部材それぞれの周縁部の大部分及び所定の部位(後述の第1細胞収容室と第2細胞収容室との境界部分)が接合されて構成され、第1面10aと、この第1面10aに対向して配置される第2面10bと、を有する平面視で矩形の扁平形状に形成される。より具体的には、保存容器本体10は、平面視において幅方向WDが高さ方向HDよりも長い矩形形状に形成されると共に、厚さ方向TDの一方に第1面10aが配置され、厚さ方向TDの他方に第2面10bが配置されて構成される。この保存容器本体10には、細胞収容室11と、細胞導入口12と、細胞導出口13と、が形成される。
【0017】
細胞収容室11は、生体試料から採取された細胞を収容する。第1実施形態では、細胞収容室11は、
図1及び
図2に示すように、比較的多くの量(例えば、10ml〜30ml)の細胞を収容可能な第1細胞収容室111と、この第1細胞収容室111よりも少ない量(例えば、3ml〜10ml)の細胞を収容可能な第2細胞収容室112と、これら第1細胞収容室111と第2細胞収容室112とを連通させる連通部113と、を備える。
第1実施形態では、第1細胞収容室111及び第2細胞収容室112は、
図4に示すように、第1面10a及び第2面10bの面方向に沿って、保存容器本体10の幅方向WDに隣り合って配置される。また、連通部113は、保存容器本体の高さ方向HDの一端側である上端側及び他端側である下端側の2箇所に設けられる。
【0018】
細胞導入口12は、細胞収容室11に細胞を導入する入口となる。この細胞導入口12は、
図5に示すように、保存容器本体10を構成する2枚のシート状部材の周縁部の一部を非接合とすることにより構成される。第1実施形態では、細胞導入口12は、
図1及び
図2に示すように、保存容器本体10の幅方向WDの一端側の上端部に設けられる。また、細胞導入口12は、第1細胞収容室111に設けられる。
【0019】
細胞導出口13は、細胞収容室11に収容された細胞を導出する出口となる。この細胞導出口13は、細胞導入口12と同様に、保存容器本体10を構成する2枚のシート状部材の周縁部の一部を非接合とすることにより構成される。第1実施形態では、細胞導出口13は、第1細胞収容室111及び第2細胞収容室112のそれぞれの上端部に設けられる。
【0020】
スナップチップ20は、
図1〜
図3に示すように、細胞導出口13に配置される。このスナップチップ20は、
図6〜
図8に示すように、本体部21と、スナップ部22と、分離部23と、板状部24と、複数のリブ部25と、を備える。
【0021】
本体部21は、
図8に示すように、中空部211を有すると共に基端部21a及び先端部21bが開放された筒状に構成される。本体部21の基端部21aの外径は、内周面に雌ネジ部が形成された筒状部材からなるロック機構を備えた、いわゆるロックシリンジやロックキャップの筒状部材が挿入可能な大きさに構成される。本体部21の内径(中空部211の径)は、基端部21aから先端部21b側に向けて徐々に小さくなるように構成される。この中空部211は、シリンジの先端部に設けられたルアーテーパ(オスルアー、
図10及び
図11参照)に対応した形状となっている。
図8に示すように、板状部24の端部は、保存容器本体10を構成するシート状部材に接触した場合にも、このシート状部材を傷付けないように、R状に角落とし形成することが好ましい。
スナップ部22は、本体部21の先端部21bに連結されて本体部21の先端部21bの開放された部分を閉鎖する。このスナップ部22は、本体部21よりも径が小さく構成される。スナップ部22の基端部22a側には、
図8に示すように、本体部21の中空部211に連続する空洞部分221が形成される。スナップ部22の基端部22a近傍を除く部分には、空洞部分221は形成されず、この基端部22aを除く部分は中実に構成される。
【0022】
分離部23は、本体部21とスナップ部22との連結部分に形成される。この分離部23は、本体部21とスナップ部22との境界部分の外面において、周方向に延びる溝状に形成される。スナップチップ20は、分離部23を基点として折り曲げられることにより、本体部21とスナップ部22とが分離可能に構成される。
【0023】
板状部24は、スナップ部22の先端部22bに配置される。この板状部24は、
図1〜
図4に示すように、保存容器本体10の第1面10a及び第2面10bに略平行となるように配置される。第1実施形態では、板状部24は、平面視において円形の板状に形成される。
リブ部25は、本体部21の基端部21a側に設けられ、本体部21の外周面から径方向の外方に延出する。第1実施形態では、リブ部25は2つ設けられる。
【0024】
以上のスナップチップ20は、ポリプロピレン等の硬質の合成樹脂により一体成形されて構成される。また、スナップチップ20は、
図3に示すように、本体部21が細胞導出口13に対応する位置に配置され、スナップ部22及び板状部24が細胞収容室11の内部に位置するように配置される。また、本体部21の基端部21a側は、保存容器本体10から外方に突出するように配置される。
【0025】
筒状部材30は、
図3に示すように、細胞導出口13の内周面とスナップチップ20の外周面との間に配置される。この筒状部材30は、
図9に示すように、筒状部31と、一対のガード部32と、を備える。
筒状部31は、基端部31a及び先端部31bが開放された円筒形状に形成される。筒状部31の内径は、スナップチップ20の本体部21の先端部21b側の外径と略等しく構成される。
一対のガード部32は、筒状部31の先端部31bに配置される。一対のガード部32は、筒状部31の一部が軸方向に延出して構成される。
【0026】
以上の筒状部材30は、EVA樹脂又はEVAとポリエチレンとの混合樹脂等の熱可塑性樹脂により一体的に形成される。筒状部材30は、
図1〜
図3に示すように、筒状部31が細胞導出口13及びスナップチップ20の本体部21に対応する位置に配置され、一対のガード部32がスナップ部22の先端側及び板状部24における第1面10a側及び第2面10b側を覆う位置に配置される(
図4参照)。
【0027】
細胞導入チューブ40は、生体試料から採取された細胞を無菌的かつ気密の状態で細胞導入口12まで導く。この細胞導入チューブ40は、EVA樹脂等の熱可塑性樹脂により構成される。第1実施形態では、細胞導入チューブ40の一端部は、細胞導入口12に接続され、細胞導入チューブ40の他端側は、血液等の生体試料を収容する生体試料収容容器(図示せず)に無菌的かつ気密に接続される。
【0028】
以上の細胞保存容器1は、上述のように、細胞導入チューブ40を介して血液バッグ等の生体試料収容容器に無菌的かつ気密に接続されて用いられる。
細胞保存容器1に細胞を収容する場合、生体試料収容容器において分離された所定の細胞(例えば、血清や臍帯血)は、細胞導入チューブ40を介して細胞導入口12から細胞収容室11(第1細胞収容室111及び第2細胞収容室112)に導入される。細胞収容室11に細胞が収容された後、細胞導入チューブ40は、溶断される。これにより、細胞保存容器1は密閉される。また、必要に応じて連通部113が溶着等により遮断され、第1細胞収容室111及び第2細胞収容室112は分離される。
この状態で、細胞保存容器1は、凍結保存等される。
【0029】
細胞保存容器1に保存された細胞を使用する場合には、まず、
図10及び
図11に示すように、スナップチップ20に細胞取り出し用のロックシリンジ100等を接続する。ここで、第1実施形態では、スナップチップ20の本体部21にリブ部25が設けられている。これにより、内周面に雌ネジ部120が形成された筒状部材110からなるロック機構を有するロックシリンジ100を細胞の取り出しに用いることで、リブ部25を、ロック機構を構成する筒状部材の雌ネジ部に螺合させて、細胞導出口13にシリンジを容易かつ好適に接続できる。また、本体部21の中空部211は、ロックシリンジ100の先端部130に設けられたルアーテーパに対応した形状となっているので、ロックシリンジ100の先端部130を本体部21の内周面に密着させられる。
【0030】
次いで、ロックシリンジ100等を接続したスナップチップ20のスナップ部22を折り曲げて、分離部23において本体部21とスナップ部22とを分離する。これにより、スナップ部22により閉鎖されていた本体部21の先端部21bが開放され、細胞導出口13が開放される(図示せず)。ここで、第1実施形態では、スナップ部22の先端部22bに板状部24を設けているため、この板状部24を把持して折り曲げることにより、スナップ部22と本体部21とを容易に分離できる。
【0031】
第1実施形態の細胞保存容器1は、以下の工程により製造される。
まず、保存容器本体10を構成する2枚のシート状部材のうちの一方のシート状部材に真空成形等の成形加工を施して第1細胞収容室111、第2細胞収容室112、細胞導入口12及び細胞導出口13に対応する形状を形成する。
【0032】
次いで、一方のシート状部材における細胞導入口12に対応する位置に細胞導入チューブ40の一端部を配置し、細胞導出口13に対応する位置に筒状部材30を配置する。
次いで、細胞導入チューブ40及び筒状部材30が配置された一方のシート状部材に、2枚のシート状部材のうちの他方のシート状部材を重ねて配置し、これら2枚のシート状部材の周縁部及び第1細胞収容室111と第2細胞収容室112との境界部分を溶着する。これにより、2枚のシート状部材が接合されて保存容器本体10が形成される。また、細胞導入チューブ40及び筒状部材30が保存容器本体10に溶着されて強固に固定される。
【0033】
次いで、保存容器本体10に固定された筒状部材30にスナップチップ20を圧入して、保存容器本体10にスナップチップ20を固定する。
【0034】
以上の工程を経て製造された第1実施形態の細胞保存容器1は、
図4に示すように、第1面10a側に、主として細胞収容室11の形状に起因した凹凸が形成されており、第2面10b側は平面状に形成される。
【0035】
以上説明した第1実施形態の細胞保存容器1によれば、以下のような効果を奏する。
【0036】
(1)細胞保存容器1を、細胞導出口13に配置されるスナップチップ20を含んで構成した。これにより、細胞収容室11に収容された細胞を取り出す場合に、スナップチップ20の分離部23においてスナップ部22を折って本体部21から分離させることで、容易に細胞導出口13を開放させられる。よって、針を用いることなく細胞導出口13を開放させられるので、誤穿針を発生させることなく細胞収容室11に収容された細胞を取り出せる。
また、スナップ部22を、細胞収容室11の内部に位置させた。これにより、細胞導出口13を開放させる場合に本体部21から分離させるスナップ部22が保存容器本体10の外側に突出しない。よって、スナップ部22を引っ掛ける等することで本体部21とスナップ部22とが分離して、意図せず細胞導出口13が開放されることを防げる。
【0037】
(2)細胞保存容器1を、筒状部材30を含んで構成し、この筒状部材30を、スナップ部22及び板状部24を覆う一対のガード部32を含んで構成した。これにより、保存容器本体10の第1面10a及び第2面10bとスナップ部22との間にそれぞれガード部32を配置できる。よって、スナップ部22及び板状部24が扁平形状に構成された保存容器本体10の第1面10a又は第2面10bに接触して、意図せず細胞保存容器1が破損することを防げる。
【0038】
(3)スナップチップ20を、板状部24を含んで構成した。これにより、板状部24を把持して操作することで、スナップ部22を本体部21から容易に分離できる。
【0039】
(4)細胞保存容器1を生体試料収容容器に連結して使用する場合には、細胞保存容器1は、生体試料収容容器に接続された状態で、生体試料収容容器と共に遠心分離機により遠心される場合がある。このように、細胞保存容器1が遠心された場合には、細胞保存容器1には、大きな外力が加えられる。そこで、板状部24を、第1面10a及び第2面10bに略平行となるように配置した。これにより、板状部24の面の広がる方向と第1面10a及び第2面10bとを略平行に配置できるので、板状部24が第1面10a又は第2面10bに接触して保存容器本体10を破損しにくくできる。また、板状部24が第1面10a側及び第2面10b側に突出しないので、保存容器本体10に意図せず外力が加えられた場合等に、誤ってスナップ部22が本体部21から分離されにくい。尚、一対のガード部32が設けられることによっても、遠心分離操作により板状部24が第1面10a又は第2面10bに接触して保存容器本体10を破損することを防げる。
【0040】
(5)従来、医療分野において、内面に雌ネジ部が形成された筒状の部材からなるロック機構が先端部に設けられたロックシリンジやロックキャップが用いられている。そこで、スナップチップ20を、本体部21の基端部21a側に設けられたリブ部25を含んで構成した。これにより、リブ部25をロック機構の雌ネジ部に係合(螺合)させることで、スナップチップ20とロックシリンジ等とを容易に接続できる。よって、細胞保存容器1とロックシリンジ等との接続を簡易かつ安定的に行えるので、細胞保存容器1に収容された細胞の取り出しをより容易に行え、また、細胞の無菌性をより安定的に維持できる。また、スナップチップ20にロックキャップを接続した場合には、細胞導出口13を開放した後であっても、ロックキャップを閉鎖することで細胞保存容器1に収容された細胞の無菌性を維持できる。
【0041】
次に、本発明の細胞保存容器の第2実施形態について、
図12〜
図16を参照しながら説明する。尚、第2実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0042】
第2実施形態の細胞保存容器1Aは、スナップチップ20A及び筒状部材30Aの構成において第1実施形態と異なる。より具体的には、第2実施形態では、筒状部材30Aは、筒状部31Aの内面から内方に突出する突起部33Aを備え、スナップチップ20Aは、本体部21の外面に形成されて突起部33Aが係合可能な係合凹部26Aを備える。
【0043】
突起部33Aは、筒状部31Aの先端部31Abの近傍の内面において、対向する位置に一対設けられる。係合凹部26Aは、本体部21Aの先端部21Abの近傍の外面に一対設けられる。
また、第2実施形態では、筒状部31Aの径方向における断面の外形は、
図14に示すように、直線状に形成された部分311Aと突出した部分312Aとを有する。
【0044】
第2実施形態では、筒状部材30Aは、
図12に示すように、筒状部31Aの直線状に形成された部分311Aが第2面10b側に位置し、突出した部分312Aが第1面10a側に位置するように配置される。また、一対の突起部33Aと一対の係合凹部26Aとは、スナップチップ20Aが筒状部材30Aに圧入された状態で係合する。
そして、一対の突起部33Aと一対の係合凹部26Aとが係合した状態で、スナップチップ20Aの板状部24は、保存容器本体10の第1面10a及び第2面10bに略平行となる。また、スナップ部22及び板状部24は、一対のガード部32に覆われる位置に配置される。
【0045】
第2実施形態の細胞保存容器1Aによれば、上述した(1)〜(5)の効果を奏する他、以下のような効果を奏する。
【0046】
(6)本実施形態では、保存容器本体10を構成するシート状部材と筒状部材30Aとは溶着されて強固に接合される。そして、保存容器本体10に強固に接合された筒状部材30Aにスナップチップ20Aが圧入されて細胞保存容器1Aが製造される。そこで、細胞保存容器1を、筒状部材30Aの内面に突起部33Aを設けると共にスナップチップ20Aの外面に係合凹部26Aを設けて構成した。これにより、突起部33Aと係合凹部26Aとを係合させることで、スナップチップ20Aと筒状部材30A(保存容器本体10)とを強固に接続できる。また、筒状部材30A(保存容器本体10)に圧入されたスナップチップ20Aが筒状部材30Aの周方向に回転することを防げる。よって、スナップチップ20Aを、筒状部材30A(保存容器本体10)から抜けにくく、また、筒状部材30A(保存容器本体10)に対して回転しにくくできるので、細胞保存容器1Aの信頼性をより向上できる。また、筒状部材30Aにおける突起部33Aを設ける位置及びスナップチップ20Aにおける係合凹部26Aを設ける位置を調整することで、保存容器本体10に対するスナップチップ20Aの位置合わせ(向きの調節)も容易に行える。
【0047】
(7)筒状部31Aの径方向の断面形状を、直線状に形成された部分311Aと突出した部分312Aとを有する形状とし、直線状に形成された部分311Aを第2面10b側に位置させ、突出した部分312Aを第1面10a側に位置させて筒状部材30Aを保存容器本体10に配置した。これにより、第2面10b側が平面状に形成され、第1面10a側に凹凸形状が形成された保存容器本体10の形状と筒状部31Aの形状とを一致させられる。よって、細胞保存容器1Aの形状をよりコンパクトに形成できるので、例えば、細胞保存容器1Aを他の収容ケース等に収容する場合における収容のしやすさを向上できる。
【0048】
次に、本発明の細胞保存容器の第3実施形態について、
図17及び
図18を参照しながら説明する。
第3実施形態の細胞保存容器は、スナップチップ20Bが環状凸部212Bを有する点で、第1実施形態と異なる。
【0049】
環状凸部212Bは、
図18に示すように、本体部21Bにおける筒状部材30に挿入される部分に設けられる。環状凸部212Bは、本体部21Bの外周面から突出すると共に、本体部21Bの周方向に延びて環状に形成される。
より具体的には、環状凸部212Bの上面は、スナップチップ20Bの軸方向に対して略垂直な垂直面により構成される。環状凸部212Bの下面は、本体部21B側から先端部に向かって上り傾斜となった傾斜面により構成される。
第3実施形態では、環状凸部212Bは、本体部21B等と一体的に形成される。
【0050】
第3実施形態の細胞保存容器によれば、上述した(1)〜(5)の効果を奏する他、以下のような効果を奏する。
【0051】
(8)スナップチップ20Bを、環状凸部212Bを含んで構成した。これにより、スナップチップ20Bを筒状部材30に挿入(圧入)した場合に、環状凸部212Bをスナップチップ20B(環状凸部212B)よりも軟質の部材により構成される筒状部材30の内周面に食い込ませて密着させられる。よって、筒状部材30の内面とスナップチップ20Bの外面との間の液密性を向上させられる。
【0052】
(9)環状凸部212Bを、上面を垂直面として構成し、下面を傾斜面として構成した。これにより、スナップチップ20Bを筒状部材30に挿入しやすく、かつ、挿入したスナップチップ20Bを筒状部材30から抜けにくくできる。
【0053】
以上、本発明の細胞保存容器の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、第1実施形態〜第3実施形態では、本発明を、幹細胞や臍帯血を凍結して保存する細胞保存容器1,1Aに適用したがこれに限らない。即ち、本発明を、血液を凍結することなく収容して一時的に保存する細胞保存容器(例えば、血液バッグ)に適用してもよい。
【0054】
また、第1実施形態〜第3実施形態では、2枚のシート状部材と筒状部材30,30A及び細胞導入チューブ40とを溶着して接合し、筒状部材30,30Aとスナップチップ20,20A,20Bとを圧入により接続したが、これに限らない。即ち、2枚のシート状部材、筒状部材、細胞導入チューブ及びスナップチップを、いずれも接着剤により接着してもよく、また、超音波溶着又はレーザ溶着により溶着してもよい。
【0055】
また、第1実施形態〜第3実施形態では、板状部24を平面視において円形の板状に形成したが、これに限らない。即ち、板状部材を平面視において矩形の板状に形成してもよい。
【0056】
また、第3実施形態では、環状凸部212Bを、上面を垂直面とし、下面を傾斜面として構成したが、これに限らない。即ち、環状凸部212Bを、上面及び下面を傾斜面として構成してもよく、また、環状凸部の先端部を曲面により構成してもよい。