(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ブドウ等の植物が積み込まれる
コンテナ冷凍設備においては、庫内の殺菌のために燻蒸処理が行われるが、この燻蒸処理の際に発生するガスや殺菌シートから揮発するガス(SO
2など)により、コンテナの庫内に設けられている部材が腐食することがあった。腐食は、銅(配管、温度サーミスタなど)、アルミニウム(ファンの静翼、板金部材など)、ステンレス鋼などの部材で生じる。
【0006】
部材が腐食すると、その部材の修理や交換が必要になる。また、部材の腐食は起こった後に発見できるものの、腐食が起こりそうな状態かどうかを前もって予想するのは困難である。例えば、庫内の空気にSO
2が含まれるかどうかを検知する作業を作業者に行わせて、その検知結果から腐食の可能性を予想することが考えられるが、そのような作業を行うことは現実的では
ない。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、
コンテナ冷凍設備の庫内に設けられている部材の腐食を容易に検知できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、庫内を冷却する冷凍装置(10)を備え、庫内空気が通過する蒸発器(24)を該冷凍装置(10)が有する
コンテナ冷凍設備であって、上記蒸発器(24)で発生するドレン水を受けるドレン水受け部(41)と該ドレン水受け部(41)からドレン水を排出するドレン水排出部(42)とを有するドレン水処理部(40)と、該ドレン水の水質から庫内空気中の腐食性ガスを検出するように該ドレン水処理部(40)に設けられた腐食性ガス検出部(50)とを備えて
いる。
【0009】
この第1の発明では、腐食性ガス検出部(50)でドレン水の水質を調べることにより、庫内に設けられている部材が腐食しやすい状態かどうかを検出できる。
【0010】
また、第1の発明では、上記腐食性ガス検出部(50)がドレン水排出部(42)に設けられて
いる。
【0011】
この
第1の発明では腐食性ガス検出部(50)をドレン水排出部(42)に設けて
いる。ドレン水排出部(42)はコンテナ冷凍設備の庫外に設置できるから、この
第1の発明では腐食性ガスの検出作業を
庫外で容易に行うことができる。
【0012】
また、第1の発明では、上記冷凍装置(10)が、コンテナ(11)に装着されるケーシング(12)を備えたコンテナ用冷凍装置(10)であり、上記ドレン水排出部(42)が、上記ドレン水受け部(41)に接続されたドレンホース(42)であり、上記ドレンホース(42)は、ドレン水の排出側の部分が、上記冷凍装置(10)の冷媒回路構成機器を収納するように上記ケーシング(12)に形成された庫外収納空間(S1)に配置され、上記腐食性ガス検出部(50)は、上記庫外収納空間(S1)の内部の位置で上記ドレンホース(42)に設けられて
いる。
【0013】
この
第1の発明では、コンテナ用冷凍装置(10)において、作業の容易な庫外収納空間(S1)に設けられたドレンホース(42)の腐食性ガス検出部(50)を用いることにより、庫内の腐食性ガスを検知できる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、上記ドレンホース(42)には上記庫外収納空間(S1)の内部の位置にドレン水トラップ(44)が形成され、上記腐食性ガス検出部(50)が、上記ドレンホース(42)のドレン水トラップ(44)に設けられていることを特徴としている。
【0015】
この
第2の発明では、ドレンホース(42)にドレン水トラップ(44)を設け、ドレン水トラップ(44)にドレン水を溜めることにより、溜まったドレン水に対してその水質の基づく腐食性ガスの検出作業を容易に行える。
【0016】
第3の発明は、第2の発明において、上記ドレン水トラップ(44)が、上記ドレンホース(42)の経路中に、上流側から下流側へ連続して形成された下向きに凸の第1Uターン部(44a)と上向きに凸の第2Uターン部(44b)とを備え、上記腐食性ガス検出部(50)は、上記第2Uターン部(44b)に設けられ、且つ、上記第1Uターン部(44a)に溜まったドレン水が第2Uターン部(44b)を通って流れるときの液面よりも上方に位置していることを特徴としている。
【0017】
この
第3の発明では、ドレン水トラップ(44)の第1Uターン部(44a)にドレン水が溜まり、溜まったドレン水が第2Uターン部(44b)から流出するときの液面よりも上方に設けられている腐食性ガス検出部(50)において、ドレン水の上方から水質に基づく腐食性ガスの検出作業を行える。また、第1Uターン部(44a)にドレン水が溜まるため、ドレンホース(42)の庫内側の端部と排出側の端部とがドレン水でシールされる。そして、冷凍装置を運転して庫内を冷やすと庫内側が低圧になり、ドレン水の排出側から空気が流入しようとするのに対して、第1Uターン部(44a)に溜まったドレン水がシールとして機能し、庫内への空気の流入が阻止される。
【0018】
第4の発明は、第1から第3の発明の何れか1つにおいて、上記腐食性ガス検出部(50)が、ドレン水の水質として水素イオン指数を測定する携帯の水素イオン指数センサ(45)を装着するドレン水ポート(43)であることを特徴としている。
【0019】
この
第4の発明では、
コンテナ冷凍設備に設けられているドレン水ポート(43)に携帯型水素イオン指数センサ(45)を装着することにより、庫内の腐食性ガスを検出できる。
【0020】
第5の発明は、第1から第3の発明の何れか1つにおいて、上記腐食性ガス検出部(50)が、ドレン水の水質として水素イオン指数を測定する常設型水素イオン指数センサ(47)を備え、
コンテナ冷凍設備が、さらに上記水素イオン指数センサに接続されるとともに該センサの測定結果を表示する測定結果表示部(48)を備えていることを特徴としている。
【0021】
この
第5の発明では、
コンテナ冷凍設備に庫内の腐食性ガスを検出するための水素イオン指数センサ(47)が常設され、水素イオン指数センサ(47)の測定結果が測定結果表示部(48)で表示される。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、腐食性ガス検出部(50)でドレン水の水質を調べることにより、庫内に設けられている部材が腐食しやすい状態かどうか容易に確認できるので、庫内の部材が腐食しやすい状態であれば庫内を洗浄することにより、庫内の部材が腐食するのを遅らせることができる。また、本発明では、ドレン水処理部(40)に腐食性ガス検出部(50)を設けるだけであるから
コンテナ冷凍設備の故障のおそれも少なく、コストも最小限に抑えられる。
【0023】
また、上記第1の発明によれば、
コンテナ冷凍設備において設置場所を比較的自由に選択できるドレン水排出部(42)に腐食性ガス検出部(50)を
設け、庫内の腐食性ガスを検出する作業を庫外で行う
ことにより、検出作業の作業性を高められる。
【0024】
また、上記第1の発明によれば、コンテナ用冷凍装置(10)の庫外収納空間(S1)にドレンホース(42)を配置し、このドレンホース(42)に腐食性ガス検出(43)を設けることにより、コンテナ(11)の庫内の腐食ガスの検出を作業の容易な庫外収納空間(S1)で行うことができる。
【0025】
上記
第2の発明によれば、ドレンホース(42)にドレン水トラップ(44)を設け、ドレン水トラップ(44)にドレン水を溜めることにより、溜まったドレン水に対してその水質に基づく腐食性ガスの検出作業を容易に行うことができ、構成が複雑になるのも防止できる。
【0026】
上記
第3の発明によれば、ドレン水トラップ(44)の第1Uターン部(44a)に溜まったドレン水が第2Uターン部(44b)から流出するときの液面よりも上方に腐食性ガス検出部(50)を設けたので、この腐食性ガス検出部(50)を用いて、水質に基づく腐食性ガスの検出作業をドレン水の液面の上方から容易かつ且つ確実に行える。また、ドレン水ポート(43)からの水漏れを防止するためのシール材を設けなくてもよいので、構成が複雑になるのを防止できる。
【0027】
上記
第4の発明によれば、
コンテナ冷凍設備にドレン水ポート(43)を設けることにより、携帯型水素イオン指数センサ(45)を用いて庫内の腐食性ガスを容易に検出できる。
【0028】
上記
第5の発明によれば、
コンテナ冷凍設備に水素イオン指数センサ(45)を常設し、水素イオン指数センサ(45)の測定結果を測定結果表示部(46)で表示するようにしているので、庫内の腐食性ガス濃度が高い場合などは警報を出すことで庫内の洗浄を促すことができるし、洗浄後に腐食性ガスの検知を再度行えば、庫内が洗浄されたかどうかを確認することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明
する。以下の実施形態は、
コンテナ冷凍設備に関するものである。
なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0031】
図1及び
図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(11)の庫内の冷蔵又は冷凍を行うものである。コンテナ用冷凍装置(10)は、冷凍サイクルを利用してコンテナ(11)の庫内の空気を冷却する冷媒回路(20)を備えている(
図3参照)。コンテナ(11)の庫内には、例えばブドウなどの植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。
【0032】
コンテナ(11)は、側方が開放された箱状に形成されており、その一方の開口端を塞ぐようにケーシング(12)が取り付けられている。ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
【0033】
庫外壁(12a)は、コンテナ(11)の開口端を塞ぐようにコンテナ(11)の開口の周縁部に取り付けられる。庫外壁(12a)は、下部がコンテナ(11)の庫内側へ膨出するように形成されている。
【0034】
庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)と対向して配置されている。庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)の下部に対応して庫内側へ膨出している。庫内壁(12b)と庫外壁(12a)との間の空間には、断熱材(12c)が設けられている。
【0035】
ケーシング(12)の下部は、コンテナ(11)の庫内側に向かって膨出するように形成されている。これにより、ケーシング(12)下部におけるコンテナ(11)の庫外側には庫外収納空間(S1)が形成され、ケーシング(12)上部におけるコンテナ(11)の庫内側には庫内収納空間(S2)が形成されている。
【0036】
ケーシング(12)には、メンテナンス時に開閉可能な開閉扉(16)が幅方向に並んで2つ設けられている。ケーシング(12)の庫外収納空間(S1)には、後述する庫外ファン(25)と隣接する位置に電装品ボックス(17)が配設されている。
【0037】
コンテナ(11)の庫内には、仕切板(18)が配置されている。この仕切板(18)は、略矩形状の板部材により構成され、ケーシング(12)のコンテナ(11)の庫内側の面と対向するように立設されている。この仕切板(18)によって、コンテナ(11)の庫内と庫内収納空間(S2)とが区画されている。
【0038】
仕切板(18)の上端とコンテナ(11)内の天井面との間には吸込口(18a)が形成されている。コンテナ(11)の庫内の空気は、吸込口(18a)を介して庫内収納空間(S2)に取り込まれる。
【0039】
コンテナ(11)内には、コンテナ(11)の底面との間に隙間を存して床板(19)が配設されている。床板(19)上には、箱詰めされた植物(15)が載置されている。コンテナ(11)内の底面と床板(19)との間には、空気流路(19a)が形成されている。仕切板(18)の下端とコンテナ(11)内の底面との間には隙間が設けられ、その隙間は空気流路(19a)に連通している。
【0040】
床板(19)におけるコンテナ(11)の手前側(
図2で右側)には、コンテナ用冷凍装置(10)で処理した空気(すなわち、庫内空気を冷却した空気)をコンテナ(11)の庫内へ吹き出す吹出口(18b)が形成されている。
【0041】
図3に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)を備えている。冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とが、冷媒配管(28)によって順に接続されて構成されている。
【0042】
図1及び
図2に示すように、圧縮機(21)及び凝縮器(庫外熱交換器)(22)は、庫外収納空間(S1)に収納されている。凝縮器(22)の上方位置には、庫外ファン(25)が配設されている。庫外ファン(25)は、庫外ファンモータ(25a)によって回転駆動し、コンテナ(11)の庫外の空気を庫外収納空間(S1)内へ誘引して凝縮器(22)へ送るものである。凝縮器(22)では、凝縮器(22)の内部を流れる冷媒と外気との間で熱交換が行われる。
【0043】
蒸発器(24)は、庫内収納空間(S2)に収納されている。庫内収納空間(S2)における蒸発器(24)の上方位置には、ケーシング(12)の幅方向に並んで2つの庫内ファン(26)が配設されている。
【0044】
庫内ファン(26)は、庫内ファンモータ(26a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫内空気を吸込口(18a)から誘引して蒸発器(24)へ吹き出す。蒸発器(24)では、蒸発器(24)の内部を流れる冷媒と庫内空気との間で熱交換が行われる。蒸発器(24)を通過する際に冷媒に放熱して冷却された庫内空気は、空気流路(19a)を通って吹出口(18b)からコンテナ(11)の庫内へ吹き出される。
【0045】
コンテナ用冷凍装置(10)は、コンテナ(11)の庫内に低酸素濃度の混合ガスを供給して庫内の酸素濃度を調整するための混合ガス供給装置(30)を備えている。混合ガス供給装置(30)はユニット化されており、
図1において庫外収納空間(S1)の左下の角部に配置されている。混合ガス供給装置(30)の右側に配置されているのは、圧縮機(21)を可変速で駆動するための駆動回路が収納されたインバータボックス(29)である。
【0046】
図4は、電装品ボックス(17)を外した状態でのコンテナ用冷凍装置(10)の正面図、
図5は、電装品ボックス(17)と凝縮器(22)と混合ガス供給装置(30)を外した状態でのコンテナ用冷凍装置(10)の斜視図、
図6は、ドレンホース(42)のドレン水排出側の部分を示す側面図である。また、
図7は、コンテナ用冷凍装置(10)の背面図、
図8は、コンテナ用冷凍装置(10)の部分断面図である。
【0047】
本実施形態では、
図7に示すように、庫内収納空間(S2)の底部に、上記蒸発器(24)で発生するドレン水を受けるドレンパン(ドレン水受け部)(41)が設けられている。このドレンパン(41)は、ケーシング(12)の両端から中央に向かって高さが低くなる傾斜面を有している。ドレンパン(41)の中央には、該ドレンパン(41)からドレン水を排出するドレンホース(ドレン水排出部)(42)が接続され、ドレンホース(42)は庫外収納空間(S1)へ引き出されている。ドレンパン(41)とドレンホース(42)により、ドレン水処理部(40)が構成されている。
【0048】
上記ドレンホース(42)は、ドレン水の排出側の部分が、上記冷媒回路(20)の構成機器を収納するように上記ケーシング(12)に形成された庫外収納空間(S1)に配置されている。ドレンホース(42)にはドレン水ポート(43)が設けられていて、該ドレン水ポート(43)は上記庫外収納空間(S1)の内部に位置している。具体的には、ドレンホース(42)には庫外収納空間(S1)の内部にドレン水トラップ(44)が形成されており、上記ドレン水ポート(43)は、上記ドレンホース(42)のドレン水トラップ(44)に設けられている。
【0049】
上記ドレン水ポート(43)は、模式図である
図9に示すように、ドレン水の水質に基づいて庫内空気中の腐食性ガスを検知する携帯型の腐食性ガスセンサ(45)を装着できるように構成されている。このようにドレン水ポート(43)はドレン水の水質から庫内空気中の腐食性ガスを検出するポートであり、本発明の腐食性ガス検出部(50)を構成している。携帯型の腐食性ガスセンサ(45)として、具体的には、ドレン水の水素イオン指数(pH)を測定する携帯型水素イオン指数センサを用いることができる。
【0050】
上記ドレン水トラップ(44)は、具体的には、上記ドレンホース(42)の経路中に、上流側から下流側へ連続して形成された下向きに凸の第1Uターン部(44a)と上向きに凸の第2Uターン部(44b)とを備えている。そして、上記腐食性ガス検出部(50)であるドレン水ポート(43)は、上記第2Uターン部(44b)に設けられ、且つ、上記第1Uターン部(44a)に溜まったドレン水が第2Uターン部(44b)を通って流れるときの液面よりも上方に位置している。
【0051】
本実施形態では、冷凍装置(11)を運転すると、蒸発器に結露した水滴が
図7に矢印で示すようにドレンパン(41)に滴下し、ドレン水はドレンパン(41)の中央へ向かって流れる。ドレン水はさらにドレンホース(42)を流れ、ドレン水トラップ(44)を通って機外へ排出される。
【0052】
庫内の腐食性ガスを検出するときは、上記ドレン水ポート(43)に水素イオン指数センサ(43)を装着し、ドレン水の水質(水素イオン指数)を調べる作業を行う。そして、水素イオン指数センサ(45)で検知した水素イオン指数が小さければ酸性が強く、庫内空気に含まれている酸性のガスがドレン水に溶け込んでいると判断できるから、庫内に設けられている部材が腐食しやすい状態であることを検知できる。庫内が腐食しやすい状態である場合は、庫内を洗浄すればよい。また、水素イオン指数が大きければドレン水の酸性が弱いので、庫内に設けられている部材が腐食しやすい状態ではないと判断できる。
【0053】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、ドレンホース(42)に腐食性ガス検出部(50)としてドレン水ポート(43)を設け、このドレン水ポート(43)に水素イオン指数センサ(45)を装着してドレン数の水素イオン指数(pH)を測定するようにしている。このことにより、ドレン水が強い酸性であるかどうかを判断できるので、庫内に設けられている部材が腐食しやすい状態であるかどうかを容易に確認することができる。そして、庫内の部材が腐食しやすい状態であれば、庫内の洗浄を行うとよい。
【0054】
また、本実施形態では、ドレンホース(42)にドレン水トラップ(44)を形成し、このドレン水トラップ(44)にドレン水ポート(43)を設けているので、
図9に示すようにドレン水の水中に水素イオン指数センサ(45)を確実に挿入できる。したがって、検知精度を高められる。
【0055】
また、本実施形態では、ドレン水トラップ(44)の第1Uターン部(44a)に溜まったドレン水が第2Uターン部(44b)から流出するときの液面よりも上方に腐食性ガス検出部(50)であるドレン水ポート(43)を設けたので、ドレン水トラップ(44)の第1Uターン部(44a)に溜まったドレン水に対して、その液面の上方のドレン水ポート(43)から、水質に基づく腐食性ガスの検出作業を容易且つ確実に行える。また、ドレン水ポート(43)からの水漏れを防止するためのシール材を設けなくてもよいので、構成が複雑になるのを防止できる。
【0056】
また、本実施形態では、第1Uターン部(44a)にドレン水が溜まるため、ドレンホー
ス(42)の庫内側の端部と排出側の端部とがドレン水でシールされる。一般に、冷凍装置を運転して庫内を冷やすと庫内側が低圧になり、ドレン水の排出側から空気が流入しようとするのに対して、上記構成では第1Uターン部(44a)に溜まったドレン水がシールとして機能し、庫内への空気の流入が阻止される。
【0057】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0058】
例えば、上記実施形態では、携帯型水素イオン指数センサ(45)を用いてドレン水の水質を調べ、その水質から庫内の腐食性ガスを検出する例を説明したが、
図10に示すようにドレンホース(42)に常設型水素イオン指数センサ(47)を腐食性ガス検出部(50)として設けてもよい。この場合、コンテナ用冷凍装置(10)には、上記水素イオン指数センサ(47)に接続されるとともに該水素イオン指数センサ(47)の測定結果を表示する測定結果表示部(48)が設けられる(
図1参照)。
図1は、測定結果表示部(48)を電装品ボックス(17)に設けた例である。測定結果表示部(46)を設けると、警報を出すことで庫内の洗浄を促すことができるし、洗浄後に再度腐食性ガスの検知を行えば、庫内が洗浄されたかどうかを確認することもできる。
【0059】
また、上記実施形態では、ドレンホース(42)に腐食性ガス検出部(50)を設けているが、腐食性ガス検出部(50)
は、ドレンホース(42)に設ける場合の位置を上記実施形態とは変更してもよい。