(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
オットマンを支持するリンク機構と、前記リンク機構をシートの前縁に支持するベースブラケットとを備えるとともに、前記リンク機構は、回動軸を介して前記ベースブラケットに連結される回動リンクを備え、該回動リンクの回動に基づいて、前記オットマンをシートの前方に展開し又は前記シートの前縁に格納可能なオットマン装置において、
前記回動軸の周縁に形成される前記回動リンク側及び前記ベースブラケット側の各対向面には、少なくとも一方に係合面となる斜面を有して互いが係合することにより前記回動リンクの回動を規制可能な係合部が形成されるとともに、
前記回動リンクが前記ベースブラケットから離間する方向の相対的な軸方向移動を規制する規制手段と、
前記規制手段を軸方向移動させることにより前記回動リンク及び前記ベースブラケット間の相対位置を変更可能な操作手段と、を備え、
前記規制手段が前記回動リンクが前記ベースブラケットから離間する方向の相対的な軸方向移動を規制して前記各係合部間の係合状態を維持可能な荷重範囲において、前記オットマンを展開した状態で保持可能であること、
を特徴とするオットマン装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、オットマン装置の場合、例えば、乗員がオットマンに着座する、或いは片膝を付く等によって、過大な荷重がオットマンに入力される可能性がある。そして、その過大な入力荷重に対抗すべく、リンク機構、回転伝達機構及びクラッチ機構等の強度を高めることで、装置の大型化や重量化を招くという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、装置の大型化や重量化を招くことなく、過大な荷重の入力に対応することができるオットマン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、オットマンを支持するリンク機構と、前記リンク機構をシートの前縁に支持するベースブラケットとを備えるとともに、前記リンク機構は、回動軸を介して前記ベースブラケットに連結される回動リンクを備え、該回動リンクの回動に基づいて、前記オットマンをシートの前方に展開し又は前記シートの前縁に格納可能なオットマン装置において、前記回動軸の周縁に形成される前記回動リンク側及び前記ベースブラケット側の各対向面には、少なくとも一方に係合面となる斜面を有して互いが係合することにより前記回動リンクの回動を規制可能な係合部が形成されるとともに、前記回動リンクが前記ベースブラケットから離間する方向の相対的な軸方向移動を規制する規制手段と、前記規制手段を軸方向移動させることにより前記回動リンク及び前記ベースブラケット間の相対位置を変更可能な操作手段と、を備え、前記規制手段が
前記回動リンクが前記ベースブラケットから離間する方向の相対的な軸方向移動を規制して前記各係合部間の係合状態を維持可能な荷重範囲において、前記オットマンを展開した状態で保持可能であること、を要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、ベースブラケット側及び回動リンク側の各係合部間の係合によって回動リンクの回動が規制されることにより、そのオットマン(リンク機構)の展開位置が保持される。また、操作手段を操作して、ベースブラケット側及び回動リンク側の各係合部が互いに接触しなくなる位置まで規制手段を軸方向移動させることにより、各係合部間の係合を解除することができる。そして、これにより、そのオットマンの展開位置を調整することができる。
【0009】
また、斜面を係合面として各係合部間が係合することで、ベースブラケット及び回動リンクには、そのオットマンに入力される荷重に基づいて、両者を離間させる方向の力が作用する。そして、このベースブラケット及び回動リンクを離間させる方向の力に抗して規制手段が両者間の相対的な軸方向移動を規制することにより、その各係合部間の係合状態が維持される。
【0010】
従って、例えば、乗員がオットマンに着座する、或いは片膝を付く等、その規制手段の容量を超える過大な荷重がオットマンに入力された場合には、各係合部間の係合が解除され、オットマンが格納方向に移動することによって、その過大な入力荷重が開放される。更に、乗員に対しては、その格納方向に移動するオットマンの動作を通じて、当該オットマンの使用方法が不適切であることを知らしめるとともに、その行為を止めるように促すことができる。その結果、各リンクやこれら各リンクを連結する関節等、オットマン装置の構成要素にかかる負荷を軽減することができる。そして、これにより、これら各構成要素に要求される剛性が低下することで、その小型化及び軽量化を図ることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記各対向面の少なくとも一方について、前記係合部は、周方向に離間した前記回動軸周りの複数箇所に形成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、回動軸回りにバランスよく、その係合力を発生させることが可能になる。その結果、例えば、オットマンに対する荷重の入力位置に偏りがある場合であっても、安定的に、その展開位置を保持することができるようになる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記各係合部は、前記回動軸周りに形成された波形の凹凸であること、を要旨とする。
上記構成によれば、各係合部間における係合位置の微調整が可能になる。その結果、より細やかにオットマンの展開位置を調整することができる。加えて、構成簡素、且つ形成容易という利点がある。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記各対向面の一方には、頂点部を挟んで周方向に逆向きの傾斜を有する第1の斜面及び第2の斜面を備えた第1係合突部が形成されるとともに、他方には、前記回動リンクの回動方向に応じて前記第1の斜面又は前記第2の斜面の何れかに当接して係合する第2係合突部が形成されること、を要旨とする。
【0014】
上記構成によれば、その逆向きの傾斜を有する第1の斜面及び第2の斜面を利用することで、一の第1係合突部によって、二方向(展開側及び格納側)の回動を規制することができる。また、回動リンクがベースブラケットから離間するほど、その第1係合突部の斜面に対する第2係合突部の係合位置が頂点部側に移動する。つまり、軸方向におけるベースブラケット及び第1回動リンク間の相対位置を調整することにより、その第1係合突部及び第2係合突部間の係合に基づき回動リンクの回動が規制される位置を移動させることができる。そして、これにより、そのオットマンの展開位置を調整することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記回動軸は、前記ベースブラケットに対して軸方向に相対移動可能に設けられるともに、前記規制手段は、前記回動軸に対して軸方向に相対移動不能に固定されること、を要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、その回動軸を操作することで、当該回動軸と一体に規制手段を軸方向移動させることができる。そして、これにより、簡素な構成にて、操作手段を形成することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記回動軸は、螺子係合部を介して前記ベースブラケットに支承されるとともに、前記回動軸には、該回動軸を回動操作可能な操作部材が設けられること、を要旨とする。
【0018】
上記構成によれば、操作部材を操作して回動軸を回動させることにより、その螺子係合関係(螺子対偶)に基づいて、規制手段と一体に回動軸を軸方向移動させることができる。そして、これにより、その操作力を小さく抑えることができる。また、オットマン装置の構造上、回動軸は、シートの幅方向に延設される。従って、この回動軸の一端に操作部材を設けることで、優れた操作性を実現することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、前記螺子係合部は、前記回動軸の軸方向移動を該回動軸の回動に変換しないように構成されること、を要旨とする。
上記構成によれば、規制手段が各係合部間の係合状態を維持可能な荷重範囲を安定させることができる。その結果、より好適に、オットマンの入力荷重を支えることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、前記規制手段は、前記回動リンクに対して相対回動するものであって、前記回動リンクと前記規制手段との間には、転動体が介在されること、を要旨とする。
【0021】
上記構成によれば、規制手段と回動リンクとが相対回転することにより、両者間に介在された転動体が転動する。そして、これにより、両者の摩擦を低減することで、回動リンクの軸方向移動を規制しつつ、円滑に当該回動リンクを回動させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、装置の大型化や重量化を招くことなく、過大な荷重の入力に対応することが可能なオットマン装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[第1の実施形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両用のシート1は、シートクッション2と、このシートクッション2の後端部に対して傾動自在に設けられたシートバック3とを備えている。また、シートバック3の上端には、ヘッドレスト4が設けられている。そして、シートバック3の幅方向両端には、一対のアームレスト5が設けられている。
【0025】
本実施形態では、車両の床部FLには、並列に配置された一対のロアレール6が設けられるとともに、これら各ロアレール6には、当該各ロアレール6上を移動するアッパレール7が装着されている。そして、シート1のシートクッション2は、これら各アッパレール7上に固定されている。
【0026】
即ち、本実施形態では、これらのロアレール6及びアッパレール7によりシートスライド装置8が形成されている。そして、車両の乗員は、このシートスライド装置8の機能を利用することにより、車両前後方向におけるシート1の位置調整を行うことができる。
【0027】
さらに、シートクッション2とシートバック3との間には、シートクッション2に対するシートバック3の相対回動を規制し、及びその相対回動を許容することが可能なシートリクライニング装置9が介在されている。そして、車両の乗員は、このシートリクライニング装置9の機能を利用することにより、そのシートバック3の傾倒角度を調整することができるようになっている。
【0028】
また、
図2に示すように、本実施形態のシート1は、シートクッション2の前縁2aに設けられたオットマン10と、このオットマン10をシート1(シートクッション2)の前方に展開し、又はそのシートクッション2の前縁2aに格納するオットマン装置11とを備えている。そして、車両の乗員は、このオットマン装置11の機能を利用することにより、そのオットマン10の展開位置を調整することができるようになっている。
【0029】
詳述すると、
図3及び
図4に示すように、本実施形態のオットマン装置11は、左右一対のリンク機構12(12L,12R)を備えている。また、これら各リンク機構12は、その一端(基端)がベースブラケット13(13L,13R)に連結され、他端(先端)が支持ブラケット14(14L,14R)に連結されている。即ち、
図2に示すように、各リンク機構12は、各ベースブラケット13がシートクッション2の骨格をなすサイドフレーム15の前端に固定されることにより、シートクッション2の前縁2aに支持されるように設けられる。そして、本実施形態のオットマン装置11は、これにより、その左右の支持ブラケット14に固定されたオットマン10をシート1の前方で支持することが可能となっている。
【0030】
図5に示すように、各リンク機構12は、その基端21aに設けられた関節J1を回動中心としてベースブラケット13に連結された第1回動リンク21と、同じく基端22aに設けられた関節J2を回動中心としてベースブラケット13に連結された第2回動リンク22と、を備えている。
【0031】
また、各リンク機構12は、第1回動リンク21の先端21bに設けられた関節J3を回動中心として同第1回動リンク21に連結された第1揺動リンク23と、同じく第2回動リンク22の先端22bに設けられた関節J4を回動中心として同第2回動リンク22に連結された第2揺動リンク24と、を備えている。
【0032】
さらに、第2揺動リンク24は、第1回動リンク21における基端21a側の関節J1と先端21b側の関節J3との間に設けられた関節J5を回動中心として同第1回動リンク21と連結されている。また、第2揺動リンク24は、その先端24bに設けられた関節J6を回動中心として支持ブラケット14の後端部14aに連結されている。そして、第1揺動リンク23は、その先端23bに設けられた関節J7を回動中心として支持ブラケット14の前端部14bに連結されている。
【0033】
図3〜
図5に示すように、本実施形態の各リンク機構12は、このようにして相対回動自在に各リンク(21〜24)が連結された所謂パンタグラフリンクの構成を有している。また、左右のリンク機構12L,12R間には、これらの各リンク機構12L,12Rが一体に動作するように、その関節J2において両者を連結する連結棒25が掛け渡されている。更に、本実施形態では、関節J3,J6に対応する位置にも、それぞれ、左右のリンク機構12L,12R間に掛け渡された連結棒26,27が設けられている。そして、本実施形態のオットマン装置11は、これら各リンク機構12の動作に基づいて、当該各リンク機構12の先端に支持するオットマン10(支持ブラケット14)をシート1の前方に展開し、又はそのシートクッション2の前縁2aに格納することが可能となっている。
【0034】
具体的には、
図2に示すように、本実施形態のリンク機構12は、その先端21bを持ち上げるように第1回動リンク21が回動(同図中、時計回り方向に回動)することにより、オットマン10をシート1の前方に展開する展開状態となる。そして、その先端21bを下ろすように第1回動リンク21が回動(同図中、反時計回り方向に回動)することにより、オットマン10をシートクッション2の前縁2a近傍に配置する格納状態になる。
【0035】
さらに詳述すると、
図3及び
図5に示すように、本実施形態では、上記のように関節J3,J6に対応する位置に設けられた二つの連結棒26,27の間には、両者を近接させる方向の弾性力(引張力)を発生するコイルバネ28が介在されている。即ち、本実施形態の各リンク機構12は、展開するに従って、その関節J3,J6(連結棒26,27)間の距離が徐々に短くなるように設計されている。そして、本実施形態のオットマン装置11は、このコイルバネ28の弾性力に基づいて、その各リンク機構12を展開方向に付勢する構成となっている。
【0036】
また、
図3〜
図5に示すように、各ベースブラケット13と各第1回動リンク21(の基端21a)とが回動可能に連結された関節J1には、その第1回動リンク21の回動を規制可能なロック機構30が形成されている。そして、本実施形態のオットマン装置11は、このロック機構30を操作して、その第1回動リンク21の回動が規制されたロック状態と当該第1回動リンク21の回動が許容されたアンロック状態とを切り替えることにより、シート1の前方にオットマン10を展開し、及びその展開位置を調整することが可能となっている。
【0037】
即ち、ロック機構30による規制を解除して第1回動リンク21の回動を許容することにより、各リンク機構12は、上記コイルバネ28の弾性力(付勢力)に基づいて展開方向に動作する。尚、各リンク機構12を格納方向に動作させる場合には、そのバネ力に抗してオットマン10に荷重を入力する。そして、再びロック機構30をロック状態とすることにより、所望の位置にオットマン10を配置することができるようになっている。
【0038】
(ロック機構)
次に、本実施形態におけるオットマン装置のロック機構について説明する。
本実施形態では、ベースブラケット13及び第1回動リンク21は、金属板を加工することにより形成されている。尚、本実施形態では、その他の各リンク(22〜24)及び支持ブラケット14も同様に、金属板を加工することにより形成されている。
【0039】
具体的には、
図6及び
図7に示すように、ベースブラケット13及び第1回動リンク21には、それぞれ、両者間の関節J1を構成する貫通孔31,32が形成されている。また、ベースブラケット13には、第2回動リンク22との間の関節J2を構成する貫通孔33、及びシートクッション2の前縁2a(
図2参照、サイドフレーム15の前端)への固定に用いられる固定フランジ34が形成されている。尚、この固定フランジ34は、複数のボルト挿通孔35が形成されている(
図3及び
図4参照)。そして、第1回動リンク21には、第1揺動リンク23との間の関節J3を構成する貫通孔36、及び第2揺動リンク24との間の関節J5を構成する貫通孔37が形成されている。
【0040】
図8に示すように、本実施形態では、ベースブラケット13及び第1回動リンク21間の関節J1は、上記各貫通孔31,32に回動軸40を挿通することにより形成される。具体的には、回動軸40は、左右のベースブラケット13(13L,13R)及び第1回動リンク21(21L,21R)を貫通する態様で、当該各ベースブラケット13(13L,13R)の貫通孔31及び各第1回動リンク21(21L,21R)の貫通孔32に挿通されている。そして、第1回動リンク21は、この回動軸40に支承された状態で、ベースブラケット13に対して回動可能に連結されるようになっている。
【0041】
また、
図6〜
図8に示すように、本実施形態では、各貫通孔31,32の周縁に形成されるベースブラケット13側及び第1回動リンク21側の各対向面41,42には、それぞれ、その各貫通孔31,32に挿通される回動軸40回りに波形の凹凸43,44が形成されている。尚、本実施形態では、これらの凹凸43,44は、プレス加工により形成されている。即ち、
図7には、対向面42の裏側となる第1回動リンク21の背面46が示されており、同図中、凹凸44は、そのプレス加工によって背面46に形成される複数の凹部に現れている。そして、本実施形態のロック機構30は、これらベースブラケット13側の凹凸43及び第1回動リンク21側の凹凸44を係合部として、両者を係合させることにより、その第1回動リンク21の回動を規制することが可能な構成となっている。
【0042】
詳述すると、
図9(a)(b)に示すように、各凹凸43,44の波形状は、それぞれ、周方向(同図中、左右方向)に沿うように間隔を空けて設けられた複数の突条部43a,44aにより構成されている。そして、本実施形態では、ベースブラケット13側及び第1回動リンク21側の各凹凸43,44は、その波形状が略同一となるように形成されている。
【0043】
即ち、ベースブラケット13側及び第1回動リンク21側の各凹凸43,44は、互いの各突条部43a,44aが噛み合うように係合する。そして、これにより、ベースブラケット13及び第1回動リンク21間の相対回動を規制することが可能となっている。
【0044】
また、
図6及び
図7に示すように、ベースブラケット13側の凹凸43及び第1回動リンク21側の凹凸44は、それぞれ、周方向に離間した回動軸40周り(各貫通孔31,32周り)の複数箇所に形成されている。具体的には、本実施形態では、ベースブラケット13及び第1回動リンク21には、それぞれ、略均等間隔で離間した3箇所に、上記の凹凸43(43A〜43C),44(44A〜44C)が形成されている。そして、本実施形態では、ベースブラケット13側の各凹凸43(43A〜43C)は、それぞれ、5つの突条部43aを有し、第1回動リンク21側の各凹凸44(44A〜44C)は、それぞれ、4つの突条部44aを有している(
図9(a)(b)参照)。
【0045】
ここで、本実施形態では、各第1回動リンク21は、回動軸40の軸方向において、その連結される各ベースブラケット13に対して相対移動可能に設けられている。そして、本実施形態では、その軸方向におけるベースブラケット13及び第1回動リンク21間の相対位置を変更することにより、当該第1回動リンク21の回動が規制されたロック状態と、その回動が許容されたアンロック状態とを切り替えることが可能となっている。
【0046】
詳述すると、
図8に示すように、各ベースブラケット13の背面45には、それぞれ、その貫通孔31と同軸となる位置に貫通孔47を有した連結部材48が固定されている。また、これら各貫通孔47の内周には、雌螺子51が形成されている。更に、回動軸40の外周には、これら各連結部材48に対応する位置に、それぞれ、その各雌螺子51に螺合する雄螺子52が形成されている。即ち、本実施形態の回動軸40は、これら雌螺子51及び雄螺子52が形成する螺子係合部を介して各ベースブラケット13に支承されている。そして、その螺子係合関係(螺子対偶)に基づいて、各ベースブラケット13に対して軸方向に相対移動することが可能となっている。
【0047】
尚、本実施形態では、上記雌螺子51及び雄螺子52の螺子形状は、当該雌螺子51及び雄螺子52の形成する螺子係合部が、回動軸40の軸方向移動を当該回動軸40の回動に変換しない、即ち逆入力を伝達しないように設定されている。
【0048】
また、回動軸40には、各第1回動リンク21の背面46に摺接するガイドプレート54が固着されている。尚、本実施形態のガイドプレート54は、金属板を加工することにより、扁平略カップ型に形成されている。そして、その円環状をなす周壁部54aの先端が各第1回動リンク21の背面46に摺接するようになっている。
【0049】
更に、回動軸40には、各第1回動リンク21の対向面42に摺接する略円板状のフランジ部55が形成されている。そして、本実施形態では、これらのガイドプレート54及びフランジ部55によって、その軸方向における回動軸40に対する各第1回動リンク21の相対移動が規制されている。
【0050】
つまり、本実施形態の各第1回動リンク21は、回動軸40が回動することにより当該回動軸40と一体に軸方向移動する。そして、これにより、その軸方向におけるベースブラケット13との相対位置が変化するようになっている。
【0051】
また、本実施形態では、回動軸40の外周には、捻りコイルバネ56が遊嵌状態で装着されており、回動軸40は、この捻りコイルバネ56の弾性力に基づいて、各第1回動リンク21が各ベースブラケット13に近接する方向に回動するように付勢されている。そして、本実施形態のロック機構30は、その回動軸40の一端(
図8中、右側の端部)に、当該回動軸40を回動操作するための操作レバー57を固定することにより形成されている。
【0052】
即ち、
図9(a)に示すように、操作レバー57の非操作時、各第1回動リンク21は、上記のような捻りコイルバネ56の弾性力に基づいた回動軸40の回動によって、その軸方向に対向する各ベースブラケット13に対して近接する方向に移動した状態となっている。そして、これにより、ベースブラケット13側の凹凸43及び第1回動リンク21側の凹凸44が係合することによって、そのベースブラケット13に対する第1回動リンク21の回動が規制される。
【0053】
一方、
図9(b)及び
図10に示すように、捻りコイルバネ56の弾性力に抗して操作レバー57を操作することにより、各第1回動リンク21は、回動軸40と一体に各ベースブラケット13から離間する方向に移動する。そして、これにより、ベースブラケット13側及び第1回動リンク21側の各凹凸43,44が互いに接触できなくなることで、各凹凸43,44間の係合が解除され、そのベースブラケット13に対する第1回動リンク21の回動が許容される。
【0054】
尚、使用者が操作レバー57から手を離すことで、回動軸40は、捻りコイルバネ56の弾性力に基づいて各第1回動リンク21が各ベースブラケット13に近接する方向に回動する。つまり、ベースブラケット13側及び第1回動リンク21側の各凹凸43,44が再び係合可能な状態となる。そして、本実施形態のロック機構30は、このようにして操作レバー57を操作することにより、そのロック状態及びアンロック状態を切り替えることが可能となっている。
【0055】
さらに詳述すると、
図2及び
図11に示すように、オットマン10(支持ブラケット)がシートクッション2の前縁2aに格納された状態にあるとき、
図12に示すように、第1回動リンク21側の各凹凸44A,44B,44Cは、それぞれ、ベースブラケット13側の各凹凸43A,43B,43Cに係合するようになっている。
【0056】
尚、
図11及び
図12に示すように、各ベースブラケット13の先端13b及び各第1回動リンク21の基端21aには、それぞれ、略円形の切欠き58,59が形成されている。そして、上記のようにオットマン10が格納状態にある場合には、これら各切欠き58,59の内側に、各リンク機構12の関節J6を構成する連結棒27が配置されるようになっている。
【0057】
図12及び
図13に示すように、本実施形態では、その各切欠き58,59の内側に連結棒27が配置可能な状態、即ちこれら各切欠き58,59について、その回動軸40周りの周方向位置(P1,P2)が一致するときの第1回動リンク21における回動角度θが「0°」となっている。そして、本実施形態のロック機構30は、その回動角度θが「0°」よりも小さな値(マイナス)となる所定の回動範囲において、第1回動リンク21側の各凹凸44A,44B,44Cが、ベースブラケット13側の各凹凸43A,43B,43Cに係合可能、即ちオットマン10の格納状態を維持することが可能となっている。
【0058】
また、
図14〜
図16に示すように、本実施形態では、各第1回動リンク21が展開方向に「θ1」以上回動することで、当該第1回動リンク21側の各凹凸44A,44B,44Cが、それぞれ、ベースブラケット13側の各凹凸43C,43A,43Bに係合することが可能になる(最小展開状態)。更に、
図17及び
図18に示すように、本実施形態のオットマン装置11は、第1回動リンク21の回動角度θが「θ2」となったとき、そのオットマン10(各リンク機構12)が最大限に展開された状態(
図5参照、フル展開状態)となる。そして、この状態においては、第1回動リンク21側の各凹凸44A,44B,44Cを構成する全ての突条部44aが、それぞれ、ベースブラケット13側の各凹凸43C,43A,43Bに係合する状態(
図9参照)となるように構成されている。
【0059】
即ち、本実施形態のオットマン装置11は、各第1回動リンク21の回動角度θが「θ1〜θ2」となる範囲において、そのオットマン10(各リンク機構12)の展開位置を調整することが可能となっている。そして、「0°〜θ1」の回動領域については、そのオットマン10の展開位置を保持することができない空走領域となっている。
【0060】
ここで、
図19に示すように、ベースブラケット13側及び第1回動リンク21側の各凹凸43,44は、その波形状を構成する各突条部43a,44aの周方向側面に形成される斜面Sを係合面として、互いに係合する(
図9(a)(b)参照)。従って、オットマン10に入力される荷重に基づいて、その第1回動リンク21を回動させる回動トルクTが入力された場合には、各ベースブラケット13及び第1回動リンク21に当該各ベースブラケット13及び第1回動リンク21を離間させる方向の力F1,F2が作用することになる。
【0061】
本実施形態では、上記のように各第1回動リンク21の背面46に摺接するガイドプレート54(
図8参照)が規制手段となることで、各第1回動リンク21が各ベースブラケット13から離間する方向の相対的な軸方向移動が規制されている。そして、これより、ベースブラケット13側の凹凸43と第1回動リンク21側の凹凸44との間の係合が維持されることで、その第1回動リンク21の回動が規制されるようになっている。
【0062】
また、本実施形態では、上記のような各ベースブラケット13及び第1回動リンク21間を離間させる方向の力F1,F2が過大、即ちオットマン10への入力荷重が過大となった場合、その規制手段としてのガイドプレート54が、ベースブラケット13から離間する方向(
図8参照、左側)に撓むようになっている。そして、
図20に示すように、互いの係合面が周方向にずれる態様で、各第1回動リンク21が各ベースブラケット13から離間する方向に相対移動することにより、ベースブラケット13側の凹凸43と第1回動リンク21側の凹凸44との間の係合が解除されるようになっている。
【0063】
次に、上記のように構成されたオットマン装置11の作用について説明する。
本実施形態のオットマン装置11は、その規制手段としてのガイドプレート54が上記のような各ベースブラケット13及び第1回動リンク21間の相対的な軸方向移動を規制して、各凹凸43,44間の係合状態を維持可能な荷重範囲において、オットマン10を展開した状態で保持することが可能となっている。
【0064】
即ち、規制手段としてのガイドプレート54が各ベースブラケット13及び第1回動リンク21間の相対的な軸方向移動を規制することができないような過大な荷重がオットマン10に入力された場合には、その相対的な軸方向移動に基づき各凹凸43,44間の係合が解除されることで、第1回動リンク21の回動が許容される。そして、本実施形態では、これにより、オットマン10が格納方向に移動することによって、そのオットマン10に入力された過大な荷重が開放されるようになっている。
【0065】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)左右のリンク機構12を構成する各第1回動リンク21は、回動軸40を介して各ベースブラケット13に連結される。また、回動軸40の周縁に形成されるベースブラケット13側及び第1回動リンク21側の各対向面41,42には、それぞれ、係合面となる斜面Sを有して互いが係合することにより各第1回動リンク21の回動を規制可能な波形の凹凸43,44が形成される。更に、各第1回動リンク21は、その背面46に摺接するガイドプレート54によって、各ベースブラケット13から離間する方向の相対的な軸方向移動が規制される。そして、オットマン10に過大な荷重が入力された場合には、このガイドプレート54が撓み、各第1回動リンク21が各ベースブラケット13から離間する方向に相対移動することによって、上記各凹凸43,44間の係合が解除される。
【0066】
即ち、斜面Sを係合面として各凹凸43,44間が係合することで、各ベースブラケット13及び第1回動リンク21には、そのオットマン10に入力される荷重に基づいて、両者を離間させる方向の力F1,F2が作用する。そして、この各ベースブラケット13及び第1回動リンク21を離間させる方向の力F1,F2に抗してガイドプレート54が両者間の相対的な軸方向移動を規制することにより、その各凹凸43,44間の係合状態が維持される。
【0067】
従って、上記構成によれば、規制手段としてのガイドプレート54が各ベースブラケット13及び第1回動リンク21間の相対的な軸方向移動を規制して各凹凸43,44間の係合状態を維持可能な荷重範囲において、そのリンク機構12の先端に支持するオットマン10を展開状態で保持することが可能になる。そして、乗員がオットマン10に着座する、或いは片膝を付く等、過大な荷重がオットマン10に入力された場合には、各凹凸43,44間の係合が解除され、オットマン10が格納方向に移動することによって、その過大な入力荷重が開放される。さらに、乗員に対しては、その格納方向に移動するオットマン10の動作を通じて、当該オットマン10の使用方法が不適切であることを知らしめるとともに、その行為を止めるように促すことができる。その結果、各リンク(21〜24)やこれら各リンクを連結する関節(J1〜J7)等、オットマン装置の構成要素にかかる負荷を軽減することができる。そして、これにより、これら各構成要素に要求される剛性が低下することで、その小型化及び軽量化を図ることができる。
【0068】
(2)また、波形の凹凸43,44を係合部とすることで、その係合位置の微調整が可能になる。その結果、より細やかにオットマン10の展開位置を調整することができる。加えて、構成簡素、且つプレス加工等によって容易に形成可能という利点がある。
【0069】
(3)ベースブラケット13側の凹凸43及び第1回動リンク21側の凹凸44は、それぞれ、周方向に離間した回動軸40周りの複数箇所に形成される。このような構成とすることで、回動軸40回りにバランスよく、その係合力を発生させることが可能になる。その結果、例えば、オットマン10に対する荷重の入力に偏りがある場合であっても、安定的に、その展開位置を保持することができるようになる。
【0070】
(4)各ベースブラケット13の背面45には、内周に雌螺子51が形成された貫通孔47を有する連結部材48が固定されるとともに、回動軸40の外周には、その雌螺子51に螺合する雄螺子52が形成される。また、規制手段としてのガイドプレート54は、回動軸40に対して軸方向に相対移動不能に固定される。そして、回動軸40の一端には、当該回動軸40を回動操作するための操作レバー57が固定される。
【0071】
上記構成によれば、操作レバー57を操作して回動軸40を回動させることにより、その雌螺子51及び雄螺子52間の螺子係合関係(螺子対偶)に基づいて、ガイドプレート54と一体に回動軸40を軸方向移動させることができる。これにより、簡素な構成にて、その各ベースブラケット13と各第1回動リンク21との相対位置を変更可能な操作手段を形成することができる。そして、両者の相対位置を離間させて互いの各凹凸43,44が接触できないようにすることで、その係合を解除することができる。また、オットマン装置11の構造上、回動軸40は、シート1(シートクッション2)の幅方向に延設される。従って、この回動軸40の一端に操作レバー57を設けることで、優れた操作性を実現することができる。そして、螺子係合関係を利用して回動軸40を軸方向移動させる構成とすることにより、その操作力を小さく抑えることができる。
【0072】
(5)雌螺子51及び雄螺子52の螺子形状は、当該雌螺子51及び雄螺子52の形成する螺子係合部が、回動軸40の軸方向移動を当該回動軸40の回動に変換しないように設定される。
【0073】
上記構成によれば、規制手段としてのガイドプレート54が各凹凸43,44間の係合状態を維持可能な荷重範囲を安定させることができる。その結果、より好適に、オットマン10の入力荷重を支えることができる。
【0074】
[第2の実施形態]
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0075】
図21〜
図23に示すように、本実施形態のオットマン装置11は、上記第1の実施形態との比較において、そのロック機構30の構成が相違する。尚、説明の便宜上、
図21及び
図22においては、コイルバネ28の記載を省略する。
【0076】
詳述すると、
図21及び
図23に示すように、本実施形態では、左右のリンク機構12L,12Rを構成する各第1回動リンク61(61L,61R)は、それぞれ、独立した回動軸60,70を介して各ベースブラケット63(63L,63R)に連結されている。
【0077】
具体的には、
図23中、左側に位置する第1回動リンク61Lは、軸長の短いピン型の回動軸60(が形成する第1関節J1)を介してベースブラケット63Lに連結されている。一方、
図23中、右側に位置する第1回動リンク61Rは、オットマン装置11の側方(同図中、右側)に延びる棒状の回動軸70(が形成する第1関節J1)を介してベースブラケット63Rに連結されている。そして、本実施形態のロック機構30は、そのベースブラケット63Rに対する第1回動リンク61Rの回動を規制するように構成されている。
【0078】
尚、ベースブラケット63R及び第1回動リンク61Rは、金属板を加工することにより形成されている。また、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様、左右のリンク機構12L,12R間には、その関節J2,J3,J6において、両者を連結する連結棒25,26,27が掛け渡されている。そして、これにより、その左右のリンク機構12L,12Rが一体に動作するようになっている。
【0079】
さらに詳述すると、
図23に示すように、上記第1の実施形態と同様、ベースブラケット63Rの背面45には、内周に雌螺子51が形成された貫通孔47を有する連結部材48が固定されるとともに、回動軸70の外周には、その雌螺子51に螺合する雄螺子52が形成されている。即ち、本実施形態の回動軸70は、これら雌螺子51及び雄螺子52が形成する螺子係合部を介してベースブラケット63Rに支承されている。そして、その螺子係合関係(螺子対偶)に基づいて、ベースブラケット63Rに対して相対的に軸方向移動することが可能となっている。
【0080】
尚、本実施形態においてもまた、上記雌螺子51及び雄螺子52の螺子形状は、当該雌螺子51及び雄螺子52の形成する螺子係合部が、回動軸70の軸方向移動を当該回動軸70の回動に変換しない、即ち逆入力を伝達しないように設定されている。
【0081】
また、回動軸70には、第1回動リンク61Rの背面46に摺接するガイドプレート54が固着されるとともに、第1回動リンク61Rの対向面42に摺接するフランジ部55が形成されている。そして、第1回動リンク61Rは、これらのガイドプレート54及びフランジ部55によって、その軸方向における回動軸70との間の相対移動が規制されている。
【0082】
即ち、上記第1の実施形態と同様、第1回動リンク61Rは、回動軸70が回動することにより当該回動軸70と一体に軸方向移動する。そして、これにより、その軸方向におけるベースブラケット63Rとの相対位置が変化するようになっている。
【0083】
さらに、回動軸70の外周には、捻りコイルバネ56が遊嵌状態で装着されており、回動軸70は、この捻りコイルバネ56の弾性力に基づいて、第1回動リンク61Rがベースブラケット63Rに近接する方向に回動するように付勢されている。また、回動軸70の一端(
図23中、右側の端部)には、当該回動軸70を回動操作するための操作ハンドル64が設けられている。そして、この回動軸70の周縁に形成される第1回動リンク61R側及びベースブラケット63R側の各対向面41,42には、それぞれ、互いが係合することにより第1回動リンク61Rの回動を規制可能な係合部(第1係合突部71及び第2係合突部72)が形成されている。
【0084】
詳述すると、
図23及び
図24に示すように、ベースブラケット63R側の対向面41には、その係合部として、上記回動軸70が挿通される貫通孔31の周縁に、周方向に略円弧状に延びる第1係合突部71が形成されている。また、
図23及び
図25に示すように、第1回動リンク61R側の対向面42には、その係合部として、当該第1回動リンク61Rの回動方向に応じて上記第1係合突部71に係合する第2係合突部72が形成されている。尚、本実施形態では、ベースブラケット63R側の第1係合突部71、及び第1回動リンク61R側の第2係合突部72は、ともにプレス加工により形成されている。即ち、
図25には、対向面42の裏側となる第1回動リンク61Rの背面46が示されており、同図中、第2係合突部72は、そのプレス加工によって背面46に形成される凹部に現れている。そして、
図24及び
図25に示すように、本実施形態では、これらのベースブラケット63R側の第1係合突部71及び第1回動リンク21側の第2係合突部72は、それぞれ、周方向に離間した回動軸70周り(貫通孔31,32周り)の複数箇所、詳しくは、略均等間隔で離間した3箇所に形成されている。
【0085】
また、
図26(a)(b)に示すように、各第1係合突部71は、その周方向略中央部分に最も突出長の大きな頂点部71aを有している。そして、これにより、この頂点部71aを挟む周方向両側には、逆向きの傾斜を有する第1の斜面S1及び第2の斜面S2が形成されている。
【0086】
即ち、第1回動リンク21側の第2係合突部72は、当該第1回動リンク21の回動方向に応じて当接する何れかの斜面S(S1,S2)を係合面として、各第1係合突部71に係合する。そして、本実施形態のロック機構30は、その軸方向におけるベースブラケット63R及び第1回動リンク61R間の相対位置を調整することにより、上記第1係合突部71及び第2係合突部72間の係合状態を制御することが可能となっている。
【0087】
つまり、
図26(a)に示すように、上記回動軸70の一端に設けられた操作ハンドル64の非操作時、第1回動リンク61Rは、上記捻りコイルバネ56の弾性力に基づいた回動軸70の回動によって、ベースブラケット63Rに対して近接する方向に移動した状態となっている。そして、この状態で第1回動リンク61Rが回動し、当該第1回動リンク61R側の第2係合突部72がベースブラケット63R側の各第1係合突部71に係合することにより、そのベースブラケット63Rに対する第1回動リンク61Rの回動が規制される。
【0088】
一方、
図26(b)及び
図27に示すように、捻りコイルバネ56の弾性力に抗して操作ハンドル64を操作することにより、第1回動リンク61Rは、回動軸70と一体にベースブラケット63Rから離間する方向に移動する。そして、これにより、ベースブラケット63R側の各第1係合突部71及び第1回動リンク61R側の各第2係合突部72が互いに接触できなくなることで、各第1係合突部71及び第2係合突部72間の係合が解除され、そのベースブラケット63Rに対する第1回動リンク61Rの回動が許容される。
【0089】
尚、使用者が操作ハンドル64から手を離すことで、回動軸70は、捻りコイルバネ56の弾性力に基づいて第1回動リンク61Rがベースブラケット63Rに近接する方向に回動する。つまり、ベースブラケット63R側の各第1係合突部71及び第1回動リンク61R側の各第2係合突部72が再び係合可能な状態になる。そして、本実施形態のロック機構30は、このようにして操作ハンドル64を操作することにより、そのロック状態及びアンロック状態を切り替えることが可能となっている。
【0090】
さらに詳述すると、
図2及び
図28に示すように、オットマン10(支持ブラケット14)がシートクッション2の前縁2aに格納された状態にあるとき、第1回動リンク61Rは、各リンク機構12の関節J3,J6を構成する各連結棒26,27間に介在されたコイルバネ28(
図3参照)の弾性力に基づいて、その展開方向に回動しようとする。
【0091】
図29に示すように、本実施形態では、この展開方向への第1回動リンク61Rの回動によって、当該第1回動リンク61R側の各第2係合突部72が、第1の斜面S1を係合面としてベースブラケット63R側の各第1係合突部71に係合する。具体的には、
図28に示すように、第1回動リンク61R側の各第2係合突部72A,72B,72Cが、それぞれ、ベースブラケット63R側の各第1係合突部71A,71B,71Cに係合する。そして、これにより、第1回動リンク61Rの展開方向への回動が規制されることによって、そのオットマン10の格納状態が維持される。
【0092】
一方、
図22に示すように、オットマン10(各リンク機構12)が展開された状態にあるとき、第1回動リンク61R側の各第2係合突部72A,72B,72Cは、その対応するベースブラケット63R側の各第1係合突部71A,71B,71Cを乗り越えて、上記格納状態とは反対側の位置に配置されることになる。そして、
図30に示すように、オットマン10の入力荷重に基づき第1回動リンク61Rが格納方向に回動することによって、当該第1回動リンク61R側の各第2係合突部72が、第2の斜面S2を係合面としてベースブラケット63R側の各第1係合突部71に係合する。
【0093】
即ち、オットマン10(各リンク機構12)が展開された状態においては、そのオットマン10の入力荷重に基づいた格納方向への第1回動リンク61Rの回動が規制される。尚、オットマン10に荷重が入力されない場合、当該オットマン10は、上記コイルバネ28の弾性力に基づいて展開方向に移動する。そして、本実施形態のオットマン装置11は、その第2の斜面S2を係合面とした各第1係合突部71及び第2係合突部72間の係合により規定される展開位置を最下点として、各リンク機構12の先端に支持するオットマン10を展開状態で保持することが可能となっている。
【0094】
また、
図31に示すように、軸方向におけるベースブラケット63R及び第1回動リンク61R間の相対位置が変化することで、そのベースブラケット63R側の各第1係合突部71と第1回動リンク61R側の各第2係合突部72との係合状態も変化する。具体的には、第1回動リンク61Rがベースブラケット63Rから離間するほど、その各第1係合突部71の斜面S(第2の斜面S2)に対する各第2係合突部72の係合位置が頂点部71a側に移動する。
【0095】
上記のように、本実施形態のロック機構30は、その回動軸70に設けられた操作ハンドル64によって、軸方向におけるベースブラケット63R及び第1回動リンク61R間の相対位置を微調整することが可能となっている。そして、本実施形態のオットマン装置11は、これにより、各第1係合突部71及び第2係合突部72間の係合に基づき第1回動リンク61Rの回動が規制される位置を移動させることで、
図32に示すように、その展開状態にあるオットマン10の展開位置(最下点)を変更することが可能となっている(格納方向移動状態)。
【0096】
ここで、第1回動リンク61R側の各第2係合突部72が、斜面S(S2)を係合面としてベースブラケット63R側の各第1係合突部71に係合することで、そのベースブラケット63Rと第1回動リンク61Rとの間には、オットマン10に入力される荷重に基づいて両者を離間させる方向の力が作用する(
図19参照)。そして、上記第1の実施形態と同様、本実施形態においてもまた、そのオットマン10の入力荷重が過大となった場合には、規制手段としてのガイドプレート54が、ベースブラケット63Rから離間する方向(
図23参照、左側)に撓むようになっている。
【0097】
即ち、
図31に示すように、第1回動リンク61Rがベースブラケット63Rから離間する方向に相対移動することで、各第1係合突部71の斜面S(第2の斜面S2)に対する各第2係合突部72の係合位置が頂点部71a側に移動する。そして、各第2係合突部72が、各第1係合突部71の頂点部71aを乗り越えることにより、当該各第1係合突部71及び第2係合突部72間の係合が解除される。
【0098】
このように、本実施形態のオットマン装置11もまた、その規制手段としてのガイドプレート54が、ベースブラケット63R及び第1回動リンク61R間の相対的な軸方向移動を規制して各第1係合突部71及び第2係合突部72間の係合状態を維持可能な荷重範囲において、オットマン10を展開した状態で保持することが可能となっている。そして、ガイドプレート54の許容範囲を超える過大な荷重がオットマン10に入力された場合には、上記各第1係合突部71及び第2係合突部72間の係合が解除され、オットマン10が格納方向に移動することによって、その過大な入力荷重が開放されるようになっている。
【0099】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)第1回動リンク61Rは、回動軸70を介してベースブラケット63Rに連結されるともに、その背面46に摺接するガイドプレート54によって、ベースブラケット63Rから離間する方向の相対的な軸方向移動が規制される。また、ベースブラケット63R側の対向面41には、頂点部71aを挟んで周方向に逆向きの傾斜を有する第1の斜面S1及び第2の斜面S2を備えた第1係合突部71が形成される。そして、第1回動リンク61R側の対向面42には、当該第1回動リンク61Rの回動方向に応じて各斜面S(S1,S2)の何れかを係合面として各第1係合突部71に係合する第2係合突部72が形成される。
【0100】
上記構成によれば、規制手段としてのガイドプレート54がベースブラケット63R及び第1回動リンク61R間の相対的な軸方向移動を規制して第1係合突部71及び第2係合突部72間の係合状態を維持可能な荷重範囲において、そのリンク機構12の先端に支持するオットマン10を展開状態で保持することが可能になる。その結果、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0101】
(2)また、頂点部71aを挟んで周方向に逆向きの傾斜を有する第1の斜面S1及び第2の斜面S2を有することで、一の第1係合突部71により、二方向(展開側及び格納側)の回動を規制することができる。
【0102】
(3)さらに、第1回動リンク61Rがベースブラケット63Rから離間するほど、その各第1係合突部71の斜面S(第2の斜面S2)に対する各第2係合突部72の係合位置が頂点部71a側に移動する。つまり、軸方向におけるベースブラケット63R及び第1回動リンク61R間の相対位置を微調整することにより、各第1係合突部71及び各第2係合突部72間の係合に基づき第1回動リンク61Rの回動が規制される位置を移動させることができる。そして、これにより、そのオットマン10の展開位置を調整することができる。
【0103】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記各実施形態では、規制手段としてのガイドプレート54は、過大な荷重の入力時、その撓みに基づいて、第1回動リンク21(61R)及びベースブラケット13(63R)間の相対移動を許容する構成とした。しかし、その相対移動を規制して各係合部間(各凹凸43,44間、各第1係合突部71及び第2係合突部72間)の係合状態を維持可能な荷重範囲の設定方法については、必ずしも、上記のように規制手段自体の変形によるものに限らず、例えば、バネ力や摩擦係合力等に基づいて規制手段が移動する構成であってもよい。
【0104】
・上記各実施形態では、ガイドプレート54は、扁平略カップ型に形成されるとともに、その円環状をなす周壁部54aの先端が第1回動リンク21(61R)の背面46に摺接することとした。しかし、これに限らず、
図33及び
図34に示すように、ガイドプレート74と第1回動リンク21との間に、転動体となるボール75を介在させる構成としてもよい。
【0105】
具体的には、この例において、ガイドプレート74は、略円盤状に形成されている。また、ガイドプレート74と第1回動リンク21との間には、複数の貫通孔76aを有する円板状の保持板76が同軸配置されており、各ボール75は、それぞれ、その貫通孔76a内に保持されている。そして、ガイドプレート74には、これら各ボール75が転動する軌道となる円環状の溝部77が形成されている。
【0106】
即ち、ガイドプレート74と第1回動リンク21とが相対回転することにより、両者間に介在された各ボール75が転動する。そして、これにより、両者の摩擦を低減することで、第1回動リンク21の軸方向移動を規制しつつ、円滑に当該第1回動リンク21を回動させることができる。尚、
図35に示すように、軸受に用いられるような周知の保持器(リテーナ)78を用いて各ボール75を保持する構成としてもよい。また、各ボール75に代えて、例えば「ころ」等、その他の転動体を用いる構成としてもよい。そして、その転動体の数についても任意に変更してもよい。
【0107】
・上記各実施形態では、規制手段としてのガイドプレート54は、回動軸40(70)に固定されることとした。そして、当該回動軸40(70)の一端に操作部材としての操作レバー57(操作ハンドル64)を設けることにより操作手段を形成することとした。しかし、これに限らず、回動軸とは独立に規制手段及び操作手段を形成する構成としてもよい。尚、この場合においても、その第1回動リンクと規制手段とが相対回転する構成である場合には、上記のように両者間に転動体を介在させる構成が有効である。
【0108】
・上記各実施形態では、雌螺子51及び雄螺子52間の螺子係合関係(螺子対偶)を利用して回動軸40(70)及びガイドプレート54を軸方向移動させる構成とした。しかし、これに限らず、直接的に軸方向移動させる構成であってもよい。そして、この場合には、ベースブラケット13(63R)に対する回動軸40(70)及びガイドプレート54の相対位置を固定する手段を設けるとよい。
【0109】
・上記各実施形態では、第1回動リンク21(61R)側及びベースブラケット13(63R)側の各係合部は、周方向に離間した回動軸40(70)周り(各貫通孔31,32周り)の複数箇所に形成されることとした。しかし、これに限らず、それぞれ、一箇所ずつ、或いは、その一方については一箇所のみに形成する構成であってもよい。また、第1の実施形態については、その波形の凹凸43,44の少なくとも一方を回動軸40回りの全周に亘るものとしてもよい。そして、第2の実施形態については、第1係合突部71及び第2係合突部72を、それぞれ、一つずつ形成する構成としてもよい。
【0110】
・また、第2の実施形態では、ベースブラケット63R側に第1係合突部71を形成し、第1回動リンク61R側に第2係合突部72を形成したが、これを逆転する構成としてもよい。