特許第5949609号(P5949609)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ダイフクの特許一覧

<>
  • 特許5949609-洗車システム 図000002
  • 特許5949609-洗車システム 図000003
  • 特許5949609-洗車システム 図000004
  • 特許5949609-洗車システム 図000005
  • 特許5949609-洗車システム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5949609
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】洗車システム
(51)【国際特許分類】
   B60S 3/04 20060101AFI20160630BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20160630BHJP
【FI】
   B60S3/04
   H04Q9/00 301Z
   H04Q9/00 311P
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-54739(P2013-54739)
(22)【出願日】2013年3月18日
(65)【公開番号】特開2014-180879(P2014-180879A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年2月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128842
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 温
(74)【代理人】
【識別番号】100149179
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】石田 伸浩
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−264780(JP,A)
【文献】 特開2010−126041(JP,A)
【文献】 特開2012−162219(JP,A)
【文献】 特開2010−006261(JP,A)
【文献】 特開2004−155266(JP,A)
【文献】 特開2002−074504(JP,A)
【文献】 特開2002−326566(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0277466(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 3/00 − 3/06
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被洗浄車両に対して前後方向に移動して被洗浄車両を洗浄する洗車機本体と、
固有のID番号を割り当てられてユーザに供与されるとともに前記ID番号を送信する送信ボタンを有するリモートコントローラと、
前記ID番号別に予め入力される洗車条件及び洗車スタッフの呼出の有無を含む設定項目を記憶するサーバと、
ユーザにより洗車条件を入力する入力部と、前記入力部の入力画面を表示する表示部とを有して進入路に沿って前記洗車機本体に対して離れて設置され、前記リモートコントローラ及び前記サーバと通信可能に形成されるリモートパネルと、
被洗浄車両が所定位置に進入したことを検知する車両検知センサと、
を備え、前記進入路に進入した被洗浄車両から前記送信ボタンが操作されると前記リモートコントローラから受信した前記ID番号に応じて前記サーバから洗車条件及び前記設定項目を読み出して前記表示部に洗車条件を表示し、次に前記送信ボタンが操作されると洗車条件を決定して、前記車両検知センサが被洗浄車両の進入を検知すると洗車が行われ、
前記設定項目が洗車スタッフの呼出有りの場合に、前記サーバから前記設定項目を読み出した際に洗車スタッフに通知されることを特徴とする洗車システム。
【請求項2】
前記設定項目が洗車スタッフの呼出無しの場合に、洗車条件を決定して前記車両検知センサの検知前に前記送信ボタンが操作されると洗車スタッフに通知されることを特徴とする請求項1に記載の洗車システム。
【請求項3】
被洗浄車両が進入する複数の進入路を設け、一方の進入路に前記リモートパネル及び前記車両検知センサを配置し、前記リモートパネルによる設定が行われた際に、該一方の進入路の被洗浄車両を優先して前記洗車機本体に案内することを特徴とする請求項1又は2に記載の洗車システム。
【請求項4】
インターネットを介して前記サーバの前記設定項目を端末装置により入力可能にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車条件の設定を指示するリモートコントローラを備えた洗車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
給油所等に設置される従来の洗車システムは特許文献1に開示される。洗車システムはリモートコントローラ及び洗車機を備えている。洗車機は被洗浄車両に対して相対移動する洗車機本体に、表示部及び受信部を有して洗車条件を設定する設定部が設けられる。
【0003】
リモートコントローラは携帯電話から成り、電話回線を介して設定部と通信を行う。これにより、表示部に表示された選択項目に付された番号をリモートコントローラから送信して対話形式で洗車条件が設定される。
【0004】
洗車機本体の上部や側部には回転用モータによって回転する回転ブラシや空気を送出するブロアが設けられる。洗車機本体は設定された洗車条件に基づいて洗浄時に回転ブラシは回転し、被洗浄車両に対して接近及び離隔して摺動する。ブラシによる洗浄が終了するとブロアによって空気を送出して被洗浄車両が乾燥される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−74504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の洗車システムによると、リモートコントローラによって洗車条件を入力する必要があり、装備品の設定等の設定条件が多くなると、入力操作が煩雑になり時間がかかってしまう。これにより、初心者や高齢者などのユーザが利用し難くなるとともに給油所内で渋滞するという問題があった。
【0007】
本発明は、初心者や高齢者などのユーザでも簡単に洗車条件を設定でき、給油所内の渋滞を解消し、利便性を向上できる洗車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、被洗浄車両に対して前後方向に移動して被洗浄車両を洗浄する洗車機本体と、固有のID番号を割り当てられてユーザに供与されるとともに前記ID番号を送信する送信ボタンを有するリモートコントローラと、前記ID番号別に予め入力される洗車条件を含む設定項目を記憶するサーバと、前記リモートコントローラ及び前記サーバと通信可能に形成されるとともに前記リモートコントローラから受信した前記ID番号に応じて前記サーバから読み出した洗車条件を設定する設定部と、を備え、前記設定部により設定された洗車条件に基づいて洗車を行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は上記構成の洗車システムにおいて、前記設定項目が洗車スタッフの呼出の有無を含み、呼出し有りの設定の場合に前記送信ボタンにより前記ID番号が送信されると、洗車スタッフに通知されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は上記構成の洗車システムにおいて、ユーザにより洗車条件を入力する入力部と、前記入力部の入力画面を表示する表示部とを有して前記洗車機本体に対して離れて設置されるリモートパネルを備え、前記設定部を前記リモートパネルにより構成して前記サーバから読み出した洗車条件を前記表示部に表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は上記構成の洗車システムにおいて、ユーザにより洗車条件を入力する入力部と、前記入力部の入力画面を表示する表示部とを有して前記洗車機本体に対して離れて設置される第1、第2リモートパネルを備え、前記洗車機本体に対して被洗浄車両が進入する第1進入路及び第2進入路を設け、第1進入路に第1リモートパネルを配するとともに第2進入路に第2リモートパネルを配し、前記設定部を第2リモートパネルにより構成して前記設定部による設定が行われた際に第2進入路の被洗浄車両を優先して前記洗車機本体に案内することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は上記構成の洗車システムにおいて、インターネットを介して前記サーバの前記設定項目を端末装置により入力可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、リモートコントローラにより送信されるID番号を受信した設定部がID番号に対応する設定項目をサーバから読み出して洗車条件が設定される。これにより、初心者や高齢者などのユーザでも簡単に洗車条件を短時間で設定でき、給油所内の渋滞を解消し、利便性を向上できる洗車システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態の洗車システムを示す全体図
図2】本発明の第1実施形態の洗車機を示す側面図
図3】本発明の第1実施形態の洗車機を示す正面図
図4】本発明の第1実施形態の洗車機のリモートパネルを示す正面図
図5】本発明の第2実施形態の洗車システムを示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態の洗車システム100を示す全体図である。洗車システム100は洗車機WA、サーバ30、端末装置31、携帯型受信機45及びリモートコントローラ50を有している。
【0016】
洗車機WAは洗車機本体1、レール2、車両進入検知センサ46、47、遮断機48及びリモートパネル80を備えている。
【0017】
サーバ30はインターネット網35を介して、リモートパネル80と通信可能に形成される。サーバ30にはユーザに割り当てられたID番号毎にユーザが所望する洗車条件、呼出条件及び支払条件等の設定項目が予め入力して記憶される。
【0018】
呼出条件は給油所内の洗車スタッフの呼出の有無を設定する。支払条件は洗車料金の支払の条件を設定する。
【0019】
端末装置31はインターネット網35を介して、サーバ30と通信可能に形成される。端末装置31によってもサーバ30で記憶される設定項目を入力することができる。これにより、ユーザによって呼出条件や支払条件等の設定項目を変更することができる。
【0020】
携帯型受信機45は腕時計型に形成され、給油所内の洗車スタッフが利用する。携帯型受信機45は振動、音声及び表示によって報知する報知部(不図示)を有し、後述するリモートパネル(設定部)80と通信可能に形成される。
【0021】
リモートコントローラ50はサーバ30から固有のID番号を割り当てられるとともに、ユーザに供与される。リモートコントローラ50には送信ボタン51及びスピーカ52が設けられている。送信ボタン51の操作により、固有のID番号をリモートパネル80へ送信する。スピーカ52からは音声が出力される。
【0022】
図2図3は洗車機本体1を示す側面図及び正面図である。洗車機本体1は左右の対向する2つのスタンド部90と、スタンド部90の上端を連結する天井部91とを有して門型に形成される。
【0023】
レール2は地面Gに左右一対設けられ、洗車機本体1の底面に設けた車輪3がレール2上に配される。これにより、洗車機本体1はレール2上に立設し、走行モータ(不図示)の駆動によりレール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に相対移動する。
【0024】
車両進入検知センサ46、47は光電センサ等から成り、進入路上に並設されて被洗浄車両CAを検知する。遮断機48は洗車機本体1と車両進入検知センサ47との間に立設し、洗車が行われる時以外は被洗浄車両CAの進入を遮断する。
【0025】
洗車機本体1には被洗浄車両CA上に摺動してブラッシングする複数の回転ブラシが設けられる。回転ブラシはそれぞれ回転モータ(不図示)によって回転し、トップブラシ4、サイドブラシ5及びロッカーブラシ6を有している。トップブラシ4被洗浄車両CAの上面に沿って移動し、被洗浄車両CAの上面を洗浄する。サイドブラシ5及びロッカーブラシ6は被洗浄車両CAの両側面を洗浄する。
【0026】
洗車機本体1の側方には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液した複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部150が配される。タンク収納部150の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を分配する分配配管部151が設けられる。分配配管部151には第1、第2浄水ノズル11、13、第1、第2洗剤ノズル12、15、撥水コートノズル14、ワックスノズル16がそれぞれ電磁弁を介して導出される。
【0027】
第1、第2浄水ノズル11、13は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して市水を噴射する。第1、第2洗剤ノズル12、15は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対してシャンプーなどの洗浄液を噴射する。撥水コートノズル14及びワックスノズル16は洗車機本体1の後面に配される。撥水コートノズル14は被洗浄車両CAに対して撥水コート剤の液剤を噴射する。ワックスノズル16は被洗浄車両CAに対してワックスを噴射する。
【0028】
また、洗車機本体1には気流を発生して被洗浄車両CAを乾燥させるブロア20が設けられる。ブロア20にはトップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22が接続される。トップ送風ノズル21は洗車機本体1の中央上部に設けられ、被洗浄車両CAの天井面に向けて送風する。サイド送風ノズル22は洗車機本体1の両側部に設けられ、被洗浄車両CAの側面に向けて送風する。トップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22の送風によって洗浄後の被洗浄車両CAを乾燥させる。
【0029】
洗車機本体1の前面上部、側部には車両形状センサ8、9が設けられている。車両形状センサ8、9は光電センサや超音波センサ等から成り、洗車機本体1に進入する被洗浄車両CAの外面形状を検知する。これにより、各回転ブラシの初期位置や洗車機本体1の走行範囲が決められる。
【0030】
洗車機本体1の一方のスタンド部90の前面には操作パネル7が配される。操作パネル7は洗車条件を設定する操作ボタン(不図示)を備え、被洗浄車両CAから降車したユーザ等の操作により洗車の受け付けや洗車条件の設定を行う。
【0031】
リモートパネル80は洗車機本体1の進入路に沿って車両進入検知センサ46、47の間に立設される。図4はリモートパネル80を示す正面図である。リモートパネル80は支柱70及びパネル本体71を備えている。支柱70は上下方向に延びて形成され、パネル本体71は支柱42の上端に設けられている。
【0032】
パネル本体71の上面にはアンテナ72が設けられ、正面側にはコイン投入口73、紙幣投入口74、カード投入口75、返却口79、スピーカ81及び表示部82が設けられている。
【0033】
アンテナ72は洗車機本体1及びリモートコントローラ50と通信を行う。コイン投入口73、紙幣投入口74、カード投入口75は洗車料金を支払うために用いられ、コイン投入口73からコインが投入され、紙幣投入口74から紙幣が投入され、カード投入口75からプリペイドカードなどが投入される。返却口79からは所定の操作によりつり銭が返却される。
【0034】
スピーカ81は紙幣投入口74の下方に設けられ、音声が出力される。表示部82は前面にタッチパネルを配した液晶パネル等により形成される。表示部82にはシャンプーを用いて洗車を行うボタン、ワックス掛けを行うボタン、撥水コートを行うボタン、乾燥を行うボタン、装備品を設定する各種設定するボタン等(いずれも不図示)が表示される。これらのボタン操作により洗車設定が可能である。また、洗車をスタートするスタートボタン82a、再度設定を行う再設定ボタン82bが設けられている。
【0035】
上記構成の洗車機WAにおいて、高齢者や初心者などのユーザは予めリモートコントローラ50が供与される。リモートコントローラ50には固有のID番号が割り当てられ、固有のID番号にはユーザ所望の洗車条件が予め関連付けられている。
【0036】
リモートコントローラ50はID番号を登録したユーザが所有して持ち帰るようにしてもよく、洗車場に来場したユーザに対してID番号を書き換えたリモートコントローラ50を貸し出して洗車後に返却させてもよい。
【0037】
リモートコントローラ50が供与されたユーザが運転し、車両進入検知センサ46の面前に被洗浄車両CAが配されると、車両進入検知センサ46が被洗浄車両CAを検知する。この時、スピーカ52から「お客様の車を検知しましたので、お手持ちのリモートコントローラのボタンを押せば自動で洗車設定がセットされます」と案内される。
【0038】
ユーザがリモートコントローラ50の送信ボタン51を操作することにより、固有のID番号がリモートパネル80に送信される。ID番号を受信したリモートパネル80はID番号をサーバ30へ送信すると、サーバ30からID番号別に予め入力された洗車条件を受信する。この時、洗車スタッフの呼出の有の設定の場合に、携帯型受信機45にユーザから呼出があったことが報知される。
【0039】
リモートパネル80は受信した洗車条件を表示部82に表示し、スピーカ81から「お客様の洗車はこのように行いますがよろしいでしょうか」と案内する。この時、ユーザは表示部82を操作して洗車条件を修正してもよい。
【0040】
その後、再度送信ボタン51を操作することにより、洗車条件が決定される。これにより、ユーザはリモートパネル80に接触して操作しなくても、被洗浄車両CA内から簡単かつ短時間に洗車条件を設定できる。また、洗車スタッフを呼び出した場合は被洗浄車両CAのワイパー(不図示)のガムテープ補強等の装備品の安全設定を行ってもらうことができ、より安全に洗車を行うことができる。これにより、車いす等で運転するユーザは被洗浄車両CAから降りることなく、装備品の安全設定をすることができる。
【0041】
リモートパネル80は洗車条件が決定されと、「遮断機の前まで被洗浄車両CAが前進して下さい」とスピーカ81により案内する。車両進入検知センサ47が被洗浄車両CAを検知すると、遮断機48のバー(不図示)が上昇し、洗浄開始される洗浄開始位置まで被洗浄車両CAが前進する。1度釦を押して確認後、被洗浄車両CAを車両進入検知センサ47で検出される位置まで前進させると、遮断機48が開いて確認した内容で洗車が開始する。洗車スタッフの呼出は予め設定されてなく、2度目に釦を押すと洗車スタッフを呼び出すことができる。
【0042】
その後、洗車機本体1が設定された洗車条件に基づいて前後方向に移動して洗浄を開始する。この時、複数の回転ブラシは被洗浄車両CA上に摺動してブラッシングして洗浄を行う。その後、洗車機本体1の進行方向を反転して乾燥が行われる。この時、ブロア20から気流が発生して被洗浄車両CAの乾燥が行われる。
【0043】
本実施形態によると、リモートコントローラ50により送信されるID番号を受信したリモートパネル80(設定部)がID番号に対応する設定項目をサーバ30から読み出して洗車条件が設定される。これにより、初心者や高齢者などのユーザでも簡単に洗車条件を短時間で設定でき、給油所内の渋滞を解消し、利便性を向上できる洗車システム100を提供できる。
【0044】
また、設定項目が洗車スタッフの呼出の有無を含み、呼出し有りの設定の場合に送信ボタン51によりID番号が送信されると、洗車スタッフに通知されるため、装備品の安全設定や洗車までの誘導を洗車スタッフに行ってもらうことで、障碍者や高齢者などのユーザでも安心して洗車できる。
【0045】
また、サーバ30から読み出した洗車条件をリモートパネル80の表示部82に表示するため、洗車条件を容易に確認することができる。
【0046】
(第2実施形態)
図5は第2実施形態の洗車機WAを示す上面図である。説明の便宜上、前述の図1〜4を示す第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態では複数の進入路が設けられ、その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0047】
進入路(第1進入路)R1にはリモートパネル(第1リモートパネル)180が立設し、図中下方の進入路(第2進入路)R2にはリモートパネル(第2リモートパネル)80が立設している。進入路R1は一般のユーザが使用し、進入路R2は高齢者などリモートコントローラ50を有するユーザが使用する。
【0048】
洗車条件を設定する設定部はリモートパネル80により構成され、リモートパネル80はサーバ30及びリモートコントローラ50(図1参照)と通信可能に形成される。リモートパネル180はリモートパネル80と同様に構成されているが、アンテナ72が省かれている。なお、アンテナ72を有してもよい。
【0049】
上記構成の洗車機WAにおいて、被洗浄車両CA1のユーザはリモートパネル180に接触して設定する。被洗浄車両CA3のユーザはリモートコントローラ50を用いてリモートパネル80により洗車条件を設定する。この時、同じ時に洗車条件が設定されると、洗車機WAは進入路R2の被洗浄車両CA3を被洗浄車両CA1よりも優先して洗車機本体1に案内する。これにより、高齢者などのユーザは優先して洗車を行うことができる。
【0050】
案内された被洗浄車両CA3は予め設定された洗車条件で洗車機本体1により洗車が行わる。その後、被洗浄車両CA1が洗車機本体1に案内されて被洗浄車両CA1の洗車が開始され、順に被洗浄車両CA2の洗車が開始される。
【0051】
本実施形態によると、設定部を構成するリモートパネル80による設定が行われた際に進入路R2の被洗浄車両CA3を優先して洗車機本体1に案内するため、リモートコントローラ50を利用する高齢者などのユーザは優先して洗車を行うことができる。
【0052】
第1、第2実施形態において、サーバ30及びリモートコントローラ50と通信して洗車条件を設定する設定部がリモートパネル80により構成されるが、洗車機本体1に設けた操作パネル7により設定部を構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によると、洗車条件の設定を指示するリモートコントローラを備えた洗車システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 洗車機本体
2 レール
3 車輪
4 トップブラシ
5 サイドブラシ
6 ロッカーブラシ
7 操作パネル
30 サーバ
31 端末装置
35 インターネット網
45 携帯型受信機
46 車両進入検知センサ
47 車両進入検知センサ
48 遮断機
50 リモートコントローラ
51 送信ボタン
52 スピーカ
70 支柱
71 パネル本体
73 コイン投入口
74 紙幣投入口
75 カード投入口
80 リモートパネル
82 表示部
82a スタートボタン
82b 再設定ボタン
90 スタンド部
91 天井部
100 洗車システム
180 リモートパネル
WA 洗車機
CA 被洗浄車両
図1
図2
図3
図4
図5