(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記位置記憶手段は、前記位置変更手段により位置が複数回変更される場合、前記位置変更手段により最後に位置が変更された後の前記入力画面の設定画面中の位置で、前記位置変更手段により最後に位置が変更される前に記憶されていた移動後位置を更新し、
前記第2表示手段は、前記位置変更手段により位置が複数回変更される場合、前記設定領域が入力状態に切り換えられた時点で前記位置記憶手段により更新された後の移動後位置に前記入力画面を表示する、請求項1に記載の画像処理装置。
前記位置記憶手段は、前記アクティブ領域が第1の種類の場合、前記位置変更手段により当該アクティブ領域に対応する入力画面を表示する位置が変更された後の位置を移動後位置として記憶し、前記アクティブ領域が第2の種類の場合は、前記位置変更手段により当該アクティブ領域に対応する入力画面を表示する位置が変更される場合であっても前記位置変更手段により位置が変更された後の前記入力画面の位置を移動後位置として記憶しない、請求項4に記載の画像処理装置。
前記位置記憶ステップは、前記位置変更ステップにおいて位置が複数回変更される場合、前記位置変更ステップにおいて最後に位置が変更された後の前記入力画面の設定画面中の位置で、前記位置変更ステップにより最後に位置が変更される前に記憶されていた移動後位置を更新するステップを含み、
前記第2表示ステップは、前記位置変更ステップにおいて位置が複数回変更される場合、前記設定領域が入力状態に切り換えられた時点で前記位置記憶ステップにより更新された後の移動後位置に前記入力画面を表示するステップを含む、請求項7に記載の設定方法。
前記位置記憶ステップは、前記アクティブ領域が第1の種類の場合、前記位置変更ステップにおいて当該アクティブ領域に対応する入力画面を表示する位置が変更された後の位置を移動後位置として記憶するステップと、
前記アクティブ領域が第2の種類の場合は、前記位置変更ステップにおいて当該アクティブ領域に対応する入力画面を表示する位置が変更される場合であっても前記位置変更ステップにおいて位置が変更された後の前記入力画面の位置を移動後位置として記憶しないステップと、を含む、請求項10に記載の設定方法。
前記位置記憶ステップは、前記設定画面が表示されなくなると、前記記憶された移動後位置を消去するリセットステップを含む、請求項7〜10のいずれかに記載の設定方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、入力画面を移動させる操作を簡単にした画像処理装置を提供することである。
【0009】
この発明の他の目的は、入力画面を移動させる操作を簡単にした設定方法を提供することである。
【0010】
この発明のさらに他の目的は、入力画面を移動させる操作を簡単にした設定プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像処理装置は、処理を実行する処理実行手段と、処理実行手段が処理を実行するための処理条件を設定するための設定画面であって、処理条件を特定する設定項目に対して設定される設定値を表示する設定領域を含む設定画面を表示する設定画面表示手段と、設定領域を、設定値を入力可能な入力状態と入力不可能な不可状態とのいずれか一方に切り換える状態切換手段と、状態切換手段により設定領域が入力状態に切り換えられること応じて、設定画面とは別の画面であって、当該設定領域に設定値を入力するための入力画面を、表示された設定画面に重畳して表示する入力画面表示手段と、表示された設定画面中で入力画面を表示する位置を変更する位置変更手段と、位置変更手段により位置が変更された後の入力画面の設定画面中の位置を移動後位置として記憶する位置記憶手段と、を備え、入力画面表示手段は、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されていない場合に、設定画面に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する第1表示手段と、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されている場合に、移動後位置に入力画面を表示する第2表示手段と、を含む。
【0012】
この局面に従えば、設定領域が入力状態に切り換えられること応じて、入力画面が設定画面に重畳して表示され、設定画面中で入力画面を表示する位置が変更されると、変更された後の入力画面の設定画面中の位置が移動後位置として記憶され、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されていない場合は、設定画面に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面が表示され、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されている場合は、移動後位置に入力画面が表示される。このため、入力画面を移動させた後に、再度入力画面を表示する場合には、移動させた後の位置に入力画面が表示される。このため、入力画面を表示させるごとに入力画面を移動させる必要がない。その結果、入力画面を移動させる操作を簡単にした画像処理装置を提供することができる。
【0013】
好ましくは、位置記憶手段は、位置変更手段により位置が複数回変更される場合、位置変更手段により最後に位置が変更された後の入力画面の設定画面中の位置で、位置変更手段により最後に位置が変更される前に記憶されていた移動後位置を更新し、第2表示手段は、位置変更手段により位置が複数回変更される場合、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で位置記憶手段により更新された後の移動後位置に入力画面を表示する。
【0014】
この局面に従えば、入力画面の位置が複数回変更される場合、最後に位置が変更された後の入力画面の設定画面中の位置で、記憶されていた移動後位置が更新され、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で更新された後の移動後位置に入力画面が表示される。このため、入力画面が複数回移動する場合には、最後に移動した後の位置に入力画面が表示される。このため、ユーザーは、操作を継続してすることができる。
【0015】
好ましくは、状態切換手段は、設定画面が複数の設定領域を含む場合、複数の設定領域のうち1つのアクティブ領域を入力状態に切り換え、第1表示手段は、アクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。
【0016】
この局面に従えば、設定画面が複数の設定領域を含む場合、複数の設定領域のうち1つのアクティブ領域が入力状態に切り換えられ、アクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面が表示される。このため、複数の設定領域ごとに、入力画面を表示する位置を異ならせることができる。
【0017】
好ましくは、複数の設定領域は、第1の種類と第2の種類とのいずれかに分類され、第1表示手段は、複数の設定領域のうち1つのアクティブ領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されていない場合は、アクティブ領域が第1の種類の設定領域または第2の種類のいずれであってもデフォルト位置に入力画面を表示し、第2表示手段は、複数の設定領域のうち1つのアクティブ領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されている場合、アクティブ領域が第1の種類ならば移動後位置に入力画面を表示し、アクティブ領域が第2の種類ならばアクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。
【0018】
この局面に従えば、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されていない場合は、アクティブ領域が第1の種類の設定領域または第2の種類のいずれであってもデフォルト位置に入力画面が表示され、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されている場合、アクティブ領域が第1の種類ならば移動後位置に入力画面が表示され、アクティブ領域が第2の種類ならばアクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面が表示される。このため、第1の種類の設定領域と第2の種類の設定領域とで入力画面が表示される位置を異ならせることができる。
【0019】
好ましくは、位置記憶手段は、アクティブ領域が第1の種類の場合、位置変更手段により当該アクティブ領域に対応する入力画面を表示する位置が変更された後の位置を移動後位置として記憶し、アクティブ領域が第2の種類の場合は、位置変更手段により当該アクティブ領域に対応する入力画面を表示する位置が変更される場合であっても位置変更手段により位置が変更された後の入力画面の位置を移動後位置として記憶しない。第1の種類のアクティブ領域に対応する入力画面が移動される場合に移動後位置が記憶され、第2の種類のアクティブ領域に対応する入力画面が移動される場合に移動後位置が記憶されない。このため、第1の種類のアクティブ領域に対応する入力画面が移動される場合に限って、その後に第1の種類の設定領域が入力状態に切り換えられた時点で入力画面を表示する位置を記憶することができる。
【0020】
好ましくは、位置記憶手段は、設定画面が表示されなくなると、記憶された移動後位置を消去するリセット手段を含む。
【0021】
この局面に従えば、設定画面が表示されなくなると移動後位置が消去されるので、設定画面ごとに入力画面を移動した後の位置に表示することができる。
【0022】
この発明の他の局面によれば、設定方法は、処理を実行する処理実行手段を含む画像処理装置で実行される設定方法であって、処理実行手段が処理を実行するための処理条件を設定するための設定画面であって、処理条件を特定する設定項目に対して設定される設定値を表示する設定領域を含む設定画面を表示する設定画面表示ステップと、設定領域を、設定値を入力可能な入力状態と入力不可能な不可状態とのいずれか一方に切り換える状態切換ステップと、状態切換ステップにおいて設定領域が入力状態に切り換えられること応じて、設定画面とは別の画面であって、当該設定領域に設定値を入力するための入力画面を、表示された設定画面に重畳して表示する入力画面表示ステップと、表示された設定画面中で入力画面を表示する位置を変更する位置変更ステップと、位置変更ステップにおいて位置が変更された後の入力画面の設定画面中の位置を移動後位置として記憶する位置記憶ステップと、を含み、入力画面表示ステップは、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されていない場合に、設定画面に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する第1表示ステップと、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されている場合に、移動後位置に入力画面を表示する第2表示ステップと、を含む。
【0023】
この局面に従えば、入力画面を移動させる操作を簡単にした設定方法を提供することができる。
【0024】
好ましくは、位置記憶ステップは、位置変更ステップにおいて位置が複数回変更される場合、位置変更ステップにおいて最後に位置が変更された後の入力画面の設定画面中の位置で、位置変更ステップにより最後に位置が変更される前に記憶されていた移動後位置を更新するステップを含み、第2表示ステップは、位置変更ステップにおいて位置が複数回変更される場合、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で位置記憶ステップにより更新された後の移動後位置に入力画面を表示するステップを含む。
【0025】
好ましくは、状態切換ステップは、設定画面が複数の設定領域を含む場合、複数の設定領域のうち1つのアクティブ領域を入力状態に切り換えるステップを含み、第1表示ステップは、アクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示するステップを含む。
【0026】
好ましくは、複数の設定領域は、第1の種類と第2の種類とのいずれかに分類され、第1表示ステップは、複数の設定領域のうち1つのアクティブ領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されていない場合は、アクティブ領域が第1の種類の設定領域または第2の種類のいずれであってもデフォルト位置に入力画面を表示するステップを含み、第2表示ステップは、複数の設定領域のうち1つのアクティブ領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されている場合、アクティブ領域が第1の種類ならば移動後位置に入力画面を表示し、アクティブ領域が第2の種類ならばアクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示するステップを含む。
【0027】
好ましくは、位置記憶ステップは、アクティブ領域が第1の種類の場合、位置変更ステップにおいて当該アクティブ領域に対応する入力画面を表示する位置が変更された後の位置を移動後位置として記憶するステップと、アクティブ領域が第2の種類の場合は、位置変更ステップにおいて当該アクティブ領域に対応する入力画面を表示する位置が変更される場合であっても位置変更ステップにおいて位置が変更された後の入力画面の位置を移動後位置として記憶しないステップと、を含む。
【0028】
好ましくは、位置記憶ステップは、設定画面が表示されなくなると、記憶された移動後位置を消去するリセットステップを含む。
【0029】
この発明のさらに他の局面によれば、設定プログラムは、処理を実行する処理実行手段を含む画像処理装置を制御するコンピュータで実行される設定プログラムであって、処理実行手段が処理を実行するための処理条件を設定するための設定画面であって、処理条件を特定する設定項目に対して設定される設定値を表示する設定領域を含む設定画面を表示する設定画面表示ステップと、設定領域を、設定値を入力可能な入力状態と入力不可能な不可状態とのいずれか一方に切り換える状態切換ステップと、状態切換ステップにおいて設定領域が入力状態に切り換えられること応じて、設定画面とは別の画面であって、当該設定領域に設定値を入力するための入力画面を、表示された設定画面に重畳して表示する入力画面表示ステップと、表示された設定画面中で入力画面を表示する位置を変更する位置変更ステップと、位置変更ステップにおいて位置が変更された後の入力画面の設定画面中の位置を移動後位置として記憶する位置記憶ステップと、をコンピュータに実行させ、入力画面表示ステップは、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されていない場合に、設定画面に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する第1表示ステップと、設定領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されている場合に、移動後位置に入力画面を表示する第2表示ステップと、を含む。
【0030】
この局面に従えば、入力画面を移動させる操作を簡単にした設定プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0033】
図1は、本実施の形態におけるMFPの外観を示す斜視図である。
図2は、MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図1および
図2を参照して、画像処理装置として機能するMFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0034】
メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0035】
自動原稿搬送装置120は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。
【0036】
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後の画像データまたは、外部から受信された画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成する。
【0037】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙に画像を形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0038】
通信I/F部112は、ネットワークにMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピュータまたは画像処理装置と通信する。なお、通信I/F部112が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0039】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取画像を一時的に記憶する。
【0040】
操作パネル160は、液晶表示装置(LCD)165と、LCD165の表示を制御する表示制御部161と、VRAM(Video RAM)163と、タッチパネル169と、スタートキー171(
図3参照)を含むハードキー部170と、タッチパネル169およびハードキー部170を制御する入力制御部167と、を含む。LCD165およびハードキー部170は、MFP100の上面に設けられる。
【0041】
表示制御部161は、CPU111、VRAM163およびLCD165と接続される。VRAM163は、表示制御部161の作業領域として用いられ、LCD165に表示する画像を一時記憶する。表示制御部161は、CPU111により制御されて、LCD165を制御し、LCD165にVRAM163に記憶された画像を表示させる。表示制御部161は、後述する操作画面および入力画面をLCD165に表示させる。
【0042】
ハードキー部170は、スタートキー171を少なくとも含む複数のハードキーを含む。ハードキーは、入力制御部167に接続され、ユーザーにより押下されている間はON信号を入力制御部167に出力し、ユーザーにより押下されていない間はOFF信号を入力制御部167に出力する。
【0043】
タッチパネル169は、LCD165の上面または下面に設けられ、ユーザーにより押下された位置の座標を入力制御部167に出力する。タッチパネル169は、ユーザーが指またはスタイラスペンで指示した位置を検出し、検出した位置の座標を入力制御部167に出力する。タッチパネル169は、LCD165の表示面と同じまたはそれ以上のサイズであるのが好ましい。タッチパネル169は、LCD165に重畳して設けられるので、タッチパネル169は、ユーザーがLCD165の表示面を指示すれば、LCD165の表示面中でユーザーが指示した位置の座標を入力制御部167に出力する。タッチパネルは、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式を用いることができ、その方式は限定されない。
【0044】
入力制御部167は、ハードキー部170のうちでON信号を出力するハードキーが存在する場合、ON信号を出力するハードキーの識別情報をCPU111に出力する。また、入力制御部167は、タッチパネル169がユーザーにより指示された位置を検出する場合、タッチパネル169から出力される座標をCPU111に出力する。
【0045】
外部記憶装置117は、CPU111により制御され、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)118、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置117を制御して、CD−ROM118からCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM102に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0046】
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM118に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピュータがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0047】
図3は、操作パネル160の平面図である。
図3を参照して、操作パネル160は、LCD165と、LCD165に重畳して設けられたタッチパネル169と、LCD165の右側および下方に、スタートキー171を含む複数のハードキーが配置されたハードキー部170と、を含む。
【0048】
図4は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。
図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された設定プログラムを実行することにより、CPU111により実現される機能である。
図4を参照して、CPU111は、設定部11と、入力受付部41と、処理実行部31と、を含む。処理実行部31は、通信I/F部112、ファクシミリ部116、HDD115、外部記憶装置117、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140および給紙部150を制御し、設定部11により設定された処理条件に従って処理を実行する。
【0049】
処理実行部31が実行する処理の一例は、スキャン処理、コピー処理、プリント処理、データ送信処理およびファクシミリ送受信処理等である。処理実行部31は、処理条件の1つとしてスキャン処理を実行する設定がされた場合、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、HDD115、外部記憶装置117、通信I/F部112を制御し、原稿読取部130で読み取った原稿の画像を、HDD115、外部記憶装置117および通信I/F部112の少なくとも1つに、処理条件にしたがって出力する。処理実行部31は、処理条件の1つとして出力先をHDD115とする処理条件が設定された場合は、画像をHDD115に記憶する。処理実行部31は、処理条件の1つとして出力先を外部記憶装置117とする処理条件が設定された場合は、画像を外部記憶装置117に装着された半導体メモリに記憶する。処理実行部31は、処理条件の1つとして出力先を通信I/F部112とする処理条件が指定された場合は、画像を通信I/F部112を介して送信する。送信方法は、例えば、電子メール送信、FTP(File Transfer Protocol)またはSMB(Server Message Block)等である。送信方法に電子メール送信が設定される場合には、画像を添付した電子メールを生成し、生成した電子メールを送信する。
【0050】
また、処理実行部31は、処理条件の1つとしてコピー処理を実行する設定がされた場合は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、給紙部150および画像形成部140を制御し、原稿読取部130で読み取った原稿の画像を、画像形成部140に給紙部150から供給される用紙に、設定された処理条件にしたがって画像形成させる。
【0051】
また、処理実行部31は、処理条件の1つとしてプリント処理を実行する設定がされた場合は、通信I/F部112、HDD115、外部記憶装置117、画像形成部140および給紙部150を制御し、画像形成部140に給紙部150から供給される用紙に、設定された処理条件にしたがって画像形成させる。画像形成部140が画像形成する画像は、処理条件の1つにより設定され、通信I/F部112を介してネットワークに接続されたコンピュータから受信されるプリントデータの画像、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータの画像である。
【0052】
処理実行部31は、処理条件の1つとしてデータ送信処理を実行する設定がされた場合は、通信I/F部112、HDD115を制御し、HDD115に記憶されたデータを通信I/F部112を介して送信する。送信方法は、例えば、電子メール送信、FTP(File Transfer Protocol)またはSMB(Server Message Block)等である。送信方法に電子メール送信が設定される場合には、データを添付した電子メールを生成し、生成した電子メールを送信する。
【0053】
さらに、処理実行部31は、処理条件の1つとしてファクシミリ送信処理を実行する設定がされた場合は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、HDD115、外部記憶装置117およびファクシミリ部116を制御し、ファクシミリデータの画像を、ファクシミリ部116に送信させる。ファクシミリ部116が送信するファクシミリデータは、処理条件の1つにより設定され、処理条件にしたがって原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像、または、HDD115または外部記憶装置117に記憶されたデータの画像である。
【0054】
処理実行部31は、処理条件の1つとしてファクシミリ受信処理を実行する設定がされた場合は、ファクシミリ部116、HDD115、外部記憶装置117、画像形成部140および給紙部150を制御し、ファクシミリデータの画像を出力する。処理実行部31は、処理条件の1つとして出力先をHDD115とする処理条件が設定された場合は、ファクシミリデータの画像をHDD115に記憶する。処理実行部31は、処理条件の1つとして出力先を外部記憶装置117とする処理条件が設定された場合は、ファクシミリデータの画像を外部記憶装置117に装着された半導体メモリに記憶する。処理実行部31は、処理条件の1つとして出力先を通信I/F部112とする処理条件が設定された場合は、ファクシミリデータの画像を添付した電子メールを生成し、通信I/F部112を介して電子メールを送信する。
【0055】
設定部11は、設定画面選択部13と、設定画面表示部15と、状態切換部17と、項目設定部19と、を含む。設定画面選択部13は、HDD115に予め記憶された複数の設定画面のうちから1つを選択し、選択した設定画面を識別するための画面識別情報を、設定画面表示部15および入力受付部41に出力する。
【0056】
複数の設定画面は、処理実行部31が実行可能な複数種類の処理にそれぞれ対応する。例えば、処理実行部31がスキャン処理を実行するための処理条件を設定するための設定画面、処理実行部31がコピー処理を実行するための処理条件を設定するための設定画面、処理実行部31がプリント処理を実行するための処理条件を設定するための設定画面、処理実行部31がデータ送信処理を実行するための処理条件を設定するための設定画面、および処理実行部31がファクシミリ送受信処理を実行するための処理条件を設定するための設定画面である。
【0057】
設定画面は、処理実行部31が処理を実行するための処理条件を定める1以上の設定項目ごとの設定値を設定するための画面であり、1以上の設定項目ごとに設定値を表示するための設定領域を有する。また、設定画面は、設定領域の近傍に、設定項目を説明するための項目名の画像が表示される領域を有する場合がある。また、複数の設定画面は、遷移機能付き設定画面を含む。遷移機能付き設定画面は、1以上の別の設定画面を選択するための遷移ボタンを有する。
【0058】
設定画面選択部13は、例えば、複数の設定画面をそれぞれ識別するための複数の画面識別情報を含むメニュー画面をLCD165に表示し、ユーザーがタッチパネル169またはハードキー部170を操作して、メニュー画面に表示される複数の画面識別情報のいずれかを指示すれば、指示された画面識別情報の設定画面を選択する。また、LCD165に、遷移機能付き設定画面が表示されている場合、ユーザーがタッチパネル169またはハードキー部170を操作して、遷移機能付き設定画面に含まれる遷移ボタンを指示すれば、指示された遷移ボタンに関連付けられた設定画面を選択する。設定画面選択部13は、選択された設定画面の画面識別情報を、設定画面表示部15、状態切換部17および入力受付部41に出力する。
【0059】
設定画面表示部15は、設定画面選択部13から画面識別情報が入力されることに応じて、画面識別情報で特定される設定画面をHDD115から読出し、読み出した設定画面をLCD165に表示する。具体的には、設定画面を表示制御部161に出力し、表示制御部161に設定画面の画像をLCD165に表示させる。
【0060】
状態切換部17は、設定画面に含まれる1以上の設定領域それぞれの状態を、設定値を入力可能な入力状態と、設定値を入力不可能な不可状態とのいずれか一方に切り換える。以下、状態切換部17が入力状態に切り換えた設定領域を、アクティブ領域という。状態切換部17は、1以上の設定領域のうち入力状態に切り換えているアクティブ領域が存在する間、アクティブ領域に対応する設定項目を識別するための項目名を、項目設定部19に出力する。
【0061】
状態切換部17は、指示受付設定部21を含む。指示受付設定部21は、設定画面選択部13から画面識別情報が入力される。指示受付設定部21は、LCD165に表示された設定画面に含まれる1以上の設定領域のうちユーザーにより選択された設定領域を、入力状態に切り換える。具体的には、指示受付設定部21は、設定画面表示部15によりLCD165に表示された設定画面に含まれる1以上の設定領域のいずれか1つがユーザーにより指示されると、指示された設定領域を、入力状態に切り換える。また、指示受付設定部21は、設定画面表示部15によりLCD165に表示された設定画面に含まれる1以上の設定領域の項目名のいずれか1つがユーザーにより指示されると、指示された項目名に対応する設定領域を、入力状態に切り換える。ユーザーがLCD165に表示された設定画面に含まれる1以上の設定領域または項目名のいずれかを指示すれば、タッチパネル169によりユーザーにより指示された位置検出される。指示受付設定部21は、タッチパネル169により検出されたLCD165の表示面の座標に基づいて、複数の設定領域または項目名のいずれがユーザーにより指示されたかを特定し、特定された設定領域または項目名に対応する設定領域を入力状態に切り換える。指示受付設定部21は、入力状態に切り換えた設定領域を識別するための項目名を含む表示指示を入力受付部41に出力する。
【0062】
入力受付部41は、入力画面表示部43と、設定値受付部45と、を含む。入力画面表示部43は、LCD165に入力画面が表示されていない状態で、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、換言すれば、ユーザーが、LCD165に表示された設定画面に含まれる1以上の設定領域または項目名のうちから1つを指示することに応じて、入力画面を設定画面に重畳して表示する。具体的には、指示受付設定部21より表示指示が入力される段階で、設定画面表示部15によってLCD165に設定画面が第1層の画面として表示されている。入力画面表示部43は、入力画面を表示制御部161に出力し、入力画面を設定画面よりも優先してLCD165に表示させる。例えば、設定画面表示部15によってLCD165に設定画面を第1層の画面として表示させ、入力画面表示部43によって、LCD165に入力画面を第1層よりも上位の第2層の面として表示させる。また、入力画面を設定画面に重畳した合成画像を表示制御部161に生成させ、表示制御部161に生成された画像をLCD165に表示させるようにしてもよい。入力画面表示部43は、入力画面を表示する場合、入力画面の設定画面中の位置を示す位置情報を設定値受付部45に出力する。
【0063】
入力画面は、複数の入力キーを含み、複数の入力キーそれぞれは、入力キーに割り当てられた値がキー名称として付される。入力画面表示部43は、例えば、0〜9の数字がそれぞれ割り当てられた10個の入力キーを含む入力画面である。
【0064】
なお、指示受付設定部21は、アクティブ領域に対して設定される設定値の属性を含む表示指示を、入力受付部41に出力するようにしてもよい。この場合、入力画面表示部43は、指示受付設定部21から入力される表示指示に含まれる属性の値を入力するための入力キーを含む入力画面を、表示する。入力画面表示部43は、例えば、属性が数字ならば、0〜9の数字がそれぞれ割り当てられた10個の入力キーを含む入力画面を表示し、属性が文字ならば、アルファベットの文字がそれぞれ割り当てられた26個の入力キー、またはかな文字が割り当てられた複数の入力キーを含む入力画面を表示する。入力キーは、割り当てられた数字または文字がキー名称となり、数字または文字の画像が設定画面に重畳して表示される。なお、入力画面は、特定された属性の値を入力するための入力キーのみを含むようにしてもよいし、別の入力キーを含んでもよい。
【0065】
入力画面表示部43は、第1表示部51と、第2表示部53と、位置変更部55と、位置記憶部57と、リセット部59と、を含む。第1表示部51は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、後述する位置記憶部57によって移動後位置がRAM114に記憶されていない場合、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、設定画面に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。
【0066】
第2表示部53は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、後述する位置記憶部57によって移動後位置がRAM114に記憶されている場合、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、移動後位置に入力画面を表示する。
【0067】
処理実行部31が処理を実行するための処理条件が複数の設定項目の組によって定まる場合がある。処理条件が複数の設定項目の組によって定まる場合、その組に含まれる複数の設定項目は、第1の種類の設定項目と、第2の種類の設定項目とのいずれかに分類される。第1の種類の設定項目は、複数の設定項目の一方が他の設定項目に依存する設定項目である。例えば、複数の設定項目の一方を変更する場合は、他の設定項目を変更しなければならない設定項目である。第2の種類の設定項目は、複数の設定項目それぞれが、他の設定項目と独立する設定項目である。例えば、複数の設定項目の一方を変更する場合であっても、他の設定項目を必ずしも変更する必要のない設定項目である。以下、第1の種類の設定項目に設定値を入力する設定領域を第1の種類の設定領域という。また、第2の種類の設定項目に設定値を入力する設定領域を第2の種類の設定領域という。
【0068】
第1の種類の設定項目の一例としては、用紙のサイズを定める設定項目、原稿のサイズを定める設定項目、画像の縦横それぞれの倍率を定める設定項目である。用紙のサイズを定める設定項目は、用紙の縦方向のサイズを定める設定項目と、用紙の横方向のサイズを定める設定項目を含む。原稿のサイズを定める設定項目は、原稿の縦方向のサイズを定める設定項目と、原稿の横方向のサイズを定める設定項目を含む。また、画像の縦横それぞれの倍率を定める設定項目は、画像の縦方向の倍率と、画像の横方向の倍率とを含む。
【0069】
第2の種類の設定項目の一例としては、画像を用紙に配置する位置を定める設定項目、複数のページを章分けするページ番号を定める設定項目、複数のページの途中に用紙を挿入する位置を定める設定項目である。画像を用紙に配置する位置を定める設定項目は、縦方向にデフォルトの位置からシフトさせる量を定める設定項目と、横方向にデフォルトの位置からシフトさせる量を定める設定項目と、を含む。複数のページを章分けするページ番号を定める設定項目は、用紙の表面に画像を形成するページ番号を定める設定項目を含む。複数のページの途中に用紙を挿入する位置を定める設定項目は、別の用紙を挿入するページ番号を定める設定項目を含む。
【0070】
設定画面は、複数の設定領域を含む場合、第1の種類の設定領域を複数含み、第2の種類の設定領域を含まない第1の種類の設定画面と、第2の種類の設定領域を複数含み、第1の種類の設定領域を含まない第2の種類の設定画面と、第1の種類の設定領域を1以上含み、第2の種類の設定領域を1以上含む第3の種類の設定画面と、に分類される。
【0071】
第1表示部51および第2表示部53それぞれは、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、後述する位置記憶部57によって移動後位置がRAM114に記憶されているか否かを判断するとともに、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が第1の種類の設定領域および第2の種類の設定領域のいずれであるかを判断する。設定画面において、それに含まれる複数の設定領域それぞれに対して第1の種類の設定領域および第2の種類の設定領域のいずれかが定められている。第1表示部51および第2表示部53それぞれは、設定画面選択部13から入力される画面識別情報で特定される設定画面に基づいて、表示指示に含まれる項目名に対応する設定領域が第1の種類の設定領域および第2の種類の設定領域のいずれかを判断する。
【0072】
以下、第1表示部51および第2表示部53の機能について、設定画面表示部15によってLCD165に表示された設定画面が、第1の種類の設定画面の場合、第2の種類の設定画面の場合、第3の種類の設定画面の場合、それぞれに場合訳して説明する。
【0073】
<第1の種類の設定画面の場合>
設定画面表示部15によってLCD165に表示された設定画面が、第1の種類の設定画面としているので、第1表示部51および第2表示部53それぞれは、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が第1の種類の設定領域と判断する。
【0074】
第1表示部51は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、移動後位置がRAM114に記憶されていない場合、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、設定画面に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。また、設定画面が第1の種類の設定領域を複数含んでおり、複数の設定領域ごとにデフォルト位置が予め定められている場合において、第1表示部51は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、移動後位置がRAM114に記憶されていない場合、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。
【0075】
第2表示部53は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、移動後位置がRAM114に記憶されている場合、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、移動後位置に入力画面を表示する。また、設定画面が第1の種類の設定領域を複数含んでおり、複数の設定領域ごとにデフォルト位置が予め定められている場合において、第2表示部53は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、移動後位置がRAM114に記憶されている場合、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が複数の設定領域のいずれであっても移動後位置に入力画面を表示する。
【0076】
<第2の種類の設定画面の場合>
設定画面表示部15によってLCD165に表示された設定画面が、第2の種類の設定画面としているので、第1表示部51および第2表示部53それぞれは、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が第2の種類の設定領域と判断する。
【0077】
また、設定画面が第2の種類の設定画面の場合、後述する位置記憶部57によって移動位置がRAM114に記憶されることはない。
【0078】
第1表示部51は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、移動後位置がRAM114に記憶されていない場合、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、設定画面に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。また、設定画面が第2の種類の設定領域を複数含んでおり、複数の設定領域ごとにデフォルト位置が予め定められている場合において、第1表示部51は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、移動後位置がRAM114に記憶されていない場合、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。
【0079】
位置記憶部57によって移動位置がRAM114に記憶されないので、第2表示部53は、指示受付設定部21より表示指示が入力されても、入力画面を表示しない。
【0080】
<第3の種類の設定画面の場合>
設定画面表示部15によってLCD165に表示された設定画面が、第3の種類の設定画面なので、第1表示部51および第2表示部53それぞれは、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が第1の種類の設定領域と判断する場合と、第2の種類の設定領域と判断する場合とがある。
【0081】
第1表示部51は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、移動後位置がRAM114に記憶されていない場合、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が第1の種類の設定領域または第2の種類のいずれであっても、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、設定画面に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。
【0082】
また、設定画面が第1の種類の設定領域および第2の種類の設定領域を複数含んでおり、複数の設定領域ごとにデフォルト位置が予め定められている場合において、第1表示部51は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、移動後位置がRAM114に記憶されていない場合、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が第1の種類の設定領域または第2の種類のいずれであっても、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。
【0083】
第2表示部53は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、移動後位置がRAM114に記憶されている場合、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が第1の種類の設定領域ならば、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、移動後位置に入力画面を表示し、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が第2の種類の設定領域ならば、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、設定画面に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。
【0084】
また、設定画面が複数の設定領域を含んでおり、複数の設定領域ごとに、デフォルト位置が予め定められている場合において、第2表示部53は、指示受付設定部21より表示指示が入力され、かつ、移動後位置がRAM114に記憶されている場合、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が第1の種類の設定領域ならば、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、移動後位置に入力画面を表示し、表示指示に含まれる項目名で特定されるアクティブ領域が第2の種類の設定領域ならば、指示受付設定部21より表示指示が入力されることに応じて、アクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。
【0085】
位置変更部55は、ユーザーによる操作に基づいて、第1表示部51および第2表示部53のいずれかによって表示された入力画面の設定画面中における位置を変更する。ユーザーにより入力される操作であって、タッチパネル169を用いたドラッグアンドドロップ操作で入力画面の移動を実現する。ドラッグ操作は、入力画面中で予め定められた領域を指示する操作である。ドロップ操作は、ドラッグ操作による指示を終了する操作である。なお、ドラッグ操作を、入力画面の任意の位置を、所定時間継続して指示する操作としてもよい。
【0086】
具体的には、位置変更部55は、LCD165に表示されている入力画面の所定の領域をユーザーが指またはスタイラスペンで指示する操作を検出すると、ドラッグ操作を受け付ける。換言すれば、位置変更部55は、タッチパネル169により検出されたユーザーにより指示された位置が、入力画面の所定の領域内ならばドラッグ操作を受け付ける。位置変更部55は、ドラッグ操作を受け付けると、入力画面を移動可能な状態にする。位置変更部55は、入力画面が移動可能な状態の間、入力画面の輝度を小さくするとともに、入力画面の少なくとも一部を透明にする。入力画面は第2層の画面として、第1層の画面である設定画面よりも優先して表示されるが、設定画面中で入力画面と重なる部分は入力画面の透明な部分を介して視認可能となる。これにより、ユーザーは、入力画面が移動可能な状態であることをユーザーに通知することができる。また、ユーザーは、設定画面の全体を見ながら入力画面を移動させて、入力画面を配置する位置を決定することができる。
【0087】
位置変更部55は、入力画面が移動可能な状態の間、ユーザーが指またはスタイラスペンで指示する位置をタッチパネル169上で移動させる操作を入力すると、移動操作を受け付ける。換言すれば、位置変更部55は、タッチパネル169がユーザーにより指示される位置を検出している間、移動操作を受け付ける。位置変更部55は、入力画面の設定画面中の位置を、ドラッグ操作によって入力画面中で指示された位置が、タッチパネル169により検出される位置と重なる位置に決定し、入力画面を設定画面中で決定された位置に配置する。したがって、ユーザーが指またはスタイラスペンで指示する位置をタッチパネル169上で移動させる操作を入力すると、入力画面が設定画面中で移動する。例えば、ユーザーが指またはスタイラスペンで指示する位置を右方向に距離X移動すれば、タッチパネル169により右方向に距離X移動する操作が検出され、入力画面が設定画面中で右方向に距離Xだけ移動する。
【0088】
位置変更部55は、入力画面が移動可能な状態で、ユーザーが指またはスタイラスペンでの指示を終了すると、ドロップ操作を受け付ける。位置変更部55は、ドロップ操作を受け付けると、入力画面の設定画面中で最後に決定した位置に、入力画面を配置し、入力画面を移動可能な状態から移動不可能な状態に切り換える。位置変更部55は、入力画面を移動可能な状態から移動不可能な状態に切り換える場合、入力画面の輝度を元に戻すとともに、設定画面において入力画面と重なる部分は設定画面を表示することなく入力画面を表示する。これにより、ユーザーは、入力画面の下層に表示されていた設定画面が見えなくなるので、入力画面が移動不可能な状態になったことをユーザーに通知することができる。位置変更部55は、ドロップ操作を受け付けると、入力画面の設定画面中の位置を、移動後位置として位置記憶部57に出力する。
【0089】
例えば、ユーザーにより入力画面を移動させる操作として、ドラッグアンドドロップ操作が連続して入力される場合がある。位置変更部55は、複数回のドラッグアンドドロップ操作が入力されるごとに、入力画面の設定画面中の位置を変更し、変更後の設定画面中の入力画面の位置を示す移動後位置を、位置記憶部57に出力する。
【0090】
位置記憶部57は、位置変更部55から移動後位置が入力されることに応じて、アクティブ領域が第1の種類の設定領域であることを条件に、移動後位置をRAM114の予め定められた領域に記憶する。位置記憶部57は、位置変更部55から移動後位置が入力されることに応じて、設定画面選択部13から入力される画面識別情報で特定される設定画面に基づいて、表示指示に含まれる項目名に対応するアクティブ領域が第1の種類の設定領域および第2の種類の設定領域のいずれかを判断する。そして、位置記憶部57は、位置変更部55から移動後位置が入力されることに応じて、アクティブ領域が第1の種類の設定領域と判断する場合に移動後位置をRAM114に記憶するが、アクティブ領域が第2の種類の設定領域と判断する場合は移動後位置をRAM114に記憶しない。位置記憶部57は、アクティブ領域が第1の種類の設定領域と判断する場合、位置変更部55から移動後位置が入力される時点で、RAM114の予め定められた領域に移動後位置が既に記憶されている場合は、位置変更部55から入力される移動後位置で、RAM114の予め定められた領域に既に記憶されている移動後位置を更新する。
【0091】
リセット部59は、LCD165に表示されていた設定画面が表示されなくなると、RAM114に記憶された移動後位置を消去する。リセット部59は、設定画面選択部13から画面識別情報が入力される時点で、RAM114の予め定められた領域をブランクに設定することにより、RAM114に記憶された移動後位置を消去する。
【0092】
LCD165にある設定画面が表示されている間に、ユーザーにより入力画面を複数回表示させる操作、換言すれば、設定領域を指示する操作が複数回入力される場合がり、入力画面が複数回表示される。位置記憶部57は、入力画面が表示される回数に関係なく、位置変更部55から移動後位置が入力されることに応じて、アクティブ領域が第1の種類の設定領域であることを条件に、移動後位置をRAM114の予め定められた領域に記憶する。
【0093】
なお、ここでは、設定画面中で入力画面を表示する位置を変更するためのユーザーによる操作を、ドラッグアンドドロップ操作としたが、入力画面を表示する設定画面中の位置を変更する操作であれば、別の操作を用いることができる。例えば、ハードキー部170が備える第1のキーを押下する操作によって、入力画面を移動可能にし、ハードキー部170が備える上下左右それぞれの矢印キーを押下する操作によって、入力画面の設定画面中で表示される位置を変更し、ハードキー部170が備える第2のキーを押下する操作によって、移動後の入力画面の設定画面中で表示される位置を決定するようにしてもよい。
【0094】
設定値受付部45は、入力画面表示部43から入力画面の設定画面中の位置を示す位置情報が入力される。また、設定値受付部45は、位置変更部55により入力画面の設定画面中の位置が変更される場合、入力画面の設定画面中の位置が変更されるごとに、入力画面の設定画面中の変更後の位置を示す位置情報が入力される。設定値受付部45は、位置情報が入力された後に、入力画面に含まれる複数の入力キーのうちユーザーにより指示された入力キーに基づいて設定値を受け付ける。ユーザーがLCD165に表示された複数のキー名称の画像のいずれかを指で指示すれば、タッチパネル169がユーザーにより指示された位置を検出する。設定値受付部45は、タッチパネル169により検出されたLCD165の表示面の座標に基づいて、入力画面に含まれる複数のキー名称の画像のいずれがユーザーにより指示されたかを特定し、特定されたキー名称の画像に対応する入力キーを選択する。設定値受付部45は、選択された入力キーに割り当てられた値を、設定値として項目設定部19に出力する。
【0095】
設定値受付部45は、複数の入力キーを順に選択する場合、複数の入力キーにそれぞれ割り当てられた複数の値を、選択された順に配置した値を設定値として項目設定部19に出力する。例えば、10個の入力キーに、数字の「0」〜「9」がそれぞれ割り当てられており、第1番目に数字の「1」が割り当てられた入力キーが選択され、第2番目に数字の「2」が割り当てられた入力キーが選択される場合、第1番目の「1」の右に第2番目の「2」を配置した「12」を設定値に決定し、設定値「12」を項目設定部19に出力する。また、26個の入力キーに、アルファベットがそれぞれ割り当てられている場合、入力された順に並べた複数の文字列を設定値として項目設定部19に出力する。
【0096】
項目設定部19は、状態切換部17から入力状態に設定されている設定領域(アクティブ領域)の項目名が入力され、設定値受付部45から設定値が入力される。項目設定部19は、設定値受付部45から設定値が入力されると、状態切換部17から入力される項目名に対応する設定領域を特定し、特定された設定領域に対する設定値を設定する。また、項目設定部19は、ユーザーがハードキー部170を操作する場合、ハードキー部170から設定値を受け付け、状態切換部17から入力される項目名に対応する設定領域を特定し、特定された設定領域に対する設定値を設定する。項目設定部19は、ユーザーによる実行指示が入力されるまで、設定値受付部45から設定値が入力されるごとに、または、ハードキー部170から設定値を受け付けるごとに、設定領域を特定し、特定された設定領域に対応する設定値を設定する。
【0097】
また、項目設定部19は、設定値を設定する場合、設定領域の項目名と、設定値との組を、設定画面表示部15に出力する。設定画面表示部15は、設定領域の項目名と、設定値との組が入力されることに応じて、項目名で特定される設定領域の表示を、項目名と組になる設定値で更新する。
【0098】
図5は、動作条件設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。動作条件設定処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された設定プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
図5を参照して、CPU111は、移動後位置をリセットする(ステップS01)。RAM114の予め定められた領域に記憶されている移動後位置を消去する。例えば、RAM114の予め定められた領域をすべてブランクに設定する。
【0099】
次のステップS02においては、デフォルトで定められた設定画面をLCD165に表示する。例えば、メニュー画面がデフォルトで定められていれば、メニュー画面をLCD165に表示する。そして、設定画面が選択されたか否かを判断する(ステップS03)。LCD165にメニュー画面が表示された状態で、メニュー画面に含まれる複数の画面識別情報のいずれかがユーザーにより選択される場合、または、遷移機能付き設定画面がLCD165に表示された状態で、遷移ボタンがユーザーにより選択される場合、設定画面が選択されたと判断する。CPU111は、設定画面が選択されると処理をステップS04に進め、そうでなければ処理をステップS06に進める。
【0100】
ステップS04においては、ステップS02と同様に、移動後位置をリセットし、処理をステップS05に進める。し、設定画面が切り換わるごとに移動後位置をリセットすることにより、移動後位置を、表示中の設定画面に対して有効にするためである。ステップS05においては、選択された設定画面をLCD165に表示する。LCD165にメニュー画面が表示された状態で、複数の画面識別情報のいずれかがユーザーにより選択される場合は、選択された画面識別情報で特定される設定画面をLCD165に表示し、遷移機能付き設定画面がLCD165に表示された状態で、遷移ボタンがユーザーにより選択される場合、遷移ボタンに割り当てられた画面識別情報で特定される設定画面をLCD165に表示する。設定画面は、処理条件を特定する設定領域に対して設定される設定値を表示する1以上の設定領域を有する。
【0101】
次のステップS06においては、設定領域が指示されたか否かを判断する。LCD165に表示された設定画面に含まれる1以上の設定領域のいずれかが指示されたならば(ステップS06でYES)、処理をステップS07に進め、そうでなければ処理をステップS12に進める。ステップS07においては、指示された設定領域を入力状態に切り換え、処理をステップS08に進める。以下、入力状態に切り換えられた設定領域を、アクティブ領域という。
【0102】
ステップS08においては、移動後位置が記憶されているか否かを判断する。移動後位置は、後述するステップS19においてRAM114の予め定められた領域に記憶され、ステップS01またはステップS04において、リセットされる。移動後位置がRAM114の予め定められた領域に記憶されているならば処理をステップS09に進め、そうでなければ処理をステップS11に進める。ステップS09においては、設定画面に含まれる設定領域が単数であるか、または、設定画面に含まれる設定領域が複数の場合で、かつ、ステップS07において入力状態に切り換えられた設定領域が第1の種類の設定領域か否かを判断する。設定画面に含まれる設定領域が単数の場合、または、設定画面に含まれる設定領域が複数で、かつ、アクティブ領域が第1の種類の設定領域ならば処理をステップS10に進め、そうでなければ処理をステップS11に進める。ステップS09において処理がステップS11に進むのは、設定画面に含まれる設定領域が複数で、かつ、アクティブ領域が第2の種類の設定領域の場合である。
【0103】
ステップS10においては、設定画面中の移動後位置に、設定画面に重畳して入力画面を表示し、処理をステップS12に進める。一方、ステップS11においては、設定画面中で設定画面に対して定められたデフォルト位置に入力画面を表示、処理をステップS12に進める。なお、設定画面においてアクティブ領域に対してデフォルト位置が定められている場合には、アクティブ領域に対して定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。
【0104】
ステップS12においては、入力画面を表示中か否かを判断する。入力画面を表示中ならば処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS22に進める。ステップS13においては、設定値を受け付けたか否かを判断する。入力画面に含まれる複数の入力キーのいずれかが指示されたならば設定値を受け付けたと判断する。また、ユーザーがハードキー部170を操作する場合、ハードキー部170から設定値を受け付ける。設定値を受け付けたならば処理をステップS20に進めるが、そうでなければステップS14に進める。
【0105】
ステップS14においては、入力画面を閉じる指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザーが入力画面に含まれる閉じるキーを指示すれば、入力画面を閉じる指示を受け付ける。入力画面を閉じる指示を受け付けたならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS16に進める。ステップS15においては、入力画面を閉じて処理をステップS06に戻す。
【0106】
ステップS16においては、ドラッグ操作を検出したか否かを判断する。ドラッグ操作を検出したならば処理をステップS17に進めるが、そうでなければ処理をステップS06に戻す。ユーザーが入力画面中の所定の位置を指示すれば、ドラッグ操作を検出する。ドラッグ操作を検出すると、入力画面を移動可能な状態に設定する。また、入力画面が移動可能な状態の間、入力画面の輝度を小さくするとともに、設定画面において入力画面と重なる部分は入力画面と設定画面の2つの画像を重ねて表示する。これにより、ユーザーは、入力画面の下層に表示されている設定画面が透けて見ることができるので、入力画面が移動可能な状態であることをユーザーに通知することができる。また、設定画面の全体をみながら、入力画面を移動させて、配置する位置を決定することができる。
【0107】
ステップS17においては、入力画面を移動する。入力画面が移動可能な状態の間、ユーザーが指またはスタイラスペンで指示する位置をタッチパネル169上で移動させる操作を入力すると、移動操作を受け付け、入力画面を設定画面中で移動させる。具体的には、入力画面の設定画面中の位置を、ユーザーによるドラッグ操作によって入力画面中で指示された位置が、タッチパネル169により検出される位置と重なる位置に決定し、入力画面を設定画面中で決定された位置に配置する。したがって、ユーザーが指またはスタイラスペンで指示する位置をタッチパネル169上で移動させる操作を入力すると、入力画面が設定画面中で移動する。例えば、ユーザーが指またはスタイラスペンで指示する位置を右方向に距離X移動すれば、タッチパネル169により右方向に距離X移動する操作が検出され、入力画面が設定画面中で右方向に距離Xだけ移動する。その後、入力画面が移動可能な状態で、ユーザーが指またはスタイラスペンでの指示を終了すると、ドロップ操作を受け付ける。ドロップ操作を受け付けると、入力画面の設定画面中で最後に決定された位置に、入力画面を設定画面中で配置し、入力画面を移動可能な状態から移動不可能な状態に切り換える。入力画面を移動可能な状態から移動不可能な状態に切り換える場合、入力画面の輝度を元に戻すとともに、設定画面において入力画面と重なる部分は設定画面を表示することなく入力画面を表示する。これにより、ユーザーは、入力画面の下層に表示されていた設定画面が見えなくなるので、入力画面が移動不可能な状態になったことをユーザーに通知することができる。
【0108】
ステップS18においては、ステップS09と同様に、設定画面に含まれる設定領域が単数であるか、または、設定画面に含まれる設定領域が複数の場合で、かつ、ステップS07において入力状態に切り換えられた設定領域が第1の種類の設定領域か否かを判断する。設定画面に含まれる設定領域が単数の場合、または、設定画面に含まれる設定領域が複数の場合で、かつ、アクティブ領域が第1の種類の設定領域ならば処理をステップS19に進め、そうでなければ処理をステップS06に戻す。ステップS19においては、移動後位置を記憶し、処理をステップS06に戻す。ステップS17において移動された後の入力画面の位置を移動後位置として、RAM114の予め定められた領域に記憶する。ステップS17が複数回実行される場合がある。ユーザーがドラッグアンドドロップ操作を複数回入力する場合があり、入力画面が複数回移動する場合がある。この場合、ステップS19においては、入力画面が移動した後に、最後の位置でそれまで記憶されていた移動後位置を更新する。このため、RAM114には、入力画面が最後に移動した後の位置が移動後位置として記憶される。
【0109】
一方、ステップS20においては、ステップS03において入力状態に切り換えられたアクティブ領域に、ステップS13において受け付けられた設定値を表示する。このため、ユーザーは、入力した値を視認することができる。
【0110】
ステップS21においては、アクティブ領域に対応する設定項目に設定値を設定し、処理をステップS22に進める。ステップS22においては、スタートキー171が押下されたか否かを判断する。スタートキー171が押下されたならば、処理をステップS23に進めるが、そうでなければ、処理をステップS03に戻す。ステップS23においては、ステップS21においてアクティブ領域に対応する項目に設定された設定値にしたがって処理を実行する。なお、設定値が設定されていない項目については、予め定められたデフォルトの設定値にしたがって処理を実行する。
【0111】
ステップS23において実行する処理は、ステップS03においてユーザーにより選択され、ステップS05においてLCD165に表示された設定画面によって定まる。設定画面が、コピー処理の処理条件を設定するための設定画面ならばコピー処理を実行し、スキャン処理の処理条件を設定するための設定画面ならばスキャン処理を実行し、プリント処理の処理条件を設定するための設定画面ならばプリント処理を実行し、データ送信処理の処理条件を設定するための設定画面ならばデータ送信処理を実行し、ファクシミリ送信処理の処理条件を設定するための設定画面ならばファクシミリ送信処理を実行する。
【0112】
図6は、設定領域を1つ含む設定画面の一例を示す図である。
図6を参照して、設定領域を1つ含む設定画面の一例として、プリント処理を実行するための処理条件の1つである倍率を設定するための倍率設定画面201を示している。倍率設定画面201は、用紙に形成する画像の拡大率または縮小率を設定するための設定画面であり、拡大率または縮小率を定める設定項目に対応する設定領域203を含む。
【0113】
図7は、倍率設定画面に入力画面が重畳して表示された状態の画面の一例を示す第1の図である。
図7に示す画面は、
図6に示した倍率設定画面201が表示された状態で、設定領域203が指示された場合における画面を示している。入力画面211が倍率設定画面201に重畳して表示される。入力画面211は、設定領域203に対してデフォルトで定められた位置に表示される。設定領域203に対してデフォルトで定められた位置は、入力画面211が設定領域203と重畳することなく、設定領域203の近傍に配置される位置である。設定領域203が指示されたので、設定領域203が入力状態に設定され、入力画面211の入力キーを指示すれば、指示されたキーに基づく設定値が、設定領域203に表示される。入力画面211は、複数のキーと、ドラッグ操作を受け付ける領域213と、を含む。複数のキーは、「0」〜「9」の数字が表されたキーと、「*」が表されたキーと、「#」が表されたキーと、「C」が表されたキーと、「閉じる」が表されたキーと、を含む。ユーザーが、入力画面211の領域213を所定時間指示すれば、ドラッグ操作が受け付けられ、入力画面が移動可能になる。
【0114】
図8は、倍率設定画面における入力画面の移動を説明するための図である。
図8に示す倍率設定画面201において、
図7に示した倍率設定画面201に重畳して表示された入力画面211の移動中の状態を点線で示している。入力画面211は、輝度が小さくなり、倍率設定画面201において入力画面211と重なる部分は入力画面211と倍率設定画面201の2つの画像を重ねて表示される。これにより、ユーザーは、入力画面211の下層に表示されている倍率設定画面201を透して見ることができるので、入力画面が移動可能な状態であることをユーザーに通知することができる。また、倍率設定画面201の全体を見ながら、入力画面211を移動させて、入力画面211を配置する位置を決定することができる。
【0115】
図9は、倍率設定画面に入力画面が重畳して表示された状態の画面の一例を示す第2の図である。
図9に示す倍率設定画面201は、
図7に示した倍率設定画面201に重畳して表示された入力画面211が移動した後の位置に配置された状態を示す。
【0116】
図10は、第1の種類の設定画面の一例を示す図である。
図10を参照して、第1の種類の設定画面の一例として、プリント処理を実行するための処理条件の1つである用紙のサイズを設定するための用紙サイズ設定画面231を示している。用紙サイズ設定画面231は、処理条件として用紙の横方向のサイズと、用紙の縦方向のサイズとを設定する設定画面であり、横方向および縦方向の2つの設定項目にそれぞれ対応する2つの設定領域233,235を含む。横方向のサイズと縦方向のサイズとは、互いに依存し、独立して設定することができない。用紙サイズ設定画面231において、画像形成処理を実行するための処理条件として、用紙の横方向のサイズと縦方向のサイズとは、一方を設定した場合には、必ず他方も設定されなければならず、独立して単独で設定されることはない。
【0117】
図11は、用紙サイズ設定画面に重畳して入力画面が表示された状態の画面の一例を示す第1の図である。
図11に示す画面は、
図10に示した用紙サイズ設定画面231が表示された状態で、設定領域233が指示された場合における画面を示している。入力画面211が用紙サイズ設定画面231に重畳して表示される。入力画面211は、設定領域233に対してデフォルトで定められた位置に表示される。設定領域253に対してデフォルトで定められた位置は、入力画面211が設定領域233および設定領域235と重畳することなく、設定領域233および設定領域235の近傍に配置される位置である。設定領域233が指示されたので、設定領域233が入力状態に設定され、入力画面211の入力キーを指示すれば、指示されたキーに基づく設定値が、設定領域233に表示される。
【0118】
図12は、用紙サイズ設定画面に重畳して入力画面が表示された状態の画面の一例を示す第2の図である。
図12に示す用紙サイズ設定画面231は、
図11に示した用紙サイズ設定画面231に重畳して表示された入力画面211が移動した後の位置に配置された状態を示す。
図12に示す用紙サイズ設定画面231において、設定領域233が入力状態に設定されているため、入力画面211の入力キーを指示すれば、指示されたキーに基づく設定値が、設定領域233に表示される。さらに、設定領域235がユーザーにより指示されると、入力画面211は移動することなく、設定領域235が入力状態に設定される。その後、入力画面211の入力キーを指示すれば、指示されたキーに基づく設定値が、設定領域235に表示される。また、入力画面211の閉じるキーが指示されると、入力画面211が閉じて、
図10に示す用紙サイズ設定画面231がLCD165に表示されるが、その後、設定領域233、または設定領域235がユーザーにより指示されると、
図12に示す用紙サイズ設定画面231がLCD165に表示される。換言すれば、入力画面211は、設定領域233,235に対してデフォルトで定められた位置でなく、移動後の位置に表示される。
【0119】
図13は、第2の種類の設定画面の一例を示す図である。
図13を参照して、第2の種類の設定画面の一例として、プリント処理を実行するための処理条件の1つであるシフト量を設定するためのシフト量設定画面251を示している。シフト量設定画面251は、用紙に形成される画像の用紙中の位置を設定する設定画面であり、画像の用紙中の位置を、画像の上下方向のシフト量と、画像の左右方向のシフト量とで定める。このため、シフト量設定画面251は、上下方向および左右方向の2つの設定項目にそれぞれ対応する2つの設定領域253,255を含む。上下方向のシフト量と左右方向のシフト量とは、独立して設定することができ、シフト量設定画面251において、プリント処理を実行するための処理条件として、上下方向のシフト量と左右方向のシフト量とを、それぞれが他方に関係なく独立して定めることができる。
【0120】
設定領域253の近傍上側に、対応する設定項目の項目名253Aが配置され、設定領域253に左右シフト量を示す設定値が設定される領域であることを示している。設定領域255の近傍上側に、対応する設定項目の項目名255Aが配置され、設定領域255に上下シフト量を示す設定値が設定される領域であることを示している。
【0121】
図14は、シフト量設定画面に重畳して入力画面が表示された状態の画面の一例を示す第1の図である。
図14に示す画面は、
図13に示したシフト量設定画面251が表示された状態で、設定領域253が指示された場合における画面を示している。入力画面211がシフト量設定画面251に重畳して表示される。入力画面211は、設定領域253に対してデフォルトで定められた位置に表示される。設定領域253に対してデフォルトで定められた位置は、入力画面211が設定領域253と重畳することなく、設定領域253の近傍に配置される位置である。設定領域253が指示されたので、設定領域253が入力状態に設定され、入力画面211の入力キーを指示すれば、指示されたキーに基づく設定値が、設定領域253に表示される。
【0122】
図15は、シフト量設定画面に重畳して入力画面が表示された状態の画面の一例を示す第2の図である。
図15に示す画面は、
図13に示したシフト量設定画面251が表示された状態で、設定領域255が指示された場合における画面を示している。入力画面211がシフト量設定画面251に重畳して表示される。入力画面211は、設定領域255に対してデフォルトで定められた位置に表示される。設定領域255に対してデフォルトで定められた位置は、入力画面211が設定領域255と重畳することなく、設定領域255の近傍に配置される位置である。設定領域255が指示されたので、設定領域255が入力状態に設定され、入力画面211の入力キーを指示すれば、指示されたキーに基づく設定値が、設定領域253に表示される。
【0123】
設定領域253が指示されると、
図14に示したシフト量設定画面251が表示されるが、シフト量設定画面251中の入力画面211の位置を、
図15に示したシフト量設定画面中の位置に変更することができる。その後、入力画面211の閉じるキーが指示されると、入力画面211が閉じて、
図13に示すシフト量設定画面251がLCD165に表示されるが、さらにその後、設定領域233がユーザーにより指示されると、
図14に示すシフト量設定画面251がLCD165に表示される。換言すれば、入力画面211は、移動後の位置でなく、設定領域253に対してデフォルトで定められた位置に表示される。
【0124】
以上説明したように本実施の形態におけるMFP100は、設定画面に1つの設定領域が含まれる場合、ユーザーが設定領域を指示すれば、設定領域を入力状態に切り換え、入力画面を設定画面に対してデフォルトで定められた位置に表示する。そして、ユーザーがドラッグアンドドロップ操作によって、設定画面中で入力画面を表示する位置を変更すると、入力画面の変更後の位置が移動後位置として記憶する。ユーザーが、設定領域を指示した時点で移動後位置が記憶されていない場合、換言すれば、入力画面を移動させていない場合は、設定画面に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。また、ユーザーが設定領域を指示した時点で移動後位置が記憶されている場合、換言すれば、入力画面を移動させた後に再度設定領域を指示した場合は、移動後位置に入力画面を表示する。このため、ユーザーは、入力画面を表示させるごとに入力画面を移動させる必要がないので、入力画面を移動させる操作を簡単にすることができる。
【0125】
また、入力画面の位置が複数回変更される場合、最後に位置が変更された後の入力画面の位置で、それまでに記憶されていた移動後位置を更新する。このため、ユーザーが、設定領域を指示した時点で、更新された後の移動後位置に入力画面を表示する。このため、ユーザーが、入力画面を複数回移動させる場合に、最後に移動した後の位置に入力画面を表示することができる。このため、ユーザーは、操作を継続してすることができる。
【0126】
また、設定画面が複数の設定領域を含む場合、ユーザーが複数の設定領域のうち1つを指示すれば、ユーザーが指示した設定領域が入力状態に切り換えられ、入力状態に切り換えられた設定領域であるアクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面が表示される。このため、複数の設定領域ごとに、入力画面を表示する位置を異ならせることができる。
【0127】
さらに、設定画面に含まれる複数の設定領域が、第1の種類と第2の種類とのいずれかに分類される場合、複数の設定領域のうち1つのアクティブ領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されていない場合は、アクティブ領域が第1の種類の設定領域または第2の種類のいずれであってもデフォルト位置に入力画面を表示し、複数の設定領域のうち1つのアクティブ領域が入力状態に切り換えられた時点で移動後位置が記憶されている場合、アクティブ領域が第1の種類ならば移動後位置に入力画面を表示し、アクティブ領域が第2の種類ならばアクティブ領域に対してデフォルトで定められたデフォルト位置に入力画面を表示する。このため、第1の種類の設定領域と第2の種類の設定領域とで入力画面が表示される位置を異ならせることができる。また、第1の種類の設定領域を、例えば、他の設定領域に設定値が設定される場合に、必ず設定値が設定される互いに依存する関係の設定領域とすれば、複数の第1の種類の設定領域に設定値を入力しなければならないので、連続して入力画面が表示される。このため、入力画像を連続して表示する場合に、同じ位置に表示するようにすれば、入力画面を移動させる操作を繰り返す必要はない、このため、複数の第1の種類の設定領域に設定値を入力する操作が容易となる。また、第2の種類の設定領域を、例えば、他の設定領域と独立して設定値を設定可能な設定領域とすれば、換言すれば、第2の種類の設定領域を、他の設定領域に設定値が設定される場合に、その設定値に影響されない設定領域とすれば、入力画面を表示させる位置は、複数の設定領域ごとに好ましい位置が定まる場合が多い。このため、第2の種類の設定領域がアクティブ領域の場合は、第2の種類の設定領域に対してデフォルトで定められた位置に入力画面を表示することで、入力画面を移動させる操作が少なくなる場合がある。例えば、入力画面を移動させた後の位置が、次にアクティブ領域となる第2の種類の設定領域と重なる場合等に有効である。
【0128】
また、アクティブ領域が第1の種類の場合に限って、入力画面を表示する位置が変更された後の位置を移動後位置として記憶し、アクティブ領域が第2の種類の場合は、入力画面を表示する位置が変更される場合であっても位置が変更された後の入力画面の位置を移動後位置として記憶しない。このため、第1の種類の設定領域に対応する入力画面が移動される場合に限って、その後に第1の種類の設定領域が入力状態に切り換えられた時点で入力画面を表示するための位置を記憶することができる。
【0129】
さらに、設定画面が表示されなくなると移動後位置を消去するので、設定画面ごとに入力画面を移動した後の位置に表示することができる。設定画面によって、設定領域の位置が異なるからである。
【0130】
なお、上述した実施の形態においては、画像処理装置の一例としてMFP100について説明したが、
図5に示した動作条件設定処理をMFP100に実行させる設定方法、またはその設定方法をMFP100を制御するCPU111に実行させるための設定プログラムとして発明を特定することができるのは言うまでもない。
【0131】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。