特許第5949911号(P5949911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5949911
(24)【登録日】2016年6月17日
(45)【発行日】2016年7月13日
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 19/06 20060101AFI20160630BHJP
【FI】
   B25J19/06
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-516538(P2014-516538)
(86)(22)【出願日】2012年5月21日
(86)【国際出願番号】JP2012062948
(87)【国際公開番号】WO2013175553
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2014年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】白木 知行
(72)【発明者】
【氏名】一番ケ瀬 敦
(72)【発明者】
【氏名】佐次川 勇二
(72)【発明者】
【氏名】松尾 智弘
(72)【発明者】
【氏名】石川 伸一
(72)【発明者】
【氏名】河野 智樹
【審査官】 中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−224727(JP,A)
【文献】 特開2007−007804(JP,A)
【文献】 特開2001−150374(JP,A)
【文献】 特開2002−144260(JP,A)
【文献】 特開2010−064232(JP,A)
【文献】 特開昭64−050909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸周りに回転自在に連結された1以上のリンク体と、
前記リンク体を前記軸周りに回転させるモータと、
前記モータの回転状態を検出する第1のセンサと、
前記リンク体に設けられ、前記モータにより駆動される当該リンク体の回転状態を検出する第2のセンサと、
前記第1のセンサからの情報に基づいて前記モータを駆動して前記リンク体の回転を制御するとともに、前記第1のセンサと前記第2のセンサとを用いて前記モータを二重に監視可能とした制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記第1のセンサから受信した第1の情報と、前記モータに対する指令信号に基づいて前記モータが正常に回転した場合に前記第1のセンサが検出すべきデータとして予め設定された第1の期待値とを比較する第1比較部と、
前記第2のセンサから受信した第2の情報と、前記指令信号に基づいて前記モータが正常に回転した場合に前記第2のセンサが検出すべき前記リンク体の動作結果を示すデータとして予め設定された第2の期待値とを比較する第2比較部と、
前記第1比較部により前記第1のセンサを介して得た第1の比較結果および前記第2比較部により前記第2のセンサを介して得た第2の比較結果に基づいて、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの異常を判断する判定部と、
を備えること
を特徴とするロボット。
【請求項2】
前記第1のセンサは前記モータに付設されたエンコーダであり、
前記第2のセンサは、速度センサ、加速度センサ、または歪センサのうちのいずれかであること
を特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記リンク体は、
基台から、それぞれ軸を介して順次連結されてアーム部を構成すること
を特徴とする請求項1または2に記載のロボット。
【請求項4】
前記第2のセンサは、
前記各モータによって駆動される前記リンク体にそれぞれ対応して設けられていること
を特徴とする請求項に記載のロボット。
【請求項5】
前記第2のセンサは加速度センサであり、
前記基台に対して最先端に位置する前記リンク体の先端部に設けられていること
を特徴とする請求項に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軸周りに回転自在に連結された複数のリンク体を備えたロボットがあり、かかるロボットにおいて、人間を含む他物体と同じ場所で作業を行う、いわゆる人共存型と呼ばれるロボットが知られている(たとえば、特許文献1を参照)。
【0003】
このような人共存型ロボットは、リンク体の人への干渉回避や、仮に接触したとしても相手にダメージを与えないことが求められる。したがって、人と接触しても人へダメージを与えることがないように、リンク体の動作制御を行うようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−302496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の人共存型と呼ばれるロボットにおけるリンク体の動作制御は、リンク体を駆動するモータに付設されたエンコーダの出力への依存度合いが大きいという課題がある。人共存型のロボットとしては、非常の事態であっても安全性をより高めることのできる動作制御の実現が望ましい。
【0006】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、より安全性が向上したロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係るロボットは、軸周りに回転自在に連結された1以上のリンク体と、前記リンク体を前記軸周りに回転させるモータと、前記モータの回転状態を検出する第1のセンサと、前記リンク体に設けられ、前記モータにより駆動される当該リンク体の回転状態を検出する第2のセンサとを備える。また、ロボットは、前記第1のセンサからの情報に基づいて前記モータを駆動して前記リンク体の回転を制御するとともに、前記第1のセンサと前記第2のセンサとを用いて前記モータを二重に監視可能とした制御部を備える。前記制御部は、前記第1のセンサから受信した第1の情報と、前記モータに対する指令信号に基づいて前記モータが正常に回転した場合に前記第1のセンサが検出すべきデータとして予め設定された第1の期待値とを比較する第1比較部と、前記第2のセンサから受信した第2の情報と、前記指令信号に基づいて前記モータが正常に回転した場合に前記第2のセンサが検出すべき前記リンク体の動作結果を示すデータとして予め設定された第2の期待値とを比較する第2比較部と、前記第1比較部により前記第1のセンサを介して得た第1の比較結果および前記第2比較部により前記第2のセンサを介して得た第2の比較結果に基づいて、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサの異常を判断する判定部と、を備える
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、アームの動作をより確実に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態に係るロボットが設置された作業エリアを示す説明図である。
図2A図2Aは、同ロボットが備える関節部とリンク体の模式的説明図である。
図2B図2Bは、同ロボットの第2関節部を示す模式的説明図である。
図3図3は、同ロボットの制御部を示す説明図である。
図4図4は、第2の実施形態に係るロボットを示す説明図である。
図5図5は、第3の実施形態に係るロボットが備える第1のセンサおよび第2のセンサの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するロボットの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るロボット1が設置された作業エリア100を示す説明図である。また、図2Aは、同ロボット1が備える関節部とリンク体の模式的説明図、図2Bは、同ロボット1の第2関節部22を示す模式的説明図、図3は、同ロボット1の制御部5を示す説明図である。
【0012】
本実施形態に係るロボット1は、図1に示すように、作業者6なども出入り可能な所定の作業エリア100の所定位置に設置される。なお、ロボット1の設置位置としては、作業に応じて適宜設定することができるが、ここでは作業エリア100の略中央位置としている。また、作業エリア100は、例えば、工場などの製造ラインにおいては作業ブース(不図示)として区画されている。
【0013】
図1に示すように、ロボット1は、フロア200上に設置された基台2と、この基台2に取付けられたアーム部4とを備える。
【0014】
アーム部4は、基台2に対して旋回自在の設けられる旋回部40と、それぞれ軸を介して順次連結される第1アーム41と、第2アーム42と、第1リスト部431、第2リスト部432および第3リスト部433からなるリスト部43と、回転するフランジ部44とを備えている。そして、フランジ部44にはロボット1に与えられた作業内容に適したエンドエフェクタ(不図示)が取り付けられる。
【0015】
このように、本実施形態に係るロボット1は、胴体部3、第1アーム41、第2アーム42、およびリスト部43を可動部位とする多関節ロボットで構成されている。
【0016】
ロボット1は、以下に説明するように、第1関節部21〜第6関節部26を備えた多関節ロボットであり、可動部位を軸周りに回転可能としている。
【0017】
図2Aに示すように、第1関節部21〜第6関節部26は、いずれもサーボモータ及び減速機を有するアクチュエータとして構成されている。第1関節部21〜第6関節部26の概ねの構成は共通しており、図2A参照して第1関節部21〜26それぞれの構成について説明する。
【0018】
図2Aに示すように、第1関節部21〜第6関節部26は、それぞれモータ31と減速機32とを有する伝動機構30を備えている。モータ31と減速機32とは、モータ31の出力軸311に設けた出力側プーリ312と、減速機32の入力軸321に設けた入力側プーリ322との間にベルト33を巻装して連動連結される。
【0019】
図2Bは、胴体部3の一側部分に設けられ、リンク体である第1アーム41を回転可能に連結した第2関節部22を示している。図2Bに示すように、減速機32の出力軸323に第1アーム41が固着され、モータ31の駆動によって第1アーム41が回転される。すなわち、第1アーム41は、伝動機構30により、第2軸12周りに回転、つまり、上下方向に揺動する(図1の矢印400を参照)。
【0020】
ところで、第1関節部21〜第6関節部26の各モータ31には、その回転状態を検出するエンコーダ71が設けられている。このエンコーダ71は、出力軸311の後端に取付けたディスク711と、ディスク711の回転量に応じて出力軸311の回転角度を検出する検出器712とを備えている。
【0021】
次に、前述の第2関節部22をはじめとする関節部を介してそれぞれ軸周りに回転する可動部位について、図1に基づいて簡単に説明する。
【0022】
胴体部3は、フロア200に固定状態に設置された略円筒状の基台2に対し、第1関節部21を介して回転可能に連結されている。第1関節部21は、基台2の略中央に設けられており、垂直方向(Z方向)に延在する第1軸11を備えている。
【0023】
そして、この第1軸11を、第1のモータと第1の減速機とを備える第1の伝動機構(図2Aの伝動機構30を参照)に連動連結している。こうして、胴体部3は、フロア200に固定された基台2に対して、第1の伝動機構により、第1軸11周りに水平方向に回転することになる(矢印300を参照)。
【0024】
また、胴体部3の一側部分には、前述したように第2関節部22が設けられており、この第2関節部22を介して第1アーム41が回転可能に連結されている。なお、かかる第1アーム41は、第1軸11に偏心した位置に連結されているため、この第1アーム41を含み、これにそれぞれ軸を介して順次連結される第2アーム42、およびリスト部43についても第1軸11を中心に旋回することになる。
【0025】
可動部位の中で最も長尺な第1アーム41の先端側には第3関節部23が設けられており、この第3関節部23を介して略L字状の第2アーム42が連結されている。
【0026】
第3関節部23は、第2軸12と平行方向、すなわち、第1軸11と直交する第2軸12と同方向に延在する第3軸13を備えている。そして、この第3軸13は、第3のモータと第3の減速機とを備える第3の伝動機構(図2Aの伝動機構30を参照)に連動連結している。こうして、第2アーム42は、第3の伝動機構により、第3軸13周りに回転、つまり、上下方向に揺動する(矢印500を参照)。
【0027】
また、第2アーム42の先端側には第4関節部24が設けられており、この第4関節部24を介して、第1リスト部431が連結されている。
【0028】
なお、リスト部43は、第4関節部24に連結する円筒状の第1リスト部431と、この第1リスト部431に連結する第2リスト部432と、エンドエフェクタを設けた第3リスト部433とから構成される。
【0029】
第1リスト部431を連動連結する第4関節部24は、第3軸13と直交する方向、すなわち、図面上の左右水平方向(X方向)に延在する第4軸14を備えている。そして、この第4軸14は、第4のモータと第4の減速機とを備える第4の伝動機構(図2Aの伝動機構30を参照)に連動連結している。こうして、第4軸14と同軸方向に連動連結された第1リスト部431は、第4の伝動機構により、第4軸14周りに回転、つまり、第4軸14周りに自転する(矢印600を参照)。
【0030】
第1リスト部431の先端側には、第5関節部25が設けられており、この第5関節部25を介して、第2リスト部432が同軸方向に連結されている。
【0031】
第5関節部25は、第4軸14と同軸方向、すなわち、図面上の左右水平方向(X方向)に延在する第5軸15を備えている。そして、この第5軸15は、第5のモータと第5の減速機とを備える第5の伝動機構(図2Aの伝動機構30を参照)に連動連結している。したがって、第5軸15と同軸方向に連動連結された第2リスト部432は、第5の伝動機構により、第5軸15周りに回転、つまり、第5軸15周りに自転する(矢印700を参照)。
【0032】
第2リスト部432の先端側には、第6関節部26が設けられており、この第6関節部26を介して、第3リスト部433が連結されている。
【0033】
第6関節部26は、第5軸15と直交する方向、すなわち、図面上の前後水平方向(Y方向)に延在する第6軸16を備えている。そして、この第6軸16は、第6のモータと第6の減速機とを備える第6の伝動機構(図2Aの伝動機構30を参照)に連動連結している。したがって、第3リスト部433は、第6の伝動機構により、第6軸16周りに回転、つまり、上下方向に揺動する(矢印800を参照)。
【0034】
上述してきたように、本実施形態に係るロボット1は、所定の設置面であるフロア200に設けられる基台2に対して第1軸11周りに回転可能に設けられた胴体部3と、この胴体部3に対して回転可能に設けられたアーム部4とを備えている。
【0035】
アーム部4は、胴体部3に対して第2軸12周りに回転可能に設けられた第1アーム41と、この第1アーム41に対して第3軸13周りに回転可能に設けられた第2アーム42と、第2アーム42に対して回転可能に設けられたリスト部43とを備えている。
【0036】
また、リスト部43は、第1リスト部431と第2リスト部432と第3リスト部433とを備えている。第1リスト部431は、第2アーム42に対して第4軸14周りに回転可能に設けられている。第2リスト部432は、第1リスト部431に対して第5軸15周りに回転可能に設けられている。また、第3リスト部433は、第2リスト部432に対して第6軸16周りに回転可能に設けられるとともに、先端には所定のエンドエフェクタが取り付けられている。
【0037】
これらの胴体部3、第1アーム41、第2アーム42、第1リスト部431、第2リスト部432、および第3リスト部433は、軸周りに回転自在に連結された複数のリンク体であり、ロボット1の可動部位を構成することになる。そして、かかるリンク体を、各伝動機構にそれぞれ設けられたモータが各軸(第1軸11〜第6軸16)周りに回転させる。
【0038】
また、本実施形態に係るロボット1は、モータの回転状態を検出する第1のセンサと、リンク体の回転状態を検出する第2のセンサとをそなえている。具体的には、図2に示すように、第2関節部22に設けられた第2のモータ31の回転状態を検出する第1のセンサとしてのエンコーダ71と、リンク体である第1アーム41の回転状態を検出する第2のセンサである加速度センサ72とを備えている。
【0039】
第1のセンサであるエンコーダ71は、前述したように、出力軸311の後端に取付けたディスク711と、ディスク711の回転量に応じて出力軸311の回転角度を検出する検出器712とを備えている。
【0040】
本実施形態に係るロボット1は、エンコーダ71からの出力値に基づき、後述する制御部5によって第2のモータ31の駆動制御が行われる。つまり、第1アーム41を例にとると、この第1アーム41の回転動作の制御は、エンコーダ71からの出力軸311の回転角度を示す第1の情報に基づいて行われる。かかるエンコーダ71は、第1関節部21、第3関節部23〜第6関節部26においても同じように設けられており、各モータの制御に用いられる。
【0041】
また、第2のセンサである加速度センサ72は、第1アーム41の中途に内蔵されて、当該第1アーム41の加速による位置変化を検出することができる。加速度センサ72としては、半導体式、光学式、機械式のセンサから適宜採用することができる。
【0042】
また、第2のセンサとして、加速度センサ72を用いたが、これに代えて、速度センサまたは歪センサのいずれかを用いることもできる。すなわち、第2のセンサは、エンコーダ71からの出力値に基づいて動作制御されるリンク体(ここでは第1アーム41)の実際の動作を、エンコーダ71とは異なる方式で検出可能なセンサであればよい。
【0043】
本実施形態に係るロボット1は、図3に示すように、当該ロボット1の動作を制御する制御部5を備えている。この制御部5には、ロボット1への制御指令のプログラムが予め記憶されており、かかるプログラムに基づいて、ロボット1は制御されることになる。かかる制御部5は、本実施形態に係るロボット1の要部となるものであり、以下にその構成を説明する。
【0044】
制御部5は、ロボット1と電気的に接続しており、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、さらにはハードディスクなどの記憶部を備えている。そして、制御部5は、記憶部に格納されたプログラムをCPUが読み出し、プログラムに従ってリンク体である胴体部3、第1アーム41、第2アーム42、第1リスト部431、第2リスト部432、および第3リスト部433を駆動する。すなわち、各リンク体を回転駆動させるモータの駆動を制御する。
【0045】
また、制御部5は、図3に示すように、第1比較部51と、第2比較部52と、判定部53と、指令部54とを備えている。この指令部54は、記憶部に記憶されたプログラムに基づいて、例えば第2のモータ31へ指令信号を出力する。このとき、制御部5では、エンコーダ71から送信される第1の情報に基づくフィードバック制御を行う。
【0046】
また、第1比較部51は、エンコーダ71から受信した第1の情報と、第2のモータ31に対する指令信号に対応する期待値とを比較する。第2比較部52は、加速度センサ72から受信した第2の情報と、指令信号に対応する期待値とを比較する。判定部53は、第1比較部51および第2比較部52の各比較結果に基づいて、エンコーダ71および加速度センサ72の少なくとも一方の動作状態を判断する。
【0047】
例えば、第1アーム41を駆動させる場合、制御部5は、第2のモータ31を駆動するための指令信号を出力する。そして、かかる指令信号を受けて駆動した第2のモータ31の回転状態を、制御部5は、エンコーダ71が検出した第2のモータ31の回転角度に基づく第1の情報、すなわちエンコーダ71からの受信信号から判断する。
【0048】
本実施形態における制御部5では、このときの判断を、第1比較部51に予め格納された第1比較テーブルを用いて行う。
【0049】
すなわち、第1比較テーブルに、指令信号に基づいて第2のモータ31が正常に回転駆動した場合、エンコーダ71が検出して制御部5に対して出力されるはずのデータを、指令信号に対応付けられた期待値として記憶させておく。
【0050】
制御部5は、エンコーダ71から実際に出力されてきた受信信号により得た第1の情報と第1比較テーブルの期待値とを比較する。そして、制御部5は、所定の誤差範囲内であれば、正常を示すフラグを所定の記憶領域に格納し、所定の誤差範囲から逸脱している場合は、異常を示すフラグを所定の記憶領域に格納する。
【0051】
一方、第2比較テーブルには、指令信号に基づいて第2のモータ31が正常に回転駆動した場合、加速度センサ72が検出して制御部5に対して出力されるはずの第1アーム41の動作結果を示すデータを、指令信号に対応付けられた期待値として記憶させておく。
【0052】
制御部5は、加速度センサ72から実際に出力されてきた受信信号により得た第2の情報と第2比較テーブルの期待値とを比較する。そして、制御部5は、所定の誤差範囲内であれば、正常を示すフラグを所定の記憶領域に格納し、所定の誤差範囲から逸脱している場合は、異常を示すフラグを所定の記憶領域に格納する。
【0053】
こうして、制御部5は、第1比較テーブルを用いて得た、エンコーダ71を介した比較結果と、第2比較テーブルを用いて得た、加速度センサ72を介して得た比較結果とを付き合わせて比較する。そして、その比較した結果から、少なくともエンコーダ71に異常があるか否かをより正確に判断することが可能となる。
【0054】
このように、制御部5は、エンコーダ71の出力に基づいて第1アーム41の動作制御を行っているが、エンコーダ71からの出力値に基づいて動作制御される第1アーム41の実際の動作結果を、エンコーダ71とは異なる方式で検出している。
【0055】
したがって、エンコーダ71および加速度センサ72のいずれか一方、または双方に異常があった場合、かかる異常を効果的に検出することができる。そのため、異常を検出した場合、第1アーム41の駆動を停止するなど、適切な対応が可能となる。
【0056】
すなわち、制御部5は、第2のモータ31の駆動状況を二重で監視することになり、人共存型のロボットとしての信頼性をより向上させることができる。
【0057】
上述してきたロボット1では、第2のセンサである加速度センサ72を、第1のセンサであるエンコーダ71を備える第2のモータ31により駆動される第1アーム41に設けていた。しかし、第2のセンサである加速度センサ72は、第2のモータ31のみならず、その他の各モータによって駆動される各リンク体にそれぞれ対応して設けることもできる。
【0058】
すなわち、第2のセンサである加速度センサ72は、胴体部3、第2アーム42、第1リスト部431、第2リスト部432、および第3リスト部433にそれぞれ設けることができる。
【0059】
このように、加速度センサ72(第2のセンサ)を各リンク体にそれぞれ対応して設ければ、どのリンク体に対応するエンコーダ71、あるいは加速度センサ72に異常があると考えられるのかが特定できる。なお、この場合、制御部5は、各モータ毎に、少なくとも、第1比較部51と第2比較部52とを対応付けて設けておくこととする。
【0060】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係るロボット1を示す説明図である。なお、本実施形態では前述してきた第1の実施形態に係るロボット1と同じ構成要素については同じ符号を用いて示し、構成要素の具体的な説明は省略する。
【0061】
図4に示すように、本実施形態に係るロボット1は、第2のセンサである加速度センサ72を、基台2に対して最先端に位置するリンク体の先端部に設けている。すなわち、軸を介して順次連結されるアーム部4の先端部をなす第3リスト部433に加速度センサ72を設けている。
【0062】
加速度センサ72を第3リスト部433に設けることにより、ロボット1の作業目的に直結するアーム部4の先端の動きが検出できる。すなわち、制御部5からの指令信号に基づいたロボット1の動作結果として、第3リスト部433の正常な動作結果を示すデータを指令信号に対応付けられた期待値とする。そして、この期待値と、実際に加速度センサ72から受信した受信信号により得た第2の情報とを比較するのである。
【0063】
本実施形態に係るロボット1によれば、第1比較部51および第2比較部52の各比較結果を付き合わせることで、複数のエンコーダ71のうちのいずれかに異常がある場合の検出を、最少個数の第2のセンサで実現することが可能となる。
【0064】
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態に係るロボット1が備える第1のセンサおよび第2のセンサの説明図である。なお、本実施形態においても、第2関節部22を例示しており、前述してきた第1、第2の実施形態と同じ構成要素については同じ符号を用いて示し、構成要素の具体的な説明は省略する。
【0065】
上述してきた実施形態では、第2のセンサを、速度センサ、加速度センサ、または歪センサのうちのいずれかとして説明した。しかし、ここでは、リンク体である第1アーム41の回転状態を検出する第2のセンサとして、第1のセンサと同じくエンコーダとしている。
【0066】
すなわち、図示するように、第2のモータ31に設けた一次側のエンコーダ71に対し、第2の減速機32の下手側に、第2のセンサとしての二次側のエンコーダ720を配設している。二次側のエンコーダ720は、第2の減速機32の出力軸323に取付けたディスク721と、ディスク721の回転量に応じて出力軸323の回転角度を検出する検出器722とを備えている。
【0067】
この場合においても、第2のモータ31の制御の基は一次側のエンコーダ71である。制御部5は、第1比較テーブルを用いて得た、一次側のエンコーダ71を介した比較結果と、第2比較テーブルを用いて得た、二次側のエンコーダ720を介して得た比較結果とを付き合わせて比較する。そして、その比較した結果から、一次側のエンコーダ71および二次側のエンコーダ720の少なくとも一方の動作状態を判断することが可能となる。
【0068】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。例えば、リンク体が単数であるものにおいても本発明を構成することがである。
【符号の説明】
【0069】
1 ロボット
2 基台
3 胴体部(リンク体)
4 アーム部
5 制御部
6 作業者
22 第2関節部
31 第2のモータ
41 第1アーム(リンク体)
42 第2アーム(リンク体)
43 リスト部
51 第1比較部
52 第2比較部
53 判定部
71 エンコーダ(第1のセンサ)
72 加速度センサ(第2のセンサ)
431 第1リスト部(リンク体)
432 第2リスト部(リンク体)
433 第3リスト部(リンク体)
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5