特許第5949336号(P5949336)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5949336
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月6日
(54)【発明の名称】車両用ブレーキ装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/17 20060101AFI20160623BHJP
   B60L 7/24 20060101ALI20160623BHJP
【FI】
   B60T8/17 CZHV
   B60L7/24 Z
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-190676(P2012-190676)
(22)【出願日】2012年8月30日
(65)【公開番号】特開2014-46768(P2014-46768A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(72)【発明者】
【氏名】飯田 崇史
(72)【発明者】
【氏名】石本 卓士
【審査官】 谷口 耕之助
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−225739(JP,A)
【文献】 特開2011−245927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/17
B60L 7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキ操作部材(1)に対する操作に伴ってマスタピストン(21、22)がマスタシリンダ(20)に対して摺動し、マスタ室(2A)内に前記ブレーキ操作部材に対する操作に応じた液圧を発生させる液圧発生装置(2)と、
前記ブレーキ操作部材に対する操作に応じた液圧をアシスト室(3A)内に発生させ当該アシスト室内の液圧に対応する力を前記マスタピストンに作用させる倍力装置(3)と、
前記液圧発生装置とホイルシリンダ(4)との間のブレーキ液の流路に設けられ、前記液圧発生装置と前記ホイルシリンダとの間のブレーキ液の流れを制御する第一弁装置(51)と、
前記第一弁装置よりも前記液圧発生装置側のブレーキ液を前記第一弁装置よりも前記ホイルシリンダ側に吐出するポンプ(54)と、
前記アシスト室とリザーバ(82)との間に設けられ前記アシスト室と前記リザーバとの間のブレーキ液の流れを制御する第二弁装置(81)と、
を有する液圧制動装置と、
回生制動力を発生させる回生制動装置(9)と、
前記回生制動力を増加させると共に前記ホイルシリンダ内の液圧による液圧制動力を減少させるすり替え処理の際に、前記第二弁装置を開状態に制御する開閉制御部(6(61))と、
を備える車両用ブレーキ装置。
【請求項2】
前記すり替え処理の際に前記第二弁装置を仮に開弁させないとした場合の前記アシスト室の液圧増加分を推定する推定部(6(62))を備え、
前記開閉制御部は、前記推定部の推定結果に基づいて前記第二弁装置を開状態に制御する請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
【請求項3】
前記開閉制御部は、前記ブレーキ操作部材の操作に関する情報と、前記ホイルシリンダ内の液圧に関する情報と、前記回生制動力に関する情報とに基づいて前記第二弁装置を開状態に制御し、
前記推定部は、前記ホイルシリンダ内の液圧に関する情報、前記ホイルシリンダ内の液量と液圧の関係、及び前記マスタシリンダ内の液量と液圧の関係に基づいて前記液圧増加分を推定する請求項2に記載の車両用ブレーキ装置。
【請求項4】
前記開閉制御部は、前記ブレーキ操作部材の操作に関する情報と、前記マスタ室内の液圧に関する情報と、前記回生制動力に関する情報とに基づいて前記第二弁装置を開状態に制御し、
前記推定部は、前記マスタ室内の液圧に関する情報、及び前記マスタシリンダ内の液量と液圧の関係に基づいて前記液圧増加分を推定する請求項2に記載の車両用ブレーキ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧制動力及び回生制動力を利用する車両用ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータを備えた車両では、回生制動力を利用したブレーキ制御が為されている。この場合、制動力(ブレーキ力)は、ホイルシリンダ内の液圧により生じる液圧制動力と、回生制動力の合計となる。そして、バッテリの充電を効率良く行うために、制動力における回生制動力の割合を大きくする制御が為されている。例えば、ブレーキ操作部材が操作され始めて制動力が目標制動力に達する過程及び達した後では、回生制動力を増加させると共に液圧制動力を減少させるすり替え処理が為される。
【0003】
ところで、ブレーキ操作部材とマスタピストンが機械的に連結されたインライン型の車両用ブレーキ装置では、マスタピストンは、ブレーキ操作部材の操作及び倍力装置(液圧ブースタ)のアシストによって前進し、マスタ室内の液圧を上昇させる。そして、ホイルシリンダとマスタ室の間には弁装置が介在し、弁装置により両者間の液の流れが制御される。また、弁装置のホイルシリンダ側には、ホイルシリンダ内の液圧を調整するポンプが設けられている。このポンプは、液圧制動力を増加させる場合、ホイルシリンダ内にブレーキ液を供給する方向に動作し、液圧制動力を減少させる場合、ホイルシリンダ内からブレーキ液を吐出させる方向に動作する。液圧制動力は、マスタ室内の液圧によるものと、ポンプの調整によるものとの合計となる。
【0004】
上記ポンプは、例えばアンチロック制御や車両安定化制御やトラクション制御や横滑り防止等に用いられ、特開2009−166523号公報(特許文献1)にはアンチロックブレーキ機能を発揮させるポンプが記載されている。このように、ポンプは、液圧制御装置(液圧調整装置)の一部として用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−166523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記のようなすり替え処理が為される車両において、すり替え処理の際にも目標制動力を維持することが求められる。しかしながら、インライン型の車両用ブレーキ装置では、ブレーキ操作部材とマスタピストン(マスタ室)と倍力装置とホイルシリンダとが機械的に連結されているため、すり替え処理の際にマスタ室内の液圧が増加し、液圧制動力の減少が阻害される。このように、インライン型の車両用ブレーキ装置では、すり替え処理の際の制動力の制御性向上に余地がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、すり替え処理の際の制動力の制御性向上が可能な車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の車両用ブレーキ装置は、ブレーキ操作部材(1)に対する操作に伴ってマスタピストン(21、22)がマスタシリンダ(20)に対して摺動し、マスタ室(2A)内に前記ブレーキ操作部材に対する操作に応じた液圧を発生させる液圧発生装置(2)と、前記ブレーキ操作部材に対する操作に応じた液圧をアシスト室(3A)内に発生させ当該アシスト室内の液圧に対応する力を前記マスタピストンに作用させる倍力装置(3)と、前記液圧発生装置とホイルシリンダ(4)との間のブレーキ液の流路に設けられ、前記液圧発生装置と前記ホイルシリンダとの間のブレーキ液の流れを制御する第一弁装置(51)と、前記第一弁装置よりも前記液圧発生装置側のブレーキ液を前記第一弁装置よりも前記ホイルシリンダ側に吐出するポンプ(54)と、前記アシスト室とリザーバ(82)との間に設けられ前記アシスト室と前記リザーバとの間のブレーキ液の流れを制御する第二弁装置(81)と、を有する液圧制動装置と、回生制動力を発生させる回生制動装置(9)と、前記回生制動力を増加させると共に前記ホイルシリンダ内の液圧による液圧制動力を減少させるすり替え処理の際に前記第二弁装置を開状態に制御する開閉制御部(6(61))と、を備える。
【0009】
請求項2に記載の車両用ブレーキ装置は、請求項1において、前記すり替え処理の際に前記第二弁装置を仮に開弁させないとした場合の前記アシスト室の液圧増加分を推定する推定部(6(62))を備え、前記開閉制御部は、前記推定部の推定結果に基づいて前記第二弁装置を開状態に制御する。
【0010】
請求項3に記載の車両用ブレーキ装置は、請求項2において、前記開閉制御部は、前記ブレーキ操作部材の操作に関する情報と、前記ホイルシリンダ内の液圧に関する情報と、前記回生制動力に関する情報とに基づいて前記第二弁装置を開状態に制御し、前記推定部は、前記ホイルシリンダ内の液圧に関する情報、前記ホイルシリンダ内の液量と液圧の関係、及び前記マスタシリンダ内の液量と液圧の関係に基づいて前記液圧増加分を推定する。
【0011】
請求項4に記載の車両用ブレーキ装置は、請求項2において、前記開閉制御部は、前記ブレーキ操作部材の操作に関する情報と、前記マスタ室内の液圧に関する情報と、前記回生制動力に関する情報とに基づいて前記第二弁装置を開状態に制御し、前記推定部は、前記マスタ室内の液圧に関する情報、及び前記マスタシリンダ内の液量と液圧の関係に基づいて前記液圧増加分を推定する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、すり替え処理の際、開閉制御部が第二弁装置を開状態とする。これにより、アシスト室とリザーバが連通し、すり替え処理で生じるマスタ圧の増加分の液をリザーバが吸収することができる。したがって、すり替え処理の際に生じるポンプによるマスタ圧増加が抑制され、マスタ圧が増加することによるホイル圧の減少阻害が解消され、液圧制動力を確実に下げることができる。このように本発明によれば、すり替え処理の際に、液圧制動力を確実に下げることで制動力の制御性向上が可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、推定されたアシスト室の液圧増加分に基づいて第二弁装置の開閉を制御するため、すり替え処理の際により精度良く液圧制動力を下げることができる。つまり、より精度良く制動力の制御性を向上させることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、ホイルシリンダ内及びマスタ室内の液量と液圧の関係を用いており、これにより容易に液圧増加分を推定することが可能となる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、マスタ室内の液量と液圧の関係を用いており、これにより容易に液圧増加分を推定することが可能となる。また、ホイルシリンダ内の液圧に関する情報が不要であり、センサの削減による製造コストの削減も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態の車両用ブレーキ装置の構成を示す部分断面説明図である。
図2】従来の構成におけるすり替え処理の際の制動力を説明するための図である。
図3】本実施形態におけるすり替え処理の際の制動力を説明するための図である。
図4】本実施形態の電磁弁の開閉制御を説明するためのフローチャートである。
図5】本実施形態の液圧増加分の推定方法を説明するためのフローチャートである。
図6】本実施形態の変形態様に係る電磁弁の開閉制御を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施形態の車両用ブレーキ装置は、図1に示すように、ブレーキペダル(「ブレーキ操作部材」に相当する)1と、ブースタハウジング10と、液圧発生装置2と、倍力装置3と、ホイルシリンダ4と、液圧制御装置5と、ブレーキECU6と、液圧源7と、電磁弁81と、リザーバ82と、ブレーキECU6と通信する各種センサ91〜93と、ハイブリッドECU9と、を備えている。なお、説明において、ブレーキペダル1の踏み込みにより後述するマスタピストン21、22が駆動する方向(図1左方向)を「前進方向」とし、その反対方向(図2右方向)を「後退方向」とする。
【0018】
液圧発生装置2は、マスタシリンダ20と、第1マスタピストン21と、第2マスタピストン22と、復帰スプリング23と、リザーバXと、を備えている。マスタシリンダ20は、ブースタハウジング10の前進側端部に接続されている。マスタシリンダ20は、公知のタンデム型のマスタシリンダと同様であり、詳細な説明は省略する。
【0019】
マスタシリンダ20内には、マスタシリンダ20内周面、第1マスタピストン21の前進側部位、及び第2マスタピストン22の後退側部位により「第1マスタ室2A1」が形成(区画)されている。同様に、マスタシリンダ20内には、マスタシリンダ20内周面、及び第2マスタピストン22の前進側部位により「第2マスタ室2A2」が形成(区画)されている。液圧発生装置2は、マスタピストン21、22がマスタシリンダ20に対して摺動することで、マスタ室2A1、2A2内に液圧を発生させる。以下、第1マスタ室2A1及び第2マスタ室2A2は、マスタ室2Aと称する。
【0020】
マスタピストン21、22は、前進側が開口した有底筒形状に形成されており、復帰スプリング23により後退方向に付勢されている。ここで、第1マスタピストン21には、自身の後退側端部から後退方向に延びる後端部21aが形成されている。後端部21aの後退側端部には前進側に窪んだ凹部が形成されている。リザーバXは、マスタシリンダ20のポート20a、20bに接続されている。マスタピストン21、22が初期位置にある場合にリザーバXとマスタ室2Aとが連通する。
【0021】
液圧源7は、リザーバXに接続されたポンプ7aと、ポンプ7aを駆動するモータ7bと、アキュムレータ7cと、圧力センサ7dと、を備えている。液圧源7は、圧力センサ7dによる検出圧力に基づいてモータ7bをオン、オフさせ、アキュムレータ7cに蓄える液圧を所定の上下限値内に保持する。
【0022】
倍力装置3は、ブースタハウジング10内に配置され、入力ロッド31と、出力部材32と、調圧部33と、を備えている。倍力装置3は、ブレーキペダル1の操作に応じて液圧源7から後述するアシスト室3a内に液圧を供給する装置である。なお、ブーストハウジング10及び液圧源7を含んだ構成を倍力装置3と称することもできる。
【0023】
入力ロッド31は、後退側端部でブレーキペダル1に接続されており、ブレーキペダル1の操作量又は操作力に応じで前後に移動する。出力部材32は、後述する反力付与部材Yの前進側端部に配置され、後述するブーストピストン331の前進に応じて前進する。
【0024】
調圧部33は、ブーストピストン331と、スプール弁332と、を備えている。ブーストピストン331は、略筒形状に形成されており、内部に入力ロッド31とスプール弁332と反力付与部材Yが収容されている。ブーストピストン331は、ブースタハウジング10内後退側においてアシスト室3Aを区画している。つまり、ブーストピストン331後退側には、ブーストピストン331とブースタハウジング10内周面とによりアシスト室3Aが形成(区画)されている。
【0025】
ブーストピストン331には、通路331a、331b、331cが設けられている。通路331aは、液圧源7とブーストピストン331内部とを連通させる通路である。通路331bは、アシスト室3Aとブーストピストン331内部とを連通させる通路である。通路331cは、リザーバXとブーストピストン331内部とを連通させる通路である。
【0026】
スプール弁332は、入力ロッド31よりも径が大きい部位(大径部)332a、332bを有し、大径部332a、332bのブーストピストン331に対する相対位置を前後に摺動させることで各通路331a〜331cが開閉する。スプール弁332は、入力ロッド31に接続されており、入力ロッド31の前進後退に応じて摺動する。ブーストピストン331には前進側端面に開口する有底の大径穴331dが形成され、大径穴331dに反力付与部材Yが配置されている。スプール弁332の前進側端部に形成された小径部分332cは、大径穴331dの底部を摺動可能に貫通して反力付与部材Yと当接している。
【0027】
調圧部33では、ブレーキペダル1が踏まれて入力ロッド31がブーストピストン331に対して前進し大径部332aが所定量前進すると、通路331aが開口し、液圧源31とアシスト室3Aとが連通する。これにより、高圧のブレーキ液がアシスト室3Aに流入する。調圧部33は、ブレーキペダル1の操作に応じて、アシスト室3Aに高圧の液圧を供給する。アシスト室3Aが高圧になると、ブーストピストン331が前進し、出力部材32を前進させる。
【0028】
出力部材32は、前進側において、第1マスタピストン21に連結されている。出力部材32の前進側端部は、後端部21aの凹部内に配置されている。出力部材32の後退側に形成された大径部分32aは、ブーストピストン331の前進側端面に開口する大径穴331dに摺動可能に嵌合され、反力付与部材Yと当接している。なお、入力ロッド31及びスプール弁332が復帰スプリング333により最後退位置に押し戻された状態では、通路331b、331cが開口し、アシスト室3AとリザーバXとが連通する。反力付与部材Yは、ゴムディスクで形成された周知の部材(例えばリアクションディスク)であり、ブレーキ操作量に応じた反力を作り出すものである。
【0029】
液圧制御装置5は、マスタシリンダ20とホイルシリンダ4の間に配置され、ブレーキECU6の指令に基づき、マスタ室2Aから供給される液圧(マスタ圧)を調圧してホイルシリンダ4に供給するものである。例えば、ホイルシリンダ4にマスタ圧(基礎液圧)のみが供給されて発生した基礎制動力と回生制動力とだけでは制動力が不足する場合、液圧制御装置5は不足する制動力(制御制動力)に相当する制御液圧を発生させ、マスタ圧に加えてホイルシリンダ4に供給しホイルシリンダ4内に目標のホイル圧を発生させる。つまり、液圧制御装置5は、マスタ圧を調整してホイルシリンダ4に供給し、ブレーキECU6に指示された目標の液圧制動力を発生させる。液圧制御装置5は、その他にも各種制御を行い、例えばABS(アンチロック制御)では、マスタ室2Aから供給される液圧を維持、増圧、又は減圧してホイル圧を制御することができる。液圧制御装置5は、急ハンドル等に対応する横滑り防止装置も兼ねている。
【0030】
液圧制御装置5は、弁装置51と、増圧弁52と、減圧弁53と、ポンプ54と、モータ55と、リザーバ56と、を備えている。弁装置51(「第一弁装置」に相当する)は、常開型の電磁弁であって、マスタ室2Aに接続された配管511に接続されている。弁装置51は、連通状態(無通電状態)と差圧状態とに制御できる電磁弁であって、ポンプ54駆動状態において自身のソレノイドに流れる電流の電流値に応じて、ホイル圧とマスタ圧との差圧状態が変化する。この電流値が大きいほど差圧量が大きくなる。このように、弁装置51は、液圧発生装置2とホイルシリンダ4との間のブレーキ液の流れを制御する弁である。
【0031】
増圧弁52は、上流側(マスタ室2A側)が配管521を介して弁装置51及びポンプ54に接続され、下流側(ホイルシリンダ4側)が配管522を介してホイルシリンダ4に接続された常開型の電磁弁である。つまり、マスタ室2Aからのブレーキ液は、弁装置51及び増圧弁52を介してホイルシリンダ4に供給される。増圧弁52は、連通・遮断状態を制御できる2位置弁となっている。増圧弁52は、通常のブレーキ操作時には連通状態となっている。また、増圧弁52及び弁装置51には、それぞれ安全弁Zが並列に設けられている。
【0032】
減圧弁53は、一方が配管522に接続され、他方がリザーバ56及びポンプ54に接続された常閉型の電磁弁である。減圧弁53は、連通・遮断状態を制御できる2位置弁となっている。減圧弁53は、通常のブレーキ操作時には遮断状態となっている。
【0033】
ポンプ54は、吸入側がリザーバ56及び減圧弁53に接続され、吐出側が配管521(弁装置51の下流側及び増圧弁52の上流側)に接続されたポンプである。ポンプ54は、モータ54により駆動される。モータ54は、ブレーキECU6によりオン・オフ制御される。すなわち、ブレーキECU6は、ポンプ54の駆動を制御する。ポンプ54は、弁装置51よりも液圧発生装置2側のブレーキ液を弁装置51よりもホイルシリンダ4側に吐出する。リザーバ56は、配管561を介してマスタ室2Aに接続され、配管562を介してポンプ54及び減圧弁53に接続されている。
【0034】
液圧制御装置5の制御は、公知の方法で行えば良い。簡単に説明すると、液圧制御装置5は、弁装置51によりマスタシリンダ20とホイルシリンダ4との間のブレーキ液の流れを制御した上で、ポンプ54により弁装置51よりもマスタシリンダ20側のブレーキ液を弁装置51よりもホイルシリンダ4側に吐出することにより、ホイル圧をマスタ圧に対して高い液圧に制御する。また、液圧制御装置5は、弁装置51によりマスタシリンダ20とホイルシリンダ4との間のブレーキ液の流れを開放することにより、ホイル圧をマスタ圧と実質的に同一の液圧に制御する。なお、本発明における液圧制動装置は、液圧発生装置2と、倍力装置3と、弁装置51と、ポンプ54と、電磁弁81と、を含む液圧制動力を発生させる装置である。
【0035】
ハイブリッド車両において、制動力は、マスタ圧に制御液圧を加えたホイル圧による液圧制動力と、モータ(図示せず)の回生ブレーキによる回生制動力との和である。したがって、ブレーキECU6は、ブレーキペダル1が操作されると、そのブレーキ操作量に応じた目標制動力(要求される全制動力)を演算し、目標制動力から基礎制動力およびハイブリッドECUから受信した回生制動力を減算した制御制動力を演算し、制御制動力に対応する制御液圧を発生するように液圧制御装置5を制御する。
【0036】
例えば、ブレーキペダル1が踏まれると、マスタ圧に基づく基礎制動力及び回生制動力が生じる。そして、目標制動力に対して基礎制動力と回生制動力とだけでは制動力が不足する場合、液圧制御装置5は、弁装置51により流路を絞るとともにポンプ54によりブレーキ液を吐出することで、制御液圧を発生させる。このとき、ブレーキ操作量(ストローク)に対応する目標制動力(減速度)を保つために、回生制動力の増減に応じてホイル圧の制御が行われる。ブレーキECU6は、弁装置51の絞りを制御してホイル圧を制御する。目標制動力内において回生制動力と液圧制動力(基礎制動力及び制御制動力)の割合を変化させるすり替え処理については後述する。
【0037】
電磁弁81(「第二弁装置」に相当する)は、ブースタハウジング10のアシスト室3Aを区画する壁部に設けられたポート10aと、リザーバ82とをつなぐ配管83に設けられた常閉型のリニア弁である。換言すると、電磁弁81は、アシスト室3Aとリザーバ82とをつなぐ流路に配置され、アシスト室3Aとリザーバ82の間を連通/遮断させるリニア弁である。電磁弁81の開閉は、ブレーキECU6により制御される。なお、リザーバ82は、リザーバXで代用しても良い。また、電磁弁81は、開度が調整可能なリニア弁であるが、開閉制御可能な弁装置であれば良い。
【0038】
ここで、本実施形態では、ブレーキ操作部材が操作され始めると、制動力を目標制動力まで上昇させるために、基礎制動力及び回生制動力に加えてポンプ54により制御液圧を発生させる。そして、制動力が目標制動力に達した後、ブレーキECU6の指示により、回生制動力を増加させると共に液圧制動力を減少させるすり替え処理が為される。ここで減少させる液圧制動力は、ポンプ54により発生させた制御制動力である。つまり、ブレーキECU6は、すり替え処理時、目標制動力内において回生制動力を上昇させると共に、液圧制御装置5に対して制動制動力を減少させる制御を行う。
【0039】
上記すり替え処理時、液圧制御装置5は、ブレーキECU6の指示により、液圧制動力を減少させるために、ホイルシリンダ4からブレーキ液を吐出させ、ブレーキ液を弁装置51よりもマスタシリンダ2側に流出させるよう作動する。ここで、従来の構成では、図2に示すように、液圧制御装置5のホイルシリンダ4からブレーキ液を吐出させる作動により、マスタ室2A内の液圧が上昇し、それと共にアシスト室3A内の液圧も上昇する。そして、マスタ室2A及びアシスト室3A内の液圧が上昇することで、マスタ室2A内にブレーキ液を流入させることが困難となる。そうなると、ホイル圧を下げ難くなり、制御制動力を減少させることが困難となる。したがって、ホイル圧が目標値まで下がることなく回生制動力が増加し、制動力が目標制動力よりも大きくなり、ストロークに対してブレーキが効きすぎる状態となってしまう。
【0040】
本実施形態では、ブレーキECU6は、すり替え処理の際に、ブレーキペダル1のストローク情報と、ホイル圧情報と、回生制動力情報とに基づいて、電磁弁81を開状態に制御する。ストローク情報は、ストロークセンサ91からブレーキECU6に送信されている。ホイル圧情報は、ホイルシリンダ4に設けられた圧力センサ92からブレーキECU6に送信されている。回生制動力情報は、ハイブリッドECU9からブレーキECU6に送信されている。
【0041】
電磁弁81が開状態となることで、アシスト室3Aとリザーバ82とが連通する。これにより、ホイルシリンダ4からマスタ室2Aにブレーキ液が流入する際、当該流入に応じてアシスト室3A内のブレーキ液が電磁弁81を介してリザーバ82に流出され、マスタ室2A及びアシスト室3A内の液圧上昇が抑えられる。つまり、ホイルシリンダ4からマスタ室2Aへのブレーキ液の戻りが、マスタ圧の上昇により妨げられることなく、スムーズに実行される。
【0042】
本実施形態によれば、すり替え処理時に、電磁弁81が開かれ、制御制動力による液圧制動力を効果的に減少させることができる。したがって、図3に示すように、すり替え処理時に、回生制動力が増加すると共に液圧制動力が目標値まで下がり、制動力は目標制動力で維持される。
【0043】
ここで、さらに具体的にすり替え処理時の制御について説明する。図4に示すように、まずブレーキECU6は、ハイブリッドECU9との通信に基づき、回生協調(すり替え)中であるか否かを判定する(S101)。回生協調中である場合(S101:Yes)、ブレーキECU6は、それが高速側か低速側かを判定する(S102)。高速側のすり替え処理(高速すり替え)は、ブレーキペダル1が踏まれて最初のすり替え処理のことであり、低速側のすり替え処理(低速すり替え)は、ブレーキペダル1が踏まれて高速すり替えが終わった後、低速となった状態でのすり替え処理のことである。高速すり替えか否かの判定は、車速センサ(図示せず)の値Vsが所定の閾速度Vthより大きいか否か(Vs>Vth?)に基づいて行われる。なお、本実施形態では、Vthは、十数km/hに設定されている。また、低速すり替えは、車両停止前の低速側での制御であって、高速すり替えとは反対に、回生制動力を減少させると共に液圧制動力を増加させる制御である(図2、3参照)。
【0044】
回生協調が高速すり替えである場合(S102:Yes)、ブレーキECU6は、ブレーキペダル1のストロークが一定であるか否かを判定する(S103)。ストロークが一定であるか否かの判定は、今回のストロークセンサの値ST(n)と前回の値ST(n−1)との差が所定閾ストローク量ΔSTth1以内であるか否かに基づいて行われる(ST(n)−ST(n−1)≦ΔSTth1?)。前回の値ST(n−1)は、現在の値ST(n)から所定時間前のストロークセンサの値であっても良い。
【0045】
ストロークが一定である場合(S103:Yes)、ブレーキECU6は、ホイル圧が要求通りに低下していないか否かを判定する(S104)。ホイル圧が要求違反か否かの判定は、圧力センサ92の値PWaが要求液圧制動力に相当するホイル圧PWdより大きいか否か(PWa−PWd>0?)に基づいて行われる。要求液圧制動力は、要求制動力(目標制動力)から現在実行されている回生制動力(実行回生制動力)を除算した値である。
【0046】
ホイル圧が要求通りに低下していない場合(S104:Yes)、ブレーキECU6は、高速すり替えに伴うアシスト室3A内の液圧増加分Pasを推定し、当該液圧増加分Pasが相殺されるように電磁弁81に開指令を出力する(S105)。このようにブレーキECU6は、機能として、アシスト室3Aの液圧増加分Pasを推定する推定部61と、当該推定結果に基づいて電磁弁81の開閉を制御する開閉制御部62と、を有する。
【0047】
これにより、電磁弁81が開状態になり、アシスト室3Aとリザーバ82が連通し、高速すり替えに伴うアシスト室3Aの液圧増加分Pasに相当する液量がリザーバ82に吸収される。アシスト室3Aでは、高速すり替え時においても液圧増加が抑制され、アシスト室3Aの液圧に連動するマスタ室2Aの液圧増加も抑制され、マスタ圧増加に伴うホイル圧の減少阻害の問題は解消される。
【0048】
図4に示すように、回生協調中でない場合(S101:No)、高速すり替えでない場合(S102:No)、ストローク一定でない場合(S103:No)、又はホイル圧が要求通りに低下している場合(S104:No)、ブレーキECU6は、電磁弁81を閉状態で維持する(S106)。
【0049】
ここでアシスト室3Aの液圧増加分Pasの推定方法について説明する。図5に示すように、ブレーキECU6は、自身に記憶されたホイルシリンダ4の液量マップ(液量と液圧の関係)に基づき、ホイル圧を現ホイル圧PWaから要求ホイル圧(目標ホイル圧)PWdまで減圧するために排出を要する液量ΔQを導出する(S201)。
【0050】
続いて、ブレーキECU6は、配管511に設けられた圧力センサ93の値(すなわちマスタ圧)と、自身に記憶されたマスタシリンダ20の液量マップに基づき、マスタシリンダ20の液量が現在の液量QMからΔQだけ増加したときのマスタ圧の増加分ΔPMを導出する(S202)。
【0051】
そして、ブレーキECU6は、マスタ圧の増加分ΔPMに相当するアシスト室3A内の液圧増加分Pasを算出する(S203)。液圧増加分PasはΔPMとKから算出できる(Pas=ΔPM/K)。Kは、油圧釣り合い比率であり、反力付与部材Yの面積比等に基づいて設定されている。
【0052】
このように、本実施形態の車両用ブレーキ装置によれば、アシスト室3Aとリザーバ82とを接続する電磁弁81が設けられ且つその開閉が制御されることにより、すり替え処理(高速すり替え)の際に制動力を目標制動力で維持することが可能となる。この際、ドライバーによるブレーキペダル1の操作に違和感を与えない。
本実施形態では、ブレーキECU6が液圧増加分を推定し、その結果に基づいて電磁弁81の開閉制御を行っているため、より精度良く制動力を目標制動力で維持することができる。また、ホイルシリンダ4内及びマスタ室2A内の液量と液圧の関係を用いているため、液圧増加分Pasを容易に求めることができる。
なお、すり替え処理の際とは、高速すり替え時と高速すり替え以後低速すり替え前を含む意味である。
【0053】
<変形態様>
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、電磁弁81の開閉制御において、ブレーキECU6は、ホイル圧情報でなくマスタ圧情報に基づいて制御しても良い。すなわち、ブレーキECU6は、すり替え処理の際に、ブレーキペダル1のストローク情報と、マスタ圧情報と、回生制動力情報とに基づいて、電磁弁81を開状態に制御する。マスタ圧情報は、圧力センサ93からブレーキECU6に送信されている。ホイル圧の減少とマスタ圧の増加が連動しているため、マスタ圧情報でホイル圧情報の代用が可能であり、マスタ圧情報によっても電磁弁81の開閉制御が可能である。また、ストローク情報及びマスタ圧情報は、制御制動力に関する情報にも相当する。
【0054】
具体的には、図6に示すように、ブレーキECU6は、ハイブリッドECU9との情報交換により回生協調中か否かを判定する(S301)。回生協調中の場合(S301:Yes)、ブレーキECU6は、車速に基づいて、高速すり替えか否かを判定する(S302)。なお、車速の値は車速センサによるものでなくても良く、車速に相当する値であれば良い。高速すり替えの場合(S302:Yes)、ブレーキECU6は、ブレーキペダル1のストロークが一定であるか否かを判定する(S303)。
【0055】
ストロークが一定である場合(S303:Yes)、ブレーキECU6は、圧力センサ93の値に基づいて、マスタ圧が上昇しているか否かを判定する(S304)。マスタ圧が上昇しているか否かの判定は、現在の圧力センサ93の値PM(n)と前回測定した圧力センサ93の値PM(n−1)との差に基づいて行われる(PM(n)−PM(n−1)>0?)。PM(n−1)は、PM(n)測定時から所定時間前の圧力センサ93の値としても良い。
【0056】
マスタ圧が上昇している場合(S304:Yes)、ブレーキECU6は、高速すり替えに伴うアシスト室3Aの液圧増加分Pasを推定し、Pasが相殺されるように電磁弁81を開状態に制御する(S305)。Pasは、PM(n)とPM(n−1)とKに基づいて算出される(Pas=(PM(n)−PM(n−1))/K)。これにより、上記実施形態同様の効果が発揮される。また、当該変形態様によれば、マスタ室内の液量と液圧の関係を用いることで液圧増加分Pasを容易に求めることができる上、ホイル圧情報が不要であるため、圧力センサ92を排除することも可能であり、製造コスト削減が可能となる。ただし、圧力センサ92は一般には設けられており、圧力センサ92により直接的にホイル圧を計測することで、精度の良い電磁弁81の開閉制御が可能となる。
【0057】
また、上記実施形態及び変形態様では、アシスト室3Aの液圧増加分を推定(算出)しているが、推定方法は上記に限られない。あるいは液圧増加分を推定しないで、すり替え処理の際に電磁弁81を開弁する場合でも、ホイル圧減少効果が得られる。例えばブレーキECU6は、すり替え処理の際に、マスタ圧の増加に応じて電磁弁81を開閉制御するだけでも良く、これによっても液圧制動力を目標値に近づけることが可能である。また、推定された液圧増加分の少なくとも一部が相殺されれば効果があり、完全に相殺されなくても良い。また、アシスト室3Aに圧力センサ(図示せず)を設けて電磁弁81の開閉制御に用いても良い。
【0058】
また、本発明は、ブレーキ操作部材(1)に対する操作に伴ってマスタピストン(21、22)がマスタシリンダ(20)に対して摺動し、マスタ室(2A)内に前記ブレーキ操作部材に対する操作に応じた液圧を発生させる液圧発生装置(2)と、
前記ブレーキ操作部材に対する操作に応じた液圧をアシスト室(3A)内に発生させ当該アシスト室内の液圧に対応する力を前記マスタピストンに作用させる倍力装置(3)と、
前記液圧発生装置とホイルシリンダ(4)との間のブレーキ液の流路に設けられ、前記液圧発生装置と前記ホイルシリンダとの間のブレーキ液の流れを制御する第一弁装置(51)と、
前記第一弁装置よりも前記液圧発生装置側のブレーキ液を前記第一弁装置よりも前記ホイルシリンダ側に吐出するポンプ(54)と、
前記アシスト室とリザーバ(82)との間に設けられ前記アシスト室と前記リザーバとの間のブレーキ液の流れを制御する第二弁装置(81)と、
を有する液圧制動装置と、
回生制動力を発生させる回生制動装置(9)と、
前記回生制動力を増加させると共に前記ホイルシリンダ内の液圧による液圧制動力を減少させるすり替え処理の際に、前記ブレーキ操作部材の操作に関する情報と、前記ホイルシリンダ内の液圧に関する情報又は前記マスタ室内の液圧に関する情報と、前記回生制動力に関する情報とに基づいて前記第二弁装置を開状態に制御する開閉制御部(6(61))と、
を備える車両用ブレーキ装置ともいえる。
また、ブレーキペダル1のストロークに関する情報としては、ストロークセンサ91からの情報の他に、ブレーキペダル1の操作力情報、Gセンサ(図示せず)からの加速度情報、又は車速センサからの車速情報が挙げられる。また、電磁弁81の開閉制御では、ストローク情報とホイル圧情報又はマスタ圧情報に代えて、Gセンサの情報を用いても良い。つまり、加速度(減速度)情報と、回生制動力に関する情報に基づいて電磁弁81の開閉制御が為されても良い。電磁弁81は弁装置ともいえ、例えば弁装置51と同構成であっても良い。
【符号の説明】
【0059】
1:ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)、 10:ブースタハウジング、
2:液圧発生装置、 20:マスタシリンダ、 2A:マスタ室、
21:第1マスタシリンダ、 22:第2マスタシリンダ、
3:倍力装置、 3A:アシスト室、 31:入力ロッド、 32:出力部材、
33:調圧部、 331:ブーストピストン、 332:スプール弁、
4:ホイルシリンダ、
5:液圧制御装置、 51:弁装置(第一弁装置)、 52:増圧弁、 53:減圧弁、
54:ポンプ、 55:モータ、 56:リザーバ、
6:ブレーキECU、 61:開閉制御部、 62:推定部、
7:液圧源、 81:電磁弁(第二弁装置)、 82:リザーバ、
9:ハイブリッドECU(回生制動装置)、 X:リザーバ、 Y:反力付与部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6